JP2016202017A - 香味変調剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】飲食品や香粧品に添加した場合に好ましい香気を付与乃至増強し、また、飲食品に添加した場合には香気に加え、呈味として旨味、塩味、甘味、乳のコクを増強する香料化合物を提供すること。【解決手段】2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは該化合物を有効成分として飲食品または香粧品に添加することにより天然感あふれる香気が付与される。また、特に、飲食品に添加した場合には旨味の付与ないし増強、塩味の増強、および、甘味が増強され、特に、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品に含有させことにより、乳のコクが増強される。【選択図】 なし

Description

本発明は特異な香気と旨味を有するピリジル基置換ベンジルプロピルエーテルである2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを有効成分とする香味変調剤に関する。さらに詳しくは、該化合物を有効成分とする、香気付与乃至増強剤、旨味付与剤、旨味増強剤、甘味増強剤、塩味増強剤および乳のコク増強剤、該化合物を有効成分として含有する香料組成物、ならびに、これらの香味変調剤または香料組成物を配合した飲食品および香粧品に関する。
近年、飲食品および香粧品用香料において、消費者の嗜好性の多様化とともに、従来にない新しいタイプの香気・香味を有する香料に対するニーズが高まり、マイルドで新鮮な香質を有し、持続性に優れたユニークな香料素材の開発が望まれている。このような背景にあって、香料素材を適宜に、またその配合量を変えて組合せ、できるだけ天然らしさを有するように調合する研究等が行われているが、未だ充分とはいえない。そこで、新たな香料素材として様々な有機化合物の探索が行われている。
香料化合物は嗅覚を刺激する化合物であるが、その種類は数万あるとされる。一方、食の風味は嗅覚刺激と味覚刺激が脳で統合された感覚と考えられている。すなわち、嗅覚刺激は味覚を刺激する化合物(食塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウムなど)と組み合され、食全体の風味が形成されている。そこで、近年、香気を有する化合物の中から、嗅覚と同時に味覚を刺激する化合物について探索が盛んとなり、飲食品の総合的な風味の向上に用いられている。
嗅覚と同時に味覚を刺激する化合物として、例えば、4−ヒドロキシ−2(5)−エチル−5(2)−メチル−3(2H)−フラノンは醤油に添加すると塩味を増強する効果があることが見出されている(特許文献1)。また、1,3,5−ウンデカトリエンは炭酸飲料に使用することで食感刺激に類似した炭酸感増強効果を併せ持つことが見出されている(特許文献2)。一般に、香料化合物は味覚に対しては苦味として作用するものが多い。なかでも代表的な香料化合物であるメントールは嗅覚刺激作用として清涼香を有するが、嗅覚刺激作用以外にも、痛覚刺激作用として皮膚や口腔内の冷涼感を生じ、味覚刺激作用として苦味を有することが知られている。
基本味である旨味についても、香料化合物のなかに嗅覚と同時に旨味に関する味覚を刺激する化合物が見出され、これらの化合物を食品香料として応用し、飲食品の機能性を広げ、消費者の求める新たな風味を提供している。例えば、2−アルキルピリジンは旨味を持つことが開示されている(特許文献3)。また、ピリジン環を含む置換基を有する芳香族ケトン化合物(特許文献4)、芳香族アミド化合物(特許文献5)についても旨味物質として開示されている。
また、ピリジル基置換ベンジルエチルエーテルである2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンはニトリル化合物とアセチレンによるピリジン環合成反応研究(非特許文献1)および有機金属を利用したカップリング反応研究の生成物(非特許文献2)として報告されており、また、旨味増強剤としての用途も開示されている(特許文献6)。
特開2012−70636号公報 特許第5500664号公報 特表2011−516059号公報 特表2012−532848号公報 特表2014−531448号公報 WO2015/000900国際公開公報
Izvestiya Akademii Nauk SSSR, Seriya Khimicheskaya (1986), (7), 1628−34 Journal of Organic Chemistry (2012), 77(22), 10399−10408
本発明の目的は、飲食品や香粧品に添加した場合に好ましい香気を付与乃至増強し、また飲食品に添加した場合には香気に加え、呈味として旨味の付与、および、旨味、甘味、塩味および乳のコクを増強する香料化合物、ならびに、その化合物を有効成分として含有する香料組成物、ならびに、その化合物を有効成分として含有する飲食品および香粧品を提供することにある。
本発明者らは、数多くの有機化合物について鋭意探索した結果、2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンのエーテル結合のピリジン側の側鎖の炭素数を1個増やした、下記式(1)の化合物である2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは、ややハーバル、グリーン、ナッティーで天然感あふれる香気を有し、また、味に関しては、飲食品に高濃度で配合した場合にはやや苦味を伴った野菜、スパイス様の呈味を有するが、低濃度で配合した場合には飲食品の旨味、甘味、塩味、乳のコクを増強する効果を有し、その旨味などの増強効果が2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンの10倍程度強いことを見出し、本発明を完成するに至った。
式(1)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは、有機化学反応研究において報告されている化合物であるが(Asian Journal of Organic Chemistry (2013), 2(12), 1061−1065;Journal of the American Chemical Society (2005), 127(25), 8966−8967;ドイツ登録特許公報第842995号)、その生理的な作用、特に香気や味に関しての報告は全く見当たらず、飲食品用または香粧品用の香料素材として用いることや、飲食品の旨味乃至甘味増強剤として用いることは知られていない。
かくして本発明は以下のものを提供する。
