JP2016203416A - 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム - Google Patents
光学フィルムの製造方法及び光学フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016203416A JP2016203416A JP2015084502A JP2015084502A JP2016203416A JP 2016203416 A JP2016203416 A JP 2016203416A JP 2015084502 A JP2015084502 A JP 2015084502A JP 2015084502 A JP2015084502 A JP 2015084502A JP 2016203416 A JP2016203416 A JP 2016203416A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- less
- optical film
- thermoplastic resin
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
Description
(i)熱可塑性樹脂及びコアシェル粒子を含む熱可塑性樹脂組成物からなる光学フィルムの製造方法であって、溶融製膜において、低弾性挟み込みロールを用い、10kg/cm以上の挟み込み線圧で挟み込み成形を施した膜厚200μm以下の原反フィルムを、二軸延伸により1.5倍以上、2.6倍以下に延伸し、延伸フィルムを得ることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
(ii)挟み込みロールがクラウニング構造を有する金属ロールであることを特徴とする(i)に記載の光学フィルムの製造方法。
(iii)熱可塑性樹脂組成物のダイ吐出時の溶融粘度がせん断速度122sec−1において7000poise以上、12000poise以下の範囲であり、挟み込みロールの温度がTg−60℃以上、Tg−20℃以下の範囲であることを特徴とする(i)又は(ii)に記載の光学フィルムの製造方法。
(iv)溶融製膜後のフィルム両面の5μm視野角の平均面粗さRaが0.1nm以上、4.0nm以下であって、両面の平均面粗さの差異が2.0nm以下であることを特徴とする(i)〜(iii)のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
(v)挟み込み線圧を、挟み込みロール押付装置に具備された荷重制御装置により制御することを特徴とする(i)〜(iv)のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
(vi)熱可塑性樹脂及びコアシェル粒子を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、フィルム両面の5μm視野角の平均面粗さRaが0.1nm以上、4.0nm以下であって、両面の平均面粗さの差異が2.0nm以下であり、膜厚が200μm以下である原反フィルムを、二軸延伸により1.5倍以上、2.6倍以下に延伸し、延伸フィルムを得ることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
(vii)熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂であることを特徴とする(i)〜(vi)のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
(viii)光学フィルムの配向複屈折が−1.7×10−4から1.7×10−4であることを特徴とする(i)〜(vii)のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
(ix)光学フィルムの光弾性定数が−10×10−12から4×10−12Pa−1であることを特徴とする(i)〜(viii)のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
(x)延伸フィルムの膜厚が15μm以上、50μm以下の範囲であることを特徴とする(i)〜(ix)のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
(xi)JIS K 7105に準拠して測定される延伸フィルムのヘイズが1.0%以下であることを特徴とする(i)〜(x)のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
(xii)熱可塑性樹脂及びコアシェル粒子を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、JIS K 7105に準拠して測定されるヘイズが1.0%以下であることを特徴とする光学フィルム。
(xiii)熱可塑性樹脂及びコアシェル粒子を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、フィルム両面の5μm視野角の平均面粗さRaが0.1nm以上、4.0nm以下であって、両面の平均面粗さの差異が2.0nm以下であり、膜厚が200μm以下である、光学フィルム製造用原反フィルム。
なお、図1は、シート状熱可塑性樹脂組成物を側面からみた図である。
得られたアクリル系グラフト共重合体2gをメチルエチルケトン50mlに溶解させ、遠心分離機(日立工機(株)製、CP60E)を用い、回転数30000rpm、温度12℃にて1時間遠心し、不溶分と可溶分とに分離する(遠心分離作業を合計3回セット)。得られた不溶分を、アクリル酸エステル系グラフト重合体として以下の式により算出する。
グラフト率(%)=[{(メチルエチルケトン不溶分の重量)−(アクリル酸エステル系ゴム状重合体の重量)}/(アクリル酸エステル系ゴム状重合体の重量)]×100
で表される単位(以下、「グルタルイミド単位」ともいう)と、
下記一般式(2)
で表される単位(以下、「(メタ)アクリル酸エステル単位」ともいう)とを含むグルタルイミドアクリル系樹脂を好適に用いることができる。
