JP2009084364A - 遮光性粘着テープ及びlcdモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐落下衝撃性に優れ、養生後に微細気泡の発生が少ない遮光性粘着テープを提供する。
【解決手段】 樹脂フィルム層、黒インキ層および粘着剤層を有し、黒インキ層表面に粘着剤層が積層された遮光性粘着テープであって、前記黒インキ層の粘着剤層と積層される表面が、触針先端半径5μm、触針先端のテーパ角度90°の触針により、測定速度0.3mm/s、基準長さ5mm、測定力4mN、カットオフ値0.8mmの条件にて表面輪郭曲線を測定した最大断面高さ(Rt)が、流れ方向および幅方向共に3.5μm以下であり、前記粘着剤層の周波数1Hzにおける正接損失のピーク値(tanδ)が、−40℃〜0℃である遮光性粘着テープにより、養生時の微細な気泡の移動や集積を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、遮光性を有する粘着テープに関し、より詳細には、LCD(Liquid Crystal Display)パネルとバックライト筐体の間に貼着して使用される遮光性を有する粘着テープに関する。
LCDモジュール(液晶表示装置)をはじめとする表示素子は、ワープロやパソコンを始めとする広範な分野で用いられており、特に電子手帳、携帯電話、PHS等においては益々小型化された電子機器の表示装置として用いられるようになってきた。このような表示素子の中で、例えば、サイドライト型バックライト方式のLCDモジュール(略図を図に示す)は、一般に、バックライト筐体の中に反射板、導光板、拡散シート、必要に応じて使用されるプリズムシート(輝度を高める)とLCDパネルが順に積層されており、導光板の側方にランプリフレクタを設けた、LED(Light Emitting Diode)、冷陰極管等の光源が配置されている。
さらに、LCDパネルとバックライト筐体の間には遮光性の粘着テープ(通常額縁状に打ち抜かれ、その幅は通常約0.5mm〜約10mmである)が挟み込まれている。当該遮光性粘着テープは、バックライト筐体のみでなくプリズムシートにも接し、光源からの漏洩光を遮断する役割に加え、プリズムシートの下側に設置されている拡散シート等を固定する役割や、ゴミの侵入の防止やクッション性を持たせて衝撃による上記各部品の割れを防ぐ役割を併せ有している。
さらに、上記粘着テープには、光源からの漏洩光を遮断と、光を有効利用するため、遮光性と光反射性を併有することが強く求められており、薄型で遮光性と光反射性を併有するLCDモジュール用粘着テープが開示されている(特許文献1参照)。
このような遮光性粘着テープとして、支持体に光反射面と遮光面とを設けた基材と、基材の両面に設けた粘着剤層からなり、この粘着剤層が、−40〜−15℃の温度域に損失正接(tanδ)の極大値を有してなり、さらに、両面粘着テープがトリアセチルセルロースフィルム及びポリカーボネート板に対する定荷重剥離試験における剥がれ速度が100mm/時間以下のテープが提案されている。(特許文献2参照)。
当該遮光性粘着テープは、特定の粘着剤層により優れた耐落下衝撃性や耐剥がれ性を有するものであるが、当該粘着剤層が遮光層と直接積層された粘着テープにおいては、製造後の養生中に遮光層と接する粘着剤層中に微細気泡が発生する場合があった。当該気泡が発生すると、粘着テープの加工時にセパレーターを貼り替える工程があると、剥離したセパレーター表面への粘着剤の残存が生じ加工不良率が増大する場合があった。
特開2002−23663号公報 特開2006−10931号公報
本発明の課題は、耐落下衝撃性に優れ、養生後に微細気泡の発生が少ない遮光性粘着テープを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究した結果、低温域に正接損失のピーク値(tanδ)を有する耐落下衝撃性に優れた粘着剤層を使用する際に、当該粘着剤層と積層される遮光性の黒インキ層として、特定の表面形状を有する黒インキ層を使用することにより、養生時の微細な気泡の移動や集積を防止することができることを見出し、上記課題を解決した。
すなわち本発明は、樹脂フィルム層、黒インキ層および粘着剤層を有し、黒インキ層表面に粘着剤層が積層された遮光性粘着テープであって、前記黒インキ層の粘着剤層と積層される表面が、触針先端半径5μm、触針先端のテーパ角度90°の触針を有する触針式表面粗さ測定機により測定速度0.3mm/s、基準長さ5mm、測定力4mN、カットオフ値0.8mmの条件にて表面輪郭曲線を測定した際の最大断面高さ(Rt)が、流れ方向および幅方向共に3.5μm以下であり、前記粘着剤層の周波数1Hzにおける正接損失のピーク値(tanδ)が、−40℃〜0℃である遮光性粘着テープを提供するものである。
本発明の遮光性粘着テープは、優れた耐落下衝撃性を有し、かつ、養生時の気泡発生が少ない。また優れた遮光性を有するため、機器の誤作動を抑制することができる。そのため、落下衝撃が生じる恐れがあり、かつテープ形状に各種の微細加工が必要な各種表示装置用途、特に小型化されたLCDモジュール用途に好適に使用できる。
本発明の遮光性粘着テープは、樹脂フィルム層、黒インキ層および粘着剤層を有し、(少なくとも)黒インキ層表面に粘着剤層が積層された遮光性粘着テープであって、前記黒インキ層の粘着剤層と積層される表面が、触針先端半径5μm、触針先端のテーパ角度90°の触針を有する触針式表面粗さ測定機により測定速度0.3mm/s、基準長さ5mm、測定力4mN、カットオフ値0.8mmの条件にて表面輪郭曲線を測定した際の最大断面高さ(Rt)が、流れ方向および幅方向共に3.5μm以下であり、前記粘着剤層の周波数1Hzにおける正接損失のピーク値(tanδ)が、−40℃〜0℃である。
