JP6716307B2 - 金属空気電池 - Google Patents
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Description
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の金属空気電池は、底面全体に負極活物質層が形成され、該負極活物質層と接する位置に負極集電体が配置され、該負極活物質層の上に電解液が配置された構成を有することを特徴とする。従来の集電体に負極活物質を貼り付けた負極を縦に置いた場合に比べて、底面上に負極活物質層を形成し、該負極活物質層と接する位置に負極集電体を配置すれば、負極活物質が集電体から脱落する不具合の発生を防止することができる。また、負極活物質層を底面上に積み上げるようにすると、負極活物質の重力による沈降を利用して活物質層を高密度化することができる。更に底面全体の上に負極活物質層を形成することで負極活物質層のシェイプチェンジの問題の発生も抑えることができる。
また、本発明の金属空気電池が第三極方式の電池である場合、充電用の正極と電解液との間、又は、電解液と負極との間のいずれかにセパレータが配置されていることが好ましい。セパレータが配置されていることで、負極活物質として亜鉛やニッケル等を用いた場合のデンドライトの成長による負極と充電用の正極間の短絡を抑制することができる。また、充電時に発生する酸素を効果的に電解液外へ放出させる点から、充電用の正極と電解液との間にセパレータが配置されていることがより好ましい。
なお、アニオン伝導性膜とは、陰イオンを優先的に透過する膜を意味する。これは、本発明と同じ又は類似の技術分野に属する下記公知文献に記載のいずれの発明においても共通する概念である。本発明では、アニオン伝導性膜とは、陰イオン、特に水酸化物イオンを透過する膜(層)を意味する。アニオン伝導性膜を形成するアニオン伝導性材料については後述する。
(特表2014−503689号公報、特開2013−145758号公報、特開2013−091598号公報、特開2014−011000号公報、特開2013−211201号公報参照。)
本発明の金属空気電池が第三極方式の電池である場合についても同様であり、充電用の正極、放電用の正極のいずれも電解液の側面にあっても上面にあっても、電解液中にあってもよい。本発明の金属空気電池が第三極方式の電池である場合の電極の配置については、例えば、電池の底部及び側面の全体が負極集電体であって、底部及び側面に囲まれた部分全体に負極活物質層があり、その上に電解液層があって、充電用の正極が電解液層の側面に、放電用の正極が電解液層の上面にある形態(図1)、電池の底部及び側面の全体が負極集電体であって、底部及び側面に囲まれた部分全体に負極活物質層があり、その上に電解液層があって、充電用の正極、放電用の正極がともに電解液層の側面にある形態(図2)、電池の底部全体が負極集電体であって、その上に負極活物質層があり、負極活物質層の上に電解液層があり、充電用の正極が電解液層中にあり、負極活物質層及び電解液層の側面全体に放電用の正極がある形態(図3)等が挙げられる。
これらの形態の中でも、充電用の正極で発生する酸素の影響で放電用の正極と電解液との接触面積が少なくなるおそれがなく、放電反応を円滑に行うことができる点からは図2又は図3の形態が好ましいといえる。
図2のように、充電用の正極、放電用の正極がともに電解液層の側面にある形態の場合、ともに電解液の側面に配置された充電用の正極、放電用の正極のいずれが上にあってもよいが、充電時に発生する酸素の影響を放電用の正極が受けにくくなるという点で、充電用の正極が上にあるほうが好ましい。
図3の形態は、図1、2の形態に比べて、放電用の正極の面積を最も広くとることができる点では図1、2の形態よりも優位であるが、電解液の深さが図1、2に比べて深くなる。電解液の水圧は深さが深くなるほど大きくなるため、電池の側面全体が空気極である場合、水圧の高い側面下部で電解液が漏れやすくなる。このため、電解液の液漏れのしにくさという点では図1、2の形態のほうが優位であるといえる。
なお、図3の形態では、充電用の正極は図3に示すように点であってもよいが、平面状の形態を有するものであってもよく、平面状の形態を有するものである場合、充電用の正極の内部抵抗を下げることができる。また、図4、5では電解液の上面が覆われていないが、電解液の上面が電池容器等で覆われていることが、電解液の蒸発抑制の点から好ましい。なお、図4の負極集電体と絶縁部材との接触部のギザギザは、負極集電体と絶縁部材それぞれにネジが切ってあり、ねじ込むことで結合していることを表しているが、負極集電体と絶縁部材の結合はそのようなものに限定されない。後述する図6(a)(c)(e)についても同様である。
金属空気電池がこのような独立した3つのユニットからなるものであると、負極ユニットと充電用正極ユニットとを結合させて充電を行った後に負極ユニットを充電用正極ユニットから分離して放電用正極ユニットと結合させて放電を行うことができる。このように充電に必要な部位と放電に必要な部位とを分離可能にすることで、充電時、放電時にそれぞれ必要な部位のみを有する電池とすることができ、電池を自動車等の輸送機器で使用する場合に実質的に運搬すべき部材が削減でき、より軽量で高いエネルギー密度の蓄電デバイスを提供できる。
なお、この独立した3つのユニットからなる電池は、少なくとも負極ユニットと充電用正極ユニット、及び、負極ユニットと放電用正極ユニットを結合することが可能であればよく、これら3つのユニット全てを結合することが可能なものであってもよい。
