JP2016211369A - 水硬性固化材液置換コラムの築造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 掘削ロッド1の下端部の掘削ヘッドが、下方に向かって円錐状に突出し、周面に水硬性固化材液の吐出口22aおよび掘削土砂を上方に押し上げる方向にスパイラル翼25を有し、掘進施工時においてスパイラル翼25によって掘削を行い、掘削土砂を上方へ押し上げることで、掘削土砂が砂質土であっても良好な掘進性を確保でき、掘削ロッド1の引き上げ時に水硬性固化材液の吐出を行う。
【選択図】 図15
Description
(1)杭心位置合わせ
施工装置10のオーガモータ12に取り付けた掘削ロッド1先端の中心を杭心位置に合わせてセットする(図28(a))。
(2)掘進
掘削ロッド1を回転させながら給進させ、所定深さまで掘削圧入する(図28(b))。
(3)保持または練り返し
掘削ロッド1の先端(掘削ヘッド)が所定深度に達したら、セメントミルク(水硬性固化材液)を掘削ロッド1の掘削ヘッド8の先端部から吐出しながら、一定時間保持若しくは練り返しを行なう(図28(c))。
(4)引き上げ
セメントミルクを吐出しながら掘削ロッド1を引き上げる(図28(d))。
(5)杭頭レベル合わせ
掘削ロッド1を引き上げ、セメントミルク補充等によりコラム天端レベル(杭頭レベル)を所定の位置に合わせる(図28(e))。なお、セメントミルクの補充は、施工終了後に行う場合もある。
(6)終了(図28(f))。
近年は環境保護意識の高まりから、杭基礎施工時に発生残土量の少ない施工法が要求されるようになっている。従って、この先行技術についても発生残土量が最も少ない、図27(a)、(b)に示すような周面が滑らかな円筒状の掘削ロッド1を使用する施工が望ましいが、地盤条件や施工条件等を総合的に勘案して掘削ロッドタイプを選択する必要がある。
(1)図27(a)に示すような排土機構のない掘削ロッド1を用いて施工するとき、図30に示すように掘削対象地盤Jが砂質土の場合は、掘削爪18位置の掘削土砂を上方へ排除することができない状態で、矢印S方向の押込み力が作用すれば、掘削土砂の矢印R方向へのせん断抵抗力が増大するため、掘削ヘッド8の下方への掘進性が低下するか若しくは掘進不能に陥ることがある。このような事態に陥れば施工は所定深度まで実施することができず、いわゆる高止まりという施工トラブルとなる。
また、掘削ロッド下端から漏れる水硬性固化材液の垂れ受けを可能にする水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド及び該掘削ヘッドを設けた掘削ロッドを備える掘削装置を使用する水硬性固化材液置換コラムの築造方法の提供を第2の目的とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記掘削ヘッドの回転時の最大外径が掘削ロッドの回転径を超えないことを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記円錐ヘッドの上部周面には、溶接により肉盛された肉盛部が形成されていることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記円錐ヘッドの上端部の外径が掘削ロッドの外径と略同一であることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記円錐ヘッドの周面に設けられた前記所定高さのスパイラル翼は、前記円錐ヘッドの上端部位置に至らない領域に設けたことを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項6の発明は、請求項5において、前記円錐ヘッドの上端部位置から前記所定高さのスパイラル翼の上端までの周面が、溶接により肉盛された肉盛部であることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記掘削ロッドと円錐ヘッドとは溶接によって連結されていることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項において、前記水硬性固化材液の吐出口には逆止弁を設けていることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項において、前記水硬性固化材液の吐出口は、その中心位置から掘削ロッドの掘削回転時の回転方向後方側が切削されて円錐ヘッドの円錐面より低い高さに加工されていることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項において、円錐ヘッドの最先端に、水硬性固化材液受け具を吊り下げる突起または孔部を有することを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項12の発明は、掘削ロッド下部周面の摩耗部が、溶接により肉盛された肉盛部に形成されており、該掘削ロッドの下端部に、前記請求項11に記載する掘削ヘッドを有する掘削ロッドを備えることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
