JP2018063423A - 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低温低湿環境下においても、異常放電の発生を抑制できる帯電部材を提供する。【解決手段】帯電部材は、導電性支持体1、導電性弾性層2、および、表面層3を有し、導電性弾性層は、絶縁性ドメインを、その少なくとも一部が該導電性弾性層の表面に露出するように含有し、表面層は、下記式で表される構造を有するポリメタロキサンを含み、式(a1)中のM1と、式(a2)で表される構造単位中の炭素原子とが、式(a3)で表される連結基を介して結合している。【選択図】図1

Description

本発明は、帯電部材、それを用いたプロセスカートリッジ、および、電子写真画像形成装置(以下、「電子写真装置」と称す)に関する。
電子写真感光体(以下、「感光体」と称す)の表面を帯電する方式の1つとして、接触帯電方式がある。接触帯電方式は、感光体に接触配置された帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材と該感光体との間の当接部近傍で微少な放電をさせることによって、該感光体の表面を帯電する方式である。接触帯電方式においては、一般的に、所望の電気抵抗値を得るために導電性弾性層を有する帯電部材が用いられる。導電性弾性層の電気抵抗値は、吸湿吸水によって変動することが知られている。そこで、吸湿吸水による電気抵抗値の変動を低く抑えるために、特許文献1では、導電性ロールの導電性弾性層上に、ゾル−ゲル法によって無機酸化物被膜を形成することを提案している。
特開2001−355628号公報
近年、電子写真画像形成プロセスの高速化に伴い、感光体を帯電させる時間が相対的に短くなってきており、感光体を安定かつ確実に帯電させる上で不利な方向となっている。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る導電性ロールを帯電部材として用いた場合、プロセススピードの高速化に伴い、特に低温低湿環境下において局所的な強い放電(異常放電)が発生する場合があることが分かった。そして、その異常放電に起因して、数十μm〜数mm程度の画像ムラが発生する場合があることが分かった。
本発明の一態様は、低温低湿環境下においても局所的な強い放電(異常放電)の発生を抑制することができる、優れた帯電能力を有する帯電部材の提供に向けたものである。また、本発明の他の態様は、低温低湿環境下においても局所的な強い放電(異常放電)の発生を抑制でき、高品位な電子写真画像を形成可能なプロセスカートリッジおよび電子写真装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、導電性支持体、導電性弾性層、および、表面層を有する帯電部材であって、
該導電性弾性層は、絶縁性ドメインを、その少なくとも一部が該導電性弾性層の表面に露出するように含有し、
該表面層は、下記構造式(a1)で表される構造を有するポリメタロキサンを含み、該構造式(a1)中のM1と、下記構造式(a2)で表される構造単位中の炭素原子とが、下記構造式(a3)で表される連結基を介して結合している帯電部材が提供される:
[構造式(a1)中、
M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeからなる群より選択されるいずれかの金属原子を示し、
M1が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M1が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M1が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M1が、Vの場合、k=3または5であり、
sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
L1は、下記式(b)で表される構造を有する配位子、または下記式(c)で表される構造を有する配位子を示す:
(式(b)中、
X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を示し、
Y1は、前記構造式(a1)中のM1に配位する部位を有する基を示し、
A1は、M1、X1およびY1と共に4〜8員環を形成するために必要な直接結合または原子団を示し、
記号「**」は、M1に結合または配位する部位を示す:
式(1)〜(4)中、
記号「**」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示し、
記号「***」は、前記式(b)中のA1との結合部位を示す。))
(式(c)中、
R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を示し、
記号「****」は、前記構造式(a1)中のM1との配位部位を示す。)
構造式(a2)中、
R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、
記号「*1」は、前記構造式(a3)中のZとの結合部位を示す。
構造式(a3)中、
Zは、置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、ただし、置換フェニレン基における置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、前記構造式(a2)中の記号「*1」との結合部位を示し、
記号「*2」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示す。]。
また、本発明の他の態様によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、該帯電部材が前記帯電部材であるプロセスカートリッジが提供される。
さらに、本発明の他の態様によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置であって、該帯電部材が前記帯電部材である電子写真装置が提供される。
本発明の一態様によれば、低温低湿環境下においても局所的な強い放電(異常放電)の発生を抑制することができる、優れた帯電能力を有する帯電部材を提供することが可能となる。また、本発明の一態様によれば、低温低湿環境下においても局所的な強い放電(異常放電)の発生を抑制でき、高品位な電子写真画像を形成可能なプロセスカートリッジ、および、電子写真装置を提供することが可能となる。
本発明に係る帯電部材の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る絶縁性ドメインの一例を示す説明図である。 本発明に係る電子写真装置の一例を示す概略断面図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。 コーティング液E2およびコーティング液C4から作成した試料の固体NMRのチャートである。 コーティング液E2およびコーティング液C4から作成した試料のXRDによる結晶構造解析結果を示す図である。
近年、電子写真画像形成プロセスの高速化に伴い、感光体を帯電させる時間が相対的に短くなってきており、感光体を安定かつ確実に帯電させる上で不利な方向となっている。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る導電性ロールを帯電部材として用いた場合、プロセススピードの高速化に伴い、特に低温低湿環境下において局所的な強い放電(異常放電)が発生する場合があることが分かった。そして、その異常放電に起因して、数十μm〜数mm程度の画像ムラが発生する場合があることが分かった。
そこで、本発明者らは、異常放電発生を抑制することができる、優れた帯電能力を有する帯電部材を得るべく検討を重ねた。その結果、特定の構造を有するポリメタロキサンを含む表面層を有する帯電部材が、異常放電の発生を極めて有効に抑制し得ることを見出した。
本発明の一態様に係る帯電部材は、導電性支持体、導電性弾性層、および、表面層を有する。該導電性弾性層は、絶縁性ドメインを、その少なくとも一部が該導電性弾性層の表面に露出するように含有する。
また、該表面層は、下記構造式(a1)で表される構造を有するポリメタロキサンを含み、該構造式(a1)中のM1と、下記構造式(a2)で表される構造単位中の炭素原子とが、下記構造式(a3)で表される連結基を介して結合している。
[構造式(a1)中、
M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeからなる群より選択されるいずれかの金属原子を示し、
M1が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M1が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M1が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M1が、Vの場合、k=3または5であり、
sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
L1は、下記式(b)で表される構造を有する配位子、または下記式(c)で表される構造を有する配位子を示す:
(式(b)中、
X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を示し、
Y1は、前記構造式(a1)中のM1に配位する部位を有する基を示し、
A1は、M1、X1およびY1と共に4〜8員環を形成するために必要な直接結合または原子団を示し、
記号「**」は、M1に結合または配位する部位を示す:
式(1)〜(4)中、
記号「**」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示し、
記号「***」は、前記式(b)中のA1との結合部位を示す。))
(式(c)中、
R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を示し、
記号「****」は、前記構造式(a1)中のM1との配位部位を示す。)
構造式(a2)中、
R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、
記号「*1」は、前記構造式(a3)中のZとの結合部位を示す。
構造式(a3)中、
Zは、置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、ただし、置換フェニレン基における置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、前記構造式(a2)中の記号「*1」との結合部位を示し、
記号「*2」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示す。]。
該帯電部材は、上記の構成を有するため、低温低湿環境下においても異常放電の発生を抑制することが可能となる。
該帯電部材が異常放電の発生を抑制することができる理由は、以下のように考えられる。
大気中の近接放電現象は、パッシェンの法則に従い発生する。この現象は、遊離した電子が電界によって加速され、電極間に存在する分子や電極と衝突して、電子、陽イオンおよび陰イオンを生成する過程を繰り返す、電子雪崩の拡散現象である。この電子雪崩は電界に従って拡散し、拡散が最終的な放電電荷量を決定する。パッシェンの法則に従う条件よりも過剰な電界となれば、局所的な強い放電、すなわち異常放電が発生しやすくなる。
特に、低温低湿環境下では、常温常湿環境下と比較して電極間に存在する分子が少ないことから、パッシェンの法則から導かれる放電開始電圧よりも放電開始電圧が高くなる傾向にある。放電開始電圧が高くなることで、パッシェンの法則に従う条件よりも過剰な電界になりやすく、低温低湿環境下では異常放電が発生しやすい。
該帯電部材の導電性弾性層は、絶縁性ドメインを、その少なくとも一部が該導電性弾性層の表面に露出するように含有している。そのため、帯電部材に電圧を印加した際、帯電部材表面には、絶縁性ドメインとそれ以外の部分とで、電界強度に差(以下、「電界強度分布」とも称す)が生じる。
ここで、本態様に係る表面層では、メタロキサン中の金属原子M1と、フェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体のフェノール性水酸基とが反応し、構造式(a3)に示すように、「−Z−O−M1」なる結合が生成しているものと考えられる。そして、このような結合を有するポリメタロキサンは、当該結合を有しないポリメタロキサンと比較して最高被占軌道(HOMO)が浅い。
このことにより、本発明に係る帯電部材は、その表面層から電子がより放出されやすくなっているものと推定される。そのため、当該帯電部材は、放電開始電圧を小さくでき、放電電荷量を抑制することができる。そのため、当該帯電部材は、異常放電の発生を有効に抑制し得るものと考えられる。また、このように、電子放出性の高い表面層を、導電性弾性層の表面に露出した絶縁性ドメイン上に形成することで、絶縁性ドメインによって形成される電界強度分布に従った緻密な放電を行うことが可能になる。
一般的に、絶縁性物質の大きさや材質によっては、放電が不安定となりやすい傾向にあるが、本発明に係る表面層を有することで、電子が放出されやすい状態を作り出すことができ、前述した電界強度分布に従った緻密な放電が可能になる。この緻密な放電により、前述した局所的な強い放電、すなわち、異常放電の発生を抑制することができると考えられる。
<帯電部材>
以下、本発明の一態様に係る帯電部材の具体例として、ローラ形状の帯電部材(以下、「帯電ローラ」とも称す)を挙げて、本発明を詳細に説明する。帯電部材の形状は、特に限定されるものではなく、ローラ形状の他、板状の如き形状であってもよい。
図1は、導電性支持体1上に形成された導電性弾性層2および表面層3を有する帯電ローラの断面図である。感光体の表面を帯電可能に配置される帯電部材は、感光体との当接ニップを十分に確保するために、導電性弾性層を有する構成であることが好ましい。導電性弾性層を有する帯電部材の最も簡単な構成は、導電性支持体上に導電性弾性層および表面層の2層を設けた構成である。本構成を満たすものであれば、導電性支持体と導電性弾性層との間に他の層を1つまたは2つ以上設けてもよい。
〔導電性支持体〕
導電性支持体は、感光体と当接するために十分な剛性を有する必要があり、金属材料が好ましく用いられる。金属材料としては、具体的には、鉄、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルが挙げられる。また、フィラーで強化された樹脂製の支持体を用いることも可能である。
〔導電性弾性層〕
導電性弾性層を構成する材料としては、従来帯電部材の導電性弾性層として用いられているゴムや熱可塑性エラストマーの如き弾性体から選択される1種または2種以上を用いることができる。ゴムとしては、具体的には、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムが挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系エラストマーおよびオレフィン系エラストマーが挙げられる。
導電性弾性層は、導電剤を含むことによって所定の導電性を有するように構成される。導電性弾性層の電気抵抗値は、1×10Ω以上、1×10Ω以下であることが好ましい。導電性弾性層に用いられる導電剤としては、炭素系材料、金属酸化物、金属、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質を挙げることができる。
炭素系材料としては、具体的には、導電性カーボンブラック、グラファイトが挙げられる。金属酸化物としては、具体的には、酸化スズ、酸化チタンおよび酸化亜鉛が挙げられる。金属としては、具体的には、ニッケル、銅、銀およびゲルマニウムが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、具体的には、第四級アンモニウム塩(ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウム)、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩)が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、具体的には、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩および高級アルコールエチレンオキサイド付加リン酸エステル塩が挙げられる。
帯電防止剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび多価アルコール脂肪酸エステルの如き非イオン性帯電防止剤が挙げられる。
電解質としては、周期律表第1族の金属の塩が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩としては、具体的には、LiCFSO、NaClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCNおよびNaClが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、周期律表第2族の金属の塩(Ca(ClO)や、該金属塩から誘導される帯電防止剤を用いることもできる。さらに、これらと、多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)またはその誘導体との錯体や、これらとモノオール(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル)との錯体の如きイオン導電性導電剤を用いることができる。
導電性弾性層の硬度は、帯電部材と被帯電体である感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する観点から、アスカーC硬度で20度以上90度以下であることが好ましい。また、導電性弾性層は、感光体と幅方向で均一に当接させるために、軸に沿う方向において、中央部の層厚が端部の層厚よりも厚い、いわゆるクラウン形状であることが好ましい。
(絶縁性ドメイン)
図2(a)〜(c)に示すように、本発明に係る導電性弾性層は、絶縁性ドメイン(1d)を、その少なくとも一部が、該導電性弾性層の表面に露出するように含有している。なお、本発明における絶縁性ドメインとは、体積抵抗率が1.0×1013Ω・cm以上の絶縁体からなる部分である。一方、絶縁性ドメイン以外の部分(1e、以下、「導電部」とも称す)は、体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以下の導電体からなる部分であり、絶縁性ドメインを分断している。
本態様において、絶縁性ドメインと導電部の構成は特に限定されない。例えば、絶縁性ドメイン1dが導電部1eに埋め込まれたような構成(図2(a))、絶縁性ドメイン1dの一部が導電部1eに埋め込まれた構成(図2(b))、導電部1e上に絶縁性ドメイン1dが形成される構成(図2(c))が挙げられる。これらの中でも、絶縁性ドメインは、図2(b)または(c)に示すように、導電性弾性層の表面に凸状に形成されていることが好ましい。導電性弾性層が表面に凸部を有することにより帯電部材と被帯電体との距離が変わることで、上述した電界強度分布がさらに強くなり、さらに高い異常放電抑制の効果を発現するためである。
絶縁性ドメイン1dの形状は、特に限定されるものではなく、球状、立方体状、直方体状等いずれの形状でもよい。絶縁性ドメインの面積は、1μm以上50000μm以下であることが好ましい。絶縁性ドメインの面積が上記範囲内であれば、帯電部材表面の電界強度分布を確実に形成することができ、異常放電抑制の効果をより高めることができる。なお、本発明において、絶縁性ドメインの面積は以下のような方法で測定する。
光学電子顕微鏡(商品名:VK−8700、株式会社キーエンス製)を用いて、導電性弾性層表面画像を撮影する。得られた画像において、絶縁性ドメインの面積を算出する。また、この面積と等しい面積を持つ円の直径を求め、絶縁性ドメインの直径とする。
絶縁性ドメインの直径は、1μm〜250μmであることが好ましい。絶縁性ドメインの直径が上記範囲内であれば、帯電部材表面の電界強度分布を確実に形成することができ、異常放電抑制の効果をより高めることができる。
また、絶縁性ドメインの高さは1μm以上であることが好ましい。絶縁性ドメインの高さが1μm以上であれば、帯電部材表面の電界強度分布を確実に形成することができ、異常放電抑制の効果をより高めることができる。
絶縁性ドメインを導電性弾性層の表面に露出させる方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。導電性ゴムや熱可塑性エラストマーに絶縁性粒子を添加して導電性弾性層を形成した後、絶縁性粒子を露出させて、絶縁性ドメインを形成する方法(第1の方法)、あるいは、予め作製した導電性弾性層上に絶縁性材料を供給する方法(第2の方法)。
(第1の方法)
第1の方法の一例を以下に詳述する。まず、導電部を形成する導電性ゴムに、体積抵抗率が1.0×1013Ω・cm以上の絶縁性粒子を添加して混合物を得る。そして、押出し成形等により、導電性支持体上に上記混合物を被覆することで、導電性弾性層を形成する。この際、ゴムを架橋するための加熱処理を行ってもよい。得られた導電性弾性層の表面を研磨し、絶縁性粒子を露出させることにより、絶縁性ドメインが表面に露出した導電性弾性層を形成することができる。
絶縁性粒子として、粒子の内部に内包物質を含み、熱を加えることにより内包物質が膨張して中空形状の樹脂粒子となる、いわゆる熱膨張性マイクロカプセルを用いることもできる。その場合は、上記導電性ゴムに熱膨張性マイクロカプセルを含有させた後、ゴムを架橋するための加熱処理を行うことにより、カプセルが膨張し、カプセルが導電性弾性層表面に露出する。これにより、前述した表面研磨を行うことなく、導電性弾性層上に凸状の絶縁性ドメインを形成することができる。
絶縁性粒子を添加する場合、絶縁性粒子としては、体積抵抗率が1.0×1013Ω・cm以上のものを、特に限定されることなく使用することができる。絶縁性粒子としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、これらの共重合体や誘導体の樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
絶縁性粒子として熱膨張性マイクロカプセルを用いることにより、絶縁性に最も優れた気体を絶縁性ドメインとして使用することが可能となる。熱膨張性マイクロカプセルを用いる場合、熱膨張性マイクロカプセルのシェル材として熱可塑性樹脂を用いる必要がある。熱可塑性樹脂の例を以下に挙げる。アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル酸樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、メタクリロニトリル樹脂、アクリル酸樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等。これらの中でも、ガス透過性が低く、高い反発弾性を示すアクリロニトリル樹脂、メタクリロニトリル樹脂から選択される少なくとも1種を含む熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これら熱可塑性樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、これら熱可塑性樹脂の単量体を共重合させて、共重合体として用いてもよい。
熱膨張性マイクロカプセルに内包させる物質(内包物質)としては、シェル材の熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度で気化するものが好ましく、例えば以下のものが挙げられる。プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンなどの低沸点液体、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、ノルマルデカン、イソデカンなどの高沸点液体等。
熱膨張性マイクロカプセルは、懸濁重合法、界面重合法、界面沈殿法、液中乾燥法といった公知の方法により製造することができる。例えば、懸濁重合法においては、重合性単量体、上記内包物質および重合開始剤を混合し、この混合物を、界面活性剤や分散安定剤を含有する水性媒体中に分散させた後、懸濁重合させる方法を例示することができる。なお、重合性単量体の官能基と反応する反応性基を有する化合物、有機フィラー等を添加することもできる。
重合性単量体としては、下記のものを例示することができる。アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート等)、メタクリル酸エステル(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等)、スチレン系モノマー、アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド、ブタジエン、ε−カプロラクタム、ポリエーテル、イソシアネート等。これらの重合性単量体は、1種を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤としては、公知のパーオキサイド開始剤およびアゾ開始剤等を使用できる。パーオキサイド開始剤としては、例えば、ジクミルパーオキシドが挙げられる。アゾ開始剤の具体例を以下に挙げる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルおよび2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル。これらの中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルが好ましい。重合開始剤を用いる場合、重合性単量体100質量部に対して、重合開始剤を0.01〜5質量部添加することが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子型分散剤等を使用できる。界面活性剤を使用する場合、重合性単量体100質量部に対して、界面活性剤を0.01〜10質量部添加することが好ましい。分散安定剤としては、有機微粒子(ポリスチレン微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリアクリル酸微粒子およびポリエポキシド微粒子等)、シリカ(コロイダルシリカ等)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、および、水酸化マグネシウム等が挙げられる。分散安定剤を使用する場合、重合性単量体100質量部に対して、分散安定剤を0.01〜20質量部添加することが好ましい。
懸濁重合は、耐圧容器を用いて、密閉下で行うことが好ましい。また、分散機等で懸濁してから、耐圧容器に移して懸濁重合してもよく、耐圧容器内で懸濁させてもよい。重合温度は、50℃〜120℃が好ましい。重合は、大気圧下で行ってもよいが、上記内包物質が気化しないようにするため、加圧下(大気圧に0.1〜1MPaを加えた圧力下)で行うことが好ましい。重合終了後は、遠心分離や濾過等によって、固液分離および洗浄等を行ってもよい。固液分離や洗浄を行った後に、熱膨張性マイクロカプセルを構成する樹脂の軟化温度以下にて乾燥や粉砕を行ってもよい。乾燥および粉砕は、既知の方法により行うことができ、例えば、気流乾燥機、順風乾燥機およびナウターミキサー等を使用できる。乾燥および粉砕は、粉砕乾燥機等を用いて同時に行うこともできる。界面活性剤および分散安定剤は、製造後に洗浄濾過等を繰り返すことにより除去することができる。
(第2の方法)
第2の方法としては、導電性弾性層の表面に複数の凹部を形成し、該凹部に液状の絶縁性材料を流し込む方法、および、絶縁性材料を、スクリーン印刷やジェットディスペンサーを用いて導電性弾性層上にドット状に塗布することにより、絶縁性ドメインを設ける方法が挙げられる。絶縁性材料としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
スクリーン印刷やジェットディスペンサーを用いて絶縁性材料をドット状に塗布する場合、塗料としては、乾燥後の体積抵抗率が1.0×1013Ω・cm以上のものであれば、特に制限なく使用することができる。塗料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂を含む塗料を、特に制限なく使用することができる。例えば、ウレタン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、ポリエチレン樹脂塗料、ポリプロピレン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、フッ素樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料が挙げられる。また、これら塗料は、溶媒で希釈して塗布することができる。溶媒としては、公知の溶媒を特に制限なく使用することができる。具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類;ヘキサン、トルエンの如き炭化水素類;メタノール、イソプロパノールの如きアルコール類;エステル類;水等が挙げられる。
〔表面層〕
表面層は、下記構造式(a1)で表される構造を有するポリメタロキサンを含み、構造式(a1)中の金属原子M1と、下記構造式(a2)で表される構造単位中の炭素原子とが、下記構造式(a3)で表される連結基を介して結合している。
構造式(a1)中、
M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeからなる群より選択されるいずれかの金属原子を示し、
M1が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M1が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M1が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M1が、Vの場合、k=3または5であり、
sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
L1は、前記式(b)で表される構造を有する配位子、または前記式(c)で表される構造を有する配位子を示す。
構造式(a2)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、記号「*1」は、前記構造式(a3)中のZとの結合部位を示す。
構造式(a3)中、Zは、置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、ただし、置換フェニレン基における置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、記号「*1」は、前記構造式(a2)中の記号「*1」との結合部位を示し、記号「*2」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示す。
該ポリメタロキサンは、金属原子M1と酸素原子とが結合しているメタロキサン構造を有する。ここで、M1は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選択されるいずれかの金属原子である。
M1は、金属錯体の安定性の観点から、チタン、タンタル、アルミニウムが好ましく、チタンがより好ましい。
例えば、構造式(a1)において、M1がTiであり、s=0の場合、本発明に係るポリメタロキサン中には、TiO3/2で表されるメタロキサン構造が存在する。そして、当該メタロキサン構造中のTiが、構造式(a3)で表される連結基を介して、構造式(a2)で表される構造単位中の炭素原子と結合していることとなる。
また、M1がTiであり、s=1の場合、ポリメタロキサン中には、TiO2/2(L1)で表されるメタロキサン構造が存在する。そして、当該メタロキサン構造中のTiに、L1として、後述する配位子(b)または(c)が配位すると共に、構造式(a3)で表される連結基を介して、構造式(a2)で表される構造単位中の炭素原子が結合していることとなる。
sは、構造式(a2)と結合することによって得られる柔軟性、および、HOMOがより浅くなり異常放電抑制能がさらに向上する点から、1以上、(k−2)以下の整数であることが好ましい。sは、1または2であることがより好ましい。
該ポリメタロキサンは、下記構造式(a4)で表される構造をさらに含んでいてもよい。かかる構造を含有することにより、表面層の性質を調整することができる。調整し得る表面層の性質としては、例えば、平滑性や強度が挙げられる。
構造式(a4)
M1O(k−t)/2(L1)
構造式(a4)において、M1、L1およびkは、それぞれ、構造式(a1)におけるM1、L1およびkと同義である。また、tは、0以上、k−1以下の整数を示す。
例えば、構造式(a4)において、M1がTiであり、t=0の場合、本発明に係るポリメタロキサンは、TiO4/2をさらに含むものとなる。また、M1がTiであり、t=1の場合、本発明に係るポリメタロキサンは、TiO3/2(L1)をさらに含むものとなる。
該ポリメタロキサン中の金属原子M1の存在は、例えば、エネルギー分散型X線分光分析装置(EDAX)を用いて確認することができる。また、メタロキサン構造の存在は、例えば、各種核磁気共鳴(NMR)分析により確認することができる。さらに、構造式(a1)中のM1が、構造式(a3)で表される連結基を介して構造式(a2)で表される構造単位中の炭素原子と結合していることは、例えば、固体NMR分析により確認することができる。具体的には、ポリビニルフェノールのフェニレン基中の水酸基と結合している炭素原子に起因するピークの低磁場側へのケミカルシフトによって確認することができる。分析方法および分析条件の詳細は、実施例において述べる。
次に、構造式(a1)中のL1に係る、式(b)で表される構造を有する配位子、および、式(c)で表される構造を有する配位子について、それぞれ説明する。
(式(b)で表される構造を有する配位子)
式(b)中、X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を示し、Y1は、構造式(a1)中のM1に配位する部位を有する基を示し、A1は、M1、X1およびY1と共に4〜8員環を形成するために必要な直接結合または原子団を示し、記号「**」は、M1に結合または配位する部位を示す。
なお、式(1)〜(4)中、記号「**」は、構造式(a1)中の金属原子M1との結合部位を示し、記号「***」は、式(b)中のA1との結合部位を示す。
式(2)中の窒素原子は、ピロール骨格、インドール骨格、ピロリジン骨格、カルバゾール骨格、イミダゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、ピラゾール骨格、インダゾール骨格、トリアゾール骨格、ベンゾトリアゾール骨格、テトラゾール骨格、ピロリドン骨格、ピペリジン骨格、モルホリン骨格、ピペラジン骨格の如き複素環骨格中の窒素原子であってもよい。
なお、式(2)では、窒素原子が直接、A1と結合しているように示されているが、該窒素原子が、上記複素環骨格中の窒素原子である場合は、後述する式(2c)に示すように、該窒素原子を含む複素環骨格中に、A1との結合部位(記号「***」を付した部位)を有していればよい。
上記複素環骨格は置換基を有していてもよい。該置換基としては、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が好ましい(以降の置換基についても特別な記載が無い限り同様とする。)。
式(2)中の窒素原子が複素環骨格中の窒素原子でない場合において、窒素原子に、A1およびM1以外で結合している原子または基(式(2)中の記号「**」または「***」が付されていない窒素原子との結合部位に結合している原子または基)としては、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。具体的には、水素原子;フェニル基、ナフチル基の如きアリール基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基の如き直鎖のアルキル基;イソプロピル基、t−ブチルの如き分岐のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基の如き環状アルキル基が挙げられる。
式(2)で表される基は、無置換のアミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基またはピロール骨格を有する2価の基から、窒素原子に結合する水素原子を1つ取り除いた基であることが好ましい。
式(b)中、Y1は、構造式(a1)中のM1に配位する部位を有する基であり、非共有電子対を有する原子を含む基である。具体的には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、置換または無置換のアリールオキシ基、カルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、置換または無置換のアリールチオ基、チオカルボニル基、置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のイミノ基が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルコキシ基が好ましい。
アリールオキシ基としては、フェノキシ基およびナフチルオキシ基が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。
アルキルチオ基としては、アルコキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
アリールチオ基としては、アリールオキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。
カルボニル基としては、ホルミル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基(R−CO−NR−またはR−NR−CO−)、ウレイド基(NH−CO−NH−)、ウレア基(R−NH−CO−NH−)が挙げられる。上記アルキルカルボニル基およびアルコキシカルボニル基中のアルキル基、並びに、アミド基およびウレア基中のRは、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐のアルキル基であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基の如き直鎖のアルキル基、イソプロピル基、t−ブチルの如き分岐のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましい。
なお、アルキルカルボニル基は、ベンジルカルボニル基のように、さらに、フェニル基等のアリール基が置換した基であってもよい。
アリールカルボニル基としては、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素とカルボニル基とが結合した基、または、置換もしくは無置換の芳香族複素環とカルボニル基とが結合した基が挙げられる。具体的には、置換または無置換の、フェニルカルボニル基およびナフチルカルボニル基が挙げられる。
チオカルボニル基としては、前記カルボニル基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
置換されたアミノ基としては、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、置換または無置換のアリールアミノ基が挙げられる。具体的には、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基の如き炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基の如き炭素数1〜10のジアルキルアミノ基、モノフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基の如き、置換または無置換の炭素数1〜10のアリールアミノ基が挙げられる。
無置換のイミノ基は、>C=NHまたは−N=CHと表される基である。無置換のイミノ基中の水素原子は、炭素数1〜10のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基(フェニル基、ナフチル基)によって置換されていてもよい。
また、Y1は、置換もしくは無置換の脂肪族複素環骨格を有する基、または、置換もしくは無置換の芳香族複素環骨格を有する基であってもよい。脂肪族複素環骨格としては、モルホリン骨格が挙げられる。芳香族複素環骨格としては、チオフェン骨格、フラン骨格、ピロール骨格、ピリジン骨格、ピラン骨格、ベンゾチオフェン骨格、ベンゾフラン骨格、キノリン骨格、イソキノリン骨格、オキサゾール骨格、ベンゾオキサゾール骨格、チアゾール骨格、ベンゾチアゾール骨格、チアジアゾール骨格、ベンゾチアジアゾール骨格、ピリダジン骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、フェナジン骨格、アクリジン骨格、キサンテン骨格、イミダゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、ピラゾール骨格、インダゾール骨格、トリアゾール骨格、ベンゾトリアゾール骨格およびテトラゾール骨格が挙げられる。なお、これらの骨格は、置換基を有していてもよい。
Y1は、上記例示した基の中でも、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換または無置換のフェノキシ基、置換または無置換のナフチルオキシ基、ホルミル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシカルボニル基、チオカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、エチルメチルアミド基、無置換のアミノ基、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノフェニルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、無置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基であることが好ましい。
式(b)中のA1は、M1、X1、およびY1と共に4〜8員環を形成するために必要な直接結合または原子団である。なお、直接結合とは、具体的には単結合または二重結合である。A1が直接結合である場合、X1とY1とが、単結合または二重結合によって直接結合する。直接結合は、単結合であることが好ましい。
A1が、M1、X1、およびY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な原子団である場合における、当該原子団の例を以下に挙げる。メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基の如き置換もしくは無置換のアルキレン基;ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基の如き置換もしくは無置換のアルケニレン基;置換もしくは無置換の芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環)を含む原子団。なお、上記アルケニレン基における置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基またはベンジル基が挙げられる。
A1は、単結合、アルキレン基、または、置換もしくは無置換の芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環)を含む原子団であることが好ましく、単結合、アルキレン基、または、置換もしくは無置換の芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、ピリジン環、インドール環、キノリン環およびイソキノリン環)を含む原子団であることがより好ましい。A1がこれらの直接結合または原子団である場合は、A1がアルケニレン基である場合と比較して、式(b)で表される構造の安定性が高く、異常放電の抑制効果がより高くなる。
A1が芳香環を含む原子団である場合、A1は、Y1の芳香族複素環、X1の芳香族複素環またはその両方の芳香族複素環と縮合環を形成してもよい。
A1、M1、X1、およびY1によって形成される環は、錯体の形成が容易である点から、5員環または6員環であることが好ましい。
以下に、式(b)で表される配位子の好ましい具体例を挙げる。
X1が式(1)で表される構造である場合、式(b)で表される配位子は、下記式(5)〜(9)で表される構造であることが好ましい。
(式(5)〜(8)中、R101〜104は、それぞれ独立して、水素原子、メトキシ基、または、エトキシ基であり、Y11〜Y14は、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、無置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基であり、記号「**」は、前記構造式(a1)中の金属原子M1との結合部位を示す。)
(式(9)中、R105は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基であり、R106は、水素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基であり、R107は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、または、ベンジル基であり、記号「**」は、前記構造式(a1)中の金属原子M1との結合部位を示す。)
X1が式(2)〜(4)のいずれかで表される構造である場合、X1、A1、および、Y1の好ましい組み合わせは、以下のとおりである。
A1が、単結合、メチレン基、エチレン基、または、トリメチレン基であり、X1が、下記式(2a)〜(2c)(これらは、前記式(2)に包含される構造である)、(3)または(4)のいずれかで表される構造であり、Y1が、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、無置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基である。
式(2a)〜(2c)、(3)および(4)中、記号「**」は、前記構造式(a1)中の金属原子M1との結合部位を示し、記号「***」は、前記式(b)中のA1との結合部位を示す。
構造式(a1)中の配位子L1を形成し得る化合物(以下、「配位子用化合物」と称す)のうち、式(b)で表される配位子用化合物の具体例を、表1〜4に示す。
表1〜4に示した配位子用化合物の中からいくつか取り上げて、具体的に説明する。
式(b)中のX1が、前記式(4)で表される配位子用化合物の例として、下記式(101)で示されるo−アニス酸が挙げられる。
o−アニス酸は、カルボキシル基の水素原子が外れて酸素原子が金属原子M1と結合し、メトキシ基(Y1)の酸素原子が金属原子M1と配位結合することにより、錯体を形成する。残部の1,2−フェニレン基がA1に該当する。o−アニス酸とチタンイソプロポキシドを、モル比2:1で混合した後、ポリビニルフェノールを更に混合した場合、例えば、下記式(102)に示す構造が形成されると考えられる。
X1が、前記式(1)で表される配位子用化合物の例として、下記式(103)で表される4−ヒドロキシ−5−アザフェナントレンが挙げられる。
4−ヒドロキシ−5−アザフェナントレンは、ヒドロキシ基の水素原子が外れて酸素原子が金属原子M1と結合し、ピリジン骨格(Y1)中の窒素原子が金属原子M1と配位結合することにより、錯体を形成する。ナフタレン骨格がA1に該当し、ピリジン骨格とナフタレン骨格が縮合して、アザフェナントレン骨格を形成している。
X1が、前記式(2)で表される配位子用化合物の例として、下記式(104)で表される2−アセチルピロールが挙げられる。
2−アセチルピロールは、ピロール骨格中の窒素原子が金属原子M1と結合し、メチルカルボニル基(Y1)の酸素原子が金属原子M1と配位結合することにより、錯体を形成する。メチルカルボニル基とピロール骨格をつなぐ単結合がA1に該当する。
また、配位子用化合物の他の例として、前記式(9)で表される配位子用化合物の例を以下に挙げる。なお、以下に挙げる化合物は、表1〜4に記載していないものである。
アセチルアセトン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−へプタンジオン、2,6−ジメチル−3,5−へプタンジオン、6−メチル−2,4−ヘプタンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、3−フェニル−2,4−ペンタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオンの如きβ−ジケトン、および、アセト酢酸メチル、3−オキソペンタン酸メチル、4−オキソヘキサン酸メチル、イソブチリル酢酸メチル、4,4−ジメチル−3−オキソ吉草酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸ベンジルの如きβ−ケトエステル。
これらのうち、例えば下記式(105)で表されるアセチルアセトンは、エノール体のヒドロキシ基の酸素原子がX1、メチルカルボニル基がY1に該当し、残部がA1に該当する。
アセチルアセトンとチタンイソプロポキシドを、モル比2:1で混合した後、ポリビニルフェノールを更に混合した場合、下記式(106)に示す構造が形成されると考えられる。
(式(c)で表される構造を有する配位子)
式(c)中、R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を示す。本発明に係るポリメタロキサンの最高被占軌道(HOMO)をより浅くするためには、R11〜R15の少なくとも1つは、電子供与性基であることが好ましい。すなわち、R11〜R15の少なくとも1つは、メチル基、t−ブチル基またはトリメチルシリル基であることが好ましい。記号「****」は、構造式(a1)中の金属原子M1との配位部位を示す。式(c)で表される構造の具体例を表5に示す。なお、表5に示した構造中、「Me」は、メチル基を意味する。
上記式(b)および式(c)で表される構造において、金属原子(M1)1原子当たりに配位する配位子L1の個数は一個に限られない。また、1種の配位子だけでなく、複数種の配位子が金属原子M1に配位していてもよい。
該ポリメタロキサンは、
・フェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体と、
・下記式(d)で表される構造を有する化合物と、
を反応させることによって得られるものである。
すなわち、該ポリメタロキサンは、フェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体と、下記式(d)で表される構造を有する金属アルコキシドとの反応物とも定義し得る。ここで、フェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体とは、構造式(a3)で表される構造を介して、構造式(a2)で表される構造を有する構造単位を含む重合体である。
本発明に係る表面層と、粒子状の酸化チタンをバインダー樹脂中に含んでなる表面層との差異は、本発明に係る表面層は、粒子状の酸化チタンが存在していれば観察される結晶構造が観察されないことである。すなわち、本発明に係る、フェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体と、式(d)で表される構造を有する化合物との反応物は、アモルファス状である。なお、当該反応物がアモルファス状であることは、例えば、X線回折装置(XRD)による結晶構造解析を行うことにより確認することができる。詳細な分析方法および分析条件は、実施例にて詳述する。
フェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体としては、ポリビニルフェノール(ポリヒドロキシスチレン)の如きビニルフェノールを構造単位として含む重合体、および、ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。
M2(OR21)q−p(L2) (d)
式(d)中、M2は、前記構造式(a1)中のM1と同義であり、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeからなる群より選択されるいずれかの金属原子を示す。R21は、炭素数1〜10の炭化水素基を表す。R21は、炭素数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。
pは0以上q以下の整数を示し、但し、(q−p)は、2以上である。また、qに関しては、M2がAl、Ga、Inの場合、q=3;M2がTi、Zr、Hf、Geの場合、q=4;M2がNb、Ta、Wの場合、q=5;M2がVの場合、q=3または5である。なお、pは、(q−p)が2以上であることを前提として、好ましくは1以上q以下の整数である。すなわち、pが1以上である金属アルコキシドを用いることによって得られる本発明に係るポリメタロキサン中には、配位子(b)または(c)が結合および配位している金属原子M1が存在することとなる。
このようなポリメタロキサンは、HOMOをより浅くすることができるため、異常放電の発生をより一層抑制することができる帯電部材を与えるものとなる。pは1または2であることがより好ましい。
L2は、下記式(e)で表される構造を有する配位子、または下記式(f)で表される構造を有する配位子を示す。pが2以上である場合、複数のL2は互いに異なっていてもよい。
式(e)中、記号「**」は、ポリメタロキサン中の金属原子M1となる前記式(d)中の金属原子M2に結合または配位する部位を示す。A2およびY2は、それぞれ先に述べたA1およびY1と同義である。X2は、下記式(10)〜(13)で表されるいずれかの構造を示す。
式(10)〜(13)中、記号「**」は、前記式(d)中の金属原子M2との結合部位を示し、記号「***」は、前記式(e)中のA2との結合部位を示す。式(10)〜(13)で表される構造の具体例としては、それぞれ、前記式(1)〜(4)について述べた構造と同様のものを挙げることができる。
式(f)中、R21〜R25は、それぞれ、先に述べた式(c)中のR11〜R15と同義である。記号「****」は、前記式(d)中の金属原子M2との配位部位を示す。
なお、例えば、前記構造式(a4)で示され、かつ、構造式(a4)中のtが「k−1」である構造を更に有するポリメタロキサンは、該フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と、下記式(d’)で示される化合物を共存させることによって得ることができる。
M2(OR21)q−p’(L2)p’ (d’)
式(d’)において、M2、R21、L2およびqは、式(d)のM2、R21、L2およびqと同義であり、p’は、q−1で表される整数を示す。
(表面層の形成)
表面層は、例えば、下記工程(i)〜(iii)を経て形成される:
(i)表面層形成用のコーティング液の調製工程、
(ii)該コーティング液の塗膜の形成工程、
(iii)該塗膜の乾燥工程。
以下、各工程について説明する。
(i)表面層形成用のコーティング液の調製工程
コーティング液は、例えば、下記のステップ1およびステップ2によって調製することができる。
〔ステップ1〕
ステップ1は、コーティング液を構成する原料の溶液の調製工程である。具体的には、フェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体の溶液(以降、「重合体溶液」と称す)を調製する。また、前記式(d)で表される化合物の溶液(以降、「金属アルコキシド溶液」と称す)を調製する。
ここで、前記式(d)においてpが1以上である化合物を用いる場合、すなわち、金属原子M2に配位子L2が配位している化合物を用いる場合について説明する。この場合は、例えば、配位子L2が配位していない原料としての金属アルコキシドの溶液と、配位子L2の原料(以降、「配位子用化合物」とも称す)の溶液(以降、「配位子用化合物溶液」とも称す)とを各々調製し、それらを混合することによって、金属原子M2に配位子L2が配位した、式(d)で表される化合物の金属アルコキシド溶液(以降、「金属錯体溶液」とも称す)を調製することができる。この場合において、配位子用化合物は、原料としての金属アルコキシド1モルに対して0.5モル以上添加することが好ましく、1モル以上添加することがより好ましい。また、複数の配位子用化合物や金属アルコキシドを組み合わせてもよい。さらに、上記式(e)および式(f)で表される構造において、金属原子1原子当たりに配位する配位子L2の個数は一個に限られない。また、1種の配位子だけでなく、複数種の配位子が金属原子M2に配位していてもよい。入手可能な場合には、配位子用化合物が配位した金属アルコキシドを入手し、そのまま金属錯体溶液として使用することもできる。
前記式(d)において、pが0である化合物を用いる場合は、該化合物は、原料としての金属アルコキシドと一致する。したがって、原料としての金属アルコキシドの溶液が、前記金属アルコキシド溶液である。
M2にL2が配位していない、原料としての金属アルコキシドの例としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、タングステン、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびゲルマニウムのアルコキシドが用いられる。アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、2−ブトキシド、t−ブトキシドの如き炭素数1〜10のアルコキシドが挙げられる。これらの中でも炭素数1〜4のアルコキシドが好ましい。
〔ステップ2〕
ステップ2は、ステップ1で調製した重合体溶液、および金属アルコキシド溶液(または金属錯体溶液)を混合して、コーティング液を得る工程である。ステップ2において、重合体溶液と金属アルコキシド溶液とを混合する際は、重合体溶液中のフェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体1モルに対して、式(d)で表される化合物を0.01モル以上添加することが好ましく、0.1モル以上添加することがより好ましい。
表面層の改質のために、ポリメタロキサン中に前記構造式(a4)で表される構造を導入する場合は、コーティング液に、例えば、アルコキシシランを添加すればよい。アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランが挙げられる。
テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(イソプロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(2−ブトキシ)シラン、テトラ(t−ブトキシ)シランが挙げられる。
トリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラン類、および、トリエトキシシラン類が挙げられる。
トリメトキシシラン類の具体例は、トリメトキシヒドロシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリメトキシ(n−プロピル)シラン、トリメトキシ(イソプロポキシ)シラン、トリメトキシ(n−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(2−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(t−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(n−ヘキシル)シラン、トリメトキシ(n−オクチル)シラン、トリメトキシ(n−デシル)シラン、トリメトキシ(n−ドデシル)シラン、トリメトキシ(n−テトラデシル)シラン、トリメトキシ(n−ペンタデシル)シラン、トリメトキシ(n−ヘキサデシル)シラン、トリメトキシ(n−オクタデシル)シラン、トリメトキシシクロヘキシルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
トリエトキシシランの具体例としては、トリエトキシヒドロシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシ(n−プロピル)シラン、トリエトキシ(イソプロポキシ)シラン、トリエトキシ(n−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(2−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(t−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(n−ヘキシル)シラン、トリエトキシ(n−オクチル)シラン、トリエトキシ(n−デシル)シラン、トリエトキシ(n−ドデシル)シラン、トリエトキシ(n−テトラデシル)シラン、トリエトキシ(n−ペンタデシル)シラン、トリエトキシ(n−ヘキサデシル)シラン、トリエトキシ(n−オクタデシル)シラン、トリエトキシシクロヘキシルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリエトキシ(3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
ジアルコキシシランとしては、ジメトキシシラン類、および、ジエトキシシラン類が挙げられる。ジメトキシシラン類の具体例としては、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシ(ビス−3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。ジエトキシシラン類の具体例としては、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシ(ビス−3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
コーティング液の調製に用いる有機溶媒としては、金属アルコキシドとフェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体が溶解可能な溶剤であれば特に限定されない。例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、セロソルブ系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒を用いることができる。アルコール系溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、シクロヘキサノールが挙げられる。エーテル系溶媒としては、具体的には、ジメトキシエタンが挙げられる。セロソルブ系溶媒としては、具体的には、メチルセロソルブ、エチルセロソルブが挙げられる。ケトン系溶媒としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。エステル系溶媒としては、具体的には、酢酸メチル、酢酸エチルが挙げられる。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(ii)コーティング液の塗膜の形成工程
上記(i)で調製したコーティング液の塗膜の形成方法は特に限定されず、一般的に用いられる方法を選択することができる。具体的には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布が挙げられる。
(iii)塗膜の乾燥工程
コーティング液の塗膜を乾燥させることによって、本発明に係る表面層を形成する。乾燥のために、塗膜を加熱してもよい。
上記工程(i)のステップ2〜工程(iii)において、コーティング液中の式(d)で表される化合物は、以下の2つの反応に供される。
・式(d)で表される化合物中のアルコキシ基が加水分解を受けて水酸基に変換され、生成した水酸基同士が縮合してメタロキサン結合を生成する反応。
・式(d)で表される化合物中の金属原子M2が、重合体中のフェノール性水酸基と反応して、構造式(a3)で表される連結基を介して重合体と結合する反応。
その結果、本態様に係るポリメタロキサンを有する表面層が形成される。式(d)で表される化合物の加水分解は、コーティング液の調製に用いる有機溶媒中に含まれる微量の水や、コーティング液または塗膜中に取り込まれる空気中の水によって進行する。コーティング液中に水を添加することにより、加水分解および縮合の程度を制御してもよい。なお、フェノール性水酸基を有する構造単位を含む重合体と金属アルコキシドとが相互作用をしていることは、固体NMR分析を行うことにより確認できる。
また、表面層の表面の摩擦係数や表面自由エネルギーの如き表面物性を調整するために、乾燥工程中の塗膜の表面、または乾燥後の表面層の表面に処理を施してもよい。このような処理としては、例えば、活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、赤外線、電子線が挙げられる。中でも紫外線を用いることが好ましい。また、紫外線は、その積算光量が、5000mJ/cm以上10000mJ/cm以下となるように照射することが好ましい。
表面層の厚さは0.005μm〜30μmであることが好ましく、0.005μm〜5μmであることがより好ましい。
<電子写真装置およびプロセスカートリッジ>
図3に、本発明の一態様に係る帯電部材を有する電子写真装置の一例を示し、図4に本発明の一態様に係る帯電部材を有するプロセスカートリッジの一例を示す。
感光体4は、回転ドラム型の像担持体である。感光体4は、図3中の矢印が示す時計回りに所定の周速度で回転駆動する。
ローラ形状を有する帯電部材(帯電ローラ)は、感光体4の表面に、所定の押圧力で接触させてある。そして、帯電ローラ5は、感光体4の回転に対して順方向に回転駆動する。帯電ローラ5に対しては、帯電バイアス印加電源19から所定の直流電圧が印加される(DC帯電方式)。これにより、感光体4の表面が所定の極性電位(後述の実施例では暗部電位−500Vとした)に一様に帯電処理される。
なお、後述の実施例では、帯電ローラに印加する直流電圧は、−1050Vとした。次いで、感光体4の帯電処理面に、不図示の露光手段からの、目的の画像情報に対応した像露光光11が照射される。その結果、感光体の明部電位が選択的に低下(減衰)し、感光体4に静電潜像が形成される。なお、後述の実施例では、感光体の明部電位は、−150Vとした。不図示の露光手段としては、レーザービームスキャナーの如き公知の露光手段を利用することができる。
現像ローラ6は、感光体4表面の静電潜像の露光明部に、感光体4の帯電極性と同極性に帯電しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて、静電潜像をトナー像として可視化する。後述の実施例では、現像バイアスを−400Vとした。現像方式としては、例えば、ジャンピング現像方式、接触現像方式および磁気ブラシ方式をいずれも用いることができる。中でも、カラー画像を出力する電子写真画像形成装置においては、トナーの飛散を有効に抑制することができる点で、接触現像方式が好ましい。
転写ローラ8は、感光体4に所定の押圧力で当接され、感光体4の回転と順方向に、感光体4の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写ローラ8には、転写バイアス印加電源から、トナーの帯電特性とは逆極性の転写電圧が印加される。感光体4と転写ローラ8の接触部に、給紙機構(不図示)から転写材7が所定のタイミングで給紙され、該転写材7の裏面が、転写電圧を印加した転写ローラ8により、トナーの帯電極性とは逆極性に帯電される。これにより、感光体4と転写ローラ8との接触部において、感光体面側のトナー画像が転写材7の表面側に静電転写される。転写ローラ8としては、公知の手段を利用することができる。具体的には、金属の導電性支持体上に中抵抗に調整された弾性層を被覆してなる転写ローラを例示することができる。
トナー画像の転写を受けた転写材7は、感光体面から分離して定着装置9へ導入され、トナー画像の定着を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、該画像形成物が再循環搬送機機構(不図示)に導入されて、転写部へ再導入される。感光体4上に残留した転写残トナーは、クリーニングブレード10を有するクリーニング装置14により、感光体4上から回収される。感光体4に残留電荷が残る場合には、転写後、帯電ローラ5による一次帯電を行う前に、前露光装置(不図示)によって感光体4の残留電荷を除去することが好ましい。なお、後述の実施例における電子写真画像の形成においては、前露光装置は用いていない。
本発明の一態様に係るプロセスカートリッジは、少なくとも感光体と、該感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能に構成されている。そして、該帯電部材として、本発明の一態様に係る帯電部材を備えている。後述の実施例では、帯電ローラ5、感光体4、現像ローラ6およびクリーニング装置14を一体に支持するプロセスカートリッジを用いた。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。実施例中の化合物について、「部」は、特に断りがない限り「質量部」を意味する。表6に、以下の実施例で使用した試薬の一覧を示す。
<コーティング液の調製>
[製造例E1:コーティング液E1の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
200mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.0g、ポリビニルフェノール1.01gを秤量し、撹拌して、ポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
(金属アルコキシド溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、エタノール15.1g、チタンイソプロポキシド0.39gを秤量し、撹拌して、チタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
(配位子用化合物溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、o−アニス酸0.42g、エタノール34.2gを秤量し、撹拌して、o−アニス酸のエタノール溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
先に調製した金属アルコキシド溶液に、上記配位子用化合物溶液を加え、良く撹拌した。ここで調製された溶液中では、チタンイソプロポキシドの加水分解、縮合反応によるチタノキサン結合の形成と、o−アニス酸のチタン原子への配位による錯体の形成とが生じているものと考えられる。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
100mLのガラス製容器に、上記重合体溶液35.0g、および金属錯体溶液15.0gを秤量し、撹拌して、コーティング液E1を調製した。
[製造例C1:コーティング液C1の調製]
製造例E1と同様にして重合体溶液を調製し、コーティング液C1とした。
[製造例C2:コーティング液C2の調製]
製造例E1と同様にして金属アルコキシド溶液および配位子用化合物溶液を調製し、それらを混合して得られた金属錯体溶液をコーティング液C2とした。
[製造例E2:コーティング液E2の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、ポリビニルフェノール0.45g、ジメトキシエタン44.6gを秤量し、撹拌して、ポリビニルフェノールのジメトキシエタン溶液を調製した。
(金属アルコキシド溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、2−ブタノール48.3g、チタンイソプロポキシド1.78gを秤量し、撹拌して、チタンイソプロポキシドの2−ブタノール溶液を調製した。
〔ステップ2〕
100mLのガラス製容器に、上記重合体溶液45.0g、および金属アルコキシド溶液5.0gを秤量し、撹拌して、コーティング液E2を調製した。
[製造例C3:コーティング液C3の調製]
製造例E2と同様にして金属アルコキシド溶液を調製し、コーティング液C3とした。
[製造例C4:コーティング液C4の調製]
100mLのガラス製容器に、ポリビニルフェノール0.45g、ジメトキシエタン44.6g、およびルチル型酸化チタンCR−EL(商品名、石原産業製)を0.051g秤量し、良く撹拌して、コーティング液C4を調製した。
[製造例E3〜E6:コーティング液E3〜E6の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
ポリビニルフェノールの量を1.00gに変更した以外は、製造例E1と同様にして、重合体溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、イソプロピルアルコール48.3g、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトネート1.78gを秤量し、撹拌して、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトネートのイソプロピルアルコール溶液を調製した。なお、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトネートは、チタン原子に対してアセチルアセトンが配位してなる化合物である。よって、ここで調製される溶液は、金属アルコキシド溶液であり、かつ、金属錯体溶液である。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
金属錯体溶液として、上記チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトネートのイソプロピルアルコール溶液を用いて、また、金属錯体溶液と重合体溶液の混合量を、表7に記載したとおりに変更した以外は、製造例E1と同様にして、コーティング液E3〜E6を調製した。
[製造例C5:コーティング液C5の調製]
製造例E3と同様にして金属錯体溶液を調製し、コーティング液C5とした。
[製造例E7〜E11:コーティング液E7〜E11の調製]
フェノール性水酸基を有する重合体として、それぞれ、表6に示す「P2」、「P3」、「P4」、「P5」および「P6」を、表7に示した量で用いた以外は、製造例E1と同様にして、重合体溶液を調製した。そして、得られた重合体溶液を用いた以外は、製造例E1と同様にしてコーティング液E7〜E11を調製した。なお、各溶媒の量は、表7に示すとおりである。
[製造例C6〜C10:コーティング液C6〜C10の調製]
フェノール性水酸基を有する重合体として、それぞれ、表6に示す「P2」、「P3」、「P4」、「P5」および「P6」を、表8に示した量で用いて、溶媒の量を表8に示すとおりに変更した以外は、製造例C1と同様にしてコーティング液C6〜C10を調製した。
[製造例E12:コーティング液E12の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、ポリビニルフェノール0.45g、2−ブタノール44.6gを秤量し、良く撹拌して、ポリビニルフェノールの2−ブタノール溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、タンタルテトラエトキシドアセチルアセトネート0.74g、2−ブタノール49.3gを秤量し、良く撹拌して、タンタルテトラエトキシドアセチルアセトネートの2−ブタノール溶液を調製した。なお、タンタルテトラエトキシドアセチルアセトネートは、タンタル原子に対してアセチルアセトンが配位してなる化合物である。よって、ここで調製される溶液は、金属アルコキシド溶液であり、かつ、金属錯体溶液である。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
100mLのガラス製容器に、上記重合体溶液35.0g、および金属錯体溶液15.0gを秤量し、撹拌して、コーティング液E12を調製した。
[製造例E13:コーティング液E13の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、ポリビニルフェノール0.44g、2−ブタノール44.5gを秤量し、良く撹拌して、ポリビニルフェノールの2−ブタノール溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、アルミニウムジ(sec−ブトキシド)エチルアセトアセテート1.34g、2−ブタノール48.6gを秤量し、良く撹拌して、アルミニウムジ(sec−ブトキシド)エチルアセトアセテートの2−ブタノール溶液を調製した。なお、アルミニウムジ(sec−ブトキシド)エチルアセトアセテートは、アルミニウム原子に対してアセト酢酸エステルが配位してなる化合物である。よって、ここで調製される溶液は、金属アルコキシド溶液であり、かつ、金属錯体溶液である。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
100mLのガラス製容器に、上記重合体溶液35.0g、および金属錯体溶液15.0gを秤量し、撹拌して、コーティング液E13を調製した。
[製造例C11:コーティング液C11の調製]
100mLのガラス製容器に、タンタルテトラエトキシドアセチルアセトネート0.73g、2−ブタノール49.3gを秤量し、良く撹拌して、コーティング液C11を調製した。
[製造例C12:コーティング液C12の調製]
100mLのガラス製容器に、アルミニウムジ(sec−ブトキシド)エチルアセトアセテート1.33g、2−ブタノール48.6gを入れ、撹拌して、コーティング液C12を調製した。
[製造例E14〜E16:コーティング液E14〜E16の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
製造例E3と同様にして重合体溶液を調製した。
(金属アルコキシド溶液の調製)
チタンイソプロポキシドおよび溶媒の量を、それぞれ表7に記載のとおりに変更した以外は、製造例E1と同様にして、3種の金属アルコキシド溶液を調製した。
(配位子用化合物溶液の調製)
配位子用化合物および溶媒の量を、それぞれ表7に記載のとおりに変更した以外は、製造例E1と同様にして配位子用化合物溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
上記3種の金属アルコキシド溶液と、上記配位子用化合物溶液とを用いた以外は、製造例E1と同様にして、3種の金属錯体溶液を調製した。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
上記重合体溶液および3種の金属錯体溶液を、表7に記載した量で混合した以外は、製造例E1と同様にして、コーティング液E14〜E16を調製した。
[製造例E17〜E20:コーティング液E17〜E20の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
製造例E3と同様にして重合体溶液を調製した。
(金属アルコキシド溶液の調製)
チタンイソプロポキシドおよび溶媒の量を、それぞれ表7に記載のとおりに変更した以外は、製造例E1と同様にして4種の金属アルコキシド溶液を調製した。
(配位子用化合物溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、グアヤコールおよびエタノールを、それぞれ表7に記載した量秤量し、撹拌して、グアヤコールのエタノール溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
上記4種の金属アルコキシド溶液および配位子用化合物溶液を混合して、4種の金属錯体溶液を調製した。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
上記重合体溶液および4種の金属錯体溶液を、それぞれ表7に記載した量で混合した以外は、製造例E1と同様にして、コーティング液E17〜20を調製した。
[製造例C13:コーティング液C13の調製]
製造例E19と同様にして、金属アルコキシド溶液および配位子用化合物溶液を調製し、それらを混合して得られた金属錯体溶液をコーティング液C13とした。
[製造例E21:コーティング液E21の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
製造例E3と同様にして、重合体溶液を調製した。
(金属アルコキシド溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、エタノール15.1g、チタンイソプロポキシド0.39gを秤量し、撹拌して、チタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
(配位子用化合物溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、o−アニス酸0.42g、エタノール34.1g、およびイオン交換水0.049gを秤量し、撹拌して、o−アニス酸のエタノール溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
上記の金属アルコキシド溶液と、上記配位子用化合物水溶液とを用いた以外は、製造例E1と同様にして、金属錯体溶液を調製した。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
100mLのガラス製容器に、上記重合体溶液35.0g、チタン+o−アニス酸のエタノール溶液15.0gを秤量し、撹拌して、コーティング液E21を調製した。
[製造例E22:コーティング液E22の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.1g、ポリビニルフェノール1.01gを秤量し、撹拌して、ポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
(金属アルコキシド溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、エタノール15.0g、チタンイソプロポキシド0.35gを秤量し、撹拌して、チタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
(配位子用化合物溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、キナルジン酸0.43g、エタノール34.2g、およびイオン交換水0.044gを秤量し、撹拌して、キナルジン酸のエタノール溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
上記の金属アルコキシド溶液と、上記配位子用化合物水溶液とを用いた以外は、製造例E1と同様にして、金属錯体溶液を調製した。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
100mLのガラス製容器に、上記重合体溶液35.0g、チタン+キナルジン酸のエタノール溶液15.0gを秤量し、撹拌して、コーティング液E22を調製した。
[製造例E23、E24:コーティング液E23、E24の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
メチルイソブチルケトンおよびポリビニルフェノールの量を、それぞれ表7に示すとおりに変更した以外は、製造例E1と同様にしてポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
(金属アルコキシド溶液の調製)
エタノールおよびチタンイソプロポキシドの量を、それぞれ表7に示すとおりに変更した以外は、製造例E1と同様にしてチタンイソプロポキシドのエタノール溶液を調製した。
(配位子用化合物溶液の調製)
配位子用化合物として、それぞれ2−アセチルピロール、およびN,N−ジメチルグリシンを、表7に示す量で用いて、エタノールの量を34.1gとした以外は、製造例E1と同様にして配位子用化合物溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
上記金属アルコキシド溶液に、上記配位子用化合物溶液を加え、撹拌混合して金属錯体溶液を調製した。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
100mLのガラス製容器に、上記重合体溶液35.0g、および金属錯体溶液15.0gを秤量し、撹拌して、コーティング液E23、E24を調製した。
[製造例E25:コーティング液E25の調製]
〔ステップ1〕
(重合体溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、メチルイソブチルケトン99.1g、ポリビニルフェノール1.01gを秤量し、撹拌して、ポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を調製した。
(金属錯体溶液の調製)
100mLのガラス製容器に、エタノール50.0g、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシド0.39gを秤量し、撹拌して、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシドのエタノール溶液を調製した。なお、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシドは、チタン原子に対してペンタメチルシクロペンタジエニル基が配位してなる化合物である。よって、ここで調製される溶液は、金属アルコキシド溶液であり、かつ、金属錯体溶液である。
〔ステップ2〕
(コーティング液の調製)
100mLのガラス製容器に、上記重合体溶液45.0g、金属錯体溶液5.0gを秤量し、撹拌して、コーティング液E25を調製した。
コーティング液E1〜E25の処方を表7に示す。また、コーティング液C1〜C13の処方を表8に示す。
<ポリメタロキサンの構造解析>
各コーティング液から形成されるポリメタロキサンの構造を以下の方法で解析した。
(1)重合体中のフェノール性水酸基とメタロキサン中の金属原子との結合の有無:固体NMR
(2)ポリメタロキサン中のメタロキサン結合の有無:固体NMR
(3)ポリメタロキサン中の金属原子の有無:EDAX、
(4)メタロキサン構造中の金属原子への配位子の配位の有無:固体NMR
(5)ポリメタロキサンの結晶構造解析:XRD
以下、分析方法を詳細に説明する。
(1)固体NMR解析(フェノール性水酸基と金属原子との結合)
エタノールで脱脂したアルミニウム製のシート上に、コーティング液E2およびコーティング液C4を各々滴下した、次いで、該シートを300rpmで2秒間回転させて成膜した。次いで、常温常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境下で60分間乾燥させ、さらに熱風循環乾燥炉に入れて、温度80℃で60分間乾燥させた。得られた膜を、該シートから剥離し、粉砕して測定用の試料とした。
得られた試料について、核磁気共鳴装置(商品名:NMR spectrometerECX 500 II、(株)JOEL RESONANCE Inc.,製)を用いて固体NMR(13C−CPMAS法)を測定し、NMR解析を行った。なお、測定条件は、試料管外径:3.2mm、MAS速度:15kHz、積算回数:256回とした。
測定結果を図5に示す。図5中、下部に示したスペクトルが、コーティング液E2に係る試料のスペクトルであり、上部に示したスペクトルが、コーティング液C4に係る試料のスペクトルである。
コーティング液E2から作製したポリメタロキサン表面層では、出発物質には存在していなかったピークD’が表れた。これは、ポリビニルフェノール中の水酸基が結合していた炭素原子のピークDが、該水酸基とチタンイソプロポキシドとの反応によりシフトしたものであると推定される。したがって、ポリビニルフェノールとチタンイソプロポキシドが反応していることが確認された。
コーティング液E1、E3〜E25についても同様にして構造を解析した。その結果、フェノール性水酸基と、ポリメタロキサン中の金属原子とが反応していることが確認された。
(2)NMR解析(メタロキサン結合)
酸素17標識水(50atom%)を用いて17Oを導入したコーティング液E2を作製して、核磁気共鳴装置(商品名:AVANCE500型NMR、ブルカー(Burker Corporation)社製)を用いて溶液17ONMRを測定し、NMR解析を行った。その結果、17ONMRスペクトルにて、300〜800ppmにピークが検出されることで、Ti−O−Ti結合が存在することが確認された。
(3)元素分析
前記(1)と同様に作製した試料を、走査型電子顕微鏡;SEM(商品名:S−3700N、(株)日立ハイテクノロジーズ製)で観察し、エネルギー分散型X線分析器商品名:Xflash6/30、ブルカー(Bruker Corporation)社製)を用いて元素分析を行った。印加電圧20kV、プローブ電流80mAとして、倍率300倍の視野にて行った。その結果、Ti原子由来のKα線ピークが約4.5keVに現れ、Ti原子の存在が確認された。
(4)固体NMR解析(金属原子への配位子の配位)
コーティング液E1を用いたこと以外は、前記(1)と同様に作製した試料を、核磁気共鳴装置(商品名:NMR spectrometerECX 500 II、(株)JOEL RESONANCE Inc.,製)を用いて固体NMR(13C−CPMAS法)を測定し、NMR解析を行った。なお、測定条件は、試料管外径:3.2mm、MAS速度:15kHz、積算回数:256回とした。その結果、13CNMRスペクトルにて、160ppmに検出されるピーク(o−アニス酸のメトキシ基に結合している炭素原子に帰属)が低磁場にシフトすることで、o−アニス酸がTiに配位していることが確認された。
(5)XRDによる結晶構造解析
エタノールで脱脂したアルミニウム製のシート上に、コーティング液E2およびコーティング液C4を各々滴下した、次いで、該シートを300rpmで2秒間回転させて成膜した。次いで、常温常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境下で60分間乾燥させ、さらに熱風循環乾燥炉に入れて、温度80℃で60分間乾燥させた。得られた膜を、該シートから剥離し、粉砕して測定用の試料とした。
得られた試料を、アルミニウム製の試料ホルダーに測定面が平滑に揃うように敷き詰め、X線回折装置(商品名:RINT−TTRII、(株)リガク製)を用いて、2θ/θスキャンを行い、2θ=3〜60°で測定した。なお、X線回折測定は、平行ビーム法にて、X線出力50kV、300mAのCuKα線を用い、発散縦制限スリット10.0mmとして行った。測定結果を図6Aおよび図6Bに示す。
図6Aに示す通り、コーティング液C4の表面層では、ルチル型結晶構造を有する酸化チタンのピークが観察された。一方、図6Bに示す通り、コーティング液E2の表面層では、結晶構造由来のピークは存在しなかったため、該表面層はアモルファス状態であることが確認された。
コーティング液E1、E3〜E25を用いて作製した試料についても、上記と同様にして結晶構造解析を行った。その結果、いずれの試料からも結晶構造由来のピークは観察されず、表面層がアモルファス状態であることが確認された。
[実施例1]
<帯電部材E1の作製>
〔導電性弾性ローラ1の作製〕
下記表9に示した材料を、6L加圧ニーダー(商品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて、充填率70体積%、ブレード回転数30rpmで24分間混合して、未加硫ゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物174質量部に対して、加硫促進剤としてのテトラベンジルチウラムジスルフィド(商品名:サンセラーTBzTD、三新化学工業(株)製)4.5部、および加硫剤としての硫黄1.2部を加えた。そして、ロール径12インチのオープンロールを用いて、前ロール回転数8rpm、後ロール回転数10rpm、ロール間隙2mmで、左右の切り返しを合計20回実施した。その後、ロール間隙を0.5mmとして薄通し10回を行い、導電性弾性層用の「混練物1」を得た。
次に、直径6mm、長さ252mmの円柱形、鋼製の支持体(表面をニッケルメッキ加工したもの。以下「芯金」という)を準備した。そして、該芯金上の軸方向中央を挟んで両側115.5mmまでの領域(合わせて軸方向幅231mmの領域)に、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を塗布した。これを温度80℃で30分間乾燥させた後、さらに120℃で1時間乾燥させることにより、接着層を形成した。
先に調製した混練物1を、クロスヘッドを用いた押出成形によって、上記接着層を備えた芯金を中心として、同軸状に外径8.75〜8.90mmの円筒形に同時に押出し、端部を切断して、芯金の外周に未加硫の導電性弾性層を積層したローラを得た。押出機は、シリンダー径70mm、L/D=20の押出機を使用し、押出時の温調は、ヘッド、シリンダー、スクリューの温度を90℃とした。得られたローラを、異なる温度設定にした2つのゾーンをもつ連続加熱炉を用いて加硫した。第1ゾーンを温度80℃に設定し、30分で通過させた後、第2ゾーンを温度160℃に設定し、こちらも30分で通過させて、導電性弾性ローラ1を得た。
次に、この導電性弾性ローラ1の導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分の軸方向幅を232mmとした。その後、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨(ワーク回転数:333rpm、砥石回転数:2080rpm、研磨時間:12sec)した。このようにして、端部直径:8.26mm、中央部直径:8.50mmのクラウン形状で、表面の十点平均粗さRz:5.5μm、振れ:18μm、硬度(アスカーC):73度の導電性弾性ローラ1を得た。
十点平均粗さRzは、日本工業規格(JIS)B 0601:2013に準拠して測定した。振れの測定は、高精度レーザー測定機(商品名:LSM430v;ミツトヨ社製)を用いた。詳しくは、該測定機を用いて導電性弾性ローラの外径を測定し、最大外径値と最小外径値の差を外径差振れとし、この測定を5点で行い、5点の外径差振れの平均値を被測定物の振れとした。アスカーC硬度の測定は、測定環境25℃、55%RHにて、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g荷重の条件で行った。
また、研磨後の導電性弾性ローラ1の表面を、光学顕微鏡(商品名:レーザー顕微鏡VK8700、(株)キーエンス社製)を用いて観察し、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂に由来する絶縁性ドメインの大きさを測定した。詳しくは、以下の手順で測定した。光学顕微鏡を、視野内に少なくとも10個の凝集していない絶縁性ドメインが観察されるような倍率に調整する。そして、視野内の10個の凝集していない絶縁性ドメインについて、直径および面積を算出する。そして、当該10個の絶縁性ドメインの直径および面積の平均値の小数点第一位を四捨五入した値を、それぞれ絶縁性ドメインの平均直径、平均面積とする。導電性弾性ローラ1のPMMA樹脂に由来する絶縁性ドメインの平均直径は5μm、平均面積は20μmであった。
また、導電性弾性ローラ1の表面を、前記光学顕微鏡を用いて観察し、PMMA樹脂に由来する絶縁性ドメインの高さを測定した。詳しくは、以下の手順で測定した。倍率50倍、測定ピッチ0.1μmの条件にてローラ表面を観察し、導電性弾性層表面から絶縁性ドメイン頂部までの高さを測定する。これを10個の絶縁性ドメインについて行い、絶縁性ドメインの高さを算出する。そして、当該10個の絶縁性ドメインの高さの平均値の小数点第一位を四捨五入した値を、絶縁性ドメインの平均高さとする。導電性弾性ローラ1のPMMA樹脂に由来する絶縁性ドメインの平均高さは3μmであった。
〔表面層の形成〕
導電性弾性ローラ1上に、コーティング液E1を吐出量0.120ml/s(リング部のスピード:85mm/s)でリング塗布した。これを常温常圧下で放置して乾燥させた後、波長254nmの紫外線を積算光量が9000mJ/cmとなるようにこのローラに照射し、厚さ0.2μmの表面層を形成した。紫外線の照射には低圧水銀ランプ(東芝ライテック社製)を用いた。以上のようにして帯電部材E1を作製した。
帯電部材E1の表面を切り出し、断面を観察したところ、PMMA樹脂に由来する絶縁性ドメインが導電性弾性層の表面に露出し、その上に表面層が形成されていることを確認した。断面観察は、FIB−SEM(商品名:NVision40、SIIナノテクノロジー(株)製)を用いて、加工箇所のローラ表面にカーボンデポ膜を作製してから、加速電圧30kV、ビーム電流を27nAから段階的に下げながら切削加工を行い断面を得た後、加速電圧1kV、倍率2000倍で観察した。
<異常放電の評価>
レーザープリンタ(商品名:HPColorLaserJetCP4525、HP社製)用のシアンカートリッジに装着されている帯電ローラを、先に作製した帯電部材E1に置き換えた。レーザープリンタ(商品名:HPColorLaserJetCP4525、HP社製、感光体の電荷輸送層の膜厚23μm)に上記カートリッジをセットして、A4サイズの用紙にハーフトーン画像を形成した。
なお、電子写真画像の形成に際して、前露光は行わず、また、帯電電圧を−1141V、転写電圧を2575Vに設定した。この設定は、異常放電がより発生しやすい環境を作り出すためのものである。また、電子写真画像の出力は、低温低湿環境(温度15℃、湿度10%)の下で行った。そして、得られたハーフトーン画像について、異常放電に起因する画像ムラの有無を目視で観察することにより、異常放電の発生の有無を評価した。その結果、帯電部材E1では異常放電が観測されなかった。結果を表10に示す。なお、表10中、異常放電の発生の有無については、以下のとおりに表記した。
A:異常放電が観察されなかった。
B:異常放電が観察された。
なお、表10において、「M/L」は、各帯電部材の表面層を構成しているポリメタロキサン中の配位子のモル数(L)と金属原子のモル数(M)の比を表している。したがって、例えば帯電部材E1においては、表面層を構成しているポリメタロキサン中の1個のTi原子に対して、2個の配位子が配位していることを示している。また、表10において、錯体形成後の金属原子に結合しているアルコキシ基と当モル量のイオン交換水を添加した場合を、「ROR=1」と表現した。

[実施例2〜25、比較例1〜13]
導電性弾性層ローラ1上に、それぞれコーティング液E2〜E25、コーティング液C1〜C13を用いて表面層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、帯電部材E2〜E25および帯電部材C1〜C13を作製し、評価に供した。評価結果は、表10にまとめて示す。なお、比較例4において、酸化チタンは、酸化チタン粒子として表面層中に存在している。
[実施例26、27、比較例14]
配位子用化合物のo−アニス酸およびキナルジン酸は電子親和力が高いため、これらを用いて形成されるポリメタロキサンは、特にHOMOが浅いと考えられる。これらの配位子用化合物を用いて作製した帯電部材を、より異常放電が起こりやすい厳しい条件下で評価するために、上記実施例における異常放電の評価において、より厚い(27.5μm)電荷輸送層を有する感光体を用いて評価を行った。
異常放電の評価は、配位子用化合物としてo−アニス酸を用いた帯電部材E1(実施例26)、キナルジン酸を用いた帯電部材E22(実施例27)、および帯電部材C1(比較例14)について行った。
なお、電子写真画像の形成に際して、前露光は行わず、帯電電圧を−1210V、転写電圧を1856Vに設定した。これ以外は、実施例1と同様にして異常放電の発生の有無を評価した。結果を表11に示す。その結果、帯電部材C1では異常放電が発生したのに対し、帯電部材E1および帯電部材E22では異常放電が観測されなかった。
[実施例28〜34、参考例1]
<帯電部材E28〜34、C15の作製>
〔導電性弾性ローラ2〜9の作製〕
実施例1で用いたPMMA樹脂粒子の代わりに、それぞれ表12に示す絶縁性ドメインとなる樹脂粒子を用いた以外は、実施例1と同様に導電性弾性ローラ2〜8を作製した。また、絶縁性ドメインとなる樹脂粒子を用いていない以外は実施例1と同様に導電性弾性ローラ9を作製した。ただし、導電性弾性ローラ5〜9は、クラウン形状となるように押し出し、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨することなく用いた。そして、実施例1と同様に、導電性弾性ローラ2〜8の表面を、光学顕微鏡を用いて観察し、絶縁性ドメインの直径、面積および高さを測定した。観察結果は、実施例1の結果と併せて、表12にまとめて記載した。
なお、導電性弾性ローラ5〜8に用いた熱膨張性カプセル1〜4は、下記のように作製した。
[製造例1:熱膨張性カプセル1の作製]
イオン交換水4000質量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ9質量部およびポリビニルピロリドン0.15質量部とを添加し、水性混合液を調製した。次に、重合性単量体として、アクリロニトリル50質量部、メタクリロニトリル45質量部、および、メチルメタクリレート5質量部と、内包物質としてノルマルヘキサン12.5質量部と、重合開始剤としてジクミルパーオキシド0.75質量部とからなる油性混合液を調製した。この油性混合液を、前記水性混合液に添加し、さらに水酸化ナトリウム0.4質量部を添加して分散液を調製した。得られた分散液を、ホモジナイザーを用いて3分間攪拌混合し、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、200rpmの撹拌下、60℃で20時間反応させることにより、反応生成物を調製した。得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥して樹脂粒子を作製した。得られた樹脂粒子を超音波式分級機により解砕して分級することによって、平均粒径12μmの熱膨張性カプセル1を得た。
[製造例2:熱膨張性カプセル2の作製]
製造例1において、重合性単量体を、メタクリロニトリル45質量部、および、メチルアクリレート55質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して、平均粒径25μmの熱膨張性カプセル2を得た。
[製造例3:熱膨張性カプセル3の作製]
重合性単量体を、アクリロニトリル37.5質量部、および、メタクリルアミド62.5質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して、平均粒径8μmの熱膨張性カプセル3を得た。
[製造例4:熱膨張性カプセル4の作製]
重合性単量体を、アクリルアミド100質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して、平均粒径8μmの熱膨張性カプセル4を得た。
〔表面層の形成〕
導電性弾性ローラ2〜9を用いたこと以外は、実施例1と同様に表面層を形成して、帯電部材E28〜34および帯電部材C15を作製した。また、帯電部材E28〜34についても、実施例1と同様に、絶縁性ドメインが導電性弾性層表面に露出し、その上に表面層が形成されていることを確認した。
<異常放電の評価>
得られた帯電部材E28〜34および帯電部材C15について、異常放電の評価を行った。異常放電の評価は、電子写真画像の形成に際して、前露光は行わず、また、帯電電圧を−1261Vに設定し、転写電圧を1377Vから上げていき、異常放電が発生した電圧を記録した。結果を表13にまとめて示す。
以上の結果から、本態様に係る帯電部材は、有意に異常放電に起因する画像ムラの発生を抑制可能であることが分かる。
1 導電性支持体
2 導電性弾性層
3 表面層
4 感光体
5 帯電ローラ

Claims (12)

  1. 導電性支持体、導電性弾性層、および、表面層を有する帯電部材であって、
    該導電性弾性層は、絶縁性ドメインを、その少なくとも一部が該導電性弾性層の表面に露出するように含有し、
    該表面層は、下記構造式(a1)で表される構造を有するポリメタロキサンを含み、該構造式(a1)中のM1と、下記構造式(a2)で表される構造単位中の炭素原子とが、下記構造式(a3)で表される連結基を介して結合していることを特徴とする帯電部材:
    [構造式(a1)中、
    M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeからなる群より選択されるいずれかの金属原子を示し、
    M1が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
    M1が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
    M1が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
    M1が、Vの場合、k=3または5であり、
    sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
    L1は、下記式(b)で表される構造を有する配位子、または下記式(c)で表される構造を有する配位子を示す:
    (式(b)中、
    X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を示し、
    Y1は、前記構造式(a1)中のM1に配位する部位を有する基を示し、
    A1は、M1、X1およびY1と共に4〜8員環を形成するために必要な直接結合または原子団を示し、
    記号「**」は、M1に結合または配位する部位を示す:
    式(1)〜(4)中、
    記号「**」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示し、
    記号「***」は、前記式(b)中のA1との結合部位を示す。))
    (式(c)中、
    R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を示し、
    記号「****」は、前記構造式(a1)中のM1との配位部位を示す。)
    構造式(a2)中、
    R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、
    記号「*1」は、前記構造式(a3)中のZとの結合部位を示す。
    構造式(a3)中、
    Zは、置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、ただし、置換フェニレン基における置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
    記号「*1」は、前記構造式(a2)中の記号「*1」との結合部位を示し、
    記号「*2」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示す。]。
  2. 前記式(b)中のA1は、直接結合、アルキレン基、アルケニレン基、または、置換もしくは無置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環からなる群より選択されるいずれかの環を含む原子団である、請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記式(b)中のY1は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、カルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、チオカルボニル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のイミノ基、置換もしくは無置換の脂肪族複素環骨格を有する基、または、置換もしくは無置換の芳香族複素環骨格を有する基である、請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記式(b)中のA1は、単結合、アルキレン基、または、置換もしくは無置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環からなる群より選択されるいずれかの環を含む原子団である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の帯電部材。
  5. 前記構造式(a1)中のsは、1以上、(k−2)以下の整数である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の帯電部材。
  6. 前記式(b)においてA1、M1、X1およびY1によって形成される環は、5員環または6員環である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の帯電部材。
  7. 前記式(b)中のX1が前記式(1)で表される構造である場合、前記式(b)が下記式(5)〜(9)のいずれかで表される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の帯電部材:
    (式(5)〜(8)中、R101〜104は、それぞれ独立して、水素原子、メトキシ基、または、エトキシ基であり、Y11〜Y14は、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、無置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基であり、記号「**」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示す。)
    (式(9)中、R105は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基であり、R106は、水素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基であり、R107は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、または、ベンジル基であり、記号「**」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示す。)。
  8. 前記式(b)中のX1が前記式(2)〜(4)のいずれかで表される構造である場合、
    A1が、単結合、メチレン基、エチレン基、または、トリメチレン基であり、
    X1が、下記式(2a)〜(2c)、(3)または(4)のいずれかで表される構造であり、
    Y1が、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、無置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基である、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の帯電部材。
    (式(2a)〜(2c)、(3)および(4)中、記号「**」は、前記構造式(a1)中のM1との結合部位を示し、記号「***」は、前記式(b)中のA1との結合部位を示す。)
  9. 前記絶縁性ドメインが前記導電性弾性層の表面に凸状に形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の帯電部材。
  10. 前記絶縁性ドメインが中空形状の樹脂粒子を含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の帯電部材。
  11. 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
    該帯電部材が、請求項1〜10のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置であって、
    該帯電部材が、請求項1〜10のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。
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