JP3646545B2 - 電子制御スロットル弁の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子制御スロットル弁の制御装置に関し、特に、アクセルペダルの位置によりスロットル弁を電気的に駆動する電子制御スロットル弁におけるスロットル弁のオープナ開度近傍における応答性を良くした制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載された内燃機関の回転数の制御は、運転席の足元に設置されたアクセルペダルの踏込量によって行われていた。即ち、従来の内燃機関には、その吸気通路にこのアクセルペダルにワイヤで接続されたスロットル弁があり、アクセルペダルが踏み込まれると、ワイヤを介してこのスロットル弁の開度が大きくなって内燃機関への吸入空気量が増し、これに伴って燃料量も増えるので機関回転数が増大するようになっている。
【0003】
一方、近年、コンピュータの発達に伴い、内燃機関の回転数を電子的に最適に制御しようとする電子制御式の内燃機関が実用化されている。このような内燃機関の電子制御化としては、例えば、燃料噴射量制御、点火時期制御、吸排気弁の開弁時期の制御等が先行しており、これらに遅れてスロットル弁の電子制御も実用段階に入っている。スロットル弁を電気的に開閉する制御の従来技術としては、例えば、特開平9−242591号公報に開示の車両の制御装置がある。
【0004】
現在、実用化されている電子制御スロットル弁装置20の外観を図1に示し、その構成を図2(a) に示す。電子制御スロットル弁装置20には、アクセルペダル14(図2(a) 参照)にアクセルケーブル24で接続されるスロットルレバー16と、このスロットルレバー16に内蔵され、アクセルペダル14の踏込量に応じたアクセル開度を検出するアクセル開度センサ15と、このアクセル開度センサ15のアクセル開度の検出値(アクセル開度信号)が入力されるエンジン・コントロール・ユニット(以後ECUという)10と、ECU10の出力に応じて内燃機関の吸気通路2に設けられたスロットル弁3を開閉駆動するスロットルモータ4と、スロットル弁3の開度を検出するスロットル開度センサ5と、スロットルレバー16の近傍に設けられた退避走行用レバー17、及び、スロットル弁3のリターンスプリング18(図1参照)がある。また、スロットルモータ4には電磁クラッチ21(図2(a) 参照)が内蔵されている。
【0005】
このように構成された電子制御スロットル弁装置20では、運転者の意思に応じてアクセルペダル14が踏み込まれると、アクセルペダル14の踏込量はアクセルケーブル24を通じてスロットルレバー16に伝えられ、スロットルレバー16が回転する。スロットルレバー16にはアクセル開度センサ15が内蔵されており、スロットルレバー16の回転角によりアクセルペダルの踏込量が検出される。アクセル開度センサ15が検出したアクセルペダルの踏込量はアクセル開度信号としてECU10に入力され、ECU10はアクセル開度信号に応じたスロットル弁3の開度を決定する。ECU10からスロットルモータ4にはスロットルモータとクラッチ信号が出力され、スロットルモータ4が駆動される。スロットル弁3の開度はスロットル開度センサ5によって検出され、スロットル開度センサ信号としてECU10にフィードバックされる。スロットルモータ4には応答性が良く、消費電力の小さなDCモータ等が使用される。
【0006】
このときの制御には、スロットル弁3の開度を検出するスロットル開度センサ5からのアクセル開度信号と、アクセル開度センサ15からのスロットル開度センサ信号との偏差が無くなるようにスロットルモータ4に対して、比例(P)、積分(I)、微分(D)制御(以後、単にPID制御という)によるフィードバック制御が実行されている。
【0007】
なお、以上のような制御がフェールした時でも車両が退避走行できるようにするために、このような電子制御スロットル弁装置には、退避走行用レバー17とそのリリーフスプリング19(図2(a) 参照)が設けられている。
更に、近年、図2(b) に示すようなアクセルペダル14とスロットル弁3との間のアクセルケーブルを無くすように構成された電子制御スロットル弁装置30が提案されている。この提案の電子制御スロットル弁装置30では、図2(b) に示すようにアクセルペダル14の支持軸に回転角度センサ15が設けられるか、或いは、アクセルペダル14のストロークセンサが設けられており、このセンサの検出値が直接ECU10に入力されるようになっている。
【0008】
そして、ECU10はアクセル開度信号に応じたスロットル弁3の開度を決定し、ECU10からスロットルモータ4に直接駆動信号が出力される。スロットル弁3の開度はスロットル開度センサ5で検出されてECU10にフィードバックされる。なお、スロットル開度センサ5はスロットルモータ4に内蔵されることもある。
【0009】
このようなアクセルペダル14とスロットル弁3との間のアクセルケーブルを無くした電子制御スロットル弁装置30においても、制御のフェール時の機関のストールを防止して、機関に必要な空気量を確保するため、アクセルペダル14を戻した状態でもスロットル弁3を所定開度開いた状態に保持することが行われている。このようなスロットル弁3の開度はオープナ開度と呼ばれ、通常はスロットル弁3を開弁方向と閉弁方向にそれぞれ付勢するばねを備えたオープナ開度設定機構によってこの開度が設定されている。
【0010】
図3(a) は図2(b) で説明したアクセルペダル14とスロットル弁3との間のアクセルケーブルを無くした電子制御スロットル弁装置30における、オープナ開度とスロットル弁3を開弁方向と閉弁方向に付勢するオープナ開度設定機構40の一例を示すものである。また、図3(b) 〜(d) はオープナ開度設定機構40の作用を説明するものである。なお、図3(a) にはスロットル開度センサの図示は省略してある。
【0011】
図3(a) に示すように、吸気通路2に設けられたスロットル弁3の回転軸23の一端には、この回転軸23を回転させるスロットルモータ4が取り付けられている。また、この回転軸23の他端にはフランジ22が固着されており、このフランジ22の外周部の所定箇所には第1の作動片31が設けられている。第1の作動片31と図示しない電子制御スロットル弁装置30のスロットルボディの間には、第1のばね41が掛け渡されている。この第1のばね41は、スロットル弁3を開弁させる方向に第1の作動片31を付勢するものである。
