JP6716315B2 - 金属亜鉛電池 - Google Patents

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Description

本発明は、金属亜鉛電池に関する。より詳しくは、亜鉛種を負極活物質とし、亜鉛種とは異なる金属成分を正極活物質として用いる金属亜鉛電池に関する。
金属亜鉛電池は、亜鉛種を負極活物質とする電池の一種として古くから知られており、近年では、正極にニッケル、負極に亜鉛を用いたニッケル亜鉛電池が、2002年に東芝電池社より「GigaEnergy」、2004年に松下電器産業社より「オキシライド乾電池」として発売されている。しかしこれらはいずれも一次電池である。ニッケル亜鉛電池の二次電池化についても検討がなされており(例えば、特許文献1参照)、実用化された製品がPowerGenix社によって近年市場に投入されているが、用途は限定的である。
特表2008−539559号公報
金属亜鉛電池の一種であるニッケル亜鉛電池は、寿命性能に大きな課題がある。ニッケル亜鉛電池の寿命性能は、充放電方法によって大きく異なってくるが、一般論として電池に搭載した容量すべてを使い切るサイクルで充放電する試験が最も短サイクルになりやすい。この理由は、正極・負極の充放電効率に由来しており、負極は充放電効率がほぼ100%で行えるのに対し、正極は、充電容量が理論容量の80%以上で酸素発生反応と同時に充電反応が進行するためである。このとき、酸素発生に使われるエネルギーは充電されていないため、正負極で充電できた電気量がずれてしまう。この条件でサイクルを繰り返すと、負極だけ常に余分に充電されてしまうため、最終的に負極は過充電状態となり、デンドライトによる短絡を引き起こすことになる。金属亜鉛電池には、ニッケル亜鉛電池のように、正極、負極での充電量の不均一による不具合が発生するものがあり、このような不具合の解消が求められる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、正極、負極の充電量の不均一による不具合を解消し、充電量が多い場合でも長期間充放電を行うことができる金属亜鉛電池を提供することを目的とする。
本発明者は、ニッケル亜鉛電池のような、正極、負極の充電量の不均一による不具合の発生のない金属亜鉛電池について種々検討し、亜鉛種とは異なる金属成分を活物質とする第一の正極と、該第一の正極とは異なる活物質を用いる第二の正極とを有する金属亜鉛電池に想到した。このようにすると、第一の正極への充電量よりも負極への充電量のほうが多くなった充電量不均一の場合でも、第一の正極に加えて第二の正極が放電に関与することで負極の充電分を全て放電することが可能となり、正極、負極の充電量の不均一による不具合を解消することが可能となることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、亜鉛種を負極活物質とし、亜鉛種とは異なる金属成分を正極活物質として用いる金属亜鉛電池であって、上記金属亜鉛電池は、亜鉛種とは異なる金属成分を活物質とする第一の正極と、上記第一の正極とは異なる活物質を用いる第二の正極とを有することを特徴とする金属亜鉛電池である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<金属亜鉛電池>
本発明の金属亜鉛電池は、亜鉛種とは異なる金属成分を活物質とする第一の正極と、該第一の正極とは異なる活物質を用いる第二の正極の2種類の正極を有することを特徴とする。
上述したニッケル亜鉛電池のように、負極の充電量が正極の充電量よりも多くなった場合、第一の正極が充電分を全て放電した時点でも負極にはまだ充電分が残っていることになるが、第二の正極が放電を行うことで、負極に残っている充電分も全て放電させることが可能となり、充電量が多い場合でも正極、負極の充電量の不均一による不具合を解消することができる。
本発明の金属亜鉛電池の第二の正極は、放電反応を行うことができるものであれば特に制限されず、充電状態にある金属種であってもよく、空気極であってもよい。
これらの中でも、第二の正極は、空気極であることが好ましい。空気極は、空気中の酸素を用いて放電反応を行うため、空気に触れる位置にあれば充電を行わなくても放電を行うことができる。このため、第二の正極として空気極を用いれば、第二の正極を充電することなく、負極に残留する充電分を放電する第二の正極としての機能を繰り返し発揮することができる。また第二の正極が空気極であると、第一の正極の充電反応で発生する酸素を第二の正極の放電反応で使用することもできる。
上記第二の正極が空気極である場合、該空気極は、撥水性材料からなる層と、触媒層とを含むことが好ましい。空気極は、電解液と接触し、かつ、空気にも触れる位置に配置することが必要となるが、空気極が撥水性材料からなる層を有するものであると、空気極から電解液が漏れたり、揮発したりして電解液量が少なくなることを効果的に抑制することができる。
本発明の金属亜鉛電池は、正極と負極との間にセパレータを含んで構成されることが好ましい。正極と負極との間にセパレータがあることで、正極と負極との短絡を効果的に防止することができる。本発明の電池は、亜鉛種を負極活物質とするものであり、充放電に伴ってデンドライトが成長し、これが短絡の原因となることがあるが、正極と負極との間にセパレータを配置することで、デンドライトの成長による負極と充電用の正極間の短絡も抑制することができる。セパレータは、正極と負極との間にあればよいが、第一の正極、第二の正極、及び、負極の各電極間にセパレータが設けられていることがより好ましい。なお、第二の正極が空気極である場合には、第一の正極と負極との間にセパレータが設けられていることが重要であり、第二の正極と負極との間にはセパレータが設けられていれなくてもよい。
