JP2016200819A - 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016200819A
JP2016200819A JP2016078263A JP2016078263A JP2016200819A JP 2016200819 A JP2016200819 A JP 2016200819A JP 2016078263 A JP2016078263 A JP 2016078263A JP 2016078263 A JP2016078263 A JP 2016078263A JP 2016200819 A JP2016200819 A JP 2016200819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ring
charging member
formula
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016078263A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6664262B2 (ja
Inventor
甲子夫 竹野
Kineo Takeno
甲子夫 竹野
土井 孝之
Takayuki Doi
孝之 土井
児玉 真隆
Masataka Kodama
真隆 児玉
博志 黛
Hiroshi Mayuzumi
博志 黛
健一 山内
Kenichi Yamauchi
健一 山内
啓貴 益
Hirotaka Masu
啓貴 益
典子 鈴村
Noriko Suzumura
典子 鈴村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Publication of JP2016200819A publication Critical patent/JP2016200819A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6664262B2 publication Critical patent/JP6664262B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/02Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices
    • G03G15/0208Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices by contact, friction or induction, e.g. liquid charging apparatus
    • G03G15/0216Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices by contact, friction or induction, e.g. liquid charging apparatus by bringing a charging member into contact with the member to be charged, e.g. roller, brush chargers
    • G03G15/0233Structure, details of the charging member, e.g. chemical composition, surface properties

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】低温低湿下においても異常放電の発生を抑制した、優れた帯電能力を有する帯電部材の提供。【解決手段】帯電部材は、支持体及び表面層を有し、該表面層がTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,W,Al,Ga,In,Geのいずれかの金属原子M1を有するポリメタロキサンを含み、該ポリメタロキサン中のM1と,炭素数1〜3のアルキル基を複数有する構成単位とが、置換もしくは無置換のフェニレン基と酸素を有する連結基によって結合している。【選択図】図1

