JP6716298B2 - 金属空気電池 - Google Patents

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Description

本発明は、金属空気電池に関する。より詳しくは、正極として空気極を用い、負極として金属電極を用いる金属空気電池に関する。
金属空気電池は、正極活物質に空気中の酸素を用いるため電池内部に正極活物質を搭載する必要がなく、そのため負極活物質を大量に充電することができることで、実質的な電池容量を大きくすることができる点を特徴としている。
金属空気電池の1種である空気亜鉛電池は、すでに一次電池としては補聴器用などに用いられているが、二次電池として市場に流通している例はない。これは、正極である空気極を用いた充電反応は酸素発生反応であるために密閉化が困難である他、正極の触媒として用いる炭素等が酸化されてしまい、充分な性能を得ることが難しいためである。そこで、金属空気電池としては、メカニカルチャージ方式(特許文献1参照)や、空気極を放電用の正極としてのみ用い、別に充電用の正極を設置した第三極方式が提案され(特許文献2参照)、実用化に向けた検討がなされている、特に第三電極方式は、充電と放電で用いる正極を切り替えることで、正極触媒の酸化を防ぐことができ、金属空気電池を二次電池として応用できる技術である。
特開2004−362869号公報 特開2006−93022号公報
上記のように、金属空気電池を二次電池として使用するための種々の検討がされているが、酸素を用いた電池は電解液と外気が触れ合っている必要があり、電解液の蒸発が避けられない。蒸発によって減少する電解液を見込んで液量を多くするには、本来電極活物質を搭載すべき部分に電解液タンクを搭載しなければならず、電池容量を低下させるため、空気亜鉛電池の魅力を低減させてしまう。このように、金属空気電池には、まだ解決すべき課題があり、高いエネルギー密度と長期間安定に充放電できることとを両立した金属空気電池とするためには、更なる検討が必要であった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高いエネルギー密度を有し、長期間安定に充放電可能な金属空気電池を提供することを目的とする。
本発明者は、高いエネルギー密度と長期間安定に充放電できることとを両立した金属空気電池について種々検討したところ、正極、負極及び電解液を含んで構成され、電池としての機能を発揮する電池ユニットを、それよりも大きな容器中に密閉することに想到した。このようにすると、電解液の蒸発を効果的に抑制することができるため、電解液量を多くする必要がなく、その分、負極活物質を多く搭載することができる。また、正極で充電時に発生した酸素が正極と容器との隙間に放出され、正極の放電反応はこの放出された酸素を用いて行うことができるため、正極での電極反応も問題なく行うことができる。したがって、これにより高いエネルギー密度を有し、長期間安定に充放電可能な電池となることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、空気極を正極とし、金属電極を負極とする金属空気電池であって、上記空気亜鉛電池は、正極と負極と電解液とを含んで構成される電池ユニットが、上記電池ユニットの体積よりも容積の大きい容器中に密閉されていることを特徴とする金属空気電池である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<金属空気電池>
本発明の金属空気電池は、正極と負極と電解液とを含んで構成される電池ユニットが、容器中に隙間を有する状態で密閉されていることを特徴とする。電池ユニットを容器中に密閉することで電解液の蒸発が抑制されるために負極活物質を多く搭載することができることになるが、更に、充電時に発生する酸素によって電解液が飛散して周囲の部材を腐食させることも抑制する効果や、容器が密閉され、電池ユニット周囲の空気の量が限られることで、大気中の二酸化炭素と電解液中の水酸化物イオンとの反応を抑制することができる効果も得られることになる。
ここで、電池ユニットとは、正極と負極と電解液とを含み、これらが電池としての機能を発揮するように組み合わせられた構造体であり、正極、負極、電解液の他、これらを収納する容器を含み、後述するセパレータ等を含んでいてもよい。正極は空気極であることから、正極(後述する第三極方式の場合には、放電用の正極)の少なくとも一部は外気に触れる位置にある必要があり、電池ユニットの表面の一部が正極で構成されることになる。
なお、本発明において、密閉されているとは、容器外部と内部との間で気体や液体、固体の交換が起こらない状態にあることを意味し、そのような状態にある限り、電池ユニットと密閉容器外部とを電気的に接続する配線等があってもよい。
本発明の金属空気電池は、密閉容器中に電池ユニットを1つ含んでいてもよく、2つ以上含んでいてもよい。
本発明の金属空気電池は、正極と負極と電解液とを含んで構成される電池ユニットが、容器中に隙間を有する状態で密閉されていればよいが、密閉容器の容積は、電池ユニットの体積に対して、0.1%以上大きいことが好ましい。これにより、正極で充電時に発生した酸素を放出する空間を容器中に充分に確保することができる。より好ましくは、密閉容器の容積が電池ユニットの体積に対して、1%以上大きいことであり、更に好ましくは、5%以上大きいことであり、特に好ましくは、10%以上大きいことである。また、密閉容器中で電解液が揮発して電解液が減少することを抑制する点から、密閉容器の容積は、電池ユニットの体積に対して、100%以下であることが好ましい。より好ましくは、50%以下であり、更に好ましくは、25%以下である。
