JP2016219248A - 空気金属電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極活物質層の形態変化が効果的に抑制され、長寿命化された空気金属電池を提供する。【解決手段】空気極を正極とし、金属電極を負極とを有する空気金属電池であって、該空気金属電池は、空気極と負極とがセパレータを介して密着しており、負極と遊離の電解液とが接触している部分の有効面積が負極の有効面積全体の50%以下であることを特徴とする空気金属電池。【選択図】なし

Description

本発明は、空気金属電池に関する。より詳しくは、正極として放電用の空気極と充電用の金属電極とを有し、更に負極を有する3極式の空気金属電池等の空気金属電池に関する。
空気金属電池は、正極活物質に空気中の酸素を用いるため電池内部に正極活物質を搭載する必要がなく、そのため負極活物質を大量に充電することができることで、実質的な電池容量を大きくすることができる点を特徴としている。
空気金属電池の1種である空気亜鉛電池は、すでに一次電池としては補聴器用などに用いられているが、二次電池として市場に流通している例はない。これは、正極である空気極を用いた充電反応は酸素発生反応であるために密閉化が困難である他、正極の触媒として用いる炭素等が酸化されてしまい、充分な性能を得ることが難しいためである。そこで、空気極を放電用の正極としてのみ用い、別に充電用の正極を設置した3極方式の空気亜鉛電池が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、亜鉛種を活物質とする負極では、亜鉛デンドライトの成長や、負極活物質層の形態変化といった不具合が発生することが知られている。この不具合は3極方式の空気亜鉛電池にしても発生するため、電池としての寿命は非常に短い。この課題に対しては、亜鉛負極を安定に動作させる工夫が提案されており(特許文献2、3参照)、亜鉛デンドライトについては、アニオン伝導性材料を用いて抑制する技術が提案されている(特許文献4参照)。
特開2000−133328号公報 特開2013−225444号公報 特開2015−225443号公報 特開2015−5493号公報
空気金属電池の1種である空気亜鉛電池では、亜鉛負極でデンドライトの成長だけでなく負極活物質層の形態変化も発生し、これが電池の寿命を短くする原因の1つとなることが知られている。また負極活物質層の形態変化を生じる金属は亜鉛だけに限られないため、負極活物質層の形態変化を抑制して空気金属電池をより長寿命化することは、空気金属電池に共通の課題である。上記のように、空気亜鉛電池として充分な性能を得ることを目的とした検討がされているが、上記技術では負極活物質層の形態変化が充分に抑制されているとはいえない。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、負極活物質層の形態変化が効果的に抑制され、長寿命化された空気金属電池を提供することを目的とする。
本発明者は、負極活物質層の形態変化が効果的に抑制され、長寿命化された空気金属電池について種々検討したところ、放電用の空気極と負極とがセパレータを介して密着しており、かつ、負極が遊離の電解液と接触している部分の有効面積が負極の有効面積全体の50%以下となるように電池を構成すると、負極活物質層の形態変化が効果的に抑制され、空気金属電池を長寿命化できることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、空気極を正極とし、金属電極を負極とを有する空気金属電池であって、該空気金属電池は、空気極と負極とがセパレータを介して密着しており、負極と遊離の電解液とが接触している部分の有効面積が負極の有効面積全体の50%以下であることを特徴とする空気金属電池である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<空気金属電池>
本発明の空気金属電池は、空気極を正極とし、金属電極を負極とを有する空気金属電池であって、空気極と負極とがセパレータを介して密着しており、かつ、負極が遊離の電解液と接触している部分の有効面積が負極の有効面積全体の50%以下であることを特徴とする。
電極の形態変化(シェイプチェンジ)の原因には、重力による負極活物質の滑落や放電生成物(放電時の活物質の形態)の不均一析出がある。これらの現象は、電池層内の電解液の量に大きく依存しており、遊離の電解液がない電池ではほとんど生じない。また、放電生成物(放電時の活物質の形態)の不均一析出は、負極のうち、正極に対向する面側で発生しやすい。本発明の空気金属電池では、空気極と負極とがセパレータを介して密着していることで、負極のうち、正極とセパレータを介して密着している面からの重力による負極活物質の滑落や放電生成物(放電時の活物質の形態)の不均一析出が効果的に抑制される。また、負極が遊離の電解液と接触している部分の有効面積が負極の有効面積全体の50%以下であることで、負極のうち、正極とセパレータを介して密着している面以外の部分からの重力による負極活物質の滑落や放電生成物(放電時の活物質の形態)の不均一析出も効果的に抑制される。
