JP2004503386A - 硬化肉盛合金、方法、及び製品 - Google Patents
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Abstract
ケイ酸質土壌粒子による磨耗に耐えることができ、ひび割れのない状態で、石油井及びガス井の掘削で用いられるツール・ジョイントやスタビライザなどの工業用製品及びその他の製品に溶着可能な硬化肉盛合金が開示されている。この硬化肉盛合金は摩擦係数が低く、溶着された加工なしの状態で磨耗耐性が高く、ツール・ジョイント及びスタビライザにおいてツール・ジョイント及びスタビライザの磨耗耐性と誘発されるケーシングの磨耗との間の最適バランスを達成することができる。本発明のその他の実施の形態は、上記硬化固定合金(24)がその外部円筒形表面(22)、そのボックス及びピン部材と上記スタビライザのスタビライザ・リブに溶着されて、石油やガスの掘削などのボーリングで使われるツール・ジョイント、その他の工業用製品、上記硬化肉盛合金を製造する方法、そして、予備加熱と磨耗が激しい使用に耐えられるように溶接後に冷却するステップを含む上記硬化肉盛合金を表面に塗布する方法を含む。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、オイル及びガスのためのボーリング用掘削ストリングで用いられるツール・ジョイント、ドリル・カラー、そしてスタビライザなど磨耗にさらされる工業製品及び高度の磨耗を受けるその他の工業製品の表面の寿命を向上させるための高摩耗耐性を有する硬化肉盛合金の分野に関するものである。
【0002】
(発明の背景)
土壌の約95%は、非常に磨耗性が高く、ツール・ジョイント及びスタビライザの表面や他の工業製品の磨耗を受け易い表面をかなり磨耗させるケイ酸質物質で構成されているので、土壌をボーリングしてオイルやガスを産出するためフォーメーションを構成する場合など、土壌ボーリングで用いられるツール・ジョイントやスタビライザの表面寿命には1つの重大な問題が存在している。
【0003】
ツール・ジョイント上に保護用に硬化肉盛(『硬化固定』といわれる)を溶着するのに適した硬化肉盛合金を提供するための数多くの試みがなされている。先行技術におけるツール・ジョイント用の硬化固定について、米国特許第4,256,518、油田機器及びサービス複合カタログ、1976/77版、ページ3216−19及びページ4994−5、米国特許第3,067,593を参照して以下に説明する。さらに又、磨耗耐性を増大させるためにツール・ジョイントで硬化表面を形成するためにタングステン・カーバイドなどの硬化固定物質の使用について、1976年11月2日発行の米国特許第3,989,554と、Gulf Publishing Company, Houston, Texasの図書出版部が1971年に発行したJ.E.BrantlyによるHistory of Oil Well Drillingを参照して説明する。さらに、ツール・ジョイントを硬化固定するための先行技術における種々の方法について説明している特許第2,259,232、2,262,211、4,431,902、及び4,942,059についても参照する。
【0004】
歴史的に、そして実際にも、油井やガス井の掘削で用いられているようなドリリング・ストリング(パイプ)上でのツール・ジョイントはドリル・ホール内での岩石を含んだ土壌のそのツール・ジョイント上での磨耗に抵抗するために、ボックス端の底部でタングステン・カーバイドと向き合わされている。これには3つの欠点がある。タングステン・カーバイドは高価であり、その内部で作動するためのウェル・ケーシングを切削するための切削ツールとして機能し、基材が腐蝕し易く、カーバイド粒子が剥がれ落ちてしまい易い軟鋼であることである。
【0005】
ケイ酸質土壌物質より硬い従来の硬化肉盛材料のほとんどは脆く、壊れ易い。これら硬化肉盛材料はよく知られた『高クロム−鉄』グループに属する合金であり、その高い磨耗耐性は共晶及び/又は過共晶タイプのクロム−カーバイドの微細構造が存在していることによるものである。溶接されたままの状態では、どんなに注意を払っても、これらの硬化肉盛表層は多かれ少なかれかなりの密度のひび割れ網を示す。硬化肉盛されている基質材料の予備加熱は必要条件ではない。反対に、予備加熱及びパス間温度が低ければ低い程、ひび割れ網の密度が高くなり、これは可動条件下での基質材料へのひび割れの伝播という危険の観点から見るとより好ましい要因とみなすことができる。
【0006】
ドリリング・パイプのツール・ジョイントあるいはスタビライザの硬化固定の50年の歴史において、米国特許第5,244,559の発明の開発前に実際に適用中にひび割れを起こした硬化肉盛が用いられた例はない。
【0007】
しかしながら、ほとんどの産業で、任意のプラントの構造及び機器を構成する金属構成部品は一体性を有していなければならず、このことは、伝播してその部品を破壊することが予想されることから、どんな種類のひび割れも含んでいてはならないことを意味している。
【0008】
人命喪失が懸念されたり、重大な資産の損失が起きるかもしれない場合には、一体性の要求は特に厳しくなる。そうした工業製品の事例は加工業における圧力容器、建設及び橋梁における構造部材、そして石油及びガス産業におけるダウン・ホール・ドリリング機器である。
【0009】
ケイ酸質土壌粒子は約800ブリネル数(BHN)の硬度を有している。米国特許第5,244,559で用いられている硬化肉盛材料は、硬度が少なくとも300BHNから600BHNの基材に硬度が約1700BHNの一次カーバイドを含む高クロム−鉄のグループに属するものである。この硬度を有するこれらの一次カーバイドはひっぱり強度がほとんどなく、従って、溶融状態から冷却されると、金属とカーバイドで構成される混合物内での一次カーバイドの相対的な量に依存する頻度で解体してしまう。従って、ケイ酸質土壌物質より硬いこのタイプの硬化肉盛材料は、溶接あるいはバルク溶接されると、溶接ビード全体に収縮によるひび割れを発生する。この材料はツール・ジョイントの硬化固定とその他の工業製品の硬化肉盛のために、長年広範に使われて成功を収めている。この材料は産業でひろく受け入れられ、現在も広く使われているが、一部のユーザーはドリル・ケーシング内での磨耗ができるだけ少なく、機械的故障のリスクに関するあらゆる懸念を抑えるためにひび割れなしで溶接できる硬化固定ツール・ジョイント合金に対する願望を示していた。
【0010】
ケイ酸質粒子による磨耗など使用条件に耐える硬度特性を達成するために加工硬化する必要がないひび割れなしで溶着できる高磨耗耐性の微細構造を有し、そしてさらに硬化固定されたツール・ジョイント及びスタビライザによるケーシングの磨耗をできるだけ少なくするために、摩擦係数が小さな硬化肉盛合金組成物を提供することは非常に望ましく、好適であろう。
【0011】
(発明の要約)
本発明は、そうした硬化肉盛合金組成物と、その合金組成物で硬化固定されたツール・ジョイント及びスタビライザなどの工業製品、そしてその合金組成物で硬化肉盛されたその他の工業製品に関するものであり、その合金内ではケイ酸質岩石構造及び粒子による磨耗などの使用条件に耐える高い磨耗耐性を特徴とする微細構造ができており、その微細構造が金属に優れた磨耗耐性を与え、さらにその合金の摩擦係数が低いのでケーシングの磨耗が少なくなり、さらに上に述べたように、本明細書に述べられているような適切な予備過熱と処理後の冷却条件を用いられた場合、ひび割れなしで溶接することができる。
