JP2021092615A - カラートナーセット - Google Patents

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萱森 隆成
Takanari Kayamori
隆成 萱森
史朗 平野
Shiro Hirano
史朗 平野
誠 野宮
Makoto Nomiya
誠 野宮
寛 長澤
Hiroshi Nagasawa
寛 長澤
深雪 山田
Miyuki Yamada
深雪 山田
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、カラーの重ね合わせ画像形成において低温定着性、定着分離性、UFP低減、画像の光沢メモリ、光沢ムラ抑制を実現するカラートナーセットを提供することにある。【解決手段】 記録媒体に重ね合わせ画像を形成するための静電荷像現像用カラートナーセットであって、前記カラートナーセットが、画像最表層に位置するカラートナーPと、前記記録媒体に接触するカラートナーQとを含み、前記カラートナーPおよび前記カラートナーQは、いずれも、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含み、前記カラートナーPは、エステルワックスを含み、前記カラートナーQは、エステルワックスを含んでもよく、前記カラートナーQが、エステルワックスを含む場合、前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率が、前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率よりも少ない、カラートナーセット。【選択図】なし

Description

本発明は、カラートナーセットに関する。
静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)を用いる電子写真方式の画像形成は、従来からの文書作成に代表されるモノクロプリントに加え、最近ではフルカラープリントも行える様になってきた。この様なフルカラー画像形成装置は、版を起こさずに必要枚数分のプリント物をオンデマンドに作成できるので、少量プリント発注の機会の多い軽印刷分野で主に利用される様になってきている。
ところで、トナーに求められる特性として、近年は、省エネの観点から低温定着性、顧客の観点から画像品質の向上が求められている。
それを解決する手段としては、結晶性ポリエステルやエステルワックスを使用したトナーが報告されている(例えば、特許文献1)。
特開2014−186348号公報
エステルワックスを使用すると画像表面へのワックス(離型剤とも称される場合がある)の滲み出しが過剰となるため、定着ローラーや定着ベルトなどの定着部材に付着し、この定着部材に付着したワックスが2周目の画像部分に作用して光沢メモリを引き起こすことがあることが判明した。さらに、プリントの高速化に伴いワックスが過剰溶融されると、本体中でワックスが揮発して、空気中で再結晶することにより超微小粒子(UFP;Ultra Fine Particle)の発生が多くなることが判明した。また画像定着後の記録媒体搬送ローラーへの画像通過量が圧倒的に多くなってきているため、ローラーにワックスが付着しやすくなる。すると、連続通紙時においてはローラーに付着したワックスが画像に転写してしまい、搬送ローラーのワックス付着により画像の光沢ムラが発生するといった課題が生じることが判明した。
しかし、未だ、低温定着性、定着分離性を実現するだけでなく、UFP低減、画像の光沢ムラ抑制を実現できるカラートナーセットは無い。
そこで、本発明の目的は、カラーの重ね合わせ画像形成において、低温定着性、定着分離性、UFP低減、画像の光沢メモリ、光沢ムラ抑制を実現するカラートナーセットを提供することにある。
上記の課題を解決するための一形態は、記録媒体に重ね合わせ画像を形成するための静電荷像現像用カラートナーセットであって、前記カラートナーセットが、画像最表層に位置するカラートナーPと、前記記録媒体に接触するカラートナーQとを含み、前記カラートナーPおよび前記カラートナーQは、いずれも、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含み、前記カラートナーPは、エステルワックスを含み、前記カラートナーQは、エステルワックスを含んでもよく、前記カラートナーQが、エステルワックスを含む場合、前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率が、前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率よりも少ない、カラートナーセットである。
本発明によれば、カラーの重ね合わせ画像形成において、低温定着性、定着分離性、UFP低減、画像の光沢メモリ、光沢ムラ抑制を実現するカラートナーセットを提供することができる。
本発明のカラートナーによる重ね合わせの一実施形態を示す図である。 本発明のカラートナーによる重ね合わせの一実施形態を示す図である。 光沢メモリ評価で使用した画像の説明である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、詳細に説明する。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
<カラートナーセット>
本発明の一実施形態は、記録媒体に重ね合わせ画像を形成するための静電荷像現像用カラートナーセットであって、前記カラートナーセットが、画像最表層に位置するカラートナーPと、前記記録媒体に接触するカラートナーQとを含み、前記カラートナーPおよび前記カラートナーQは、いずれも、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含み、前記カラートナーPは、エステルワックスを含み、前記カラートナーQは、エステルワックスを含んでもよく、前記カラートナーQが、エステルワックスを含む場合、前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率が、前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率よりも少ない、カラートナーセットである。かかる実施形態によれば、カラーの重ね合わせ画像形成において、低温定着性、定着分離性、UFP低減、画像の光沢メモリ、光沢ムラ抑制を実現するカラートナーセットを提供することができる。なお、定着性、定着分離性、光沢ムラは、特に、画像上のトナー付着量が多い2次色(2C)、3次色(3C)などで特に悪化傾向になるが、本発明においては2次色(2C)、3次色(3C)であっても本発明の所期の効果を奏することができる。なお、本明細書において、カラートナーを単に「トナー」、カラートナーセットを単に「トナーセット」と称する場合がある。
上述のように、本発明の一実施形態によれば、記録媒体に重ね合わせ画像を形成するための静電荷像現像用カラートナーセットが提供される。当該カラートナーセットは、カラートナーPと、カラートナーQとを含む。当該カラートナーセットを使用して、記録媒体に重ね合わせ画像を形成する際、図1に示されるように、カラートナーPは画像最表層に位置することとなり、カラートナーQは記録媒体Sに接触することとなって画像が形成される。また、本発明の一実施形態によれば、当該カラートナーセットは、カラートナーPおよびカラートナーQ以外のカラートナーを1種以上含んでもよい。例えば、カラートナーPおよびカラートナーQ以外のカラートナーを1種含む場合(それをカラートナーRと呼ぶ)、当該カラートナーセットを使用して、記録媒体に重ね合わせ画像を形成する際は、図2に示されるように、カラートナーPとカラートナーQとの間にカラートナーRが位置することとなって画像が形成される。
上述のように、前記カラートナーPおよび前記カラートナーQは、いずれも、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含んでいる。ここで、ポリエステル樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂が例示できる。本発明の一実施形態によれば、カラートナーPおよびカラートナーQ以外のカラートナーの1種以上も、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含んでいる。
(結晶性ポリエステル樹脂)
本発明の一実施形態において、カラートナーセットが、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含む。換言すれば、本発明の一実施形態において、前記カラートナーP、前記カラートナーQ、カラートナーPおよびカラートナーQ以外のカラートナーの少なくとも1種が、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含む。結晶性ポリエステルを含むトナーにおいて、離型剤としてエステルワックスを使用することで、トナー作製時、ワックス及び結晶性ポリエステル樹脂の結晶サイズが小さく、結晶サイズの均一性が高くなり、トナーに分散される。これは、特に、非晶性樹脂のマトリクス中で結晶性ポリエステル樹脂、エステルワックスが相互に作用し合って分子鎖が絡み合うことにより、結晶化速度が速くなるとともに結晶の成長が抑制されるため、トナー中で結晶性ポリエステル樹脂と離型剤は結晶サイズが小さく分散される。結晶性ポリエステル樹脂の結晶サイズが小さく、トナー中に均一に分散することによって、熱定着時に結晶性ポリエステル樹脂が速やかにワックスと相溶し、低温定着性に加えて、定着分離性に優れる。なお、結晶性ポリエステル樹脂が含まれない場合でも、低温定着性、定着分離性、UFP低減、画像の光沢メモリ、光沢ムラ抑制を実現するカラートナーセットを得ることはできるが、含まない場合と比べてその効果(特に、低温定着性、定着分離性の効果)が劣ってしまう場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との重縮合反応によって合成される単重合体であってもよい。あるいは、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との重縮合反応によって合成される結晶性ポリエステル樹脂ユニットと、ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットとが共重合したハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂としてもよく、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂ユニットからなる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂が挙げられる。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール(例えば、1,6−ヘキサンジオール)、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの2価のアルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミンなどの3価以上のポリオール、及びこれらのエステル化合物、ヒドロキシカルボン酸誘導体などを挙げることができる。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、メサコン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p′−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸などの2価のカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸などの3価以上のカルボン酸、及びこれらのアルキルエステル、酸無水物、酸塩化物などを挙げることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の形成方法は特に制限されず、公知のエステル化触媒を利用して、上記多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分を重縮合する(エステル化する)ことにより形成することができる。
上記の多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との使用比率としては、多価カルボン酸成分のカルボキシ基に対する多価アルコール成分のヒドロキシ基の当量比を、1.5/1〜1/1.5の範囲内とすることが好ましく、1.2/1〜1/1.2の範囲内とすることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、アミン化合物等が挙げられる。
具体的には、スズ化合物としては、酸化ジブチルスズ、オクチル酸スズ、ジオクチル酸スズ、これらの塩等などを挙げることができる。
チタン化合物としては、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド、ポリヒドロキシチタンステアレートなどのチタンアシレート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどのチタンキレートなどを挙げることができる。
ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。
アルミニウム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシド、トリブチルアルミネートなどを挙げることができる。
これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合温度や重合時間は特に限定されるものではなく、重合中には必要に応じて反応系内を減圧してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが共重合したハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂である場合、結晶性ポリエステル樹脂ユニットの含有率は、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の全量に対して50質量%以上98質量%未満であることが好ましい。上記範囲とすることにより、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂に十分な結晶性を付与することができる。なお、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂中の各ユニットの構成成分及び含有率は、例えば、NMR測定、メチル化反応P−GC/MS測定により特定することができる。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとを含むものであれば、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれの形態であってもよいが、グラフト共重合体であると好ましい。グラフト共重合体とすることにより、結晶性ポリエステル樹脂ユニットの配向を制御しやすくなり、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂に十分な結晶性を付与することができる。