Description

本発明は帯電部材、それを用いたプロセスカートリッジ、および、電子写真画像形成装置(以下「電子写真装置」と称す)に関する。
電子写真感光体(以下「感光体」と称す)の表面を帯電する方式の1つとして、接触帯電方式がある。接触帯電方式は、感光体に接触配置された帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材と該感光体との間の当接部近傍で微少な放電をさせることによって、該感光体の表面を帯電する方式である。
接触帯電方式に用いられる帯電部材においては、所望の電気抵抗値を得るために導電性弾性層を有する構成が一般的である。使用環境によって生じる、導電性弾性層の電気抵抗値の変動を低く抑えるために、特許文献1では、導電性弾性層上にヒドロキシスチレン樹脂を含有する樹脂層を設けることを提案している。
特開平4−77766号公報
近年、電子写真画像形成プロセスの高速化に伴って、感光体を帯電させる時間が相対的に短くなってきており、感光体を安定かつ確実に帯電させる上で不利な方向となっている。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る導電性ロールを帯電部材として用いた場合、プロセススピードの高速化に伴い、特に低温低湿下において局所的な強い放電(異常放電)が発生する場合があることが分かった。そして、その異常放電に起因する数十μm〜数mm程度の画像ムラを発生する場合があることが分かった。
本発明は、優れた帯電能力を有する帯電部材の提供に向けたものである。
また、本発明は、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジ、および、電子写真装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、支持体および表面層を有する帯電部材であって、
該表面層は、
下記構造式(a1)で示される構造を有するポリメタロキサンを含み、
該ポリメタロキサン中のM1と、下記構造式(a2)で示される構成単位中の炭素原子とが、下記構造式(a3)で示される連結基によって結合している帯電部材が提供される:
Figure 2016200819
[構造式(a1)において、
M1はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeのいずれかの金属原子を示し、sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
M1が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M1が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M1が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M1が、Vの場合、k=3または5であり、
L1は、下記式(b)で表される構造を有する配位子または式(c)で表される構造を有する配位子を表す。
Figure 2016200819
(式(b)中、
X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を表し、
Y1は、M1に配位する部位を有する基を表し、
A1は、M1、X1、およびY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表し、
記号「**」はM1に結合または配位する部位を表す。)
Figure 2016200819
(式(1)〜(4)中、記号「**」はM1との結合部位を表し、記号「***」はA1との結合部位を表す。)
Figure 2016200819
(式(c)中、R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を表し、記号「****」はM1との配位部位を表す。
構造式(a2)中、R1〜R3は各々独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、記号「*1」は、構造式(a3)のZとの結合部位を示す。
構造式(a3)中、
Zは置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、但し、置換されている場合の置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、構造式(a2)中の記号「*1」との結合位置を表し、
記号「*2」は、構造式(a1)中のM1との結合位置を表す。)。
また、本発明の他の態様によれば、支持体および表面層を有する帯電部材であって、
該表面層は、
・フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と
・下記式(d)で表される構造を有する金属アルコキシド
との反応物を含み、
該反応物がアモルファス状である帯電部材が提供される:
Figure 2016200819
(式(d)中、
M2は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeからなる群より選ばれる金属原子を表し、
pは0以上の整数を表し、但し、(q−p)は2以上であり、
M2がAl、Ga、Inの場合、q=3、
M2がTi、Zr、Hf、Geの場合、q=4、
M2がNb、Ta、Wの場合、q=5、
M2がVの場合、q=3または5であり、
R2は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、
L2は、下記式(e)で表される構造を有する配位子または式(f)で表される構造を有する配位子を表す。)
Figure 2016200819
(式(e)中、
X2は、下記式(10)〜(13)で表されるいずれかの構造を表し、
Y2は、M2に配位する部位を有する基を表し、
A2は、M2、X2、およびY2と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表し、
記号「**」はM2に結合または配位する部位を表す。)
Figure 2016200819
(式(10)〜(13)中、記号「**」はM2との結合部位を表し、記号「***」はA2との結合部位を表す。)
Figure 2016200819
(式(f)中、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を表し、記号「****」はM2との配位部位を表す。)。
また、本発明の他の態様によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、該帯電部材が上記の帯電部材であるプロセスカートリッジが提供される。
さらに、本発明の他の態様によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置であって、該帯電部材が上記の帯電部材である電子写真装置が提供される。
本発明の一態様によれば、低温低湿下においても局所的な強い放電(異常放電)の発生を抑制することができる、優れた帯電能力を有する帯電部材を提供することが可能となる。また、本発明の他の態様によれば、低温低湿下においても局所的な強い放電(異常放電)の発生を抑制でき、高品位な電子写真画像を形成可能なプロセスカートリッジ、および、電子写真装置を提供することが可能となる。
本発明の帯電部材の一例の断面図である。 本発明の電子写真装置の一例の断面図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例の断面図である。 本発明の表面層の一例(実施例2)の固体NMR解析結果と、その比較対象の例(比較例4)の固体NMR解析結果である。 (a)比較例4に係るコーティング液C4から調製した試料のX線回折チャートであり、(b)実施例2に係るコーティング液E2から調製した試料のX線回折チャートである。
本発明者らは、上記した、異常放電発生を抑制することができる、優れた帯電能力を有する帯電部材を得るべく検討を重ねた。その結果、特定の構造を有するポリメタロキサンを含む表面層を有する帯電部材が、異常放電の発生を極めて有効に抑制し得ることを見出した。
本発明の一態様に係る帯電部材は、支持体および支持体上の表面層を有する。
表面層は、下記構造式(a1)で示される構造を有するポリメタロキサンを含み、該ポリメタロキサン中のM1と、下記構造式(a2)で示される構成単位中の炭素原子とが、下記構造式(a3)で示される連結基によって結合している。
Figure 2016200819
[構造式(a1)において、
M1はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeのいずれかの金属原子を示し、sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
M1が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M1が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M1が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M1が、Vの場合、k=3または5である。
また、L1は、下記式(b)で表される構造を有する配位子または式(c)で表される構造を有する配位子を表す。
Figure 2016200819
式(b)中、X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を表し、Y1は、M1に配位する部位を有する基を表し、A1は、M1、X1、およびY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表す。記号「**」は、構造式(a1)中のM1に結合または配位する部位を表す。
Figure 2016200819
(式(1)〜(4)中、記号「**」はM1との結合部位を表し、記号「***」はA1との結合部位を表す。)
Figure 2016200819
式(c)中、R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を表し、記号「****」はM1との配位部位を表す。
構造式(a2)中、R1〜R3は各々独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、記号「*1」は、構造式(a3)中のZとの結合部位を示す。
構造式(a3)中、
Zは置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、但し、置換されている場合の置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、構造式(a2)中の記号「*1」との結合位置を表し、
記号「*2」は、構造式(a1)中のM1との結合位置を表す。
本発明に係る帯電部材は、上記の構成を有することで、低温低湿下においても局所的な強い放電(異常放電)の発生を抑制することができる。本発明に係る帯電部材が、異常放電の発生を抑制することができる理由は以下のように考えられる。
大気中の近接放電現象はパッシェン則に従い発生する。この現象は、遊離した電子が電界によって加速され、電極間に存在する分子や電極と衝突して電子、陽イオンおよび陰イオンを生成する過程を繰り返す、電子雪崩の拡散現象である。この電子雪崩は電界に従って拡散し、拡散が最終的な放電電荷量を決定する。パッシェン則に従う条件よりも過剰な電界となれば、局所的な強い放電、すなわち異常放電が発生しやすくなる。
特に、低温低湿下では、常温常湿下と比較して電極間に存在する分子が少ないことから、パッシェンの法則から導かれる放電開始電圧よりも放電開始電圧が高くなる傾向にある。そのため、放電開始電圧が高くなることで、パッシェン則に従う条件よりも過剰な電界になりやすく、低温低湿下では異常放電が特に発生しやすい。
ここで、本発明に係るポリメタロキサン中では、金属原子M1と、フェノール性水酸基を有する構成単位を有する重合体におけるフェノール性水酸基と、が反応し、構造式(a2)及び構造式(a3)に示したように、「−Z−O−M1」なる結合が生成しているものと考えられる。そして、このような結合を有するポリメタロキサンは、当該結合を有しないポリメタロキサンと比較して最高被占軌道(HOMO)が浅い。このことにより、本発明に係る帯電部材は、その表面層から電子がより放出されやすくなっているものと推定される。そのため、当該帯電部材は、放電開始電圧を小さくでき、放電電荷量を抑制することができる。そのため、当該帯電部材は、異常放電の発生を有効に抑制し得るものと考えられる。
<帯電部材>
以下、帯電部材の具体例として、ローラ形状の帯電部材(以下、「帯電ローラ」と称す場合がある。)によって、本発明を詳細に説明する。なお、帯電部材の形状は、特に限定されるものではなく、ローラ形状の他、板状の如き形状であってもよい。
図1は、支持体1上に形成された弾性層2および表面層3を有する帯電ローラである。
電子写真感光体(以下、「感光体」ともいう)の表面を帯電可能に配置される帯電部材は、感光体との当接ニップを十分に確保するために、弾性層を有する構成が好ましく用いられる。弾性層を有する帯電部材の最も簡単な構成は、支持体上に弾性層および表面層の2層を設けた構成である。支持体と弾性層との間や弾性層と表面層との間に別の層を1つまたは2つ以上設けてもよい。
〔表面層〕
表面層は、下記構造式(a1)で示される構造を有するポリメタロキサンを含み、該ポリメタロキサンは、該ポリメタロキサン中の金属原子M1と、下記構造式(a2)で示される構成単位中の炭素原子とが、下記構造式(a3)で示される連結基によって結合している:
Figure 2016200819
[構造式(a1)において、
M1はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeのいずれかの金属原子を示し、sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
M1が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M1が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M1が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M1が、Vの場合、k=3または5であり、
L1は、式(b)で表される構造を有する配位子または式(c)で表される構造を有する配位子を表す。
また、構造式(a2)中、R1〜R3は各々独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、記号「*1」は、構造式(a3)のZとの結合部位を示す。
構造式(a3)中、
Zは置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、但し、置換されている場合の置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、構造式(a2)中の記号「*1」との結合位置を表し、
記号「*2」は、構造式(a1)中のM1との結合位置を表す。
本発明に係るポリメタロキサンは、金属原子M1と酸素原子とが結合しているメタロキサン構造を有する。ここで、M1は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、および、ゲルマニウム(Ge)の何れかである。
例えば、構造式(a1)において、M1がTiであり、s=0の場合、ポリメタロキサン中には、TiO3/2で示されるメタロキサン構造が存在し、当該メタロキサン構造中のTiが、構造式(a3)で示される連結基によって、構造式(a2)で示される構成単位中の炭素原子と結合していることとなる。また、s=1の場合、ポリメタロキサン中には、TiO2/2(L1)で示されるメタロキサン構造が存在し、当該メタロキサン構造中のTiに後述する式(b)で示される配位子、または、式(c)で示される配位子が配位すると共に、構造式(a3)で示される連結基によって、構造式(a2)で示される構成単位中の炭素原子と結合していることとなる。
また、構造式(a1)において、M1に結合および配位する配位子の数を示す「s」は、1以上(k−2)以下の整数であることが好ましく、特には、1または2が好ましい。
sが1以上である場合、ポリメタロキサン中には、後で詳述する式(b)や式(c)で表される構造を有する配位子が結合および配位しているM1が存在することになる。かかるポリメタロキサンを含む表面層を備えた帯電部材は、異常放電の発生をより有効に抑制し得る。その理由は、当該配位子が結合および配位したM1を含むポリメタロキサンは、HOMOが、より一層浅くなるためであると考えられる。
本発明に係るポリメタロキサンは、下記構造式(a4)で示される構造を更に含んでいてもよい。かかる構造を含ませることで、表面層の性質を調整することができる。調整し得る表面層の性質の例としては、例えば、平滑性や強度が挙げられる。
Figure 2016200819
構造式(a4)において、M1およびkは、構造式(a1)のM1およびkと同義である。また、tは、0以上、k−1以下の整数を表す。
例えば、構造式(a4)において、M1がTi、t=0の場合、当該ポリメタロキサンは、TiO4/2を更に含むものとなる。
また、t=1の場合、当該ポリメタロキサンは、TiO3/2(L1)を更に含むものとなる。
ポリメタロキサン中の金属原子M1の存在は、例えば、エネルギー分散型X線分光分析装置(EDAX)を用いて確認することができ、また、メタロキサン構造の存在は、例えば、各種核磁気共鳴(NMR)分析により確認することができる。さらに、構造式(a1)中のM1が、構造式(a3)で示す連結基を介して構造式(a2)で示す構成単位中の炭素原子と結合していることは、例えば、固体NMR分析によって、ポリビニルフェノールのフェニレン基中の水酸基と結合している炭素原子起因のピークの低磁場側へのケミカルシフトによって確認することができる。分析方法および分析条件の詳細は、後述する実施例において述べる。
次いで、構造式(a1)におけるL1に係る、式(b)で表される構造を有する配位子、および、式(c)で表される構造を有する配位子について、それぞれ説明する。
〈式(b)で表される構造を有する配位子〉
Figure 2016200819
式(b)中、記号「**」は、ポリメタロキサン中の金属原子M1に結合または配位する部位を表し、X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を表す。
