JP2016200041A - アクチュエータの制御装置、アクチュエータ、バルブ駆動装置およびアクチュエータの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外力の作用により応答性が変化するような駆動対象物であっても、応答変化によらず安定した駆動を行う。
【解決手段】WGアクチュエータ1の制御装置20において、フィードバック制御部30は、位置センサ16の検出結果に基づき、駆動対象物であるWGバルブ2の開度が目標開度に近づくようシャフト13の移動量をフィードバック制御する。制御切替部40は、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉する制御切替状況であるか否かを判定し、当該制御切替状況である場合、フィードバック制御部30に対して制御方法をフィードバック制御から閉弁制御に切り替える指示を与える。
【選択図】図2
【解決手段】WGアクチュエータ1の制御装置20において、フィードバック制御部30は、位置センサ16の検出結果に基づき、駆動対象物であるWGバルブ2の開度が目標開度に近づくようシャフト13の移動量をフィードバック制御する。制御切替部40は、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉する制御切替状況であるか否かを判定し、当該制御切替状況である場合、フィードバック制御部30に対して制御方法をフィードバック制御から閉弁制御に切り替える指示を与える。
【選択図】図2
Description
この発明は、バルブなどの駆動対象物を駆動するアクチュエータの制御装置、アクチュエータ、バルブ駆動装置およびアクチュエータの制御方法
に関するものである。
に関するものである。
アクチュエータの駆動対象物は様々なものがあるが、例えば、駆動対象物が流体を流したり止めたりするバルブのようなものである場合、流体圧力などの外力が当該バルブに作用することによって移動速度が遅くなったり速くなったりし、応答性が変化することがあった。例えば、車両に搭載されたターボチャージャのウエストゲートバルブ(例えば、特許文献1参照)は、排気ガスの圧力が開弁方向にかかるため、閉弁方向へ移動する速度が遅くなり、閉弁に時間がかかってしまう。特にバルブを低開度から全閉する際には大きな排気ガス圧力がかかり、応答性が悪化してしまう。
しかしながら、従来は、バルブなどの駆動対象物に外力が作用することにより応答性が変化するという課題について考慮されていなかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、外力の作用により応答性が変化するような駆動対象物であっても、応答変化によらず安定した駆動を行うことを目的とする。
この発明に係るアクチュエータの制御装置は、位置センサの検出結果に基づき、駆動対象物の開度が目標開度に近づくようシャフトの移動量をフィードバック制御するフィードバック制御部と、基準開度より小さい開度から駆動対象物を全閉する制御切替状況であるか否かを判定し、当該制御切替状況である場合、フィードバック制御部に対して制御方法を切り替える指示を与える制御切替部とを備えるものである。
この発明によれば、基準開度より小さい開度から駆動対象物を全閉する場合にアクチュエータの制御方法を切り替えるようにしたので、外力の作用により応答性が変化するような駆動対象物であっても、応答変化によらず安定した駆動を行うことができる。
実施の形態1.
この発明に係るアクチュエータを、車両に搭載されたターボチャージャのウエストゲート(以下、WGと称す)バルブを駆動するWGアクチュエータとして用いる場合を例にして説明する。
図1は、実施の形態1に係るWGアクチュエータ1の構成例を示す断面図である。ターボチャージャは、エンジンからの排気ガスによってタービンを回転させ、このタービンと同軸で接続されたコンプレッサを駆動して吸気を圧縮しエンジンに供給する構成である。排気通路100のタービン上流側には、排気ガスを排気通路100からバイパス通路101へ逃がすWGバルブ2が設置されており、WGアクチュエータ1がWGバルブ2を開閉して排気通路100からバイパス通路101への排気ガス流入量を調整することにより、タービンの回転数を制御する。なお、図1では、WGバルブ2の全閉状態を実線で示し、全開状態を二点鎖線で示す。
この発明に係るアクチュエータを、車両に搭載されたターボチャージャのウエストゲート(以下、WGと称す)バルブを駆動するWGアクチュエータとして用いる場合を例にして説明する。
図1は、実施の形態1に係るWGアクチュエータ1の構成例を示す断面図である。ターボチャージャは、エンジンからの排気ガスによってタービンを回転させ、このタービンと同軸で接続されたコンプレッサを駆動して吸気を圧縮しエンジンに供給する構成である。排気通路100のタービン上流側には、排気ガスを排気通路100からバイパス通路101へ逃がすWGバルブ2が設置されており、WGアクチュエータ1がWGバルブ2を開閉して排気通路100からバイパス通路101への排気ガス流入量を調整することにより、タービンの回転数を制御する。なお、図1では、WGバルブ2の全閉状態を実線で示し、全開状態を二点鎖線で示す。
WGアクチュエータ1は、駆動源となる直流モータ4と、WGバルブ2を開閉するシャフト13と、直流モータ4の回転運動をシャフト13の直線運動に変換するネジ機構12とを備える。直流モータ4は、複数のN極とS極に着磁されたマグネット5を有するロータ6と、コイル7が巻回されたステータ8とを含む。コイル7の端部にはブラシ11bが接続されている。ロータ6の一端側は軸受部14によって回転自在に支持されており、他端側には整流子9が固定されている。
