JP2005147070A - モータ駆動式スロットルバルブ制御装置 - Google Patents

モータ駆動式スロットルバルブ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
モータ駆動式スロットルバルブ制御装置でスロットルバルブの回転軸に取り付けた開度センサを用いてフィードバック開度制御をする場合、計算量の増大などによって、開度の検出から制御の演算を経てモータを駆動するまでにかかる時間が増大すると、ハンチングしやすくなるなど制御性が悪化する。
【解決手段】
スロットルバルブやアクセルペダルの開度センサの出力は誤差が大きい場合は補正をし、制御の演算に使用する。演算結果をモータの駆動に反映させた後に、開度センサの異常診断をし、異常と判定された場合はモータへの通電を遮断するか所定値以下に抑える。これにより開度の検出からモータを駆動するまで時間が、診断の演算時間だけ短縮される。
【選択図】図1

Description

本発明はスロットルバルブをモータで駆動する、所謂モータ駆動式スロットルバルブ制御装置に関する。
2個のホール素子を用いてスロットルバルブの開度を検出し、2個のセンサの出力を比較して、センサの相互の正常性を判断した後、当該センサの検出信号に基づいて駆動用モータの制御信号を演算し、その結果に基づきモータを制御する技術が記載されている。
特開2001−174212号公報
上記特許文献に記載された従来技術では、センサの診断を完了した後にモータの制御信号を演算し、出力しているのでスロットルバルブの開度の検出から制御の演算を経てモータを駆動するまでにかかる時間(モータの駆動開始までの無駄時間)が増大し、制御上のハンチングを生じる問題があった。
スロットルバルブの開度を検出した後最小限必要な判定(例えば通常取り得ない値かどうか)や補正(例えばセンサの出力が零基準値より誤差が大きい場合は補正をする、つまり零位置の調整)を行った後、モータの制御信号を演算する。演算結果に基づきモータ駆動用のドライバーに出力した後、開度センサの異常診断を実行する。異常と判定された場合はモータへの通電を遮断するか制御信号を所定値(エマージェンシー値)に調整する。
これによりスロットルバルブの開度の検出からモータを駆動するまで時間が、診断の演算時間だけ短縮される。その結果スロットルバルブを開度指令に追従させるときの応答性が向上する。
モータによりスロットルバルブを目標開度に制御するためには、PID制御などのフィードバック制御を用いている。スロットルバルブの開度は開度センサで定期的に検出し、これを目標とする開度に一致させるように、モータを駆動する。
開度センサはハウジングに固定した抵抗体にバルブの回転軸に取り付けたブラシが接触する可変抵抗によって構成されるポテンショメータイプや、耐久性を考慮したホール素子を用いた所謂非接触式センサが用いられている。
モータの駆動回路にはコストの観点から有利なHブリッジによるPWM方式が使われている。開度センサの出力と目標とする開度に基づいて駆動回路(ドライバ回路)に入力するデューティー比を求める演算プログラムがマイクロコンピュータのメモリに格納され、周期的に実行される。
モータ駆動式スロットルバルブ制御装置は万が一故障すれば、バルブが開いてエンジンの回転数が急上昇したり、逆に閉じてエンストしたりする可能性があるので、常に自己診断をして、異常時にも最低限の車の安全を確保することは不可欠である。特に、スロットルバルブのフィードバック開度制御は開度センサの出力に基づいているので開度センサの信頼性確保が重要で、通常開度センサは2つ以上設け、故障時のバックアップとしている。また、センサをはじめとした制御の自己診断を行い、異常時には駆動回路を遮断し、スロットルバルブがセンサの異常が原因で、開いたり、全開や全閉開度のストッパに衝突するなどの暴走や破損を防いでいる。なお、駆動回路を遮断した場合、スロットルバルブはばねにより設定された全閉近くのエマーゼンシー開度(退避走行開度,ディフォルト開度とも呼ぶ)に戻り、その後は点火などの調整をすることで低速ながら自走は可能なようになっている。
上記の開度制御と自己診断はどちらもマイクロコンピュータで周期的に演算されるが、基本的には、制御に先だって開度センサを診断し、正常であることが確認されたセンサ出力に基づいて制御をするので、処理の順序は診断,制御である。
モータ駆動式スロットルバルブ制御装置の開度制御はフィードバック制御であり、センサにより開度を測定し、それに基づいて制御則の計算し、モータを駆動するという行程を周期的に実行するものである。
