JP5943690B2 - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は電子写真装置の接触帯電に用いる帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真感光体と当接して電子写真感光体を帯電させる帯電部材は、電子写真感光体と帯電部材との当接ニップを十分かつ均一に確保するためにゴムを含む弾性層を有する構成が一般的である。この弾性層中には低分子量成分が不可避的に含まれることから、長期の使用によって、低分子量成分が帯電部材の表面に染み出すことがあり、電子写真感光体の表面を汚染することがある。このような現象に対して特許文献1には、弾性層の周面を無機酸化物被膜あるいは無機−有機ハイブリッド被膜で被覆し、低分子量成分が帯電部材の表面に染み出すことを抑制した構成が提案されている。
ところで、近年の電子写真画像形成プロセスの高速化、高寿命化に伴って、電子写真感光体と帯電部材との接触時間が相対的に短くなってきており、これは、電子写真感光体を安定かつ確実に帯電させるうえで不利な方向である。
また、電子写真感光体の表面を帯電させる際に、帯電部材は、その表面が、酸化されやすい環境にある。そのため、帯電部材を長期に亘って使用し続けた場合、帯電部材の表面が酸化され、徐々に変質し、帯電性能が経時的に変化することがある。
特開2001−173641号公報
そこで、本発明の目的は、電子写真感光体の帯電性能に優れ、かつ、帯電性能が経時的に変化しにくい帯電部材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を安定して形成可能な電子写真装置およびプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明によれば、基体、弾性層および表面層を有している帯電部材であって、該表面層は、Si−O−Ti結合を分子構造中に有する高分子化合物と、下記一般式(7)で示される環状ポリシランとを含み、該高分子化合物は、下記一般式(1)で示される構成単位および下記式(2)で示される構成単位を有する帯電部材が提供される。
Figure 0005943690
式(2)
TiO4/2
[一般式(1)中、R及びRは各々独立に以下の一般式(3)〜(6)でそれぞれ示される構造から選ばれる何れかを示す。]
Figure 0005943690
Figure 0005943690
Figure 0005943690
Figure 0005943690
[一般式(3)〜(6)中、R〜R、R10〜R14、R19、R20、R25及びR26は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、あるいはアミノ基を示す。
、R、R15〜R18、R23、R24、及びR29〜R32は各々独立に水素原子、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
21、R22、R27、及びR28は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
n1、m1、q1、s1、t1及びv1は各々独立に1以上8以下の整数を示し、p1及びr1は各々独立に4以上12以下の整数を示し、x1及びy1は各々独立に0もしくは1を示す。
*及び**は、各々一般式(1)中のケイ素原子および酸素原子との結合位置を示す。]。
Figure 0005943690
[一般式(7)中、Rα及びRβは、各々独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルケニル基、アリール基、アリールオキシ基、またはシリル基を示す。u1は4以上12以下の整数を示す。]。
また、本発明によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置される上記帯電部材とを有する電子写真装置が提供される。
更に、本発明によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置される上記帯電部材とを有し、かつ電子写真装置に着脱可能に装着されるプロセスカートリッジが提供される。
本発明によれば、電子写真感光体を帯電させる能力、すなわち帯電性能に優れ、かつ、帯電性能が経時的に変化しにくい帯電部材を得ることができる。また、本発明によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成可能な電子写真装置及びプロセスカートリッジが得ることができる。
本発明に係る帯電部材の一例の断面図である。 本発明に係る電子写真装置の一例の模式図である。 高分子化合物の29Si−NMRの測定結果を示す図である。 高分子化合物の13C−NMRの測定結果を示す図である。 本発明に係る帯電部材の表面層のESCAによる測定結果を示す図である。 本発明に係る帯電部材の表面層のXRDでの測定結果を示す図である。 表面層を形成する際の架橋反応に関する説明図である。
本発明に係る帯電部材は、後述する高分子化合物と、後述する環状ポリシランとを含む。また、本発明の帯電部材は、この高分子化合物と、この環状ポリシランとを含む表面層を有し、図1に示すように、基体101、導電性の弾性層102及び前記表面層103がこの順に積層された構成とすることができる。以下、この構成に着目して説明する。
また、本発明に係る帯電部材は、図1に示すローラ形状である帯電ローラ以外に、ベルト形状(帯電ベルト)、ブレード形状(帯電ブレード)、ブラシ形状(帯電ブラシ)として用いることができる。
〔基体〕
基体としては、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルで形成されている金属性(合金製)の基体(例えば、円柱状の金属)を用いることができる。
〔弾性層〕
弾性層は、従来の帯電部材の弾性層を用いることができる。弾性層を構成する材料としては、後述するゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種または2種以上用いることができる。ゴムとしては以下のものが挙げられる。ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びアルキルエーテルゴム等。また、熱可塑性エラストマーとしては以下のものが挙げられる。スチレン系エラストマー及びオレフィン系エラストマー等。
また、弾性層は、上述したゴムや熱可塑性エラストマーの他に、導電剤を含むことによって所定の導電性を有する導電性弾性層として構成することができる。弾性層の電気抵抗値としては、10Ω以上10Ω以下が好ましく、10Ω以上10Ω以下がより好ましい。弾性層に用いられる導電剤としては、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、帯電防止剤、電解質などが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては以下のものが挙げられる。第四級アンモニウム塩(ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウム等)、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩等)。陰イオン性界面活性剤としては以下のものが挙げられる。脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩及び高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩等。
帯電防止剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン性帯電防止剤が挙げられる。電解質としては、例えば、周期律表第1族の金属(Li、Na、Kなど)の塩(第四級アンモニウム塩など)が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩としては、具体的には、LiCFSO、NaClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCNおよびNaClなどが挙げられる。
また、弾性層用の導電剤として、周期律表第2族の金属(Ca、Baなど)の塩(Ca(ClOなど)やこれから誘導される帯電防止剤を用いることもできる。また、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)又はその誘導体との錯体、これらとモノオール(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)との錯体などのイオン導電性導電剤を用いることができる。
また、弾性層用の導電剤として炭素系材料(導電性カーボンブラック、グラファイト等)、金属酸化物(酸化スズ、酸化チタン及び酸化亜鉛等)、金属(ニッケル、銅、銀及びゲルマニウム等)を用いることもできる。