で表される単位(以下、「芳香族ビニル単位」ともいう)を更に含んでいてもよい。
上記グルタルイミドアクリル系樹脂の重量平均分子量は特に限定されるものではないが、1×104〜5×105であることが好ましい。上記範囲内であれば、溶融押出時の粘度が高くなったり、成形加工性が低下したり、成形品の生産性が低下したり、フィルム加工時の機械的強度が不足したりしにくい。
セイコーインスツルメンツ製の示差走査熱量分析装置(DSC)SSC−5200を用い、試料を一旦200℃まで25℃/分の速度で昇温した後10分間ホールドし、25℃/分の速度で50℃まで温度を下げる予備調整を経て、10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温する間の測定を行い、得られたDSC曲線から積分値を求め(DDSC)、その極大点からガラス転移温度を求めた。
キャピラリーレオメータを用い、各実施例及び比較例における押出機出口における樹脂温度、及び、せん断速度122sec−1の条件で、ペレットの溶融粘度を測定した。
日立ハイテクサイエンス製走査型プローブ顕微鏡を用いて、原反フィルムのキャストロールに接する面、タッチロールに接する面のそれぞれを、コンタクトモードAFMにて5μm視野角で測定し、平均面粗さRaを測定した。
フィルムから40mm×40mmの試験片を切り出した後、王子計測製自動複屈折計(KOBRA−WR)を用いて、波長590nm、入射角0°にて面内位相差を測定し、試験片厚みで除し配向複屈折を算出した。
フィルムからフィルム幅方向90mm×フィルム流れ方向15mmの短冊状に試験片を切り出した後、王子計測製自動複屈折計(KOBRA−WR)を用いて、波長590nm、入射角0°にて測定した。測定は、フィルムの長編の一方を固定し、他方は無荷重から4kgfまで0.5kgfずつ荷重をかけた状態で複屈折を測定し、得られた結果から単位応力による複屈折の変化量を算出した。
フィルムのヘイズ値は、日本電色工業製濁度計(NDH−300A)を用い、JIS K7105に記載の方法にて測定した。
フィルムの耐折り曲げ性は、(株)東洋精機製作所 MIT耐折疲労試験機を用い、JIS C5016の方法に従って行った。測定条件は、R=0.38、荷重100gとした。測定結果を破断時の折り曲げ回数(以下、「MIT」という場合がある。)で示した。
フィルムからA4サイズの試験片を切り出した後、点光源にて投影像をスクリーンに写し、流れ方向スジ、幅方向スジの有無をそれぞれ観察した。スジが無い場合を○、薄く見られる場合を△、濃く見られる場合を×として評価した。
<グルタルイミドアクリル系樹脂(A1)の製造>
原料樹脂としてポリメタクリル酸メチル、イミド化剤としてモノメチルアミンを用いて、グルタルイミドアクリル系樹脂(A1)を製造した。
この製造においては、押出反応機を2台直列に並べたタンデム型反応押出機を用いた。
タンデム型反応押出機に関しては、第1押出機、第2押出機共に直径が75mm、L/D(押出機の長さLと直径Dの比)が74の噛合い型同方向二軸押出機を使用し、定重量フィーダー(クボタ(株)製)を用いて、第1押出機の原料供給口に原料樹脂を供給した。
第1押出機、第2押出機における各ベントの減圧度は−0.095MPaとした。更に、直径38mm、長さ2mの配管で第1押出機と第2押出機を接続し、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品内圧力制御機構には定流圧力弁を用いた。
第2押出機から吐出された樹脂(ストランド)は、冷却コンベアで冷却した後、ペレタイザでカッティングしペレットとした。ここで、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品内圧力調整、又は押出変動を見極めるために、第1押出機の吐出口、第1押出機と第2押出機間の接続部品の中央部、及び、第2押出機の吐出口に樹脂圧力計を設けた。
第1押出機において、原料樹脂としてポリメタクリル酸メチル樹脂(Mw:10.5万)を使用し、イミド化剤として、モノメチルアミンを用いてイミド樹脂中間体1を製造した。この際、押出機の最高温部の温度は280℃、スクリュー回転数は55rpm、原料樹脂供給量は150kg/時間、モノメチルアミンの添加量は原料樹脂100重量部に対して2.0重量部とした。定流圧力弁は第2押出機の原料供給口直前に設置し、第1押出機のモノメチルアミン圧入部圧力を8MPaになるように調整した。
第2押出機において、リアベント及び真空ベントで残存しているイミド化剤及び副生成物を脱揮したのち、エステル化剤として炭酸ジメチルを添加しイミド樹脂中間体2を製造した。この際、押出機の各バレル温度は260℃、スクリュー回転数は55rpm、炭酸ジメチルの添加量は原料樹脂100重量部に対して3.2重量部とした。更に、ベントでエステル化剤を除去した後、ストランドダイから押し出し、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化することで、グルタルイミドアクリル系樹脂(A1)を得た。
得られたグルタルイミドアクリル系樹脂(A1)は、グルタミルイミド単位と、(メタ)アクリル酸エステル単位が共重合したアクリル系樹脂である。
<グラフト共重合体(B2)の製造>
撹拌機付き8L重合装置に、以下の物質を仕込んだ。
脱イオン水 200重量部
ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム 0.05重量部
ソディウムホルムアルデヒドスルフォキシレート 0.11重量部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.004重量部
硫酸第一鉄 0.001重量部