更に、電極の形態変化(シェイプチェンジ)のもう1つの原因として、電極の面内方向の充放電電流の不均一性がある。シェイプチェンジの抑制のためには、充放電電流を均一にすることが重要である。電極間距離に対して電極面積が充分に大きいと電極間に平行電場が形成される。充放電反応の均一性には、この平行電場を形成することが重要であり、空気極と負極とがセパレータを介して密着していることで、空気極と負極の有効面積に対して電極間距離が近くなり、平行電場が形成されやすくなるため、この点からもシェイプチェンジが効果的に抑制される。
本発明において、電極の有効面積とは、電極表面のうち、電極としての機能を発揮することができる部分の面積を意味し、例えば、電極活物質層の一部に絶縁塗料やフィルムで被覆された部分がある場合には、当該部分は有効面積には含まれない。
更に本発明の空気金属電池には、次のような効果もある。空気極と負極との間に存在するセパレータや電解液は、全てイオンの移動の抵抗となるが、空気極と負極とがセパレータを介して密着していることで、空気極と負極との間には、セパレータに含まれる電解液しか存在しないことになる。また、セパレータも薄くすることができるため、空気極と負極間のイオン移動の抵抗が少なくなって、出力(電圧)の大きな電池とすることができる。
本発明において、遊離の電解液とは、自由に移動することができる状態にある電解液を意味し、セパレータ中に含まれる電解液のように自由な移動に制限のある電解液は遊離の電解液には含まれない。
上記負極は、遊離の電解液と接触している部分の有効面積が負極の有効面積全体の50%以下であることが好ましく、より好ましくは、30%以下であり、最も好ましくは、0%、すなわち、遊離の電解液と接触している部分がないことである。
ここで、負極の、遊離の電解液と接触している部分の有効面積の割合は、負極活物質層表面全体の有効面積に対する割合である。負極が、集電体の両面に負極活物質層が形成されたものである場合、集電体の両面の負極活物質層表面の有効面積の合計を意味する。
本発明において、電極の有効面積は、ものさし、ノギス等により辺を測定の上、算出することができる。
本発明の空気亜鉛電池は、空気極と負極とを有する2極方式の空気金属電池であっても、正極として放電用の空気極と充電用の金属電極とを有する3極方式の空気金属電池であってもよいが、遊離の電解液が特に必要な3極方式の空気金属電池である場合に、本発明の構成とすることの技術的意義がより発揮されることになる。3極方式の空気金属電池である場合、放電用の空気極と負極とがセパレータを介して密着していれば、上述した効果を発揮することができる。
すなわち、空気金属電池が、正極として放電用の空気極と充電用の金属電極とを有する3極方式の空気金属電池であって、該空気金属電池は、放電用の空気極と負極とがセパレータを介して密着しており、負極と遊離の電解液とが接触している部分の有効面積が負極の有効面積全体の50%以下であることは、本発明の空気金属電池の好適な実施形態の1つである。
本発明の3極方式の空気金属電池において、放電用の正極は、遊離の電解液と接触している部分の有効面積が放電用正極の有効面積全体の5%以下であることが好ましい。空気極は、空気極の触媒となる金属、空気、電解液の3層界面ができている必要がある。空気極に遊離の電解液と接触している部分があると、その部分では空気極が電解液で濡れて3層界面がなくなる(空気極の沈没)が、セパレータ中に含まれる電解液とのみ接触している部分では、空気極の沈没が抑制され、3層界面を形成することができる。また、電解液の液漏れを抑制することもできる。放電用の正極のうち、遊離の電解液と接触している部分の有効面積は放電用正極の有効面積全体の3%以下であることがより好ましく、最も好ましくは、0%、すなわち、放電用の正極の有効面積部分に遊離の電解質と接触している部分がないことである。
ここで、放電用正極の有効面積全体とは、放電用正極の両面に電極としての機能を発揮することができる部分がある場合には、それらの部分の面積の合計を意味する。
上記3極方式の空気金属電池において、負極は、放電用の空気極と対向している面とは反対側の面もセパレータと密着していることが好ましい。これにより、負極の、放電用の空気極と対向している面と反対側の面についても、セパレータと密着している部分について遊離の電解液との接触がなくなり、重力による負極活物質の滑落や放電生成物(放電時の活物質の形態)の不均一析出をより効果的に抑制することができるとともに亜鉛種やカドミウム種を活物質として用いた場合のデンドライトの成長も抑制することができる。
上記3極方式の空気金属電池において、負極と充電用の金属電極とがセパレータを介して密着していることは、本発明の3極方式の空気金属電池の好適な形態の1つである。これにより、負極と充電用の金属電極との有効面積に対して負極と充電用の金属電極との距離を充分に近くすることができ、負極と充電用の金属電極との間に平行電場が形成されやすくなることで、電極の面内方向の充放電電流が充分に均一なものとなって、負極の充電用の金属電極と対向する面側のシェイプチェンジも効果的に抑制される。更に、亜鉛種やカドミウム種を負極活物質として用いた場合のデンドライトの成長もより効果的に抑制することができる。
なお、2極式の空気金属電池の場合は、空気極と負極とがセパレータを介して密着していることで、デンドライトの成長も効果的に抑制されることになる。
