JP3658931B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に関し、特に、電子制御スロットル弁を備えた内燃機関において吸入空気量を先行させ、燃料供給量をこれに追従させて空燃比を制御する方式の内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子制御燃料噴射制御方式の内燃機関においては、吸入空気量を計測し、それに見合う燃料噴射量を算出して空燃比を調節している。この空燃比の調節方法は、吸入空気量はアクセルペダルの踏込み量に応じて決まるという考え方に基づいている。このため、機関の加速時や減速時等のように吸入空気量の変化が大きい時には、機関を制御するコンピュータにおける吸入空気量の計測誤差が生じるという問題があった。
【0003】
そこで、アクセルペダルの踏込み量に応じてスロットル弁を電気的なアクチュエータを用いて制御する電子制御スロットル弁を使用し、噴射燃料量を先に決定し、後から吸入空気量を追従させる燃料供給量先行、空気量追従制御方式のエンジン制御装置がある(特公平7−33781号公報参照)。
この燃料供給量先行、空気量追従制御方式のエンジン制御装置では、燃料供給量の制御に対して、アクセルペダルの操作位置とエンジンの回転速度に応じて、燃料が実際にシリンダに吸入されるまでの時間を所定遅れ時間として、スロットル弁の開度制御にこの所定時間の遅れ時間を設定する技術が開示されている。この遅れ時間の設定により、噴射された燃料が実際にシリンダ内に吸入されるまでの時間が考慮され、シリンダ内における燃料量と吸入空気量とが精密に制御されることになる。
【0004】
しかしながら、特公平7−33781号公報に記載のエンジン制御装置においては、実際には、頻繁にエンジンの運転条件が変化するため、前述のように算出された遅れ時間はエンジン回転数、燃料噴射量の変化によって変動する時間であり、特に急激なアクセルペダルの操作時には変動量が過大であるため、スロットル弁が応答しきれない場合が発生し、毎回のスロットル弁開度制御に当てはめてスロットル弁開度を目標値に制御することが困難であり、正確な空燃比を常に得ることができないという問題点があった。
【0005】
この問題点に対して、本出願人は、アクセルペダルの操作位置に応じてスロットル弁開度を制御して吸入空気量を先に決定し、燃料供給量をこれに追従させて空燃比を制御する空気量先行、燃料供給量追従制御方式の、電子制御スロットル弁を備えた内燃機関の制御装置において、スロットル弁開度制御に一定遅れ時間を設定し、更にスロットル弁の応答遅れを予測することにより、一定時間内の将来のスロットル弁開度推移を把握して記憶しておき、燃料噴射量の算出時に燃料が実際にシリンダに吸入される時間後に相当するスロットル弁の開度値を記憶装置から呼び出し、そのスロットル弁開度に見合った空気量を算出して、その吸入空気量変化に従って燃料量を噴射実行する内燃機関の制御装置を提案した(特願平8−247952号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本出願人の提案した内燃機関の制御装置においては、電子制御スロットル弁に動作困難な条件が設定されてしまうと、スロットル弁開度の応答遅れが大きくなってしまい、応答遅れの予測精度が悪化して適切な燃料噴射を実行できなくなる場合が稀にあることが分かった。
【0007】
即ち、図9(a) に細線Aで示すように、スロットル弁の目標開度の変化がゆるやかな場合には、太線Bのように予測されたスロットル弁の予測開度に対して、スロットル弁を駆動するスロットルモータのデューティ比が太線Dのように変化するので、実際のスロットル弁開度は破線Cで示すように、予測開度にほぼ一致して変化する。一方、図9(b) に細線Eで示すように、スロットル弁の目標開度の変化が急峻な場合には、太線Fで示すようにスロットル弁の予測開度の変化も急峻になる。すると、スロットル弁を駆動するスロットルモータ(DCモータ)のデューティ比が太線Hで示すように100%を維持しても、実際のスロットル弁開度は破線Gで示すように、目標開度に追いつくことが出来なくなる。この結果、スロットル弁の予測開度と実際のスロットル弁開度との間に大きなずれが生じてしまうという問題点がある。
【0008】