上記セパレータは、アニオン伝導性材料により形成されていることが好ましい。このセパレータがアニオン伝導性材料により形成されたアニオン伝導性膜であることにより、電極反応に必要なアニオンの良好な透過性を確保しつつ、デンドライトの成長を原因とする電極間の短絡をより効果的に抑制することができる。
なお、アニオン伝導性膜とは、陰イオンを優先的に透過する膜を意味する。これは、本発明と同じ又は類似の技術分野に属する下記公知文献に記載のいずれの発明においても共通する概念である。本発明では、アニオン伝導性膜とは、陰イオン、特に水酸化物イオンを透過する膜(層)を意味する。アニオン伝導性膜を形成するアニオン伝導性材料については後述する。
(特表2014−503689号公報、特開2013−145758号公報、特開2013−091598号公報、特開2014−011000号公報、特開2013−211201号公報参照。)
本発明の金属亜鉛電池は、第一の正極、第二の正極、及び、負極をそれぞれ少なくとも1つ有するものであればよいが、これらを複数有することが好ましい。後述するように、亜鉛負極は、集電体上に亜鉛活物質層を形成したものであり、集電体からの活物質層の脱落を防ぐことを考えると、1つの集電体に搭載できる亜鉛活物質の量には限界がある。複数の亜鉛負極を有する電池にすることで、電池に搭載する負極活物質の合計量を多くすることができ、電池の容量を大きくすることができる。また、電極の数を多くすることで、電池の内部抵抗を下げることができ、放電出力を上げることができる。
本発明の金属亜鉛電池が正極や負極をそれぞれ複数有する場合の電池の構成は特に制限されないが、第一の正極と負極とが交互に並んだ配置となっていることが好ましい。そのような配置になっていることで、充放電反応を円滑に進めることができる。
第二の正極が充電状態にある金属種である場合、充電状態にある金属種が電池内になるべく多く存在することが好ましい。第二の正極の配置は特に制限されず、例えば、電池内に複数の第一の正極と負極とが交互に並んだ積層体が存在する場合、当該積層体の外側に配置されることや、当該積層体の周囲を取り囲むように配置されること等が挙げられる。
第二の正極が空気極である場合、少なくとも空気極の一部が空気に触れる位置に配置されていればよく、空気極の大きさは小さくても充分な放電反応を行うことができるが、空気極が大きいと放電速度を上げることができる。第二の正極が空気極である場合の本発明の金属亜鉛電池の好適な構成の一例を図1に示す。第二の正極が空気極である場合、電池の側面に空気極を配置すると、空気極の面積を大きくとることができ、放電速度を上げることができる。
<亜鉛負極>
本発明の亜鉛負極の活物質層は、亜鉛種を活物質として含むものである。ここで亜鉛種とは、亜鉛の金属単体又は亜鉛含有化合物のことである。
上記亜鉛含有化合物は、活物質として用いることができるものであればよく、例えば、酸化亜鉛(JIS K1410(2006年)に規定する1種/2種/3種)や、水酸化亜鉛・硫化亜鉛・テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ金属塩・テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ土類金属塩・亜鉛ハロゲン化合物・亜鉛カルボキシラート化合物・亜鉛合金・亜鉛固溶体・ホウ酸亜鉛・リン酸亜鉛・リン酸水素亜鉛・ケイ酸亜鉛・アルミン酸亜鉛・炭酸化合物・炭酸水素化合物・硝酸化合物・硫酸化合物等に代表される周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する亜鉛(合金)化合物、有機亜鉛化合物、亜鉛化合物塩等が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛(JIS K1410(2006年)に規定する1種/2種/3種)、水酸化亜鉛、テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ金属塩、テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ土類金属塩、亜鉛ハロゲン化合物、亜鉛カルボキシラート化合物、亜鉛合金、亜鉛固溶体、ホウ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、アルミン酸亜鉛、炭酸亜鉛、周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する亜鉛(合金)化合物がより好ましい。上記亜鉛合金は、(アルカリ)乾電池や空気電池に使用される亜鉛合金であってもよい。上記亜鉛含有化合物は、1種でも2種以上でも使用することができる。
上記負極活物質層中の活物質の含有割合は、活物質層の全量100質量%に対して、50〜99.9質量%であることが好ましい。活物質の配合量がこのような範囲であると、活物質層を含んで構成される亜鉛負極を電池に用いた場合に、より良好な電池性能を発揮することができる。より好ましくは、55〜99.5質量%であり、更に好ましくは、60〜99質量%である。
上記負極活物質層は、活物質以外に結着剤を含んでいてもよい。