外部端子10に電圧が印加されると、この外部端子10に接続しているブラシ11aを介し、整流子9を構成する複数の整流子片の中のブラシ11aと接触した整流子片に電流が流れ、この整流子片と電気的に接続したブラシ11bを介してコイル7に電流が流れる。コイル7に通電することでステータ8がN極とS極に磁化し、そのステータ8がマグネット5のN極とS極と反発および吸引しあうことでロータ6が回転する。ロータ6の回転に伴って通電するコイル7が切り替わることにより、ステータ8の極も切り替わり、ロータ6が回転し続ける。電流の向きが逆になると、ロータ6の回転方向も逆になる。
なお、図1では直流モータ4としてブラシ付きDCモータを使用しているが、ブラシレスDCモータを使用してもよい。
なお、図1では直流モータ4としてブラシ付きDCモータを使用しているが、ブラシレスDCモータを使用してもよい。
ロータ6の内部にはシャフト13を配置するための穴があいており、穴の内周面に雌ネジ部12aが形成され、シャフト13の外周面に雄ネジ部12bが形成されている。この雄ネジ部12bが雌ネジ部12aにねじ込まれて結合され、ロータ6の回転運動をシャフト13の直線運動に変換する。これら雌ネジ部12aと雄ネジ部12bとでネジ機構12が構成される。シャフト13の一端側は、ハウジング15を貫通し、リンク機構3を介してWGバルブ2と連結されている。シャフト13の他端側には、このシャフト13の軸方向における位置を検知する位置センサ16などが設置されている。
リンク機構3は、2枚のプレート3a,3bを有する。プレート3aの一端側にシャフト13が取り付けられ、他端側の支点3cにはプレート3bの一端側が回動自在に取り付けられている。このプレート3bの他端側にはWGバルブ2が取り付けられている。ロータ6の一方向への回転によってシャフト13がハウジング15の外へ押し出される方向に移動すると、プレート3aも同方向に移動して、プレート3bとWGバルブ2が支点3cを中心に回動し、WGバルブ2が開弁方向に動く。ロータ6の逆方向への回転によってシャフト13がハウジング15の内へ引き込まれる方向に移動すると、プレート3aも同方向に移動して、プレート3bとWGバルブ2が支点3cを中心に回動し、WGバルブ2が閉弁方向に動く。
シャフト13には、二平面などが形成されて回転規制部13aとして機能する。また、シャフト13を貫通するハウジング15の穴の内周面には、この回転規制部13aの形状に合わせて、二平面などのガイド部15aが形成されている。回転規制部13aとガイド部15aとが摺動することにより、ロータ6の回転に合わせてシャフト13が回転運動するのを規制し、シャフト13が直線移動するようサポートする。ガイド部15aの端部には、シャフト13側に突出したストッパ15bが形成されており、シャフト13から突出した形状の当て部13bがこのストッパ15bに当接することにより、シャフト13のこれ以上の開弁方向への直線移動を規制する。同様に、ネジ機構12の端部にストッパ15cとして機能するプレートが設置され、当て部13cとして機能するシャフト13の端面がストッパ15cに当接することにより、シャフト13のこれ以上の閉弁方向への移動を規制する。
シャフト13のストッパ15cとして機能するプレートには、シャフト13の外径より小さな穴が貫通しており、この穴にセンサ用シャフト17が通され、センサ用シャフト17の端面がシャフト13の端面に当接する。これにより、シャフト13の軸方向の往復運動に合わせてセンサ用シャフト17も往復運動する。このセンサ用シャフト17にはセンサ用マグネット18が固定されており、シャフト13の往復運動に伴って位置センサ16に対するセンサ用マグネット18の位置が変化することにより、位置センサ16を通過する磁束密度も変化する。位置センサ16は、ホール素子または磁気抵抗素子などであり、シャフト13の往復運動に伴って変化する磁束密度を検出し、シャフト13の実ストローク位置を示すアナログ信号に変換して出力する。
図2は、制御装置20の構成例を示すブロック図である。制御装置20は、主に、WGアクチュエータ1を制御してWGバルブ2の開度を調整する機能と、WGバルブ2の開度に基づいて制御切替状況であるか否かを判定して制御方法を切り替える機能を備えている。
なお、図示例では、制御装置20の機能をエンジンコントロールユニットの一機能として実現するように構成しているが、制御装置20を独立した電子制御ユニットとして構成してもよいし、あるいはWGアクチュエータ1の内部に回路基板として組み込んでもよい。
なお、図示例では、制御装置20の機能をエンジンコントロールユニットの一機能として実現するように構成しているが、制御装置20を独立した電子制御ユニットとして構成してもよいし、あるいはWGアクチュエータ1の内部に回路基板として組み込んでもよい。
エンジンコントロールユニットは、エンジン制御部21と制御装置20とを備えており、これら以外の構成については図示および説明を省略する。制御装置20は、フィードバック制御部30と、モータドライバ22と、A/Dコンバータ23と、制御切替部40とを備えている。フィードバック制御部30は、目標開度補正部31と、減算部32と、PID制御部33と、Duty制御部34とを備えている。制御切替部40は、切替開始判定部41と、切替指示部42とを備えている。
エンジン制御部21は、WGバルブ2の目標開度を制御装置20へ出力する。
A/Dコンバータ23は、位置センサ16が出力するシャフト13の実ストローク位置のアナログ信号を受け取り、実ストローク位置のデジタル信号に変換して、減算部32および切替開始判定部41へ出力する。なお、本実施の形態1においては、位置センサ16により検出されるシャフト13の実ストローク位置をそのままWGバルブ2の実開度として用いるが、シャフト13の実ストローク位置からWGバルブ2の開度へ変換処理等を行っても構わない。