また、バッテリ電圧が低い場合、同一デューティ比におけるスロットルモータの発生トルクが低下するので、デューティ比が100%に達してしまう機会が多くなる。このため、バッテリ電圧が低い場合にはバッテリ電圧が高い場合に比べて予測開度と実際のスロットル弁開度との間に大きなずれが生じてしまう恐れがあった。
【0009】
そこで、本発明は、空気量先行、燃料供給量追従制御方式を採用し、電子制御スロットル弁装置で吸入空気量を制御する内燃機関の制御装置において、実際のスロットル弁の制御目標値に対するスロットル弁のアクチュエータの追従能力を考慮してスロットル弁の目標開度を設定することにより、スロットル弁の予測開度と実際のスロットル弁開度との間に大きなずれが生じることがなく、常に正確な空燃比を得ることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明の構成が図1に示される。本発明の内燃機関の制御装置は、アクセルペダルの操作位置に応じてスロットル弁開度と燃料供給量を制御するようにした空気量先行燃料追従制御方式の内燃機関の制御装置において、アクセルペダルの操作位置に応じたスロットル弁の目標開度を算出するスロットル弁の目標開度の算出手段と、算出されたスロットル弁の目標開度を、算出時点以降の次の燃料噴射気筒の吸気弁の閉弁時期までの時間よりも僅かに長い所定時間の間記憶するスロットル弁の目標開度の記憶手段と、記憶された前回と今回のスロットル弁の目標開度を用いて、スロットル弁の目標開度の変化率を算出するスロットル弁の目標開度の変化率の算出手段と、このスロットル弁の目標開度の変化率を所定の制限値と比較するスロットル弁の目標開度の変化率の比較手段と、スロットル弁の目標開度の変化率が制限値を越えた時に、今回のスロットル弁の目標開度をその変化率が制限値になるように制限した値に置き換え、これを今回のスロットル弁の目標開度として前記目標開度の記憶手段に記憶するスロットル弁の目標開度の補正手段と、記憶された今回のスロットル弁の目標開度を所定時間の経過にスロットル弁開度制御値として出力するスロットル弁開度制御値の出力手段と、このスロットル弁開度制御値に従ってスロットル弁を開閉駆動するスロットル弁駆動手段と、機関の運転状態に応じて燃料噴射気筒の吸気弁閉弁時期を算出する吸気弁閉弁時期の算出手段と、記憶された今回のスロットル弁の目標開度と、燃料噴射気筒の吸気弁閉弁時期とから、吸気弁閉弁時期におけるスロットル弁開度を算出する吸気弁閉弁時のスロットル弁開度の算出手段と、吸気弁閉弁時期におけるスロットル弁開度に応じた吸入空気量と目標空燃比とから、目標空燃比となる燃料供給量を算出する燃料供給量算出手段と、算出された燃料供給量の燃料を供給する燃料供給手段と、を設けたことを特徴としている。
この場合、制限値をバッテリ電圧に応じて設定する制限値の設定手段を更に設けても良い。
【0011】
この場合、制限値をバッテリ電圧に応じて設定する制限値の設定手段を更に設けても良い。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、スロットル弁の目標開度の変化率が常に監視され、スロットル弁の目標開度の変化率が所定の制限値を越えた場合には、スロットル弁の目標開度の変化率が制限値となるようにスロットル弁も目標開度が補正される。この結果、スロットル弁駆動手段が常にスロットル弁の目標開度に追従するようにスロットル弁を開閉駆動できるので、スロットル弁の予測開度と実際のスロットル弁開度との間に大きなずれが生じることがなく、常に正確な空燃比を得ることができる。
【0012】
また、スロットル弁の目標開度の変化率の制限値がバッテリ電圧に応じて設定されると、デューティ比が100%に達する機会が少なくなり、応答遅れの予測精度が確保される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を用いて本発明の実施の形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
図2には本発明の一実施例の制御装置を備えた電子制御燃料噴射式の多気筒内燃機関1が概略的に示されている。図2において、内燃機関1の吸気通路2には図示しないエアクリーナの下流側にスロットル弁3が設けられており、このスロットル弁3の軸の一端にはこのスロットル弁3を駆動するアクチュエータ4が設けられており、他端にはスロットル弁3の開度を検出するスロットル開度センサ5が設けられている。即ち、この実施例のスロットル弁3はアクチュエータ4によって開閉駆動される電子制御スロットルである。
