JP6516565B2 - 硬化型液体現像剤 - Google Patents
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Description
この場合に、現像剤は、顔料などの着色剤及びバインダー樹脂を含む材料で構成される着色樹脂粒子を、乾式状態で用いる乾式現像剤と、着色樹脂粒子を電気絶縁性液体に分散した液体現像剤とに大別される。
乾式現像剤は、固体状態の現像剤を取り扱うので、取り扱い上の有利さにより、現在、現像剤の主流を占めている。高解像度且つ高画質な画像を得るためには、先ず、像担持体上に形成された静電潜像の電荷密度に応じた量の現像剤を付着させるための適切な帯電性が現像剤に要求される。しかしながら、乾式現像剤においては、温度や湿度などの環境変化による画像劣化防止の観点から帯電性の環境安定性に問題があり、且つ保存時などにおける着色樹脂粒子の凝集が起こりやすく着色樹脂粒子を分散した際の均一性などに問題があった。またこれらの特性は、高解像度を目指し、着色樹脂粒子径を比較的小さくした場合には、上述したような粉体であるがゆえに生じる問題がさらに顕著なものとなる。
一方、液体現像剤では、担体液として電気絶縁性液体を用いることから、乾式現像剤に比べ、保存時における液体現像剤中での着色樹脂粒子の凝集という問題が生じにくく、微細なトナー粒子を用いることができる。その結果、液体現像剤は、乾式現像剤に比べ細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。
近年、高画質高速デジタル印刷装置において、これらの優れた特長を生かしたより良い特性を有する液体現像剤の開発が求められている。
従来の液体現像剤としては、炭化水素系有機溶媒やシリコーンオイルなどの電気絶縁性液体中に着色樹脂粒子を分散させたものが知られている。しかしこのような液体現像剤は、紙やプラスチックフィルムなどの記録媒体上に電気絶縁性液体が残存すると著しい画像品位の劣化を招いてしまうため、電気絶縁性液体を除去する必要がある。電気絶縁性液体の除去には、熱エネルギーを加えて電気絶縁性液体を揮発除去する方法が一般的であるが、その際、装置外に揮発性有機溶剤蒸気を放散させてしまうことや、多大なエネルギーを消費するなど、環境的な観点からは必ずしも好ましいものではなかった。
この対策として、電気絶縁性液体を光や熱による重合反応により硬化させる方法が提案されている。例えば、光硬化型液体現像剤は、電気絶縁性液体として反応性官能基を持ったモノマー又はオリゴマーを使用し、さらに光重合開始剤を添加溶解したものである。この光硬化型液体現像剤は、紫外線などの光を照射すると重合反応により硬化し、画像形成の高速化が可能である。
また、近年の高画質化、高速化の要求に応えるため、液体現像剤に帯電調節剤を添加することでトナー粒子に大きな電荷を付与する方法が知られている(特許文献1)。
すなわち、本発明は、トナー粒子の電気泳動挙動を安定にし、良好な現像性を有する硬化型液体現像剤を提供するものである。
該硬化性液体現像剤から電荷制御剤のみを除いて作製したものをD1剤とし、
該硬化性液体現像剤から重合開始剤のみを除いて作製したものをD2剤としたときに、
該D1剤と該D2剤におけるトナー粒子の電気泳動極性が同極性であり、
該液状重合性化合物が、カチオン重合性化合物を含有することを特徴とする硬化型液体現像剤である。
該硬化性液体現像剤から電荷制御剤のみを除いて作製したものをD1剤とし、
該硬化性液体現像剤から重合開始剤のみを除いて作製したものをD2剤としたときに、
該D1剤と該D2剤におけるトナー粒子の電気泳動極性が同極性であることを特徴とする。
この理由は必ずしも明確にはなっていないものの、次のように考えられる。
液状重合性化合物の重合反応を開始するためには開始反応と呼ばれる反応が必要である。そのために用いられる物質が重合開始剤である。
しかしながら、重合開始剤を液状重合性化合物に混合すると体積抵抗率が下がりやすいことから、何かしらのイオン解離が生じるものと考えられる。
この解離によって生じたイオンがトナー粒子に選択的に吸着すると、トナー粒子が帯電するため電界中を移動(すなわち、電気泳動)が可能となる。
一方、電荷制御剤は、トナー粒子の帯電性を向上させるためのものであり、トナー粒子に対してイオンの選択吸着が行われることにより、トナー粒子を帯電すると考えられる。
即ち、重合開始剤は意図せず電荷制御剤と同様の働きをすることとなる。それゆえ、重合開始剤由来のイオンがトナー粒子に与える極性と電荷制御剤由来のイオンがトナー粒子に与える極性が逆の場合には、トナー粒子表面における電荷分布が正負混在することとなり、電気泳動挙動が不安定化すると考えられる。
したがって、本発明においては、上記D1剤とD2剤におけるトナー粒子の電気泳動極性を同極性とすることで、トナー粒子の電気泳動挙動を安定にし、液体現像剤の良好な現像性を実現している。
以下、本発明に用いられる材料について詳細に説明する。
本発明において、液状重合性化合物は、体積抵抗率が高く電気絶縁性があり、室温付近で低粘度の液体であれば、特に制限されることはない。
該液状重合性化合物の25℃における粘度は、0.5mPa・s以上200mPa・s以下であることが好ましく、0.5mPa・s以上100mPa・s以下であることがより好ましい。
また、該液状重合性化合物の体積抵抗率は1×109Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが好ましく、1×1010Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることがより好ましい。
また、該液状重合性化合物は、トナー粒子に含有されるバインダー樹脂を溶解しない液体から選択されることが好ましい。具体的には、温度25℃で、液状重合性化合物100質量部に対し、溶解するバインダー樹脂が1質量部以下であるような液状重合性化合物とバインダー樹脂の組み合わせから選択されることが好ましい。