上記3つのユニットの好適な構成の一例を図6に示す。図6(a)の負極ユニットは、底部全体及び側面の一部が負極集電体で形成された容器の底部及び側面に囲まれた部分全体に負極活物質層があり、その上に電解液層があり、電解液層の上にセパレータが配置され、集電体とセパレータとの間に絶縁部材が配置されている。図6(b−1)の充電用正極ユニットは、底部がセパレータで形成され、その上に電解液層があり、電解液層の中に充電用の正極がある。充電時には、負極ユニット上面のセパレータと充電用正極ユニット底部のセパレータとを結合させて充電を行う(図6(c))。なお、電解液の蒸発による液枯れを抑制する点からは、充電用正極ユニットは、図6(b−2)のように電解液が外気に触れないように容器内に収納されていることが好ましい。
図6(d)の放電用正極ユニットは、底部がセパレータで形成され、その上に電解液層があり、ユニット側面が放電用の空気極で形成されている。電解液層と放電用の空気極との間には必要に応じてセパレータが配置される。放電時には、負極ユニット上面のセパレータと放電用正極ユニット底部のセパレータとを結合させて放電を行う(図6(e))。
本発明の金属空気電池における負極の活物質は、カドミウム種・リチウム種・ナトリウム種・マグネシウム種・鉛種・亜鉛種・錫種・シリコン含有材料・水素吸蔵合金材料、白金等の貴金属材料等、電池の負極活物質として通常用いられるものを負極活物質として用いることができる。上記のように、負極と正極との間にアニオン伝導性膜をセパレータとして設置することでデンドライトの成長も効果的に抑制することができるため、負極としては、上記のものの中でも、亜鉛種又はカドミウム種が好ましい。
ここで、亜鉛種とは亜鉛の金属単体又は亜鉛化合物を意味し、カドミウム種とはカドミウムの金属単体又はカドミウム化合物を意味する。リチウム種、ナトリウム種、マグネシウム種、鉛種、亜鉛種、及び、錫種についても同様である。化合物としては、酸化物、硫化物、水酸化物等が挙げられる。
上記平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
結着剤としては、種々のものを用いることができ、熱可塑性、熱硬化性のいずれであってもよく、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有ポリマー、ポリオレフィン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等の芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等のエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコール等の水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ポリアクリルアミド等のアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等のイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩等のカルボン酸塩基含有ポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;イオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等の人工ゴム;ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース等の糖類;ポリエチレンイミン等のアミノ基含有ポリマー;ポリウレタン等が挙げられる。
上記負極活物質層がその他の成分を含む場合は、該その他の成分の負極活物質層中の含有割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
上記活物質層の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
本発明の金属空気電池が第三極方式の場合、電池を構成する充電用の正極としては、充電用の正極として機能することができるものである限り特に制限されないが、負極と対向する面に対して垂直方向にイオンを伝導できる構造又は材質が好ましく、多孔性の金属板等が好ましい。多孔性の金属板としては、上記負極を構成する集電体として用いることができる材料に含まれる、パンチング金属板、発泡金属板を用いることができる。
上記充電用の正極の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
本発明の金属空気電池を構成する空気極(第三極方式の場合は、放電用の空気極)は、空気極として機能するものである限り特に制限されないが、空気極用触媒を含むものであることが好ましく、集電体上に空気極用触媒層を形成したものであることがより好ましい。
空気極用触媒としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の導電性カーボン、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
結着剤としては、上述した負極活物質層が含む結着剤と同様のものを用いることができる。
結着剤の空気極用触媒層中の質量割合は、0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜8質量%であり、更に好ましくは、1〜5質量%である。
これらその他の成分の空気極用触媒層中の質量割合は、5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、3質量%以下であり、更に好ましくは、2質量%以下である。
上記活物質層の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
