JP2016203985A - 容器及びキャップ - Google Patents

Abstract

【課題】外径が相違する複数の口部（段部）により構成される容器口部にキャップを打栓により装着しても、キャップと容器口部との間のシール性を確保することができる容器を提供する。
【解決手段】本容器１では、キャップ２を容器口部３に打栓した際、キャップ２の円筒状副嵌合壁部３２の内壁面と容器口部３の大径口部６０の外壁面とが密着すると共に、キャップ２の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面と容器口部３の小径口部６１の内壁面とが密着する。これにより、容器口部３の小径口部６１の内壁面からキャップ２の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面へ付与される押圧力が高められ、キャップ２の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面と容器口部３の小径口部６１の内壁面との間のシール性を確保することができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、合成樹脂から成形されたキャップが容器口部に打栓等により装着された容器及びそのキャップに関するものである。

一般に、キャップが容器口部に打栓により装着される際には、キャップに設けた、胴部と胴部の内側に配置される嵌合壁部との間の環状空間に容器口部を打栓することで、キャップが容器口部に装着される（特許文献１参照）。

上述した従来技術では、キャップの環状空間の径方向に沿う幅長が、容器口部の周壁厚より若干狭く形成されることで、胴部及び嵌合壁部と、容器口部との相互の押圧力により、キャップが容器口部に装着されるようになっている。
しかしながら、容器口部の外径が軸方向に沿う所定範囲で略一定であれば、この従来技術で問題無いが、容器口部が、外径が相違する複数の口部（段部）が軸方向に沿って連続して構成される場合、この従来技術では容器口部とキャップとの間のシール性に問題が生じてくる。

特開２００９−１７９３７５号公報

上述したように、容器口部が、外径の相違する複数の口部（段部）により構成される場合、単に、キャップに設けた環状空間に容器口部を嵌合させるだけでは、キャップと容器口部との間のシール性に問題が発生するようになる。

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、外径が相違する複数の口部（段部）により構成される容器口部にキャップを打栓により装着しても、キャップと容器口部との間のシール性を確保することができる容器及びキャップを提供することを目的とする。

本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項１に記載した容器に係る発明は、キャップが容器口部に打栓により装着される容器であって、前記容器口部は、上端に配置される大径口部と、該大径口部より下方に配置され、前記大径口部よりその外径が小径の小径口部と、を備え、前記キャップは、胴部と胴部の内側に配置される筒状の主嵌合壁部との間に設けられ、前記容器口部が嵌合される環状空間と、該環状空間内に形成される筒状の副嵌合壁部と、を備え、前記キャップを前記容器口部に打栓した際には、前記キャップの副嵌合壁部の内壁面と前記容器口部の大径口部の外壁面とが密着すると共に、前記キャップの主嵌合壁部の外壁面と前記容器口部の小径口部の内壁面とが密着することを特徴とするものである。
請求項１の発明では、キャップを容器口部に打栓すると、キャップの主嵌合壁部の外壁面と容器口部の小径口部の内壁面とが密着すると共に、キャップの副嵌合壁部の内壁面と容器口部の大径口部の外壁面とが密着する。これにより、容器口部の小径口部の内壁面からキャップの主嵌合壁部の外壁面へ付与される押圧力が増加して、キャップの主嵌合壁部の外壁面と容器口部の小径口部の内壁面との間のシール性が向上する。

請求項２に記載した容器に係る発明は、請求項１に記載した発明において、前記容器口部は、前記小径口部から連続して下方に向かって次第に拡径する拡径口部と、該拡径口部から下方に向かって連続して軸方向に延び、前記大径口部より大径の最大径口部を備え、前記キャップを前記容器口部に打栓した際には、前記容器口部の最大径口部が、前記キャップの胴部の下部内壁面に設けた突条係止部を乗り越えるように係合することで、前記拡径口部を下方から押し上げるように弾性変形させることを特徴とするものである。
請求項２の発明では、キャップを容器口部に打栓すると、容器口部の最大径口部が、キャップの胴部の下部内壁面に設けた突条係止部を乗り越えるように係合することで、拡径口部が下方から押し上げるように弾性変形するので、容器口部の小径口部の内壁面からキャップの主嵌合壁部の外壁面へ付与される押圧力がさらに増加して、キャップの主嵌合壁部の外壁面と容器口部の小径口部の内壁面との間のシール性をさらに向上させることができる。

