JP2017133270A - 水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド - Google Patents

水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド Download PDF

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Atsushi Murayama
篤史 村山
俊則 藤橋
Toshinori Fujihashi
俊則 藤橋
啓三 田中
Keizo Tanaka
啓三 田中
金子 貴之
Takayuki Kaneko
貴之 金子
吉田 茂
Shigeru Yoshida
茂 吉田
大和 真一
Shinichi Yamato
真一 大和
雄治 柳田
Yuji Yanagida
雄治 柳田
吉田 茂樹
Shigeki Yoshida
茂樹 吉田
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Abstract

【課題】 硬質地盤に対する掘削能力を向上するとともに、スパイラル翼外周頂面の摩耗を効果的に抑制し、円錐ヘッドの長寿命化を実現可能にする。
【解決手段】 水硬性固化材液の流路に通じる水硬性固化材液の吐出口24と、掘削ロッド21の正転時に掘削土砂を上方に押し上げるスパイラル翼25とを円錐ヘッド22の周面に設け、スパイラル翼25には所定間隔をおいて複数個の切削爪28を突設した構成である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水硬性固化材液置換による小径の杭状補強材の築造に使用する水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドに関する。
戸建住宅や土間スラブの基礎工法として、一般的に深層混合処理工法によるコラム工法が採用されている。このコラム工法は原位置の地盤とセメントスラリーを攪拌混合するため、粘着力の高い粘性土を対象とする場合に共回り現象が発生して混合不良による品質不良が発生したり、有機質土などの地盤の種別によっては固化不良を発生したりするという問題があった。この問題を解決するために、出願人らは先に水硬性固化材液置換コラムの築造方法および水硬性固化材液置換コラムの施工装置を提案している(特許文献1参照)。
この先行技術は、図9に示すように、先端部に掘削ヘッド8を装着した掘削ロッド(掘削オーガともいう)1を、正逆方向への回転が可能なオーガモータ12に取り付け、このオーガモータ12をリーダ11に沿って上下方向に給進可能(進退可能)な施工装置10を用いて行うものである。リーダ11にはスライド板13がリーダ11に沿ってスライド可能に設けられ、オーガモータ12はスライド板13に固着されている。オーガモータ12に取り付けた掘削ロッド1には、オーガモータ12により回転力が付与され、さらにスライド板13をリーダ11に沿って進退(スライド)させることで、オーガモータ12を介し給進力が付与される。
図10(a)、(b)、(c)は前記従来の掘削ロッド1の例である。施工装置10のオーガモータ12に挿通可能な小径の取付け用ロッド1bは、図10(a)に示すように、掘削ロッド本体1aに対しアダプター2を介して連結されている。掘削ロッド1は、全長に亘って、標準的に使用される周面が平坦な円筒体であり、掘削ロッド本体1aの下端部に掘削ヘッド8が装着されている。図10(b)は掘削ロッド本体1aの下方に、スパイラルスクリュー3を有する比較的短尺の径小ロッド1cを設けたものを示す。図10(c)は、掘削ロッド本体1a周面の略全長に亘ってスパイラルスクリュー3が固着された掘削ロッド1を示している。スパイラルスクリュー3は排土機能があれば、連続するものに限らず断続するものでもよい。なお、図10(a)、(b)、(c)に示す掘削ヘッド8は掘削爪9を有する。
次に、この先行技術における水硬性固化材液置換コラム築造の具体的な施工手順を、図11について説明する。この施工手順は、図9に示す施工装置10を使用して実施される。
(1)杭心位置合わせ
施工装置10のオーガモータ12に取り付けた掘削ロッド1先端の中心を杭心位置に合わせてセットする(図11(a))。
(2)掘進
掘削ロッド1を回転させながら給進させ、所定深さまで掘削圧入する(図11(b))。
(3)保持または練り返し
掘削ロッド1の先端(掘削ヘッド)が所定深度に達したら、セメントミルク(水硬性固化材液)を掘削ロッド1の掘削ヘッド8の先端部から吐出しながら、一定時間保持若しくは練り返しを行なう(図11(c))。
(4)引き上げ
セメントミルクを吐出しながら掘削ロッド1を引き上げる(図11(d))。
(5)杭頭レベル合わせ
掘削ロッド1を引き上げ、セメントミルク補充等によりコラム天端レベル(杭頭レベル)を所定の位置に合わせる(図11(e))。なお、セメントミルクの補充は、施工終了後に行う場合もある。
(6)終了(図11(f))。
