JP2016222413A - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】運転効率の向上を図ることができるエレベータシステムを提供すること。【解決手段】実施形態に係るエレベータシステム1は、利用者が行先階情報を登録する行先階登録装置10と、行先階登録装置10で登録された行先階情報に基づいて、エレベータ2a〜2cの中から少なくとも1台を割り当てる群管理制御部21と、エレベータ2a〜2cの乗り場に設けられ、群管理制御部21により割り当てられたエレベータ号機を表示する案内表示モニタ33と、乗り場に設けられ、行先階情報を登録した利用者が行先階登録装置10から該乗り場に移動したことを検出する検出部30とを備える。行先階登録装置10は、検出部30が利用者の移動を検出した場合に、登録された行先階情報を群管理制御部21に出力すると共に、群管理制御部21が利用者に割り当てたエレベータ号機を案内表示モニタ33に表示する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータシステムに関する。
従来、大規模ビルなどに導入されるエレベータシステムとして、エントランスホールなどのエレベータの乗り場とは異なる位置に行先階登録装置を設置し、この行先階登録装置により行先階を指定した行先階登録を受け付け、この行先階登録にエレベータを応答させるエレベータシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のエレベータシステムでは、利用者は、エレベータの乗り場に到着する前に、行先階登録ができるため、乗り場での待ち時間を低減することができる。また、例えば、複数の行先階登録に対して、行先階が近い行先階登録に同一のエレベータを割り当てるなど、利用者を効率的に搬送することができ、サービスの向上が実現される。
特開平4−217582号公報
しかしながら、上述したエレベータシステムでは、行先階登録装置が乗り場とは異なる位置に設置されているため、行先階登録がされてから、利用者が乗り場に到着するまでの間に所定の時間が経過する。特に、上下に連結される上かご及び下かごを有するダブルデッキエレベータでは、上かごが着床する上かご乗り場と下かごが着床する下かご乗り場とが設けられる構成となるため、行先階登録装置から各乗り場への移動により多くの時間がかかる。このため、利用者よりも先にエレベータが乗り場に到着し、利用者がエレベータに乗り遅れることが懸念される。この場合、行先階登録が再び要求されることとなり、エレベータの運転効率の低下が生じるおそれがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、運転効率の向上を図ることができるエレベータシステムを提供することを目的とする。
実施形態のエレベータシステムは、利用者が行先階情報を登録する行先階登録装置と、行先階登録装置で登録された行先階情報に基づいて、複数台のエレベータから少なくとも1台を割り当てる群管理制御部と、エレベータの乗り場に設けられ、群管理制御部により割り当てられたエレベータ号機を表示する表示部と、乗り場に設けられ、行先階情報を登録した利用者が行先階登録装置から該乗り場に移動したことを検出する検出部と、を備える。行先階登録装置は、検出部が利用者の乗り場への移動を検出した場合に、登録された行先階情報を群管理制御部に出力すると共に、群管理制御部が利用者に割り当てたエレベータ号機を表示部に表示する。
図1は、第1実施形態のエレベータシステムの概略構成を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態のエレベータシステムのレイアウト図である。 図3は、エレベータのかご内を示す概略図である。 図4は、第1実施形態のエレベータシステムの動作手順を示すフローチャートである。 図5は、第2実施形態のエレベータシステムの概略構成を示すブロック図である。 図6は、第2実施形態のエレベータシステムのレイアウト図である。 図7は、第2実施形態のエレベータシステムの動作手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態のエレベータシステムを説明する。以下で説明する実施形態は、複数台(3台)のエレベータにより、利用者をサービス対象のフロア(階床)に搬送するエレベータシステムへの適用例である。実施形態のエレベータは、上下に連結された上かご及び下かごを有するダブルデッキエレベータである。なお、適用可能なエレベータシステムはこれに限らず、エレベータを単一のかごを有するシングルデッキエレベータとしてもよいし、使用するエレベータの台数などを任意に変更してもよい。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のエレベータシステムの概略構成を示すブロック図であり、図2は、第1実施形態のエレベータシステムのレイアウト図である。第1実施形態のエレベータシステム1は、利用者として不特定多数の一般来場者を想定したシステムである。エレベータシステム1は、図1に示すように、a号機、b号機及びc号機の3台のエレベータ2a,2b,2c(以下、エレベータ2a〜2cと記載する)を備える。エレベータ2a〜2cは、それぞれ上かご3と下かご4とから構成される2つのかご室が上下方向に連結されたかご枠5を有するダブルデッキエレベータである。また、エレベータ2a〜2cは、かご枠5の各かご間の距離を調整可能な階間調整機能(不図示)を備えている。