【0012】
本発明による硬化肉盛合金は、ツール・ジョイント及びスタビライザの磨耗し易い表面上に溶接(硬化固定)するのに特に適しており、その場合、磨耗から守る効果が高く、しかもひび割れなしの状態が保たれる。本発明による硬化肉盛合金は摩擦係数が低く、これによって金属に優れた磨耗耐性及び損耗耐性が与えられ、そして硬化固定ジョイントの場合、ケーシングの磨耗をできるだけ抑えるという目的と、ツール・ジョイントの耐性をできるたけ高くするという目的の間のバランスを最適化することができ、例えばケーシングの磨耗を米国特許第5,244,559の硬化肉盛合金と比較して約40パーセントも低くすることができる。
【0013】
硬化肉盛合金は、以下の製品及びプロセスを用いて、CO2、アルゴンを主体とする混合物などのいろいろなタイプのガスと、自己遮蔽(オープン・アーク)筒状ワイヤ、及びサブマージ・アーク筒状ワイヤの存在下で表面に溶接することができる。
【0014】
硬化肉盛合金は約0.65−約1.1重量パーセントの炭素、約4.5−約10.5重量パーセントのクロミウム、約0.05−約1.0重量パーセントのモリブデン、約0.65−約1.5重量パーセントのマンガン、そして残りが微量元素を含む鉄分を構成要素とする基質材料で希釈されていない全溶接金属組成物で構成されている。この硬化肉盛合金は希釈されない溶接されたままの状態で、約48Rc(455BHN)−52Rc (512BHN)の範囲の硬度を有している。その硬度は、通常の高炭素ツール・ジョイント鋼上に単層で溶接された場合、約55Rc(560BHN)に達する。さらに、ケイ酸質岩石構造及び粒子に対する高摩耗耐性、金属に優れた耐性をもたらすと同時にケーシングの磨耗をかなり低下させる低い摩擦係数、そして、約10−約40パーセントのオーステナイトとマルテンサイトで構成される微細構造を特徴としている。この合金は以下に述べるような予備加熱及び溶接後冷却条件を用いた場合、単層及び二層でひび割れなしで溶接することができる。そして、タングステン・カーバイドやその他の多くの硬化肉盛及び硬化固定溶着物など、事前に存在する溶着物上に溶着させることができる。
【0015】
本発明の実施の形態は、硬化肉盛合金組成物、上記の硬化肉盛合金で硬化固定されたツール・ジョイント及びスタビライザを含んでいる。例えば、ドリル・パイプを接続するツール・ジョイントはネジ溝を切ったピン部材を受け入れるための内部にネジ溝を切ったボックス、円筒型の外面、そして上記円筒型外面上に溶着された硬化肉盛合金組成物の層を有しており、そのピン部材上に、必要であればひび割れなしの状態に留まりながらケイ酸質物質からの磨耗からツール・ジョイントを保護する硬化肉盛合金が配されている。また、ドリル・パイプに接続されたスタビライザは硬化肉盛組成物で硬化固定されたスタビライザ・リブを有しており、これが上記ドリル・パイプをウェル・ボア及びケーシング内にドリル・パイプを安定化させている。
【0016】
本発明の方法は、溶接によって、前に述べたような円筒状ワイヤ・オープン・アーク、ガス遮蔽あるいはサブマージ・アークを用い、さらに以下に述べるような予備加熱及び溶接後冷却条件を用いて硬化固定ツール・ジョイント及びスタビライザなどの工業製品に硬化肉盛合金を適用するステップを含んでいる。
【0017】
本発明のその他の実施の形態は、磨耗耐性プレートなどのその磨耗し易い表面に溶接された本発明による組成物で硬化肉盛された高磨耗耐性を必要とする表面を有する工業製品、そして、前に述べたような磨耗耐性を必要とするその他の産業用構造物である。
【0018】
好適に、この硬化固定合金はひび割れなしの状態で単層及び二層で、そして、タングステン・カーバイドなど他の事前に存在している硬化肉盛合金の上に、本明細書に述べるような予備加熱及び溶接後温度条件を用いて溶着させることができる。
【0019】
従って、本発明の目的は、工業的に使用するための、溶接されたままで加工硬化なしの状態で、約48Rc(455BHN)から約52Rc(512BHN)の範囲の硬度を有しているようなケイ酸質物質による磨耗に耐えることができるひび割れなしの硬化肉盛合金を提供することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、土壌ボーリングにおいてケーシング内で回転作動されるドリル・パイプを接続するツール・ジョイントを硬化固定するために用いられ、それによってその寿命を改善することができ、しかもひび割れなしの状態を維持できるひび割れなしの硬化肉盛合金を提供することである。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、溶接された状態で、土壌のケイ酸質構造及びその他のケイ酸質物質による磨耗に耐えるスタビライザを硬化固定するために用いることができるひび割れを起こさない硬化肉盛合金を提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、そうした磨耗にさらされる表面上に硬化肉盛合金が溶着されているその他の工業製品を提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、摩擦係数が低い、磨耗耐性が優れ、ツール・ジョイントやスタビライザの場合にはボア・ホール内でのケーシング磨耗の最少限化とツール・ジョイント磨耗耐性の最大限化との間のバランスを最適化することができ、そして米国特許第5,244,559の硬化肉盛合金と比較してケーシング磨耗が約40パーセント低いこの磨耗耐性合金がその磨耗を受け易い表面上に溶着された工業製品用の硬化肉盛合金を提供することである。
【0024】
本発明の実施の形態のその他の、そしてさらなる目的、特徴、そして利点も本明細書で明らかにされるであろう。
【0025】
(好ましい実施の形態の説明)
本発明による硬化肉盛組成物は重量で約0.65−約1.1パーセントの炭素、約4.5−約10.5パーセントのクロミウム、約0.5−約1.0パーセントのモリブデン、約0.65−約1.5パーセントのマンガンを含み、及び残りが微量元素を含む鉄である。
【0026】
本発明による硬化肉盛合金組成物は約48Rc(455BHN)−52Rc(512BHN)の溶接硬度、ツール・ジョイント及びドリル・スタビライザなどの工業製品上での単層平均硬度が約560BHN、約10−約40パーセントのオーステナイトを含むマルテンサイトの微小構造、高い磨耗耐性、低い金属間摩擦係数を有しており、そして、それ自体、あるいはタングステン・カーバイド溶着物など事前に存在している硬化固定合金上に単層又は二層でひび割れなしで溶着させることができる。
【0027】
硬化肉盛合金組成物はいずれかの適切な溶接手段とオープン・アーク、ガス又はフラックス・シールディングなどの相性の良い予備加熱及び冷却手段を用いて溶着させることができる。好ましくは、特にツール・ジョイント及びスタビライザに対してCO2などのガス・シールディングで用いられる金属有芯筒状ワイヤ、図6及び7に図示するようなスタビライザの表面を硬化固定するための、ガス・シールディングを伴わないフラックス有芯筒状ワイヤについて以下に説明する。他の工業用装置としてはブルドーザ及び浚渫機器とバケット・ティース、グラベル・ポンプ部品、クラッシャー・ハンマー、コンベヤ・チェーン、ギア・ティース、そして金属間スライド部品などがある。