結着剤としては、種々のものを用いることができ、熱可塑性、熱硬化性のいずれであってもよく、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有ポリマー、ポリオレフィン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等の芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等のエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコール等の水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ポリアクリルアミド等のアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等のイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩等のカルボン酸塩基含有ポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;イオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等の人工ゴム;ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース等の糖類;ポリエチレンイミン等のアミノ基含有ポリマー;ポリウレタン等が挙げられる。
上記活物質層は、活物質とともに、導電助剤を含むものであることが好ましい。
上記導電助剤としては、例えば、導電性カーボン、導電性セラミックス、亜鉛・亜鉛末・亜鉛合金・(アルカリ)(蓄)乾電池や空気電池に使用される亜鉛(以下、纏めて金属亜鉛とも称する)、銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等の金属等を用いることができる。
上記導電性カーボンとしては、天然黒鉛・人造黒鉛等の黒鉛、グラッシーカーボン、アモルファス炭素、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、カーボンナノフォーム、活性炭、グラフェン、ナノグラフェン、グラフェンナノリボン、フラーレン、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相法炭素繊維(気相成長炭素繊維)、ピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ、金属によりコートしたカーボン、カーボンコートした金属、ファイバー状カーボン、ホウ素含有カーボン、窒素含有カーボン、多層/単層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、バルカン、アセチレンブラック、酸素含有官能基を導入することにより親水処理したカーボン、SiCコートカーボン、分散・乳化・懸濁・マイクロサスペンジョン重合等により表面処理したカーボン、マイクロカプセルカーボン、金属亜鉛、銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等が挙げられる。
上記導電性セラミックスとしては、例えば、酸化亜鉛と共に焼成したBi、Co、Nb、及び、Yから選ばれる少なくとも1種を含有する化合物等が挙げられる。
上記導電助剤の中でも、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、グラフェン、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ、ファイバー状カーボン、多層/単層カーボンナノチューブ、バルカン、アセチレンブラック、酸素含有官能基を導入することにより親水処理したカーボン、金属亜鉛、銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等の金属が好ましい。なお、金属亜鉛はアルカリ(蓄)電池や空気電池のような実電池に使用されるものであってもよく、表面を他元素やカーボン等で処理されたものであってもよいし、合金化されていてもよい。固溶体であってもよい。上記導電助剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。
上記金属亜鉛は活物質としても働くことが可能である。言い換えれば、電池の使用の過程で、導電助剤である金属亜鉛は酸化還元反応をおこなって活物質としても機能する。なお、同様に、電池の使用の過程で、活物質である亜鉛含有化合物から生成する金属亜鉛は導電助剤としても機能する。負極等の電極の調製段階で合剤として加える金属亜鉛及び亜鉛含有化合物は、電池の使用の過程では、活物質かつ導電助剤として実質的に機能する。
上記導電助剤は、これを用いて蓄電池を作製した際に水含有電解液を使用した場合には、電池の使用の過程で水の分解副反応を進行させる場合があり、該副反応を抑制するために、特定の元素を導電助剤に導入してもよい。特定の元素としては、Al、B、Ba、Bi、Br、C、Ca、Cd、Ce、Cl、Cu、Eu、F、Ga、Hg、In、La、Mg、Mn、N、Nb、Nd、Ni、P、Pb、S、Sb、Sc、Si、Sm、Sn、Sr、Ti、Tl、Y、Zr等が挙げられる。導電性カーボンを導電助剤の一つとして使用する場合には、特定の元素としては、Al、B、Ba、Bi、C、Ca、Cd、Ce、Cu、F、Ga、In、La、Mg、Mn、N、Nb、Nd、Ni、P、Pb、S、Sb、Sc、Si、Sn、Ti、Tl、Y、Zrが好ましい。
ここで、特定の元素を導電助剤に導入するとは、導電助剤を、これらの元素を構成元素とする化合物とすることを意味する。
上記導電助剤の活物質層中の含有割合は、活物質層中の活物質100質量%に対して、0.0001〜100質量%であることが好ましい。導電助剤の含有割合がこのような範囲であると、活物質層を含んで構成される電極を電池に用いた場合に、より良好な電池性能を発揮する。より好ましくは、0.0005〜60質量%であり、更に好ましくは、0.001〜40質量%である。
なお、金属亜鉛を電極合剤調製時に使用する場合には、金属亜鉛は活物質ではなく、導電助剤として考えて計算する。また、亜鉛含有化合物である酸化亜鉛や水酸化亜鉛等から電池の使用の過程で生成する金属亜鉛は、系中で導電助剤としての機能も果たすことになるが、亜鉛負極合剤や亜鉛負極調製時には0価の金属亜鉛ではないため、ここでは導電助剤と考えず、活物質と考えて計算する。すなわち、上記活物質、導電助剤の好ましい含有割合は、亜鉛負極合剤や亜鉛負極の調製時における亜鉛含有化合物は活物質として考え、金属亜鉛は導電助剤として考えて計算する。