また、結晶性ポリエステル樹脂ユニットが、結晶性ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットを主鎖として、グラフト化されていることが好ましい。すなわち、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂が、主鎖としてポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットを有し、側鎖として結晶性ポリエステル樹脂ユニットを有するグラフト共重合体であることが好ましい。
上記形態とすることにより、結晶性ポリエステル樹脂ユニットの配向をより高めることができ、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を向上させることができる。
なお、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂には、更に、スルホン酸基、カルボキシ基、ウレタン基などの置換基が導入されていてもよい。上記置換基の導入は、結晶性ポリエステル樹脂ユニット中でもよいし、以下で詳説するポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット中であってもよい。
(非晶性ポリエステル樹脂)
本発明の一実施形態においてポリエステル樹脂として非晶性ポリエステル樹脂を含んでもよい。
非晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂のうち、示差走査熱量測定(DSC)において、明確な融解ピークを示さないものをいう。ここで、明確な融解ピークとは、具体的には、示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/minで測定した際に、融解ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
多価カルボン酸とは、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する化合物である。
非晶性ポリエステル樹脂を形成するための多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸などの3価以上の多価カルボン酸などを挙げることができる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコールとは、1分子中に水酸基を2個以上含有する化合物である。
非晶性ポリエステル樹脂を形成するための多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどの脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類、およびこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物;グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミンなどの3価以上のポリオールなどを挙げることができる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(スチレン・アクリル樹脂)
スチレン・アクリル樹脂は高温時の弾性率を高く維持させることが可能なため、定着分離性に効果がある。そこで、本発明の一実施形態において、カラートナーセットが、結着樹脂として、スチレン・アクリル樹脂を含む。本発明の一実施形態によれば、前記カラートナーP、前記カラートナーQ、カラートナーPおよびカラートナーQ以外のカラートナーの少なくとも1種が、結着樹脂として、スチレン・アクリル樹脂を含む。スチレン・アクリル樹脂を含まない場合でも、低温定着性、定着分離性、UFP低減、画像の光沢メモリ、光沢ムラ抑制を実現するカラートナーセットを得ることはできるが、含まない場合と比べてその効果(特に、低温定着性、定着分離性の効果)が劣ってしまう場合がある。なお、本発明の一実施形態によれば、カラートナーセットは、結着樹脂として、スチレン・アクリル樹脂以外のビニル基を有する単量体を用いて形成される樹脂(例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂)を含んでもよい。
ビニル単量体としては、以下のものが挙げられる。
(1)スチレン系単量体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン及びこれらの誘導体など。
(2)(メタ)アクリル酸エステル系単量体
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの誘導体など。
(3)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
(4)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
(5)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
(6)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
(7)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体など。
上記ビニル単量体は、1種単独で、又は2種以上を組み合せて使用することができる。
また、ビニル単量体としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などのイオン性解離基を有する単量体を用いることが好ましい。具体的には、以下のものが挙げられる。
カルボキシ基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。
スルホン酸基を有する単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。
リン酸基を有する単量体としては、アシドホスホオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、ビニル単量体として多官能性ビニル類を使用し、ビニル重合体を架橋構造を有するものとすることもできる。
多官能性ビニル類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
(エステルワックス)
本発明の一実施形態において、前記カラートナーPは、エステルワックスを含み、前記カラートナーQは、エステルワックスを含んでもよく、前記カラートナーQが、エステルワックスを含む場合、前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率が、前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率よりも少ない。ここで、エステルワックスとは、少なくともエステル構造を含んでいるワックスを意味する。エステルワックスはポリエステル樹脂と類似の構造を有するため、両者は親和性に優れトナー中に良好に分散し、定着時には互いが溶解し合うので低温定着性にも寄与する。
本発明の一実施形態において、エステルワックスとしては、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。
本発明の一実施形態において、エステルとしては、モノエステル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルのいずれをも用いることができ、例えば、下記一般式(1)〜(3)で表される構造を有する高級脂肪酸及び高級アルコールのエステル類、下記一般式(4)で表される構造を有するトリメチロールプロパントリエステル類、下記一般式(5)で表される構造を有するグリセリントリエステル類、下記一般式(6)で表される構造を有するペンタエリスリトールテトラエステル類などを挙げることができる。
一般式(1) R−COO−R
一般式(2) R−COO−(CH−OCO−R
一般式(3) R−OCO−(CH−COO−R
一般式(1)〜(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、置換又は無置換の炭素数13〜30の炭化水素基を表す。R及びRは、同一であっても、異なっていてもよい。nは、1〜30の整数を表す。
及びRは、炭素数13〜30の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数17〜22の炭化水素基である。
nは、1〜30の整数を表すが、好ましくは1〜12の整数を表す。
Figure 2021092615
一般式(4)中、R〜Rは、それぞれ独立に、置換又は無置換の炭素数13〜30の炭化水素基を表す。R〜Rは、同一であっても、異なっていてもよい。
〜Rは、炭素数13〜30の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数17〜22の炭化水素基である。
Figure 2021092615
一般式(5)中、R〜Rは、それぞれ独立に、置換又は無置換の炭素数13〜30の炭化水素基を表す。R〜Rは、同一であっても、異なっていてもよい。
〜Rは、炭素数13〜30の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数17〜22の炭化水素基である。
Figure 2021092615
一般式(6)中、R〜Rは、それぞれ独立に、置換又は無置換の炭素数13〜30の炭化水素基を表す。R〜Rは、同一であっても、異なっていてもよい。
〜Rは、炭素数13〜30の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数17〜22の炭化水素基である。
〜Rが有してもよい置換基としては、本発明の効果を阻害しない範囲において特に限定されず、例えば、直鎖又は分岐アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基、非芳香族複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、チオール基、シリル基、重水素原子等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される構造を有するモノエステルの具体例としては、例えば、以下の式(1−1)〜(1−8)で表される構造を有する化合物を例示することができる。
式(1−1) CH−(CH12−COO−(CH13−CH
式(1−2) CH−(CH14−COO−(CH15−CH
式(1−3) CH−(CH16−COO−(CH17−CH
式(1−4) CH−(CH16−COO−(CH21−CH
式(1−5) CH−(CH20−COO−(CH17−CH
式(1−6) CH−(CH20−COO−(CH21−CH
式(1−7) CH−(CH25−COO−(CH25−CH
式(1−8) CH−(CH28−COO−(CH29−CH
上記一般式(2)及び一般式(3)で表される構造を有するジエステルの具体例としては、例えば、以下の式(2−1)〜(2−7)、及び式(3−1)〜(3−3)で表される構造を有する化合物を例示することができる。
式(2−1) CH−(CH20−COO−(CH−OCO−(CH20−CH
式(2−2) CH−(CH18−COO−(CH−OCO−(CH18−CH
式(2−3) CH−(CH20−COO−(CH−OCO−(CH20−CH
式(2−4) CH−(CH22−COO−(CH−OCO−(CH22−CH
式(2−5) CH−(CH16−COO−(CH−OCO−(CH16−CH
式(2−6) CH−(CH26−COO−(CH−OCO−(CH26−CH
式(2−7) CH−(CH20−COO−(CH−OCO−(CH20−CH
式(3−1) CH−(CH21−OCO−(CH−COO−(CH21−CH
式(3−2) CH−(CH23−OCO−(CH−COO−(CH23−CH
式(3−3) CH−(CH19−OCO−(CH−COO−(CH19−CH
上記一般式(4)で表される構造を有するトリエステルの具体例としては、例えば、以下の式(4−1)〜(4−6)で表される構造を有する化合物を例示することができる。
Figure 2021092615
上記一般式(5)で表される構造を有するトリエステルの具体例としては、例えば、以下の式(5−1)〜(5−6)で表される構造を有する化合物を例示することができる。
Figure 2021092615
上記一般式(6)で表される構造を有するテトラエステルの具体例としては、例えば、以下の式(6−1)〜(6−5)で表される構造を有する化合物を例示することができる。
Figure 2021092615
また、上記エステルワックスは、一つの分子内にモノエステル構造、ジエステル構造、トリエステル構造及びテトラエステル構造の複数が保有された構造のものであってもよい。
本発明の一実施形態において、前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率が、1〜25質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。ここでカラートナーPにおけるエステルワックス含有比率とは、画像表層のカラートナー(つまりカラートナーP)を構成する固形分の質量に対する、エステルワックスの固形分質量を意味し、具体的な計算方法は実施例にて説明する。前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率が少なすぎると、光沢メモリ、定着分離性が悪化する虞がある。一方、前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率が過度に多すぎると、UFPや定着後の搬送量ローラーへのワックス付着が過剰となり画像を悪化させる(光沢ムラの発生の)虞がある。
本発明の一実施形態において、カラートナーセットにおいてエステルワックスがカラートナーPにのみに含まれる。定着分離性、光沢ムラの結果は、画像表層のトナー(最上位のトナー)のワックス染み出し量に大きく依存するものと考えるため、最上位に現像されるトナーにワックスを染み出させる機能を持たせればよい。
本発明の一実施形態において、前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率が、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。ここでカラートナーQにおけるエステルワックス含有比率とは、記録媒体に接触しているカラートナー(カラートナーQ)を構成する固形分の質量に対するエステルワックスの固形分質量を意味するが、具体的な計算方法は実施例にて説明する。記録媒体と接するトナー(カラートナーQ)から染み出したワックスは、画像表層に染み出る場合もあるが、紙との界面に染み出すことが多い。その影響により紙との接着性を悪化させる傾向にある。従ってトナーから染み出しやすいエステルワックスは紙に接する側のトナーには多く使用しない方が好ましくそれによって紙との接着性の低下による定着性が悪化を防ぐ。