A/Dコンバータ23は、位置センサ16が出力するシャフト13の実ストローク位置のアナログ信号を受け取り、実ストローク位置のデジタル信号に変換して、減算部32および切替開始判定部41へ出力する。なお、本実施の形態1においては、位置センサ16により検出されるシャフト13の実ストローク位置をそのままWGバルブ2の実開度として用いるが、シャフト13の実ストローク位置からWGバルブ2の開度へ変換処理等を行っても構わない。
フィードバック制御部30は、通常、A/Dコンバータ23から受け取るWGバルブ2の実開度に相当するシャフト13の実ストローク位置が、エンジン制御部21から受け取る目標開度に相当する目標ストローク位置に近づくよう、フィードバック制御を行う。一方、制御切替部40から制御方法を切り替える指示を受け取った場合、フィードバック制御部30は上記のフィードバック制御から後述する閉弁制御へ切り替える。以下では、フィードバック制御の一例としてPID制御を説明するが、これに限定されるものではなく、PI制御などを行ってもよい。
目標開度補正部31は、通常のPID制御において、エンジン制御部21からWGバルブ2の目標開度を受け取り、減算部32へ出力する。一方、切替指示部42から閉弁時目標開度が通知される閉弁制御においては、目標開度補正部31は、エンジン制御部21から受け取る目標開度ではなく、切替指示部42から受け取る閉弁時目標開度を減算部32へ出力する。
減算部32は、目標開度補正部31から受け取った目標開度とA/Dコンバータ23から受け取った実開度との偏差を算出し、PID制御部33へ出力する。
PID制御部33は、減算部32が算出した偏差に応じた比例項、積分項および微分項の各操作量を求めて駆動Dutyを算出し、Duty制御部34へ出力する。この駆動Dutyは、シャフト13の現在の位置からの移動量に相当する値となる。
Duty制御部34は、PID制御部33が算出した駆動Dutyに対応するPWM(Pulse Width Modulation)制御信号を生成して、モータドライバ22に与える。
モータドライバ22は、Duty制御部34から受け取るPWM制御信号に応じて直流モータ4に印加する電圧をオンオフ制御し、直流モータ4へ通電する電流を調整する。
切替開始判定部41は、エンジン制御部21からWGバルブ2の目標開度を受け取る。また、切替開始判定部41は、A/Dコンバータ23からシャフト13の実ストローク位置、つまりWGバルブ2の実開度を受け取る。そして切替開始判定部41は、WGバルブ2の目標開度と実開度に基づいて、予め定められた基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉する制御切替状況であるか否かを判定する。切替開始判定部41は、制御切替状況である場合、切替指示部42に対してその旨を通知する。
切替指示部42は、切替開始判定部41から制御切替状況である旨の通知を受け取ると、PID制御から閉弁制御へ制御方法を切り替える指示を、フィードバック制御部30に与える。実施の形態1では、制御方法を切り替える指示として閉弁時目標開度を、切替指示部42から目標開度補正部31へ与える。閉弁時目標開度については後述する。
ここで、図3に、WGアクチュエータ1におけるステップ応答波形のシミュレーション例を示す。グラフの横軸は時間、縦軸はWGバルブ2の開度、実線は実開度、一点鎖線は目標開度を示す。開度0%は全閉位置、100%は全開位置であり、グラフでは各開度から全閉するときの応答を比較している。図3は、WGバルブ2に対して排気ガス圧力などの外力が作用していない状態をシミュレーションした結果を示しており、PID制御においては、WGバルブ2が移動する前と後で変位が大きいほど、慣性力が大きくなり移動速度が速くなる。ただし、変位が大きいほど移動距離が長くなるため、図3では低開度Aから全閉するまでに要する時間が、より大きい開度から全閉するまでに要する時間に比べて短くなっている。また、WGバルブ2に対して外力が作用していない状態ではオーバシュートなどの乱れが発生していない。
図4は、低開度から閉弁しにくい状態をシミュレーションした結果を示すグラフである。図3のシミュレーションではWGバルブ2に外力が作用していない場合を想定したが、図1のWGアクチュエータ1においては排気通路100からバイパス通路101へ流れる排気ガスの圧力がWGバルブ2の開弁方向に作用する。そのため、図4に示すように、低開度Bから全閉するまでに要する時間は、図3において低開度Aから全閉するまでに要する時間に比べて長くなる。
WGバルブ2に限らず、例えば可変容量(VG;Variable Geometry)ターボチャージャに装着される可動ベーンも同様に、閉弁時に開弁方向の外力が作用するため、低開度Bから閉弁する際の応答が遅くなる。
他方、低開度Bより大きい開度から全閉する場合は、図3と図4のグラフを比較して分かるように、外力があってもなくても全閉するまでに要する時間は略同じである。
WGバルブ2に限らず、例えば可変容量(VG;Variable Geometry)ターボチャージャに装着される可動ベーンも同様に、閉弁時に開弁方向の外力が作用するため、低開度Bから閉弁する際の応答が遅くなる。
他方、低開度Bより大きい開度から全閉する場合は、図3と図4のグラフを比較して分かるように、外力があってもなくても全閉するまでに要する時間は略同じである。
図5は、低開度から閉弁しやすい状態をシミュレーションした結果を示すグラフである。例えばエンジンに装着される排気ガス再循環(EGR)バルブは、閉弁方向に外力が作用して閉弁しやすいため、図5に示すように低開度Cから全閉する際にオーバシュートしやすい。
従来のアクチュエータ制御においては、全開から全閉までの使用開度全体の応答が最適になるように、PID制御に用いるパラメータを設定しておくため、低開度から全閉する場合のみの応答を調整することはできなかった。