このとき、周期が一定であれば開度の測定からモータの駆動までの時間が短いほど制御性能が向上することが知られており、逆に長くなるとハンチングしたり、応答時間が増大したりする。この遅れは、マイクロコンピュータの計算時間に加えて、開度センサや駆動回路を含めたモータの応答性から決まる数値である。
開度制御のソフトウエアはセンサや制御の診断とフィードバック制御からなっており、診断で検証されたセンサ信号に基づいて制御を行うという考え方から、開度センサの信号をA/D変換で取り込み、その診断をしてから制御の演算をする。
しかしながら、信頼性を確保するため、診断の処理量は制御に比べてかなり多くなっているのが実状である。したがって、開度の測定からモータの駆動までの時間が長く、制御性能が必ずしもよくないという問題がある。
特に、開度センサに非接触式のホールセンサを用いた場合この問題が深刻になる。ホールセンサは磁気回路とホール素子から構成されており、ホール素子でフィルタリング(零点調整,零スパン調整とも呼ぶ)や温度特性などの各種補正処理をデジタル処理によって実行している。このホール素子の演算時間のため、瞬時に出力の得られる前述の可変抵抗タイプの開度センサと比べて、ホールセンサでは開度検出の応答性が悪いことになる。スロットルバルブの開度制御の制御周期は例えば、1msから5ms程度である。ホール素子の演算時間は1ms程度なので、制御周期と比べて無視できない遅れが発生する。
このように診断方式の複雑化やホールセンサの採用などによって開度検出からモータ駆動までの制御の遅れが増大すると、制御性が悪化する。具体的にはスロットルバルブがハンチングし易くなり、逆にハンチングを防ぐように制御の定数を設定すると応答時間が長くなってしまう。モータ駆動式スロットルバルブ制御装置はエンジンルームに置かれる部品なので広い温度範囲で正常に動作することが求められる。モータの発生するトルクは巻き線や磁性材料の温度特性に起因して温度の影響を受ける。特に、遅れ時間が大きくなると温度に対するロバスト性が劣化し、特定の温度範囲でハンチングしたり、応答時間が必要以上に大きくなるおそれがある。また、モータ駆動式スロットルバルブ制御装置の小型・軽量化のため、モータは応答性の許す範囲でなるべく小さいものを選定する必要があるが、遅れ時間が大きい場合は応答性の要求を満たせずモータの小型化ができない可能性がある。
本実施例の目的は遅れ時間を補償することで上記課題を解決するモータ駆動式スロットルバルブ制御装置を提供することにある。
本実施例では、上記課題を解決するため、従来からのセンサ出力の正当性を確認してからそのセンサ出力を用いて開度制御の演算を行うという処理の順序を逆にして、基本的にはセンサの診断をする前に開度制御の演算をし、モータの駆動回路に駆動のための信号を送ってから、センサの診断をすることにした。診断の結果、異常と判定された場合は診断直後あるいは次に開度制御が起動してモータを駆動するときにモータへの通電を遮断するか、若しくはエマーゼンシーのための特定の値に修正する(所定値以下に抑える)。ただし、センサの診断がセンサ出力の補正を含むものであれば、開度制御の演算前にセンサ出力を補正するプロセスのみ実行するようにし、残りの診断を制御の演算が終了してから実行するようにしても良い。
これらを実現する構成として、実施例ではモータを駆動するための演算およびそれにもとづいたモータの駆動とを、上記少なくともひとつのセンサの異常を診断する演算に先立って実行し、上記センサの異常を診断する演算は、少なくともセンサ出力と、出力の時間変化と、二つ以上設けられたセンサの出力の差と、予め定めたスロットルバルブの目標となる開度とスロットルバルブの開度を検出するセンサ出力との差とのどれかであり、上記演算結果が所定の範囲を超える場合にはモータへの通電を遮断するか所定値以下に抑えるように構成した。
第二の実施例では上記少なくともひとつのセンサに対して異常を診断する第一の演算を行い、次にモータを駆動するための演算およびそれにもとづいたモータの駆動とを行い、最後にセンサの異常を診断する第二の演算を行うこととし、第一の演算は、上記センサ出力の時間変化を計算し、所定の範囲を超える場合には、そのセンサ出力を所定値に置き換えであり、第二の演算は、少なくともセンサ出力と、出力の時間変化と、二つ以上設けられたセンサの出力の差と、予め定めたスロットルバルブの目標となる開度とスロットルバルブの開度を検出するセンサ出力との差とのどれかであり、上記演算結果が所定の範囲を超える場合にはモータへの通電を遮断するか所定値以下に抑えるように構成した。
