JP3518377B2 - 電子制御スロットル弁の制御装置 - Google Patents

電子制御スロットル弁の制御装置

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JP3518377B2
JP3518377B2 JP34174098A JP34174098A JP3518377B2 JP 3518377 B2 JP3518377 B2 JP 3518377B2 JP 34174098 A JP34174098 A JP 34174098A JP 34174098 A JP34174098 A JP 34174098A JP 3518377 B2 JP3518377 B2 JP 3518377B2
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子制御スロットル
弁の制御装置に関し、特に、アクセルペダルとスロット
ル弁とが機械的に結合していない電子制御スロットル弁
を高速化し、スロットル弁の応答性を良くした制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両に搭載された内燃機関の回転
数の制御は、運転席の足元に設置されたアクセルペダル
の踏込量によって行われていた。即ち、従来の内燃機関
には、その吸気通路にこのアクセルペダルにワイヤで接
続されたスロットル弁があり、アクセルペダルが踏み込
まれると、ワイヤを介してこのスロットル弁の開度が大
きくなって内燃機関への吸入空気量が増し、これに伴っ
て燃料量も増えるので機関回転数が増大するようになっ
ている。
【0003】一方、近年、コンピュータの発達に伴い、
内燃機関の回転数を電子的に最適に制御しようとする電
子制御式の内燃機関が実用化されている。このような内
燃機関の電子制御化としては、例えば、燃料噴射量制
御、点火時期制御、吸排気弁の開弁時期の制御等が先行
しており、これらに続いてスロットル弁の電子制御も実
用段階に入っている。スロットル弁を電気的に開閉する
制御の従来技術としては、例えば、特開平9−2425
91号公報に開示の車両の制御装置がある。
【0004】現在、実用化されている電子制御スロット
ル弁装置20の外観を図1に示し、その構成を図2(a)
に示す。電子制御スロットル弁装置20には、アクセル
ペダル14(図2(a) 参照)にアクセルケーブル24で
接続されるスロットルレバー16と、このスロットルレ
バー16に内蔵され、アクセルペダル14の踏込量に応
じたアクセル開度を検出するアクセル開度センサ15
と、このアクセル開度センサ15のアクセル開度の検出
値(アクセル開度信号)が入力されるエンジン・コント
ロール・ユニット(以後ECUという)10と、ECU
10の出力に応じて内燃機関の吸気通路2に設けられた
スロットル弁3を開閉駆動するスロットルモータ4と、
スロットル弁3の開度を検出するスロットル開度センサ
5と、スロットルレバー16の近傍に設けられた退避走
行用レバー17、及び、スロットル弁3のリターンスプ
リング18(図1参照)がある。また、スロットルモー
タ4には電磁クラッチ21(図2(a) 参照)が内蔵され
ている。
【0005】このように構成された電子制御スロットル
弁装置20では、運転者の意思に応じてアクセルペダル
14が踏み込まれると、アクセルペダル14の踏込量は
アクセルケーブル24を通じてスロットルレバー16に
伝えられ、スロットルレバー16が回転する。スロット
ルレバー16にはアクセル開度センサ15が内蔵されて
おり、スロットルレバー16の回転角によりアクセルペ
ダルの踏込量が検出される。アクセル開度センサ15が
検出したアクセルペダルの踏込量はアクセル開度信号と
してECU10に入力され、ECU10はアクセル開度
信号に応じたスロットル弁3の開度を決定する。ECU
10からスロットルモータ4にはスロットルモータとク
ラッチ信号が出力され、スロットルモータ4が駆動され
る。スロットル弁3の開度はスロットル開度センサ5に
よって検出され、スロットル開度センサ信号としてEC
U10にフィードバックされる。スロットルモータ4に
は応答性が良く、消費電力の小さなDCモータ等が使用
される。
【0006】このときの制御には、スロットル弁3の開
度を検出するスロットル開度センサ5からのスロットル
開度センサ信号と、アクセル開度センサ15からのアク
セル開度信号との偏差が無くなるようにスロットルモー
タ4に対して、比例(P)、積分(I)、微分(D)制
御(以後、単にPID制御という)によるフィードバッ
ク制御が実行されている。
【0007】なお、以上のような制御がフェールした時
でも車両が退避走行できるようにするために、このよう
な電子制御スロットル弁装置には、退避走行用レバー1
7とそのリリーフスプリング19(図1参照)が設けら
れている。更に、近年、図2(b) に示すようなアクセル
ペダル14とスロットル弁3との間のアクセルケーブル
を無くすように構成された電子制御スロットル弁装置3
0が提案されている。この提案の電子制御スロットル弁
装置30では、図2(b) に示すようにアクセルペダル1
4の支持軸にスロットル開度センサ15が設けられる
か、或いは、アクセルペダル14のストロークセンサが
設けられており、このセンサの検出値が直接ECU10
に入力されるようになっている。
【0008】そして、ECU10はアクセル開度信号に
応じたスロットル弁3の開度を決定し、ECU10から
スロットルモータ4に直接駆動信号が出力される。スロ
ットル弁3の開度はスロットル開度センサ5で検出され
てECU10にフィードバックされる。なお、スロット
ル開度センサ5はスロットルモータ4に内蔵されること
もある。
【0009】このようなアクセルペダル14とスロット
ル弁3との間のアクセルケーブルを無くした電子制御ス
ロットル弁装置30においても、制御のフェール時の機
関のストールを防止して、機関に必要な空気量を確保す
るため、アクセルペダル14を戻した状態でもスロット
ル弁3を所定開度開いた状態に保持することが行われて
いる。このようなスロットル弁3の開度はオープナ開度
と呼ばれ、通常はスロットル弁3を開弁方向と閉弁方向
にそれぞれ付勢するばねを備えたオープナ開度設定機構
によってこの開度が設定されている。
【0010】図3(a) は図2(b) で説明したアクセルペ
ダル14とスロットル弁3との間のアクセルケーブルを
無くした電子制御スロットル弁装置30における、オー
プナ開度とスロットル弁3を開弁方向と閉弁方向に付勢
するオープナ開度設定機構40の一例を示すものであ
る。また、図3(b) 〜(d) はオープナ開度設定機構40
の作用を説明するものである。なお、図3(a) にはスロ
ットル開度センサの図示は省略してある。
【0011】図3(a) に示すように、吸気通路2に設け
られたスロットル弁3の回転軸23の一端には、この回
転軸23を回転させるスロットルモータ4が取り付けら
れている。また、この回転軸23の他端にはフランジ2
2が固着されており、このフランジ22の外周部の所定
箇所には第1の作動片31が設けられている。第1の作
動片31と図示しない電子制御スロットル弁装置30の
スロットルボディの間には、第1のばね41が掛け渡さ
れている。この第1のばね41は、スロットル弁3を開
弁させる方向に第1の作動片31を付勢するものであ
る。
【0012】更に、このフランジ22の近傍の回転軸2
3には、回転軸23の回りを自由に回転することができ
る作動リング25が嵌められている。そして、この作動
リング25の外周部には、作動リング25の回転によっ
て第1の作動片31に係合する第2の作動片32が設け
られている。第2の作動片32と図示しない電子制御ス
ロットル弁装置30のスロットルボディの間には、第2
のばね42が掛け渡されている。この第2のばね42
は、スロットル弁3を閉弁させる方向に第2の作動片3
2を付勢するものである。この例では、第2のばね42
の付勢力の方が第1のばね41の付勢力よりも大きく設
定されている。
【0013】これらの構成に加えて、スロットルボディ
には第2の作動片42の回動を止めるストッパ26が設
