ベッド等からの被補助者の移乗補助ができながら、補助器全体の移動を不要にすることを可能にするという目的を、被補助者が着座するための座面を有する座面部において、座面を構成する座面板を器幅方向へ移動可能にしたことにより実現した。
すなわち、移動補助器は、車輪により走行可能な走行ベースと、走行ベースに備えられた座面支持フレームと、座面支持フレームに配置され被補助者が着座するための座面を有する座面部とを備える。
座面部は、座面支持フレーム側に支持された座面ベースと、座面ベース上に配置されて座面を構成する座面板と、座面板を座面ベースに対して器幅方向の着座位置とこの着座位置に対して器幅方向の外側にずれた移乗位置とへ移動可能に支持する座面可動機構とを備える。
座面可動機構は、座面ベースに配置された固定スライダーと、座面板に設けられ、固定スライダーに嵌合してスライドガイドされる可動スライドレールとを備えた構成としてもよい。
固定スライダーは、座面ベースの器幅方向中央に器幅方向に沿って配置され、可動スライドレールは、座面板の器幅方向両端部に渡って配置され、座面板を座面ベースに対して器幅方向の左右に切り替えて移動可能としてもよい。
座面ロック機構は、座面ベースに配置された複数のロック凹部と、座面板に回転可能に設けられ、ロック凹部に係合してロックを行う爪部と、爪部を回転操作してロック凹部への係合を離脱させてロックを解除する操作部とを備えてもよい。
爪部は、座面板に器幅方向に沿って配置され軸回転可能なロックシャフトに設けられ、操作部は、ロックシャフトに結合されて座面板の器幅方向端部に配置され、ロックシャフトの回転操作により爪部の離脱を可能とするハンドルであってもよい。
座面支持フレームは、起立して備えられ、座面部を座面支持フレームに対し上下方向の着座位置と上部位置との間でアクチュエータにより移動可能に支持させる昇降機構を備えてもよい。
[起立支援歩行補助器]
図1は、起立支援歩行補助器の右側から見た斜視図、図2は、起立支援歩行補助器の左側面図、図3は、起立支援歩行補助器の平面図、図4は、サイドフレームを外してリヤフレームを器体前方から見た正面図、図5は、起立支援歩行補助器の正面図、図6は、フロント走行ユニット及びリヤ走行ユニットとサイドフレームとの関係の分解左側面図、図7、フロント走行ユニットの正面図、図8、リヤ走行ユニットの正面図、図9は、サイドフレームとリヤ走行ユニットとの結合を示す要部拡大側面図ある。
以下の説明において、走行方向前後は、起立支援歩行補助器の走行方向の前後であり、単に前後と称することもある。器幅方向は、起立支援歩行補助器の走行前後方向に直行する幅方向であり、左右は直進時の器幅方向の左右である。上下は、水平接地状態にある起立支援歩行補助器の重力方向である。
図1〜図5のように、本発明実施例の起立支援歩行補助器1は、走行ベース3と、フロント走行ユニット5と、リヤ走行ユニット7と、サイドフレーム9と、前支持部11と、座面部13と、お腹バー15とを備えている。なお、起立支援歩行補助器1は、移動補助器の一例であり、起立支援のための後述の昇降機構を省き、起立支援を行わない構造にすることもできる。
起立支援歩行補助器1の走行ベース3は、フロント走行ユニット5及びリヤ走行ユニット7の下部と実施例の右側のサイドフレーム9とで構成されている。この走行ベース3は、平面から見て左側がフロント走行ユニット5及びリヤ走行ユニット7間で開放された逆C型となっており、逆C型の開放口3aで被補助者の出入りを行わせる。なお、フロント走行ユニット5及びリヤ走行ユニット7の下部と右側のサイドフレーム9との関係は後述する。
走行ベース3は、車輪17a、17b、19a、19bを備えている。車輪17a、17bは、前輪としてフロント走行ユニット5に支持されている。車輪19a、19bは、後輪としてリヤ走行ユニット7に支持されている。
図1〜図3、図5〜図7のように、フロント走行ユニット5は、金属、樹脂、繊維強化プラスチック(GFRP、CFRP)等により形成され、パイプ材のロワーフロントメンバー21とアッパーフロントメンバー23とフロントピラー25a、25bとを備えている。
ロワーフロントメンバー21は、前部が左右に渡り、左右後部が後方下方へ傾斜している。ロワーフロントメンバー21の前部上にフロントベースパネル27が固定されている。フロントベースパネル27の下面に前記車輪17a、17bがキャスター17aa、17baにより方向転換可能に取り付けられている。
アッパーフロントメンバー23は、ロワーフロントメンバー21に対する上方で前部が左右に渡り、左右後部は後方下方へ傾斜している。
ロワーフロントメンバー21及びアッパーフロントメンバー23の左右後端にフロントジョイント29a、29bが固定されている。フロントジョイント29a、29bは、ブロック状であり、横断面が矩形に形成されて左右に幅を持ち、上下が幅よりも相対的に長く形成されている。このフロントジョイント29a、29bは、後述のサイドフレームジョイントに突き合わせる平坦な突合せ面29aa、29abを、上下に沿って後方に向けて備えている。