本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はモータ駆動式スロットルバルブ制御装置と、バルブ開度を本発明の方法によって制御するときの構成の一例を表す図である。モータ駆動式スロットルバルブ制御装置は吸気管1に設けられたスロットルバルブ2を直流モータ3で駆動する装置である。直流モータ3はPWM方式の駆動回路4から電流を供給され、減速ギア5を介して、スロットルバルブ2を回転させる。スロットルバルブ2の開度はバルブの回転軸に取り付けられた開度センサ6で測定する。スロットルバルブの開度センサ6は可変抵抗タイプのものでも接触部分のないホールセンサでもよい。また、バルブの回転軸にはプリロードを設けたばね7が取りつけられており、直流モータ3に通電していないときにはバルブが全閉よりやや開いた開度に固定されるように設定してある。これは故障の際に直流モータ3の通電を直ちに遮断し、バルブが運転者の意図に反して開くことのないようにする、機械的なフェールセーフ機構である。
スロットルバルブ2は運転者が操作するアクセルペダル8に連動して動くようになっている。
すなわち、アクセルペダル8の開度を回転軸に取り付けた開度センサ9で検出し、これに基づいてスロットルバルブ2の開度制御の目標開度10を求める。アクセルペダル8の開度センサ9には可変抵抗タイプや接触部分のないホールセンサの双方が使われている。目標開度10を求めるの場合、エンジンのアイドル回転数制御などではエンジン回転数や水温などアクセルペダル8以外の情報も使用する。この目標開度10と開度センサ6で検出したスロットルバルブ2の開度を一致させるように、フィードバック制御を用いて、駆動回路4に与える信号を演算する。フィードバック制御は目標開度10と実際の開度との差に対してPID制御のP分(比例)11,PID制御のI分(積分)12およびPID制御のD分(微分)13の成分を求め、各成分の重みを付けた和を演算するPID制御
14を使う。
アクセルペダル8とスロットルバルブ2がワイヤーリンケージで機械的に接続されている従来のスロットルと異なり、モータ駆動式スロットルバルブ制御装置はアクセルペダル8とスロットルバルブ2に取り付けられた開度センサ6および9にもとづいたフィードバック制御でスロットルバルブ2を動かすものである。したがって、安全性確保のためスロットルバルブ2の開度制御に異常を生じた場合は直ちに検出し、駆動回路4を遮断して、少なくとも運転者の意図なしにスロットルバルブ2が開くことのないようにセンサや制御の自己診断をすることが重要である。
そのため、アクセルペダル8とスロットルバルブ2の開度センサ6および9の出力に対して、信号の合理性を利用した自己診断(アクセルペダルの開度センサの診断・補正15およびスロットルバルブの開度センサの診断・補正16)を実行する。診断の結果、補正が可能であれば補正したあとの開度情報を制御に使用する。これらの自己診断(15および16)は診断による補正結果をPID制御14に使用するので、診断が終了してから制御の演算を実行する。これに対して、アクセルペダルの開度センサの診断17およびスロットルバルブの開度センサの診断18は診断の結果、異常と判定された場合には駆動回路を遮断し、以降開度制御は行わない。したがって、スロットルバルブ2の制御性を重視して、PID制御の演算が終了し駆動回路にPWMのデューティー比の信号を伝えた後に自己診断(17および18)の演算を実行する。
なお、上記のPID制御14および自己診断(15,16,17および18)の演算はECUに搭載されたマイクロコンピュータ19に格納されたプログラムにより定期的に実行する。
図2に直流モータの駆動回路を示す。駆動回路は4つのパワートランジスタからなるHブリッジ回路で電源はバッテリである。たとえば、パワートランジスタT1とT2のゲートにマイクロコンピュータから出力されたPWM信号を入力し、パワートランジスタT4のゲートに5V、T3のゲートを接地とすれば、T4とT3がそれぞれ、オン,オフの状態になり、モータにはPWMのデューティー比に応じた電圧Vmがaの方向に印加される。逆にパワートランジスタT3のゲートに5V、T4のゲートを接地とすればVmの方向が逆転し、スロットルバルブが逆方向に回転する。また、センサの自己診断の結果、以上と判定された場合、PWM信号のデューティー比を0にするか、T3およびT4をオフにする。これによりモータへの電流を遮断し、スロットルバルブが全閉や全開開度にあるストッパに衝突するなど予期せぬ動作を防ぐことができる。スロットルバルブは軸に設けたばねにより、予め設定された開度に戻る。以降は点火時期や燃料量でエンジンを運転し、スロットルバルブを固定した状態でも修理工場などまでは低速で自走できるようにしている。