例えば、低開度から全閉する場合の応答性向上のために、使用開度全体において閉弁速度が速くなるようなパラメータを設定した場合、全閉時の速度が速くWGバルブ2が受ける衝撃が大きくなるため、この衝撃がリンク機構3およびシャフト13を通じてWGアクチュエータ1へ伝わり、WGアクチュエータ1の耐久性の低下および破損を招く可能性がある。
反対に、使用開度全体において閉弁速度が遅くなるようなパラメータを設定した場合、実使用上不都合である。
例えば、低開度から全閉する場合の応答性向上のために、使用開度全体において閉弁速度が速くなるようなパラメータを設定した場合、全閉時の速度が速くWGバルブ2が受ける衝撃が大きくなるため、この衝撃がリンク機構3およびシャフト13を通じてWGアクチュエータ1へ伝わり、WGアクチュエータ1の耐久性の低下および破損を招く可能性がある。
反対に、使用開度全体において閉弁速度が遅くなるようなパラメータを設定した場合、実使用上不都合である。
そこで、実施の形態1に係るWGアクチュエータ1の制御装置20においては、上述のPID制御と閉弁制御とを切り替えることにより、低開度から閉弁する場合の応答変化によらず安定した閉弁を行う制御方法を実現する。ここで言う「安定した閉弁」とは、図3に示したような閉弁状態であり、図4に示したような応答の遅れおよび図5に示したようなオーバシュートが発生していない状態を指す。
次に、図6を用いて、実施の形態1の制御装置20が行う制御方法の概要を説明する。図6のグラフにおいて横軸は時間、縦軸はWGバルブ2の開度である。破線で示す「基準開度」は、全閉から全開までの間の任意の開度に設定されている。例えば、基準開度は、図4において応答時間の延びが発生する低開度Bよりも大きい開度に設定されている。
ここで、図6において、実線で示す実開度にあるWGバルブ2に対して、時間tにおいてエンジン制御部21が目標開度として全閉を指示した場合を考える。
時間tにおいて、実線で示す実開度は、破線で示す基準開度より小さい開度であるため、制御装置20は制御切替状況であると判定して、通常のPID制御から閉弁制御に切り替える。この閉弁制御において、制御装置20は、WGバルブ2を基準開度まで開弁した後に本来の目標開度である全閉開度になるよう制御する。これにより、二点鎖線で示すように実開度からそのまま閉弁した場合のWGバルブ2の変位Eに比べて、一度基準開度まで開弁してから閉弁した場合の変位Dのほうが大きくなる。上述したようにWGバルブ2が移動する前後の変位が大きいほど移動速度が速くなるため、変位Eより変位DのほうがWGバルブ2の慣性力が大きくなり、閉弁しやすい。
他方、図6に一点鎖線で示すように、時間tにおいて実開度が基準位置と同じか大きい開度である場合、制御装置20は制御切替状況ではないと判定して、通常のPID制御によりWGバルブ2を全閉する。
このように、全閉時に応答時間の延びおよびオーバシュートが生じはじめる低開度を基準開度として設定しておき、当該基準開度より高開度からの全閉と当該基準開度より低開度からの全閉とで制御方法を切り替えることにより、応答変化によらず安定した閉弁を行うことができる。
時間tにおいて、実線で示す実開度は、破線で示す基準開度より小さい開度であるため、制御装置20は制御切替状況であると判定して、通常のPID制御から閉弁制御に切り替える。この閉弁制御において、制御装置20は、WGバルブ2を基準開度まで開弁した後に本来の目標開度である全閉開度になるよう制御する。これにより、二点鎖線で示すように実開度からそのまま閉弁した場合のWGバルブ2の変位Eに比べて、一度基準開度まで開弁してから閉弁した場合の変位Dのほうが大きくなる。上述したようにWGバルブ2が移動する前後の変位が大きいほど移動速度が速くなるため、変位Eより変位DのほうがWGバルブ2の慣性力が大きくなり、閉弁しやすい。
他方、図6に一点鎖線で示すように、時間tにおいて実開度が基準位置と同じか大きい開度である場合、制御装置20は制御切替状況ではないと判定して、通常のPID制御によりWGバルブ2を全閉する。
このように、全閉時に応答時間の延びおよびオーバシュートが生じはじめる低開度を基準開度として設定しておき、当該基準開度より高開度からの全閉と当該基準開度より低開度からの全閉とで制御方法を切り替えることにより、応答変化によらず安定した閉弁を行うことができる。
また、図7のグラフに示すように、WGバルブ2が全開状態になる開度を基準開度として設定してもよい。
WGアクチュエータ1の各部品には寸法ばらつきがあるため、WGバルブ2の全開開度ではストッパ15bと当て部13bとを当接させず、当該全開開度よりもさらに開弁側の規制開度でストッパ15bと当て部13bとを当接させてシャフト13の直線移動を規制するように構成されている場合がある。その構成の場合、例えばWGバルブ2の全閉開度を基準開度に設定したとしても、制御装置20は、当該全開開度よりさらに開度が大きい規制開度までWGバルブ2を開弁した後に本来の目標開度である全閉開度になるよう閉弁制御を行うことが可能である。これにより、どの開度から閉弁を開始する場合でも、安定した閉弁を行うことができる。
WGアクチュエータ1の各部品には寸法ばらつきがあるため、WGバルブ2の全開開度ではストッパ15bと当て部13bとを当接させず、当該全開開度よりもさらに開弁側の規制開度でストッパ15bと当て部13bとを当接させてシャフト13の直線移動を規制するように構成されている場合がある。その構成の場合、例えばWGバルブ2の全閉開度を基準開度に設定したとしても、制御装置20は、当該全開開度よりさらに開度が大きい規制開度までWGバルブ2を開弁した後に本来の目標開度である全閉開度になるよう閉弁制御を行うことが可能である。これにより、どの開度から閉弁を開始する場合でも、安定した閉弁を行うことができる。
図8は、制御切替部40の動作を示すフローチャートである。