本発明による好ましい合金組成物の化学分析結果を以下の表1に示す。
【0028】
【表1】サンプル
炭素 0.8%
クロミウム 8.5%
モリブデン 0.15%
マンガン 1.1%
ケイ素 0.6%
残りは鉄(微量元素を含む)
【0029】
硬化固定ツールジョイント、スタビライザ、あるいはその他の工業製品の硬化肉盛された表面に溶接された表1に示す硬化肉盛合金はひび割れがなく、加工硬化なしで表面に溶接された状態で、約48Rc(455BHN)−約52Rc(512BHN)の標準硬度を有している。
【0030】
本発明の以下に示す実施の形態は本発明によるひび割れなしの硬化肉盛合金によって硬化固定されたツール・ジョイントである。
【0031】
図1と2で、ドリリング・パイプ14の端部にボックス12を有するドリル・パイプ10用のツール・ジョイントが示されており、このドリリング・パイプ14の内側にはネジ溝16が切られており、ピン18をボックス12内にネジ込むことができるようにネジ16に対応するネジ溝20を有するピン18を受け入れるようになっている。このピン18は符号14で示されるようなドリル・パイプの端部を形成しており、従って、石油、ガス、その他井戸用のパイプのストリング又はジョイントをネジ込んで固定したり、あるいは外したりすることができる。
【0032】
ボックス12及びピン18は拡大されており、硬化固定合金のビーズ24を溶着させるために、ドリル・パイプ14のほか径より大きな外径を有する外部円筒型表面22を有している。
【0033】
図1及び2と対応する参照番号に符号aが付されている図3及び4で、図3及び4のツール・ジョイント10aは、ボックス12a及びピン18aの外部円筒型表面22aから円周帯領域の材料を取り除くか、あるいは最初から小さな直径部分22aで形成されるかのいずれかで円筒型部分26が小さくなっていること、そしてビーズ24aの硬化固定合金がそのスペースに溶着されていて、溶着された硬化肉盛がボックス12a及びピン18aの外部円筒状面によってかなりフラッシュされることを除けば、図1及び2のツール・ジョイント10と同じである。
【0034】
図5で、ドリル・パイプ(図示していない)のストリングを接続するためにピン34及びボックス36を有する細長い円筒型あるいはパイプ状構造体32を有する本発明によるスタビライザ30が示されており、このスタビライザは井戸孔(図示せず)内でドリル・パイプを安定化させるために本体32から外側に延びたスタビライザ・リブ38を有しており、そのスタビライザ・リブ38に硬化固定合金24bが溶接されている。
【0035】
ツール・ジョイント、スタビライザ、及びその他の工業製品の表面寿命を延長させるための本発明による方法は、それらを約100℃(212oF)−約400℃(752oF)の範囲の温度に予備加熱するステップと、そして、オープン・アーク、ガス密封又はサブマージ・アーク内で筒状ワイヤを用いて本発明による硬化固定合金の1つの層24、24a、及び24bを、ツール・ジョイント10及び10a(図1,2)のボックス12あるいは12aの外部円筒型表面22又は22a、ピン18(図3及び4)とスタビライザ・リブ38(図5)の外部円筒型表面22に硬化肉盛又は硬化固定するステップと、そして、それらをゆっくりと冷却して、オーステナイトからマグネサイトに構造的に転換させるようにするステップで構成されている。通常、硬化固定合金の溶接ビーズ24はその合金特性に対するロスを伴わず、厚みが3/32−1/4インチの範囲であり、そして単層又は二層で溶着させることができる。望ましい場合、溶接ビーズ24の表面22aはボックス12aの表面によってかなりフラッシュされ、約3/32インチ厚みの物質が除去される。
【0036】
予備加熱温度レベルは表面固定されるべき構成部品のサイズと、関連する基質金属の性質によって決められる。一般的には、サイズが大きければ大きいほど、そして基質金属の力が高ければ高い程、より高い予備加熱温度レベルが必要になる。予備加熱は均一な厚み及び温度分布を確実に実現できるようないかなる手段によってでも実行することができる。ガス・バーナーの利用は今日の段階で最も広く利用されている方法で、誘導加熱も用いることができる。予備加熱温度の制御は熱クレヨン(最もレベルの低い方法)、接触サーモカップル、あるいは均等赤外線非接触装置(最もレベルの高い方法)などの高温技術を用いて実行される。誘導加熱は適用可能であるが、より複雑で高価な方法である。冷却の制御は断熱ブランケット内に硬化表面部品を包むか、あるいはそれをキャニスタ内に入れることによって非常に簡単に実施することができる。種々のサイズ及び基材に対する予備温度範囲の例は以下の実施例1、2、及び3に示してある。
【0037】
【実施例】
実施例1
予備加熱温度は通常100−400℃の範囲である。
AISI(American Iron and Steel Institute)4137スチール・ツール・ジョイントを硬化固定するために、好ましい予備加熱範囲は以下の表2に示すとおりである。
【0038】
【表2】
* このサイズのツール・ジョイントの壁厚は通常のツール・ジョイントよりずっと小さい。
【0039】
実施例2
AISI4145−HT鋼ツール・ジョイントを硬化固定するための好ましい予備加熱温度範囲を以下の表3に示す。
【0040】
【表3】
* このサイズのツール・ジョイントの壁厚は通常のツール・ジョイントよりずっと小さい。
【0041】
実施例3
AISI1340−HT鋼ツール・ジョイントを硬化固定するための好ましい予備加熱温度範囲を以下の表4に示す。
【0042】
【表4】
* このサイズのツール・ジョイントの壁厚は通常のツール・ジョイントよりずっと小さい。
【0043】
上に述べた実施例は示された適用例の場合の予備加熱温度の代表的な事例を示すもので、硬化肉盛されるべき構成部品のサイズと単純な実験で決めることができる基質材料の性質に基づく他の予備加熱温度の例として役立つものである。
【0044】
2テンプステックス(熱クレヨン)などの他の測定手段を用いることもできるが、予備加熱温度は接触電子高温計で測定され、これらはすべて市場で入手することができる。
【0045】
図9で、予備加熱システムで有益な手段は電磁誘導コイル40であり、その内部にドリル・パイプ14あるいはスタビライザ30のツール・ジョイント10のボックス12又は12a及びピン18又は18aを入れて、電源44から回線42を通じて電気的エネルギーあるいは電力を受け取るようになっている。これらの電磁誘導コイルは市場で簡単に入手することができ、これ以上の説明はここでは不必要であろう。
【0046】
図10に予備加熱システムのためのガス・トーチ46が示されており、これはライン48及び50を通じて酸素ガス・ボトル52及びプロパン・ボトル54から酸素及びプロパンを供給するトーチ・ワンド47を含んでいる。このトーチ46は携帯用で、このトーチ・ワンド47からの炎56が溶接されるボックス、ピン、あるいはスタビライザを予備加熱し、この図ではツール・ジョイント10がドリル・パイプ14に接続された状態が示されている。
【0047】