図3(a)にホールセンサの概要を示す。ホールセンサはスロットルバルブあるいはアクセルペダルの開度の測定に使用するもので、一定の電流が流れている場合、それに直交する磁束の密度に比例して両者に直交するホール電圧を発生するホール効果を利用したセンサで、磁気回路とホール素子から構成されている。ホール素子はホール電圧を検出し、各種のディジタル信号処理により補正した、スロットルバルブの開度をアナログ若しくはディジタル信号として出力するICである。故障時のバックアップや平均化のためホールICは2つ設けられている。磁気回路のステータは弧状のステータAとステータBが正対するホール素子Aとホール素子Bを挟むように形成されており、モータ駆動式スロットルバルブ制御装置のハウジングに固定されている。その内部のロータは紙面に垂直な方向の、スロットルバルブの回転軸に取り付けられ、スロットルバルブとともに回転する。もちろん、ステータとロータの間には適当な隙間があって接触部分はない。ロータのヨークには円状の磁石が貼り付けれれており、磁石は約180度ずつN極とS極に着磁されている。着磁の方向はラジアル方向である。(b)および(c)はロータの開度とホール素子を通過する磁束との関係を示したもので、N極から出た磁力線はステータを通ってS極に戻るか(b)のようにホール素子と磁石のN極とS極の境界がホール素子の近傍にあるときはホール素子を通過する磁束密度が最大になり、センサ出力も最大になる。90度回転した(c)のように磁石の両極の境界がホール素子からはなれている場合は、素子を通過する磁束は最小になり、センサ出力も最小になる。上記のセンサを使えば、接触部分を持たないセンサでスロットルバルブの開度の測定ができる。
図4はホール素子の演算処理を示すフローチャートである。各処理は周期的に実行され、センサ出力も周期的に更新される。処理内容に関する定数はホール素子内のEEPROMなどメモリ41に保存されていて、この定数を変えることで開度センサの調整をすることができる。まず、素子内に発生するホール電圧を、A/D変換42を用いてディジタル化する。ディジタル化に際しては、磁気回路を構成する磁性材料によって、温度特性や磁束密度の範囲が異なるため、使用している磁性材料に応じた適当な温度勾配や磁束密度範囲43を設定することで、A/D変換の感度を補正する。ディジタル化したホール電圧はディジタルフィルタ44で平滑化するが、その時定数45は設定が可能である。さらに磁束密度に対するセンサ出力の感度(スケールファクタ47)の補正46も可能で、ホール素子を通過する磁束密度の範囲に応じてメモリに設定する。次にセンサ出力の零点補正48を行う。零点49は磁束密度が0のときの出力で、センサの種類や個体に応じた適当な値をメモリに格納する。最後に、配線のショートを検出するなどの目的で、センサ出力の上下限51の設定が可能で、内部的に上下限を超えた場合は、出力は上下限のいずれかに固定
50される。これによりセンサ出力を指定した範囲に限定することができる。センサ出力51は上記範囲の信号を、D/A変換器を介してアナログ信号にしたものである。
図5にフィードバック開度制御の処理のフローチャートを示す。本制御はスロットルバルブの目標開度と実際の開度との差(偏差)からモータ駆動回路に印加するPWM信号のデューティー比を繰り返し、周期的に算出するもので、基本的なPID制御を採用している。まず、スロットルバルブの目標開度と開度センサで測定した実際の開度との偏差を計算する(51)。次に偏差の比例,積分および微分(52〜54)を計算する。積分は前回までの積算値に今回の偏差を加算,微分は前回と今回の偏差の差分で近似する。これら、比例,積分および微分に適当な係数を掛けたものをPWM信号のデューティー比とする(55)。
次に、開度センサおよび開度制御の異常を検出する方法を説明する。
図6は開度センサを出力範囲で診断する方法を示すもので、開度センサの出力に予め上限と下限を設ける。これはスロットルバルブの全開や全閉の機械的な可動範囲の限界に対応するように設定する。これらの範囲を逸脱するような出力は通常あり得ないので、開度センサの故障と判断する。
図7は二つの開度センサの相関をもとに診断する方法を示すものである。スロットルバルブの回転軸には二つの同一の開度センサが取り付けられており、通常センサ出力はほぼ一致する。この二つのセンサ出力の差を計算し、その差が予め定めた範囲を超えることがあれば開度センサが異常との判断をする。
