JP5217170B2 - 遮光性粘着テープ及びこれを用いたlcdモジュール - Google Patents

遮光性粘着テープ及びこれを用いたlcdモジュール Download PDF

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Description

本発明は、遮光性を有する粘着テープに関し、より詳細には、LCD(Liquid Crystal Display)パネルとバックライト筐体の間に貼着して使用される遮光性を有する粘着テープに関する。
LCDモジュール(液晶表示装置)をはじめとする表示素子は、ワープロやパソコンを始めとする広範な分野で用いられており、特に電子手帳、携帯電話、PHS等においては益々小型化された電子機器の表示装置として用いられるようになってきた。このような表示素子の中で、例えば、サイドライト型バックライト方式のLCDモジュール(略図を図5に示す)は、一般に、バックライト筐体14の中に反射板13、導光板12、拡散シート10、必要に応じて使用されるプリズムシート9(輝度を高める)とLCDパネル15が順に積層されており、導光板の側方にランプリフレクタを設けた、LED(Light Emitting Diode)、冷陰極管等の光源11が配置されている。
更に、LCDパネル15とバックライト筐体14の間には粘着テープ8(通常額縁状に打ち抜かれ、その幅は通常約0.5mm〜約10mmである)が挟み込まれている。粘着テープ8は、バックライト筐体14のみでなく、プリズムシート9にも接し、プリズムシート9の下側に設置されている拡散シート10等を固定する役割や、ゴミの侵入の防止やクッション性を持たせて衝撃による上記各部品の割れを防ぐ役割も併せ有している。
近年、環境への配慮から、これらLCDモジュール等の表示装置の周辺材料においても、VOCフリー材料やハロゲンフリー材料への移行が望まれており、LCDモジュール等の表示装置に使用する粘着テープにおいても例外ではない。従来の粘着テープとしては、遮光用の遮光層にインキ層を有する粘着テープが開示されている(例えば特許文献1、2参照)。しかし、これら粘着テープにおいては、リワーク時に粘着層等の脱落が生じないように、層間の密着性が良好な塩酢ビ系の樹脂をバインダー樹脂とするインキ層が使用されているため、当該塩酢ビ(塩酸・酢酸ビニル)系の樹脂を使用しないインキ層への転換が必要であった。
インキに使用するバインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂をはじめ、各種のバインダー樹脂が開示されている(例えば特許文献3参照)。しかし、単にこれらのインキを遮光性粘着テープの遮光層として適用しても、塩酢ビ系の樹脂ほどの優れたリワーク性を実現することは困難であった。
特開2004−156015号 特開2004−184443号 特開2005−330422号
本発明の課題は、ハロゲンを含有する塩酢ビ系の樹脂を使用しなくとも、リワーク性が良好な遮光性粘着テープを提供することにある。
更には、ピンホールが少なく良好な遮光性を確保できる遮光性粘着テープを提供することにある。
本発明においては、バインダー樹脂としてポリウレタン系樹脂を使用し、かつブロッキング防止剤を含有するインキを遮光層とする粘着テープが、粘着剤層や樹脂フィルムとの密着性が良好であり、優れたリワーク性を実現できることを見出し、上記課題を解決した。
本発明の遮光性粘着テープは、遮光用の遮光層として、ポリウレタン樹脂をバインダー樹脂として使用したインキ層を使用することにより、ハロゲンや硫黄を含まない遮光層を形成できるため、ハロゲンフリーの遮光性粘着テープを実現できる。さらに、当該遮光層は、粘着剤層との密着性に優れるため、リワーク性に優れる。
このような特性を有する本発明の遮光性粘着テープは、各種表示装置用途、特に、遮光性が必要とされる小型化されたLCDモジュール用途に好適に使用できる。
本発明の遮光性粘着テープは、樹脂フィルムと粘着剤層との間に遮光層を有する遮光性粘着テープであって、前記遮光層が、ポリウレタン系樹脂をバインダー樹脂とするインキ層からなるものである。
[樹脂フィルム]
本発明に使用する樹脂フィルムとしては、粘着シートに使用される公知慣用の樹脂フィルム等を用いることができ、例えば、セロファン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステル等が挙げられる。なかでも、ポリエステルは、強度や絶縁性に優れるため好ましく使用できる。また、ポリエチレンテレフタレートはポリウレタン系樹脂を使用したインキ層との密着性も良好なため好ましく使用できる。