けられている。このストッパ26は、第2のばね42の
付勢力が、オープナ開度より小さい開度のスロットル弁
3には及ばないようにするためのものである。このスト
ッパ26は、第1の作動片31の動作には影響を与えな
い。
【0014】第1の作動片31のフランジ22との位置
関係、及び、第2の作動片32とストッパ26の位置関
係を、図3(c) を用いて説明する。図3(c) はスロット
ル弁3がオープナ開度である状態を示している。このと
き、第2のばね42に付勢されてスロットル弁3を閉弁
方向に回転させる第2の作動片32はストッパ26に当
接してその回転が止められる。この状態で、図示しない
スロットルモータの駆動力がスロットル弁の回転軸23
に加わっていないと、第1の作動片31は第1のばね4
1に引っ張られて第2の作動片32に当接した状態とな
る。前述のように、第1のばね41の付勢力は第2のば
ね42の付勢力よりも弱いので、回転軸23にスロット
ルモータの駆動力が作用しない状態では、スロットル弁
3はオープナ開度を保持することになる。
【0015】図3(b) はスロットル弁3が吸気通路2を
全閉にした状態を示すものである。スロットル弁3をオ
ープナ開度から全閉状態にするためには、スロットルモ
ータを駆動して、第1のばね41の付勢力F1に打ち勝
つ駆動力を回転軸23に与えれば良い。なお、別に設け
られた図示しないストッパにより、スロットル弁3の回
転はこの全閉状態で止まるようになっており、スロット
ル弁3が負の開度になることはない。
【0016】図3(d) はスロットル弁3がオープナ開度
より大きな所定の開度にある状態を示している。スロッ
トル弁3の開度がオープナ開度よりも大きい場合の第1
の作動片31には、第1のばね41によるスロットル弁
3を開弁させる方向の付勢力F1と、第2のばね42に
よるスロットル弁3を閉弁させる方向の付勢力F2の両
方が加わる。前述のように、第1のばね41の付勢力F
1は第2のばね42の付勢力F2よりも弱いので、第1
の作動片31には、第2のばね42の付勢力F2から第
1のばね41の付勢力F1を差し引いた付勢力(F2−
F1)、即ち、スロットル弁3を閉弁させる方向の付勢
力(F2−F1)が加わっている。従って、スロットル
弁3の開度を大きくするためには、この付勢力(F2−
F1)に打ち勝つ駆動力をスロットルモータから回転軸
23に与えれば良い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アクセ
ルペダルとスロットル弁との間のアクセルケーブルを無
くした電子制御スロットル弁装置において、スロットル
弁に前述のようなオープナ開度設定機構が設けられてい
ると、スロットル弁を全閉状態から開く方向に駆動した
場合、2つのばねが釣り合うオープナ開度の前後でスロ
ットル弁の回転軸に作用するばね定数が変わり、スロッ
トル弁を駆動するのに必要なスロットルモータの駆動力
が変化する。このため、オープナ開度前後でスロットル
弁の駆動をスムーズに行えないという問題があった。
【0018】即ち、図4に示すように、スロットル弁が
全閉状態にある時に、電子制御スロットル弁の制御装置
からスロットル弁を所定開度開弁させる指令値が出力さ
れたとすると、スロットル開度センサの検出値に見られ
るように、スロットル弁の開度がオープナ開度近辺で暫
くの間停滞し、スロットル弁をスムーズに駆動すること
ができなかった。また、同様に、スロットル弁がオープ
ナ開度を越えて開弁側から閉弁側に制御される場合も、
スロットル弁をスムーズに駆動することができなかっ
た。
【0019】更に、電子制御スロットル弁に用いるスロ
ットルモータの中には、機関の運転領域の全領域に渡っ
てトルクを均一に出せるものもあるが、そうでないもの
も存在する。このような機関の運転領域の全領域に渡っ
てトルクを均一に出せないモータを電子制御スロットル
弁に用いてスロットル弁を駆動する場合、周囲の動作環
境により、スロットル弁の駆動トルクが不十分になるこ
とがあり、前述のオープナ開度前後以外の開度でもスロ
ットル弁の動作がスムーズにならない場合があった。
【0020】そこで、本発明は、スロットル弁のオープ
ナ開度設定機構を有する電子制御スロットル弁の制御装
置において、スロットル弁がオープナ開度を越えて開く
側、或いは閉じる側に駆動された時でも、また、オープ
ナ開度以外のスロットル開度においてスロットル弁の挙
動がスムーズでなくなった場合でも、スロットル弁をス
ムーズに開閉することができる電子制御スロットル弁の
制御装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の特徴は、以下に第1から第7の発明として示され
る。第1の発明の構成上の特徴は、アクセルペダルの踏
込量に応じたアクセル開度を検出するアクセル開度セン
サと、内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁の
開度を検出するスロットル弁開度センサと、スロットル
弁を開閉駆動するモータとを備えた電子制御スロットル
弁の制御装置において、アクセル開度センサの検出値を
第1の周期毎に読み込み、読み込んだアクセル開度をア
クセル開度の指令値として設定する指令値設定手段と、
この指令値に応じてモータに駆動信号を出力するスロッ
トル弁の開閉駆動手段と、駆動信号に応じてスロットル
弁開度の基準値を設定する基準値設定手段と、スロット
ル弁開度センサの検出値を、第1の周期より短い第2の
周期毎に読み込み、読み込んだ時刻と共に記憶するスロ
ットル弁開度の記憶手段と、指令値設定後に、スロット
ル弁開度の記憶手段に記憶された前回のスロットル弁開
度と現在のスロットル弁開度との偏差を算出し、この偏
差と基準値とを比較するスロットル開度偏差の比較手段
と、偏差が基準値以下の時に、前回算出された偏差に基
づいて予測補正項を算出し、この予測補正項でスロット
ル弁の開閉駆動手段から出力される駆動信号を補正する
駆動信号補正手段と、スロットル弁開度センサの検出値
が指令値に到達した時に、駆動信号補正手段の補正動作
を停止させる補正停止手段とを設けたことである。第2
の発明の構成上の特徴は、アクセルペダルの踏込量に応
じたアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、内
燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を検
出するスロットル弁開度センサと、スロットル弁を開閉
駆動するモータとを備えた電子制御スロットル弁の制御
装置において、アクセル開度センサの検出値を第1の周
期毎に読み込み、読み込んだアクセル開度をアクセル開
度の指令値として設定する指令値設定手段と、この指令
値に応じてモータに駆動信号を出力するスロットル弁の
開閉駆動手段と、駆動信号に応じてスロットル弁開度の
基準値を設定する基準値設定手段と、スロットル弁開度
センサの検出値を、第1の周期より短い第2の周期毎に
読み込み、読み込んだ時刻と共に記憶するスロットル弁
開度の記憶手段と、指令値設定後に、スロットル弁開度
の記憶手段に記憶された前回のスロットル弁開度と現在
のスロットル弁開度との偏差を算出し、この偏差と基準
値とを比較するスロットル開度偏差の比較手段と、偏差
が基準値以下、かつスロットル弁がオープナ開度を通過
中の時に、前回算出された偏差に基づいて予測補正項を
算出し、この予測補正項でスロットル弁の開閉駆動手段
から出力される駆動信号を補正する駆動信号補正手段と
を設けたことである。
【0022】第3の発明の構成上の特徴は、アクセルペ
ダルの踏込量に応じたアクセル開度を検出するアクセル
開度センサと、内燃機関の吸気通路に設けられたスロッ
トル弁の開度を検出するスロットル弁開度センサと、ス
ロットル弁を開閉駆動するモータとを備えた電子制御ス
ロットル弁の制御装置において、アクセル開度センサの
検出値を第1の周期毎に読み込み、読み込んだアクセル
開度をアクセル開度の指令値として設定する指令値設定
手段と、この指令値に応じてモータに駆動信号を出力す
るスロットル弁の開閉駆動手段と、スロットル弁開度セ
ンサの検出値を、第1の周期より短い第2の周期毎に読