弾性層の硬度は、帯電部材と被帯電体である電子写真感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する観点から、MD−1で60度以上85度以下、特には、70度以上80度以下であることが好ましい。MD−1硬度の測定は、測定環境25℃×55%RH(相対湿度)で、測定対象の表面にMD−1型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接することにより行うことができる。また、感光体と幅方向で均一に当接させるために、弾性層は、幅方向の中央部の層厚が端部の層厚よりも厚い、いわゆるクラウン形状とすることが好ましい。
〔表面層〕
本発明に係る帯電部材の表面層は、Si−O−Ti結合を分子構造中に有する高分子化合物(以下、単に高分子化合物と称することもある)と、後述する一般式(7)で示される環状ポリシランとを含む。
・高分子化合物
本発明に用いる高分子化合物は、Si−O−Ti結合を分子構造中に有するとともに、下記一般式(1)で示される構成単位、および下記式(2)で示される構成単位をいずれも有する。
Figure 0005943690
式(2)
TiO4/2
[一般式(1)中、R及びRは各々独立に下記一般式(3)〜(6)でそれぞれ示される構造から選ばれる何れかを示す]。
Figure 0005943690
Figure 0005943690
Figure 0005943690
Figure 0005943690
一般式(3)〜(6)中、R〜R、R10〜R14、R19、R20、R25及びR26は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、あるいはアミノ基を示す。
、R、R15〜R18、R23、R24及びR29〜R32は各々独立に水素原子、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
21、R22、R27及びR28は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
また、CR、CR1516、CR1718、CR2324、CR2930、およびCR3132のうちの少なくとも1つは、カルボニル基であっても良い。
さらに、以下の組からなる群から選ばれる少なくとも1組は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
とRとの組、RとRとの組、R10とR11との組、R13とR14との組、R、R、R及びRのうちの何れか1つとRとの組、R10、R11、R13及びR14の何れか1つとR12との組、Rと(CRn1中の炭素原子との組、ならびにR12と(CR1516m1中の炭素原子との組。
n1、m1、q1、s1、t1およびv1は各々独立に1以上8以下の整数を示す。p1及びr1は各々独立に4以上12以下の整数を示す。x1及びy1は各々独立に0又は1を示す。
また、*および**は各々一般式(1)中のケイ素原子および酸素原子との結合位置を示す。
以下に、一般式(1)中のRが一般式(3)で示す構造であり、Rが一般式(4)で示す構造であるときの本発明に用いる高分子化合物の構造の一部の一例を示す。
Figure 0005943690
また以下に、一般式(1)中のRが一般式(3)で示す構造であり、Rが一般式(6)で示す構造であるときの本発明に用いる高分子化合物の構造の一部の一例を示す。
Figure 0005943690
本発明に用いる高分子化合物は、一般式(1)に示す構成単位を有し、シロキサン結合およびSiに結合した有機鎖部分が互いに重合している構造を有することができるため、架橋密度を容易に大きくすることができる。なお、SiO3/2とは、Siが3次元架橋した状態にあることを意味する。
加えて、Si−O−Ti結合を分子構造中に有することにより、加水分解性シラン化合物のみから製造された高分子化合物と比較してSiの縮合率を一層向上させることができる。その為、本発明に用いる高分子化合物を含む表面層は緻密であり、導電性弾性体層からの低分子量成分のブリードを抑制することができる。
更に、表面層は、式(2)に示す構成単位TiO4/2を有する無機化合物を含有することができるため、電子写真プロセスのスピード向上に対応できるだけの優れた帯電能を有することができる。この式(2)に示す構造は、金属酸化物としては比誘電率が高いチタニウム化合物を用いて高分子化合物を作製することで形成することができる。即ち、TiO4/2はチタニウム酸化物に由来する構造であることができる。TiO4/2とは、Tiの4つの反応点が全て反応している状態にあることを意味する。
Si−O−Ti結合は、一般式(1)中のSiO3/2と式(2)のTiO4/2とから構成されることができる。
尚、本発明に用いる高分子化合物のTi原子とSi原子の比に加えて、Si原子に結合している有機鎖の種類や量などを調整することによっても表面層の帯電能力を調整できる。
この高分子化合物のTi原料として酸化物を使用する場合は、完全な結晶構造(ルチル型、アナターゼ型)を有さないものを用いることが好ましい。これにより、沈降や凝集の抑制が容易となり、安定性に優れた塗料とすることができる。
導電性弾性体層にCaCOおよびZnOを含む本発明の帯電部材の一例の表面をX線装置(商品名:RINT TTRII、RIGAKU社製)で観察した結果を図6(a)と、図6(b)の実施例1とに示す。この図6(a)では、図6(b)に示すように、導電性弾性体層に配合されるCaCO、ZnO由来のピークが観察されるが、ルチル型、アナターゼ型結晶構造由来のTi酸化物のピーク位置にはピークは存在せず、アモルファス状態のTi酸化物を用いたことが分かる。
また、本発明に用いる高分子化合物において、前記一般式(1)中のR及びRは各々独立に下記一般式(8)〜(11)でそれぞれ示される構造から選ばれる何れかであることが好ましい。このような構造であると、表面層をより強靭で耐久性に優れたものとすることができる。
なお、下記一般式(9)及び(11)にそれぞれ示されるエーテル基を含む構造は、表面層の弾性体層への密着性をより一層向上させることができ特に好ましい。
Figure 0005943690
Figure 0005943690
Figure 0005943690
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上記一般式(8)〜(11)中、n2、m2、q2、s2、t2及びv2は各々独立に1以上8以下の整数を示し、x2及びy2は各々独立に0又は1を示す。また、*および**は各々一般式(1)中のケイ素原子および酸素原子との結合位置を示す。
また、高分子化合物中のチタニウムとケイ素との原子数比(Ti/Si)は0.1以上12.5以下であることが好ましい。これにより、帯電部材の帯電能力を容易に向上させることができる。
また、本発明に用いる高分子化合物は、下記一般式(12)で示される構造を有する加水分解性化合物と、下記一般式(13)で示される加水分解性化合物との架橋物(第1の架橋物)であることが好ましい。第1の架橋物は、一般式(12)で示される加水分解性化合物と、一般式(13)で示される加水分解性化合物とを加水分解及び縮合反応させて得た加水分解縮合物(第1の縮合物)を、重合(架橋)させることで得ることができる。この際、一般式(12)のR33のエポキシ基部分同士が重合することで、第1の縮合物同士が架橋される。また、架橋には、紫外線を用いることができる。
上記加水分解性化合物を用いた場合、一般式(12)の3官能部位(OR34〜OR36)と一般式(13)の4官能部位(OR37〜OR40)で生じる加水分解および縮合の程度を容易に制御することができ、膜物性の弾性率、緻密性を容易にコントロール可能となる。また一般式(12)のR33の有機鎖部位を硬化サイトとして用いることで、表面層の強靭さ、及び表面層の弾性体層への密着性が容易に制御可能となる。
またR33を、一般式(14)〜(17)に示すような紫外線の照射により開環するエポキシ基を有する有機基とすることで、従来の熱硬化材料とは異なり、硬化時間が非常に短くできる為、弾性体層の熱劣化を容易に抑制できる。
一般式(12)
33−Si(OR34)(OR35)(OR36

一般式(12)中、R33はエポキシ基を有する下記一般式(14)〜(17)でそれぞれ示される構造から選ばれる何れかを示す。R34〜R36は各々独立に炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
Figure 0005943690
Figure 0005943690
Figure 0005943690
Figure 0005943690
一般式(14)〜(17)中、R41〜R43、R46〜R48、R53、R54、R59及びR60は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、あるいはアミノ基を示す。
44、R45、R49〜R52、R57、R58及びR63〜R66は各々独立に水素原子、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
55、R56、R61及びR62は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
また、***は一般式(12)中のケイ素原子との結合位置を示す。
また、CR4445、CR4950、CR5152、CR5758、CR6364およびCR6566のうちの少なくとも1つはカルボニル基であっても良い。