この先行技術により築造した水硬性固化材液置換コラムは、従来の深層混合処理工法による地盤改良コラムに比較して、コラム固化体が地盤の土質による影響を全く受けないため、高強度の品質を安定して得ることができる。さらに、原位置地盤土と攪拌混合しないので、事前の現地土を使用する配合試験が不要になり、施工管理、品質管理が極めて簡便である等のメリットがある。さらに、図10(a)に示すような表面が平坦な円筒状の掘削ロッド1を使用すれば、排土機能が全くないため、発生残土が殆ど出ないような施工が行なえる。
近年は環境保護意識の高まりから、杭基礎施工時に発生残土量の少ない施工法が要求されるようになっている。従って、この先行技術についても発生残土量が最も少ない、図10(a)、(b)に示すような周面が平坦な円筒状の掘削ロッド1を使用する施工が望ましいが、地盤条件や施工条件等を総合的に勘案して部分的乃至全長に亘ってスパイラルスクリューが周側面に突設されたロッドタイプを選択する必要がある。
掘削ロッド1の先端部に接続する掘削ヘッド8の例を図12に示す。先行技術における掘削ロッド1先端部に接続する掘削ヘッド8は、鋼板を角状や剣状に加工して下端面に突設した掘削爪9で形成されている。図12(a)に示す掘削ヘッド8の掘削爪9は、掘削ロッド1先端部の回転時形状の底部が平坦である掘削爪を、図12(b)は掘削ロッド1先端部の回転時形状が円錐状である掘削爪9を、図12(c)は掘削ロッド1先端部の回転時形状の底部が略平坦であり、かつ施工時にコラム心位置合わせが容易になるように、掘削爪9先端の掘削ロッド1軸心位置に切り込みを入れた掘削爪9を示している。
掘削ロッド1は、中空で、図12(a)に示すように中空内をセメントミルクの供給通路4としている。掘削ロッド1の外径が比較的小さい場合は、その中空内を直接供給通路4としてもよいが、掘削ロッド1の外径が比較的大きい場合には、図12(b)、(c)に示すように供給通路専用の内管5が設けられる。そして、掘削ロッド1の先端は、逆止弁7が設けられた吐出口6となっており、供給通路4または内管5を介して供給された水硬性固化材液(例えば、セメントミルク)は、吐出口6より吐出される。
また、前記水硬性固化材液置換コラムの築造方法では、セメントミルクの吐出口6が掘削ロッド1の下端面にあるため、掘削ロッド1の供給通路4内または内管5内のセメントミルクの重量を直接受けることになり、吐出口6の逆止弁7から掘削ロッド1の供給通路4内または内管5内に残存するセメントミルクが漏れ出て垂れ落ち、施工装置10の移動時等に地表面を汚してしまう課題、および置換コラムの施工が終了して、掘削ロッド1の先端に固設されている掘削ヘッド8の掘削爪9に、粘性の掘削土砂が付着したまま地上に引き上げられ、掘削ロッド1が未だ掘削孔上にあるとき、その掘削土砂が落下して未だ固化していない置換コラム中に混入することがあり、その掘削土砂を除去しないままセメントミルクが固化すると、置換コラムの品質劣化をきたす課題がある。本出願人は、この課題を解決するセメントミルクの垂れ受け装置を既に提案している(例えば、特許文献2参照)。
ところが、上述した従来の水硬性固化材液置換コラムの築造に使用する掘削ロッド1の掘削ヘッド8にあっては、図12(a)、(b)、(c)に示すように鋼板を角状や剣状に加工した掘削爪9としているため、次のような課題があった。
(1)図10(a)に示すような排土機構のない掘削ロッド1を用いて施工するとき、図14に示すように掘削対象地盤Jが砂質土の場合は、掘削爪9位置の掘削土砂を上方へ排除することができない状態で、矢印S方向の押込み力が作用すれば、掘削土砂の矢印R方向へのせん断抵抗力が増大するため、掘削ヘッド8の下方への掘進性が低下するか若しくは掘進不能に陥ることがある。このような事態に陥れば施工は所定深度まで実施することができず、いわゆる高止まりという施工トラブルとなる。
(2)水硬性固化材液置換コラムの地盤Jにおける築造深度中に粘性土(層)がある場合は、粘性土が掘削爪9に付着し、図15(a)に示す矢印T方向への掘削ロッド1の引き上げ時に、先端に付着した粘性土Dは置換した水硬性固化材液M中を掘削爪9と一緒に引き上げられる。しかし、掘削ロッド1に施工装置10から衝撃や振動等が加わると、付着した粘性土Dが掘削爪9から剥離して、水硬性固化材液M中に落下して、図15(b)に示すように置換コラムとなる水硬性固化材液M中に残存することがある。このように置換コラム内に粘性土塊Dが残存すると、品質不良になるばかりでなく、置換コラムの鉛直支持力が低下する。
そこで、本出願人は、このような施工深度の高止まりや粘性土の置換コラム底部への堆積による鉛直支持力の低下および置換コラムとなる水硬性固化材液中に地盤土(粘性土)が混入することによる品質不良という課題を解決した水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドを提案した(特許文献3参照)。この提案にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドは、図13に示すように水硬性固化材液の流路23を有する掘削ロッド21下端部に設けられる、下方に向かって円錐状に突設する円錐ヘッド22であり、該円錐ヘッド22の周面には、前記流路23に通じる水硬性固化材液の吐出口24を設けるとともに、掘削ロッド正転時に掘削土砂を上方に押し上げる方向にスパイラル翼25が設けられている。
