JP4841016B1 - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】該帯電部材は、軸芯体と該軸芯体の外周に形成された弾性層と該弾性層の外周に形成された表面層とを有する帯電部材であって、前記表面層が水酸化フラーレン及び酸化フラーレンから選ばれる少なくとも一方と、バインダーとを含有する。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、かかる帯電部材と電子写真感光体とが当接したまま、長期に亘って静止状態が維持された場合に、帯電部材の電子写真感光体が当接していた部分に容易に回復しない変形(以降、「圧縮永久歪」ともいう)が生じることがある。
圧縮永久歪が部分的に生じた帯電部材を用いて電子写真感光体を帯電させた場合、電子写真感光体に帯電ムラが生じ、電子写真画像に帯電ムラに起因する濃度ムラなどが生じることがある。
このような課題に対し、特許文献1は、帯電部材のマイクロ硬度等の調整により永久変形の発生を抑制することを開示している。
また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を安定して形成可能な電子写真装置およびプロセスカートリッジを提供することにある。
また、本発明によれば、上記の帯電部材と、該帯電部材に接触している電子写真感光体とが一体に取り付けられ、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジが提供される。
更に、本発明によれば、上記の帯電部材と、該帯電部材に接触している電子写真感光体とを有する電子写真装置が提供される。
軸芯体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、以下のものが挙げられる。鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルで形成されている支持体等。これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理などの表面処理を施してもよい。
導電性弾性層には、従来の電子写真用部材の弾性層(導電性弾性層)に用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種または2種以上用いることができる。
・スチレン系エラストマー(商品名「ラバロン」、三菱化学(株)社製、商品名「セプトンコンパウンド」、クラレ(株)社製);
・オレフィン系エラストマー(商品名「サーモラン」、三菱化学(株)社製、商品名「ミラストマー」、三井石油化学工業(株)社製、商品名「住友TPE」、住友化学工業(株)社製、商品名「サントプレーン」、アドバンストエラストマーシステムズ社製)。
表面層は水酸化フラーレン及び酸化フラーレンから選ばれる何れか一方または両方と、バインダーとを含有する。
水酸化フラーレンとは、C60,C70,C76,C78,C84等の公知のフラーレン分子に水酸基(OH)が結合したものである。好ましくはC60またはC70に水酸基が結合したものであり、より好ましくは下記の式(1)及び式(2)で表されるもの、あるいはそれらの混合物である。
C70(OH)n・lH2O ・・・(2)
式(1)及び(2)中、m及びnは各々独立して5以上44以下の整数であり、k及びlは各々独立して0以上9以下の整数を示す。
酸化フラーレンとは、C60,C70,C76,C78,C84等の公知のフラーレン分子に酸素原子(O)が結合したものである。好ましくはC60またはC70に酸素原子が結合したものであり、より好ましくは下記の式(3)及び(4)で表されるもの、あるいはそれらの混合物である。
C70(O)p ・・・(4)
式(3)及び(4)中、o及びpは各々独立して1以上3以下の整数を示す。
また、市販されている水酸化フラーレンとしては、以下のものが挙げられる。
「nanom spectra D100」(商品名、フロンティアカーボン株式会社製)、
「フラレノール」(商品名、本荘ケミカル株式会社製)。
「nanom spectra B100」(商品名、フロンティアカーボン株式会社製)、「FX−011」(商品名、FLOX株式会社製)、「FX−021」(商品名、FLOX株式会社製)、「FX−022(商品名、FLOX株式会社製)、
「FX−031」(商品名、FLOX株式会社製)、「FX−032」(商品名、FLOX株式会社製)、「FX−033(商品名、FLOX株式会社製)等。
バインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び加水分解性シラン化合物の縮合物(変性ポリシロキサン)の硬化物等を用いることができる。特に、変性ポリシロキサンの硬化物からなる高分子化合物は、導電性弾性層からの低分子量成分の帯電部材の表面への滲み出しを有効に抑制できるため好ましい。以下に当該変性ポリシロキサンの硬化物からなる高分子化合物について詳細を説明する。
変性ポリシロキサンの硬化物からなる高分子化合物としては、下記一般式(5)で示される構成単位を有する高分子化合物が挙げられる。
一般式(5)
一般式(6)
R10とR11、R13とR14、または、R12と(CR15R16)m中の炭素;はそれぞれ、共同して環構造を形成していてもよい。
n、m、l、q、s及びtは、各々独立に1以上8以下の整数を示す。p及びrは、各々独立に4以上12以下の整数を示す。x及びyは、各々独立に0又は1を示す。更に、*及び**は、各々一般式(5)中のケイ素原子及び酸素原子との結合位置を示す。
また、この高分子化合物は、分子内にSi−O−Ti結合を有し、かつ、下記一般式(10)で示される構成単位を有するものが好ましい。シロキサン結合およびSiに結合した有機鎖部分が互いに重合している構造を有するため架橋密度が大きい。加えて、Si−O−Ti結合を有することにより、加水分解性シラン化合物のみから製造された高分子と比較してSiの縮合率が一層向上している。その為、本発明に係る高分子を含む表面層は緻密であり、導電性弾性体層からの低分子量成分のブリードの抑制に有効である。
TiO4/2 ・・・(10)
一般式(11)
次に、上記式(5)で示される構成単位を有する高分子化合物、および、上記式(5)および(10)で示される構成単位を有し、かつ、分子内にSi−O−Ti結合を有する高分子化合物の合成方法について述べる。以下ではこれらの高分子化合物の合成に用いる原料としての加水分解性化合物およびそれを用いた高分子化合物の合成方法について述べる。
カチオン重合可能な基を分子内に有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(15)で表される化合物を挙げることができる。
R33−Si(OR34)(OR35)(OR36) ・・・(15)
式(15)中、R33は、エポキシ基を有する下記一般式(16)〜(19)で示される構造から選ばれる何れかを示す。R34〜R36は、各々独立に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示す。
一般式(16)
更に、R41、R42、R43、及び(CR44R45)n'中の炭素の少なくとも何れか2つ;R46、R47、R48、及び(CR49R50)m'中の炭素の少なくとも何れか2つ;
R53とR54;または、R59とR60;はそれぞれ、共同して環をつくりシクロアルカンを形成してもよい。n’、m’、l’、q’、s’及びt’は、各々独立に1以上8以下の整数を示し、p’及びr’は、各々独立に4以上12以下の整数を示す。また、*は、一般式(5)中のケイ素原子との結合位置を示す。
(A−1)4−(1,2−エポキシブチル)トリメトキシシラン、
(A−2)5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、
(A−3)8−オキシラン−2−イルオクチルトリメトキシシラン、
(A−4)8−オキシラン−2−イルオクチルトリエトキシシラン、
(A−5)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
(A−6)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
(A−7)1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
(A−8)1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、
(A−9)3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルオキシプロピルトリメトキシシラン、
(A−10)3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルオキシプロピルトリエトキシシラン。
高分子化合物の原料として、上記(A)に係る加水分解性化合物とともに用いてもよい加水分解性シラン化合物として下記式(20)で示される加水分解性シラン化合物を挙げることができる。