【0012】
更に、このフランジ22の近傍の回転軸23には、回転軸23の回りを自由に回転することができる作動リング25が嵌められている。そして、この作動リング25の外周部には、作動リング25の回転によって第1の作動片31に係合する第2の作動片32が設けられている。第2の作動片32と図示しない電子制御スロットル弁装置30のスロットルボディの間には、第2のばね42が掛け渡されている。この第2のばね42は、スロットル弁3を閉弁させる方向に第2の作動片32を付勢するものである。この例では、第2のばね42の付勢力の方が第1のばね41の付勢力よりも大きく設定されている。
【0013】
これらの構成に加えて、スロットルボディには第2の作動片32の回動を止めるストッパ26が設けられている。このストッパ26は、第2のばね42の付勢力が、オープナ開度より小さい開度のスロットル弁3には及ばないようにするためのものである。このストッパ26は、第1の作動片31の動作には影響を与えない。
【0014】
第1の作動片31のフランジ22との位置関係、及び、第2の作動片32とストッパ26の位置関係を、図3(c) を用いて説明する。図3(c) はスロットル弁3がオープナ開度である状態を示している。このとき、第2のばね42に付勢されてスロットル弁3を閉弁方向に回転させる第2の作動片32はストッパ26に当接してその回転が止められる。この状態で、図示しないスロットルモータの駆動力がスロットル弁の回転軸23に加わっていないと、第1の作動片31は第1のばね41に引っ張られて第2の作動片32に当接した状態となる。前述のように、第1のばね41の付勢力は第2のばね42の付勢力よりも弱いので、回転軸23にスロットルモータの駆動力が作用しない状態では、スロットル弁3はオープナ開度を保持することになる。
【0015】
図3(b) はスロットル弁3が吸気通路2を全閉にした状態を示すものである。スロットル弁3をオープナ開度から全閉状態にするためには、スロットルモータを駆動して、第1のばね41の付勢力F1に打ち勝つ駆動力を回転軸23に与えれば良い。なお、別に設けられた図示しないストッパにより、スロットル弁3の回転はこの全閉状態で止まるようになっており、スロットル弁3が負の開度になることはない。
【0016】
図3(d) はスロットル弁3がオープナ開度より大きな所定の開度にある状態を示している。スロットル弁3の開度がオープナ開度よりも大きい場合の第1の作動片31には、第1のばね41によるスロットル弁3を開弁させる方向の付勢力F1と、第2のばね42によるスロットル弁3を閉弁させる方向の付勢力F2の両方が加わる。前述のように、第1のばね41の付勢力F1は第2のばね42の付勢力F2よりも弱いので、第1の作動片31には、第2のばね42の付勢力F2から第1のばね41の付勢力F1を差し引いた付勢力(F2−F1)、即ち、スロットル弁3を閉弁させる方向の付勢力(F2−F1)が加わっている。従って、スロットル弁3の開度を大きくするためには、この付勢力(F2−F1)に打ち勝つ駆動力をスロットルモータから回転軸23に与えれば良い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクセルペダルの位置によりスロットル弁を電気的に駆動する電子制御スロットル弁装置において、スロットル弁に前述のようなオープナ開度設定機構が設けられていると、スロットル弁を全閉状態から開く方向に駆動した場合、2つのばねが釣り合うオープナ開度の前後でスロットル弁の回転軸に作用するばね定数が変わり、スロットル弁を駆動するのに必要なスロットルモータの駆動力が変化する。このため、オープナ開度前後でスロットル弁の駆動をスムーズに行えないという問題があった。
【0018】
即ち、図4に示すように、スロットル弁が全閉状態にある時に、電子制御スロットル弁の制御装置からスロットル弁を所定開度開弁させる指令値が出力されたとすると、スロットル開度センサの検出値に見られるように、スロットル弁の開度がオープナ開度近辺で暫くの間停滞し、スロットル弁をスムーズに駆動することができなかった。また、同様に、スロットル弁がオープナ開度を越えて開弁側から閉弁側に制御される場合も、スロットル弁をスムーズに駆動することができなかった。
【0019】
そこで、本発明は、スロットル弁のオープナ開度設定機構を有する電子制御スロットル弁の制御装置において、スロットル弁がオープナ開度を越えて開く側、或いは閉じる側に駆動された時でも、スロットル弁をスムーズに開閉することができる電子制御スロットル弁の制御装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明の特徴は、以下に第1から第4の発明として示される。
第1の発明の構成上の特徴は、アクセルペダル開度とエンジンの運転条件に応じて最適なスロットル弁開度を決定し、この開度になるようにスロットル弁をモータで開閉制御すると共に、前記モータの駆動力には、前記スロットル弁の全閉状態からオープナ開度までは前記スロットル弁を開弁方向に付勢する第1のばねの付勢力が加わり、前記オープナ開度から前記スロットル弁の全開状態までは前記スロットル弁を閉弁方向に付勢する第2のばねの付勢力と前記第1のばねの付勢力の差分が加わるように構成された電子制御スロットル弁の制御装置において、スロットル弁の開度がスロットル弁のオープナ開度に達したか否かを判定するオープナ開度検出手段と、モータへの駆動力を変更する駆動力変更手段と、スロットル弁の開閉速度毎のオフセット量を示すマップとを設け、駆動力変更手段は、オープナ開度を境にして変化する第1と第2のばねのばね定数に応じて、モータの駆動力にばね定数を考慮したオフセット量を増減すると共に、オフセット量を、スロットル弁の現在の開閉速度と、マップとに基づいて求め、モータの駆動力を修正するようにしたことにある。
【0023】
第2の発明の構成上の特徴は、第1の発明の電子制御スロットル弁の制御装置において、駆動力変更手段が、モータへの駆動力の変更を、PID制御の駆動ゲインを変更することによって行うことにある。
【0024】
第1の発明によれば、スロットル弁がオープナ開度に達した時点で、オープナ開度前後のばね定数の違いを考慮したオフセット量がモータの駆動力に加減されるので、オープナ開度前後の電子制御スロットル弁の応答性がスムーズになる。
【0026】