[樹脂フィルム層]
本発明に使用する樹脂フィルム層としては、粘着シートに使用される公知慣用の樹脂フィルム等を用いることができ、ポリエチレンテレフタレート(以下PET)、トリアセチルセルロース、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。特に耐熱性に優れ、低価格なポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明の遮光性粘着テープにおいては、黒インキ層を樹脂フィルム層の片面に設ける場合に、反対面を光反射性とすることで、光反射効果を得ることができ、表示装置の輝度の向上を図ることができる。このような光反射層は、特に限定されるものではないが、反射率が60%以上であることが好ましく、より好ましく80%以上、最も好ましくは90%以上である。
光反射率は、分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用い、JIS Z−8722に準じて400〜700nmの範囲の分光反射率を10nm間隔で測定し、その平均値(平均反射率)として算出する。
当該光反射層としては、白色インキ等の光反射性の層を樹脂フィルム状に形成したものであっても、市販の光反射性を有する薄いフィルムを樹脂フィルム上に積層したものであってもよい。また、樹脂フィルムとして白色樹脂フィルムを使用することで、樹脂フィルム層と光反射層とを同一層とすることもできる。
樹脂フィルム層と光反射層とを同一層とする場合には、樹脂フィルム中に白色顔料を含有した光反射性樹脂フィルムを樹脂フィルム層として使用することが好ましく、絶縁性や光拡散反射性を有する白色のPETが最も好ましい。市販されている光反射性樹脂フィルムとしては東レ製E20#38、三菱化学ポリエステルフィルム社製W400#38、帝人デュポン社製テフレックスFW2#13、3M社製ESR等が、厚みが薄く、反射性が高いため好ましい。
また、高い光反射性を得るためには、別途光反射層を設けることが好ましい。光反射層としてはアルミニウム、銀を主成分とする蒸着層を設けるのが好ましく、銀蒸着層を設けるのが最も好ましい。銀蒸着層を設ける場合は、防錆性や樹脂フィルムに対する密着性を向上させるために、銀蒸着層の上に防錆コート層を設け、樹脂フィルムと銀蒸着層との間に蒸着アンカー層を設けるのが好ましい。
樹脂フィルム上に銀蒸着層を設けた市販の銀蒸着フィルムとしては、麗光製ルイルミラー37W01、37W02、23S04や、サイチ工業製Ag−VM PET、東京中井商事製キララフレックス等が挙げられる。
樹脂フィルム層として、遮光性を向上させる目的で、遮光性を有する樹脂フィルムを使用してもよい。遮光性を有する樹脂フィルムとしては、樹脂フィルム中に黒色顔料を含有した樹脂フィルムを使用でき、なかでも黒色のポリエチレンテレフタレートが優れた遮光性を付与できるため好ましい。
樹脂フィルムの厚みとして、6〜100μmが好ましい。厚みが6μm以上の場合は、剥離時にフィルムのキレが発生しにくく、100μm以下の場合は、局面貼付時に剥がれが発生しにくい。更に好ましくは12〜50μmである。
なお、黒インキ層を積層する樹脂フィルム表面には、公知慣用の易接着処理を施すのが好ましい。その中でもコロナ処理・プラズマ処理・プライマー処理から選ばれる易接着処理が好ましい。
[黒インキ層]
本発明の遮光性粘着テープにおける黒インキ層は、黒色又は黒色に近い暗色として視認されるインキ層であり、該層単独で、あるいは樹脂フィルムとの積層によって、光の入射を抑制する遮光性の層である。
本発明に使用する黒インキ層は、粘着剤層と積層される表面が、触針先端半径5μm、触針先端のテーパ角度90°の触針を有する触針式表面粗さ測定機により測定速度0.3mm/s、基準長さ5mm、測定力4mN、カットオフ値0.8mmの条件にて表面輪郭曲線を測定した際の最大断面高さ(Rt)が、流れ方向および幅方向共に3.5μm以下、好ましくは3μm以下の黒インキ層である。本発明においては、当該黒インキ層を使用することで、粘着剤層と黒インキ層との界面において、気泡の集積が生じにくくなり、養生時の気泡発生を抑制できる。黒インキ層のRtを0.0μmにすることが好ましいが、実質0.1μm以下にすることは難しい。
また、表面輪郭曲線を測定した際の算術平均粗さ(Ra)が、流れ方向および幅方向共に0.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.4μm以下である。算術平均粗さ(Ra)が上記範囲であると、養生時の気泡発生の抑制に好適である。黒インキ層のRaを0.0μmにすることが好ましいが、実質0.1μm以下にすることは難しい。
当該触針式表面粗さ測定機としては、例えば、東京精密社製サーフコム575A、ケーエルエーテンコール社製P−11、小坂研究所製SE3500等を使用できる。表面輪郭曲線の測定は、JIS−B0651に準拠するものであり、また、Ra,RtはJIS−B0601にて規定されるものである。尚、上記範囲は東京精密社製サーフコム575Aを使用し、基準長さ5mm、触針の先端半径5μm、触針の先端角度90°、測定力4mN、カットオフ値0.8mm、測定速度0.3mm/sの条件で測定した値である。
黒インキ層の厚みとしては2〜10μmが好ましい。そのなかでも4〜6μmがより好ましい。厚みが2μm以上の場合は遮光性の著しい低下が生じにくい。10μm以下の場合は深い凹凸が出来にくく、気泡が発生しにくくなる。