なお、本発明の金属空気電池が複数の電池ユニットを含む場合、密閉容器に含まれる複数の電池ユニットの体積の合計と密閉容器の容積とが上記関係にあることが好ましい。
本発明の金属空気電池において、密閉容器中の雰囲気は、少なくとも酸素を含む雰囲気であればよく、通常の大気雰囲気であってもよいが、大気中の二酸化炭素と電解液中の水酸化物イオンとの反応を防ぐために酸素雰囲気としてもよい。
上記電池ユニットは、充電用の正極と放電用の正極とを有するものであることが好ましい。上記のとおり、充電用の正極と放電用の正極とを有する第三極方式の電池とすることで、より充分な充電をすることができ、二次電池としてより好適な電池とすることができる。放電用の正極は、少なくとも一部が外気に触れる位置にある必要があり、電池ユニットが第三極方式である場合、放電用の正極が電池ユニットの表面の一部を構成することになる。第三極方式である場合、充電用の正極で充電時に発生した酸素が、密閉容器中の隙間を通って放電用の正極に移動し、該酸素を用いて放電用の正極で放電反応が行われることになる。
上記電池ユニットが、充電用の正極と放電用の正極とを有するものである場合、充電用の正極、放電用の正極、及び、負極の配置は、充放電を行うことができる限り特に制限されないが、負極の一方の面が充電用の正極と対向し、他方の面が放電用の正極と対向するような電極の配置となっていることが好ましい。このような配置にすることで、充電用の正極、放電用の正極の両方の電極面積を大きくすることができるため、より短時間での充放電が可能となり、また後述する電極のシェイプチェンジの抑制の点からも好ましい。
また、このような電極の配置であって、かつ、充電用の正極と放電用の正極とがともに電池ユニットの表面の一部を構成するような電池ユニットが、充電用の正極と放電用の正極とが対向するようにして密閉容器中に複数配置されていることは、本発明の金属空気電池の好適な形態の1つである(図1)。このような、酸素を発生させる充電用の正極と酸素を使用する放電用の正極とを対向させることで、充電用電極で発生した酸素をより効率的に使用することができる。
更に、複数の電池ユニットを配置することで電池容量を大きくすることができる点、及び、1つの大きな電池ユニットを設置する場合に比べて、負極活物質を分けることで負極活物質をより充放電反応に有効に利用できるようになる点でも好ましい。
本発明の金属空気電池において、電池ユニットを密閉する容器は、密閉容器中の圧力が0.5気圧〜10気圧であることが好ましい。0.5気圧以上の内圧であると、電解液の沸点の低下を原因とする揮発も抑制することができる。内圧が1気圧よりも大きい加圧状態であると、電解液の沸点が上昇してより電解液の揮発がしにくくなり、また、密閉容器中の酸素が正極(放電用の正極)と接触する回数が多くなるため、放電反応が進行しやすくなる。密閉容器中の圧力は、より好ましくは、0.5気圧〜3気圧であり、更に好ましくは、0.8気圧〜1.5気圧である。
密閉容器中の圧力は、容器に圧力計を設置することにより測定することができる。
上記密閉容器中の圧力が0.5気圧〜10気圧の範囲の中で1気圧以外の減圧、加圧状態にある場合、密閉容器は、そのような圧力状態にも耐えられる素材の容器であることが必要となる。
そのような容器の素材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂;ステンレス、チタン、鉄、銅、鉛、アルミニウム等の金属及びその合金、酸化物・硫化物等、並びに、それら無機紛体とポリマーによる混合体等;石材、木材、ガラス材、粘土、セメント、コンクリート等の建築材料の1種又は2種以上の混合物等が挙げられる。
また、上記電池ユニットを密閉する容器が、膨張、収縮できる素材で形成されていることも、本発明の好適な実施形態の1つである。
密閉容器が膨張、収縮できる素材で形成されていると、充放電によって酸素が生成、消費されることに伴う密閉容器中の圧力変動を抑制することができる。
この場合、密閉容器を形成する素材は、膨張、収縮できるものである限り特に制限されないが、例えば、ポリエチレン、ポチプロピレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂や、皮製の袋状容器等が挙げられる。
本発明の金属空気電池における電池ユニットは、アニオン伝導性膜を含むことが好ましい。電池ユニットがアニオン伝導性膜を正極と負極との間にセパレータとして含むことで、電極反応に必要なアニオンの良好な透過性を確保しつつ、正極と負極との短絡を抑制することができる。更に、充放電に伴ってデンドライトの成長が生じやすい負極活物質を用いた場合の、デンドライトの成長を原因とする電極間の短絡も効果的に抑制することができる。
なお、アニオン伝導性膜とは、陰イオンを優先的に透過する膜を意味する。これは、本発明と同じ又は類似の技術分野に属する下記公知文献に記載のいずれの発明においても共通する概念である。本発明では、アニオン伝導性膜とは、陰イオン、特に水酸化物イオンを透過する膜(層)を意味する。