図1は、本発明の空気金属電池の好ましい形態の一例を図で示したものである。この空気金属電池は、正極として放電用の空気極と充電用の金属電極とを有する3極方式の空気金属電池であって、負極に対向する側の放電用の空気極全体と放電用の空気極に対向する側の負極全体とがセパレータを介して密着しており、かつ、放電用正極に対向する側の負極全体もセパレータと密着している。放電用の空気極と負極はいずれも遊離の電解液とは接触しておらず、充電用正極の周囲にのみ、遊離の電解液が存在している。この空気金属電池では、中央に配置した遊離の電解液と充電用の正極とを挟んでその左右に負極、及び、放電用の空気極を配置することで、容量の大きな電池となる。
更に別の好ましい形態を図2に示す。図2は、図1の形態に比べて、負極の、放電用正極と対向している側の面と充電用正極とがセパレータを介して密着している点が異なっている。図2の形態とすることで、図1の形態の電池に比べて、負極の充電用の金属電極と対向する面側のシェイプチェンジも効果的に抑制される。
<負極>
本発明の空気金属電池を構成する負極としては、空気金属電池の負極として機能することができるものである限り特に制限されず、カドミウム種・リチウム種・ナトリウム種・マグネシウム種・鉛種・亜鉛種・錫種・シリコン含有材料・水素吸蔵合金材料、白金等の貴金属材料等、電池の負極活物質として通常用いられるものを負極活物質として用いることができる。上記のように、負極と正極との間にセパレータを設置することでデンドライトの成長も効果的に抑制することができるため、負極としては、上記のものの中でも、亜鉛種又はカドミウム種が好ましい。
ここで、亜鉛種とは亜鉛の金属単体又は亜鉛化合物を意味し、カドミウム種とはカドミウムの金属単体又はカドミウム化合物を意味する。リチウム種、ナトリウム種、マグネシウム種、鉛種、亜鉛種、及び、錫種についても同様である。化合物としては、酸化物、硫化物、水酸化物等が挙げられる。
上記負極活物質は、平均粒子径が1nm〜500μmであることが好ましい。より好ましくは5nm〜200μmであり、更に好ましくは10nm〜100μmであり、特に好ましくは、10nm〜60μmである。
上記平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
上記負極は、集電体上に負極活物質層が形成されたものであることが好ましい。活物質層中に含まれる活物質の質量割合は、活物質層全体100質量%中、40質量%以上であることが好ましい。活物質の配合量がこのような範囲であると、電極の容量を充分なものとすることができる。より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは85質量%以上である。また、該質量割合は、99.9質量%以下であることが好ましく、99.5質量%以下であることがより好ましく、99質量%以下であることが更に好ましく、98質量%以下であることが特に好ましい。
上記負極活物質層は、活物質以外に結着剤や導電助剤等を含んでいてもよい。
結着剤としては、種々のものを用いることができ、熱可塑性、熱硬化性のいずれであってもよく、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有ポリマー、ポリオレフィン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等の芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等のエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコール等の水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ポリアクリルアミド等のアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等のイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩等のカルボン酸塩基含有ポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;イオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等の人工ゴム;ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース等の糖類;ポリエチレンイミン等のアミノ基含有ポリマー;ポリウレタン等が挙げられる。
上記結着剤の活物質層全体中の質量割合は、0.3〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜15質量%であり、更に好ましくは、1〜10質量%であり、特に好ましくは、2〜6質量%である。
上記導電助剤としては、特に制限されないが、例えば、導電性カーボン、導電性セラミックス、亜鉛・銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等の金属等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記負極活物質層が導電助剤を含む場合の導電助剤の割合は、負極活物質層中の活物質100質量%に対して、0.0001〜100質量%であることが好ましい。導電助剤の含有割合がこのような範囲であると、本発明の電極を電池に用いた場合に、より良好な電池性能を発揮する。より好ましくは、0.0005〜60質量%であり、更に好ましくは、0.001〜40質量%である。