黒インキ層の樹脂フィルム上への積層は、インキ組成物の印刷により積層する方法が好ましく使用できる。印刷方式としては、凸版印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の公知慣用の方式により印刷、積層が可能である。その中でも、遮光用途では、グラビア印刷方式で、2〜5回重ねて樹脂フィルム上に印刷、積層することが、ピンホールが少なくなり、好ましい。
表面粗さRa、Rtを上記範囲にするためには、例えば、通常のダイレクトグラビア印刷の工程で、粘着剤層と接する最外黒インキ層にスムージング処理を行うことでできる。スムージングの方法として、具体的には、例えば、製造時の走行方向と対向するように回転する、直径が20〜50φのスムージングロールで表面を処理することが好ましい。尚、最外層以外の層もスムージング処理しても良い。その他の方法としては、リバースグラビア印刷で複数回にわけて黒インキをコーティングする方法がある。
黒インキに使用するバインダー樹脂としては、特に限定される物ではないが、例えばポリエステル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂等があげられる。
またその中でもポリウレタン系樹脂とカーボンブラックを組み合わせることで、遮光性と、粘着剤との密着性が高度に両立できるため最も好ましい。
ポリウレタン系樹脂は、ジイソシアナート化合物とポリオール化合物及び低分子量の鎖伸長剤等の縮重合反応により得られ、分子内にウレタン結合を多数持った柔軟性、弾性に富んだ樹脂である。本発明に用いるポリウレタン系樹脂としては、質量平均分子量1,000〜500,000のものが好ましく、より好ましくは30、000〜100,000である。
本発明で好適に用いられるジイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に置換したダイマージイソシアネートなどの鎖状脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの環状脂肪族ジイソシアネート;4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネートなどのジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルテトラメチルメタンジイソシアネートなどのテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;リジンジイソシアネートなどのアミノ酸ジイソシアネートなどが挙げられる。これらのジイソシアネート化合物をはじめとする前記ポリイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
本発明で好適に用いられるポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエンポリオール類等を使用することができる。ポリエーテルポリオール類としては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合したポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。ポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA等の飽和または不飽和の低分子量グリコール類とアジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物等を脱水縮合して得られる化合物等が挙げられる。
黒インキ中に分散剤を含有することで、インキ固形分をより均一に分散させ、高い遮光性を得ることができる。分散剤としてセルロース系樹脂を使用することが好ましく、セルロース系樹脂としては、例えば、硝化綿、セルロースアセテートプロピオネートが挙げられる。樹脂の添加量としては、インキ固形分に対し、0.05〜10質量%であることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜3質量%である。
黒インキ層に使用する着色材料としては、公知慣用の顔料や染料を使用することができ、黒の場合はカーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等)以外に、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブテン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを併用して用いることができる。
着色材料の添加量としては、用途等に応じて適宜調整すればよく、インキ固形分に対して10〜70%が好ましい。より好ましくは、40〜50%である。10%以上あれば、好適に遮光性を示し、70%以下であれば、分散が良好となる。
黒インキ中には、ブロッキング防止剤を含有することで、ブロッキングによるピンホールの発生を抑制できる。ブロッキング防止剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、タルク等の粒子系ブロッキング防止剤や、ポリエチレンワックス(PEワックス)、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級脂肪酸等の有機化合物系ブロッキング防止剤を使用することが好ましい。粒子系ブロッキング防止剤はインキ層表面に凹凸を形成しインキ面と背面の接触面積を減らすことでブロッキングを防止する。一方、有機化合物系ブロッキング防止剤はインキ層表面にブリードアウトすることでブロッキングを防止する。そのため、粒子系ブロッキング防止剤と有機化合物系ブロッキング防止剤を併用することが好ましい。特に粒子系ブロッキング防止剤としては粘着剤との密着性を向上させるシリカが好ましい。また有機化合物系ブロッキング防止剤としては粘着剤との密着性を大きく低下させないPEワックスが特に好ましい。