硬化肉盛の層を溶接面に溶接した後の冷却条件はオーステナイトからマルテンサイトへの最適転化速度を確実に実現できるのに十分な程度にゆっくりしたものでなければならない。こうしたゆっくりした冷却速度はその溶着された合金の表面を溶接直後に断熱性ブランケットで包み、そしてさらに空気中で大気温度まで冷却させることによって達成することができる。そうした断熱ブランケットは市販商品で、すべてHouston, Texas, U.S.AにあるWelding Products of Texas, United Welding Supplies,及びWilliam Alloy Welding Equipment Inc.から市販されている。
【0048】
ゆっくりした冷却速度のためのもうひとつの好ましい手段は図11に示されているキャニスタの使用である。円筒型キャニスタ58はツール・ジョイント12の溶接ボックス12を挿入することができるようなサイズの閉鎖端部60を有している。この閉鎖端部60はドリル・パイプ14を通じての空気の流れを防ぎ、空気中でもゆっくりした冷却が起きるようにしている。図示していないが、ツール・ジョイント10の予備加熱され溶接されたピン部材20は同様の方法で冷却することができる。キャニスタ58は軟鋼でできている。キャニスタ58は市場で簡単に入手することができ、ここではこれ以上の説明は不要であろう。
【0049】
図6で、溶接可能合金組成物の芯64を有する筒状係合シーム・ワイヤ62が示されている。図7に、芯64aを有する筒状オーバーラップ・ジョイント・シーム・ワイヤ62aが示されている。両方の有芯筒状ワイヤ62及び62aで、芯64と64aは金属有芯と呼ばれる金属粉末でできているか、あるいはフラックス有芯と呼ばれる金属及び鉱物粉末の混合物でできている。それぞれの場合に、鉄ワイヤで芯化された粉末は本発明による硬化肉盛あるいは硬化固定合金の合金組成物を構成する。有芯ワイアは先行技術や産業界で周知であり、ここではさらに説明する必要はないであろう。
【0050】
土壌物質あるいはケイ酸質その他の物質による磨耗が上記硬化肉盛の一定のエリアを磨耗させてしまうような状態で長期間にわたって使用された後、ツール・ジョイント10のボックス12やピン20及びスタビライザ30のスタビライザ・リブ38に対して重大な損傷を及ぼすことなく、追加的な損傷を及ぼすことなく上に述べたように追加的な硬化固定を行うことができる。
【0051】
本発明の方法に役立つ装置を図式的に示している図8で、この装置64はリール66、それに巻きつけられ、ガイド・チューブ70を通じて硬化肉盛あるいは硬化固定されるべき工業用製品72までワイヤ駆動モータ68によって駆動される有芯ワイヤ62(あるいは62a)で構成されている。直流、低電圧電源装置74が電源ケーブル76を通じて上記工業用製品72に電気的エネルギーを送り、さらに電源ケーブル80を通じて電圧計82と電圧制御装置84に電力を送る。電源ケーブル85は上記電圧計に電源を送ると同時に、電源ケーブル86を通じてガイド・チューブ70と有芯ワイヤ62又は62aに電源を提供する。
【0052】
ガス・シールディングについては図式的に示してあるが、使用したい場合、ガスはガス・シールディング源90からガス・チューブ92を介して制御スイッチ98とガイド・チューブ99に送られ、それを必要とする電極のシールディングが行われる。
【0053】
そうした装置は当業者には周知であるから、上記合金組成物のワイヤ62を硬化肉盛あるいは硬化固定されるべき表面に溶接するための装置についてこれ以上の説明は不必要であろう。
【0054】
本発明は特にツール・ジョイント及びスタビライザの硬化固定に向いているが、構造部材、プロセス構成部材、磨耗耐性プレートなど、硬化固定あるいは硬化肉盛を必要とするどんな表面に対してでも用いることは可能である。
【0055】
従って、本発明は上記の目的と課題を達成するのに向いていると同時によく適合しており、そして本明細書で述べたような利点と特徴を備えている。
【0056】
開示の目的で本発明の現段階での好ましい実施の形態について上に述べたが、添付請求項の範囲で定義される本発明の精神の範囲内で変更は可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による肉盛硬化固定部を有するツール・ジョイントのボックスの一部縦方向断面図。
【図2】
図1と同様の図で、本発明により肉盛硬化固定部を有するツール・ジョイントのピンを示す図。
【図3】
図1と同様の図で、本発明によるツール・ジョイントのボックスのフラッシュ硬化固定を示す図。
【図4】
図1と同様の図で、本発明によるツール・ジョイントのピンのフラッシュ硬化固定を示す図。
【図5】
本発明によって硬化固定されたスタビライザを示す縦方向図。
【図6】
係合シーム・ジョイントを有する有芯ワイヤの断面図。
【図7】
オーバーラップ・シーム・ジョイントを有する有芯ワイヤの断面図。
【図8】
オープン、ガス密封あるいはサブマージ・アーク内で上記硬化肉盛合金の有芯ワイヤを溶接するのに適した装置を示す図。
【図9】
溶接を行うために上記ピン、ボックス、及びスタビライザを予備加熱のための電磁誘導コイルを示す予備加熱システムを示す図。
【図10】
上記ピン、ボックス、及びスタビライザを予備加熱するためのガス・トーチを示す図。
【図11】
キャニスタの断面図。予備加熱及び溶接後にボックスを冷却するのに有益な予備過熱されたボックス及び溶接されたボックスと共に示されている。
(発明の分野)
本発明は、オイル及びガスのためのボーリング用掘削ストリングで用いられるツール・ジョイント、ドリル・カラー、そしてスタビライザなど磨耗にさらされる工業製品及び高度の磨耗を受けるその他の工業製品の表面の寿命を向上させるための高摩耗耐性を有する硬化肉盛合金の分野に関するものである。
【0002】
(発明の背景)
土壌の約95%は、非常に磨耗性が高く、ツール・ジョイント及びスタビライザの表面や他の工業製品の磨耗を受け易い表面をかなり磨耗させるケイ酸質物質で構成されているので、土壌をボーリングしてオイルやガスを産出するためフォーメーションを構成する場合など、土壌ボーリングで用いられるツール・ジョイントやスタビライザの表面寿命には1つの重大な問題が存在している。
【0003】
ツール・ジョイント上に保護用に硬化肉盛(『硬化固定』といわれる)を溶着するのに適した硬化肉盛合金を提供するための数多くの試みがなされている。先行技術におけるツール・ジョイント用の硬化固定について、米国特許第4,256,518、油田機器及びサービス複合カタログ、1976/77版、ページ3216−19及びページ4994−5、米国特許第3,067,593を参照して以下に説明する。さらに又、磨耗耐性を増大させるためにツール・ジョイントで硬化表面を形成するためにタングステン・カーバイドなどの硬化固定物質の使用について、1976年11月2日発行の米国特許第3,989,554と、Gulf Publishing Company, Houston, Texasの図書出版部が1971年に発行したJ.E.BrantlyによるHistory of Oil Well Drillingを参照して説明する。さらに、ツール・ジョイントを硬化固定するための先行技術における種々の方法について説明している特許第2,259,232、2,262,211、4,431,902、及び4,942,059についても参照する。