請求項３に記載したキャップに係る発明は、容器口部に打栓により装着されるキャップであって、該キャップは、胴部と胴部の内側に配置される筒状の主嵌合壁部との間に配置され、前記容器口部が嵌合される環状空間と、該環状空間に形成され、前記容器口部の上端の外壁面が密着する筒状の副嵌合壁部と、を備えることを特徴とするものである。
請求項３の発明では、胴部と主嵌合壁部との間の環状空間の径方向に沿う幅長が、容器口部の形状に伴って、従来よりも大きく形成される場合、キャップを容器口部に打栓した際、キャップの環状空間内に形成された副嵌合壁部が容器口部の上端の外壁面が密着することで、容器口部の内壁面からキャップの主嵌合壁部の外壁面への押圧力が高められ、キャップの主嵌合壁部の外壁面と容器口部の内壁面との間のシール性を向上させることができる。

請求項４に記載したキャップに係る発明は、請求項３に記載した発明において、前記主嵌合壁部の内壁面から一体的に径方向中心に向かって斜め上方に延び、径方向中央部に吐出孔を有する環状壁部と、該環状壁部の上方に配置され、弁部が前記吐出孔周辺の環状弁座から離脱または着座して前記吐出孔を開閉する逆止弁と、を備えることを特徴とするものである。
請求項５に記載したキャップに係る発明は、請求項４に記載した発明において、前記主嵌合壁部の外壁面と前記容器口部の内壁面との間の密着部は、前記主嵌合壁部と前記環状壁部との接続部よりも上方に位置することを特徴とするものである。
請求項４及び５の発明では、環状壁部は径方向中心に向かって斜め上方に延びているので、容器口部を胴部と主嵌合壁部との間の環状空間内に挿入する際、環状壁部が水平方向に延びている形態に比べて主嵌合壁部の内側への弾性変形を許容して、容器口部を環状空間内に抵抗なくスムーズに挿入することができる。一方挿入後は、環状壁部により主嵌合壁部の外側への復元力が増加するので、キャップの主嵌合壁部の外壁面と容器口部の内壁面との間のシール性をさらに向上させることができる。

本発明によれば、キャップを、外径が相違する複数の口部（段部）により構成される容器口部に打栓により装着しても、キャップと容器口部との間のシール性を確保する容器及びキャップを提供することができる。

図１は、本発明の実施の形態に係る容器の容器口部にキャップが装着された状態の断面図である。 図２は、図１の容器口部の断面図である。 図３は、図１のキャップの構成で、蓋体、及び環状壁部を含む主キャップ体の平面図であり、（ｂ）は、（ａ）の断面図であり、（ｃ）は下面図である。 図４の（ａ）は、図１のキャップの構成である逆止弁の平面図であり、（ｂ）は、（ａ）の断面図であり、（ｃ）は下面図である。 図５（ａ）は、図１のキャップの構成である中栓の平面図であり、（ｂ）は、（ａ）の断面図である。

以下、本発明を実施するための形態を図１〜図５に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る容器１は、容器本体１ａと、該容器本体１ａの容器口部３に打栓により装着されるキャップ２とから構成される。

図１に示すように、容器本体１ａは、例えばチューブ状容器など変形し易いものであり、その内部には液状内容物や粘性を有する流動性内容物が充填される。この内容物は、例えば、醤油、ポン酢、オリーブオイル、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、とんかつ用ソース、ペースト状マスタード等が挙げられる。容器本体１ａは、その胴部７を圧搾するなどして内圧を加えることで内容物を吐出させるタイプのものである。容器口部３は、円筒状に形成される。なお、容器本体１ａは、外容器と内容器とからなる二重容器（剥離容器と言われるものも含む）を含む。内容器は、その内部に内容物が充填されると共に内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性を有するものである。内容器の減容形状を保持するために外容器と内容器との間には外気が吸入されるように構成される。