粒子径ブロッキング防止剤の添加量としては、インキ固形分に対して1〜10質量%であることが好ましい。そのなかでも2〜7質量%がより好ましい。1質量%以上であれば好適にブロッキング防止の効果を発揮し、10質量%以下であるとインキ皮膜が脆弱化するおそれが生じにくい。一方、有機系ブロッキング防止剤の添加量としては、インキ固形分に対して1〜10質量%であることが好ましい。そのなかでも2〜7質量%がより好ましい。1質量%以上であれば好適にブロッキング防止の効果が得られ、10質量%以下であると粘着剤との密着性も良好となる。また、必要に応じてその他の各種添加剤を含有していてもよい。
[粘着剤層]
本発明の遮光性粘着テープに使用する粘着剤層には、周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルの損失正接(tanδ)の極大値(M)が−40〜0℃の領域に有するものであれば、公知の天然ゴム系粘着剤や合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤が使用でき、アクリル系共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤を好ましく使用できる。より好ましくは−40〜−15℃の領域に損失正接の極大値を有するものである。
アクリル系共重合体を構成するモノマー成分としては、一般に粘着剤用途に使用されるものを使用でき、なかでも、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート等で挙げられ、単独或いは2種以上を併用して用いることができる。中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とすることが好ましい。炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの使用量はアクリル共重合体を構成するモノマー成分中の70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
また、架橋剤と好適に架橋反応させることにより粘着剤層の凝集力を高くするために、架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマーを使用することも好ましい。架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマーとしては、特に限定されないが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有ビニルモノマーや、アミンを含有ビニルモノマー等が挙げられる。中でも、水酸基含有ビニルモノマーが好ましい。水酸基含有ビニルモノマーの使用量はアクリル共重合体を構成するモノマー成分中の0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.03〜0.5質量%であることが特に好ましい。また、水酸基含有ビニルモノマー以外の官能基を有するモノマーの含有量は、0.1〜6.0質量部であることが好ましい。
前記アクリル系共重合体は溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、超臨界重合等の公知のラジカル重合法により重合することができる。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定されるポリスチレン換算での質量平均分子量で40万〜200万、好ましくは60万〜130万である。質量平均分子量が40万以上だと、凝集力や面接着強度が向上し、一方、200万以下だと、塗工適性が向上する。
次に、性能を阻害しない範囲で粘着付与剤を添加しても良い。粘着付与剤としては、質量平均分子量が500〜1万であるアクリル系共重合体、又は重合ロジンエステルが好ましい。
また粘着剤層の凝集力を上げるために、粘着剤を架橋するのが好ましい。架橋の度合いは、その指標であるゲル分率が15〜45%であるのが好ましく、15〜40%であるのがより好ましく、15〜35%であるのが最も好ましい。粘着剤層のゲル分率が上記範囲内であると、両面粘着テープがやわらかくなって、常時負荷されているFPCの反発力に対応することができ、剥がれを生じないからである。粘着剤層のゲル分率が15%以上であると粘着剤の凝集力が向上し、加工適性が向上する。一方、45%以下であると、両面粘着テープが柔らかくなり、剥がれてしまうことを防止できる。
ここで、ゲル分率とは、両面粘着テープをトルエン中に24時間浸漬した際の、残留ゲル物の質量を浸漬前の質量で除し百分率で示した値である。
粘着剤を架橋させる方法は従来公知の方法が使用できるが、粘着剤に架橋剤を添加することにより架橋させるのが好ましい。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系等が挙げられる。そのなかでも、アクリル系共重合体の成分との反応性に富むイソシアネート系架橋剤が好ましい。
(粘着剤の弾性率、損失正接)
本発明の遮光性粘着テープに使用する粘着剤層の、周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルの損失正接は、85℃下で0.5〜1.0である。好ましくは0.6〜0.9である。損失正接の値が0.5以上であると、粘着剤が柔らかくなり、耐落下衝撃性が向上する。一方、1.0以下であると、粘着剤が硬くなり、高温でLCDモジュールの剥がれを抑制しやすくなる。