【0014】
スロットル弁3の下流側の吸気通路2にはサージタンク6があり、このサージタンク6内には吸気の圧力を検出する圧力センサ7が設けられている。更に、サージタンク6の下流側には、各気筒毎に燃料供給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁8が設けられている。スロットル開度センサ5の出力と圧力センサ7の出力は、マイクロコンピュータを内蔵したECU(エンジン・コントロール・ユニット)10に入力される。
【0015】
また、内燃機関1のシリンダブロックの冷却水通路9には、冷却水の温度を検出するための水温センサ11が設けられている。水温センサ11は冷却水の温度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。排気通路12には、排気ガス中の3つの有害成分HC,CO,NOxを同時に浄化する三元触媒コンバータ(図示せず)が設けられており、この触媒コンバータの上流側の排気通路12には、空燃比センサの一種であるO2 センサ13が設けられている。O2 センサ13は排気ガス中の酸素成分濃度に応じて電気信号を発生する。これら水温センサ11及びO2 センサ13の出力はECU10に入力される。
【0016】
更に、このECU10には、アクセルペダル14に取り付けられたアクセル踏込量センサ15からのアクセル踏込量信号や、図示しないディストリビュータに取付けられたクランク角センサからの機関回転数Neが入力される。
以上のような構成において、図示しないキースイッチがオンされると、ECU10が通電されてプログラムが起動し、各センサからの出力を取り込み、スロットル弁3を開閉するアクチュエータ4(スロットル弁駆動手段)や燃料噴射弁8、或いはその他のアクチュエータを制御する。ECU10には、各種センサからのアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器が含まれ、各種センサからの入力ディジタル信号や各アクチュエータを駆動する信号が出入りする入出力インタフェース101、演算処理を行うCPU102、ROM103やRAM104等のメモリや、クロック105等が設けられており、これらはバス106で相互に接続されている(スロットル弁の目標開度の算出手段、スロットル弁の目標開度の記憶手段、スロットル弁の目標開度の変化率の算出手段、スロットル弁の目標開度の変化率の比較手段、スロットル弁の目標開度の補正手段、スロットル弁開度制御値の出力手段、吸気弁閉弁時期の算出手段、スロットル弁開度の算出手段、燃料供給量算出手段、出力手段は、ECU10に内蔵されるものであり、CPU102がROM103に格納されたプログラムに基づき、RAM104に記憶したデータを使用して行う機能手段である)ECU10の構成については公知であるので、これ以上の説明を省略する。
【0017】
ここで、図2のように構成された内燃機関の制御装置における本発明の制御の一例について説明する。この実施例では、運転者による現在のアクセルペダルの操作量に対して、電子制御スロットルにおけるスロットル弁の、このアクセルペダルの操作量に対する目標開度を所定時間だけ記憶してその出力を保留し、所定時間後に電子制御スロットルのアクチュエータにこの目標開度をスロットル弁の開度制御値として出力するようにする。従って、現在のアクセルペダルの操作量は、極僅かな所定時間だけ意図的に遅延させられて電子制御スロットルのアクチュエータに伝えられ、スロットル弁はこの所定時間だけ遅れてアクセルペダルの操作量に追従する。
【0018】
一方、スロットル弁開度の制御値に対して、スロットル弁3を駆動するアクチュエータ4には応答遅れがある。即ち、アクセルペダルの踏込量(アクセルの目標開度)が直線的に変化しても、スロットル弁の予測開度はこれに遅れて追従する。これを図3を用いて説明する。
図3では、機関の第1気筒♯1の燃料噴射量を算出する時点を現在の時刻toとし、スロットル弁の目標開度を遅延する時間をD、機関の第1気筒♯1の吸気弁の閉弁時刻をTとする。現在の時刻toでは、内燃機関1の機関回転数Ne、吸気圧力P、アクセルペダルの踏込み量(操作位置)等の運転状態パラメータは各種センサからECU10に取り込まれており、現在のアクセルペダルの操作位置に応じたスロットル弁の目標開度Xが計算されると共に、機関の運転状態から第1気筒♯1の吸気行程の終了時点、即ち、吸気弁の閉弁時刻Tが計算される。計算されたスロットル弁の目標開度はECU10のRAM104に記憶される。