(a)下記式(1)の2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを有効成分とする香味変調剤。
Figure 2016202017
(b)香味変調が香気の付与乃至増強である、(a)の香味変調剤。
(c)香味変調が旨味の付与である、(a)の香味変調剤。
(d)香味変調が旨味の増強である、(a)の香味変調剤。
(e)香味変調が甘味の増強である、(a)の香味変調剤。
(f)香味変調が塩味の増強である、(a)の香味変調剤。
(g)香味変調が、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品に対する乳のコクの増強である、(a)の香味変調剤。
(h)(a)〜(g)のいずれかの香味変調剤を有効成分として含有する食品用香料組成物。
(i)(a)〜(g)のいずれかの香味変調剤または(h)の食品用香料組成物を含有させた飲食品。
(j)(b)の香味変調剤を有効成分として含有する香粧品用香料組成物。
(k)(b)の香味変調剤または(j)の香粧品用香料組成物を含有させた香粧品。
(l)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品または香粧品に含有させる、飲食品または香粧品の香気付与乃至増強方法。
(m)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品に含有させる、飲食品の旨味付与乃至増強方法。
(n)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品に含有させる、飲食品の甘味増強方法。
(o)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品に含有させる、飲食品の塩味増強方法。
(p)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品に含有させる、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品の乳のコクの増強方法。
本発明の化合物である2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは飲食品または香料品に添加した場合にややハーバル、グリーン、ナッティーな天然感あふれる香気を付与し、特に、飲食品に添加した場合には天然感あふれる香気を付与すると共に、旨味を付与乃至増強する作用、および、甘味、塩味を増強する作用、および、特に乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品に添加した場合には、乳のコクを増強する作用を有する。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明に係る、式(1)の化合物である2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは前述の通り、物質としては公知化合物であり、前記文献公知の方法により合成可能であるが、より簡便な方法として下記式に示した合成反応を利用して容易に調製可能である。
Figure 2016202017
上記反応式では式(2)で示される2−ピリジンプロパノールと式(3)で示される塩化ベンジルを適切な溶媒中で水酸化ナトリウムまたは水素化ナトリウムなどの塩基の存在下にエーテル化反応を行うことにより効率よく得られる。得られた式(1)化合物は減圧蒸留などの手段を用いることで高純度化することも可能である。
本発明は、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを有効成分とすることを特徴とする香味変調剤、旨味付与剤、旨味増強剤、甘味増強剤、塩味増強剤および乳のコク増強剤、ならびに、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを有効成分として含有する香料組成物、ならびに、これらを含有させた飲食品および香粧品である。
本発明の有効成分である2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは、ややハーバル、グリーンナッティーな天然感あふれる香気を有しており、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを香気付与目的で使用する場合は、飲食品または香粧品に対し、質量基準で、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンとして、一般に0.1ppb〜200ppm、好ましくは1ppb〜20ppm、より好ましくは10ppb〜2ppmの範囲で添加することができる。この濃度範囲で添加することにより、飲食品にまたは香粧品にややハーバル、グリーン、ナッティーな天然感あふれる香気を付与することができる。
また、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを単独で水に希釈した場合にその水溶液は旨味を呈し、その濃度は、質量を基準として、0.01ppm〜200ppmの範囲内で旨味が感じられるが、好ましくは0.1ppm〜20ppmを例示できる。
しかしながら、食塩やグルタミン酸ナトリウムなどの旨味成分と併用した場合や、2,4,7−トリデカトリエナール、4,7−トリデカジエナール、トリメチルアミンまたは2−メチルフラン−3−チオールなどの揮発性の旨味増強物質と併用した場合には、相乗的に旨味および塩味の増強作用を有し、その相乗効果が発揮される濃度は、飲食品の質量を基準として、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンが0.1ppb〜40ppm、好ましくは1ppb〜10ppm、より好ましくは5ppb〜2ppmの範囲である。
さらにまた、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは、ショ糖などの甘味物質と併用した場合には、甘味増強作用を有し、その相乗効果が発揮される濃度は、飲食品の質量を基準として、0.1ppb〜40ppm、好ましくは1ppb〜10ppm、より好ましくは5ppb〜2ppmの範囲である。
本発明の2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは、特に、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品に添加した場合に、その旨味増強、塩味増強および甘味増強効果がよく発揮され、乳のコクが増強される感覚特性が感じられる。その効果が発揮される濃度は、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品の質量を基準として、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンが0.1ppb〜40ppm、好ましくは1ppb〜10ppm、より好ましくは5ppb〜2ppmの範囲である。