切替開始判定部41は、エンジン制御部21から受け取る目標開度が全閉指令か否かを判定する(ステップST1)。切替開始判定部41は、エンジン制御部21から全閉指令が出されたと判定した場合(ステップST1“YES”)、A/Dコンバータ23から受け取った実開度と予め定められた基準開度を比較する(ステップST2)。WGバルブ2の実開度が基準開度より小さい場合(ステップST2“YES”)、切替開始判定部41は、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉する制御切替状況であると判定し、切替指示部42へ通知する。一方、全閉指令が出されていない場合(ステップST1“NO”)、または、WGバルブ2の実開度が基準開度以上の場合(ステップST2“NO”)、フィードバック制御部30は通常のフィードバック制御(例えば、PID制御)を行う(ステップST4)。なお、ステップST1とステップST2の順番は逆でもよい。
切替開始判定部41は、エンジン制御部21から受け取る目標開度が全閉指令か否かを判定する(ステップST1)。切替開始判定部41は、エンジン制御部21から全閉指令が出されたと判定した場合(ステップST1“YES”)、A/Dコンバータ23から受け取った実開度と予め定められた基準開度を比較する(ステップST2)。WGバルブ2の実開度が基準開度より小さい場合(ステップST2“YES”)、切替開始判定部41は、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉する制御切替状況であると判定し、切替指示部42へ通知する。一方、全閉指令が出されていない場合(ステップST1“NO”)、または、WGバルブ2の実開度が基準開度以上の場合(ステップST2“NO”)、フィードバック制御部30は通常のフィードバック制御(例えば、PID制御)を行う(ステップST4)。なお、ステップST1とステップST2の順番は逆でもよい。
切替指示部42は、切替開始判定部41から制御切替状況の通知を受け取ると、閉弁時目標開度を目標開度補正部31へ通知する(ステップST3)。基準開度が図6に示した開度に設定されている場合、閉弁時目標開度とは、WGバルブ2を現在の実開度から基準開度まで開弁した後に本来の目標開度に従い全閉するための、一連の開度を時系列で示す指示である。あるいは、基準開度が図7に示した開度に設定されている場合、閉弁時目標開度とは、WGバルブ2を現在の実開度から規制開度まで開弁した後に本来の目標開度に従い全閉するための、一連の開度を時系列で示す指示である。目標開度補正部31が閉弁時目標開度の通知を受け取ると、フィードバック制御部30は、エンジン制御部21からの目標位置を用いるフィードバック制御から閉弁時目標開度を用いる閉弁制御に切り替える。そしてフィードバック制御部30は、WGバルブ2が全閉状態になると閉弁制御を終了し、通常のフィードバック制御に復帰する。
次に、図9を用いて、制御装置20のハードウエア構成例を説明する
モータドライバ22は、直流モータ4に印加する電圧をオンオフするスイッチング素子などで構成される。フィードバック制御部30、制御切替部40およびA/Dコンバータ23は、メモリ50に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ51により、実現される。プロセッサ51は、CPUまたはシステムLSI等の処理回路である。メモリ50は、上記プログラムの他、基準開度などを記憶している。なお、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実行してもよい。
モータドライバ22は、直流モータ4に印加する電圧をオンオフするスイッチング素子などで構成される。フィードバック制御部30、制御切替部40およびA/Dコンバータ23は、メモリ50に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ51により、実現される。プロセッサ51は、CPUまたはシステムLSI等の処理回路である。メモリ50は、上記プログラムの他、基準開度などを記憶している。なお、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実行してもよい。
以上より、実施の形態1によれば、WGアクチュエータ1の制御装置20は、位置センサ16の検出結果に基づき、駆動対象物であるWGバルブ2の開度が目標開度に近づくようシャフト13の移動量をフィードバック制御するフィードバック制御部30と、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉する制御切替状況であるか否かを判定し、当該制御切替状況である場合、フィードバック制御部30に対して制御方法をフィードバック制御から閉弁制御に切り替える指示を与える制御切替部40とを備える構成にしたので、外力の作用により応答性が変化するような駆動対象物であっても、応答変化によらず安定した駆動を行うことができる。
また、実施の形態1によれば、フィードバック制御部30は、制御切替部40から制御方法を切り替える指示を受け付けた場合、WGバルブ2の開度を基準開度まで大きくしてから全閉するよう制御するようにしたので、基準開度として応答時間の延びまたはオーバシュートが生じはじめる低開度を設定しておくことにより、応答変化によらず安定した閉弁を行うことができる。
また、実施の形態1によれば、WGアクチュエータ1がシャフト13の移動を規制するストッパとしてストッパ15bと当て部13bを備えている場合に、フィードバック制御部30は、制御切替部40から制御方法を切り替える指示を受け付けた場合、シャフト13がストッパに規制される位置までWGバルブ2の開度を大きくしてから全閉するよう制御するようにしたので、基準開度としてWGバルブ2が全開する開度を設定した場合にも、応答変化によらず安定した閉弁を行うことができる。
実施の形態2.