また、該液状重合性化合物は、光重合反応により重合し得る成分であることが好ましい。光重合反応は、いかなる種類の光による反応であってもよいが、紫外線による反応であることがより好ましい。
該液状重合性化合物として、ラジカル重合性を有するもの、カチオン重合性を有するもの、及び両者を有するものがあるが、いずれでも好適に用いることができる。
例えば、ビニルエーテル化合物、ウレタン化合物、スチレン系化合物及びアクリル系化合物、並びに、エポキシ化合物及びオキセタン化合物などの環状エーテル化合物が挙げられる。
本発明において、該液状重合性化合物は、上記化合物を1種単独で含有してもよく、2種以上を組み合わせて含有してもよい。
ここで、ビニルエーテル化合物とは、ビニルエーテル構造(−CH=CH−O−C−)を有する化合物を示す。
該ビニルエーテル構造は好ましくは、R−CH=CH−O−C−で表される(Rは、水素又は炭素数1〜3のアルキルであり、好ましくは水素又はメチルである)。
本発明において、ビニルエーテル化合物は、上記ビニルエーテル構造以外にヘテロ原子を有しない化合物であることも好ましい態様の一つである。
ここでヘテロ原子とは炭素原子と水素原子以外の原子のことをいう。
ビニルエーテル化合物中にヘテロ原子が含有された場合、ヘテロ原子と炭素原子の電気陰性度の差により分子内に電子密度の偏りが生じやすくなる場合や、ヘテロ原子が有する非共有電子対や空の電子軌道が伝導電子やホールの通り道になりやすい場合があるためか、抵抗が低下しやすくなる。
さらに、本発明においては、ビニルエーテル化合物が、ビニルエーテル化合物中にビニルエーテル構造以外の炭素−炭素二重結合を有しないものであることも好ましい態様の一つである。炭素−炭素二重結合は、エネルギー準位の高い電子占有軌道とエネルギー準位の低い非電子占有軌道を有するが、これらは電子やホールの通り道となりやすく、抵抗を下げることにつながりやすい。ビニルエーテル化合物中にビニルエーテル構造以外の炭素−炭素二重結合が含有された場合、このような機構により抵抗が低下しやすい。
本発明において、ビニルエーテル化合物が、下記式(C)で表されることが好ましい。
[式(C)中、nは、一分子中のビニルエーテル構造の数を示し、1以上4以下の整数である。Rはn価の炭化水素基である。]
上記nは、1以上3以下の整数であることが好ましい。
Rは、好ましくは、炭素数1以上20以下の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5以上12以下の飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、及び炭素数6以上14以下の芳香族炭化水素基から選択される基であり、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基は、炭素数1以上4以下の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を有していてもよい。
上記Rは、より好ましくは炭素数4以上18以下の直鎖又は分岐の飽和脂肪族炭化水素基である。
以下に、ビニルエーテル化合物の具体例〔例示化合物B−1〜B−30〕を挙げるが、本発明はこれらの例に制限されるものではない。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられる。
具体的には、ビスフェノールA、又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、及びノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドなどが挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン環又はシクロペンテン環などのシクロアルケン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキ
シ化することによって得られるものが挙げられる。
具体的には、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が例示できる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
具体的には、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルなどのアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール又はそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール又はそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルなどのポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
また、カチオン重合性を有するエポキシ化合物として、エポキシ変性シリコーンオイル化合物などを用いることも好ましい。
一方、上記ラジカル重合性を有する化合物としては、単官能のものでは、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、インデシルアクリレートなどのモノマー及びその重合体が挙げられる。
二官能のものでは、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジンクジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートなどのモノマー及びその重合体が挙げられる。
三官能のものでは、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートなどのモノマー及びその重合体が挙げられる。