これによれば、掘進施工時において掘削土砂はスパイラル翼25によって掘削され、かつそのスパイラル翼25に沿って上方へスムースに押し上げられる。このため、地盤の掘削土砂が砂質土であっても、円錐ヘッド22の円錐形状とスパイラル翼25の相乗効果で良好な掘進性を確保できる。従って、掘削ロッド21が排土機構の全くない周面が平坦な掘削ロッドであっても、比較的良好な掘進性を発揮する。掘削ロッド21自体の周面にスパイラルスクリューを突設したものを使用すれば、さらに掘進性が向上する。また、掘削ヘッドの主要部が円錐ヘッド22であるため、粘性地盤掘進時に円錐ヘッド22に付着する粘性土はスパイラル翼25に形成する比較的薄いものである。。図12に示すような掘削爪(鋼板爪)9を使用する従来技術による掘削ヘッド8とは異なり、構造的に土塊を形成することはない。また、スパイラル翼25の高さと略同じ厚さの土砂が付着したとしても、スパイラル翼25がこれを下方から支えるため、粘性土の付着力と相俟って該付着した土砂(土塊)が円錐ヘッド22から剥落することは少ない。この結果、前記砂質地盤での掘進の高止まりトラブルの解消、施工時の水硬性固化材液中の土塊や土砂の落下にもとづく置換コラムの支持力不足、品質不良を回避できるという効果が得られる。
特開2011−106253号公報 特開2012−047003号公報 特開2013−234557号公報
しかしながら、かかる従来の水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドにあっては、スパイラル翼が掘削ロッドの正転時に掘削土砂を押し上げるようにして地盤中に進入するため、掘削ヘッド(円錐ヘッド)の掘進性が良好になるとともに、スパイラル翼は掘削土が付着してもこの掘削土を下方から支えるため、そのスパイラル翼から充填中の水硬性固化材液中に落下することを未然に回避でき、従って、土塊の混入によるコラムの品質低下を回避できるものの、スパイラル翼25は、地盤への掘進性には大きく寄与するが、地盤の掘削性能は高いものではなく、硬質地盤や軟岩地盤に対しては掘削能力が発揮できず、掘進施工性が著しく低下する課題がある。また、スパイラル翼25は、地盤中を円錐ヘッド22と共に回転するので、スパイラル翼25の外周頂面が地盤内土砂から大きな摩擦抵抗を受け、摩耗が顕著に進行し、円錐ヘッド22の定期的交換が必要となる課題がある。この結果、その交換のための作業が煩わしく、掘削作業の能率低下が避けられないし、経済的負担も増加する。
本発明はかかる従来の不都合を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、硬質地盤に対する掘削能力を向上するとともに、スパイラル翼外周頂面の摩耗を効果的に抑制し、掘削ヘッド(円錐ヘッド)の長寿命化を実現する水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドを得ることにある
前記目的達成のために、本発明の請求項1にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドは、水硬性固化材液の流路を有する掘削ロッドの下端部に設けられる掘削ヘッドであり、該掘削ヘッドは下方に向かって円錐状に突出する円錐ヘッドで、該円錐ヘッドの周面には、前記流路に通じる水硬性固化材液の吐出口と、前記掘削ロッドの正転時に掘削土砂を上方に押し上げるスパイラル翼とが設けられ、該スパイラル翼の外周頂部には所定間隔をおいて複数個の切削爪が突設されてなることを特徴とする。
この構成により、地盤内への掘進時に円錐ヘッドのスパイラル翼外周頂部に設けられた複数の切削爪が、このスパイラル翼外周頂部に接する地盤の土砂を掻き落とすように地盤内へ進入しながら、スパイラル翼により掘削土を上方に押し上げるように作用する。また、複数の切削爪は、それぞれ回転半径が異なるので、掘削ロッド下方の硬質地盤を効率よく掘削することができる。このため、硬質地盤でも、切削爪はこれらの地盤を高トルクで強制的に切削し、円錐ヘッドを高能力かつ速やかに地盤中に掘進させることが可能になる。
また、本発明の請求項2にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドは、前記切削爪が、スパイラル翼の外周頂部に、スパイラル翼の突出方向と同方向に向かって突設されていることを特徴とする。
この構成により、切削爪は掘進中のスパイラル翼周面に臨む地盤の土砂をより広く掻き取るように作用するので、スパイラル翼には円錐ヘッドの地盤への掘進能力のほかに、この掘進中の土砂(地盤)の切削能力をも付与させることができる。
また、本発明の請求項3にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドは、水硬性固化材液の流路を有する掘削ロッドの下端部に設けられる掘削ヘッドであり、該掘削ヘッドは下方に向かって円錐状に突出する円錐ヘッドで、該円錐ヘッドの周面には、前記流路に通じる水硬性固化材液の吐出口と、前記掘削ロッドの正転時に掘削土砂を上方に押し上げるスパイラル翼とが設けられ、該スパイラル翼には所定間隔をおいて複数個の切削爪が突設され、該切削爪は、スパイラル翼を部分的に切除し、該切除部上方側端面にスパイラル翼の突出方向と交差する下方向に向かって突設されていることを特徴とする。