(特表2014−503689号公報、特開2013−145758号公報、特開2013−091598号公報、特開2014−011000号公報、特開2013−211201号公報参照。)
また本発明における電池ユニットにおいては、空気極と負極とがセパレータであるアニオン伝導性膜を介して密着していることがより好ましい。これにより、負極のうち、正極とセパレータを介して密着している面からの重力による負極活物質の滑落や放電生成物(放電時の活物質の形態)の不均一析出が効果的に抑制される。また、空気極と負極とがセパレータを介して密着していることで、空気極と負極の電極面積に対して電極間距離が近くなり、平行電場が形成されやすくなるため、電極面で充放電反応の均一性が高まって、電極のシェイプチェンジが効果的に抑制される。更に、空気極と負極との間に存在するセパレータや電解液は、全てイオンの移動の抵抗となるが、空気極と負極とがセパレータを介して密着していることで、空気極と負極との間には、セパレータに含まれる電解液しか存在しないことになる。また、セパレータも薄くすることができるため、空気極と負極間のイオン移動の抵抗が少なくなって、出力(電圧)の大きな電池とすることができる。
<負極>
本発明の金属空気電池における負極の活物質は、カドミウム種・リチウム種・ナトリウム種・マグネシウム種・鉛種・亜鉛種・錫種・シリコン含有材料・水素吸蔵合金材料、白金等の貴金属材料等、電池の負極活物質として通常用いられるものを負極活物質として用いることができる。上記のように、負極と正極との間にアニオン伝導性膜をセパレータとして設置することでデンドライトの成長も効果的に抑制することができるため、負極としては、上記のものの中でも、亜鉛種又はカドミウム種が好ましい。
ここで、亜鉛種とは亜鉛の金属単体又は亜鉛化合物を意味し、カドミウム種とはカドミウムの金属単体又はカドミウム化合物を意味する。リチウム種、ナトリウム種、マグネシウム種、鉛種、亜鉛種、及び、錫種についても同様である。化合物としては、酸化物、硫化物、水酸化物等が挙げられる。
上記負極活物質は、平均粒子径が1nm〜500μmであることが好ましい。より好ましくは5nm〜200μmであり、更に好ましくは10nm〜100μmであり、特に好ましくは、10nm〜60μmである。
上記平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
上記負極は、集電体上に負極活物質層が形成されたものであることが好ましい。活物質層中に含まれる活物質の質量割合は、活物質層全体100質量%中、40質量%以上であることが好ましい。活物質の配合量がこのような範囲であると、電極の容量を充分なものとすることができる。より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは85質量%以上である。また、該質量割合は、99.9質量%以下であることが好ましく、99.5質量%以下であることがより好ましく、99質量%以下であることが更に好ましく、98質量%以下であることが特に好ましい。
上記負極活物質層は、活物質以外に結着剤や導電助剤等を含んでいてもよい。
結着剤としては、種々のものを用いることができ、熱可塑性、熱硬化性のいずれであってもよく、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有ポリマー、ポリオレフィン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等の芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等のエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコール等の水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ポリアクリルアミド等のアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等のイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩等のカルボン酸塩基含有ポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;イオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等の人工ゴム;ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース等の糖類;ポリエチレンイミン等のアミノ基含有ポリマー;ポリウレタン等が挙げられる。
上記結着剤の活物質層全体中の質量割合は、0.3〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜15質量%であり、更に好ましくは、1〜10質量%であり、特に好ましくは、2〜6質量%である。
上記導電助剤としては、特に制限されないが、例えば、導電性カーボン、導電性セラミックス、亜鉛・銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等の金属等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記負極活物質層が導電助剤を含む場合の導電助剤の割合は、負極活物質層中の活物質100質量%に対して、0.0001〜100質量%であることが好ましい。導電助剤の含有割合がこのような範囲であると、より良好な電池性能を発揮することができる。より好ましくは、0.0005〜60質量%であり、更に好ましくは、0.001〜40質量%である。