【0019】
更に、現在の時刻toにおいて閉弁時刻Tが求められた後は、時刻Tから所定遅延時間Dだけ前の時刻tnが算出され、この時刻tnにおけるスロットル弁の予測開度Yが算出される。時刻tnにおけるスロットル弁の予測開度Yが時刻Tにおけるスロットル弁の予測開度である。そして、吸気弁の閉弁時刻Tにおけるスロットル弁の予測開度Yが分かると、それに応じた空気量から燃料噴射量を算出することができる。時刻t1における第2気筒♯2についても、第1気筒♯1と同様の方法で、第2気筒♯2の吸気弁の閉弁時刻T1における燃料噴射量を算出することができる。
【0020】
アクセルペダルの踏込量(アクセルの目標開度)の直線的な変化に対してスロットル弁の予測開度がこれに遅れて追従する場合には、燃料噴射気筒(図3では第1気筒♯1)の吸気弁閉弁時刻Tにおけるスロットル弁の予測開度Yをアクセルの目標開度より小さめに予測する必要がある。一方、時刻Tにおいてアクチュエータ4に与えられた予測開度に対して、アクチュエータ4はスロットル弁の開度をこの予測開度に遅滞なく追従させるようにスロットル弁を駆動しなければならない。
【0021】
ところが、スロットル弁3を駆動するアクチュエータ4をデューティ制御する場合には、スロットル弁の目標開度の変化率が大きいと、算出されたデューティ比が100%を越える場合がある。このような場合には、スロットル弁を駆動するスロットルモータ(DCモータ)のデューティ比が100%に長時間維持されるが、実際のスロットル弁開度は目標開度に追いつくことが出来なくなり、予測開度と実際のスロットル弁開度との間に大きなずれが生じてしまう。
【0022】
そこで、本実施例では、スロットル弁の目標開度の変化率に対して制限値を与え、スロットル弁の目標開度の変化率がこの制限値以上に変化しないようにスロットル弁の目標開度を補正する。この補正は、電子制御スロットルにおけるスロットル弁の、運転者のアクセルペダルの操作量に対する目標開度を所定時間だけ記憶してその出力を保留してから、所定時間後に電子制御スロットルのアクチュエータにこの目標開度をスロットル弁の開度制御値として出力するまでの間に行うことができる。
【0023】
更に、本実施例では、この出力の保留中に次の燃料噴射気筒の吸気弁の閉弁時刻を算出する。吸気弁の閉弁時刻は現在の時間より所定時間が経過する前である。そこで、算出した吸気弁の閉弁時刻におけるスロットル弁のアクセル操作量に対する開度(スロットル弁の目標開度の変化率に対する補正を終了した開度)を、記憶したスロットル弁の開度値の中から読み出し、このスロットル弁開度に応じた燃料噴射量を算出する。そして、算出したこの燃料噴射量を、吸気弁の閉弁時刻よりも前の所定のタイミングにおいて、つまり所定のクランク角位置であることを検出して、噴射している。
【0024】
即ち、空気量先行、燃料追従方式の空燃比の制御方式では、スロットル弁3のアクセルペダルの操作量に対する追従を意図的に遅らせた分だけ、これからスロットル弁3がどのように動くかが把握でき、それに合わせて吸入空気量がどのように推移するかを計算で求めることができる。この結果、次の燃料噴射気筒の吸気弁の閉弁時期におけるスロットル弁3の開度から吸入空気量が分かるので、この吸入空気量に合わせた燃料を、次の燃料噴射気筒の吸気弁の閉弁時刻を求めたた時点で算出することができ、この算出した燃料を吸気弁の閉弁時刻よりも前の所定のタイミング、つまり所定のクランク角位置であることを検出して噴射できるのである。なお、この場合、意図的な遅延時間は、現在から次の燃料噴射気筒の吸気弁が閉弁する時刻迄の時間よりも長く設定してある。
【0025】
この意図的な遅延時間は、内燃機関1の回転数Neに応じて、燃料噴射量を算出する時点から次の燃料噴射気筒の吸気弁が閉弁する時刻迄の時間よりも長くなるような値を予め計算しておき、マップの形でECU10のメモリ内に格納しておいて、機関の回転数Neに応じて読み出せば良い。
以上のような本発明の制御手順の一例を図4,図5に示すフローチャートを用いて説明する。図4,図5のルーチンは所定時間毎、例えば8ms毎に実行される。
【0026】