本発明の2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンが相乗効果により旨みが増強される旨味素材としては、塩味物質である食塩、塩化カリウムなどの無機塩類、旨味素材としてグルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸、セリン、テアニン、アルギニンなどのアミノ酸類、ジペプチド、オリゴペプチドなどのペプチド類;イノシン酸、グアニル酸などの核酸類、コハク酸などの有機酸類、およびこれらの任意の混合物などが例示できる。
また、本発明の2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンが相乗効果により甘味が増強される呈味素材としては、ショ糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、マルチトース、トレハロースなどの糖類;アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、グリチルリチン酸二ナトリウム、ソーマチン、サッカリンおよびその塩、羅漢果抽出物、甘草抽出物、レバウディオサイドA、ステビア抽出物、酵素処理ステビア抽出物、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンなどの高甘味度甘味料類;キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、パラチニット、還元水あめなどの糖アルコール類、およびこれらの任意の混合物などが例示できる。
また、本発明の2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンにより、特にコクが増強される乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品としては、次のものが例示できる。乳としては、例えば、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和26年12月27日厚生省令第52号)に規定された生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、加工乳等;乳製品としては、例えば、前記省令に規定されたクリーム、バター、バターオイル、ヨーグルト等の発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、チーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、全粉乳、脱脂粉乳、加糖粉乳、濃縮ホエイ、ホエイパウダー等;乳若しくは乳製品を含有する飲食品としては、例えば、牛乳、クリーム類、バター、チーズ、練乳、粉乳等を添加したコーヒー飲料、茶飲料、果汁飲料、炭酸飲料、冷菓類、和洋菓子類、パン類、スープ類、カレー、シチュー、各種インスタント飲食品、各種スナック食品、ドレッシング等の調味料等;乳製品代用品としては、例えば、油脂を乳化して製造されるマーガリンやファットスプレッド等のバター代用品、コーヒーや紅茶等に添加するコーヒーホワイトナー等のクリーム類代用品等。
2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品や香粧品に添加するには、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンそのもの、または、そのものの希釈液を飲食品や香粧品に添加することもできるが、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを有効成分として含有する香料組成物を調製し、その香料組成物を飲食品や香粧品に添加することにより、飲食品や香粧品に香気を付与することができる。また、飲食品に香気を付与し、かつ、香料組成物中に2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを有効成分として含有させ、その香料組成物を飲食品に添加することにより、飲食品に対し旨味の付与、ならびに、旨味の増強、甘味の増強、塩味の増強および乳のコクを増強することができる。
本発明の香料組成物は、上記2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを該香料組成物の質量を基準として、一般に0.1ppm〜2%、好ましくは1ppm〜0.5%、より好ましくは10ppm〜0.1%の濃度で含有させことができる。
さらに、この香料組成物を、飲食品または香粧品に対し香気を付与する場合には、0.01%〜1%程度添加して、飲食品または香粧品に対する2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン添加濃度として、その飲食品または香粧品中に、質量を基準として0.1ppb〜200ppm、好ましくは1ppb〜20ppm、より好ましくは10ppb〜2ppmの範囲となるように添加することができる。その結果、飲食品または香粧品に、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンが有効成分として作用し、飲食品または香粧品にややハーバル、グリーン、ナッティーな天然感あふれる香気を付与できる。
また、この香料組成物を、飲食品に対し、旨味、塩味、甘味、乳のコクを増強する場合には、0.005%〜1%程度添加して、飲食品または香粧品に対する2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン添加濃度として、その飲食品の質量を基準として、0.1ppb〜40ppm、好ましくは1ppb〜10ppm、より好ましくは5ppb〜2ppmの範囲となるように添加することができる。その結果、飲食品、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンが有効成分として作用し、飲食品の旨味、塩味、甘味、乳のコクを増強することができる。
飲食品または香粧品に対する2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンの添加濃度が0.1ppb未満である場合には飲食品または香粧品に対する香気付与効果や飲食品に対する旨味などの増強効果が乏しく、また、飲食品または香粧品に対する2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンの添加濃度が200ppmを超えると、飲食品または香粧品における、本化合物独特の香気が強すぎて好ましくない場合がある。また、飲食品としての呈味のバランスが崩れ、好ましくない可能性がある。