ダブルデッキエレベータを有するエレベータシステム1では、ビルのエントランスホール7(例えば1階)は、図2に示すように、エントランスホール7と同じ高さレベルに設けられた下かご乗り場6aと、この下かご乗り場6aよりも上方に設けられる上かご乗り場6bとを備える。下かご乗り場6aには、エレベータ2a〜2cの下かご4がそれぞれ着床し、上かご乗り場6bには、エレベータ2a〜2cの上かご3がそれぞれ着床する。図2では便宜上、下かご乗り場6aのエレベータ2a〜2cと、上かご乗り場6bのエレベータ2a〜2cとをずらして描いている。
上かご乗り場6bは、エントランスホール7よりも上方のフロア(例えば2階または中2階)に設けられ、エントランスホール7から階段もしくはエスカレータで移動できるようになっている。ここで、上かご乗り場6b及び下かご乗り場6aを区別する必要が無い場合には、単に、乗り場6と称する。
エレベータシステム1は、図1に示すように、利用者が希望する行先階情報の登録を行う行先階登録装置10と、行先階登録装置10で登録された行先階情報に基づいて、エレベータ2a〜2cの中から少なくとも1台を割り当てると共に、これらエレベータ2a〜2cの運転を制御するエレベータ制御装置20とを備える。
また、エレベータシステム1は、利用者が乗り場6に到着したことを検出する検出部30と、利用者及び利用者の荷物を撮影するカメラ(撮影部)31と、利用者及び利用者の荷物の重量を検出する荷重センサ(荷重検出部)32と、利用者に対して割り当てられたエレベータ号機を表示する案内表示モニタ(表示部)33とを備える。
行先階登録装置10は、図2に示すように、エントランスホール7に設けられ、利用者の行先階の登録を受け付ける。行先階登録装置10は、図1に示すように、乗り場報知部11と、入力操作部12と、内部記憶部13と、認証部14と、制御部15とを備える。乗り場報知部11は、例えば、行先階登録装置10の筐体表面に設けられたモニタであり、行先階の登録をした利用者に対して、下かご乗り場6a、または、上かご乗り場6bのいずれかを表示して案内する。また、乗り場報知部11は、エレベータ2a〜2cの運転中に、上かご3及び下かご4が停止する階床の表示を行う。乗り場報知部11として、モニタに表示すると共に音声で案内してもよい。入力操作部12は、例えば、行先階登録装置10の筐体表面に設けられたタッチパネルスイッチであり、タッチパネルスイッチを介して、利用者が希望する階床の番号を入力することにより登録を受け付ける。また、入力操作部12として、音声による入力操作を受け付ける構成を備えてもよい。
内部記憶部13は、入力操作部12を介して登録された行先階情報と、検出部30、カメラ31及び荷重センサ32がそれぞれ検出した情報と、を記憶する。認証部14は、カメラ31で撮影された利用者と、上記行先階情報を登録した利用者とが同一人物であるかを認証する。具体的には、行先階情報を登録する際に、カメラ31で撮影された利用者の顔の形状を数値化して内部記憶部13に記憶し、下かご乗り場6a、または、上かご乗り場6bに到着した利用者をカメラ31で撮影して同一人物であるかを認証する。制御部15は、行先階登録装置10全体を制御する。本実施形態では、制御部15は、カメラ31と共に、カメラ31が撮影した撮影画像に基づき、利用者及び利用者の荷物(車椅子などを含む)の大きさを検出する体積検出部としての機能も有する。また、制御部15は、エレベータ制御装置20、検出部30、カメラ31、荷重センサ32及び案内表示モニタ33と連携し、内部記憶部13に記憶された行先階情報と、検出部30、カメラ31及び荷重センサ32が検出した情報とをエレベータ制御装置20に出力する。さらに、エレベータ制御装置20が割り当てたエレベータ号機の情報を取得し、この情報を案内表示モニタ33に表示する。