更に、以下の組からなる群から選ばれる少なくとも1組は、互いに結合して環をつくりシクロアルカンを形成してもよい。
(CR4445n3中の炭素原子、R41、R42およびR43のうちの少なくとも何れか2つで構成される組、(CR4950m3中の炭素原子、R46、R47およびR48のうちの少なくとも何れか2つで構成される組、R53とR54との組、ならびにR59とR60との組。
n3、m3、q3、s3、t3及びv3は各々独立に1以上8以下の整数を示し、p3及びr3は各々独立に4以上12以下の整数を示す。
以下に、上記一般式(12)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物(成分A)の具体例を以下に示す。
(A−1)4−(1,2−エポキシブチル)トリメトキシシラン
(A−2)5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン
(A−3)8−オキシラン−2−イルオクチルトリメトキシシラン
(A−4)8−オキシラン−2−イルオクチルトリエトキシシラン
(A−5)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(A−6)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(A−7)1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
(A−8)1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン
(A−9)3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルオキシプロピルトリメトキシシラン
(A−10)3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルオキシプロピルトリエトキシシラン。
一般式(13)
Ti(OR37)(OR38)(OR39)(OR40
一般式(13)中、R37〜R40は各々独立に炭素数1以上9以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
以下に、一般式(13)に示す加水分解性チタニウム化合物(成分C)の具体例を示す。
(C−1)テトラエトキシチタニウム
(C−2)テトラi−プロポキシチタニウム
(C−3)テトラn−ブトキシチタニウム
(C−4)テトラt−ブトキシチタニウム
(C−5)2−エチルヘキソキシチタニウム
(C−6)2−メトキシメチル−2−プロポキシチタニウム。
また、本発明に用いる高分子化合物は、前記一般式(12)で示される加水分解性化合物と、前記一般式(13)で示される加水分解性化合物と、下記一般式(18)で示される加水分解性化合物との架橋物(第2の架橋物)であることが好ましい。この場合、合成段階での一般式(12)、および(13)の溶解性、塗工性、更に硬化後の膜物性として、電気特性を容易に向上させることが可能となるので好ましい。
第2の架橋物は、一般式(12)の加水分解性化合物と、一般式(13)の加水分解性化合物と、一般式(18)の加水分解性化合物とを加水分解および縮合反応させて得た加水分解縮合物(第2の縮合物)を、重合(架橋)させることで得ることができる。
一般式(18)
67−Si(OR68)(OR69)(OR70
一般式(18)中、R67は炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、あるいはフェニル基を示し、R68〜R70は各々独立に炭素数1以上6以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。R67がアルキル基の場合、溶解性、塗工性が改善でき好ましい。また、R67がフェニル基の場合は、電気特性、特に体積抵抗率向上に寄与するので好ましい。
以下に、一般式(18)に示す加水分解性シラン化合物(成分B)の具体例を示す。
(B−1)メチルトリメトキシシラン
(B−2)メチルトリエトキシシラン
(B−3)エチルトリメトキシシラン
(B−4)エチルトリエトキシシラン
(B−5)プロピルトリメトキシシラン
(B−6)プロピルトリエトキシシラン
(B−7)ヘキシルトリメトキシシラン
(B−8)ヘキシルトリエトキシシラン
(B−9)ヘキシルトリプロポキシシラン
(B−10)デシルトリメトキシシラン
(B−11)デシルトリエトキシシラン
(B−12)フェニルトリメトキシシラン
(B−13)フェニルトリエトキシシラン
(B−14)フェニルトリプロポキシシラン。
・環状ポリシラン(成分G)
上述したように、本発明に用いる表面層は、上記高分子化合物の他に、下記一般式(7)に示す環状ポリシランを含む。この環状ポリシラン化合物を表面層に含むことにより、初期の表面自由エネルギーを下げるだけでなく、耐久中のオゾン酸化を抑制することができる。
Figure 0005943690
一般式(7)中、Rα及びRβは各々独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルケニル基、アリール基、アリールオキシ基、またはシリル基を示す。
撥水性の観点から、Rα及びRβは、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基などの炭化水素基であることが好ましい。
アルキル基は、撥水性の発現及びバインダーとの相溶性の観点から、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1以上14以下、特には、炭素数1以上10以下、更には、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。
アルコキシ基は、撥水性の発現及びバインダーとの相溶性、上記高分子化合物との反応性の観点から、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1以上14以下、特には、炭素数1以上10以下、更には、炭素数1以上6以下のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などが挙げられる。
アルケニル基は、撥水性の発現及びバインダーとの相溶性の観点から、炭素数2以上14以下、特には、炭素数2以上10以下、更には、炭素数2以上6以下のアルケニル基がさらに好ましい。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
シクロアルキル基は、撥水性の発現及びバインダーとの相溶性の観点から、炭素数5以上14以下、特には、炭素数5以上10以下が好ましい。シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
シクロアルキルオキシ基は、撥水性の発現及びバインダーとの相溶性の観点から、炭素数5以上14以下、特には、炭素数5以上10以下が好ましい。シクロアルキルオキシ基の具体例として、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
シクロアルケニル基は、撥水性の発現及びバインダーとの相溶性の観点から、炭素数5以上14以下、特には、炭素数5以上10以下が好ましい。シクロアルケニル基の具体例として、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
アリール基は、撥水性の発現及びバインダーとの相溶性の観点から、置換もしくは未置換のフェニル基が好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、撥水性の発現及びバインダーとの相溶性の観点から、炭素数6以上20以下、特には、炭素数6以上15以下、更には、炭素数6以上12以下のアリールオキシ基がさらに好ましい。アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが挙げられる。
撥水性及びバインダーとの相溶性、またオゾン酸化抑制の観点から、Rα及びRβで表される置換基としてはフェニル基であることが特に好ましい。
また、一般式(7)中の環状ポリシランの環の員数を意味するu1は、4以上12以下の整数である。なお、u1は、バインダーとの相溶性の観点から5以上が好ましく、使用溶媒との溶解性の観点から10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下が更に好ましい。
環状ポリシランとしては、例えば、u1が5、Rα及びRβがいずれもフェニル基である大阪ガスケミカル(株)製の商品名:オグソールSI−30−10を用いることができる。
一般式(7)に示す環状ポリシランの分子量は、数平均分子量で200以上5000以下が好ましく、より好ましくは400以上3000以下、さらに好ましくは500以上2000以下、特に好ましくは600以上1500以下である。このような環状ポリシランは樹脂に対する分散性や相溶性が高くなる傾向がある。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比は、バインダー中における分散均一性の観点から、Mw/Mn=1以上2以下、特には、1.1以上1.5以下が好ましい。