R67−Si(OR68)(OR69)(OR70) ・・・(20)
上記一般式(20)中、R67は、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、R68〜R70は、各々独立に炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
(B−1)メチルトリメトキシシラン、
(B−2)メチルトリエトキシシラン、
(B−3)エチルトリメトキシシラン、
(B−4)エチルトリエトキシシラン、
(B−5)プロピルトリメトキシシラン、
(B−6)プロピルトリエトキシシラン、
(B−7)ヘキシルトリメトキシシラン、
(B−8)ヘキシルトリエトキシシラン、
(B−9)ヘキシルトリプロポキシシラン、
(B−10)デシルトリメトキシシラン、
(B−11)デシルトリエトキシシラン、
(B−12)フェニルトリメトキシシラン、
(B−13)フェニルトリエトキシシラン、
(B−14)フェニルトリプロポキシシラン。
上記一般式(15)に係る加水分解性シラン化合物、および任意成分としての上記式(20)に係る加水分解性シラン化合物に加えて、下記式(21)で示される加水分解性チタン化合物を用いる。これにより、分子内にSi−O−Ti結合を有し、かつ、上記式(5)および(10)で示される構成単位を有する高分子化合物を得ることができる。
上記式(15)で示される構造を有する加水分解性化合物(A)と、下記式(21)で示される加水分解性チタン化合物(C)との加水分解縮合物の架橋物は、式(15)の3官能部位と、式(16)の4官能部位とで生じる加水分解、縮合の程度を制御できる。これにより、表面層の弾性率、および、緻密性を制御することができる。また、式(15)のR33の有機鎖部位を硬化サイトとして用いることで、表面層の強靭さ、及び表面層の弾性体層への密着性を制御可能となる。さらに、R33を紫外線の照射により開環するエポキシ基を有する有機基とすることで、従来の熱硬化性材料とは異なり、硬化時間が非常に短くできる為、下層の弾性体層の熱劣化を抑制できる。
Ti(OR37)(OR38)(OR39)(OR40) ・・・(21)
一般式(21)において、R37〜R40は各々独立に炭素数1〜9の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。(C)に係る加水分解性チタニウム化合物の具体例を示す。
(C−2)テトラエトキシチタニウム、
(C−3)テトラプロポキシチタニウム
(C−4)テトラi−プロポキシチタニウム、
(C−3)テトラn−ブトキシチタニウム、
(C−4)テトラt−ブトキシチタニウム、
(C−5)テトラ−2−エチルヘキソキチタニウム[Ti(OC8H17)4]。
また、原料液中における(A)成分と(B)成分とのモル比(=[(A)]/{[(A)]+[(B)]})が、0.10〜0.85、特には、0.35〜0.70とすることが、表面層の硬度が向上し過ぎることがないため、好ましい。
(D)成分としての水の量は、加水分解性化合物の全モル数に対して、0.4以上、1.2以下とすることが好ましい。この範囲とすることで、縮合反応における未反応のモノマーの残存を抑制し、加水分解性化合物の溶液への沈殿物の発生を抑制することができる。
(E)成分としてのアルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコール、第3級アルコール、第1級アルコールと第2級アルコールの混合系、第1級アルコールと第3級アルコールの混合系を用いることが好ましい。特にエタノール、メタノールと2−ブタノールの混合液、またはエタノールと2−ブタノールの混合液が好ましい。
上記工程3)において、(G)成分である、該水酸化フラーレン、酸化フラーレンを添加する際には、水またはアルコールに(G)成分を、所定の濃度に溶解し、上記2)の工程によって得られた加水分解縮合物を含む溶液に添加することが好ましい。溶液状にすると、飛散することなく、分散性や計量精度が向上する為である。
更に、上記工程3)において用いる光重合開始剤としては、感度、安定性および反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましい。特に、次のものが好ましい。ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩。下記化学式(22)で示される構造を有する化合物(商品名:アデカオプトマ−SP150、旭電化工業(株)製)。さらに下記化学式(23)で示される構造を有する化合物(商品名:イルガキュア261、チバスペシャルティーケミカルズ社製)。