エレベータ制御装置20は、図1に示すように、a号機からc号機の各エレベータ2a〜2cの運転を個別に制御する号機制御部22a,22b,22c(以下、号機制御部22a〜22cと記載する)と、これら号機制御部22a〜22cと連携してエレベータシステム全体を制御する群管理制御部21とを備える。群管理制御部21は、行先階登録装置10の制御部15から出力された行先階情報、及び、利用者及び荷物の荷重及び大きさの情報を取得し、これら各情報に基づきエレベータ号機の割り当てを行う。号機制御部22a〜22cは、各エレベータ2a〜2cの上かご3及び下かご4の積載量を検出して、この積載量の情報を随時、群管理制御部21に出力する。また、号機制御部22a〜22cは、各エレベータ2a〜2cの上かご3及び下かご4内に設けられたカメラ31(後述する)によって撮影された撮影画像から上かご3及び下かご4内の空間(隙間)を検出し、この空間の情報を随時、群管理制御部21に出力する。
検出部30は、行先階情報を登録した利用者が指定された乗り場6に到着したことを検出するものであり、該利用者を追跡する追跡カメラ34と、利用者の到着を検出する乗り場到着センサ35とを備える。追跡カメラ34は、図2に示すように、下かご乗り場6a及び上かご乗り場6bにそれぞれ設けられた複数のカメラで構成され、登録した利用者を特定し、この利用者を追跡する。また、乗り場到着センサ35は、下かご乗り場6a及び上かご乗り場6bにそれぞれ設けられ、追跡カメラ34と連動して登録した利用者が指定された乗り場6に到着したことを検出する。検出部30は、行先階情報を登録した利用者が指定された乗り場6に到着したことを検出すると、この検出した情報を制御部15に伝達する。なお、本実施形態では、検出部30として、利用者を追跡する追跡カメラ34と、利用者の到着を検出する乗り場到着センサ35とを備えた構成としたが、行先階情報を登録した利用者が指定された乗り場6に到着したことを検出できれば、他の構成を採用してもよい。例えば、行先階登録装置10に行先階を登録する際に、利用者の顔をカメラ31で撮影し、この利用者と同一人物が案内された乗り場6で検出された場合、該利用者が乗り場6に到着したと判断してもよい。
カメラ31は、行先階登録装置10が設置されるエントランスホール7や、下かご乗り場6a及び上かご乗り場6bにそれぞれ設けられている。また、カメラ31は、図3に示すように、各エレベータ2a〜2cの上かご3及び下かご4内にそれぞれ設けられている。カメラ31は、利用者及び荷物の画像を撮影することで、この画像情報に基づき、利用者が同一人物であるかの認証や、利用者及び荷物の体積や上かご3及び下かご4内の空間の検出に用いられる。各エレベータ2a〜2cにおける上かご3及び下かご4内が撮影された情報は、各号機制御部22a〜22cを通じて、群管理制御部21に伝達される。
荷重センサ32は、行先階登録装置10に行先階を登録する際に、利用者が位置する床板36に設置される。具体的には、床板36は所定の大きさに形成され、エントランスホール7の床とは別に設置される。この床板36の下面の例えば4隅に荷重センサ32が設置され、床板36上に載った利用者及び荷物の荷重(重量)が検出される。荷重センサ32は、荷重を検出すると、荷重情報を制御部15に伝達する。案内表示モニタ33は、下かご乗り場6a及び上かご乗り場6bにそれぞれ設けられ、行先階情報を登録した利用者に対して割り当てられたエレベータ号機を表示する。また、案内表示モニタ33には、上記したカメラ31の1台が設けられており、このカメラ31が案内表示モニタ33に対向する利用者を撮影する。
次に、エレベータシステム1の動作について説明する。図4は、第1実施形態のエレベータシステムの動作手順を示すフローチャートである。まず、入力操作部12を介して、行先階が登録されると(ステップSa1)、制御部15は、荷重センサ32を用いて、行先階を登録した利用者及び荷物の重量を検出する(ステップSa2)。検出した荷重情報は、登録された行先階情報と共に内部記憶部13に記憶される。次に、制御部15は、利用者に対して、上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6aを案内する(ステップSa3)。例えば、登録された行先階が奇数階であるか偶数階であるかによって、上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6aを案内する。また、本実施形態では、利用者が車椅子利用者であったり、荷物の重量が基準値以上である場合には、エントランスホール7からの移動が容易な下かご乗り場6aを案内することが好ましい。
次に、制御部15は、登録した利用者を追跡カメラ34で追跡する(ステップSa4)と共に、カメラ31で撮影することで登録した利用者及び荷物の大きさを検出する(ステップSa5)。この検出された利用者及び荷物の大きさの情報は、登録された行先階情報、及び、上記した荷重情報と共に、内部記憶部13に記憶される。この場合、追跡カメラ34で撮影した画像情報についても、内部記憶部13に記憶しておくことが好ましい。これにより、不特定多数の利用者が来場するビル並びにエレベータシステム1の防犯効果を高めることができる。