図10は、この発明の実施の形態2に係るWGアクチュエータ1の制御装置20の構成例を示すブロック図である。図10において図2と同一または相当する部分は同一の符号を付し説明を省略する。また、WGアクチュエータ1の構成は、上記実施の形態1の図1に示したWGアクチュエータ1と図面上では同じ構成であるため、図1を援用する。本実施の形態2の制御装置20が行う動作は、上記実施の形態1の図8に示したフローチャートのうちのステップST3における具体的動作以外は同じ動作であるため、以下ではステップST3の具体的動作について説明する。
図10は、この発明の実施の形態2に係るWGアクチュエータ1の制御装置20の構成例を示すブロック図である。図10において図2と同一または相当する部分は同一の符号を付し説明を省略する。また、WGアクチュエータ1の構成は、上記実施の形態1の図1に示したWGアクチュエータ1と図面上では同じ構成であるため、図1を援用する。本実施の形態2の制御装置20が行う動作は、上記実施の形態1の図8に示したフローチャートのうちのステップST3における具体的動作以外は同じ動作であるため、以下ではステップST3の具体的動作について説明する。
実施の形態2の切替指示部42aは、図8のステップST3において切替開始判定部41から制御切替状況の通知を受け取ると、フィードバック制御から閉弁制御へ制御方法を切り替える指示としてWGバルブ2の開度が小さくなる方向の予め定められたDuty補正値を、フィードバック制御部30のDuty制御部34aへ出力する。Duty制御部34aは、切替指示部42aからDuty補正値を受け取った場合、PID制御部33から受け取った駆動Dutyに当該Duty補正値を加算し、加算後の駆動Dutyに対応するPWM制御信号を生成してモータドライバ22に与える。
Duty補正値はシャフト13の移動量を変更する値であり、駆動DutyにDuty補正値を加算することにより直流モータ4の閉弁方向のトルク、つまり閉弁力が大きくなる。これにより、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉するとき、WGアクチュエータ1が通常のフィードバック制御のときより大きい閉弁力でWGバルブ2を閉弁させることができると同時に、閉弁方向への加速を大きくして慣性力を大きくすることができる。よって、低開度から閉弁する場合の応答変化によらず、安定した閉弁を行うことができる。
なお、切替指示部42aがDuty制御部34aに指示するDuty補正値は、予め定められている固定値でもよいし、WGバルブ2の実開度と全閉開度の差に応じた変動値でもよい。変動値を用いる場合、切替指示部42aは、例えば実開度と全閉開度の差が大きいほどDuty補正値を大きくする。このDuty補正値は例えば図9に示したメモリ50に予め記憶されているものとする。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、低開度からの閉弁時に閉弁力と慣性力を大きくするために、フィードバック制御の駆動Dutyを大きくする構成にしたが、本実施の形態3ではフィードバック制御のゲインを大きくする構成にする。
上記実施の形態2では、低開度からの閉弁時に閉弁力と慣性力を大きくするために、フィードバック制御の駆動Dutyを大きくする構成にしたが、本実施の形態3ではフィードバック制御のゲインを大きくする構成にする。
図11は、この発明の実施の形態3に係るWGアクチュエータ1の制御装置20の構成例を示すブロック図である。図11において図2と同一または相当する部分は同一の符号を付し説明を省略する。また、WGアクチュエータ1の構成は、上記実施の形態1の図1に示したWGアクチュエータ1と図面上では同じ構成であるため、図1を援用する。本実施の形態3の制御装置20が行う動作は、上記実施の形態1の図8に示したフローチャートのうちのステップST3における具体的動作以外は同じ動作であるため、以下ではステップST3の具体的動作について説明する。
実施の形態3の切替指示部42bは、図8のステップST3において切替開始判定部41から制御切替状況の通知を受け取ると、フィードバック制御から閉弁制御へ制御方法を切り替える指示としてフィードバック制御のゲイン補正値を、フィードバック制御部30のPID制御部33bへ出力する。PID制御部33bは、切替指示部42bからゲイン補正値を受け取った場合、通常のフィードバック制御で用いるゲインに当該ゲイン補正値を加算し、加算後のゲインを用いて減算部32から受け取った実開度と目標開度との偏差を増幅し、駆動Dutyを算出する。
これにより、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉するとき、WGアクチュエータ1が通常のフィードバック制御のときより大きい閉弁力でWGバルブ2を閉弁させることができると同時に、閉弁方向への加速を大きくして慣性力を大きくすることができる。よって、低開度から閉弁する場合の応答変化によらず、安定した閉弁を行うことができる。
なお、切替指示部42bがPID制御部33bに指示するゲイン補正値は、予め定められている固定値でもよいし、WGバルブ2の実開度と全閉開度の差に応じた変動値でもよい。変動値を用いる場合、切替指示部42bは、例えば実開度と全閉開度の差が大きいほどゲイン補正値を大きくする。このゲイン補正値は例えば図9に示したメモリ50に予め記憶されているものとする。
実施の形態4.