本発明においては、樹脂フィルムが光反射性を有する光反射性樹脂フィルムであると、LCDモジュール等の表示装置の輝度を上げることができるため好ましい。そのなかでも絶縁性・光拡散反射性を有する白色のポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。また樹脂フィルムが遮光性を有する遮光性樹脂フィルムであると、表示装置としてLCDを使用した場合にLCDのコントラストを上げるために好ましい。そのなかでも、黒色のポリエチレンテレフタレートが優れた遮光性を付与できるため好ましい。
市販されている光反射性樹脂フィルムとしては、麗光社製37W01、3M社製ESR、東レ製E#38、三菱化学ポリエステルフィルム製W400#38、帝人デュポン製テフレックスFW2#13等が厚みが薄く、反射性が高いため好ましい。
また、本発明においては、これらの中でも、ハロゲン(塩素・臭素・フッ素)又は硫黄の含有量が0.3質量%未満のものが好ましく、0.1質量%未満のものがより好ましく、ハロゲン又は硫黄を実質的に含有しないものが特に好ましい。ここで、ハロゲン又は硫黄の含有量は、EDX(Energy Dispersive X−ray Microanalyzer)で分析した際の検出量である。EDX分析装置としては、日立製作所製S−4500、S−2380N等が挙げられる。
支持体となる樹脂フィルムの厚みとしては、6〜100μmが好ましい。厚みが6μm以上の場合は、剥離時にフィルムのキレが発生しにくく、100μm以下の場合は、局面貼付時にハガレが発生しにくい。さらに好ましくは、12〜50μmである。
また、樹脂フィルム中には、反射性や遮光性を付与するため、白色顔料・黒色顔料等の各種顔料を添加することが好ましい。またフィルムの中には公知の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、帯電防止剤などが添加されていても良い。
[粘着剤層]
本発明に使用する粘着剤層は、樹脂フィルムや遮光層と良好な粘着性を有するものを使用でき、公知のアクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着樹脂を使用することができる。そのなかでも、反復単位として炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリル酸エステルに由来する反復単位を含有するアクリル系共重合体が、耐光性・耐熱性の点から好ましい。また、粘着剤層全体に対する粘着剤層中のアクリル系共重合体の含有量の比は、質量比で100/110〜100/160の範囲であるものが特に好ましい。
アクリル系共重合体としては、例えば、n−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、エチルアクリレート等に由来する反復単位を含むアクリル系共重合体があげられる。これらの中でも、ハロゲン又は硫黄の含有量が0.3質量%未満のものが好ましく、0.1質量%未満のものがより好ましく、ハロゲン又は硫黄を実質的に含有しないものが特に好ましい。そのなかでもn−ブチルアクリレートを50質量%以上含むものがポリウレタン系樹脂を使用したインキ層との密着性に優れ、より好ましくは90質量%以上含むものが密着性に優れる。
さらに反復単位として、側鎖に水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの極性基を有するアクリル酸エステルやその他のビニル系単量体に由来する反復単位を0.01〜15質量%の範囲で含有するのが好ましい。また、アクリル酸単位を2〜10質量%の範囲で含有するのが、ポリウレタン系樹脂を使用したインキ層との密着性に優れ好ましい。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、紫外線照射法、電子線照射法によって共重合させることにより得ることができる。アクリル系共重合体の平均質量分子量は、40万〜140万が好ましく、更に好ましくは、60万〜120万である。
さらに粘着剤の凝集力をあげるために、架橋剤を添加するのが好ましい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤等があげられる。特に粘着剤層を設ける場合は、イソシアネート系架橋剤またはエポキシ系架橋剤を使用するのが好ましい。架橋剤の添加量としては、粘着剤層のゲル分率が25〜80%になるよう調整するのが好ましい。さらに好ましいゲル分率は、30〜70%である。そのなかでも35〜60%が最も好ましい。ゲル分率が25%以上であるとリワークした際に糊残りが生じにくい。一方、ゲル分率が80%未満であると接着力が良好である。接着性が低下する。ゲル分率は、養生後の粘着剤層の組成物をトルエン中に浸漬し、24時間放置後に残った不溶分の乾燥後の質量を測定し、元の質量に対する百分率で表す。