本発明の一実施形態において、カラートナーQは、エステルワックスを含まない。定着性は記録媒体(例えば紙)と接しているトナーの性能に依存すると考えられる。
本発明の一実施形態において、前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率は、0質量%超であっても、5質量%以上であっても、10質量%以上であってもよい。かかる実施形態であっても、低温定着性、定着分離性、UFP低減、画像の光沢メモリ、光沢ムラ抑制を実現するカラートナーセットを得ることができる。また、他色トナーとの溶融性が向上し色再現性が向上するとの技術的効果がある。
本発明の一実施形態において、カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率に対する、カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率は、0〜40%が好ましく、0〜30%がより好ましく、0〜10%がさらに好ましい。
本発明の一実施形態において、カラートナーPにおけるエステルワックスの含有比率が、カラートナーQ以外の任意の他のカラートナーにおけるエステルワックスの含有比率よりも多い。その際、カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率に対する、当該任意の他のカラートナーにおけるワックス含有比率は、0〜80%が好ましく、0〜50%がより好ましく、0〜25%がさらに好ましい。カラートナーの重ね合わせ画像において最上層にあるトナーのエステルワックス含有比率が最も多いと定着性、分離性、光沢ムラを良好にする。
本発明の一実施形態において、総エステルワックス含有比率合計が、3〜35質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、5〜25質量%であることが好ましい。ここで総エステルワックス含有比率合計とは、カラートナーセットを構成する、各カラートナーを構成する固形分の質量に対するエステルワックスの固形分質量を合計したものである。具体的な計算方法は実施例にて説明する。前記総エステルワックス含有比率合計は多くても少なくても、低温定着性、定着分離性、UFP低減、画像の光沢メモリ、光沢ムラ抑制を実現するカラートナーセットを得ることはできるが、少なすぎると光沢メモリ、定着分離性が悪化する。多すぎるとUFPや定着後の搬送量ローラーへのワックス付着が過剰となり画像を悪化させる(光沢ムラ)虞がある。また、低温定着性が悪化する虞がある。
(エステルワックス以外のワックス)
本発明の一実施形態において、前記カラートナーセットは、エステルワックス以外のワックスを含んでもよい。換言すれば、本発明の一実施形態において、カラートナーP、カラートナーQ、カラートナーPおよびカラートナーQ以外の他のカラートナーの少なくとも1種が、エステルワックス以外のワックスを含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記カラートナーセットが、エステルワックス以外のワックスを含む場合、当該エステルワックス以外のワックスは、炭化水素ワックスである。本発明の一実施形態において、炭化水素ワックスは、カラートナーにおける結着樹脂との相溶性が低いため、染み出たワックスが画像表層へ移動することが困難であり、また染み出し量も少ないため記録媒体の接着性の低下を抑制する。
本発明の一実施形態において、カラートナーPにおける、エステルワックスと、炭化水素ワックスとの質量比は、60〜100:0〜40が好ましく、70〜100:0〜30がより好ましく、80〜100:0〜20がさらに好ましい(実施例:95〜100:0〜5)。かかる実施形態によれば、エステルワックスをより多く使用することによって、画像光沢度を向上させて高品位な画像を得ることが可能との技術的効果がある。
本発明の一実施形態において、カラートナーQにおける、エステルワックスと、炭化水素ワックスとの質量比は、10〜80:20〜90が好ましく、10〜50:50〜90であっても好ましく、5〜30:70〜95であっても好ましく、0〜20:80〜100であっても好ましい。かかる実施形態によれば、ワックスの紙への過剰染み出しを抑制できるとの技術的効果がある。特に、カラートナーセットが2種のカラートナーからなる場合、カラートナーQにおける、エステルワックスと、炭化水素ワックスとの質量比は、広範囲に亘って本発明の所期の効果を奏することができる。
本発明の一実施形態において、カラートナーセットが、カラートナーPおよびカラートナーQ以外のカラートナーを含む場合(例えば、カラートナーRと称する)、カラートナーRにおける、エステルワックスと、炭化水素ワックスとの質量比は、10〜80:20〜90が好ましく、10〜50:50〜90がより好ましく、5〜30:70〜95がさらに好ましく、0〜20:80〜100がよりさらに好ましい。かかる実施形態によれば、ワックスが過剰染み出すことを抑制させるとの技術的効果がある。複数のカラートナーRが含まれる場合、各カラートナーRにおける、エステルワックスと、炭化水素ワックスとの質量比は、それぞれ別の質量比であってもよい。
本発明の一実施形態において、炭化水素ワックスとしては、ポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワックスなどのポリオレフィン系ワックス、石油由来のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックスとしてフィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスなどを挙げることができる。
本発明の一実施形態において、当該エステルワックス以外のワックスが炭化水素ワックスである場合、炭化水素ワックスがパラフィンワックスを含まない。本発明の一実施形態において、前記カラートナーセットが、パラフィンワックスを含まない。かかる実施形態によれば、本発明の所期の効果をより効率的に奏することができる。本発明の一実施形態において、当該エステルワックス以外のワックスが炭化水素ワックスである場合、炭化水素ワックスがマイクロクリスタリンワックスである。かかる実施形態によって、本発明の所期の効果をより効率的に奏することができる。本発明の一実施形態において、前記カラートナーセット中のカラートナーPおよびカラートナーQ以外の少なくとも1種のカラートナーがパラフィンワックスを含んでも、含まなくてもよい。かかる実施形態によれば、本発明の所期の効果をより効率的に奏することができる。本発明の一実施形態において、当該エステルワックス以外のワックスが炭化水素ワックスである場合、炭化水素ワックスがマイクロクリスタリンワックスである。かかる実施形態によれば、本発明の所期の効果をより効率的に奏することができる。
(着色剤)
本発明の一実施形態において、カラートナーセットに含まれるカラートナー(例えば、カラートナーP、カラートナーQ、カラートナーR)は、着色剤を含む。着色剤としては、一般に知られている染料及び顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、マグネタイト、フェライトなどの磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知のものを任意に使用することができ、有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(PR)5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー(PY)14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー(PB)15:3、同60、同76などを挙げることができ、染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95などを挙げることができる。
本発明の一実施形態において、カラートナーセットにおける着色剤の少なくとも1つが、高彩度顔料である。本発明の一実施形態において、カラートナーQと;カラートナーQおよびカラートナーP以外の他のカラートナー;の少なくとも一方が、着色剤として高彩度顔料を含む。本発明の一実施形態において、カラートナーPが着色剤として高彩度顔料を含まない。ここで、高彩度顔料とは、下記の「式(1)で表される着色剤と式(2)で表される金属含有化合物とが反応した化合物」または、「一般式(1’)で表される化合物」である。
〈マゼンタ高彩度顔料〉
本発明の一実施形態において、着色剤としては、特開2016−130806号公報に開示されている高彩度顔料が好適であり、具体的に、着色剤として、式(1)で表される着色剤と式(2)で表される金属含有化合物とが反応した化合物(着色剤)が好適に使用できる。特開2016−130806号公報は、その内容が引用されて本願明細書に組み込まれている。本発明の一実施形態において、特開2016−130806号公報に開示されている式(1)で表される着色剤と式(2)で表される金属含有化合物とが反応した化合物の少なくとも一部をマゼンタ高彩度顔料としての着色剤として使用することがよい。
本発明の一実施形態において、着色剤としては、特開2016−130806号公報に記載の下記一般式(1):
Figure 2021092615
式(1)中、RxおよびRxは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Lxは、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基であり、Gxは、置換または非置換の炭素数2〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Gxは、置換または非置換の炭素数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、Gxは水素原子、ハロゲン原子、Gx−CO−NH−で表される基、またはGx−N(Gx)−CO−で表される基であり、この際、Gxは置換基であり、GxおよびGxは、それぞれ独立して、水素原子または置換基であり、Qx、Qx、Qx、Qx、およびQxは、それぞれ独立して、水素原子または置換基である、で表される着色剤と、下記一般式(2):
Figure 2021092615
式(2)中、Rは置換または非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Rは水素原子、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ニトロフェニル基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、Rは置換または非置換の炭素数9〜120の芳香族炭化水素含有基であり、Mは2価の金属元素である、で表される金属含有化合物とが反応した化合物が好適である。
[式(1)で表される着色剤と式(2)で表される金属含有化合物とが反応した化合物]
式(1)で表される着色剤(以下、「着色剤(1)」と称する場合がある)と、式(2)で表される金属含有化合物(以下、「金属含有化合物(2)」と称する場合がある)とは、1:1(モル比)で反応して、イオン性化合物を形成する。着色剤(1)と金属含有化合物(2)とは、着色剤(1):金属含有化合物(2)のモル比が1:0.7〜1.2となるように用いるのが好ましい。
以下、式(1)および式(2)で表される金属含有化合物について述べる。
(式(1)で表される着色剤)
Figure 2021092615
上記式(1)中、RxおよびRxは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−アミル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、3−メチルペンタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、4−メチルペンチル基、4−メチルペンタン−2−イル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−(n−プロピル)ブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキサン−2−イル基、2,4−ジメチルペンタン−3−イル基、1,1−ジメチルペンタン−1−イル基、2,2−ジメチルヘキサン−3−イル基、2,3−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,4−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−メチルヘプタン−2−イル基、3−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−4−イル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、n−ノニル基、1−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−(n−ブチル)ペンチル基、4−メチル−1−(n−プロピル)ペンチル基、1,5,5−トリメチルヘキシル基、1,1,5−トリメチルヘキシル基、2−メチルオクタン−3−イル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、1−エチルオクチル基、1−(n−ブチル)ヘキシル基、1,1−ジメチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、1−エチルノニル基、n−ドデシル基、1−メチルウンデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、1−メチルトリデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−tert−ブチル−シクロヘキシル基等が挙げられる。