このような加水分解縮合物のグリシドキシプロピル基は、カチオン重合触媒(図5中、R+X−と記載)の存在化下で、エポキシ環が開環し、連鎖的に重合していく。その結果、TiO4/2およびSiO3/2を含むポリシロキサン同士が架橋し、硬化して表面層が形成される。図5中、nは1以上の整数を示す。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離で行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
このようにして形成される表面層中のバインダーをなす高分子化合物の具体的な構造を上記に挙げる。
図2に本発明に係る電子写真装置の構成を示す。各色のトナーを内包する現像器等の現像手段4a〜4dにそれぞれ対向配設された感光ドラム1a〜1dが、ローラ7および9間に張架されている中間転写ベルト6の移動方向に並設されている。各現像手段により各感光ドラム上に形成された各色トナー画像は転写ローラ8a〜8dにより中間転写体に静電的に順次重ねて転写され、イエロー、マゼンタ、シアンにブラックを加えた4色のトナーによるフルカラートナー画像が形成される。
<導電性弾性ローラの作製>
表1に記載の材料を6Lニーダーで20分間混練した。
次にコーティング剤の製造方法について述べる。
<<加水分解縮合物−1の合成>>
なお、成分(A)であるGPTES、成分(B)であるHeTMS、および成分(C)であるTi(O−iPr)4の全モル数(100mol%)に対する各成分のモル比は次のとおりである。(A):20.59mol%、(B):29.41mol%、(C):50.00mol%。
この水酸化フラーレンを、メタノールに1.0wt%となるように溶解して、水酸化フラーレン溶液を調製した。これを、上記工程3)で調製した、重合開始剤を添加した加水分解縮合物−1の溶液に、加水分解縮合物−1に対する水酸化フラーレンの量が3.0wt%となるように添加した。
29Si−NMR、13C−NMR測定を用いて、本実施例に係る加水分解縮合物1に紫外線(UV)を照射して架橋せしめて得た硬化物が、一般式(5)の構造を有していることを確認した[使用装置:JMN−EX400(商品名)、JEOL社]。測定結果を図6及び図7に示す。測定手順として、29Si−NMR、13C−NMR測定ともに、先ず、アルミシート上に縮合物1を製膜しUV照射して硬化させ、その硬化物をアルミシートから剥離し、粉砕したものをNMR測定用試料として用いた。
帯電ローラの表面層内において、Si−O−Ti結合の存在をESCAで確認した[使用装置:Quantum2000(商品名)、アルバックファイ社製]。ローラ表面にX線が照射されるようにし、表面層内の結合様式を評価した。測定結果を図8に示す。検出されたO1sスペクトルより、Si−O−Ti結合の存在が確認された。
この帯電ローラの静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。測定方法を図3を用いて説明する。本測定方法は、測定物がローラ形状の場合に好適な方法で、オイラーのベルト式に準拠した方法である。この方法によれば、測定物である帯電部材31と所定の角度(θ)で接触したベルト32(厚さ20μm、幅30mm、長さ180mm)は、片方の端部が記録計34に接続している測定部(荷重計)33と、他端部が重り35と結ばれている。この状態で導電性部材を所定の方向、速度で回転させた時、測定部で測定された力をF(g)、重りの重さをW(g)とした時、摩擦係数(μ)は以下の式で求められる;
μ=(1/θ)ln(F/W)
この測定方法により得られるチャートの一例を図4に示す。ここで、未回転時間帯41(回転していない)にある帯電ローラを回転させた直後の値が回転を開始するのに必要な力であり、それ以降が回転を継続するのに必要な力であることがわかる。ここで回転開始点43(すなわちt=0秒時点)の力が静摩擦力ということができ、また、0<t(秒)≦10の任意の時間における力が任意の時間における動摩擦力ということができる。本発明では8〜10秒後の平均値をもって、動摩擦力とした。
動摩擦係数の上昇率=(本実施例に係る帯電ローラの動摩擦係数)/(対照ローラの動摩擦係数)
とした。
装置:「Quantum2000」(商品名、アルバックファイ社製)
X線 ; モノクロAl kα、25w15kV100μm
pass energy ; 23.5eV、
step width ; 0.1eV、
試料傾斜角 ; 45°、