本発明に係る活物質層は、更に、周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、及び、有機化合物塩からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
本発明において、負極集電体の材料は特に制限されず、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;アルカリ(蓄)電池や空気亜鉛電池に集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
<第一の正極>
本発明の金属亜鉛電池の第一の正極の活物質は、亜鉛種を負極活物質とする電池の正極として機能することができる金属成分であれば特に制限されず、Ni、Ag、Mn、Pb、Sn、In、Cu、Cd、Bi、Co、Fe、Ga、Tl等の金属の単体又は化合物の1種又は2種以上を用いることができる。化合物としては、酸化物、水酸化物、塩化物、硫化物、水素化物、ハロゲン化物、金属錯体等が挙げられる。
これらの中でも、第一の正極の活物質はNiを主成分とするものであることが好ましい。上述したように本発明の金属亜鉛電池は、正極、負極の充電量の不均一による不具合を解消することができるため、本発明の金属亜鉛電池がニッケル亜鉛電池であることは本発明の好適な実施形態の1つである。
第一の正極の活物質はNiを主成分とするものである場合、第一の正極の活物質のうち、Niの単体又は化合物の割合が50質量%以上であればよいが、70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは、90質量%以上であり、最も好ましくは100質量%、すなわち、第一の正極の活物質の全てがNiの単体又は化合物であることである。
上記第一の正極としては、金属種が板形状となったものや多孔質形状となったものを用いてもよく、集電体上に活物質を含む層を形成してもよい。また、多孔質の集電体又は金属種が多孔質となったものに金属種を含浸させてもよい。
集電体上に活物質を含む層を形成する場合、集電体、及び、活物質を含む層に含まれる金属種以外の成分としては、上述した負極を形成する場合の集電体や活物質以外の成分から金属種の種類に合わせて適宜適したものを選択して用いることができる。また、多孔質の集電体又は金属種が多孔質となったものに金属種を含浸させる場合、含浸させる金属種を含む組成物を調製して含浸させることが好ましく、その場合、該組成物が含む金属種以外の成分としては、上述した負極を形成する場合の集電体や活物質以外の成分から金属種の種類に合わせて適宜適したものを選択して用いることができる。
上記第一の正極が金属板形状である場合、第一の正極の厚さは特に制限されないが、0.01〜2mmであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜1mmである。
上記第一の正極の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
<第二の正極>
上述したように本発明の金属亜鉛電池の第二の正極は、充電状態にある金属種を活物質とする正極であってもよく、空気極であってもよい。
充電状態にある金属種としては、Ni、Ag、Mn、Pb、Sn、In、Cu、Cd、Bi、Co、Fe、Ga、Tl等の金属の単体又は化合物の1種又は2種以上を用いることができる。化合物としては上記第一の正極の場合と同様のものが挙げられる。これらの金属種を用いる場合、金属種が板形状となったものや多孔質形状となったものを用いてもよく、集電体上に活物質を含む層を形成してもよい。また、多孔質の集電体又は金属種が多孔質となったものに金属種を含浸させてもよい。
集電体上に活物質を含む層を形成する場合、集電体、及び、活物質を含む層に含まれる金属種以外の成分としては、上述した負極を形成する場合の集電体や活物質以外の成分から金属種の種類に合わせて適宜適したものを選択して用いることができる。また、多孔質の集電体又は金属種が多孔質となったものに金属種を含浸させる場合、含浸させる金属種を含む組成物を調製して含浸させることが好ましく、その場合、該組成物が含む金属種以外の成分としては、上述した負極を形成する場合の集電体や活物質以外の成分から金属種の種類に合わせて適宜適したものを選択して用いることができる。
第二の正極が金属板である場合、第二の正極の厚さは上記第一の正極の厚さと同様であることが好ましい。
本発明における第二の正極が空気極である場合、空気極として機能するいずれのものも使用することができ、特に制限されないが、空気極用触媒を含むものであることが好ましく、集電体上に空気極用触媒層を形成したものであることがより好ましい。
空気極用触媒としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の導電性カーボン、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記空気極用触媒層に含まれる空気極用触媒の質量割合は、空気極用触媒層全体100質量%中、5質量%以上であることが好ましい。空気極用触媒の割合がこのような範囲であると、空気極の機能を充分なものとすることができる。より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上である。また、該質量割合は98質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
上記空気極用触媒層は、空気極用触媒以外に結着剤を含んでいてもよい。