第2の発明によれば、スロットル弁を駆動するモータの駆動力の変更が、PID制御の駆動ゲインを変更することによって行われるので、オープナ開度前後の電子制御スロットル弁の応答がスムーズになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を用いて本発明の実施形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、図2及び図3で説明した電子制御スロットル弁装置30の構成部材と同じ構成部材については同じ符号を付して説明する。
図5には本発明の一実施例のスロットル弁の制御装置を備えた電子制御燃料噴射式の多気筒内燃機関1が概略的に示されている。図5において、内燃機関1の吸気通路2には図示しないエアクリーナの下流側にスロットル弁3が設けられており、このスロットル弁3の回転軸の一端にはこのスロットル弁3を駆動するアクチュエータであるスロットルモータ4が設けられており、他端には図3で説明したスロットル弁3のオープナ開度を設定するオープナ開度設定機構40、及び、スロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ5が設けられている。即ち、この実施例のスロットル弁3はスロットルモータ4によって開閉駆動される電子制御スロットルである。
【0028】
スロットル弁3の下流側の吸気通路2にはサージタンク6があり、このサージタンク6内には吸気の圧力を検出する圧力センサ7が設けられている。更に、サージタンク6の下流側には、各気筒毎に燃料供給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁8が設けられている。スロットル開度センサ5の出力と圧力センサ7の出力は、マイクロコンピュータを内蔵したECU(エンジン・コントロール・ユニット)10に入力される。
【0029】
また、内燃機関1のシリンダブロックの冷却水通路9には、冷却水の温度を検出するための水温センサ11が設けられている。水温センサ11は冷却水の温度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。排気通路12には、排気ガス中の3つの有害成分HC,CO,NOxを同時に浄化する三元触媒コンバータ(図示せず)が設けられており、この触媒コンバータの上流側の排気通路12には、空燃比センサの一種であるO2 センサ13が設けられている。O2 センサ13は排気ガス中の酸素成分濃度に応じて電気信号を発生する。これら水温センサ11及びO2 センサ13の出力はECU10に入力される。
【0030】
更に、このECU10には、アクセルペダル14に取り付けられてアクセル踏込量を検出するアクセル開度センサ15からのアクセルペダルの踏込量信号(アクセル開度信号)や、図示しないディストリビュータに取付けられたクランク角センサからの機関回転数Neが入力される。
以上のような構成において、図示しないキースイッチがオンされると、ECU10が通電されてプログラムが起動し、各センサからの出力を取り込み、スロットル弁3を開閉するスロットルモータ4や燃料噴射弁8、或いはその他のアクチュエータを制御する。ECU10には、各種センサからのアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器(図示せず)、各種センサからの入力ディジタル信号や各アクチュエータを駆動する信号が出入りする入出力インタフェース101、演算処理を行うCPU102、ROM103やRAM104等のメモリや、クロック105等が設けられており、これらはバス106で相互に接続されている。ECU10の構成については公知であるので、これ以上の説明を省略する。
【0031】
ECU10にアクセル開度センサ15からのアクセルペダルの踏込量信号が入力されると、ECU10は図6(a) に示すように、このアクセルペダルの踏込量信号を所定周期Tでサンプリングする。そして、ECU10は時刻taにおけるサンプリング値αを、図6(b) に示すように、時刻taにおけるスロットル弁開度の指令値θCMとして出力する。ECU10は以後同様に、所定周期T毎にサンプリングしたアクセルペダルの踏込量信号を、時刻tbでは指令値θCM=β、時刻tcでは指令値θCM=γというように出力する。
【0032】
図7は本発明の第1の実施例を実現するための図5のECU10の中の機能をブロックで表したものである。アクセルペダルの踏込量信号がECU10に入力されると、指令値設定機能110により、前述のように所定時間T毎に指令値が作られる。この指令値は微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iから構成されるPID制御機能111に入力される。PID制御機能111ではスロットル開度センサに基づいてスロットル弁の位置又は開閉速度が算出され、指令値θCMとスロットル弁の位置又は開閉速度との差分により偏差eが算出される。この偏差eに基づいたPID演算結果はデューティ出力演算機能112に出力され、ここでスロットル弁開度の偏差eに応じたスロットルモータの駆動信号のデューティ比が算出される。スロットルモータの駆動信号のデューティ比はスロットルモータ4に出力され、スロットルモータ4が駆動されてスロットル弁の開度が変更される。スロットル弁の開度はスロットル開度センサ5によって検出され、この検出値がPID制御機能111にフィードバックされる。
【0033】
以上の機能が通常のスロットル弁の制御系統であるが、第1の実施例では、この制御系統に、フィードフォワード動作スイッチ114とフィードフォワード動作機能115を加えている。このフィードフォワード動作機能115は、フィードフォワード動作スイッチ114のオンにより、指令値設定機能11からの指令値情報を取り込み、指令値に応じてスロットルモータの駆動力を増減するためのデューティ比の増減分を算出し、これをデューティ出力演算機能112の入力側にフィードフォワードする。なお、フィードフォワード動作スイッチ114は実際には機械的なスイッチではなく、フィードフォワード動作機能115を動作させるフラグである。
【0034】
ここで、図7のように構成された電子制御スロットル弁の制御装置における第1の実施例の制御の一例について図8に示すフローチャートを用いて説明する。このフローチャートに示す手順は、前述のサンプリング周期Tよりも短い所定時間Ts毎に実行される。
