JP2016215672A - ライセンスプレート用のグラフィックフィルム、並びにグラフィックフィルムを含むライセンスプレート及びその製造方法 - Google Patents

ライセンスプレート用のグラフィックフィルム、並びにグラフィックフィルムを含むライセンスプレート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンボス加工時及び経時でフィルムの破断、浮きなどの少ない、高白色度ライセンスプレート用グラフィックフィルムの提供。【解決手段】上面及び下面を有する白色のベースフィルム層12、及びベースフィルム層の下面に配置された感圧接着層を含み、感圧接着層14が、(a)ガラス転移温度が−50℃以下のカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、(b)芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、(c)粘着付与剤と、(d)カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して10質量部以上の白色顔料とを含む。【選択図】図1

Description

本開示は、ライセンスプレート用のグラフィックフィルム、並びにそのようなグラフィックフィルムを含むライセンスプレート及びその製造方法に関し、詳細には非反射型のライセンスプレートに適したグラフィックフィルム、並びにそのようなグラフィックフィルムを含む非反射型ライセンスプレート及びその製造方法に関する。
現在の日本では、ライセンスプレート(ナンバープレートともいう。本開示において以下同じ。)は、エンボス加工により白色ペイントアルミニウム板に地名、数字などの形状を有する凸部を形成し、その凸部の上に緑色などのインクを用いて着色層を印刷することにより製造されている。
一方、米国などでは、車両識別性以外に、グラフィック、再帰反射性などを有するライセンスプレートが使用されている。このようなライセンスプレートは、グラフィックフィルム、再帰反射性シートなどをベースプレートに積層することにより製造することができる。
特許文献1(特表2000−508434号公報)は、「(a)実質的に単層に配置された再帰反射性要素と、(b)前記再帰反射性要素が少なくとも部分的に埋め込まれているスペーシング層と、(c)前記スペーシング層の下にある鏡面反射層と、(d)前記再帰反射性要素が少なくとも部分的に埋め込まれているビーズボンド層とを含み、前記ビーズボンド層は、ウレタン基を含むアミノプラスト架橋ポリマーを含み、前記ポリマーは架橋前に約0℃未満のガラス転移温度(Tg)有している再帰反射性シート」を記載している。
特表2000−508434号公報
グラフィックを有するライセンスプレートを作製する場合、白色ペイントアルミニウム板に直接印刷を施すと、インクの密着が不十分であったり、エンボス加工時に印刷したグラフィックスが割れたりすることがある。一方、ベースプレートにグラフィックフィルムを積層した場合でも、エンボス加工時にグラフィックフィルムが破断したり、エンボス加工時又は経時でグラフィックフィルムがベースプレートから剥がれて浮いたりすることがある。また、ライセンスプレートのベースプレートとして一般に用いられるアルミニウム板は地色がグレーであることから、グラフィックの発色を鮮やかにして印刷品質を高めるためにはアルミニウム板の地色を完全に隠蔽する必要がある。
本開示は、エンボス加工時及び経時でフィルムの破断、浮きなどの欠陥の発生を抑制することができる、白色度の高いライセンスプレート用グラフィックフィルムを提供する。
本開示の一実施態様によれば、上面及び下面を有するベースフィルム層、及び前記ベースフィルム層の下面に配置された感圧接着層を含む、ライセンスプレート用グラフィックフィルムであって、前記感圧接着層が、
(a)ガラス転移温度が−50℃以下のカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、
(b)芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、
(c)ロジンエステル系、水添ロジン系、テルペンフェノール系、スチレン系、水添テルペンフェノール系、芳香族変性水添テルペン樹脂、及び芳香族変性テルペン樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの粘着付与剤と、
(d)前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して10質量部以上の白色顔料と
を含む、グラフィックフィルムが提供される。
本開示の別の実施態様によれば、ベースプレート及び前記ベースプレートの上に積層された上記グラフィックフィルムを含むライセンスプレートが提供される。
本開示のさらに別の実施態様によれば、ベースプレートを提供する工程と、前記ベースプレートの上に上記グラフィックフィルムを積層して、積層プレートを形成する工程と、前記積層プレートをエンボス加工又はデボス加工する工程と、エンボス加工又はデボス加工された前記積層プレートの凸部又は凹部に着色層を形成する工程と、前記グラフィックフィルム及び前記着色層を覆うように表面保護層を形成する工程とを含む、ライセンスプレートの製造方法が提供される。
本開示のライセンスプレート用グラフィックフィルムは、白色の感圧接着層により高い白色度を提供することができる。また、感圧接着層は白色顔料を多量に含有するにも拘わらず優れた接着力を有することから、ベースフィルム層の屈曲部に残留する内部応力に抗ってグラフィックフィルムをベースプレートに強固に接着できる。そのため、エンボス加工時及び経時でのグラフィックフィルムの破断、浮きなどの欠陥の発生も抑制することができる。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の一実施態様によるライセンスプレート用グラフィックフィルムの概略断面図である。 本開示の別の実施態様によるライセンスプレート用グラフィックフィルムの概略断面図である。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を概略断面図で示す。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を概略断面図で示す。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を概略断面図で示す。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を概略断面図で示す。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を概略断面図で示す。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順及び得られたライセンスプレートを概略断面図で示す。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。図面の参照番号について、異なる図面において類似する番号が付された要素は、類似又は対応する要素であることを示す。
本開示において「フィルム」には「シート」と呼ばれる物品も包含される。
本開示において「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示において「感圧接着」とは、使用温度範囲で、例えば0℃以上、50℃以下の範囲で初期粘着性(タック)を有し、軽い圧力で様々な表面に接着し、相変化(液体から固体へ)を呈さない材料又は組成物の特性を意味する。