さらに粘着剤層の粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加しても良い。本発明の粘着テープの粘着剤層に添加する粘着付与樹脂は、ロジンやロジンのエステル化物等のロジン系樹脂;ジテルペン重合体やα−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン系樹脂;脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂;その他、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。また、前記アクリル共重合体以外のアクリル樹脂を粘着付与樹脂として添加しても良い。
粘着付与樹脂の添加量としては、粘着剤樹脂がアクリル系共重合体である場合は、アクリル系共重合体100質量部に対して10〜60質量部を添加するのが好ましい。接着性を重視する場合は、20〜50質量部を添加するのが最も好ましい。また、粘着剤樹脂がゴム系の樹脂である場合は、ゴム系の樹脂100質量部に対して、粘着付与樹脂を80〜150質量部添加するのが好ましい。なお、一般的に粘着剤樹脂がシリコン系樹脂である場合は、粘着付与樹脂を添加しない。
また、必要に応じて、カーボンブラック等の黒色着色剤や、他の公知慣用の添加剤を添加することができる。他の添加剤としては、例えば、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、難燃剤等が例示できる。
粘着剤層の厚みは、5〜50μmが好ましく、さらに好ましくは、10〜30μmである。5μm以上であれば、充分な接着性を得ることができ、また、50μm以下とすることで軽薄短小化の進む表示装置等に好適に適用できる。
[遮光層]
本発明における遮光層は、該層単独で、あるいは樹脂フィルムとの積層によって、光の入射を抑制する層である。本発明においては、該遮光層として、ポリウレタン系樹脂をバインダー樹脂とするインキ層とすることにより、塩酢ビ系樹脂等のハロゲンや硫黄を含有する樹脂を使用しなくとも良好なリワーク性を有する遮光性粘着テープを実現できる。
該遮光層によれば、ハロゲン又は硫黄の含有量を大幅に削減でき、その含有量が0.3質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満、更に好ましくは実質的に含有しないものとすることができる。
遮光層に使用するポリウレタン系樹脂は、ジイソシアナート化合物とポリオール化合物及び低分子量の鎖伸長剤等の縮重合反応により得られ、分子内にウレタン結合を多数持った柔軟性、弾性に富んだ樹脂である。本発明に用いるポリウレタン系樹脂としては、質量平均分子量1,000〜500,000のものが好ましく、より好ましくは30、000〜100,000である。
本発明で好適に用いられるジイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に置換したダイマージイソシアネートなどの鎖状脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの環状脂肪族ジイソシアネート;4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネートなどのジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルテトラメチルメタンジイソシアネートなどのテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;リジンジイソシアネートなどのアミノ酸ジイソシアネートなどが挙げられる。これらのジイソシアネート化合物をはじめとする前記ポリイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
本発明で好適に用いられるポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエンポリオール類等を使用することができる。ポリエーテルポリオール類としては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合したポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。ポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA等の飽和または不飽和の低分子量グリコール類とアジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物等を脱水縮合して得られる化合物等が挙げられる。