ステップ801ではまず現在のスロットル開度センサ5の検出出力から、現在のスロットル弁3の開度θthを読み込む。次いで、ステップ802において指令値がスロットル弁の開弁側の指令値か否かを判定する。最初に指令値がスロットル弁の開弁側の場合について説明する。指令値がスロットル弁の開弁側の場合はステップ803以降に進む。
【0035】
ステップ803とステップ804は、ステップ801で読み込んだスロットル弁3の開度がオープナ開度θopの近傍にあるか否かを判定するものである。即ち、ステップ803では読み込んだスロットル弁3の開度θthがオープナ開度θopから所定開度aだけ小さい開度(θop−a)以上か否かを判定し、(θop−a)≦θthの時だけステップ804に進んでスロットル弁3の開度θthがオープナ開度θopに所定開度bだけ大きい開度(θop+b)以下か否かを判定する。
【0036】
このため、スロットル弁3の開度θthがオープナ開度θopより所定開度aだけ小さい開度からオープナ開度θopより所定開度bだけ大きい開度の範囲内にある場合は、ステップ803とステップ804で共にYESとなってステップ805に進む。即ち、スロットル弁3の開度θthが(θop−a)≦θth≦(θop+b)の範囲にある場合はステップ805に進む。ステップ805ではフィードフォワードスイッチ114がオンされる。一方、ステップ803で(θop−a)>θthの場合、或いは、ステップ804でθth>(θop+b)の場合はステップ806に進み、フィードフォワードスイッチ114がオフされる。
【0037】
まず、ステップ806においてフィードフォワードスイッチ114がオフされた場合について説明する。ステップ806においてフィードフォワードスイッチ114がオフされた後はステップ808に進み、通常のPID制御によってスロットル弁3の駆動デューティ比DDが、以下の式、
DD=(Ktg−θth)×(Kd+Kp+Ki) … ▲1▼
によって算出される。ここで、Ktgは指令値、(Ktg−θth)は偏差e、(Kd+Kp+Ki)はPID制御のゲインである。
【0038】
一方、ステップ805においてフィードフォワードスイッチ114がオンされた場合はステップ807に進み、この通常のPID制御にフィードフォワード制御が加わり、スロットル弁3の駆動デューティ比DDは、以下の式、
DD=(Ktg−θth)×(Kd+Kp+Ki)+(Ktg×Kf) … ▲2▼
によって算出される。ここで、Kfは指令値Ktgに乗算してデューティ比を増加させるデューティ比変更係数である。
【0039】
以上のようにしてステップ807、或いはステップ808でデューティ比DDが算出されるとステップ809に進み、算出したスロットル弁3の駆動デューティ比DDをスロットルモータ4の駆動デューティ比として出力してこのルーチンを終了する。
また、ステップ802で指令値がスロットル弁3の閉弁側の指令値であると判定された時はステップ810に進み、ステップ802からステップ809と同様のスロットル弁3の閉弁側の制御を行う。このステップ810のスロットル弁の閉弁側の制御の手順の詳細を図9に示す。
【0040】
指令値がスロットル弁3の閉弁側の指令値であると判定された時の制御であるステップ811からステップ817は、指令値がスロットル弁3の開弁側の指令値であると判定された時の制御であるステップ802からステップ809とステップ815を除いて同じである。即ち、ステップ811とステップ812ではステップ801で読み込んだスロットル弁3の開度がオープナ開度θopの近傍にあるか否かを判定し、スロットル弁3の開度θthが(θop−a)≦θth≦(θop+b)の範囲にある場合はステップ813に進むが、スロットル弁3の開度θthがこの範囲にない時はステップ814に進む。
【0041】
ステップ814に進んだ場合はフィードフォワードスイッチ114がオフにされ、続くステップ816において通常のPID制御が行われ、スロットル弁3の駆動デューティ比DDが、前述の式▲1▼と同じ式によって算出される。一方、ステップ813に進んだ場合はフィードフォワードスイッチ114がオンにされ、続くステップ815において通常のPID制御にフィードフォワード制御が加わる。この時にスロットル弁3の駆動デューティ比DDは、以下の式、
DD=(Ktg−θth)×(Kd+Kp+Ki)−(Ktg×Kf) … ▲3▼
によって算出される。式▲3▼が式▲2▼と異なる点は、指令値Ktgにデューティ比変更係数Kfを乗算したゲインを減算してデューティ比を減少させる点である。
【0042】
以上のようにしてステップ815、或いはステップ816でデューティ比DDが算出されるとステップ817に進み、算出したスロットル弁3の駆動デューティ比DDをスロットルモータ4の駆動デューティ比として出力してこのルーチンを終了する。
なお、前述の制御手順において、スロットル弁3の開度がオープナ開度θopの近傍にあるか否かを判定するa,bの値は予め設定された値であり、a=bでも良いが異なった値でも良い。そして、a,bの値は固定値でも良いが、マップを用いて指令値の大きさに応じて変更される値としても良い。このマップの例を図10に示す。図10はX軸が開度指令値であり、Y軸がaまたはbの値の大きさを示すマップの例である。このマップから開度指令値が大きい時はa,bの値を大きくし、開度指令値が小さい時はa,bの値を小さくすることが分かる。このように、開度指令値の大きさに応じてスロットルモータの駆動デューティ比を変更するスロットル弁3のオープナ開度近傍の範囲を変えることにより、指令値の大きさが変わってもオープナ開度近傍のスロットル弁3の挙動をスムーズにすることができる
図11は、時刻t0において開度αの指令値θCMが出力された場合の、指令値θCM、スロットル弁開度θth、フィードフォワード(図にはF/Fと略記)スイッチ114のオンオフ、駆動デューティ比DD、及びスロットルモータ電流Siの変化を、時間と共に示すタイムチャートである。ここでは、時刻t0以前のスロットル弁開度θthが0°(全閉)であったとし、開度αの指令値θCMが出された後のスロットル弁開度θthが、オープナ開度θopを通過して指令開度αまで開く場合を示している。