表面層中の環状ポリシランの添加量(含有量)は、Si−O−Ti結合を分子構造中に有する高分子化合物100質量部に対して、1.0質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。この範囲内であれば、耐久中のオゾン酸化による表面酸化を容易に抑制することができ、トナーや外添剤等に対しての付着を容易に低減することができる。また、表面層中における環状ポリシランの含有量の目安としては、表面層中の高分子化合物の全質量に対して3質量%以上、7質量%以下が好ましい。なお、表面層中の高分子化合物および環状ポリシランの含有量は、熱分解GC/MSを用いて測定することができる。また、表面層は、導電性弾性体層からの低分子量成分移行を抑制する観点から本発明に係る高分子化合物と環状ポリシラン以外の成分を含まないようにすることが好ましい。
本発明者らは、Si−O−Ti結合を有する高分子化合物に環状ポリシランを添加することで、耐久中のオゾン酸化を抑制する効果が発揮されることを見出した。
一般的に発生した酸素ラジカルやオゾンは、非常に活性が高く、物質表面に直接作用し、酸性基(C=O、−OH、−COOH等)を生成することが知られている。特に結合エネルギーの観点から、これらの酸性基と、C=C:145kcal/mol、Si−O:106kcal/mol、Si−O(SiO):150kcal/mol、Ti−O(TiO):145kcal/molとを比較すると、C−C:84kcal/mol、C−H:98kcal/mol、C−O:76kcal/mol等と結合エネルギーが低いので、解離し易い状態にあると言える。
つまり、高分子化合物中の一般式(12)と、一般式(18)とにそれぞれ示されるR33、R67部位は、比較的オゾン酸化の影響を受けやすいと推察することが出来る。
ところで、本発明に係る表面層について、ESCAを用いて分析を行った所、高分子化合物中の(Ti/Si)比が、前記したように、0.1以上、12.5以下であると、表面層の最表面はTiがリッチで、Si−R(Rとしては、例えばR33、R67)が少ない状態にあった。このような構成は、電子写真感光体の帯電時における帯電部材の表面の酸化を抑制するうえで好ましい構成であるといえる。
その一方で、高分子化合物中の(Ti/Si)比が上記した数値範囲内にある場合において、表面層の膜厚が薄くなると、Si−Rが多くなってくる傾向がみられた。これは、電子写真感光体の帯電時における帯電部材の表面の酸化を抑制するうえでは、不利である。しかしながら、このような場合においても、表面層に、本発明に係る環状ポリシランを含有させることによって、Si−Rの表面層の最表面への偏析の程度を弱めることができ、その結果として、耐酸化性に優れた帯電部材を得ることができる。
〔表面層の製造〕
本発明に用いる表面層は、以下の方法で得ることができる。即ち、まず一般式(12)及び(13)、または一般式(12)、(13)及び(18)で示される加水分解性化合物から第1または第2の縮合物(加水分解縮合物)を合成する。そして、得られた縮合物に一般式(7)で示される環状ポリシラン化合物を添加する。そして、この縮合物のR33中のエポキシ基を開裂させて、この縮合物を架橋させることで第1または第2の架橋物からなる高分子化合物を合成する。これによって、高分子化合物と、環状ポリシランとを含む表面層を作製することができる。
なお、実際の操作としては、上記第1または第2の縮合物と、環状ポリシラン化合物とを含む塗料の塗膜を弾性層上に形成した後に、この塗膜中の第1または第2の縮合物を架橋させて表面層を形成することによって、本発明の帯電部材を作製することができる。
以下に、弾性層上に表面層を形成させて帯電部材を形成する方法をより具体的に説明する。
第2の架橋物からなる高分子化合物を含む本発明に用いる表面層は、次の工程(1)〜工程(7)を経て製造することができる。尚、成分(A)は一般式(12)の加水分解性シラン化合物であり、成分(B)は一般式(18)の加水分解性シラン化合物、成分(C)は一般式(13)の加水分解性チタニウム化合物である。また、成分(G)は、一般式(7)の環状ポリシラン化合物である。
(1)成分(A)と成分(B)と成分(C)のモル比を調整する工程。
(2)成分(A)と成分(B)を混合し、成分(D)の水、成分(E)のアルコールを添加した後、加水分解および縮合を行う工程。
(3)加水分解および縮合を行った溶液に、成分(C)を添加し混合する工程。
(4)工程(3)で得られた溶液に、環状ポリエーテル系溶剤に溶解させた成分(G)を添加する工程。
(5)工程(4)で得られた溶液に、光重合開始剤を添加した後、得られた反応液の固形分濃度を調整してコーティング剤(塗料)を得る工程。
(6)基体上に形成された弾性層上にコーティング剤を塗布する工程。
(7)成分(A)、成分(B)および成分(C)から合成された加水分解縮合物を架橋反応させてコーティング剤を硬化する工程。
・工程(1)
まず、成分(A)、成分(B)及び成分(C)のモル比を調整する。その際、モル比(成分(C)/[成分(A)+成分(B)])は、0.1以上12.5以下、特には、0.5以上10.0以下に調整することが、本発明に係る帯電部材の帯電能力をより一層向上させる上で好ましい。このモル比が12.5以下の場合、合成後の塗料(コーティング剤)が白濁することを容易に防ぐことができ、沈殿が生じることを容易に防ぐことができる。また、成分(A)と成分(B)のモル比(成分(A)/[成分(A)+成分(B)])は、導電性弾性体層との密着性向上の観点から0.1以上が好ましく、また、工程(2)に係る液安定性、すなわち、工程(2)に係る液体を白濁させないために0.9以下が好ましい。
・工程(2)
成分(A)と成分(B)とを混合する。その際、成分(A)及び成分(B)と同時に成分(C)を添加してもよく、この場合は工程(3)を省略することができる。また、工程(2)と(3)の2回に分けて成分(C)を添加しても良い。なお、加水分解性シラン化合物は、成分(A)および成分(B)をそれぞれ1種類ずつ使用してもよく、また成分(A)を2種類以上、成分(B)を2種類以上併用してもよい。なお、成分(B)を用いずに、成分(A)のみを1種類または2種類以上使用することで、工程(1)〜(7)を経て第1の架橋物からなる高分子化合物を含む表面層を作製することができる。
次に、得られた混合物に成分(D)水および成分(E)アルコールを添加して、加水分解および縮合反応を行う。加水分解及び縮合反応は、得られた混合物を加熱還流することにより行うことができる。その際、成分(D)の水の添加量(モル数)は、成分(A)、成分(B)のモル数に対して、モル比(成分(D)/[成分(A)+成分(B)])が、0.3以上6.0以下であることが好ましい。この範囲内では、適切な縮合反応を容易に行うことができるため、未反応のモノマーが残存し難く、経時的に特性の変化し難い、安定な塗料を容易に作製できる。更にこのモル比は、1.2以上3.0以下であることが好ましい。
また、成分(E)のアルコールとしては、成分(A)と成分(B)と成分(C)等の反応(加水分解、縮合)時の液の安定性(均一状態の維持)、また保存時の安定性の観点から、第1級アルコール、第2級アルコール、第3級アルコール、第1級アルコールと第2級アルコールの混合系、第1級アルコールと第3級アルコールの混合系を用いることが好ましい。特に保存時の安定性の観点から、エタノール、メタノールと2−ブタノールの混合液、またはエタノールと2−ブタノールの混合液が好ましい。なお、成分(E)アルコールの添加量は、合成時の安定性の観点から、合成時の縮合物の濃度が10質量%以上とすることが好ましい。
・工程(3)および(4)
工程(2)より得られた溶液に、成分(C)を添加し混合する。これにより成分(C)との加水分解縮合反応が進行し、成分(A)、成分(B)及び成分(C)からなる第2の縮合物を得ることができる。その後、環状エーテル系溶剤に溶解させた成分(G)を添加する。その際、成分(G)の環状エーテル系溶剤中の濃度としては、1〜10質量%とすることが好ましい。
この環状エーテル系溶剤としては、例えば、テトラヒドロフランを用いることができる。なお、成分(G)の添加量は、帯電部材表面のオゾン酸化抑制の観点からSi−O−Ti結合を分子構造中に有する高分子化合物100質量部に対して、1.0質量部以上とすることが好ましく、液の安定性、溶解性の観点から10.0質量部以下とすることが好ましい。
・工程(5)
工程(4)より得られた溶液に、光重合開始剤を添加する。
光重合開始剤は、ルイス酸又はブレンステッド酸のオニウム塩が好ましい。その他のカチオン重合触媒としては、例えば、ボレート塩、イミド構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、アゾ化合物、過酸化物が挙げられる。光重合開始剤はコーティング剤との相溶性を向上させるために予めアルコール(メタノール等)やケトン(メチルイソブチルケトン等)などの溶媒に希釈することが好ましい。
各種カチオン重合触媒の中でも、感度、安定性および反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましい。特に、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、下記化学式(19)で示される構造を有する化合物(商品名:アデカオプトマ−SP150、旭電化工業(株)製)及び下記化学式(20)で示される構造を有する化合物(商品名:イルガキュア261、チバスペシャルティーケミカルズ社製)が好ましい。