図１及び図２に示すように、容器本体１ａは、胴部７と、キャップ２が打栓により嵌合され、胴部７から連続して形成される容器口部３とから構成される。容器口部３は、全体として円筒状に形成される。該容器口部３は、その胴部７から略同じ厚みで連続して形成される。該容器口部３は、外径が相違する複数の口部（段部）が軸方向に沿って連続して構成される。具体的には、容器口部３は、上端に配置され軸方向に延びる大径口部６０と、該大径口部６０から下方に配置され、その外径が大径口部６０より小径で軸方向に延びる小径口部６１と、該小径口部６１から下方に配置され、その外径が大径口部６０より大径で軸方向に延びる最大径口部６２とを備えている。また、上端に位置する大径口部６０と小径口部６１とは、大径口部６０から連続して下方に向かって次第に縮径する弾性変形可能な縮径口部６３により接続される。小径口部６１と最大径口部６２とは、小径口部６１から連続して下方に向かって次第に拡径する弾性変形可能な拡径口部６４により接続される。最大径口部６２の下方には、連続して、最大径口部６２より小径で、大径口部６０より大径の、軸方向に延びる支持口部６５が形成される。支持口部６５と胴部７との間には、小径口部６１と略同径の凹状口部６６が形成される。なお、容器口部３にキャップ２を打栓する際、凹状口部６６の外周部位が、打栓機（図示略）にて把持される。

本発明の実施形態に係るキャップ２は、容器本体１ａの胴部７を圧搾して容器本体１ａに内圧を加え、適量の内容物を使用した直後、使用者が手でキャップ２を操作することなく容器本体１ａ内を逆止弁１２により密封するものである。具体的に、本キャップ２は、図１に示すように、内容物の吐出孔２５を有するキャップ本体４と、該キャップ本体４を構成する主キャップ体１１にヒンジ６を介して連結される蓋体５とから構成される。本キャップ２は、図３に示す、蓋体５が連結され環状壁部１０を含む主キャップ体１１と、図４に示す逆止弁１２と、図５に示す中栓１３との三つの構成部材を組み立てて構成される。なお、蓋体５をヒンジ６によりキャップ本体４に連結せずに、別体として構成してもよい。

図１に示すように、キャップ本体４は、容器口部３に打栓される円筒状の主キャップ体１１と、主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の内壁面から一体的に径方向中心に向かって斜め上方に延び、径方向中央部に吐出孔２５を有する環状壁部１０と、該環状壁部１０の上方に配置され、弁部３６が吐出孔２５周辺の環状弁座２６から離脱または着座して吐出孔２５を開閉する逆止弁１２と、該逆止弁１２の上方に配置され、吐出孔２５と連通し、吐出孔２５からの内容物の吐出通路４１を有する中栓１３とから構成される。逆止弁１２を成形する合成樹脂は、主キャップ体１１を成形する合成樹脂よりも高弾性となる。具体的には、蓋体１２を含む主キャップ体１１はポリプロピレンにて成形される。また、中栓１３はポリエチレンにて成形される。さらに、逆止弁１２はポリエチレンエラストマーにて成形される。

図１及び図３に示すように、主キャップ体１１は、胴部１８と、該胴部１８の内側に同心状に配置される円筒状主嵌合壁部１９と、胴部１８の上端と円筒状主嵌合壁部１９の上端とを接続する環状水平壁部２０とから構成される。胴部１８の下部内壁面には、突条係止部２１が形成される。円筒状主嵌合壁部１９と胴部１８との間に、容器口部３が嵌合される環状空間２２が形成される。環状水平壁部２０の上面でその外周部に、上方に突起する環状突起部１７が形成される。円筒状主嵌合壁部１９の上部内壁面には、周方向に沿って環状に延びる環状嵌合凹部２３が形成される。