本開示において「透明」とは、可視域(400nm〜800nm)において、光の平均透過率が、約60%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上であることを意味する。
本開示の一実施態様のライセンスプレート用グラフィックフィルムは、上面及び下面を有するベースフィルム層、及びベースフィルム層の下面に配置された感圧接着層を含む。
図1に、本開示の一実施態様によるライセンスプレート用グラフィックフィルム10の模式的な断面図を示す。グラフィックフィルム10は、上面及び下面を有するベースフィルム層12と、ベースフィルム層12の下面に接着された感圧接着層14とを含む。図1に示すようにベースフィルム層12と感圧接着層14とは直接接着されていてもよく、接合層を介して接着されていてもよい。ベースフィルム層12は、感圧接着層14との接着面にプライマー処理、コロナ処理などの表面処理を有してもよい。
ベースフィルム層として、エンボス工程で破断等が生じない樹脂フィルムを使用することができ、例えば、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル−アミドなどの樹脂フィルムを単層で又は積層して使用することができる。このうち、特に、加工性、耐久性等の点から、ポリ塩化ビニルフィルムを用いることが望ましい。
ポリ塩化ビニルフィルムは、加工性及び変形性をグラフィックフィルムに付与し、トナー、インクなどを用いて形成される印刷層のレセプターとしても機能することができる。ポリ塩化ビニルフィルムは、ポリマー成分としてポリ塩化ビニルのみを含んでもよく、例えば耐衝撃性などの特性を改質する目的で、追加のポリマー、例えば熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などを、例えば約40質量%以下、約30質量%以下、又は約20質量%以下の量で含んでもよい。ポリ塩化ビニルフィルムは、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステルなどの可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの他の添加剤を、それぞれ例えば約10質量%以上、約13質量%以上、又は約16質量%以上、約45質量%以下、約40質量%以下、又は約35質量%以下の量で含んでもよい。
ベースフィルム層は白色又は他の色に着色されていてもよい。一実施態様ではベースフィルム層は白色に着色されている。そのような着色に用いることのできる白色顔料として、例えば炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、及び二酸化チタン(酸化チタン)が挙げられる。ベースフィルム層が白色に着色されている実施態様では、グラフィックフィルムの下地となる被着体表面の色をより効果的に隠蔽し、グラフィックフィルムの視認性、意匠性などを高めることができる。白色度が高いことから白色顔料として二酸化チタンを用いることが有利である。ベースフィルム層は、白色顔料を、例えば約10質量%以上、約15質量%以上、又は約20質量%以上、約60質量%以下、約55質量%以下、又は約50質量%以下の量で含む。白色顔料の平均一次粒径は、一般に約0.10μm以上、約0.12μm以上、又は約0.15μm以上、約0.50μm以下、約0.40μm以下、又は約0.30μm以下である。白色顔料の平均一次粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定を用いて決定することができる体積累積粒径D50である。
ベースフィルム層は単層であってもよく、複数の層の積層体であってもよい。ベースフィルム層として、押出フィルム、押出延伸フィルム、カレンダーフィルム、キャストフィルムなど、様々な成形方法で形成されたフィルムを使用することができ、特にキャストフィルムを有利に使用することができる。残留内部応力が比較的低いキャストフィルムは被着体表面への追従性に優れており、エンボス形状が複雑なライセンスプレートであってもグラフィックフィルムを強固に接着することができ、及び/又は経時でのグラフィックフィルムの浮きを効果的に防止することができる。
一実施態様では、ベースフィルム層の厚さは約60μm以上である。ベースフィルム層の厚さは、約70μm以上、又は約80μm以上、約150μm以下、約120μm以下、又は約100μm以下としてもよい。ベースフィルム層の厚さを上記範囲とすることにより、エンボス加工時のグラフィックフィルムの破断を防止しつつ、複雑な形状のエンボス部、例えば曲率の高い屈曲部を含むエンボス部に対して、グラフィックフィルムを良好に追従させて接着させ、かつグラフィックフィルムに高い隠蔽性を付与することができる。一つの好適な実施態様では、ベースフィルム層は厚さ約60μm以上のポリ塩化ビニルフィルムである。
感圧接着層は、(a)ガラス転移温度が約−50℃以下のカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、(b)芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー(本開示において、以下、単に「アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー」ともいう。)を含む分散剤と、(c)ロジンエステル系、水添ロジン系、テルペンフェノール系、スチレン系、水添テルペンフェノール系、芳香族変性水添テルペン樹脂、及び芳香族変性テルペン樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの粘着付与剤と、(d)白色顔料とを含む。白色顔料は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して約10質量部以上の量で感圧接着層に含まれる。感圧接着層は、上記成分を含む感圧接着剤組成物、又はその架橋物から形成することができる。
一般的なアクリル系感圧接着剤に粘着付与剤を添加して接着性能を変更することは知られている。一方、本発明者らは、二酸化チタンなどの白色顔料を多量に含むアクリル系感圧接着剤に対して粘着付与剤をさらに添加することによって、エンボス加工されたライセンスプレートなどに存在する屈曲部においても、比較的厚いグラフィックフィルムを強固に接着することのできる感圧接着剤が得られることを見出した。白色顔料は一般に固体であることから感圧接着剤の接着力に対して不利に作用し、粘着付与剤自体も接着性を有さないことから、接着剤分野の当業者であれば顔料と粘着付与剤を併用すると感圧接着剤の接着力が大幅に低下するであろうと予想する。本発明者らの見出したこの驚くべき結果は、このような当業者の予想に反しており、隠蔽性を有するアクリル系感圧接着剤を用いて高い白色度と優れた接着力を有するグラフィックフィルムを提供するという、技術的及び経済的に顕著な利益を提供する。
本開示の感圧接着剤組成物では、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーが白色顔料の分散性を向上させるため、多量の白色顔料を組成物中に充填して、感圧接着剤の隠蔽性を高めることができる。また、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーにより白色顔料を効果的に感圧接着剤中に分散させることで感圧接着剤の接着力及び隠蔽性を高い水準で維持することができる。