この構成により、切削爪はスパイラル翼の切除部上方側端面に下方に向かって突設されているので、地盤中に回転して掘進させると、円錐ヘッドの回転によるスパイラル翼の回転で切削爪も回転して地盤を掘削し、掘削土砂を該スパイラル翼の切除部から上方に排出して確実に掘削すると共に、スパイラル翼は円錐ヘッドの回転によって掘削土砂を円錐面に沿って上方に掬い上げながら移動させ、掘削ロッドの側方へ押し出すように作用する。即ち、切削爪で掘削した土砂は切削爪に案内され切除部を通ってスパイラル翼上に移動して、スパイラル翼で上方に移動されるので、切削爪での掘削力の向上と、掘削土砂のスムースな移動の向上が発揮される。従って、掘削能力及び掘削効率が向上する。また、複数の切削爪は、それぞれ回転半径が異なるので、掘削ロッド下方の硬質地盤を効率よく掘削することができる。
また、本発明の請求項4にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドは、前記切削爪間のスパイラル翼の外周頂面に肉盛り部が設けられてなることを特徴とする。
この構成により、硬質地盤でも、切削爪はこれらの地盤を強制的に切削し、円錐ヘッドを高能力かつ速やかに地盤中に掘進させることが出来るとともに、そのスパイラル翼外周頂面の早期摩耗を回避でき、このスパイラル翼を持つ円錐ヘッドの長寿命化を図ることができる。
また、本発明の請求項5にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドは、前記切削爪の先端部に超硬チップまたは肉盛り部が設けられていることを特徴とする。
この構成により、切削地盤の掘削土砂と接触し、最も摩耗の厳しい切削爪の先端部には、超硬チップまたは肉盛り部が設けられているので、切削爪の早期摩耗を回避でき、この切削爪の長寿命化を図ることができる。従って、この切削爪を持つ円錐ヘッドも長寿命化する。また、硬質地盤でも掘削可能となる。
本発明の水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドによれば、次のような効果を奏する。
(1)スパイラル翼には、切削爪が突設されているので掘削能力が向上し、この掘削能力を向上させる切削爪の存在により硬質地盤や軟岩地盤でも掘削が可能となる。また、複数の切削爪は、それぞれ回転半径が異なるので、掘削ロッド下方の硬質地盤を効率よく掘削することができる。
(2)スパイラル翼の先端部である外周頂面に肉盛り部が設けられているので、このスパイラル翼を持つ円錐ヘッドの長寿命化を図ることができる。
(3)切削爪及びスパイラル翼で掘削した土砂は、回転するスパイラル翼によって円錐ヘッドの円錐面に沿って上方に案内移動させるので、掘削効率が向上する。特に、切削爪が下方に向かって突設されている正回転方向前部のスパイラル翼に切除部通路が設けられていると、切削爪で掘削された土砂は、この切除部通路を通ってスパイラル翼上に案内され、該スパイラル翼で上方に移動されるので、掘削効率は更に向上する。
(4)外周面にスパイラル翼が設けられた円錐ヘッドでは、土塊が形成されることは少なく、粘性土ではせいぜい円錐ヘッドのスパイラル翼の高さと同じ厚さの付着土層が形成されるのみであるが、スパイラル翼の高さと同じ厚さの付着土層が形成されたとしても、スパイラル翼がこれを下方から支えるばかりでなく、切削爪も支える働きをするので、付着土(粘性土)の付着力と相俟って、その付着土が円錐ヘッドから剥落することは一層少なくなる。
(5)これにより置換コラムとなる水硬性固化材液中への土塊、土砂の落下に伴う置換コラム支持力不足、品質低下、等を回避できる。
(6)スパイラル翼の外周頂部に切削爪が存在し、しかも切削爪で掘削した土砂は回転するスパイラル翼が円錐面に沿って上方へ掬い上げながら移動させ、掘削ロッドの側方へ押し出すので、例え掘削地盤が砂質地盤であっても掘進性の高止まりトラブルは発生しない。
(7)最も摩耗の厳しい切削爪の先端には、超硬チップまたは肉盛り部が設けられているので、掘削爪の早期摩耗を防止でき、この切削爪の長寿命化を図ることができ、結果、この切削爪を持つ円錐ヘッドも長寿命化することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に本発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して、詳細に説明する。
本発明の実施形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド(円錐ヘッド)を示す正面図である。 図1に示す掘削ヘッド(円錐ヘッド)の縦断面図(a)(b)である。 図1における水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド(円錐ヘッド)要部の斜視図である。 本発明の他の実施の形態に係る水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド(円錐ヘッド)を示し、(a)はその要部の斜視図、(b)はその分解斜視図である。 図4に示す実施の形態の変形例を示す要部の斜視図である。 本発明の更に他の実施の形態に係る水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド(円錐ヘッド)を示し、、(a)はその要部の斜視図、(b)はその分解斜視図である。 本発明のまた更に他の実施形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド(円錐ヘッド)を示す正面図である。 図7に示す掘削ヘッド(円錐ヘッド)の拡大斜視図である。 従来の一般的な施工装置を示す正面図である。 従来の掘削ロッドを例示(a)(b)(c)する正面図である。 水硬性固化材液置換コラム築造の施工手順(a)(b)(c)(d)(e)(f)を示す説明図である。 従来の掘削ロッド先端の掘削ヘッドを示す要部の斜視図(a)(b)(c)である。 他の従来例を示す正面図である。 砂質土に対する掘削ヘッドの掘進状態を示す説明図である。 粘性土に対する掘削ヘッドの作用状態を示す説明図(a)(b)である。