前記アルキル基の1つ以上の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。該置換基の例としては、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アルコキシアルキレンエーテル基(例えば、メトキシエチレンエーテル基)、アルキルアミノカルボニル基(例えば、ジエチルアミノカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、ホスホリル基(例えばジメトキシホスホニル、ジフェニルホスホリル)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ基)、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ヒドロキシ基などが挙げられ、これらはさらに置換基を有していてもよい。これら置換基の中でも、芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜20)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルコキシ基(好ましくは炭素数4〜10)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシアルキレンエーテル基(好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ気および炭素数1〜10のアルキレン基)、またはアルキルアミノカルボニル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)が好ましい。
RxおよびRxは、それぞれ独立して、非置換のアルキル基、またはアルコキシ基で置換されたアルキル基が好ましく、非置換のアルキル基がより好ましい。
また、Rxで用いられるアルキル基に含まれる炭素数とRxで用いられるアルキル基に含まれる炭素数との総和は、2以上であることが好ましい。
上記式(1)中、Lxは、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基である。アルキル基の具体例は、上記Rx、Rxで用いられるアルキル基と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。また、置換基の具体例は、上記Rx、Rxで用いられうる置換基と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。Lxは、好ましくは水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基またはエチル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
上記式(1)中、Gxは、置換または非置換の炭素数2〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基である。アルキル基の具体的な例は、上記Rx、Rxで用いられるアルキル基のうち、メチル基を除いたものと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。また、置換基の具体例は、上記Rx、Rxで用いられうる置換基と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。Gxは、好ましくは分枝状のアルキル基であり、より好ましくは3級のアルキル基であり、さらに好ましくはイソプロピル基またはt−ブチル基であり、特に好ましくはt−ブチル基である。
上記式(1)中、Gxは、置換または非置換の炭素数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基である。Gxで用いられるアルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−アミル基、tert−ペンチル基、またはネオペンチル基が挙げられる。置換基の具体例は、上記Rx、Rxで用いられうる置換基と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。本発明の効果をより効果的に得るという観点から、Gxは、好ましくはメチル基またはエチル基である。
上記式(1)中、Gxは水素原子、ハロゲン原子、Gx−CO−NH−で表される基、またはGx−N(Gx)−CO−で表される基であり、この際、Gxは置換基であり、GxおよびGxは、それぞれ独立して、水素原子または置換基である。Gx、GxおよびGxで用いられる置換基の具体例としては、上記Rx、Rxで用いられうる置換基に加えて、炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基が挙げられる。Gxは、好ましくは水素原子またはジエチルアミンカルボニル基である。
上記式(1)中、Qx、Qx、Qx、Qx、およびQxは、それぞれ独立して、水素原子または置換基である。Qx、Qx、Qx、Qx、およびQxで用いられる置換基の具体例としては、上記Rx、Rxで用いられうる置換基に加えて、炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基が挙げられる。Qx、Qx、Qx、Qx、およびQxは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、またはアリール基であることが好ましく、全て水素原子であることがより好ましい。
式(1)で表される着色剤としては、下記化合物が例示できる。
Figure 2021092615
Figure 2021092615
Figure 2021092615
本発明に係る上記式(1)で表される着色剤は、例えば、特開昭63−226653号公報、特開平10−193807号公報、同11−78258号公報、同6−250357号公報、同2−155693号公報、同1−110565号公報、同2−668号公報、同2−28264号公報、同2−53865号公報、同2−53866号公報、英国特許1,252,418号明細書、特開昭64−63194号公報、特開平2−208094号公報、同3−205189号公報、同2−265791号公報、同2−310087号公報、同2−53866号公報、特開平4−91987号公報、特開昭63−205288号公報、特開平3−226750号公報、英国特許1,183,515号明細書、特開平4−190348号公報、特開昭63−113077号公報、特開平3−275767号公報、同4−13774号公報、同4−89287号公報、特開平7−175187号公報、同10−60296号公報、同11−78258号公報、特開2004−138834号公報、特開2006−350300号公報等の各公報に記載された従来公知の方法を参考にして合成することができる。
また本着色剤以外にも既存の他の着色剤を添加剤として入れても構わない。
既存の他の着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができるが、耐光性や耐水性の観点から顔料を用いることが好ましい。式(1)の着色剤以外を用いる場合、他の着色剤は、式(1)の着色剤に対して、0.5〜1.5質量倍で用いるのが好ましい。
他の着色剤としては、上記のものや、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジシンイエロー、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などの公知の顔料を使用することができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(式(2)で表される金属含有化合物)
Figure 2021092615
上記式(2)中、Rは置換または非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基である。アルキル基の具体的な例は、上記着色剤の項の式(1)中のRx、Rxで用いられるアルキル基と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
上記アルキル基の1つ以上の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。該置換基の例としては、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、4−オクチルオキシベンゼン等)、複素アリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子等)などが挙げられ、これらの基はさらに同様の基で置換されていてもよい。
として、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記式(2)中、Rは水素原子、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ニトロフェニル基、ハロゲン原子、またはシアノ基である。
さらに具体的には、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェニルカルボニル基などのアリールカルボニル基;フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基等のアルキルスルホニルアミノ基、およびフェニルアミノスルホニル基、3−メチル−4−ドデシルオキシ−5−t−ブチルフェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等のアリールスルホニルアミノ基のスルファモイル基;メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等のスルフィニル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等のアルキルスルホニル基;フェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等のアリールスルホニル基;アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等のアシル基;ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子等)、シアノ基などが挙げられる。
として好ましくはアルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜10)、アリールカルボニル基(好ましくは炭素数2〜10)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数7〜10)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜10)、アシル基(好ましくは炭素数2〜10)、シアノ基であり、より好ましくはアルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜10、アシル基(好ましくは炭素数2〜10、シアノ基であり、さらに好ましくはシアノ基である。
上記式(2)中、Rは置換または非置換の炭素数9〜120の芳香族炭化水素含有基である。
ここで、炭素数9〜120の芳香族炭化水素含有基とは、R中の炭素数の合計が9〜120であり、かつ、Rの中の任意の位置に芳香族炭化水素構造を含有している基を指す。芳香族炭化水素構造の例としては、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)であり、例えば、芳香族炭化水素構造がフェニル基の場合、さらに、炭素数が3以上の任意の置換基とともにRを形成することになる。この場合、炭素数が1の置換基を3つ以上有してもよく、炭素数が1の置換基と炭素数が2の置換基をそれぞれ1つ以上有していてもよい。R中の炭素数の合計は、9〜40であることが好ましく、12〜40であることがより好ましく、14〜30であることがさらに好ましい。
として好ましくは、下記式(3)で表される基である。
Figure 2021092615
上記式(3)中、Lは、炭素数1〜15の直鎖状または分枝状のアルキレン基、−SOO−、−OSO−、−SO−、−CO−、−O−、−S−、−SONH−、−NHSO−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、および−OOC−から選択される2価の連結基を単独または複数組み合わせてできる基を表し、*において、一般式(2)のRに隣接する酸素原子と結合する。
炭素数1〜15の直鎖状または分枝状のアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基等が挙げられる。
Lは、置換基を有してもよく、置換基としては上記一般式(2)のRで用いられる置換基と同様の基をあげることができる。
Lで表される2価の連結基として、好ましくはアルキレン基、またはアルキレン基を含む基である。アルキレン基を含む基とは、Lで表される2価の連結基中に任意の位置にアルキレン基を含んでいればよく、具体的にはアルキレン基と、−SOO−、−OSO−、−SO−、−CO−、−O−、−S−、−SONH−、−NHSO−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、および−OOC−から選択される2価の連結基を1つ、または複数組み合わせてできる基のことである。
Lは、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、−R−O−基、−R−CO−基、−R−NHCO−基、−R−SO−基、−R−COS−基、−NH−SO−基、−NH−SO−R−基、または−R−O−R−O−R−基であり、この際、−R−は炭素数1〜10のアルキレン基である。
は、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)を表す。以下に、Lで表される2価の連結基の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。Lは、*において、上記一般式(2)のRに隣接する酸素原子、またはRと結合する。
およびRは、置換基を有してもよく、置換基の例としては、上記一般式(2)のRで用いられる置換基と同様の基を挙げることができる。
L、RおよびRに置換する好ましい置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルキルアミノカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基であり、さらに好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミド基である。
として、好ましくはフェニル基であり、より好ましくは置換基を有するフェニル基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、またはアミド基を有するフェニル基であり、特に好ましくはアルキル基、アルコキシ基を有するフェニル基である。
としてより好ましくは、下記一般式(3−1)または(3−2)で表される基である。
Figure 2021092615
上記一般式(3−1)および(3−2)において、Lおよび*は、上記一般式(3)中のLと*と同義の基を表し、Xは、それぞれ独立して、−O−、−NHCO−、または−COO−であり、Rは炭素数1〜30の直鎖状または分枝状のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。
は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。Rは置換基を有してもよく、置換基としては上記一般式(2)のRで用いられる置換基と同義の基をあげることができる。Rは直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素原子および水素原子のみからなることがより好ましい。