み込み、読み込んだ時刻と共に記憶するスロットル弁開
度の記憶手段と、スロットル弁開度の記憶手段に記憶さ
れた過去のスロットル弁開度と現在のスロットル弁開度
の値から、第2の周期後の予測スロットル弁開度を算出
して記憶する予測スロットル弁開度の記憶手段と、指令
値設定後に、予測スロットル弁開度の記憶手段に記憶さ
れた第2の周期前に算出された予測スロットル弁開度
を、現在のスロットル弁開度と比較して偏差を算出する
現在のスロットル弁開度の比較手段と、算出された現在
のスロットル弁開度の偏差が所定値以上の時に、予測ス
ロットル弁開度とスロットル弁開度の記憶手段に記憶さ
れた前回のスロットル弁開度との偏差に基づいて予測補
正項を算出し、この予測補正項でスロットル弁の開閉駆
動手段から出力される駆動信号を補正する駆動信号補正
手段と、スロットル弁開度センサの検出値が指令値に到
達した時に、駆動信号補正手段の補正動作を停止させる
補正停止手段とを設けたことである。第4の発明の構成
上の特徴は、アクセルペダルの踏込量に応じたアクセル
開度を検出するアクセル開度センサと、内燃機関の吸気
通路に設けられたスロットル弁の開度を検出するスロッ
トル弁開度センサと、スロットル弁を開閉駆動するモー
タとを備えた電子制御スロットル弁の制御装置におい
て、アクセル開度センサの検出値を第1の周期毎に読み
込み、読み込んだアクセル開度をアクセル開度の指令値
として設定する指令値設定手段と、この指令値に応じて
モータに駆動信号を出力するスロットル弁の開閉駆動手
段と、スロットル弁開度センサの検出値を、第1の周期
より短い第2の周期毎に読み込み、読み込んだ時刻と共
に記憶するスロットル弁開度の記憶手段と、スロットル
弁開度の記憶手段に記憶された過去のスロットル弁開度
と現在のスロットル弁開度の値から、第2の周期後の予
測スロットル弁開度を算出して記憶する予測スロットル
弁開度の記憶手段と、指令値設定後に、予測スロットル
弁開度の記憶手段に記憶された第2の周期前に算出され
た予測スロットル弁開度を、現在のスロットル弁開度と
比較して偏差を算出する現在のスロットル弁開度の比較
手段と、算出された現在のスロットル弁開度の偏差が所
定値以上、かつスロットル弁がオープナ開度を通過中の
時に、予測スロットル弁開度とスロットル弁開度の記憶
手段に記憶された前回のスロットル弁開度との偏差に基
づいて予測補正項を算出し、この予測補正項でスロット
ル弁の開閉駆動手段から出力される駆動信号を補正する
駆動信号補正手段とを設けたことである。
【0023】第5の発明の構成上の特徴は、第1から第
4の発明の何れかにおいて、更に、指令値に基づいてス
ロットル弁の開閉速度を設定するスロットル弁の開閉速
度設定手段を備えることである。第6の発明の構成上の
特徴は、第1から第5の発明の何れかにおいて、スロッ
トル弁の開閉駆動手段から出力される駆動信号が、モー
タへの供給電力のデューティ比を表すものであることで
ある。
【0024】第の発明の構成上の特徴は、第1から第
4の発明の何れかにおいて、モータ駆動力補正手段は、
スロットル弁の開弁方向への移動時にモータの駆動力を
大きくし、スロットル弁の閉弁方向への移動時にモータ
の駆動力を小さくするように動作することことである。
第1と第2及び第5から第7の発明からなる本発明の第
1の形態によれば、現在のスロットル開度と前回のスロ
ットル開度との偏差が基準値よりも小さい場合、現在の
スロットル開度と前回のスロットル開度との偏差を用い
た予測補正値によりスロットル弁開度を補正することに
より、スロットル弁の駆動をスムーズに行うことができ
る。
【0025】第3と第4及び第5から第7の発明によれ
ば、現在のスロットル開度が過去において予測されたス
ロットル開度と所定値以上異なる場合は、現在のスロッ
トルモータの駆動力を、現在のスロットル開度と過去に
おいて予測されたスロットル開度との偏差に応じて補正
することにより、現在のスロットル弁の駆動を一層スム
ーズに行うことができる。
【0026】従って、スロットル弁が全閉状態からオー
プナ開度を越えて開弁方向、或いはに駆動される場合で
も、オープナ開度前後のスロットルモータの動作不良が
高速で補正されるので、オープナ開度前後の電子制御ス
ロットル弁の応答性がスムーズになる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下添付図面を用いて本発明の実
施形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。な
お、図2及び図3で説明した電子制御スロットル弁装置
30の構成部材と同じ構成部材については同じ符号を付
して説明する。図5には本発明の一実施例のスロットル
弁の制御装置を備えた電子制御燃料噴射式の多気筒内燃
機関1が概略的に示されている。図5において、内燃機
関1の吸気通路2には図示しないエアクリーナの下流側
にスロットル弁3が設けられており、このスロットル弁
3の回転軸の一端にはこのスロットル弁3を駆動するア
クチュエータであるスロットルモータ4が設けられてお
り、他端には図3で説明したスロットル弁3のオープナ
開度を設定するオープナ開度設定機構40、及び、スロ
ットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ5が設
けられている。即ち、この実施例のスロットル弁3はス
ロットルモータ4によって開閉駆動される電子制御スロ
ットルである。
【0028】スロットル弁3の下流側の吸気通路2には
サージタンク6があり、このサージタンク6内には吸気
の圧力を検出する圧力センサ7が設けられている。更
に、サージタンク6の下流側には、各気筒毎に燃料供給
系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射
弁8が設けられている。スロットル開度センサ5の出力
と圧力センサ7の出力は、マイクロコンピュータを内蔵
したECU(エンジン・コントロール・ユニット)10
に入力される。
【0029】また、内燃機関1のシリンダブロックの冷
却水通路9には、冷却水の温度を検出するための水温セ
ンサ11が設けられている。水温センサ11は冷却水の
温度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。排気
通路12には、排気ガス中の3つの有害成分HC,C
O,NOxを同時に浄化する三元触媒コンバータ(図示
せず)が設けられており、この触媒コンバータの上流側
の排気通路12には、空燃比センサの一種であるO2
ンサ13が設けられている。O2 センサ13は排気ガス
中の酸素成分濃度に応じて電気信号を発生する。これら
水温センサ11及びO2 センサ13の出力はECU10
に入力される。
【0030】更に、このECU10には、アクセルペダ
ル14に取り付けられてアクセル踏込量を検出するアク
セル開度センサ15からのアクセルペダルの踏込量信号
(アクセル開度信号)や、図示しないディストリビュー
タに取付けられたクランク角センサからの機関回転数N
eが入力される。以上のような構成において、図示しな
いキースイッチがオンされると、ECU10が通電され
てプログラムが起動し、各センサからの出力を取り込
み、スロットル弁3を開閉するスロットルモータ4や燃
料噴射弁8、或いはその他のアクチュエータを制御す
る。ECU10には、各種センサからのアナログ信号を
ディジタル信号に変換するA/D変換器(図示せず)、
各種センサからの入力ディジタル信号や各アクチュエー
タを駆動する信号が出入りする入出力インタフェース1
01、演算処理を行うCPU102、ROM103やR
AM104等のメモリや、クロック105等が設けられ
ており、これらはバス106で相互に接続されている。
ECU10の構成については公知であるので、これ以上
の説明を省略する。
【0031】ECU10にアクセル開度センサ15から
のアクセルペダルの踏込量信号が入力されると、ECU
10は図6(a) に示すように、このアクセルペダルの踏
込量信号を所定周期T、例えば10ms周期、でサンプ
リングする。そして、ECU10は時刻taにおけるサ
