JP2011137133A - 隠蔽性粘着フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 白色基材の片面に粘着剤層を有し、樹脂フィルムと粘着剤層との間に隠蔽層が設けられた粘着フィルムであって、隠蔽層のハロゲン含有量が0.3質量%以下であり、インキ層からなる隠蔽層に使用するインキ組成物が、バインダー樹脂としてtanδのピーク温度が−30〜30℃のポリエステルウレタン樹脂を含有し、硬化剤としてイソシアネート系硬化剤を含有する隠蔽性粘着フィルムにより、高温時にインキが流動しにくく、高温時にもインキと粘着剤の間で優れた密着性を確保でき、リワーク時に高速で剥がした際にも隠蔽層が比較的柔軟な架橋構造を有し、クラックが入りにくく、優れたリワーク性を実現できる。
【選択図】 図3
Description
前記隠蔽層のハロゲン含有量が0.3質量%以下であり、前記隠蔽層がインキ層からなり、前記インキ層に使用するインキ組成物が、バインダー樹脂として周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定されるtanδのピーク温度が−30〜30℃のポリエステルウレタン樹脂を含有し、硬化剤としてイソシアネート系硬化剤を含有することを特徴とする。
(ハロゲン含有量)
本発明の隠蔽性粘着フィルムに使用する白色基材は、ハロゲン含有量が0.3質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、ハロゲンを実質的に含有しないものが特に好ましい。ここで、ハロゲン含有量は、蛍光X線で分析したときの検出量である。たとえば、蛍光X線の分析装置としてはRigaku社製「ZSX Primus」、「ZSX PrimusII」等が挙げられる。
(ハロゲン含有量)
本発明の隠蔽性粘着フィルムに使用する粘着剤は、ハロゲン含有量が0.3質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、ハロゲンを実質的に含有しないものが特に好ましい。ここで、ハロゲン含有量は、蛍光X線で分析したときの検出量である。たとえば、蛍光X線の分析装置としてはRigaku社製「ZSX Primus」、「ZSX PrimusII」等が挙げられる。
本発明の隠蔽性粘着フィルムに使用する隠蔽層は、薄膜を容易に形成できるインキ層からなり、隠蔽性を確保できるものであれば特に制限されないが、高隠蔽性を確保できることから黒色の着色剤を含有する黒色インキ層が好ましい。
本発明の隠蔽性粘着フィルムにおける隠蔽層は、ハロゲン含有量が0.3質量%以下である。好ましくは0.05質量%以下であり、ハロゲンを実質的に含有しないものが特に好ましい。ここで、ハロゲン含有量は、蛍光X線で分析したときの検出量である。たとえば、蛍光X線の分析装置としてはRigaku社製「ZSX Primus」、「ZSX PrimusII」等が挙げられる。
隠蔽層に使用するインキのバインダー樹脂は周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定されるtanδのピーク温度が−30〜30℃のポリエステルウレタン樹脂である。
バーコーターにてポリエステルウレタン樹脂を厚さ50μmに製膜する。次に試料長さ20mmにカットした試験片(試料長20mm、膜厚50μ)を粘弾性試験機を用いて、周波数1Hz、昇温時間3℃/1分の条件で−150℃から250℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。損失正接tanδは、以下の計算式より算出する。
損失正接tanδ=G”/G’
粘弾性試験機としては例えば、セイコーインスツル社製DMS210、DMS220、DMS6100等があげられる。
隠蔽層に使用するインキは、当該インキにより幅10μm、厚みが40μmのシート状サンプルを形成した際に、その弾性率が0.5GPa〜1.5GPaとなるインキであることが好ましい。さらに好ましくは0.6GPa〜1.2GPaであり、最も好ましくは0.7GPa〜1.1GPaである。0.5GPa未満では、高温でインキが流動し、インキと粘着剤の界面でハガレが発生しやすい。1.5GPaではインキが硬くなり過ぎ、インキが脆くなり高速で剥がす際にテープのチギレが発生しやすい。なお、シート状サンプルの弾性率は温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて引張速度300/minで測定した値である。
隠蔽層に使用するインキは、幅10μm、40μmの厚みとしたシート状サンプルの引張強度10MPaでの引張方向への伸び率が0.5〜15%となるインキである。好ましくは0.5〜5%あり、より好ましくは0.5〜3%である。0.5%未満ではインキが硬くなり過ぎ、インキが脆くなり高速で剥がす際にテープがちぎれやすい。15%を超えるとインキが流動し、インキと粘着剤の界面でハガレが発生する。なお、シート状サンプルの弾性率は温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて引張速度300/minで測定した値である。