nは、好ましくは0または1である。
Lは、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、−R−O−基、−R−CO−基、−R−NHCO−基、−R−SO−基、−R−COS−基、−NH−SO−基、−NH−SO−R−基、または−R−O−R−O−R−基であり、この際、−Rは炭素数1〜10のアルキレン基である。より好ましくは、Lは、炭素数1〜6のアルキレン基、または−R−O−基(この際、Rは好ましくは炭素数1〜5である)である。
上記式(2)中、Mは2価の金属元素である。2価の金属としては、鉄、マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム、錫等が挙げられる。式(1)で表される着色剤との反応性の観点から、Mは、好ましくは、マグネシウム、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、鉄、バナジル、チタニル、塩化錫(II)であり、より好ましくはマグネシウム、銅であり、さらに好ましくは銅(Cu)である。
また、本発明に用いられる金属含有化合物は中心金属に応じて中性の配位子を有してもよく、代表的な配位子としては、HOまたはNHが挙げられる。
金属含有化合物(2)としては、下記の構造が例示される。
Figure 2021092615
Figure 2021092615
Figure 2021092615
Figure 2021092615
これら金属含有化合物は、単独でもまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。金属含有化合物の含有量は、各カラートナー全体に対して1〜15質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%がより好ましい。
金属含有化合物(2)は、下記式(2−1)で表される原料化合物に対して、2価の金属化合物を反応させることにより合成したものであることが好ましい。使用される2価の金属化合物としては、塩化金属(II)、酢酸金属(II)、過塩素酸金属などが挙げられる。下記式(2−1)におけるR、RおよびRは、式(2)におけるR、RおよびRと同様である。
このような特定の金属含有化合物の合成方法は、「キレート化学(5)錯体化学実験法[I](南江堂編)」などに記載の方法に準じて合成することができる。
Figure 2021092615
ここで、本発明の第1実施形態の静電荷像現像用トナーにおいては、式(1)で表される着色剤と式(2)で表される金属含有化合物とが反応した化合物が含有される。
式(1)で表される着色剤と式(2)で表される金属含有化合物との反応条件としては、特に制限されず、式(1)で表される着色剤および式(2)で表される金属含有化合物を溶媒中で混合し、例えば、好ましくは50〜95℃、より好ましくは60〜90℃で、さらに好ましくは75〜87℃、好ましくは5〜250分、より好ましくは10〜60分、さらに好ましくは15〜30分の間、撹拌することで反応化合物を得ることができる。具体的には、例えば、着色剤の分散液(着色剤微粒子分散液)、または着色剤を含む樹脂微粒子分散液もしくはワックス含有樹脂微粒子分散液等の着色剤を含む分散液に金属含有化合物の分散液(金属含有化合物微粒子分散液)を添加することで分散液はいったん白濁するが、撹拌により分散液(上澄み液)が透明になる。これにより、式(1)で表される着色剤と式(2)で表される金属含有化合物との反応が終了し、反応化合物が形成されたとみなされる。当該反応において用いられる溶媒としては、トナーを調製するときに用いられる溶媒を用いることが好ましく、具体的な溶媒としてはトナーの調製方法の項で述べられるものである。
(シアン高彩度顔料)
本発明の一実施形態において、着色剤として、特開2018−21968号公報に開示されている着色剤が好適である。なお、特開2018−21968号公報はその内容が引用されて本願明細書に組み込まれている。本発明の一実施形態において、特開2018−21968号公報に開示されている着色剤の少なくとも一部をシアン高彩度顔料として使用することがよい。
上述のように、本発明の一実施形態において、着色剤として、特開2018−21968号公報に記載の下記一般式(1’)で表される化合物が好適である。
Figure 2021092615
(一般式(1’)において、Mはケイ素原子、ゲルマニウム原子、コバルト原子または亜鉛原子のいずれかを示し、Ra、Ra、RaおよびRaは各々独立して電子吸引性置換基を示し、na1、na2、na3およびna4は各々独立して0〜4の整数を示し、ZおよびZは各々独立して炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または、下記一般式(2’)で示される基を示す。)
Figure 2021092615
(一般式(2’)において、R、RおよびRは、各々独立して炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアルコキシ基を示す。)
上述のように、本発明の一実施形態において、着色剤は、下記の一般式(1’)で表される軸配位子を有するポリテトアザポルフィン構造のフタロシアニン化合物を含む。
Figure 2021092615
一般式(1’)で表される化合物を着色剤として用いたトナーは、軸配位子を有さないフタロシアニン化合物を着色剤に用いたトナーに比べて、より良好な分離性が発現される。これは、一般式(1’)の化合物が嵩高い置換基(ZおよびZ)を有するため、トナー母体粒子中や定着画像中で着色剤が均一に分散しやすくなり、かつトナー中のワックス(離型剤)が定着時に染み出しやすくなるため、分離性がより向上するものと推測される。
前述したように、一般式(1’)において、Mは、ケイ素原子(Si)、ゲルマニウム原子(Ge)、コバルト原子(Co)または亜鉛原子(Zn)のいずれかを示す。Mは、形成された画像の色味が優れている観点から、ケイ素原子(Si)であることが好ましい。
前述したように、Ra、Ra、RaおよびRaは、各々独立して電子吸引性置換基を示す。電子吸引性置換基の例には、クロロ基(−Cl)、塩ハロゲン化メチル基(−CClX)、トリフルオロメチル基(−CF)、ニトロ基(−NO)などが含まれる。なお、塩ハロゲン化メチル基(−CClX)における「X」は、ハロゲン原子を示す。
前述したように、一般式(1’)において、na1、na2、na3およびna4は、各々独立して0〜4の整数を示す。na1、na2、na3およびna4が0〜4の整数であれば、着色剤として所望の色域を網羅できる。
前述したように、一般式(1’)において、ZおよびZは、各々独立して炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または、下記一般式(2’)で示される基を示す。ZおよびZは、合成の容易性および分子の嵩を高くする観点から、一般式(2’)で示される基であることが好ましく、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基であることがより好ましい。
Figure 2021092615
前述したように、一般式(2’)において、R、RおよびRは、各々独立して炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアルコキシ基を示す。R、RおよびRは、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アルコキシ基であることが好ましく、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基であることがより好ましい。
着色剤は、一般式(1’)で表される化合物を単独で使用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。また、上記着色剤に公知の着色剤を併用してもよい。特に、一般式(1’)で表される化合物は、高い分子吸光性を有するため、従来よりも少ない添加量で良好な色再現性を発現する。また、着色剤中において一般式(1’)で表される化合物の割合は、機能を発揮できる程度に配合されていれば特に限定されない。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(外添剤)
カラートナーセットにおけるカラートナーのうち、結着樹脂、ワックスおよび着色剤にて構成されている要素を、トナー母体粒子とも呼ぶ。トナー母体粒子は、そのままで静電荷像現像用カラートナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー母体粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加してもよい。後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などの無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これら無機微粒子は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、光沢処理が行われていることが好ましい。これら無機微粒子は、疎水化処理が行われていると好ましい。
後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤の数平均一次粒子径は、80〜50nmが好ましく、30〜10nmがより好ましい。数平均一次粒子径の測定方法は、以下のような方法で測定することができる。シリカ粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子株式会社製)を用いて撮影した写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置LUZEXAP(ニレコ製)を用いて該写真画像の外添剤粒子(シリカ粒子)について2値化処理する。そして、シリカ粒子100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を個数平均一次粒子径とする。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー母体粒子100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜3質量部の範囲内であることがより好ましい。
(現像剤)
本発明の静電荷像現像用カラートナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散した分散型キャリア等用いてもよい。キャリアの体積基準のメジアン径(d50)としては、20〜100μmの範囲内であることが好ましく、25〜80μmの範囲内であることがより好ましい。キャリアの体積基準のメジアン径(d50)は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
<カラートナーセットの製造方法>
本発明の一実施形態において、カラートナーセットの製造方法が提供される。カラートナーセットは、複数のカラートナーの組み合わせである。つまり、各カラートナーを作製してそれを組み合わせることによってカラートナーセットとすることができる。各カラートナーの製造方法については、前記カラートナーPおよび前記カラートナーQに、いずれも、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含ませ、前記カラートナーPには、エステルワックスを含ませ、前記カラートナーQには、任意に、エステルワックスを含ませ、前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率を、前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率よりも少なくしさえすれば、従来公知のトナーの製法方法を参照することによって作製することができる。以下に好ましい製造方法の実施形態を説明するが下記に限定されない。
本発明のカラートナー(単にトナーとも称する場合がある)の製造方法としては、特に限定されず、例えば、粉砕法、乳化分散法、懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、その他の公知の方法などが挙げられる。特に、製造コストおよび製造安定性の観点から、乳化重合凝集法が好ましい。
乳化重合凝集法による本発明のトナーの製造方法は、水系媒体中に結着樹脂の微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう。)が分散されてなる水系分散液と、着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)の水系分散液とを混合し、結着樹脂微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させることによりトナー母体粒子を形成しトナーを作製する方法である。
結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよく、このような構成の結着樹脂微粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った重合処理(第1段重合)によって樹脂微粒子の分散液を調整し、この分散液に重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法によって得ることができる。場合によって第3段重合を行ってもよい。
ここに、「水系分散液」とは、水系媒体中に、分散体(粒子)が分散されてなるものであり、水系媒体とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
本発明のトナーの製造方法の乳化重合凝集法による一例を具体的に示すと、
(a)水系媒体中に非晶性樹脂の微粒子(以下、「非晶性樹脂微粒子」ともいう。)が分散されてなる水系分散液を調製する工程、
(b)水系媒体中に結晶性ポリエステル樹脂の微粒子(以下、「結晶性ポリエステル樹脂微粒子」ともいう。)が分散されてなる水系分散液を調製する工程、
(c)水系媒体中に着色剤微粒子が分散されてなる水系分散液を調製する工程、
(d)水系媒体中において、非晶性樹脂微粒子、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および着色剤微粒子を凝集、融着させて会合粒子を形成する工程、
(e)会合粒子を熱エネルギーにより熟成させて形状を制御し、トナー母体粒子を得る工程、
(f)トナー母体粒子の分散液を冷却する工程、
(g)水系媒体からトナー母体粒子を濾別し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する工程、
(h)洗浄されたトナー母体粒子を乾燥する工程、
などの工程からなり、必要に応じて、
(i)乾燥されたトナー母体粒子に外添剤を添加する工程