続いて、制御部15は、追跡カメラ34で追跡している利用者が案内された乗り場6(上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6a)に到着したか否かを判別する(ステップSa6)。具体的には、追跡している利用者が、案内された乗り場6に設けられた乗り場到着センサ35によって検出されたか否かを判別する。到着しない場合(ステップSa6;No)には、エレベータを利用しないと判断し、一定期間(例えば1週間)後に登録された行先階情報及び検出された各情報を消去する(ステップSa7)。
一方、追跡している利用者が案内された乗り場6に到着した場合(ステップSa6;Yes)、検出部30は到着したことを制御部15に伝達し、制御部15は、登録された行先階情報をエレベータ制御装置20の群管理制御部21に出力する(ステップSa8)。この場合、制御部15は、行先階情報に加えて、登録時に検出された利用者及び荷物の重量及び大きさの各情報を群管理制御部21に出力する。群管理制御部21は、取得した各情報に基づいて、利用者に対してエレベータを割り当てる(ステップSa9)。具体的には、車椅子利用者や、大きな荷物を持った利用者には、かご内の空間に余裕のあるエレベータ号機を割り当てる。これにより、車椅子利用者や、大きな荷物を持った利用者が割り当てられたエレベータに乗れないといった事態を防止することができる。割り当てられたエレベータ号機の情報は、群管理制御部21から制御部15に伝達される。
続いて、制御部15は、割り当てられたエレベータ号機の情報を案内表示モニタ33に表示する(ステップSa10)。この場合、制御部15は、案内表示モニタ33に設けたカメラ31により、案内表示モニタ33を見ている利用者を撮影し、この利用者に対して割り当てられたエレベータ号機の情報を案内表示モニタ33に表示する。さらに、例えば、『○階をご登録された利用者様は○号機前でお待ちください』などの案内を表示することで、利用者に割り当てられたエレベータ号機を正確に当該利用者に伝達することができる。
このように、実施形態のエレベータシステム1は、利用者が行先階情報を登録する行先階登録装置10と、行先階登録装置10で登録された行先階情報に基づいて、エレベータ2a〜2cの中から少なくとも1台を割り当てる群管理制御部21と、エレベータの乗り場6に設けられ、群管理制御部21により割り当てられたエレベータ号機を表示する案内表示モニタ33と、乗り場6に設けられ、行先階情報を登録した利用者が行先階登録装置10から該乗り場6に移動したことを検出する検出部30と、を備え、行先階登録装置10は、検出部30が利用者の移動を検出した場合に、登録された行先階情報を群管理制御部21に出力すると共に、群管理制御部21が利用者に割り当てたエレベータ号機を案内表示モニタ33に表示する。このため、例えば、行先階登録装置10が乗り場6とは異なる位置に設置されている場合であっても、利用者が乗り場6に着いた後に、登録された行先階情報が群管理制御部21に出力されるため、利用者よりも先にエレベータ2a〜2cが乗り場6に到着し、利用者がエレベータ2a〜2cに乗り遅れることが防止される。従って、行先階登録が再び要求されることがなくなり、エレベータの運転効率の向上を図ると共に、省エネルギ化を図ることができる。
特に、実施形態のエレベータシステム1では、エレベータ2a〜2cは、上下に連結される上かご3及び下かご4を有するダブルデッキエレベータであり、乗り場6として、上かご3が着床する上かご乗り場6b及び下かご4が着床する下かご乗り場6aを有する構成であるため、行先階登録装置10から上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6aへの移動には、より多くの時間がかかる。この場合であっても、上記した構成を備えるため、利用者よりも先にエレベータ2a〜2cが上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6aに到着し、利用者がエレベータ2a〜2cに乗り遅れることが防止される。従って、行先階登録が再び要求されることがなくなり、より一層、エレベータの運転効率の向上を図ることができる。
さらに、行先階登録装置10は、行先階情報を登録した利用者に対して上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6aへの案内を報知する乗り場報知部11を備えるため、登録した利用者が案内された上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6aへ速やかに移動することが可能となる。このため、行先階登録が再び要求されることがなくなり、エレベータの運転効率の向上を図ることができる。
