JP5311108B2 - 遮光性粘着テープ及びこれを用いたlcdモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、遮光性を有する粘着テープに関し、より詳細には、LCD(Liquid Crystal Display)パネルとバックライト筐体の間に貼着して使用される遮光性を有する粘着テープに関する。
LCDモジュール(液晶表示装置)をはじめとする表示素子は、ワープロやパソコンを始めとする広範な分野で用いられており、特に電子手帳、携帯電話、PHS等においては益々小型化された電子機器の表示装置として用いられるようになってきた。このような表示素子の中で、例えば、サイドライト型バックライト方式のLCDモジュール(略図を図5に示す)は、一般に、バックライト筐体14の中に反射板13、導光板12、拡散シート10、必要に応じて使用されるプリズムシート9(輝度を高める)とLCDパネル15が順に積層されており、導光板の側方にランプリフレクタを設けた、LED(Light Emitting Diode)、冷陰極管等の光源11が配置されている。
更に、LCDパネル15とバックライト筐体14の間には粘着テープ8(通常額縁状に打ち抜かれ、その幅は通常約0.5mm〜約10mmである)が挟み込まれている。粘着テープ8は、バックライト筐体14のみでなく、プリズムシート9にも接し、プリズムシート9の下側に設置されている拡散シート10等を固定する役割や、ゴミの侵入の防止やクッション性を持たせて衝撃による上記各部品の割れを防ぐ役割も併せ有している。
近年、環境への配慮から、これらLCDモジュール等の表示装置の周辺材料においても、VOCフリー材料やハロゲンフリー材料への移行が望まれており、LCDモジュール等の表示装置に使用する粘着テープにおいても例外ではない。従来の粘着テープとしては、遮光用の遮光層にインキ層を有する粘着テープが開示されている(例えば特許文献1、2参照)。しかし、これら粘着テープにおいては、遮光層に塩酢ビ系の樹脂をバインダー樹脂とするインキ層が使用されているため、当該塩酢ビ(塩酸・酢酸ビニル)系の樹脂を使用しないインキ層への転換が必要であった。
塩酢ビ系樹脂以外の樹脂を使用したインキを遮光層とした遮光性粘着テープとして、ポリウレタン系樹脂を使用したインキを遮光層として有する遮光性粘着テープが開示されている(特許文献3)。ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂に比べポリウレタン樹脂はインキ面と粘着剤の密着性が優れリワーク性に優れることが開示されている。
しかしポリウレタン系樹脂を使用したインキを遮光性粘着テープの遮光層として適用しても、高温時に部品の反発力によってインキから粘着剤が剥がれる問題が発生する場合があった。また薄い基材を使用した場合にはリワークする際にテープのチギレが発生する場合があった。
特開2004−156015号 特開2004−184443号 特開2007−246881号
本発明の課題は、遮光層としてハロゲンを含有する塩酢ビ系樹脂インキを使用しなくとも、高温条件や冷熱サイクル条件下でも、反発力によって遮光層と粘着剤層との剥離が生じにくく、且つリワーク時に粘着剤残りやテープのチギレが発生しない、リワーク性に優れた遮光性粘着テープを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、遮光層にバインダー樹脂としてTgの高いポリエステルウレタン樹脂を、硬化剤として比較的柔軟な架橋構造を示す脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートを含有するインキ層を使用した遮光性粘着テープで、高温時にインキが流動しにくく、高温時にもインキと粘着剤の間で優れた密着性を確保できることを見出した。さらにリワーク時に高速で剥がした際にも遮光層が比較的柔軟な架橋構造を有するため、当該遮光層にクラックが入りにくく、テープがちぎれず優れたリワーク性を示すことを見出した。一方、遮光層に通常の印刷インキに使用される低Tg(tanδのピーク温度=−40℃程度)のポリエステルウレタンを使用した場合は上記脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートで架橋させても高温で粘着剤との密着性が不十分となる。さらに、比較的高弾性のポリエステルウレタン樹脂と剛直な架橋構造を示す芳香族系イソシアネートを使用した場合には遮光層にクラックが入りやすく、リワーク時に遮光層のクラックを起点としてチギレが発生しやすい。上記構成の遮光層からなる遮光性粘着テープによれば、遮光層が適度な弾性と応力緩和性を持つため、高温でテープに反発力が掛かって、ハガレが発生しにくく、リワーク時に高速で剥がしてもチギレが発生しにくくリワーク性に優れることを見出した。
即ち、本発明は、少なくとも樹脂フィルム、遮光層および粘着剤層が積層され、樹脂フィルムと粘着剤層との間に遮光層を有する遮光性粘着テープであって、前記遮光層のハロゲン含有量が0.3質量%以下であり、前記遮光層がインキ層からなり、前記インキ層に使用するインキ組成物が、バインダー樹脂として周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定されるtanδのピーク温度が−30〜30℃のポリエステルウレタン樹脂を含有し、硬化剤として脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート又はこれらの三量体を含有する遮光性粘着テープを提供するものである。
本発明の粘着テープは、樹脂フィルム上に設けた遮光層が、特性の組成を有するインキ層であるため、ハロゲンの含有量が少なく、高温条件下でも部品の反発力によってインキ層からの粘着剤の剥がれが生じにくく、且つリワーク時にチギレが発生しにくいことを見出し、上記課題を解決した。
このような特性を有する本発明の遮光性粘着テープは、各種表示装置用途、特に、遮光性が必要とされる小型化されたLCDモジュール用途に好適に使用できる。
本発明の遮光性粘着テープは、樹脂フィルムと粘着剤層との間に遮光層を有する遮光性粘着テープであって、前記遮光層のハロゲン含有量が0.3質量%以下であり、前記遮光層がインキ層からなり、該インキに使用するバインダー樹脂が周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定されるtanδのピーク温度が−30〜30℃のポリエステルウレタン樹脂を含有し、且つ当該インキに使用する硬化剤が脂肪族または脂環族イソシアネートを含有するインキを使用することを特徴とする。
[樹脂フィルム]
本発明に使用する樹脂フィルムとしては、粘着シートに使用される公知慣用の樹脂フィルム等を用いることができ、例えば、セロファン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステル等が挙げられる。なかでも、ポリエステルは、強度や絶縁性に優れるため好ましく使用できる。
本発明においては、樹脂フィルムが光反射性を有する光反射性樹脂フィルムであると、LCDモジュール等の表示装置の輝度を上げることができるため好ましい。そのなかでも絶縁性・光拡散反射性を有する白色のポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。また樹脂フィルムが遮光性を有する遮光性樹脂フィルムであると、表示装置としてLCDを使用した場合にLCDのコントラストを上げるために好ましい。そのなかでも、黒色のポリエチレンテレフタレートが優れた遮光性を付与できるため好ましい。
市販されている光反射性樹脂フィルムとしては、麗光社製37W01、3M社製ESR、東レ社製E20#38、三菱化学ポリエステルフィルム社製W400#38、帝人デュポン社製テフレックスFW2#13等が、厚みが薄く、反射性が高いため好ましい。
支持体となる樹脂フィルムの厚みとしては、3〜75μmが好ましい。厚みが3μm以上の場合は、リワーク時にフィルムのキレが発生しにくく、75μm以下の場合は、局面貼付時にハガレが発生しにくい。さらに好ましくは、6〜50μmである。