結着剤としては、上述した負極活物質層が含む結着剤と同様のものを用いることができる。
結着剤の空気極用触媒層中の質量割合は、0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜8質量%であり、更に好ましくは、1〜5質量%である。
上記空気極用触媒層の厚さは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることが更に好ましい。該活物質層の厚さは、例えば1mm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましい。
上記活物質層の厚さは、マイクロメーターにより測定することができる。
上述したように、本発明の第二の正極が空気極である場合、空気極は、撥水性材料からなる層と、触媒層とを含むことが好ましい。
撥水性材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン製不織布;ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー等のフッ素含有ポリマーで形成された撥水膜;セルガード2501、TEMISH(登録商標)(日東電工http://www.nitto.com/jp/ja/products/group/temish/about/)等の撥水性多孔質膜等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記空気極用触媒を構成する集電体としては、上述した負極となる金属電極を構成する集電体と同様のものを用いることができる。
<電解液>
本発明の金属空気電池を構成する電解液は、蓄電池の電解液として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。これら有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等などが挙げられる。これらの中でも、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液といったアルカリ性電解質が好ましい。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液は、上記有機溶剤系電解液を含んでいてもよい。
<セパレータ>
本発明の金属空気電池がアニオン伝導性膜をセパレータとして有する場合、セパレータの厚みは特に制限されないが、1μm〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは、5μm〜500μmであり、更に好ましくは、10μm〜100μmである。
セパレータの厚みは、マイクロメーターにより測定することができる。
本発明の金属亜鉛電池は、アニオン伝導性膜からなるセパレータを用いることが好ましいが、アニオン伝導性膜以外のセパレータを含んでいてもよい。
アニオン伝導性膜以外のセパレータとしては、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニル部位含有ポリマー等のハロゲン含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物等が挙げられる。
上記アニオン伝導性膜は、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料によって形成されるものであることが好ましい。このようなアニオン伝導性材料によって形成されたアニオン伝導性膜は、良好な水酸化物イオン透過性を有しながら、アニオンであってもイオン半径の大きな金属イオンの拡散は充分に防止することができるため、負極と正極との間にセパレータとしてこのような膜が存在しても本発明の金属亜鉛電池が良好な性能を発揮することができる。
この場合、アニオン伝導性材料はポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物をそれぞれ1種含んでいても2種以上含んでいてもよく、また、これら以外の成分を含んでいてもよい。
以下に、アニオン伝導性材料が含むポリマー、及び、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物(以下、単に無機化合物ともいう。)について順に説明する。
上記アニオン伝導性材料が含むポリマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレンやスチレン−ブタジエン共重合体等に代表される芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコールやポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンやN−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド基含有ポリマー;ポリマレイミド等に代表されるイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリメチレングルタル酸等に代表されるカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等に代表されるカルボン酸塩基含有ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有ポリマー;エポキシ樹脂等のエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;ARB(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH等のアニオンを表す。R、R、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、又は、芳香環基を表す。R、R、Rは、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等に代表される人工ゴム;セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、アルギン酸(塩)等に代表される糖類;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマー;複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー;ポリマーアロイ;ヘテロ原子含有ポリマー;低分子量界面活性剤などが挙げられる。