円筒状主嵌合壁部１９の下部内壁面には、その周方向全域から一体的に環状壁部１０が径方向中心に向かって斜め上方に延びている。環状壁部１０は截頭円錐状を呈している。環状壁部１０と円筒状主嵌合壁部１９の内壁面とにより上方を開放した空間２４が形成される。環状壁部１０の径方向中心部には略円形状の吐出孔２５が開口される。該吐出口２５は容器口部３内と連通される。該吐出孔２５の周辺に環状弁座２６が形成される。該環状弁座２６は倒立円錐状面２８に形成される。環状壁部１０の環状弁座２６（倒立円錐状面２８）には、径方向に沿う流通溝２７が１箇所形成される。該流通溝２７は、ヒンジ６側とは反対側の位置に形成される。該流通溝２７は、断面コ字状に形成される。

環状水平壁部２０の外径は胴部１８の外径より小径で、その外壁面に周方向に沿って環状に延びる突条係止部３１が形成される。該環状水平壁部２０の外壁面に蓋体５が嵌合される。環状水平壁部２０の下面で、胴部１８と円筒状主嵌合壁部１９の間の環状空間２２内に同心状に円筒状副嵌合壁部３２が垂設される。円筒状副嵌合壁部３２と胴部１８との間の環状空間には、周方向に沿って間隔を置いて複数の補強リブ３３が形成される。本実施形態では、８箇所形成される。複数の補強リブ３３が形成されることにより、円筒状副嵌合壁部３２の剛性を保持することができる。なお、円筒状副嵌合壁部３２と胴部１８との間に環状空間を設けている理由は、その環状空間を設けず、円筒状副嵌合壁部３２を胴部１８の内壁面から一体的に設けると、肉厚になりひけ等の問題が発生するためである。

図１及び図４に示すように、逆止弁１２は、主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の内壁面に当接する円筒状支持部３４と、該円筒状支持部３４の内壁面から一体的に径方向中心に向かって延びる複数の弾性片３５と、各弾性片３５の先端部に一体的に接続され、吐出孔２５を開閉する弁部３６と、各弾性片３５の間に設けられ、吐出孔２５からの内容物が流通する複数の流通孔３７とから構成される。

各弾性片３５は、円筒状支持部３４の上部内壁面から径方向中心に向かって、且つ斜め下方にやや湾曲して延びている。本実施形態では、弾性片３５は、周方向に９０°ピッチで４箇所形成され、各弾性片３５間に流通孔３７が９０°ピッチで４箇所形成される。また、各弾性片３５の先端部が弁部３６の外周部の上縁に一体的に接続される。該弁部３６は、ドーム状を呈し、詳しくは、平面視形状が円形状で、上方へ向う凸状の湾曲壁部で構成される。また、弁部３６の外周部は、環状弁座２６（倒立円錐状面２８）に着座するように倒立円錐状面２９に形成される。該弁部３６の上面には球状凸部３８が突設される。

図１及び図５に示すように、中栓１３は、逆止弁１２の上方に配置される。該中栓１３は、主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９に嵌合される円筒状支持部４０と、円筒状支持部４０の内側に同心状に配置され、内部に吐出通路４１を有する円筒状案内部４２と、円筒状支持部４０の上端と円筒状案内部４２の下端とを一体的に接続する環状水平壁部４３とから構成される。環状水平壁部４３には、円筒状支持部４０の外周面から径方向に突設される環状鍔部４３ａが形成される。環状水平壁部４３の下壁面と円筒状支持部４０の内壁面との間には、周方向に沿って間隔を置いて複数の補強リブ４５が形成される。円筒状支持部４０は、逆止弁１２を構成する円筒状支持部３４の上方に配置される。円筒状支持部４０の外壁面には、周方向に延びる環状突条部４４が形成される。中栓１３の円筒状支持部４０の周壁部の厚みと、逆止弁１２の円筒状支持部３４の周壁部の厚みとは略同一である。

図１及び図２に示すように、蓋体５は、主キャップ体１１の胴部１８にヒンジ６を介して一体的に接続されている。該蓋体５は、ヒンジ６を介して主キャップ体１１の胴部１８の外壁面に接続される円筒状の胴部５０と、該胴部５０の上端の周方向全域に一体的に接続される天面部５１とから構成される。天面部５１の径方向中央部には、キャップ本体４を構成する中栓１３の円筒状案内部４２の上端内部に緊密に嵌合する円筒状密着部５２が垂設される。天面部５１の、円筒状密着部５２と胴部５０との間には、円筒状飛散抑制部５５が垂設される。胴部５０の下部内壁面には、周方向に環状に延びる突条係止部５３が形成される。胴部５０の上部外壁面で、ヒンジ６側と反対側には、使用者が把持する把持部５４が周方向に沿う所定範囲で外方に向かって突設される。