前記香料組成物には2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン以外にも一般的に使用できる他の香料成分を配合することができる。2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンと共に含有し得る他の香料成分としては、各種の合成香料、天然香料、天然精油、動植物エキスなどを挙げることができる。他の香料成分としては「特許庁、周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、頁8−87、平成12年1月14日発行」に記載されている合成香料、天然精油、天然香料、動植物エキス等を挙げることができる。
これらの成分として、食品用香料(香料組成物および旨味増強香料組成物)の素材として、例えば、炭化水素化合物としてα−ピネン、β−ピネン、ミルセン、カンフェン、リモネンなどのモノテルペン、バレンセン、セドレン、カリオフィレン、ロンギフォレンなどのセスキテルペン、1,3,5−ウンデカトリエンなど;アルコール化合物としてブタノール、ペンタノール、プレノール、ヘキサノールなどの直鎖・飽和アルカノール類、(Z)−3−ヘキセン−1−オール、2,6−ノナジエノールなどの直鎖・不飽和アルコール類、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、テトラヒドロミルセノール、ファルネソール、ネロリドール、セドロールなどのテルペンアルコール類、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フルフリルアルコールなどの芳香族アルコール類;アルデヒド化合物としてアセトアルデヒド、ヘキサナール、デカナールなどの直鎖・飽和アルデヒド、(E)−2−ヘキセナール、2,4−オクタジエナールなどの直鎖・不飽和アルデヒド類、シトロネラール、シトラールなどのテルペンアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナミルアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フルフラール、ヘリオトロピンなどの芳香族アルデヒド類、ケトン化合物として2−ヘプタノン、2−ウンデカノン、1−オクテン−3−オンなどの直鎖・飽和および不飽和ケトン類、アセトイン、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、マルトール、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンなどの直鎖および環状ジケトン類、ヒドロキシケトン、カルボン、メントン、ヌートカトンなどのテルペンケトン類、α−イオノン、β−イオノン、β−ダマセノンなどのテルペン分解物に由来するケトン類、ラズベリーケトンなどの芳香族ケトン類;フラン・エーテル化合物としてローズオキシド、リナロールオキシド、メントフラン、テアスピランなどの環状エーテル類;エステル化合物として酢酸エチル、酢酸イソアミルなどの脂肪族アルコールの酢酸エステル類、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、酢酸ラバンジュリルなどのテルペンアルコール酢酸エステル類、酪酸エチル、カプロン酸エチルなどの脂肪酸と低級アルコールエステル類、酢酸ベンジル、サリチル酸メチルなどの芳香族エステル類;ラクトン化合物としてγ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、δ−デカラクトン、δ−ドデカラクトンなどの飽和ラクトン類、7−デセン−4−オリド、2−デセン−5−オリドなどの不飽和ラクトン類;酸化合物として酪酸、オクタン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの飽和・不飽和脂肪酸類;含窒素化合物としてインドール、スカトール、ピリジン、アルキル置換ピラジン、アントラニル酸メチルなど;含硫化合物としてメタンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、アリルイソチオシアネートなどが挙げられる。また、各種のエキスとしてハーブ・スパイス抽出物、コーヒー・緑茶・紅茶・ウーロン茶抽出物、乳または乳加工品およびこれらのリパーゼ・プロテアーゼなどの酵素分解物も挙げられる。
また、旨味増強香料組成物の素材としては、前記食品用香料の素材に加え、さらに、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸などのアミノ酸類、イノシン酸、グアニル酸、アデニル酸、ウラジル酸シチジル酸などの核酸類及びその塩類、酵母エキス、コハク酸などの有機酸類、リボース、キシロース、アラビノース、グルコース、フラクトース、ラムノース、ラクトース、マルトース、シュークロース、トレハロース、セロビオース、マルトトリオース、水飴などの糖類などが挙げられる。
また、香粧品用香料の素材としては、前記食品用香料の素材に加え、合成香料化合としてα−アミルシンナミルアルデヒド、ジヒドロジャスモン、メチルイオノン、α−ダマスコン、アセチルセドレン、ジヒドロジャスモン酸メチル、シクロペンタデカノリドなど;天然精油としてはスイートオレンジ、ビターオレンジ、プチグレン、レモン、ベルガモット、マンダリン、ネロリ、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミール、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、スギ、ヒノキ、ベチバー、パチョリ、ラブダナムなどが挙げられる。
また、前記香料組成物には、必要に応じて、香料組成物において通常使用されている保留剤として、水、エタノールなどの溶剤や、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、グリセリン、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ハーコリン、脂肪酸トリグリセライド、脂肪酸ジグリセリドなどを配合することができる。
また、前記香料組成物に、例えば、キラヤ抽出物、酵素処理レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アラビアガムなどの乳化剤ないし安定剤の1種以上を配合して、例えば、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー等を用いて乳化することにより乳化香料製剤の形態とすることもできる。かかる乳化剤ないし安定剤の使用量は乳化剤ないし安定剤の種類等により異なるが、例えば、乳化香料製剤の質量を基準として0.1〜25重量%の範囲、好ましくは5〜20重量%の範囲内を挙げることができる。