上記負極活物質層は、その他の成分として、周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、及び、有機化合物塩からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
上記負極活物質層がその他の成分を含む場合は、該その他の成分の負極活物質層中の含有割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
上記負極活物質層の厚さは、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることが更に好ましく、1mm以上であることが特に好ましい。該活物質層の厚さは、例えば10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。
上記活物質層の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
上記負極を構成する集電体としては特に制限されず、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;アルカリ(蓄)電池や空気亜鉛電池に集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
<充電用の正極>
本発明の3極方式の空気金属電池用電極を構成する充電用の正極としては、充電用の正極として機能することができるものである限り特に制限されないが、負極と対向する面に対して垂直方向にイオンを伝導できる構造又は材質が好ましく、多孔性の金属板等が好ましい。多孔性の金属板としては、上記負極を構成する集電体として用いることができる材料に含まれる、パンチング金属板、発泡金属板を用いることができる。
上記充電用の正極の厚さは特に制限されないが、0.01〜2mmであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜1mmである。
上記充電用の正極の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
<空気極(放電用の正極)>
本発明の空気金属電池を構成する空気極(3極方式の場合は、放電用の空気極)は、空気極として機能するものである限り特に制限されないが、空気極用触媒を含むものであることが好ましく、集電体上に空気極用触媒層を形成したものであることがより好ましい。
空気極用触媒としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の導電性カーボン、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記空気極用触媒層に含まれる空気極用触媒の質量割合は、空気極用触媒層全体100質量%中、5質量%以上であることが好ましい。空気極用触媒の割合がこのような範囲であると、空気極の機能を充分なものとすることができる。より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上である。また、該質量割合は98質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
上記空気極用触媒層は、空気極用触媒以外に結着剤を含んでいてもよい。
結着剤としては、上述した負極活物質層が含む結着剤と同様のものを用いることができる。
結着剤の空気極用触媒層中の質量割合は、0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜8質量%であり、更に好ましくは、1〜5質量%である。
上記空気極用触媒層は、空気極用触媒、結着剤以外にその他の成分として撥水剤等を含んでいてもよい。
これらその他に成分の空気極用触媒層中の質量割合は、5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、3質量%以下であり、更に好ましくは、2質量%以下である。
上記空気極用触媒層の厚さは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることが更に好ましい。該活物質層の厚さは、例えば1mm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましい。
上記活物質層の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
上記空気極用触媒を構成する集電体としては、上述した負極となる金属電極を構成する集電体と同様のものを用いることができる。
<電解質>
本発明の空気金属電池を構成する電解質は、蓄電池の電解液として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。上記有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等などが挙げられる。これらの中でも、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液といったアルカリ性電解質が好ましい。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液は、上記有機溶剤系電解液を含んでいてもよい。