フロントピラー25a、25bは、フロント装甲ユニット5の左右中間部に平行に配置され、鉛直方向に対し角度θ1を持って後傾している。フロントピラー25a、25bの下端は、フロントベースパネル27に結合され、フロントベースパネル27よりも上方でアッパーフロントメンバー23に後方が結合支持されている。フロントピラー25a、25bは、二重構造となっており、外筒のフロントピラーロワー25aa、25ba及びこのフロントピラーロワー25aa、25baに入れ子となる内筒のフロントピラーアッパー25ab、25bbを備えている。
このフロントピラー25a、25bの上端部に前支持部11が取り付けられ、中間部にお腹バー15が支持されている。
前支持部11は、例えば被補助者の左右の前腕側を身体の前側で乗せるように支持し、歩行姿勢の支えとなる。この前支持部11は、左右の肘支持部11a、11bを別々に備えている。左右の肘支持部11a、11bは、前後傾斜調節機構28a、28bと上下位置調節機構30a、30bとの可動構造により、左右別々に前後傾斜調節及び上下位置調節を行わせることができる。
前後傾斜調節機構28a、28bは、左右のフロントピラーアッパー25ab、25bbと左右の肘支持部11a、11bとの間に設けられ、左右の肘支持部11a、11bを別々に前後傾斜調節可能とする。
上下位置調節機構30a、30bは、フロントピラーロワー25aa、25baの上端に設けられ、フロントピラーロワー25aa、25baに対するフロントピラーアッパー25ab、25bbの上下位置調節を可能とする。このフロントピラーアッパー25ab、25bbの上下位置調節により左右の肘支持部11a、11bの上下位置を別々に調節できるようにしている。
なお、前後傾斜調節機構28a、28b及び上下位置調節機構30a、30bの他に、左右傾斜位置調節機構を追加することもできる。さらに、これらの選択的な組み合わせによる調節を行わせることもできる。前後傾斜調節機構28a、28b及び上下位置調節機構30a、30bと左右傾斜位置調節機構との組み合わせでは、肘支持部11a、11bをそれぞれXYZ方向(上下、前後、左右方向)に自由に調節させることができる。XYZ方向の調節では、ボール軸受構造を採用することもできる。
お腹バー15は、フロントピラーロワー25aa、25baに取り付けられ、リヤ走行ユニット7側又は座面部13側に突出している。このお腹バー15は、伸縮調節により座面部13側への突出位置を調整できるようになっている。また、お腹バー15は、フロントピラー25a、25bに対して角度θ2(>θ1)を持って傾斜している。
図1〜図6、図8のように、リヤ走行ユニット7は、金属、樹脂、繊維強化プラスチック(GFRP、CFRP)等により形成され、パイプ材のロワーリヤメンバー31とアッパーリヤメンバー33と座面支持フレーム35とを備えている。
ロワーリヤメンバー31及びアッパーリヤメンバー33の前端にリヤジョイント36a、36bが固定されている。リヤジョイント36a、36bは、ブロック状であり、横断面が矩形に形成されて左右に幅を持ち、幅よりも上下に相対的に長く形成されている。このリヤジョイント36a、36bは、後述のサイドフレームジョイントに突き合わせる平坦な突合せ面36aa、36baを、上下に沿って前方に向けて備えている。
ロワーリヤメンバー31とアッパーリヤメンバー33との間は、連結メンバー37a、37b、リヤジョイント36a,36bにより結合されている。ロワーリヤメンバー31上にロワーリヤベースパネル41が固定され、アッパーリヤメンバー33上にアッパーリヤベースパネル42が固定されている。
アッパーリヤメンバー33は、ロワーフロントメンバー21の前部と同一高さに設定され、アッパーリヤベースパネル42は、フロントベースパネル27と同一平面上にある。
ロワーリヤベースパネル41の左右部に軸支持部43a、43bが設けられ、この軸支持部43a、43bに、前記後輪19a、19bが回転自在に軸受け支持されている。
後輪19a、19bには、図4等に示す抑速ブレーキであるブレーキユニット39a,39bがそれぞれ接続され、外部に図2及び3等に示す後輪ロック機構45a、45bが備えられている。抑速ブレーキにより後輪19a、19bに常時フリクションが働き、走行ベース3による走行速度が自動で制限されるようになっている。但し、抑速ブレーキを省略することもでき、空車状態での移動を容易にすることができる。後輪ロック機構45a、45bにより後輪19a、19bをロック及びロック解除ができる。
座面支持フレーム35は、左右のリヤピラー35a、35bを備え、リヤピラー35a、35bが、アッパーリヤベースパネル42に固定され、補強ブラケット44a、44bがアッパーリヤベースパネル42と左右のリヤピラー35a、35bとの間を補強するように取り付けられている。