上記負極活物質層は、その他の成分として、周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、及び、有機化合物塩からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
上記負極活物質層がその他の成分を含む場合は、該その他の成分の負極活物質層中の含有割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
上記負極活物質層の厚さは、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることが更に好ましく、1mm以上であることが特に好ましい。該活物質層の厚さは、例えば10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。
上記活物質層の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
上記負極を構成する集電体としては特に制限されず、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;アルカリ(蓄)電池や空気亜鉛電池に集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
<充電用の正極>
本発明の金属空気電池が第三極方式の場合、電池を構成する充電用の正極としては、充電用の正極として機能することができるものである限り特に制限されないが、負極と対向する面に対して垂直方向にイオンを伝導できる構造又は材質が好ましく、多孔性の金属板等が好ましい。多孔性の金属板としては、上記負極を構成する集電体として用いることができる材料に含まれる、パンチング金属板、発泡金属板を用いることができる。
上記充電用の正極の厚さは特に制限されないが、0.01〜2mmであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜1mmである。
上記充電用の正極の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
<空気極(放電用の正極)>
本発明の金属空気電池を構成する空気極(3極方式の場合は、放電用の空気極)は、空気極として機能するものである限り特に制限されないが、空気極用触媒を含むものであることが好ましく、集電体上に空気極用触媒層を形成したものであることがより好ましい。
空気極用触媒としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の導電性カーボン、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記空気極用触媒層に含まれる空気極用触媒の質量割合は、空気極用触媒層全体100質量%中、5質量%以上であることが好ましい。空気極用触媒の割合がこのような範囲であると、空気極の機能を充分なものとすることができる。より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上である。また、該質量割合は98質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
上記空気極用触媒層は、空気極用触媒以外に結着剤を含んでいてもよい。
結着剤としては、上述した負極活物質層が含む結着剤と同様のものを用いることができる。
結着剤の空気極用触媒層中の質量割合は、0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜8質量%であり、更に好ましくは、1〜5質量%である。
上記空気極用触媒層は、空気極用触媒、結着剤以外にその他の成分として撥水剤等を含んでいてもよい。
これらその他に成分の空気極用触媒層中の質量割合は、5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、3質量%以下であり、更に好ましくは、2質量%以下である。
上記空気極用触媒層の厚さは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることが更に好ましい。該活物質層の厚さは、例えば1mm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましい。
上記活物質層の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
上記空気極用触媒を構成する集電体としては、上述した負極となる金属電極を構成する集電体と同様のものを用いることができる。
<電解液>
本発明の金属空気電池を構成する電解液は、蓄電池の電解液として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。上記有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等などが挙げられる。これらの中でも、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液といったアルカリ性電解質が好ましい。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液は、上記有機溶剤系電解液を含んでいてもよい。