さらに、例えば、前記乳化香料製剤に砂糖、乳糖、ブドウ糖、トレハロース、セロビオース、水飴、還元水飴等の糖類;糖アルコール類;デキストリン等の各種デンプン分解物およびデンプン誘導体、デンプン、ゼラチン、アラビアガム等の天然ガム類などの賦形剤を適宜配合した後、例えば、噴霧乾燥、真空乾燥などの適宜な乾燥手段により乾燥して粉末香料製剤の形態とすることもできる。これらの賦形剤の配合量は粉末香料製剤に望まれる特性等に応じて適宜に選択することができる。
本発明の2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン単独で、または2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを有効成分とする香料組成物によって、ややハーバル、グリーン、ナッティーで天然感あふれる香気の増強、旨味の付与、ならびに、旨味の増強、甘味の増強、塩味の増強および乳のコクを増強することができる飲食品の具体例としては、コーラ飲料、果汁入り炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料などの炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などのソフト飲料類;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、ミルクティー、コーヒー飲料などの嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒などのアルコール飲料類;バター、チーズ、ミルク、ヨーグルトなどの乳製品;アイスクリーム、ラクトアイス、シャーベット、ヨーグルト、プリン、ゼリー、デイリーデザートなどのデザート類及びそれらを製造するためのミックス類;キャラメル、キャンディー、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナックなどの菓子類及びそれらを製造するためのケーキミックスなどのミックス類;パン、スープ、各種インスタント食品などの一般食品類、歯磨きなどの口腔用組成物を挙げることができる。
また、本発明の2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン単独で、または2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを有効成分とする香料組成物によって、ややハーバル、グリーン、ナッティーで天然感あふれる香気を増強することができる香粧品の具体例としては、また、香粧品としては、例えば、香水;シャンプー、リンス、ヘアクリーム、ポマードなどのヘアケア製品;オシロイ、口紅などの化粧品類;フェイス用石鹸、ボデイ用石鹸、洗濯用石鹸、洗濯用洗剤、消毒用洗剤、防臭洗剤などの保健・衛生用洗剤類;歯みがき、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの保健・衛生材料類;室内芳香剤、カーコロンなどの芳香製品;を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例において反応粗製物、精製物の測定は次の分析機器を用いて行なった。
GC測定:GC−2014(島津製作所社製)およびクロマトパックC−R8A(島津製作所社製)
GC測定用GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−1(長さ30m、内径0.53mm、液層膜厚1.50マイクロメータ)、ジーエルサイエンス社製TC−1701(長さ30m、内径0.53mm、液層膜厚1.00マイクロメータ)
GC/MS測定:5973N(Agilent社製)
GC/MS測定用GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−1701(長さ30m、内径0.25mm、液層膜厚0.25マイクロメータ)
NMR測定:ECX−400A(JEOL RESONANCE社製)。
実施例1:2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンの調製
200mLフラスコに25重量%水酸化ナトリウム水溶液(44.24g,277mmol)、2−ピリジンプロパノール(5.00g,36.4mmol)、塩化ベンジル(5.53g,43.7mmol)、臭化テトラn−ブチルアンモニウム(0.59g,1.8mmol)を加え、45℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、ヘキサン50mLを加えて抽出し、有機層を分離した。この有機層に2mol/L塩酸(50mL)を加え、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを塩酸塩として水層に抽出した。続いて水層に25重量%水酸化ナトリウム水溶液をpH9になるまで加えて塩酸塩を中和し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。この有機層を20%食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、ロータリーエヴァポレーターで溶媒を減圧下に留去して濃縮物(6.09g)を得た。これを減圧蒸留により精製することで2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン(収量4.34g、収率52.5%,純度99.6%)を得た。(本発明品1)
2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン物性データ
沸点 152〜155℃/0.13kPa
1H NMR(CDCl3,400MHz) δ 2.07(tt,2H,J=7.8,6.0Hz)2.89(t,2H,J=7.8Hz),3.53(t,2H,J=6.0Hz),4.51(s,2H),7.10(ddd,1H,J=7.6,5.2,1.2Hz),7.14(d,1H,J=7.6Hz),7.26−7.35(m,5H),7.57(dt,1H,J=2.0,7.6Hz),8.52(dd,1H,J=4.8,0.8Hz).

13C NMR(CDCl3,100MHz) δ 29.65,34.87,69.56,72.81,120.95,122.83,127.46,127.59(2C),128.31(2C),136.22,138.54、149.24,161.68.