を加えることができる。
(a)非晶性樹脂微粒子の水系分散液の調製工程
この工程においては、非晶性樹脂による非晶性樹脂微粒子の水系分散液が調製される。
非晶性樹脂微粒子の水系分散液は、例えば非晶性樹脂がスチレン・アクリル共重合体樹脂などのビニル樹脂である場合においては、非晶性樹脂を得るためのビニル単量体を使用してミニエマルション重合法によって調製することができる。すなわち、例えば界面活性剤を含有した水系媒体中にビニル単量体を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで、水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。なお、前記液滴中に油溶性の重合開始剤が含有されていてもよい。
[界面活性剤]
この工程において使用される界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
[重合開始剤]
この工程において使用される重合開始剤は、従来公知の種々のものを用いることができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなど)が好ましく用いられる。その他、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物、アゾビスイソブチロニトリルなどを用いてもよい。
[連鎖移動剤]
この工程においては、非晶性樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネートなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
また、非晶性樹脂微粒子の水系分散液は、例えば非晶性樹脂が非晶性ポリエステル樹脂である場合においては、非晶性ポリエステル樹脂を合成し、この非晶性ポリエステル樹脂を水系媒体中に微粒子状に分散することによって調製することができる。具体的には、非晶性ポリエステル樹脂を有機溶媒中に溶解または分散させて油相液を調製し、油相液を、転相乳化などによって水系媒体中に分散させて、所望の粒径に制御された状態の油滴を形成させた後、有機溶媒を除去することにより調製することができる。
水系媒体の使用量は、油相液100質量部に対して、50〜2,000質量部であることが好ましく、100〜1,000質量部であることがより好ましい。
水系媒体中には、油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤などが添加されていてもよい。界面活性剤としては、上記の工程に挙げたものと同様のものを挙げることができる。
油相液の調製に使用される有機溶媒としては、油滴の形成後の除去処理が容易である観点から、沸点が低く、かつ、水への溶解性が低いものが好ましく、具体的には、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。有機溶媒の使用量は、非晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して、通常1〜300質量部である。
油相液の乳化分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができる。
本発明に係るトナー母体粒子中には、特定のワックスが含有されているが、この特定のワックスは、例えば、この工程において、予め、ビニル樹脂を形成するためのビニル単量体の溶液または非晶性ポリエステル樹脂の油相液に、溶解または分散させておくことによってトナー母体粒子中に導入することができる。
また、離型剤は、別途離型剤のみよりなる離型剤微粒子の分散液を調製し、凝集・融着工程において非晶性樹脂微粒子、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および着色剤微粒子と共に当該離型剤微粒子を凝集させることにより、トナー母体粒子中に導入することもできるが、この工程において予め導入しておく方法を採用することが好ましい。
また、本発明に係るトナー母体粒子中には、必要に応じて例えば荷電制御剤などの他の内添剤が含有されていてもよく、このような内添剤は、例えば、この工程において、予め、非晶性樹脂を形成するためのビニル単量体溶液(または非晶性ポリエステル樹脂の油相液)に溶解または分散させておくことによってトナー母体粒子中に導入することができる。
このような内添剤は、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、凝集・融着工程において非晶性樹脂微粒子、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および着色剤微粒子と共に当該内添剤微粒子を凝集させることにより、トナー母体粒子中に導入することもできるが、この工程において予め導入しておく方法を採用することが好ましい。
非晶性樹脂微粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で100〜400nmの範囲にあることが好ましい。
本発明において、非晶性樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて測定される値である。
(b)結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液の調製工程
この工程においては、結晶性ポリエステル樹脂による結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液が調製される。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液は、結晶性ポリエステル樹脂を合成し、この結晶性ポリエステル樹脂を水系媒体中に微粒子状に分散することによって調製することができる。具体的には、結晶性ポリエステル樹脂を有機溶媒中に溶解または分散させて油相液を調製し、油相液を、転相乳化などによって水系媒体中に分散させて、所望の粒径に制御された状態の油滴を形成させた後、有機溶媒を除去することにより調製することができる。
水系媒体の使用量は、油相液100質量部に対して、50〜2,000質量部であることが好ましく、100〜1,000質量部であることがより好ましい。
水系媒体中には、油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤などが添加されていてもよい。界面活性剤としては、上記の工程に挙げたものと同様のものを挙げることができる。
油相液の調製に使用される有機溶媒としては、油滴の形成後の除去処理が容易である観点から、沸点が低く、かつ、水への溶解性が低いものが好ましく、具体的には、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。有機溶媒の使用量は、結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して、通常1〜300質量部である。
油相液の乳化分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができる。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で100〜400nmの範囲にあることが好ましい。本発明において、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて測定される値である。
(c)着色剤微粒子の水系分散液の調製工程
この工程は、着色剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて着色剤微粒子の水系分散液を調製する工程である。
着色剤微粒子の水系分散液は、界面活性剤を臨界ミセル濃度(CMC)以上に添加した水系媒体中に着色剤を分散させることにより得られる。
着色剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、使用する分散機としては、特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザーなどの加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミルなどの媒体型分散機が挙げられる。
着色剤微粒子は、分散した状態で体積基準のメジアン径が10〜300nmとされることが好ましく、さらに好ましくは100〜280nm、特に好ましくは110〜260nmである。
本発明において、着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定される値である。
(d)凝集・融着工程
この工程においては、非晶性樹脂微粒子、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および着色剤微粒子、並びに必要に応じてその他のトナー構成成分の微粒子を凝集させて、さらに加熱によって融着させる。
具体的には、水系媒体中に上記の微粒子が分散されてなる水系分散液中に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え、非晶性樹脂のガラス転移点以上の温度にすることによって、凝集、融着させる。
非晶性樹脂微粒子および結晶性ポリエステル樹脂微粒子を融着させるための融着温度としては、非晶性樹脂のガラス転移点以上であればよいが、特に、(非晶性樹脂のガラス転移点+10℃)〜(非晶性樹脂のガラス転移点+50℃)とされ、特に好ましくは(非晶性樹脂のガラス転移点+15℃)〜(非晶性樹脂のガラス転移点+40℃)とされる。
[凝集剤]
この工程において使用される凝集剤としては、特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩などの金属塩から選択されるものが好適に使用される。金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどの一価の金属塩;カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属塩;鉄、アルミニウムなどの三価の金属塩などが挙げられる。具体的な金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどを挙げることができ、これらの中で、より少量で凝集を進めることができることから、二価の金属塩を用いることが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
トナー母体粒子がコア−シェル構造を有する場合においては、例えば、この工程において、非晶性樹脂微粒子、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および着色剤微粒子を凝集、融着してコア粒子を形成し、その後、シェル層を形成するためのシェル用樹脂微粒子をコア粒子に凝集させて、融着することにより、形成することができる。
(e)熟成工程
この工程は、必要に応じて行われるものであって、当該熟成工程においては、凝集・融着工程によって得られたトナー母体粒子を熱エネルギーにより所望の形状になるまで熟成させてトナー母体粒子を形成させる熟成処理が行われる。
熟成処理は、具体的には、会合粒子が分散された系を加熱撹拌することにより、会合粒子の形状を所望の円形度になるまで、加熱温度、撹拌速度、加熱時間などにより調整することにより、行われる。
(f)冷却工程
この工程は、トナー母体粒子の分散液を冷却処理する工程である。冷却処理の条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却することが好ましい。冷却処理の具体的な方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法などを例示することができる。
(g)濾過・洗浄工程
この工程は、冷却されたトナー母体粒子の分散液から当該トナー母体粒子を固液分離し、固液分離によって得られたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー母体粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去して洗浄する工程である。
固液分離には、特に限定されずに、遠心分離法、ヌッチェなどを使用して行う減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用して行う濾過法などを用いることができる。また、洗浄においては、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄することが好ましい。
(h)乾燥工程
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥する工程であり、一般的に行われる公知のトナー母体粒子の製造方法における乾燥工程に従って行うことができる。
具体的には、トナーケーキの乾燥に使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
乾燥されたトナー母体粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥されたトナー母体粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、その凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
(i)外添剤の添加工程
この工程は、トナー母体粒子に対して外添剤を添加する場合に必要に応じて行う工程である。
上記のトナー母体粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー母体粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で使用してもよい。
外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
これらの外添剤の添加量は、その合計の添加量がトナー母体粒子100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜3質量部の範囲内であることがより好ましい。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
<画像形成装置>
本発明においては、画像担持体を帯電する帯電手段と、前記帯電手段にて帯電された像担持体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段にて形成された静電潜像に、カラートナーを含む現像剤を供給して現像を行う現像手段と、前記現像手段にて形成された現像剤像を転写ベルト上に転写する1次転写手段と、前記転写ベルトから転写手段に転写された現像剤像に接触して加熱し、現像剤像を記録媒体に定着する定着手段を有するカラートナーの重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、前記重ね合わせ画像を形成するための静電荷像現像用カラートナーセットが、上述したカラートナーセットである、画像形成装置が提供される。本発明の特徴であるカラートナーセット以外の一般的な画像形成装置自体の説明については、例えば、特開2016−184164号公報、特開2017−207639号公報などが参考になり、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