重合機内を窒素ガスで充分に置換し実質的に酸素のない状態とした後、内温を40℃にし、アクリル系ゴム粒子(B−1)の原料混合物(アクリル酸ブチル90モル%、メタクリル酸メチル10モル%からなる単官能性単量体45重量部に対し、メタクリル酸アリル0.45重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.041重量部を含む。)45.491重量部を225分かけて連続的に添加した。上記原料混合物の添加開始から20分後、40分後、60分後にポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム(ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸(東邦化学工業株式会社製、商品名:フォスファノールRD−510Y)のナトリウム塩)を0.2重量部ずつ重合機に添加した。添加終了後、更に0.5時間重合を継続し、アクリル系ゴム粒子(B−1)(上記原料混合物の重合物)を得た。重合転化率は98.6%であった。
その後、内温を60℃にし、ソディウムホルムアルデヒドスルフォキシレート0.2重量部を仕込んだ後、硬質重合体層(B−2)の原料混合物(メタクリル酸メチル57.8モル%、アクリル酸ブチルモル4%、メタクリル酸ベンジル38.2モル%からなる単官能性単量体55重量部に対し、t−ドデシルメルカプタン0.3重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.254重量部を含む。)55.554重量部を210分間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続し、グラフト共重合体ラテックスを得た。重合転化率は100.0%であった。得られたラテックスを硫酸マグネシウムで塩析、凝固し、水洗、乾燥を行い、白色粉末状のグラフト共重合体(B2)を得た。
グラフト共重合体(B2)中のゴム粒子(B−1)の平均粒子径は121nmであった。グラフト共重合体(B2)のグラフト率は56%であった。
<樹脂ペレットの製造1>
直径40mmのフルフライトスクリューを用いた単軸押出機を用い、押出機の温度調整ゾーンの設定温度を255℃、スクリュー回転数を52rpmとし、グルタルイミドアクリル系樹脂(A1)95重量部、及び白色粉末状のグラフト共重合体(B2)5重量部の混合物を、10kg/hrの割合で供給した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を水槽で冷却し、ペレタイザでペレット化した。このペレットについて上述の通り溶融粘度を測定した。
<樹脂ペレットの製造2>
直径40mmのフルフライトスクリューを用いた単軸押出機を用い、押出機の温度調整ゾーンの設定温度を255℃、スクリュー回転数を52rpmとし、グルタルイミドアクリル系樹脂(A1)のみを、10kg/hrの割合で供給した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を水槽で冷却し、ペレタイザでペレット化した。このペレットについて上述の通り溶融粘度を測定した。
ゴム含有熱可塑性樹脂組成物として、製造例3で得られたペレット(ガラス転移温度Tg122℃)を用い、乾燥機にて80℃で4時間乾燥させた後、φ65mm単軸押出機に供給した。押出機出口にはスクリーンメッシュを押出機側から#40、#100、#400、#400、#100、#40の順に重ねて設置した。押出機出口で樹脂温度が270℃となるよう加熱溶融し、ギアポンプを介し、リーフディスクフィルタ(目開き5μmカット)を通過させた後、Tダイへと溶融樹脂を押し出した。この時、Tダイ出口における吐出直後の樹脂温度は270℃であり、この温度での122sec−1における溶融粘度は1050Pa・secであった。吐出された溶融フィルムを、70℃に温調したキャストロールと70℃に温調したタッチロール(クラウニング構造を有した金属ロール)で冷却固化した。その際、タッチロール両端軸押付シリンダに具備された荷重センサーで検出された押付荷重をフィルム挟み込み幅で除した値である挟み込み圧力が18kgf/cmとなるようにタッチロール押付位置を変えて調整した。冷却固化した後のフィルムを引き取りロールにて引き取り、厚み140μmの原反とした。この時の原反ライン速度は15m/分であった。
得られた原反を簡易的に巻き取って少量取得し、評価したところ、キャストロールに接する面の表面粗さは1.4nm、タッチロールに接する面の表面粗さは2.2nmであった。
この原反を連続的にロール縦延伸機にて縦方向に2倍、Tg+10℃の条件にて延伸した後、更に連続的にクリップ式テンター横延伸機にて横方向に2倍、Tg+10℃の条件にて延伸した。延伸後のフィルムの両端を連続的にスリットした後、引き取りロールにて引き取り、巻き取りコアに厚み40μmのフィルムを得た。得られた延伸フィルムのヘイズは0.4%、MITは1200回、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
押出機出口で樹脂温度を250℃(この温度での122sec−1における溶融粘度は100Pa・sec)とした以外は実施例1と同様にし、厚さ40μmの二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは1.3nm、タッチロールに接する面の表面粗さは2.0nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは0.7%、MITは1200回、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
キャストロール温度を40℃とした以外は実施例1と同様にし、二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは3.3nm、タッチロールに接する面の表面粗さは4.5nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは0.9%、MITは1200回、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
キャストロール温度を110℃とした以外は実施例1と同様にし、二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは1.1nm、タッチロールに接する面の表面粗さは1.7nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは0.3%、MITは1200回であり、表面性については若干幅方向に走るスジ欠陥が長手方向に断続的に見られた。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