MS(EI,70eV) m/z 65(8),78(5),91(30),92(12),93(100),94(8),106(13),118(6),120(15),121(10),136(86),137(8).
実施例2:2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンの香気評価
実施例1で合成した本発明品1(2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン)の0.1%エタノール溶液を評価液として調製した。評価液をサンプル瓶に用意し、瓶口からの香気評価および評価液を含浸させたにおい紙により、よく訓練された5名のパネラーにより香気評価をおこなった。その平均的な評価は以下の通りであった。
香気評価(5名のパネラーの平均的評価):ややハーバル、グリーン、ナッティーな天然感あふれる香気
実施例3:パイナップル様の調合香料組成物
下記表1の処方により、パイナップル様の調合香料組成物を調合した。
Figure 2016202017
上記パイナップル様香料組成物(比較品1)999.8gに(2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン)を0.2g(0.02質量%)混合して新規なパイナップル様の調合香料組成物を調製した(本発明品2)。この新規調合香料組成物と該化合物を加えていない上記のパイナップル様調合香料組成物について、専門パネラー5人により比較した。香気評価は香料組成物をサンプル瓶(30ml)に10ml用意し、瓶口からの香気評価、および、香料組成物を含浸させたにおい紙により、よく訓練された5名のパネラーによりおこなった。その結果、専門パネラー5人の全員が、該化合物を加えた新規調合香料組成物(本発明品2)は比較品1と比べて、フレッシュで天然感あふれるパイナップルの特徴をとらえており、また、持続性の点でも格段に優れているとした。
実施例4:パイナップル様の調合香料組成物のシャーベットへの配合
実施例3で得られたパイナップル様調合香料組成物(比較品1または本発明品2)を下記処方のシャーベットに添加し、常法によりシャーベットを調製し、よく訓練された5名のパネラーが食して、官能評価を行った。
シャーベット配合処方(質量部)
砂糖:10、水飴(75%):6、果糖ぶどう糖液糖(75%):5、クエン酸(結晶):0.1、1/5パイナップル果汁:10、本発明品2(または比較品1):0.2、水にて合計量を100とする。
これらのシャーベットを、パネラー5人により官能評価を行った。その結果、パネラー5人全員が、本発明品2を添加したシャーベットは比較品1を添加したシャーベットに比べて、フレッシュで天然感あふれるパイナップル香気の特徴が強調されており、呈味についても旨味および甘味が強いと評価した。
実施例5:リラタイプの調合香料組成物
下記表2の処方により、リラタイプの調合香料組成物を調合した。
Figure 2016202017
上記リラタイプの香料組成物(比較品2)99.8gに2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを0.2g(0.2質量%)混合して新規なリラタイプの調合香料組成物を調製した(本発明品3)。この新規調合香料組成物と比較品2について、パネラー5人により比較した。その結果、パネラー5人全員が、該化合物を加えた新規調合香料組成物(本発明品3)は比較品2と比べて、フレッシュで天然感あふれるリラの特徴をとらえ持続性の点でも格段に優れているとした。
実施例6:リラタイプの調合香料組成物のシャンプーへの配合
実施例5で得られたリラタイプの調合香料組成物(比較品2または本発明品3)を下記処方のシャンプーに添加し、常法によりシャンプーを調製し、よく訓練された5名のパネラーにより洗髪し、官能評価を行った。
シャンプーの処方(質量部)
ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム:20、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド:5、グリセリン:4、本発明品3(または比較品2): 0.2、水にて合計量を100とする。
これらのシャンプーを、パネラー5人により官能評価を行った。その結果、パネラー5人全員が、本発明品3を添加したシャンプーは比較品2を添加したシャンプーに比べて、フレッシュで天然感あふれるリラの特徴が強調されていると評価した。
比較例1:2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンの調製
300mLフラスコに25重量%水酸化ナトリウム水溶液(120.0g、750mmol)、2−ピリジンエタノール(12.34g、100mmol)、塩化ベンジル(15.51g、123mmol)および臭化テトラn−ブチルアンモニウム(1.61g、4.99mmol)を入れ、45℃で3時間撹拌し、反応液をヘキサン(100mL)で抽出した。有機層を20%食塩水(100mL)で洗浄後、2mol/L塩酸(100mL)で目的物を塩酸塩にすることで水層に抽出し、ついで水層に飽和炭酸ナトリウム水溶液(150mL)を加えてアルカリ性とし、目的物を含む水層から酢酸エチル(100mL×1回、50mL×1回)で抽出した。得られた有機層を合わせ、20%食塩水(100mL)で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥、減圧下に酢酸エチルを回収し濃縮物(22.75g)を得た。この濃縮物を減圧蒸留で精製することで2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジン(16.51g、収率77.4%、純度99.9%)を得た(比較品3)。

2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジン(比較品3)物性データ
沸点: 139℃/0.13kPa
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 3.11(t,2H,J=6.8Hz),3.86(t,2H,J=6.8Hz),4.53(s,2H),7.12(dd,1H,J=7.6,5.2Hz),7.22(d,1H,J=7.6Hz),7.24−7.33(m,5H),7.60(dt,1H,J=1.2,7.6Hz),8.53(dm,1H,J=5.2Hz).