Figure 0005943690
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続いて、得られた反応液の固形分濃度を調整してコーティング剤を得る。なお、光重合開始剤添加後の反応液の固形分濃度が、弾性層に塗布するのに適切な濃度である場合は、濃度を調整せずにそのまま工程(6)を行うこともできる。反応液の濃度の調整に用い得る溶剤の具体例を以下に挙げる。
アルコール(例えば、エタノール、メタノールおよび2−ブタノール等)。ケトン類(例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)。
上記アルコールおよびケトンは、混合して用いてもよい。中でも、開始剤のアルコールへの溶解性の観点から、エタノールまたはメタノールと2−ブタノールの混合液、エタノールと2−ブタノールの混合液が好ましい。
コーティング剤の固形分濃度は、帯電部材の安定した帯電性能の維持、塗工ムラの発生を抑制の観点から、0.05質量%以上、4.00質量%以下が好ましい。
・工程(6)および(7)−表面層の形成
このようにして調製されたコーティング剤は、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布などによって、導電性弾性層の上に塗布して、コーティング剤の層(以降、コーティング層と称する)を形成する。次いで、コーティング層に活性化エネルギー線を照射すると、コーティング層に含まれる加水分解性縮合物中のカチオン重合可能な基が開裂および重合する。これによって、加水分解性縮合物同士が架橋して硬化し、表面層が形成される。活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。表面層の硬化を紫外線で行うことで、余分な熱が発生しにくく、熱硬化のような溶剤の揮発中における相分離やシワが生じにくく、非常に均一な膜状態が得られる。このため、均一で安定した電位を感光体に容易に与えることができる。
加水分解縮合物同士の架橋および硬化反応の具体例を図7に示す。図7には、前記成分Aとして3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを用いるとともに、成分Bおよび成分Cとを加水分解させて形成した縮合物が記載されている。この縮合物は、カチオン重合可能な基としてグリシドキシプロピル基を有する。このような加水分解縮合物のグリシドキシプロピル基は、カチオン重合触媒(図7中、Rと記載)の存在下で、エポキシ環が開環し、連鎖的に重合していく。その結果、TiO4/2およびSiO3/2を含むポリシロキサン(加水分解縮合物)同士が架橋し、硬化して表面層が形成される。図7中、nは1以上の整数を示す。
帯電部材の置かれる環境が温湿度の変化が急激な環境である場合、その温湿度の変化による導電性弾性層の膨張および収縮に表面層が十分に追従しないと、表面層にシワやクラックが発生することがある。しかしながら、架橋反応を熱の発生が少ない紫外線によって行えば、導電性弾性層と表面層との密着性が容易に高まり、導電性弾性層の膨張および収縮に表面層が容易に追従できるようになる。このため、環境の温湿度の変化による表面層のシワやクラックも容易に抑制することができる。また、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電性弾性層の劣化を容易に抑制することができるため、導電性弾性層の電気的特性の低下を容易に抑制することもできる。
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150nm以上480nm以下の光を豊富に含む紫外線源が用いられる。なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
紫外線積算光量[mJ/cm]=紫外線強度[mW/cm]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離で行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254(いずれも商品名)を用いて測定することができる。また、エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172(いずれも商品名)を用いて測定することができる。
表面膜の厚みの目安としては、10nm以上、2500nm以下である。
〔画像形成装置及びプロセスカートリッジ〕
本発明の帯電部材は、電子写真感光体を有する電子写真装置に用いることができ、また電子写真装置に着脱可能に装着されるプロセスカートリッジに用いることができる。
図2によって、本発明の帯電部材が帯電ローラとして使用される画像形成装置及びプロセスカートリッジの概略構成について説明する。符号21は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(感光体)である。この感光体21は、図中の矢印が示す時計回りに所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動する。感光体21には、例えばロール状の導電性基体とこの基体上に無機感光材料または有機感光材料を含有する感光層とを少なくとも有する公知の感光体等を採用することができる。また、感光体21は、感光体表面を所定の極性及び電位に帯電させるための電荷注入層を更に有していてもよい。
帯電ローラ22と、帯電ローラ22に帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加電源S2とによって帯電手段が構成されている。帯電ローラ22は、感光体21に所定の押圧力で接触させてあり、この装置では感光体21の回転に対して順方向に回転駆動する。この帯電ローラ22に対して帯電バイアス印加電源S2から、所定の直流電圧(後述の実施例では、−1050Vとした)が印加される(DC帯電方式)ことで、感光体21の表面が所定の極性電位(後述の実施例では暗部電位:−500Vとした)に一様に帯電処理される。
露光手段23には公知の手段を利用することができ、例えばレーザービームスキャナー等を好適に例示することができる。Lはレーザー光等の露光光である。感光体21の帯電処理面に露光手段23により目的の画像情報に対応した像露光がなされることにより、感光体帯電面の露光明部の電位(後述の実施例では明部電位:−100Vとした)が選択的に低下(減衰)して感光体21に静電潜像が形成される。
反転現像手段としては公知の手段を利用することができる。例えば図2では現像手段24は、トナーを収容する現像容器の開口部に配設されてトナーを担持搬送するトナー担持体24aと、収容されているトナーを撹拌する撹拌部材24bと、トナー担持体のトナーの担持量(トナー層厚)を規制するトナー規制部材24cとを有する。現像手段24は、感光体21表面の静電潜像の露光明部に、感光体21の帯電極性と同極性に帯電しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー像として可視化する(後述の実施例では現像バイアス:−400Vとした)。現像方式としては、公知のジャンピング現像方式、接触現像方式及び磁気ブラシ方式等を用い得る。そして、カラー画像を出力する画像形成装置においては、トナーの飛散性を改善できる接触現像方式の使用が好ましい。
転写ローラ25としては、金属等の導電性基体上に中抵抗に調製された弾性樹脂層を被覆してなる転写ローラ等を用い得る。転写ローラ25は、感光体21に所定の押圧力で接触させてあり、感光体21の回転と順方向に感光体21の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源S4からトナーの帯電特性とは逆極性の転写電圧が印加される。感光体21と転写ローラの接触部に不図示の給紙機構から転写材Pが所定のタイミングで給紙され、その転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラ25により、トナーの帯電極性とは逆極性に帯電される。これにより、感光体21と転写ローラの接触部において感光体21面側のトナー画像が転写材Pの表面側に静電転写される。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体面から分離して、不図示のトナー画像定着手段へ導入されて、トナー画像の定着を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写部へ再導入される。転写残余トナー等の感光体21上の残留物は、ブレード型等のクリーニング手段26により、感光体上より回収される。本発明に係るプロセスカートリッジは、感光体21と、感光体21に接触配置された本発明に係る帯電部材22とを一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
〔1〕導電性弾性層の形成及び評価