四官能以上のものでは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレートなどのモノマー及びその重合体が挙げられる。
液状重合性化合物の重合反応を開始するためには開始反応と呼ばれる反応が必要である。そのために用いられる物質が重合開始剤である。
本発明において、上記重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
カチオン重合開始剤として、オニウム塩系化合物;スルホニルジアゾメタン系化合物、オキシムスルホネート系化合物、イミドスルホネート系化合物、及びトリクロロメチルトリアジン系化合物のようなノニオン系化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
オニウム塩化合物として、例えば、ヨードニウム系化合物(例えば、IRGACURE(登録商標) 250 BASF社製、WPI−113、WPI−116、WPI−169、WPI−170、WPI−124 以上、和光純薬工業)、及び、スルホニウム系化合物(トリアリールスルホニウム塩系化合物 CPI−110P、CPI−210S 以上、サンアプロ社製、芳香族スルホニウム塩系化合物 アデカオプトマーSP−150 株式会社ADEKA)が挙げられる。
上記ノニオン系化合物については、以下の化合物が挙げられる。
スルホニルジアゾメタン系化合物として、和光純薬工業の、WPAG−145(Bis(cyclohexylsulfonyl)diazomethane))、WPAG−170(Bis(t−butylsulfonyl)diazomethane))、WPAG−199 (Bis(p−toluenesulfonyl)diazomeht
ane))が挙げられる。
オキシムスルホネート系化合物として、IRGACURE(登録商標) PAG103[(5−propylsulfonyloxyimino−5H−thiophen−2−ylidene)− (2−methylphenyl)acetonitrile]、IRGACURE(登録商標) PAG108[(5−octylsulfonyloxyimino−5H−thiophen−2−ylidene)− (2−methylphenyl)acetonitrile)]、IRGACURE(登録商標) PAG121[(5−p−toluenesulfonyloxyimino−5H−thiophen−2−ylidene)− (2−methylphenyl)acetonitrile]、以上、BASF社製が挙げられる。
イミドスルホネート系化合物として、N−trifluoromethylsulfonyloxy succinimide、アルドリッチ社製の、N−Hydroxynaphthalimide triflate、N−Hydroxy−5−norbornene−2,3−dicarboximide perfluoro−1−butanesulfonateが挙げられる。
トリクロロメチルトリアジン系化合物として、三和ケミカル製の、2−[2−(Furan−2−yl)ethenyl]−4,6−bis(trichloromethyl)−s−triazine、2−[2−(5−Methylfuran−2−yl)ethenyl]−4,6−bis(trichloromethyl)−s−triazine、2−(Methoxyphenyl)−4,6−bis(trichloromethyl)−s−triazine、2−[2−(3,4−Dimethoxyphenyl)ethenyl]−4,6−bis(trichloromethyl)−s−triazineが挙げられる。
上記イミドスルホネート系化合物について、具体例を示し、さらに説明する。
該イミドスルホネート系化合物としては、下記式(1)で表される光重合開始剤が挙げられる。
上記R8とR9とが結合して形成される環構造としては、5員環、6員環を例示することができる。上記R8とR9とが結合して形成される環構造の具体例として、コハク酸イ
ミド構造、フタル酸イミド構造、ノルボルネンジカルボキシイミド構造、ナフタレンジカルボキシイミド構造、シクロヘキサンジカルボキシイミド構造、エポキシシクロヘキセンジカルボキシイミド構造などが例示できる。
また、該環構造は、置換基として、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基などを有してもよい。
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)としては、例えば、トリフルオロメチル基(x=1、y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2、y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3、y=7)ノナフルオロn−ブチル基(x=4、y=9)、パーフルオロn−ヘキシル基(x=6、y=13)、及びパーフルオロn−オクチル基(x=8、y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)としては、例えば、パーフルオロイソプロピル基(x=3、y=7)、パーフルオロ−tert−ブチル基(x=4、y=9)、及びパーフルオロ−2−エチルヘキシル基(x=8、y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)としては、例えば、パーフルオロシクロブチル基(x=4、y=7)、パーフルオロシクロペンチル基(x=5、y=9)、パーフルオロシクロヘキシル基(x=6、y=11)、及びパーフルオロ(1−シクロヘキシル)メチル基(x=7、y=13)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基(x=6、y=5)、及び3−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル基(x=7、y=7)などが挙げられる。