ンプリング値αを、図6(b) に示すように、時刻taに
おけるスロットル弁開度の指令値θCMとして出力する。
ECU10は以後同様に、所定周期T毎にサンプリング
したアクセルペダルの踏込量信号を、時刻tbでは指令
値θCM=β、時刻tcでは指令値θCM=γというように
出力する。
【0032】図7は本発明の第1の実施例を実現するた
めの図5のECU10の中の機能をブロックで表したも
のである。アクセルペダルの踏込量信号がECU10に
入力されると、指令値設定機能110により、前述のよ
うに所定時間T毎に指令値が作られる。この指令値は微
分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作
機能111Iから構成されるPID制御機能111に入
力される。PID制御機能111ではこの指令値に基づ
いてスロットル弁の開閉速度が算出され、このスロット
ル弁の開閉速度で決まるスロットル弁開度の目標値が出
力される。このスロットル弁開度の目標値はデューティ
出力演算機能112に出力され、ここでスロットル弁開
度の目標値に応じたスロットルモータの駆動信号のデュ
ーティ比が算出される。スロットルモータの駆動信号の
デューティ比はスロットルモータ4に出力され、スロッ
トルモータ4が駆動されてスロットル弁の開度が変更さ
れる。スロットル弁の開度はスロットル開度センサ5に
よって検出される。スロットル開度センサ5によって検
出された検出値は符号が反転されて加算機能A1におい
て指令値に加えられ、PID制御機能111にフィード
バックされる。
【0033】以上の機能が通常のスロットル弁の制御系
統であるが、第1の実施例では、この制御系統に、スロ
ットル弁の移動速度の演算機能(微分機能)113、こ
のスロットル弁の移動速度の演算機能113によってオ
ン/オフされる2つのスイッチ114,115、比例動
作の予測補正項の演算機能116と積分動作の予測補正
項の演算機能117、及び、比例動作の予測補正項と積
分動作の予測補正項の加算機能A2,A3を加えてい
る。スロットル弁の移動速度の演算機能113は、単位
時間の間のスロットル開度センサ5の検出値からスロッ
トル弁の移動速度を検出し、スロットル弁の移動速度が
所定値以下の時に2つのスイッチ114,115をオン
させる。比例動作の予測補正項の演算機能116と積分
動作の予測補正項の演算機能117は、それぞれスロッ
トル開度センサ5の検出値に基づいて比例動作と積分動
作の予測補正項を演算する。比例動作の予測補正項の演
算機能116で演算された予測補正項はスイッチ114
を介して、比例動作機能111Pとデューティ出力演算
機能112の間に設けられた加算機能A2に出力され
る。また、積分動作の予測補正項の演算機能117で演
算された予測補正項はスイッチ115を介して、積分動
作機能111Iとデューティ出力演算機能112の間に
設けられた加算機能A3に出力される。
【0034】なお、2つのスイッチ114,115は実
際には機械的なスイッチではなく、予測補正項116,
117を動作させるフラグである。ここで、図7のよう
に構成された電子制御スロットル弁の制御装置におい
て、所定開度、例えば、開度5°の指令値が出力された
場合に、スロットル弁の開閉速度を設定してスロットル
弁開度をこれに追従させる場合の、スロットル弁開度と
実際のスロットル開度センサ(図ではスロットルセンサ
と表記)の検出値の関係を、スロットル弁がスムーズに
スロットル弁の開閉速度に追従した場合について説明す
る。指令値に対するスロットル弁の開閉速度は、スロッ
トル弁開度が指令値に達するまで同一である場合と、ス
ロットル弁開度が指令値に達する前に変更される場合が
ある。
【0035】図8(a) は、スロットル弁開度が指令値に
達するまで指令値に対するスロットル弁の開閉速度が一
定である場合の例である。この場合は、指令値が開度5
°に設定されると、これに対して一定のスロットル弁の
開閉速度が太線のように設定され、スロットル弁はこの
開閉速度に追従するように駆動される。この時、スロッ
トルセンサ値は時間Ts毎に読み込まれる。そして、こ
の例はスロットル弁がスムーズにスロットル弁の開閉速
度に追従した場合であるので、スロットルセンサの出力
値はスロットル弁の開閉速度に追従して階段状に変化し
ている。この例では、スロットル弁の開閉速度に点線で
示すスロットルセンサの出力値の許容範囲を定めてい
る。従って、この例では、スロットルセンサの出力値が
この範囲から外れた場合は、図7の予測補正項の演算機
能116,117が動作する。
【0036】図8(b) は、スロットル弁開度が指令値に
達するまでの指令値に対するスロットル弁の開閉速度が
複数ある場合の例である。この場合は、指令値が開度5
°に設定されると、これに対して5°の95%までのス
ロットル弁の加速領域と、95%から100%までの減
速領域が設定される。太線で示すように、加速領域では
スロットル弁の第1の開閉速度が設定され、減速領域で
はこのスロットル弁の第1の開閉速度よりも遅い第2の
開閉速度が設定され、スロットル弁はこの第1、第2の
開閉速度に追従するように駆動される。この時、スロッ
トルセンサ値は時間Ts毎に読み込まれる。そして、こ
の例はスロットル弁がスムーズにスロットル弁の開閉速
度に追従した場合であるので、スロットルセンサの出力
値はスロットル弁の第1、第2の開閉速度に追従して階
段状に変化している。この例でも、スロットル弁の第
1、第2の開閉速度に点線で示すスロットルセンサの出
力値の許容範囲を定めている。従って、この例でも、ス
ロットルセンサの出力値がこの範囲から外れた場合は、
図7の予測補正項の演算機能116,117が動作す
る。
【0037】なお、スロットルセンサの出力値が前述の
範囲から一旦外れた後は、前回と今回のスロットルセン
サの出力値の偏差が基準値を下回った時に、図7の予測
補正項の演算機能116,117が動作する。この場合
の基準値は、前述の許容範囲の幅の半分の値とすれば良
い。また、スロットルセンサの出力値が前述の範囲から
一旦外れた後に、前回と今回のスロットルセンサの出力
値の偏差が基準値を越えた時には、図7の予測補正項の
演算機能116,117の動作を瞬時に停止させるか、
或いはその動作を除々に緩和すれば良い。
【0038】図9は、スロットルセンサの出力値が図8
(a) ,(b) に示したスロットルセンサの出力値の許容範
囲から外れた場合の、図7の予測補正項の演算機能11
6,117の動作を示すものである。この例は、時刻T
(n−3)におけるスロットルセンサ値と時刻T(n−
2)におけるスロットルセンサ値の間には、前述の許容
範囲に入るまたは基準値を越える出力差PE(n−2)
が得られたが、時刻T(n−2)におけるスロットルセ
ンサ値と時刻T(n−1)におけるスロットルセンサ値
の間には出力差が無く、更に、時刻T(n−1)におけ
るスロットルセンサ値と時刻T(n)におけるスロット
ルセンサ値の間にも出力差が無い場合の例である。
【0039】このような場合、本発明では、図7の予測
補正項の演算機能116,117により、時刻T(n−
1)と時刻T(n)において予測補正項が演算され、一
点鎖線で示す予測スロットル弁開度がスロットルセンサ
から得られたものとして、スロットル弁が駆動される。
この予測スロットル弁開度は、時刻T(n−3)におけ
るスロットルセンサ値と時刻T(n−2)におけるスロ
ットルセンサ値の出力差PE(n−2)と同じ値であ
る。
【0040】即ち、本発明では、時刻T(n−2)にお
いて、前回の時刻T(n−3)におけるスロットル弁開
度と今回のスロットル弁開度の偏差PE(n−2)が算
出され、この偏差PE(n−2)が次回の時刻T(n−
1)のスロットル弁開度の予測値として記憶される。そ
して、この例のように、時刻T(n−1)において今回
と前回のスロットル弁開度との間に偏差がないことが判
明すると、時刻T(n−1)におけるスロットル弁開度
の検出値が前回の時刻T(n−2)において算出した偏
差PE(n−2)が時刻T(n−2)におけるスロット
ル弁開度に加算された値にされるのである。
【0041】図10は、時刻Toにおいて開度α、例え