また分散剤として、高い分散性の得られるセルロース系樹脂を添加することが、高い遮光性が得られるため好ましい。セルロース系樹脂としては、硝化綿、セルロースアセテートプロピオネートが挙げられる。樹脂の添加量としては、インキ固形分に対し、0.05〜10質量%であることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜3質量%である。
また、着色材料としては、ハロゲンを含まない公知慣用の顔料や染料を使用することができ、黒の場合はカーボンブラック、白の場合は酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、黄色の場合は黄色酸化鉄、赤の場合はべんがら、青の場合はシアニンブルー、銀の場合はアルミニウム粉、パールの場合は雲母チタン粉が、耐候性・耐熱性・インキ樹脂に対する分散性から好ましい。なかでも、黒色インキ層を形成できるものが好ましく、カーボンブラックが遮光性が良好であるため好ましい。
着色材料の添加量としては、用途等に応じて適宜調整すればよく、インキ固形分に対して10〜70%が好ましい。より好ましくは、40〜50%である。10%以上あれば、好適に遮光性を示し、70%以下であれば、分散が良好となる。
遮光層を構成するインキ中には、ブロッキング防止剤を含有することで、ブロッキングによるピンホールの発生を抑制できる。ブロッキング防止剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、タルク等の粒子系ブロッキング防止剤や、ポリエチレンワックス(PEワックス)、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級脂肪酸等の有機化合物系ブロッキング防止剤を使用することが好ましい。粒子系ブロッキング防止剤はインキ層表面に凹凸を形成しインキ面と背面の接触面積を減らすことでブロッキングを防止する。一方、有機化合物系ブロッキング防止剤はインキ層表面にブリードアウトすることでブロッキングを防止する。そのため、粒子系ブロッキング防止剤と有機化合物系ブロッキング防止剤を併用することが好ましい。特に粒子系ブロッキング防止剤としては粘着剤との密着性を向上させるシリカが好ましい。また有機化合物系ブロッキング防止剤としては粘着剤との密着性を大きく低下させないPEワックスが特に好ましい。
粒子径ブロッキング防止剤の添加量としては、インキ固形分に対して1〜10質量%であることが好ましい。そのなかでも2〜7質量%がより好ましい。1質量%以上であれば好適にブロッキング防止の効果を発揮し、10質量%以下であるとインキ皮膜が脆弱化するおそれが生じにくい。一方、有機系ブロッキング防止剤の添加量としては、インキ固形分に対して1〜10質量%であることが好ましい。そのなかでも2〜7質量%がより好ましい。1質量%以上であれば好適にブロッキング防止の効果が得られ、10質量%以下であると粘着剤との密着性も良好となる。また、必要に応じてその他の各種添加剤を含有していてもよい。
遮光層の厚みとしては、遮光性やテープ打ち抜き時の加工性の観点から、1〜10μmが好ましい。
[光反射層]
本発明の遮光性粘着テープにおいては、遮光層の粘着剤層を有する面と反対面が光反射性を有することで、光反射効果を得ることができ、表示装置の輝度の向上を図ることができる。このような光反射層は、特に限定されるものではないが、反射率が60%以上であることが好ましく、より好ましく80%以上、最も好ましくは90%以上である。反射率が高いほど、輝度の向上効果が高い。当該反射層としては、銀やアルミ等の金属の蒸着層、白色樹脂層、白色或いは銀色の着色剤層等が挙げられる。また、市販の光反射性を有する樹脂フィルムをそのまま使用してもよいし、市販の光反射性を有する薄いフィルムを樹脂フィルム上に積層してもよい。
また、使用する表示装置等の特性に応じて、輝度の向上や輝度ムラの低減等の効果を得るために、反射面側に部分的な光吸収層や光拡散層を設けることも好ましい。
光吸収層としては、黒印刷、グレー印刷等の着色印刷が挙げられる。そのなかでも黒印刷が光吸収性に優れ好ましい。
光拡散層としては、拡散効果を有する白色印刷や、ビーズ等による拡散コートが挙げられる。ビーズ等の拡散コートの場合は、その面は粘着剤を積層しないことが好ましい。
[遮光性粘着テープ]