図4のステップ401ではまず、内燃機関1の運転状態の検出が行われる。この運転状態の検出は、機関回転数Ne、吸気圧力P、アクセルペダルの踏込み量(操作位置)等の運転状態パラメータを各種センサからECU10に取り込むことによって行うことができる。続くステップ402では、アクセルペダルの操作位置が読み込まれ、次のステップ403(スロットル弁の目標開度の算出手段の動作)においてこのアクセルペダルの操作位置に対応するスロットル弁の目標開度θTが算出され、ECU10のRAM104(スロットル弁の目標開度の記憶手段)に記憶される。
【0027】
続くステップ404(スロットル弁の目標開度の変化率の算出手段の動作)では、今回のスロットル弁の目標開度θTと、ECU10のRAM104に記憶されている前回のスロットル弁の目標開度θTOとの差の絶対値が計算され、スロットル弁の目標開度の変化率ΔθTが求められる。そして、次のステップ405(スロットル弁の目標開度の変化率の比較手段の動作)では、スロットル弁の目標開度の変化率ΔθTが所定の制限値K以下であるか否かが判定される。
【0028】
ステップ405において、ΔθT≦Kの場合にはそのままステップ407(スロットル弁の目標開度の補正手段の動作)に進むが、ΔθT>Kの場合はステップ406に進み、スロットル弁の目標開度の変化率ΔθTが所定の制限値Kより大きくならないように、今回のスロットル弁の目標開度θTが補正される。即ち、ステップ406においては、前回のスロットル弁の目標開度θTOに、スロットル弁の目標開度の変化率の制限値Kを加えることによって、今回のスロットル弁の目標開度θTが算出され、ステップ403で算出された今回のスロットル弁の目標開度θTがこの補正値で置き換えられる。そして、ステップ407において、今回のスロットル弁の目標開度θTが前回のスロットル弁の目標開度θTOとしてECU10のRAM104(スロットル弁開度制御値の出力手段のデータを格納)に記憶される。
【0029】
続くステップ408では、ステップ403或いはステップ406で算出されたスロットル弁の目標開度θTに基づいて、アクチュエータの応答特性からスロットル弁開度の推定値(スロットル弁の予測開度)θTAが算出される。そして、ステップ409においては算出されたスロットル弁の予測開度θTAがECU10のRAM104に記憶される。
【0030】
ステップ410(吸気弁閉弁時期の算出手段の動作)ではステップ401で検出された機関の運転状態から、次の燃料噴射気筒の吸気弁閉弁時刻Tが算出される。続くステップ411(スロットル弁開度の算出手段の動作)では、ステップ409で記憶したスロットル弁の予測開度θTAと吸気弁閉弁時刻Tとから、燃料噴射気筒の吸気弁の閉弁時におけるスロットル弁3の開度が算出される。即ち、吸気弁閉弁時刻Tから所定遅延時間Dだけ前の時刻が求められ、この時刻におけるスロットル弁の予測開度θTAを、吸気弁閉弁時刻Tにおけるスロットル弁開度θとする。このようにして、吸気弁閉弁時刻Tにおけるスロットル弁3の開度θを算出した後は、ステップ412(燃料供給量算出手段の動作)において、スロットル弁開度θに応じた燃料噴射量が計算される。この燃料噴射量は、説明は省略するが、機関の運転状態に応じて他のルーチンで求められる目標空燃比になるように、スロットル弁開度から求められる吸入空気量に基づいて算出することができる。ステップ413では計算された吸気弁の閉弁時刻Tとこれに対応する燃料噴射量とがECU10内のRAM104に記憶されてこのルーチンを終了する。
【0031】
一方、図5に示す噴射制御ルーチンでは、ステップ501において所定時間毎に吸気弁の閉弁時刻よりも前の所定タイミングを表す所定クランク角位置か否かが判定される。そして、所定クランク角位置である時にはステップ502に進み、この所定クランク角位置に対応する燃料噴射量がECU10のRAM104から読み出され、この燃料噴射量が噴射弁8(燃料供給手段)から噴射されてステップ503に進む。一方、ステップ501で所定クランク角位置ではない時にはそのままステップ503に進む。
【0032】
ステップ503では、現在の時刻(吸気弁の閉弁時刻T)から所定時間Dだけ前にECU10のRAM104に記憶されたスロットル弁の目標開度が読み出され、これがスロットル弁開度の制御値としてアクチュエータ4に出力される。アクチュエータ4によりこのスロットル弁開度の制御値に基づいてスロットル弁3が開閉駆動される。