請求項14の発明は、請求項14において、前記スパイラルロッドの長さが大きくとも2mを超えないことを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
また、請求項15の発明は、周面の略全長に亘って正転時に掘削土砂を上方に押し上げる方向のスパイラルスクリューが設けられた掘削ロッド本体の下端に、請求項1乃至10のいずれか1項に記載する掘削ヘッドを設けた掘削ロッドを備えることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法を提供するものである。
(1)請求項1の発明による水硬性固化材液置換コラムの築造方法によれば、ヘッド本体が下向きに円錐状に突設された円錐ヘッドで、その円錐角度が30°〜40°であり、該円錐ヘッドの周面に所定高さのスパイラル翼が突設されているため、掘進施工時において、掘削ロッドの正回転に伴いヘッド先端の掘削土砂は所定高さのスパイラル翼によって掘削され、かつ円錐の傾斜に沿った所定高さのスパイラル翼により上方へスムースに押し上げられる。このため、砂質土地盤では円錐型でない掘削ヘッドを使用した場合に発生する図30に示すような押し込み力が掘削土砂のせん断抵抗を高めてしまい、掘進不能に陥ることがない。したがって、地盤の掘削土砂が砂質土であっても円錐ヘッドの円錐形状と所定高さのスパイラル翼の相乗効果で良好な掘進性を確保できる。この効果により、掘削ロッドが排土機構の全くない周面が円滑な掘削ロッドであっても、比較的良好な掘進性を発揮する。掘削ロッド自体の周面にスパイラルスクリューを突設したものを使用すれば、さらに掘進性が向上する。
また、円錐角度を30°〜40°にしているため、掘進性を発揮しつつ、耐久性があり、かつ円錐ヘッドの製作コストを抑える効果がある。
a.砂質地盤中の施工を繰り返すことにより、掘削ロッド下端面の、円錐ヘッド上端部よりはみ出した部分が激しく摩耗し円錐ヘッドの稜線に近づこうとする。
b.掘削土砂は、円錐ヘッドに固設された所定高さのスパイラル翼に沿って相対的に上方に案内されるため、円錐ヘッドの所定高さのスパイラル翼上端近傍の周面は、この案内されて上方に移動する土砂の通路となり、この部分が移動する土砂により激しく摩耗する。
c.掘削ロッドの下方部周側面の下端から0.5〜1m区間の摩耗が激しい。
このような摩耗が進行すると、円錐ヘッドの破損や掘削ロッドの破損が生じ、水硬性固化材液置換コラムの施工そのものが不能に陥る恐れがある。
(4)請求項3乃至6の発明による水硬性固化材液置換コラムの築造方法によれば、このような摩耗の進行を遅延させ、円錐ヘッドや掘削ロッドの寿命を延ばすことができる。
また、円錐ヘッドの先端部に突起を設け、この突起の先端に突起本体の軸径よりも大きな径の円板を固設してある。前記突起は円錐部先端の掘削ヘッドに対して左右対称位置に設けてもよい。さらに、円錐部先端にフック状の突起を設けてもよい。なお、前記突起は前記挿通孔と同様にバケツやパン等を吊り下げることができる形状であればよい。
なお、ここでは円錐ヘッド21が掘削ロッド1端に着脱自在に取り付ける場合を示しているが、円錐ヘッド21は掘削ロッド1端に固着(例えば、溶接)して設けてもよい。
この施工試験では、図15(a)に示す掘削ロッド1を備える掘削装置を実施例1とし、図15(b)に示す掘削ロッド1を備える掘削装置を実施例2とした。本例の実施例2での掘削ロッド1のスパイラルロッド1cの長さは、1mであった。図15(b)では、掘削ロッド本体1aと、1mのスパイラルロッド1cと、円錐ヘッド21のそれぞれが、継手を介して着脱自在に接続されているが、掘削ロッド本体1aと、1mのスパイラルロッド1cを固設して、円錐ヘッド21のみを継手を介して着脱自在に接続してもよいし、スパイラルロッド1cと円錐ヘッド21を固設して、継手を介して掘削ロッド本体1aと着脱自在に接続してもよい。これにより製作コストが高い継手部の箇所数を減ずることができるので、掘削装置の製作コストを縮減できる。また、図16に示す掘削ロッド1を備える掘削装置を比較例とした。この図16に示す掘削ロッド1は、従来例で示したものであり、上方にアダプター2を介して連結された取付け用ロッド1bを有する掘削ロッド本体1aは、全長に亘って側面(周面)が滑らかな円筒体であり、該掘削ロッド本体1aの下端に、掘削ヘッド8が装着されたものであり、掘削ヘッド8は掘削爪18で構成されている。