図8はセンサ出力の時間変化をもとにした診断および補正方法を示している。ある時刻のセンサ出力TPS(Tn)が正常であるとき、TPS(Tn)と次の時刻のセンサ出力TPS(Tn+1)との差を求め、Aのように予め定めた範囲内であれば正常、Bのようにその範囲を超えることがあれば開度センサが異常との判断をする。スロットルバルブの開度変化の最大値は基本的にはモータのイナーシャにより決まっているので、開度変化が所定の値以上であれば、それはスロットルバルブの移動によるものではなく開度センサの異常と判断できる。しかし、この異常は開度センサや回路のノイズによる一時的なものである可能性もあり、一回の診断で開度センサの故障を判断して、モータへの電流供給を遮断するのは合理的でなく、不要な電流供給の遮断が頻発することになる。したがって、Bのような開度変化が大きい出力が得られた場合、スロットルバルブの動特性から見て可能な範囲のCに出力を補正し、開度制御を継続する。
図9は開度センサを含めたスロットルバルブの開度制御を診断する方法を示す図である。目標開度の時系列データに対してスロットルバルブの開度の時系列データは上下限を持ったある幅を仮定して、推定することができる。この推定範囲はモータやギアおよびばねなどの特性や実験データをもとに、周囲温度など実際の使用条件や個体のばらつきを考慮して決めるもので、これを以てスロットルバルブの正常な応答(の範囲)を規定する。診断では目標開度の変化にしたがって上下限の繰り返し計算し、開度センサ出力がその範囲にあるかどうかを逐一調べ、所定の時間以上その範囲をはずれた場合には開度制御の異常を判定する。
以上述べてきた、制御と診断の演算をタイムチャートに表すと図10のようになる。制御と診断はECUで演算され、ホールセンサの演算はホール素子で実行される。ECUではスロットルバルブの開度制御は周期的に起動する。ホール素子の演算も周期的に起動するが、その周期は開度制御の起動の周期より十分高く、ECU側からはホール素子の出力は常に最新のものが入手可能である。ホール素子では所定の周期で素子内のホール電圧をA/D変換し、各種補正処理を施した後、D/A変換によりアナログ信号として開度情報を出力する。したがって、ホール素子の演算は開度制御の起動に先立って実行されると考えることができる。開度制御が起動するとホール素子の出力をA/D変換によりディジタル化する。この開度データに対して、制御の演算をする前に図8の診断を施す(自己診断1)。この診断は開度センサの出力を補正するもので、ノイズなど突発的な誤差の影響を軽減するものである。次に、補正済みの開度データに基づいてフィードバック開度制御の演算を実行する。この演算は図5のPID制御である。開度制御の演算によりPWM信号のデューティー比が求められるので、駆動回路に信号を入力する。その後、図6,図7および図9の各種診断を実行する。
診断の結果、異常と判定された場合、その情報はメモリ内のフラグに保存しておく。フラグ内容に基づいて駆動回路を遮断するタイミングは、次に開度制御が起動し、PWM信号を出力するときである。遮断するには開度制御で演算したデューティー比を駆動回路に印加する代わりにデューティー比0を印加するか、Hブリッジの下段のパワートランジスタをOFFにする。
応答時間や安定性などフィードバック制御の性能は、制御周期が決められているときは、センシングからアクチュエーションまでの遅れ時間(むだ時間)が少ないほど向上する。この場合は、ホール素子でのA/D変換開始時間からECUがPWM信号を出力するまでの時間がむだ時間に相当する。従来の可変抵抗タイプの開度センサを用いる場合は、むだ時間はECUのA/D変換開始からPWM信号の出力までであるので、ホールセンサの採用によりむだ時間が増大したことになる。これをなるべく小さくするため、従来のように直前の診断で検証されたセンサ信号を制御に使用する代わりに、制御の演算およびPWM信号の出力が終わってから診断をするようにしている。ただし、センサ出力の補正は当然、制御演算の前にする必要があるので、それ以外の診断をPWM信号の出力以降に実行している。診断結果の反映して駆動回路を遮断するのは次に開度制御が起動して、PWM信号を出力するときまで待つことになるが、この間にスロットルバルブが動く距離はわずかであり、車の暴走など危険につながることはない。
しかし、異常なセンサ出力に基づいてスロットルバルブが動く時間をなるべく減らすためには図11のようなタイミングチャートでソフトウエアを実行する。すなわち、各種自己診断の直後に、診断結果が異常なら駆動回路を遮断するルーチンを挿入するものである。これにより図10より、さらに駆動回路を早く遮断することが可能になる。