また、実施形態のエレベータシステム1は、行先階情報を登録した利用者及び該利用者の荷物の大きさを検出する体積検出部としての制御部15及びカメラ31を備え、群管理制御部21は、エレベータのかご内の空間に余裕のあるエレベータ号機を割り当てるため、例えば、車椅子利用者や、大きな荷物を持った利用者が割り当てられたエレベータに乗れないといった事態を防止することができる。
また、実施形態のエレベータシステム1は、行先階情報を登録した利用者及び該利用者の荷物の重量を検出する荷重センサ32を備え、群管理制御部21は、エレベータのかご内の積載量に余裕のあるエレベータ号機を割り当てるため、利用者が割り当てられたエレベータに乗れないといった事態を確実に防止することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のエレベータシステムについて説明する。第1実施形態のエレベータシステム1は、利用者として不特定多数の一般来場者を想定したシステムであったが、第2実施形態のエレベータシステム1Aは、利用者として一般来場者と共に、ビルに入るオフィスの従業員についても想定したものである。
図5は、第2実施形態のエレベータシステムの概略構成を示すブロック図であり、図6は、第2実施形態のエレベータシステムのレイアウト図である。第2実施形態のエレベータシステム1Aの構成は、第1実施形態のエレベータシステム1と同様であるため、同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
エレベータシステム1Aは、図5に示すように、上記した行先階登録装置10、エレベータ制御装置20、検出部30、カメラ(撮影部)31、荷重センサ(荷重検出部)32、及び、案内表示モニタ(表示部)33に加え、さらに、利用者データベース(記憶部)40と、既登録利用者用端末41とを備える。
利用者データベース40は、オフィスの従業員などのように、エレベータ2a〜2cを常用する利用者の情報と、この利用者の行先階(オフィスがある階床)の情報とを予め紐づけて記憶するものである。利用者の情報としては、利用者を特定できるものであればよく、本実施形態では利用者の顔を撮影した情報が記憶されている。
既登録利用者用端末41は、上記した利用者データベース40に情報が記憶(登録)された利用者(既登録利用者)が使用できる端末である。既登録利用者用端末41は、既登録利用者が利用者データベース40に記憶された行先階とは異なる階床に行く場合に操作され、図5に示すように、変更された行先階情報を入力するための変更入力操作部42を備える。この変更入力操作部42を通じて、操作する場合には、例えば、従業員証などのIDカードにより、操作者が既登録利用者であることを認証することが好ましい。また、既登録利用者用端末41にカメラを設け、このカメラで撮影した情報と利用者データベース40に記憶された情報とから既登録利用者であることを認証してもよい。既登録利用者用端末41は、図6に示すように、上かご乗り場6b及び下かご乗り場6aにそれぞれ設けられている。
次に、エレベータシステム1Aの動作について説明する。図7は、第2実施形態のエレベータシステムの動作手順を示すフローチャートである。まず、乗り場6(上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6a)に設けたカメラ31により、乗り場6に利用者が検出されると(ステップSb1)、制御部15は、この利用者が既登録利用者であるか否かを判別する(ステップSb2)。具体的には、制御部15は、乗り場6で待機する利用者、すなわち、カメラ31によって撮影された利用者と同一人物の情報が利用者データベース40に記憶されているかを認証部14に認証させる。この結果、乗り場6で待機する利用者が既登録利用者である場合(ステップSb2;Yes)には、処理をステップSb8に移行する。
一方、乗り場6で待機する利用者が既登録利用者でない場合(ステップSb2;No)、すなわち一般来場者である場合には、制御部15は、案内表示モニタ33に、行先階情報を登録する案内を表示する(ステップSb3)。この場合、行先階登録装置10の位置を示す見取図を合わせて表示することが好ましい。この案内の表示に基づいて、利用者が行先階登録装置10に移動し、入力操作部12を介して、行先階が登録されると(ステップSb4)、制御部15は、荷重センサ32を用いて、行先階を登録した利用者及び荷物の重量を検出する(ステップSb5)。検出した荷重情報は、登録された行先階情報と共に内部記憶部13に記憶される。次に、制御部15は、利用者に対して、上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6aを案内する(ステップSb6)。例えば、登録された行先階が奇数階であるか偶数階であるかによって、上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6aを案内する。また、本実施形態では、利用者が車椅子利用者であったり、荷物の重量が基準値以上である場合には、エントランスホール7からの移動が容易な下かご乗り場6aを案内することが好ましい。