上記のものの中でも、アニオン伝導性材料が含むポリマーは、芳香族基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボン酸塩基、水酸基、アミノ基、及び、エーテル基からなる群より選択される少なくとも1種を含有するか、又は、炭化水素であることが好ましい。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。より好ましくは、フッ素原子である。また、カルボン酸塩基は、カルボン酸リチウム塩基、カルボン酸ナトリウム塩基、カルボン酸カリウム塩基が好ましい。より好ましくは、カルボン酸ナトリウム塩基である。上記炭化水素は、例えばポリオレフィンが挙げられる。中でも、上記ポリマーは、(1)絶縁物であること、(2)アニオン伝導性材料の粉末を増粘・結着させることができること、(3)物理的強度に優れることの3点を総合的に考慮して適宜選択することが好ましく、このような観点からは、炭化水素部位含有ポリマー、芳香族基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、カルボン酸塩基含有ポリマー、ハロゲン含有ポリマー、スルホン酸塩部位含有ポリマー、第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー、糖類が好ましい。上記ポリマーは熱や圧力等により繊維化された状態になってもよい。ポリマーの繊維化により、活物質(層)やアニオン伝導性材料の強度、アニオン伝導度等を調節することもできる。
上記ポリマーの重量平均分子量は、200〜7000000であることが好ましい。これにより、アニオン伝導性材料のイオン伝導性、粘性、可とう性、強度等を調節することができる。該重量平均分子量は、より好ましくは、400〜6500000であり、更に好ましくは、500〜5000000である。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
上記ポリマーの質量割合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、1質量%以上であり、更に好ましくは、25質量%以上であり、一層好ましくは、30質量%を超えることであり、特に好ましくは、40質量%を超えることであり、最も好ましくは、45質量%を超えることである。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99.5質量%以下であり、更に好ましくは、99質量%以下であり、一層好ましくは、97質量%以下であり、特に好ましくは、80質量%以下である。これにより、アニオン伝導性材料のクラックを生じにくくすることができる。
本発明に係るアニオン伝導性材料における、ポリマーと、無機化合物との質量割合は、5000000/1〜1/100000であることが好ましい。より好ましくは、2000000/1〜1/50000であり、更に好ましくは、1000000/1〜1/10000である。一層好ましくは、1000000/1〜1/100である。より一層好ましくは、100/3〜75/100である。特に好ましくは、100/50〜75/100である。本発明に係るアニオン伝導性材料に含まれる無機化合物がハイドロタルサイトである場合に上記質量割合を満たすことにより、アニオン伝導性材料におけるアニオン伝導性を優れたものとする効果及びクラックを生じにくくする効果の両方を顕著に優れたものとすることができる。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物(本明細書中、単に無機化合物とも言う。)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。より好ましくは、Li、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Sn、Pb、N、P、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含むものである。
上記無機化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
酸化物としては、例えばアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む酸化物であることが好ましい。より好ましくは、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Sn、Pb、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む酸化物である。更に好ましくは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化錫、酸化ジルコニウムであり、特に好ましくは、酸化マグネシウム、酸化ビスマス、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化錫、酸化ジルコニウムである。また、酸化セリウムは、例えば、酸化サマリウム、酸化ガドリニウム、酸化ビスマス等の金属酸化物がドープされたものや、酸化ジルコニウム等の金属酸化物との固溶体であってもよい。上記酸化物は、酸素欠陥を持つものであってもよい。