Figure 2016200819
式(1)〜(4)中、記号「**」は、ポリメタロキサン中の金属原子M1との結合部位を表し、記号「***」は、A1との結合部位を表す。
式(2)中、窒素原子は、ピロール骨格、インドール骨格、ピロリジン骨格、カルバゾール骨格、イミダゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、ピラゾール骨格、インダゾール骨格、トリアゾール骨格、ベンゾトリアゾール骨格、テトラゾール骨格、ピロリドン骨格、ピペリジン骨格、モルホリン骨格、ピペラジン骨格の如き複素環骨格中の窒素原子であってもよい。なお、これらの骨格は置換基を有していても良い。該置換基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐の、アルキル基またはアルコキシ基が挙げられる。より好ましくは、炭素数1〜4である。(以降の置換基も特別の記載が無い限り同様とする。)窒素原子が複素環骨格中の窒素原子でない場合において、窒素原子に、A1およびM1以外で結合している原子または基は、水素原子、置換もしくは未置換のアリール基または炭素数1〜10のアルキル基を表す。具体的には、フェニル基、ナフチル基の如きアリール基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基の如き直鎖のアルキル基、イソプロピル基、t−ブチルの如き分岐鎖を持つアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基の如き環状アルキル基が挙げられる。特に、式(2)で表される基としては、未置換のアミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基またはピロール骨格を有する2価の基から、窒素原子に結合する水素原子を1つ取り除いた基であることがよい。
式(b)中のY1は、式(a)中のM1に配位する部位を有する基を表し、非共有電子対を持つ原子を含む基である。具体的には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオカルボニル基、置換または未置換のアミノ基、置換または未置換のイミノ基が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。
アリールオキシ基としては、フェノキシ基およびナフチルオキシ基が挙げられる。これらの基は置換基を有していても良い。
アルキルチオ基としては、アルコキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
アリールチオ基としては、アリールオキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
カルボニル基としては、ホルミル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基(R−CO−NR−またはR−NR−CO−)、ウレイド基(NH−CO−NH−)、ウレア基(R−NH−CO−NH−)が挙げられる。アルキルカルボニル基およびアルコキシカルボニル基中のアルキル基、並びに、アミド基およびウレア基中のRは、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐のアルキル基であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基の如き直鎖のアルキル基、イソプロピル基、t−ブチルの如き分岐のアルキル基が挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4である。
アリールカルボニル基としては、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素とカルボニル基とが結合した基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環とカルボニル基とが結合した基が挙げられる。具体的には、置換または未置換の、フェニルカルボニル基およびナフチルカルボニル基が挙げられる。
チオカルボニル基としては、前記カルボニル基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
置換されたアミノ基としては、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、置換または未置換のアリールアミノ基が挙げられる。具体的には、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基の如き炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基の如き炭素数1〜10のジアルキルアミノ基、モノフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基の如き、置換または未置換の炭素数1〜10のアリールアミノ基が挙げられる。
未置換のイミノ基は、>C=NHまたはN=CHと表される基である。未置換のイミノ基中の水素原子は、炭素数1〜10のアルキル基、または、置換もしくは未置換のアリール基(フェニル基、ナフチル基)によって置換されていても良い。
また、Y1は脂肪族または芳香族の複素環骨格を有する基であっても良い。芳香族の複素環骨格としては、チオフェン骨格、フラン骨格、ピリジン骨格、ピラン骨格、ベンゾチオフェン骨格、ベンゾフラン骨格、キノリン骨格、イソキノリン骨格、オキサゾール骨格、ベンゾオキサゾール骨格、チアゾール骨格、ベンゾチアゾール骨格、チアジアゾール骨格、ベンゾチアジアゾール骨格、ピリダジン骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、フェナジン骨格、アクリジン骨格、キサンテン骨格、イミダゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、ピラゾール骨格、インダゾール骨格、トリアゾール骨格、ベンゾトリアゾール骨格およびテトラゾール骨格が挙げられる。なお、これらの骨格は置換基を有していても良い。脂肪族の複素環骨格としては、置換または未置換のモルホリン骨格が挙げられる。
上記したY1の中でも、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換または未置換のフェノキシ基、置換または未置換のナフチルオキシ基、ホルミル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシカルボニル基、チオカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、エチルメチルアミド基、未置換のアミノ基、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノフェニルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基であることが好ましい。
式(b)中のA1は、M1、X1、およびY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団である。A1が、M1、X1、およびY1と共に4〜8環を形成するのに必要な原子団である場合における当該原子団の例を以下に挙げる。メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基の如きアルキレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基の如きアルケニレン基、置換もしくは未置換の芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環)を含む原子団。A1としては、特には、結合、アルキレン基、または、置換もしくは未置換の芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、ピリジン環、インドール環、キノリン環およびイソキノリン環)を含む原子団であることが好ましい。A1がこれらである場合は、A1がアルケニレン基である場合と比較して、式(b)で表される構造の安定性が高く、異常放電の抑制効果が高い。
A1が芳香環を含む原子団である場合、Y1の芳香族複素環、X1の芳香族複素環またはその両方の芳香族複素環と縮合環を形成してもよい。
A1、M1、X1、およびY1によって形成される環は、錯体の形成容易性の観点から、5員環または6員環であることが好ましい。
上記式(b)で表される配位子は、具体的には以下のものが好ましい。
X1が式(1)で表される配位子である場合、式(b)で表される配位子は、下記式(5)〜(9)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2016200819
(式(5)〜(8)中、R101〜104は、それぞれ独立して、水素原子、メトキシ基、または、エトキシ基であり、Y11〜Y14は、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基であり、記号「**」は、ポリメタロキサン中の金属原子M1との結合部位を表す。)
Figure 2016200819
(式(9)中、R105は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基であり、R106は、水素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基であり、R107は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、または、ベンジル基であり、記号「**」は、ポリメタロキサン中の金属原子M1との結合部位を表す。)
X1が式(2)〜(4)で表される配位子である場合、X1、A1、および、Y1の組み合わせは、以下であることが好ましい。
A1が、結合、メチレン基、エチレン基、または、トリメチレン基であり、X1が、下記式(2a)〜(2c)、(3)、(4)のいずれかで表される構造であり、Y1が、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基である。
Figure 2016200819
式(2a)〜(2c)、(3)および(4)中、記号「**」はポリメタロキサン中の金属原子M1との結合部位を表し、記号「***」はA1との結合部位を表す。)
式(b)中における配位子L1を形成し得る化合物(以下「配位子用化合物」と称す)の具体的な例を、表1〜4に示す。これらの中からいくつか取り上げ、具体的に説明する。
X1が式(4)である場合の配位子用化合物の例として、下記式(101)で表されるo−アニス酸が挙げられる。
Figure 2016200819
o−アニス酸は、カルボキシル基の水素原子が外れて酸素原子が金属原子に結合し、メトキシ基の酸素原子が金属原子に配位結合することにより、錯体を形成する。残部の1,2−フェニレン基がA1に該当する。
o−アニス酸とチタンイソプロポキシドをモル比2:1で混合させて錯体を形成し、ポリビニルフェノールと混合した場合、例えば、下記式(102)のような構造が形成されると考えられる。
Figure 2016200819
X1が式(1)である場合の配位子用化合物の例として、下記式(103)で表される4−ヒドロキシ−5−アザフェナントレンが挙げられる。
Figure 2016200819
4−ヒドロキシ−5−アザフェナントレンは、ヒドロキシ基の水素原子が外れて酸素原子が金属原子に結合し、ピリジン骨格中の窒素原子が金属原子と配位結合することにより、錯体を形成する。ナフタレン骨格がA1に該当し、ピリジン骨格とナフタレン骨格が縮合環を形成し、アザフェナントレン骨格となる。
X1が式(2)である場合の配位子用化合物の例として、下記式(104)で表される2−アセチルピロールが挙げられる。
Figure 2016200819
2−アセチルピロールは、ピロール骨格中の窒素原子が金属原子に結合し、アセチル基の酸素原子が金属原子に配位結合することにより、錯体を形成する。アセチル基とピロール基をつなぐ結合がA1に該当する。
また、配位子用化合物の他の例として、上記式(9)で表される配位子用化合物の例を挙げる。以下に挙げる化合物は、表1〜4に記載していないものである。
アセチルアセトン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−へプタンジオン、2,6−ジメチル−3,5−へプタンジオン、6−メチル−2,4−ヘプタンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、3−フェニル−2,4‐ペンタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオンの如きβ−ジケトン、および、アセト酢酸メチル、3−オキソペンタン酸メチル、4−オキソヘキサン酸メチル、イソブチリル酢酸メチル、4,4−ジメチル−3−オキソ吉草酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸ベンジルの如きβ−ケトエステル。
これらのうち、例えば下記式(105)で表されるアセチルアセトンは、エノール体のヒドロキシ基の酸素原子がX1、メチルカルボニル基がY1に該当し、残部がA1である。
Figure 2016200819
アセチルアセトンとチタンイソプロポキシドをモル比2:1で混合させて錯体を形成し、ポリビニルフェノールと混合した場合、下記式(106)のような構造が形成されると考えられる。
Figure 2016200819
Figure 2016200819
Figure 2016200819
Figure 2016200819
Figure 2016200819
〈式(c)で表される構造を有する配位子〉
Figure 2016200819
式(c)中、R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を表す。本発明に係るポリメタロキサンの最高被占軌道(HOMO)をより浅くするためには、R11〜R15は電子供与性を示す基であることが好ましい。すなわち、メチル基、t−ブチル基またはトリメチルシリル基であることが好ましい。
式(c)中、記号「****」は、ポリメタロキサン中の金属原子M1との配位部位を表す。
上記式(c)について、金属原子に配位および結合して上記の構造を形成する化合物として具体例を表5に示す。なお、表5に示した構造中、「Me」は、メチル基を意味する。
Figure 2016200819
上記式(b)および式(c)について、金属原子1原子当たりに配位する配位子L1の個数は一個に限られない。また、1種の配位子だけでなく、複数種の配位子が金属原子M1に配位していても良い。
〔支持体〕
支持体としては、感光体との当接に十分な剛性を持つ必要があり、金属材料が好ましく用いられる。金属材料としては、具体的には、鉄、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルが挙げられる。また、フィラーで強化された樹脂性の支持体を用いることも可能である。
〔弾性層〕
弾性層を構成する材料としては、従来から帯電部材の弾性層として用いられているゴムや熱可塑性エラストマーの如き弾性体を1種または2種以上用いることができる。
ゴムとしては、具体的には、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムが挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系エラストマーおよびオレフィン系エラストマーが挙げられる。
弾性層は、導電剤を含むことによって所定の導電性を有するように構成することが好ましい。弾性層の電気抵抗値の好適な範囲は1.0×102Ω以上1.0×108Ω以下である。
導電性弾性層に用いられる導電剤としては、炭素系材料、金属酸化物、金属、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質を用いることが可能である。
炭素系材料としては、具体的には、導電性カーボンブラック、グラファイトが挙げられる。金属酸化物としては、具体的には、酸化スズ、酸化チタンおよび酸化亜鉛が挙げられる。金属としては、具体的には、ニッケル、銅、銀およびゲルマニウムが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、具体的には、第四級アンモニウム塩(ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウム)、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩)が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、具体的には、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩および高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩が挙げられる。
帯電防止剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび多価アルコール脂肪酸エステルの如き非イオン性帯電防止剤が挙げられる。
電解質としては、周期律表第1族の金属の塩が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩としては、具体的には、LiCFSO、NaClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCNおよびNaClが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、周期律表第2族の金属の塩(Ca(ClO)やこれから誘導される帯電防止剤を用いることもできる。また、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール)もしくはその誘導体との錯体や、これらとモノオール(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル)との錯体の如きイオン導電性導電剤を用いることが可能である。