上記実施の形態2では、低開度からの閉弁時に閉弁力と慣性力を大きくするために、フィードバックゲイン制御の駆動Dutyを大きくする構成にしたが、本実施の形態4ではフィードバック制御の目標開度を閉弁方向に補正する構成にする。
上記実施の形態2では、低開度からの閉弁時に閉弁力と慣性力を大きくするために、フィードバックゲイン制御の駆動Dutyを大きくする構成にしたが、本実施の形態4ではフィードバック制御の目標開度を閉弁方向に補正する構成にする。
図12は、この発明の実施の形態4に係るWGアクチュエータ1の制御装置20の構成例を示すブロック図である。図12において図2と同一または相当する部分は同一の符号を付し説明を省略する。また、WGアクチュエータ1の構成は、上記実施の形態1の図1に示したWGアクチュエータ1と図面上では同じ構成であるため、図1を援用する。本実施の形態4の制御装置20が行う動作は、上記実施の形態1の図8に示したフローチャートのうちのステップST3における具体的動作以外は同じ動作であるため、以下ではステップST3の具体的動作について説明する。
実施の形態4の切替指示部42cは、図8のステップST3において切替開始判定部41から制御切替状況の通知を受け取ると、フィードバック制御から閉弁制御へ制御方法を切り替える指示としてフィードバック制御の目標開度を閉弁方向に補正する目標開度補正値を、フィードバック制御部30の目標開度補正部31cへ出力する。目標開度補正部31cは、切替指示部42cから目標開度補正値を受け取った場合、エンジン制御部21から受け取る目標開度を当該目標開度補正値で補正し、補正後の目標開度を減算部32へ出力する。
これにより、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉するとき、WGアクチュエータ1が通常のフィードバック制御のときより大きい閉弁力でWGバルブ2を閉弁させることができると同時に、閉弁方向への加速を大きくして慣性力を大きくすることができる。よって、低開度から閉弁する場合の応答変化によらず、安定した閉弁を行うことができる。
なお、切替指示部42cが目標開度補正部31cに指示する目標開度補正値は、予め定められている固定値でもよいし、WGバルブ2の実開度と全閉開度の差に応じた変動値でもよい。変動値を用いる場合、切替指示部42cは、例えば実開度と全閉開度の差が大きいほど目標開度補正値を大きくする。この目標開度補正値は例えば図9に示したメモリ50に予め記憶されているものとする。
また、目標開度補正値として固定値を用いる場合、切替指示部42cは、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉するときから、WGバルブ2が全閉状態になる手前までの期間に、一時的に、目標開度を閉弁方向に補正させることが望ましい。一時的でないと、実際にはWGバルブ2が全閉しているにもかかわらず目標開度の補正により閉弁力が働いてWGバルブ2およびWGアクチュエータ1に余計な負荷がかかる可能性がある。
また、目標開度補正値として固定値を用いる場合、切替指示部42cは、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉するときから、WGバルブ2が全閉状態になる手前までの期間に、一時的に、目標開度を閉弁方向に補正させることが望ましい。一時的でないと、実際にはWGバルブ2が全閉しているにもかかわらず目標開度の補正により閉弁力が働いてWGバルブ2およびWGアクチュエータ1に余計な負荷がかかる可能性がある。
実施の形態5.
駆動対象物の全閉付近において、フリクションが増大する場合または排気ガス圧力等による外力が大きい場合は、全閉する直前に駆動対象物の移動速度が低下し閉弁が遅れる。フリクションの増大は、例えばアクチュエータのシャフトに煤が付着したり、駆動対象物とバルブシートとの間に煤が溜まったりすることで起こる。
上記原因による閉弁の遅れは、全閉時に毎回発生するわけではない。そこで、本実施の形態5では、駆動対象物の移動速度を監視し、基準開度より小さい開度から駆動対象物を全閉する制御切替状況において移動速度が予め定められた速度より小さい場合に、フィードバック制御から閉弁制御へ制御方法を切り替える構成にする。
駆動対象物の全閉付近において、フリクションが増大する場合または排気ガス圧力等による外力が大きい場合は、全閉する直前に駆動対象物の移動速度が低下し閉弁が遅れる。フリクションの増大は、例えばアクチュエータのシャフトに煤が付着したり、駆動対象物とバルブシートとの間に煤が溜まったりすることで起こる。
上記原因による閉弁の遅れは、全閉時に毎回発生するわけではない。そこで、本実施の形態5では、駆動対象物の移動速度を監視し、基準開度より小さい開度から駆動対象物を全閉する制御切替状況において移動速度が予め定められた速度より小さい場合に、フィードバック制御から閉弁制御へ制御方法を切り替える構成にする。
図13は、この発明の実施の形態5に係るWGアクチュエータ1の制御装置20の構成例を示すブロック図であり、実施の形態1の図2に示した制御装置20に対して新たに速度算出部43が加えられている。図13において図2と同一または相当する部分は同一の符号を付し説明を省略する。また、WGアクチュエータ1の構成は、上記実施の形態1の図1に示したWGアクチュエータ1と図面上では同じ構成であるため、図1を援用する。
速度算出部43は、A/Dコンバータ23からシャフト13の実ストローク位置、つまりWGバルブ2の実開度を受け取り、移動速度を算出する。速度算出部43は、算出したWGバルブ2の移動速度を制御切替部40の切替開始判定部41dへ出力する。
切替開始判定部41dは、上記実施の形態1と同様に、エンジン制御部21からWGバルブ2の目標開度を受け取ると共に、A/Dコンバータ23からWGバルブ2の実開度を受け取り、予め定められた基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉する制御切替状況であるか否かを判定する。
そして、切替開始判定部41dは、制御切替状況であると判定した場合に、続いて速度算出部43から受け取る移動速度を予め定められた速度と比較する。予め定められた速度は、例えば図9に示したメモリ50に予め記憶されているものとする。切替開始判定部41dは、上記制御切替状況であって、かつ、移動速度が予め定められた速度より小さい場合、切替指示部42に対して制御方法を切り替えるよう指示する。フィードバック制御部30が行う閉弁制御は、上記実施の形態1〜4のいずれの閉弁制御でもよい。
そして、切替開始判定部41dは、制御切替状況であると判定した場合に、続いて速度算出部43から受け取る移動速度を予め定められた速度と比較する。予め定められた速度は、例えば図9に示したメモリ50に予め記憶されているものとする。切替開始判定部41dは、上記制御切替状況であって、かつ、移動速度が予め定められた速度より小さい場合、切替指示部42に対して制御方法を切り替えるよう指示する。フィードバック制御部30が行う閉弁制御は、上記実施の形態1〜4のいずれの閉弁制御でもよい。