以下、本発明の実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドを、図面を参照して説明する。
図1および図2は、本実施形態による水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド(円錐ヘッド)の正面図および縦断面図を示す。この水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドは、掘削ロッド21下端に掘削ヘッドとして円錐ヘッド22を接続する。具体的には、この円錐ヘッド22は水硬性固化材液の流路23を有する掘削ロッド21の下端部に着脱自在に、または固定的に連結され、下方に向かって円錐状に突出する円錐ヘッド22で、その周面に水硬性固化材液の流路23に通ずる吐出口24が設けられ、さらに掘削ロッド21の正転時(掘削回転時)に掘削土砂を押し上げる方向のスパイラル翼25を有する構成である。図2(a)は掘削ロッド21下端に円錐ヘッド22をピン32で着脱自在に接続した場合であり、図2(b)は掘削ロッド21下端に円錐ヘッドを溶接33により固定的に接続した場合である。
この構成では、掘進施工時において、円錐ヘッド22の下方に臨む土砂は先端掘削爪や後述する切削爪28によって掘削され、かつそのスパイラル翼25に沿って上方へスムースに押し上げられるので、砂質の掘削土砂に対しても円錐ヘッド22の良好な掘進性を確保できる。従って、掘削ロッド21は排土機構が全くない周面が平坦な掘削ロッドであっても比較的良好な掘進性を発揮する。さらに必要に応じ掘削ロッド21の周面に図10(b)(c)に示すようなスパイラルスクリューを突設すれば、さらに掘進性が向上する。
また、円錐ヘッド22の主要部が円錐状である。このため、地盤が粘性土であっても粘性地盤掘進時に円錐ヘッド22に付着する粘性土はスパイラル翼25の厚さ又は高さ分のみであるので、このスパイラル翼25上に土塊を形成することはない。また、スパイラル翼25の高さと略同じ厚さの付着土層が形成されたとしても、スパイラル翼25がこれを下方から支えるため、粘性土の付着力と相俟って、その付着土の塊が円錐ヘッド22から剥落することは少ない。この結果、前記砂質地盤での掘進性の高止まりトラブルの解消と、水硬性固化材液中への土塊の落下に伴う置換コラムの支持力不足等を回避できるとともに、掘削土砂での作業現場の汚損、土塊混入によるコラム品質の低下を回避することができる。
円錐ヘッド22は基部22aを介し掘削ロッド21に取り付けられる。円錐ヘッド22と基部22aは、例えば溶接によって一体化したものからなり、必要に応じて一体成形品(例えば、削り出し成形や鋳造品)として得ることもできる。基部22aは、例えば整備、点検等のためあるいは部品交換のために、円筒状の掘削ロッド21端に着脱自在に取り付けられるものであり、その着脱は掘削ロッド21に、例えば複数箇所でピン等の締結具を用い行なわれる。なお、円錐ヘッド22は掘削ロッド21端に着脱自在に取り付ける場合のほか、掘削ロッド21端に固着(例えば、溶接)して設けてもよい。図2(a)は、掘削ロッド21端にピン32で固着した場合を示し、図2(b)は、掘削ロッド21端に溶接33で固着した場合を示している。
また、掘削ロッド21に設けられた前記流路23の下端は、その円錐ヘッド22の外周面に開口するように臨み、この開口端は水硬性固化材液の前記吐出口24となっている。この吐出口24には、弾性ゴム乃至弾性樹脂からなる逆止弁26が設けられ、流路23への水硬性固化材液の圧送時には、その圧送時の圧力を受けて、弾性力に抗して自動的に開かれる。一方、前記水硬性固化材液の圧送が止むと前記弾性力によって逆止弁26は吐出口24を自動的に閉じ、地盤内の土砂が流路23へ逆流するのを阻止する。掘進時に吐出口24から掘削土砂が逆流すると、水硬性固化材液の吐出が不能になる惧れがあるため、逆止弁26の設置はそれを防止する。逆止弁26そのものは掘進施工時の地盤抵抗を受けるため、それに耐えるだけの剛性と耐久性が要求され、弾性力で水硬性固化材液の漏出を防ぎ、吐出圧が作用すると開いて水硬性固化材液を吐出する。
なお、円錐ヘッド22内の流路(連通路)23は吐出口24付近で方向を変えている。流路23の内径は全長に亘り略同一径とした方が水硬性固化材液の詰まりが生じ難いので好ましい。逆止弁26はばね構造の逆止弁とすることもできるが、構成が簡単で、交換作業が容易な弾性ゴム材乃至弾性樹脂材からなる逆止弁の方が、ローコストで、実用性が高い。 また、流路23の上端は水硬性固化材液を掘削ロッド21の外部から供給する供給パイプに連結されている。