また、隠蔽層に使用するインキは、幅10μm、40μmの厚みとしたシート状サンプルの引張破断強度は15〜50MPaであることが好ましい。さらに好ましくは21MPa〜30MPaである。なお、シート状サンプルの弾性率は温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて引張速度300/minで測定した値である。
隠蔽層に使用するインキは、幅10μm、40μmの厚みとしたシート状サンプルの引張破断伸度は10〜70%であることが好ましい。さらに好ましくは20〜50%である。なお、シート状サンプルの弾性率は温度23℃、湿度50%の条件下で標線間隔100mmにて引張速度300/minで測定した値である。
(ハロゲン含有量)
本発明の隠蔽性粘着フィルムは、ハロゲン含有量が0.3質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以下であり、ハロゲンを実質的に含有しないものが特に好ましい。ここで、ハロゲン含有量は、蛍光X線で分析したときの検出量である。たとえば、蛍光X線の分析装置としてはRigaku社製「ZSX Primus」、「ZSX PrimusII」等が挙げられる。
本発明の隠蔽性粘着フィルムは、白色基材の片面に粘着剤層を有し、樹脂フィルムと粘着剤層の間に隠蔽層を設けた構成を有する。具体的な構成例としては、例えば、白色基材として白色樹脂フィルムを使用し、当該白色樹脂フィルムと粘着剤の間に隠蔽層を設けた構成が例示できる(図1)。また、白色基材として白色樹脂フィルムの片面に白色コート層を有する白色コートフィルムを使用し、当該白色コートフィルムの白色コート層上に隠蔽層を設け、当該隠蔽層上に粘着剤層を設けた構成も好ましく例示できる(図2)。さらに、片側に白色コート層を有する白色コートフィルムの白色コート層と反対の表面に隠蔽層を有し、当該隠蔽層上に粘着剤層を有する構成も例示できる(図3)。これらの構成のなかでも図3の構成は、染料インキが透過しにくく、隠蔽性に優れる。
本発明の隠蔽性粘着フィルムは、白色基材に少なくとも隠蔽層と粘着剤層とを積層することで得ることができる。隠蔽層に黒色インキを使用する場合には、樹脂フィルムへの黒色インキの塗工は公知の方法で行われる。例えば、ナイフコーター、グラビアコーター、ロールコーター等を使用して塗工することができる。好ましくは、グラビアコーターである。塗工する際には、一度に所定厚さのインキを塗工すると乾燥が不十分となりロール状に巻いた後にブロッキングが発生しやすい。そのため、インキを数回に分けて重ね塗りして規定厚さにすることが好ましい。白色度を向上させるために白色基材の白色コート層を白色インキにより形成する場合にも同様の塗工方法により層形成が可能である。
上記のとおり本発明の隠蔽性粘着フィルムは、薄い基材を使用していながら、下地の模様を表面に透過させない高隠蔽性を示す。また、薄い基材を使用しても印刷ラベル加工時の打ち抜き、カス上げ作業の際に粘着剤のはみ出しが発生しにくく、角から角までの距離が短く貼付面積が小さい筐体面に貼付した場合でも剥がれが発生しにくい。このため、携帯電話などのモバイル電子機器に使用される電子部品等に貼付される表示ラベルとして有用に使用できる。
(ポリエステルウレタン樹脂A)
攪拌機,温度計,還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸/テレフタル酸=50/50なる酸成分と3−メチル−1,5ペンタンジオールから得られる数平均分子量(以下Mnという)2,000のポリエステルジオール256.3部とイソホロンジイソシアネート36.5部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン5.0部、ジ−n−ブチルアミン2.2部、トルエン175部、メチルエチルケトン350部、イソプロピレンアルコール175部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度30.0%、ガードナー粘度U−V(25℃)、アミン価=0、質量平均分子量(以下Mwという)67,000のポリエステルウレタン樹脂Aを得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は−8℃であった。
攪拌機,温度計,還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸とネオペンチルグリコールから得られるMn=1,000のポリエステルジオール223.1部とイソホロンジイソシアネート64.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン11.3部、ジ−n−ブチルアミン1.2部、トルエン175部、酢酸エチル315部、イソプロピレンアルコール210部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度30.0%、ガードナー粘度S−T(25℃)、アミン価=0.5、Mw=100,000のポリエステルウレタン樹脂Bを得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は−20℃であった。