<セパレータ>
本発明の空気金属電池を構成するセパレータの厚みは特に制限されないが、1μm〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは、5μm〜500μmであり、更に好ましくは、10μm〜100μmである。
セパレータの厚みは、マイクロメーターにより測定することができる。
上記セパレータとしては、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニル部位含有ポリマー等のハロゲン含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物、イオン伝導性を有する材料により形成される無孔性膜等が挙げられる。
本発明におけるセパレータとしては、上記のものの中でも、アニオン伝導性膜であることが好ましい。アニオン伝導性膜をセパレータとして用いることで、電極反応に必要なアニオンの良好な透過性を確保しつつ、亜鉛等のデンドライトの成長を充分に抑制することができる。
本発明の3極方式の空気金属電池では、放電用の空気極と負極とがセパレータを介して密着しており、また、負極と充電用の金属電極とがセパレータを介して密着していることが好ましいが、このように本発明の空気金属電池が、放電用の空気極と負極との間、及び、負極と充電用の金属電極との間にセパレータを有する場合、これらのセパレータの少なくとも一方は、アニオン伝導性膜であることが好ましい。より好ましくは、これらの両方のセパレータがアニオン伝導性膜であることである。
このように、アニオン伝導性膜をセパレータとして含むことは、本発明の空気金属電池の好適な実施形態の1つである。
なお、アニオン伝導性膜とは、陰イオンを優先的に透過する膜を意味する。これは、本発明と同じ又は類似の技術分野に属する下記公知文献に記載のいずれの発明においても共通する概念である。本発明では、アニオン伝導性膜とは、陰イオン、特に水酸化物イオンを透過する膜(層)を意味する。
(特表2014−503689号公報、特開2013−145758号公報、特開2013−091598号公報、特開2014−011000号公報、特開2013−211201号公報)
上記アニオン伝導性膜は、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料によって形成されるものであることが好ましい。このようなアニオン伝導性材料によって形成されたアニオン伝導性膜は、良好な水酸化物イオン透過性を有しながら、アニオンであってもイオン半径の大きな金属イオンの拡散は充分に防止することができるため、負極と正極(3極方式の場合は、充電用正極)との間にセパレータとしてこのような膜が存在しても本発明の空気金属電池が良好な性能を発揮することができる。
この場合、アニオン伝導性材料はポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物をそれぞれ1種含んでいても2種以上含んでいてもよく、また、これら以外の成分を含んでいてもよい。
以下に、アニオン伝導性材料が含むポリマー、及び、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物(以下、単に無機化合物ともいう。)について順に説明する。
上記アニオン伝導性材料が含むポリマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等に代表される芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコールやポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンやN−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド基含有ポリマー;ポリマレイミド等に代表されるイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリメチレングルタル酸等に代表されるカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等に代表されるカルボン酸塩基含有ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有ポリマー;エポキシ樹脂等のエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;ARB(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH等のアニオンを表す。R、R、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、又は、芳香環基を表す。R、R、Rは、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等に代表される人工ゴム;セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、アルギン酸(塩)等に代表される糖類;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマー;複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー;ポリマーアロイ;ヘテロ原子含有ポリマー;低分子量界面活性剤などが挙げられる。