【0004】
歴史的に、そして実際にも、油井やガス井の掘削で用いられているようなドリリング・ストリング(パイプ)上でのツール・ジョイントはドリル・ホール内での岩石を含んだ土壌のそのツール・ジョイント上での磨耗に抵抗するために、ボックス端の底部でタングステン・カーバイドと向き合わされている。これには3つの欠点がある。タングステン・カーバイドは高価であり、その内部で作動するためのウェル・ケーシングを切削するための切削ツールとして機能し、基材が腐蝕し易く、カーバイド粒子が剥がれ落ちてしまい易い軟鋼であることである。
【0005】
ケイ酸質土壌物質より硬い従来の硬化肉盛材料のほとんどは脆く、壊れ易い。これら硬化肉盛材料はよく知られた『高クロム−鉄』グループに属する合金であり、その高い磨耗耐性は共晶及び/又は過共晶タイプのクロム−カーバイドの微細構造が存在していることによるものである。溶接されたままの状態では、どんなに注意を払っても、これらの硬化肉盛表層は多かれ少なかれかなりの密度のひび割れ網を示す。硬化肉盛されている基質材料の予備加熱は必要条件ではない。反対に、予備加熱及びパス間温度が低ければ低い程、ひび割れ網の密度が高くなり、これは可動条件下での基質材料へのひび割れの伝播という危険の観点から見るとより好ましい要因とみなすことができる。
【0006】
ドリリング・パイプのツール・ジョイントあるいはスタビライザの硬化固定の50年の歴史において、米国特許第5,244,559の発明の開発前に実際に適用中にひび割れを起こした硬化肉盛が用いられた例はない。
【0007】
しかしながら、ほとんどの産業で、任意のプラントの構造及び機器を構成する金属構成部品は一体性を有していなければならず、このことは、伝播してその部品を破壊することが予想されることから、どんな種類のひび割れも含んでいてはならないことを意味している。
【0008】
人命喪失が懸念されたり、重大な資産の損失が起きるかもしれない場合には、一体性の要求は特に厳しくなる。そうした工業製品の事例は加工業における圧力容器、建設及び橋梁における構造部材、そして石油及びガス産業におけるダウン・ホール・ドリリング機器である。
【0009】
ケイ酸質土壌粒子は約800ブリネル数(BHN)の硬度を有している。米国特許第5,244,559で用いられている硬化肉盛材料は、硬度が少なくとも300BHNから600BHNの基材に硬度が約1700BHNの一次カーバイドを含む高クロム−鉄のグループに属するものである。この硬度を有するこれらの一次カーバイドはひっぱり強度がほとんどなく、従って、溶融状態から冷却されると、金属とカーバイドで構成される混合物内での一次カーバイドの相対的な量に依存する頻度で解体してしまう。従って、ケイ酸質土壌物質より硬いこのタイプの硬化肉盛材料は、溶接あるいはバルク溶接されると、溶接ビード全体に収縮によるひび割れを発生する。この材料はツール・ジョイントの硬化固定とその他の工業製品の硬化肉盛のために、長年広範に使われて成功を収めている。この材料は産業でひろく受け入れられ、現在も広く使われているが、一部のユーザーはドリル・ケーシング内での磨耗ができるだけ少なく、機械的故障のリスクに関するあらゆる懸念を抑えるためにひび割れなしで溶接できる硬化固定ツール・ジョイント合金に対する願望を示していた。
【0010】
ケイ酸質粒子による磨耗など使用条件に耐える硬度特性を達成するために加工硬化する必要がないひび割れなしで溶着できる高磨耗耐性の微細構造を有し、そしてさらに硬化固定されたツール・ジョイント及びスタビライザによるケーシングの磨耗をできるだけ少なくするために、摩擦係数が小さな硬化肉盛合金組成物を提供することは非常に望ましく、好適であろう。
【0011】
(発明の要約)
本発明は、そうした硬化肉盛合金組成物と、その合金組成物で硬化固定されたツール・ジョイント及びスタビライザなどの工業製品、そしてその合金組成物で硬化肉盛されたその他の工業製品に関するものであり、その合金内ではケイ酸質岩石構造及び粒子による磨耗などの使用条件に耐える高い磨耗耐性を特徴とする微細構造ができており、その微細構造が金属に優れた磨耗耐性を与え、さらにその合金の摩擦係数が低いのでケーシングの磨耗が少なくなり、さらに上に述べたように、本明細書に述べられているような適切な予備過熱と処理後の冷却条件を用いられた場合、ひび割れなしで溶接することができる。
【0012】
本発明による硬化肉盛合金は、ツール・ジョイント及びスタビライザの磨耗し易い表面上に溶接(硬化固定)するのに特に適しており、その場合、磨耗から守る効果が高く、しかもひび割れなしの状態が保たれる。本発明による硬化肉盛合金は摩擦係数が低く、これによって金属に優れた磨耗耐性及び損耗耐性が与えられ、そして硬化固定ジョイントの場合、ケーシングの磨耗をできるだけ抑えるという目的と、ツール・ジョイントの耐性をできるたけ高くするという目的の間のバランスを最適化することができ、例えばケーシングの磨耗を米国特許第5,244,559の硬化肉盛合金と比較して約40パーセントも低くすることができる。
【0013】
硬化肉盛合金は、以下の製品及びプロセスを用いて、CO2、アルゴンを主体とする混合物などのいろいろなタイプのガスと、自己遮蔽(オープン・アーク)筒状ワイヤ、及びサブマージ・アーク筒状ワイヤの存在下で表面に溶接することができる。
【0014】
硬化肉盛合金は約0.65−約1.1重量パーセントの炭素、約4.5−約10.5重量パーセントのクロミウム、約0.05−約1.0重量パーセントのモリブデン、約0.65−約1.5重量パーセントのマンガン、そして残りが微量元素を含む鉄分を構成要素とする基質材料で希釈されていない全溶接金属組成物で構成されている。この硬化肉盛合金は希釈されない溶接されたままの状態で、約48Rc(455BHN)−52Rc (512BHN)の範囲の硬度を有している。その硬度は、通常の高炭素ツール・ジョイント鋼上に単層で溶接された場合、約55Rc(560BHN)に達する。さらに、ケイ酸質岩石構造及び粒子に対する高摩耗耐性、金属に優れた耐性をもたらすと同時にケーシングの磨耗をかなり低下させる低い摩擦係数、そして、約10−約40パーセントのオーステナイトとマルテンサイトで構成される微細構造を特徴としている。この合金は以下に述べるような予備加熱及び溶接後冷却条件を用いた場合、単層及び二層でひび割れなしで溶接することができる。そして、タングステン・カーバイドやその他の多くの硬化肉盛及び硬化固定溶着物など、事前に存在する溶着物上に溶着させることができる。
【0015】
本発明の実施の形態は、硬化肉盛合金組成物、上記の硬化肉盛合金で硬化固定されたツール・ジョイント及びスタビライザを含んでいる。例えば、ドリル・パイプを接続するツール・ジョイントはネジ溝を切ったピン部材を受け入れるための内部にネジ溝を切ったボックス、円筒型の外面、そして上記円筒型外面上に溶着された硬化肉盛合金組成物の層を有しており、そのピン部材上に、必要であればひび割れなしの状態に留まりながらケイ酸質物質からの磨耗からツール・ジョイントを保護する硬化肉盛合金が配されている。また、ドリル・パイプに接続されたスタビライザは硬化肉盛組成物で硬化固定されたスタビライザ・リブを有しており、これが上記ドリル・パイプをウェル・ボア及びケーシング内にドリル・パイプを安定化させている。