本発明の金属空気電池を構成する電解液は、蓄電池の電解液として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。これら有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等などが挙げられる。これらの中でも、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液といったアルカリ性電解質が好ましい。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液は、上記有機溶剤系電解液を含んでいてもよい。
本発明の金属空気電池がアニオン伝導性膜をセパレータとして有する場合、セパレータの厚みは特に制限されないが、1μm〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは、5μm〜500μmであり、更に好ましくは、10μm〜100μmである。
セパレータの厚みは、マイクロメーターにより測定することができる。
この場合、アニオン伝導性材料はポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物をそれぞれ1種含んでいても2種以上含んでいてもよく、また、これら以外の成分を含んでいてもよい。
以下に、アニオン伝導性材料が含むポリマー、及び、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物(以下、単に無機化合物ともいう。)について順に説明する。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。より好ましくは、フッ素原子である。また、カルボン酸塩基は、カルボン酸リチウム塩基、カルボン酸ナトリウム塩基、カルボン酸カリウム塩基が好ましい。より好ましくは、カルボン酸ナトリウム塩基である。上記炭化水素は、例えばポリオレフィンが挙げられる。中でも、上記ポリマーは、(1)絶縁物であること、(2)アニオン伝導性材料の粉末を増粘・結着させることができること、(3)物理的強度に優れることの3点を総合的に考慮して適宜選択することが好ましく、このような観点からは、炭化水素部位含有ポリマー、芳香族基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、カルボン酸塩基含有ポリマー、ハロゲン含有ポリマー、スルホン酸塩部位含有ポリマー、第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー、糖類が好ましい。上記ポリマーは熱や圧力等により繊維化された状態になってもよい。ポリマーの繊維化により、活物質(層)やアニオン伝導性材料の強度、アニオン伝導度等を調節することもできる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
酸化物としては、例えばアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む酸化物であることが好ましい。より好ましくは、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Sn、Pb、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む酸化物である。更に好ましくは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化錫、酸化ジルコニウムであり、特に好ましくは、酸化マグネシウム、酸化ビスマス、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化錫、酸化ジルコニウムである。また、酸化セリウムは、例えば、酸化サマリウム、酸化ガドリニウム、酸化ビスマス等の金属酸化物がドープされたものや、酸化ジルコニウム等の金属酸化物との固溶体であってもよい。上記酸化物は、酸素欠陥を持つものであってもよい。
上記ハイドロタルサイトは、下記式(1);
[M1 1−xM2 x(OH)2](An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1=Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu、Mn等;M2=Al、Fe、Mn、Co、Cr、In等;An−=CO3 2−、OH−、Cl−、NO3 −、CO3 2−、COO−等、mは0以上の正数、nは1〜3、xは、0.20≦x≦0.40程度)で示される化合物であることが好ましい。この化合物を、150℃〜900℃で焼成することにより脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、天然鉱物であるMg6Al2(OH)16CO3・mH2O等を上記無機化合物として使用してもよい。上記ハイドロタルサイトには、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。層間内に有機物を有していてもよい。
上記リン酸化合物は、例えばヒドロキシアパタイトが好ましい。
上記ヒドロキシアパタイトは、Ca10(PO4)6(OH)2に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用してもよい。
上記無機化合物の質量割合を上記範囲内とすることにより、本発明の効果を発揮できるとともに、アニオン伝導性材料のクラックを生じにくくする効果を発揮することができる。中でも、層状複水酸化物の質量割合を上記範囲内とすることが特に好ましい。
また、本発明の金属空気電池は、負極ユニット、充電用正極ユニット、放電用正極ユニットの独立した3つのユニットで構成された電池とすることも可能であり、そのようにすることで実質的に運搬すべき部材が削減でき、より軽量で高いエネルギー密度の蓄電デバイスを提供できる。