また本発明の遮光性粘着テープに使用する粘着剤の貯蔵弾性率は、85℃下で6000〜20000Paである。好ましくは8000〜17000Paである。貯蔵弾性率が6000Pa以上であると、粘着剤が硬くなり、耐落下衝撃性が向上する。20000Pa以下であると、粘着剤が柔らかくなり、LCDモジュールの剥がれを抑制しやすくなる。
本発明における粘着剤層の動的粘弾性は、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzでの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定し、損失正接はtanδ=(G”)/(G’)で表される式により算出される。試験片は厚み0.5〜2.5mmの粘着剤を単独で平行円盤の間に挟んでも良いが、基材と粘着剤の積層体を幾重にも重ねて平行円盤の間に挟んでも良い。なお、後者の場合は粘着剤のみの厚さが前記の範囲となるように調整する。粘着剤としての厚さを上記の範囲に調整すると、中間に基材が挟まっていても基材のない場合と同様に粘着剤の動的粘弾性スペクトルを測定できる。
また、粘着剤には、必要に応じて性能を阻害しない範囲で各種添加剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、増粘剤等を添加してもよい。
粘着剤層の厚みは、5〜50μmが好ましく、さらに好ましくは、10〜30μmである。5μm以上であれば、充分な接着性を得ることができ、また、50μm以下とすることで軽薄短小化の進む表示装置等に好適に適用できる。
本発明の遮光性粘着テープに使用される粘着剤層用塗工溶液(粘着剤溶液)は、上記粘着剤、必要に応じその他の添加剤を、有機溶媒に溶解させて調製することができる。有機溶媒としては、上記配合成分が溶解し架橋剤の官能基と反応しないものであれば、特に限定されるものではないが、酢酸エチル、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン等公知慣用の有機溶剤を単独で、あるいは混合して使用することができる。そのなかでも、酢酸エチル、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
粘着剤層は、粘着テープの塗布に一般的に使用されている方法で、樹脂フィルムや黒インキ層上に形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤層を形成する粘着剤溶液を樹脂フィルムや黒インキ層に直接塗布し、乾燥する方法、或いは、いったんセパレーター上に塗布し、乾燥後、樹脂フィルムや黒インキ層に貼り合わせる方法で形成できる。
さらに粘着剤層を樹脂フィルムや黒インキ層に積層した後、架橋剤とアクリル系共重合体を反応させるため、一定温度で一定時間養生させる。養生させる温度としては10℃以上40℃以下が好ましい。そのなかでも20℃以上30℃以下が好ましい。40℃以下の場合は気泡が集積しにくく、10℃以上の場合は反応が短時間で終了するため、好ましい。
[遮光性粘着テープ]
本発明の遮光性粘着テープは、上記した黒インキ層を有する基材と粘着剤とを使用することにより、優れた耐落下衝撃性を有し、さらに養生後に微細気泡が発生しない。
本発明の遮光性粘着テープの実施形態としては、樹脂フィルムと粘着剤層との間に黒インキ層を有する構成であればよい。具体的には、図1に示したような、樹脂フィルムの一面のみに黒インキ層と粘着剤層とを有する実施形態や、図2に示したような、樹脂フィルムの一面に黒インキ層と粘着剤層とを有し、他面に粘着剤層を有する形態などが例示できる。また、図3に示したような、樹脂フィルムの両面に黒インキ層と粘着剤層とを有する実施形態であってもよい。また図4に示したような、光反射性樹脂フィルムの片面に反射層と黒インキ層を積層した支持体の両面に粘着剤層を設けた実施形態であってもよい。これら態様は使用用途によって適宜選択すればよい。
なお、粘着剤層は単層の粘着剤の層であっても良いが、両面粘着テープのような複数の粘着剤の層及びシートからなる多層であっても良い。二以上の部材固定用途においては、両面粘着テープが好適に使用できる。
本発明の遮光性粘着テープの厚みは、20〜100μmであることが好ましく、30〜75μmであることがより好ましい。中でも、40〜65μmであることが特に好ましい。厚みが当該範囲のものは、耐衝撃性・耐はがれに優れるため、表示装置用、特にLCDモジュール用として好適に使用できる。
本発明の遮光性粘着テープの180度引き剥がし接着力は、2〜15N/10mmが好ましく、5〜15N/10mmがより好ましい。2N/10mm以上であると、遮光性粘着テープ単独で部材を固定するときに部材からのハガレを抑制でき、15N/10mm以下であると、テープにリワーク性を持たせることができる。
本発明の遮光性粘着テープは、光入射による誤作動を抑制するために、10000cd/mの光を照射した時の光透過量が1cd/m以下であることが好ましい。より好ましくは0.1cd/m以下である。例えば、10000cd/mのライトボックスとしては、例えば、電通産業(株)製フラットイルミネーターHF−SL−A48LCGが使用できる。輝度計としては、例えば、(株)アイ・システム製アイスケール3、アイスケール4及び、(株)トプコンテクノハウス製BM−5A、BM−7、BM−9等が使用できる。
(LCDモジュールでの使用方法)
本発明の遮光性粘着テープは、優れた耐落下衝撃性を有しているため、各種表示装置用に適しており、特にLCDモジュール用の遮光性粘着テープとして好適である。