次に、本キャップ２を組み立て、容器口部３に装着する方法を説明する。
まず、主キャップ体１１の環状壁部１０の上面に、逆止弁１２を上方から組み込む。詳しくは、逆止弁１２の円筒状支持部３４の外壁面が主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の内壁面に沿うようにして、逆止弁１２を環状壁部１０の上面に配置する。すなわち、逆止弁１２を、上方から環状壁部１０と円筒状主嵌合壁部１９の内壁面とで囲まれた上方を開放した空間２４内に組み込むようにする。

次に、中栓１３を、主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９内の開口部１９ａに配置して、すなわち、中栓１３の円筒状支持部４０の外壁面が主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の内壁面に沿うように配置して、逆止弁１２を押し込むようにして組み込み、中栓１３の円筒状支持部４０の外壁面に設けた環状突条部４４を主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の内壁面に設けた環状嵌合凹部２３に嵌合させると共に、中栓１３の環状鍔部４３ａを環状水平壁部２０の上面に当接させて組み付ける。この結果、逆止弁１２の弁部３６の外周部（倒立円錐状面２９）が、環状壁部１０の吐出孔２５周辺の環状弁座２６（倒立円錐状面２８）に密着する。この時、逆止弁１２の弁部３６の下端（外周部）は、組み込み前の位置よりも上方に位置するために、湾曲した各弾性片３５の下向きの付勢力（復元力）により、逆止弁１２の弁部３６の外周部（倒立円錐状面２９）が環状壁部１０の吐出孔２５周辺の環状弁座２６（倒立円錐状面２８）を押圧するように密着される。逆止弁１２の弁部３６（吐出孔２５）の直上に、中栓１３の円筒状案内部４２が位置する。さらに、中栓１３の環状鍔部４３ａの外周面から径方向に間隔を置いて主キャップ体１１の環状水平壁部２０に設けた環状突起部１７が位置するようになる。これにより、キャップ本体４の組み立てが完了する。

次に、キャップ本体４に蓋体５を被冠する際には、ヒンジ６を折り曲げて蓋体５をキャップ本体４の上方から覆うように被せる。すると、蓋体５の胴部５０に設けた突条係止部５３が、主キャップ体１１の環状水平壁部２０に設けた突条係止部３１を乗り越えるように係合すると共に、蓋体５の天面部５１に設けた円筒状密着部５２がキャップ本体４の中栓１３を構成する円筒状案内部４２の上端内部に緊密に嵌合される。

次に、本キャップ２を容器口部３に打栓により装着する際には、容器口部３を、キャップ本体４の円筒状主嵌合壁部１９と胴部１８との間の環状空間２２内に挿入する。すると、主キャップ体１１の環状水平壁部２０から環状空間２２内に垂設させた円筒状副嵌合壁部３２の内壁面と容器口部３の大径口部６０の外壁面とが密着すると共に、主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面と容器口部３の小径口部６１の内壁面とが密着する。さらに、容器口部３の最大径口部６２が、主キャップ体１１の胴部１８の下部内壁面に設けた突条係止部２１を乗り越えるように上下方向に沿って互い違いに位置（最大径口部６２が突条係止部２１より上側）して、最大径口部６２と突条係止部２１とが係合すると共に、容器口部３の最大径口部６２が主キャップ体１１の胴部１８の内壁面に密着する。この結果、容器口部３の縮径口部６３及び拡径口部６４が下方から押し上げられることでそれぞれ弾性変形して、各縮径口部６３及び拡径口部６４の復元力により、容器口部３の小径口部６１の内壁面からキャップ２の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面に向かう押圧力が高められる。