図12は図10に対応するフローチャートである。まず、ステップ121でアクセルペダルやスロットルバルブの開度センサ信号をA/D変換する。ステップ122では各開度情報を診断し補正が必要な場合は補正を施す。補正後のデータに対してステップ123でPID制御の演算をする。演算の詳細は図5のフローチャートのとおりである。演算結果はPWM信号のデューティー比としてステップ124で出力される。次に、駆動回路の遮断に関する診断をステップ125で実行し、診断結果はメモリに保存する。異常と診断された場合はステップ124で駆動回路を遮断するが、遮断のタイミングは次回、処理が起動されたときなので、一制御周期分遅れることになる。
図13は図11に対応するフローチャートである。まず、ステップ131でアクセルペダルやスロットルバルブの開度センサ信号をA/D変換する。ステップ132では各開度情報を診断し補正が必要な場合は補正を施す。補正後のデータに対してステップ133で制御の演算をする。演算結果はPWM信号のデューティー比としてステップ134で出力される。次に、駆動回路の遮断に関する診断をステップ135で実行し、異常と診断された場合はステップ136で駆動回路を遮断する。したがって、このフローでは診断直後に結果が反映されるので図12のような一制御周期分の遅れはない。
本実施例の特徴を列挙すると以下の通りである。
実施態様1
スロットルバルブの目標となる開度とスロットルバルブの開度を検出するセンサ出力と、アクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサ出力に基づいて、周期的に演算をしてモータを駆動するモータ駆動式スロットルバルブ制御装置において、
上記少なくともひとつのセンサに対して異常を診断する第一の演算を行い、次にモータを駆動するための演算およびそれにもとづいたモータの駆動とを行い、最後にセンサの異常を診断する第二の演算を行うことを特徴とするモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
実施態様2
上記モータ駆動式スロットルバルブ制御装置で第一の演算は、上記センサ出力の時間変化を計算し、所定の範囲を超える場合には、そのセンサ出力を所定値に置き換えることを特徴とするモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
実施態様3
上記モータ駆動式スロットルバルブ制御装置で第二の演算は、少なくともセンサ出力と、出力の時間変化と、二つ以上設けられたセンサの出力の差と、予め定めたスロットルバルブの目標となる開度とスロットルバルブの開度を検出するセンサ出力との差とのどれかであり、上記演算結果が所定の範囲を超える場合にはモータへの通電を遮断するか所定値以下に抑えることを特徴とするモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
実施態様4
上記モータ駆動式スロットルバルブ制御装置でセンサの異常を診断した場合、第二の演算直後にモータへの通電を遮断するか所定値以下に抑えることを特徴とするモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
実施態様5
上記モータ駆動式スロットルバルブ制御装置でセンサの異常を診断した場合、次に制御の演算が起動し、モータを駆動するタイミングでモータへの通電を遮断するか所定値以下に抑えることを特徴とするモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
実施例によればスロットルバルブの開度検出からモータの動作開始までの時間(むだ時間)を短縮できるので、スロットルバルブを開度指令に追従させるときの応答性が向上する。すなわち、応答時間が短くなり、オーバーシュートが減少するなど過渡特性も改善する。したがって、開度センサにホールセンサなど素子内での演算が必要で、上記のむだ時間が増大するものを選んだ場合でも、むだ時間の増大は最小限にとどめることができ、制御性能の劣化を抑えることができる。また、温度に対するロバスト性向上や、モータの小型化などの効果もある。