また、本発明の遮光性粘着テープは、優れた遮光性と接着性を実現できるため、LCDパネルとバックライト筐体とを有するLCDモジュールの、LCDパネルとバックライト筐体の間の貼着用として好適である。このような、LCDモジュールとしては、例えば、サイドライト方バックライト方式のLCDモジュールなどが挙げられる。
本発明の遮光性粘着テープを使用したLCDモジュールは、優れた耐落下衝撃性を有しているため信頼性が高く、また気泡による不良率が少なくコストに優れる。また、光反射層を有する本発明の遮光性粘着テープを、遮光性の黒インキ層側がLCDパネル側に向き、光反射層側がバックライト筐体側に向くよう貼付したLCDモジュールは、優れた輝度を実現できる。
サイドライト型バックライト方式の一般的な構成としては、図5(100)に示したように、バックライト筐体14の中に反射板13、導光板12、拡散シート11、必要に応じて使用されるプリズムシート10(輝度を高める)とLCDパネル15が順に積層されており、導光板の側方にランプリフレクタを設けた、LED(Light Emitting Diode)、冷陰極管等の光源11が配置された構成である。本発明の遮光性粘着テープは、LCDパネル15とバックライト筐体14の間に額縁状に打ち抜かれて挟み込まれた態様を好ましい態様として例示できる。
本発明の遮光性粘着シートは、周辺機器の誤作動を抑制でき、信頼性が高い製品を与えることから、電子手帳、携帯電話、PHS等の小型化された電子機器の表示装置用として好適に使用でき、該遮光性粘着シートを含有するLCDモジュールは、これら電子機器用途に好適に使用できる。
以下に実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下に表示する部は、質量部である。
[粘着剤の調製]
(アクリル系共重合体1の調製)
攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート44.9部、2−エチルヘキシルアクリレート50部、アクリル酸2部、酢酸ビニル3部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1部、重合開始剤として2,2'−アゾビスイソブチルニトリル0.1部とを、酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、これを80℃で8時間重合して、質量平均分子量80万のアクリル系共重合体1溶液を得た。
(アクリル系粘着剤組成物Aの調製)
上記アクリル系共重合体1を100部、荒川化学工業製「ペンセルD135」(登録商標)(粘着付与剤、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)10部を、トルエンを加えて均一に混合して、不揮発分45%のアクリル系粘着剤組成物Aを得た。
(アクリル系共重合体2の調製)
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート93部、酢酸ビニル3.4部、アクリル酸3.5部、β−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して質量平均分子量80万のアクリル系共重合体2を得た。
(アクリル系粘着剤組成物Bの調製)
上記アクリル系共重合体2を100部、荒川化学社製「スーパーエステルA100」を10部、及び荒川化学工業製「ペンセルD135」10部を、トルエンを加えて均一に混合して、不揮発分40%のアクリル系粘着剤組成物Bを得た。
(アクリル系共重合体3の調製)
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート92.8部、酢酸ビニル5部、アクリル酸2部、β−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して質量平均分子量80万のアクリル系共重合体3を得た。
(アクリル系粘着剤組成物Cの調製)
上記アクリル系共重合体3を100部、荒川化学社製「スーパーエステルA100」を20部、及び三井石油化学工業社製「FTR6100」20部を、トルエンを加えて均一に混合して、不揮発分40%のアクリル系粘着剤組成物Cを得た。
(光反射層となる白インキの調製)
大日本インキ化学工業社製白色インキ「パナシアCVL−SP709白」(塩化ビニル・酢酸ビニル系)100部に、大日本インキ化学工業社製「CVLハードナーNo.10」を2部、大日本インキ化学工業社製「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して白インキを調製した。
(遮光性の黒インキ層となる黒インキの調製)
大日本インキ化学工業社製スミインキ「パナシアCVL−SP805スミ」(塩化ビニル・酢酸ビニル系)100部に、大日本インキ化学工業社製「CVLハードナーNo.10」を4部、大日本インキ化学工業社製「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して黒インキを調製した。
[基材の作製1]
帝人デュポンフィルム社製白PETフィルム「テフレックスFW2#13」(登録商標)を、濡れ張力が5×10−4N/cmとなるようにコロナ処理し、このコロナ処理面に白インキを乾燥厚みが2μmになるよう2回グラビアコートした。
次いで、白インキ層の上に黒インキを乾燥厚みが4μmになるよう3回グラビアコートを行い、その直後に、作製時の走行方向と対向するように回転する20φの小径スムージングロールをあてて、スムージングを行った。さらに、これを40℃で2日間養生し、黒インキ層を有する厚さ19μmのインキコートフィルム(a)を得た。
[基材の作製2]
帝人デュポンフィルム社製白PETフィルム「テフレックスFW2#13」(登録商標)の代わりに、麗光社製銀(Ag)蒸着PET「ルイルミラー37W01W」(登録商標)を使用した以外は、インキコートフィルム(a)と同様にして、厚さ48μmのインキコートフィルム(b)を得た。
