JPH08144792A - モータ抵抗値算出方法及びモータ駆動電流補正方法 - Google Patents

モータ抵抗値算出方法及びモータ駆動電流補正方法

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JPH08144792A
JPH08144792A JP28465994A JP28465994A JPH08144792A JP H08144792 A JPH08144792 A JP H08144792A JP 28465994 A JP28465994 A JP 28465994A JP 28465994 A JP28465994 A JP 28465994A JP H08144792 A JPH08144792 A JP H08144792A
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JP28465994A
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English (en)
Inventor
Hidemasa Miyano
宮野  英正
Kenji Suganuma
賢治 菅沼
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両走行中でもDCモータのモータ抵抗値を
モニタでき、DCモータのモータ抵抗値をより正確に算
出してモータ駆動信号を正確に補正すること。 【構成】 電子式スロットル制御装置におけるバッテリ
電圧EとDCモータ7のモータ逆起電力E0 とDCモー
タ7に流れる電流の平均値であるモータ平均電流IM と
モータ駆動信号のデューティ比Dr とから、R={(E
−E0 )/IM }・Dr の演算式に基づいてDCモータ
7のモータ抵抗値Rが算出される。この演算式における
各パラメータはDCモータ7のモータ状態に制限される
ことなく容易に検出でき、モータ抵抗値Rは近似計算を
用いることなく算出される。これにより、車両走行中で
もDCモータ7のモータ抵抗値Rが所定のタイミングで
モニタできるため、DCモータ7のモータ抵抗値Rをよ
り正確に算出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクセルペダルの踏込
量に応じて直流(以下、単に『DC』という)モータを
駆動しスロットルバルブの開度を制御するスロットル制
御装置(以下、単に『電子式スロットル制御装置』とい
う)におけるモータ抵抗値算出方法及びモータ駆動電流
補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図1に示すような、電子式スロッ
トル制御装置が知られている。
【0003】このものでは、スロットルバルブ3を駆動
するアクチュエータとしてDCモータ7が使用されてい
る。このような、電子式スロットル制御装置は、アクセ
ルペダル8より得られるアクセル開度信号Apとスロッ
トルバルブ3の開度を検出するスロットル開度センサ4
より得られるスロットル開度信号TAとの2つの信号か
らECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)1
0にて適切なモータ駆動信号#0〜#3を算出し、モー
タ駆動回路9を介してDCモータ7を駆動する。DCモ
ータ7は減速ギヤ6にて減速され、リターンスプリング
5と釣合うトルクを発生することでアクセルペダル8の
踏込量に見合った開度にスロットルバルブ3を位置決め
する。
【0004】通常、電子式スロットル制御装置にフェイ
ルが発生した場合には、制御系統の誤動作を防止するた
め、スロットルバルブ3を機械的且つ強制的に全開また
は全閉にする必要からリターンスプリング5は不可欠で
ある。例えば、機械的にスロットルバルブ3の開度を制
限する機械的ガード方式で、電子式スロットル制御装置
にフェイルが発生するとガード機構とアクセルペダル8
とがリンクされているので、スロットルバルブ3を全開
にしなければならない。この方式であると、フェイルが
発生しても、スロットルバルブ3を全閉にしないので内
燃機関が停止状態に陥ることがないというメリットがあ
る。
【0005】電子式スロットル制御装置では、リターン
スプリング5は常時スロットルバルブ3に負荷として作
用している。このため、例えスロットルバルブ3の開度
位置が一定であってDCモータ7が見掛け上の停止状態
にあってもDCモータ7にはリターンスプリング5から
の負荷がかかっているためDCモータ7はリターンスプ
リング5と釣合うだけのトルクを発生し続けなければな
らない。
【0006】ここで、電子式スロットル制御装置に関連
する先行技術文献としては、実公平5−19553号公
報にて開示されたものが知られている。このものでは、
DCモータ内部のコイルの温度変化によってDCモータ