また、打栓時、主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面と容器口部３の小径口部６１の内壁面との間の密着部１６（シール部）は、環状壁部１０と円筒状主嵌合壁部１９との接続部１５よりも上方に位置するようになる。しかも、主キャップ体１１の環状壁部１０は径方向中心に向かって斜め上方に延びているので、容器口部３を主キャップ体１１の環状空間２２内に挿入する際、環状壁部１０が水平方向に延びている形態に比べて円筒状主嵌合壁部１９の内側への弾性変形を許容できるために、容器口部３を環状空間２２内に抵抗なくスムーズに挿入することができる。さらに挿入後は、環状壁部１０により円筒状主嵌合壁部１９の外側への復元力を増加させることができ、主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面と容器口部３の小径口部６１の内壁面との間のシール性をさらに向上させることができる。このようにして、本キャップ２の容器口部３への打栓による装着が完了する。

次に、本発明の実施の形態に係るキャップ２の作用を説明する。
内容物を使用する際には、まず、蓋体５を開いて、キャップ本体４の中栓１３を外部に露出させる。
次に、中栓１３の吐出通路４１が下方を向くように容器１を傾けて吐出姿勢にした状態で、容器本体１ａの胴部７を圧搾して容器本体１ａに内圧を加えると、容器本体１ａの内圧が逆止弁１２の弁部３６の下壁面全域に作用することで、逆止弁１２の各弾性片３５が屈曲するように弾性変形して、弁部３６の外周部（倒立円錐状面２９）が環状壁部１０の吐出孔２５周辺の環状弁座２６（倒立円錐状面２８）から離脱される。この結果、環状壁部１０の吐出孔２５が開放されて、適量の内容物が容器口部３内から吐出孔２５、逆止弁１２の各流通孔３７及び中栓１３の吐出通路４１を経て外部に吐出される。

その後、容器本体１ａの胴部７への圧搾を止めると、容器本体１ａへの内圧が解除されるために、逆止弁１２の各弾性片３５が復元して、弁部３６の外周部（倒立円錐状面２９）が環状壁部１０の吐出孔２５周辺の環状弁座２６（倒立円錐状面２８）に着座して、弁部３６により環状壁部１０の吐出孔２５が閉塞される。このとき、中栓１３の吐出通路４１から外部に吐出されなかった内容物は、流通溝２７から容器本体１ａ内に戻るようになる。なお、その後は、弁部２６から環状弁座２６への押圧力が高くなり弁部３６が弾性を有するために流通溝２７の開口面積が減少して、最終的に表面張力により内容物が流通溝２７の極小の開口を閉塞するために、容器本体１ａ内を密封状態に維持することができる。このように、使用直後、使用者が手でキャップ２を操作することなく、吐出されなかったキャップ本体４内の内容物を容器１内に戻しつつ、容器１内を迅速に密封することができ、空気の容器１内への流入を抑制することができる。

次に、ヒンジ６を折り曲げて蓋体５を、キャップ本体４の上方から覆うように被せれば、蓋体５の胴部５０に設けた突条係止部５３が、キャップ本体４（主キャップ体１１）の環状水平壁部２０に設けた突条係止部３１を乗り越えるように係合すると共に、蓋体５の天面部５１に設けた円筒状密着部５２が、キャップ本体４の中栓１３を構成する円筒状案内部４２の上端内部に緊密に嵌合される。

そして、蓋体５をキャップ本体４に被冠することで、キャップ本体４内（中栓１３と、逆止弁１２及び環状壁部１０との間）への異物の混入を抑制すると共に、容器１内を二重で密封することができる。しかも、キャップ本体４内は蓋体５により密封されているので、環状壁部１０上の空間２４に内容物が若干残存したとしても、その内容物が酸化することはない。

以上説明したように、本発明の実施形態では、キャップ２を容器本体１ａの容器口部３に打栓した際には、主キャップ体１１の円筒状副嵌合壁部３２の内壁面と容器口部３の大径口部６０の外壁面とが密着すると共に、主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面と容器口部３の小径口部６１の内壁面とが密着して、且つ容器口部３の最大径口部６２が、主キャップ体１１の胴部１８の下部内壁面に設けた突条係止部２１を乗り越えるように係合すると共に、容器口部３の最大径口部６２が主キャップ体１１の胴部１８の内壁面に密着する。この結果、容器口部３の縮径口部６３及び拡径口部６４が下方から押し上げられるようにそれぞれ弾性変形して、その復元力により、容器口部３の小径口部６１の内壁面からキャップ２の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面に向かう押圧力が高められる。これにより、キャップ２の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面と容器口部３の小径口部６１の内壁面との間のシール性を向上させることができる。