攪拌機,温度計,還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸/テレフタル酸=10/90なる酸成分と3−メチル−1,5ペンタンジオールから得られるMn=2,000のポリエステルジオール229.8部とイソホロンジイソシアネート50.5部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン17.5部、ジ−n−ブチルアミン2.1部、トルエン175部、メチルエチルケトン350部、イソプロピレンアルコール175部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度29.0%、ガードナー粘度U−V(25℃)、アミン価=0、Mw=70,000のポリエステルウレタン樹脂Cを得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は+28℃であった。
攪拌機,温度計,還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにテレフタル酸と3−メチル−1,5ペンタンジオールから得られるMn=2,000のポリエステルジオール229.8部とイソホロンジイソシアネート50.5部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン17.5部、ジ−n−ブチルアミン2.1部、トルエン175部、メチルエチルケトン350部、イソプロピレンアルコール175部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度29.0%、ガードナー粘度U−V(25℃)、アミン価=0、Mw=70,000のポリエステルウレタン樹脂Dを得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は+35℃であった。
バーコーターにてポリエステルウレタン樹脂を厚さ50μmに製膜する。次に試料長さ20mmにカットした試験片(試料長20mm、膜厚50μ)を粘弾性試験機(セイコーインスツル社製、商品名:DMS210)を用いて、周波数1Hz、昇温時間3℃/1分の条件で−150℃から250℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。
損失正接tanδ=G”/G’
デグサ社製「カーボンデグサスペシャル4A」を4部、デグサ社製「カーボンスペシャル250P」6部、ポリエステルウレタン樹脂A(tanδピーク温度=−8℃)を40部、メチルエチルケトンを23部、トルエンを13部、酢酸エチルを6部、N−プロピルアセテートを3部、イソプロピルアルコール3部を添加し、サンドミルで約1時間湿式分散した物に、DIC社製硬化剤「KR90」(ヘキサメチレンジジイソシアネートのビウレット体)を4部、DIC社製希釈剤「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して黒色インキAを作成した。なお、樹脂は固形分比を表す。
製造例1のポリエステルウレタン樹脂Aの代わりにポリエステルウレタン樹脂B(ポリエステルウレタン樹脂、tanδピーク温度=−20℃)を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキBを作成した。
製造例1のポリエステルウレタン樹脂Aの代わりにポリエステルウレタン樹脂C(ポリエステルウレタン樹脂、tanδピーク温度=+28℃)を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキCを作成した。
製造例1の硬化剤「KR90」の代わりに、DIC社製「XS−100ハードナー」(トリレンジイソシアネートのアダクト体)を3部添加して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキDを作成した。
製造例1のポリエステルウレタン樹脂Aの代わりにポリエステルウレタン樹脂D(ポリエステルウレタン樹脂、tanδピーク温度=+35℃)を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキEを作成した。
製造例1のポリエステルウレタン樹脂Aの代わりに荒川化学社製「KL−564」(ポリエステルウレタン樹脂、tanδピーク温度=−41℃)を、DIC社製硬化剤「KR90」の代わりにDIC社製硬化剤「CVLハードナーN0.10」を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキFを作成した。
