JP5760573B2 - 両面粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置に使用される光学フィルムを他の部材と固定する両面粘着テープに関する。
液晶ディスプレイ等の画像表示装置は、ワープロやパソコンを始めとする広範な分野で用いられており、特に電子手帳、携帯電話、PHS、スマートフォン、ゲーム機器、電子書籍、等においては益々小型化された電子機器の表示装置として用いられるようになってきた。これら画像表示装置においては、LCDモジュール等の画像表示モジュールにおいて、バックライトモジュールと、表面に設けられるLCDパネル等の表示パネルとが粘着テープで固定された構成が広く使用されており、バックライトモジュールの表示パネルと固定される表層には、プリズムシート等の光学フィルムが設けられることが多い。
例えば、サイドライト型バックライト方式の液晶ディスプレイ(略図を図1〜2に示す)では、一般に、反射板、導光板、拡散シート等が積層され、表層にプリズムシート等の光学フィルムが設けられ、導光板の側方にランプリフレクタを設けた、LED(Light Emitting Diode)、冷陰極管等の光源が配置されたバックライトモジュールと、LCDパネルとが積層されている。そして、LCDパネルとバックライトモジュールの間には両面粘着テープ(通常額縁状に打ち抜かれ、その幅は通常約0.5mm〜約10mmである)が挟み込まれている。両面粘着テープは、バックライトモジュール表層のプリズムシートのみに接している場合や、バックライトモジュール表層のプリズムシートと当該バックライトモジュールが収められた筐体とに跨って接している場合があり、プリズムシートの下側に設置されている拡散シート等を固定する役割や、ゴミの侵入の防止やクッション性を持たせて衝撃による上記各部品の割れを防ぐ役割も併せ有している。
さらに上記粘着テープには、光源からの漏洩光を遮断したり、光を有効利用するため、遮光性と光反射性を併有することが強く求められている。このような粘着テープは従来から特性向上に向けた検討がなされており、薄型で遮光性と光反射性を併有するLCDモジュール用粘着テープが開示されている(特許文献1参照)。
しかし、近年、当該部位に使用される粘着テープには、使用される電子機器の高性能化、特に携帯電話の薄型化や多機能化に伴って、従来問題視されていなかった課題が浮上している。その一つとして、多機能携帯電話の薄型化に伴って内部部材の薄型化が行われているが、光学フィルムの薄型化により、両面粘着テープで周囲を固定された光学フィルムが信頼性試験で高温に放置された時に光学フィルムの歪みが発生する問題が生じている。このような歪んだ箇所を通過した光で照明されると、LCDパネル中の画像がシャープさを欠くものになってしまう。また、このような画像表示装置はねじれ等により固定した部材間の剥がれが生じないように低速での剥離に対しての良好な接着性も有する必要がある。このような課題に対し、光学フィルムの歪みを抑制する粘着テープが提案されており、良好に部品間を固定すると共に光学フィルムの歪みを抑制する試みがなされている(特許文献2〜3参照)。
一方、環境への配慮から、近年では、これら画像表示装置の周辺材料においても、VOC(揮発性有機化合物)フリー材料への移行が望まれており、これら電子機器分野においては特にその要請が高いことから、粘着テープの粘着剤層においても溶剤系粘着剤から水系粘着剤への転換が期待されていた。このため、良好に部品間を固定でき、さらに光学フィルムの歪みを好適に抑制できる水系粘着剤を使用した両面粘着テープの実現が望まれていた。
特開2004−156015号 特開2008−248226号 特開2010−168437号
本発明の課題は、歪みの生じやすい光学フィルムを他の部材と固定する粘着テープにおいて、VOCを低減した水系粘着剤を使用した際に、低速域での剥離応力が生じた場合にも部材間を好適に固定でき、かつ光学フィルムの歪みを抑制できる両面粘着テープを提供することにある。
さらには、製造不良時や修理時に一旦貼り合わせた部品をはずしてリペア作業等を行う際に剥離できる良好なリワーク性、特に粘着剤層とのアンカリングが得られ難いハロゲン含有量が0.3質量%以下の着色インキ層を設けた支持体を使用した場合にも好適なリワーク性を実現できる両面粘着テープを提供することにある。
本発明においては、光学フィルムと他の部材とを固定する両面粘着テープであって、支持体の両面に粘着剤層が設けられ、少なくとも光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層が、水性媒体中にアクリル系共重合体エマルジョン粒子が分散した水分散型アクリル系粘着剤組成物から形成される粘着剤層であり、前記アクリル系共重合体エマルジョン粒子を形成するアクリル系共重合体が、炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、カルボキシル基含有モノマーをモノマー成分として含有し、前記アクリル系共重合体を形成するモノマー成分中の炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が50〜98質量%、炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が1〜10質量%、カルボキシル基含有モノマーの含有量が1〜10質量%であり、粘着剤層のゲル分率が10〜50%である両面粘着テープにより、上記課題を解決できる。
本発明の両面粘着テープは、VOCを低減した水系粘着剤層を使用しながらも、光学フィルムに貼り付ける側の粘着剤層として、特定組成の粘着剤層を使用することで、部品間を良好に固定できると共に、光学フィルムの歪みを好適に抑制できる。このため、優れた環境対応性を有しつつ、光学フィルムを被着対象とした場合にも光学フィルムの歪みによる視認性の低下を抑制できることから、光学フィルムを被着対象とする画像表示装置の部品間固定、特に光学フィルムと透明パネルとの固定に好適である。
粘着テープを、LCDパネルとバックライト筐体との間に設けたLCDモジュールユニットの概略構成を示す断面図である。 粘着テープを、LCDパネルとバックライト筐体との間に設けたLCDモジュールユニットの概略構成を示す分解図である。 実施例における光学フィルムの歪み防止性の測定方法を示す概念図である。
本発明の両面粘着テープは、支持体の両面に粘着剤層を有し、光学フィルムと他の部材との固定に用いられる両面粘着テープである。そして、少なくとも光学フィルムに貼り付けられる側の粘着剤層が、水性媒体中にアクリル系共重合体エマルジョン粒子が分散した水分散型アクリル系粘着剤組成物から形成される粘着剤層であり、アクリル系共重合体エマルジョン粒子を形成するアクリル系共重合体が、炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有モノマーをモノマー成分として所定量含有するものであり、粘着剤層のゲル分率が10〜50%である。
[粘着剤層]
本発明の両面粘着テープにおいて、光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層は、水性媒体中にアクリル系共重合体エマルジョン粒子が分散した水分散型アクリル系粘着剤組成物を架橋して形成される粘着剤層である。そして、アクリル系共重合体エマルジョン粒子を形成するアクリル系共重合体が、炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有モノマーをモノマー成分として所定量含有する。本発明においては、少なくとも光学フィルム側の粘着剤層として、当該粘着剤層を使用することで、粘着剤層を水系の粘着剤層とした場合にも、光学フィルムと他の部材間を良好に固定できると共に、光学フィルムの歪みを好適に抑制できる。
本発明においては、アクリル系共重合体のモノマー成分として、炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することで、被着体への密着性、リワーク性を得やすくなる。当該炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートが使用でき、なかでも、n−ブチルアクリレートを好ましく使用できる。
炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの効果をより好適に発現するために、アクリル系共重合体を形成するモノマー成分中の炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量を50〜98質量%、好ましくは80〜98質量%とする。
本発明においては、アクリル系共重合体を形成する(メタ)アクリレートモノマーとして、上記炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに加え、炭素数2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを併用することで、光学フィルムの歪みを好適に抑制できる。炭素数2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートを例示でき、これらの1種または2種以上を併用することができる。なかでも、メチルメタクリレートを使用することが好ましい。
アクリル系共重合体を形成するモノマー成分中の炭素数2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの使用量としては1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%である。
本発明においては、アクリル系共重合体エマルジョン粒子内や粒子間の凝集力を高めるために、カルボキシル基含有モノマーを使用する。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、無水フタル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマーから選ばれる1種又は2種以上を使用できる。なかでもアクリル酸、メタクリル酸は、カルボキシル基同士の相互作用により凝集力を確保し易い、反応する架橋剤が多く凝集力を上げる手段が多い、後述する窒素含有ビニルモノマーとの相互作用を発現できる等の利点を有するため好ましく、アクリル酸を特に好ましく使用できる。
カルボキシル基含有モノマーの含有量は、アクリル系共重合体を形成するモノマー成分中0.5〜10質量%、好ましくは、0.5〜5質量%である。当該範囲内とすることで、架橋剤との架橋反応が良好に進行し易くなる。さらに、粘着剤層を形成した際に、粘着剤層に好適な凝集力が確保され、リワーク性と強接着性が両立し易い。
本発明においては、アクリル系共重合体のモノマー成分として、さらに、窒素含有ビニルモノマーを使用してもよい。窒素含有ビニルモノマーとしては、アミド基を有する窒素含有モノマーを好ましく使用できる。アミド基を有する窒素含有モノマーは、アミン系の窒素含有モノマー基に比べて、酸基との相互作用が強くなりすぎず、エマルジョン粒子内の凝集力と粒子間の相互作用を好適に保持でき、粘着剤としての凝集力が得られやすくなるため、好適な接着性とリワーク性を得やすくなる。アミド基を有する窒素含有モノマーとしては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリロニトリル、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドから選ばれる1種又は2種以上を使用できる。
本発明に使用するアクリル系共重合体においては、上記以外のモノマーを必要に応じて使用することもでき、そのようなモノマーの例としては、水酸基含有モノマーとして、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のアルコール性水酸基含有モノマーを適宜使用できる。ケト基又はアルデヒド基含有モノマーとして、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アクロレイン、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、ジアセトンアクリレート、ジアセトンメタクリレート、アセトニトリルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセトアセテート、ブタンジオールアクリレートアセテート等が挙げられる。シラン系モノマーとして、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン[例えば、信越化学(株)製 KBM−502]、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン[例えば、信越化学(株)製 KBM−503]、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン[例えば、信越化学(株)製 KBE−502]、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン[例えば、信越化学(株)製 KBE−503]、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン[例えば、信越化学(株)製 KBM−5103]等が挙げられる。また、メチロール基含有モノマーとして、Nメチロールアクリルアミド等が挙げられる。また、燐酸基含有モノマーとして、例えば、ローディア日華(株)製 Sipomer PAM−100,PAM−200,PAM−300等が挙げられ、アクリル系共重合体を形成するモノマー成分中の20質量%以下の割合で用いることができ、1種または2種以上使用できる。
本発明に使用するアクリル系共重合体の重量平均分子量は50〜120万が好適であり、より好ましくは60〜100万である。当該範囲内とすることで、粘着剤が不織布へ含浸する際の柔軟性と、リワーク性に必要な凝集力をバランスよく両立することができる。前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算である。測定条件として、カラムはTSKgel GMHXL[東ソー製]を用い、カラム温度は40℃、溶離液はテトラヒドロフラン、流量は1.0mL/分とし、標準ポリスチレンはTSK標準ポリスチレンを用いる。
分子量を調整するために、重合には連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、公知の連鎖移動剤、例えばラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが使用できる。
(粘着付与樹脂の種類)
本発明に使用する水分散型アクリル系粘着剤組成物においては、得られる粘着剤層の強接着性を調整するために粘着付与樹脂を使用することが好ましい。本発明に使用する粘着付与樹脂としては、水分散型の粘着剤組成物に使用する観点から、エマルジョン型の粘着付与樹脂を好ましく使用できる。当該エマルジョン型の粘着付与樹脂としては、ロジン系、重合ロジン系、重合ロジンエステル系、ロジンフェノール系、安定化ロジンエステル系、不均化ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、石油樹脂系等が例示できる。
中でも、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂と、ロジンフェノール系粘着付与樹脂が好ましく、これらを併用で配合することが特に好ましい。具体的には、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂は、スーパーエステルE−650[荒川化学工業(株)製]、スーパーエステルE−788[荒川化学工業(株)製]、スーパーエステルE−786−60[荒川化学工業(株)製]、スーパーエステルE−865[荒川化学工業(株)製]、スーパーエステルE−865NT[荒川化学工業(株)製]、ハリエスターSK−508[ハリマ化成(株)製]ハリエスターSK−508H[ハリマ化成(株)製]、ハリエスターSK−816E[ハリマ化成(株)製]、ハリエスターSK−822E[ハリマ化成(株)製]、ハリエスターSK−323NS[ハリマ化成(株)製]等が挙げられ、ロジンフェノール系粘着付与樹脂は、タマノルE−100[荒川化学工業(株)製]、タマノルE−200[荒川化学工業(株)製]、タマノルE−200NT[荒川化学工業(株)製]等が挙げられる。
これらを併用する場合には、前記重合ロジンエステル系粘着付与樹脂(A)とロジンフェノール系粘着付与樹脂(B)との比が、(A)/(B)で表される質量比で5/1〜1/5であることが好ましく、3/1〜1/3がより好ましく、1/1〜1/3が更に好ましい。当該範囲内であれば、リワーク性と強接着性をバランスよく向上させることができる。