また、本発明の実施形態では、主キャップ体１１に円筒状主嵌合壁部１９の内壁面から一体的に径方向中心に向かって斜め上方に延び、径方向中央部に吐出孔２５を有する環状壁部１０を設け、円筒状主嵌合壁部１９の外壁面と容器口部３の小径口部６１の内壁面との間の密着部１６が、円筒状主嵌合壁部１９と環状壁部１０との接続部１５よりも上方に位置する。これにより、容器口部３を主キャップ体１１の環状空間２２内に挿入する際、環状壁部１０が水平方向に延びている形態に比べて円筒状主嵌合壁部１９の内側への弾性変形を許容できるために、容器口部３を環状空間２２内に抵抗なくスムーズに挿入することができる。挿入後は、環状壁部１０により円筒状主嵌合壁部１９の外側への復元力を増加させることができ、主キャップ体１１の円筒状主嵌合壁部１９の外壁面と容器口部３の小径口部６１の内壁面との間のシール性をさらに向上させることができる。

１ 容器，１ａ 容器本体，２ キャップ，３ 容器口部，１０ 環状壁部，１１ 主キャップ体，１２ 逆止弁，１５ 接続部，１６ 密着部，１８ 胴部，１９ 円筒状主嵌合壁部，２１ 突条係止部，２２ 環状空間，２５ 吐出孔，２６ 環状弁座，３２ 円筒状副嵌合壁部，３６ 弁部，６０ 大径口部，６１ 小径口部，６２ 最大径口部，６３ 縮径口部，６４ 拡径口部

Claims (5)

1. キャップが容器口部に打栓により装着される容器であって、
   前記容器口部は、上端に配置される大径口部と、該大径口部より下方に配置され、前記大径口部よりその外径が小径の小径口部と、を備え、
   前記キャップは、胴部と胴部の内側に配置される筒状の主嵌合壁部との間に設けられ、前記容器口部が嵌合される環状空間と、該環状空間内に形成される筒状の副嵌合壁部と、を備え、
   前記キャップを前記容器口部に打栓した際には、
   前記キャップの副嵌合壁部の内壁面と前記容器口部の大径口部の外壁面とが密着すると共に、前記キャップの主嵌合壁部の外壁面と前記容器口部の小径口部の内壁面とが密着することを特徴とする容器。
2. 前記容器口部は、前記小径口部から連続して下方に向かって次第に拡径する拡径口部と、
   該拡径口部から下方に向かって連続して軸方向に延び、前記大径口部より大径の最大径口部を備え、
   前記キャップを前記容器口部に打栓した際には、
   前記容器口部の最大径口部が、前記キャップの胴部の下部内壁面に設けた突条係止部を乗り越えるように係合することで、前記拡径口部を下方から押し上げるように弾性変形させることを特徴とする請求項１に記載の容器。
3. 容器口部に打栓により装着されるキャップであって、
   該キャップは、
   胴部と胴部の内側に配置される筒状の主嵌合壁部との間に配置され、前記容器口部が嵌合される環状空間と、
   該環状空間に形成され、前記容器口部の上端の外壁面が密着する筒状の副嵌合壁部と、を備えることを特徴とするキャップ。
4. 前記主嵌合壁部の内壁面から一体的に径方向中心に向かって斜め上方に延び、径方向中央部に吐出孔を有する環状壁部と、
   該環状壁部の上方に配置され、弁部が前記吐出孔周辺の環状弁座から離脱または着座して前記吐出孔を開閉する逆止弁と、
   を備えることを特徴とする請求項３に記載のキャップ。
5. 前記主嵌合壁部の外壁面と前記容器口部の内壁面との間の密着部は、前記主嵌合壁部と前記環状壁部との接続部よりも上方に位置することを特徴とする請求項４に記載のキャップ。

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