弾性層の硬度は、帯電部材と被帯電体である感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する観点から、MD−1硬度で60度以上85度以下であることが好ましい。また、弾性層は、感光体と幅方向で均一に当接させるために、軸に沿う方向において、中央部の層厚が端部の層厚よりも厚い、いわゆるクラウン形状とすることが好ましい。
本発明に係るポリメタロキサンは、
・フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と
・下記式(d)で表される構造を有する化合物と、を反応させることによって得られるものである。すなわち、本発明に係るポリメタロキサンは、フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と、下記式(d)で表される構造を有する金属アルコキシドとの反応物とも定義し得る。なお、粒子状の酸化チタンをバインダー樹脂中に含んでなる表面層との差異は、本発明に係る表面層は、粒子状の酸化チタンが存在していれば観察される結晶構造が観察されないことである。すなわち、本発明に係る、フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と、式(d)で表される構造を有する化合物との反応物はアモルファス状である。なお、当該反応物がアモルファル状であることは、例えば、X線回折装置(XRD)による結晶構造解析を行うことで確認することができる。詳細な分析方法、分析条件は、実施例にて詳述する。
フェノール性水酸基を有する構成単位を有する重合体としては、ポリビニルフェノール(ポリヒドロキシスチレン)の如きビニルフェノールを構成単位として有する重合体、および、ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。
Figure 2016200819
式(d)中、M2は、式(a1)のM1と同義であり、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeからなる群より選ばれる何れかの金属原子を表す。pは0以上の整数を表し、但し、(q−p)は2以上である。また、pに関しては、M2がAl、Ga、Inの場合、q=3、M2がTi、Zr、Hf、Geの場合、q=4、M2がNb、Ta、Wの場合、q=5、M2がVの場合、q=3または5である。R2は、炭素数1〜10の炭化水素基を表す。
なお、pは、(q−p)が2以上であることを前提として、好ましくは1以上の整数である。さらに好ましくは、pは1または2である。L2で示される配位子を少なくとも1つ有する金属アルコキシドを用いることによって得られるポリメタロキサンは、構造式(a1)中、sが1以上であるポリメタロキサンである。すなわち、ポリメタロキサン中に、式(b)で示される配位子、または、式(c)で示される配位子が結合および配位している金属原子M1が存在することとなる。このようなポリメタロキサンを含む表面層を備えた帯電部材は、異常放電の発生をより一層抑制することができる帯電部材を与えるものとなる。その理由は、上記ポリメタロキサンのHOMOが、より浅くなるためであると考えられる。また、pが2以上である場合、L2は異なるものであってもよい。
R2としては、好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基である。
L2は、下記式(e)で表される構造を有する配位子または式(f)で表される構造を有する配位子を表す。
Figure 2016200819
式(e)中、記号「**」は、ポリメタロキサン中の金属原子M1となる金属原子M2に結合または配位する部位を表す。A2およびY2は、それぞれ先に述べたA1およびY1と同義である。X2は、下記式(10)〜(13)で表されるいずれかの構造を表す。
Figure 2016200819
式(10)〜(13)中、記号「**」は、金属原子M2との結合部位を表し、記号「***」はA2との結合部位を表す。式(10)〜(13)の具体的な構造は、それぞれ、前記式(1)〜(4)と同意義である。
Figure 2016200819
式(f)中、記号「****」は、金属原子M2との配位部位を表す。R21〜R25は、それぞれ、先に述べたR11〜R15と同意義である。
なお、例えば、前記構造式(a4)で示され、かつ、構造式(a4)中のtが「k−1」である構造を更に有するポリメタロキサンは、該フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と、前記式(d)で表される構造を有する化合物とを含む反応系に、下記式(d´)で示される化合物を共存させることによって得ることができる。
Figure 2016200819
式d´において、p´は、q−1で表される整数を示すf。
〔表面層の形成〕
本発明に係る表面層は、例えば、下記工程(i)〜(iii)を経て形成される。
(i)表面層の形成用のコーティング液の調製工程、
(ii)該コーティング液の塗膜の形成工程、および、
(iii)該塗膜の乾燥工程。
(i)コーティング液の調製工程;
コーティング液は、例えば、下記のステップ1〜ステップ2によって調製することができる。
<ステップ1>
ステップ1は、コーティング液を構成する原料の溶液の調製工程である。
具体的には、フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体の溶液(以降、「重合体溶液」)を調製する。また、前記式(d)で示される化合物の溶液(以降、「金属アルコキシド溶液」)を調製する。
ここで、前記式(d)に係る化合物として、pが1以上である化合物を用いる場合、すなわち金属原子M2に配位子L2が配位している化合物を用いる場合には、例えば、配位子L2が配位していない原料としての金属アルコキシドの溶液と、配位子L2の原料の溶液とを各々調製し、それらを混合することによって、M2に配位子L2が配位した、式(d)に係る化合物の溶液を調製することができる。この場合においては、配位子用化合物は、原料としての金属アルコキシド1モルに対して0.5モル以上添加することが好ましく、1モル以上添加することがより好ましい。また、複数の化合物や金属アルコキシドを組み合わせても良い。さらに、上記式(e)および式(f)について、金属原子1原子当たりに配位する配位子L2の個数は一個に限られない。また、1種の配位子だけでなく、複数種の配位子が金属原子M2に配位していても良い。
また、入手可能な場合には、配位子用化合物が配位した金属アルコキシドを入手し、そのまま使用することも可能である。
前記式(d)に係る化合物として、pが0である化合物を用いる場合は、式(d)に係る化合物は、原料としての金属アルコキシドと一致する。
M2にL2が配位していない、原料としての金属アルコキシドの例としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、タングステン、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびゲルマニウムのアルコキシドが用いられる。
アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、iso−プロポキシド、n−ブトキシド、2−ブトキシド、t−ブトキシドの如き炭素数1〜10のアルコキシドが挙げられる。好ましくは炭素数1〜4のアルコキシドである。
<ステップ2>
ステップ2は、ステップ1で調製した重合体溶液、および、ステップ1で調製した金属アルコキシド溶液を混合してコーティング液を得る工程である。
上記ステップ2において、重合体溶液と金属アルコキシド溶液とを混合する際は、フェノール性水酸基を有する構成単位を有する重合体に対して、式(d)で示される化合物を0.01モル以上添加することが好ましく、0.1モル以上添加することがより好ましい。
表面層の改質のために、ポリメタロキサン中に前記式(a4)で示される構造を導入するためには、コーティング液に、例えば、アルコキシシランを添加すればよい。アルコキシシランの例は、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランを含んでもよい。
テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(iso−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(2−ブトキシ)シラン、テトラ(t−ブトキシ)シランが挙げられる。
トリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラン類、および、トリエトキシシラン類が挙げられる。
トリメトキシシラン類の具体例は、トリメトキシヒドロシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリメトキシ(n−プロピル)シラン、トリメトキシ(iso−プロポキシ)シラン、トリメトキシ(n−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(2−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(t−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(n−ヘキシル)シラン、トリメトキシ(n−オクチル)シラン、トリメトキシ(n−デシル)シラン、トリメトキシ(n−ドデシル)シラン、トリメトキシ(n−テトラデシル)シラン、トリメトキシ(n−ペンタデシル)シラン、トリメトキシ(n−ヘキサデシル)シラン、トリメトキシ(n−オクタデシル)シラン、トリメトキシシクロヘキシルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
トリエトキシシランの具体例としては、トリエトキシヒドロシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシ(n−プロピル)シラン、トリエトキシ(iso−プロポキシ)シラン、トリエトキシ(n−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(2−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(t−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(n−ヘキシル)シラン、トリエトキシ(n−オクチル)シラン、トリエトキシ(n−デシル)シラン、トリエトキシ(n−ドデシル)シラン、トリエトキシ(n−テトラデシル)シラン、トリエトキシ(n−ペンタデシル)シラン、トリエトキシ(n−ヘキサデシル)シラン、トリエトキシ(n−オクタデシル)シラン、トリエトキシシクロヘキシルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリエトキシ(3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
ジアルコキシシランとしては、ジメトキシシラン類、および、ジエトキシシラン類が挙げられる。
ジメトキシシラン類の具体例としては、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシ(ビス−3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
ジエトキシシラン類の具体例としては、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシ(ビス−3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
用いる有機溶剤としては、金属アルコキシドと先述の化合物が溶解できる溶剤であれば特に限定はないが、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、セロソルブ系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒を用いることができる。アルコール系溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、シクロヘキサノールが挙げられる。エーテル系溶媒としては、具体的には、ジメトキシエタンが挙げられる。セロソルブ系溶媒としては、具体的には、メチルセロソルブ、エチルセロソルブが挙げられる。ケトン系溶媒としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトンが挙げられる。エステル系溶媒としては、具体的には、酢酸メチル、酢酸エチルが挙げられる。有機溶剤は、単独で用いるほか、2種以上の混合物も使用可能である。
(ii)コーティング液の塗膜の形成工程
上記(i)で調製したコーティング液の塗膜の形成方法は、特に限定はなく、一般的に用いられる方法を選択することができる。具体的には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布が挙げられる。
(iii)塗膜の乾燥工程
コーティング液の塗膜を乾燥させることによって、本発明に係る表面層を形成する。乾燥のために、塗膜を加熱してもよい。
上記工程(i)のステップ2〜工程(iii)において、コーティング液中の式(d)で示される化合物は、以下の2つの反応に供される。
・式(d)で示される化合物中のアルコキシ基が加水分解を受けて水酸基に変換され、また、生成した水酸基同士が縮合してメタロキサン結合を生成する反応。
・式(d)で示される化合物の金属原子M2が、重合体のフェノール性水酸基と反応して、構造式(a3)に示す連結基を介して重合体と結合する反応。
その結果、本発明に係るポリメタロキサンを有する表面層が形成される。
なお、式(d)で示される化合物の加水分解は、コーティング液の調製に用いる有機溶媒中に含まれる微量の水や、コーティング液または塗膜中に取り込まれる空気中の水によって進行する。また、コーティング液中に水を添加して加水分解、縮合の程度を制御してもよい。
また、乾燥工程中の塗膜の表面、または、乾燥後の表面層の表面に、表面層の表面の摩擦係数や表面自由エネルギーの如き表面物性を調整するために、処理を施してもよい。このような処理としては、例えば、活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、赤外線、電子線が挙げられる。中でも紫外線を用いることが好ましい。また、紫外線は、その積算光量が、5000J/cm以上10000J/cm以下となるように照射することが好ましい。
表面層の厚さは0.005μm〜30μmであることが好ましく、0.005μm〜5μmであることがより好ましい。
フェノール性水酸基を有する構成単位を有する重合体と金属アルコキシドが相互作用をしていることは、固体NMR分析を行うことで確認できる。
<電子写真装置およびプロセスカートリッジ>
図2に、本発明の帯電部材を有する電子写真装置の一例を、図3に本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジの一例を示す。感光体4は、回転ドラム型の像担持体である。この感光体4は、図中の矢印が示す時計回りに所定の周速度で回転駆動する。
ローラ形状を有する帯電部材(以降、「帯電ローラ」ともいう)5は、感光体4の表面に、所定の押圧力で接触させてある。そして、帯電ローラ5は、感光体4の回転に対して順方向に回転駆動する。帯電ローラ5に対しては、帯電バイアス印加電源19から所定の直流電圧が印加される(DC帯電方式)。なお、後述の実施例では、帯電ローラに印加する直流電圧は、−1050Vとした。これにより、感光体4の表面が所定の極性電位に一様に帯電処理される。なお、後述の実施例では暗部電位−500Vとした。
感光体4の帯電処理面に、不図示の露光手段からの、目的の画像情報に対応した像露光光11が照射される。その結果、感光体の明部電位が選択的に低下(減衰)し、感光体4に静電潜像が形成される。なお、後述の実施例では、感光体の明部電位は、−150Vとした。不図示の露光手段としては、レーザービームスキャナーの如き公知の露光手段を利用することができる。
現像ローラ6は、感光体4表面の静電潜像の露光明部に、感光体4の帯電極性と同極性に帯電しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー像として可視化する。後述の実施例では現像バイアス−400Vとした。現像方式としては特に制限はなく、例えば、ジャンピング現像方式、接触現像方式および磁気ブラシ方式が存在するが、特にカラー画像を出力する電子写真装置には、トナーの飛散を有効に抑制することができる点で、接触現像方式は好ましい。
転写ローラ8は、感光体4に所定の押圧力で接触させてあり、感光体4の回転と順方向に感光体4の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源からトナーの帯電特性とは逆極性の転写電圧が印加される。感光体4と転写ローラ8の接触部に不図示の給紙機構から転写材7が所定のタイミングで給紙され、その転写材7の裏面が転写電圧を印加した転写ローラ8により、トナーの帯電極性とは逆極性に帯電される。このことにより、感光体4と転写ローラ8との接触部において感光体面側のトナー画像が転写材7の表面側に静電転写される。転写ローラ8としては、公知の手段を利用することができる。具体的には、金属の導電性支持体上に中抵抗に調製された弾性層を被覆してなる転写ローラを例示することができる。
トナー画像の転写を受けた転写材7は感光体面から分離して、定着装置9へ導入されて、トナー画像の定着を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機構に導入されて転写部へ再導入される。感光体4上の転写残トナーは、クリーニングブレード10を有するクリーニング装置14により、感光体4上から回収される。また、感光体4に残留電荷が残るような場合には、転写後、帯電ローラ5による一次帯電を行う前に、前露光装置(不図示)によって感光体4の残留電荷を除去する方がよい。後述の実施例の画像形成には、前露光装置は用いないものを使用した。
本発明に係るプロセスカートリッジは、少なくとも帯電部材と感光体を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能に構成されている。後述の実施例では、帯電ローラ5、感光体4、現像ローラ6およびクリーニング装置14を一体に支持するプロセスカートリッジを用いた。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。実施例中の化合物について、「部」は、特に断りがない場合は「質量部」を意味する。