円錐ヘッド22は外周に所定高さの1本のスパイラル翼25が前述のように突設されている。このスパイラル翼25は必要に応じて2本以上とすることもあるいは断続的にすることも任意である。このスパイラル翼25は、掘削ロッド21に排土機能がない場合であっても円錐ヘッド22の回転によって、地盤掘削中に円錐面に沿って土砂を上方へ掬い上げ掘削ロッド21の周面で掘削土砂を側方に押し出すため、掘削土が砂質土であっても大きな(過大な)抵抗なく地盤中に推進させることができる。
前記土砂が粘性土である場合には、円錐ヘッド22の推進による地盤の掘進作業後、これを地上に引き上げる際に、上下方向に向かい合うスパイラル翼25間の円錐ヘッド22の外周面に粘性土が付着する。この粘性土はスパイラル翼25に支えられているため、粘性土の付着力と相俟って円錐ヘッド22の外周面から剥離、落下して施工したコラム中に残存することはほとんどない。これにより土砂の混入に伴うコラムの鉛直方向支持力の劣化および品質不良となることを回避できる。
前記スパイラル翼25は、所定の肉厚を有し、その先端部である外周頂部25aには所定間隔をおいて複数の切削爪28が溶接等により強固に固着されている。この切削爪28は、スパイラル翼25の突出方向と同方向に向かって突設されている。切削爪28はスパイラル翼25の肉厚と同じ厚みであって、スパイラル翼25と面一になるように突設される。好ましくは、切削爪28の厚さをスパイラル翼25の板厚より大きくして、切削能力を高めると更によい。この切削爪28のスパイラル翼25の外周頂部への固着の形態は、特に限定されるものではなく、適宜選択して採用し得る。例えば、スパイラル翼25の外周頂面25aに単に当接して溶接して固着したり、スパイラル翼25の外周頂面25aに切欠を設け、その切欠に切削爪28を嵌め込み溶接したりして固着する形態を挙げることができる。本例では図3に示すようにスパイラル翼25の外周頂面25aに切削爪28が嵌入できる切欠27を設け、この切欠27に切削爪28を嵌入して溶接して固着した場合を示している。これにより切削爪28が掘進中のスパイラル翼25の周面に臨む土砂を掻き取るように作用する。つまり、スパイラル翼25には円錐ヘッド22の地盤への進入能力のほかに、この進入中の土砂の切削能力を付与させることができる。
切削爪28は、スパイラル翼25の外周頂部に接する土砂を掻き落とすように地盤内へ進入しながら、スパイラル翼25により掘削土砂を上方に押し上げるように作用するものであるので、切削爪28の形状は、正回転時に掘削地盤の掘削が向上(良好)する形態が好ましい。
従って、地盤の掘削中においてスパイラル翼25は円錐ヘッド22の回転によってこれの円錐面に沿って土砂を上方へ掬い上げながら、切削爪28によってスパイラル翼25周面に臨む削孔壁の土砂を切削し、この切削した土砂を含む掘削土砂をスパイラル翼25で上方に移動させ掘削ロッド21の側方へ押し出す。これによりスパイラル翼25全体による土砂の掘削能力および掘削効率の向上を図ることができる。
図4は、本発明の他の実施の形態を示す要部の斜視図(a)およびその分解斜視図(b)である。前記図1乃至図3に示す実施の形態の切削爪28は、スパイラル翼25の外周頂部(先端部)にスパイラル翼25の突出方向と同方向に向かって突設した場合であるが、本実施の形態の切削爪28は、図4に示すようにスパイラル翼25の切除部27の上方側端面27aにスパイラル翼25の突出方向と交差する下方向に向かって突設したものである。他は前記実施の形態と同様であるので、同様な構成要素には同じ符号を付して他の詳細な説明は省略する。
切削爪28のスパイラル翼25への取付方法は特に制限されるものではなく、適宜の方法を採用すればよい。
本実施の形態では、図4に示すようにスパイラル翼25に切除部27を設け、この切除部27の上方側端面27aに切削爪28を下方に向かって固着した場合を示している。図4(b)は、この取付方法を説明する分解斜視図であり、切削爪28をスパイラル翼25の切除部27の上方側端面27aに取り付ける様子を示している。即ち、スパイラル翼25に切削爪28を取り付ける切除部27が設けられ、この切削部27の上方側端面27aに切削爪28を下方に向かって溶接等で固着し、図4(a)に示すように取り付ける。この場合、切除部27は切削爪28を固着したとき、切削爪28の回転方向前部に切除部通路30が形成できるようにすると、切削爪28で掘削した土砂は、この切除部通路30を通ってスパイラル翼25上に案内され移動されるので、掘削能力及び掘削効率が向上して好ましい。
切削爪28の幅は、スパイラル翼25と略同一とし、内側は円錐ヘッド22の円錐部と溶接などにより連結すれば、円錐ヘッド22との固着力が増大するとともに掘削土砂の上方への排出効果が大きくなり好ましい。
図5は、図4に示す実施の形態の変形例を示す要部の斜視図である。この図5に示す変形例は、スパイラル翼25の切除部27の上方側端面27aに下方に向かって固着した切削爪28の回転方向前面を傾斜面28aとしたものである。これにより切削爪28で掘削した土砂は、切除部通路30を通ってスパイラル翼25上に案内され易くなり、掘削土砂の移動がスムーズになるので好ましい。従って、切削爪28の回転方向前面の傾斜面28aは、掘削土砂の案内を容易とするためのものであるので、その傾斜角はその限りにおいて適宜選択するし、また、傾斜面28aが少し湾曲している場合も含む。