上記のものの中でも、アニオン伝導性材料が含むポリマーは、芳香族基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボン酸塩基、水酸基、アミノ基、及び、エーテル基からなる群より選択される少なくとも1種を含有するか、又は、炭化水素であることが好ましい。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。より好ましくは、フッ素原子である。また、カルボン酸塩基は、カルボン酸リチウム塩基、カルボン酸ナトリウム塩基、カルボン酸カリウム塩基が好ましい。より好ましくは、カルボン酸ナトリウム塩基である。上記炭化水素は、例えばポリオレフィンが挙げられる。中でも、上記ポリマーは、(1)絶縁物であること、(2)アニオン伝導性材料の粉末を増粘・結着させることができること、(3)物理的強度に優れることの3点を総合的に考慮して適宜選択することが好ましく、このような観点からは、炭化水素部位含有ポリマー、芳香族基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、カルボン酸塩基含有ポリマー、ハロゲン含有ポリマー、スルホン酸塩部位含有ポリマー、第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー、糖類が好ましい。上記ポリマーは熱や圧力等により繊維化された状態になってもよい。ポリマーの繊維化により、活物質(層)やアニオン伝導性材料の強度、アニオン伝導度等を調節することもできる。
上記ポリマーの重量平均分子量は、200〜7000000であることが好ましい。これにより、アニオン伝導性材料のイオン伝導性、粘性、可とう性、強度等を調節することができる。該重量平均分子量は、より好ましくは、400〜6500000であり、更に好ましくは、500〜5000000である。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
上記ポリマーの質量割合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、1質量%以上であり、更に好ましくは、25質量%以上であり、一層好ましくは、30質量%を超えることであり、特に好ましくは、40質量%を超えることであり、最も好ましくは45質量%を超えることである。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99.5質量%以下であり、更に好ましくは、99質量%以下であり、一層好ましくは、97質量%以下であり、特に好ましくは、80質量%以下である。これにより、アニオン伝導性材料のクラックを生じにくくすることができる。
本発明に係るアニオン伝導性材料における、ポリマーと、無機化合物との質量割合は、5000000/1〜1/100000であることが好ましい。より好ましくは、2000000/1〜1/50000であり、更に好ましくは、1000000/1〜1/10000である。一層好ましくは、1000000/1〜1/100である。より一層好ましくは、100/3〜75/100である。特に好ましくは、100/50〜75/100である。本発明に係るアニオン伝導性材料に含まれる無機化合物がハイドロタルサイトである場合に上記質量割合を満たすことにより、アニオン伝導性材料におけるアニオン伝導性を優れたものとする効果及びクラックを生じにくくする効果の両方を顕著に優れたものとすることができる。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物(本明細書中、単に無機化合物とも言う。)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。より好ましくは、Li、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Sn、Pb、N、P、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含むものである。
上記無機化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
酸化物としては、例えばアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む酸化物であることが好ましい。より好ましくは、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Sn、Pb、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む酸化物である。更に好ましくは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化錫、酸化ジルコニウムであり、特に好ましくは、酸化マグネシウム、酸化ビスマス、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化錫、酸化ジルコニウムである。また、酸化セリウムは、例えば、酸化サマリウム、酸化ガドリニウム、酸化ビスマス等の金属酸化物がドープされたものや、酸化ジルコニウム等の金属酸化物との固溶体であってもよい。上記酸化物は、酸素欠陥を持つものであってもよい。