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表1に示した材料を、容量6リットルの加圧ニーダー(商品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて、充填率70体積%、ブレード回転数30rpmで24分混合し、未加硫ゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物174質量部に対して、加硫促進剤としてのテトラベンジルチウラムジスルフィド[商品名:サンセラーTBzTD、三新化学工業(株)製]4.5部、加硫剤としての硫黄1.2部を加えた。そして、ロール径30.5cm(12インチ)のオープンロールで、前ロール回転数8rpm、後ロール回転数10rpm、ロール間隙2mmで、左右の切り返しを合計20回実施した。その後、ロール間隙を0.5mmとして薄通し10回を行い、導電性弾性体層用の混練物Iを得た。
次に、直径6mm、長さ252mmの円柱形の鋼製の基体(表面をニッケルメッキ加工したもの)を準備した。そして、この基体の、円柱面軸方向中央を挟んで両側115.5mmまでの領域(あわせて軸方向幅231mmの領域)に、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を塗布した。これを30分間温度80℃で乾燥させた後、さらに1時間温度120℃で乾燥させ、接着層付き基体を得た。
次にクロスヘッド押出機を使用して、上記接着層付き基体上に混練物Iを同軸状に外径8.75〜8.90mmの円筒形に押出し、端部を切断して、基体の外周に未加硫の導電性弾性層を積層した導電性弾性ローラを作製した。押出機はシリンダー径70mm(Φ(直径)70)、L/D=20の押出機を使用し、押出時の温調はヘッドの温度を80℃とし、シリンダーの温度を100℃とし、スクリューの温度を100℃とした。
次にこの導電性弾性ローラを異なる温度設定にした2つのゾーンをもつ連続加熱炉を用いて加硫した。第1ゾーンを温度80℃に設定し、30分で通過させ、第2ゾーンを温度160℃に設定して30分で通過させ、加硫された導電性弾性ローラを得た。次に、この加硫した導電性弾性ローラの導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分の軸方向幅を232mmとした。その後、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨(ワーク回転数333rpm、砥石回転数2080rpm、研磨時間12秒)した。こうすることで、端部直径8.26mm、中央部直径8.50mmのクラウン形状で、表面の十点平均粗さ(Rz)が5.5μmで、振れが18μm、MD−1硬度が73度の導電性弾性ローラ−1を得た。
十点平均粗さ(Rz)はJISB0601(1994)に準拠して測定した。振れの測定は、高精度レーザー測定機(商品名:LSM−430v、ミツトヨ(株)製)を用いて行った。詳しくは、この測定機を用いて外径を測定し、最大外径値と最小外径値の差を外径差振れとし、この測定を5点で行い、5点の外径差振れの平均値を被測定物の振れとした。
また、MD−1硬度は、測定環境25℃×55%RH(相対湿度)で、MD−1 capa(商品名、高分子計器(株)製)を用いて行った。押針には、タイプCを用いた。
〔2〕縮合物の合成;
次に高分子化合物の作製に用いる縮合物1を合成した。
(縮合物中間体1の合成)
まず以下の表2に示す成分を混合した後、室温で30分攪拌した。
Figure 0005943690
続いてオイルバスを用い、120℃で20時間加熱還流を行うことによって、混合成分を反応させ、縮合物中間体1を得た。この縮合物中間体1の理論固形分(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン重合物の、溶液全質量に対する質量比率)は28.0質量%であった。またこのときの加水分解性シラン化合物に対するイオン交換水のモル比((D)/{(A)+(B)})は1.8であった。
(縮合物1の合成)
次に、室温に冷却した縮合物中間体1の167.39gに対し、チタニウムi−プロポキシド(以降、「Ti−1」という。)(加水分解性チタニウム化合物)[高純度化学研究所(株)製]を9.41g(0.331mol)添加し、室温で3時間攪拌して縮合物1を得た。一連の攪拌は750rpmで行った。また、Ti/Si=0.10であった。
一方、環状ポリシラン[商品名:オグソールSI−30−10、大阪ガスケミカル(株)製]を環状エーテル溶剤として、テトラヒドロフラン(THF)に固形分として10質量%となるように溶解させた。これを、縮合物1の固形分100質量部に対して、環状ポリシランが0.5質量部となるように添加した。さらに、光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマー SP−150、旭電化工業(株)製]をメタノールで10質量%に希釈した液を0.7g加えた。これを、「縮合物1、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物1」と称する。
評価〔1〕:縮合物1と環状ポリシランとの混合物の硬化物中の化学構造の同定;
29Si−NMR、13C−NMR測定[使用装置:JMN−EX400(商品名)、JEOL社]を用いて、縮合物1と環状ポリシランの混合物の硬化物中の化学構造を確認した。測定用試料の作製方法を以下に説明する。
まず、「縮合物1、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物1」に、上記「縮合物1、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物1」に対して、エタノール:2−ブタノール=1:1(質量比)の混合溶媒を加えて、固形分濃度を3.0質量%に調整して「コーティング液1」を得た。
次いで、厚さが100μmのアルミニウム製の脱脂した表面に、「コーティング液1」をスピンコート装置(商品名:1H−D7、ミカサ(株)社製)を用いてスピンコートした。スピンコートの条件としては、回転数300rpm、回転時間を2秒とした。
そして、「コーティング液1」の塗膜を乾燥させた後、当該塗膜に対して、波長が240nmの紫外線を照射し、当該塗膜を硬化させた。当該塗膜が受ける紫外線の積算光量は、9000mJ/cmとした。なお、紫外線の照射には、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング(株)社製)を用いた。次いで、硬化膜をアルミニウム製シートから剥離し、メノウ製の乳鉢を用いて粉砕し、NMR測定用試料を調製した。この試料を核磁気共鳴装置(商品名JMN−EX400、JOEL社製)を用いて29Si−NMR、13C−NMRを測定した。測定結果を図3〜4に示す。
図3の29Si−NMR測定結果に示すT1の領域は─SiO1/2(OR)を示し、T2の領域は、─SiO2/2(OR)を示し、T3の領域は─SiO3/2を示す。T3の領域にピークが存在することから、エポキシ基を含む有機鎖をもつ加水分解性シラン化合物が縮合し、−SiO3/2の状態で存在する種があることが確認できた。図4に示す13C−NMRよりエポキシ基がほとんど残存せず重合していることを確認した。以上のことより、縮合物1の硬化物、即ち高分子化合物が一般式(1)の構造を有していることが確認できた。
〔3〕帯電ローラ1−1〜1−1−3の作製および評価;
<表面層形成用塗料の調製>
「縮合物1、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物1」に対して、エタノール:2−ブタノール=1:1(質量比)の混合溶媒を加えて、固形分濃度を1.0質量%、10質量%、および25質量%に調整した。これらを各々、表面層形成用塗料1−1〜1−3とする。
評価[2]表面層形成用塗料の安定性の評価
上記、表面層形成用塗料1−1〜1−3を透明な容器に入れて静置し、目視にて白濁の有無について継続的に観察を行い、下記表3に記載の基準で評価した。
Figure 0005943690
<表面層の形成>
上記〔1〕で作製した導電性弾性ローラ1を3本用意し、各々の導電性弾性ローラ1の導電性弾性層の外周部に表面層形成用塗料1−1〜1−3をリング塗布して、各塗料の塗膜を形成した。次いで、塗膜に対して、波長254nmの紫外線を積算光量が9000mmJ/cmとなるように照射し、硬化させて表面層を形成した。紫外線の照射には、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング(株)社製)を用いた。こうして、帯電ローラ1−1〜1−3を作製した。
続いて、以下の評価〔3〕〜〔7〕を行った。
評価〔3〕:帯電ローラの評価;
作製した帯電ローラ表面の外観状態を目視にて下記表4に記載の基準にて評価した。
Figure 0005943690
評価〔4〕表面層の厚みの測定
各帯電ローラの表面層の断面の厚さを、走査型透過電子顕微鏡(商品名:HD−2000、日立ハイテクノロジー社製)を用いて計測した。
評価〔5〕:TiO4/2、Si−O−Ti結合の確認;
帯電ローラの表面層内において、TiO4/2、Si−O−Ti結合の存在をESCA[使用装置:Quantum2000(商品名)、アルバックファイ社製]で確認した。ローラ表面にX線が照射されるようにし、表面層内の結合様式を評価した。測定結果を図5に示す。検出されたO1sスペクトルより、TiO4/2、Si−O−Ti結合の存在が確認された。