図17(a)の土質柱状図によれば、施工試験を実施した地盤は、盛土による0.3mの表土の下にGL−1.95mまでN値4のローム層があり、その下方にN値1の凝灰質粘土層が堆積し、さらにその下方には緩い細砂層が続き、GL−5mからはN値が9〜7となり、だらだらと−10mまで続く。地下水位は細砂層の上部付近のGL−3.2m付近である。
図17(b)に示すスウェーデン式サウンディング試験結果では、GL−0.5mまでNswが大きくとも50の砂質土の盛土があり、その下方にNswが0に近い粘性土がGL−4m付近まで続き、それ以降は一部を除きNswが100を超える砂層が続く。
実施例1の掘削装置は、GL−4.5mのN値6程度の砂層から掘進速度が低下したが、途中で掘削ロッドを一時的に引上げるなどの操作をすることにより、目標のGL−8mまでの掘進ができた。掘進開始からGL−8mに到達するまでに要した時間は8.25分であった。
実施例2の掘削装置は、GL−4.5mのN値6程度の砂層から掘進速度が低下したが、それは一時的なものであり、1分程度で元の掘進速度まで回復し、目標のGL−8mまでスムースに掘進ができた。掘進開始からGL−8mに到達するまでに要した時間は6分弱であった。
図15(c)の掘削ロッド1を備える掘削装置は、施工試験を実施しなかったが、掘削ロッド1が円錐ヘッド21を備え、掘削ロッド本体1aの略全長に亘りスパイラルスクリュー3を具備し排土機能を有するため、実施例2よりさらに掘進性能が高く、所定深度(GL−8m)までに要する時間も更に短くなることが理解できる。
比較例の掘削装置は、GL−4.5mのN値6程度の砂層から掘進速度が低下し、GL−5mで掘進不能に陥りそうだったが、その後掘進が可能となり、途中で掘削ロッド1を一時的に引上げるなどの操作をして掘進を続けながらも、GL−6.3mの細砂層まで掘進できた。しかし、それ以降は全く掘進不能となり、目標のGL−8mまでの掘進ができなかった。
本願発明である実施例1の掘削装置は、円錐ヘッド21の円錐形状と円錐側面に設けられた所定高さのスパイラル翼の排土機構が有効に作用したので、掘削対象地盤が砂質土になっても掘進速度が低下するものの、比較例の掘削装置のように掘進不能に陥ることなく、目標深度であるGL−8mまで掘進することができた。これは、所定高さのスパイラル翼が突設された円錐ヘッド21が掘削した砂質土砂を相対的に上方へ移動させ、その移動させられた砂質土砂を掘削ロッド1が側方の地盤へ押し込みながら掘進するため、砂質地盤であっても比較例(従来技術)のように掘削土砂が掘進抵抗になることがないためである。
本願発明の実施例2の掘削装置は、所定高さのスパイラル翼が突設された円錐ヘッド1のさらに上方1mの区間はスパイラルスクリュー3が設けられたスパイラルロッド1cであるため、掘削土砂の上方への排土力が実施例1の掘削装置よりも強化される。また、相対的に上方へ移動させられた土砂はスパイラルロッド25とその上方の掘削ロッド本体1aの広い範囲で側方に押し込められるため、掘削対象地盤が砂質土であっても掘進抵抗が相対的に小さくなる。したがって、実施例2の掘削装置は目標深度のGL−8mまでの掘進が比較例や実施例1の装置に比べて確実かつスムースであり、目標深度までに要した掘進時間は実施例1の掘削装置より2分以上も短い6分弱であった。これは1本あたりの施工時間を実施例1より約25%以上短縮できることになる。
また、図15(c)に示す掘削ロッド1を備える掘削装置は、施工試験は実施しなかったが、円錐ヘッド21を備え、かつ掘削ロッド本体1aの略全長に亘りスパイラルスクリュー3を具備し排土機能を有するため、実施例2より更に掘進性能が高く、所定深度までに要する時間も更に短縮できることが予測できる。
スパイラルロッド1cの長さを長くすれば掘進性は向上するが、発生残土量が増える傾向がある。
本願発明の主たる用途である戸建住宅基礎や土間スラブ基礎では、小型の施工機を使用することが一般的であるため、掘削ロッドの長さは4m程度が最大であり、それよりも深い深度の水硬性固化材液置換コラムの築造は施工機への取付け用ロッド1bを継ぎ足して行うことになる。掘削ロッド4mをスパイラルロッド1cと側面に排土機構のない掘削ロッド本体1aで構成するため、スパイラルロッド1cの長さはバランス上2mを超えない方がよい。さらに、排土量や孔壁の練り付け効果の観点から1m程度以下が好ましい。
(a)砂質地盤中の施工を繰り返すことにより、掘削ロッド1の下端面の円錐ヘッド21の上端部21cよりはみ出した部分41が、図25(a)の状態から(b)の状態に示すように激しく摩耗し、円錐ヘッド21の稜線に近づこうとする。特に、円錐ヘッド21の所定高さのスパイラル翼25の上端(終端)と接する掘削ロッド1の下端部分42は、所定高さのスパイラル翼25に沿って相対的に上方に案内された掘削土砂が集中して通過する部分となるため、摩耗が激しい。