〈結晶性ポリエステル樹脂の合成と分散〉
(1)結晶性ポリエステル樹脂(c1)の合成
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー及び精留塔を備えた反応容器に、ドデカン二酸200質量部、1,6−ヘキサンジオール102質量部を仕込み、反応系の温度を1時間かけて190℃に上昇させ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、触媒としてTi(OBu)を0.3質量部投入し、更に、生成される水を留去しながら反応系の温度を190℃から6時間かけて240℃に上昇させ、更に、240℃に維持した状態で6時間脱水縮合反応を継続して重合反応を行うことにより、結晶性ポリエステル樹脂(c1)を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(c1)は、重量平均分子量(Mw)が14500、融点(Tmc)が70℃であった。
(2)結晶性ポリエステル樹脂微粒子の分散液(C1)の調製
上記で得られた結晶性ポリエステル樹脂(c1)72質量部をメチルエチルケトン72質量部に、70℃で30分撹拌し溶解させた。次に、この溶液を撹拌しながら、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.5質量部を添加した。次いで、イオン交換水250質量部にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを濃度が1質量%になるよう溶解させた水溶液を70分にわたり滴下した。次いで、この乳化液を70℃で保温したまま、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、15kPa(150mbar)の減圧下で3時間撹拌することで、メチルエチルケトンを蒸留除去し、結晶性ポリエステル樹脂(c1)の微粒子が分散された結晶性ポリエステル樹脂微粒子の分散液(C1)を調製した。結晶性ポリエステル樹脂微粒子の分散液(C1)に含まれる粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定器「LA−750(HORIBA製)」にて測定した結果、132nmであった。
〈スチレン・アクリル樹脂粒子の分散液の調製〉
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部およびイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、当該反応容器の内温を80℃に昇温させた。昇温後、得られた混合液に過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた水溶液を添加し、得られた混合液の温度を再度80℃とした。当該混合液に、下記組成からなる単量体混合液1を1時間かけて滴下後、80℃にて前記混合液を2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液a1を調製した。
(単量体混合液1)
スチレン:480質量部、
n−ブチルアクリレート:250質量部、
メタクリル酸:68質量部。
(2)第2段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、当該溶液を80℃に加熱後、55質量部の樹脂微粒子の分散液a1(固形分換算)と、下記組成からなる単量体および離型剤を90℃にて溶解させた単量体混合液2とを添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック株式会社製、「CLEARMIX」は同社の登録商標)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。下記ベヘン酸ベヘニルは、離型剤であり、その融点は73℃である。
(単量体混合液2)
スチレン:262.5質量部、
n−ブチルアクリレート:84.6質量部、
メタクリル酸:30.2質量部、
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート:4質量部、
ベヘン酸ベヘニル(エステルワックス):149.6質量部、
HNP−0190(炭化水素ワックス)(マイクロクリスタリンワックス):7.9質量部。
次いで、前記分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、得られた分散液を84℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液a2を調製した。
(3)第3段重合
さらに、樹脂微粒子の分散液a2にイオン交換水400質量部を添加し、十分に混合した後、得られた分散液に、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下で、下記組成からなる単量体混合液3を1時間かけて滴下した。滴下終了後、前記分散液を2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し、スチレン・アクリル樹脂脂微粒子分散液X1を調製した。
(単量体混合液3)
スチレン:413.8質量部、
n−ブチルアクリレート:117質量部、
メタクリル酸:79.6質量部、
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート:8質量部。
得られたスチレン・アクリル分散液X1について物性を測定したところ、ガラス転移温度(Tg)は48℃であり、重量平均分子量(Mw)は30000であった。
〈非晶性ポリエステル樹脂(a1)の合成と分散〉
(1)非晶性ポリエステル樹脂(a1)の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物(BPA−EO)50質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(BPA−PO)249質量部、テレフタル酸(TPA)91質量部、フマル酸(FA)46質量部及びエステル化触媒(オクチル酸スズ)2質量部を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、更に、8kPaで1時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(a1)を得た。
(2)非晶性ポリエステル樹脂微粒子の分散液(A1)の調製
非晶性ポリエステル樹脂(a1)100質量部を「ランデルミル 形式:RM」(徳寿工作所社製)で粉砕し、あらかじめ作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所社製)を用いてV−LEVEL、300μAで60分間超音波分散することにより、体積基準のメジアン径(d50)が160nmである非晶性ポリエステル樹脂の微粒子が分散された非晶性ポリエステル樹脂微粒子の分散液(A1)を調製した
〈着色剤粒子の水系分散液(Ye1)の調製〉
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、C.I. Pigment Yellow 74 420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の水系分散液(Ye1)を調製した。得られた着色剤粒子の水系分散液(Ye1)について、着色剤粒子の体積基準のメジアン径(d50)は200nmであった。
〈着色剤粒子の水系分散液(Ma1)の調製〉
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、C.I. Pigment RED 269(PR269)210部と、C.I. Pigment RED 122(PR122) 210質量部とを徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の水系分散液(Ma1)を調製した。得られた着色剤粒子の水系分散液(Ma1)について、着色剤粒子の体積基準のメジアン径(d50)は250nmであった。
〈着色剤粒子の水系分散液(Cy1)の調製〉
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、銅フタロシアニン(C.I.Pigment Blue 15:3)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の水系分散液(Cy1)を調製した。得られた着色剤粒子の水系分散液(Cy1)について、着色剤粒子の体積基準のメジアン径(d50)は150nmであった。
〈トナー(Y−5)で使用するワックス分散液(W−1)の調製〉
ワックスとしてベヘン酸ベヘニル427.5質量部及びHNP−0190(日本精蝋製)22.5質量部、ラウリル硫酸ナトリウム50質量部並びにイオン交換水3500質量部を80℃に加熱して、IKA社製のウルトラタラクスT50にて十分に分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積基準のメジアン径(d50)が180nmの離型剤の微粒子が分散された離型剤微粒子の分散液(W−1)を調製した。
同様にM−8、C−5で使用するワックス分散液W−2とW−3も同様に作製した。
〈トナー(Y−1)の作製〉
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、400質量部のスチレン・アクリル分散液X1(固形分換算)および700質量部のイオン交換水を投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液をさらに添加して当該反応容器中の分散液のpHを10(測定温度25℃)に調整した。
前記分散液に、10質量部の着色剤分散液Ye1(固形分換算)を投入した。次いで、凝集剤として塩化マグネシウム40質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて前記分散液に添加した。得られた混合液を80℃まで昇温し、50質量部の結晶性ポリエステル樹脂微粒子の分散液C1(固形分換算)を10分間かけて前記混合液に添加して凝集を進行させた。
「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて前記混合液中で会合した粒子の粒径を測定し、当該粒子の体積基準のメジアン径d50が6.0μmになった時点で、40質量部の非晶性ポリエステル分散液A1(固形分換算)を前記混合液に30分間かけて投入した。得られた反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム70質量部をイオン交換水300質量部に溶解した水溶液を前記反応液に添加して粒子成長を停止させた。さらに、前記反応液を80℃に加熱し撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、前記反応液中の粒子を測定装置「FPIA−2100」(シスメックス株式会社製)を用いて(HPF検出数を4000個)測定し、当該粒子の平均円形度が0.945になった時点で2.5℃/分の冷却速度で前記反応液を30℃に冷却した。
次いで、冷却した前記反応液から前記粒子を分離、脱水し、得られたケーキを、イオン交換水への再分散と固液分離とを3回繰り返して洗浄し、その後、40℃で24時間乾燥させることにより、トナー母体粒子Y−1を得た。
100質量部のトナー母体粒子Y−1に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.28質量部および疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)0.2質量部を添加し、これらを「ヘンシェルミキサー」(日本コークス工業株式会社製)により回転翼周速35mm/秒、32℃で20分間混合した後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去した。このような外添剤処理を行って、静電潜像現像用のトナー粒子1の集合体であるトナーY−1を製造した。
Y−2、Y−3、Y−4、Y−7、Y−8、Y−9も同様に、Y−1から、エステル:炭化水素割合、ワックス含有比率、エステルワックス含有比率を表1に示されるように変更して、各トナーを作製した。
マゼンタトナーM−1、M−2、M−3、M−4、M−5、M−7、M−9、M−11、シアントナーC−1、C−2、C−3、C−4、C−6、C−8、は各々ワックス種類と量、着色剤分散液を変更することによって(Y−1から、エステル:炭化水素割合、ワックス含有比率、エステルワックス含有比率を表2、3に示されるように変更して)各トナーを作製した。
〈各種成分の含有量、含有比率、総エステルワックス含有比率合計等の説明〉
Y−1を例にとって各種成分の含有量、含有比率、総エステルワックス含有比率合計の説明を行う。
Figure 2021092615
Figure 2021092615
以上の表にてより分かり易くなったように、トナーY−1のスチレン・アクリル樹脂(St・Ac)微粒子におけるワックスの含有比率は、{(149.6+7.9)÷1200.2}×100=13.12質量%である。トナーY−1において、スチレン・アクリル樹脂400質量部におけるワックスの含有量は、400×0.1312=52.48質量部である。一方で、トナー502.4質量部においてワックスが52.48質量部含有していることになる。よって、トナーY−1におけるワックス含有比率は、(52.48÷502.4)×100=10.45≒10.5質量%である。また、トナーY−1におけるエステルワックス含有比率は、10.5×0.95=9.975≒10.0質量%である。
実施例1のカラートナーセット1は、下記の表に示されるように、カラートナーPとしてのY−1と、カラートナーRとしてのM−1と、カラートナーQとしてのC−1とで構成されているので、カラートナーP、カラートナーR、カラートナーQの総エステルワックスの含有比率合計は、各カラートナーのエステルワックスの含有比率を合計した12.4質量%となる。なお、各実施例、各比較例のカラートナーセットのカラートナーの組み合わせは下記の表のとおりである。
<現像剤作製>
トナーY−1と、アクリル樹脂を被覆した体積平均粒径32μmのフェライトキャリアとを、トナー粒子濃度が7質量%となるように添加して混合した。こうして、トナーY−1を含有する二成分現像剤である現像剤Y−1を製造した。
その他のトナーもすべてY−1と同様に現像剤を作製した。
〈トナー(Y−5)の作製〉