上記水酸化物としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化セリウム、水酸化ジルコニウムが好ましい。なお、本明細書中、水酸化物は、層状複水酸化物以外の水酸化物を言う。
上記層状複水酸化物は、例えばハイドロタルサイトが好ましい。これにより、上記アニオン伝導性材料のアニオン伝導性を際立って優れたものとすることができる。
上記ハイドロタルサイトは、下記式(1);
[M 1−x (OH)](An−x/n・mHO (1)
(式中、M=Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu等;M=Al、Fe、Mn等;A=CO 2−等、mは0以上の正数、nは2又は3、xは、0.20≦x≦0.40程度)で示される化合物であることが好ましい。この化合物を、150℃〜900℃で焼成することにより脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物、天然鉱物であるMgAl(OH)16CO・mHO等を上記無機化合物として使用してもよい。上記ハイドロタルサイトには、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。層間内に有機物を有していてもよい。
上記硫酸化合物は、例えばエトリンガイトが好ましい。
上記リン酸化合物は、例えばヒドロキシアパタイトが好ましい。
上記ヒドロキシアパタイトは、Ca10(PO(OH)に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用してもよい。
上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に、溶解状態、コロイド等の分散状態、不溶状態等のいずれであっても良く、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電するものが好ましく、ゼータ電位の測定等により、粒子の帯電状態を推察することができる。これら無機化合物は、後述するように、ポリマーが有する官能基との共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用等の非共有性結合により相互作用することもできる。ハイドロタルサイト等の層状化合物を用いる場合には、その層内にポリマーが形成されていてもよいし、有機物を含んでいてもよい。また、上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電しない状態(等電点に相当)で使用してもよい。
上記アニオン伝導性材料は、電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に水和物となるようなものであってもよい。水和物であることにより、電池反応に関与する水酸化物イオン等の伝導性を更に高めることができる。
上記無機化合物の質量割合としては、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、更に好ましくは、1質量%以上であり、一層好ましくは3質量%以上であり、特に好ましくは20質量%以上である。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99質量%以下であり、更に好ましくは、75質量%以下であり、一層好ましくは、70質量%未満であり、特に好ましくは、60質量%未満であり、最も好ましくは55質量%未満である。
上記無機化合物の質量割合を上記範囲内とすることにより、本発明の効果を発揮できるとともに、アニオン伝導性材料のクラックを生じにくくする効果を発揮することができる。中でも、層状複水酸化物の質量割合を上記範囲内とすることが特に好ましい。
上記アニオン伝導性材料は、ポリマーと、無機化合物とを含む限り、更にその他の成分を含んでいてもよい。
上記その他の成分は、特に限定されないが、例えば、粘土化合物;固溶体;合金;ゼオライト;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;スルホン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩;有機化合物等を1種又は2種以上含んでいても良い。上記その他の成分は、上記無機化合物や上記ポリマーとは異なる化合物である。上記その他の成分は、イオン伝導性を補助したり、溶媒・熱・焼成・電気等の手法を用いて除去されることによって後述するアニオン伝導性材料中の空孔を形成したりする等の働きも可能である。
上記その他の成分の質量割合は、その他の成分を用いる場合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.001質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.01質量%以上であり、更に好ましくは、0.05質量%以上である。また、90質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、70質量%以下であり、更に好ましくは、45質量%以下である。その他の成分は、全く含まなくてもよい。