粘着付与樹脂の軟化点において、軟化点が120〜180℃であることが好適であり、より好ましくは140〜180℃である。軟化点の高い粘着付与樹脂を配合することで、強接着性が向上する。
アクリル系共重合体/粘着付与樹脂の配合比において、アクリル系共重合体/粘着付与樹脂=100/10〜100/40が好適であり、より好ましくはアクリル系共重合体/粘着付与樹脂=100/15〜100/35である。当該範囲内であれば、リワーク性と強接着性をバランスよく向上させることができる。
(架橋剤)
本発明に使用する水分散型アクリル系粘着剤組成物においては、得られる粘着剤層の凝集力を向上させる目的で、架橋剤を使用することが好ましい。架橋剤としては、公知のイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、多価金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤、ケト・ヒドラジド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、シラン系架橋剤、グリシジル(アルコキシ)エポキシシラン系架橋剤等が使用できる。その中でも、重合終了後に添加し、架橋反応を進行させるタイプの架橋剤が好ましい。例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、グリシジル(アルコキシ)エポキシシラン系架橋剤等が挙げられる。具体的には、イソシアネート系架橋剤では、バーノック DNW−5000[DIC(株)製]、バーノック DNW−5010[DIC(株)製]、バーノック DNW−5100[DIC(株)製]、バーノック DNW−5500[DIC(株)製]、アクアネート100[日本ポリウレタン工業(株)製]、アクアネート105[日本ポリウレタン工業(株)製]、アクアネート110[日本ポリウレタン工業(株)製]、アクアネート120[日本ポリウレタン工業(株)製]、アクアネート130[日本ポリウレタン工業(株)製]、アクアネート200[日本ポリウレタン工業(株)製]、アクアネート210[日本ポリウレタン工業(株)製]、LS2319[住化バイエルウレタン(株)製]、LS2336[住化バイエルウレタン(株)製]、Bayhydur3100[住化バイエルウレタン(株)製]等が挙げられ、エポキシ系架橋剤では、デナコール EX−832[ナガセ化成工業(株)製]、デナコール EX−841[ナガセ化成工業(株)製]、テトラッドC[三菱瓦斯化学(株)製]、テトラッドX[三菱瓦斯化学(株)製]等が挙げられ、オキサゾリン系架橋剤では、エポクロスWS−500[(株)日本触媒製]、エポクロスWS−700[(株)日本触媒製]、エポクロスK−2010E[(株)日本触媒製]、エポクロスK−2020E[(株)日本触媒製]、エポクロスK−2030E[(株)日本触媒製]が挙げられ、カルボジイミド系架橋剤では、カルボジライトSV−02[日清紡績(株)]、カルボジライトV−02[日清紡績(株)]、カルボジライトV−02−L2[日清紡績(株)]、カルボジライトV−04[日清紡績(株)]、カルボジライトE−01[日清紡績(株)]、カルボジライトE−02[日清紡績(株)]、カルボジライトE−03A[日清紡績(株)]、カルボジライトE−04[日清紡績(株)]、グリシジル(アルコキシ)エポキシシラン系架橋剤では、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン[KBM−303;信越シリコーン(株)製]、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン[KBM−403;信越シリコーン(株)製]、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン[KBE−402;信越シリコーン(株)製]、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン[KBE−403;信越シリコーン(株)製]等が挙げられる。
なかでも、酸基を有するビニルモノマーと反応する架橋剤を使用することが好ましく、上述のイソシアネート系架橋剤、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド系架橋剤、グリシジル(アルコキシ)エポキシシラン化合物等が好ましい。本発明は、エマルジョン粒子表面と粒子内部の両方に適切な量の酸基を配向させることにより、アクリル系共重合体の凝集力を全体にわたって確保することを特徴とする技術であるが、上述の酸基と反応する架橋剤を使用することにより、凝集力の向上を好適に発現できる。
本発明に使用する粘着剤層は、上記水分散型アクリル系粘着剤組成物を架橋させて得られる粘着剤層であり、そのゲル分率が10〜50%、好ましくは15〜45%の粘着剤層である。本発明においては、上記配合の組成物を用いて、当該範囲のゲル分率の粘着剤層を使用することで、好適に部品間を固定でき、かつ、良好に光学フィルムの歪みを抑制できる。粘着剤層のゲル分率は、使用する架橋剤に応じて含有量を適宜調整すればよい。また、ゲル分率は粘着剤層をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値を用いる。
(添加剤)
本発明に使用する水分散型アクリル系粘着剤組成物においては、添加剤として、必要に応じて本発明の所望の効果を阻害しない範囲で、pHを調整するための塩基(アンモニア水など)や酸、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン・ビーズ・金属粉末等の充填剤、顔料・染料等の着色剤、pH調整剤、皮膜形成補助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の公知のものを粘着剤組成物に任意で添加することがで
粘着剤層の厚みは、5〜50μmが好ましく、さらに好ましくは、10〜30μmである。5μm以上であれば、充分な接着性を得ることができ、また、50μm以下とすることで軽薄短小化の進む表示装置等に好適に適用できる。
[支持体]
本発明に使用する支持体は、特に制限されず、画像表示装置周辺部材固定に使用される各種支持体を使用できる。当該支持体としては、例えば、樹脂フィルムのみからなる支持体や、樹脂フィルムに着色層が設けられた支持体であってもよいが、光学フィルムと他の部材の固定、特に光学フィルムと透明パネルとの固定に際しては、遮光性能や光反射性能が求められることが多いため、良好な遮光性能や光反射性能を実現しやすいことから、樹脂フィルムに着色層が設けられた支持体を好ましく使用できる。
支持体に使用される樹脂フィルムとしては、公知慣用の樹脂フィルムを用いることができ、例えば、セロファン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステル等が挙げられる。なかでも、ポリエステルは、強度や絶縁性に優れるため好ましく使用できる。また、ポリエチレンテレフタレートはポリウレタン系樹脂を使用したインキ層との密着性も良好なため好ましく使用できる。
支持体となる樹脂フィルムの厚みとしては、6〜100μmが好ましい。厚みが6μm以上の場合は、剥離時にフィルムのキレが発生しにくく、100μm以下の場合は、被着体への貼付時にハガレが発生しにくい。さらに好ましくは、12〜50μmである。
また、樹脂フィルム自体が白色や黒色に着色されていてもよく、樹脂フィルムが光反射性を有する白色樹脂フィルムであると、画像表示装置の画像表示部に使用する際に、画像表示の輝度を上げることができるため好ましい。そのなかでも絶縁性・光拡散反射性を有する白色のポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。また樹脂フィルムが遮光性を有する黒色樹脂フィルムであると、画像表示装置のコントラストを上げるために好ましい。そのなかでも、黒色のポリエチレンテレフタレートが優れた遮光性を付与できるため好ましい。
