JP7288178B2 - 着色フィルム、着色粘着シート、及び着色フィルムの検出方法 - Google Patents
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Description
<1> 基材と、該基材の一方の面に白色顔料を含む白色層と、該白色層上に黒色顔料を含む黒色層とを有し、
前記白色顔料の体積平均粒子径が100nm以上1,300nm以下であり、
波長850nmの赤外線反射率が12%以上であり、
CIE Lab表色系においてL*値が18以上36以下、a*値が-3以上3以下、b*値が-3以上3以下であることを特徴とする着色フィルムである。
<2> 入射角60°でのグロス値が0以上10以下である前記<1>に記載の着色フィルムである。
<3> 前記白色顔料が酸化チタン、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムから選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の着色フィルムである。
<4> 前記黒色顔料が黒色アゾ顔料又はクロム顔料である前記<1>から<3>のいずれかに記載の着色フィルムである。
<5> 電子部品用機能性シートの赤外線反射率の調整に使用される前記<1>から<4>のいずれかに記載の着色フィルムである。
<6> 前記電子部品用機能性シートが、放熱シート、磁性シート、及び絶縁シートの少なくともいずれかである前記<5>に記載の着色フィルムである。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の着色フィルムと、
前記着色フィルムの基材の白色層及び黒色層を有さない側の表面に配された粘着剤層と、を有することを特徴とする着色粘着シートである。
<8> 複数の同色調の部材の一つが前記<1>から<6>のいずれかに記載の着色フィルムを有し、前記複数の同色調の部材に対して赤外線を照射することにより、前記着色フィルムの位置を検出することを特徴とする着色フィルムの検出方法である。
本発明の着色フィルム(「着色シート」と称することもある)は、基材と、該基材の一方の面に白色顔料を含む白色層と、該白色層上に黒色顔料を含む黒色層とを有し、前記白色顔料の体積平均粒子径が100nm以上1,300nm以下であり、波長850nmの赤外線反射率が12%以上であり、CIE Lab表色系においてL*値が18以上36以下、a*値が-3以上3以下、b*値が-3以上3以下である。
波長850nmの赤外線反射率は、例えば、分光光度計を用いて、少なくとも波長800nm~900nmを含む任意の範囲の全反射率を測定し、波長850nmの赤外線反射率を求めることができる。
入射角60°でのグロス値は、測定標準JIS Z 8741に従って60°の設定角度でBYK 4563マイクロ-TRI-グロスメーターを使用して測定することができる。
本発明の着色フィルム及び着色粘着シートに使用する基材としては、例えば、各種の樹脂フィルム、金属、金属と樹脂フィルムの複合フィルムを適宜使用できる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
金属としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、鉄箔、合金箔などが挙げられる。
金属と樹脂フィルムの複合フィルムとしては、上記樹脂フィルムと金属をラミネートしたものが挙げられる。これらの中でも、強度及び絶縁性に優れる点から、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムが好ましい。
なお、上記樹脂フィルムには、隠蔽性や反射性を付与するため、各種着色顔料を混合させてもよい。
本発明の着色フィルム及び着色粘着シートに使用する黒色層(「黒インキ層」と称することもある)は、着色フィルム及び着色粘着シートのCIE Lab表色系の色相(L*値、a*値、b*値)及び波長850nmの赤外線反射率を所定の範囲に調整する層である。
なお、本明細書において、「黒色層の平均厚さ」とは、着色フィルムを、長さ方向に100mm間隔で5箇所、幅方向に切断し、前記各切断面において幅方向に100mm間隔で5点の前記黒色層の厚さをTH-104 紙・フィルム用厚さ測定機(テスター産業株式会社製)を用いて測定した、合計25点の厚さの平均値を指す。
有機黒色顔料を含む黒色層は、有機黒色顔料を含む黒色インキを塗工することで、赤外線反射性塗膜として形成することができる。
無機黒色顔料を含む黒色層は、無機黒色顔料を含む黒色インキを塗工することで、赤外線反射性塗膜として形成することができる。
有機黒色顔料を含む黒色インキは、有機黒色顔料、バインダー樹脂、及びシリカ粒子を含有し、ワックス、球状フィラー、及び溶剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