上記式(1)中のCxFyのうち、入手のしやすさ、及びスルホン酸エステル部分の分解性の観点から、好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2)、及びアリール基(RF4)である。さらに好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、及びアリール基(RF4)である。特に好ましくはトリフルオロメチル基(x=1、y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2、y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3、y=7)、ノナフルオロn−ブチル基(x=4、y=9)、及びペンタフルオロフェニル基(x=6、y=5)である。
α−アミノアルキルフェノン系化合物として、BASF社製の、IRGACURE(登録商標) 369 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、IRGACURE(登録商標) 379(EG) 2−ジメチルアミノ−2−(4メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン、IRGACURE(登録商標) 907 2−メチル−1[4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、が挙げられる。
α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物として、BASF社製の、IRGACURE(登録商標) 127 2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、IRGACURE(登録商標) 184 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、DAROCUR(登録商標) 1173 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、IRGACURE(登録商標) 2959 1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系化合物として、BASF社製の、IRGACURE(登録商標) 819 ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、IRGACURE(登録商標) 1800 ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、LucirinTPO 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、Lucirin TPO−L 2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、が挙げられる。
オキシムエステル系化合物として、BASF社製の、IRGACURE(登録商標) OXE01 1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、IRGACURE(登録商標) OXE02 エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム、が挙げられる。
上記重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、液状重合性化合物100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上1質量部以下であり、さらに好ましくは0.1質量部以上0.5質量部以下である。
本発明において、トナー粒子の帯電性を向上させる目的で、電荷制御剤を用いる。
該電荷制御剤としては、硬化型液体現像剤の体積抵抗率の低下が少なく、かつ、粘度の上昇が少ないものであれば、特に限定されることなく、公知のものが使用できる。
具体的な化合物としては、以下のものが挙げられる。
亜麻仁油、大豆油などの油脂;アルキド樹脂、ハロゲン重合体、芳香族ポリカルボン酸、酸性基含有水溶性染料、芳香族ポリアミンの酸化縮合物;ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;レシチンなどのリン脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、ヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
また、本発明の硬化型液体現像剤は、電荷制御剤として、下記式(2)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有することも好ましい態様として挙げられる。
[上記式(2)中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基のいずれかを表し、Aは単結合、カルボニル基、アルキレン基、アリーレン基及び−COOR7−(ただし、−COOR7−中のカルボニル基はR1が結合した炭素原子に結合し、R7は炭素数1以上4以下のアルキレンを表す)のいずれかを表し、Bはアルキレン基及びアリーレン基のいずれかを表す。]
しい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基などが挙げられる。
上記式(2)中のR1は上記に列挙した置換基、及び水素原子から任意に選択できるが
、高分子化合物の製造(重合性)の観点から水素原子、及びメチル基である場合が好ましい。