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた反応容器に、非晶性ポリエステル樹脂微粒子の分散液(A1)を397.5質量部(固形分換算)、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液(C1)を50質量部(固形分換算)、ワックス分散液(W−1)を52.5質量部(固形分換算)及びイオン交換水2000質量部を投入後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH(25℃換算)を10に調整した。その後、着色剤粒子の水系分散液(Ye1)10質量部(固形分換算)を投入し、次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温し、85℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター・ベックマン社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径(d50)が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム100質量部をイオン交換水450質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナー粒子の平均円形度が0.945になった時点で2.5℃/minの冷却速度で30℃に冷却した。
次いで、固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄したのち、40℃で24時間乾燥させることにより、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.28質量部及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)0.2質量部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により回転翼周速35mm/secで20分間混合し、体積平均粒径が6.1μmであるトナー(Y−5)を得た。
Y−6、M−8、M−10、C−5、C−7、C−9、C−10は、トナー各々ワックス種、顔料種を変更することによって(エステル:炭化水素割合、ワックス含有比率、エステルワックス含有比率を下記の表に示されるように変更して)、同様に作製した。
〈トナー(M−6、10)の作製〉
M−6、M−10はパラフィンワックスとしてHNP−9を使用し、各々のワックス量を変更することによって(エステル:炭化水素割合、ワックス含有比率、エステルワックス含有比率を下記の表に示されるように変更して)、M−1同様に作製した。
[評価方法]
<低温定着性>
複写機「bizhub PRESS C1070」(コニカミノルタ株式会社製)において、定着装置を、定着用ヒートローラーの表面温度を100〜210℃の範囲内で変更することができるように改造したものに、上記のトナーの現像剤をそれぞれ装填した。評価紙として、「NPi上質紙(128g/m)」(日本製紙社製)を用い、常温常温(温度20℃、相対湿度55%)において、各色紙上付着量が4.0gになるような表5に示される順番の3Cベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を95℃から5℃刻みで増加させるよう変更しながら200℃まで繰り返し行った。次いで、各定着温度の定着実験において得られたプリント物を、折り機で上記ベタ画像に荷重をかけるように折り、これに0.35MPaの圧縮空気を吹き付け、折り目を下記の評価基準に示す5段階にランク付けした。
ランク5:全く折れ目なし
ランク4:一部折れ目に従った剥離あり
ランク3:折れ目に従った細かい線状の剥離あり
ランク2:折れ目に従った太い線状の剥離あり
ランク1:大きな剥離あり
ランク3となる定着実験のうち、最も定着温度の低い定着実験における定着温度を、最低定着温度として評価した。◎〜△を合格とした。
◎:最低定着温度が150℃以下
○:最低定着温度が150℃を超え160℃以下
△:最低定着温度が160℃を超え180℃以下
×:最低定着温度が180℃を超える。
<定着分離性>
複写機「bizhub PRESS C1070」(コニカミノルタ株式会社製)において、定着装置を、定着用ヒートローラーの表面温度を100〜210℃の範囲内で変更することができるように改造したものに上記のトナー現像剤をそれぞれ装填した。定着装置を加熱ローラーの表面温度を170℃に設定し、常温常温(温度20℃、相対湿度55%)において、縦送りで搬送したA4サイズの記録紙「OKトップコートY目(105g/m)(立川紙業社製)」上に、表5に示される順番の、REDおよびGreenの2次色トナーを紙上付着量で各々4mg/10cmに設定し、紙の出力側の先端余白量を1mmずつ変化させながらベタ画像を5枚連続出力する。5枚連続通紙可能な最小先端余白量を測定した。△までを合格とした。
◎:先端余白量0〜2mm
〇:先端余白量3〜5mm
△:先端余白量5〜7mm
×:先端余白量7mmより大きい。
<UFP>
低温定着性の評価と同様の画像評価装置を用い、画像評価装置本体の排気口にパーティクルカウンター(パーティクルサイザー FMPS 3091、東京ダイレック株式会社製)を取り付け、印刷面積がA4サイズの用紙の20%である、表5に示される順番の3C画像を、180℃の定着温度にて250枚出力したときの粒子量(個)で評価した。粒子量が10×10 個以下である場合を合格とする。
◎:1×10 個未満
〇:1×10 個〜5×10 個未満
△:5×10 個〜10×10 個未満
×:10×10 個よりも多い。
<光沢メモリ>
光沢メモリの発生原理について説明する。図3に示されるように、前ベタ部11が定着される際、白抜き部11aの周囲には前ベタ部11のトナーが存在するため、ワックス(離型剤)が当該トナー中から吐き出され、その一部が定着ローラー表面のトナーと接した部分に付着する。一方、白抜き部11aにはトナーが存在しないため、定着ローラーの白抜き部11aと接した部分へのワックス(離型剤)の付着は生じない。この定着ローラー表面における前ベタ部11と接した部分は、一周した後に後ベタ部12とも接することとなる。
複写機「bizhub PRESS C1070」(コニカミノルタ株式会社製)において、定着装置を、定着用ヒートローラーの表面温度を100〜210℃の範囲内で変更することができるように改造したものに上記のトナー現像剤をそれぞれ装填した。定着装置を加熱ローラーの表面温度を190℃に設定し、常温常温(温度20℃、相対湿度55%)において、縦送りで搬送したA3サイズの記録紙「エスプリ1A(坪量209g/m)日本製紙社製」に、表5に示される順番のREDおよびGreenの2次色トナーを紙上付着量で各々4mg/10cmに設定し、図3のような画像を出力する。
本画像の11は白抜き文字となっており、12部は定着ベルトの2週目にあたるようにベタ画像を配置している。光沢メモリが悪いと12のベタ画像に1週目の画像履歴が残存し11アルファベット文字が浮かび上がる。トナーの定着後のワックスの染み出しが少ないと光沢メモリは悪化する傾向にある。評価は◎〜×まで目視評価を行い、△までを合格とした。
◎:全く見えない
○:輪郭がぼやけて見える
△:全体的にうっすらと見える
×:はっきりと見える
<光沢ムラ>
複写機「bizhub PRESS C1070」(コニカミノルタ株式会社製)に中継搬送ユニットRU510(コニカミノルタ株式会社製)を接続しおいて、定着装置を、定着用ヒートローラーの表面温度を100〜210℃の範囲内で変更することができるように改造したものに上記のトナー現像剤をそれぞれ装填した。定着装置を加熱ローラーの表面温度を190℃に設定し、常温常温(温度20℃、相対湿度55%)において、縦送りで搬送したA3サイズの記録紙「OKトップコート(坪量157g/m)立川紙業社製」に、各カラートナーを紙上付着量で各々4mg/10cmに設定し、表5に示される順番の3Cベタ画像を両面で600枚通紙する。600枚目の画像の最大光沢度と最小光沢度との差(Gloss差)を算出した。△までを合格とした。
◎:Gloss差≦3
〇:3<Gloss差≦5
△:5<Gloss差≦8
×:8<Gloss差(最高光沢度と最低光沢度の差がはっきりしており、実用上問題がある)。
Figure 2021092615
Figure 2021092615
Figure 2021092615
Figure 2021092615
Figure 2021092615
P カラートナーP、
Q カラートナーQ、
R カラートナーR、
S 記録媒体、
1 光沢メモリ画像チャート、
11 前ベタ部
11a 白抜き部
12 後ベタ部。

Claims (11)

  1. 記録媒体に重ね合わせ画像を形成するための静電荷像現像用カラートナーセットであって、
    前記カラートナーセットが、画像最表層に位置するカラートナーPと、前記記録媒体に接触するカラートナーQとを含み、
    前記カラートナーPおよび前記カラートナーQは、いずれも、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含み、
    前記カラートナーPは、エステルワックスを含み、前記カラートナーQは、エステルワックスを含んでもよく、
    前記カラートナーQが、エステルワックスを含む場合、前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率が、前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率よりも少ない、カラートナーセット。
  2. 前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率が、5〜15質量%である、請求項1に記載のカラートナーセット。
  3. 前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率が、5質量%以下である、請求項1または2に記載のカラートナーセット。
  4. 前記カラートナーPにおけるエステルワックス含有比率に対する、前記カラートナーQにおけるエステルワックス含有比率が、0〜80質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラートナーセット。
  5. 総エステルワックス含有比率合計が、5〜25質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラートナーセット。
  6. 前記カラートナーセットが、エステルワックス以外のワックスを含む場合、当該エステルワックス以外のワックスは、炭化水素ワックスである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラートナーセット。
  7. 前記カラートナーセットが、パラフィンワックスを含まない、請求項6に記載のカラートナーセット。
  8. 前記カラートナーセットが、結着樹脂として、結晶性ポリエステルを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラートナーセット。
  9. 前記カラートナーセットが、結着樹脂として、スチレン・アクリル樹脂を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカラートナーセット。
  10. 前記カラートナーセットに含まれる着色剤が、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤の少なくとも2種であり、
    前記マゼンタ着色剤が、下記一般式(1):
    Figure 2021092615

    式(1)中、RxおよびRxは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Lxは、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基であり、Gxは、置換または非置換の炭素数2〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Gxは、置換または非置換の炭素数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、Gxは水素原子、ハロゲン原子、Gx−CO−NH−で表される基、またはGx−N(Gx)−CO−で表される基であり、この際、Gxは置換基であり、GxおよびGxは、それぞれ独立して、水素原子または置換基であり、Qx、Qx、Qx、Qx、およびQxは、それぞれ独立して、水素原子または置換基である、で表される着色剤と、下記一般式(2):
    Figure 2021092615

    式(2)中、Rは置換または非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Rは水素原子、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ニトロフェニル基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、Rは置換または非置換の炭素数9〜120の芳香族炭化水素含有基であり、Mは2価の金属元素である、で表される金属含有化合物とが反応した化合物であり、
    前記シアン着色剤が、下記一般式(1’)で表される化合物:
    Figure 2021092615

    (一般式(1’)において、Mはケイ素原子、ゲルマニウム原子、コバルト原子または亜鉛原子のいずれかを示し、Ra、Ra、RaおよびRaは各々独立して電子吸引性置換基を示し、na1、na2、na3およびna4は各々独立して0〜4の整数を示し、ZおよびZは各々独立して炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または、下記一般式(2’)で示される基を示す。)
    Figure 2021092615

    (一般式(2’)において、R、RおよびRは、各々独立して炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアルコキシ基を示す。)である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカラートナーセット。
  11. 画像担持体を帯電する帯電手段と、前記帯電手段にて帯電された像担持体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段にて形成された静電潜像に、カラートナーを含む現像剤を供給して現像を行う現像手段と、前記現像手段にて形成された現像剤像を転写ベルト上に転写する1次転写手段と、前記転写ベルトから転写手段に転写された現像剤像に接触して加熱し、現像剤像を記録媒体に定着する定着手段を有するカラートナーの重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、
    前記重ね合わせ画像を形成するための静電荷像現像用カラートナーセットが、請求項1〜10のいずれか1項に記載のカラートナーセットである、画像形成装置。
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