これにより、基準開度より小さい開度からWGバルブ2を全閉するときにおいて、特にWGバルブ2の移動速度が遅い場合に、フィードバック制御から閉弁制御へ制御方法を切り替えることができる。よって、低開度から閉弁する際に応答性が悪化したとしても、安定した閉弁を行うことができる。
なお、上記実施の形態1〜5では、外力の作用により応答性が変化する駆動対象物の一例としてWGバルブを挙げたが、これに限定されるものではなく、EGRバルブまたはVGベーン等であってもよい。
また、本発明に係るアクチュエータと、駆動対象物であるバルブと、制御装置とを備えたバルブ駆動装置として構成してもよい。
また、本発明に係るアクチュエータと、駆動対象物であるバルブと、制御装置とを備えたバルブ駆動装置として構成してもよい。
上記以外にも、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
また、本発明に係るアクチュエータのシャフトと駆動対象物とを、リンク機構を用いて連結する構成を示したが、リンク機構を用いずに直接シャフトと駆動対象物とを連結する構成であってもよい。
また、本発明に係るアクチュエータのシャフトと駆動対象物とを、リンク機構を用いて連結する構成を示したが、リンク機構を用いずに直接シャフトと駆動対象物とを連結する構成であってもよい。
1 WGアクチュエータ、2 WGバルブ(駆動対象物)、3 リンク機構、3a,3b プレート、3c 支点、4 直流モータ、5 マグネット、6 ロータ、7 コイル、8 ステータ、9 整流子、10 外部端子、11a,11b ブラシ、12 ネジ機構、12a 雌ネジ部、12b 雄ネジ部、13 シャフト、13a 回転規制部、13b,13c 当て部、14 軸受部、15 ハウジング、15a ガイド部、15b,15c ストッパ、16 位置センサ、17 センサ用シャフト、18 センサ用マグネット、20 制御装置、21 エンジン制御部、22 モータドライバ、23 A/Dコンバータ、30 フィードバック制御部、31,31c 目標開度補正部、32 減算部、33,33b PID制御部、34,34a Duty制御部、40 制御切替部、41,41d 切替開始判定部、42,42a,42b,42c 切替指示部、43 速度算出部、50 メモリ、51 プロセッサ、100 排気通路、101 バイパス通路。
Claims (10)
- 駆動対象物の開度を調整するシャフトと、前記シャフトを軸方向に往復移動させるモータと、前記シャフトの位置を検出する位置センサとを有するアクチュエータの制御装置であって、
前記位置センサの検出結果に基づき、前記駆動対象物の開度が目標開度に近づくよう前記シャフトの移動量をフィードバック制御するフィードバック制御部と、
基準開度より小さい開度から前記駆動対象物を全閉する制御切替状況であるか否かを判定し、当該制御切替状況である場合、前記フィードバック制御部に対して制御方法を切り替える指示を与える制御切替部とを備えることを特徴とするアクチュエータの制御装置。 - 前記フィードバック制御部は、前記制御切替部から制御方法を切り替える指示を受け付けた場合、前記駆動対象物の開度を前記基準開度まで大きくしてから全閉するよう制御することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータの制御装置。
- 前記アクチュエータは、前記シャフトの移動を規制するストッパを備えたものであって、
前記フィードバック制御部は、前記制御切替部から制御方法を切り替える指示を受け付けた場合、前記シャフトが前記ストッパに規制される位置まで前記駆動対象物の開度を大きくしてから全閉するよう制御することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータの制御装置。 - 前記フィードバック制御部は、前記制御切替部から制御方法を切り替える指示を受け付けた場合、前記フィードバック制御において算出される移動量に対して、前記駆動対象物の開度が小さくなる方向の予め定められた移動量を加えることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータの制御装置。
- 前記フィードバック制御部は、前記制御切替部から制御方法を切り替える指示を受け付けた場合、前記フィードバック制御のゲインを変更することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータの制御装置。
- 前記フィードバック制御部は、前記制御切替部から制御方法を切り替える指示を受け付けた場合、前記フィードバック制御の目標開度を、前記駆動対象物の開度が小さくなる方向に補正することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータの制御装置。
- 前記位置センサにより検出される前記シャフトの位置から前記駆動対象物の速度を算出する速度算出部を備え、
前記制御切替部は、前記基準開度より小さい開度から前記駆動対象物を全閉する制御切替状況であるか否か、および前記速度算出部により算出された速度が予め定められた速度より小さいか否かを判定し、当該制御切替状況であり、かつ速度が小さい場合、前記フィードバック制御部に対して制御方法を切り替える指示を与えることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のアクチュエータの制御装置。 - 駆動対象物の開度を調整するシャフトと、
前記シャフトを軸方向に往復移動させるモータと、
前記シャフトの位置を検出する位置センサと、
請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の制御装置とを備えることを特徴とするアクチュエータ。 - 駆動対象物であるバルブと、
前記バルブの開度を調整するシャフトと、
前記シャフトを軸方向に往復移動させるモータと、
前記シャフトの位置を検出する位置センサと、
請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の制御装置とを備えることを特徴とするバルブ駆動装置。 - 駆動対象物の開度を調整するシャフトと、前記シャフトを軸方向に往復移動させるモータと、前記シャフトの位置を検出する位置センサとを有するアクチュエータの制御方法であって、
制御装置のフィードバック制御部が、前記位置センサの検出結果に基づき、前記駆動対象物の開度が目標開度に近づくよう前記シャフトの移動量をフィードバック制御し、
前記制御装置の制御切替部が、基準開度より小さい開度から前記駆動対象物を全閉する制御切替状況であるか否かを判定し、当該制御切替状況である場合、前記フィードバック制御部に対して制御方法を切り替える指示を与えることを特徴とするアクチュエータの制御方法。
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