この図から分かるように、指令値θCMによってスロットル弁開度θthが増大し、開度がオープナ開度θopよりも開度aだけ小さな開度(θop−a)に達すると、F/Fスイッチ114がオンになり、駆動デューティ比DDが増大される。そして、スロットル弁開度θthがオープナ開度θopよりも開度bだけ大きな開度(θop+b)に達すると、F/Fスイッチ114がオフになり、駆動デューティ比DDが元に戻る。
【0043】
このように第1の実施例のフィードフォワードを加えたPID制御によれば、スロットル弁3のオープナ開度θopの前後でスロットル弁3の駆動特性を変更できるため、図11に実線PIで示すようにオープナ開度θopの前後でもスロットル弁3の開度をスムーズに大きくすることができる。これに対して、従来の単なるPID制御によれば、スロットル弁3を開弁駆動する際に、図11に破線PAで示すように、オープナ開度θop前後でスロットル開度θthの開弁特性に引っ掛かりが現れ、スロットル弁3がスムーズに駆動されない。
【0044】
図12は、時刻T0において指令値θCMが開度αから0にされた場合の、指令値θCM、スロットル弁開度θth、フィードフォワード(図にはF/Fと略記)スイッチ114のオンオフ、及び駆動デューティ比DDの変化を、時間と共に示すタイムチャートである。ここでは、時刻T0以前のスロットル弁開度θthが所定開度αであり、時刻T0においてスロットル弁開度θthを0°にする指令値θCMが出された後のスロットル弁開度θthが、オープナ開度θopを通過して0°まで閉じる場合を示している。
【0045】
この図から分かるように、指令値θCMによってスロットル弁開度θthが減少し、開度がオープナ開度θopよりも開度bだけ大きな開度(θop+b)に達すると、F/Fスイッチ114がオンになり、駆動デューティ比DDが減少される。そして、スロットル弁開度θthがオープナ開度θopよりも開度aだけ小さな開度(θop−a)に達すると、F/Fスイッチ114がオフになり、駆動デューティ比DDが元に戻る。
【0046】
このように第1の実施例のフィードフォワードを加えたPID制御によれば、スロットル弁3のオープナ開度θopの前後でスロットル弁3の駆動特性を変更できるため、図12に実線PIで示すようにオープナ開度θopの前後でもスロットル弁3の開度をスムーズに小さくすることができる。これに対して、従来の単なるPID制御によれば、スロットル弁3を開弁駆動する際に、図12に破線PAで示すように、オープナ開度θopの前後でスロットル開度θthの開弁特性に引っ掛かりが現れ、スロットル弁3がスムーズに駆動されないことが分かる。
【0047】
なお、以上説明した実施例の式▲2▼と式▲3▼におけるデューティ比変更係数Kfは固定値でも良いが、指令値θCMの変化量の絶対値の大きさと、オープナ開度θopと現在のスロットル弁の開度θthとの差ΔCに応じて変更しても良い。この場合のデューティ比変更係数Kfは図13に示すようなマップから求めることができる。即ち、X軸がオープナ開度θopと現在のスロットル弁の開度θthとの差ΔCであり、Y軸が指令値の変化量の絶対値とした時に、デューティ比変更係数KfはZ軸方向に予め定められた所定の平面PL上の点として求められる。
【0048】
図14は本発明の第2の実施例を実現するための図5のECU10の中の機能をブロックで表したものである。ECU10の中の指令値設定機能110、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iから構成されるPID制御機能111、デューティ出力演算機能112の構成、及び、スロットルモータ4によって駆動されるスロットル弁の開度がスロットル開度センサ5によって検出されてPID制御機能111にフィードバックされる点については図7と全く同じであるのでその説明を省略する。
【0049】
第2の実施例では、このような通常のスロットル弁の制御系統に、ゲイン定数変更スイッチ116とゲイン定数変更機能117を加えている。このゲイン定数変更機能117は、ゲイン定数変更スイッチ116のオンにより、その時のスロットル弁の開閉速度を算出し、開閉速度に応じてスロットルモータの駆動力にばね定数を考慮したオフセット量を加減すべく、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iのゲインを変更する。なお、ゲイン定数変更スイッチ116も実際には機械的なスイッチではなく、ゲイン定数変更機能117を動作させるフラグである。
【0050】
ここで、図14のように構成された電子制御スロットル弁の制御装置における第2の実施例の制御の一例について図15に示すフローチャートを用いて説明する。このフローチャートに示す手順は、前述のサンプリング周期Tよりも短い所定時間Ts毎に実行される。
ステップ901ではまず現在のスロットル開度センサ5の検出出力から、現在のスロットル弁3の開度θthを読み込む。次いで、ステップ902において指令値がスロットル弁の開弁側の指令値か否かを判定する。指令値がスロットル弁の閉弁側の場合はステップ910に進んでスロットル弁の閉弁側の制御を実行してこのルーチンを終了する。スロットル弁の閉弁側の制御は以下に説明するスロットル弁の開弁側の制御とほぼ同じであるので、その説明を省略する。
【0051】
指令値がスロットル弁の開弁側の場合はステップ903に進む。ステップ903では、ステップ901で読み込んだスロットル弁3の開度θthがオープナ開度θop未満であるか否かを判定する。そして、スロットル弁3の開度θthがオープナ開度θopより小さい時はステップ905に進み、ゲイン定数変更スイッチ116をオフする。続くステップ907では、通常のPID制御で駆動デューティ比DDを算出すべく、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIを通常値Kd,Kp,Kiにしてステップ908に進む。
【0052】
一方、ステップ903における判定がθth≧θopである場合はステップ904に進み、ゲイン定数変更スイッチ116をオンしてゲイン定数設定機能117を動作させる。ゲイン定数設定機能117の動作により、ステップ906では、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iのゲインの通常値Kd,Kp,Kiに、スロットル弁のオープナ開度前後のばね定数の変化を考慮したオフセット量Kd(V),Kp(V),Ki(V)が加えられてステップ908に進む。
【0053】