次に、制御部15は、登録した利用者を追跡カメラ34で追跡する(ステップSb7)と共に処理をステップSb10に移行する。ここで、追跡カメラ34で撮影した画像情報についても、内部記憶部13に記憶しておくことが好ましい。これにより、不特定多数の利用者が来場するビル並びにエレベータシステム1Aの防犯効果を高めることができる。
次に、制御部15は、上記したステップSb2において、乗り場6で待機する利用者が既登録利用者である場合(ステップSb2;Yes)、利用者データベース40に記憶された行先階情報(既登録階)に変更があるか否かを判別する(ステップSb8)。具体的には、既登録利用者が既登録利用者用端末41を通じて、行先階情報の変更操作を入力するか否かを判別する。行先階情報の変更操作が入力された場合(ステップSb8;Yes)、制御部15は入力された新たな行先階情報を取得し、この行先階情報を登録する(ステップSb9)。また、行先階情報に変更がない、すなわち、所定時間(例えば30秒間)、行先階情報の変更操作が入力されない場合(ステップSb8;No)、制御部15は、処理をステップSb10に移行する。
続いて、制御部15は、既登録利用者または行先階情報を登録した利用者、及び荷物の大きさを検出する(ステップSb10)。この検出された利用者(既登録利用者を含む)及び荷物の大きさの情報は、登録された行先階情報、及び、上記した荷重情報と共に、内部記憶部13に記憶される。
続いて、制御部15は、追跡カメラ34で追跡している利用者が案内された乗り場6(上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6a)に到着したか否かを判別する(ステップSb11)。具体的には、追跡している利用者が、案内された乗り場6に設けられた乗り場到着センサ35によって検出されたか否かを判別する。到着しない場合(ステップSb11;No)には、エレベータを利用しないと判断し、一定期間(例えば1週間)後に登録された行先階情報及び検出された各情報を消去する(ステップSb12)。なお、既登録利用者の場合には、予め乗り場6(上かご乗り場6bまたは下かご乗り場6a)に到着しているため、ステップSb11の処理については、乗り場6に到着したものとする。
既登録利用者または追跡している利用者が案内された乗り場6に到着した場合(ステップSb11;Yes)、検出部30は到着したことを制御部15に伝達し、制御部15は、登録された行先階情報をエレベータ制御装置20の群管理制御部21に出力する(ステップSb13)。この場合、制御部15は、行先階情報に加えて、登録時に検出された利用者及び荷物の重量及び大きさの各情報を群管理制御部21に出力する。群管理制御部21は、取得した各情報に基づいて、利用者に対してエレベータを割り当てる(ステップSb14)。具体的には、車椅子利用者や、大きな荷物を持った利用者には、かご内の空間に余裕のあるエレベータ号機を割り当てる。これにより、車椅子利用者や、大きな荷物を持った利用者が割り当てられたエレベータに乗れないといった事態を防止することができる。割り当てられたエレベータ号機の情報は、群管理制御部21から制御部15に伝達される。
続いて、制御部15は、割り当てられたエレベータ号機の情報を案内表示モニタ33に表示する(ステップSb15)。この場合、制御部15は、案内表示モニタ33に設けたカメラ31により、案内表示モニタ33を見ている利用者を撮影し、この利用者に対して割り当てられたエレベータ号機の情報を案内表示モニタ33に表示する。さらに、例えば、『○階をご登録された利用者様は○号機前でお待ちください』などの案内を表示することで、利用者に割り当てられたエレベータ号機を正確に当該利用者に伝達することができる。
このように、第2実施形態のエレベータシステム1Aでは、上記した第1実施形態で説明した効果に加えて、さらに以下の効果を奏する。すなわち、第2実施形態のエレベータシステム1Aは、エレベータ2a〜2cを常用する利用者と該利用者の行先階情報とを予め紐づけて記憶する利用者データベース40と、乗り場6で待機する利用者と利用者データベース40に記憶された利用者との認証を行う認証部14とを備え、認証部14が、乗り場6に待機する利用者と利用者データベース40に記憶された利用者とが同一人物であると認証した場合、行先階登録装置10は、利用者データベース40に記憶された行先階情報を群管理制御部21に出力すると共に、群管理制御部21が該利用者に割り当てたエレベータ号機を案内表示モニタ33に表示する。このため、利用者データベース40に予め記憶(登録)された既登録利用者は、都度、行先階登録装置10に行先階情報を登録することなく、エレベータ2a〜2cを利用することができ、利用者の利便性の向上を実現することができる。