なお、本実施例において使用する試薬の一覧を表6に示す。
Figure 2016200819
(コーティング液の調製と構造解析)
〔コーティング液E1〕
(STEP1)
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
200mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.0g、ポリビニルフェノール1.01gを入れ、撹拌してポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
<金属アルコキシド溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、エタノール15.1g、チタンイソプロポキシド0.39gを入れ、撹拌してチタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
<配位子用化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、o−アニス酸0.42g、エタノール34.2gを入れ、撹拌してo−アニス酸のエタノール溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
先に調製したチタンイソプロポキシドのエタノール溶液と、o−アニス酸のエタノール溶液を加えて撹拌し、混合した。ここで調製された溶液中では、チタンイソプロポキシドの加水分解、縮合反応によるチタノキサン結合の形成と、o−アニス酸のチタン原子への配位による錯体の形成とが生じているものと考えられる。
(STEP2)
100mLのガラス製容器に、STEP1で調製したポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液35.0g、STEP1で調製した金属錯体溶液15.0gを入れ、撹拌してコーティング液E1を調製した。
〔コーティング液C1〕
200mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.0g、ポリビニルフェノール1.01gを入れ、撹拌してコーティング液C1を調製した。
〔コーティング液C2〕
<金属アルコキシドの溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、エタノール15.1g、チタンイソプロポキシド0.39gを入れ、撹拌してチタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
<配位子用化合物の溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、o−アニス酸0.42g、エタノール34.2gを入れ、撹拌してo−アニス酸のエタノール溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
先に調製したチタンイソプロポキシドのエタノール溶液に、o−アニス酸のエタノール溶液を加え、良く撹拌してコーティング液C2を調製した。
〔コーティング液E2〕
(STEP1)
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、ポリビニルフェノール0.45g、ジメトキシエタン44.6gを秤量し、撹拌してポリビニルフェノールのジメトキシエタン溶液を調製した。
<金属アルコキシドの溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、2−ブタノール48.3g、チタンイソプロポキシド1.78gを秤量し、撹拌してチタンイソプロポキシドの2−ブタノール溶液を調製した。
(STEP2)
100mLのガラス製容器に、先に調製したポリビニルフェノールのジメトキシエタン溶液45.0g、チタンイソプロポキシドの2−ブタノール溶液5.0gを入れ、撹拌してコーティング液E2を調製した。
〔コーティング液C3〕
100mLのガラス製容器に、2−ブタノール48.3g、チタンイソプロポキシド1.78gを秤量し、撹拌してコーティング液C3を調製した。
〔コーティング液C4〕
100mLのガラス製容器に、ポリビニルフェノール0.45g、ジメトキシエタン44.6g、およびルチル型酸化チタンCR−EL(石原産業製)を0.051g秤量し、良く撹拌してコーティング液C4を調製した。
〔コーティング液E3〜E6〕
STEP1
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
ポリビニルフェノールの量を1.00gに変えた以外は、コーティング液E1の調製におけるSTEP1中のフェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製と同様にしてフェノール性水酸基を有する化合物溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、イソプロピルアルコール48.3g、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトネート1.78gを秤量し、撹拌してチタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトネートのイソプロピルアルコール溶液を調製した。なお、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトネートは、チタン原子に対してアセチルアセトンが配位してなる化合物である。よって、ここで調製される溶液は、金属アルコキシド溶液であり、かつ、金属錯体溶液である。
STEP2
<コーティング液の調製>
金属錯体溶液として、上記チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトネートのイソプロピルアルコール溶液を用い、また、フェノール性水酸基を有する化合物溶液との量的関係を、表7の「STEP2」の欄に記載した通りとした以外は、コーティング液E1と同様にして、コーティング液E3を調製した。
また、STEP2におけるフェノール性水酸基を有する化合物溶液と金属錯体溶液の混合量を表7の「STEP2」の欄に記載したように変更した以外は、コーティング液E3と同様にして、コーティング液E4〜E6を調製した。
〔コーティング液C5〕
100mLのガラス製容器に、イソプロピルアルコール48.3g、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトネート1.78gを秤量し、撹拌してコーティング液C5を調製した。
〔コーティング液E7〜E9〕
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
フェノール性水酸基を有する化合物として、表6における記号「P2」、「P3」および「P4」を、表7に示した量で用い、また、コーティング液E7のみ、メチルイソブチルケトンの量を99.0gから99.1gに変更した以外は、コーティング液E1に係るフェノール性水酸基を有する化合物溶液と同様にしてフェノール性水酸基を有する化合物の溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
エタノールの量を15.1gから15.0gに変更した以外は、コーティング液E1に係る金属錯体溶液の調製と同様にして金属錯体溶液を調製した。
<コーティング液の調製>
得られたフェノール性水酸基を有する化合物の溶液を用い、また、得られた金属錯体溶液を用いた以外は、コーティング液E1と同様にしてコーティング液E7〜E9を調製した。
〔コーティング液C6〜C8〕
フェノール性水酸基を有する化合物として、表6における記号「P2」、「P3」および「P4」を、表8に示した量で用い、また、コーティング液C6のみ、メチルイソブチルケトンの量を99.0gから99.1gに変更した以外は、コーティング液C1と同様にしてコーティング液C6〜C8を調製した。
〔コーティング液E10およびE11〕
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
フェノール性水酸基を有する化合物として、表6における記号「P5」および「P6」を表7に示した量で用い、また、コーティング液E10のみ、メチルイソブチルケトンの量を99.0gから99.1gに変更した以外は、コーティング液E1に係るフェノール性水酸基を有する化合物溶液と同様にしてフェノール性水酸基を有する化合物のメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
金属アルコキシド溶液の調製の際のエタノールの量を15.1gから15.0gに変更し、配位子用化合物溶液の調製の際のエタノールの量を34.2gから34.3gに変更した以外は、コーティング液E1に係る金属錯体溶液の調製と同様にして金属錯体溶液を調製した。
<コーティング液の調製>
得られたフェノール性水酸基を有する化合物のメチルイソブチルケトン溶液と得られた金属錯体溶液とを用い、また、金属錯体溶液とフェノール性水酸基を有する化合物溶液との量的関係を、表7の「STEP2」の欄に記載した通りとした以外はコーティング液E1と同様にしてコーティング液E10およびE11を調製した。
〔コーティング液C9およびC10〕
フェノール性水酸基を有する化合物として表6における記号「P5」および「P6」を表8に示した量で用い、また、コーティング液C10のみ、メチルイソブチルケトンの量を99.0gから99.1gに変更した以外は、コーティング液コーティング液C1と同様にしてコーティング液C9およびC10を調製した。
〔コーティング液E12〕
(STEP1)
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、ポリビニルフェノール0.45g、2−ブタノール44.6gを入れ、撹拌してポリビニルフェノールの2−ブタノール溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、タンタルテトラエトキシアセチルアセトネート0.74g、2−ブタノール49.3gを入れ、撹拌してタンタルテトラエトキシドアセチルアセテートの2−ブタノール溶液を調製した。なお、タンタルテトラエトキシアセチルアセトネートは、タンタル原子に対してアセチルアセトンが配位してなる化合物である。よって、ここで調製される溶液は、金属アルコキシド溶液であり、かつ、金属錯体溶液である。
(STEP2)
<コーティング液の調製>
100mLのガラス製容器に、上記で調製したポリビニルフェノールの2−ブタノール溶液35.0g、タンタルテトラエトキシアセチルアセトネートの2−ブタノール溶液15.0gを入れ、撹拌してコーティング液E12を調製した。
〔コーティング液E13〕
(STEP1)
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、ポリビニルフェノール0.44g、2−ブタノール44.5gを入れ、撹拌してポリビニルフェノールの2−ブタノール溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、アルミニウムジ(sec−ブトキシド)エチルアセトアセテート1.34g、2−ブタノール48.6gを入れし、撹拌してアルミニウムジ(sec−ブトキシド)エチルアセトアセテートの2−ブタノール溶液を調製した。
なお、アルミニウムジ(sec−ブトキシド)エチルアセトアセテートは、アルミニウム原子に対してアセト酢酸エステルが配位してなる化合物である。よって、ここで調製される溶液は、金属アルコキシド溶液であり、かつ、金属錯体溶液である。
(STEP2)
<コーティング液の調製>
100mLのガラス製容器に、上記で調製したポリビニルフェノールの2−ブタノール溶液35.0g、アルミニウムジ(sec−ブトキシド)エチルアセトアセテートの2−ブタノール溶液15.0gを入れ、撹拌してコーティング液E13を調製した。
〔コーティング液C11〕
100mLのガラス製容器に、タンタルテトラエトキシアセチルアセトネート0.73g、2−ブタノール49.3gを入れ、撹拌してコーティング液C11を調製した。
〔コーティング液C12〕
100mLのガラス製容器に、アルミニウムジ(s−ブトキシド)エチルアセトアセテート1.33g、2−ブタノール48.6gを入れ、撹拌してコーティング液C12を調製した。
〔コーティング液E14〜E16〕
STEP1
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
ポリビニルフェノールの量を1.00gに変えた以外は、コーティング液E1の調製におけるSTEP1中のフェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製と同様にしてフェノール性水酸基を有する化合物溶液を調製した。
<金属アルコキシド溶液の調製>
コーティング液E1の調製のSTEP1におけるチタンイソプロポキシドのエタノール溶液の調製に用いるチタンイソプロポキシドおよび溶媒の量を表7に記載の通りとした。それ以外は、コーティング液E1の調製における金属アルコキシドの溶液の調製と同様にして3種の金属アルコキシド溶液を調製した。
<配位子用化合物溶液の調製>
コーティング液E1の調製のSTEP1の配位子用化合物の溶液の調製における配位子用化合物および溶媒の量を表7に記載の通りとした。それ以外は、コーティング液E1の調製における配位子用化合物の調製と同様にして配位子用化合物溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
上記3種の金属アルコキシド溶液と、上記配位子用化合物溶液とを用いた以外は、コーティング液E1の調製のSTEP1における金属錯体溶液の調製と同様にして3種の金属錯体溶液を調製した。
STEP2
<コーティング液の調製>
上記フェノール性水酸基を有する化合物溶液および上記で調製した3種の金属錯体溶液を、表7の「STEP2」の欄に記載した量で混合した以外は、コーティング液E1と同様にして、コーティング液E14〜E16を調製した。
〔コーティング液E17〜E20〕
STEP1
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
ポリビニルフェノールの量を1.00gに変えた以外は、コーティング液E1の調製におけるSTEP1中のフェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製と同様にしてフェノール性水酸基を有する化合物溶液を調製した。
<金属アルコキシド溶液の調製>
コーティング液E1の調製のSTEP1におけるチタンイソプロポキシドのエタノール溶液の調製に用いるチタンイソプロポキシドおよび溶媒の量を表7に記載の通りとした。それ以外は、コーティング液E1の調製における金属アルコキシドの溶液の調製と同様にして金属アルコキシド溶液を調製した。
<配位子用化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、グアヤコールおよびエタノールを表7に記載の量、入れ、撹拌してグアヤコールのエタノール溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
上記金属アルコキシド溶液および配位子用化合物溶液を混合して金属錯体溶液を調製した。
STEP2
上記フェノール性水酸基を有する化合物溶液および上記で調製した金属錯体溶液を、表7の「STEP2」の欄に記載した量で混合した以外は、コーティング液E1と同様にして、コーティング液E17〜20を調製した。
〔コーティング液C13〕
<金属アルコキシド溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、エタノール15.0g、チタンイソプロポキシド0.46gを秤量し、撹拌してチタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
<配位子用化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、グアヤコール0.41g、エタノール34.2gを入れ、撹拌してグアヤコールのエタノール溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
上記で調製したチタンイソプロポキシドのエタノール溶液と、グアヤコールのエタノール溶液とを混合、撹拌してコーティング液C13としての金属錯体溶液を調製した。
〔コーティング液E21〕
(STEP1)
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.0g、ポリビニルフェノール1.00gを入れ、撹拌してポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
<金属アルコキシド溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、エタノール15.1g、チタンイソプロポキシド0.39gを入れ、撹拌してチタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
<配位子用化合物水溶液の調製>
100mLの容器に、o−アニス酸0.42g、エタノール34.1g、およびイオン交換水0.049gを入れ、撹拌してo−アニス酸のエタノール水溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
上記金属アルコキシド溶液および上記配位子用化合物水溶液を混合して、チタン原子にo−アニス酸が配位してなる金属錯体の水溶液を調製した。
(STEP2)
<コーティング液の調製>
100mLのガラス製容器に、上記で調製したポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液35.0g、金属錯体水溶液15.0gを入れ、撹拌してコーティング液E21を調製した。
〔コーティング液E22〕
(STEP1)
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.1g、ポリビニルフェノール1.01gを入れ、撹拌してポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