ば10°、の指令値θCMが出力された場合の、指令値θ
CMの推移、本発明と従来のスロットル弁開度の推移、ス
ロットルセンサ値の推移、及び、積分値の推移(例1と
例2)を、時間と共に示すタイムチャートである。ここ
では、時刻To以前のスロットル弁開度が0°(全閉)
であったとし、開度αの指令値θCMが出された後のスロ
ットル弁開度が、オープナ開度θopを通過して指令開度
αまで開く場合を示している。
【0042】この図から分かるように、指令値θCMによ
ってスロットル弁開度が増大し、時刻T(n−1)でス
ロットル弁開度がオープナ開度θopに達すると、従来は
時刻T(n+4)を過ぎるまで、スロットル弁の停止期
間があった。これは、オープナ開度θopにおいて前述の
ようにスロットル弁の回転軸に作用するばね定数が変化
するにも係わらず、時刻T(n−1)から時刻T(n+
3)までの間のスロットルセンサ値が変わらない期間に
おいても、積分値の値が他の期間と同様になっているか
らである。そこで、本発明では、時刻T(n)において
スロットルセンサ値が時刻T(n−1)におけるスロッ
トルセンサ値から変化していないことが検出されると、
一点鎖線で示すように、時刻T(n)におけるスロット
ルセンサ値として、前回のスロットルセンサ値に、時刻
T(n−1)におけるスロットルセンサ値の偏差PE
(n−1)を加えた予測値がスロットルセンサ値とされ
る。また、時刻T(n+1)においてスロットルセンサ
値が時刻T(n)におけるスロットルセンサ値から変化
していないことが検出されると、一点鎖線で示すよう
に、時刻T(n+1)におけるスロットルセンサ値とし
て、前回のスロットルセンサの予測値に、時刻T(n−
1)におけるスロットルセンサ値の偏差PE(n−1)
を加えたものがスロットルセンサ値とされる。即ち、時
刻T(n+1)におけるスロットルセンサ値に、時刻T
(n−1)におけるスロットルセンサ値の偏差PE(n
−1)の2倍の値を加えた予測値がスロットルセンサ値
とされる。更に、時刻T(n+2)においてスロットル
センサ値が時刻T(n+1)におけるスロットルセンサ
値から変化していないことが検出されると、一点鎖線で
示すように、時刻T(n+2)におけるスロットルセン
サ値として、前回のスロットルセンサの予測値に、時刻
T(n−1)におけるスロットルセンサ値の偏差PE
(n−1)を加えたものがスロットルセンサ値とされ
る。即ち、時刻T(n+2)におけるスロットルセンサ
値に、時刻T(n−1)におけるスロットルセンサ値の
偏差PE(n−1)の3倍の値を加えた予測値がスロッ
トルセンサ値とされる。
【0043】そして、時刻T(n)における予測補正項
Yaは、この時刻T(n)におけるスロットルセンサの
予測値に基づいて、以下の式によって算出される。 Ya=(PE(n−1)×N)×ゲインA … ここで、Nは前回と今回のスロットルセンサの検出値の
偏差が通常でないことを検出した回数であり、時刻T
(n)ではN=1である。また、予測補正項Yaのゲイ
ンAは、スロットル弁の位置とスロットル弁の移動速度
に応じて図11に示すような三次元マップの平面PA上
の点として求められる。
【0044】同様に、時刻T(n+1)における予測補
正項Yaは、この時刻T(n)におけるスロットルセン
サの予測値に基づいて、式のNを2にすることによっ
て算出され、時刻T(n+2)における予測補正項Ya
は、この時刻T(n)におけるスロットルセンサの予測
値に基づいて、式のNを3にすることによって算出さ
れる。
【0045】なお、時刻T(n+3)においては、時刻
T(n+3)におけるスロットルセンサの検出値と、時
刻T(n+2)におけるスロットルセンサの検出値との
偏差が大きくなって前述の基準値を越えるので、予測補
正項Yaの値が演算されない。このようにして予測補正
項Yaが算出されると、この間の比例演算値と積分演算
値が補正される。例えば、積分演算値のみについて説明
すると、積分演算値はこの予測補正項Yaを用いて以下
の式のように演算される。
【0046】 積分演算値=(偏差ε×積分ゲイン)+Ya … ここで、偏差εは図7の加算器A1の後の値である。こ
の式によって補正された本発明の積分値は、図10の
時刻T(n)と時刻T(n+3)の間の部分に実線で示
すようになる。そして、時刻T(n+3)において、時
刻T(n+3)におけるスロットルセンサの検出値と時
刻T(n+2)におけるスロットルセンサの検出値との
偏差が大きくなって前述の基準値を越え、予測補正項Y
aの値が演算されなくなると、積分演算値が元の状態に
戻される。この時、図10の例1に示すように、積分演
算値を直ちに元の状態に戻す方法と、例2に示すよう
に、積分演算値を除々に元の状態に戻す方法とがある。
【0047】ここでは、積分値について予測補正項Ya
の値に基づいた補正の例を説明したが、微分値について
も全く同じように補正することができる。このように、
スロットルセンサの検出値に基準値以上の変化がない時
に予測補正項Yaを算出して、比例値と積分値とを補正
するこの実施例のPID制御によれば、スロットル弁3
のオープナ開度θopにおけるスロットル弁3の駆動特性
を変更できるため、図10に実線Hで示すようにオープ
ナ開度θopににおけるスロットル弁3の停止期間を短く
することができる。これに対して、従来の単なるPID
制御によれば、スロットル弁3を開弁駆動する際に、図
10に破線Jで示すように、オープナ開度θop前後のス
ロットル開度の停止期間が長くなり、スロットル弁3が
スムーズに駆動されない。
【0048】なお、前述の実施例では、前回のスロット
ル弁開度と今回のスロットル弁開度の値から次回の予測
スロットル弁開度を算出しておき、前回のスロットル弁
開度と今回のスロットル弁開度との偏差が基準値Kを下
回る時に、前回算出された予測スロットル弁開度を今回
のスロットル弁開度としてモータを駆動力を補正するよ
うにしているが、前回算出した予測スロットル弁開度と
今回のスロットル弁開度とを比較し、この比較の結果、
両者の偏差が基準値M以上の時に、この偏差に応じてモ
ータの駆動力を補正するようにしても良い。
【0049】更に、前述の実施例では、次回の予測スロ
ットル弁開度を、今回のスロットル弁開度の値と前回の
スロットル弁開度の値の偏差から求めているが、次回の
予測スロットル弁開度は、過去の複数回のスロットル弁
開度の推移を平均化することによって算出しても良いも
のである。また、図10の例は、スロットル弁開度を大
きくする機関の加速時の制御であるが、スロットル弁開
度を小さくする機関の減速時の制御は、この加速時の制
御の上下を逆にして考えれば良いので、ここではその説
明を省略する。
【0050】次に、前述のように動作させる電子制御ス
ロットル弁の制御装置における制御の一例を図12に示
すフローチャートを用いて説明する。このフローチャー
トに示す手順は、前述のサンプリング周期Tよりも短い
所定時間Ts毎に実行される。この手順は積分値を図1
0の例1に示すように制御するものである。ステップ2
01ではまず現在の時刻がサンプリング周期Tか否かを
判定する。そして、サンプリング周期Tである場合には
ステップ202に進み、図6(a) ,(b) で説明したよう
に、現在のアクセル開度センサ15の検出開度(アクセ
ルペダルの踏込量)を読み込み、これを現在のスロット
ル弁開度の指令値θCMとする。続くステップ203で
は、この指令値θCMの大きさに応じてスロットル弁の開
閉速度V1を算出してステップ204に進む。
【0051】スロットル弁の開閉速度V1は、指令値θ
CMに対するスロットル弁開度の追従速度の基準値を示す
ものである。開閉速度V1の大きさは、これを計算する
時点の指令値θCMの大きさに応じて決まるように、予め
マップの形でROM103に記憶させておけば良い。ま
た、スロットル弁の開閉速度V1は現代制御によっても
求めることができる。即ち、スロットル弁の開閉速度V
1は、これを計算する時点における指令値θCM、アクセ
ルペダルの踏込量、バッテリ電圧、温度等のパラメータ
を用いて状態方程式を作り、これを解くことによっても
求めることができる。
【0052】一方、ステップ201で、現在の時刻がサ