本発明の遮光性粘着テープは、上記した遮光層を使用することにより、塩酢ビ系樹脂等のハロゲンや硫黄を含有する樹脂を使用しなくとも良好なリワーク性を有する。特に、遮光性粘着テープ全体におけるハロゲン又は硫黄の含有量を0.3質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満、更に好ましくは実質的に含有しないものとすることで、ハロゲンや硫黄をほとんど含有しない遮光性粘着テープとすることができる。このような遮光性粘着テープは、電子機器の誤作動の要因になり得るハロゲン等を含有しないため、LCDモジュールのような各種表示装置用として好適である。
本発明の遮光性粘着テープの実施形態としては、樹脂フィルムと粘着剤層との間に遮光層を有する構成であればよい。具体的には、図1に示したような、樹脂フィルムの一面のみに遮光層と粘着剤層とを有する実施形態や、図2に示したような、樹脂フィルムの一面に遮光層と粘着剤層とを有し、他面に粘着剤層を有する形態などが例示できる。また、図3に示したような、樹脂フィルムの両面に遮光層と粘着剤層とを有する実施形態であってもよい。また図4に示したような、光反射性樹脂フィルムの片面に反射層と遮光層を積層した支持体の両面に粘着剤層を設けた実施形態であってもよい。これら態様は使用用途によって適宜選択すればよい。
なお、粘着剤層は単層の粘着剤の層であっても良いが、両面粘着テープのような複数の粘着剤の層及びシートからなる多層であっても良い。
遮光層の樹脂フィルム上への積層は、インキ組成物の印刷により積層する方法が好ましく使用できる。印刷方式としては、凸版印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の公知慣用の方式により印刷、積層が可能である。その中でも、遮光用途では、グラビア印刷方式で、2〜4回重ねて樹脂フィルム上に印刷、積層することが、ピンホールが少なくなり、好ましい。
なお、遮光層を積層する樹脂フィルム表面は、公知慣用の易接着処理を施すのが好ましい。その中でもコロナ処理・プラズマ処理・プライマー処理から選ばれる易接着処理が好ましい。
粘着剤層は、粘着シートの塗布に一般的に使用されている方法で、樹脂フィルムや遮光層上に形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤層を形成する組成物を樹脂フィルムや遮光層に直接塗布し、乾燥する方法、或いは、いったんセパレータ上に塗布し、乾燥後、樹脂フィルムや遮光層に貼り合わせる方法などで形成できる。
本発明の遮光性粘着テープの厚みは、20〜100μmであることが好ましく、30〜75μmであることがより好ましい。中でも、40〜65μmであることが特に好ましい。厚みが当該範囲のものは、表示装置用、特にLCDモジュール用として好適に使用できる。
本発明の遮光性粘着テープは、光入射による誤作動を抑制するために、10000cd/mの光を照射した時の光透過量が1cd/m以下であることが好ましい。より好ましくは0.1cd/m以下である。例えば、10000cd/mのライトボックスとしては、例えば、電通産業(株)製フラットイルミネーターHF−SL−A48LCGが使用できる。輝度計としては、例えば、(株)アイ・システム製アイスケール3、アイスケール4及び、(株)トプコンテクノハウス製BM−5A、BM−7、BM−9等が使用できる。
[LCDモジュール]
本発明の遮光性粘着テープは、ハロゲンや硫黄の含有量が低く、好ましくは実質的に含有しないことから、各種表示装置用に適しており、特に省スペース化された薄型のLCDモジュール用の遮光性粘着テープとして好適に使用できる。
また、本発明の遮光性粘着テープは、優れた遮光性と接着性を実現できるため、LCDパネルとバックライト筐体とを有するLCDモジュールのLCDパネルとバックライト筐体の間の貼着用として好適である。このような、LCDモジュールとしては、例えば、サイドライト型バックライト方式のLCDモジュールなどが挙げられる。
本発明の遮光性粘着テープを使用したLCDモジュールは、ハロゲンや硫黄の含有量が少ないため、誤作動や不具合の要因が低減されており、信頼性が高い。また、光反射層を有する本発明の遮光性粘着テープを、遮光層側がLCDパネル側に向き、光反射層側がバックライト筐体側に向くよう貼付したLCDモジュールは、優れた輝度を実現できる。
サイドライト型バックライト方式の一般的な構成としては、図5に示したように、バックライト筐体14の中に反射板13、導光板12、拡散シート11、必要に応じて使用されるプリズムシート10(輝度を高める)とLCDパネル15が順に積層されており、導光板の側方にランプリフレクタを設けた、LED(Light Emitting Diode)、冷陰極管等の光源11が配置された構成である。本発明の遮光性粘着テープは、LCDパネル15とバックライト筐体14の間に額縁状に打ち抜かれて挟み込まれた態様を好ましい態様として例示できる。