<金属アルコキシド溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、エタノール15.0g、チタンイソプロポキシド0.35gを入れ、撹拌してチタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
<配位子用化合物水溶液の調製>
100mLの容器に、キナルジン酸0.43g、エタノール34.2g、およびイオン交換水0.044gを入れ、撹拌してキナルジン酸のエタノール溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
上記金属アルコキシド溶液に上記配位子用化合物水溶液を加えて撹拌し、金属錯体水溶液を調製した。
(STEP2)
<コーティング液の調製>
100mLのガラス製容器に、上記のポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液35.0g、金属錯体水溶液15.0gを入れ、撹拌してコーティング液E22を調製した。
〔コーティング液E23〕
(STEP1)
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.1g、ポリビニルフェノール1.00gを入れ、撹拌してポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
<金属アルコキシド溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、エタノール15.0g、チタンイソプロポキシド0.39gを入れ、撹拌してチタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
<配位子用化合物溶液の調製>
100mLのガラス容器に、2−アセチルピロール0.42g、エタノール34.1gを入れ、撹拌して2−アセチルピロールのエタノール溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
上記金属アルコキシド溶液に、上記2−アセチルピロールのエタノール溶液を加え、撹拌、混合して金属錯体溶液を調製した。
(STEP2)
<コーティング液の調製>
100mLのガラス製容器に、上記ポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液35.0g、金属錯体溶液15.0gを入れ、撹拌してコーティング液E23を調製した。
〔コーティング液E24〕
(STEP1)
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.0g、ポリビニルフェノール1.00gを入れ、撹拌してポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
<金属アルコキシド溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、エタノール15.1g、チタンイソプロポキシド0.53gを入れ、撹拌してチタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
<配位子用化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、N,N−ジメチルグリシン0.39g、エタノール34.1gを入れ、撹拌してN,N−ジメチルグリシンのエタノール溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
上記金属アルコキシド溶液に、上記配位子用化合物溶液を加えて撹拌混合し、金属錯体溶液を調製した。
(STEP2)
<コーティング液の調製>
100mLのガラス製容器に、上記ポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液35.0g、金属錯体溶液15.0gを入れ、撹拌してコーティング液E24を調製した。
〔コーティング液E25〕
(STEP1)
<フェノール性水酸基を有する化合物溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.1g、ポリビニルフェノール1.01gを秤量し、撹拌してポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
<金属錯体溶液の調製>
100mLのガラス製容器に、エタノール50.0g、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシド0.39gを秤量し、撹拌してペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシドのエタノール溶液を調製した。なお、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシドは、チタン原子に対してペンタメチルシクロペンタジエニル基が配位してなる化合物である。よって、ここで調製される溶液は、金属アルコキシド溶液であり、かつ、金属錯体溶液である。
(STEP2)
<コーティング液の調製>
100mLのガラス製容器に、上記で調製したポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液45.0g、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシドのエタノール溶液5.0gを入れ、撹拌してコーティング液E25を調製した。
コーティング液E1〜E25の処方を表7に示す。また、コーティング液C1〜C13の処方の概要を表8に示す。
Figure 2016200819
Figure 2016200819
〔ポリメタロキサンの構造解析〕
各コーティング液から形成されるポリメタロキサンの構造を以下の方法で解析した。
(1)重合体のフェノール性水酸基とメタロキサン中の金属原子との結合の有無:固体NMR
(2)ポリメタロキサン中のメタロキサン結合の有無:固体NMR
(3)ポリメタロキサン中の金属原子の有無:EDAX、
(4)メタロキサン構造中の金属原子への配位子の配位の有無:固体NMR
(5)ポリメタロキサンの結晶構造解析:XRD
以下、分析方法を詳細に説明する。
(1)固体NMR解析
エタノールで脱脂したアルミニウム製のシート上に、コーティング液E2およびコーティング液C4を各々滴下した。次いで、該シートを300rpmで2秒間回転させて成膜した。次いで、常温常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境下で60分間乾燥させ、更に熱風循環乾燥炉に入れ、温度80℃で60分間乾燥させた。得られた膜を、該シートからはく離し、粉砕して測定用の試料とした。
得られた試料について、核磁気共鳴装置(商品名:NMR spectrometer ECX 500 II;株式会社JOEL RESONANCE Inc.,製)を用いて固体NMR(13C−CPMAS法)を測定し、NMR解析を行った。なお、測定では、試料管外径は3.2mmのものを使用し、MAS速度は15kHz、積算回数は256回という条件を使用した。
測定結果を図4に示す。コーティング液C4中のポリビニルフェノールは、ルチル型酸化チタンとは反応しない。従って、図4のコーティング液C4由来の試料のスペクトルチャートに示したように、ポリビニルフェノール中の水酸基と結合している炭素原子のピークDの化学シフトは認められない。と一方、コーティング液E2から作製した試料では、コーティング液C4由来の試料に係るスペクトルには存在していなかったピークD´が表れた。これは、ポリビニルフェノール中の水酸基と結合していた炭素原子のピークDが、水酸基がチタンイソプロポキシドと反応したために化学シフトしたものであると推定される。したがって、ポリビニルフェノールとチタンイソプロポキシドが反応していることが確認された。
コーティング液E1、E3〜E25についても同様にして構造を解析した。その結果、フェノール性水酸基と、ポリメタロキサン中の金属原子とが反応していることが確認された。
(2)NMR解析(コーティング液に含まれる化合物中のメタロキサン結合、例えば、Ti−O−Tiの結合の存在の確認)
酸素17標識水(50atom%)を用いて17Oを導入したコーティング液E2を作製して、核磁気共鳴装置(商品名:AVANCE500型NMR;ブルカー(Bruker Corporation)社製)を用いて溶液17ONMRを測定し、NMR解析を行った。
その結果、17ONMRスペクトルにて、300〜800ppmにピークが検出されることで、Ti−O−Ti結合が存在することが確認された。
(3)コーティング液から得られる膜中に金属原子が存在することの確認。
上記(1)と同様にして作製した試料を、走査型電子顕微鏡;SEM(商品名:S−3700N;株式会社日立ハイテクノロジーズ製)で観察し、エネルギー分散型X線分析器(商品名:Xflash6/30;ブルカー(Bruker Corporation)社製)を用いて元素分析を行った。印加電圧20kV、プローブ電流80mAとして、倍率が300倍の視野にて行った。
その結果、Ti原子由来のKアルファ線ピークが約4.5keVに現れ、Ti原子の存在が確認された。
(4)コーティング液E1、E3〜E25から得られる膜が、金属に配位子が配位していることの確認。
上記(1)に記載の固体NMR解析用の試料の調製において、コーティング液2をコーティング液E1に変えた。それ以外は、上記(1)に記載の試料調製方法と同じ方法で試料を作製した。この試料を、核磁気共鳴装置(商品名:AVANCEIII500型NMR;ブルカー(Bruker Corporation)社製)を用いて固体NMR(13C−CPMAS法)を測定し、NMR解析を行った。なお、測定では、試料管外径は3.2mmのものを使用し、MAS速度は15kHz、積算回数は256回という条件を使用した。
その結果、13CNMRスペクトルにて、160ppmに検出されるピーク(O−アニス酸のメトキシ基に結合している炭素原子に帰属)が低磁場にシフトすることで、O−アニス酸がTiに配位していることが確認された。
また、コーティング液E3〜E25についても上記と同様にして試料を調製し、解析した。その結果、金属に配位子が配位していることを確認した。
(5)XRDによる結晶構造解析
エタノールで脱脂したアルミニウム製のシート上に、コーティング液E2およびコーティング液C4を各々滴下した、次いで、該シートを300rpmで2秒間回転させて成膜した。次いで、常温常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境下で60分間乾燥させ、更に熱風循環乾燥炉に入れ、温度80℃で60分間乾燥させた。得られた膜を、該シートからはく離し、粉砕して測定用の試料とした。
得られた試料を、アルミニウム製の試料ホルダーに測定面が平滑に揃うように敷き詰め、X線回折装置(商品名:RINT−TTRII;株式会社リガク製)を用いて、2θ/θスキャンを行い、2θ=3〜60°で測定した。なお、X線回折測定は、平行ビーム法にて、X線出力50kV、300mAのCuKα線を用い、発散縦制限スリット10.0mmとして行った。
得られたX線回折チャートを図5(a)および図5(b)に示す。図5(a)に示すように、コーティング液C4(比較例4)から調製した試料においては、ルチル型結晶構造酸化チタンのピークが観察された。一方、図5(b)に示したように、コーティング液E2(実施例2)から調製した試料においては、結晶構造由来のピークは存在しなかった。このことから、コーティング液E2から形成される表面層はアモルファス状態であることが推察される。
コーティング液E1、E3〜E25を用いて作成した試料についても上記と同様にして結晶構造解析を行った。その結果、いずれの試料からも結晶構造由来のピークは観察されず、アモルファス状であることを確認した。
(実施例1)
〔導電性弾性ローラ1の作製〕
下記表9に示した材料を6L加圧ニーダー(商品名:TD6−15MDX、トーシン社製)にて、充填率70体積%、ブレード回転数30rpmで24分混合して、未加硫ゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物174質量部に対して、加硫促進剤としてのテトラベンジルチウラムジスルフィド[商品名:サンセラーTBzTD、三新化学工業(株)製]4.5部、加硫剤としての硫黄1.2部を加えた。そして、ロール径12インチのオープンロールで、前ロール回転数8rpm、後ロール回転数10rpm、ロール間隙2mmで、左右の切り返しを合計20回実施した。その後、ロール間隙を0.5mmとして薄通し10回を行い、導電性弾性層用の「混練物1」を得た。
Figure 2016200819
次に、直径6mm、長さ252mmの円柱形、鋼製の支持体(表面をニッケルメッキ加工したもの。以下「芯金」という)を準備した。そして、この芯金上の軸方向中央を挟んで両側115.5mmまでの領域(あわせて軸方向幅231mmの領域)に、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を塗布した。これを温度80℃で30分間乾燥させた後、さらに120℃で1時間乾燥させて接着層を形成した。
混練物1を、クロスヘッドを用いた押出成形によって、上記接着層付き芯金を中心として、同軸状に外径8.75〜8.90mmの円筒形に同時に押出し、端部を切断して、芯金の外周に未加硫の導電性弾性層を積層したローラを得た。押出機はシリンダー径70mm、L/D=20の押出機を使用し、押出時の温調はヘッド、シリンダー、スクリューの温度を90℃とした。
次に上記ローラを異なる温度設定にした2つのゾーンをもつ連続加熱炉を用いて加硫した。第1ゾーンを温度80℃に設定し、30分で通過させ、第2ゾーンを温度160℃に設定し、こちらも30分通過させ、導電性弾性ローラ1を得た。
次に、この導電性弾性ローラ1の導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分の軸方向幅を232mmとした。その後、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨(ワーク回転数333rpm、砥石回転数2080rpm、研磨時間12sec)した。こうすることで、端部直径8.26mm、中央部直径8.50mmのクラウン形状で、表面の十点平均粗さRzが5.5μmで、振れが18μm、硬度が73度(アスカーC)の導電性弾性ローラ1を得た。
十点平均粗さRzjisは、JIS B 0601:2013に準拠して測定した。振れの測定は、(株)ミツトヨ製高精度レーザー測定機LSM430vを用いて行った。詳しくは、該測定機を用いて外径を測定し、最大外径値と最小外径値の差を外径差振れとし、この測定を5点で行い、5点の外径差振れの平均値を被測定物の振れとした。アスカーC硬度の測定は、測定環境25℃、55%RHで、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g加重の条件で行った。
〔表面層の形成〕
導電性弾性層ローラ1上にコーティング液E1を、吐出量0.120ml/s(リング部のスピード:85mm/s)でリング塗布した。これを常温、常圧で放置して乾燥させた後に、254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cmになるようにこのローラに照射し、表面層を形成した。紫外線の照射には低圧水銀ランプ[(ハリソン東芝ライティング(株)(新社名)東芝ライテック株式会社)製]を用いた。以上のようにして帯電部材E1を作製した。
〔異常放電の評価〕
レーザープリンタ(商品名:HPColorLaserJetCP4525、HP社製)用のシアンカートリッジに装着されている帯電ローラを先に作製した帯電部材E1に置き換えた。レーザープリンタ(商品名:HPColorLaserJetCP4525、HP社製、感光体の電荷輸送層の膜厚21μm)に上記のカートリッジをセットして、A4サイズの用紙にハーフトーン画像を形成した。なお、電子写真画像の形成に際して、前露光は行わず、また、帯電電圧を−1141V、転写電圧を2575Vに設定した。この設定は、異常放電がより発生しやすい環境を作り出すためのものである。また、電子写真画像の出力は、低温低湿環境(温度15℃、湿度10%)の下で行った。
そして、得られたハーフトーン画像について、異常放電に起因する画像ムラの有無を目視で観察することにより、異常放電が発生したか否かを評価した。その結果を表10に示す。
なお、表10において、錯体形成後の金属原子に結合しているアルコキシル基と当モル量のイオン交換水を添加した場合を、ROR=1と表現した。
また、表10において、「M/L」は、各帯電ローラの表面層を構成しているポリメタロキサン中の配位子のモル数(L)と金属原子のモル数(M)の比を表している。従って、帯電部材No.E1においては表面層を構成しているポリメタロキサン中の1個のTi原子に対して2個の配位子が配位していることを示している。
A:異常放電なし
B:異常放電あり
(実施例2〜25、比較例1〜13)
コーティング液E2〜25、コーティング液C1〜C13を用いたこと以外は実施例1と同様にして、帯電部材E2〜22、帯電部材C1〜13を作製し評価に供した。評価結果は、表10にまとめて記載した。
Figure 2016200819
(実施例26〜27、比較例14)
配位子用化合物のo−アニス酸およびキナルジン酸は電子親和力が高いため、これらを用いて作製した重合体は、特にHOMOが浅いと考えられる。これらの配位子用化合物を用いて作製した帯電部材をより異常放電が起こりやすい厳しい条件で評価するために、上記実施例における異常放電の評価において感光体の電荷輸送層がより厚い(27.5μm)感光体を用いて評価を行った。
評価は、配位子用化合物としてo−アニス酸を用いた帯電部材E1(実施例26)、キナルジン酸を用いた帯電部材E22(実施例27)、および帯電部材C1(比較例14)について行った。なお、電子写真画像の形成に際して、前露光は行わず、また、帯電電圧を−1141V、転写電圧を1856Vに設定した。これ以外は実施例1と同様にして異常放電が発生したか否かを評価した。
この結果を表11に示す。帯電部材C1では異常放電が発生したのに対し、帯電部材E1および帯電部材E22では異常放電が観測されなかった。
Figure 2016200819
1 支持体
2 弾性層
3 表面層
4 感光体
5 帯電ローラ
6 現像ローラ
8 転写ローラ
11 露光光
14 クリーニング装置