(1)負極(亜鉛負極)
酸化亜鉛(平均粒子径300nm)と金属亜鉛(平均粒子径45μm)とを80:20の重量比で混合し、亜鉛極活物質とした。
(2)充電用の正極
Niメッキされたパンチング鋼板を充電用の正極として用いた。
(3)放電用の正極(空気極)
天然黒鉛と60%濃度のテトラフルオロエチレン水分散液(ポリフロン D−210C、ダイキン社製)を9:1の割合で混合しペースト化したものを、Niメッキされたパンチング鋼板に圧延によって圧着し、さらに電解液側にポリプロピレン製不織布、空気側にテフロン(登録商標)製不織布がくるような3層構成を圧延によって圧着して形成し、セパレータを密着させた空気極とした。
(4)電解液
8M濃度のKOH水溶液を電解液とした。
(5)セパレータ
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は0.20μm)とスチレンーブタジエン共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを100:100:5:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。
図4に示すとおり亜鉛活物質をSUS製の容器に粉体のまま導入し、円筒型の空気亜鉛電池を作成した。セパレータ、充電極、放電極は図示したとおりに配置した。亜鉛活物質量は、理論容量で算出し、10Ahとした(酸化亜鉛:658mAh/g、亜鉛:820mAh/gから算出)。
この空気亜鉛電池について、下記の条件で充放電サイクル試験を行ったところ、100サイクルまで充放電を実施しても特に問題なく電池として駆動した。
[充放電サイクル試験]
充電電流500mA/cm2とし、亜鉛極と充電極間で充電を6時間実施し、放電電流500mA/cm2で、亜鉛極と放電極間の電圧が0.5Vまで低下するまで放電を実施するサイクルを継続し、サイクル毎の効率を測定した。
図5に示すとおり各電極、セパレータを配置して空気亜鉛電池を作成した。亜鉛極は亜鉛活物質と集電体とを平板プレスを用いて5MPaで圧着し、その表面に袋状に加工したセパレータを配置した。亜鉛活物質量は実施例と同様に、理論容量で算出し、10Ahとした。
この空気亜鉛電池について、実施例と同じ条件で充放電サイクル試験を行ったところ、12サイクル時で亜鉛活物質が重力の影響を受けて、電池容器下部へ蓄積し、15サイクル時に充電極と亜鉛極が短絡した。
図6(a)、(b−1)、(d)に示す構成の負極ユニット、充電用正極ユニット、放電用正極ユニットを作製した。
負極ユニットはSUS製の容器に亜鉛活物質と電解液を搭載し、セパレータで上部が覆われた構成である。
充電用正極ユニットは、電力を供給する電源と共に配置されている。図6(b−1)のとおり充電極と電解液によって成り立っており、下部がセパレータで覆われている。充電極は、Niメッキされたパンチング鋼板(厚み200μm)を用いた。
放電用正極ユニットは、上記セパレータを密着させた空気極と電解液によって構成され、下部がセパレータで覆われている。
この3つのユニットを用いて以下のようにして充電、ユニットの運搬、及び、放電を行った。充電時には図6(c)のように充電用正極ユニットと負極ユニットとの接続はセパレータを介して行った。セパレータはイオン伝導ができるため、充電に必要なイオンは十分供給できる。放電時には、図6(e)のように放電用正極ユニットと負極ユニットとをセパレータを介して接続して行った。
充電後に分離した負極ユニットを放電用正極ユニットと接続することで問題なく放電を行うことができた。
充電:充電極と亜鉛負極間に50mAの電流を6時間流し、充電を行った。
運搬:充電用正極ユニットと負極ユニットとを分離し、負極ユニットだけで5分間放置した。その際、負極ユニット上部のセパレータが大気に触れている部分をポリエチレンシートで覆い、乾燥を防いだ。
放電:ポリエチレンシートを取り除き、セパレータ同士が接続するように放電用正極ユニットと負極ユニットとを接続した。放電電流500mAを流して、放電極と亜鉛極の電圧が0.5Vまで低下するまで放電を行った。
B:充電用の正極
C:負極集電体(図4、5ではSUS)
D:絶縁部材(図4、5ではテフロン(登録商標))
E:セパレータ
F:負極活物質層
G:電解液
H:電池容器
Claims (3)
- 空気極である正極と、金属電極である負極と電解液とを含んで構成される金属空気電池であって、
該金属空気電池は、充電用の正極と放電用の正極とを有し、底面全体に負極活物質層が形成され、該負極活物質層と接する位置に負極集電体が配置され、該負極活物質層の上に電解液が配置されており、更に
該充電用の正極と電解液との間にアニオン伝導性材料により形成されているセパレータが配置されているか、又は、
負極活物質層と集電体とを含んで構成される負極ユニットと、充電用の正極を含んで構成される充電用正極ユニットと、放電用の正極を含んで構成される放電用正極ユニットの独立した3つのユニットで構成され、少なくとも負極ユニットと充電用正極ユニット、及び、負極ユニットと放電用正極ユニットは結合可能であり、これらユニット同士を結合させてできる電池は電解液を含むことを特徴とする金属空気電池。 - 前記負極活物質層の少なくとも下部に集電体が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の金属空気電池。
- 前記3つのユニットは、いずれも電解液とセパレータとを含んで構成され、ユニット同士の結合の際にセパレータ同士を接触させて結合させることを特徴とする請求項1に記載の金属空気電池。
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