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーを主成分として、これとカルボキシル基を含有するモノエチレン性不飽和モノマー(カルボキシル基含有モノエチレン性不飽和モノマー)とを共重合することにより得ることができる。モノエチレン性不飽和モノマーは、ポリマーの主成分となるものであって、一般には式CH=CRCOOR(式中、Rは水素又はメチル基であり、Rは直鎖、環状又は分岐状のアルキル基、フェニル基、アルコキシアルキル基、フェノキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又は環状エーテル基である。)で表されるものに加えて、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類も含まれる。式CH=CRCOORで表されるモノエチレン性不飽和モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの環状エーテル含有(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。モノエチレン性不飽和モノマーは、必要に応じて、1種又は2種以上のモノエチレン性不飽和モノマーを使用することができる。
カルボキシル基含有モノエチレン性不飽和モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などを挙げることができる。
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は約−50℃以下であり、これにより二酸化チタンなどの白色顔料を多量に含みつつも良好な接着性を有する感圧接着剤を提供することができる。いくつかの実施態様では、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、約−52℃以下、又は約−55℃以下であり、約−80℃以上、約−75℃以上、又は約−70℃以上である。Tgがこれらの範囲より低いと、感圧接着剤の凝集力が低下する傾向がある。一方、Tgがこれらの範囲より高いと感圧接着剤の接着性が低下する傾向がある。
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーは、例えばモノエチレン性不飽和モノマーを約80質量部以上、約85質量部以上、又は約90質量部以上、約99.5質量部以下、約99質量部以下、又は約95質量部以下と、カルボキシル基含有モノエチレン性不飽和モノマーを約0.5質量部以上、約1質量部以上、又は約5質量部以上、約20質量部以下、約15質量部以下、又は約10質量部以下の割合で共重合することにより得ることができる。
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーは、常温(約25℃)でタックを有しており、感圧接着剤に感圧接着性を付与する。カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、一般に約100,000以上、約200,000以上、又は約300,000以上、約2,000,000未満、約1,000,000未満、又は約800,000未満とすることができる。分子量が高すぎると二酸化チタンなどの白色顔料の分散性が低下する傾向がある。本開示における重量平均分子量は、GPC法による標準ポリスチレンで換算した分子量を意味する。
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーは、感圧接着剤組成物の主成分として用いることができる。カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーの配合量は、感圧接着剤組成物全体を100質量部としたときに、約30質量部以上、約35質量部以上、又は約40質量部以上、約88質量部以下、約75質量部以下、又は約60質量部以下とすることができる。
本開示において分散剤として使用される、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーを主成分とし、これとアミノ基含有不飽和モノマーとを共重合することにより得られるものであって、芳香族ビニルモノマーをポリマーの構成成分として含まないものである。アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、二酸化チタンなどの白色顔料の分散剤として作用するだけではなく、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと相互作用して、感圧接着剤の凝集力を高めることにも寄与していると考えられている。モノエチレン性不飽和モノマーは、芳香族ビニルモノマーを除いてカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様であり、必要に応じて、1種又は2種以上のモノエチレン性不飽和モノマーを使用することができる。芳香族ビニルモノマーは、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルアントラキノン、芳香族アミンの(メタ)アクリルアミド、水酸基含有芳香族化合物の(メタ)アクリレートなどを包含する。芳香族アミンとして、アニリン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、アミノアントラセン、アミノアントラキノン又はこれらの誘導体が挙げられる。水酸基含有芳香族化合物として、上記芳香族アミンに対応する水酸基含有化合物が挙げられる。
アミノ基含有不飽和モノマーとして、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)などのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテルなどのジアルキルアミノアルキルビニルエーテルなどが挙げられる。必要に応じて、1種又は2種以上のアミノ基含有不飽和モノマーを使用することができる。
アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、例えばモノエチレン性不飽和モノマーを約80質量部以上、約85質量部以上、又は約90質量部以上、約99.5質量部以下、約99質量部以下、又は約95質量部以下と、アミノ基含有不飽和モノマーを約0.5質量部以上、約1質量部以上、又は約5質量部以上、約30質量部以下、約20質量部以下、又は約10質量部以下の割合で共重合することにより得ることができる。
アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は特に限定されないが、例えば、約1,000以上、約5,000以上、約10,000以上、約500,000以下、約200,000以下、又は約100,000以下とすることができる。
アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの配合量は、感圧接着剤組成物全体を100質量部としたときに、約1質量部以上、約2質量部以上、約4質量部以上、又は約8質量部以上、約25質量部以下、約20質量部以下、又は約15質量部以下とすることができる。
いくつかの実施態様では、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は約0℃以上、約20℃以上、又は約40℃以上、約150℃以下、約135℃以下、又は約120℃以下である。
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、及びアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、各ポリマーがn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式(下式)より求めることができる。