前記図4及び図5に示すように切削爪28は、スパイラル翼25の切除部27の上方側端面27aに下方に向かって突設されているので、地盤中に回転して掘進させると、円錐ヘッド22の回転によるスパイラル翼25の回転で切削爪28も回転し、地盤を掘削すると共に、スパイラル翼25は円錐ヘッド22の回転によって掘削土砂を円錐面に沿って上方へ掬い上げながら移動させ、掘削ロッド21の側方へ押し出す。この時、円錐ヘッド22のスパイラル翼25に固着された複数の切削爪28は、それぞれ回転半径が異なるため、掘削ロッド21断面の投影部にあたる地盤を効率よく切削することができる。また、切削爪28は、下方に向かって突設されているので地盤を確実に掘削する。また、切削爪28の回転方向前部に切除部通路30が形成されていると、切削爪28で掘削した土砂は、この切除部通路30を通ってスパイラル翼25上に案内されて移動するので、掘削能力及び掘削効率が向上する。この掘削土砂の移動状態を図4および図5で矢印Fで示している。
掘削土砂を確実に排出することが掘削(掘進)性能には、必須条件であるが、この実施形態では、前記の通り掘削土砂の排出が確実にスムースに行える。
しかも、円錐ヘッド22にスパイラル翼25の高さと略同じ厚さの付着土層が形成されたとしても、スパイラル翼25がこれを下方から支えるばかりでなく、多少なりと切削爪28も支える働きをするので、付着土(粘性土)の付着力と相俟って、その付着土が円錐ヘッド22から剥落することは一層少なくなる。
図6(a)(b)は、本発明の更に他の実施の形態を示し、(a)はその要部の斜視図、(b)はその分解斜視図である。
本実施の形態は、図4に示す実施の形態の切削爪28の先端に超硬チップ31を設けたもので、他は図4と同様なので、図4と同様な構成要素には同じ符号を付して他の詳細な説明は省略する。
この実施の形態の切削爪28は、先端に超硬チップ31が設けられているので、硬い地盤でも掘削が可能となるばかりでなく、耐摩耗性が向上する。従って、長寿命となる。
なお、ここでは切削爪28の先端に超硬チップ31を設けたが、超硬チップに代えて切削爪28の先端部に肉盛金属で肉盛り部(図示省略)を設けて、耐摩耗性の向上を図ってもよい。
図4乃至図6に示すようなスパイラル翼25に、切削爪28をスパイラル翼25の突出方向と交差する下方に向かって突設した円錐ヘッド22であると、円錐ヘッド22の回転でスパイラル翼25が掘削土砂を円錐面に沿って上方へ掬い上げながら移動させ、掘削ロッド21の側方へ押し出すので、掘削地盤(例えば、砂質地盤)での掘進性の高止まりトラブル及び置換コラムとなる水硬性固化材液中への土塊、土砂の落下に伴う置換コラム支持力不足、品質低下等を回避できると共に、下方に向かって突設する切削爪28の存在により掘削能力及び掘削効率は一層向上する。特に、切削爪28の回転方向前部に切除部通路30が設けられていると、切削爪28で掘削した土砂は、この切除部通路30を通ってスパイラル翼25上に案内されて移動されるので、掘削能力及び掘削効率はさらに向上する。
スパイラル翼25は、掘削土砂の移動には寄与するが、地盤の掘削力は小さい。スパイラル翼25に切削爪28が設けられていると、この切削爪28が円錐ヘッド22と共に回転し、地盤を掘削するので掘削性能が増加する。この切削爪28で掘削された掘削土砂は、図4乃至図6で矢印Fで示すように切除部通路30を通ってスパイラル翼25上に案内され移動排出されることとなる。
図7および図8は水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド(円錐ヘッド)の他の実施形態を示す。この実施形態の掘削ヘッドである円錐ヘッド22は、水硬性固化材液の流路23を有する掘削ロッド21の下端部に設けられて、下方に向かって円錐状に突出しており、円錐ヘッド22の周面には、流路23に通じる水硬性固化材液の吐出口24と、掘削ロッド21の正転時に掘削土砂を上方に押し上げる方向のスパイラル翼25とが前記同様に設けられている。また、このスパイラル翼25の外周頂部には所定間隔をおいて複数個の切削爪28が突設されるとともに、これらの切削爪28間のスパイラル翼25の外周頂面25aに肉盛り部29が設けられている。この肉盛り部29の形態は、特に限定されるものでなく、従来公知の形態が採用できる。例えば、ジグザグ状や格子状、網状の肉盛り部を挙げることができる。本例では、ジグザグ状の肉盛り部29を示している。26は弾性ゴム材乃至弾性樹脂材またはばね構造の逆止弁である。
この肉盛り部29は、スパイラル翼25の先端面として外周頂面25aに、耐摩耗性が良好な肉盛金属をジグザグ状や格子状、網状などに溶接することによって形成される。この肉盛り部29はスパイラル翼25の外周頂面の幅(厚み)内に抑えられ、かつ切削爪28よりも十分に低い一定高さに盛られている。これにより肉盛り部29は切削爪28による土砂の掘削能力を低下させずに、掘進時におけるスパイラル翼25外周頂面の直接的摩耗を抑制ないし軽減することができる。この結果、円錐ヘッド22の寿命を延ばすことができる。