<セパレータ>
本発明の金属空気電池がアニオン伝導性膜をセパレータとして有する場合、セパレータの厚みは特に制限されないが、1μm〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは、5μm〜500μmであり、更に好ましくは、10μm〜100μmである。
セパレータの厚みは、マイクロメーターにより測定することができる。
本発明の金属空気電池が第三極方式のものであって、放電用の正極と負極との間、及び、負極と充電用の正極との間にセパレータを有する場合、これらのセパレータの少なくとも一方がアニオン伝導性膜であることが好ましいが、より好ましくは、これらの両方のセパレータがアニオン伝導性膜であることである。
上記アニオン伝導性膜以外のセパレータとしては、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニル部位含有ポリマー等のハロゲン含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物等が挙げられる。
上記アニオン伝導性膜は、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料によって形成されるものであることが好ましい。このようなアニオン伝導性材料によって形成されたアニオン伝導性膜は、良好な水酸化物イオン透過性を有しながら、アニオンであってもイオン半径の大きな金属イオンの拡散は充分に防止することができるため、負極と正極(第三極方式の場合は、充電用正極)との間にセパレータとしてこのような膜が存在しても本発明の金属空気電池が良好な性能を発揮することができる。
この場合、アニオン伝導性材料はポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物をそれぞれ1種含んでいても2種以上含んでいてもよく、また、これら以外の成分を含んでいてもよい。
以下に、アニオン伝導性材料が含むポリマー、及び、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物(以下、単に無機化合物ともいう。)について順に説明する。
上記アニオン伝導性材料が含むポリマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等に代表される芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコールやポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンやN−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド基含有ポリマー;ポリマレイミド等に代表されるイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリメチレングルタル酸等に代表されるカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等に代表されるカルボン酸塩基含有ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有ポリマー;エポキシ樹脂等のエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;ARB(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH等のアニオンを表す。R、R、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、又は、芳香環基を表す。R、R、Rは、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等に代表される人工ゴム;セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、アルギン酸(塩)等に代表される糖類;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマー;複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー;ポリマーアロイ;ヘテロ原子含有ポリマー;低分子量界面活性剤などが挙げられる。
上記のものの中でも、アニオン伝導性材料が含むポリマーは、芳香族基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボン酸塩基、水酸基、アミノ基、及び、エーテル基からなる群より選択される少なくとも1種を含有するか、又は、炭化水素であることが好ましい。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。より好ましくは、フッ素原子である。また、カルボン酸塩基は、カルボン酸リチウム塩基、カルボン酸ナトリウム塩基、カルボン酸カリウム塩基が好ましい。より好ましくは、カルボン酸ナトリウム塩基である。上記炭化水素は、例えばポリオレフィンが挙げられる。