塩酢ビ系樹脂インキDIC社製「パナシアCVL−SP805墨」100部に、DIC社製「CVLハードナーNo.10」を4部、DIC社製「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して黒色インキGを調整した。
テイカ社製「チタニックスJR−805」30部、ポリエステルウレタン樹脂A(tanδピーク温度=−8℃)を40部、メチルエチルケトンを23部、トルエンを13部、酢酸エチルを6部、N−プロピルアセテートを3部、イソプロピルアルコール3部を添加し、サンドミルで約1時間湿式分散した物に、DIC社製硬化剤「KR90」(ヘキサメチレンジジイソシアネートのビウレット体)を4部、DIC社製希釈剤「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して白色インキWを作成した。なお、樹脂は固形分比を表す。
東洋紡製ポリエステル系合成樹脂フィルム「G2311(25μm)」(白色発泡PET)の非易接コート面に乾燥後の塗工量が3.0g/m2となるようグラビアコーターにて白色インキWを塗布した。さらに反対面であるG2311(25μm)の非易接コート面に乾燥後の塗工量が3.0g/m2となるようグラビアコーターにて黒インキAを塗布し、基材Aを得た。
東洋紡製ポリエステル系合成樹脂フィルム「クリスパーG2311(25μm)」の易接コート面に乾燥後の塗工量が3.0g/m2となるようグラビアコーターにて白色インキWを塗布した。さらにその白インキ層の上に乾燥後の塗工量が3.0g/m2となるようグラビアコーターにて黒インキAを塗布し、基材A’を得た。
黒インキAの代わりに黒インキBを使用したこと以外は基材Aと同様にして基材Bを作製した。
黒インキAの代わりに黒インキCを使用したこと以外は基材Aと同様にして基材Cを作製した。
黒インキAの代わりに黒インキDを使用したこと以外は基材Aと同様にして基材Dを作製した。
黒インキAの代わりに黒インキEを使用したこと以外は基材Aと同様にして基材Dを作製した。
黒インキAの代わりに黒インキFを使用したこと以外は基材Aと同様にして基材Fを作製した。
黒インキAの代わりに黒インキGを使用したこと以外は基材A’と同様にして基材Gを作製した。
東レ製ポリエステルフィルム「E20(38μm)」(白色未発泡PET)に乾燥後の塗工量が3.0g/m2となるようグラビアコーターにて白色インキWを塗布した。さらに反対面に乾燥後の塗工量が3.0g/m2となるようグラビアコーターにて黒インキAを塗布し、基材Hを得た。
黒インキAの代わりに黒インキBを使用したこと以外は基材Hと同様にして基材Jを作製した。
黒インキAの代わりに黒インキCを使用したこと以外は基材Hと同様にして基材Kを作製した。
黒インキAの代わりに黒インキDを使用したこと以外は基材Hと同様にして基材Lを作製した。
[粘着剤a]
攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート92.9部、酢酸ビニル5部、アクリル酸2.0部、β−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部と重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2部を酢酸エチル100部に溶解し、80℃で8時間重合して、質量平均分子量50万のアクリル共重合体溶液を得た。次に、前記アクリル共重合体溶液の固形分100部に対して重合ロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学社製「D135」)を5部、不均化ロジンエステル(荒川化学社製「A100」)添加し、酢酸エチルを加えて均一に混合して固形分45%の粘着剤主剤aを得た。粘着剤主剤b100部に、イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製「バーノックNC−40」)を1.5部添加し、15分間攪拌して粘着剤aを得た。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、脱イオン水270質量部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温し、撹拌しながらラテムルE−118B(花王社製)を0.8質量部、過硫酸カリウムを0.1質量部添加した。続いて2−エチルヘキシルアクリレートが296質量部、スチレンが56質量部、メチルアクリレートが20質量部、メチルメタクリレートが20質量部、メタクリル酸が8質量部、N−メチロールアクリルアミドが2質量部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118Bを32質量部と脱イオン水を80質量部加えて乳化させたモノマープレエマルジョンの一部(4質量部)を添加し、反応容器温度を75℃に保ちながら60分間重合させた。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン509質量部と過硫酸カリウムの水溶液(有効成分1質量%)60質量部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分間かけて滴下して重合させた。滴下終了後、同温度にて180分間撹拌し、共重合体を冷却した。次いで、この共重合体に、粘着付与樹脂としてスーパーエステルE−650(荒川化学社製)を添加し(固形分比で、共重合体/粘着付与樹脂=100/15)、60分間撹拌した。その後、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10質量%)でこれらを調製し、100メッシュ金網で濾過して粘着剤bを得た。