上記水酸化物としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化セリウム、水酸化ジルコニウムが好ましい。なお、本明細書中、水酸化物は、層状複水酸化物以外の水酸化物を言う。
上記層状複水酸化物は、例えばハイドロタルサイトが好ましい。これにより、上記アニオン伝導性材料のアニオン伝導性を際立って優れたものとすることができる。
上記ハイドロタルサイトは、下記式(1);
[M 1−x (OH)](An−x/n・mHO (1)
(式中、M=Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu、Mn等;M=Al、Fe、Mn、Co、Cr、In等;An−=CO 2−、OH、Cl、NO 、CO 2−、COO等、mは0以上の正数、nは1〜3、xは、0.20≦x≦0.40程度)で示される化合物であることが好ましい。この化合物を、150℃〜900℃で焼成することにより脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、天然鉱物であるMgAl(OH)16CO・mHO等を上記無機化合物として使用してもよい。上記ハイドロタルサイトには、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。層間内に有機物を有していてもよい。
上記硫酸化合物は、例えばエトリンガイトが好ましい。
上記リン酸化合物は、例えばヒドロキシアパタイトが好ましい。
上記ヒドロキシアパタイトは、Ca10(PO(OH)に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用してもよい。
上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に、溶解状態、コロイド等の分散状態、不溶状態等のいずれであっても良く、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電するものが好ましく、ゼータ電位の測定等により、粒子の帯電状態を推察することができる。これら無機化合物は、後述するように、ポリマーが有する官能基との共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用等の非共有性結合により相互作用することもできる。ハイドロタルサイト等の層状化合物を用いる場合には、その層内にポリマーが形成されていてもよいし、有機物を含んでいてもよい。また、上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電しない状態(等電点に相当)で使用してもよい。
上記アニオン伝導性材料は、電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に水和物となるようなものであってもよい。水和物であることにより、電池反応に関与する水酸化物イオン等の伝導性を更に高めることができる。
上記無機化合物の質量割合としては、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、更に好ましくは、1質量%以上であり、一層好ましくは、3質量%以上であり、特に好ましくは、20質量%以上である。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99質量%以下であり、更に好ましくは、75質量%以下であり、一層好ましくは、70質量%未満であり、特に好ましくは、60質量%未満であり、最も好ましくは、55質量%未満である。
上記無機化合物の質量割合を上記範囲内とすることにより、本発明の効果を発揮できるとともに、アニオン伝導性材料のクラックを生じにくくする効果を発揮することができる。中でも、層状複水酸化物の質量割合を上記範囲内とすることが特に好ましい。
上記アニオン伝導性材料は、ポリマーと、無機化合物とを含む限り、更にその他の成分を含んでいてもよい。
上記その他の成分は、特に限定されないが、例えば、粘土化合物;固溶体;合金;ゼオライト;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;スルホン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩;有機化合物等を1種又は2種以上含んでいても良い。上記その他の成分は、上記無機化合物や上記ポリマーとは異なる化合物である。上記その他の成分は、イオン伝導性を補助したり、溶媒・熱・焼成・電気等の手法を用いて除去されることによって後述するアニオン伝導性材料中の空孔を形成したりする等の働きも可能である。
上記その他の成分の質量割合は、その他の成分を用いる場合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.001質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.01質量%以上であり、更に好ましくは、0.05質量%以上である。また、90質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、70質量%以下であり、更に好ましくは、45質量%以下である。その他の成分は、全く含まなくてもよい。