支持体となる樹脂フィルムの引張強度は10N/10mm以上であることが好ましい。10N/10mm以上であるとリワーク時に切断しにくい。さらに好ましくは15N/10mm以上であり、最も好ましくは20N/10mmである。尚、樹脂フィルムの引張強度はJIS Z0237に従い300mm/minの速度で引っ張り、測定される。
また、樹脂フィルム中には、反射性や遮光性を付与するため、白色顔料・黒色顔料等の各種顔料を添加することが好ましい。またフィルムの中には公知の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、帯電防止剤などが添加されていても良い。特に樹脂フィルム中に各種顔料を添加した場合に樹脂フィルムの層間強度が弱くなるため、リワーク時にテープのチギレが発生しやすく、インキ層の組成が重要となる。
[粘着剤層]
本発明に使用する粘着剤層は、樹脂フィルムや遮光層と良好な粘着性を有するものを使用でき、公知のアクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着樹脂を使用することができる。そのなかでも、反復単位として炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリル酸エステルに由来する反復単位を含有するアクリル系共重合体が、耐光性・耐熱性の点から好ましい。
アクリル系共重合体としては、例えば、n−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、エチルアクリレート等に由来する反復単位を含むアクリル系共重合体があげられる。これらの中でも、ハロゲン含有量が0.3質量%以下のものが好ましく、0.1質量%以下のものがより好ましく、ハロゲンを実質的に含有しないものが特に好ましい。そのなかでも反復単位として、n−ブチルアクリレート単位が50質量%以上含むものがポリエステルウレタン系樹脂を使用したインキ層との密着性に優れ、より好ましくは90質量%以上含むものが密着性に優れる。
さらに反復単位として、側鎖に水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの極性基を有するアクリル酸エステルやその他のビニル系単量体に由来する反復単位を0.1〜15質量%の範囲で含有するのが好ましい。また、アクリル酸単位を2〜10質量%の範囲で含有するのが、ポリエステルウレタン系樹脂を使用したインキ層との密着性に優れ好ましい。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、紫外線照射法、電子線照射法によって共重合させることにより得ることができる。アクリル系共重合体の平均質量分子量は塗工性と粘着物性を両立するため、40万〜140万が好ましく、更に好ましくは、60万〜120万である。前記平均質量分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算である。測定条件として、カラムはTSKgel GMHXL[東ソー製]を用い、カラム温度40℃、溶離液はテトラヒドロフラン、流量は1.0mL/分とし、標準ポリスチレンはTSK標準ポリスチレンを用いる。
さらに粘着剤の凝集力をあげるために、架橋剤を添加するのが好ましい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤等があげられる。特に粘着剤層を設ける場合は、イソシアネート系架橋剤またはエポキシ系架橋剤を使用するのが好ましい。架橋剤の添加量としては、粘着剤層のゲル分率が25〜80%になるよう調整するのが好ましい。さらに好ましいゲル分率は、30〜70%である。そのなかでも35〜60%が最も好ましい。ゲル分率が25%以上であると粘着剤が適度な凝集力をもつため、リワークした際に糊残りが生じにくい。一方、ゲル分率が80%以下であると粘着剤が硬くなりすぎず、接着力が良好である。接着性が低下する。ゲル分率は、養生後の粘着剤層の組成物をトルエン中に浸漬し、24時間放置後に残った不溶分の乾燥後の質量を測定し、元の質量に対する百分率で表す。
さらに粘着剤層の粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加しても良い。本発明の粘着テープの粘着剤層に添加する粘着付与樹脂は、ロジンやロジンのエステル化物等のロジン系樹脂;ジテルペン重合体やα−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン系樹脂;脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂;その他、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。また、前記アクリル共重合体以外のアクリル樹脂を粘着付与樹脂として添加しても良い。
粘着付与樹脂の添加量としては、粘着剤樹脂がアクリル系共重合体である場合は、アクリル系共重合体100質量部に対して10〜60質量部を添加するのが好ましい。接着性を重視する場合は、20〜50質量部を添加するのが最も好ましい。また、粘着剤樹脂がゴム系の樹脂である場合は、ゴム系の樹脂100質量部に対して、粘着付与樹脂を80〜150質量部添加するのが好ましい。なお、一般的に粘着剤樹脂がシリコン系樹脂である場合は、粘着付与樹脂を添加しない。
また、必要に応じて、カーボンブラック等の黒色着色剤や、他の公知慣用の添加剤を添加することができる。他の添加剤としては、例えば、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、難燃剤等が例示できる。
粘着剤層の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルの損失正接は、85℃下で0.5〜0.70であることが好ましい。さらに好ましくは0.55〜0.65である。0.5未満であると、粘着剤が硬くなりすぎ、初期の密着性と耐反発性が低下する。一方、0.70を越えると、粘着剤が柔らかくなりすぎ、高温で粘着剤が伸びてハガレが発生しやすい。
本発明における粘着剤層の動的粘弾性は、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzでの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定し、損失正接はtanδ=(G”)/(G’)で表される式により算出される。試験片は厚み0.5〜2.5mmの粘着剤を単独で平行円盤の間に挟んでも良いが、基材と粘着剤の積層体を幾重にも重ねて平行円盤の間に挟んでも良い。なお、後者の場合は粘着剤のみの厚さが前記の範囲となるように調整する。粘着剤としての厚さを上記の範囲に調整すると、中間に基材が挟まっていても基材のない場合と同様に粘着剤の動的粘弾性スペクトルを測定できる。
粘着剤層の厚みは、5〜50μmが好ましく、さらに好ましくは、10〜30μmである。5μm以上であれば、充分な接着性を得ることができ、また、50μm以下とすることで軽薄短小化の進む表示装置等に好適に適用できる。
[遮光層]
本発明遮光性粘着テープにおける遮光層は、着色されたインキからなるインキ層であり、該層単独で、あるいは樹脂フィルムとの積層によって、光の入射を抑制する層である。当該インキ層に使用するインキ組成物は、少なくともバインダー樹脂と着色剤と硬化剤を含有する。
(ハロゲン含有量)
本発明の遮光性粘着テープにおける遮光層は、遮光層中のハロゲン含有量が0.3質量%以下である。好ましくは0.05質量%以下であり、ハロゲンを実質的に含有しないものが特に好ましい。ここで、ハロゲン含有量は、蛍光X線で分析したときの検出量である。たとえば、蛍光X線の分析装置としてはRigaku社製「ZSX Primus」、「ZSX PrimusII」等が挙げられる。
(インキの組成)