本発明の遮光性粘着シートは、周辺機器の誤作動を抑制でき、信頼性が高い製品を与えることから、電子手帳、携帯電話、PHS等の小型化された電子機器の表示装置用として好適に使用でき、該遮光性粘着シートを含有するLCDモジュールは、これら電子機器用途に好適に使用できる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下に表示する部は、質量部である。
[黒色インキの作成]
表1に示す組成のグラビアインキ組成物をサンドミルで約1時間湿式分散し、黒インキa〜fを作成した。なお、表中の数値は質量%を表し、樹脂は固形分比を表す。
Figure 0005217170
カーボンブラック1:デグサ社製4A
カーボンブラック2:デグサ社製スペシャル250P
ポリウレタン:荒川化学社製KL−564
ポリエステル:東洋紡績社製バイロン300
ポリアミド:三和化学工業社製サンマイド#550
ニトロセルロース:旭化成工業社製HIG1/4
セルロースアセテートプロピオネート:イーストマン社製CAP482−05
シリカ:富士シリシア化学社製サイリシア350D
PEワックス:三井化学社製ハイワックス220MP
MEK:メチルエチルケトン
IPA:イソプロピルアルコール
黒インキa〜f100部に、大日本インキ化学工業社製硬化剤「CVLハードナーNo.10」を4部、大日本インキ化学工業社製希釈剤「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して黒色インキA〜Fを調整した。
同様にして、塩酢ビ系樹脂インキ大日本インキ化学工業社製「パナシアCVL−SP805墨」100部に、大日本インキ化学工業社製「CVLハードナーNo.10」を4部、大日本インキ化学工業社製「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して黒色インキGを調整した。
[支持体の調整]
三菱化学ポリエステルフィルム(株)製白色PETフィルムW400#38に大日本インキ化学工業社製プライマー「SFプライマー935」を乾燥厚みが1μmになるよう塗工し、さらにその上に黒色インキA〜Gを乾燥厚みが4μmになるよう4回グラビアコートし、500Mの長さに巻き取った(巻き取り張力15N/m)。さらに40℃で2日間養生し、インキコートフィルムA〜Gを得た。
[粘着剤の調整]
(アクリル系共重合体の調製1)
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート92.8部、酢酸ビニル5部、アクリル酸2部、β−ヒドロキシーエチルアクリレート0.2部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して質量平均分子量80万のアクリル系共重合体1を得た。
(アクリル系粘着剤組成物1の調製)
上記アクリル系共重合体1を100部、荒川化学(株)製不均化ロジンエステル「スーパーエステルA100」を20部、及び三井石油化学工業(株)製粘着付与樹脂「FTR6100」20部をトルエンで希釈し、固形分40質量%の粘着剤組成物1を得た。
(アクリル系共重合体の調整2)
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート50部、2エチルヘキシルアクリレート44.8部、アクリル酸1部、β−ヒドロキシーエチルアクリレート0.2部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して質量平均分子量60万のアクリル系共重合体2を得た。
(アクリル系粘着剤組成物2の調製)
上記アクリル系共重合体2を100部、荒川化学(株)製不均化ロジンエステル「スーパーエステルA100」10部をトルエンで希釈し、固形分40質量%の粘着剤組成物2を得た。
(実施例1)
[粘着テープの作製]
アクリル系粘着剤組成物1に日本ポリウレタン工業社製イソシアネート系架橋剤「コロネートL−45」を1.5部配合し、充分に撹拌した後、離型処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが18μmとなるよう塗工して、100℃で2分間乾燥して粘着剤層を得た。これをインキコートフィルム(A)の両面に転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cmの圧力でラミネートし、さらに、40℃で2日間養生して、両面粘着テープを得た。粘着剤層のゲル分率は40%であった。
(実施例2)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(B)を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