本発明に係るアニオン伝導性材料は、上述したポリマー、無機化合物、その他の成分を、それぞれ、1種のみ含んでいてもよいし2種以上を含んでいてもよい。なお、ポリマーが2種以上含まれる場合、ポリマーの質量とは、特に断らない限り、2種以上のポリマーの合計質量を言う。無機化合物、その他の成分のそれぞれが2種以上含まれる場合についても同様である。
本発明の空気金属電池は、上述の構成よりなり、負極活物質層の形態変化が効果的に抑制され、長寿命化された空気金属電池である。
本発明の空気金属電池の好適な形態の一例を示した概念図である。 本発明の空気金属電池の好適な形態の一例を示した概念図である。 比較例1で製造した比較空気金属電池の構造を示した概念図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
製造例1(亜鉛負極の製造)
60%濃度のポリテトラフルオロエチレン水分散液(ポリフロン D−210C、ダイキン社製)と酸化亜鉛(平均粒子径1μm)60gを混合したペーストを、錫メッキされたパンチング鋼板に圧延によって圧着して厚さ2mmの層を有する亜鉛負極とした。亜鉛負極の有効面積(片面)は、4cmであった。
製造例2(放電用正極の製造)
天然黒鉛と60%濃度のテトラフルオロエチレン水分散液(ポリフロン D−210C、ダイキン社製)を9:1の質量割合で混合しペースト化したものを、Niメッキされたパンチング鋼板に圧延によって圧着して空気極(放電用正極)とした。空気極の有効面積(片面)は、4cmであった。
実施例1(空気金属電池1の製造及び評価)
製造例1で製造した亜鉛負極、製造例2で製造した放電用正極、及び、充電用正極としてのNiメッキされたパンチング鋼板(負極と対向する面(片面)の有効面積1cm)を用い、セパレータとして厚さ0.1mmの親水性微多孔膜を用い、電解液として酸化亜鉛を飽和させた8M濃度のKOH水溶液を用いて、図1に示すような構造の電池を構成した。この電池では、負極と対向する側の空気極全体と、空気極と対向する側の負極の全体とがセパレータを介して密着しており、空気極は、遊離の電解液とは接触していない。また、充電用の正極と対向する側の負極全体がセパレータと密着しており、充電用の正極の周囲にのみ、遊離の電解液が存在する。この電池では、中央に配置された遊離の電解液と充電用の正極を挟んで左右に空気極と負極とが配置されている。
この空気金属電池に対して、充電電流30mA/cmとして1時間充電した後、空気極(放電用正極)を用いて同様の電流値で放電を行い、これを1サイクルとして試験を行った。その結果、50サイクル経過後も充放電効率は良好であった。50サイクル経過後の負極にシェイプチェンジ及びデンドライトの成長は確認されなかった。
実施例2(空気金属電池2の製造及び評価)
実施例1の空気金属電池1の中央の遊離の電解液と充電用の正極から左側部分だけの電池を構成し、実施例1と同様のサイクル試験を行った。その結果、50サイクル経過後も充放電効率は良好であった。50サイクル経過後の負極にシェイプチェンジ及びデンドライトの成長は確認されなかった。
比較例1(比較空気金属電池の製造及び評価)
製造例1で製造した亜鉛負極、製造例2で製造した放電用正極、及び、充電用正極として実施例1と同じNiメッキされたパンチング鋼板を用い、セパレータとして実施例1と同じ厚さ0.1mmの親水性微多孔膜を用い、電解液として酸化亜鉛を飽和させた8M濃度のKOH水溶液を用いて、図3に示すような構造の電池を構成した。この電池では、亜鉛負極を中央に、その両脇に充電用正極を配置し、充電用正極の周囲だけでなく亜鉛負極の周囲にも遊離の電解液が存在する状態に構成した。
この比較空気金属電池に対して、実施例1と同様のサイクル試験を行った。その結果、10サイクル時点で亜鉛極下部に活物質が蓄積し、大きく電極形状が変化した。20サイクル時点で亜鉛極が充電極に接触し、充電不良が生じた。
A:負極
B:充電用正極
C:放電用正極(空気極)
D:電解質
E:セパレータ
F:電極固定部材

Claims (4)

  1. 空気極を正極とし、金属電極を負極とを有する空気金属電池であって、
    該空気金属電池は、空気極と負極とがセパレータを介して密着しており、
    負極と遊離の電解液とが接触している部分の有効面積が負極の有効面積全体の50%以下であることを特徴とする空気金属電池。
  2. 前記空気金属電池は、正極として放電用の空気極と充電用の金属電極とを有する3極方式の空気金属電池であって、
    該空気金属電池は、放電用の空気極と負極とがセパレータを介して密着しており、
    負極と遊離の電解液とが接触している部分の有効面積が負極の有効面積全体の50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気金属電池。
  3. 前記負極と充電用の金属電極とがセパレータを介して密着していることを特徴とする請求項2に記載の空気金属電池。
  4. 前記空気金属電池は、アニオン伝導性膜をセパレータとして含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気金属電池。
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