遮光層に使用するインキのバインダー樹脂は周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定されるtanδのピーク温度が−30〜30℃のポリエステルウレタン樹脂である。
(ポリエステルウレタン樹脂の動的粘弾性の測定)
バーコーターにてポリエステルウレタン樹脂を厚さ50μmに製膜する。次に試料長さ20mmにカットした試験片(試料長20mm、膜厚50μ)を粘弾性試験機を用いて、周波数1Hz、昇温時間3℃/1分の条件で−150℃から250℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。損失正接tanδは、以下の計算式より算出する。
損失正接tanδ=G”/G’
粘弾性試験機としては例えば、セイコーインスツル社製DMS210、DMS220、DMS6100等があげられる。
ポリエステルウレタン樹脂のtanδのピーク温度は−30℃〜30℃である。より好ましくは−20℃〜30℃であり、特に好ましくは−15℃〜25℃であり、最も好ましくは−10℃〜25℃である。ポリエステルウレタン樹脂のtanδのピーク温度がこの範囲にあると、遮光層のインキが適度な柔軟性と硬さを持つため、リワーク時にインキ層のクラック発生によるチギレが生じにくく、また高温時のインキの流動によるハガレが発生しにくい。tanδのピーク温度が30℃を越えると、インキ層の弾性率が高くなりすぎ、リワーク時にチギレが発生しやすい。tanδのピーク温度が−30℃未満である通常の印刷インキを使用すると、インキ層としての弾性率が低くなりすぎ、高温でインキと粘着剤界面に反発力が負荷された際に剥がれやすい。
ポリエステルウレタン樹脂は、ジイソシアネート化合物とポリエステルポリオール化合物及び低分子量の鎖伸長剤等の縮重合反応により得られ、分子内にウレタン結合を多数持った柔軟性、弾性に富んだ樹脂である。ポリエステルポリオール化合物はモノマー成分としてジカルボン酸を含有し、前記ジカルボン酸中の芳香族ジカルボン酸を30〜90質量%とすることがポリエステルウレタン樹脂のtanδのピーク温度を上記範囲に制御しやすいため好ましい。またポリエステルポリオールの分子量は、特に限定されないが、数平均分子量で800〜6,000であることが好ましい。ポリエステルポリオールの数平均分子量が800未満では、得られるポリエステルウレタン樹脂の印刷適性やコーテイング適性が劣ったものに成りやすく、6,000を超えると乾燥性および耐ブロッキング性が低下する傾向がある。ポリエステルウレタン系樹脂としては、質量平均分子量1,000〜500,000のものが好ましく、より好ましくは20,000〜150,000である。
前記平均質量分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算である。測定条件として、カラムはTSKgel GMHXL[東ソー製]を用い、カラム温度40℃、溶離液はテトラヒドロフラン、流量は1.0mL/分とし、標準ポリスチレンはTSK標準ポリスチレンを用いる。
本発明の遮光性粘着テープのインキのポリエステルウレタン樹脂に好適に用いられるジイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に置換したダイマージイソシアネートなどの鎖状脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの環状脂肪族ジイソシアネート;4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネートなどのジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルテトラメチルメタンジイソシアネートなどのテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;リジンジイソシアネートなどのアミノ酸ジイソシアネートなどが挙げられる。これらのジイソシアネート化合物をはじめとする前記ポリイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。そのなかでもイソホロンジイソシアネートが適度な弾性を持つため好ましい。
本発明で好適に用いられるポリエステルポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA等の飽和または不飽和の低分子量グリコール類とアジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物等を脱水縮合して得られる化合物等が挙げられる。なかでも芳香族ジカルボン酸とジオールを脱水縮合したものが好ましく、そのなかでもアジピン酸とテレフタル酸の混合物と3−メチル−1,5−ペンタンジオールを脱水縮合したものが適度な弾性を持つため好ましい。
鎖伸長剤としては、各種公知のジアミン類およびグリコール類が挙げられる。ジアミン類としては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、へキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン‐4,4'一ジアミン、2‐ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2‐ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジー2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジー2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2‐ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジー2‐ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類およびダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等が代表例として挙げられる。
更には、ウレタン化反応の際、反応停止剤を用いることもできる。かかる反応停止剤としては、例えば、ジーn‐ブチルアミン等のジアルキルアミン類、ベンジルアミン、ジベンジルアミン等の芳香族アミン類、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類や工タノール、イソブロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
ポリエステルウレタン樹脂は尿素結合を付与したポリエステルウレタン尿素樹脂が好ましい。
ポリエステルウレタン尿素樹脂を製造する方法については特に制限はなく、一般的なポリエステルウレタン尿素樹脂の製法と同様の方法に従って製造すればよい。例えば、ジイソシアネート成分とポリオール成分とをイソシアネート基過剰の当量比で反応させて両末端イソシアネート基のプレポリマーをつくり、次いでこれらを適当な溶媒中で鎖伸長剤および必要に応じて反応停止剤と反応させるが、前記化合物を一括で反応させることもできる。
前記製造法において使用される溶剤としては、通常、印刷インキ用の溶剤として知られている溶剤を挙げることができる。例えばトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤,アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤が挙げられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いることができる。特に芳香族系溶剤としてトルエンを用いることが好ましい。
遮光層を構成するインキは、硬化剤として脂肪族または脂環族イソシアネート系硬化剤を含有する。tanδのピーク温度が−30℃〜30℃のポリエステルウレタンと、比較的柔軟な架橋構造を形成する脂肪族または脂環族イソシアネートを架橋させることで、弾性率を制御し高温でのインキの流動に起因するインキ界面と粘着剤界面の剥がれを抑制することができる。さらに適度な弾性率であるためリワーク時にインキ層のクラックが入りにくく、テープのチギレが発生しにくい効果が得られる。