13C NMR(100MHz,CDCl3) δ 38.71,69.59,72.95,121.31,123.59,127.50,127.58(2C),128.31(2C),136.23,138.35,149.26,159.20.

MS(EI,70eV) m/z 39(10),51(12),65(27),78(12),79(13),91(75),92(10),93(24),106(61),107(100),122(71),168(2),182(6).。
実施例7:旨味の確認
水に表2に示す濃度の2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを溶解した溶液を調製した。また、比較品として同じ濃度の2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンを溶解した溶液を調製した。それぞれの溶液および無添加の水をよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、呈味および香気についての官能評価を行った。
5名のパネラーの結果平均的な評価結果を表3に示す。
Figure 2016202017
表3に示した通り、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジン(本発明品1)を単独で水に希釈した場合にその水溶液は呈味があり、その呈味は旨味であった。また、その濃度としては、質量を基準として、0.01ppm〜200ppmの範囲内で旨味が感じられ、特に0.1ppm〜20ppm程度で良好な旨味が感じられることが分かった。
一方、2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジン(比較品3)を単独で水に希釈した場合も、その水溶液は呈味があり、その呈味は旨味であった。また、その濃度としては、質量を基準として、0.1ppm〜2000ppmの範囲内で旨味が感じられ、特に1ppm〜200ppm程度で良好な旨味が感じられることが分かった。
すなわち、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンの10倍程度旨味付与作用が強いことが認められ、同程度の旨味強度を得るための濃度は、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンの1/10程度であった。
実施例8:旨味付与および塩味増強効果の確認
0.3質量%の塩化ナトリウム水溶液(コントロール)、および、0.3質量%塩化ナトリウムに2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを表4に示す濃度に溶解させた溶液を調製した。また、比較品として0.3質量%の塩化ナトリウム水溶液(コントロール)、および、0.3質量%塩化ナトリウムに比較品として同じ濃度の2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンを溶解した溶液を調製した。それぞれの溶液をよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、旨味の付与および塩味の増強についての官能評価を行った。その平均的な評価結果を表4に示す。
Figure 2016202017
表4に示した通り、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを0.3質量%の塩化ナトリウム水溶液に希釈した場合には旨味および塩味が感じられるが、その旨味は水に希釈した場合よりも、1/10程度、低濃度でも感じられた。したがって、食塩と併用することで旨味の付与および塩味増強を感じる2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンの濃度としては、質量を基準として、1ppb〜200ppm、好ましくは0.01ppm〜50ppm、より好ましくは0.1ppm〜10ppmの範囲と考えられた。また、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンの10倍程度旨味付与作用が強いことが認められ、同程度の旨味強度を得るための濃度は、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンは2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンの1/10程度であった。
実施例9:旨味および塩味増強の確認
0.3質量%の食塩および0.03質量%のグルタミン酸ナトリウム(MSG)の水溶液と、これに、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを10ppb加えた水溶液をよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、旨味および塩味の増強についての官能評価を行った。その結果、5名全員が、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを10ppb加えた方が旨味および塩味が強いという評価であった。
実施例10:旨味増強効果の確認
0.3質量%の食塩および0.05質量%のグルタミン酸ナトリウム(MSG)の水溶液と、0.3質量%の食塩および、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを10ppb加えた水溶液をよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、旨味について官能的に比較を行った。その結果、5名全員が、両者はほぼ同等の旨味の強さであるという評価であった。
実施例11:旨味増強効果の確認
0.1質量%のイノシン酸ナトリウム(5’−IMP・2Na)と、これに、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを10ppb加えた水溶液をよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、旨味についての官能評価を行った。その結果、5名全員が、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを5ppb加えた方が旨味が強いという評価であった。
実施例12:甘味増強効果の確認
3質量%ショ糖水溶液と、これに、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを5ppb加えた水溶液をよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、呈味についての官能評価を行った。その結果、5名全員が、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを5ppb加えた方が甘味が強いという評価であった。
実施例13:うどんつゆへの添加
市販のうどんつゆ(3倍濃縮)に2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを0.05ppm添加したものを調製した。調製したうどんつゆおよび無添加のうどんつゆそれぞれ100mlに熱湯200mlを加え、よく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、旨味についての官能評価を行った。その結果、5名全員が、2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを0.05ppm加えたうどんつゆの方が旨味、塩味および甘みが強いという評価であった。