本発明の構成を示すブロック図。 モータ駆動回路の構成を示す図。 ホールセンサの構成と開度測定の原理を示す図。 ホール素子が実行する演算および設定項目を示す図。 PID制御の演算方法を示す図。 開度センサの診断方法を示す図。 開度センサの診断方法を示す図。 開度センサの診断および補正方法を示す図。 開度センサおよび開度制御の診断方法を示す図。 ECUおよびホール素子での演算の進行を示すタイムチャート。 ECUおよびホール素子での演算の進行を示すタイムチャート。 ECUでの制御および診断の演算を示すフローチャート。 ECUでの制御および診断の演算を示すフローチャート。
符号の説明
1…吸気管、2…スロットルバルブ、3…直流モータ、4…駆動回路、5…減速ギア、6…スロットルバルブの開度センサ、7…ばね、8…アクセルペダル、9…アクセルペダルの開度センサ、10…スロットルバルブの目標開度、11…PID制御のP分(比例)、12…PID制御のI分(積分)、13…PID制御のD分(微分)、14…PID制御、15…アクセルペダルの開度センサの診断・補正、16…スロットルバルブの開度センサの診断・補正、17…アクセルペダルの開度センサの診断、18…スロットルバルブの開度センサの診断、19…マイクロコンピュータ。

Claims (8)

  1. スロットルバルブの開度を検出する開度センサの出力に基づいて前記スロットルバルブの駆動用モータの制御信号を演算する機能と、前記センサの出力の正常性を診断する機能を有するものにおいて、
    前記センサの診断の実行に先駆けて前記モータの制御信号を演算し、前記モータへ出力するモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
  2. スロットルバルブの開度を検出する複数個の開度センサの出力を比較してセンサの正常性を診断する機能と、正常なセンサの出力に基づいて前記スロットルバルブの駆動用モータの制御信号を演算する機能を有するものにおいて、
    前記センサの内、一つのセンサの正常性を診断し、前記センサ相互の出力の比較を実行するに先駆けて、当該センサの信号に基づいて前記モータの制御信号を演算し、前記モータへ出力するモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
  3. 前記センサが磁気的に非接触に前記スロットルバルブの回転を検出するセンサである請求項1に記載のモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
  4. 前記複数個のセンサが磁気的に非接触に前記スロットルバルブの回転を検出するセンサで、その出力が互いに同じ出力傾向を呈するセンサ同士か、あるいは互いに逆特性のセンサ同士の出力を比較してどちらのセンサが異常かを診断する機能を備えた請求項2に記載のモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
  5. スロットルバルブの目標となる開度とスロットルバルブの開度を検出するセンサ出力と、アクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサ出力に基づいて、周期的に演算をしてモータを駆動するモータ駆動式スロットルバルブ制御装置において、
    モータを駆動するための演算およびそれにもとづいたモータの駆動とを、上記少なくともひとつのセンサの異常を診断する演算に先立って実行することを特徴とするモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
  6. 請求項5のモータ駆動式スロットルバルブ制御装置で上記センサの異常を診断する演算は、少なくともセンサ出力と、出力の時間変化と、二つ以上設けられたセンサの出力の差と、予め定めたスロットルバルブの目標となる開度とスロットルバルブの開度を検出するセンサ出力との差とのどれかであり、上記演算結果が所定の範囲を超える場合にはモータへの通電を遮断するか所定値以下に抑えることを特徴とするモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
  7. 請求項5のモータ駆動式スロットルバルブ制御装置でセンサの異常を診断した場合、診断直後にモータへの通電を遮断するか所定値以下に抑えることを特徴とするモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
  8. 請求項5のモータ駆動式スロットルバルブ制御装置でセンサの異常を診断した場合、次に制御の演算が起動し、モータを駆動するタイミングでモータへの通電を遮断するか所定値以下に抑えることを特徴とするモータ駆動式スロットルバルブ制御装置。
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