脂肪族または脂環族イソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートが用いられる。また、これらイソシアネートの三量体を好ましく使用でき、そのなかでもジイソシアネートのアダクト体やビウレット体又はヌレート体であることが好ましい。そのなかでもヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートのアダクト体、又はビウレット体又は、ヌレート体が弾性率を制御しやすく好ましく、ビウレット体又はヌレート体が特に好ましい。硬化剤は単独で添加しても良いし、2種類以上を添加しても良い。
また分散剤として、高い分散性の得られるセルロース系樹脂を添加することが、高い遮光性が得られるため好ましい。セルロース系樹脂としては、硝化綿、セルロースアセテートプロピオネートが挙げられる。樹脂の添加量としては、インキ固形分に対し、0.05〜10質量%であることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜3質量%である。
また、着色材料としては、ハロゲンを含まない公知慣用の顔料や染料を使用することができ、黒の場合はカーボンブラック、白の場合は酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、黄色の場合は黄色酸化鉄、赤の場合はべんがら、青の場合はシアニンブルー、銀の場合はアルミニウム粉、パールの場合は雲母チタン粉が、耐候性・耐熱性・インキ樹脂に対する分散性から好ましい。なかでも、黒色インキ層を形成できるものが好ましく、カーボンブラックが遮光性に優れるため好ましい。
着色材料の添加量としては、用途等に応じて適宜調整すればよく、着色材料を含むインキ固形分中の10〜70%が好ましい。より好ましくは、40〜50%である。10%以上あれば、好適に遮光性を示し、70%以下であれば、分散が良好となる。
遮光層を構成するインキ中には、ブロッキング防止剤を含有することが好ましい。ブロッキング防止剤を含有することでブロッキングによるピンホールの発生を抑制できる。ブロッキング防止剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、タルク等の粒子系ブロッキング防止剤や、ポリエチレンワックス(PEワックス)、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級脂肪酸等の有機化合物系ブロッキング防止剤を使用することが好ましい。粒子系ブロッキング防止剤はインキ層表面に凹凸を形成しインキ面と背面の接触面積を減らすことでブロッキングを防止する。一方、有機化合物系ブロッキング防止剤はインキ層表面にブリードアウトすることでブロッキングを防止する。そのため、粒子系ブロッキング防止剤と有機化合物系ブロッキング防止剤を併用することが好ましい。特に粒子系ブロッキング防止剤としては粘着剤との密着性を向上させるシリカが好ましい。また有機化合物系ブロッキング防止剤としては粘着剤との密着性を大きく低下させないPEワックスが特に好ましい。
粒子径ブロッキング防止剤の添加量としては、インキ固形分に対して0.5〜10質量%であることが好ましい。そのなかでも1〜5質量%がより好ましい。0.5質量%以上であれば好適にブロッキング防止の効果を発揮し、10質量%以下であるとインキ皮膜が脆弱化し、リワーク時にテープのチギレが生じやすい。一方、有機系ブロッキング防止剤の添加量としては、インキ固形分に対して0.5〜10質量%であることが好ましい。そのなかでも2〜7質量%がより好ましい。0.5質量%以上であれば好適にブロッキング防止の効果が得られ、10質量%以下であると粘着剤との密着性やリワーク性も良好となる。また、必要に応じてその他の各種添加剤を含有していてもよい。
(弾性率)
遮光層に使用するインキは、当該インキにより幅10μm、厚みが40μmのシート状サンプルを形成した際に、その弾性率が0.5GPa〜1.5GPaとなるインキであることが好ましい。さらに好ましくは0.6GPa〜1.2GPaであり、最も好ましくは0.7GPa〜1.1GPaである。0.5GPa未満では、高温でインキが流動し、インキと粘着剤の界面でハガレが発生しやすい。1.5GPaではインキが硬くなり過ぎ、インキが脆くなり高速で剥がす際にテープのチギレが発生しやすい。なお、シート状サンプルの弾性率は温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて引張速度300/minで測定した値である。
(引張強度10MPaでの伸び率)
遮光層に使用するインキは、幅10μm、40μmの厚みとしたシート状サンプルの引張強度10MPaでの引張方向への伸び率が0.5〜15%となるインキである。好ましくは0.5〜5%あり、より好ましくは0.5〜3%である。0.5%未満ではインキが硬くなり過ぎ、インキが脆くなり高速で剥がす際にテープがちぎれやすい。15%を超えるとインキが流動し、インキと粘着剤の界面でハガレが発生する。なお、シート状サンプルの弾性率は温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて引張速度300/minで測定した値である。
(引張破断強度)
また、遮光層に使用するインキは、幅10μm、40μmの厚みとしたシート状サンプルの引張破断強度は15〜50MPaであることが好ましい。さらに好ましくは21MPa〜30MPaである。なお、シート状サンプルの弾性率は温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて引張速度300/minで測定した値である。
(引張破断伸度)
遮光層に使用するインキは、幅10μm、40μmの厚みとしたシート状サンプルの引張破断伸度は10〜70%であることが好ましい。さらに好ましくは20〜50%である。なお、シート状サンプルの弾性率は温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて引張速度300/minで測定した値である。
遮光層の厚みは、遮光性やテープ打ち抜き時の加工性の観点から、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。尚、インキの厚みが厚いほど、リワーク性の観点からインキ層を低弾性率にすることが好ましい。
[光反射層]
本発明の遮光性粘着テープにおいては、遮光層の粘着剤層を有する面と反対面が光反射性を有することで、光反射効果を得ることができ、表示装置の輝度の向上を図ることができる。このような光反射層は、特に限定されるものではないが、反射率が60%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。反射率が高いほど、輝度の向上効果が高い。当該反射層としては、銀やアルミ等の金属の蒸着層、白色樹脂層、白色或いは銀色の着色剤層等が挙げられる。また、市販の光反射性を有する樹脂フィルムをそのまま使用してもよいし、市販の光反射性を有する薄いフィルムを樹脂フィルム上に積層してもよい。
そのなかでも光反射性を有する薄い樹脂フィルム上に光反射性インキ層を設けることが好ましい。光反射性インキは遮光インキと同じ種類のバインダー樹脂と、同じ種類の硬化剤を含むことがリワーク性・耐反発性に優れるため好ましい。
また、使用する表示装置等の特性に応じて、輝度の向上や輝度ムラの低減等の効果を得るために、反射面側に部分的な光吸収層や光拡散層を設けることも好ましい。
光吸収層としては、黒印刷、グレー印刷等の着色印刷が挙げられる。そのなかでも黒印刷が光吸収性に優れ好ましい。
光拡散層としては、拡散効果を有する白色印刷や、ビーズ等による拡散コートが挙げられる。ビーズ等の拡散コートの場合は、その面は粘着剤を積層しないことが好ましい。
[遮光性粘着テープ]