実施例14:カツオブシ様の調合香料組成物(香気の付与に加えて、旨味を付与するタイプ)
下記表5の処方により、カツオブシ様の調合香料組成物を調合した。
Figure 2016202017
実施例15:カツオブシ様調合香料組成物のめんつゆへの添加
下記表6の処方によりめんつゆを調製し、これに実施例14にて調製したカツオブシ様調合香料組成物を0.02%添加したものを調製した。
Figure 2016202017
カツオブシ様調合香料組成物無添加のめんつゆつゆと、添加しためんつゆを、よく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、官能評価を行った。その結果、5名全員が、本発明のカツオブシ様調合香料組成物を添加した方が、カツオブシ様の香気が付与されており好ましく、その呈味は旨味、塩味および甘味が増強されており、非常に美味であり良好であるという評価であった。
実施例16:ミルク様の調合香料組成物(香気の付与に加えて、コクを付与するタイプ)
下記表7の処方により、ミルク様の調合香料組成物(比較品4)を調合した。
Figure 2016202017
上記ミルク様調合香料組成物100g(比較品4)に、2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジン1mg(10ppm)、混合して、本発明品4のミルク様調合香料組成物を調製した。
実施例17:脱脂粉乳水溶液への添加
脱脂粉乳(スキムミルク)10質量部と水90質量部の混合溶液(脱脂粉乳水溶液)を調製し、これに実施例16にて調製したミルク様の調合香料組成物を0.1%添加したものを調製した。ミルク様調合香料組成物無添加の希釈牛乳、比較品4を0.1質量%添加した希釈牛乳および本発明品4を0.1質量%添加した脱脂粉乳水溶液を、よく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、官能評価を行った。その結果、5名全員が、無添加の脱脂粉乳水溶液よりも比較品4を添加した脱脂粉乳水溶液の方が、ミルクの香気が強くおいしいとの評価であったが、さらに本発明4を添加した脱脂粉乳水溶液の方が、比較品4を添加した脱脂粉乳水溶液と比べ、旨味および甘味が強く、さらに、乳特有のコクが強く、極めて良好なミルク風味であるという評価であった。
(b)香味変調が香気の付与乃至増強である、(a)の香味変調剤。
(c)香味変調が旨味の付与である、(a)の香味変調剤。
(d)香味変調が旨味の増強である、(a)の香味変調剤。
(e)香味変調が甘味の増強である、(a)の香味変調剤。
(f)香味変調が塩味の増強である、(a)の香味変調剤。
(g)香味変調が、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品に対する乳のコクの増強である、(a)の香味変調剤。
(h)(a)〜(g)のいずれかの香味変調剤を有効成分として含有する食品用香料組成物。
(i)(a)〜(g)のいずれかの香味変調剤または(h)の食品用香料組成物を含有させた飲食品。
(j)(b)の香味変調剤を有効成分として含有する香粧品用香料組成物。
(k)(b)の香味変調剤または(j)の香粧品用香料組成物を含有させた香粧品。
(l)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品または香粧品に含有させる、飲食品または香粧品の香気付与乃至増強方法。
(m)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品に含有させる、飲食品の旨味付与乃至増強方法。
(n)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品に含有させる、飲食品の甘味増強方法。
(o)2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品に含有させる、飲食品の塩味増強方法。
(p)、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物または乳製品代用品に2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを含有させる、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物または乳製品代用品の乳のコクの増強方法。

Claims (16)

  1. 下記式(1)の2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを有効成分とする香味変調剤。
    Figure 2016202017
  2. 香味変調が香気の付与乃至増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  3. 香味変調が旨味の付与である、請求項1に記載の香味変調剤。
  4. 香味変調が旨味の増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  5. 香味変調が甘味の増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  6. 香味変調が塩味の増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  7. 香味変調が、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品に対する乳のコクの増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の香味変調剤を有効成分として含有する食品用香料組成物。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の香味変調剤または請求項8の食品用香料組成物を含有させた飲食品。
  10. 請求項2に記載の香味変調剤を有効成分として含有する香粧品用香料組成物。
  11. 請求項2に記載の香味変調剤または請求項10の香粧品用香料組成物を含有させた香粧品。
  12. 2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品または香粧品に含有させる、飲食品または香粧品の香気付与乃至増強方法。
  13. 2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品に含有させる、飲食品の旨味付与乃至増強方法。
  14. 2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品に含有させる、飲食品の甘味増強方法。
  15. 2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを飲食品に含有させる、飲食品の塩味増強方法。
  16. 2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品に含有させる、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、または乳製品代用品の乳のコクの増強方法。
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