Figure 2016215672
これらのポリマーの共重合は、ラジカル重合により行なうことが好ましく、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの公知の重合方法を用いることができる。開始剤として、過酸化ベンゾイル、ラウロイルペルオキシド、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートなどの有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AVN)などのアゾ系重合開始剤を用いることができる。開始剤の使用量は、モノマー混合物100質量部に対して、一般に約0.01質量部以上、又は約0.05質量部以上、約5質量部以下、又は約3質量部以下である。
感圧接着剤組成物に含める粘着付与剤としては、少なくともアクリル樹脂に対し相溶性を示す粘着付与剤を使用することが好ましい。例えば、ロジンエステル系、水添ロジン系、テルペンフェノール系、スチレン系、水添テルペンフェノール系、芳香族変性水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などが使用できる。中でもロジンエステル系粘着付与剤を使用することが好ましい。粘着付与剤は、1種で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ロジンエステルとして、メタノール、エタノールなどの一価アルコール、又はグリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと天然ロジン(例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなど)とのエステル化物である天然ロジンエステル;該一価又は多価アルコールと水素化ロジン、不均化ロジン又は酸変性ロジンなどの変性ロジンとのエステル化物である変性ロジンエステル;該一価又は多価アルコールと重合ロジン(特に重合天然ロジン)とのエステル化物である重合ロジンエステルなどが挙げられる。天然ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、酸変性ロジン及び重合ロジンは再結晶などにより精製されていてもよい。これらのロジンは、樹脂酸として、一般にアビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマル酸、ピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、又はこれらの混合物などを含む。
いくつかの実施態様では、ロジンエステルの軟化点は、約70℃以上、約75℃以上、又は約80℃以上、約130℃以下、約120℃以下、又は約110℃以下である。上記範囲の軟化点を有するロジンエステルを粘着付与剤として使用することにより、高温時の接着力に優れ、かつ接着力の経時変化の少ない感圧接着剤を得ることができる。高温時での高い接着力は、例えば夏場の日中などの高温環境に置かれることのあるグラフィックフィルムの経時での浮き防止に大きく寄与する。ロジンエステルの軟化点は、熱機械分析装置(TMA)によって測定することができる。
いくつかの実施態様では、ロジンエステルの酸価(mgKOH/g)は、約1以上、約2以上、又は約3以上、約45以下、約30以下、又は約20以下である。ロジンエステルの酸価は、JIS K0070:1992(電位差滴定法)に準拠して決定することができる。
いくつかの実施態様では、ロジンエステルの色数は、約9以下、約5以下、又は約3以下である。ロジンエステルの色数は、ガードナー比色法(JIS K0071−2)に準拠して決定することができる。
市販のロジンエステルとして、例えばハリタックF85(安定化ロジンエステル)、ハリタックF105(安定化ロジンエステル)、ハリタック4851(変性ロジンエステル)、ハリエスターDS−90(ロジン変性特殊合成樹脂)、ネオトール(商標)G2(安定化ロジンハーフエステル)(いずれもハリマ化成グループ株式会社製)、Permalyn(商標)5095、Foral(商標)85−E、Permalyn(商標)6110−E、Foral(商標)105−E(いずれもイーストマン社製)、Foral(商標)3085、Foral(商標)85(いずれもPINOVA社製)などが挙げられる。
粘着付与剤の使用量は、固形分換算で、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、約3質量部以上、約5質量部以上、約10質量部以上、又は約20質量部以上、約150質量部以下、約130質量部以下、又は約110質量部以下とすることができる。
白色顔料は感圧接着剤に隠蔽性を付与する。白色顔料として、従来公知の白色顔料を用いることができる。そのような白色顔料として、例えば炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、及び二酸化チタン(酸化チタン)が挙げられる。白色度が高く分散性に優れることから二酸化チタンを特に有利に使用することができる。いかなる理論に拘束されるわけではないが、白色顔料、特に二酸化チタンは、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーの分子間架橋を形成し、感圧接着剤の凝集力を高めることに寄与していると考えられている。白色顔料は、球状、針状、平板状又はフレーク状などの様々な形状の粒子であってよく、分散性が良好であることから球状粒子であることが望ましい。白色顔料は、分散性をより高めるために、シラン、チタネートなどのカップリング剤で表面処理されていてもよい。
白色顔料の平均一次粒径は、一般に約0.10μm以上、約0.12μm以上、又は約0.15μm以上、約0.50μm以下、約0.40μm以下、又は約0.30μm以下である。白色顔料の平均一次粒径を上記範囲とすることにより、白色顔料をより均一に感圧接着剤に分散することができる。白色顔料の平均一次粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定を用いて決定することができる体積累積粒径D50である。
白色顔料の配合量は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して約10質量部以上であり、これにより十分な隠蔽性を感圧接着剤に付与することができる。いくつかの実施態様において、白色顔料の配合量は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して約15質量部以上、約20質量部以上、約25質量部以上、又は約30質量部以上、約150質量部以下、約120質量部以下、又は約100質量部以下である。
感圧接着剤組成物は、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、白色顔料とからなる着色剤を含んでもよい。着色剤の形態で、すなわちポリマーを含む分散剤中に予め分散した状態で白色顔料を感圧接着剤組成物に含ませることによって、より多くの白色顔料を感圧接着剤組成物中に安定に分散することができる。
着色剤は、分散剤と白色顔料とを公知の方法で混合することにより得ることができる。混合には、例えば、ペイントシェイカー(株式会社シンキー製)、サンドグラインドミル、ボールミル、アトライターミル、三本ロールミルなどを用いることができる。必要に応じて、水系溶媒又は有機溶媒を混合時に使用してもよい。着色剤は、調製後長時間(例えば約1ヶ月)経過後も、調製直後と同様に、白色顔料の粒子が凝集せずに良好に分散した状態を維持することができる。