前記においては、肉盛り部29を切削爪28とともにスパイラル翼25の外周頂面に設けたものを示したが、切削爪28が設けられないスパイラル翼25の外周頂面の全長に設けることも実施可能である。これによりそのスパイラル翼25の外周頂面を全長に亘り摩耗の抑制ないし軽減を図ることができる。なお、掘削爪28および肉盛り部29はスパイラル翼25の成形時に一体的に設けることは任意である。
ここでは、切削爪28がスパイラル翼25の突設方向と同方に設けられたもので示したが、切削爪28が図4乃至図6に示すようなスパイラル翼25の突出方向に交差する下方に向かって突設された場合でも、同様である。
なお、前記円錐ヘッド22(スパイラル翼25も含む)の回転時の最大外径は掘削ロッド21の回転径を超えないようにすることが肝要である。置換柱体であるコラムの外径を規定する孔壁は、掘削ロッド21の外径の回転摺り付け効果により形成される。円錐ヘッド22の回転時の最大外径が掘削ロッド21の回転径を超えると、円錐ヘッド22は掘削ロッド21の最下端にあるため、掘削ロッド21の引き上げ工程で形成した孔壁を削り取ることとなる。このため、削り取られた孔壁土が置換された水硬性固化材液中に残存することとなり、水硬性固化材液の硬化後は削りかすである小土塊がコラム中に含まれることになって、その量が許容値を越えるほどに多量になれば、水硬性固化材液置換コラムの品質不良になる。このため、円錐へッド22の回転時の最大外径は掘削ロッド21の回転径を超えないようにしている。
以上のように、本実施形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッドは、円錐ヘッド22に水硬性固化材液の流路に通じる水硬性固化材液の吐出口24と、前記掘削ロッド21の正転時に掘削土砂を上方に押し上げるスパイラル翼25とを周面に設け、スパイラル翼25には所定間隔をおいて複数個の切削爪28を突設したことで、硬質地盤や軟岩地盤でも、切削爪28はこれらの地盤を強制的に掘削し、円錐ヘッド22を高能力かつ速やかに地盤中に掘進させることが可能になる。また、このスパイラル翼25の外周頂面に肉盛り部29を設けたことで、スパイラル翼25自体に掘削中の土砂が大きな摩擦抵抗をもって直接接触するのを回避でき、そのスパイラル翼25外周頂面の早期摩耗を回避でき、結果として円錐ヘッド22全体の長寿命化を図ることができる。
本発明の水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド(円錐ヘッド)は、硬質地盤であっても、複数の切削爪はこれらの硬質地盤を強制的に切削し、円錐ヘッドを高能力かつ速やかに地盤中に掘進させることができるとともに、スパイラル翼外周頂面の摩耗を抑制ないし軽減でき、円錐ヘッドの長寿命化を図ることができるという効果を有し、水硬性固化材液置換による小径の杭状補強材の築造に使用する水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド(円錐ヘッド)等に有用である。
21 掘削ロッド
22 円錐ヘッド
23 流路
24 吐出口
25 スパイラル翼
26 逆止弁
27 切除部
28 切削爪
29 肉盛り部
30 切除部通路
31 超硬チップ

Claims (5)

  1. 水硬性固化材液の流路を有する掘削ロッドの下端部に設けられる掘削ヘッドであり、該掘削ヘッドは下方に向かって円錐状に突出する円錐ヘッドで、該円錐ヘッドの周面には、前記流路に通じる水硬性固化材液の吐出口と、前記掘削ロッドの正転時に掘削土砂を上方に押し上げるスパイラル翼とが設けられ、
    該スパイラル翼の外周頂部には所定間隔をおいて複数個の切削爪が突設されてなることを特徴とする水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド。
  2. 前記切削爪は、スパイラル翼の外周頂部に、スパイラル翼の突出方向と同方向に向かって突設されていることを特徴とする請求項1に記載の水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド。
  3. 水硬性固化材液の流路を有する掘削ロッドの下端部に設けられる掘削ヘッドであり、該掘削ヘッドは下方に向かって円錐状に突出する円錐ヘッドで、該円錐ヘッドの周面には、前記流路に通じる水硬性固化材液の吐出口と、前記掘削ロッドの正転時に掘削土砂を上方に押し上げるスパイラル翼とが設けられ、
    該スパイラル翼には所定間隔をおいて複数個の切削爪が突設され、該切削爪は、スパイラル翼を部分的に切除し、該切除部上方側端面にスパイラル翼の突出方向と交差する下方向に向かって突設されていることを特徴とする水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド。
  4. 前記切削爪間のスパイラル翼の外周頂面には肉盛り部が設けられてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド。
  5. 前記切削爪は先端部に超硬チップまたは肉盛り部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド。
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