これら樹脂フィルムに着色層を設ける場合には、着色インキを使用することが好ましい。当該着色層に使用する着色インキは画像表示装置周辺部材固定用に使用される遮光テープや光反射テープ等の着色テープに使用される着色インキを適宜使用できる。なかでも、着色層のハロゲン含有量が0.3質量%以下、好ましくは0.05質量%以下であり、ハロゲンを実質的に含有しないものが特に好ましい。このような、ハロゲン含有量を低減した着色層は、バインダー樹脂として塩酢ビ系樹脂等のハロゲンや硫黄を含有する樹脂を使用しない着色インキを使用するため、特に粘着剤層のアンカリングが得られ難いため粘着剤層の接着力が高くなるとリワーク性が得られ難いが、本発明に使用する上記の粘着剤層は、当該ハロゲン含有量の低い着色層であっても好適な接着性とリワーク性とを実現できる。ここで、ハロゲン含有量は、蛍光X線で分析したときの検出量である。たとえば、蛍光X線の分析装置としてはRigaku社製「ZSX Primus」、「ZSX PrimusII」等が挙げられる。
ハロゲン含有量を低減した着色インキとしては、バインダー樹脂として塩酢ビ系樹脂等のハロゲンや硫黄を含有する樹脂を使用しない着色インキを好ましく使用できる。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ニトロセルロースなどが使用できる。そのなかでも、粘着剤層との密着性及び着色層を積層する樹脂フィルムとの密着性からポリウレタン樹脂を好ましく使用でき、ポリエステルウレタン樹脂を特に好ましく使用できる。
バインダー樹脂としてポリエステルウレタン樹脂を使用する場合には、当該ポリエステルウレタン樹脂のガラス転移温度が−30℃〜30℃であることが好ましく、−20℃〜30℃であることがより好ましく、−15℃〜25℃であることがさらに好ましく、−10℃〜25℃であることが特に好ましい。ポリエステルウレタン樹脂のtanδのピーク温度がこの範囲にあると、着色層が好適な柔軟性と硬さを持つため、リワーク時に着色層のクラック発生によるチギレが特に生じにくく、また高温時のインキの流動によるハガレが発生しにくい。
なお、ポリエステルウレタン樹脂のガラス転移温度は、下記にて測定される周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルのtanδのピーク温度をガラス転移温度とする。
バーコーターにてポリエステルウレタン樹脂を厚さ50μmに製膜する。次に試料長さ20mmにカットした試験片(試料長20mm、膜厚50μ)を粘弾性試験機を用いて、周波数1Hz、昇温時間3℃/1分の条件で−150℃から250℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。損失正接tanδは、以下の計算式より算出する。
損失正接tanδ=G”/G’
粘弾性試験機としては例えば、セイコーインスツル社製DMS210、DMS220、DMS6100等があげられる。
着色層に使用する着色インキには、通常のインキに使用される硬化剤を含有するが、当該硬化剤として、脂肪族または脂環族イソシアネート系硬化剤を含有することも好ましい。ガラス転移温度が−30℃〜30℃のポリエステルウレタンと、比較的柔軟な架橋構造を形成する脂肪族または脂環族イソシアネートを架橋させることで、弾性率を制御しやすく、高温でのインキの流動に起因するインキ界面と粘着剤界面の剥がれを抑制しやすくなる。さらに好適な弾性率としやすいためリワーク時にインキ層のクラックが入りにくく、テープのチギレが発生しにくい効果が得られやすくなる。
脂肪族または脂環族イソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートが用いられる。また、これらイソシアネートの三量体を好ましく使用でき、そのなかでもジイソシアネートのアダクト体やビウレット体又はヌレート体であることが好ましい。そのなかでもヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートのアダクト体、又はビウレット体又は、ヌレート体が弾性率を制御しやすく好ましく、ビウレット体又はヌレート体が特に好ましい。硬化剤は単独で添加しても良いし、2種類以上を添加しても良い。
着色インキを着色するための着色剤としては、ハロゲンを含まない公知慣用の顔料や染料を使用することができ、黒の場合はカーボンブラック、白の場合は酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、黄色の場合は黄色酸化鉄、赤の場合はべんがら、青の場合はシアニンブルー、銀の場合はアルミニウム粉、パールの場合は雲母チタン粉が、耐候性・耐熱性・インキ樹脂に対する分散性から好ましい。着色層を遮光層とする場合には、黒色インキ層を形成できるものが好ましく、カーボンブラックが遮光性に優れるため好ましい。また、着色層を光反射層とする場合には、白色インキ層を形成できるものが好ましく、酸化チタンを好ましく使用できる。
着色剤の添加量としては、用途等に応じて適宜調整すればよく、着色剤を含むインキ固形分中の10〜70%が好ましい。より好ましくは、40〜50%である。10%以上あれば、好適に遮光性を示し、70%以下であれば、分散が良好となる。
着色層を遮光層とする場合には、使用する着色インキ中に、ブロッキング防止剤を含有することが好ましい。ブロッキング防止剤を含有することでブロッキングによるピンホールの発生を抑制できる。ブロッキング防止剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、タルク等の粒子系ブロッキング防止剤や、ポリエチレンワックス(PEワックス)、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級脂肪酸等の有機化合物系ブロッキング防止剤を使用することが好ましい。粒子系ブロッキング防止剤はインキ層表面に凹凸を形成しインキ面と背面の接触面積を減らすことでブロッキングを防止する。一方、有機化合物系ブロッキング防止剤はインキ層表面にブリードアウトすることでブロッキングを防止する。そのため、粒子系ブロッキング防止剤と有機化合物系ブロッキング防止剤を併用することが好ましい。特に粒子系ブロッキング防止剤としては粘着剤との密着性を向上させるシリカが好ましい。また有機化合物系ブロッキング防止剤としては粘着剤との密着性を大きく低下させないPEワックスが特に好ましい。
粒子径ブロッキング防止剤の添加量としては、インキ固形分に対して0.5〜10質量%であることが好ましい。そのなかでも1〜5質量%がより好ましい。0.5質量%以上であれば好適にブロッキング防止の効果を発揮し、10質量%以下であるとインキ皮膜が脆弱化し、リワーク時にテープのチギレが生じやすい。一方、有機系ブロッキング防止剤の添加量としては、インキ固形分に対して0.5〜10質量%であることが好ましい。そのなかでも2〜7質量%がより好ましい。0.5質量%以上であれば好適にブロッキング防止の効果が得られ、10質量%以下であると粘着剤との密着性やリワーク性も良好となる。また、必要に応じてその他の各種添加剤を含有していてもよい。
着色層の厚みは、所望の特性に応じて適宜調整すれば良い。例えば、着色層を遮光層とする場合には、遮光性とテープ打ち抜き時の加工性の観点から、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。なお、インキの厚みが厚いほど、リワーク性の観点からインキ層を低弾性率にすることが好ましい。
また、着色層は単層でも良いが、所望の隠蔽性や光反射性、遮光性に応じて、2層以上積層してもよい。特に着色層を遮光層とする場合には、遮光性の向上を図り、ピンホールによる光の漏洩を防止するため2層以上の着色層を設けることが好ましい。
本発明に使用する支持体は、樹脂フィルムの一面のみに着色層を有する構成であっても、樹脂フィルムの両面に着色層を有する構成であってもよく、使用目的に応じて適宜選択できる。好ましい態様の例として、本発明の両面粘着テープを遮光反射テープとする際には、樹脂フィルムとして光反射性の白色樹脂フィルムを使用し、当該白色樹脂フィルム上に黒色インキを使用した黒色着色層からなる遮光層を設けた構成が、優れた光反射性と遮光性とを兼備しやすいため好ましい。
市販されている光反射性樹脂フィルムとしては、麗光社製37W01、3M社製ESR、東レ社製E20#38、三菱化学ポリエステルフィルム社製W400#38、帝人デュポン社製テフレックスFW2#13等が、厚みが薄く、反射性が高いため好ましい。