評価〔6〕:感光体の汚染評価;
帯電ローラをレーザビームプリンタ(商品名:LBP7200C用、キヤノン製)に使用するプロセスカートリッジ(商品名CRG−318BLK、キヤノン製)に装着し、帯電ローラと感光体とが当接した状態を維持したまま、高温高湿環境(温度40℃、相対湿度95%)下に1ヶ月間放置した。
感光体の、帯電ローラとの当接部位を光学顕微鏡で観察して、帯電ローラが当接していたことによる異常(割れ、変色)の有無を観察し、下記表5の基準に基づき評価した。
Figure 0005943690
評価〔7〕:使用に伴う帯電ローラ表面の表面自由エネルギーの変化;
レーザプリンタ(商品名:LBP6200用、A4 25枚/分:キヤノン製)を用意した。このレーザプリンタは、1分あたり、A4サイズの紙を25枚、縦方向に出力可能である。
そして、上記レーザプリンタ用のプロセスカートリッジ(商品名CRG−326、キヤノン製)に、評価対象である帯電ローラを装着した。このプロセスカートリッジを上記レーザプリンタに装填し、低温低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)下で、電子写真画像を2000枚出力した。なお、電子写真画像は、電子写真感光体の回転方向に対して垂直な方向に幅が2ドット、間隔が112スペースの横線が描かれる画像である。また、電子写真画像の出力は、2枚出力する毎に10秒かけて電子写真感光体の回転を停止させる、所謂、間欠モードで行った。間欠モードでの出力は、連続して電子写真画像を出力する場合と比較して、帯電ローラと電子写真感光体とのトータルでの摺擦時間が多くなるため、帯電ローラにとっては過酷な評価条件である。
電子写真画像を2000枚出力した後、帯電ローラ−をプロセスカートリッジから取り外して、帯電ローラの表面を水で洗浄した。次いで、帯電ローラの洗浄した面について、下記表6に記載の3種のプローブ液体に対する接触角θを接触角計(商品名:CA−X ROLL型、協和界面株式会社製)を用いて測定した。接触角の測定条件は下記表7に示した。なお、下記において、L、Sはそれぞれ液体、固体の当該項目を示す。
γd:分散力項、γp:極性項、γh:水素結合項。
Figure 0005943690
Figure 0005943690
上記表6において、γL、γL及びγLは各々、分散力項、極性項および水素結合項を表す。上記表6のプローブ液体3種の各項(γ 、γ 、γ )と、測定によって得た各プローブ液体に対する接触角θを、下記の北崎・畑の理論式(計算式(1))に代入し、各プローブ液体についての3つの方程式を作成し、それら3元連立方程式を解くことによって、γ 、γ 、γ を算出した。そして、γ 、γ 及びγ の和を表面自由エネルギー(γTotal)とした。
Figure 0005943690
なお、オゾン酸化程度の指標として、γ(極性項)とγ(水素結合項)の和を用いた。耐久試験前の帯電部材の表面自由エネルギー測定で得られた(γ(前)+γ(前))/(γTotal(前))×100に対し、耐久試験後で水洗浄後の帯電部材の表面自由エネルギー測定で得られた(γ(後)+γ(後))/(γTotal(後))×100を用い、その差分(Δ)をオゾン酸化程度とし、下記表8に記載の基準に基づき評価した。
Figure 0005943690
(実施例2)〜(実施例23)
[1]縮合物No.2〜23の調製および評価
下記表9に記載の組成とした以外は、実施例1における縮合物中間体1と同様にして縮合物中間体2〜7を調製した。次いで、下記表10に記載の組成としたこと以外は、実施例1における縮合物1と同様にして縮合物2〜23を調製した。各縮合物を用いたこと以外は、実施例1における、評価〔1〕に記載の方法と同様にして評価を行った。その結果を表12に示す。
Figure 0005943690
なお、表9中の成分(A)、成分(B)の欄における略記号EP−1〜EP−4、HeおよびPh、並びに、表10中の成分(C)の欄における略記号Ti−1〜Ti−3は、表11に示す化合物を現す。
Figure 0005943690
Figure 0005943690
Figure 0005943690
[2]帯電ローラの作製及び評価
<帯電ローラ2〜23>
「縮合物1、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物1」の調製において、縮合物の種類および環状ポリシランの添加量を表13に記載したように変更したこと以外は、「縮合物1、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物1」と同様にして「縮合物2、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物2」〜「縮合物23、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物23」を調製した。
Figure 0005943690
次に、「縮合物2、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物2」〜「縮合物15、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物15」の各々を用いた以外は、実施例1における表面層形成用塗料1−1〜1−3と同様にして表面層形成用塗料2−1〜2−3、3−1〜3−3、4−1〜4−3、5−1〜5−3、6−1〜6−3、7−1〜7−3、8−1〜8−3、9−1〜9−3、10−1〜10−3、11−1〜11−3、12−1〜12−3、13−1〜13−3、14−1〜14−3、15−1〜15−3を得た。これらの表面層形成用塗料を用いた以外は、実施例1における帯電ローラ1−1〜1−3と同様にして帯電ローラ2−1〜2−3、3−1〜3−3、4−1〜4−3、5−1〜5−3、6−1〜6−3、7−1〜7−3、8−1〜8−3、9−1〜9−3、10−1〜10−3、11−1〜11−3、12−1〜12−3、13−1〜13−3、14−1〜14−3、15−1〜15−3を作製した。
また、「縮合物16、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物16」〜「縮合物23、環状ポリシランおよび光重合開始剤の混合物23」については、固形分濃度を10%とした表面層形成用塗料16〜23を実施例1と同様の方法で調製した。
これらの表面層形成用塗料について、評価〔2〕に供した。
さらに、各表面層形成用塗料を用いて帯電ローラ16〜23を作製した。
これらの帯電ローラを評価〔3〕〜〔7〕に供した。結果を表14−1〜表14−2に示す。
Figure 0005943690
Figure 0005943690
(比較例1〜比較例2)
[1]対照用の縮合物24〜25の調製および評価
表10に記載の縮合物3および縮合物1を、対照用の縮合物24および25として用意した。これらの縮合物を用いたこと、および、環状ポリシランを添加しなかったこと以外は、実施例1における、表面層形成用塗料の調製方法と同様にして表面層形成用塗料24−1〜24−3、および、表面層形成用塗料25−1〜25−3を調製し、評価[2]に供した。
〔2〕帯電ローラ24〜25の作製および評価
上記表面層形成用塗料24−1〜24−3、25−1〜25−3を用いた以外は、実施例1に係る帯電ローラ1−1〜1−3と同様にして、帯電ローラ24−1〜24−3、25−1〜25−3を作製した。これらの帯電ローラを評価〔3〕〜〔7〕に供した。
(比較例3)
〔1〕対照用の縮合物26の調製および評価
下記表15に記載の組成としたこと以外は、実施例1における縮合物1と同様にして縮合物26を調製した。
縮合物26を用いたこと、および、環状ポリシランを添加しなかったこと以外は、実施例1における表面層形成用塗料の調製方法と同様にして表面層形成用塗料26−1〜26−3を調製し、評価〔2〕に供した。
Figure 0005943690
(比較例4)
[対照用の縮合物27の調製および評価]
下記表16に示す材料を混合し、室温で3時間撹拌して縮合物27を調製した。この縮合物27を評価〔2〕に供した。また、縮合物27は、その合成時点で既に白濁および沈殿を生じていたため、表面層形成用塗料の調製、および、帯電ローラの作製は行わなかった。
Figure 0005943690
上記比較例1〜4の評価結果を表17に示す。
なお、比較例3については、表面層形成用塗料26−1〜26−3の安定性が、表17に示したようにランク「D」であったため、帯電ローラの作製は行わなかった。そのため、評価〔3〕〜〔7〕の欄は「−」と記載した。
また、比較例4については、上記した通り、縮合物27には、その合成時点で白濁および沈殿が生じていたため、評価縮合物27の液安定性が、表17に示したように「D」ランクであったため、表面層形成用塗料の調製およびそれを用いた帯電ローラの作製は行わなかった。そのため、評価〔3〕〜〔7〕の欄は「−」と記載した。
Figure 0005943690
この出願は2011年4月25日に出願された日本国特許出願第2011−097477からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。
101 基体
102 導電性弾性層