有機黒色顔料としては、赤外線非吸収性、即ち、近赤外線反射性の有機黒色顔料が用いられ、例えば、アゾ系、アンスラキノン系、フタロシアニン系、ペリノン・ペリレン系、インジゴ・チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジケトピロロピロール系、アゾメチン系、アゾメチンアゾ系の有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アゾ系、アゾメチンアゾ系、ペリレン系の有機黒色顔料が好ましく、アゾ系有機黒色顔料が特に好ましい。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂が、ハロゲンを含有しなくとも、薄い支持体であってもカールが発生しにくい点から好ましい。
ポリエステルウレタン系樹脂は、そのガラス転移温度が-30℃以上30℃以下であることが好ましく、-25℃~10℃がより好ましく、-20℃~0℃が更に好ましい。
このようなポリエステルウレタン系樹脂を使用することで、極薄型の着色粘着シート構成とした際にも薄いフィルムにコートしてもカールが少なく、コロナ処理等の易接着処理が困難な薄い樹脂フィルムにも強固に密着し、また、良好な接着性やリワーク性を実現できる。
なお、ポリエステルウレタン系樹脂のガラス転移温度は、下記により測定される周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルのtanδのピーク温度である。
バーコーターにてポリエステルウレタン樹脂を厚さ50μmに製膜する。次に試料長さ20mmにカットした試験片(試料長20mm、膜厚50μ)を、粘弾性試験機を用いて、周波数1Hz、昇温時間3℃/1分の条件で-150℃から250℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。損失正接tanδは、以下の計算式より算出する。
損失正接tanδ=G”/G’
粘弾性試験機としては、例えば、セイコーインスツル社製DMS210、DMS220、DMS6100などが挙げられる。
高分子ポリオールとしては、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体もしくは共重合体等のポリエーテルポリオール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、1,4-シクロヘキサン-ジメタノール、ジプロピレングリコール等の飽和及び不飽和の各種低分子グリコール類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸又はこれに対応する酸無水物やダイマー酸等とを脱水縮合して得られるポリエステルポリオール類;環状エステル化合物を開環して得られるポリエステルポリオール類;その他のポリカーボネートポリオール類;ポリブタジエンポリオール類;ビスフェノールAに酸化エチレンもしくは酸化ポリプロピレンを付加して得られたグリコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、芳香族ジカルボン酸とジオールを脱水縮合したものが好ましく、アジピン酸とテレフタル酸の混合物と3-メチル-1,5-ペンタンジオールを脱水縮合したものが良好な密着性が得られる。
ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、へキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’一ジアミン、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類及びダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリカ粒子のコールターカウンター法による体積平均粒子径は2.0μm以上6.0μm以下が好ましく、2.3μm以上5.0μm以下がより好ましく、3.0μm以上4.5μm以下が更に好ましい。シリカ粒子の体積平均粒子径が上記範囲であることで、密着性とスクラッチ性を高度に両立できる。
シリカ表面には疎水処理(シランカップリング処理やシリコーンオイル等を化学結合させ表面を処理)、有機処理(ワックスでシリカ表面を処理)、無機処理等の各種処理をしたものを用いてもよい。その中でも、疎水処理がされたものが耐指紋性に特に優れるため好ましく、シランカップリング処理されたものが特に好ましい。疎水処理されたシリカ粒子の市販品としては、例えば、富士シリシア株式会社製「サイロホービック704」、東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールSS-50B」などが挙げられる。
本発明に使用する黒色インキにワックスを添加することにより、黒色層表面に滑り性を付与することができる。ワックスとしては微粉末ワックスが好ましく、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、アマイドワックス、ラノリンワックス、低分子量四フッ化エチレンワックスがより好ましい。またこれらワックスは各種変性されたタイプでも構わず、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色フィルム及び着色粘着シートに使用する黒色インキに球状のフィラーを添加することができる。