のトルク特性が変化しスロットルバルブの開度にバラツ
キ等の悪影響が生じるため、PWM駆動信号発生直後の
DCモータに流れる電流値の変化量を検出し、この検出
された変化量からDCモータの抵抗値を算出し、この算
出されたDCモータの抵抗値からDCモータの内部温度
を算出し、得られた温度値に基づいてモータ駆動信号を
補正する技術が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報で
述べられている式(1)からモータ電流の初期値は0で
あることが分かる。即ち、モータ駆動信号の補正が行わ
れるのはDCモータが無負荷状態でなお且つ、停止状態
にあるときからモータ駆動信号が印加されたときだけに
限定されている。また、DCモータの慣性によって回転
が始まっていない状態(逆起電力が発生していない状態
ともいえる)に限定されている。
【0008】しかし、電子式スロットル制御装置を実現
するためには、上述したように、安全性を考慮すること
が肝心であり、フェイル発生時には強制的にスロットル
バルブを全開状態または全閉状態にする必要がある。こ
のための手法の一つとして、機械的なスプリングを用い
る方法がある。例えば、図1のような構成では、スロッ
トルバルブにはリターンスプリングが常時作用してお
り、モータ停止状態でもDCモータには負荷がかかって
いるため、上記公報における補正の実行条件が満足され
る状態は極めて限定されることとなる。
【0009】また、DCモータに通電されることで内部
温度が上昇し、それに従ってDCモータの抵抗値も大き
くなっていく。このため、実際の電子式スロットル制御
装置では、車両走行中でもDCモータのモータ抵抗値を
モニタしながら、適宜、モータ駆動信号を補正するのが
望ましい。ところが、上記公報では、モータ状態に対す
る制限が多く、車両走行中にDCモータの抵抗値をモニ
タすることは非常に困難であった。また、上記公報で
は、DCモータのモータ抵抗値を算出する式を導く際
に、インダクタンスを0とする近似をしているので正確
さに欠けるという不具合もあった。
【0010】そこで、この発明は、かかる不具合を解決
するためになされたもので、車両走行中でもDCモータ
のモータ抵抗値をモニタでき、DCモータのモータ抵抗
値をより正確に算出してモータ駆動信号を正確に補正す
ることができる電子式スロットル制御装置でのモータ抵
抗値算出方法及びモータ駆動電流補正方法の提供を課題
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかるモータ
抵抗値算出方法は、電子式スロットル制御装置における
バッテリ電圧(E)とDCモータのモータ逆起電力(E
0 )と前記DCモータに流れる電流の平均値であるモー
タ平均電流(IM )とモータ駆動信号のデューティ比
(Dr )とから、R={(E−E0 )/IM }・Dr の
演算式に基づいて前記DCモータのモータ抵抗値(R)
を算出するものである。
【0012】請求項2にかかるモータ抵抗値算出方法
は、電子式スロットル制御装置におけるバッテリ電圧
(E)とモータ駆動信号のデューティ比(Dr )とデュ
ーティ周期毎にランダムなタイミングで検出される瞬時
のモータ電流(In )とから、そのときのモータ抵抗値
(Rn =(E−E0 )・Dr /In )を求め平均化する
ことでDCモータのモータ抵抗値(R)を算出するもの
である。
【0013】請求項3にかかるモータ抵抗値算出方法
は、請求項1の前記モータ平均電流を、前記DCモータ
に流れる電流を平滑化したのちサンプリングして求める
ものである。
【0014】請求項4にかかるモータ抵抗値算出方法
は、請求項1の前記モータ平均電流を、前記DCモータ
への通電状態がOFFからONに変化するモータ電流波
形の立上がり時のモータ電流のボトム値と前記DCモー
タへの通電状態がONからOFFに変化するモータ電流
波形の立下がり時のモータ電流のピーク値とを検出し、
前記ボトム値と前記ピーク値とを平均して求めるもので
ある。
【0015】請求項5にかかるモータ駆動電流補正方法
は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のモー
タ抵抗値算出方法で算出された前記モータ抵抗値に基づ
いて前記DCモータのモータ駆動電流を補正するもので
ある。
【0016】
【作用】請求項1のモータ抵抗値算出方法においては、
電子式スロットル制御装置におけるバッテリ電圧(E)
とDCモータのモータ逆起電力(E0 )とDCモータに
流れる電流の平均値であるモータ平均電流(IM )とモ
ータ駆動信号のデューティ比(Dr )とから、R=
{(E−E0 )/IM }・Dr の演算式に基づいてDC
モータのモータ抵抗値(R)が算出される。このため、
モータ抵抗値(R)を算出するための演算式のパラメー
タであるバッテリ電圧(E)、モータ逆起電力(E0