このオフセット量Kd(V),Kp(V),Ki(V)はスロットル弁の開閉速度に応じて決まるものであり、例えば、比例ゲインのオフセット量Kp(V)のスロットル弁の開閉速度Vに対する特性は、図16に示すようになる。微分ゲインのオフセット量Kd(V)と積分ゲインのオフセット量Ki(V)の特性も図16と同様である。
【0054】
ステップ908ではステップ906或いはステップ907で算出された微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIに基づいて、以下の式
DD=(Ktg−θth)×(KD+KP+KI) … ▲4▼
を用いてPID制御の駆動デューティ比DDを算出する。そして、算出したスロットル弁3の駆動デューティ比DDを、続くステップ909においてスロットルモータ4の駆動デューティ比として出力してこのルーチンを終了する。
【0055】
図17は、時刻t0において開度αの指令値θCMが出力された場合の、指令値θCM、スロットル弁開度θth、ゲイン定数変更スイッチのオンオフ、及び、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIの変化を、時間と共に示すタイムチャートである。ここでは、時刻t0以前のスロットル弁開度θthが0°(全閉)であったとし、開度αの指令値θCMが出された後のスロットル弁開度θthが、オープナ開度θopを通過して指令開度αまで開く場合を示している。
【0056】
この図から分かるように、指令値θCMによってスロットル弁開度θthが増大し、開度θthが時刻t1においてオープナ開度θopに達すると、ゲイン定数変更スイッチ116がオンになり、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iのゲインにばね定数を考慮したオフセット量Kofが加えられ、駆動デューティ比DDが増大される。
【0057】
このように本発明の第2の実施例のPID制御によれば、スロットル弁3のオープナ開度θopの前後でスロットル弁3の駆動特性を変更できるため、図17に実線PIで示すようにオープナ開度θopの前後でもスロットル弁3の開度をスムーズに大きくすることができる。これに対して、従来の単なるPID制御によれば、スロットル弁3を開弁駆動する際に、図17に破線PAで示すように、オープナ開度θopの前後でスロットル開度θthの開弁特性に引っ掛かりが現れ、スロットル弁3がスムーズに駆動されない。
【0058】
図18は本発明の第3の実施例を実現するための図5のECU10の中の機能をブロックで表したものである。ECU10の中の指令値設定機能110、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iから構成されるPID制御機能111、デューティ出力演算機能112の構成、及び、スロットルモータ4によって駆動されるスロットル弁の開度がスロットル開度センサ5によって検出されてPID制御機能111にフィードバックされる点については図7と全く同じであるのでその説明を省略する。
【0059】
第3の実施例では、このような通常のスロットル弁の制御系統に、第1領域のゲイン定数変更スイッチSW1から第3領域のゲイン定数変更スイッチSW3と、第1領域のゲイン定数変更機能121から第3領域のゲイン定数変更機能123を加えている。第3の実施例において、スロットル弁開度θthの第1領域はオープナ開度θopより開度aだけ小さい開度(θop−a)からオープナ開度θopまでの領域であり、第2領域はオープナ開度θopからオープナ開度θopに開度bを加えた開度(θop+b)までの領域であり、第3領域はオープナ開度θopに開度bを加えた開度(θop+b)より大きい領域である。
【0060】
各領域のゲイン定数変更機能121〜123は、対応する各領域のゲイン定数変更スイッチSW1〜SW3がオンした時に、その時のスロットル弁3の開閉速度を算出し、開閉速度に応じてスロットルモータ4の駆動力にばね定数を考慮したオフセット量を加減すべく、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iのゲインを変更する。なお、第1領域のゲイン定数変更スイッチSW1から第3領域のゲイン定数変更スイッチSW3も実際には機械的なスイッチではなく、第1領域のゲイン定数変更機能121から第3領域のゲイン定数変更機能123を動作させるフラグである。
【0061】
ここで、図18のように構成された電子制御スロットル弁の制御装置における第3の実施例の制御の一例について図19に示すフローチャートを用いて説明する。このフローチャートに示す手順は、前述のサンプリング周期Tよりも短い所定時間Ts毎に実行される。
ステップ1001ではまず現在のスロットル開度センサ5の検出出力から、現在のスロットル弁3の開度θthを読み込む。次いで、ステップ1002において指令値がスロットル弁の開弁側の指令値か否かを判定する。指令値がスロットル弁の閉弁側の場合はステップ1017に進んでスロットル弁の閉弁側の制御を実行してこのルーチンを終了する。スロットル弁の閉弁側の制御は以下に説明するスロットル弁の開弁側の制御とほぼ同じであるので、その説明を省略する。
【0062】
指令値がスロットル弁の開弁側の場合はステップ1003に進む。ステップ1003では、ステップ1001で読み込んだスロットル弁3の開度θthがオープナ開度θopから所定開度aだけ小さい開度(θop−a)より小さいか否かを判定し、θth<(θop−a)の時はステップ1004に進む。ステップ1004では全領域のゲイン定数変更スイッチSW1〜SW3を全てオフする。続くステップ1005では通常のPID制御の駆動デューティ比DDを算出するために、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIを通常値Kd,Kp,Kiにしてステップ1014に進む。
【0063】
ステップ1003でスロットル弁3の開度θthがθth≧(θop−a)と判定した時はステップ1006に進み、(θop−a)≦θth≦θopか否かを判定する。そして、(θop−a)≦θth≦θopと判定した時はステップ1007に進む。ステップ1007では第1領域のゲイン定数変更スイッチSW1をオンにし、第2、第3領域のゲイン定数変更スイッチSW2とSW3をオフする。第1領域のゲイン定数変更スイッチSW1のオンにより、続くステップ1008では第1領域のゲイン定数設定機能121が動作し、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iのゲインの通常値Kd,Kp,Kiに、第1領域におけるオフセット量θth×KdX(V),θth×KpX(V),θth×KiX(V)が加えられてステップ1014に進む。