連結基Aにおけるアルキレン基としては、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよく、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基などが挙げられる。
連結基Aにおけるアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、及びナフタレン−2,6−ジイル基などが挙げられる。
連結基Aにおける−COOR7−としては、−COOR7−中のカルボニル基はR1が結合した炭素原子に結合し、R7が炭素数1以上4以下のアルキレンである。該アルキレンは、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。
これらの連結基はさらに置換されていてもよく、該置換は高分子化合物の帯電特性を著しく低下させるものでなければ特に制限されない。
連結基Aは上記のように特に限定されるものではないが、原料の入手や製造の容易性の観点からカルボニル基、又は、−COOR7−(ただし、−COOR7−中のカルボニル基はR1が結合した炭素原子に結合し、R7は炭素数1以上4以下のアルキレンを表す)である場合がより好ましい。
連結基Bにおけるアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基などが挙げられる。
連結基Bにおけるアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、及びナフタレン−2,6−ジイル基などが挙げられる。
これらの連結基はさらに置換されていてもよく、該置換は高分子化合物の帯電特性を著しく低下させるものでなければ特に制限されない。
連結基Bは上記のように特に限定されるものではないが、原料の入手や製造の容易性の観点からメチレン基、及びエチレン基などの単純なアルキレン基である場合がより好ましい。
上記式(3)中、R5は上記に列挙した置換基、及び水素原子から任意に選択できるが、共重合体の製造(重合性)の観点から水素原子、及びメチル基である場合が好ましい。
上記式(3)中、R6におけるアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、及びトリアコンチル基などが挙げられる。
上記式(3)中、R6におけるアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
上記式(3)中、R6におけるカルボン酸エステル基としては、−COOR10(ただし、R10は炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基及び炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。)が挙げられる。具体的には、メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n−ブチルエステル基、tert−ブチルエステル基、オクチルエステル基、2−エチルヘキシルエステル基、ドデシルエステル基、オクタデシルエステル基、ドコシルエステル基、トリアコンチルエステル基、フェニルエステル基、及び2−ヒドロキシエチルエステル基などのエステル基が挙げられる。
上記式(3)中、R6におけるカルボン酸アミド基としては、−CO−NR11R12(ただし、R11及びR12はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜30のアルキル基及びフェニル基のいずれかを表す。)が挙げられる。具体的には、N−メチルアミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N−イソプロピルアミド基、N−tert−ブチルアミド基、N−n−デシルアミド基、N−n−ヘキサデシルアミド基、N−オクタデシルアミド基、N−ドコシルアミド基、N−トリアコンチルアミド基、及びN−フェニルアミド基などのアミド基が挙げられる。
上記式(3)中、R6におけるアルコキシル基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基又は炭素数1〜30のヒドロキシアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ドコシルオキシ基、トリアコンチルオキシ基、及び2−ヒドロキシエトキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。
本発明において、上記共重合体における、共重合組成比は特に限定されないが、上記式(2)で表される構造単位の上記式(3)で表される構造単位に対するモル比は、0.01:99.99〜50:50であることが好ましく、1:99〜30:70であることがより好ましい。
本発明において、該電荷制御剤は、1種単独で含有してもよく、2種以上を組み合わせて含有してもよい。
本発明において、上記電荷制御剤の含有量は、トナー粒子(固形分)100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
トナー粒子は、バインダー樹脂及び着色剤を構成成分として含有することが好ましい。
本発明において、トナー粒子に含有されるバインダー樹脂としては、紙、プラスチック及びフィルムなどの被着体に対して定着性を有する公知のバインダー樹脂が使用できる。
例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−(メタ)アクリル樹脂、及びロジン変性樹脂などの樹脂が使用できる。また、必要に応じ、これらは単独又は2種以上併用することができる。
バインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、着色剤100質量部に対して、50〜1000質量部であることが好ましい。