)、モータ平均電流(IM )、デューティ比(Dr )
が、DCモータのモータ状態に制限されることなく車両
走行中でも容易に検出でき、モータ抵抗値(R)は近似
計算を用いることなく算出される。
【0017】請求項2のモータ抵抗値算出方法において
は、電子式スロットル制御装置におけるバッテリ電圧
(E)とモータ駆動信号のデューティ比(Dr )とデュ
ーティ周期毎にランダムなタイミングで検出される瞬時
のモータ電流(In )とから、そのときのモータ抵抗値
(Rn =(E−E0 )・Dr /In )を求め平均化する
ことでDCモータのモータ抵抗値(R)が算出される。
このため、モータ抵抗値(R)を算出するためのパラメ
ータであるバッテリ電圧(E)、デューティ比(Dr
)、モータ電流(In )が、DCモータのモータ状態
に制限されることなく車両走行中でも容易に検出でき、
モータ抵抗値(R)は近似計算を用いることなく算出さ
れる。
【0018】請求項3のモータ抵抗値算出方法では、請
求項1におけるモータ平均電流が、DCモータに流れる
電流を平滑化したのちサンプリングすることで求められ
る。
【0019】請求項4のモータ抵抗値算出方法では、請
求項1におけるモータ平均電流が、DCモータへの通電
状態のOFFからONに変化するモータ電流波形の立上
がり時のモータ電流のボトム値とDCモータへの通電状
態のONからOFFに変化するモータ電流波形の立下が
り時のモータ電流のピーク値とが検出され、それらのボ
トム値とピーク値とを平均することで求められる。
【0020】請求項5のモータ駆動電流補正方法では、
請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のモータ抵
抗値算出方法で算出されたモータ抵抗値に基づいてDC
モータのモータ駆動電流が補正される。
【0021】
【実施例】以下、本発明のモータ抵抗値算出方法及びモ
ータ駆動電流補正方法を具体的な実施例に基づいて説明
する。
【0022】〈第一実施例〉図1は本発明の第一実施例
にかかるモータ抵抗値算出方法を採用した電子式スロッ
トル制御装置を示す概略構成図である。なお、このハー
ドウェア構成については、前述の従来装置と同一であ
る。
【0023】図1において、内燃機関に吸入空気を導入
するための吸気管1には、スロットル軸2が貫設されて
おり、吸気管1内においてスロットル軸2には円形弁板
型のスロットルバルブ3が固定されている。スロットル
軸2の左端部には、スロットルバルブ3の開度を検出す
るためのスロットル開度センサ4が設けられている。ま
た、スロットル軸2の右端部にはリターンスプリング5
が巻かれており、このリターンスプリング5によりスロ
ットルバルブ3が開方向に付勢されている。また、スロ
ットル軸2のリターンスプリング5の右端部には減速ギ
ヤ6が配設され、この減速ギヤ6とDCモータ7とが歯
合されている。アクセルペダル8からのアクセル開度信
号Apとスロットル開度センサ4からのスロットル開度
信号TAとがECU10に入力されている。これらアク
セル開度信号Apとスロットル開度信号TAとの信号に
基づいてECU10ではモータ駆動信号(デューティ比
信号)#0〜#3が算出されモータ駆動回路9に出力さ
れる。そしてモータ駆動回路9からのモータ駆動信号#
0〜#3に基づきDCモータ7が減速ギヤ6を介してリ
ターンスプリング5の開方向への力に抗して駆動され、
スロットル軸2に固定されたスロットルバルブ3が閉方
向に回動される。
【0024】図2は図1のDCモータ7を駆動するモー
タ駆動回路9を示す回路図である。
【0025】図2において、MはDCモータ7、TR0
〜TR3 はスイッチングトランジスタ、Eはバッテリ電
圧である。スイッチングトランジスタTR0 〜TR3 の
各ゲートにはECU10からのモータ駆動信号#0〜#
3がそれぞれ入力される。PWM駆動でDCモータ7の
正転方向(矢印A方向)に電流を流すには、スイッチン
グトランジスタTR0,TR3 をON、スイッチングトラ
ンジスタTR1,TR2をOFFさせればよい。また、ス
イッチングトランジスタTR1,TR2 をON、スイッチ
ングトランジスタTR0,TR3 をOFFさせると逆転方
向(矢印B方向)に電流が流れる。
【0026】このときのモータ通電状態におけるモータ
電流波形を図3に示す。
【0027】図3において、DCモータ7への通電が有
るときをON時間T1 、DCモータ7への通電がないと
きをOFF時間T2 とすると、DCモータ7の発生する
トルクは、デューティ周期T(=T1 +T2 )中の通電
時間の長さT1 、即ち、デューティ比Dr (=T1 /
T)に基づいて決定される。ここで、デューティ周期
T、モータ通電時間T1 はECU10にて制御されてお
り、これらデータは容易にモニタすることができる。
【0028】このときのDCモータ7の等価回路として
の電気的モデルは図4に示すように表され、図5に示す