Claims (19)

  1. 支持体および表面層を有する帯電部材であって、
    該表面層は、
    構造式(a1)で示される構造を有するポリメタロキサンを含み、
    該ポリメタロキサン中のM1と、構造式(a2)で示される構成単位中の炭素原子とが、構造式(a3)で示される連結基によって結合していることを特徴とする帯電部材:
    Figure 2016200819

    [構造式(a1)において、
    M1はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeのいずれかの金属原子を示し、sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
    M1が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
    M1が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
    M1が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
    M1が、Vの場合、k=3または5であり、
    L1は、下記式(b)で表される構造を有する配位子または式(c)で表される構造を有する配位子を表す。
    Figure 2016200819

    (式(b)中、
    X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を表し、
    Y1は、M1に配位する部位を有する基を表し、
    A1は、M1、X1、およびY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表し、
    記号「**」はM1に結合または配位する部位を表す。)
    Figure 2016200819

    式(1)〜(4)中、記号「**」はM1との結合部位を表し、記号「***」はA1との結合部位を表す。
    Figure 2016200819

    式(c)中、R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を表し、記号「****」はM1との配位部位を表す。
    構造式(a2)中、R1〜R3は各々独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、記号「*1」は、構造式(a3)のZとの結合部位を示す。
    構造式(a3)中、
    Zは置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、但し、置換されている場合の置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
    記号「*1」は、構造式(a2)中の記号「*1」との結合位置を表し、
    記号「*2」は、構造式(a1)中のM1との結合位置を表す。)。
  2. 前記ポリメタロキサンが、下記構造式(a4)で示される構造を更に有する請求項1に記載の帯電部材:
    Figure 2016200819

    [構造式(a4)中、M1、kおよびL1は、構造式(a1)におけるM1およびkと同義であり、tは、0以上、k−1以下の整数を示す。]。
  3. 前記A1は、結合、アルキレン基、アルケニレン基、または、置換もしくは未置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環からなる群より選ばれるいずれかの環を含む原子団である請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記Y1は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、カルボニル基、アルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、チオカルボニル基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のイミノ基、置換もしくは未置換の脂肪族の複素環骨格を有する基、または、置換もしくは未置換の芳香族の複素環骨格を有する基である請求項1〜3のいずれか一項に記載の帯電部材。
  5. 前記A1は、結合、アルキレン基、または、置換もしくは未置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環からなる群より選ばれるいずれかの環を含む原子団である請求項1〜4のいずれか一項に記載の帯電部材。
  6. 前記構造式(a1)中の「s」が、1以上(k−2)以下の整数である請求項1〜5のいずれか一項に記載の帯電部材。
  7. 前記A1、M1、X1およびY1によって形成される環が5員環または6員環である請求項1〜6のいずれか一項に記載の帯電部材。
  8. 前記X1が前記式(1)で表される構造である場合、L1が下記式(5)〜(9)のいずれかで表される構造を有する配位子である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の帯電部材。
    Figure 2016200819

    (式(5)〜(8)中、R101〜104は、それぞれ独立して、水素原子、メトキシ基、または、エトキシ基であり、Y11〜Y14は、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基であり、記号「**」はM1との結合部位を表す。)
    Figure 2016200819