ポリエチレン樹脂20g/m2を片面に溶融押し出しラミネートしたグラシン紙のポリエチレンラミネート側表面にシリコーン化合物の剥離層を形成した剥離ライナーに、粘着剤aを塗工して90℃で90秒間乾燥し乾燥重量20g/m2の粘着剤層を形成した。基材Aの黒色面側と粘着剤層とを貼り合わせることにより、粘着フィルムを作製し、得られた粘着フィルムは40℃で2日間養生した。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.70であり、損失正接のピーク温度は−8℃だった。ゲル分率は45%であった。
粘着剤aの代わりに粘着剤bを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2の粘着フィルムを作製した。尚、粘着剤の85℃の損失正接は0.45であり、損失正接のピーク温度は−10℃だった。ゲル分率は50%であった
基材Aの代わりに基材A’を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例3の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Bを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例4の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Cを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例5の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Dを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例6の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Hを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例7の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Hを使用した以外は、実施例2と同様にして実施例8の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Jを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例9の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Kを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例10の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Lを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例11の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Eを使用した以外は、実施例1と同様にして比較例1の粘着フィルムを作製した。
基材Aの代わりに基材Fを使用した以外は、実施例1と同様にして比較例2の粘着ラベルを作製した。
基材Aの代わりに基材Gを、粘着剤aの代わりに粘着剤bを使用した以外は、実施例1と同様にして参考例1の粘着ラベルを作製した。
本発明の隠蔽性粘着フィルムのSUS板に対する180度引き剥がし粘着力の測定は、JIS−Z0237に準じた下記に記載した測定方法で行った。幅25mm、長さ100mmに切断した粘着フィルムを、23℃、50%の環境下、2kgのローラーで300mm/秒の速度にて1往復圧着させた。次いで、同環境下で1時間放置後、引っ張り試験機(エー・アンド・ディ社製テンシロン万能試験機「RTA−100」)にて、300mm/分の速さで、180度引き剥がし粘着力を測定した。
パナソニックモバイルコミュニケーション製携帯端末P−06A搭載のリチウムイオン電池(厚さ4mm、幅35mm、長さ45mm)の電池ラベルを剥がし、市販品と同様に粘着フィルムを1周巻き付け貼付した。さらに貼付1時間後にヒートショックテスト(−40℃30分/85℃30分×150サイクル)を実施し、端辺(4mmの辺)における粘着フィルムの浮き剥がれを観察した。