樹脂フィルムへの着色層の積層は、公知慣用の印刷方式により印刷して積層できる。例えば、凸版印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等が採用できる。その中でも、グラビア印刷が重ねてコートするのに適している。インキコートするフィルム面は、公知慣用の易接着処理を施すのが好ましい。その中でもコロナ処理・プラズマ処理・プライマー処理から選ばれる易接着処理が好ましい。
本発明の着色テープを遮光テープ又は遮光反射テープとする場合には、支持体に10000cd/mの光を照射した時の光透過量が1cd/m以下であることが好ましく、0.1cd/m以下であることがより好ましい。
[両面粘着テープ]
本発明の両面粘着テープは、光学フィルムと他の部材とを固定する両面粘着テープであり、支持体の両面に粘着剤層が設けられ、少なくとも光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層が上記水分散型アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層の両面粘着テープである。当該構成により、VOCフリーの優れた環境対応性を有しつつ、歪みの生じやすい光学フィルムを他の部材と固定に際して低速での剥離応力に対しても好適な接着性を有し、かつ光学フィルムの歪みを抑制できる。さらに、粘着剤層とのアンカリングが得られ難いハロゲン含有量が0.3質量%以下の着色インキ層を設けた支持体を使用した場合にも、これら優れた性能に加え、ハロゲンフリー化による環境対応性を向上できると共に、製造不良時や修理時に一旦貼り合わせた部品をはずしてリペア作業等を行う際に剥離できる良好なリワーク性をも実現できる。
本発明の両面粘着テープは、支持体の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであり、少なくとも光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層が上記水分散型アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層である。光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層とは他面の粘着剤層は、同一の粘着剤層であっても他の粘着剤層であってもよい。光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層とは他面の粘着剤層は固定する他の部材に応じて適宜選択すれば良く、各種の水分散型アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を適用できる。なお、上記光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層は、各種被着体、特にガラスパネル等の透明パネルに対しても好適な接着性を有することから、両面とも同一の粘着剤層とすることも好ましい。また、各粘着剤層は、単層の粘着剤の層であっても複数の粘着剤層を積層したものでもよく、複数の粘着テープを積層した形態で使用しても良い。
粘着剤層は、粘着シートの塗布に一般的に使用されている方法で、樹脂フィルムや遮光層上に形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤層を形成する組成物を支持体に直接塗布し、乾燥する方法、或いは、いったんセパレータ上に塗布し、乾燥後、支持体に貼り合わせる方法などで形成できる。
本発明の両面粘着テープの厚みは、20〜100μmであることが好ましく、30〜75μmであることがより好ましい。中でも、40〜65μmであることが特に好ましい。厚みが当該範囲のものは、画像表示装置の部品固定用、特に小型電子機器の画像表示装置用として好適に使用できる。
本発明の両面粘着テープの光学フィルムに対する180度ピール接着力は、6〜15N/20mmが好ましく、7〜13N/10mm20mmがより好ましい。また、ガラスに対する接着力も上記範囲であることが好ましい。接着力が当該範囲のものは、画像表示装置の部品固定時に好適に部品固定が可能となる。
本発明の両面粘着テープは、テープ全体としても、ハロゲン(塩素・臭素・フッ素・ヨウ素)の含有量が0.3質量%以下のものが好ましく、0.05質量%以下のものがより好ましく、ハロゲンを実質的に含有しないものが特に好ましい。ハロゲンを低減した両面粘着テープは、画像表示装置の誤作動の抑制に好適である。
本発明の両面粘着テープの実施形態としては、少なくとも光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層として上記粘着剤層が支持体上に設けられている構成であればよいが、特に着色層を有する支持体の着色層面に、光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層を有する構成を好ましく使用できる。好適な具体例としては、樹脂フィルムの一面に着色層を有する支持体の両面に粘着剤層を有する形態、樹脂フィルムの両面に着色層を有する支持体の両面に粘着剤層を有する形態などが例示できる。これら形態において、着色層を黒色インキからなる遮光層とすれば遮光テープとして、白色インキからなる光反射層とすれば光反射テープとして使用できる。また、両者を組み合わせて使用するか、あるいは、使用する樹脂フィルムを光反射性白色フィルム又は遮光性黒色フィルムを使用し、これらと黒色インキからなる遮光層や白色インキからなる光反射層と組み合わせて、遮光反射テープとすることもできる。
[用途]
本発明の両面粘着テープは、光学フィルムと他の部材との固定に使用され、上記水分散型アクリル系粘着剤組成物を架橋して形成される粘着剤層を光学フィルムに貼り付けて使用される。本発明の両面粘着テープは、被着体への好適な接着力を有し、光学フィルムを他の部材と固定した後に、光学フィルムに変形が生じた場合にも光学フィルムの歪みを抑制できることから、光学フィルムと他の部材との固定が求められる画像表示装置に好適である。このため、光学フィルムの歪みが生じやすい、省スペースにて部品固定がなされている薄型の画像表示装置の光学フィルム固定に用いられる部品固定テープ、特に、好適な遮光反射性能が求められ、かつ不良時や修理時にリワーク性の要求される薄型の画像表示装置の光学フィルムと透明パネルとを固定する遮光テープ、光反射テープ、遮光反射テープとして好適に使用できる。
光学フィルムとしては、プリズムシート、拡散フィルム、遮光フィルム、反射フィルム等が挙げられる。そのなかでも特に歪みが発生しやすい光学フィルムとしては、偏光反射機能を有するフィルムにプリズム層を設けたプリズムシートが挙げられる。このような光学フィルムとしては、例えば、3M社製BEF−RP2RC、BEF−RP3が挙げられる。
本発明の両面粘着テープは、好適に光学フィルムの歪みを抑制でき、なかでも光学フィルムの大きさが2.5〜7インチ(対角)程度の大きさの光学フィルムに対して、特に好適な歪み抑制効果を奏する。
光学フィルムは、その外形変化率が大きいほど歪みが発生しやすく、流れ方向と幅方向で挙動が変わる場合に歪みが酷くなる。特に流れ方向に+0.06%以上であり、幅方向に−0.06%以下の場合に歪みが発生しやすい。本発明の両面粘着テープでは上記光学フィルムであっても歪みを抑制することができる。なお、光学フィルムの外形変化率は85℃で5分間静置前後の下式で表される。
外形変化率=[(静置後長さ−静置前長さ)/(静置前長さ)]×100(%)
光学フィルムがプリズム層を有しプリズム層の稜線が粘着テープの流れ方向と斜めに交差している場合に光学フィルムの歪みは発生しやすいが、本発明の粘着テープは上記構成であっても歪みを好適に抑制できる。
本発明の両面粘着テープにより、光学フィルムと固定される他の部材としては、画像表示装置にて光学フィルムと固定される各種部材であってよく、例えば、画像表示装置の表層に設けられる液晶(LCD)パネル、エレクロロルミネセンスパネル、プラズマディスプレイパネル、電子ペーパー表示パネル等の表示パネルが挙げられる。これらの表示パネルはガラスやプラスチック単独で使用されたり、偏光フィルム等の機能性フィルムを貼りあわされて使用される。本発明の両面粘着テープにおいて、両面とも上記の水分散型アクリル系粘着剤組成物を使用した粘着剤層とした場合には、特にガラスパネルや偏光フィルムとの接着性に優れる。