押出機出口で樹脂温度を290℃(この温度での122sec−1における溶融粘度は400Pa・sec)とした以外は実施例1と同様にし、二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは1.1nm、タッチロールに接する面の表面粗さは1.8nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは0.3%、MITは1050回であり、表面性については若干長手方向に走るスジがあった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
原反の厚みが100μmとなるようにライン速度を調整して原反を取得し、延伸時における延伸倍率を縦延伸、横延伸共に1.7倍とした以外は実施例1と同様に厚さ40μmの二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは1.4nm、タッチロールに接する面の表面粗さは2.2nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは0.3%、MITは900回、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
原反の厚みが200μmとなるようにライン速度を調整して原反を取得し、延伸時における延伸倍率を縦延伸、横延伸共に2.4倍とした以外は実施例1と同様に厚さ40μmの二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは1.4nm、タッチロールに接する面の表面粗さは2.2nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは0.7%、MITは1500回、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
挟み込み成形を施さなかった(タッチロールを用いなかった)以外は実施例1と同様にし、40μmの二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは5.1nm、仮にタッチロールを用いたとした場合にタッチロールに接することとなる面の表面粗さは5.4nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは1.5%、MITは1200回、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
挟み込み線圧を6kg/cmとした以外は実施例1と同様にし、二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは2.0nm、タッチロールに接する面の表面粗さは4.2nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは1.1%、MITは1200回、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
原反の厚みが70μmとなるようにライン速度を調整して原反を取得し、延伸時における延伸倍率を縦延伸、横延伸共に1.4倍とした以外は実施例1と同様に厚さ40μmの二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは3.0nm、タッチロールに接する面の表面粗さは4.1nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは0.3%、MITは600回、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
原反の厚みが210μmとなるようにライン速度を調整して原反を取得し、延伸時における延伸倍率を縦延伸、横延伸共に2.2倍とした以外は実施例1と同様に50μmの二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは1.3nm、タッチロールに接する面の表面粗さは2.0nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは1.1%、MITは1000回、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
原反の厚みが250μmとなるようにライン速度を調整して原反を取得し、延伸時における延伸倍率を縦延伸、横延伸共に2.8倍とした以外は実施例1と同様に行い、40μmの二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは1.2nm、タッチロールに接する面の表面粗さは2.0nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは1.3%、MITは1400回、表面性としては良好であった。また、フィルムの光弾性定数は0.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であり複屈折性がなかった。
ペレットとして製造例4で得られたゴム配合の無い熱可塑性樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に二軸延伸フィルムを得た。
この時、原反のキャストロールに接する面の表面粗さは0.7nm、タッチロールに接する面の表面粗さは1.1nmであった。また、得られた延伸フィルムのヘイズは0.1%であり、MITは300回であり上記延伸フィルムは非常にもろく、表面性は良好であった。また、フィルムの光弾性定数は−4.35×10−12Pa−1であり、配向複屈折は−0.13×10−4であった。
実施例1において、キャストロール及びタッチロールの代わりに弾性ロールを用いて18kgf/cmまで線圧を上げようとしたが、10kg/cm以上とした段階で弾性ロールに若干の変形が見られたため、二軸延伸フィルムの取得はできなかった。