着色剤に含まれる分散剤の量を、感圧接着剤組成物に含まれる分散剤の100質量%としてもよい。
着色剤に含まれる白色顔料の量を、感圧接着剤組成物に含まれる白色顔料の100質量%としてもよい。
着色剤において、白色顔料の配合量を、分散剤100質量部に対して、約100質量部以上、約500質量部以上、又は約1000質量部以上、約10000質量部以下、約5000質量部以下、又は約2000質量部以下とすることができる。
感圧接着剤組成物は架橋剤を含んでもよい。架橋剤を用いてカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、及び芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの少なくとも一方を架橋することができ、それにより感圧接着層の凝集力を高めて、高温時でも接着力を維持することができる。架橋剤として、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーに対しては、例えばビスアミド系架橋剤(例えば、1,1’−イソフタロイル−ビス(2−メチルアジリジン))、アジリジン系架橋剤(例えば、株式会社日本触媒製ケミタイトPZ33、アビシア社製NeoCryl CX−100)、カルボジイミド系架橋剤(例えば、日清紡ケミカル株式会社製カルボジライトV−03、V−05、V−07)、エポキシ系架橋剤(例えば綜研化学株式会社製E−AX、E−5XM及びE5C;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン))、イソシアネート系架橋剤(例えば、日本ポリウレタン工業株式会社製コロネートL、コロネートHK、バイエル社製デスモジュールH、デスモジュールW、デスモジュールI)などを用いることができる。アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーに対しては、エポキシ系架橋剤(例えば綜研化学株式会社製E−AX、E−5XM及びE5C;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン))、イソシアネート系架橋剤(例えば、日本ポリウレタン工業株式会社製コロネートL、コロネートHK、バイエル社製デスモジュールH、デスモジュールW、デスモジュールI)などを用いることができる。一つの好適な実施態様では、架橋はビスアミド系架橋剤及びエポキシ系架橋剤の少なくとも一つを用いて形成されている。
架橋剤の添加量は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して、約0.01質量部以上、約0.03質量部以上、又は約0.05質量部以上とすることができ、約0.5質量部以下、約0.3質量部以下、又は約0.2質量部以下とすることができる。架橋剤の添加量を上記範囲とすることにより、感圧接着層の凝集力を調節して、グラフィックフィルムの接着力の向上と浮き防止を両立することができる。
感圧接着剤組成物は、その他の成分として、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、アルミニウムフレーク、フュームドシリカ、アルミナ、ナノ粒子などの充填剤、酸化防止剤、UV安定剤などを含んでもよい。
感圧接着剤組成物は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、粘着付与剤と、白色顔料とを、公知の方法を用いて混合することにより得ることができる。
例えば、各成分をほぼ同時に混合容器に入れ、ペイントシェイカー(株式会社シンキー製)、サンドグラインドミル、ボールミル、アトライターミル、三本ロールミルなどを用いて混合してもよい。必要に応じて、水系溶媒又は有機溶媒を混合時に使用してもよい。白色顔料を水系溶媒又は有機溶媒に混合してから、他の成分と混合することもできる。
上述のとおり、分散剤の全量又は一部と白色顔料の全量又は一部とを混合して着色剤を調製した後、得られた着色剤と残りの成分を公知の方法で混合して、感圧接着剤組成物を調製することもできる。
グラフィックフィルムは公知の方法によって製造することができる。例えば、感圧接着剤組成物を有機溶媒に溶解した溶液を、ナイフコート、バーコートなどによりライナー上に塗布し乾燥して、感圧接着層を形成する。得られた感圧接着層の上にベースフィルム層をドライラミネートなどにより積層してグラフィックフィルムを形成することができる。
感圧接着層の厚さは、一般に約5μm以上、約10μm以上、又は約20μm以上、約100μm以下、約80μm以下、又は約50μm以下である。感圧接着層の厚さを上記範囲とすることにより、グラフィックフィルムを被着体に強固に接着し、かつグラフィックフィルムに高い隠蔽性を付与することができる。
グラフィックフィルムは、ベースフィルム層とは反対側の感圧接着層の表面にライナーを有していてもよい。ライナーとして、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのプラスチック材料;このようなプラスチック材料で被覆された紙などを挙げることができる。これらのライナーは、シリコーンなどにより剥離処理した表面を有してもよい。ライナーの厚さは、一般に、約5μm以上、約15μm以上又は約25μm以上、約300μm以下、約200μm以下又は約150μm以下である。
グラフィックフィルムは、ベースフィルム層の上面又はベースフィルム層と感圧接着層の間に、他の層、例えば印刷層、表面保護層、着色層、接合層などを有してもよい。例えば、本開示の一実施態様のグラフィックフィルムは、ベースフィルム層の上面に配置された印刷層をさらに含む。グラフィックフィルムは印刷層の上に配置された表面保護層をさらに含んでもよい。図2にこのような実施態様のグラフィックフィルム10の模式的な断面図を示す。グラフィックフィルム10は、ベースフィルム層12の上面に印刷層16を有し、接合層17を介して表面保護層18がベースフィルム層12の上面に接着されている。
印刷層16は、グラフィックフィルムに装飾性又は意匠性を付与するために使用することができる。例えばグラフィックフィルムをライセンスプレートに用いた場合、ライセンスプレートの文字以外の背景部分に絵柄、パターンなどを付与することができる。印刷層16は、ベースフィルム層の上にトナー、インクなどの着色剤を用いて形成することができる。印刷層を表面保護層の上、又はベースフィルム層と感圧接着層の間に形成することもできる。印刷層は、グラビア印刷、静電印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷などの印刷技術を用いることにより形成することができる。印刷層の厚さは様々であってよく、一般に、溶剤系インクを用いた場合は、約1μm以上、又は約2μm以上、約8μm以下、又は約5μm以下である。UV硬化型インクを用いた場合は、約1μm以上、又は約5μm以上、約50μm以下、又は約30μm以下とすることができる。
いくつかの実施態様では、自動ライセンスプレート読取機(ALPR)によるライセンスプレートの登録番号の読取りが印刷画像によって妨げられないようにすることが望ましい。ALPRには通常赤外カメラが使用されているため、ALPRによる登録番号の識別に必要な領域である登録番号識別領域においては、赤外吸収性の高いブラックインクの使用を抑制することが望ましい。例えば、任意の10mm角又は面積10mmの円形の領域に含まれるブラックインクの網点(ドット)の面積割合である網点面積率を、登録番号識別領域において、約70%以下、好ましくは約50%以下、さらに好ましくは約30%以下、特に好ましくは0%としてもよい。