光学フィルムと他の部材との固定の態様としては、画像表示装置の画像表示領域が確保できる態様であれば特に制限されるものではないが、好ましくは、打ち抜き等により額縁状とした両面粘着テープにより、方形の光学フィルムと他の部材とを固定する態様、方形の光学フィルムの二辺以上の端部周辺領域を長方形の両面粘着テープにより固定する態様、方形の光学フィルムの端部周辺領域に任意の間隙で小片状の両面粘着テープで固定する態様等を例示できる。
画像表示装置の一例としては、バックライト方式のLCDなどがあり、この一般的な構成としては、反射板、導光板、拡散シート等が積層され、表層にプリズムシート等の光学フィルムが設けられ、導光板の側方にランプリフレクタを設けた、LED(Light Emitting Diode)、冷陰極管等の光源が配置されたバックライトモジュールと、表示パネル(LCDパネル)が順に積層された構成である。本発明の粘着テープは、表示パネルとバックライトモジュール表層の光学フィルムの間に額縁状に打ち抜かれて挟み込まれた態様を好ましい態様として例示できる。両面粘着テープの貼り付けられる形態は、両面粘着テープの光学フィルム側粘着剤層が、バックライトモジュール表層の光学フィルムのみに接している形態であっても、バックライトモジュール表層の光学フィルムと当該バックライトモジュールが収められた筐体とに跨って接している形態であってもよい。
本発明のガラスパネル固定用着色粘着テープは、周辺機器の誤作動を抑制でき、信頼性が高い製品を与えることから、各種の電子機器、特に、電子手帳、携帯電話、スマートフォン(高機能携帯電話)、PHS、ゲーム機器、電子書籍、多機能データ端末、モバイルパソコン等の小型化された携帯電子機器の表示装置のガラスパネル固定用として好適に使用できる。
[ポリエステルウレタンの製造例]
(ポリエステルウレタン樹脂(A))
攪拌機,温度計,還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸/テレフタル酸=50/50なる酸成分と3一メチル‐1,5ペンタンジオールから得られる数平均分子量(以下Mnという)2,000のポリエステルジオール256.3部とイソホロンジイソシアネート36.5部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン5.0部、ジ‐n‐ブチルアミン2.2部、トルエン175部、メチルエチルケトン350部、イソプロピレンアルコール175部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度30.0%、ガードナー粘度U−V(25℃)、アミン価=0、質量平均分子量(以下Mwという)67,000のポリエステルウレタン樹脂(A)を得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は−8℃であった。
(ポリエステルウレタン樹脂(B))
攪拌機,温度計,還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸とネオペンチルグリコールから得られるMn=1,000のポリエステルジオール223.1部とイソホロンジイソシアネート64.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で15時間反応させた。次いでイソホロンジアミン11.3部、ジ‐n‐ブチルアミン1.2部、トルエン175部、酢酸エチル315部、イソプロピレンアルコール210部を添加し、攪枠下に40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度30.0%、ガードナー粘度S−T(25℃)、アミン価=0.5、Mw=100,000のポリエステルウレタン樹脂(B)を得た。得られた樹脂のtanδのピーク温度は−20℃であった。
[黒色インキの製造例]
(黒色インキの製造例1)
デグサ社製「カーボンデグサスペシャル4A」を4部、デグサ社製「カーボンスペシャル250P」6部、ポリエステルウレタン樹脂(A)(tanδピーク温度=−8℃)を40部、メチルエチルケトンを23部、トルエンを13部、酢酸エチルを6部、N−プロピルアセテートを3部、イソプロピルアルコール3部を添加し、サンドミルで約1時間湿式分散した物に、DIC社製硬化剤「KR90」(ヘキサメチレンジジイソシアネートのビウレット体)を4部、DIC社製希釈剤「ダイレジューサーV No.20」を35部添加して黒色インキ(A)を作成した。なお、樹脂は固形分比を表す。
(黒色インキの製造例2)
製造例1のポリエステルウレタン樹脂(A)の代わりにポリエステルウレタン樹脂(B)(ポリエステルウレタン樹脂、tanδピーク温度=−20℃)を使用して、黒色インキの製造例1と同様に黒色インキ(B)を作成した。
[支持体の作製]
(インキコートフィルム(A))
帝人デュポンフィルム(株)製テフレックスFW2#13(厚さ:13μm、引張強度23N/20mm)に表面状態が50ダイン以上になるようコロナ処理を行い、その上に黒色インキ(A)を乾燥厚みが4μmになるよう2回グラビアコートした。尚、乾燥は常温で2分間放置した。その後40℃で2日間養生し、インキコートフィルム(A)を得た。
(インキコートフィルム(B))
黒色インキ(B)を使用した以外はインキコートフィルム(A)と同様にして、インキコートフィルム(B)を得た。
[アクリル系共重合体エマルジョンの調製方法]
(調整例1)
<乳化液(1)の調製>
容器にイオン交換水75.0gと界面活性剤アクアロンKH−1025[第一工業製薬(株)製;有効成分25%]20.0gと界面活性剤ラテムルPD−104[花王(株)製;有効成分20%]37.5gを入れ、均一に溶解した。そこに、n−ブチルアクリレート457g、メチルメタクリレート25.0g、アクリル酸17.5g、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5g、ラウリルメルカプタン0.2gを加えて乳化し、乳化液(1)632.7gを得た。
<アクリル系共重合体(1)のエマルジョンの製造>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、イオン交換水340gを入れ、窒素を吹き込みながら65℃まで昇温した。攪拌下、乳化液(1)の一部[3.2g]、過硫酸アンモニウム水溶液5.0g[有効成分3%]、亜硫酸水素ナトリウム水溶液5.0g[有効成分3%]を添加し、60℃を保ちながら1時間で重合させた。引き続き、残りの乳化液(1)629.5gと、過硫酸アンモニウム水溶液40g[有効成分1.25%]を別々の漏斗を使用して、反応容器を60℃に保ちながら8時間かけて滴下重合した。滴下終了後、反応容器を60℃に保ちながら2時間攪拌した後、内容物を冷却し、引き続き、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。これを200メッシュ金網で濾過し、アクリル系共重合体(1)のエマルジョン1013.5gを得た。ここで、得られたアクリル系共重合体(1)のエマルジョンは固形分濃度50%、平均粒子径は311nmであった。
(調整例2)
<乳化液(2)の調製>
容器にイオン交換水75.0gと界面活性剤アクアロンKH−1025[第一工業製薬(株)製;有効成分25%]20.0gと界面活性剤ラテムルPD−104[花王(株)製;有効成分20%]37.5gを入れ、均一に溶解した。そこに、n−ブチルアクリレート457g、メチルメタクリレート25.0g、アクリル酸17.5g、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5g、ラウリルメルカプタン0.2gを加えて乳化し、乳化液(2)632.7gを得た。
<アクリル系共重合体(2)のエマルジョンの製造>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、イオン交換水340gを入れ、窒素を吹き込みながら60℃まで昇温した。攪拌下、乳化液(2)の一部[3.2g]、過硫酸アンモニウム水溶液5.0g[有効成分3%]、亜硫酸水素ナトリウム水溶液5.0g[有効成分3%]を添加し、60℃を保ちながら1時間で重合させた。引き続き、残りの乳化液(2)629.5gと、過硫酸アンモニウム水溶液40g[有効成分1.25%]を別々の漏斗を使用して、反応容器を60℃に保ちながら8時間かけて滴下重合した。滴下終了後、反応容器を60℃に保ちながら2時間攪拌した後、内容物を冷却し、引き続き、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。これを200メッシュ金網で濾過し、アクリル系共重合体(2)のエマルジョン1013.5gを得た。ここで、得られたアクリル系共重合体(2)のエマルジョンは固形分濃度50%、平均粒子径は324nmであった。