さらに、第2実施形態のエレベータシステム1Aは、既登録利用者が利用者データベース40に記憶された行先階とは異なる階床に行く場合に操作する既登録利用者用端末41を備えるため、乗り場6で行先階の変更を行うことができ、利用者の利便性の向上を実現できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,1A エレベータシステム、2a,2b,2c エレベータ、3 上かご、4 下かご、6 乗り場、6a 下かご乗り場、6b 上かご乗り場、7 エントランスホール、10 行先階登録装置、11 乗り場報知部、12 入力操作部、13 内部記憶部、14 認証部、15 制御部(体積検出部)、20 エレベータ制御装置、21 群管理制御部、22a,22b,22c 号機制御部、30 検出部、31 カメラ(体積検出部)、32 荷重センサ(荷重検出部)、33 案内表示モニタ(表示部)、34 追跡カメラ、35 乗り場到着センサ、40 利用者データベース(記憶部)、41 既登録利用者用端末、42 変更入力操作部
実施形態のエレベータシステムは、利用者が行先階情報を登録する行先階登録装置と、行先階登録装置で登録された行先階情報に基づいて、複数台のエレベータから少なくとも1台を割り当てる群管理制御部と、エレベータの乗り場に設けられ、群管理制御部により割り当てられたエレベータ号機を表示する表示部と、乗り場に設けられ、行先階情報を登録した利用者が行先階登録装置から該乗り場に移動したことを検出する検出部と、を備える。エレベータは、上下に連結される上かご及び下かごを有するダブルデッキエレベータであり、乗り場として、上かごが着床する上かご乗り場及び下かごが着床する下かご乗り場を有する。行先階登録装置は、行先階情報を登録した利用者に対して上かご乗り場または下かご乗り場への案内を報知する乗り場報知部を備え、検出部が利用者の乗り場への移動を検出した場合に、登録された行先階情報を群管理制御部に出力すると共に、群管理制御部が利用者に割り当てたエレベータ号機を表示部に表示する。

Claims (5)

  1. 利用者が行先階情報を登録する行先階登録装置と、
    前記行先階登録装置で登録された前記行先階情報に基づいて、複数台のエレベータから少なくとも1台を割り当てる群管理制御部と、
    エレベータの乗り場に設けられ、前記群管理制御部により割り当てられたエレベータ号機を表示する表示部と、
    前記乗り場に設けられ、前記行先階情報を登録した利用者が前記行先階登録装置から該乗り場に移動したことを検出する検出部と、を備え、
    前記行先階登録装置は、前記検出部が前記利用者の移動を検出した場合に、登録された前記行先階情報を前記群管理制御部に出力すると共に、前記群管理制御部が前記利用者に割り当てたエレベータ号機を前記表示部に表示することを特徴とするエレベータシステム。
  2. 前記行先階情報を登録した利用者及び該利用者の荷物の大きさを検出する体積検出部を備え、前記群管理制御部は、エレベータ内の空間に余裕のあるエレベータ号機を割り当てることを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
  3. 前記行先階情報を登録した利用者及び該利用者の荷物の重量を検出する荷重検出部を備え、前記群管理制御部は、エレベータ内の積載量に余裕のあるエレベータ号機を割り当てることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータシステム。
  4. 前記エレベータは、上下に連結される上かご及び下かごを有するダブルデッキエレベータであり、前記乗り場として、前記上かごが着床する上かご乗り場及び前記下かごが着床する下かご乗り場を有し、
    前記行先階登録装置は、前記行先階情報を登録した利用者に対して上かご乗り場または下かご乗り場への案内を報知する乗り場報知部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
  5. 前記エレベータを常用する利用者と該利用者の行先階情報とを予め紐づけて記憶する記憶部と、前記乗り場で待機する利用者と前記記憶部に記憶された利用者との認証を行う認証部と、を備え、
    前記認証部が、前記乗り場に待機する利用者と前記記憶部に記憶された利用者とが同一人物であると認証した場合、
    前記行先階登録装置は、前記記憶部に記憶された行先階情報を前記群管理制御部に出力すると共に、前記群管理制御部が該利用者に割り当てたエレベータ号機を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
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