[基材の作製3]
黒インキコート後にインキ表面にスムージングロールを使用せず、スムージングを行わなかったこと以外は、インキコートフィルム(a)と同様にして、厚さ19μmのインキコートフィルム(c)を得た。
上記で得られたインキコートフィルム(a)〜(c)について以下に最大断面高さ(Rt)と算術平均高さ(Ra)の測定を行った。得られた結果を表1に示す。
(Rt、Raの測定)
上記で得られたインキコートフィルムを、JIS−B0651(2001)に従って、表面形状解析装置(東京精密社製、サーフコム575A)を用い、触針先端半径5μm、触針先端のテーパ角度90°、測定力4mN、カットオフ値0.8mm、測定速度0.3mm/s、基準長さ5mmの条件にて表面輪郭曲線を測定した際の最大断面高さ(Rt)と算術平均粗さ(Ra)を測定した。
Figure 2009084364
(両面粘着テープの調製)
[実施例1]
上記のアクリル系粘着剤組成物A100部に対し、日本ポリウレタン社製「コロネートL−45」(イソシアネート系架橋剤、固形分45%)を、1.1部添加した。 次いで、15分攪拌後、離型処理した厚さ75μmのPETフィルム上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工して、85℃で3分間乾燥し粘着テープを得た。 次に、上記インキコートフィルム(a)の両面に、この粘着テープ2枚を貼り合わせ、表面温度80℃、線圧2N/cmの熱ロールでラミネートした。その後、40℃で2日間養生し、厚さ59μmの両面粘着テープ(A)を得た。
[実施例2]
インキコートフィルム(a)をインキコートフィルム(b)に変更した以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープ(B)を得た。
[実施例3]
アクリル系粘着剤組成物Aの代わりにアクリル系粘着剤組成物Bを、「コロネートL−45」の配合量を1.1部を1.2部にした以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープ(C)を得た。
[比較例1]
インキコートフィルム(a)をインキコートフィルム(c)に変更した以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープ(D)を得た。
[比較例2]
アクリル系粘着剤組成物Aの代わりにアクリル系粘着剤組成物Cを、「コロネートL−45」の配合量を1.1部を1.5部にした以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープ(E)を得た。
上記実施例、及び比較例にて得られた両面粘着テープについて、以下に示す方法により、気泡の有無、損失正接の極大値の温度、85℃の粘着剤の弾性率、85℃の粘着剤の損失正接、遮光性、接着力、耐落下衝撃性を評価し、得られた結果を表2に示した。
(気泡の有無)
各実施例及び比較例で作製した両面粘着テープの長さ100mm×幅100mmに切り取り、該テープの遮光面側のセパレーターを剥がした後に、マイクロスコープ(Hirox社製、HI−SCOPE KH−2700)を用いて倍率50倍で遮光面側を観察し、粘着剤層からの気泡の発生の有無を評価した。
○:最大径が0.05mm以上の気泡発生なし
△:最大径が0.05mm〜を越え、0.1mm四方未満の大きさの気泡発生あり
×:最大径が0.1mm四方以上の大きさの気泡発生あり
(表面観察)
マイクロスコープ(Hirox社製、HI−SCOPE KH−2700)により、実施例1及び比較例1の両面粘着テープの黒インキ層側表面を倍率50倍で観察した結果を、図10及び図11に示す。なお、図中のスケールバーは0.1mmである。
(動的粘弾性の測定)
40℃2日養生した粘着剤を、粘着剤のみで2mm厚まで重ね合わせた試験片を粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、直径7.9mmの平行円盤形の測定部に試験片を挟み込み、周波数1Hz、昇温時間1℃/1分の条件で−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。
損失正接tanδ=G”/G’
(ライトボックスによるテープの遮光性評価)
電通産業(株)製ライトボックス「フラットイルミネーターHF−SL−A48LCG」が10000cd/mになるよう調整し、その上に遮光性粘着テープを置き、遮光性粘着テープを透過する光を(株)アイ・システム製輝度計「アイスケール3」で測定した。
(接着力の測定)
接着力はJIS−Z0237(2000)の180度引き剥がし接着力の試験方法に従って下記の手順により求めた。ステンレス板にポリエステルフィルム25μmで裏打ちした20mm幅の実施例及び比較例の粘着テープを、環境温度23℃、湿度50%の条件下において、2kgのローラーで1往復加圧貼付し1時間放置後、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、同一の温度湿度条件下で300mm/minの速度で引っ張って、180度引き剥がし接着力を測定した。
(耐落下衝撃性の測定)
(i)23℃条件下、厚さ2mm、長さ50mm、幅50mmのPC板22に、長さ5mm、幅40mmの2枚の実施例1〜3及び比較例1、2の各両面粘着テープ21を、図6に示すように、40mmの間隔をあけて平行に貼付した。図6は、耐落下衝撃試験1に用いる試験片である本発明の両面粘着テープ付きPC板の平面図である。