(調整例3)
<乳化液(3)の調製>
容器にイオン交換水75.0gと界面活性剤アクアロンKH−1025[第一工業製薬(株)製;有効成分25%]20.0gと界面活性剤ラテムルPD−104[花王(株)製;有効成分20%]37.5gを入れ、均一に溶解した。そこに、n−ブチルアクリレート457g、酢酸ビニル25.0g、アクリル酸17.5g、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5g、ラウリルメルカプタン0.2gを加えて乳化し、乳化液(3)632.7gを得た。
<アクリル系共重合体(3)のエマルジョンの製造>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、イオン交換水340gを入れ、窒素を吹き込みながら65℃まで昇温した。攪拌下、乳化液(3)の一部[3.2g]、過硫酸アンモニウム水溶液5.0g[有効成分3%]、亜硫酸水素ナトリウム水溶液5.0g[有効成分3%]を添加し、60℃を保ちながら1時間で重合させた。引き続き、残りの乳化液(3)629.5gと、過硫酸アンモニウム水溶液40g[有効成分1.25%]を別々の漏斗を使用して、反応容器を60℃に保ちながら8時間かけて滴下重合した。滴下終了後、反応容器を60℃に保ちながら2時間攪拌した後、内容物を冷却し、引き続き、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。これを200メッシュ金網で濾過し、アクリル系共重合体(3)のエマルジョン1013.5gを得た。ここで、得られたアクリル系共重合体(3)のエマルジョンは固形分濃度50%、平均粒子径は308nmであった。
(製造例1)
前記のアクリル系共重合体(1)のエマルジョン1000g[dry;500g]に、レベリング剤としてサーフィノールPSA−336[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製;有効成分100%]2.5g、消泡剤としてサーフィノールDF−110D[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製;有効成分100%]2.5g、粘着付与樹脂としてエマルジョン型重合ロジンエステル系粘着付与樹脂スーパーエステルE−865NT[荒川化学工業(株)製;軟化点160℃]固形分で62.5g、エマルジョン型ロジンフェノール系粘着付与樹脂タマノルE−200NT[荒川化学工業(株)製;軟化点150℃]固形分で62.5g、架橋剤としてエポキシ化合物テトラッドC[三菱瓦斯化学(株)製]0.05g(0.01質量部)を添加し、200メッシュ金網で濾過し、水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)を得た。
(製造例2)
製造例1において、架橋剤としてエポキシ化合物テトラッドC[三菱瓦斯化学(株)製]0.15g(0.03質量部)を添加すること以外は、製造例1と同様にして、水分散型アクリル系粘着剤組成物(2)を製造した。
(製造例3)
前記のアクリル系共重合体(2)のエマルジョン1000g[dry;500g]に、レベリング剤としてサーフィノールPSA−336[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製;有効成分100%]2.5g、消泡剤としてサーフィノールDF−110D[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製;有効成分100%]2.5g、粘着付与樹脂としてエマルジョン型重合ロジンエステル系粘着付与樹脂スーパーエステルE−865NT[荒川化学工業(株)製;軟化点160℃]固形分で62.5g、エマルジョン型ロジンフェノール系粘着付与樹脂タマノルE−200NT[荒川化学工業(株)製;軟化点150℃]固形分で62.5g、架橋剤としてエポキシ化合物テトラッドC[三菱瓦斯化学(株)製]0.05g(0.01質量部)を添加し、200メッシュ金網で濾過し、水分散型アクリル系粘着剤組成物(3)を得た。
(比較製造例1)
前記のアクリル系共重合体(3)のエマルジョン1000g[dry;500g]に、レベリング剤としてサーフィノールPSA−336[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製;有効成分100%]2.5g、消泡剤としてサーフィノールDF−110D[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製;有効成分100%]2.5g、粘着付与樹脂としてエマルジョン型重合ロジンエステル系粘着付与樹脂スーパーエステルE−865NT[荒川化学工業(株)製;軟化点160℃]固形分で62.5g、エマルジョン型ロジンフェノール系粘着付与樹脂タマノルE−200NT[荒川化学工業(株)製;軟化点150℃]固形分で62.5g、架橋剤としてエポキシ化合物テトラッドC[三菱瓦斯化学(株)製]0.05g(0.01質量部)を添加し、200メッシュ金網で濾過し、水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)を得た。
(比較製造例2)
比較製造例1において、架橋剤としてエポキシ化合物テトラッドC[三菱瓦斯化学(株)製]0.15g(0.03質量部)を添加すること以外は、比較製造例1と同様にして、水分散型アクリル系粘着剤組成物(H2)を製造した。
(比較製造例3)
比較製造例1において、架橋剤としてエポキシ化合物テトラッドC[三菱瓦斯化学(株)製]0.25g(0.05質量部)を添加すること以外は、比較製造例1と同様にして、水分散型アクリル系粘着剤組成物(H3)を製造した。
(比較製造例4)
製造例1において、架橋剤としてエポキシ化合物テトラッドC[三菱瓦斯化学(株)製]0.25g(0.05質量部)を添加すること以外は、製造例1と同様にして、水分散型アクリル系粘着剤組成物(H4)を製造した。
[溶剤系のアクリル系粘着剤組成物の製造]
(参考製造例1)
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート93部、酢酸ビニル3.4部、アクリル酸3.5部、β−ヒドロキシ−エチルアクリレート0.1部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して質量平均分子量80万のアクリル系共重合体(S1)を得た。上記アクリル系共重合体(S1)を100部に、荒川化学社製「スーパーエステルA100」を10部、及び荒川化学工業製「ペンセルD135」10質量部を、トルエンで希釈し、固形分40%の溶剤系のアクリル系粘着剤組成物(S1)を得た。
[粘着テープの作製]
(実施例1)
製造例1で得た水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)を、離型処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが20μmとなるよう塗工して、85℃で2分間乾燥して粘着剤層を得た。得られた粘着剤層をインキコートフィルム(A)の両面に、転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cmの圧力でラミネートし、さらに、40℃で2日間養生して、実施例1の両面粘着テープを得た。
(実施例2〜3)
製造例2〜3で得た水分散型アクリル系粘着剤組成物(2)〜(3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜3の両面粘着テープを得た。
(実施例4)
製造例1で得た水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)を、離型処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが20μmとなるよう塗工して、85℃で2分間乾燥して粘着剤層を得た。得られた粘着剤層をインキコートフィルム(B)の両面に、転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cmの圧力でラミネートし、さらに、40℃で2日間養生して、実施例4の両面粘着テープを得た。