中でも、上記ポリマーは、(1)絶縁物であること、(2)アニオン伝導性材料の粉末を増粘・結着させることができること、(3)物理的強度に優れることの3点を総合的に考慮して適宜選択することが好ましく、このような観点からは、炭化水素部位含有ポリマー、芳香族基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、カルボン酸塩基含有ポリマー、ハロゲン含有ポリマー、スルホン酸塩部位含有ポリマー、第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー、糖類が好ましい。上記ポリマーは熱や圧力等により繊維化された状態になってもよい。ポリマーの繊維化により、活物質(層)やアニオン伝導性材料の強度、アニオン伝導度等を調節することもできる。
上記ポリマーの重量平均分子量は、200〜7000000であることが好ましい。これにより、アニオン伝導性材料のイオン伝導性、粘性、可とう性、強度等を調節することができる。該重量平均分子量は、より好ましくは、400〜6500000であり、更に好ましくは、500〜5000000である。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
上記ポリマーの質量割合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、1質量%以上であり、更に好ましくは、25質量%以上であり、一層好ましくは、30質量%を超えることであり、特に好ましくは、40質量%を超えることであり、最も好ましくは45質量%を超えることである。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99.5質量%以下であり、更に好ましくは、99質量%以下であり、一層好ましくは、97質量%以下であり、特に好ましくは、80質量%以下である。これにより、アニオン伝導性材料のクラックを生じにくくすることができる。
本発明に係るアニオン伝導性材料における、ポリマーと、無機化合物との質量割合は、5000000/1〜1/100000であることが好ましい。より好ましくは、2000000/1〜1/50000であり、更に好ましくは、1000000/1〜1/10000である。一層好ましくは、1000000/1〜1/100である。より一層好ましくは、100/3〜75/100である。特に好ましくは、100/50〜75/100である。本発明に係るアニオン伝導性材料に含まれる無機化合物がハイドロタルサイトである場合に上記質量割合を満たすことにより、アニオン伝導性材料におけるアニオン伝導性を優れたものとする効果及びクラックを生じにくくする効果の両方を顕著に優れたものとすることができる。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物(本明細書中、単に無機化合物とも言う。)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。より好ましくは、Li、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Sn、Pb、N、P、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含むものである。
上記無機化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
酸化物としては、例えばアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む酸化物であることが好ましい。より好ましくは、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Sn、Pb、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む酸化物である。更に好ましくは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化錫、酸化ジルコニウムであり、特に好ましくは、酸化マグネシウム、酸化ビスマス、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化錫、酸化ジルコニウムである。また、酸化セリウムは、例えば、酸化サマリウム、酸化ガドリニウム、酸化ビスマス等の金属酸化物がドープされたものや、酸化ジルコニウム等の金属酸化物との固溶体であってもよい。上記酸化物は、酸素欠陥を持つものであってもよい。
上記水酸化物としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化セリウム、水酸化ジルコニウムが好ましい。なお、本明細書中、水酸化物は、層状複水酸化物以外の水酸化物を言う。
上記層状複水酸化物は、例えばハイドロタルサイトが好ましい。これにより、上記アニオン伝導性材料のアニオン伝導性を際立って優れたものとすることができる。
上記ハイドロタルサイトは、下記式(1);
[M 1−x (OH)](An−x/n・mHO (1)