(ii)厚さ2mm、長さ150mm、幅100mmのPC/ABS板に、住友化学工業社製ハイルミナンスSRグレードを貼付した板23を用意し、図7に示すように、(i)で作製した両面粘着テープ21付きPC板22を貼付し、2kgローラー1往復加圧した後、23℃下で1時間静置した。図7は、ハイルミナンスSRグレード貼付済みPC/ABS板に、図3に示したPC板を貼付した概略平面図である。
(iii)デュポン衝撃試験機(テスター産業株式会社製)の台座の上に、長さ150mm、幅100mm、高さ45mmのコの字形測定台24(厚さ5mmのアルミ製)を設置し、図8に示すように、その上に(ii)で作製した板23を、PC板22が下側になるように載置した。図8は、コの字形測定台の上に、図7に示した板23を、PC板22が下側になるように載置した測定台の概略底面図である。
次いで、図9に示すように、板23の上側から、直径25mm、質量300gのステンレス製の撃芯26(先端径12.7mm)を、高さ100mmの位置から落下させた。板23の中心部25に衝撃を加えて、衝撃が加えられている面とは反対側に貼付されているPC板22が、脱落するか否か評価した。脱落しなかった場合は、撃芯26の高さを100mmずつ上昇させて、再度衝撃試験を行い、最終的には、脱落するまでの撃芯26の高さを測定した。図9は、耐落下衝撃試験1の測定方法を示す概念断面図である。なお、撃芯26を500mmの高さから落下させても脱落しない場合は、「500<」と表示した。
Figure 2009084364
表2に示した結果から明らかなように、実施例1、2、3の両面粘着テープは、養生終了後に粘着剤層から気泡が発生せず、耐落下衝撃性も有する。
一方、比較例1の両面粘着テープは、実施例のものより表面平滑性の劣る基材を用いているため、養生終了後に粘着剤層から気泡が発生する。また比較例2の両面テープは、比較例1のものより気泡発生が少ないが、耐落下衝撃性が劣る。
樹脂フィルム1と黒インキ層2を積層した支持体3の黒インキ層2側に粘着剤層4を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 樹脂フィルム1と黒インキ層2を積層した支持体3の両面に粘着剤層4を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 樹脂フィルム1の両面に黒インキ層2を積層した支持体3の両面に粘着剤層4を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 光反射性樹脂フィルム5の片面に反射層6と黒インキ層2を積層した支持体3の両面に粘着剤層4を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 粘着テープ8を使用してLCDパネル15等の各部品をバックライト筐体14に固定したLCDモジュールの概念的概略断面図である。 耐落下衝撃試験1に用いる試験片である本発明の両面粘着テープ付きPC板の平面図である。 ハイルミナンスSRグレード貼付済みPC/ABS板に、図3に示したPC板を貼付した概略平面図である。 コの字形測定台の上に、図4に示した板8を、PC板7が下側になるように載置した測定台の概略底面図である。 耐落下衝撃試験1の測定方法を示す概念断面図である。 実施例1の両面粘着テープの黒インキ層側表面を、マイクロスコープを用いて倍率50倍で観察した表面観察結果である。 比較例1の両面粘着テープの黒インキ層側表面を、マイクロスコープを用いて倍率50倍で観察した表面観察結果である。
符号の説明
1:樹脂フィルム
2:黒インキ層
3:支持体
4:粘着層
5:光反射性樹脂フィルム
6:光反射層
7:ドライバー
8:粘着テープ
9:プリズムシート
10:拡散シート
11:光源
12:導光板
13:反射板
14:バックライト筐体
15:LCDパネル
21:両面粘着テープ

Claims (6)

  1. 樹脂フィルム層、黒インキ層および粘着剤層を有し、黒インキ層表面に粘着剤層が積層された遮光性粘着テープであって、
    前記黒インキ層の粘着剤層と積層される表面が、触針先端半径5μm、触針先端のテーパ角度90°の触針により、測定速度0.3mm/s、基準長さ5mm、測定力4mN、カットオフ値0.8mmの条件にて表面輪郭曲線を測定した最大断面高さ(Rt)が、流れ方向および幅方向共に3.5μm以下であり、
    前記粘着剤層の周波数1Hzにおける正接損失のピーク値(tanδ)が、−40℃〜0℃であることを特徴とする遮光性粘着テープ。
  2. 前記黒インキ層の粘着剤層と積層される表面の算術平均粗さ(Ra)が、流れ方向および幅方向共に0.5μm以下である請求項1に記載の遮光性粘着テープ。
  3. 前記粘着剤層の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルの85℃の損失正接が0.5〜1.0であり、85℃の貯蔵弾性率が6000〜20000Paである請求項1又は2に記載の遮光性粘着テープ。
  4. 10000cd/mの光を照射した時の光透過量が1cd/m以下である請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  5. 前記黒インキ層の厚みが2〜10μmである請求項1〜4のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  6. LCDパネルとバックライト筐体とを有するLCDモジュールであって、前記LCDパネルと前記バックライト筐体とが、請求項1〜5のいずれかに記載の遮光性粘着テープで貼着されたことを特徴とするLCDモジュール。
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