◎:ウキ高さが0.5mm未満
○:ウキ高さが0.5mm以上1.0mm未満
×:ウキ高さが1.0mm以上
幅25mm、長さ100mmに切断した粘着フィルムを、23℃、50%の環境下、2kgのローラーで300mm/秒の速度にて1往復圧着させた。さらに40℃に7日放置した後、常温で粘着フィルムを2cm/秒の速度で剥離した。10個のサンプルを評価し、糊残り・インキの脱落又は粘着フィルムのチギレが発生するか評価した。
◎:全く糊残り・インキの脱落・粘着フィルムのチギレがなかった。
○:糊残り・インキの脱落・粘着フィルムのチギレが1個以下であった。
×:糊残り・インキの脱落又は粘着フィルムのチギレが2個以上発生した。
油性染料系インキとして、「TATインキ STSM」(シヤチハタ社製速乾性金属用インキ)をスタンプ台へ充填し、20mm角の大きさに印刷できるゴム製スタンプ版を用いて、0.5mm厚さのアルミ板上に油性染料系インキを印刷した。室温乾燥後、65mm角の粘着フィルムを貼付し、23℃・50%RH中に1日間放置し、目視評価にてインキ透過性を評価した。
◎:全く透過がない。
○:わずかに透過している。
×:はっきりと透過している。
粘着ラベルを隠蔽率試験紙(日本テストパネル工業社製)の白色面および黒色面に貼付し、JIS−Z−8722に規定される色の測定方法で、白色面および黒色面に貼付した粘着ラベルの三刺激値のうち明るさを示すY値をそれぞれ測定した。測色光沢計「CM−3500d」(ミノルタ社製)を使用し、2度視野における標準光Cについて測定した。(追加)測定したY値を下記式に当てはめ、隠蔽率を測定した。
隠蔽率(%)=(黒色面に貼付したラベルのY値/白色面に貼付したラベルのY値)
×100%
Rigaku社製波長分散型蛍光X線「ZSX Primus」用い、FP法にてハロゲン含有量を分析した。
40℃2日養生した粘着剤を2mm厚まで重ね合わせた試験片を粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、直径7.9mmの平行円盤形の測定部に試験片を挟み込み、周波数1Hz、昇温時間1℃/1分の条件で−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。
損失正接tanδ=G”/G’
市販電池パックP16のラベル(隠蔽性粘着フィルムとラミネートフィルムを貼り合せたもの)を剥がし、同じ形状に加工した実施例7〜11の隠蔽性粘着フィルム(ラミネートフィルムなし)を貼り合せ、常温で1時間放置した。その後、1.5mの高さからコンクリート板に落とし、隠蔽性粘着フィルムが破れるかどうかを評価した。尚、試験は電池パックの各面(6面)を一回ずつ落とし、6回落として破れが発生しない場合は1サイクル破れなしと判断し、5サイクルまで繰り返す。
○:5サイクル落下しても破れなし。
△:4サイクル落下しても破れなし。
×:3サイクル目以内に破れ発生。
2 白色樹脂フィルム
3 隠蔽層
4 粘着剤層
5 白色コート層
Claims (8)
- 白色基材の片面に粘着剤層を有し、該白色基材と粘着剤層との間に隠蔽層が設けられた粘着フィルムであって、
前記隠蔽層のハロゲン含有量が0.3質量%以下であり、前記隠蔽層がインキ層からなり、前記インキ層に使用するインキ組成物が、バインダー樹脂として周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定されるtanδのピーク温度が−30〜30℃のポリエステルウレタン樹脂を含有し、硬化剤としてイソシアネート系硬化剤を含有することを特徴とする隠蔽性粘着フィルム。 - 前記イソシアネート系硬化剤が脂肪族系イソシアネート、脂環族イソシアネート又はこれらの三量体である請求項1に記載の隠蔽性粘着フィルム。
- 前記ポリエステルウレタン樹脂が、ポリエステルポリオール、有機ジイソシアネート及び鎖伸長剤を反応成分とし、前記ポリエステルポリオールがモノマー成分としてジカルボン酸を含有し、前記ジカルボン酸中の芳香族ジカルボン酸の割合が30〜90質量%である請求項1〜2のいずれかに記載の隠蔽性粘着フィルム。
- 前記白色基材の厚さが10〜30μmである請求項1〜3のいずれかに記載の隠蔽性粘着フィルム。
- 前記白色基材が白色樹脂フィルムである1〜4のいずれかに記載の隠蔽性粘着フィルム。
- 前記白色基材が、樹脂フィルム上に白色インキ層を設けた基材である請求項1〜5のいずれかに記載の隠蔽性粘着フィルム。
- 前記粘着剤層の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルの85℃の損失正接が0.4〜0.8である請求項1〜6のいずれかに記載の隠蔽性粘着フィルム。
- 電池外枠に染料インキによる印刷が設けられ、当該印刷上に請求項1〜7の隠蔽性粘着フィルムを貼り付けた電池パック。
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