(実施例5)
製造例3で得た水分散型アクリル系粘着剤組成物(3)を使用した以外は、実施例4と同様にして、実施例5の両面粘着テープを得た。
(比較例1〜4)
比較製造例1〜4で得た水分散型アクリル系粘着剤組成物(H1)〜(H4)を使用した以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1〜4の両面粘着テープを得た。
(参考例1)
参考製造例1で得た溶剤系のアクリル系粘着剤組成物(S1)に日本ポリウレタン工業社製「コロネートL−45」(イソシアネート系架橋剤)を1.2部配合し、充分に撹拌した後、離型処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが20μmとなるよう塗工して、85℃で2分間乾燥して粘着剤層を得た。これをインキコートフィルム(b)の両面に転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cmの圧力でラミネートし、さらに、40℃で2日間養生して、参考例1の両面粘着テープを得た。
上記で得られた各組成物に使用したアクリル系共重合体のモノマー配合を表1に示した。また、上記インキコートフィルム、実施例、比較例及び参考例にて得られた粘着剤層及び両面粘着テープについて、以下の項目の評価を行い、得られた結果を表2〜4に示した。
[弾性率、伸び率、破断強度、破断伸度の測定]
上記インキコートフィルムに使用した黒色インキを、10mm幅、長さ150mmのインキ塗膜に加工し、環境温度23℃、湿度50%の条件下で、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、チャック間100mmのときに、300mm/minで引っ張った時の弾性率、引張強度、破断強度、破断伸度を測定した。
[接着力]
接着力はJIS−Z0237(2000)の180度引き剥がし接着力の試験方法に従って下記の手順により求めた。
ステンレス(SUS)板、ガラス板、および、光学フィルム(3M社製薄型光学フィルム「BEFRP2RC」(120μm))にポリエステルフィルム25μmで裏打ちした20mm幅の実施例及び比較例の粘着テープを、環境温度23℃、湿度50%の条件下において、2kgのローラーで1往復加圧貼付し1時間放置後、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、同一の温度湿度条件下で300mm/minの速度で引っ張って、180度引き剥がし接着力を測定した。
尚、ガラスに対する接着力が8N/20mm以上のものを良好と判断した。
(光学フィルムのうねり/歪み試験)
上記にて調整した粘着テープを23℃下で図3のように額縁状に打ち抜き加工した粘着テープ(外形:32mm×42mm、幅:2mm)の黒色インキ側をガラスに貼付し、白色インキ側を3M社製の薄型光学フィルム「BEFRP2RC」(120μm)(外形:30mm×40mm)に貼付した(図3)。なお、粘着テープと光学フィルムが接する幅は各辺とも1mmとした。この部品を85℃に72時間静置し、その後23℃に1時間静置して、85℃静置前後での外観変化を観察した。
○:光学フィルムに歪みが発生しなかった
△:光学フィルムに歪みが発生した
×:光学フィルムに大きな歪みが発生した
[リワーク性]
ステンレス板に白面をポリエステルフィルム25μmで裏打ちした10mm幅の実施例及び比較例の粘着テープを、環境温度23℃、湿度50%RHの条件下において、2kgローラーで1往復加圧貼付し1時間後、60℃の環境試験器で24時間放置する。その後、23℃に1時間放置後、斜め135°方向に300mm/minの速度で剥がし、粘着剤が糊残りせずに剥がせるか否かを評価した。
○:糊残り無く剥離可能であった。
×:糊残りが発生する。
[遮光性]
電通産業(株)製ライトボックス「フラットイルミネーターHF−SL−A48LCG」が10000cd/mになるよう調整し、その上に遮光性粘着テープを置き、遮光性粘着テープを透過する光を(株)アイ・システム製輝度計「アイスケール3」で測定する
Figure 0005760573
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上記表3〜4から明らかなとおり、実施例1〜5の本発明の両面粘着テープは、VOCを低減させた水系粘着剤を使用しつつも、低速剥離力に対する好適な接着性を有し、かつ、光学フィルムのうねりや歪みを好適に抑制できるものであった。また、着色インキ層を有する支持体に対する好適なアンカリング性により好適なリワーク性を有するものであった。一方、比較例の粘着テープは、光学フィルムのうねりや歪みを抑制できないものであった。また、光学フィルムやガラスへの密着性に劣るものであった。
10:粘着テープ
11:プリズムシート
12:拡散シート
13:光源
14:導光板
15:反射板
16:バックライト筐体
17:LCDパネル
18:ドライバー
20:両面粘着テープ
21:光学フィルム
22:ガラス

Claims (10)

  1. 光学フィルムと他の部材とを固定する両面粘着テープであって、
    支持体の両面に粘着剤層が設けられ、少なくとも光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層が、水性媒体中にアクリル系共重合体エマルジョン粒子が分散した水分散型アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層であり、前記水分散型アクリル系粘着剤組成物が架橋剤としてエポキシ化合物を含有するものであり、
    前記アクリル系共重合体エマルジョン粒子を形成するアクリル系共重合体が、炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、カルボキシル基含有モノマーをモノマー成分として含有し、
    前記アクリル系共重合体を形成するモノマー成分中の炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が50〜98質量%、炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が1〜10質量%、カルボキシル基含有モノマーの含有量が1〜10質量%であり、
    粘着剤層のゲル分率が10〜50%であることを特徴とする両面粘着テープ。
  2. 前記光学フィルムと固定される他の部材が、画像表示装置の表示パネルである請求項1に記載の両面粘着テープ。
  3. 前記表示パネルがガラスパネルである請求項2に記載の両面粘着テープ。
  4. 前記炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとして、n−ブチル(メタ)アクリレートを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の両面粘着テープ。
  5. 前記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが、メチル(メタ)アクリレートである請求項1〜4のいずれかに記載の両面粘着テープ。
  6. 前記カルボキシル基含有モノマーとして、アクリル酸を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の両面粘着テープ。
  7. 前記支持体が、樹脂フィルムの少なくとも一面に、ハロゲン含有量が0.3質量%以下の着色インキからなる着色層を有する支持体であり、前記支持体の着色層側表面に、光学フィルムに貼り付けられる粘着剤層が設けられた請求項1〜6のいずれかに記載の両面粘着テープ。
  8. 前記着色インキが、ポリウレタン系樹脂をバインダー樹脂とする請求項7に記載の両面粘着テープ。
  9. 前記ポリウレタン系樹脂が、ガラス転移温度が−30〜30℃のポリエステルポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の両面粘着テープ。
  10. 前記着色インキが、ブロッキング防止剤を含有する請求項7〜9のいずれかに記載の両面粘着テープ。
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