(式中、M=Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu、Mn等;M=Al、Fe、Mn、Co、Cr、In等;An−=CO 2−、OH、Cl、NO 、CO 2−、COO等、mは0以上の正数、nは1〜3、xは、0.20≦x≦0.40程度)で示される化合物であることが好ましい。この化合物を、150℃〜900℃で焼成することにより脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、天然鉱物であるMgAl(OH)16CO・mHO等を上記無機化合物として使用してもよい。上記ハイドロタルサイトには、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。層間内に有機物を有していてもよい。
上記硫酸化合物は、例えばエトリンガイトが好ましい。
上記リン酸化合物は、例えばヒドロキシアパタイトが好ましい。
上記ヒドロキシアパタイトは、Ca10(PO(OH)に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用してもよい。
上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に、溶解状態、コロイド等の分散状態、不溶状態等のいずれであっても良く、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電するものが好ましく、ゼータ電位の測定等により、粒子の帯電状態を推察することができる。これら無機化合物は、後述するように、ポリマーが有する官能基との共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用等の非共有性結合により相互作用することもできる。ハイドロタルサイト等の層状化合物を用いる場合には、その層内にポリマーが形成されていてもよいし、有機物を含んでいてもよい。また、上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電しない状態(等電点に相当)で使用してもよい。
上記アニオン伝導性材料は、電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に水和物となるようなものであってもよい。水和物であることにより、電池反応に関与する水酸化物イオン等の伝導性を更に高めることができる。
上記無機化合物の質量割合としては、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、更に好ましくは、1質量%以上であり、一層好ましくは3質量%以上であり、特に好ましくは20質量%以上である。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99質量%以下であり、更に好ましくは、75質量%以下であり、一層好ましくは、70質量%未満であり、特に好ましくは、60質量%未満であり、最も好ましくは55質量%未満である。
上記無機化合物の質量割合を上記範囲内とすることにより、本発明の効果を発揮できるとともに、アニオン伝導性材料のクラックを生じにくくする効果を発揮することができる。中でも、層状複水酸化物の質量割合を上記範囲内とすることが特に好ましい。
上記アニオン伝導性材料は、ポリマーと、無機化合物とを含む限り、更にその他の成分を含んでいてもよい。
上記その他の成分は、特に限定されないが、例えば、粘土化合物;固溶体;合金;ゼオライト;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;スルホン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩;有機化合物等を1種又は2種以上含んでいても良い。上記その他の成分は、上記無機化合物や上記ポリマーとは異なる化合物である。上記その他の成分は、イオン伝導性を補助したり、溶媒・熱・焼成・電気等の手法を用いて除去されることによって後述するアニオン伝導性材料中の空孔を形成したりする等の働きも可能である。
上記その他の成分の質量割合は、その他の成分を用いる場合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.001質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.01質量%以上であり、更に好ましくは、0.05質量%以上である。また、90質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、70質量%以下であり、更に好ましくは、45質量%以下である。その他の成分は、全く含まなくてもよい。
本発明に係るアニオン伝導性材料は、上述したポリマー、無機化合物、その他の成分を、それぞれ、1種のみ含んでいてもよいし2種以上を含んでいてもよい。なお、ポリマーが2種以上含まれる場合、ポリマーの質量とは、特に断らない限り、2種以上のポリマーの合計質量を言う。無機化合物、その他の成分のそれぞれが2種以上含まれる場合についても同様である。
本発明の金属空気電池は、上述の構成よりなり、電池ユニットを隙間を有するようにして容器中に密閉したものであって、高いエネルギー密度を有し、かつ長期間安定に充放電可能な電池である。
本発明の金属空気電池の好適な形態の1つの構成を示した図である。 実施例1で用いた金属空気電池の構成を示した図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