座面支持フレーム35は、この取り付け状態で走行ベース3の進行方向後部側に起立して備えられ、鉛直方向に対し角度θ3(<θ1)で後傾している。なお、リヤピラー35a,35bの傾斜角度θ3は、フロントピラー25a、25bの傾斜角度θ1と等しく設定してもよい(θ3=θ1)。リヤピラー35a、35bの上部は、アッパーリヤクロスメンバー35cにより結合されている。アッパーリヤクロスメンバー35cよりも下側でリヤピラー35a、35bの上部間には、ハンドルバー35dが取り付けられ、座面支持フレーム35の後方に突出している。
この座面支持フレーム35のリヤピラー35a、35bに座面部13が昇降可能に支持されている。
図1〜図3、図6、図9で示すサイドフレーム9は、金属、樹脂、繊維強化プラスチック(GFRP、CFRP)等により形成され、上下のパイプ49a、49b間に板状のレインフォースバー49cが配置されている。パイプ49a、49b及びレインフォースバー49cの前後端にサイドフレームジョイント49d、49eが取り付けられ、中間部に中間補強部材49fが固定されている。
サイドフレームジョイント49d、49eは、ブロック状であり、平坦な突合せ面49da、49eaが上下に沿ってそれぞれ前後に向けて形成されている。
そして、図では、サイドフレーム9が右のフロントジョイント29b及びリヤジョイント36b間に配置されている。この配置状態で、サイドフレームジョイント49d、49eの突合せ面49da、49eaがフロントジョイント29bとリヤジョイント36bとの突合せ面29ba、36baに別々に突き合わされ、サイドフレームジョイント49d、49eがフロントジョイント29b及びリヤジョイント36bにそれぞれ締結結合されている。サイドフレームジョイント49d、49eの外形は、フロントジョイント29a、29b、リヤジョイント36a、36bと同一に形成されている。
この結合構造は、各ジョイント間で同一であり、サイドフレームジョイント49eとリヤジョイント36bとの間の締結構造を図9で説明する。
なお、図9では、サイドフレームジョイント49eが左のリヤジョイント36aに締結結合されているように見えるが、図1〜図3のように、サイドフレームジョイント49eがリヤジョイント36bに締結構造されている構造を左側面図として見たのが図9である。図においてサイドフレームジョイント49eが締結結合されているのはリヤジョイント36bである。
サイドフレームジョイント49eは、リヤジョイント36bに対してピン59a、59b及びブッシュ57a、57bにより位置決めがなされ、ボルト59a、59bにより締結結合されている。ブッシュ57a、57bは、リヤジョイント36bに支持され、ピン59a、59bは、サイドフレームジョイント49eに支持されている。ピン59a、59bの先端がブッシュ57a、57bに嵌合することで、サイドフレームジョイント49eはリヤジョイント36bに位置決められる。
この位置決め状態でサイドフレームジョイント49e側から貫通孔に差し込まれたボルト59c、59dがリヤジョイント36bの雌ねじ部にねじ込まれ、サイドフレームジョイント49eがリヤジョイント36bに締結結合される。フロントジョイント29a及びサイドフレームジョイント49d間も同様に締結結合される。
この締結結合によりフロント走行ユニット5及びリヤ走行ユニット7がサイドフレーム9により一体的に結合され、走行ベース3を備えた起立支援歩行補助器1が構成される。
この締結状態では、サイドフレーム9が右側に位置し、左側のフロントジョイント29a及びリヤジョイント36a間は開放され、前記のように走行ベース3は、平面から見て逆C型となっている。サイドフレーム9のパイプ49aは、アッパーリヤメンバー33と同一高さに位置し、パイプ49bは、ロワーリヤメンバー31と同一高さに位置する。
なお、サイドフレーム9は、左側のフロントジョイント29b及びリヤジョイント36b間に配置して同様に締結結合することができ、この場合は、右側のフロントジョイント29a及びリヤジョイント36a間が開放され、走行ベース3は、平面から見てC型となる。サイドフレーム9は、左右何れかにおいて走行ベース3に固定的に設けることもできる。
座面部13は、座面支持フレーム35に配置され被補助者が着座するための座面を有している。この座面部13は、図3のように、昇降機構61により座面支持フレーム35に支持されている。昇降機構61は、座面部13を座面支持フレーム35に対し着座位置と上部位置との間でアクチュエータにより移動可能にする。
[昇降機構]
図10は、昇降機構により支持した座面部を示し、座面部格納位置での正面図、図11は、昇降機構により支持した座面部を示し、座面部格納位置での左側面図、図12は、座面部格納位置での昇降機構及び座面部の正面図、図13は、座面部格納位置での昇降機構及び座面部の右側面図、図14は、座面部セット位置での昇降機構及び座面部の正面図、図15は、座面部セット位置での昇降機構及び座面部の平面図、図16、座面部セット位置での昇降機構及び座面部の一部を断面にした右側面図、図17は、座面部セット位置での昇降機構及び座面部の正面図、図18は、配電盤を示す昇降フレームの背面図、図19は、配電盤の正面図である。