【0016】
本発明の方法は、溶接によって、前に述べたような円筒状ワイヤ・オープン・アーク、ガス遮蔽あるいはサブマージ・アークを用い、さらに以下に述べるような予備加熱及び溶接後冷却条件を用いて硬化固定ツール・ジョイント及びスタビライザなどの工業製品に硬化肉盛合金を適用するステップを含んでいる。
【0017】
本発明のその他の実施の形態は、磨耗耐性プレートなどのその磨耗し易い表面に溶接された本発明による組成物で硬化肉盛された高磨耗耐性を必要とする表面を有する工業製品、そして、前に述べたような磨耗耐性を必要とするその他の産業用構造物である。
【0018】
好適に、この硬化固定合金はひび割れなしの状態で単層及び二層で、そして、タングステン・カーバイドなど他の事前に存在している硬化肉盛合金の上に、本明細書に述べるような予備加熱及び溶接後温度条件を用いて溶着させることができる。
【0019】
従って、本発明の目的は、工業的に使用するための、溶接されたままで加工硬化なしの状態で、約48Rc(455BHN)から約52Rc(512BHN)の範囲の硬度を有しているようなケイ酸質物質による磨耗に耐えることができるひび割れなしの硬化肉盛合金を提供することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、土壌ボーリングにおいてケーシング内で回転作動されるドリル・パイプを接続するツール・ジョイントを硬化固定するために用いられ、それによってその寿命を改善することができ、しかもひび割れなしの状態を維持できるひび割れなしの硬化肉盛合金を提供することである。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、溶接された状態で、土壌のケイ酸質構造及びその他のケイ酸質物質による磨耗に耐えるスタビライザを硬化固定するために用いることができるひび割れを起こさない硬化肉盛合金を提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、そうした磨耗にさらされる表面上に硬化肉盛合金が溶着されているその他の工業製品を提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、摩擦係数が低い、磨耗耐性が優れ、ツール・ジョイントやスタビライザの場合にはボア・ホール内でのケーシング磨耗の最少限化とツール・ジョイント磨耗耐性の最大限化との間のバランスを最適化することができ、そして米国特許第5,244,559の硬化肉盛合金と比較してケーシング磨耗が約40パーセント低いこの磨耗耐性合金がその磨耗を受け易い表面上に溶着された工業製品用の硬化肉盛合金を提供することである。
【0024】
本発明の実施の形態のその他の、そしてさらなる目的、特徴、そして利点も本明細書で明らかにされるであろう。
【0025】
(好ましい実施の形態の説明)
本発明による硬化肉盛組成物は重量で約0.65−約1.1パーセントの炭素、約4.5−約10.5パーセントのクロミウム、約0.5−約1.0パーセントのモリブデン、約0.65−約1.5パーセントのマンガンを含み、及び残りが微量元素を含む鉄である。
【0026】
本発明による硬化肉盛合金組成物は約48Rc(455BHN)−52Rc(512BHN)の溶接硬度、ツール・ジョイント及びドリル・スタビライザなどの工業製品上での単層平均硬度が約560BHN、約10−約40パーセントのオーステナイトを含むマルテンサイトの微小構造、高い磨耗耐性、低い金属間摩擦係数を有しており、そして、それ自体、あるいはタングステン・カーバイド溶着物など事前に存在している硬化固定合金上に単層又は二層でひび割れなしで溶着させることができる。
【0027】
硬化肉盛合金組成物はいずれかの適切な溶接手段とオープン・アーク、ガス又はフラックス・シールディングなどの相性の良い予備加熱及び冷却手段を用いて溶着させることができる。好ましくは、特にツール・ジョイント及びスタビライザに対してCO2などのガス・シールディングで用いられる金属有芯筒状ワイヤ、図6及び7に図示するようなスタビライザの表面を硬化固定するための、ガス・シールディングを伴わないフラックス有芯筒状ワイヤについて以下に説明する。他の工業用装置としてはブルドーザ及び浚渫機器とバケット・ティース、グラベル・ポンプ部品、クラッシャー・ハンマー、コンベヤ・チェーン、ギア・ティース、そして金属間スライド部品などがある。
本発明による好ましい合金組成物の化学分析結果を以下の表1に示す。
【0028】
【表1】サンプル
炭素 0.8%
クロミウム 8.5%
モリブデン 0.15%
マンガン 1.1%
ケイ素 0.6%
残りは鉄(微量元素を含む)
【0029】
硬化固定ツールジョイント、スタビライザ、あるいはその他の工業製品の硬化肉盛された表面に溶接された表1に示す硬化肉盛合金はひび割れがなく、加工硬化なしで表面に溶接された状態で、約48Rc(455BHN)−約52Rc(512BHN)の標準硬度を有している。
【0030】
本発明の以下に示す実施の形態は本発明によるひび割れなしの硬化肉盛合金によって硬化固定されたツール・ジョイントである。
【0031】
図1と2で、ドリリング・パイプ14の端部にボックス12を有するドリル・パイプ10用のツール・ジョイントが示されており、このドリリング・パイプ14の内側にはネジ溝16が切られており、ピン18をボックス12内にネジ込むことができるようにネジ16に対応するネジ溝20を有するピン18を受け入れるようになっている。このピン18は符号14で示されるようなドリル・パイプの端部を形成しており、従って、石油、ガス、その他井戸用のパイプのストリング又はジョイントをネジ込んで固定したり、あるいは外したりすることができる。
【0032】
ボックス12及びピン18は拡大されており、硬化固定合金のビーズ24を溶着させるために、ドリル・パイプ14のほか径より大きな外径を有する外部円筒型表面22を有している。
【0033】
図1及び2と対応する参照番号に符号aが付されている図3及び4で、図3及び4のツール・ジョイント10aは、ボックス12a及びピン18aの外部円筒型表面22aから円周帯領域の材料を取り除くか、あるいは最初から小さな直径部分22aで形成されるかのいずれかで円筒型部分26が小さくなっていること、そしてビーズ24aの硬化固定合金がそのスペースに溶着されていて、溶着された硬化肉盛がボックス12a及びピン18aの外部円筒状面によってかなりフラッシュされることを除けば、図1及び2のツール・ジョイント10と同じである。
【0034】
図5で、ドリル・パイプ(図示していない)のストリングを接続するためにピン34及びボックス36を有する細長い円筒型あるいはパイプ状構造体32を有する本発明によるスタビライザ30が示されており、このスタビライザは井戸孔(図示せず)内でドリル・パイプを安定化させるために本体32から外側に延びたスタビライザ・リブ38を有しており、そのスタビライザ・リブ38に硬化固定合金24bが溶接されている。
【0035】