表面保護層として、様々な樹脂フィルムを使用することができる。表面保護層は可撓性及び/又は延伸性を有することが望ましい。そのような表面保護層に使用される樹脂として、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、アクリル系樹脂、ポリオレフィンの少なくともいずれかを含む樹脂、又はそれらの組み合わせが挙げられる。これらの樹脂を用いることにより、グラフィックフィルムをライセンスプレートに用いたときにグラフィックフィルムの破断が生じにくく、グラフィックフィルムをエンボス加工により形成される屈曲部に良好に追従させることができる。表面保護層は少なくとも可視光に対して透明であることが好ましい。表面保護層の厚さは様々であってよく、一般に、約40μm以上、約50μm以上、又は約60μm以上、約200μm以下、約150μm以下、又は約100μm以下とすることができる。
表面保護層として、可視域及び赤外域(400nm〜1000nm)で透明なポリウレタンを使用することが望ましい。このようなポリウレタンとして、少なくともポリエステル骨格又はポリカーボネート骨格のいずれかを有するポリオールと、三官能以上の脂肪族イソシアネートとの反応物を含み、そのガラス転移温度Tgが約50℃以上であり、120℃における損失正接tanδが約0.1以下のものが好ましく使用できる。これらの特性を持つポリウレタン表面保護層は、一般に高い架橋密度を有し、耐候性と耐薬品性をグラフィックフィルムに付与することができる。このようなポリウレタン表面保護層は、少なくともポリエステル骨格又はポリカーボネート骨格のいずれかを有するポリオールと、三官能以上の脂肪族イソシアネートとを含む硬化性組成物を、グラフィックフィルムの上に液体として塗布又は噴霧し、その場での加熱によりポリオールとイソシアネートを反応させて形成することができる。このような硬化性組成物は、比較的低温、例えば約150℃以下、約120℃以下、約100℃以下、又は約80℃以下で硬化させても十分な強度、耐候性及び耐薬品性を有する反応物を提供することができる。いくつかの好適な実施態様では、三官能以上の脂肪族イソシアネートは、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、アダクト体、又はこれらの両方を含有し、特に優れた耐候性及び耐薬品性を有するポリウレタン表面保護層を形成することができる。
一実施態様では、ベースフィルム層と表面保護層との間に着色層が配置され、着色層は少なくとも塩化ビニル単位及び酢酸ビニル単位を含む共重合体樹脂と、顔料とを含む熱可塑性インク組成物から形成される。本開示においてインク組成物について使用される「熱可塑性」とは、インク組成物から形成される着色層が熱可塑性を有することを意味する。いくつかの実施態様では、熱可塑性インク組成物は架橋剤又は硬化剤を含まない。熱可塑性インク組成物から形成された着色層は、熱硬化性又は放射線硬化性インク組成物から形成された着色層と比べて比較的柔軟であるため、グラフィックフィルムの加工又は成形時に変形しやすく、また、グラフィックフィルムの使用時の温度変化に対してひび割れなどの外観不良が発生しにくいという点で有利である。架橋剤及び/又は硬化剤を含まない場合、熱硬化処理が不要となるため、比較的低い温度、例えば、約110℃以下、約100℃以下、又は約80℃以下で着色層を形成できる。熱可塑性インク組成物から形成された着色層を、本開示のポリウレタン表面保護層と組み合わせることにより、上記利点を有しつつも耐候性及び耐薬品性に優れたグラフィックフィルムを得ることができる。着色層の厚さは様々であってよく、一般に、約5μm以上、約6μm以上、又は約8μm以上、約30μm以下、約25μm以下、又は約20μm以下とすることができる。
接合層17として、一般に使用されるアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤を使用することができ、熱硬化型ポリウレタン接着剤が有利に使用できる。接合層の厚さは、一般に、約0.05μm以上、約0.5μm以上、又は約5μm以上、約100μm以下、約50μm以下、又は約20μm以下とすることができる。
上記グラフィックフィルムを、被着体、例えばアルミニウムプレートに接着することにより、ライセンスプレート、標識などの物品を形成することができる。本開示の一実施態様では、ベースプレート及びベースプレートの上に積層された上記グラフィックフィルムを含むライセンスプレートが提供される。ある実施態様において、ライセンスプレートは非反射型である。
ライセンスプレートのベースプレートは、一般に金属板又は樹脂板である。金属板として、アルミニウム板、ステンレス板、鉄板などが挙げられる。樹脂板として、ポリカーボネート板、ポリエステル板、ポリ塩化ビニル板などが挙げられる。必要に応じて、これらの板材をフレームなどの形状に成形加工してもよい。
例えば、ライセンスプレート、交通標識等の標識は、一般に、アルファベットと数字を組み合わせた文字、グラフィック、パターン又はそれらの組み合わせを含む。ある実施形態では、標識の外観は、政府及び/又は管轄地域で規定されている。別の実施形態では、表示部は、着色層によって形成することができる。さらに別の実施形態では、例えばライセンスプレートにおいて、表示部をエンボス部(凸部)又はデボス部(凹部)と着色層を組み合わせて形成することもできる。エンボス部及びデボス部の深さは、一般にそれぞれ約1mm以上、約2mm以下であるが、この範囲に限定されない。
本開示の一実施態様のライセンスプレートの製造方法は、ベースプレートを提供する工程と、ベースプレートの上にグラフィックフィルムを積層して、積層プレートを形成する工程と、積層プレートをエンボス加工又はデボス加工する工程と、エンボス加工又はデボス加工された積層プレートの凸部又は凹部に着色層を形成する工程と、グラフィックフィルム及び着色層を覆うように表面保護層を形成する工程とを含む。
ライセンスプレートの製造方法を、図3A〜図3Fを参照しながら例示的に説明するが、ライセンスプレートの製造方法はこれに限られない。
図3Aに示すグラフィックフィルム10は、ライナー19を感圧接着層(不図示)上に有している。
図3Bに示すように、ライナー19を取り除き、グラフィックフィルム10の感圧接着層をアルミニウム板などのベースプレート22に接着して積層することにより、積層プレートを形成する。
次に、図3Cに示すように、ブランクプレスダイ30を用いて、積層プレートを所望の大きさにブランクプレスして切り出す。
図3Dに示すように、切り出された積層プレートをエンボス/デボス加工することにより、ライセンスプレートの表示部及び辺縁のフレーム部を形成する。図3Dでは、凸部(エンボス部)を表示部の台座として示す。フレーム部はライセンスプレートの変形を防止するための強度をライセンスプレートに付与することができる。
図3Eに示すように、エンボス加工された積層プレートの凸部(エンボス部)に着色層24をロールコーティングなどによって形成する。着色層24は、ライセンスプレートのエンボス部又はデボス部に文字、数字、図形などの可読部分を付与して、識別性を持たせる目的で使用される。着色層は、一般に有機顔料又は無機顔料と、塩化ビニル単位及び酢酸ビニル単位を含む塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのバインダー樹脂と、必要に応じて溶剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、可塑剤、フロー向上剤、レベリング剤などを含むインク組成物を用いて形成することができる。