図1〜図4、図10〜図17のように、昇降機構61は、昇降フレーム62を備えている。
昇降フレーム62は、金属、樹脂、繊維強化プラスチック(GFRP、CFRP)等により形成された骨格部材により矩形枠状に形成され、背面に凹部62b(図18)を有している。この昇降フレーム62の走行方向前面に背もたれ63が取り付けられている。背もたれ63は、クッション63aを備えている。背もたれ63の幅は、昇降フレーム62に応じてリヤピラー35a、35b間の幅に設定されている。昇降フレーム62の走行方向後面の凹部62b内には、後述する制御基板等が収容され、スペースの有効利用が図られている。
昇降フレーム62の上面には、リミットスイッチ64a、64bが取り付けられている。リミットスイッチ64a、64bの上側にはスイッチ板65が対向配置され、このスイッチ板65は、スプリング66a、66bにより昇降フレーム62の上面に可動支持されている。スイッチ板65に対応して座面支持フレーム35のリヤピラー35bに図17のストッパー35aaが取り付けられている。また、リミットスイッチ64aは、図16のように、昇降フレーム62の下面にも取り付けられ、座面支持フレーム35には、下面側のリミットスイッチ64aに対応して下側のストッパー35aaが設けられている。
昇降フレーム62の器幅方向両側には、図15で示すローラー67a、67bがそれぞれ上下2箇所に取り付けられている。ローラー67a、67bは、リヤピラー35a、35b内に収容されている。ローラー67a、67bの支軸は、リヤピラー35a、35bが昇降フレーム62に対向する面のスリットを貫通し、この支軸がスリットに沿って昇降移動可能となっている。
従って、ローラー67a、67bがリヤピラー35a、35b内に沿って転動し、このローラー67a、67bの転動により、昇降フレーム62は、リヤピラー35a、35bに沿って昇降ガイドされるようになっている。
この昇降フレーム62の前面側で背もたれ63に座面部13が取り付けられ、アクチュエータにより昇降フレーム62を介して座面部13が上下移動する。
図1、図2、図4、図5、図9、図18のように、アクチュエータは、電動シリンダ装置68で構成されている。この電動シリンダ装置68は、走行ベース3の幅方向中央と昇降フレーム62の幅方向中央との間に取り付けられている。電動シリンダ装置68は、ハウジング68a、シャフト68b、及び電動モータ68c等を備えている。
この電動シリンダ装置68は、ハウジング68aが電動モータ68c側の下端で軸支持部65dに回転自在に支持されている。軸支持部65dは、ロワーリヤベースパネル41上に配置されている。電動シリンダ装置68のシャフト68bは、昇降フレーム62に取り付けた軸支持部62aに回転自在に支持されている(図18)。
電動モータ68cは、昇降フレーム62背部の制御基板69に導通接続されている。
図18、図19のように、制御基板69は、バッテリー70及び充電器71と共に制御盤プレート73に取り付けられ、制御盤プレート73が、昇降フレーム62背部の凹部62b内に取り付けられている。この取り付けにより制御基板69、バッテリー70及び充電器71が凹部62b内に一括して収容されている。
制御基板69には、駆動制御回路をリモートコントロールするコントローラ75(図1、図25)が有線接続され、コントローラ75は、座面支持フレーム35に支持され、被補助者又は補助者が把持して操作可能となっている。なお、コントローラ75は、無線接続することもできる。また、コントローラ75は、座面支持フレーム35等に固定的に設けても良い。制御基板69には、キースイッチを設けることもできる。キースイッチにより補助者が解錠操作をしなければ電源が起動せず、コントローラ75による操作を無効にすることができ、被補助者又は補助者の誤操作による誤動作を防止できる。
コントローラ75の操作により電動モータ68cを駆動制御することで、昇降フレーム62を座面支持フレーム35に沿って下限位置と上限位置との間で昇降させ、座面部13を相対的に下方の着座位置と相対的に上方の上部位置との間で移動させることができる。
昇降フレーム62の上限位置では、スイッチ板65がストッパー35aaに当接し、スプリング66a、66bが撓んでスイッチ板65がリミットスイッチ64a、64bを動作させることができる。このリミットスイッチ64a、64bの動作により制御基板69が電動モータ68cを停止させ、昇降フレーム62が上限位置で位置決められる。
[座面部]
図20は、着座位置での座面部の平面図、図21は、図20のXXI−XXI線矢視で示すスライド機構に係り、(A)は、右移乗位置での断面図、(B)着座位置での断面図、(C)左移乗位置での断面図、図22は、図20のXXII−XXII線矢視で示すロック機構に係る断面図、図23は、図20のXXIII−XXIII線矢視矢視で示すロック機構に係に係り、(A)は、右移乗位置でのロック機構を示す断面図、(B)は、着座位置でのロック機構を示す断面図、図24は、(A)は着座位置でのロック解除時の断面図、(B)は、左移乗位置でのロック状態の断面図、図25は、座面板の移乗位置での使用状態を示す起立支援歩行補助器の要部斜視図である。