11.・・・・Tダイ
12.・・・・ダイ出口
13.・・・・熱可塑性樹脂組成物
14.・・・・挟み込みロール
15.・・・・キャストロール
Claims (13)
- 熱可塑性樹脂及びコアシェル粒子を含む熱可塑性樹脂組成物からなる光学フィルムの製造方法であって、溶融製膜において、低弾性挟み込みロールを用い、10kg/cm以上の挟み込み線圧で挟み込み成形を施した膜厚200μm以下の原反フィルムを、二軸延伸により1.5倍以上、2.6倍以下に延伸し、延伸フィルムを得ることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
- 挟み込みロールがクラウニング構造を有する金属ロールであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
- 熱可塑性樹脂組成物のダイ吐出時の溶融粘度がせん断速度122sec−1において7000poise以上、12000poise以下の範囲であり、挟み込みロールの温度がTg−60℃以上、Tg−20℃以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法。
- 溶融製膜後のフィルム両面の5μm視野角の平均面粗さRaが0.1nm以上、4.0nm以下であって、両面の平均面粗さの差異が2.0nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 挟み込み線圧を、挟み込みロール押付装置に具備された荷重制御装置により制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 熱可塑性樹脂及びコアシェル粒子を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、フィルム両面の5μm視野角の平均面粗さRaが0.1nm以上、4.0nm以下であって、両面の平均面粗さの差異が2.0nm以下であり、膜厚が200μm以下である原反フィルムを、二軸延伸により1.5倍以上、2.6倍以下に延伸し、延伸フィルムを得ることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
- 熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 光学フィルムの配向複屈折が−1.7×10−4から1.7×10−4であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 光学フィルムの光弾性定数が−10×10−12から4×10−12Pa−1であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 延伸フィルムの膜厚が15μm以上、50μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- JIS K 7105に準拠して測定される延伸フィルムのヘイズが1.0%以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 熱可塑性樹脂及びコアシェル粒子を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、JIS K 7105に準拠して測定されるヘイズが1.0%以下であることを特徴とする光学フィルム。
- 熱可塑性樹脂及びコアシェル粒子を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、フィルム両面の5μm視野角の平均面粗さRaが0.1nm以上、4.0nm以下であって、両面の平均面粗さの差異が2.0nm以下であり、膜厚が200μm以下である、光学フィルム製造用原反フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015084502A JP6549884B2 (ja) | 2015-04-16 | 2015-04-16 | 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015084502A JP6549884B2 (ja) | 2015-04-16 | 2015-04-16 | 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016203416A true JP2016203416A (ja) | 2016-12-08 |
JP6549884B2 JP6549884B2 (ja) | 2019-07-24 |
Family
ID=57488842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015084502A Active JP6549884B2 (ja) | 2015-04-16 | 2015-04-16 | 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6549884B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017204243A1 (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 株式会社クラレ | 熱可塑性樹脂組成物、成形体、フィルム及び積層体 |
JP2019014045A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 株式会社カネカ | アクリル系樹脂フィルムの製造方法、アクリル系樹脂フィルムの製造装置、及びアクリル系樹脂フィルム |
JP2019014046A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 株式会社カネカ | アクリル系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルムの製造方法、塗工方法、積層体の製造方法、及び積層体 |