図3Fに示すように、グラフィックフィルム10及び着色層24を覆うように、ポリウレタンなどを含む可視域で透明な硬化性組成物を塗布又は噴霧し、加熱して乾燥又は硬化することにより表面保護層26を形成する。例えば、少なくともポリエステル骨格又はポリカーボネート骨格のいずれかを有するポリオールと、三官能以上の脂肪族イソシアネートとを含む硬化性組成物を塗布又は噴霧し、例えば温度約80℃〜150℃で約5〜15分間加熱することによりポリオールとイソシアネートを反応させて、ポリウレタン表面保護層26を形成することができる。このようにしてライセンスプレート20を作製することができる。
本開示のグラフィックフィルムは、上述のライセンスプレートに加えて、例えば交通標識、看板などに適用することができる。また、本開示のグラフィックフィルムを自動車又は建築物の装飾フィルム又はシートなどとして使用することができる。
本明細書においては、表1に示す以下の略称を使用することがある。
Figure 2016215672
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
<評価方法>
<エンボス加工時破断の有無>
インクジェットプリンタJV5(株式会社ミマキエンジニアリング、日本国東京都品川区)を使用してマゼンタをグラフィックフィルム全面に印刷した。印刷面に表面保護フィルムとして透明ポリ塩化ビニルフィルムRG5333R(スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)を貼り合わせた。その後、表面保護フィルム付きグラフィックフィルムを厚さ1mmのアルミニウム板(A1050P、株式会社アサヒビーテクノ、日本国東京都品川区)に貼り付け、エンボスプレス機(株式会社アマダ、日本国神奈川県伊勢原市)を用いて、文字及び数字をエンボスし、エンボス部分の破断、亀裂等の有無を目視で確認した。
<白色度>
グラフィックフィルムを厚さ1mmのアルミニウム板(A1050P、株式会社アサヒビーテクノ、日本国東京都品川区)へ貼り付けた後、光学カラーメーター(SM−7、スガ試験機株式会社、日本国東京都新宿区)にてY値を測定し、併せて目視で白色度を以下の基準で評価した。
白色度基準:以下の定義にて2以上を合格とした。
1 白色度が低く、グレーがかった白に見える
2 やや暗いが、白色であると判断される
3 白色であると判断される
4 白色であると判断され、白色度が高いと感じる
<エンボス部浮き>
グラフィックフィルムを厚さ1mmのアルミニウム板(A1050P、株式会社アサヒビーテクノ、日本国東京都品川区)へ貼り付けた後、エンボスプレス機(株式会社アマダ、日本国神奈川県伊勢原市)にてエンボスを施したのち、エンボス部を切断した断面を、光学顕微鏡(SZX12、オリンパス株式会社、日本国東京都新宿区)にて約65倍に拡大して、グラフィックフィルムとアルミニウム板の間の浮きの有無を観測した。
<入れ隅試験>
グラフィックフィルムのベースプレートの凹凸(エンボスに相当する)への追従性について、以下の方法で試験を行った。グラフィックフィルムを幅70mm、長さ25mmにカットし、幅10mm、深さ3mmの凹状の溝を持つアルミニウム板の平滑面にのせた後、アルミニウム板の凹状の溝に追従するようにプラスチックスキージを使用してグラフィックフィルムを貼り付けた。貼り付け後、環境温度23℃で24時間養生し、次いで65℃で10分間加熱した後の、幅10mmの凹状の溝底面に接着しているフィルムの幅を測定し、以下の基準で評価した。
入れ隅試験基準:以下の定義にて3以上を合格とした。
1 接着幅が0mm(完全にフィルムが凹状の溝底面より浮いている。)
2 接着幅が0mmを超えて、1mm未満
3 接着幅が1mm以上、2.5mm以下
4 接着幅が2.5mmを超える
<接着力>
グラフィックフィルムを幅25mm、長さ150mmにカットし、20℃の環境下においてアルミニウム板に貼り付けた後、20℃の環境下で48時間養生し、引張試験機(株式会社オリエンテック製テンシロン「Tensilon(登録商標)」)を使用して、300mm/分の速度で180度剥離した際の接着力を測定した。
<光学的色濃度>
グラフィックフィルムに対して、溶剤系インクジェットプリンタ(JV5、株式会社ミマキエンジニアリング、日本国東京都品川区)にてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックインクを100%の濃度で印刷し、色濃度計(X−Rite 500 Series、X−Rite社、米国ミシガン州グランドラピッズ)でOD値(光学的色濃度)の測定を実施した。
<ベースフィルム層の形成>
剥離処理したバッキングフィルムの上に、ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、及び顔料1を芳香族系炭化水素溶剤に分散した溶液を、乾燥時の厚さが約50μmになるようにナイフコータでコーティングし、180℃で乾燥を行った。その後、得られたポリ塩化ビニルフィルム上に上記溶液をポリ塩化ビニルフィルムの乾燥後の合計厚さが約90μmになるように再度コーティングし、200℃で乾燥を行って、ポリ塩化ビニルフィルムからなるベースフィルム層を形成した。
<分散剤−アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー1(HAP1)−の製造>
MMA60質量部、BMA34質量部、及びDMAEMA6質量部をEtOAc150質量部に溶解させ、重合開始剤としてジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(商品名V−601、和光純薬工業株式会社、日本国大阪府大阪市)0.6質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー1(HAP1)のEtOAc溶液(固形分40%)を調製した。HAP1の重量平均分子量(Mw)は68,000、ガラス転移温度(Tg)は63℃であった。Tgは、各ポリマーがn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式(下式)より求めた。
Figure 2016215672
<粘着性ポリマー1(ADH1)の製造>
BA76質量部、2EHA21質量部、VAc2部、及びAA1質量部を、トルエン/EtOAc(質量比50:50)の混合溶媒203質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社、日本国大阪府大阪市)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、粘着性ポリマー1(ADH1)のトルエン/EtOAc溶液(固形分33%)を調製した。ADH1の重量平均分子量(Mw)は660,000、ガラス転移温度(Tg)は−57℃であった。
<粘着性ポリマー2(ADH2)の製造>
2EHA94質量部、MA2質量部、及びAA4質量部を、トルエン/EtOAc(質量比50:50)の混合溶媒122質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社製)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、粘着性ポリマー2(ADH2)のトルエン/EtOAc溶液(固形分45%)を調製した。ADH2の重量平均分子量(Mw)は640,000、ガラス転移温度(Tg)は−62℃であった。
<粘着性ポリマー3(ADH3)の製造>
BA94質量部、及びAA6質量部を、トルエン/EtOAc(質量比50:50)の混合溶媒203質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社製)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、粘着性ポリマー3(ADH3)のトルエン/EtOAc溶液(固形分33%)を調製した。ADH3の重量平均分子量(Mw)は760,000、ガラス転移温度(Tg)は−48℃であった。