図1〜図4、図10〜図25のように、座面部13は、座面ベース77と座面板79と座面可動機構81と座面ロック機構83とアームレスト85a、85bとを備えている。
座面部13は、着座位置において座面支持フレーム35に対しフロント走行ユニット5方向に突出している(図2)。この座面部13は、左右に長い長方形状であり、自然な起立支援が可能なように走行方向前後の座面幅が短く設定されている。本実施例では、例えば座面幅(前後方向幅)=200mmとなっている。ただし、座面幅の設定は、起立支援歩行補助器1が大型になると座面幅>200mmとし、体格の大きな被補助者に合わせること等もできる。なお、座面幅は、200mmに限らず、被補助者の体格の他、起立支援歩行補助器1の仕様等に応じて適宜設定することが可能である。
座面部13の先端縁とお腹バー15の先端縁との間は、座面部13の下限位置で距離Lが設定され、座面部13がリヤピラー35a、35bに沿って上昇すると距離Lは徐々に拡大する。また、お腹バー15の伸縮調整により座面部13とお腹バー15との関係は調整することができる。
座面ベース77は、アクリル板、金属板、木板等で形成され、本体部77aが平面視で矩形状であり、後部に被支持部77bが突設されている(図10〜図17)。被支持部77bには、軸支持部77ba、77bbが設けられ、軸支持部77ba、77bbが背もたれ63の支持ブラケット86a、86bに回転自在に軸支持され、座面部13の跳ね上げを可能としている。この座面ベース77の跳ね上げにより座面部13は、座面支持フレーム35に沿った状態に格納される。
座面板79は、平面視で矩形のアクリル板、金属板、木板等で形成され、座面ベース77上に配置されて座面を構成する。座面板79には、移乗を妨げないものであれば、クッションを設けることもできる。
座面可動機構81は、座面板79を座面ベース77に対して着座位置とこの着座位置に対して器幅方向の外側にずれた移乗位置とへ移動可能に支持するものである。本実施例の着座位置は、左右中央であり、移乗位置は、座面板79が座面ベース77から左右へ突出した位置となっている(図20〜図24)。
座面可動機構81は、前後各2個の固定スライダー87aa、87ab、87ba、87bbと前後2本の可動スライドレール89a、89bとを備えている。
固定スライダー87aa、87ab、87ba、87bbは、座面ベース77に配置され、座面ベース77の器幅方向の左右中央に前後各2個左右に並んで配置されている。
前後2本の可動スライドレール89a、89bは、座面板79の器幅方向両端部に渡る長さに形成されている。可動スライドレール89a、89bは、座面板79の補強を兼ねている。
前側の可動スライドレール89aは、固定スライダー87aa、87baに嵌合し、後ろの可動スライドレール89bは、固定スライダー87ab、87bbに嵌合してスライドガイドされ、座面板79を座面ベース77に対して器幅方向の左右に切り替えてへ移動可能とする。
座面板79の下面に凹部79aが形成され、座面板79の軽量化が図られている。可動スライドレール89a、89bは、凹部79aと同等の深さの凹部内に埋め込まれている。スライドレール89a、89bの左右端部では、座面板79の端部が係合壁部79b、79cとなっており、係合壁部79b、79cが固定スライダー87aa、87ab、87ba、87bbに係合することで座面板79の左右移動限界位置が決められる。
座面ロック機構83は、座面板79を座面ベース77に対して器幅方向中央の着座位置と前記左右の移乗位置とでロック可能とする。この座面ロック機構83は、ロック凹部91a、91b、91cと、爪部93と、操作部95とを備えている。
ロック凹部91a、91b、91cは、座面ベース77上面に設けられ、座面ベース77の器幅方向の左右中央と左右両側とに配置されている。中央のロック凹部91aは、座面板79を着座位置にロックするためのものである。左右のロック凹部91b、91cは、座面板79を左右の移乗位置に別々にロックするためのものである。
爪部93は、座面板79に回転可能に設けられロック凹部91a、91b、91cの何れかに係合して座面板79の器幅方向左右への移動をロックするためのものである。この爪部93は、ロックシャフト97に設けられている。ロックシャフト97は、座面板79の後部に左右に渡るように器幅方向に沿って配置され、軸回転可能に支持されている。
操作部95は、爪部93を回転操作してロック凹部91a、91b、91cへの係合を離脱させてロックを解除するためのものである。操作部95は、L字状のハンドル95a、95bで構成され、ロックシャフト97の両端に結合されて座面板79の器幅方向両端部に沿って配置されている。ハンドル95a、95bのL字状の先端部は、座面板79の前後中間部上の凹部内に係止されている。ロックシャフト97にはトーションスプリング(図示せず)が嵌合し、トーションスプリングの一方のアームは座面板79側に係合し、他方のアームはロックシャフト97側に係合している。