使用できる顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
該顔料の具体例としては、例えば、黄色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤又はマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青又はシアン色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色顔料の具体例としては、以下のものが挙げられる。
塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
トナー粒子中における顔料の分散には、トナー粒子の製造方法に応じた分散手段を用いればよい。分散手段として用いることができる装置としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどがある。
顔料の分散を行う際に顔料分散剤を添加することも可能である。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体などを挙げることができる。また、Lubrizol社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。
これらの顔料分散剤及び顔料分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
一般的な製造方法としては、顔料、バインダー樹脂及びその他の添加剤、並びに、分散媒体を混合し、ビーズミルなどを用いて粉砕し、トナー粒子の分散体を得る。得られたトナー粒子の分散体、重合性開始剤、電荷制御剤、及び液状重合性化合物などを混合して液体現像剤を得る製造方法が例示できる。
上記コアセルベーション法については、例えば、特開2003−241439号公報、国際公開第2007/000974号、又は国際公開第2007/000975号に詳細が記載されている。
該コアセルベーション法では、顔料、樹脂、該樹脂を溶解する溶剤、及び該樹脂を溶解しない溶剤を混合し、該混合液から該樹脂を溶解する溶剤を除去して、溶解状態にあった該樹脂を析出させることにより、顔料を包埋したトナー粒子を、該樹脂を溶解しない溶剤中に分散させることができる。
一方、上記湿式粉砕法については、例えば、国際公開第2006/126566号、又は国際公開第2007/108485号に詳細が記載されている。
該湿式粉砕法では、顔料とバインダー樹脂とをバインダー樹脂の融点以上で混練した後乾式粉砕し、得られた粉砕物を電気絶縁性媒体中で湿式粉砕することにより、トナー粒子を電気絶縁性媒体中に分散させることができる。
本発明においては、この様な公知の方法が利用可能である。
上記トナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、体積平均粒子径が0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上1μm以下である。
また、本発明において、硬化型液体現像剤中のトナー粒子濃度は、1質量%以上70質
量%以下程度にするとよい。
上記トナー粒子中には、トナー粒子の帯電性を調整する目的で電荷補助剤を含有することができる。該電荷補助剤としては、公知のものが利用できる。
具体的な化合物としては、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム及び2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩及びスルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;レシチンなどのリン脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、及びヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
本発明の硬化型液体現像剤には、上記説明した以外に、必要に応じて、記録媒体適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤を用いてもよい。例えば、増感剤、重合禁止剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、及び防錆剤などを適宜選択して用いることができる。
本発明の硬化型液体現像剤は、下記のような物性値を有するように調整して使用することが好ましい。すなわち、硬化型液体現像剤の粘度は、適度なトナー粒子の電気泳動移動度を得られるという観点から、トナー粒子の濃度が2質量%の場合、25℃において0.5mPa・s以上100mPa・s以下であることが好ましい。
また、硬化型液体現像剤の体積抵抗率は、静電潜像の電位を降下させないという観点から、1×109Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが好ましい。
<組成分析>
化合物の構造決定は以下の手法を用いた。
日本電子(株)製ECA−400(400MHz)を用い、1H−NMR、及び、13C−NMRのスペクトル測定を行った。
内部標準物質としてテトラメチルシランを含む重水素化溶剤中、25℃で測定を行った。化学シフト値は内部標準物質であるテトラメチルシランを0としたppmシフト値(δ値)として示した。
樹脂などの分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、単分散ポリメタクリル酸メチル換算で算出した。GPCによる分子量の測定は以下に示すように行った。