(b)掘削土砂は、円錐ヘッド21の所定高さのスパイラル翼25に沿って相対的に上方に案内されるため円錐ヘッド21の所定高さのスパイラル翼25の上端(終端)近傍の円錐ヘッド21周面43は、この案内されてくる土砂の集中する通路となり、掘削土砂の掘削抵抗が激しく、この部分で激しく摩耗する。
(c)掘削ロッド1の下方部周側面44、特に下端から0.5〜1mの区間は、回転して掘削土砂を側方に押し付け孔壁を形成する部分であり、加えて掘削土砂は、円錐ヘッド21の所定高さのスパイラル翼25で案内されてきた土砂が集中して存在するため、回転押し付け(摺り付け)時に掘削抵抗を激しく受ける部分となり激しく摩耗する。
このような摩耗が進行すると、機能が低下したり、円錐ヘッド21の破損や掘削ロッド1の破損が生じ、水硬性固化材液置換コラムの施工に支障をきたすし、施工そのものが不能に陥る恐れもある。
図20は、円錐ヘッドの他の実施の形態を示す正面図で、円錐ヘッド21の上部周面に溶接により肉盛して肉盛部Nを形成した場合を示す。
円錐ヘッド21では上部に向かうほどに径大となり、しかも土砂は、所定高さのスパイラル翼25に沿って相対的に上方に案内されるため、円錐ヘッド21の上部周面は摩耗が進み易い。本例のように円錐ヘッド21の上部周面に肉盛部Nを設けることによって、長持ちさせることができ長寿命化できる。また、使用により摩耗した場合には、この部分周面に溶接により肉盛部Nを形成し、再使用を可能とすることができる。
この実施の形態によれば、掘削ロッド1の下端面に、円錐ヘッド21の上端部21cよりはみ出した部分がないので、この部分が摩耗し円錐ヘッド21cの稜線に近づくような摩耗変形は減少する。また、所定高さのスパイラル翼25は、円錐ヘッド21の上端部21c位置に至っていないので、所定高さのスパイラル翼25の上端は掘削ロッド1の下端との間に距離がある。従って、所定高さのスパイラル翼25に沿って案内されて移動する掘削土砂は、該距離の間に分散し掘削ロッド1下端の一部に集中して通過する部分がなくなり、一部だけ激しく摩耗することが減少される。
円錐ヘッド21の上端部21c位置から所定高さのスパイラル翼25の上端までの摩耗領域aは、砂質地盤等における掘削抵抗を最も受け易く、この領域aで摩耗が進み易く、円錐ヘッド21の強度劣化を招き易い。そこで、この領域aに溶接による肉盛部Nを形成し、長寿命化したり、また、使用により領域aが摩耗した場合には肉盛溶接により再生することによって、その円錐ヘッド21の再利用が可能になり、長期使用が可能となる。
即ち、図21に示す円錐ヘッド21のように所定高さのスパイラル翼25の上端が円錐ヘッド21の上端部21cに至らず、距離Kが設定してある場合には、所定高さのスパイラル翼25に沿って案内されてくる掘削土砂は、所定高さのスパイラル翼25の上端を過ぎると円錐ヘッド21の距離Kの間の周面に分散するため、この周面の摩耗が激しくなる。本実施の形態によれば、この摩耗の激しい円錐ヘッドの距離Kの間の周面(摩耗領域a)には、肉盛部Nが形成してあるので摩耗を遅らせることができ寿命を延ばすことができる。また、摩耗した場合には、この摩耗領域aに図22に示すように溶接により肉盛部Nを形成することによって再利用が可能となる。
掘削ロッド1の下方部周側面は、掘削土砂を側方に回転して押し付け孔壁を形成する部分であり、円錐ヘッド21の所定高さのスパイラル翼25で案内されてきた土砂が集中して存在するため、回転押し付け(摺り付け)時に掘削抵抗を激しく受ける部分となり、激しく摩耗する。特に、掘削ロッド1の下方部周側面の下端から0.5〜1mの区間の摩耗が顕著である。この図23に示す実施の形態によれば、掘削ロッド1の下方部周側面(摩耗領域b)、例えば、下端から0.5〜1mの区間の周側面に、溶接による肉盛部Nを形成してあるので、摩耗を遅らせることができ、寿命を延ばすことができる。使用して摩耗した場合には、この摩耗領域bに肉盛部Nを形成して再利用することも可能となる。
なお、溶接による肉盛部Nを形成することで、掘削ロッド1の下方部周側面の摩耗領域bの管厚を厚くするのに替えて、最初から掘削ロッド1の下方部周側面の摩耗領域bの部分の管厚の厚いロッドを使用してもよい。
前記した通り所定高さのスパイラル翼25の上端が円錐ヘッド21の上端部21cに至らず、上端部21cとの間に距離Kが存在する場合には、この距離Kの間の周面(摩耗領域a)が激しく摩耗する。また、前記した通り掘削ロッド1の下方部周側面(摩耗領域b)が激しく摩耗する。本実施の形態によれば、円錐ヘッド1の摩耗領域aおよび掘削ロッド1の下方部の摩耗領域bに、溶接による肉盛部Nが形成してあるので、摩耗を遅らせ寿命を延ばすことができる。また、この摩耗領域a、bが使用によって摩耗した場合には、溶接による肉盛部Nを形成することによって再利用を可能とし、経済性が向上する。