    (式(9)中、R105は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基であり、R106は、水素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基であり、R107は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、または、ベンジル基であり、記号「**」はM1との結合部位を表す。)。
  9. 前記X1が前記式(2)〜(4)のいずれかで表される構造である場合、
    前記A1が、結合、メチレン基、エチレン基、または、トリメチレン基であり、
    前記X1が、下記式(2a)〜(2c)、(3)および(4)のいずれかで表される構造であり、
    前記Y1が、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の帯電部材。
    Figure 2016200819

    (式(2a)〜(2c)、(3)および(4)中、記号「**」はM1との結合部位を表し、記号「***」はA1との結合部位を表す。)
  10. 前記構造式(a2)で示される構成単位を有する重合体が、ビニルフェノールを構成単位として有する重合体またはノボラック型フェノール樹脂である請求項1〜9のいずれか一項に記載の帯電部材。
  11. 支持体および表面層を有する帯電部材であって、
    該表面層は、
    ・フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と
    ・下記式(d)で表される構造を有する金属アルコキシド
    との反応物を含み、
    該反応物がアモルファス状であることを特徴とする帯電部材。
    Figure 2016200819

    (式(d)中、
    M2は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeからなる群より選ばれる金属原子を表し、
    pは0以上の整数を表し、但し、(q−p)は2以上であり、
    M2がAl、Ga、Inの場合、q=3、
    M2がTi、Zr、Hf、Geの場合、q=4、
    M2がNb、Ta、Wの場合、q=5、
    M2がVの場合、q=3または5であり、
    R2は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、
    L2は、下記式(e)で表される構造を有する配位子または式(f)で表される構造を有する配位子を表す。)
    Figure 2016200819

    (式(e)中、
    X2は、下記式(10)〜(13)で表されるいずれかの構造を表し、
    Y2は、M2に配位する部位を有する基を表し、
    A2は、M2、X2、およびY2と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表し、
    記号「**」はM2に結合または配位する部位を表す。)
    Figure 2016200819

    (式(10)〜(13)中、記号「**」はM2との結合部位を表し、記号「***」はA2との結合部位を表す。)
    Figure 2016200819

    (式(f)中、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を表し、記号「****」はM2との配位部位を表す。)。
  12. 前記A2は、結合、アルキレン基、アルケニレン基、置換もしくは未置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環からなる群より選ばれるいずれかの環を含む原子団である請求項11に記載の帯電部材。
  13. 前記Y2は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、カルボニル基、アルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、チオカルボニル基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のイミノ基、置換もしくは未置換の脂肪族の複素環骨格を有する基、または、置換もしくは未置換の芳香族の複素環骨格を有する基である請求項11または12に記載の帯電部材。
  14. 前記A2は、結合、アルキレン基、または、置換もしくは未置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環からなる群より選ばれるいずれかの環を含む原子団である請求項11〜13のいずれか一項に記載の帯電部材。
  15. 前記式(d)中の「p」が、1以上の整数である請求項11〜14のいずれか一項に記載の帯電部材。
  16. 前記A2、M2、X2およびY2によって形成される環は5員環または6員環である請求項11〜15のいずれか一項に記載の帯電部材。
  17. 前記フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体が、ビニルフェノールを構成単位として有する重合体またはノボラック型フェノール樹脂である請求項11〜16のいずれか一項に記載の帯電部材。
  18. 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、該帯電部材が請求項1〜17のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  19. 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置であって、該帯電部材が請求項1〜17のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。
JP2016078263A 2015-04-10 2016-04-08 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Active JP6664262B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015081145 2015-04-10
JP2015081145 2015-04-10

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016200819A true JP2016200819A (ja) 2016-12-01
JP6664262B2 JP6664262B2 (ja) 2020-03-13

Family

ID=56986305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016078263A Active JP6664262B2 (ja) 2015-04-10 2016-04-08 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10078286B2 (ja)
JP (1) JP6664262B2 (ja)
CN (1) CN106054557B (ja)
DE (1) DE102016106442B4 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10365576B2 (en) 2016-12-21 2019-07-30 Canon Kabushiki Kaisha Charging member, method for producing charging member, process cartridge and electrophotographic image forming apparatus

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9740133B2 (en) 2015-09-30 2017-08-22 Canon Kabushiki Kaisha Charging member, process cartridge and electrophotographic image forming apparatus
US10459356B2 (en) * 2016-10-07 2019-10-29 Canon Kabushiki Kaisha Charging member, process cartridge and electrophotographic image forming apparatus
US10416588B2 (en) 2016-10-31 2019-09-17 Canon Kabushiki Kaisha Charging member, process cartridge, electrophotographic image forming apparatus, and method for manufacturing charging member
US10248042B2 (en) 2017-06-02 2019-04-02 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic roller, process cartridge and electrophotographic apparatus
JP7336289B2 (ja) 2018-07-31 2023-08-31 キヤノン株式会社 電子写真用部材、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
JP7114409B2 (ja) 2018-08-31 2022-08-08 キヤノン株式会社 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
WO2020184312A1 (ja) 2019-03-08 2020-09-17 キヤノン株式会社 現像剤担持体、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08171262A (ja) * 1994-12-16 1996-07-02 Canon Inc 帯電部材とこれを用いた帯電装置及び画像形成装置
JP2000122377A (ja) * 1998-10-09 2000-04-28 Canon Inc 画像形成装置および帯電部材
JP2000162825A (ja) * 1998-09-22 2000-06-16 Orient Chem Ind Ltd 荷電制御剤及び静電荷像現像用トナ―
JP2005315979A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Canon Inc 導電性部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
US20110129258A1 (en) * 2009-12-01 2011-06-02 Samsung Electronics Co., Ltd Charging roller for image forming apparatus and manufacturing method thereof
JP2012063759A (ja) * 2010-08-19 2012-03-29 Canon Inc 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
WO2013145616A1 (ja) * 2012-03-29 2013-10-03 キヤノン株式会社 電子写真用部材の製造方法及びコーティング液

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2894508B2 (ja) 1990-07-20 1999-05-24 キヤノン株式会社 帯電用部材
JP2001173641A (ja) * 1999-12-15 2001-06-26 Suzuka Fuji Xerox Co Ltd 導電性ロール
US20060226572A1 (en) 2005-04-06 2006-10-12 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic endless belt, electrophotographic apparatus, and process for producing electrophotographic endless belt
WO2007100069A1 (en) 2006-02-28 2007-09-07 Canon Kabushiki Kaisha Charging member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP5147510B2 (ja) 2007-04-27 2013-02-20 キヤノン株式会社 電子写真用ローラ部材の製造方法
WO2012001881A1 (ja) * 2010-06-30 2012-01-05 キヤノン株式会社 導電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
JP4921607B2 (ja) * 2010-09-03 2012-04-25 キヤノン株式会社 帯電部材およびその製造方法
WO2012046862A1 (ja) 2010-10-04 2012-04-12 キヤノン株式会社 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
CN103380403B (zh) 2011-02-15 2015-06-10 佳能株式会社 充电构件、其生产方法、处理盒和电子照相设备
KR101453238B1 (ko) 2011-03-09 2014-10-22 캐논 가부시끼가이샤 대전 부재, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치
KR101469408B1 (ko) 2011-04-25 2014-12-04 캐논 가부시끼가이샤 대전 부재, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치
EP2703899B1 (en) 2011-04-27 2015-07-08 Canon Kabushiki Kaisha Charging member, process cartridge, electrophotographic device, and method for producing charging member
KR101518661B1 (ko) 2011-04-28 2015-05-07 캐논 가부시끼가이샤 대전 부재, 대전 부재의 제조 방법, 전자 사진 장치 및 프로세스 카트리지
WO2012147338A1 (ja) 2011-04-28 2012-11-01 キヤノン株式会社 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
WO2013088683A1 (ja) 2011-12-14 2013-06-20 キヤノン株式会社 電子写真用部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
CN104115071B (zh) * 2012-02-06 2016-03-23 佳能株式会社 充电构件和电子照相设备
JP5925051B2 (ja) 2012-05-22 2016-05-25 キヤノン株式会社 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP5943721B2 (ja) 2012-06-06 2016-07-05 キヤノン株式会社 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP6184309B2 (ja) 2012-12-11 2017-08-23 キヤノン株式会社 電子写真用部材、プロセスカ−トリッジおよび電子写真装置
EP3088961B1 (en) * 2013-12-27 2021-03-10 Canon Kabushiki Kaisha Charging member, process cartridge, and electrophotographic image formation device

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08171262A (ja) * 1994-12-16 1996-07-02 Canon Inc 帯電部材とこれを用いた帯電装置及び画像形成装置
JP2000162825A (ja) * 1998-09-22 2000-06-16 Orient Chem Ind Ltd 荷電制御剤及び静電荷像現像用トナ―
JP2000122377A (ja) * 1998-10-09 2000-04-28 Canon Inc 画像形成装置および帯電部材
JP2005315979A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Canon Inc 導電性部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
US20110129258A1 (en) * 2009-12-01 2011-06-02 Samsung Electronics Co., Ltd Charging roller for image forming apparatus and manufacturing method thereof
JP2012063759A (ja) * 2010-08-19 2012-03-29 Canon Inc 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
WO2013145616A1 (ja) * 2012-03-29 2013-10-03 キヤノン株式会社 電子写真用部材の製造方法及びコーティング液

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10365576B2 (en) 2016-12-21 2019-07-30 Canon Kabushiki Kaisha Charging member, method for producing charging member, process cartridge and electrophotographic image forming apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
US10078286B2 (en) 2018-09-18
CN106054557B (zh) 2019-04-19
US20160299450A1 (en) 2016-10-13
JP6664262B2 (ja) 2020-03-13
DE102016106442B4 (de) 2020-11-12
DE102016106442A1 (de) 2016-10-13
CN106054557A (zh) 2016-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6664262B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP6399924B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
JP5264873B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP5943690B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP5818548B2 (ja) 帯電部材、その製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4948668B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP5843646B2 (ja) 帯電部材、その製法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
EP3121655B1 (en) Charging member, process cartridge and electrophotographic image forming apparatus
US10459356B2 (en) Charging member, process cartridge and electrophotographic image forming apparatus
JP2016200820A (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2018063423A (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
JP6541437B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP6779675B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200218

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6664262

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151