Ar+スパッタ ; 4kV、2×2mm2、6sec/cycle
(スパッタ速度 ; 30nm/min. SiO2)。
帯電ローラ1をプロセスカートリッジ(商品名:「Q5950A(ブラック)」、HP社製)に組み込んだ。当該カートリッジ内においては、帯電ローラと感光体とは当接された状態が維持される。また、上記のプロセスカートリッジに組み込んだ電子写真感光体は、支持体上に層厚19μmの有機感光層を形成してなる有機電子写真感光体である。また、この有機感光層は、支持体側から電荷発生層と変性ポリアリレート(結着樹脂)を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光層であり、この電荷輸送層は電子写真感光体の表面層となっている。
このプロセスカートリッジを高温高湿環境(温度30℃、相対湿度80%RH)下に一晩放置した。その後、同様に該プロセスカートリッジを、A4紙縦出力用のレーザービームプリンター(商品名:「HP Color LaserJet 4700 Printer」、HP社製)に装着した。
なお、このレーザープリンターの現像方式は反転現像方式であり、転写材の出力スピードは164mm/sであり、画像解像度は600dpiである。
また、上記レーザープリンターに使用したトナーは、ワックス、荷電制御剤、色素、スチレン、ブチルアクリレート及びエステルモノマーを含む重合性単量体系を水系媒体中で懸濁重合して得られた粒子を含む、いわゆる、重合トナーである。このトナーは前記粒子にシリカ微粒子及び酸化チタン微粒子を外添してなるトナー粒子を含む重合トナーであって、そのガラス転移温度は63℃、体積平均粒子径は約6μmである。
このレーザプリンターを用いて、感光ドラムの1周目は、約2cm四方のベタ黒画像(露光部)を記録し、感光ドラムの2周目でハーフトーン画像(感光ドラムの回転方向と垂直方向に幅1ドットの線を間隔2ドットで描く画像)を記録した。得られたハーフトーン画像を目視で観察し、下記の基準でゴーストの有無、程度を評価した。
なお、ゴーストとは感光ドラムの1周目における露光した部分(トナー画像部)が、感光ドラムの2周目で帯電不足を生じ、感光ドラム上の前回の画像パターンがより強く現像され、被記録材上に発生する画像をいう。
A:ゴーストが僅かに観察される。
B:ゴーストの輪郭が確認できる。
C:濃度の濃いゴーストが確認できる。
評価2に供したプロセスカートリッジを、高温高湿環境(温度45℃、相対湿度95%)下に30日間放置し、常温常湿環境(温度25℃、相対湿度55%)下に72時間放置した。その後、該プロセスカートリッジを、レーザービームプリンター(商品名:「HP ColorLaserJet 4700 Printer」、HP社製)に装填した。
このプリンターを用いて、A4サイズの紙にハーフトーン画像(感光ドラムの回転方向と垂直方向に幅1ドットの線を間隔2ドットで描く画像)を出力した。得られたハーフトーン画像について目視で観察し、帯電ローラと感光ドラムとのスリップに起因する帯電ムラに基づく黒いスジの有無、およびその程度を下記の基準で評価した。
A:画像上の端部に、濃度がごく薄い黒スジが認められた。
B:画像上の端部に、濃度が薄い黒スジが認められた。
C:画像上の端部に、濃度の濃い黒スジが認められた。
水酸化フラーレンを、C60(OH)44・8H2OとC70(OH)44・8H2Oとの混合物(質量比:1:1)に変えた以外は実施例1と同様に帯電ローラを作製し、評価した。
水酸化フラーレンを、C60(OH)5[商品名:nanom spectra D100;フロンティアカーボン株式会社製]に変えた以外は、実施例1と同様にして水酸化フラーレンの溶液を調製した。重合開始剤を添加した加水分解縮合物−1の溶液に、加水分解縮合物−1に対する水酸化フラーレンの量が1.0wt%となるように添加した。他は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価した。
水酸化フラーレンを、C60(OH)8、C60(OH)10およびC60(OH)12との混合物(質量比=1:1:1)[商品名:フラレノール;本荘ケミカル(株)社製]に変えた以外は実施例1と同様に帯電ローラを作製し、評価した。
水酸化フラーレンを、特WO06/028297公報に記載の方法により合成したC60(OH)36・9H2Oに変えた以外は実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価した。