このように、以上説明した実施例の内燃機関の制御装置では、空気量先行、燃料供給量追従制御方式を採用し、電子制御スロットル弁装置で吸入空気量を制御する内燃機関において、スロットル弁のアクチュエータの制御目標値に対する実際の追従能力を考慮してスロットル弁の目標開度が設定されるので、スロットル弁の予測開度と実際のスロットル弁開度との間に大きなずれが生じることがなく、常に正確な空燃比を得ることができる。
【0033】
図6は図4で説明した実施例の制御において、スロットル弁の目標開度の変化率ΔθTの制限値Kをバッテリ電圧に応じて可変する場合の実施例を示すものである。図4で説明した実施例では、スロットル弁の目標開度の変化率ΔθTの制限値Kが固定値であった。ところが、バッテリ電圧が低い場合、同一デューティ比におけるスロットルモータの発生トルクが低下するので、デューティ比が100%に達してしまう機会が多くなる。そこで、この実施例では、図7に示すように、バッテリ電圧が低い場合にはバッテリ電圧が高い場合に比べて、スロットル弁の目標開度の変化率ΔθTの制限値Kが小さくなるように設定している。
【0034】
即ち、ステップ601では機関稼働中にバッテリ電圧が読み込まれ、ステップ602において、読み込まれたバッテリ電圧に応じたスロットル弁の目標開度の変化率ΔθTの制限値Kを図7に示す特性から算出する。実際には図7の特性はテーブルになっており、バッテリ電圧に応じた制限値Kの値はこのテーブルを補間することによって計算により求めることができる。
【0035】
この実施例のように、バッテリ電圧が低い場合にはバッテリ電圧が高い場合に比べて、スロットル弁の目標開度の変化率ΔθTの制限値Kが小さく設定されるので、スロットル弁の予測開度と実際のスロットル弁開度との間に大きなずれが生じてしまう恐れを更に無くすことができる。
図8は燃料供給量の算出に用いるスロットル弁の目標開度を補償する場合のPID制御の制御手順の機能線図を示すものである。ここでは、アクセルセンサ値からスロットルの目標開度が求められる。そして、スロットル弁の制御として、この目標値に対してPID制御が実施例された後に、目標値が電圧デューティ比に変換されてアクチュエータであるスロットルモータに出力されている。スロットルモータの駆動はスロットルセンサによって検出され、スロットルセンサ値としてPID制御部にフィードバックされる。また、この構成では、スロットル弁の開度推定制御としてスロットル弁目標値に微分逆補償部が設けられており、補償後のスロットルセンサ推定値を用いて燃料供給量が算出されるようになっている。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の発明によれば、スロットル弁の目標開度の変化率が常に監視され、スロットル弁の目標開度の変化率が所定の制限値を越えた場合には、スロットル弁の目標開度の変化率が制限値となるようにスロットル弁の目標開度が補正される。この結果、スロットル弁駆動手段が常にスロットル弁の目標開度に追従するようにスロットル弁を開閉駆動できるので、予測開度と実際のスロットル弁開度との間に大きなずれが生じることがなく、空気量先行、燃料供給量追従制御方式を採用し、電子制御スロットル弁装置で吸入空気量を制御する内燃機関の制御装置において常に正確な空燃比を得ることができる。
【0037】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、スロットル弁の目標開度の変化率の制限値がバッテリ電圧に応じて設定されるので、デューティ比が100%に達する機会が少なくなり、応答遅れの推定精度が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の制御装置の構成を示す原理構成図である。
【図2】本発明の内燃機関の制御装置の一実施例の全体構成を示す構成図である。
【図3】本発明の制御におけるアクセル開度、スロットル弁開度、及び吸気弁の閉弁時期の関係を時間の経過と共に示す説明図である。
【図4】本発明の内燃機関の制御装置における制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】噴射制御手順を示すフローチャートである。
【図6】バッテリ電圧に応じたスロットル弁の目標開度の変化率の制限値の設定手順を示すフローチャートである。