(実施例3)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(C)を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
(実施例4)
アクリル系粘着剤組成物1の代わりにアクリル系粘着剤組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例1)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(D)を用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例2)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(E)を用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例3)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(F)を用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例4)
インキコートフィルム(A)の代わりにインキコートフィルム(G)を用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
上記実施例及び比較例にて得られた両面粘着テープについて、以下の項目の評価を行った。得られた結果を表2〜4に示す。
[元素分析]
EDX(日立製作所製S−2380N)にて粘着テープの粘着剤層表面を以下の測定条件にてハロゲン元素・硫黄の量を測定した。
加速電圧:15KV、倍率:200倍、制限視野
[ライトボックスによるテープの遮光性評価]
電通産業(株)製ライトボックス「フラットイルミネーターHF−SL−A48LCG」が10000cd/mになるよう調整し、その上に遮光性粘着テープを置き、遮光性粘着テープを透過する光を(株)アイ・システム製輝度計「アイスケール3」で測定する。
[ゲル分率]
養生後の粘着剤層の組成物をトルエン中に浸漬し、24時間放置後に残った不溶分の乾燥後の質量を測定し、元の質量に対する百分率で表した。
[接着力]
接着力はJIS−Z0237(2000)の180度引き剥がし接着力の試験方法に従って下記の手順により求めた。
ステンレス板にポリエステルフィルム25μmで裏打ちした20mm幅の実施例及び比較例の粘着テープを、環境温度23℃、湿度50%の条件下において、2kgのローラーで1往復加圧貼付し1時間放置後、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、同一の温度湿度条件下で300mm/minの速度で引っ張って、180度引き剥がし接着力を測定した。
[リワーク性]
ステンレス板にポリエステルフィルム25μmで裏打ちした20mm幅の実施例及び比較例の粘着テープを、環境温度23℃、湿度50%の条件下において、2kgのローラーで1往復加圧貼付し1時間放置後、60℃の環境試験機で24時間放置する。その後、23℃に1時間放置後、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、同一の温度湿度条件下で1000mm/minの速度で引っ張って、粘着剤がインキ面から脱落し、ステンレス板に残るか否か評価した。
◎:脱落なし。
○:脱落5%未満
×:脱落6%以上
[ピンホール]
電通産業(株)製ライトボックス「フラットイルミネーターHF−SL−A48LCG」が10000cd/mになるよう調整し、その上に遮光性粘着テープを置き、A4サイズ中にある0.1mm×0.1mm以上の大きさのピンホールをカウントした。
◎:なし
○:1〜10個
×:11個以上
Figure 0005217170
Figure 0005217170
表2、3に示した結果から明らかなように、実施例の粘着テープは、ハロゲン元素及び硫黄を含有しなくとも良好なリワーク性を有し、ピンホールが少ない。また実施例1、4はPEワックス及びシリカを含有するウレタン系インキを使用しているため、インキコートフィルム製造時のブロッキングがなくピンホールが無い。さらに実施例1、2、4は少量のセルロース系樹脂を含有するため、遮光性に特に優れる。
一方、比較例1〜3の粘着テープはハロゲンや硫黄を含有しないが、耐ブロッキング性に劣り、ピンホールが多発する。また比較例1、2は粘着剤層と遮光層との密着性が良好でないため、実施例のものよりもリワーク性に劣る。