本実施例においてグラフィックフィルムの作製に使用した材料を表2に示す。
Figure 2016215672
<例1>
顔料1、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー1(HAP1)、及びMIBKを混合して白色顔料分散溶液を調製した。顔料1とHAP1の質量比は固形分で5:1であった。白色顔料分散溶液の固形分は約66%であった。白色顔料分散溶液、粘着性ポリマー1(ADH1)、粘着付与剤1(TF1)及び架橋剤1(CL1)を混合して白色接着剤溶液を調製した。使用した各成分の量について、ADH1が73.5質量部、HAP1が2質量部、TF1が24.5質量部、顔料1が10質量部であり、CL1は0.10質量部であった。すなわち、ADH1、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して、顔料1は10質量部(顔料1/(ADH1+HAP1+TF1)×100=10)であり、CL1は0.10質量部であった。
白色接着剤溶液をシリコーン処理付き50μm厚ポリエステルフィルム上にナイフコータを用いて塗布した。塗布層を95℃で5分間乾燥して、厚さ30μmの白色の感圧接着層を得た。
ベースフィルム層と感圧接着層を貼り合わせた後、バッキングフィルムを剥がして例1のグラフィックフィルムを得た。表3にフィルム層及び感圧接着層の詳細を示す。
<例2〜27及び比較例1〜5>
フィルム層の厚さ及び感圧接着層の組成を表3に示したとおりとした以外は、例1と同様の手順で例2〜27及び比較例1〜5のグラフィックフィルムを作製した。
<比較例6〜7>
市販のグラフィックフィルム(比較例6:ポリ塩化ビニルキャストフィルム層/灰色感圧接着層、比較例7:ポリ塩化ビニルカレンダーフィルム層/灰色感圧接着層)を評価用に入手した。詳細を表3に示す。
例1〜27及び比較例1〜7のグラフィックフィルムの評価結果を表4に示す。
Figure 2016215672
Figure 2016215672
Figure 2016215672
Figure 2016215672
<例28〜35、比較例8〜10>
例28〜35、及び比較例8〜10では、ベースフィルム層として、市販の50μm厚剥離処理ポリエステルフィルム付き50μm厚透明アクリルフィルムを用いた。感圧接着層の組成を表5に示したとおりとした以外は、例1と同様の手順でグラフィックフィルムを作製した。なお、例30では、顔料1に加え、別の顔料である、東洋アルミニウム株式会社製アルミペースト0215M(顔料2)を加えた。顔料2の添加量は、固形分換算でADH1、HAP1、TF1及び顔料1の合計100質量部に対して0.5質量部であった。これらのグラフィックフィルムの接着力を表5に併せて示す。
Figure 2016215672
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは当業者には明らかである。
10 グラフィックフィルム
12 ベースフィルム層
14 感圧接着層
16 印刷層
17 接合層
18 表面保護層
19 ライナー
20 ライセンスプレート
22 ベースプレート
24 着色層
26 表面保護層
30 ブランクプレスダイ

Claims (14)

  1. 上面及び下面を有するベースフィルム層、及び前記ベースフィルム層の下面に配置された感圧接着層を含む、ライセンスプレート用グラフィックフィルムであって、前記感圧接着層が、
    (a)ガラス転移温度が−50℃以下のカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、
    (b)芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、
    (c)ロジンエステル系、水添ロジン系、テルペンフェノール系、スチレン系、水添テルペンフェノール系、芳香族変性水添テルペン樹脂、及び芳香族変性テルペン樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの粘着付与剤と、
    (d)前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して10質量部以上の白色顔料と
    を含む、グラフィックフィルム。
  2. 前記ベースフィルム層が厚さ60μm以上のポリ塩化ビニルフィルムである、請求項1に記載のグラフィックフィルム。
  3. 前記ベースフィルム層がキャストフィルムである、請求項1又は2のいずれかに記載のグラフィックフィルム。
  4. 前記ベースフィルム層が白色に着色されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフィックフィルム。
  5. 前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、及び前記芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの少なくとも一方が架橋されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグラフィックフィルム。
  6. 前記架橋がビスアミド系架橋剤及びエポキシ系架橋剤の少なくとも一つを用いて形成されている、請求項5に記載のグラフィックフィルム。
  7. 前記粘着付与剤がロジンエステルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のグラフィックフィルム。
  8. 前記ベースフィルム層の上面に配置された印刷層をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のグラフィックフィルム。
  9. 前記印刷層の上に配置された表面保護層をさらに含む、請求項8に記載のグラフィックフィルム。
  10. 前記表面保護層は、少なくともポリエステル骨格又はポリカーボネート骨格のいずれかを有するポリオールと、三官能以上の脂肪族イソシアネートとの反応物を含み、前記表面保護層のガラス転移温度Tgが50℃以上であり、120℃における損失正接tanδが0.1以下である、請求項9に記載のグラフィックフィルム。
  11. 前記脂肪族イソシアネートが、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、アダクト体、又はこれらの両方を含有する、請求項10に記載のグラフィックフィルム。
  12. 前記ベースフィルム層と前記表面保護層との間に着色層を有し、前記着色層は少なくとも塩化ビニル単位及び酢酸ビニル単位を含む共重合体樹脂と、顔料とを含む熱可塑性インク組成物から形成される、請求項9〜11のいずれか一項に記載のグラフィックフィルム。
  13. ベースプレート及び前記ベースプレートの上に積層された請求項1〜12のいずれか一項に記載のグラフィックフィルムを含むライセンスプレート。
  14. ベースプレートを提供する工程と、
    前記ベースプレートの上に請求項1〜8のいずれか一項に記載のグラフィックフィルムを積層して、積層プレートを形成する工程と、
    前記積層プレートをエンボス加工又はデボス加工する工程と、
    エンボス加工又はデボス加工された前記積層プレートの凸部又は凹部に着色層を形成する工程と、
    前記グラフィックフィルム及び前記着色層を覆うように表面保護層を形成する工程と
    を含む、ライセンスプレートの製造方法。
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