サンプル濃度が1質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置し溶解させた溶液を、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブレンフィルターでろ過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置:高速GPC GPC−104(昭和電工社製)
カラム:GPC HFIP−603、604の2連(昭和電工社製)
溶離液:ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)(10mmol/l トリフルオロ酢酸ナトリウム含有)
流速:0.2ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:20μL
試料の分子量分布の算出にあたっては、標準ポリメタクリル酸メチル樹脂(アジレントテクノロジーズ社製 EasiVial PM ポリマースタンダードキット)により作成した分子量校正曲線を使用した。
なお、以下の記述中において、特に断りのない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
液状重合性化合物として、以下の3種類を準備した。
(液状重合性化合物A)
カチオン重合性を有するビニルエーテル化合物として、シクロヘキサンジメタノールジビニエーテル(CHDVE)及びドデシルビニルエーテル(DDVE)を1:9(質量比)で混合したものを準備した。
(液状重合性化合物B)
カチオン重合性を有するエポキシ化合物として、エポキシ変性シリコーンオイル化合物(MCR−E1、アヅマックス社製)を準備した。
(液状重合性化合物C)
ラジカル重合性を有するアクリル系化合物として、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを準備した。
温度計を取り付けた反応容器中に、ニュクレルN1525(エチレン−メタクリル酸樹脂、三井デュポンポリケミカル株式会社製)25部と、上記液状重合性化合物Aを75部投入し、スリーワンモーターを用い、200rpmで撹拌しながら、オイルバス中で130℃まで1時間かけて昇温した。130℃で1時間保持した後、1時間あたり15℃の降温速度で徐冷し、バインダー樹脂分散液を作製した。得られたバインダー樹脂分散液は、白色のペースト状であった。
上記バインダー樹脂分散液59.40部、顔料としてのピグメントブルー15:3(4.95部)、電荷補助剤としてのトリステアリン酸アルミニウム0.20部、及び35.45部の液状重合性化合物Aを、直径0.5mmのジルコニアビーズとともに遊星式ビーズミル(クラシックラインP−6、フリッチュ社)に充填し、室温で200rpmにて4時間粉砕して、トナー粒子分散体(固形分20質量%)を得た。
このように作製したトナー粒子分散体をトナー粒子分散体Aとした。また、液状重合性化合物Aの代わりに液状重合性化合物Bを用いたものをトナー粒子分散体B、液状重合性化合物Cを用いたものをトナー粒子分散体Cとした。
(重合開始剤A)
カチオン重合性開始剤として、イミドスルホネート系化合物である、下記式(A−1)に示す化合物を準備した。
カチオン重合開始剤として、オニウム塩化合物である、トリアリールスルホニウム塩(CPI−210S、サンアプロ社製)を準備した。
(重合開始剤C)
ラジカル重合開始剤として、α−アミノアルキルフェノン系化合物である、IRGACURE(登録商標) 907(BASF社製)を準備した。
(重合開始剤D)
ラジカル重合開始剤として、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物である、IRGACURE(登録商標) 127(BASF社製)を準備した。
(電荷制御剤A)
電荷制御剤Aとして、下記のような化合物を準備した。
冷却管、撹拌機、温度計及び窒素導入管を取り付けた反応容器にリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチル17.9部、メタクリル酸オクタデシル82.1部、アゾビスイソブチロニトリル4.1部、及びn−ブタノール900部を仕込み、30分間窒素バブリングを行った。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、65℃で8時間加熱し、重合反応を完結させた。反応液を室温まで冷却後、溶剤を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、透析膜(スペクトラムラボラトリーズ社製 Spectra/Por7 MWCO 1kDa)により透析精製を行った。溶媒を減圧留去後、50℃、0.1kPa以下で減圧乾燥させることにより電荷制御剤Aを得た。
得られた電荷制御剤Aを前記分析法により分析を行ったところ、重量平均分子量(Mw)は11800であり、上記式(2)で表される構造単位は全単量体単位中に21mol%含有していた。
次に、撹拌機及び温度計を取り付けた反応容器中に、電荷制御剤Aを6.2部とテトラヒドロフラン(THF)68.2部を投入し、60℃に昇温し、該電荷制御剤Aを溶解した。ここに液状重合性化合物Aを71.3部投入後、50℃、4kPaでTHFを減圧留去し、透明な逆ミセル液として電荷制御剤Aを含む溶液を得た。
得られた電荷制御剤Aを含む溶液を電荷制御剤A溶液−aとした。また、上記において液状重合性化合物Aの代わりに、液状重合性化合物B及び液状重合性化合物Cを用いたものを、それぞれ電荷制御剤A溶液−b、電荷制御剤A溶液−cとした。
電荷制御剤Bとして、ナフテン酸ジルコニウムを準備した。
次に、該ナフテン酸ジルコニウム(キシダ化学社製)6.7部を液状重合性化合物A24.3部に溶解させて、電荷制御剤Bを含む溶液を得た。
得られた電荷制御剤Bを含む溶液を電荷制御剤B溶液−aとした。また、上記において
液状重合性化合物Aの代わりに、液状重合性化合物B及び液状重合性化合物Cを用いたものを、それぞれ電荷制御剤B溶液−b、電荷制御剤B溶液−cとした。
<実施例1>