従って、ハンドル95a、95bの何れかを持ち上げてロックシャフト97を回転操作し爪部93のロック凹部91a、91b、91cからの離脱を可能とする。操作しているハンドル95a、95bの何れかから手を放せば、トーションスプリングの付勢力によりロックシャフト97が回転する。この回転により、位置的に対応しているロック凹部91a、91b、91cに爪部93が落ち込み、上記ロックが行われる。爪部93がロック凹部91a、91b、91cに位置的に対応していないときにハンドル95a、95bから手を放した場合は、座面板79が移動することで爪部93がロック凹部91a、91b、91cに位置的に対応したとき同様にロックされる。
アームレスト85a、85bは、アーム支持部99a、99bにヒンジ100a、100bにより支持されている(図10〜図17)。アーム支持部99a、99bは、背もたれ63の左右に突設されている。従って、アームレスト85a、85bは、図16のように、背もたれ63の両側で前方へ突出する位置と背もたれ63に沿った格納位置とに回動させることができる。
[座面部の動作]
図21のように、座面板79を座面ベース77に対して移乗位置へスライドさせるときは、ハンドル95a、95bの何れかを図24(A)のように引き上げる。
この引き上げによりロックシャフト97が回転して爪部93がロック凹部91aから外れ、座面板79が座面ベース77に対してスライド可能となる。
この状態で、操作したハンドル95a、95bの何れかを握りながら器幅方向の外側へ引くと座面板79が座面ベース77に対して図21(B)の着座位置から図21(A)又は図21(C)のようにスライド移動する。このスライド移動は、座面ベース77の固定スライダー87aa、87ab、87ba、87bbに対して座面板79の可動スライドレール89a、89bがガイドされることで確実且つ容易に行われる。
座面板79が移乗位置までスライド移動したとき、操作したハンドル95a、95bの何れかから手を離すとトーションスプリングの付勢力によりロックシャフト97の回転が戻り、爪部93が対応するロック凹部91b、91cの何れかに係合し、座面板79の移乗位置がロックされる。
[移乗動作]
本実施例では、走行ベース3の左側には、サイドフレーム9が存在せず、開放口3aがある。このため、図25のように、被捕助者が椅子やベッドから起立支援歩行補助器1へ移乗するときは、起立支援歩行補助器1の左側を椅子(或いはベッド等)に横付けする。椅子等に対する座面部13の座面高さの調整は、コントローラ75の操作により電動モータ68cを駆動制御し、電動シリンダ装置68を駆動させて行う。
座面部13の座面高さの調整後に、図24のようにハンドル95aを回転させることによって着座位置の座面板79のロックを解除し、そのままハンドル95aを引張って図21のように座面板79を座面ベース77に対して移乗位置へスライドさせる。
この移乗位置において、椅子上の被補助者は、臀部を横方向にスライドさせて移乗位置の座面板79に移乗することができる。アームレスト85aは、図25のように背もたれ63に沿った格納位置に予め回動させておく。
この移乗時には、座面板79が座面ベース77から突出して片持ち状態となっているため、片持ち状態の座面板79に被補助者の体重が働くことになる。
座面板79は、可動スライドレール89a、89bが座面板79の器幅方向両端部に渡る長さに形成されて座面板79の補強を兼ねているため、被補助者の体重を確実に受けることができる。
片持ち状態の座面板79で受けられた体重は、可動スライドレール89a、89bから固定スライダー87aa、87ab、87ba、87bbに入力される。図21に示す前後の固定スライダー87aa、87ba、87ab、87bbが左右に各一対配列されているため、可動スライドレール89a、89bの自由端側に働いた荷重は、固定スライダー87aa、87ba、87ab、87bbを介して座面ベース77に確実に伝達される。
座面ベース77からは、図17に示す左右の支持ブラケット86a、86b、背もたれ63、昇降フレーム62を順次介してリヤピラー35a、35bに荷重が入力される。
この入力は、図6に示すリヤピラー35a、35bの下部と補強ブラケット44a、44b及びアッパーリヤベースパネル42とによる左右方向から見て閉断面構造によりアッパーリヤメンバー33へと伝達される。このとき、アッパーリヤベースパネル42では、リヤピラー35a、35bからの入力を面で分散することができ、分散荷重をアッパーリヤメンバー33全体へ確実に伝達することができる。
アッパーリヤメンバー33に伝達された荷重は、図4に示すロワーリヤメンバー31及びロワーリヤベースパネル41と、アッパーリヤメンバー33及びアッパーリヤベースパネル42と、連結メンバー37a、37b、リヤジョイント36a,36bとがなす正面から見た閉断面構造部に受けられる。