ンプリング周期Tでないと判定した時は、ステップ20
2,203を実行せずにステップ204に進む。ステッ
プ204では前回のスロットル弁開度θtho を読み込
み、続くステップ205では、現在のスロットル弁開度
θthを今回の値として読み込む。次のステップ206で
は、前回と今回のスロットル弁開度の偏差Δθthを算出
すると共に、スロットル弁の移動速度Vthを算出する。
【0053】ステップ207では、ステップ206で算
出した前回と今回のスロットル弁開度の偏差Δθthの絶
対値が基準値Kを越えているか否かを判定する。ステッ
プ207で|Δθth|>Kの場合はステップ208に進
み、ステップ206で算出したスロットル弁の移動速度
Vthが所定速度Lより大きいか否かを判定する。ステッ
プ208で|Vth|>Lの場合は、スロットル弁がスロ
ットル弁の開閉速度V1にスムーズに追従して移動して
いると判定してステップ209に進む。ステップ209
では、ステップ205で読み込んだ今回のスロットル弁
開度θthにステップ206で算出した前回と今回のスロ
ットル弁開度の偏差Δθthを加えた開度を次回の予測ス
ロットル弁開度θthe とすると共に、ステップ205で
読み込んだ今回のスロットル弁開度θthを前回のスロッ
トル弁開度θtho として記憶する。そして、前述した前
回と今回のスロットルセンサの検出値の偏差が許容範囲
を越えたか、或いは基準値Kを下回ったことを検出した
回数Nの値を0にした後にステップ210に進む。ステ
ップ210では、通常のPID制御でスロットルモータ
の駆動デューティ比を算出してこれを出力し、このルー
チンを終了する。
【0054】一方、ステップ207で|Δθth|≦Kと
判定された場合、或いは、ステップ208で|Vth|≦
Lと判定された場合はステップ211に進む。ステップ
211では、前回と今回のスロットルセンサの検出値の
偏差が許容範囲を越えたか、或いは基準値Kを下回った
ことを検出した回数Nの値に1を加算してステップ21
2に進む。ステップ212では、前回のルーチンで算出
された予測スロットル弁開度θthe を読み込む。続くス
テップ213では、ステップ211で算出した回数Nの
値とステップ212で読み込んだ予測スロットル弁開度
θthe を用いて前述の式によりPID制御の予測補正
項Yaを算出する。そして、次のステップ214におい
て予測補正項Yaを前述の式で加味したPID制御で
スロットルモータの駆動デューティ比を算出して出力し
てこのルーチンを終了する。
【0055】以上説明した制御は、前回のスロットル弁
開度と今回のスロットル弁開度の値から次回の予測スロ
ットル弁開度を算出しておき、前回のスロットル弁開度
と今回のスロットル弁開度との偏差が基準値K以下の時
に、前回算出された予測スロットル弁開度を今回のスロ
ットル弁開度としてモータを駆動力を補正するようにし
ていたものである。次に、前回算出した予測スロットル
弁開度と今回のスロットル弁開度とを比較し、この比較
した結果、両者の偏差が基準値M以上の時に、この偏差
に応じてモータの駆動力を補正する手順について図13
を用いて説明する。
【0056】ステップ301からステップ303は図1
2で説明したステップ201からステップ203と全く
同じであり、現在の時刻がサンプリング周期Tの時のみ
現在のアクセルペダルの踏込量を読み込んでこれを現在
のスロットル弁開度の指令値θCMとし、この指令値θCM
の大きさに応じてスロットル弁の開閉速度V1を算出し
てステップ304に進む。
【0057】ステップ304では前回のスロットル弁開
度θtho と前回算出された予測スロット弁開度θthe を
読み込み、続くステップ305では、現在のスロットル
弁開度θthを今回の値として読み込む。次のステップ3
06では、前回と今回のスロットル弁開度の偏差Δθth
を算出すると共に、スロットル弁の移動速度Vthを算出
する。
【0058】ステップ307では、ステップ305で読
み込んだ今回のスロットル弁開度θthと、ステップ30
4で読み込んだ前回算出された予測スロット弁開度θth
e の偏差の絶対値|θth−θthe |が基準値M未満か否
かを判定する。ステップ307で|θth−θthe |<M
の場合はステップ308に進み、ステップ306で算出
したスロットル弁の移動速度Vthが所定速度Lより大き
いか否かを判定する。ステップ308で|Vth|>Lの
場合は、スロットル弁がスロットル弁の開閉速度V1に
スムーズに追従して移動していると判定してステップ3
09に進む。ステップ309とステップ310は前述の
ステップ209とステップ210と同じであり、ステッ
プ309では今回のスロットル弁開度θthに前回と今回
のスロットル弁開度の偏差Δθthを加えた開度を次回の
予測スロットル弁開度θthe とすると共に、今回のスロ
ットル弁開度θthを前回のスロットル弁開度θtho とし
て記憶する。そして、前述の異常に陥った回数Nの値を
0にした後に、ステップ310において通常のPID制
御でスロットルモータの駆動デューティ比を算出してこ
れを出力し、このルーチンを終了する。
【0059】一方、ステップ307で|θth−θthe |
≧Mと判定された場合、或いは、ステップ308で|V
th|≦Lと判定された場合はステップ311に進む。ス
テップ311では、今回のスロットルセンサの検出値と
今回の予測スロットル弁開度との偏差が基準値M以上と
なったことを検出した回数Nの値に1を加算してステッ
プ312に進む。ステップ312では、ステップ311
で算出した回数Nの値とステップ304で読み込んだ予
測スロットル弁開度θthe を用いて前述の式と同様の
下式により、PID制御の予測補正項Yaを算出す
る。
【0060】 Ya=((θthe −θtho )×N)×ゲインA … そして、次のステップ313において予測補正項Yaを
前述の式で加味したPID制御でスロットルモータの
駆動デューティ比を算出して出力してこのルーチンを終
了する。図14は本発明の第2の実施例を実現するため
の図5のECU10の中の機能をブロックで表したもの
である。ECU10の中の指令値設定機能110、微分
動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機
能111Iから構成されるPID制御機能111、デュ
ーティ出力演算機能112の構成、及び、スロットルモ
ータ4によって駆動されるスロットル弁の開度がスロッ
トル開度センサ5によって検出されてPID制御機能1
11にフィードバックされる点については図7と全く同
じであるのでその説明を省略する。
【0061】第2の実施例では、このような通常のスロ
ットル弁の制御系統に、スロットル弁開度θthの記憶機
能121、前回と今回のスロットル弁偏差Δθthの算出
機能122、予測スロットル弁開度θthe の算出機能1
23、及び、切換スイッチ124を加えている。スロッ
トル弁開度θthの記憶機能121は前述の周期Ts毎に
スロットル開度センサ5の検出したスロットル開度θth
を検出時刻と共に記憶する。スロットル弁開度偏差Δθ
thの算出機能122は、スロットル弁開度θthの記憶機
能121に記憶された前回のスロットル弁開度θtho と
今回のスロットル弁開度θthとの偏差Δθthを算出し、
これを基準値M(第1の実施例参照)と比較する。予測
スロットル弁開度θthe の算出機能123は、スロット
ル弁開度偏差Δθthの算出機能122によって算出され
た前回と今回のスロットル弁開度の偏差Δθthに基づい
て、或いは、スロットル弁開度θthの記憶機能121に
記憶された過去のスロットル弁開度の推移から、周期T
s後のスロットル弁開度θthe を予測し、この予測スロ
ットル弁開度θthe を記憶する。
【0062】そして、スロットル弁開度偏差Δθthの算
出機能122は、前回と今回のスロットル弁開度の偏差
Δθthが基準値Mを越えている時は、切換スイッチ12
4をスロットル開度センサ5に接続するが、前回と今回
のスロットル弁開度の偏差Δθthが基準値M未満の時
は、切換スイッチ124を予測スロットル弁開度θthe
の算出機能123に接続する。
【0063】この結果、前回と今回のスロットル弁開度