本発明に係るアニオン伝導性材料は、上述したポリマー、無機化合物、その他の成分を、それぞれ、1種のみ含んでいてもよいし2種以上を含んでいてもよい。なお、ポリマーが2種以上含まれる場合、ポリマーの質量とは、特に断らない限り、2種以上のポリマーの合計質量を言う。無機化合物、その他の成分のそれぞれが2種以上含まれる場合についても同様である。
本発明の金属亜鉛電池は、上述の構成よりなり、正極、負極の充電量の不均一による不具合を解消し、充電量が多い場合でも、長期間、高いレートで充放電を行うことができる金属亜鉛電池である。
本発明の金属亜鉛電池の好適な構成の一つを示した図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
下記実施例、比較例において、亜鉛負極、第一の正極、第二の正極、電解液、セパレータとしては、それぞれ以下のものを用いた。
(1)亜鉛負極
錫メッキされたパンチング鋼板を集電体とし、酸化亜鉛とポリフルオロエチレン水分散体(ポリフロンD210C ダイキン社製)を98:2の質量比で混合したペーストを集電体に圧延によって圧着して亜鉛負極を形成した。負極容量は、100mAh/cm程度とした。
(2)第一の正極
水酸化ニッケルとカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と、ポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)と純水を100:2:3:15の質量比で混合しペースト化したものを、発泡ニッケルに含浸し、第一の正極とした。容量は、およそ50mAh/cmとした。
(3)第二の正極(空気極)
天然黒鉛と60%濃度のテトラフルオロエチレン水分散液(ポリフロン D−210C、ダイキン社製)を9:1の質量比で混合しペースト化したものを、Niメッキされたパンチング鋼板に圧延によって圧着し、さらに電解液側にポリプロピレン製不織布、空気側にテフロン(登録商標)製不織布がくるような3層構成を圧延によって圧着して形成し、第二の正極(撥水性材料からなる層と触媒層とを含む空気極)とした。
(4)電解液
8M濃度のKOH水溶液に酸化亜鉛を飽和濃度まで溶かしたものを電解液とした。
(5)セパレータ(アニオン伝導性膜)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレンーブタジエン共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを100:100:5:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。
実施例1〜6、比較例1〜6
負極6枚、第一の正極5枚をセパレータを介しながら交互に積層し電極積層体とした。各電極は、反応面積を規定するために4cmの開口部を有するポリエチレンフィルムで被覆した。この電極積層体の外側をさらにセパレータで包み、電池外装体へ導入した。
電池外装体は、直方体のアクリル製であり、一部に1cmの孔が空けられている。この孔に、セパレータを密着させた第二の正極を取り付けた。
最後に電解液を電極が浸る水位まで導入し、電池とした。
電池容量は、第一の正極:1000mAh、負極:2000mAhである。
この電池を用いて、以下の条件により充放電試験を行った。結果を表1に示す。なお、表1中、放電効率=放電電気量/充電電気量である。
[充放電試験条件]
充電・放電電流:100mAの定電流条件で、正極利用率(正極の充電可能な容量100%に対する充電量)を10%、20%、40%、60%、80%、100%として充放電を実施した。放電は、第一の正極による放電と、第二の正極による放電の2段階行い、第一の正極による放電終了条件は、電池電圧1.2Vとし、第二の正極による放電は、第二の正極−負極間電位が0.75Vに達するまで10mAで放電させた。
比較のために、同条件において第二の正極による放電を実施しない条件で実験を行った。
Figure 0006716315
表1の結果から、第一の正極の正極利用率が低い範囲では、第二の正極を利用しなくても100サイクルまで短絡なく充放電を行うことができているが、正極利用率が40%以上になると、第二の正極を利用しない比較例3〜6の場合には100サイクルまでに亜鉛デンドライトの成長により短絡が発生する結果となり、正極利用率が高くなるほど、短絡が発生するまでのサイクル数が短くなることが確認された。一方、第二の正極を利用した実施例の場合には、正極利用率が40%〜100%の場合でも100サイクルまで短絡なく充放電を行うことができ、高いレートかつ高い正極利用率で充放電可能であることが確認された。
A:第一の正極
B:第二の正極
C:負極
D:セパレータ
E:電解液
F:電池外装体

Claims (5)

  1. 亜鉛種を負極活物質とし、亜鉛種とは異なる金属成分を正極活物質として用いる金属亜鉛電池であって、
    該金属亜鉛電池は、亜鉛種とは異なる金属成分を活物質とする第一の正極と、
    該第一の正極とは異なる活物質を用いる第二の正極とを有し、
    電池内に複数の第一の正極と負極とが交互に並んでおり、かつ、第一の正極よりも負極の数が1つ多い
    ことを特徴とする金属亜鉛電池。
  2. 前記第二の正極は、空気極であることを特徴とする請求項1に記載の金属亜鉛電池。
  3. 前記空気極は、撥水性材料からなる層と、触媒層とを含むことを特徴とする請求項2に記載の金属亜鉛電池。
  4. 前記第一の正極、第二の正極、及び、負極の各電極間にセパレータが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属亜鉛電池。
  5. 前記セパレータは、アニオン伝導性材料により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の金属亜鉛電池。
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