103 表面層
21 像担持体(電子写真感光体)
22 帯電部材(帯電ローラ)
23 露光手段
24 現像手段
24a トナー担持体
24b 撹拌部材
24c トナー規制部材
25 転写手段(転写ローラ)
26 クリーニング手段
L レーザー光
S2、S4 バイアス印加電源
P 転写材

Claims (9)

  1. 基体、弾性層および表面層を有している帯電部材であって、
    該表面層は、Si−O−Ti結合を分子構造中に有する高分子化合物と、下記一般式(7)で示される環状ポリシランとを含み、
    該高分子化合物は、下記一般式(1)で示される構成単位および下記式(2)で示される構成単位を有することを特徴とする帯電部材:
    Figure 0005943690
    式(2)
    TiO4/2
    [一般式(1)中、R及びRは各々独立に以下の一般式(3)〜(6)でそれぞれ示される構造から選ばれる何れかを示す。]
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    [一般式(3)〜(6)中、R〜R、R10〜R14、R19、R20、R25及びR26は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、あるいはアミノ基を示す。
    、R、R15〜R18、R23、R24、及びR29〜R32は各々独立に水素原子、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
    21、R22、R27、及びR28は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
    n1、m1、q1、s1、t1及びv1は各々独立に1以上8以下の整数を示し、p1及びr1は各々独立に4以上12以下の整数を示し、x1及びy1は各々独立に0もしくは1を示す。
    *および**は各々一般式(1)中のケイ素原子および酸素原子との結合位置を示す。]
    Figure 0005943690
    [一般式(7)中、Rα及びRβは、各々独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルケニル基、アリール基、アリールオキシ基、またはシリル基を示す。u1は4以上12以下の整数を示す。]。
  2. 前記一般式(1)中のR及びRが各々独立に下記一般式(8)〜(11)でそれぞれ示される構造から選ばれる何れかを示す請求項1に記載の帯電部材:
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    [一般式(8)〜(11)中、n2、m2、q2、s2、t2及びv2は各々独立に1以上8以下の整数を示し、x2及びy2は各々独立に0もしくは1を示す。*および**は各々一般式(1)中のケイ素原子および酸素原子との結合位置を示す。]。
  3. 前記一般式(7)中のRα及びRβがいずれもフェニル基である請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記一般式(7)に示す環状ポリシランの含有量が、前記Si−O−Ti結合を分子構造中に有する高分子化合物100質量部に対して、1.0質量部以上10.0質量部以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電部材。
  5. 前記高分子化合物中のチタニウムとケイ素との原子数比(Ti/Si)が0.1以上12.5以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電部材。
  6. 前記高分子化合物が、下記一般式(12)で示される構造を有する加水分解性化合物と、下記一般式(13)で示される加水分解性化合物との架橋物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材:
    一般式(12)
    33−Si(OR34)(OR35)(OR36
    一般式(13)
    Ti(OR37)(OR38)(OR39)(OR40
    [一般式(12)中、R33は下記一般式(14)〜(17)でそれぞれ示される構造から選ばれるいずれかを示し、R34〜R36は各々独立に炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。一般式(13)中、R37〜R40は各々独立に炭素数1以上9以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。]
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    [一般式(14)〜(17)中、R41〜R43、R46〜R48、R53、R54、R59及びR60は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、水酸基、カルボキシル基あるいはアミノ基を示す。
    44、R45、R49〜R52、R57、R58及びR63〜R66は各々独立に水素原子、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
    55、R56、R61及びR62は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
    n3、m3、q3、s3、t3およびv3は各々独立に1以上8以下の整数を示し、p3およびr3は各々独立に4以上12以下の整数を示す。
    ***は一般式(12)中のケイ素原子との結合位置を示す。]。
  7. 前記高分子化合物が、下記一般式(12)で示される加水分解性化合物と、下記一般式(13)で示される加水分解性化合物と、下記一般式(18)で示される加水分解性化合物との架橋物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材:
    一般式(12)
    33−Si(OR34)(OR35)(OR36
    一般式(13)
    Ti(OR37)(OR38)(OR39)(OR40
    [一般式(12)中、R33は下記一般式(14)〜(17)でそれぞれ示される構造から選ばれるいずれかを示し、R34〜R36は各々独立に炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。一般式(13)中、R37〜R40は各々独立に炭素数1以上9以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。]
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    Figure 0005943690
    [一般式(14)〜(17)中、R41〜R43、R46〜R48、R53、R54、R59及びR60は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、水酸基、カルボキシル基あるいはアミノ基を示す。
    44、R45、R49〜R52、R57、R58及びR63〜R66は各々独立に水素原子、あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
    55、R56、R61及びR62は各々独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基あるいは炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
    n3、m3、q3、s3、t3およびv3は各々独立に1以上8以下の整数を示し、p3およびr3は各々独立に4以上12以下の整数を示す。
    ***は、一般式(12)中のケイ素原子との結合位置を示す。]
    一般式(18)
    67−Si(OR68)(OR69)(OR70
    [一般式(18)中、R67は炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、あるいはフェニル基を示し、R68〜R70は各々独立に炭素数1以上6以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す]。
  8. 電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置される帯電部材とを有する電子写真装置であって、
    該帯電部材が、請求項1から7のいずれか1項に記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。
  9. 電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置される帯電部材とを有し、かつ電子写真装置に着脱可能に装着されるプロセスカートリッジであって、
    該帯電部材が、請求項1から7のいずれか1項に記載の帯電部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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