1a 掘削ロッド本体
5 内管(供給パイプ)
21 円錐ヘッド
21a 基部
21b 円錐部
22 流路(連通孔)
22a 吐出口
23、24 逆止弁
25 所定高さのスパイラル翼
26 座繰り部
27、29、31 挿通孔
28 鋼板
30 鋼棒
32 バケツ(水硬性固化材液受け具)
33 吊り紐
34 フック
35、37、38 突起
40 継手
N 肉盛部
Claims (15)
- 水硬性固化材液の流路を有する掘削ロッドの下端部に接続される掘削ヘッドが、下方に向かって円錐状に突出する円錐状の形状で、その円錐のなす角度が30°〜40°であり、かつその円錐ヘッドの周面には、前記流路に通じる水硬性固化材液の吐出口を設けるとともに、掘削ロッド正転時に掘削土砂を上方に押し上げる方向に所定高さのスパイラル翼が設けられており、該円錐ヘッドが接続された水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドを正回転させながら、所定深度まで掘削圧入し、該掘削ロッドが所定深度に達したら水硬性固化材液を該吐出口から吐出しながら引き上げ、水硬性固化材液天端レベルを所定位置に合わせることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記円錐ヘッドの回転時の最大外径が掘削ロッドの回転径を超えないことを特徴とする請求項1記載の水硬性硬化剤液置換コラムの築造方法。
- 前記円錐ヘッドの上部周囲には、溶接により肉盛りされた肉盛部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記円錐ヘッドの上端部の外径が掘削ロッドの外径と略同一であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記円錐ヘッドの周囲に設けられた前記所定高さのスパイラル翼は、前記円錐ヘッドの上端部位置に至らない領域に設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記円錐ヘッドの上端部位置から前記所定高さのスパイラル翼の上端までの周面が、溶接により肉盛された肉盛部であることを特徴とする請求項5記載の水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記掘削ロッドと円錐ヘッドとは溶接によって連結されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記水硬性固化材液の吐出口には逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記水硬性固化材液の吐出口は、その中心位置から掘削ロッドの掘削回転時の回転方向後方側が切削されて円錐ヘッドの円錐面より低い高さに加工されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の水硬性硬化材液置換コラムの築造方法。
- 円錐ヘッドの最先端に、水硬性硬化材液受け具を吊り下げる突起又は孔部を設けたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の水硬性硬化材液置換コラムの築造方法。
- 前記掘削ロッドは、下端から少なくとも0.5mの範囲が肉厚の大きい不等厚管であることを特徴とする請求項10記載の水硬性硬化材液置換コラムの築造方法。
- 掘削ロッドは、下部周面の摩耗部が、溶接により肉盛りされた肉盛部に形成されていることを特徴とする請求項11記載の水硬性硬化材液置換コラムの築造方法。
- 排土機構のない周面が円滑な掘削ロッド本体の下方部に、外径が該掘削ロッド本体と同一径か少し径小であり、かつ正転時に掘削土砂を上方に押し上げる方向のスパイラルスクリューを有する比較的短尺のスパイラルロッドを連結し、該スパイラルロッドの下端に、請求項1乃至10のいずれか1項に記載する掘削ヘッドを接続した掘削ロッドを備えることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記スパイラルロッドの長さが大きくとも2mを超えないことを特徴とする請求項13記載の水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 周面の略全長に亘って正転時に掘削土砂を上方に押し上げる方向のスパイラルスクリューが設けられた掘削ロッド本体の下端に、請求項1乃至10のいずれか1項に記載する掘削ヘッドを連結した掘削ロッドを備えることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
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