の偏差Δθthが基準値M以上の時は、スロットル弁開度
センサ5の検出値がPID制御機能111にフィードバ
ックされるが、前回と今回のスロットル弁開度の偏差Δ
θthが基準値M以下の時は、予測スロットル弁開度θth
e の算出機能123に記憶された前回の予測スロットル
弁開度θthe がPID制御機能111に加えられる。こ
れを図10で説明すれば、時刻T(n)から時刻T(n
+2)の間は、一点鎖線で示すスロットルセンサ値がP
ID制御機能111に加えられるので、スロットル弁は
スムーズに駆動されることになる。
【0064】図15は本発明の第3の実施例を実現する
ための図5のECU10の中の機能をブロックで表した
ものである。ECU10の中の指令値設定機能110、
微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動
作機能111Iから構成されるPID制御機能111、
デューティ出力演算機能112の構成、及び、スロット
ルモータ4によって駆動されるスロットル弁の開度がス
ロットル開度センサ5によって検出されてPID制御機
能111にフィードバックされる点については図7と全
く同じであるのでその説明を省略する。
【0065】第3の実施例では、このような通常のスロ
ットル弁の制御系統に、ゲイン定数変更スイッチ118
とゲイン定数変更機能119、及びスロットル弁開度の
偏差の算出機能120を加えている。このゲイン定数変
更機能119は、ゲイン定数変更スイッチ118のオン
される時に、その時のスロットル弁の開閉速度を算出
し、開閉速度に応じてスロットルモータの駆動力を変更
するオフセット量を加減すべく、微分動作機能111
D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iのゲ
インを変更する。
【0066】ゲイン定数変更スイッチ118はスロット
ル弁開度の偏差の算出機能120の出力によりオン/オ
フされる。スロットル弁開度の偏差の算出機能120
は、前述のように、現在のスロットル弁開度θthと現在
から周期Ts だけ前の前回のスロットル弁開度θtho と
の偏差Δθthを算出してその値を監視している。この偏
差Δθthが基準値Kを越えている時は、スロットル弁開
度の偏差の算出機能120はスロットル弁開度がスムー
ズに移動していると判定してゲイン定数変更スイッチ1
18をオフのままとする。そして、この偏差Δθthを次
回のスロットル弁開度の予測スロットル弁開度θthe と
して記憶する。
【0067】一方、偏差Δθthが基準値K以内の時は、
スロットル弁開度の偏差の算出機能120はスロットル
弁開度がスムーズに移動していないと判定してゲイン定
数変更スイッチ118をオンし、PID制御機能111
からデューティ出力演算機能112に出力される制御信
号のレベルが、前回予測した予測スロットル弁開度θth
e がPID制御機能111に入力された時の制御信号の
出力レベルとなるように、微分動作機能111D、比例
動作機能111P、積分動作機能111Iのゲインを変
更する。
【0068】なお、ゲイン定数変更スイッチ118も実
際には機械的なスイッチではなく、ゲイン定数変更機能
119を動作させるフラグである。このように本発明の
第3の実施例のPID制御によれば、前回と今回のスロ
ットル弁開度の偏差Δθthが基準値K以内の時は、スロ
ットル弁3の駆動特性を変更できるためスロットル弁3
の開度をスムーズに変更することができる。よって、ス
ロットル弁の開度がオープナ開度θopを通過する場合で
も、スロットル弁の駆動力を大きく変更できるため、オ
ープナ開度前後におけるスロットル弁の駆動をスムーズ
にすることができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の形
態によれば、現在のスロットル開度と前回のスロットル
開度との偏差が基準値よりも小さい場合、現在のスロッ
トル開度と前回のスロットル開度との偏差を用いた予測
補正値によりスロットル弁開度を補正することにより、
スロットル弁の駆動をスムーズに行うことができるとい
う効果がある。
【0070】また、本発明の第2の形態によれば、現在
のスロットル開度が過去において予測されたスロットル
開度と所定値以上異なる場合は、現在のスロットルモー
タの駆動力を、現在のスロットル開度と過去において予
測されたスロットル開度との偏差に応じて補正すること
により、現在のスロットル弁の駆動をスムーズに行うこ
とができるという効果がある。
【0071】この結果、スロットル弁が全閉状態からオ
ープナ開度を越えて開弁方向、或いはに駆動される場合
でも、オープナ開度前後のスロットルモータの動作不良
が高速で補正されるので、オープナ開度前後の電子制御
スロットル弁の応答性がスムーズになるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電子制御スロットルの構成を示す透視斜
視図である。
【図2】(a) は図1の電子制御スロットルの構成図、
(b) は本発明を適用する電子制御スロットルの構成図で
ある。
【図3】(a) は図2(b) の電子制御スロットルのオープ
ナ開度設定機構を示す斜視図、(b) 〜(d) は(a) の機構
の動作を示す図である。
【図4】図3(a) の電子制御スロットルが有する問題点
を説明する特性図である。
【図5】本発明の一実施例の電子制御スロットル弁の制
御装置が搭載された電子制御式多気筒内燃機関の構成を
示す構成図である。
【図6】(a) はアクセルペダルの踏込量特性の一例を示
す図、(b) は(a) のアクセルペダルの踏込量特性から得
られる指令値の特性を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例の制御ブロック図であ
る。
【図8】(a) はスロットル弁の指令値に基づくスロット
ル弁の開閉速度特性の一例を示す線図、(b) はスロット
ル弁の指令値に基づくスロットル弁の開閉速度特性の別
の例を示す線図である。
【図9】スロットルセンサ値の変化に異常がある時の本
発明の予測スロットル弁開度の推移を示す波形図であ
る。
【図10】スロットル弁の開弁時の開度指令値、本発明
と従来のスロットル弁開度、スロットルセンサ値、及
び、PID制御の積分値の変化の様子を示すタイムチャ
ートである。
【図11】予測補正値を算出する際のゲインの求め方を
示す三次元マップである。
【図12】本発明の第1の実施例におけるスロットル弁
の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施例におけるスロットル弁
の制御手順の別の例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施例の制御ブロック図であ
る。
【図15】本発明の第3の実施例の制御ブロック図であ
る。
【符号の説明】
2…吸気通路 3…スロットル弁 4…スロットルモータ 5…スロットル開度センサ 10…ECU(エンジン・コントロール・ユニット) 14…アクセルペダル 15…アクセル開度センサ 111…PID制御機能 111P…比例動作機能 111I…積分動作機能 111D…微分動作機能 112…デューティ出力演算機能 113…スロットル弁の移動速度の演算機能 116,117…予測補正項演算機能 119…ゲイン定数変更機能 120…スロットル弁開度の偏差の算出回路 121…スロットル弁開度の記憶回路 122…前回と今回のスロットル弁開度偏差の算出回路 123…予測スロットル弁開度の算出回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 9/02 F02D 11/10 F02D 41/00 - 41/40

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセルペダルの踏込量に応じたアクセ
    ル開度を検出するアクセル開度センサと、内燃機関の吸
    気通路に設けられたスロットル弁の開度を検出するスロ
    ットル弁開度センサと、前記スロットル弁を開閉駆動す