JP2019105819A (ja) * | 2017-02-06 | 2019-06-27 | 株式会社日本触媒 | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム |
JP2020142439A (ja) * | 2019-03-06 | 2020-09-10 | 株式会社クラレ | フィルムの製造方法 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003253016A (ja) * | 2002-03-05 | 2003-09-10 | Sumitomo Chem Co Ltd | 表面加飾用アクリルフィルム及びそれで加飾された成形体 |
JP2007276462A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-10-25 | Sumitomo Chemical Co Ltd | レンズフィルムの製造方法 |
JP2008266603A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-11-06 | Kuraray Co Ltd | アクリル系樹脂フィルムおよびその製造方法 |
JP2009107180A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Kaneka Corp | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム |
JP2009203348A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-09-10 | Kaneka Corp | 樹脂組成物、フィルムおよび偏光板 |
JP2010243935A (ja) * | 2009-04-09 | 2010-10-28 | Konica Minolta Opto Inc | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、それを用いた偏光板、及び液晶表示装置 |
JP2012171157A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Kaneka Corp | 熱可塑性フィルムの製造方法 |
JP2014010253A (ja) * | 2012-06-28 | 2014-01-20 | Jiroo Corporate Plan:Kk | 偏光子保護フィルムの製造方法、偏光子保護フィルム、偏光板及び光学装置 |
WO2014162370A1 (ja) * | 2013-04-05 | 2014-10-09 | 株式会社カネカ | 光学樹脂材料および光学フィルム |
-
2015
- 2015-04-16 JP JP2015084502A patent/JP6549884B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003253016A (ja) * | 2002-03-05 | 2003-09-10 | Sumitomo Chem Co Ltd | 表面加飾用アクリルフィルム及びそれで加飾された成形体 |
JP2007276462A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-10-25 | Sumitomo Chemical Co Ltd | レンズフィルムの製造方法 |
JP2008266603A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-11-06 | Kuraray Co Ltd | アクリル系樹脂フィルムおよびその製造方法 |
JP2009107180A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Kaneka Corp | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム |
JP2009203348A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-09-10 | Kaneka Corp | 樹脂組成物、フィルムおよび偏光板 |
JP2010243935A (ja) * | 2009-04-09 | 2010-10-28 | Konica Minolta Opto Inc | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、それを用いた偏光板、及び液晶表示装置 |
JP2012171157A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Kaneka Corp | 熱可塑性フィルムの製造方法 |
JP2014010253A (ja) * | 2012-06-28 | 2014-01-20 | Jiroo Corporate Plan:Kk | 偏光子保護フィルムの製造方法、偏光子保護フィルム、偏光板及び光学装置 |
WO2014162370A1 (ja) * | 2013-04-05 | 2014-10-09 | 株式会社カネカ | 光学樹脂材料および光学フィルム |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017204243A1 (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 株式会社クラレ | 熱可塑性樹脂組成物、成形体、フィルム及び積層体 |
JPWO2017204243A1 (ja) * | 2016-05-27 | 2019-03-28 | 株式会社クラレ | 熱可塑性樹脂組成物、成形体、フィルム及び積層体 |
US10858488B2 (en) | 2016-05-27 | 2020-12-08 | Kuraray Co., Ltd. | Thermoplastic resin, molded product, film, and layered product |
JP7202181B2 (ja) | 2016-05-27 | 2023-01-11 | 株式会社クラレ | 熱可塑性樹脂組成物、成形体、フィルム及び積層体 |