本発明の遮光性粘着テープは、上記した遮光層を使用することにより、塩酢ビ系樹脂等のハロゲンを含有する樹脂を使用しなくとも、高温条件や冷熱サイクル条件下でもインキと粘着剤の高い密着性を有し、リワーク時にも粘着剤残りやテープのチギレが発生しにくい。
また、本発明の遮光性粘着テープは、遮光性粘着テープ全体として、ハロゲン(塩素・臭素・フッ素・ヨウ素)の含有量が0.3質量%以下のものが好ましく、0.05質量%以下のものがより好ましく、ハロゲンを実質的に含有しないものが特に好ましい。ここで、ハロゲン含有量は、蛍光X線で分析したときの検出量である。たとえば、蛍光X線の分析装置としてはRigaku社製「ZSX Primus」、「ZSX PrimusII」等が挙げられる。
本発明の遮光性粘着テープの実施形態としては、樹脂フィルムと粘着剤層との間に遮光層を有する構成であればよい。具体的には、図1に示したような、樹脂フィルムの一面のみに遮光層と粘着剤層とを有する実施形態や、図2に示したような、樹脂フィルムの一面に遮光層と粘着剤層とを有し、他面に粘着剤層を有する形態などが例示できる。また、図3に示したような、樹脂フィルムの両面に遮光層と粘着剤層とを有する実施形態であってもよい。また図4に示したような、光反射性樹脂フィルムの片面に反射層と遮光層を積層した支持体の両面に粘着剤層を設けた実施形態であってもよい。これら態様は使用用途によって適宜選択すればよく、二以上の部品固定の際には両面に粘着剤層を有する両面粘着テープを好適に使用できる。
なお、粘着剤層は単層の粘着剤の層であっても良いが、両面粘着テープのような複数の粘着剤の層及びシートからなる多層であっても良い。
遮光層の樹脂フィルム上への積層は、インキ組成物の印刷により積層する方法が好ましく使用できる。印刷方式としては、凸版印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の公知慣用の方式により印刷、積層が可能である。その中でも、遮光用途では、グラビア印刷方式で、2〜4回重ねて樹脂フィルム上に印刷、積層することが、ピンホールが少なくなり、好ましい。
なお、遮光層を積層する樹脂フィルム表面は、公知慣用の易接着処理を施すのが好ましい。その中でもコロナ処理・プラズマ処理・プライマー処理から選ばれる易接着処理が好ましい。
粘着剤層は、粘着シートの塗布に一般的に使用されている方法で、樹脂フィルムや遮光層上に形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤層を形成する組成物を樹脂フィルムや遮光層に直接塗布し、乾燥する方法、或いは、いったんセパレータ上に塗布し、乾燥後、樹脂フィルムや遮光層に貼り合わせる方法などで形成できる。
本発明の遮光性粘着テープの厚みは、20〜100μmであることが好ましく、30〜75μmであることがより好ましい。中でも、40〜65μmであることが特に好ましい。厚みが当該範囲のものは、表示装置用、特にLCDモジュール用として好適に使用できる。
本発明の遮光性粘着テープは、光入射による誤作動を抑制するために、10000cd/mの光を照射した時の光透過量が1cd/m以下であることが好ましい。より好ましくは0.1cd/m以下である。例えば、10000cd/mのライトボックスとしては、例えば、電通産業(株)製フラットイルミネーターHF−SL−A48LCGが使用できる。輝度計としては、例えば、(株)アイ・システム製アイスケール3、アイスケール4及び、(株)トプコンテクノハウス製BM−5A、BM−7、BM−9等が使用できる。
本発明の遮光性粘着テープの180度ピール接着力は、5〜15N/10mmが好ましく、6〜13N/10mmがより好ましい。最も好ましくは7〜10N/10mmである。5N/10mm未満では遮光性粘着テープ単独の固定ではハガレが発生しやすく、15N/10mmを超えるとリワーク性が著しく低下する。尚、接着力が高すぎる場合は、リワークできるようインキ層の弾性率を比較的低弾性率にする必要がある。
[LCDモジュール]
本発明の遮光性粘着テープは、ハロゲン含有量が低く、好ましくは実質的に含有しないことから、各種表示装置用に適しており、特に省スペース化された薄型のLCDモジュール用の遮光性粘着テープとして好適に使用できる。
また、本発明の遮光性粘着テープは、優れた遮光性と接着性を実現できるため、LCDパネルとバックライト筐体とを有するLCDモジュールのLCDパネルとバックライト筐体の間の貼着用として好適である。このような、LCDモジュールとしては、例えば、サイドライト型バックライト方式のLCDモジュールなどが挙げられる。
本発明の遮光性粘着テープを使用したLCDモジュールは、ハロゲン含有量が少ないため、誤作動や不具合の要因が低減されており、信頼性が高い。また、光反射層を有する本発明の遮光性粘着テープを、遮光層側がLCDパネル側に向き、光反射層側がバックライト筐体側に向くよう貼付したLCDモジュールは、優れた輝度を実現できる。
サイドライト型バックライト方式の一般的な構成としては、図5に示したように、バックライト筐体14の中に反射板13、導光板12、拡散シート11、必要に応じて使用されるプリズムシート10(輝度を高める)とLCDパネル15が順に積層されており、導光板の側方にランプリフレクタを設けた、LED(Light Emitting Diode)、冷陰極管等の光源11が配置された構成である。本発明の遮光性粘着テープは、LCDパネル15とバックライト筐体14の間に額縁状に打ち抜かれて挟み込まれた態様を好ましい態様として例示できる。
本発明の遮光性粘着シートは、周辺機器の誤作動を抑制でき、信頼性が高い製品を与えることから、電子手帳、携帯電話、PHS等の小型化された電子機器の表示装置用として好適に使用でき、該遮光性粘着シートを含有するLCDモジュールは、これら電子機器用途に好適に使用できる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下に表示する部は、質量部である。
[ポリエステルウレタンの製造例]
(ポリエステルウレタン樹脂A)
攪拌機,温度計,還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸/テレフタル酸=50/50なる酸成分と3一メチル‐1,5ペンタンジオールから得られる数平均分子量(以下Mnという)2,000のポリエステルジオール256.3部とイソホロンジイソシアネート36.5部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン5.0部、ジ‐n‐ブチルアミン2.2部、トルエン175部、メチルエチルケトン350部、イソプロピレンアルコール175部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度30.0%、ガードナー粘度U−V(25℃)、アミン価=0、質量平均分子量(以下Mwという)67,000のポリエステルウレタン樹脂Aを得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は−8℃であった。
(ポリエステルウレタン樹脂B)
攪拌機,温度計,還流冷却器およぴ窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸とネオペンチルグリコールから得られるMn=1,000のポリエステルジオール223.1部とイソホロンジイソシアネート64.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン11.3部、ジ‐n‐ブチルアミン1.2部、トルエン175部、酢酸エチル315部、イソプロピレンアルコール210部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度30.0%、ガードナー粘度S−T(25℃)、アミン価=0.5、Mw=100,000のポリエステルウレタン樹脂Bを得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は−20℃であった。
(ポリエステルウレタン樹脂C)