従って、被補助者の移乗時に片持ち状態の座面板79に入力された体重を剛性の高いフレーム構造により確実に受けることができ、座面板79がふら付くことなく、被補助者の移乗を安定して行わせることができる。
片持ち状態の座面板79に被補助者が移乗したときには、本実施例において起立支援歩行補助器1の左側に偏って荷重が働く。この場合、サイドメンバ9が右側にあることで起立支援歩行補助器1単体での重心が右寄りであるため、片持ち状態の座面板79への被補助者の移乗を安定して行わせることができる。
座面板79への移乗時の被補助者の足元は、開放口3aからフロント走行ユニット5及びリヤ走行ユニット7間に足を持ち上げることなく摺り足状態で入れ込むことができる。このため、筋力のない被補助者であっても、椅子やベッド等から座面部13に容易に着座し、フロント走行ユニット5及びリヤ走行ユニット7間へ移動するための動作を極めて容易に行わせることができる。
座面部79への移乗後は、図24のようにハンドル95aによって移乗位置での座面板79のロックを解除し、座面板79を着座位置へスライドさせて戻すことにより、被補助者の起立支援歩行補助器1への移乗を完了させることができる。
このとき、被補助者は、お腹バー15を握りながら或は前支持部11につかまりながら着座位置方向へ移動するための力を入れることもでき、且つ足元を開放口3aでずらしながら移動でき、上記同様に足元を持ち上げる必要も無く、楽な移乗を可能とする。
座面板79が着座位置までスライド移動すると、座面ロック機構83の爪部93がロック凹部91aの落ち込み、座面板79が座面ベース77に対してロックされる。このスライド移動時には、上記同様の荷重伝達により、被補助者の体重を座面部13により確実に支えることができる。こうして、座面板79のスライドを介して被補助者の着座位置への移乗動作を確実且つ安定して行わせることができる。
座面板79が着座位置でロックされた後は、アームレスト85a、85bを回動させて使用状態に位置させる。
[起立支援、歩行補助]
着座位置へ移行した被補助者起立支援を行うときは、被補助者又は補助者が図1に示すコントローラ75を操作し、図2等に示す電動シリンダ装置68を駆動する。この駆動により電動シリンダ装置68のシャフト68bが上昇し、昇降フレーム62がリヤピラー35a、35bに沿って図2等の位置から上昇する。この上昇と共に座面部13及び背もたれ63が上昇し、被補助者の臀部を押し上げつつ座面部13が上昇したところで被補助者に起立させることができ、起立姿勢への移行を支援することができる。座面部13の上昇位置は、被補助者の体格に応じてコントローラ75で調節されることになる。
座面部13の上昇に際しては、座面部13がお腹バー15から離れることになる。お腹バー15と座面部13との前後距離は、座面支持フレーム35の傾斜により座面部13の上昇と共に拡大する。このお腹バー15との前後距離の拡大により、被補助者の起立動作を容易にすることができる。
座面部13の上昇、つまり被補助者の起立動作の進行に応じ、座面板79が被補助者から後方に離れることになり、被補助者の座面板79に対する着座面積を徐々に小さくして被補助者が座面板79に浅く腰掛けることができ、被補助者が深く腰掛けている場合と比較して座面部13から円滑に起立することができる。
本実施例では、座面板79の座面幅が200mmと狭く設定されていることにより、被補助者は当初より座面板79に浅く腰掛けている状態となるため、より円滑に被補助者に起立させることができる。
起立支援に際しては、被補助者が前のめりになるようなときでも、前方が左右の肘支持部11a、11b等により閉じられ、しかも、その下側にお腹バー15が位置するため、被補助者を支えることができる。
被補助者の起立支援後は、被補助者又は補助者が座面部13を跳ね上げると、座面部13が座面支持フレーム35の後傾に沿った位置まで回動し、座面部13の格納が行われる。
起立した補助者は、前支持部11の左右の肘支持部11a、11bに両腕を載せるようにして体を支え、お腹バー15に腹部を当てながら自立歩行を容易に行うことができる。
被補助者はお腹バー15により起立支援歩行補助器1に押す力を加えることができ、起立支援歩行補助器1による歩行を容易に行わせることができる。
[車椅子使用状態]
被補助者が座面部13に着座したまま、起立支援歩行補助器1を車椅子として使用することができる。このとき、被補助者は、走行ベース3上に適宜足を載せることができる。また、走行ベース3に足を載せるための足載せパネルを設けてもよい。足載せパネルは、例えば、アッパーフロントメンバー23を避けつつ、前後方向でフロントベースパネル27とフロントジョイント29a、29bとの間に設置することが可能である。また、足載せパネルは、フロントジョイント29a、29b間に架け渡して、或はサイドフレーム9を器幅方向の両側に設けて、それらサイドフレーム9間に掛け渡してもよい。
この車椅子としての使用状態では、お腹バー15を握って被補助者の姿勢を安定させることができる。被補助者の両腕は、両側のアームレスト85a、85bに乗せておくこともできる。