ツール・ジョイント、スタビライザ、及びその他の工業製品の表面寿命を延長させるための本発明による方法は、それらを約100℃(212oF)−約400℃(752oF)の範囲の温度に予備加熱するステップと、そして、オープン・アーク、ガス密封又はサブマージ・アーク内で筒状ワイヤを用いて本発明による硬化固定合金の1つの層24、24a、及び24bを、ツール・ジョイント10及び10a(図1,2)のボックス12あるいは12aの外部円筒型表面22又は22a、ピン18(図3及び4)とスタビライザ・リブ38(図5)の外部円筒型表面22に硬化肉盛又は硬化固定するステップと、そして、それらをゆっくりと冷却して、オーステナイトからマグネサイトに構造的に転換させるようにするステップで構成されている。通常、硬化固定合金の溶接ビーズ24はその合金特性に対するロスを伴わず、厚みが3/32−1/4インチの範囲であり、そして単層又は二層で溶着させることができる。望ましい場合、溶接ビーズ24の表面22aはボックス12aの表面によってかなりフラッシュされ、約3/32インチ厚みの物質が除去される。
【0036】
予備加熱温度レベルは表面固定されるべき構成部品のサイズと、関連する基質金属の性質によって決められる。一般的には、サイズが大きければ大きいほど、そして基質金属の力が高ければ高い程、より高い予備加熱温度レベルが必要になる。予備加熱は均一な厚み及び温度分布を確実に実現できるようないかなる手段によってでも実行することができる。ガス・バーナーの利用は今日の段階で最も広く利用されている方法で、誘導加熱も用いることができる。予備加熱温度の制御は熱クレヨン(最もレベルの低い方法)、接触サーモカップル、あるいは均等赤外線非接触装置(最もレベルの高い方法)などの高温技術を用いて実行される。誘導加熱は適用可能であるが、より複雑で高価な方法である。冷却の制御は断熱ブランケット内に硬化表面部品を包むか、あるいはそれをキャニスタ内に入れることによって非常に簡単に実施することができる。種々のサイズ及び基材に対する予備温度範囲の例は以下の実施例1、2、及び3に示してある。
【0037】
【実施例】
実施例1
予備加熱温度は通常100−400℃の範囲である。
AISI(American Iron and Steel Institute)4137スチール・ツール・ジョイントを硬化固定するために、好ましい予備加熱範囲は以下の表2に示すとおりである。
【0038】
【表2】
* このサイズのツール・ジョイントの壁厚は通常のツール・ジョイントよりずっと小さい。
【0039】
実施例2
AISI4145−HT鋼ツール・ジョイントを硬化固定するための好ましい予備加熱温度範囲を以下の表3に示す。
【0040】
【表3】
* このサイズのツール・ジョイントの壁厚は通常のツール・ジョイントよりずっと小さい。
【0041】
実施例3
AISI1340−HT鋼ツール・ジョイントを硬化固定するための好ましい予備加熱温度範囲を以下の表4に示す。
【0042】
【表4】
* このサイズのツール・ジョイントの壁厚は通常のツール・ジョイントよりずっと小さい。
【0043】
上に述べた実施例は示された適用例の場合の予備加熱温度の代表的な事例を示すもので、硬化肉盛されるべき構成部品のサイズと単純な実験で決めることができる基質材料の性質に基づく他の予備加熱温度の例として役立つものである。
【0044】
2テンプステックス(熱クレヨン)などの他の測定手段を用いることもできるが、予備加熱温度は接触電子高温計で測定され、これらはすべて市場で入手することができる。
【0045】
図9で、予備加熱システムで有益な手段は電磁誘導コイル40であり、その内部にドリル・パイプ14あるいはスタビライザ30のツール・ジョイント10のボックス12又は12a及びピン18又は18aを入れて、電源44から回線42を通じて電気的エネルギーあるいは電力を受け取るようになっている。これらの電磁誘導コイルは市場で簡単に入手することができ、これ以上の説明はここでは不必要であろう。
【0046】
図10に予備加熱システムのためのガス・トーチ46が示されており、これはライン48及び50を通じて酸素ガス・ボトル52及びプロパン・ボトル54から酸素及びプロパンを供給するトーチ・ワンド47を含んでいる。このトーチ46は携帯用で、このトーチ・ワンド47からの炎56が溶接されるボックス、ピン、あるいはスタビライザを予備加熱し、この図ではツール・ジョイント10がドリル・パイプ14に接続された状態が示されている。
【0047】
硬化肉盛の層を溶接面に溶接した後の冷却条件はオーステナイトからマルテンサイトへの最適転化速度を確実に実現できるのに十分な程度にゆっくりしたものでなければならない。こうしたゆっくりした冷却速度はその溶着された合金の表面を溶接直後に断熱性ブランケットで包み、そしてさらに空気中で大気温度まで冷却させることによって達成することができる。そうした断熱ブランケットは市販商品で、すべてHouston, Texas, U.S.AにあるWelding Products of Texas, United Welding Supplies,及びWilliam Alloy Welding Equipment Inc.から市販されている。
【0048】
ゆっくりした冷却速度のためのもうひとつの好ましい手段は図11に示されているキャニスタの使用である。円筒型キャニスタ58はツール・ジョイント12の溶接ボックス12を挿入することができるようなサイズの閉鎖端部60を有している。この閉鎖端部60はドリル・パイプ14を通じての空気の流れを防ぎ、空気中でもゆっくりした冷却が起きるようにしている。図示していないが、ツール・ジョイント10の予備加熱され溶接されたピン部材20は同様の方法で冷却することができる。キャニスタ58は軟鋼でできている。キャニスタ58は市場で簡単に入手することができ、ここではこれ以上の説明は不要であろう。
【0049】
図6で、溶接可能合金組成物の芯64を有する筒状係合シーム・ワイヤ62が示されている。図7に、芯64aを有する筒状オーバーラップ・ジョイント・シーム・ワイヤ62aが示されている。両方の有芯筒状ワイヤ62及び62aで、芯64と64aは金属有芯と呼ばれる金属粉末でできているか、あるいはフラックス有芯と呼ばれる金属及び鉱物粉末の混合物でできている。それぞれの場合に、鉄ワイヤで芯化された粉末は本発明による硬化肉盛あるいは硬化固定合金の合金組成物を構成する。有芯ワイアは先行技術や産業界で周知であり、ここではさらに説明する必要はないであろう。
【0050】
土壌物質あるいはケイ酸質その他の物質による磨耗が上記硬化肉盛の一定のエリアを磨耗させてしまうような状態で長期間にわたって使用された後、ツール・ジョイント10のボックス12やピン20及びスタビライザ30のスタビライザ・リブ38に対して重大な損傷を及ぼすことなく、追加的な損傷を及ぼすことなく上に述べたように追加的な硬化固定を行うことができる。
【0051】
本発明の方法に役立つ装置を図式的に示している図8で、この装置64はリール66、それに巻きつけられ、ガイド・チューブ70を通じて硬化肉盛あるいは硬化固定されるべき工業用製品72までワイヤ駆動モータ68によって駆動される有芯ワイヤ62(あるいは62a)で構成されている。直流、低電圧電源装置74が電源ケーブル76を通じて上記工業用製品72に電気的エネルギーを送り、さらに電源ケーブル80を通じて電圧計82と電圧制御装置84に電力を送る。電源ケーブル85は上記電圧計に電源を送ると同時に、電源ケーブル86を通じてガイド・チューブ70と有芯ワイヤ62又は62aに電源を提供する。
【0052】