攪拌機,温度計,還流冷却器およぴ窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸/テレフタル酸=10/90なる酸成分と3一メチル‐1,5ペンタンジオールから得られるMn=2,000のポリエステルジオール229.8部とイソホロンジイソシアネート50.5部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン17.5部、ジ‐n‐プチルアミン2.1部、トルエン175部、メチルエチルケトン350部、イソプロピレンアルコール175部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度29.0%、ガードナー粘度U−V(25℃)、アミン価=0、Mw=70,000のポリエステルウレタン樹脂Cを得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は+28℃であった。
(ポリエステルウレタン樹脂D)
攪拌機,温度計,還流冷却器およぴ窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにテレフタル酸と3一メチル‐1,5ペンタンジオールから得られるMn=2,000のポリエステルジオール229.8部とイソホロンジイソシアネート50.5部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン17.5部、ジ‐n‐プチルアミン2.1部、トルエン175部、メチルエチルケトン350部、イソプロピレンアルコール175部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度29.0%、ガードナー粘度U−V(25℃)、アミン価=0、Mw=70,000のポリエステルウレタン樹脂Dを得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は+35℃であった。
(ポリエステルウレタン樹脂の動的粘弾性の測定)
バーコーターにてポリエステルウレタン樹脂を厚さ50μmに製膜する。次に試料長さ20mmにカットした試験片(試料長20mm、膜厚50μ)を粘弾性試験機(セイコーインスツル社製、商品名:DMS210)を用いて、周波数1Hz、昇温時間3℃/1分の条件で−150℃から250℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。
損失正接tanδ=G”/G’
[黒色インキの製造例1]
デグサ社製「カーボンデグサスペシャル4A」を4部、デグサ社製「カーボンスペシャル250P」6部、ポリエステルウレタン樹脂A(tanδピーク温度=−8℃)を40部、メチルエチルケトンを23部、トルエンを13部、酢酸エチルを6部、N−プロピルアセテートを3部、イソプロピルアルコール3部を添加し、サンドミルで約1時間湿式分散した物に、DIC社製硬化剤「KR90」(ヘキサメチレンジジイソシアネートのビウレット体)を4部、DIC社製希釈剤「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して黒色インキAを作成した。なお、樹脂は固形分比を表す。
[黒色インキの製造例2]
製造例1の硬化剤「KR90」の代わりに「T1890」(イソホロンジイソシアネートのヌレート体)を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキBを作成した。
[黒色インキの製造例3]
製造例1の硬化剤「KR90」の代わり「CVLハードナーNo.10」(ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体)を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキCを作成した。
[黒色インキの製造例4]
製造例1の硬化剤の添加量を4部の代わりに12部に変更して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキDを作成した。
[黒色インキの製造例5]
製造例1のポリエステルウレタン樹脂Aの代わりにポリエステルウレタン樹脂B(ポリエステルウレタン樹脂、tanδピーク温度=−20℃)を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキEを作成した。
[黒色インキの製造例6]
製造例1のポリエステルウレタン樹脂Aの代わりにポリエステルウレタン樹脂C(ポリエステルウレタン樹脂、tanδピーク温度=+28℃)を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキFを作成した。
[黒色インキの製造例7]
製造例1のポリエステルウレタン樹脂Aの代わりにポリエステルウレタン樹脂D(ポリエステルウレタン樹脂、tanδピーク温度=+35℃)を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキGを作成した。
[黒色インキの製造例8]
製造例1のポリエステルウレタン樹脂Aの代わりに荒川化学社製「KL−564」(ポリエステルウレタン樹脂、tanδピーク温度=−41℃)を、DIC社製硬化剤「KR90」の代わりにDIC社製硬化剤「CVLハードナーN0.10」を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキHを作成した。
[黒色インキの製造例9]
製造例1の硬化剤「KR90」の代わりに、DIC社製「XS‐100ハードナー」(トリレンジイソシアネートのアダクト体)を12部添加して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキIを作成した。
[黒色インキの製造例10]
塩酢ビ系樹脂インキDIC社製「パナシアCVL−SP805墨」100部に、DIC社製「CVLハードナーNo.10」を4部、DIC社製「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して黒色インキJを調整した。
[評価用シートの作成]
離型処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、黒色インキA〜Gを乾燥後の厚さが40μmとなるよう塗工し、環境温度23℃、湿度50%条件下で24時間養生後、更に環境温度40℃で2日間養生して、評価用インキ塗膜A〜Jを得た。
上記で得られた評価用インキ塗膜A〜Jについて以下の項目の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[弾性率、伸び率、破断強度、破断伸度の測定]
上記で得たインキ塗膜を、10mm幅、長さ150mmに加工し、環境温度23℃、湿度50%の条件下で、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、チャック間100mmのときに、300mm/minで引っ張った時の弾性率、引張強度、破断強度、破断伸度を測定した。
Figure 0005311108
Figure 0005311108
粘着剤の作製、上記で得られた黒色インキを使用した粘着テープの作製を以下のとおり行った。
[基材の作製]
帝人デュポンフィルム(株)製テフレックスFW2#13(厚さ:13μm、引張強度23N/20mm)に表面状態が50ダイン以上になるようコロナ処理を行い、その上に黒色インキA〜Jを乾燥厚みが4μmになるよう2回グラビアコートした。尚、乾燥は常温で2分間放置した。その後40℃で2日間養生し、インキコートフィルムA〜Jを得た。
[粘着剤の調整]
(アクリル系粘着剤溶液Aの調整):
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート92.8部、酢酸ビニル5.0部、アクリル酸2.0部、β−ヒドロキシーエチルアクリレート0.1部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して質量平均分子量80万のアクリル系共重合体(1)を得た。上記アクリル系共重合体(1)を100部に、荒川化学社製「スーパーエステルA100」を20部、及び三井石油化学工業社製「FTR6100」20質量部を、トルエンで希釈し、固形分40%のアクリル系粘着剤組成物Aを得た。