【図7】バッテリ電圧に応じたスロットル弁の目標開度の変化率の制限値の設定値の関係を示す特性図である。
【図8】 (a) はスロットル弁の目標開度がゆるやかな時のスロットル弁の予測開度と実際の開度、及びスロットル弁を駆動するアクチュエータのデューティ比の関係を示す線図、(b) はスロットル弁の目標開度が急峻な時のスロットル弁の予測開度と実際の開度、及びスロットル弁を駆動するアクチュエータのデューティ比の関係を示す線図である。
【図9】燃料供給量の算出に用いるスロットル目標値を補償する場合のPID制御の制御手順の機能線図である。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…吸気通路
3…スロットル弁
4…アクチュエータ
5…スロットル開度センサ
7…圧力センサ
8…燃料噴射弁
10…ECU(エンジン・コントロール・ユニット)
14…アクセルペダル
15…アクセル踏込量センサ

Claims (3)

  1. アクセルペダルの操作位置に応じてスロットル弁開度と燃料供給量を制御するようにした空気量先行燃料追従制御方式の内燃機関の制御装置であって、
    アクセルペダルの操作位置に応じたスロットル弁の目標開度を算出するスロットル弁の目標開度の算出手段と、
    算出されたスロットル弁の目標開度を、算出時点以降の次の燃料噴射気筒の吸気弁の閉弁時期までの時間よりも僅かに長い所定時間の間記憶するスロットル弁の目標開度の記憶手段と、
    記憶された前回と今回のスロットル弁の目標開度を用いて、スロットル弁の目標開度の変化率を算出するスロットル弁の目標開度の変化率の算出手段と、
    このスロットル弁の目標開度の変化率を所定の制限値と比較するスロットル弁の目標開度の変化率の比較手段と、
    前記スロットル弁の目標開度の変化率が前記制限値を越えた時に、今回のスロットル弁の目標開度をその変化率が前記制限値になるように制限した値に置き換え、これを今回のスロットル弁の目標開度として前記目標開度の記憶手段に記憶するスロットル弁の目標開度の補正手段と、
    記憶された今回のスロットル弁の目標開度を前記所定時間の経過にスロットル弁開度制御値として出力するスロットル弁開度制御値の出力手段と、
    このスロットル弁開度制御値に従ってスロットル弁を開閉駆動するスロットル弁駆動手段と、
    機関の運転状態に応じて燃料噴射気筒の吸気弁閉弁時期を算出する吸気弁閉弁時期の算出手段と、
    前記記憶された今回のスロットル弁の目標開度と、燃料噴射気筒の吸気弁閉弁時期とから、吸気弁閉弁時期におけるスロットル弁開度を算出する吸気弁閉弁時のスロットル弁開度の算出手段と、
    前記吸気弁閉弁時期におけるスロットル弁開度に応じた吸入空気量と目標空燃比とから、目標空燃比となる燃料供給量を算出する燃料供給量算出手段と、
    算出された燃料供給量の燃料を供給する燃料供給手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記制限値をバッテリ電圧に応じて設定する制限値の設定手段を更に備える内燃機関の制御装置。
  3. アクセルペダルの操作位置に応じて、スロットル弁開度と燃料供給量を制御する内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関の運転状態に応じてスロットル弁の目標開度を算出するスロットル弁の目標開度算出手段と、
    前記スロットル弁の目標開度の変化率が所定の制限値を越えたか否かを判定し、制限値を越えた時には前記スロットル弁の目標開度を前記制限値で制限された値に補正するスロットル弁の目標開度の補正手段と、
    前記判定後の前記スロットル弁の目標開度を、前記スロットル弁の応答遅れ時間のタイミングにおいて出力する出力手段と、
    前記出力手段からの出力値に従って、スロットル弁を開閉駆動するスロットル弁駆動手段と、
    前記スロットル弁の応答遅れ時間前のタイミングにある吸気弁閉弁時期におけるスロットル弁開度に応じた吸入空気量と目標空燃比とから、目標空燃比となる燃料供給量を供給する燃料供給手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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