【0064】
ステップ1006でスロットル弁3の開度θthがθth>θopと判定した時はステップ1009に進み、θop<θth≦(θop+b)か否かを判定する。そして、θop<θth≦(θop+b)と判定した時はステップ1010に進む。ステップ1010では第2領域のゲイン定数変更スイッチSW2をオンにし、第1、第3領域のゲイン定数変更スイッチSW1とSW3をオフする。第2領域のゲイン定数変更スイッチSW2のオンにより、続くステップ1011では第2領域のゲイン定数設定機能122が動作し、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iのゲインの通常値Kd,Kp,Kiに、第2領域におけるオフセット量θth×KdY(V),θth×KpY(V),θth×KiY(V)が加えられてステップ1014に進む。
【0065】
ステップ1009でスロットル弁3の開度θthがθth>(θop+b)と判定した時はステップ1012に進み、第3領域のゲイン定数変更スイッチSW3をオンにし、第1、第2領域のゲイン定数変更スイッチSW1とSW2をオフする。第3領域のゲイン定数変更スイッチSW3のオンにより、続くステップ1013では第3領域のゲイン定数設定機能123が動作し、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111Iのゲインの通常値Kd,Kp,Kiに、第3領域におけるオフセット量(θop+b)×KdY(V), (θop+b)×KpY(V), (θop+b)×KiY(V)が加えられてステップ1014に進む。
【0066】
これらのオフセット量KdX(V),KpX(V),KiX(V)と、KdY(V),KpY(V),KiY(V)は、それぞれスロットル弁の開閉速度に応じて決まるものであり、例えば、第1領域の比例ゲインのオフセット量KpX(V)のスロットル弁の開閉速度Vに対する特性は、図20に符号Xで示すようになり、第2領域の比例ゲインのオフセット量KpY (V)のスロットル弁の開閉速度Vに対する特性は、図20に符号Yで示すようになる。第1と第2の領域における微分ゲインのオフセット量KdX(V), KdY(V) と積分ゲインのオフセット量KiX (V),KiY (V) の特性も図20と同様である。
【0067】
ステップ1014ではステップ1005、ステップ1008、ステップ1011、或いはステップ1013で算出された微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIに基づいて前述の式▲4▼を用いてPID制御の駆動デューティ比DDを算出する。そして、算出したスロットル弁3の駆動デューティ比DDを、続くステップ1016においてスロットルモータ4の駆動デューティ比として出力してこのルーチンを終了する。
【0068】
図21は、時刻t0において開度αの指令値θCMが出力された場合の、指令値θCM、スロットル弁開度θth、領域別ゲイン定数変更スイッチSW1〜SW3のオンオフ、及び、微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIの変化を、時間と共に示すタイムチャートである。ここでは、時刻t0以前のスロットル弁開度θthが0°(全閉)であったとし、開度αの指令値θCMが出された後のスロットル弁開度θthが、オープナ開度θopを通過して指令開度αまで開く場合を示している。
【0069】
この図から分かるように、指令値θCMによってスロットル弁開度θthが増大し、開度θthが時刻t1においてオープナ開度θopより開度aだけ低い開度(θop−a)に達すると、第1領域のゲイン定数変更スイッチSW1がオンになり、以後の微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIは、ゲインの通常値Kd,Kp,Kiに、第1領域におけるオフセット量θth×KdX(V),θth×KpX(V),θth×KiX(V)が加えられたものとなる。
【0070】
続いて、スロットル弁3の開度θthが時刻t2においてオープナ開度θopに達すると、第2領域のゲイン定数変更スイッチSW2がオンになり、以後は微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIは、ゲインの通常値Kd,Kp,Kiに、第2領域におけるオフセット量θth×KdY(V),θth×KpY(V),θth×KiY(V)が加えられたものとなる。
【0071】
更に、スロットル弁3の開度θthが時刻t3においてオープナ開度θopより開度bだけ高い開度(θop+b)に達すると、第3領域のゲイン定数変更スイッチSW3がオンになり、以後は微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIは、ゲインの通常値Kd,Kp,Kiに、第3領域におけるオフセット量(θop+b)×KdY(V),(θop+b)×KpY(V),(θop+b)×KiY(V)が加えられたものとなる。
【0072】
第3領域のオフセット量は、ゲインの通常値Kd,Kp,Kiにばね定数を考慮したオフセット量Kofが加えられた固定値であるが、第1領域と第2領域のオフセット量は、スロットル弁3の開度θthの大きさに応じて変化させてあり、図21に符号Lで示すようにばね定数を考慮したオフセット量Kofまで除々に増大するようにしてある。スロットル弁3を駆動する駆動デューティ比DDは、この微分動作機能111D、比例動作機能111P、積分動作機能111IのゲインKD,KP,KIの増大に応じて増大される。
【0073】