(アクリル系粘着剤溶液Bの調整):
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート94部、酢酸ビニル2.9部、アクリル酸3.0部、β−ヒドロキシーエチルアクリレート0.1部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して質量平均分子量80万のアクリル系共重合体(2)を得た。上記アクリル系共重合体(2)を100部に、荒川化学社製「スーパーエステルA100」を10部、及び荒川化学工業製「ペンセルD135」10質量部を、トルエンで希釈し、固形分40%のアクリル系粘着剤組成物Bを得た。
[粘着テープの作製]
(実施例1)
アクリル系粘着剤組成物Aに日本ポリウレタン工業社製「コロネートL−45」(イソシアネート系架橋剤)を1.5部配合し、充分に撹拌した後、離型処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが20μmとなるよう塗工して、85℃で2分間乾燥して粘着剤層を得た。これをインキコートフィルム(A)の両面に転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cmの圧力でラミネートし、さらに、40℃で2日間養生して、両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も7.5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.32であった。
(実施例2)
アクリル系粘着剤組成物Aの代わりにアクリル系粘着剤組成物Bを用い、「コロネートL−45」(イソシアネート系架橋剤)の配合量を1.5部の代わりに1.2部にした以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.63であった。
(実施例3)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(B)を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も7.5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.32であった。
(実施例4)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(C)を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も7.5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.32であった。
(実施例5)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(D)を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も7.5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.32であった。
(実施例6)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(E)を用い、アクリル系粘着剤組成物Aの代わりにアクリル系粘着剤組成物Bを用い、「コロネートL−45」(イソシアネート系架橋剤)の配合量を1.5部の代わりに1.2部にした以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.65であった。
(実施例7)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(F)を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も7.5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.32であった。
(比較例1)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(G)を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も7.5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.32であった。
(比較例2)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(H)を用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も7.5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.32であった。
(比較例3)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(I)を用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も7.5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.32であった。
(参考例1)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(J)を用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。得られたテープに10000cd/mの光を照射した際の透過量は0.5cd/mであり、A4サイズ中で0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールも見られなかった。さらに接着力も7.5N/10mmであった。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.32であった。
上記で得られた粘着剤、及び、実施例、比較例及び参考例にて得られた両面粘着テープについて、以下の項目の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
[元素分析]
Rigaku社製波長分散型蛍光X線「ZSX Primus」用い、FP法にてハロゲン含有量を分析した。
[ライトボックスによるテープの遮光性評価]
電通産業(株)製ライトボックス「フラットイルミネーターHF−SL−A48LCG」が10000cd/mになるよう調整し、その上に遮光性粘着テープを置き、遮光性粘着テープを透過する光を(株)アイ・システム製輝度計「アイスケール3」で測定する。
[接着力]
接着力はJIS−Z0237(2000)の180度引き剥がし接着力の試験方法に従って下記の手順により求めた。
ステンレス板にポリエステルフィルム25μmで裏打ちした20mm幅の実施例及び比較例の粘着テープを、環境温度23℃、湿度50%の条件下において、2kgのローラーで1往復加圧貼付し1時間放置後、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、同一の温度湿度条件下で300mm/minの速度で引っ張って、180度引き剥がし接着力を測定した。
[耐反発性]
図12のように100μmのPETフィルム(ユニチカ製エンブレットSA#100)と2mm厚さのポリカーボネート(PC)板を2mm幅、又は3mm幅のテープで貼付する。その後、2kgローラー1往復の条件で加圧し、85℃72時間放置後の浮きはがれを観察する。
◎:テープ幅2mmでも3mmでも剥がれが発生しない。
○:テープ幅2mmでは剥がれが発生するが、3mmで剥がれが発生する。
×:テープ幅2mmでも3mmでも剥がれが発生する。
[ピンホール]