補助者は、ハンドルバー35dを握り、起立支援歩行補助器1の走行支援を行うことができる。
[実施例1の効果]
本実施例の起立支援歩行補助器1は、車輪により走行可能な走行ベース3と、走行ベース3に備えられた座面支持フレーム35と、座面支持フレーム35に配置され被補助者が着座するための座面を有する座面部13とを備える。
座面部13は、座面支持フレーム35側に支持された座面ベース77と、座面ベース77上に配置され座面を構成する座面板79と、座面板79を座面ベース77に対して器幅方向の着座位置とこの着座位置に対して器幅方向の外側にずれた移乗位置とへ移動可能に支持する座面可動機構81とを備えている。
従って、本実施例では、座面可動機構81により座面板79を座面ベース77に対して器幅方向の着座位置から移乗位置へ移動させることで、被補助者がベッドや椅子等から座面板79上に移動することができ、起立支援歩行補助器1への移乗を補助することができる。このため、起立支援歩行補助器1全体を移動させる煩雑さを抑制することができる。
その後は、座面板79を着座位置に戻すことで、被補助者の起立支援歩行補助器1への移乗を完了させることができる。
また、本実施例の起立支援歩行補助器1は、座面板79を座面ベース77に対して着座位置と移乗位置とでロック可能とする座面ロック機構83を備えたため、座面板79のロックを行いつつ被補助者の移乗を極めて容易に行わせることができる。
また、本実施例の起立支援歩行補助器1は、移乗時に、座面部13の電動シリンダ装置68による駆動により、座面板79をベッドや椅子等の高さに合わせることができる。また、移乗後は、座面部13の電動シリンダ装置68による駆動により、被補助者の臀部を押し上げて起立姿勢への移行を支援することができる。
座面可動機構81は、座面ベース77に配置された固定スライダー87aa、87ab、87ba、87bbと、座面板79に設けられ固定スライダー87aa、87ab、87ba、87bbに嵌合してスライドガイドされ座面板79を器幅方向へ移動可能とする可動スライドレール89a、89bとを備えている。
従って、本実施例では、座面板79のスライド移動を容易に実現できると共に、可動スライドレール89a、89bを座面板79の補強材として利用して剛性を向上させることができる。
固定スライダー87aa、87ab、87ba、87bbは、座面ベース77の器幅方向中央に器幅方向に沿って配置され、可動スライドレール89a、89bは、座面板79の器幅方向両端部に渡って配置され、座面板79を座面ベース77に対して器幅方向の左右に切り替えて移動可能とする。
従って、座面板79を左右の何れかの移乗位置に移動させることができ、移乗動作の自由度を向上することができる。
座面ロック機構83は、座面ベース77に配置された複数のロック凹部91a、91b、91cと、座面板79に回転可能に設けられロック凹部91a、91b、91cに係合してロックを行う爪部93と、爪部93を回転操作してロック凹部91a、91b、91cへの係合を離脱させてロックを解除する操作部95とを備える。
従って、本実施例では、操作部95によって爪部93を回転操作して、容易に座面板79のロック及びその解除を行わせることができる。
しかも、爪部93は、座面板79に器幅方向に沿って配置され軸回転可能なロックシャフト97に設けられ、操作部95は、ロックシャフト97に結合されて座面板79の器幅方向端部に配置されロックシャフト97の回転操作により爪部93の離脱を可能とするハンドル95a、95bである。
従って、本実施例では、爪部93の回転操作をハンドル95a、95bによって容易且つ確実に行わせることができると共に、ロック解除した場合にハンドル95a、95bをそのまま座面板79をスライドさせるための取っ手として利用することができる。
また、走行ベース3はC型、逆C型により片側を開放することができ、移乗に際して足元のずり足を可能とし、体力の無い被補助者であっても移乗を容易に行わせることができる。
移乗後は、上記のように、座面部13を電動シリンダ装置68により着座位置から上部位置側に移動させると、被補助者の臀部が上昇し、被補助者の起立姿勢への移行を支援することができる。
被補助者の起立支援後は、被補助者又は補助者が座面部13を跳ね上げると、座面支持フレーム35の後傾に沿った位置まで座面部13を回動させて格納することができる。この座面部13の格納により、被補助者が歩行姿勢を取る空間を拡大し、歩行補助を無理なく行わせることができる。ただし、歩行補助の際は、座面部13を格納しない状態で起立支援歩行補助器1を使用することも可能である。これにより、被補助者のひざ折れ等によって臀部が落ちても、その臀部を座面部13によって受けることができ、被補助者の転倒を防止できる。
被補助者が起立支援歩行補助器1を車椅子として使用するとき、被補助者は、両腕を両側のアームレスト85a、85bに乗せておくことができ、被補助者の疲労を軽減することができる。或いは、被補助者は、お腹バー15を握ることもでき、姿勢を安定させることができる。