球状フィラーとしては、例えば、シリコーン樹脂ビーズ、アクリル樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ、アクリルウレタン樹脂ビーズ、ナイロン樹脂ビーズ、メラミン樹脂ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂ビーズが好ましい。ワックスとシリコーン樹脂ビーズを併用することで、相乗的にスクラッチ性を向上させることができる。
また、疎水処理されたシリカと球状フィラーのコールターカウンター法による平均粒子径は、疎水処理シリカ粒子<球状フィラーとなることが好ましい。
溶剤としては、特に制限はなく、通常、印刷インキ用の溶剤として知られている溶剤を適宜用いることができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル(PM)アセテート等のグリコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、例えば、老化防止剤、光安定剤、ブロッキング防止剤などが挙げられる。
また、添加剤として分散剤、沈降防止剤を使用することが好ましい。顔料の分散性を保ちインキの安定を向上させることができる。分散剤や沈降防止剤の含有量としては、インキ固形分に対して、0.05質量%以上10質量%以下が好ましい。
硬化剤としては、特に制限はなく、通常、脂肪族又は脂環族イソシアネートを使用することができる。
脂肪族又は脂環族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、上記イソシアネートの三量体が好ましく、ジイソシアネートのアダクト体、ビウレット体又はヌレート体がより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートのアダクト体、ビウレット体、又はヌレート体が特に好ましい。
硬化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、黒色インキの総量(固形分)に対し、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
無機黒色顔料を含む黒色インキは、無機黒色顔料、バインダー樹脂、及びシリカ粒子を含有し、ワックス、球状フィラー、及び溶剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
色は、CIE Lab表色系の色相(L*値、a*値、b*値)スペクトルの暗色軸、黄青色軸又は緑赤色軸に沿って視覚スペクトルの外観を変える、他の無機赤外線反射顔料を加えることによって調整することができる。
前記無機着色顔料としては、例えば、バナジウム酸ビスマス、クロムアンチモンチタネート、酸化クロム、コバルトアルミネート、コバルトクロマイト、コバルトクロムアルミン酸塩、コバルトリチウムアルミン酸塩、コバルトチタン酸塩、鉄クロマイト、鉄クロムチタン、クロム酸鉛、チタン酸アンチモンマンガン、チタン酸マンガン、ニッケルアンチモンチタネート、ニッケルチタン酸塩、ニオブ錫パイロクロア、スズ亜鉛、酸化チタン、亜鉛フェライト、亜鉛鉄クロマイトなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗工方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、凸版印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。薄膜の塗工するために最も好ましいのはグラビア印刷である。
本発明の着色フィルム及び着色粘着シートに使用する白色層(「白インキ層」と称することもある)は、黒色層の背面側に設けることで、より赤外線反射率を大きくする効果を有する層である。
白色層の平均厚さは、0.50μm以上10μm以下が好ましく、0.75μm以上8.0μm以下がより好ましく、1.0μm以上5.0μm以下が更に好ましい。この範囲にあることで電子部品用機能性シートの保護用とした場合の好適な赤外線反射率と薄さを両立しやすい。
なお、本明細書において、「白色層の平均厚さ」とは、着色フィルムを、長さ方向に100mm間隔で5箇所、幅方向に切断し、前記各切断面において幅方向に100mm間隔で5点の前記白色層の厚さをTH-104 紙・フィルム用厚さ測定機(テスター産業株式会社製)を用いて測定した、合計25点の厚さの平均値を指す。
白色顔料を含む白色インキは、白色顔料、バインダー樹脂、及びシリカ粒子を含有し、ワックス、球状フィラー、及び溶剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
白色顔料の体積平均粒子径は、100nm以上1,300nm以下であり、300nm以上1,000nm以下が好ましく、500nm以上1,000nm以下がより好ましく、600nm以上800nm以下が更に好ましい。
白色顔料の体積平均粒子径が100nm以上1,300nm以下であることにより、白色層の波長850nmでの赤外線反射率をより大きくすることができる。
白色顔料の体積平均粒子径は、例えば、X線回折装置(SmartLab、株式会社リガク製)を用い、USAXS法で測定することができる。
白色顔料の含有量は、白色インキの総量に対して、10質量%以上70質量%以下が好ましく、20質量%以上50質量%以下がより好ましく、20質量%以上40質量%以下が更に好ましい。
塗工方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、凸版印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。薄膜の塗工するために最も好ましいのはグラビア印刷である。
本発明の着色フィルム及び着色粘着シートに使用するマット層(「艶消し層」と称することもある)は、着色フィルム及び着色粘着シートのグロス値を調整する層である。
本発明の着色粘着シートは、マット層を有することにより、グロス値を大きくすることができ、かつ、黒色層及び白色層が積層されていることにより、黒色層の側から測定される波長850nmの赤外線反射率を好適に大きくすることができる。
塗工方法としては、例えば、凸版印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。これらの中でも、薄膜の塗工するために最も好ましいのはグラビア印刷である。
本発明の着色粘着シート(「着色粘着テープ」と称することもある)は、本発明の着色フィルムと、前記着色フィルムの基材の白色層及び黒色層を有さない側の表面に配された粘着剤層と、を有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
粘着剤層の平均厚さは、1μm以上50μm以下が好ましく、1.5μm以上20μm以下がより好ましく、2μm以上5μm以下が更に好ましい。粘着剤層の平均厚さが上記範囲にあることで電子部品用機能性シートの保護用とした場合の接着強度と薄さを両立しやすい。
なお、本明細書において、「粘着剤層の平均厚さ」とは、着色粘着シートを、長さ方向に100mm間隔で5箇所、幅方向に切断し、前記各切断面において幅方向に100mm間隔で5点の前記粘着剤層の厚さをTH-104 紙・フィルム用厚さ測定機(テスター産業株式会社製)を用いて測定した、合計25点の厚さの平均値を指す。
アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とするポリマーであり、必要に応じて(メタ)アルキルエステルに対して共重合が可能な単量体(共重合性単量体)を含み、例えば、溶液重合法、エマルション重合法、紫外線照射重合法等の慣用の重合方法により調製することができる。
重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によってスチレン換算で測定することができる。
-測定条件-
・ サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン(THF)溶液)
・ サンプル注入量:100μL
・ 溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・ 流速:1.0mL/分
・ 測定温度:40℃
・ 本カラム:TSKgel GMHHR-H(20)2本
・ ガードカラム:TSKgel HXL-H
・ 検出器:示差屈折計
・ 標準ポリスチレン分子量:10,000~2,000,000(東ソー株式会社製)
粘着付与樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジンやロジンのエステル化合物等のロジン系樹脂;ジテルペン重合体やα-ピネン-フェノール共重合体等のテルペン系樹脂;脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂;その他、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、n-ブチル(メタ)アクリレートを主たるモノマー成分とするアクリル系共重合体を使用した粘着剤組成物においては、薄型で粘着力と耐熱性を両立させるに際し、ロジン系樹脂とスチレン系樹脂を混合して使用することが好ましい。
ここで、ゲル分率は、下記数式(1)に示すように、養生後の粘着剤層をトルエン中に浸漬し、24時間放置後に残った不溶分の乾燥後の質量を測定し、元の質量に対する百分率で表す。
ゲル分率=[(粘着剤層のトルエン浸漬後質量)/(粘着剤層のトルエン浸漬前質量)]×100 ・・・数式(1)
前記粘着層におけるその他の成分としては、特に制限はなく、着色粘着シートの特性を損なわない範囲で適宜選択することができ、例えば、前記粘着剤以外のポリマー成分、架橋剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、可塑剤、軟化剤、難燃剤、金属不活性剤、シリカビーズ、有機ビーズ等の添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモン等の無機系充填剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色粘着シートは、粘着剤層を保護するために、粘着剤層表面に剥離ライナーが設けられていてもよい。前記剥離ライナーとしては、特に制限はなく、公知の剥離ライナーを適宜選択して使用すればよい。樹脂フィルムに離形処理したものが平滑性に優れ、好ましい。これらの中でも、耐熱性に優れるポリエステルフィルムに離形処理したものが好ましい。
このような剥離力とすると、剥離ライナーを剥離する際に、着色粘着シートの変形を抑制しやすくなるため好ましい。剥離力は剥離ライナー又は50μm厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)裏打ちした粘着剤層を0.3m/min以上10m/min以下の速度で180°方向に剥離させて測定することができる。
前記着色粘着シートのその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電防止層、不燃層、加飾層、導電層、熱伝導層、離型層などが挙げられる。
なお、着色粘着シートの総厚さとは、剥離ライナーを含まない着色粘着シートの総厚さをいう。
なお、本明細書において、「着色粘着シートの総厚さ」とは、着色粘着シートを、長さ方向に100mm間隔で5箇所、幅方向に切断し、前記各切断面において幅方向に100mm間隔で5点の前記着色粘着シートの厚さをTH-104 紙・フィルム用厚さ測定機(テスター産業株式会社製)を用いて測定した、合計25点の厚さの平均値を指す。
なお、本明細書において、「着色粘着シートの平均幅」とは、前記着色粘着シートを、長さ方向に100mm間隔で5箇所の幅を、直尺(スケール)、巻尺、コンベックス等の公知のメジャーを用いて測定した、合計5点の幅の平均値を指す。
本明細書で提供される解決策は、赤外線光源とセンサ(カメラ)を使用して、赤外線反射着色粘着シートのエッジを特定し、関連する部品を正しい位置に配置することを可能と
電子部品用機能性シートとしては、例えば、放熱シート、磁性シート、絶縁シートなどが挙げられる。
放熱シートは局所的な高温部に設置することで、熱を電子機器の全面に放熱し、いわゆるホットスポットを解決する役目を持つ。放熱シートに使用するグラファイトシートは、人工グラファイトシートや天然グラファイトシートの2種類がある。人工グラファイトシートとしては、ポリイミドフィルムのような有機フィルムを高温の不活性ガス雰囲気中で熱分解して得られる熱分解グラファイトシートがある。また、天然グラファイトシートは、天然の黒鉛を酸処理した後、加熱膨張させた黒鉛粉末を加圧してシート状にしたものがある。放熱シートに使用するグラファイトシートは、皺が少ない方が、放熱性が良いため、皺の少ない人工グラファイトシートが好適に用いられる。
放熱シートに使用するグラファイトシートの平均厚さは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、15μm以上50μm以下であることがより好ましい。グラファイトシートの厚さを当該範囲とすることで、薄型携帯電子端末機器に好適に用いられる。これらグラファイトシートは非常に脆いため、その保護に着色粘着シートが使用される。
磁性シートは、電子機器の筐体内面や各種電子部品の外面など、電磁波を遮断したい箇所に貼着され、これにより、外来電磁波が電子機器内部へ透過するのを防止したり、電子機器の内部から外部へ電磁波が漏出するのを防止したりすることができる。
磁性シートは、例えば、Ni系フェライト磁性体粉末、Mg系フェライト磁性体粉末、Mn系フェライト磁性体粉末、Ba系フェライト磁性体粉末、Sr系フェライト磁性体粉末、Fe-Si合金粉末、Fe-Ni合金粉末、Fe-Co合金粉末、Fe-Si-Al合金粉末、Fe-Si-Cr合金粉末、鉄粉末、Fe系アモルファス、Co系アモルファス、Fe基ナノ結晶体等からなるシートであり、厚さが厚いほうが磁性的性能を発揮しやすい。このような磁性シートは非常に脆いため、その保護に着色粘着シートが用いられる。
本発明の着色粘着シートを用いることにより、赤外線反射率の調整が可能となり、複数の同じ色調の電子部品同士を容易に識別でき、電子部品の組立時における位置合わせが容易に行えると共に、磁性シートを厚くしても、複合体(磁性シートと着色粘着シートの貼り合せ品)として薄型化できる。
本発明の着色フィルムの検出方法は、複数の同色調の部材の一つが本発明の着色フィルムを有し、前記複数の同色調の部材に対して赤外線を照射することにより、前記着色フィルムの位置を検出する。これにより、自動組み立てシステムにおいて、赤外線反射光を反射しない(吸収する)黒色部品と、赤外線反射性黒色部品の端(エッジ)を識別することができ、正しい位置に配置することができる。
複数の同色調の部材としては、例えば、放熱シート、磁性シート、電池、充電部材などが挙げられる。
図1は、第一の実施形態の着色フィルム1の一例を示す概略断面図であり、基材11と白色層14と黒色層13とがこの順に積層されている。なお、白色層14と黒色層13を合わせて赤外線反射層12となる。
図1の着色フィルム1は、黒色層13及び白色層14が積層されていることにより、黒色層13の側から測定される波長850nmでの赤外線反射率を好適に大きくすることができる。
図2の着色フィルム1は、マット層15を有することにより、グロス値を大きくすることができ、かつ、黒色層13及び白色層14が積層されていることにより、黒色層13の側から測定される波長850nmでの赤外線反射率を好適に大きくすることができる。
図3の着色粘着シート2は、黒色層13及び白色層14が積層されていることにより、黒色層13の側から測定される波長850nmでの赤外線反射率を好適に大きくすることができる。
図4に示す着色粘着シート2は、マット層15を有することにより、グロス値を大きくすることができ、かつ、黒色層13及び白色層14が積層されていることにより、黒色層13の側から測定される波長850nmでの赤外線反射率を好適に大きくすることができる。
着色粘着シート2の粘着剤層16の側の面を磁性シートに貼付し、着色粘着シート2で保護された磁性シートを、小型電子端末内部の電子部品のノイズ防止手段として利用することができる。電子部品同士が同じ黒色の意匠性に優れるものとすることができ、近赤外線の反射性が異なるので、赤外線カメラを用いて、他の着色粘着シートで保護された電子部品と識別することができる。
図7は、本発明の着色粘着シート(赤外線反射)41及び従来の着色粘着シート(赤外線吸収)42をバッテリー43の近傍に貼り付け、赤外線カメラを使用して撮影した写真である。
図6に示すように、可視光下では、本発明の着色粘着シート41と従来の着色粘着シート42との境界の識別が困難である。
図7に示すように、赤外線カメラ下では、本発明の着色粘着シート41と従来の着色粘着シート42との境界の識別が容易である。
本発明の着色粘着シート33を用いることにより、赤外線反射光を反射しない(吸収する)放熱シート35と充電部品32との端(エッジ)を識別することができ、自動組み立てシステムにおいて、複数の同色調の部材に対して赤外線を照射することにより、本発明の着色粘着シート33を識別できるので正しい位置に配置することができる。
-ポリウレタン樹脂Aの合成-
攪拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸/テレフタル酸=50/50なる酸成分と3-メチル-1,5ペンタンジオールから得られる数平均分子量(以下、「Mn」という)2,000のポリエステルポリオール192.9質量部と1,4-ブタンジオール15.8質量部、イソホロンジイソシアネート77.9質量部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いで、イソホロンジアミン11.0質量部、ジ-n-ブチルアミン2.4質量部、及びメチルエチルケトン700質量部を添加し、撹拌下に50℃で4時間反応させ、樹脂固形分濃度30.0質量%、ガードナー粘度U(25℃)、アミン価=0、重量平均分子量(Mw)30,000のポリウレタン樹脂Aを得た。
-黒色インキAの調製-
大日精化工業株式会社製の近赤外反射顔料「クロモファインブラックA1103」(1-{4-[(4,5,6,7-テトラクロロ-3-オキソイソインドリン-1-イリデン)アミノ]フェニルアゾ}-2-ヒドロキシ-N-(4’-メトキシ-2’-メチルフェニル)-11H-ベンゾ[a]カルバゾール-3-カルボキサミド)(CAS番号:103621-96-1)を10質量部、富士シリシア株式会社製「サイロホービック704」(シランカップリング処理:コールターカウンター法による平均粒子径3.5μm)を5質量部、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「トスパール2000B」(球状シリコーン樹脂ビーズ:コールターカウンター法による平均粒子径6μm)を2質量部、BASF社製「Luwax AF29 Micropowder」(ポリエチレン微粉末ワックス)を2質量部、ルーブリゾール社製「ソルスパーズ 24000GR」を1質量部、前記ポリウレタン樹脂Aを55質量部(N.V.30%)、メチルエチルケトンを13質量部、酢酸エチルを9質量部、イソプロピルアルコールを5質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを5質量部添加し、サンドミルで約1時間湿式分散したものに、住化バイエルウレタン株式会社製の硬化剤「スミジュールN3300」を5質量部、DICグラフィックス株式会社製の希釈剤「NH-NT DC溶剤」を40質量部添加して、黒色インキAを調製した。
-黒色インキBの調製-
表Aに示す参考例1のインキ基剤の700gを、Eiger Mill (Model: MiniMotor Mill 250, Eiger Machinery Inc, Chicago, Illinois)を用いて、直径0.8mmのイットリア安定化ジルコニア(YTZ(登録商標))の媒体で20分間粉砕した。次いで、参考例1のインキ基剤を、表Aの黒色インキBの組成に従って、黒色インキBを調製した。
*BK 10P950:黒色顔料、The Shepherd Color Company社製