ガス・シールディングについては図式的に示してあるが、使用したい場合、ガスはガス・シールディング源90からガス・チューブ92を介して制御スイッチ98とガイド・チューブ99に送られ、それを必要とする電極のシールディングが行われる。
【0053】
そうした装置は当業者には周知であるから、上記合金組成物のワイヤ62を硬化肉盛あるいは硬化固定されるべき表面に溶接するための装置についてこれ以上の説明は不必要であろう。
【0054】
本発明は特にツール・ジョイント及びスタビライザの硬化固定に向いているが、構造部材、プロセス構成部材、磨耗耐性プレートなど、硬化固定あるいは硬化肉盛を必要とするどんな表面に対してでも用いることは可能である。
【0055】
従って、本発明は上記の目的と課題を達成するのに向いていると同時によく適合しており、そして本明細書で述べたような利点と特徴を備えている。
【0056】
開示の目的で本発明の現段階での好ましい実施の形態について上に述べたが、添付請求項の範囲で定義される本発明の精神の範囲内で変更は可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による肉盛硬化固定部を有するツール・ジョイントのボックスの一部縦方向断面図。
【図2】
図1と同様の図で、本発明により肉盛硬化固定部を有するツール・ジョイントのピンを示す図。
【図3】
図1と同様の図で、本発明によるツール・ジョイントのボックスのフラッシュ硬化固定を示す図。
【図4】
図1と同様の図で、本発明によるツール・ジョイントのピンのフラッシュ硬化固定を示す図。
【図5】
本発明によって硬化固定されたスタビライザを示す縦方向図。
【図6】
係合シーム・ジョイントを有する有芯ワイヤの断面図。
【図7】
オーバーラップ・シーム・ジョイントを有する有芯ワイヤの断面図。
【図8】
オープン、ガス密封あるいはサブマージ・アーク内で上記硬化肉盛合金の有芯ワイヤを溶接するのに適した装置を示す図。
【図9】
溶接を行うために上記ピン、ボックス、及びスタビライザを予備加熱のための電磁誘導コイルを示す予備加熱システムを示す図。
【図10】
上記ピン、ボックス、及びスタビライザを予備加熱するためのガス・トーチを示す図。
【図11】
キャニスタの断面図。予備加熱及び溶接後にボックスを冷却するのに有益な予備過熱されたボックス及び溶接されたボックスと共に示されている。
Claims (12)
- 耐磨耗性にすべき表面に溶接するための硬化肉盛合金において、
重量で約0.65−約1.1パーセントの炭素、約4.5−約10.5パーセントのクロミウム、約0.05−約1.0パーセントのモリブデン、及び残りを鉄として、微量元素を不純物として含んでおり、
上記合金が約48Rc(455BHN)−約52Rc(512BHN)の範囲の硬度を有することを特徴とする硬化肉盛合金。 - 表面が磨耗に曝される工業用製品において、
そうした磨耗に曝される表面に請求項1の硬化固定合金の層が溶着されていることを特徴とする工業用製品。 - ドリル・パイプを接続するためのツール・ジョイントにおいて、上記ツール・ジョイントが円筒型の構造体と、上記ドリル・パイプより大きな直径を有する円筒型の外面を有する内側にネジ溝を切ったボックスと、外側にネジ溝を切ったピンを有しており、
上記ボックスとピンの一方あるいは両方の円筒型外面に少なくとも1つの層の請求項1の硬化肉盛合金が溶着されており、
それによって、ケイ酸質物質による磨耗に対する表面耐性を提供することを特徴とするツール・ジョイント。 - 請求項3のツール・ジョイントにおいて、
上記ボックス又はピンの一方又は両方の円筒型外面がその長さ方向のかなりの部分に沿って延びた直径が小さくなっている部分を有しており、さらに、
上記硬化肉盛合金の層が上記ボックス又はピンの一方又は両方の上記直径が小さくなっている部分に溶着されていることを特徴とするツール・ジョイント。 - 請求項2の工業用製品において、
円筒型構造体と内部にネジ溝を切ったボックス及びドリル・パイプのストリング内に接続するための外部にネジ溝を切ったピンを有するスタビライザと、
井戸孔内でドリル・パイプのストリングを安定化するのに有効な、上記円筒型構造体の外面から延びた、磨耗をうける外面を有するスタビライザ・リブと、
磨耗を受ける上記スタビライザ・リブの外面に溶着された請求項1の硬化肉盛合金の層
で構成される工業用製品。 - ケイ酸質物質による磨耗を受ける工業用製品の寿命を延長するための方法において、
請求項1の硬化肉盛合金の層をその磨耗を受ける工業用製品の1つ以上の表面に溶着するステップを含んでいることを特徴とする方法。 - ケイ酸質粒子による磨耗に曝される表面を有する1つ以上の構成部材を有する工業用製品の寿命を延長するための方法において、
上記1つ以上の構成部材を予備加熱するステップと、
請求項1の硬化肉盛合金の層を上記1つ以上の構成部材の表面に溶着するステップと、そして
硬化肉盛合金の層が溶着された上記1つ以上の構成部材を冷却するステップ
を含んでおり、上記予備加熱及び冷却がオーステナイトをマルテンサイトに構造的に転換して、それによって上記1つ以上の構成部材にひび割れを含まない硬化肉盛表面が提供されることを特徴とする方法。 - 請求項7の方法において、
上記工業用製品がツール・ジョイントのボックスとピン、及びスタビライザによって構成される群から選択されることを特徴とする方法。 - ドリル・パイプを接続するためのツール・ジョイントの寿命を延長するための方法において、上記ツール・ジョイントが外部円筒型部分と内部接続ピンを有する接続可能なネジ溝を切ったボックスと、それに隣接した外部円筒型部分を有しており、
上記ボックスあるいはピン、又はその両方の少なくとも1つの外部円筒型部分を約100℃−約400℃に予備加熱するステップと、
請求項1記載の硬化肉盛合金の層を上記ボックスあるいはピン、又はその両方の外部円筒型部分に溶着すると同時に、約100℃−約400℃に予備加熱するステップと、
硬化肉盛合金の層内でオーステナイトをマルテンサイトに構造的に転換してそれによって硬化肉盛された表面をケイ酸質物質による磨耗に対して耐性するために、ボックス又はピンの一方あるいは両方に硬化肉盛合金の層が溶着された上記外部円筒型部分を冷却するステップ
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項9の方法において、上記ネジ溝付きボックスが上記ドリル・パイプより大きな直径と上記外部円筒型ボックスに凹部部分を有しており、
上記硬化肉盛合金の層をほぼその長さに沿って延び、上記ネジ溝付きボックスの外面とほぼ同一平面上にある上記外部円筒型部分の凹部部分に溶着するステップを含むことを特徴とする方法。 - 上記ネジ溝付きピンが上記ドリル・パイプより大きな直径と上記ピンの外部円筒型部分の凹部部分を有していることを特徴とする請求項9記載の方法において、
上記硬化肉盛合金の層をほぼその長さに沿って延び、上記ネジ溝付きボックスの外面とほぼ同一平面上にある上記外部円筒型部分の凹部部分に溶着するステップを含んでいることを特徴とする方法。 - 請求項6記載の方法に置いて、上記請求項1の硬化肉盛合金の層を溶接するステップがオープン・アーク、ガス密封あるいはサブマージ・アーク筒状ワイヤによって行われることを特徴とする方法。
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