液状重合性化合物Aを100部、重合開始剤Aを0.334部、電荷制御剤A溶液−aを0.0284部、及びトナー粒子分散体Aを13.644部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Aを100部、重合開始剤Bを0.334部、電荷制御剤A溶液−aを0.0284部、及びトナー粒子分散体Aを13.644部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Bを100部、重合開始剤Aを0.334部、電荷制御剤A溶液−bを0.0284部、及びトナー粒子分散体Bを13.644部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Bを100部、重合開始剤Bを0.334部、電荷制御剤A溶液−bを0.0284部、及びトナー粒子分散体Bを13.644部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Cを100部、重合開始剤Cを0.334部、電荷制御剤A溶液−cを0.0284部、及びトナー粒子分散体Cを13.644部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Cを100部、重合開始剤Dを0.334部、電荷制御剤B溶液−cを0.0106部、及びトナー粒子分散体Cを13.68部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Aを100部、重合開始剤Aを0.334部、電荷制御剤B溶液−aを0.0106部、及びトナー粒子分散体Aを13.68部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Aを100部、重合開始剤Bを0.334部、電荷制御剤B溶液−aを0.0106部、及びトナー粒子分散体Aを13.68部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Bを100部、重合開始剤Aを0.334部、電荷制御剤B溶液−bを0.0106部、及びトナー粒子分散体Bを13.68部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Bを100部、重合開始剤Bを0.344部、電荷制御剤B溶液−bを0.0106部、及びトナー粒子分散体Bを13.68部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Cを100部、重合開始剤Cを0.344部、電荷制御剤B溶液−cを0.0106部、及びトナー粒子分散体Cを13.68部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
液状重合性化合物Cを100部、重合開始剤Dを0.344部、電荷制御剤A溶液−cを0.0284部、及びトナー粒子分散体Cを13.644部混合し、硬化型液体現像剤を作製した。
<D1剤及びD2剤の調製>
各実施例及び比較例で用いた硬化型液体現像剤の作製において、電荷制御剤を添加しないもの(以下、「D1剤」とする)と、重合開始剤を添加しないもの(以下、「D2剤」とする)を用意した。
<D1及びD2剤におけるトナー粒子の電気泳動性の評価>
作製されたD1剤及びD2剤におけるトナー粒子の電気泳動性の評価を以下の手順で行った。
D1剤及びD2剤を、厚さ300μm、幅20mmの金属製電極を100μm離間し対向させた平行平板電極間に毛管力で保持した。
平行平板電極間に100Vの電位差を印加(電界強度 1×106V/m)した際の、トナー粒子の電気泳動の様子を光学顕微鏡に接続した高速度カメラ(フォトロン社製 FASTCAM SA−1)で撮影した。
該トナー粒子の電気泳動の様子で、トナー粒子の電気泳動極性を判別した。
電気泳動極性はトナー粒子が正極に泳動した場合は負、負極に泳動した場合は正とした。また、電気泳動極性が明確でないものについては、どちらの電極にトナー粒子が多く付着したかで判別した。
得られた硬化型液体現像剤の現像性評価は以下の手順で行い、下記基準で評価した。
表層が導電ゴムで覆われた現像ローラと金属ローラを対向させた状態で押圧し、3mm程度のニップを形成した。評価したい硬化型液体現像剤を現像ローラ表面に数滴垂らした後、150V又は500Vの表面電位で、静電パターン像を形成した静電記録紙とともにローラ間に挟み込まれるよう搬送しつつ現像を行った。
但し、静電パターン像側を現像ローラに向くようにした。現像中、現像ローラの芯金には300V、金属ローラは0Vに設定した。このようにすることで、トナー粒子の極性に従って静電記録紙上に画像が形成される。
得られた画像の良否を非画像形成部(白地部)の濃度である所謂カブリをルーペ及び目視で判断した。
(評価基準)
A:ルーペ(10倍、PEAK社製)で見てもほとんどカブリが見当たらない
B:ルーペで見ればカブリがあるが、目視では気にならない
C:目視でカブリが見える
D:目視でも明らかにカブリが確認できる
表1の結果から、D1剤及びD2剤におけるトナー粒子の電気泳動極性が一致する(すなわち、同極性である)ものは、硬化型液体現像剤の現像性評価が良いことが分かる。
Claims (4)
- 液状重合性化合物、重合開始剤、電荷制御剤、及びトナー粒子を含有する硬化型液体現像剤であって、
該硬化性液体現像剤から電荷制御剤のみを除いて作製したものをD1剤とし、
該硬化性液体現像剤から重合開始剤のみを除いて作製したものをD2剤としたときに、
該D1剤と該D2剤におけるトナー粒子の電気泳動極性が同極性であり、
該液状重合性化合物が、カチオン重合性化合物を含有することを特徴とする硬化型液体現像剤。 - 前記液状重合性化合物が、ビニルエーテル化合物を含有する、請求項1に記載の硬化型液体現像剤。
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