*BL 211:青色顔料、The Shepherd Color Company社製
*GR 30C654:赤外線反射無機緑色顔料、The Shepherd Color Company社製
*Keyfast Blue 6G-SS:青色顔料、Milliken Chemical社製
*Z-6020 シラン:シランカップリング剤、Dow Corning社製
*BYK D410:レオロジーコントロール剤、BYK Chemie社製
-黒色インキCの調製-
黒色インキの調製例1において、大日精化工業株式会社製の近赤外反射顔料「クロモファインブラックA1103」10質量部を、デグサ社製「スペシャルブラック250」(酸性カーボン)10質量部に変更した以外は、黒色インキの調製例1と同様にして、黒色インキCを調製した。
-白色インキAの調製-
黒色インキの調製例1において、大日精化工業株式会社製の近赤外反射顔料「クロモファインブラックA1103」10質量部を、酸化チタン1(体積平均粒子径:300nm、石原産業株式会社製)30質量部に変更した以外は、黒色インキの調製例1と同様にして、白色インキAを作製した。
-白色インキBの調製-
黒色インキの調製例1において、大日精化工業株式会社製の近赤外反射顔料「クロモファインブラックA1103」10質量部を、酸化チタン2(体積平均粒子径:650nm、石原産業株式会社製)30質量部に変更した以外は、黒色インキの調製例1と同様にして、白色インキBを作製した。
-白色インキCの調製-
黒色インキの調製例1において、大日精化工業株式会社製の近赤外反射顔料「クロモファインブラックA1103」10質量部を、酸化チタン3(体積平均粒子径:1,000nm、石原産業株式会社製)30質量部に変更した以外は、黒色インキの調製例1と同様にして、白色インキCを作製した。
-白色インキDの調製-
黒色インキの調製例1において、大日精化工業株式会社製の近赤外反射顔料「クロモファインブラックA1103」10質量部を、酸化チタン4(体積平均粒子径:80nm、石原産業株式会社製)30質量部に変更した以外は、黒色インキの調製例1と同様にして、白色インキDを作製した。
-白色インキEの調製-
黒色インキの調製例1において、大日精化工業株式会社製の近赤外反射顔料「クロモファインブラックA1103」10質量部を、酸化チタン5(体積平均粒子径:1,500nm、石原産業株式会社製)30質量部に変更した以外は、黒色インキの調製例1と同様にして、白色インキEを作製した。
-粘着剤の調製-
n-ブチルアクリレート97.98質量部と、アクリル酸2質量部と、4-ヒドロキシブチルアクリレート0.02質量部とを、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を重合開始剤として、酢酸エチル溶液中で、80℃で8時間溶液重合を行って、重量平均分子量90万のアクリル系ポリマーを得た。該アクリル系ポリマー100質量部に、重合ロジンエステル(商品名「D-135」、荒川化学工業株式会社製)5質量部と、不均化ロジンエステル(商品名「KE-100」、荒川化学工業株式会社製)20質量部、石油樹脂(商品名「FTR6100」、三井化学株式会社製)25質量部を加えて、酢酸エチルを加え、固形分40質量%の粘着剤溶液を調製した。更に、イソシアネート系架橋剤(商品名「NC40」、DIC株式会社製)0.8質量部を加えて、均一になるように撹拌して混合することにより、粘着剤を調製した。ゲル分率は20%、25℃の貯蔵弾性率は9×104Paであった。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラー4AF53、東レ株式会社製、平均厚さ:3.5μm)に、白色インキAをインキ皮膜部分の乾燥厚さが1.0μmとなるようにグラビアコートし、100℃で1分間乾燥し、白色インキAからなる白インキ層を形成した。
次に、白インキ層上に黒色インキAを、インキ皮膜部分の乾燥厚さが1.5μmとなるようにグラビアコートし、100℃で1分間乾燥し、黒色インキAからなる黒インキ層を形成し、着色フィルムを得た。
なお、白インキ層及び黒インキ層のインキ皮膜部分の乾燥厚さは、着色フィルムをカミソリで、長さ方向に100mm間隔で5箇所、幅方向に切断し、前記各切断面において幅方向に100mm間隔で5点の白インキ層又は黒インキ層の厚さをTH-104 紙・フィルム用厚さ測定機(テスター産業株式会社製)を用いて測定した、合計25点の厚さの平均値を指す。
実施例1において、白インキ層のインキ皮膜部分の乾燥厚さを2.0μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の着色粘着シートを得た。得られた実施例2の着色粘着シートの総厚さは10.5μmであった。
実施例1において、白色インキAを白色インキBに代えた以外は、実施例1の着色フィルムと同様にして、実施例3の着色粘着シートを得た。得られた実施例3の着色粘着シートの総厚さは9.5μmであった。
実施例1において、白色インキAを白色インキCに代えた以外は、実施例1の着色フィルムと同様にして、実施例4の着色粘着シートを得た。得られた実施例4の着色粘着シートの総厚さは9.5μmであった。