樹脂フィルム1と遮光層2を積層した支持体3の遮光層2側に粘着剤層4を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 樹脂フィルム1と遮光層2を積層した支持体3の両面に粘着剤層4を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 樹脂フィルム1の両面に遮光層2を積層した支持体3の両面に粘着剤層4を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 光反射性樹脂フィルム5の片面に反射層6と遮光層2を積層した支持体3の両面に粘着剤層4を設けた本発明の粘着テープの一例を示す概念的概略断面図である。 粘着テープ8を使用してLCDパネル15等の各部品をバックライト筐体14に固定したLCDモジュールの概念的概略断面図である。
符号の説明
1:樹脂フィルム
2:遮光層
3:支持体
4:粘着層
5:光反射性樹脂フィルム
6:光反射層
7:ドライバー
8:粘着テープ
9:プリズムシート
10:拡散シート
11:光源
12:導光板
13:反射板
14:バックライト筐体
15:LCDパネル

Claims (18)

  1. 樹脂フィルムと粘着剤層との間に遮光層を有する遮光性粘着テープであって、前記遮光層が、ポリウレタン系樹脂をバインダー樹脂とし、ブロッキング防止剤を含有するインキ層からなることを特徴とする遮光性粘着テープ。
  2. 10000cd/mの光を照射した時の光の透過量が1cd/m以下である請求項1に記載の遮光性粘着テープ。
  3. 前記遮光層が、黒色のインキ層である請求項1又は2に記載の遮光性粘着テープ。
  4. 前記粘着剤層が、アクリル系共重合体を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  5. 前記アクリル系共重合体が、アクリル酸単位を2〜10質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  6. 前記遮光層が、セルロース系樹脂を含有する層である請求項1〜5のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  7. 前記ブロッキング防止剤がポリエチレンワックス又はシリカの少なくとも一種である請求項1〜6のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  8. 前記樹脂フィルムが、黒色のポリエチレンテレフタレートからなる請求項1〜7のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  9. 両面に粘着剤層を有する両面粘着テープである請求項1〜8のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  10. LCDパネルとバックライト筐体とを有するLCDモジュールであって、該LCDパネルと該バックライト筐体とが、請求項9に記載の遮光性粘着テープで貼着されたことを特徴とするLCDモジュール。
  11. 前記樹脂フィルムが光反射性樹脂フィルムである請求項1〜8のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  12. 前記光反射性樹脂フィルムが白色のポリエチレンテレフタレートからなる請求項11に記載の遮光性粘着テープ。
  13. 両面に粘着剤層を有する両面粘着テープである請求項11又は12に記載の遮光性粘着テープ。
  14. LCDパネルとバックライト筐体とを有するLCDモジュールであって、
    該LCDパネルと該バックライト筐体とが、請求項13に記載の遮光性粘着テープで貼着され、
    該遮光性粘着テープにおける遮光層側の粘着剤層がLCDパネルと貼り付けられ、光反射性樹脂フィルム側の粘着剤層がバックライト筐体と貼り付けられたことを特徴とするLCDモジュール。
  15. 前記樹脂フィルムと遮光層との間に光反射層を有する請求項1〜8のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
  16. 前記光反射層が、白色のインキ層である請求項15に記載の遮光性粘着テープ。
  17. 両面に粘着剤層を有する両面粘着テープである請求項15又は16に記載の遮光性粘着テープ。
  18. LCDパネルとバックライト筐体とを有するLCDモジュールであって、
    該LCDパネルと該バックライト筐体とが、請求項17に記載の遮光性粘着テープで貼着され、
    該遮光性粘着テープにおける遮光層側がLCDパネル側に向き、光反射層側がバックライト筐体側に向くよう貼付されたことを特徴とするLCDモジュール。
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