JP2019105819A (ja) * | 2017-02-06 | 2019-06-27 | 株式会社日本触媒 | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム |
JP7122830B2 (ja) | 2017-02-06 | 2022-08-22 | 株式会社日本触媒 | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム |
JP2019014045A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 株式会社カネカ | アクリル系樹脂フィルムの製造方法、アクリル系樹脂フィルムの製造装置、及びアクリル系樹脂フィルム |
JP2019014046A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 株式会社カネカ | アクリル系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルムの製造方法、塗工方法、積層体の製造方法、及び積層体 |
JP2020142439A (ja) * | 2019-03-06 | 2020-09-10 | 株式会社クラレ | フィルムの製造方法 |
JP7217177B2 (ja) | 2019-03-06 | 2023-02-02 | 株式会社クラレ | フィルムの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6549884B2 (ja) | 2019-07-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6784665B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム | |
JP6549884B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム | |
JP6783542B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
US10391694B2 (en) | Method of producing film | |
JP6764669B2 (ja) | 光学フィルムおよびその製造方法 | |
JP6427111B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP6502734B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP6753682B2 (ja) | 光学フィルムおよびその製造方法 | |
JP6247526B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP6276585B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
KR20210022709A (ko) | 광학 필름, 편광판, 및 광학 필름의 제조 방법 | |
JP2015143016A (ja) | フィルムの製造方法 | |
JP2009235160A (ja) | アクリル樹脂フィルム | |
JP6744745B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物および熱可塑性樹脂組成物からなる光学フィルムの製造方法 | |
JP6231874B2 (ja) | 樹脂フィルムの製造方法 | |
JP6697309B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物および熱可塑性樹脂組成物からなる光学フィルムの製造方法 | |
JP6566728B2 (ja) | フィルムの製造方法 | |
JP6713807B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム | |
JP6247089B2 (ja) | アクリル系樹脂ペレットの製造方法および光学フィルムの製膜方法 | |
JP2017137417A (ja) | アクリル系樹脂フィルム | |
JP6856462B2 (ja) | アクリル系樹脂フィルムの製造方法、アクリル系樹脂フィルムの製造装置、及びアクリル系樹脂フィルム | |
JP6784634B2 (ja) | アクリル系樹脂フィルムの製造方法 | |
JP2016221809A (ja) | フィルムの製造方法、フィルムの製造装置、及び一軸延伸フィルム | |
JP2016203489A (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP2017136789A (ja) | 光学フィルムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181218 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190218 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190305 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190402 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190522 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190618 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190628 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6549884 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |