JP2016200820A - 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安定した帯電性能を有する帯電部材の提供。
【解決手段】 該帯電部材は、支持体と、該支持体上の表面層とを有し、該表面層は、酸化マグネシウム粒子と、特定の構造を有する化合物と、を含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 該帯電部材は、支持体と、該支持体上の表面層とを有し、該表面層は、酸化マグネシウム粒子と、特定の構造を有する化合物と、を含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は帯電部材、それを用いたプロセスカートリッジ、及び、電子写真画像形成装置(以下「電子写真装置」と称す)に関する。
電子写真感光体と当接して電子写真感光体を帯電させる帯電部材は、電子写真感光体と帯電部材との当接ニップを十分かつ均一に確保するためにゴムを含む弾性層を有する構成が一般的である。そして、弾性層中に含まれる低分子量成分のブリード抑制、帯電性能の均一化を目的として、弾性層の表面に表面層が形成されている。
特許文献1では、弾性層の表面をゾル−ゲル法によって形成される無機酸化物膜で被覆することを提案している。また、特許文献2では、弾性層の表面を、ヒドロキシスチレン樹脂を含有する樹脂層で被覆することを提案している。
近年、電子写真画像形成装置に対しては、より一層の耐久性の向上が求められてきている。その実現のために、帯電部材に対しても、長期間に亘って安定した帯電性能を発揮することが求められている。
特許文献3には、長期間の繰り返し使用によっても表面にトナーや外添剤が固着しにくい帯電部材として、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する表面層を備えた帯電部材が記載されている。また、特許文献4には、ポリシロキサンとシリコーンオイルとを表面層に含有する帯電部材において、トナーやその外添剤の固着が抑制されることが記載されている。
帯電部材の帯電性能の経時的な変化の原因のひとつとして、トナーや外添剤の付着が考えられる。本発明者らの検討によれば、負帯電性トナーを用いる電子写真プロセスにおいて、記録媒体に転写されずに電子写真感光体に残存したトナーには(以下「転写残トナー」とも称す)、弱負帯電又は正帯電のものが含まれる。この弱負帯電又は正帯電トナーは、帯電部材と接触すると静電的に引きつけられ、帯電部材表面へ付着することがある。
そして、本発明者らの検討の結果、特許文献3および特許文献4に係る帯電部材の表面へのトナーの付着が抑制されていた。しかし、より一層の帯電性能の経時的安定性を向上させるためには、静電的に帯電部材表面に付着するトナーの付着量を抑制することが必要であることを認識した。
そこで、本発明は、安定した帯電性能を有する帯電部材の提供に向けたものである。
また、本発明は、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資するプロセスカートリッジ及び電子写真装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、支持体と、該支持体上の表面層とを有し、該表面層は、
酸化マグネシウム粒子と、
下記式(a)で表される化合物、または、下記式(b)で表される化合物と、を有する帯電部材が提供される:
酸化マグネシウム粒子と、
下記式(a)で表される化合物、または、下記式(b)で表される化合物と、を有する帯電部材が提供される:
(式(a)中、
L1は、M1On/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、nは、金属原子M1の価数がpである場合、1以上p以下の整数を表し、
M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を表し、
Y1は、L1中のM1に配位する部位を有する基を表し、
A1は、
(i)X1が式(1)で表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な原子団であって、かつ、芳香環を含み、芳香環を構成する1つの炭素原子はX1の酸素原子に結合しており、
(ii)X1が式(2)〜(4)のいずれかで表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合又は原子団を表す。)
L1は、M1On/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、nは、金属原子M1の価数がpである場合、1以上p以下の整数を表し、
M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を表し、
Y1は、L1中のM1に配位する部位を有する基を表し、
A1は、
(i)X1が式(1)で表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な原子団であって、かつ、芳香環を含み、芳香環を構成する1つの炭素原子はX1の酸素原子に結合しており、
(ii)X1が式(2)〜(4)のいずれかで表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合又は原子団を表す。)
(式(1)〜(4)中、記号「*」は、A1との結合部位を表し、記号「**」は、L1中のM1との結合部位を表す。);
(式(b)中、
L2は、M2Om/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、M2は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
mは、金属原子M2の価数がqである場合、1以上q以下の整数を表し、
R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はトリメチルシリル基を表し、
シクロペンタジエニル基は、L2中の金属原子M2に配位している。)。
L2は、M2Om/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、M2は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
mは、金属原子M2の価数がqである場合、1以上q以下の整数を表し、
R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はトリメチルシリル基を表し、
シクロペンタジエニル基は、L2中の金属原子M2に配位している。)。
また、本発明の他の態様によれば、支持体上に表面層を有し、該表面層は、酸化マグネシウム粒子、および、下記構造式(c1)で示される構造を有するポリメタロキサンを含み、
該ポリメタロキサンは、該ポリメタロキサン中のM3と、下記構造式(c2)で示される構成単位中の炭素原子とが、下記構造式(c3)で示される連結基によって結合している、帯電部材が提供される:
該ポリメタロキサンは、該ポリメタロキサン中のM3と、下記構造式(c2)で示される構成単位中の炭素原子とが、下記構造式(c3)で示される連結基によって結合している、帯電部材が提供される:
[構造式(c1)において、
M3はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeのいずれかの金属原子を示し、sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
M3が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M3が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M3が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M3が、Vの場合、k=3または5であり、
L3は、下記式(d)で表される構造を有する配位子または(e)で表される構造を有する配位子を表す。
M3はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeのいずれかの金属原子を示し、sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
M3が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M3が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M3が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M3が、Vの場合、k=3または5であり、
L3は、下記式(d)で表される構造を有する配位子または(e)で表される構造を有する配位子を表す。
(式(d)中、
X2は、下記式(5)〜(8)で表されるいずれかの構造を表し、
Y2は、M3に配位する部位を有する基を表し、
A2は、M3、X2、およびY2と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表し、
記号「**」はM3に結合または配位する部位を表す。)
X2は、下記式(5)〜(8)で表されるいずれかの構造を表し、
Y2は、M3に配位する部位を有する基を表し、
A2は、M3、X2、およびY2と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表し、
記号「**」はM3に結合または配位する部位を表す。)
(式(5)〜(8)中、記号「**」はM3との結合部位を表し、記号「***」はA2との結合部位を表す。)
(式(e)中、R31〜R35は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を表し、記号「****」はM3との配位部位を表す。)
構造式(c2)中、R1〜R3は各々独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、記号「*1」は、構造式(c3)のZとの結合部位を示す。
構造式(c2)中、R1〜R3は各々独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、記号「*1」は、構造式(c3)のZとの結合部位を示す。
構造式(c3)中、
Zは置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、但し、置換されている場合の置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、構造式(c2)中の記号「*1」との結合位置を表し、
記号「*2」は、構造式(c1)中のM3との結合位置を表す。)。
Zは置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、但し、置換されている場合の置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、構造式(c2)中の記号「*1」との結合位置を表し、
記号「*2」は、構造式(c1)中のM3との結合位置を表す。)。
本発明の更に他の態様によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、該帯電部材が上記の帯電部材であるプロセスカートリッジが提供される。
また、本発明の更に他の態様によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置であって、該帯電部材が上記の帯電部材である電子写真装置が提供される。
本発明の一態様によれば、帯電部材の表面へのトナーの静電的な付着を抑制することができ、長期間の使用によっても安定した帯電性能を示す帯電部材を得ることが可能である。また、本発明の他の態様によれば、安定して高品位な電子写真画像を形成し得るプロセスカートリッジ及び電子写真装置を得ることが可能である。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、更なる検討を重ねた結果、特定の構造を有する化合物と酸化マグネシウム粒子とを含む膜が、負帯電性トナーとの摺擦によって当該負帯電性トナーに負電荷を生じさせる能力が高いことを見出した。そして、このような膜で表面層を構成してなる帯電部材が、表面へのトナーの付着が極めて有効に抑制され、帯電性能をより一層安定して維持し得ることを見出した。
以下、本発明の一実施形態に係る帯電部材について説明する。
以下、本発明の一実施形態に係る帯電部材について説明する。
〔帯電部材〕
図1に本発明の一実施様態に係る、ローラ形状の帯電部材の断面を示す。帯電部材は、支持体101と、導電性の弾性層102と、表面層103とを有している。帯電部材の形状はローラ形状に限定されるものではなく、いずれの形状であってもよい。
図1に本発明の一実施様態に係る、ローラ形状の帯電部材の断面を示す。帯電部材は、支持体101と、導電性の弾性層102と、表面層103とを有している。帯電部材の形状はローラ形状に限定されるものではなく、いずれの形状であってもよい。
電子写真感光体(以下、「感光体」ともいう)の表面を帯電可能に配置される帯電部材は、感光体との当接ニップを十分に確保するために、弾性層を有する構成が好ましく用いられる。弾性層を有する帯電部材の最も簡単な構成は、支持体上に弾性層及び表面層の2層を設けた構成である。支持体と弾性層との間や弾性層と表面層との間に別の層を1つ又は2つ以上設けてもよい。
〔支持体〕
支持体101としては導電性を有するものを用いる。具体例としては、以下のものが挙げられる。鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルで形成されている金属製(合金製)の支持体。
支持体101としては導電性を有するものを用いる。具体例としては、以下のものが挙げられる。鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルで形成されている金属製(合金製)の支持体。
〔弾性層〕
弾性層102を構成する材料としては、従来から帯電部材の弾性層として用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種又は2種以上用いることができる。
弾性層102を構成する材料としては、従来から帯電部材の弾性層として用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種又は2種以上用いることができる。
ゴムとしては、具体的には、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムなどが挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系エラストマー及びオレフィン系エラストマー等が挙げられる。
弾性層102は、導電剤を含むことによって所定の導電性を有するように構成することが好ましい。弾性層102の電気抵抗値の好適な範囲は102Ω以上108Ω以下である。
弾性層102に用いられる導電剤としては、炭素系材料、金属酸化物、金属、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質などを用いることが可能である。
炭素系材料としては、具体的には、導電性カーボンブラック、グラファイトなどが挙げられる。金属酸化物としては、具体的には、酸化スズ、酸化チタン及び酸化亜鉛などが挙げられる。金属としては、具体的には、ニッケル、銅、銀及びゲルマニウムが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、具体的には、第四級アンモニウム塩(ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウム等)、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩など)が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、具体的には、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩および高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩が挙げられる。
帯電防止剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及び多価アルコール脂肪酸エステルの如き非イオン性帯電防止剤が挙げられる。
電解質としては、周期律表第1族の金属(Li、Na、Kなど)の塩(第四級アンモニウム塩など)が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩としては、具体的には、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCNおよびNaClが挙げられる。
また、弾性層102用の導電剤として、周期律表第2族の金属(Ca、Baなど)の塩(Ca(ClO4)2など)やこれから誘導される帯電防止剤を用いることもできる。また、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール)もしくはその誘導体との錯体や、これらとモノオール(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル)との錯体の如きイオン導電性導電剤を用いることが可能である。
弾性層102の硬度は、帯電部材と被帯電体である感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する観点から、MD−1硬度で60度以上85度以下であることが好ましい。また、弾性層102は、感光体と幅方向で均一に当接させるために、中央部の層厚が端部の層厚よりも厚い、いわゆるクラウン形状とすることが好ましい。
〔表面層〕
(i)第一の実施形態
帯電部材の表面層103は、酸化マグネシウム粒子と、下記式(a)で表される化合物と、を含む。
(i)第一の実施形態
帯電部材の表面層103は、酸化マグネシウム粒子と、下記式(a)で表される化合物と、を含む。
〈式(a)で表される化合物〉
(式(a)中、
L1は、M1On/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、nは、金属原子M1の価数がpである場合、1以上p以下の整数を表し、
M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を表し、
Y1は、L1中のM1に配位する部位を有する基を表し、
A1は、
(i)X1が式(1)で表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な原子団であって、かつ、芳香環を含み、芳香環を構成する1つの炭素原子はX1の酸素原子に結合しており、
(ii)X1が式(2)〜(4)のいずれかで表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合又は原子団を表す。)
L1は、M1On/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、nは、金属原子M1の価数がpである場合、1以上p以下の整数を表し、
M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を表し、
Y1は、L1中のM1に配位する部位を有する基を表し、
A1は、
(i)X1が式(1)で表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な原子団であって、かつ、芳香環を含み、芳香環を構成する1つの炭素原子はX1の酸素原子に結合しており、
(ii)X1が式(2)〜(4)のいずれかで表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合又は原子団を表す。)
(式(1)〜(4)中、記号「*」は、A1との結合部位を表し、記号「**」は、L1中のM1との結合部位を表す。)
ポリメタロキサン中の金属原子M1は、複数種の金属原子であっても良い。また、ポリメタロキサンは、SiOr/2(rは1以上4以下の整数)で表される構造単位を有していても良い。この構造単位を有することで、ポリメタロキサンの非晶性が向上し、膜の平滑性や強度をより一層向上させることが可能である。
式(2)中、窒素原子は、ピロール骨格、インドール骨格、ピロリジン骨格、カルバゾール骨格、イミダゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、ピラゾール骨格、インダゾール骨格、トリアゾール骨格、ベンゾトリアゾール骨格、テトラゾール骨格、ピロリドン骨格、ピペリジン骨格、モルホリン骨格、ピペラジン骨格の如き複素環中の窒素原子であってもよい。これらの骨格は、置換基を有していても良い。置換基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐の、アルキル基またはアルコキシ基が挙げられる。より好ましくは、炭素数1〜4である。(以降に登場する置換基も、特別の記載が無い限り、ここで記載した置換基と同様である。)窒素原子が複素環中の窒素原子でない場合において、窒素原子に、A1及びM1以外で結合している原子又は基は、水素原子、置換もしくは未置換のアリール基又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。具体的には、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基などの直鎖のアルキル基、イソプロピル基、t−ブチルなどの分岐鎖を持つアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基が挙げられる。特に、式(2)で表される基としては、未置換のアミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基及びピロール骨格を有する基から、窒素原子に結合する水素原子を1つ取り除いた基であることがよい。
式(a)中のY1は、L1中のM1に配位する部位を有する基を表し、非共有電子対を持つ原子を含む基である。具体的には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオカルボニル基、置換または未置換のアミノ基、置換または未置換のイミノ基が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。
アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基が挙げられる。なお、これらの基は、置換基を有していても良い。
アルキルチオ基としては、アルコキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
アリールチオ基としては、アリールオキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
カルボニル基としては、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基(R−CO−NR−又はR−NR−CO−)、ウレイド基(NH2−CO−NH−)、ウレア基(R−NH−CO−NH−)が挙げられる。アルキルカルボニル基およびアルコキシカルボニル基中のアルキル基、並びに、アミド基、及びウレア基中のRは、それぞれ、炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの直鎖のアルキル基、イソプロピル基、t−ブチル基などの分岐鎖のアルキル基が挙げられる。より好ましくは、炭素数1〜4である。
アリールカルボニル基としては、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素とカルボニル基とが結合した基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環とカルボニル基とが結合した基が挙げられる。具体的には、置換または未置換の、フェニルカルボニル基及びナフチルカルボニル基が挙げられる。
チオカルボニル基としては、前記カルボニル基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
置換されたアミノ基としては、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、置換または未置換のアリールアミノ基が挙げられる。具体的には、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基の如き炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基の如き炭素数1〜10のジアルキルアミノ基、モノフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基の如き、置換または未置換のアリールアミノ基が挙げられる。
未置換のイミノ基は、>C=NHまたは−N=CH2と表される基である。未置換のイミノ基中の水素原子は、炭素数1〜10のアルキル基、または、置換もしくは未置換のアリール基(フェニル基、ナフチル基)によって置換されていてもよい。
また、Y1は脂肪族又は芳香族の複素環骨格を有する基であっても良い。芳香族の複素環骨格としては、チオフェン骨格、フラン骨格、ピリジン骨格、ピラン骨格、ベンゾチオフェン骨格、ベンゾフラン骨格、キノリン骨格、イソキノリン骨格、オキサゾール骨格、ベンゾオキサゾール骨格、チアゾール骨格、ベンゾチアゾール骨格、チアジアゾール骨格、ベンゾチアジアゾール骨格、ピリダジン骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、フェナジン骨格、アクリジン骨格、キサンテン骨格、イミダゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、ピラゾール骨格、インダゾール骨格、トリアゾール骨格、ベンゾトリアゾール骨格及びテトラゾール骨格が挙げられる。なお、これらの骨格は、置換基を有していても良い。脂肪族の複素環骨格としては、置換または未置換の、モルホリン骨格が挙げられる。
上記したY1の中でも、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換または未置換のフェノキシ基、置換または未置換のナフチルオキシ基、ホルミル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシカルボニル基、チオカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、エチルメチルアミド基、未置換のアミノ基、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノフェニルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基であることが好ましい。
式(a)中のA1は、X1が式(1)である場合に、M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な原子団であって、かつ、芳香環を含み、芳香環を構成する1つの炭素原子はX1の酸素原子に結合している。
具体的なA1として、置換または未置換の、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環及びイソキノリン環等)を含む原子団が挙げられる。また、A1はY1の芳香族複素環と縮合環を形成してもよい。A1としては、特には、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環)を含む原子団であることが好ましい。
なお、X1が式(1)である場合のA1は、芳香環を有することが重要である。芳香環を有する場合の方が、A1、M1、X1、及びY1によって形成される構造を有する金属錯体の安定性が高く、帯電部材の性能安定性も高い。
式(a)中のA1は、X1が式(2)〜(4)で表されるいずれかの構造である場合に、M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合又は原子団を表す。A1が、M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な原子団である場合における当該原子団の例を以下に挙げる。メチレン基、エチレン基などのアルキレン基、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環及びイソキノリン環)を含む原子団。
A1としては、特には、結合及びアルキレン基、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環)を含む原子団であることが好ましい。
また、A1が芳香環を含む原子団である場合、Y1の芳香族複素環、X1の芳香族複素環、またはその両方の芳香族複素環と縮合環を形成してもよい。
式(a)において、A1、M1、X1、及びY1によって形成される環は、錯体の形成容易性の観点から、5員環又は6員環であることが好ましい。
式(a)中のA1、X1及びY1の好ましい組み合わせを以下に2つ挙げる。
A1が、下記式(A1−1)または(A1−2)で表される構造であり、X1が、下記式(X1−1)または(X1−2)で表される構造であり、Y1が、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基である。
(式(A1−1)及び(A1−2)中、R11及びR13は、それぞれ、Y1と結合している、単結合またはメチレン基を表し、R12及びR14は、それぞれ、水素原子、メトキシ基、または、エトキシ基を表し、記号「*」はX1との結合部位を表す。)
(式(X1−1)及び(X1−2)中、記号「*」はA1との結合部位を表し、記号「**」はM1との結合部位を表す。)
なお、上記組み合わせにおいて、Y1がピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基である場合は、Y1中の芳香環とA1中の芳香環とが縮合環を形成しているものも含むものとする。
また、A1が、結合、メチレン基、エチレン基、または、トリメチレン基であり、X1が、下記式(X1−3)〜(X1−7)のいずれかで表される構造であり、Y1が、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基である。
(式(X1−3)〜(X1−7)中、記号「*」はA1との結合部位を表し、記号「**」はM1との結合部位を表す。)
なお、上記2つのA1、X1及びY1の組み合わせにおいて、さらに、A1、M1、X1、及びY1によって形成される環は、錯体の形成容易性の観点から、5員環又は6員環であることが好ましい。
上記式(a)について、金属原子に配位及び結合して上記の構造を形成する化合物(以下、「配位子用化合物」ともいう)として具体的な例を表1〜4にまとめて示した。なお、表1〜4中、「Me」は、メチル基を意味する。
表1〜4に示した配位子用化合物のうちのいくつか取り上げ詳細に説明する。
X1が式(1)である場合の配位子用化合物の例として、下記式(101)で表されるグアヤコールが挙げられる。
グアヤコールは、ヒドロキシ基の水素原子が外れて酸素原子が金属原子に結合し、メトキシ基の酸素原子が金属原子に配位結合することにより、錯体を形成する。残部の1,2−フェニレン基がA1に該当する。
X1が式(1)である場合の配位子用化合物の他の例として、下記式(102)で表される4−ヒドロキシ−5−アザフェナントレンが挙げられる。4−ヒドロキシ−5−アザフェナントレンは、A1中の芳香環がY1の芳香族複素環と一体となっている配位子用化合物である。
4−ヒドロキシ−5−アザフェナントレンは、ヒドロキシ基の水素原子が外れて酸素原子が金属原子に結合し、ピリジン骨格中の窒素原子が金属原子と配位結合することにより、錯体を形成する。ナフタレン骨格がA1に該当し、ピリジン骨格とナフタレン骨格が縮合環を形成し、アザフェナントレン骨格となる。
X1が式(2)〜(4)である場合の配位子用化合物の例として、下記式(103)で表される2−アセチルピロールが挙げられる。
2−アセチルピロールは、ピロール骨格中の窒素原子が金属原子に結合し、アセチル基の酸素原子が金属原子に配位結合することにより、錯体を形成する。アセチル基とピロール基をつなぐ結合がA1に該当する。
〈酸化マグネシウム粒子〉
酸化マグネシウム粒子としては公知の酸化マグネシウム粒子を用いることが可能である。酸化マグネシウム粒子の一次粒子の平均粒径としては、0.05μm以上10μm以下の範囲であることが好ましい。特に、塗工性、塗工液中の酸化マグネシウムの分散安定性の観点から、酸化マグネシウム粒子の一次粒子の平均粒径が0.05μm以上3μm以下の範囲であることが好ましい。また、塗工液の安定性の観点から、水分含有量の少ない高純度の酸化マグネシウムを用いることが好ましいため、純度が99.9%以上の酸化マグネシウム粒子を用いることが好ましい。このような酸化マグネシウムの例としては、例えば、宇部マテリアル株式会社製の「気相法高純度超微粉マグネシア」の品名「500A」(粒子径:45〜60nm)、品名「2000A」(粒子径:190〜240nm)が挙げられる。
酸化マグネシウム粒子としては公知の酸化マグネシウム粒子を用いることが可能である。酸化マグネシウム粒子の一次粒子の平均粒径としては、0.05μm以上10μm以下の範囲であることが好ましい。特に、塗工性、塗工液中の酸化マグネシウムの分散安定性の観点から、酸化マグネシウム粒子の一次粒子の平均粒径が0.05μm以上3μm以下の範囲であることが好ましい。また、塗工液の安定性の観点から、水分含有量の少ない高純度の酸化マグネシウムを用いることが好ましいため、純度が99.9%以上の酸化マグネシウム粒子を用いることが好ましい。このような酸化マグネシウムの例としては、例えば、宇部マテリアル株式会社製の「気相法高純度超微粉マグネシア」の品名「500A」(粒子径:45〜60nm)、品名「2000A」(粒子径:190〜240nm)が挙げられる。
〈表面層の形成方法〉
表面層103は、支持体101上、又は、弾性層102上にコーティング液の塗膜を乾燥させることにより形成することが可能である。
表面層103は、支持体101上、又は、弾性層102上にコーティング液の塗膜を乾燥させることにより形成することが可能である。
コーティング液は、有機溶剤中、金属アルコキシド、配位子用化合物、および、酸化マグネシウムを混合することにより得ることができる。入手可能な場合には、化合物が配位した金属アルコキシドを入手し、そのまま使用することも可能である。
金属アルコキシドとしては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、タングステン、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびゲルマニウムのアルコキシドが用いられる。アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、iso−プロポキシド、n−ブトキシド、2−ブトキシド、t−ブトキシドが挙げられる。
配位子用化合物は、金属アルコキシド1モルに対して0.5モル以上添加することが好ましく、1モル以上添加することがより好ましい。また、複数の化合物や金属アルコキシドを組み合わせても良い。
式(a)で表される化合物において、金属原子と先述の配位子用化合物が結合していることは、1H−NMR分析をおこなうことで確認することが可能である。
コーティング液には、必要に応じ、金属アルコキシドを縮合してポリメタロキサンとするために、触媒として水、酸、塩基を加えることも可能である。また、コーティング液を加熱して縮合を促進しても良い。水を添加する場合、水の添加量は金属アルコキシド1モルに対して0.01モル〜5モル添加することが好ましく、0.1モル〜3モル添加することがより好ましい。
表面層103の膜性(膜の平滑性、強度)をより向上させるために、コーティング液にアルコキシシランを添加することもできる。用いられるアルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランが用いられる。
テトラアルコキシシランとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(iso−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(2−ブトキシ)シラン、テトラ(t−ブトキシ)シランが挙げられる。
トリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラン類、および、トリエトキシシラン類が挙げられる。
トリメトキシシラン類の具体例としては、例えば、トリメトキシヒドロシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリメトキシ(n−プロピル)シラン、トリメトキシ(iso−ポロポキシ)シラン、トリメトキシ(n−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(2−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(t−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(n−ヘキシル)シラン、トリメトキシ(n−オクチル)シラン、トリメトキシ(n−デシル)シラン、トリメトキシ(n−ドデシル)シラン、トリメトキシ(n−テトラデシル)シラン、トリメトキシ(n−ペンタデシル)シラン、トリメトキシ(n−ヘキサデシル)シラン、トリメトキシ(n−オクタデシル)シラン、トリメトキシシクロヘキシルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(3−グリシジルプロピル)シランなどが挙げられる。
トリエトキシシラン類の具体例としては、例えば、トリエトキシヒドロシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシ(n−プロピル)シラン、トリエトキシ(iso−ポロポキシ)シラン、トリエトキシ(n−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(2−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(t−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(n−ヘキシル)シラン、トリエトキシ(n−オクチル)シラン、トリエトキシ(n−デシル)シラン、トリエトキシ(n−ドデシル)シラン、トリエトキシ(n−テトラデシル)シラン、トリエトキシ(n−ペンタデシル)シラン、トリエトキシ(n−ヘキサデシル)シラン、トリエトキシ(n−オクタデカ)シラン、トリエトキシシクロヘキシルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリエトキシ(3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
ジアルコキシシランとしては、具体的には、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシ(ビス−3−グリシジルプロピル)シランなどのジメトキシシラン類、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシ(ビス−3−グリシジルプロピル)シランなどのジエトキシシラン類が挙げられる。
用いる有機溶剤としては、金属アルコキシドと先述の化合物が溶解できる溶剤であれば特に限定はないが、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、セロソルブ系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒など用いられる。アルコール系溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、シクロヘキサノールが挙げられる。エーテル系溶媒としては、具体的には、ジメトキシエタンが挙げられる。セロソルブ系溶媒としては、具体的には、メチルセロソルブ、エチルセロソルブが挙げられる。ケトン系溶媒としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトンが挙げられる。エステル系溶媒としては、具体的には、酢酸メチル、酢酸エチルなどが挙げられる。有機溶剤は、単独で用いるほか、2種以上の混合物も使用可能である。
表面層103を形成させる方法は特に限定はなく、一般的に用いられる方法を選択することができる。具体的には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布が挙げられる。
表面層103の形成後は、溶剤を乾燥させるために、加熱処理することも可能である。
また、表面層103を表面処理することにより、動摩擦、表面自由エネルギーなどの表面物性を調整することが可能である。具体的には、活性エネルギー線を照射する方法があり、活性エネルギー線としては、紫外線、赤外線、電子線が挙げられる。
表面層103の厚さは、0.005μm〜30μmであることが好ましく、0.005μm〜5μmであることがより好ましい。
(ii)第二の実施形態
帯電部材の表面層103は、酸化マグネシウム粒子と、下記式(b)で表される化合物と、を含む。
帯電部材の表面層103は、酸化マグネシウム粒子と、下記式(b)で表される化合物と、を含む。
(式(b)中、
L2は、M2Om/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、M2は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
mは、金属原子M2の価数がqである場合、1以上q以下の整数を表し、
R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はトリメチルシリル基を表し、
シクロペンタジエニル基は、L2中の金属原子M2に配位している。)
L2は、M2Om/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、M2は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
mは、金属原子M2の価数がqである場合、1以上q以下の整数を表し、
R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はトリメチルシリル基を表し、
シクロペンタジエニル基は、L2中の金属原子M2に配位している。)
式(b)において、ポリメタロキサン中の金属原子M2は、複数種の金属原子であっても良い。また、ポリメタロキサンは、SiOs/2(sは1以上4以下の整数)で表される構造単位を有していても良い。この構造単位を有することで、ポリメタロキサンの非晶性が向上し、膜の平滑性や強度をより一層向上させることが可能である。
式(b)中のR21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基又はトリメチルシリル基を表す。R21〜R25は、特には電子供与性を示す基であることが好ましい。すなわち、R21〜R25は、それぞれ独立して、メチル基、t−ブチル基又はトリメチルシリル基であることが好ましい。
式(b)について、金属原子に配位及び結合して上記の構造を形成する化合物(配位子用化合物)の具体例を表5に示す。なお、表5に示した構造中、「Me」は、メチル基を意味する。
酸化マグネシウム粒子は、第一の実施形態で述べたものと同様である。
本実施形態に係る表面層103は、第一の実施形態に係る表面層103の場合と同様の方法で形成することが可能である。
(iii)第三の実施形態
帯電部材の表面層103は、
酸化マグネシウム粒子、および、下記構造式(c1)で示される構造を有するポリメタロキサン、を含み、
該ポリメタロキサンは、該ポリメタロキサン中のM1と、下記構造式(c2)で示される構成単位中の炭素原子とが、下記構造式(c3)で示される連結基によって結合している:
帯電部材の表面層103は、
酸化マグネシウム粒子、および、下記構造式(c1)で示される構造を有するポリメタロキサン、を含み、
該ポリメタロキサンは、該ポリメタロキサン中のM1と、下記構造式(c2)で示される構成単位中の炭素原子とが、下記構造式(c3)で示される連結基によって結合している:
[式(c1)において、
M3はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeのいずれかの金属原子を示し、sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
M3が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M3が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M3が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M3が、Vの場合、k=3または5であり、
L3は、下記式(d)で表される構造を有する配位子または(e)で表される構造を有する配位子を表す。
M3はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeのいずれかの金属原子を示し、sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
M3が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M3が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M3が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M3が、Vの場合、k=3または5であり、
L3は、下記式(d)で表される構造を有する配位子または(e)で表される構造を有する配位子を表す。
(式(d)中、
X2は、下記式(5)〜(8)で表されるいずれかの構造を表し、
Y2は、M3に配位する部位を有する基を表し、
A2は、M3、X2、およびY2と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表し、
記号「**」はM3に結合または配位する部位を表す。)
X2は、下記式(5)〜(8)で表されるいずれかの構造を表し、
Y2は、M3に配位する部位を有する基を表し、
A2は、M3、X2、およびY2と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表し、
記号「**」はM3に結合または配位する部位を表す。)
(式(5)〜(8)中、記号「**」はM3との結合部位を表し、記号「***」はA2との結合部位を表す。)
(式(e)中、R31〜R35は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を表し、記号「****」はM3との配位部位を表す。)
構造式(c2)中、R1〜R3は各々独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、記号「*1」は、式(c3)のZとの結合部位を示す。
構造式(c3)中、
Zは置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、但し、置換されている場合の置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、構造式(c2)中の記号「*1」との結合位置を表し、
記号「*2」は、構造式(c1)中のM3との結合位置を表す。)。
Zは置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、但し、置換されている場合の置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、構造式(c2)中の記号「*1」との結合位置を表し、
記号「*2」は、構造式(c1)中のM3との結合位置を表す。)。
本態様に係る本発明に係るポリメタロキサンは、金属原子M3と酸素原子とが結合しているメタロキサン構造を有する。ここで、M3は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、または、ゲルマニウム(Ge)の何れかである。
例えば、構造式(c1)において、M3がTiであり、s=0の場合、ポリメタロキサン中には、TiO3/2で示されるメタロキサン構造が存在し、当該メタロキサン構造中のTiが、構造式(c3)で示される連結基によって、構造式(c2)で示される構成単位中の炭素原子と結合していることとなる。また、s=1の場合、ポリメタロキサン中には、TiO2/2(L3)1で示されるメタロキサン構造が存在し、当該メタロキサン構造中のTiに後述する配位子(d)または(e)が配位すると共に、構造式(c3)で示される連結基によって、構造式(c2)で示される構成単位中の炭素原子と結合していることとなる。
本発明に係るポリメタロキサンは、下記構造式(c4)で示される構造を更に含んでいてもよい。かかる構造を含ませることで、表面層の性質を調整することができる。調整し得る表面層の性質の例としては、例えば、平滑性や強度が挙げられる。
構造式(c4)において、M3およびkは、構造式(c1)のM3およびkと同義である。また、tは、0以上、k−1以下の整数を表す。
例えば、構造式(c4)において、M3がTi、t=0の場合、当該ポリメタロキサンは、TiO4/2を更に含むものとなる。
また、t=1の場合、当該ポリメタロキサンは、TiO3/2(L3)1を更に含むものとなる。
ポリメタロキサン中の金属原子M3の存在は、例えば、エネルギー分散型X線分光分析装置(EDAX)を用いて確認することができ、また、メタロキサン構造の存在は、例えば、各種核磁気共鳴(NMR)分析により確認することができる。さらに、構造式(c1)中のM3が、構造式(c3)で示す連結基を介して構造式(c2)で示す構成単位中の炭素原子と結合していることは、例えば、固体NMR分析によって、ポリビニルフェノールのフェニレン基中の水酸基と結合している炭素原子起因のピークの低磁場側へのケミカルシフトによって確認することができる。
次いで、構造式(c1)におけるL3に係る、上記式(d)で表される構造を有する配位子、および、上記式(e)で表される構造を有する配位子について、それぞれ説明する。
式(6)中、窒素原子は、置換もしくは未置換の、ピロール骨格、インドール骨格、ピロリジン骨格、カルバゾール骨格、イミダゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、ピラゾール骨格、インダゾール骨格、トリアゾール骨格、ベンゾトリアゾール骨格、テトラゾール骨格、ピロリドン骨格、ピペリジン骨格、モルホリン骨格、ピペラジン骨格の如き複素環骨格中の窒素原子であってもよい。該置換基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐の、アルキル基またはアルコキシ基が挙げられる。より好ましくは、炭素数1〜4である。(以降の置換基も特別の記載が無い限り同様とする。)窒素原子が複素環骨格中の窒素原子でない場合において、窒素原子に、A2およびM3以外で結合している原子または基は、水素原子、置換もしくは未置換のアリール基または炭素数1〜10のアルキル基を表す。具体的には、フェニル基、ナフチル基の如きアリール基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基の如き直鎖のアルキル基、イソプロピル基、t−ブチルの如き分岐鎖を持つアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基の如き環状アルキル基が挙げられる。特に、式(6)で表される基としては、未置換のアミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基またはピロール骨格を有する2価の基から、窒素原子に結合する水素原子を1つ取り除いた基であることがよい。
式(d)中のY2は、構造式(c1)中のM3に配位する部位を有する基を表し、非共有電子対を持つ原子を含む基である。具体的には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオカルボニル基、置換または未置換のアミノ基、置換または未置換のイミノ基が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。
アリールオキシ基としては、置換または未置換の、フェノキシ基およびナフチルオキシ基が挙げられる。
アルキルチオ基としては、アルコキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
アリールチオ基としては、アリールオキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
カルボニル基としては、ホルミル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基(R−CO−NR−またはR−NR−CO−)、ウレイド基(NH2−CO−NH−)、ウレア基(R−NH−CO−NH−)が挙げられる。アルキルカルボニル基およびアルコキシカルボニル基中のアルキル基、並びに、アミド基およびウレア基中のRは、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐のアルキル基であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基の如き直鎖のアルキル基、イソプロピル基、t−ブチルの如き分岐のアルキル基が挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4である。
アリールカルボニル基としては、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素とカルボニル基とが結合した基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環とカルボニル基とが結合した基が挙げられる。具体的には、置換または未置換の、フェニルカルボニル基およびナフチルカルボニル基が挙げられる。
チオカルボニル基としては、前記カルボニル基の酸素原子を硫黄原子に置き換えた基が挙げられる。
置換されたアミノ基としては、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、置換または未置換のアリールアミノ基が挙げられる。具体的には、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基の如き炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基の如き炭素数1〜10のジアルキルアミノ基、モノフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基の如き、置換または未置換の炭素数1〜10のアリールアミノ基が挙げられる。
未置換のイミノ基は、>C=NHまたはN=CH2と表される基である。未置換のイミノ基中の水素原子は、炭素数1〜10のアルキル基、または、置換もしくは未置換のアリール基(フェニル基、ナフチル基)によって置換されていても良い。
また、Y2は脂肪族または芳香族の複素環骨格を有する基であっても良い。芳香族の複素環骨格としては、置換または未置換の、チオフェン骨格、フラン骨格、ピリジン骨格、ピラン骨格、ベンゾチオフェン骨格、ベンゾフラン骨格、キノリン骨格、イソキノリン骨格、オキサゾール骨格、ベンゾオキサゾール骨格、チアゾール骨格、ベンゾチアゾール骨格、チアジアゾール骨格、ベンゾチアジアゾール骨格、ピリダジン骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、フェナジン骨格、アクリジン骨格、キサンテン骨格、イミダゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、ピラゾール骨格、インダゾール骨格、トリアゾール骨格、ベンゾトリアゾール骨格およびテトラゾール骨格が挙げられる。脂肪族の複素環骨格としては、置換または未置換のモルホリン骨格が挙げられる。
上記したY2の中でも、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換または未置換のフェノキシ基、置換または未置換のナフチルオキシ基、ホルミル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシカルボニル基、チオカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、エチルメチルアミド基、未置換のアミノ基、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノフェニルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基であることが好ましい。
式(d)中のA2は、M3、X2、およびY2と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団である。A2が、M3、X2、およびY2と共に4〜8環を形成するのに必要な原子団である場合における当該原子団の例を以下に挙げる。メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基の如きアルキレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基の如きアルケニレン基、置換もしくは未置換の芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環)を含む原子団。A2としては、特には、結合、アルキレン基、または、置換もしくは未置換の芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、ピリジン環、インドール環、キノリン環およびイソキノリン環)を含む原子団であることが好ましい。A2がこれらである場合は、A2がアルケニレン基である場合と比較して、(d)で表される構造の安定性が高く、負電荷付与能が良好な帯電部材を得ることが可能である。
A2が芳香環を含む原子団である場合、Y2の芳香族複素環、X2の芳香族複素環またはその両方の芳香族複素環と縮合環を形成してもよい。
A2、M3、X2、およびY2によって形成される環は、錯体の形成容易性の観点から、5員環または6員環であることが好ましい。
上記式(d)で表される配位子は、具体的には以下のものが好ましい。
X2が式(5)で表される配位子である場合、式(d)で表される配位子は、下記式(9)〜(13)で表されるいずれかの構造であることが好ましい。
式(9)〜(12)中、R101〜104は、それぞれ独立して、水素原子、メトキシ基、または、エトキシ基であり、Y21〜Y24は、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基であり、記号「**」はM3との結合部位を表す。
式(13)中、R105は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基であり、R106は、水素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基であり、R107は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、または、ベンジル基であり、記号「**」は、M3との結合部位を表す。
また、X2が式(6)〜(8)で表される配位子である場合、式(d)において、X2、A2、および、Y2の組み合わせは、以下であることが好ましい。
A2が、結合、メチレン基、エチレン基、または、トリメチレン基であり、X2が、下記式(6a)〜(6c)、(7)および(8)のいずれかで表される構造であり、Y2が、メトキシ基、エトキシ基、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基、チオカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、未置換のイミノ基、メタンイミノ基、エタンイミノ基、ピリジン骨格を有する基、キノリン骨格を有する基、または、イソキノリン骨格を有する基である。
式(6a)〜(6c)、(7)および(8)中、記号「**」はM3との結合部位を表し、記号「***」はA2との結合部位を表す。
下記式(d)で表される構造を有する配位子を形成し得る化合物(以下「配位子用化合物」と称す)の具体的な例は、上記表1〜4に示した化合物と同様である。これらの中からいくつか取り上げ、具体的に説明する。
X2が式(8)である場合の配位子用化合物の例として、下記式(104)で表されるo−アニス酸が挙げられる。
o−アニス酸は、カルボキシル基の水素原子が外れて酸素原子が金属原子に結合し、メトキシ基の酸素原子が金属原子に配位結合することにより、錯体を形成する。残部の1,2−フェニレン基がA2に該当する。
o−アニス酸とチタンイソプロポキシドをモル比2:1で混合させて錯体を形成し、ポリビニルフェノールと混合した場合、例えば、下記式(105)のような構造を取り得ると考えられる。
また、表1〜4に示した配位子用化合物以外の配位子用化合物の例として、上記式(13)で表される配位子用化合物の例を挙げる。
アセチルアセトン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−へプタンジオン、2,6−ジメチル−3,5−へプタンジオン、6−メチル−2,4−ヘプタンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、3−フェニル−2,4‐ペンタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオンの如きβ−ジケトン、および、アセト酢酸メチル、3−オキソペンタン酸メチル、4−オキソヘキサン酸メチル、イソブチリル酢酸メチル、4,4−ジメチル−3−オキソ吉草酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸ベンジルの如きβ−ケトエステル。
これらのうち、例えば下記式(106)で表されるアセチルアセトンは、エノール体のヒドロキシ基の酸素原子がX2、メチルカルボニル基がY2に該当し、残部がA2である。
アセチルアセトンとチタンイソプロポキシドをモル比2:1で混合させて錯体を形成し、ポリビニルフェノールと混合した場合、下記式(107)のような構造を取ると考えられる。
前記式(e)において、R31〜R35は電子供与性を示す基であることが好ましい。すなわち、メチル基、t−ブチル基またはトリメチルシリル基であることが好ましい。
上記式(e)について、金属原子に配位および結合して上記の構造を形成する化合物として具体的な例は、上記表5に例示した化合物と同様である。
〈酸化マグネシウム粒子〉
酸化マグネシウム粒子は、第一の実施形態に記載した酸化マグネシウム粒子と同様である。
酸化マグネシウム粒子は、第一の実施形態に記載した酸化マグネシウム粒子と同様である。
〈表面層の形成方法〉
本実施形態に係るメタロキサンは、
・フェノール性水酸基を有する構成単位を含む重合体と、
・下記式(f)で示される構造を有する金属アルコキシドと、を反応させることによって得られるものである。すなわち、本実施態様に係るポリメタロキサンは、フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と、下記式(f)で表される構造を有する金属アルコキシドとの反応物とも定義し得る。
本実施形態に係るメタロキサンは、
・フェノール性水酸基を有する構成単位を含む重合体と、
・下記式(f)で示される構造を有する金属アルコキシドと、を反応させることによって得られるものである。すなわち、本実施態様に係るポリメタロキサンは、フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と、下記式(f)で表される構造を有する金属アルコキシドとの反応物とも定義し得る。
フェノール性水酸基を有する構成単位を有する重合体としては、ポリビニルフェノール(ポリヒドロキシスチレン)の如きビニルフェノールを構成単位として有する重合体、および、ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。
表面層103は、フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と、下記式(f)で表される構造を有する金属アルコキシドとを含むコーティング液の塗膜を乾燥させることにより形成することが可能である。つまり、本実施形態に係る表面層103は、フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体と、下記式(f)で表される構造を有する金属アルコキシドとの反応物を含む。なお、その反応物はアモルファス状である。
式(f)中、M4は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeからなる群より選ばれる何れかの金属原子を表す。また、iに関して、M4がAl、Ga、Inの場合、i=3、M4がTi、Zr、Hf、Geの場合、i=4、M4がNb、Ta、Wの場合、i=5、M4がVの場合、i=3または5である。
R40は、炭素数1〜10の炭化水素基を表す。
また、jは、0以上の整数を示し、但し、(i−j)は2以上である。jは、(i−j)が2以上であることを前提として、好ましくは1以上の整数であり、より好ましくは、1または2である。
L4で示される配位子を少なくとも1つ有する金属アルコキシドを用いることによって得られる、本態様に係るポリメタロキサン中には、配位子(d)または(e)が配位および結合している金属原子M3が存在することとなる。このようなポリメタロキサンは、現像剤に対する負電荷付与能がより優れた帯電部材を提供し得る。これは、j=1以上のポリメタロキサンは、j=0のポリメタロキサンと比較して化学的により安定であるためと考えられる。なお、jが2以上である場合、L4は互いに異なるものであってもよい。
R40としては、好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基である。
L4は、下記式(g)で表される構造を有する配位子または(h)で表される構造を有する配位子を表す。
式(g)中、記号「**」はM4に結合または配位する部位を表す。A3およびY3は、それぞれ先に述べたA3およびY3と同義である。X3は、下記式(14)〜(17)で表されるいずれかの構造を表す。
式(14)〜(17)中、記号「**」はM4との結合部位を表し、記号「***」はA3との結合部位を表す。式(14)〜(17)の具体的な構造は、それぞれ、前記式(5)〜(8)と同義である。
式(h)中、記号「****」はM4との配位部位を表す。R41〜R45は、それぞれ、先に述べたR31〜R35と同義である。
本態様に係る表面層は、例えば、
下記工程(i)〜(iii)を経て形成される。
(i)表面層の形成用のコーティング液の調製工程、
(ii)該コーティング液の塗膜の形成工程、および、
(iii)該塗膜の乾燥工程。
下記工程(i)〜(iii)を経て形成される。
(i)表面層の形成用のコーティング液の調製工程、
(ii)該コーティング液の塗膜の形成工程、および、
(iii)該塗膜の乾燥工程。
(i)コーティング液の調製工程;
コーティング液は、例えば、下記のステップ1〜ステップ2によって調製することができる。
コーティング液は、例えば、下記のステップ1〜ステップ2によって調製することができる。
<ステップ1>
ステップ1は、コーティング液を構成する原料の溶液の調製工程である。
ステップ1は、コーティング液を構成する原料の溶液の調製工程である。
具体的には、フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体の溶液(以降、「重合体溶液」)を調製する。また、前記式(f)で示される化合物の溶液(以降、「金属アルコキシド溶液」)を調製する。
ここで、前記式(f)に係る化合物として、jが1以上である化合物を用いる場合、すなわち金属原子M4に配位子L4が配位している化合物を用いる場合には、例えば、配位子L4が配位していない原料としての金属アルコキシドの溶液と、配位子L4の原料の溶液とを各々調製し、それらを混合することによって、M4に配位子L4が配位した、式(f)に係る化合物の溶液を調製することができる。この場合においては、配位子用化合物は、原料としての金属アルコキシド1モルに対して0.5モル以上添加することが好ましく、1モル以上添加することがより好ましい。また、複数の化合物や金属アルコキシドを組み合わせても良い。さらに、金属原子M4の1原子当たりに配位する配位子L4の個数は一個に限られない。また、1種の配位子だけでなく、複数種の配位子が金属原子M4に配位していても良い。
また、入手可能な場合には、配位使用化合物が配位した金属アルコキシドを入手し、そのまま使用することも可能である。
前記式(f)に係る化合物として、jが0である化合物を用いる場合は、式(f)に係る化合物は、原料としての金属アルコキシドと一致する。
M4にL4が配位していない、原料としての金属アルコキシドの例としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、タングステン、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびゲルマニウムのアルコキシドが用いられる。
アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、iso−プロポキシド、n−ブトキシド、2−ブトキシド、t−ブトキシドの如き炭素数1〜10のアルコキシドが挙げられる。好ましくは炭素数1〜4のアルコキシドである。
<ステップ2>
ステップ2は、ステップ1で調製した重合体溶液、および、ステップ1で調製した金属アルコキシド溶液を混合してコーティング液を得る工程である。
ステップ2は、ステップ1で調製した重合体溶液、および、ステップ1で調製した金属アルコキシド溶液を混合してコーティング液を得る工程である。
ステップ2において、重合体溶液と金属アルコキシド溶液とを混合する際は、フェノール性水酸基を有する構成単位を有する重合体に対して、式(f)で示される0.01モル以上添加することが好ましく、0.1モル以上添加することがより好ましい。
表面層の改質のために、ポリメタロキサン中に前記式(c4)で示される構造を導入するためには、コーティング液に、例えば、アルコキシシランを添加すればよい。(c4)で示され、かつ、t=0である構造を当該ポリメタロキサン中に導入する場合に用い得るアルコキシシランの具体例としては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランが挙げられる。
テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(iso−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(2−ブトキシ)シラン、テトラ(t−ブトキシ)シランが挙げられる。
トリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラン類、および、トリエトキシシラン類が挙げられる。
トリメトキシシラン類の具体例は、トリメトキシヒドロシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリメトキシ(n−プロピル)シラン、トリメトキシ(iso−ポロポキシ)シラン、トリメトキシ(n−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(2−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(t−ブトキシ)シラン、トリメトキシ(n−ヘキシル)シラン、トリメトキシ(n−オクチル)シラン、トリメトキシ(n−デシル)シラン、トリメトキシ(n−ドデカ)シラン、トリメトキシ(n−テトラデカ)シラン、トリメトキシ(n−ペンタデカ)シラン、トリメトキシ(n−ヘキサデカ)シラン、トリメトキシ(n−オクタデカ)シラン、トリメトキシシクロヘキシルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
トリエトキシシランの具体例としては、トリエトキシヒドロシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシ(n−プロピル)シラン、トリエトキシ(iso−ポロポキシ)シラン、トリエトキシ(n−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(2−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(t−ブトキシ)シラン、トリエトキシ(n−ヘキシル)シラン、トリエトキシ(n−オクチル)シラン、トリエトキシ(n−デシル)シラン、トリエトキシ(n−ドデカ)シラン、トリエトキシ(n−テトラデカ)シラン、トリエトキシ(n−ペンタデカ)シラン、トリエトキシ(n−ヘキサデカ)シラン、トリエトキシ(n−オクタデカ)シラン、トリエトキシシクロヘキシルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリエトキシ(3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
ジアルコキシシランとしては、ジメトキシシラン類、および、ジエトキシシラン類が挙げられる。
ジメトキシシラン類の具体例としては、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシ(ビス−3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
ジエトキシシラン類の具体例としては、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシ(ビス−3−グリシジルプロピル)シランが挙げられる。
用いる有機溶剤としては、金属アルコキシドと先述の化合物が溶解できる溶剤であれば特に限定はないが、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、セロソルブ系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒を用いることができる。アルコール系溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、シクロヘキサノールが挙げられる。エーテル系溶媒としては、具体的には、ジメトキシエタンが挙げられる。セロソルブ系溶媒としては、具体的には、メチルセロソルブ、エチルセロソルブが挙げられる。ケトン系溶媒としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトンが挙げられる。エステル系溶媒としては、具体的には、酢酸メチル、酢酸エチルが挙げられる。有機溶剤は、単独で用いるほか、2種以上の混合物も使用可能である。
(ii)コーティング液の塗膜の形成工程
上記(i)で調製したコーティング液の塗膜の形成方法は、特に限定はなく、一般的に用いられる方法を選択することができる。具体的には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布が挙げられる。
上記(i)で調製したコーティング液の塗膜の形成方法は、特に限定はなく、一般的に用いられる方法を選択することができる。具体的には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布が挙げられる。
(iii)塗膜の乾燥工程
コーティング液の塗膜を乾燥させることによって、本発明に係る表面層を形成する。乾燥のために、塗膜を加熱してもよい。
コーティング液の塗膜を乾燥させることによって、本発明に係る表面層を形成する。乾燥のために、塗膜を加熱してもよい。
上記工程(i)のステップ2〜工程(iii)において、コーティング液中の式(f)で示される化合物は、以下の2つの反応に供される。
・式(f)で示される化合物中のアルコキシ基が加水分解を受けて水酸基に変換され、また、生成した水酸基同士が縮合してメタロキサン結合を生成する反応。
・式(f)で示される化合物の金属原子M4が、重合体のフェノール性水酸基と反応して、式(c3)に示す連結基を介して重合体と結合する反応。
その結果、本発明に係るポリメタロキサンを有する表面層が形成される。
なお、式(f)で示される化合物の加水分解は、コーティング液の調製に用いる有機溶媒中に含まれる微量の水や、コーティング液または塗膜中に取り込まれる空気中の水によって進行する。また、コーティング液中に水を添加して加水分解、縮合の程度を制御してもよい。
また、乾燥工程中の塗膜の表面、または、乾燥後の表面層の表面に、表面層の表面の摩擦係数や表面自由エネルギーの如き表面物性を調整するために、処理を施してもよい。このような処理としては、例えば、活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、赤外線、電子線が挙げられる。中でも紫外線を用いることが好ましい。また、紫外線は、その積算光量が、5000J/cm2以上10000J/cm2以下となるように照射することが好ましい。
表面層の厚さは0.005μm〜30μmであることが好ましく、0.005μm〜5μmであることがより好ましい。
フェノール性水酸基を有する構成単位を有する重合体と金属アルコキシドが相互作用をしていることは、固体NMR分析を行うことで確認できる。
(1)電子写真装置およびプロセスカートリッジ
図2に、本発明の帯電部材を有する電子写真装置の一例を示す。
図2に、本発明の帯電部材を有する電子写真装置の一例を示す。
感光体4は、回転ドラム型の像担持体である。この感光体4は、図中の矢印が示す時計回りに所定の周速度で回転駆動する。
帯電ローラ5は、ローラ形状を有する、本発明に係る帯電部材で構成される。本発明に係る帯電部材とは、具体的には、例えば、前記実施形態1〜3において説明した帯電部材の何れかである。
帯電ローラ5に帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加電源19によって帯電手段が構成されている。帯電ローラ5は、感光体4の表面に、所定の押圧力で接触させてあり、感光体4の回転に対して順方向に回転駆動する。この帯電ローラ5に対して帯電バイアス印加電源19から所定の直流電圧(後述の実施例では−1050Vとした)が印加される(DC帯電方式)ことで、感光体4の表面が所定の極性電位(後述の実施例では暗部電位−500Vとした)に一様に帯電処理される。
感光体4の帯電処理面に不図示の露光手段からの露光光11により目的の画像情報に対応した像露光が形成される。感光体帯電面の露光明部の電位(後述の実施例では明部電位−150Vとした)が選択的に低下(減衰)して感光体4に静電潜像が形成される。露光手段には公知の手段を利用することができ、レーザービームスキャナーを好適に例示することができる。
現像ローラ6は、感光体4表面の静電潜像の露光明部に、感光体4の帯電極性と同極性に帯電しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー像として可視化する。後述の実施例では現像バイアス−400Vとした。現像方式としては特に制限はなく、例えば、ジャンピング現像方式、接触現像方式および磁気ブラシ方式が存在するが、特にカラー画像を出力する電子写真装置には、トナーの飛散性改善を目的として、接触現像方式が好ましいといえる。
転写ローラ8は、感光体4に所定の押圧力で接触させてあり、感光体4の回転と順方向に感光体4の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源からトナーの帯電特性とは逆極性の転写電圧が印加される。感光体4と転写ローラ8の接触部に不図示の給紙機構から転写材7が所定のタイミングで給紙され、その転写材7の裏面が転写電圧を印加した転写ローラ8により、トナーの帯電極性とは逆極性に帯電される。このことにより、感光体4と転写ローラ8との接触部において感光体面側のトナー画像が転写材7の表面側に静電転写される。転写ローラ8としては、公知の手段を利用することができる。具体的には、金属の導電性支持体上に中抵抗に調製された弾性層を被覆してなる転写ローラを例示することができる。
トナー画像の転写を受けた転写材7は感光体面から分離して、定着ベルト9を具備した定着装置へ導入されて、トナー画像の定着を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写部へ再導入される。転写残余トナーの感光体4上の残留物は、クリーニングブレード10を有するクリーニング装置14により、感光体4上から回収される。また、感光体4に残留電荷が残るような場合には、転写後、帯電ローラ5による一次帯電を行う前に、前露光装置(不図示)によって感光体4の残留電荷を除去する方がよい。後述の実施例の画像形成には、前露光装置は用いないものを使用した。
本発明の一態様に係るプロセスカートリッジを図6に示す。このプロセスカートリッジは電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている。また、該プロセスカートリッジは、帯電ローラ601として本発明に係る帯電部材を具備し、また、電子写真感光体602、現像ローラ603、クリーニング部材606を具備している。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
なお、本実施例において使用した試薬の一覧を表6に示す。
<コーティング液の調製>
〔コーティング液E1〕
100mLのガラス製容器に、2−ブタノール15.1g、チタンイソプロポキシド0.74gを入れ、撹拌してチタンイソプロポキシドの2−ブタノール溶液を調製した。
〔コーティング液E1〕
100mLのガラス製容器に、2−ブタノール15.1g、チタンイソプロポキシド0.74gを入れ、撹拌してチタンイソプロポキシドの2−ブタノール溶液を調製した。
100mLのガラス製容器に、グアヤコール0.32g、エタノール34.0gを入れ、撹拌してグアヤコールのエタノール溶液を調製した。
先に調製したチタンイソプロポキシドの2−ブタノール溶液に、グアヤコールのエタノール溶液を加え、撹拌した後に、酸化マグネシウム粒子0.22gを加え、ペイントシェーカーにて分散処理を行い、コーティング液E1を調製した。
〔コーティング液E2〜12〕
コーティング液の処方を表7に示した処方にしたこと以外は実施例1と同様にして、コーティング液E2〜E12を調製した。
コーティング液の処方を表7に示した処方にしたこと以外は実施例1と同様にして、コーティング液E2〜E12を調製した。
〔コーティング液E13〕
100mLのガラス製容器に、2−ブタノール15.0g、チタンイソプロポキシド0.74gを秤量し、撹拌し溶解してチタンイソプロポキシドの2−ブタノール溶液を調製した。
100mLのガラス製容器に、2−ブタノール15.0g、チタンイソプロポキシド0.74gを秤量し、撹拌し溶解してチタンイソプロポキシドの2−ブタノール溶液を調製した。
100mLのガラス製容器に、グアヤコール0.32g、エタノール34.0gを秤量し、撹拌し溶解してグアヤコールのエタノール溶液を調製した。
先に調製したチタンイソプロポキシドの2−ブタノール溶液に、グアヤコールのエタノール溶液を加え、30分撹拌した。
ここに、予め調製しておいたポリビニルフェノールのメチルイソブチルケトン1wt%溶液(以下、「PVP MIBK溶液」ともいう)15.0gを加え、30分撹拌した。
次いで、ここに、酸化マグネシウム粒子0.22gを加え、ペイントシェーカーにて分散処理を行い、コーティング液E13を調製した。
〔コーティング液E14〜E18〕
コーティング液の処方を表8に示した処方にしたこと以外はコーティング液E13と同様にして、コーティング液E14〜E18を調製した。
コーティング液の処方を表8に示した処方にしたこと以外はコーティング液E13と同様にして、コーティング液E14〜E18を調製した。
〔コーティング液C1〜C3〕
コーティング液の処方を表8に示した処方にしたこと以外はコーティング液E1と同様にして、コーティング液C1〜C3を調製した。
コーティング液の処方を表8に示した処方にしたこと以外はコーティング液E1と同様にして、コーティング液C1〜C3を調製した。
<構造解析1>
コーティングE1中に含まれる化合物の構造を以下の方法により推定した。すなわち、重クロロホルム中、チタンイソプロポキシドとグアヤコールを温度25℃で撹拌し、反応させた。得られた化合物の構造を1H−NMRで同定した。その結果、図4に示すように、グアヤコールがチタンに配位した構造を有することを示唆する結果が得られた。
コーティングE1中に含まれる化合物の構造を以下の方法により推定した。すなわち、重クロロホルム中、チタンイソプロポキシドとグアヤコールを温度25℃で撹拌し、反応させた。得られた化合物の構造を1H−NMRで同定した。その結果、図4に示すように、グアヤコールがチタンに配位した構造を有することを示唆する結果が得られた。
<構造解析2>
コーティング液E1中の化合物が、TiO4/2やTiO3/2の如きチタノキサン結合を有することをNMRで確認した。具体的には、酸素17標識水(50atom%)を用いて17Oを導入したコーティング液E1を別途調製し、このコーティング液E1を、核磁気共鳴装置(商品名:AVANCE500型NMR;ブルカー社製)を用いて溶液17O−NMRを測定し、NMR解析を行った。その結果、17O−NMRスペクトルにて、300〜800ppmにピークが検出された。このことにより、コーティング液E1中に含まれる化合物が、Ti−O−Ti結合を有することが確認された。
コーティング液E1中の化合物が、TiO4/2やTiO3/2の如きチタノキサン結合を有することをNMRで確認した。具体的には、酸素17標識水(50atom%)を用いて17Oを導入したコーティング液E1を別途調製し、このコーティング液E1を、核磁気共鳴装置(商品名:AVANCE500型NMR;ブルカー社製)を用いて溶液17O−NMRを測定し、NMR解析を行った。その結果、17O−NMRスペクトルにて、300〜800ppmにピークが検出された。このことにより、コーティング液E1中に含まれる化合物が、Ti−O−Ti結合を有することが確認された。
<構造解析3>
エタノールで脱脂したアルミニウム製のシート上に、コーティング液E1を滴下した、次いで、該シートを300rpmで2秒間回転させて成膜した。次いで、常温常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境下で60分間乾燥させ、更に熱風循環乾燥炉に入れ、温度80℃で60分間乾燥させた。得られた膜を、該シートからはく離し、粉砕して測定用の試料とした。
エタノールで脱脂したアルミニウム製のシート上に、コーティング液E1を滴下した、次いで、該シートを300rpmで2秒間回転させて成膜した。次いで、常温常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境下で60分間乾燥させ、更に熱風循環乾燥炉に入れ、温度80℃で60分間乾燥させた。得られた膜を、該シートからはく離し、粉砕して測定用の試料とした。
この試料を、SEM(商品名:S−3700N;株式会社日立ハイテクノロジーズ製)で観察し、EDS装置(商品名:Xflash6/30;Bruker製)にて元素分析を行った。印加電圧20kV、プローブ電流80mAとして、約300倍の視野にて行った。その結果、Ti原子由来のKアルファ線ピークが約4.5keVに現れ、Ti原子の存在が確認された。
上記構造解析1〜構造解析3の結果から、コーティング液E1を用いて形成される膜が、ポリチタノキサンを含み、かつ、ポリチタノキサン中のチタン原子にグアヤコールが配位してなる構造を有することが推定された。
<構造解析4>
コーティング液E14を用いた以外は、上記構造解析2〜3と同様の解析方法にて、コーティング液E14中に含まれる化合物が、チタノキサン結合を有すること、また、コーティング液E14を用いて形成される膜が、Ti原子を含むことを確認した。
コーティング液E14を用いた以外は、上記構造解析2〜3と同様の解析方法にて、コーティング液E14中に含まれる化合物が、チタノキサン結合を有すること、また、コーティング液E14を用いて形成される膜が、Ti原子を含むことを確認した。
<構造解析5>
コーティング液E14から形成される膜中において、ポリビニルフェノールとチタンイソプロポキシドとが反応していることを以下の方法により推定した。
コーティング液E14から形成される膜中において、ポリビニルフェノールとチタンイソプロポキシドとが反応していることを以下の方法により推定した。
酸化マグネシウムを添加しない以外は、コーティング液E14と同様にして調製したコーティング液E14mを、エタノールで脱脂したアルミニウム製のシート上に滴下した、次いで、該シートを300rpmで2秒間回転させて成膜した。次いで、常温常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境下で60分間乾燥させ、更に熱風循環乾燥炉に入れ、温度80℃で60分間乾燥させた。得られた膜を、該シートからはく離し、粉砕して測定用の試料とした。
得られた試料について、核磁気共鳴装置(商品名:NMR spectrometer ECX 500 II;株式会社JOEL RESONANCE Inc.,製)を用いて固体NMR(13C−CPMAS法)を測定し、NMR解析を行った。なお、測定では、試料管外径は3.2mmのものを使用し、MAS速度は15kHz、積算回数は256回という条件を使用した。
得られたスペクトルを図5の下部に示す。コーティング液E14から調製した試料から得られた、図5の下部に示すスペクトルにおいては、図5の上部に示したポリビニルフェノールのスペクトルには存在していなかったピークD´が表れた。これは、ポリビニルフェノール中の水酸基と結合していた炭素原子のピークDが、水酸基がチタンイソプロポキシドと反応したためにシフトしたものであると推定される。
上記構造解析4の結果から、コーティング液E14から形成される膜中には、ポリメタロキサン中には、Ti原子が存在すること、および、チタノキサン結合が存在することが推定された。すなわち、当該膜中には、ポリチタノキサンが含まれることが推定された。
また、上記構造解析5の結果から、コーティング液E14から形成されるポリチタノキサン中には、ポリビニルフェノールの水酸基と結合してなるチタン原子が存在すること、すなわち、ポリチタノキサン中のチタン原子とポリビニルフェノールとが、構造式(c3)で結合してなる構造を有することが推定された。
<実施例1>
〔帯電ローラの作製〕
下記表9に示した材料を、6L加圧ニーダー(使用装置:商品名、TD6−15MDXトーシン社製)にて、充填率70vol%、ブレード回転数30rpmで24分混合して、未加硫ゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物174質量部に対して、加硫促進剤としてのテトラベンジルチウラムジスルフィド[商品名:サンセラーTBZTD、三新化学工業(株)製]4.5部、加硫剤としての硫黄1.2部を加えた。そして、ロール径30.5cm(12インチ)のオープンロールで、前ロール回転数8rpm、後ロール回転数10rpm、ロール間隙2mmで、左右の切り返しを合計20回実施した。その後、ロール間隙を0.5mmとして薄通し10回を行い、弾性層用の混練物Iを得た。
〔帯電ローラの作製〕
下記表9に示した材料を、6L加圧ニーダー(使用装置:商品名、TD6−15MDXトーシン社製)にて、充填率70vol%、ブレード回転数30rpmで24分混合して、未加硫ゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物174質量部に対して、加硫促進剤としてのテトラベンジルチウラムジスルフィド[商品名:サンセラーTBZTD、三新化学工業(株)製]4.5部、加硫剤としての硫黄1.2部を加えた。そして、ロール径30.5cm(12インチ)のオープンロールで、前ロール回転数8rpm、後ロール回転数10rpm、ロール間隙2mmで、左右の切り返しを合計20回実施した。その後、ロール間隙を0.5mmとして薄通し10回を行い、弾性層用の混練物Iを得た。
次に、直径6mm、長さ252mmの円柱形の鋼製の支持体(表面をニッケルメッキ加工したもの)を準備した。そして、この支持体の、軸方向中央を挟んで両側115.5mmまでの領域(あわせて軸方向幅231mmの領域)に、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を塗布した。これを30分間温度80℃で乾燥させた後、さらに1時間温度120℃で乾燥させ、接着層付き芯金を得た。
混練物Iを、押出成形によって、上記接着層付き芯金を中心として、同軸状に外径8.75〜8.90mmの円筒形に同時に押出し、端部を切断して、芯金の外周に未加硫の弾性層を積層した弾性ローラを作製した。
次に、未加硫の弾性層が積層された弾性ローラを80℃にて30分、続いて160℃にて30分加熱し加硫を行い、加硫後の弾性ローラを得た。
次に、加硫後の弾性ローラの弾性層部分の両端を切断し、弾性層部分の軸方向幅を232mmとした。その後、弾性層部分の表面を回転砥石で研磨した。こうすることで、端部直径8.26mm、中央部直径8.50mmのクラウン形状の弾性ローラ(表面研磨後の弾性ローラ)を得た。
次に、表面研磨後の弾性ローラの弾性層上に、コーティング液E1を、リング塗布(総吐出量:0.100ml、リング部のスピード:85mm/s)した。コーティング液E1の塗膜の表面に、254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、塗膜を硬化させて表面層を形成した。紫外線の照射には低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング(株)製)を用いた。以上のようにして帯電ローラE1を作製した。
〔評価(1)コーティング液の塗膜の帯電極性の測定〕
コーティング液E1をSUS板上にスピンコーターにて塗布し、乾燥させた。次いでコーティング液E1の塗膜の表面に254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、厚み約300nmの膜を有するサンプル板を作製した。
コーティング液E1をSUS板上にスピンコーターにて塗布し、乾燥させた。次いでコーティング液E1の塗膜の表面に254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、厚み約300nmの膜を有するサンプル板を作製した。
そして、サンプル板を図3に示す表面帯電量測定装置TS−100AS(東芝ケミカル(株)製)のサンプル板83としてセットした。電位計85を接地して値を0にした。サンプル板83は、接地した状態で23℃、60%RH環境下にて一晩以上放置した。また、キャリア粒子81として日本画像学会標準キャリアN−01を用い、接地した状態で、23℃、60%RH環境下にて一晩以上放置した。
そして、キャリア粒子81を滴下器82に入れ、STARTスイッチを押して20秒間キャリア粒子81をサンプル板83上に滴下し、キャリア粒子81を予め接地を施した受容器84で受けた。この時の電位計85の示す電荷量Q(μC)を読み取った。測定は23℃、60%RH環境下で行った。なお、図3において符号86はコンデンサーを表す。
測定された電荷量Q(μC)、及び、捕集されたキャリア粒子の質量M(g)から、単位質量あたりのキャリア粒子の帯電量Q/M(μC/g)を算出した。
Q/M値が高いほど、コーティング液の塗膜は、負帯電性トナーと摺擦した時にトナーをより負帯電化させやすい。したがって、本評価方法によって算出される帯電量Q/Mが高い値を示すコーティング液を用いて表面層を形成した帯電部材は、弱負帯電又は正帯電のトナーが静電的に帯電部材に付着することを抑制する効果があるといえる。
〔評価(2)帯電ローラの汚れ付着量の評価〕
作製した帯電ローラE1を用いて以下のように画像評価を行った。
作製した帯電ローラE1を用いて以下のように画像評価を行った。
画像評価機として、レーザービームプリンター(Satera LBP3100、キヤノン製)を用意した。このレーザービームプリンターのプロセスカートリッジ内の感光体クリーニング部材を取り除き、帯電部材が感光体に対して120%の周速をもって回転するように改造を行った。
このプロセスカートリッジに、帯電ローラE1を組み込み、そのプロセスカートリッジを上記電子写真装置に装填した。
続いて、10℃15%RHの環境にて、印字濃度1%の電子写真画像を3000枚形成した。
トナーの付着量の評価は次のようにして行った。セロハンテープにて帯電ローラ表面に付着しているトナーを取り、このセロハンテープを白紙に貼った。一方で、何も付着させていないセロハンテープを同様の白紙に貼った。フォトボルト反射濃度計(商品名:TC−6DS/A、東京電色(株)製)を使用して、トナーが付着したセロハンテープ及びトナー未付着のセロハンテープの反射濃度を測定し、以下の式(22)からトナー付着量を数値化した。
式(22)
付着量(%)
={(トナー未付着部反射濃度)−(トナー付着部反射濃度)}/(トナー未付着部反射濃度)
そして、得られた数値を下記の基準に基づき評価した。結果を表9に示す。
ランク「A」:10%未満。
ランク「B」:10%以上、30%未満。
ランク「C」:30%以上、60%未満。
ランク「D」:60%以上。
付着量(%)
={(トナー未付着部反射濃度)−(トナー付着部反射濃度)}/(トナー未付着部反射濃度)
そして、得られた数値を下記の基準に基づき評価した。結果を表9に示す。
ランク「A」:10%未満。
ランク「B」:10%以上、30%未満。
ランク「C」:30%以上、60%未満。
ランク「D」:60%以上。
<実施例2〜18、比較例1〜3>
コーティング液E1をコーティング液E2〜18に変えたこと以外は実施例1と同様にして帯電ローラE2〜E18を作製し、評価を行った。
コーティング液E1をコーティング液E2〜18に変えたこと以外は実施例1と同様にして帯電ローラE2〜E18を作製し、評価を行った。
また、コーティング液E1をコーティング液C1〜C3に変えたこと以外は実施例1と同様にして比較例に係る帯電ローラC1〜C3を作製し、評価を行った。
評価結果をまとめて表10に示す。
評価結果をまとめて表10に示す。
Claims (13)
- 支持体と、該支持体上の表面層とを有する帯電部材であって、
該表面層は、
酸化マグネシウム粒子と、
下記式(a)で表される化合物、または、下記式(b)で表される化合物と、を含むことを特徴とする帯電部材:
(式(a)中、
L1は、M1On/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、nは、金属原子M1の価数がpである場合、1以上p以下の整数を表し、
M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
X1は、下記式(1)〜(4)で表されるいずれかの構造を表し、
Y1は、L1中のM1に配位する部位を有する基を表し、
A1は、
(i)X1が式(1)で表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な原子団であって、かつ、芳香環を含み、芳香環を構成する1つの炭素原子はX1の酸素原子に結合しており、
(ii)X1が式(2)〜(4)のいずれかで表される構造である場合、
M1、X1、及びY1と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合又は原子団を表す。)
(式(1)〜(4)中、*は、A1との結合部位を表し、**は、L1中のM1との結合部位を表す。);
(式(b)中、
L2は、M2Om/2で表される構造単位を有するポリメタロキサンを表し、M2は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、In及びGeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を表し、
mは、金属原子M2の価数がqである場合、1以上q以下の整数を表し、
R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はトリメチルシリル基を表し、
シクロペンタジエニル基は、L2中の金属原子M2に配位している。)。 - 前記式(a)において、Y1は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、カルボニル基、アルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、チオカルボニル基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のイミノ基、置換もしくは未置換の脂肪族の複素環骨格を有する基、または、置換もしくは未置換の芳香族の複素環骨格を有する基である請求項1に記載の帯電部材。
- 前記式(a)において、X1が前記式(1)で表される構造である場合のA1は、置換もしくは未置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環及びイソキノリン環からなる群から選ばれるいずれかの芳香環を含む原子団である請求項1または2に記載の帯電部材。
- 前記式(a)において、X1が式(2)〜(4)のいずれかで表される構造である場合のA1は、
結合、
アルキレン基、または、
置換もしくは未置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環及びイソキノリン環からなる群から選ばれるいずれかの芳香環を含む原子団、
である請求項1〜3のいずれか一項に記載の帯電部材。 - 前記式(a)において、
A1、M1、X1及びY1によって形成される環は5員環又は6員環である請求項1〜4のいずれか一項に記載の帯電部材。 - 前記ポリメタロキサンは、SiOr/2(rは1以上4以下の整数)で表される構造単位を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 支持体上に表面層を有する帯電部材であって、
該表面層は、
酸化マグネシウム粒子、および、
下記構造式(c1)で示される構造を有するポリメタロキサン、を含み、
該ポリメタロキサンは、該ポリメタロキサン中のM3と、下記構造式(c2)で示される構成単位中の炭素原子とが、下記構造式(c3)で示される連結基によって結合している、ことを特徴とする帯電部材:
[構造式(c1)において、
M3はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、Al、Ga、InおよびGeのいずれかの金属原子を示し、sは、0以上、(k−2)以下の整数を示し、
M3が、Al、Ga、Inの場合、k=3、
M3が、Ti、Zr、Hf、Geの場合、k=4、
M3が、Nb、Ta、Wの場合、k=5、
M3が、Vの場合、k=3または5であり、
L3は、下記式(d)で表される構造を有する配位子または(e)で表される構造を有する配位子を表す。
(式(d)中、
X2は、下記式(5)〜(8)で表されるいずれかの構造を表し、
Y2は、M3に配位する部位を有する基を表し、
A2は、M3、X2、およびY2と共に4〜8員環を形成するのに必要な結合または原子団を表し、
記号「**」はM3に結合または配位する部位を表す。)
(式(5)〜(8)中、記号「**」はM3との結合部位を表し、記号「***」はA2との結合部位を表す。)
(式(e)中、R31〜R35は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基を表し、記号「****」はM3との配位部位を表す。)
構造式(c2)中、R1〜R3は各々独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、記号「*1」は、構造式(c3)のZとの結合部位を示す。
構造式(c3)中、
Zは置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、但し、置換されている場合の置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
記号「*1」は、構造式(c2)中の記号「*1」との結合位置を表し、
記号「*2」は、構造式(c1)中のM3との結合位置を表す。)。 - A2は、結合、アルキレン基、アルケニレン基、または、置換もしくは未置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環およびイソキノリン環からなる群より選ばれるいずれかの環を含む原子団である請求項7に記載の帯電部材。
- Y2は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、カルボニル基、アルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、チオカルボニル基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のイミノ基、置換もしくは未置換の脂肪族の複素環骨格を有する基、または、置換もしくは未置換の芳香族の複素環骨格を有する基である請求項7または8に記載の帯電部材。
- A2、M3、X2およびY2によって形成される環は5員環または6員環である請求項7〜9のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記フェノール性水酸基を含む構成単位を有する重合体が、ビニルフェノールを構成単位として有する重合体またはノボラック型フェノール樹脂である請求項7〜10のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、該帯電部材が請求項1〜11のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置であって、該帯電部材が請求項1〜11のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。
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