水酸化フラーレンを、特WO06/028297公報に記載の方法により合成したC60(OH)40・9H2Oに変えた以外は実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価した。
水酸化フラーレンを、C60(O)1[商品名:nanomspectra B100、フロンティアカーボン株式会社製]に変えた以外は、実施例1と同様にして水酸化フラーレンの溶液を調製した。重合開始剤を添加した加水分解縮合物−1の溶液に、加水分解縮合物−1に対する水酸化フラーレンの量が1.0wt%となるように添加した。他は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価した。
<実施例8>
水酸化フラーレンを、C60(O)3[商品名:FX−033、FLOX株式会社製]に変えた以外は実施例7と同様にして帯電ローラを作製し、評価した。
実施例2で調製した水酸化フラーレンの溶液を、重合開始剤を添加した加水分解縮合物−1の溶液に、加水分解縮合物−1に対する水酸化フラーレンの量が1.0wt%、または、5.0wt%となるように添加した。それ以外は、実施例2と同様にして帯電ローラを作製し、評価した。
実施例11〜21に係る加水分解縮合物11〜21の溶液の組成を表4−1に示す。なお、成分(A)〜(C)に係る加水分解性化合物と、それらの混合比(モル比)を表4−2に示す。
実施例2における加水分解縮合物−2の溶液を、上記加水分解縮合物11〜21の各溶液に変えた以外は、実施例2と同様にして帯電ローラ11〜21を作製し、評価した。
実施例19に用いた表面層形成用塗工液において、水酸化フラーレンを添加しなかった以外は、実施例19と同様にして表面層形成用塗工液を調製した。これを用いて実施例19と同様にして帯電ローラを作製し、評価した。
フラーレン(C60)[商品名:nanom purple SUH、フロンティアカーボン株式会社製]を、トルエンに1.0wt%となるように溶解し、フラーレン溶液を得た。
これを、実施例1の工程3)で調製した、重合開始剤を添加して得た加水分解縮合物−1の溶液に、加水分解縮合物−1に対するフラーレンの量が3.0wt%となるようにフラーレン溶液を添加した。しかし、添加直後から沈殿物を生じ、表面層の形成に用い得る均一な塗工液を作製できなかった。
101 軸芯体
102 導電性弾性層
103 表面層
1 電子写真感光体(感光ドラム)
2 帯電部材(帯電ローラ)
3 像露光手段
4 現像手段
5 クリーニング手段
6 中間転写ベルト
8 転写部材(転写ローラ)
P 転写材
Claims (7)
- 軸芯体と該軸芯体の外周に形成された弾性層と該弾性層の外周に形成された表面層とを有する帯電部材であって、
該表面層が、水酸化フラーレン及び酸化フラーレンから選ばれる少なくとも一方と、バインダーとを含有することを特徴とする帯電部材。 - 前記水酸化フラーレンを含み、かつ、該水酸化フラーレンが下記式(1)及び(2)から選ばれる少なくとも一方である請求項1に記載の帯電部材:
C60(OH)m・kH2O ・・・ 式(1)
C70(OH)n・lH2O ・・・ 式(2)
(上記式(1)、(2)において、m、nは各々独立して、5以上44以下の整数、k、lは各々独立して0以上9以下の整数を示す)。 - 前記酸化フラーレンを含み、該酸化フラーレンが、下記式(3)及び(4)から選ばれる少なくとも一方である請求項1に記載の帯電部材:
C60(O)o ・・・ 式(3)
C70(O)p ・・・ 式(4)
(上記式(3)、(4)において、o、pは各々独立して1以上3以下の整数を示す)。 - 前記バインダーが、下記一般式(5)で示される構成単位を含む高分子化合物である請求項1〜3の何れか一項に記載の帯電部材:
一般式(5)
(上記一般式(5)中、R1及びR2は、各々独立に下記一般式(6)〜(9)の何れかを示す。
一般式(6)
- 前記高分子化合物が、更に下記一般式(10)で示される構成単位を含み、かつ、分子内にSi−O−Ti結合を有している請求項4に記載の帯電部材:
一般式(10)
TiO4/2。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の帯電部材と、該帯電部材に接触している電子写真感光体とが一体に取り付けられ、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の帯電部材と、該帯電部材に接触している電子写真感光体とを有することを特徴とする電子写真装置。
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