このように本発明の第3の実施例のPID制御によれば、スロットル弁のオープナ開度θopの前から次第にスロットル弁の駆動力を大きく変更できるため、図21に実線PIで示すようにオープナ開度前後におけるスロットル弁の駆動をスムーズにすることができる。これに対して、従来の単なるPID制御によれば、スロットル弁を開弁駆動する際に、図21に破線PAで示すように、オープナ開度θopの前後でスロットル開度θthの開弁特性に引っ掛かりが現れ、スロットル弁がスムーズに駆動されない。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スロットル弁のオープナ開度設定機構を有する電子制御スロットル弁の制御装置において、スロットル弁がオープナ開度を越えて開く側、或いは閉じる側に駆動された時でも、スロットル弁をスムーズに開閉することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電子制御スロットルの構成を示す透視斜視図である。
【図2】 (a) は図1の電子制御スロットルの構成図、(b) は本発明を適用する電子制御スロットルの構成図である。
【図3】 (a) は図2(b) の電子制御スロットルのオープナ開度設定機構を示す斜視図、(b) 〜(d) は(a) の機構の動作を示す図である。
【図4】図3(a) の電子制御スロットルが有する問題点を説明する特性図である。
【図5】本発明の一実施例の電子制御スロットル弁の制御装置が搭載された電子制御式多気筒内燃機関の構成を示す構成図である。
【図6】 (a) はアクセルペダルの踏込量特性の一例を示す図、(b) は(a) のアクセルペダルの踏込量特性から得られる指令値の特性を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例の制御ブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施例におけるスロットル弁の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップ810の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】スロットル弁の開度指令値と開度幅の関係を示す特性図である。
【図11】図8の制御手順に基づくスロットル弁の開弁時のスロットル弁の開度、フィードフォワードスイッチの状態、駆動デューティ比、及び、スロットルモータ電流の変化の様子を示すタイムチャートである。
【図12】図9の制御手順に基づくスロットル弁の閉弁時のスロットル弁の開度、フィードフォワードスイッチの状態、及び、駆動デューティ比の変化の様子を示すタイムチャートである。
【図13】図8の制御手順に使用するデューティ比変更係数と、オープナ開度とスロットルセンサの開度の差、及び指令値変化量の絶対値の関係を3次元で示す特性図である。
【図14】本発明の第2の実施例の制御ブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施例におけるスロットル弁の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】PID制御の比例ゲインのオフセット量とスロットル弁の開弁速度との関係を示す特性図である。
【図17】図15の制御手順に基づくスロットル弁の開弁時のスロットル弁の開度、ゲイン定数変更スイッチの状態、及び、PID制御のゲインの変化の様子を示すタイムチャートである。
【図18】本発明の第3の実施例の制御ブロック図である。
【図19】本発明の第3の実施例におけるスロットル弁の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】PID制御の比例ゲインのオフセット量とスロットル弁の開弁速度との関係を示す特性図である。
【図21】図19の制御手順に基づくスロットル弁の開弁時のスロットル弁の開度、ゲイン定数変更スイッチの状態、及び、PID制御のゲインの変化の様子を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
2…吸気通路
3…スロットル弁
4…スロットルモータ
5…スロットル開度センサ
10…ECU(エンジン・コントロール・ユニット)
14…アクセルペダル
15…アクセル開度センサ
16…スロットルレバー
22…フランジ
23…スロットル弁の回転軸
25…作動リング
26…ストッパ
31…第1の作動片
32…第2の作動片
40…オープナ開度設定機構
41…第1のばね
42…第2のばね
111…PID制御機能
111P…比例動作機能
111I…積分動作機能
111D…微分動作機能
114…フィードフォワード動作スイッチ
115…フィードフォワード動作機能
116…ゲイン定数変更スイッチ
117…ゲイン定数変更機能
121…第1領域のゲイン定数変更機能
122…第2領域のゲイン定数変更機能
123…第3領域のゲイン定数変更機能
SW1…第1領域のゲイン定数変更スイッチ
SW2…第2領域のゲイン定数変更スイッチ
SW3…第3領域のゲイン定数変更スイッチ

Claims (2)

  1. アクセルペダル開度とエンジンの運転条件に応じて最適なスロットル弁開度を決定し、この開度になるように前記スロットル弁をモータで開閉制御すると共に、前記モータの駆動力には、前記スロットル弁の全閉状態からオープナ開度までは前記スロットル弁を開弁方向に付勢する第1のばねの付勢力が加わり、前記オープナ開度から前記スロットル弁の全開状態までは前記スロットル弁を閉弁方向に付勢する第2のばねの付勢力と前記第1のばねの付勢力の差分が加わるように構成された電子制御スロットル弁の制御装置において、
    前記スロットル弁の開度が前記スロットル弁の前記オープナ開度に達したか否かを判定するオープナ開度検出手段と、
    前記モータへの駆動力を変更する駆動力変更手段と、
    前記スロットル弁の開閉速度毎のオフセット量を示すマップとを設け、
    前記駆動力変更手段は、前記オープナ開度を境にして変化する前記第1と第2のばねのばね定数に応じて、前記モータの駆動力に前記ばね定数を考慮したオフセット量を増減すると共に、前記オフセット量を、前記スロットル弁の現在の開閉速度と、前記マップとに基づいて求め、前記モータの駆動力を修正することを特徴とする電子制御スロットル弁の制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御スロットル弁の制御装置であって、前記駆動力変更手段は、前記モータへの駆動力の変更を、PID制御の駆動ゲインを変更することによって行うことを特徴とする電子制御スロットル弁の制御装置。
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