電通産業(株)製ライトボックス「フラットイルミネーターHF−SL−A48LCG」が10000cd/mになるよう調整し、その上に遮光性粘着テープを置き、A4サイズ中にある0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールをカウントした。
[リワーク性]
ステンレス板にポリエステルフィルム25μmで裏打ちした20mm幅の実施例及び比較例の粘着テープを、環境温度23℃、湿度50%の条件下において、2kgのローラーで1往復加圧貼付し1時間放置後、60℃の環境試験機で24時間放置する。その後、23℃に1時間放置後、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、同一の温度湿度条件下で1000mm/minの速度で引っ張って、粘着剤がインキ面から脱落し、ステンレス板に残るか否か、チギレが発生するかを評価した。(N=5)
◎:5個のサンプル全部で、粘着剤脱落とチギレなし。
○:1個のサンプルで粘着剤脱落とチギレあり。
△:2個〜4個のサンプルで粘着剤脱落とチギレあり。
×:全てのサンプルで粘着剤脱落とチギレあり。
[粘着剤の動的粘弾性の測定]
40℃2日養生した粘着剤を2mm厚まで重ね合わせた試験片を粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、直径7.9mmの平行円盤形の測定部に試験片を挟み込み、周波数1Hz、昇温時間1℃/1分の条件で−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。
損失正接tanδ=G”/G’
Figure 0005311108
Figure 0005311108
表3に示した結果から明らかなように、実施例1〜5の粘着テープは、インキ層に特定のtanδのピーク温度をもつポリエステルウレタン樹脂と脂肪族系イソシアネート硬化剤を含有するため、ハロゲンを含有しなくとも、優れた耐反発性・リワーク性をもつ。特に実施例2の粘着テープは、さらに粘着剤が特定の粘弾性特性を持ち、インキ層の弾性率が特定範囲であるため耐反発性にも優れる。
一方、表4に示したように比較例1、3の粘着テープはハロゲンを含有せず、良好な遮光性を持つが、実施例のものよりインキ層が脆くリワーク時にテープのチギレが生じる。比較例2の粘着テープはハロゲンを含有せず、良好な遮光性を持つが、高温でインキが流動しやすく耐反発性試験で剥がれが発生する。
また、参考例1の粘着テープは優れた耐反発性・リワーク性を持つが、ハロゲンを含有している。
樹脂フィルムと遮光層を積層した支持体の遮光層側に粘着剤層を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 樹脂フィルムと遮光層を積層した支持体の両面に粘着剤層を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 樹脂フィルムの両面に遮光層を積層した支持体の両面に粘着剤層を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 光反射性樹脂フィルムの片面に反射層と遮光層を積層した支持体の両面に粘着剤層を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 粘着テープを使用してLCDパネル等の各部品をバックライト筐体に固定したLCDモジュールの概念的概略断面図である。
符号の説明
1:樹脂フィルム
2:遮光層
3:支持体
4:粘着層
5:光反射性樹脂フィルム
6:光反射層
7:ドライバー
8:粘着テープ
9:プリズムシート
10:拡散シート
11:光源
12:導光板
13:反射板
14:バックライト筐体
15:LCDパネル

Claims (14)

  1. 少なくとも樹脂フィルム、遮光層および粘着剤層が積層され、樹脂フィルムと粘着剤層との間に遮光層を有し、粘着剤層と遮光層とが直接積層した構成を有する遮光性粘着テープであって、前記遮光層のハロゲン含有量が0.3質量%以下であり、前記遮光層がインキ層からなり、前記インキ層に使用するインキ組成物が、バインダー樹脂として周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定されるtanδのピーク温度が−30〜30℃のポリエステルウレタン樹脂を含有し、硬化剤として脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート又はこれらの三量体を含有することを特徴とする遮光性粘着テープ。
  2. 前記インキ組成物が、厚み40μm、幅10mmのインキ層を形成し、温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて300mm/minで引っ張ったときの弾性率が0.5〜1.5GPaであり、引張強度10MPaでの引張方向への伸び率が0.5〜10.0%である請求項1に記載の遮光性粘着テープ。
  3. 前記インキ組成物が、厚み40μm、幅10mmのインキ層を形成し、温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて300mm/minの速度で引っ張ったときの引張破断強度が15〜50MPaであり、引張破断伸度が10〜70%である請求項1又は2に記載の遮光性粘着テープ。
  4. 前記ポリエステルウレタン樹脂が、ポリエステルポリオール、有機ジイソシアネート及び鎖伸長剤を反応成分とし、前記ポリエステルポリオールがモノマー成分としてジカルボン酸を含有し、前記ジカルボン酸中の芳香族ジカルボン酸の割合が30〜90質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  5. 前記硬化剤が、ジイソシアネート化合物のアダクト体、ビウレット体又はヌレート体である請求項1〜4のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルの85℃の損失正接が0.5〜0.7である請求項1〜5のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  7. 前記粘着剤層が、アクリル酸単位を2〜10質量%含有するアクリル系共重合体を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  8. JIS Z0237に従い測定されるSUSに対する180°ピール接着力が5〜15N/10mmである請求項1〜7のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  9. 前記樹脂フィルムの厚みが3〜75μmであり、引張強度が10N/10mm以上である請求項1〜8のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  10. 10000cd/mの光を照射した時の光の透過量が1cd/m以下である請求項1〜9のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  11. 前記樹脂フィルムと前記遮光層との間に光反射層を有する請求項1〜10のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  12. 前記樹脂フィルムが光反射性樹脂フィルムである請求項1〜11のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  13. 前記粘着剤層が両面に設けられた両面粘着テープである請求項1〜12のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  14. LCDパネルとバックライト筐体とを有するLCDモジュールであって、該LCDパネルと該バックライト筐体とが、請求項13に記載の遮光性粘着テープで貼着されていることを特徴とするLCDモジュール。
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