下記実施例、比較例において、負極、充電用の正極、放電用の正極、電解液、セパレータとしては、それぞれ以下のものを用いた。
(1)負極(亜鉛負極)
錫メッキされたパンチング鋼板を集電体とし、酸化亜鉛とポリフルオロエチレン水分散体(ポリフロンD210C、ダイキン社製)とを98:2の質量比で混合したペーストを集電体に圧延によって圧着して負極を形成した。負極容量は、800mAh/cm程度とした。
(2)充電用の正極
Niメッキされたパンチング鋼板を充電極として用いた。
(3)放電用の正極(空気極)
天然黒鉛と60%濃度のテトラフルオロエチレン水分散液(ポリフロンD−210C、ダイキン社製)とを9:1の質量比で混合しペースト化したものを、Niメッキされたパンチング鋼板に圧延によって圧着し、さらに電解液側にポリプロピレン製不織布、空気側にテフロン(登録商標)製不織布がくるような3層構成を圧延によって圧着して形成し、セパレータを密着させた空気極とした。
(4)電解液
8M濃度のKOH水溶液に酸化亜鉛を飽和濃度まで溶かしたものを電解液とした。
(5)セパレータ
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は0.20μm)とスチレン−ブタジエン共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを100:100:5:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製し、これをセパレータとした。
実施例1
図2に示すようにアクリル製容器に負極、充電用の正極、セパレータを密着させた放電用の正極、電解液及びセパレータをそれぞれ配置して電池ユニットを構成した。電池ユニットの大きさは、縦、横、高さが5cm×5cm×5cmであった。この電池ユニットを直径(内径)15cm×高さ20cmの円筒形のアクリル製容器に入れ、電池ユニットと外部とを繋ぐ配線を設けたうえで、バイトンOリングを用いて密閉した。密閉容器には圧力計を設置した。その後、以下の測定条件で充放電サイクル試験を行ったところ、100サイクル以上の充放電を行うことができ、密閉容器の外観にも特に変化はなかった。充放電サイクル中の密閉容器内の圧力は、1.0〜1.1気圧であった。
[測定条件]
充電電流:30mA/cm(充電極の開口部に対して30mA/cmとした)
放電電流:30mAh/cm(放電極の開口部に対して30mA/cmとした)
充電時間:5時間(150mAh/cmまで負極を充電した)
放電停止条件:放電極と負極間の電圧が0.9V以下になったところで放電停止とした。
充電停止・放電停止の間には、5分間の休止時間(電流を流さない時間)を置き、サイクル試験を実施した。
実施例2
実施例1と同様の電池ユニットを構成し、電池ユニットをポリエチレン製袋内に配置し、電池ユニットと外部とを繋ぐ配線を設けたうえで、脱気しながら袋の口を熱融着することで密閉した。その後、実施例1と同様の測定条件で充放電サイクル試験を行ったところ、100サイクル以上の充放電を行うことができ、密閉容器の外観にも特に変化はなかった。
実施例3
実施例1と同様に構成した電池ユニットを4つ用意し、これを並列に接続したものを実施例1で用いたのと同じ密閉容器に入れ、電池ユニットと外部とを繋ぐ配線を設けたうえで、バイトンOリングを用いて密閉した。その後、実施例1と同様の測定条件で充放電サイクル試験を行ったところ、100サイクル以上の充放電を行うことができ、密閉容器の外観にも特に変化はなかった。
比較例1
実施例1と同様に構成した電池ユニットを容器に入れず、開放状態のままで実施例1と同様の測定条件で充放電サイクル試験を行ったところ、21サイクルで電解液が枯渇し、充放電不能となった。
A:充電用の正極
B:セパレータ
C:セパレータを密着させた放電用の正極(セパレータを密着させた空気極)
D:電解液
E:負極
F:負極集電体
G:容器(図2ではアクリル製容器)
H:密閉容器(図2ではアクリル製密閉容器)

Claims (5)

  1. 空気極を正極とし、金属電極を負極とする金属空気電池であって、
    金属空気電池は、充電用の正極と放電用の正極と負極と電解液とを含んで構成され、負極の一方の面が充電用の正極と対向し、他方の面が放電用の正極と対向するように電極が配置され、かつ、充電用の正極と放電用の正極とがともに電池ユニットの表面の一部を構成する電池ユニットが、充電用の正極と放電用の正極とが対向するようにして該電池ユニットの体積よりも容積の大きい密閉容器中に複数配置されていることを特徴とする金属空気電池。
  2. 前記密閉容器の容積は、電池ユニットの体積に対して、0.1%以上大きいことを特徴とする請求項に記載の金属空気電池。
  3. 前記密閉容器中の圧力が0.5気圧〜10気圧であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属空気電池。
  4. 前記密閉容器は、膨張、収縮できる素材で形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属空気電池。
  5. 前記電池ユニットは、アニオン伝導性膜を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属空気電池。
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