実施例1において、黒インキ層のインキ皮膜部分の乾燥厚さを2.5μmに変更し、白色インキAを白色インキCに代えた以外は、実施例1の着色フィルムと同様にして、実施例5の着色粘着シートを得た。得られた実施例5の着色粘着シートの総厚さは10.5μmであった。
実施例1において、黒色インキAを黒色インキBに代えた以外は、実施例1の着色フィルムと同様にして、実施例6の着色粘着シートを得た。得られた実施例6の着色粘着シートの総厚さは9.5μmであった。
実施例1において、白色インキAを白色インキDに代えた以外は、実施例1の着色フィルムと同様にして、比較例1の着色粘着シートを得た。得られた比較例1の着色粘着シートの総厚さは9.5μmであった。
実施例1において、白色インキAを白色インキEに代えた以外は、実施例1の着色フィルムと同様にして、比較例2の着色粘着シートを得た。得られた比較例2の着色粘着シートの総厚さは9.5μmであった。
実施例1において、黒色インキAを黒色インキCに代えた以外は、実施例1の着色フィルムと同様にして、比較例3の着色粘着シートを得た。得られた比較例3の着色粘着シートの総厚さは9.5μmであった。
実施例1~6及び比較例1~3の着色フィルム及び着色粘着シートについて、JIS Z 8741に従って60°の設定角度で、KONICA MINOLTA社製 MINOLTA Multi-Gloss 268を用いて、マット層の側からグロス値を測定した。なお、粘着剤層の有無はグロス値に影響せず、それぞれの着色フィルムと着色粘着シートの測定結果は同じであった。結果を表1及び表2に示した。
実施例1~6及び比較例1~2の着色フィルム及び着色粘着シートについて、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、CM-5)を使用して、Cスペクトルが10°の測定基準JIS Z 8722に従って、マット層の側から測定した。なお、粘着剤層の有無はCIE Lab表色系の色相(L*値、a*値、b*値)に影響せず、それぞれの着色フィルムと着色粘着シートの測定結果は同じであった。結果を表1及び表2に示した。
実施例1~6及び比較例1~3の着色フィルム及び着色粘着シートについて、分光光度計(U-4100、株式会社日立製作所製)を用いて、少なくとも波長800nm~900nmを含む任意の範囲の全反射率を測定し、波長850nmの値を報告した。なお、粘着剤層の有無は赤外線反射率に影響せず、それぞれの着色フィルムと着色粘着シートの測定結果は同じであった。結果を表1及び表2に示した。
実施例1~6及び比較例1~3の着色フィルム及び着色粘着シートについて、可視光での識別は目視観察で識別の可否を下記の基準で評価した。赤外光での識別は光源としてCOGNEX社製OPT-CTD70-IRを用いて波長850nmの光を照射し、COGNEX社製OPT-ATS125-150で撮影し、その画像を目視観察して識別の可否を下記の基準で評価した。結果を表1及び表2に示した。
[評価基準]
○:識別可能
×:識別不可
2 着色粘着シート
11 基材
12 赤外線反射層
13 黒色層
14 白色層
15 マット層
16 粘着剤層
19 剥離ライナー
Claims (9)
- 基材と、該基材の一方の面に白色顔料を含む白色層と、該白色層上に黒色顔料を含む黒色層とを有し、
前記白色顔料の体積平均粒子径が100nm以上1,300nm以下であり、
波長850nmの赤外線反射率が12%以上であり、
CIE Lab表色系においてL*値が18以上36以下、a*値が-3以上3以下、b*値が-3以上3以下であることを特徴とする放熱シート、磁性シート、及び絶縁シートの少なくともいずれかを含む電子部品に用いられる着色フィルム。 - 入射角60°でのグロス値が0以上10以下である請求項1に記載の着色フィルム。
- 前記白色顔料が酸化チタン、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムから選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の着色フィルム。
- 前記黒色顔料が黒色アゾ顔料又はクロム顔料である請求項1から3のいずれかに記載の着色フィルム。
- 電子部品用機能性シートの赤外線反射率の調整に使用される請求項1から4のいずれかに記載の着色フィルム。
- 前記電子部品用機能性シートが、放熱シート、磁性シート、及び絶縁シートの少なくともいずれかである請求項5に記載の着色フィルム。
- 前記波長850nmの赤外線反射率が12%以上65%以下である請求項1から6のいずれかに記載の着色フィルム。
- 請求項1から7のいずれかに記載の着色フィルムと、
前記着色フィルムの基材の白色層及び黒色層を有さない側の表面に配された粘着剤層と、を有することを特徴とする着色粘着シート。 - 複数の同色調の部材の一つが請求項1から7のいずれかに記載の着色フィルムを有し、前記複数の同色調の部材に対して赤外線を照射することにより、前記着色フィルムの位置を検出することを特徴とする着色フィルムの検出方法。
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