    るモータとを備えた電子制御スロットル弁の制御装置で
    あって、 前記アクセル開度センサの検出値を第1の周期毎に読み
    込み、読み込んだアクセル開度をアクセル開度の指令値
    として設定する指令値設定手段と、 この指令値に応じて前記モータに駆動信号を出力するス
    ロットル弁の開閉駆動手段と、前記駆動信号に応じて前記スロットル弁開度の基準値を
    設定する基準値設定手段と、 前記スロットル弁開度センサの検出値を、前記第1の周
    期より短い第2の周期毎に読み込み、読み込んだ時刻と
    共に記憶するスロットル弁開度の記憶手段と、前記指令値設定後に、 前記スロットル弁開度の記憶手段
    に記憶された前回のスロットル弁開度と現在のスロット
    ル弁開度との偏差を算出し、この偏差と前記基準値とを
    比較するスロットル開度偏差の比較手段と、 前記偏差が前記基準値以下の時に、前回算出された偏差
    に基づいて予測補正項を算出し、この予測補正項で前記
    スロットル弁の開閉駆動手段から出力される駆動信号を
    補正する駆動信号補正手段と、前記スロットル弁開度センサの検出値が前記指令値に到
    達した時に、前記駆動信号補正手段の補正動作を停止さ
    せる補正停止手段と、 を備えることを特徴とする電子制
    御スロットル弁の制御装置。
  2. 【請求項2】 アクセルペダルの踏込量に応じたアクセ
    ル開度を検出するアクセル開度センサと、内燃機関の吸
    気通路に設けられたスロットル弁の開度を検出するスロ
    ットル弁開度センサと、前記スロットル弁を開閉駆動す
    るモータとを備えた電子制御スロットル弁の制御装置で
    あって、 前記アクセル開度センサの検出値を第1の周期毎に読み
    込み、読み込んだアクセル開度をアクセル開度の指令値
    として設定する指令値設定手段と、 この指令値に応じて前記モータに駆動信号を出力するス
    ロットル弁の開閉駆動手段と、 前記駆動信号に応じて前記スロットル弁開度の基準値を
    設定する基準値設定手段と、 前記スロットル弁開度センサの検出値を、前記第1の周
    期より短い第2の周期毎に読み込み、読み込んだ時刻と
    共に記憶するスロットル弁開度の記憶手段と、 前記指 令値設定後に、前記スロットル弁開度の記憶手段
    に記憶された前回のスロットル弁開度と現在のスロット
    ル弁開度との偏差を算出し、この偏差と前記基準値とを
    比較するスロットル開度偏差の比較手段と、 前記偏差が前記基準値以下、かつ前記スロットル弁がオ
    プナ開度を通過中の時に、前回算出された偏差に基づ
    いて予測補正項を算出し、この予測補正項で前記スロッ
    トル弁の開閉駆動手段から出力される駆動信号を補正す
    る駆動信号補正手段と、を備えることを特徴とする電子
    制御スロットル弁の制御装置。
  3. 【請求項3】 アクセルペダルの踏込量に応じたアクセ
    ル開度を検出するアクセル開度センサと、内燃機関の吸
    気通路に設けられたスロットル弁の開度を検出するスロ
    ットル弁開度センサと、前記スロットル弁を開閉駆動す
    るモータとを備えた電子制御スロットル弁の制御装置で
    あって、 前記アクセル開度センサの検出値を第1の周期毎に読み
    込み、読み込んだアクセル開度をアクセル開度の指令値
    として設定する指令値設定手段と、 この指令値に応じて前記モータに駆動信号を出力するス
    ロットル弁の開閉駆動手段と、 前記スロットル弁開度センサの検出値を、前記第1の周
    期より短い第2の周期毎に読み込み、読み込んだ時刻と
    共に記憶するスロットル弁開度の記憶手段と、 前記スロットル弁開度の記憶手段に記憶された過去のス
    ロットル弁開度と現在のスロットル弁開度の値から、前
    記第2の周期後の予測スロットル弁開度を算出して記憶
    する予測スロットル弁開度の記憶手段と、 前記指令値設定後に、前記予測スロットル弁開度の記憶
    手段に記憶された前記第2の周期前に算出された予測ス
    ロットル弁開度を、現在のスロットル弁開度と 比較して
    偏差を算出する現在のスロットル弁開度の比較手段と、 算出された現在のスロットル弁開度の偏差が所定値以上
    の時に、前記予測スロットル弁開度と前記スロットル弁
    開度の記憶手段に記憶された前回のスロットル弁開度と
    の偏差に基づいて予測補正項を算出し、この予測補正項
    で前記スロットル弁の開閉駆動手段から出力される駆動
    信号を補正する駆動信号補正手段と、 前記スロットル弁開度センサの検出値が前記指令値に到
    達した時に、前記駆動信号補正手段の補正動作を停止さ
    せる補正停止手段と、を備えることを特徴とする電子制
    御スロットル弁の制御装置。
  4. 【請求項4】 アクセルペダルの踏込量に応じたアクセ
    ル開度を検出するアクセル開度センサと、内燃機関の吸
    気通路に設けられたスロットル弁の開度を検出するスロ
    ットル弁開度センサと、前記スロットル弁を開閉駆動す
    るモータとを備えた電子制御スロットル弁の制御装置で
    あって、 前記アクセル開度センサの検出値を第1の周期毎に読み
    込み、読み込んだアクセル開度をアクセル開度の指令値
    として設定する指令値設定手段と、 この指令値に応じて前記モータに駆動信号を出力するス
    ロットル弁の開閉駆動手段と、 前記スロットル弁開度センサの検出値を、前記第1の周
    期より短い第2の周期毎に読み込み、読み込んだ時刻と
    共に記憶するスロットル弁開度の記憶手段と、 前記スロットル弁開度の記憶手段に記憶された過去のス
    ロットル弁開度と現在のスロットル弁開度の値から、前
    記第2の周期後の予測スロットル弁開度を算出して記憶
    する予測スロットル弁開度の記憶手段と、 前記指 令値設定後に、前記予測スロットル弁開度の記憶
    手段に記憶された前記第2の周期前に算出された予測ス
    ロットル弁開度を、現在のスロットル弁開度と比較して
    偏差を算出する現在のスロットル弁開度の比較手段と、 算出された現在のスロットル弁開度の偏差が所定値以
    上、かつ前記スロットル弁がオープナ開度を通過中の時
    に、前記予測スロットル弁開度と前記スロットル弁開度
    の記憶手段に記憶された前回のスロットル弁開度との偏
    差に基づいて予測補正項を算出し、この予測補正項で前
    記スロットル弁の開閉駆動手段から出力される駆動信号
    を補正する駆動信号補正手段と、を備えることを特徴と
    する電子制御スロットル弁の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れか1項に記載の電
    子制御スロットル弁の制御装置であって、更に、前記指
    令値に基づいて前記スロットル弁の開閉速度を設定する
    スロットル弁の開閉速度設定手段を備えることを特徴と
    する電子制御スロットル弁の制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5の何れか1項に記載の電
    子制御スロットル弁の制御装置であって、前記スロット
    ル弁の開閉駆動手段から出力される駆動信号が、前記モ
    ータへの供給電力のデューティ比を表すものであること
    を特徴とする電子制御スロットル弁の制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から4の何れか1項に記載の電
    子制御スロットル弁の制御装置であって、前記モータ駆
    動力補正手段は、前記スロットル弁の開弁方向への移動
    時に前記モータの駆動力を大きくし、前記スロットル弁
    の閉弁方向への移動時に前記モータの駆動力を小さくす
    るように動作することを特徴とする電子制御スロットル
    弁の制御装置。
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