モータ電流波形が生成される。
【0029】DCモータ7はモータ駆動回路9のスイッ
チングトランジスタTR0 〜TR3によってPWM駆動
されている。DCモータ7はスイッチングトランジスタ
TR0 〜TR3 でスイッチングされるとバッテリ電圧E
がDCモータ7に印加され、DCモータ7にはモータ電
流i(t) が流れる。
【0030】ここで、図4中のバッテリ電圧EはECU
10によるA/D変換にて容易に得ることができる。ま
た、DCモータ7のモータ抵抗値Rは変数で、内部温度
により変化し、DCモータ7のインダクタンスLは不変
である。そして、モータ逆起電力E0 はDCモータ7が
回転していると発生し、DCモータ7の誘起電圧定数
(DCモータ7の温度により変化する定数)とモータ回
転数との積で算出される。更に、モータ逆起電力E0 の
時間変化(DCモータ7のモータ回転数の時間変化とモ
ータ温度の時間変化)はデューティ周期Tに比べて十分
小さいため、モータ逆起電力E0 は定数と見なすことが
できる。
【0031】そこで、デューティ周期T、ON時間T1
、OFF時間T2 に着目して、モータ電流i(t) を求
めると次式(1)のようになる。なお、上述したように
E0 =定数と見なす。
【0032】
【数1】
【0033】但し、
【0034】
【数2】 I0 =(E−E0 )/R,τ=L/R ・・・(2) ここで、特に、定常状態となったときには次式(3)に
て表される。
【0035】
【数3】 I3 =I1 =i (T) ;i1(T1)=i2(T1) ・・・(3) よって、次式(4)のように表される。
【0036】
【数4】
【0037】これを解くと、次式(5)となる。
【0038】
【数5】
【0039】したがって、次式(6)または(7)と表
される。
【0040】
【数6】
【0041】
【数7】
【0042】上式(6)及び(7)に基づいて、PWM
駆動のデューティ周期T、ON時間T1 に着目して、モ
ータ平均電流IM を求めると、次式(8)のようにな
る。
【0043】
【数8】
【0044】これより、次式(9)が求められる。
【0045】
【数9】 R={(E−E0 )/IM }・Dr ・・・(9) 上式(9)より、バッテリ電圧E、モータ起電力E0 、
デューティ比Dr 、モータ平均電流IM が分かればモー
タ抵抗値Rが算出でき、モニタできる。また、モータ抵
抗値RはDCモータ7のインダクタンスLとは無関係に
求まることが分かる。更に、上式(9)では、モータ抵
抗値Rを求めるためにモータ電流の変化量を求める必要
はなく、近似式を用いていないので正確なモータ抵抗値
Rを算出することができる。
【0046】バッテリ電圧Eは、ECU10のA/D変
換により容易に知ることができる。モータ逆起電力E0
を算出する方法としては、スロットル開度センサからの
値を微分してモータ回転数を求め誘起電圧定数との積よ
り求める方法や、スロットルバルブまたはDCモータ7
に速度センサを取付けてモータ回転数を求め、同様にモ
ータ逆起電力を求める方法等がある。また、見かけ上、
DCモータ7が停止しているときには、モータ逆起電力
E0 =0とできる。
【0047】このように、本実施例のモータ抵抗値算出
方法は、電子式スロットル制御装置におけるバッテリ電
圧EとDCモータ7のモータ逆起電力E0 とDCモータ
7に流れる電流の平均値であるモータ平均電流IM とモ
ータ駆動信号のデューティ比Dr とから、R={(E−
E0 )/IM }・Dr の演算式に基づいてDCモータ7
のモータ抵抗値Rを算出するものであり、これを請求項
1の実施例とすることができる。
【0048】したがって、モータ抵抗値Rを算出するた
めの演算式のパラメータであるバッテリ電圧E、モータ
逆起電力E0 、モータ平均電流IM 、デューティ比Dr
が、DCモータ7のモータ状態に制限されることなく車
両走行中でも容易に検出でき、モータ抵抗値Rは近似計
算を用いることなく算出される。故に、車両走行中でも
DCモータ7のモータ抵抗値Rが所定のタイミングでモ
ニタできるため、DCモータ7のモータ抵抗値Rをより
正確に算出できる。
【0049】〈第二実施例〉図6は本発明の第二実施例
にかかるモータ抵抗値算出方法においてモータ平均電流
IM を求める方法を示す説明図である。なお、本実施例
にかかるモータ抵抗値算出方法を採用した電子式スロッ
トル制御装置を示すハードウェア構成については、上述
の第一実施例における図1及び図2と同一であるためそ
の詳細な説明を省略する。
【0050】図6に示すように、デューティ周期T毎に
ランダムなタイミングで瞬時のモータ電流In (n=
1,2,3,…)をサンプリングする。そして、各タイ
ミングにおけるモータ抵抗値Rn を次式(10)にて求
める。
【0051】
【数10】 Rn =(E−E0 )・Dr /In ・・・(10) このモータ抵抗値Rn を平均してモータ抵抗値Rを次式
(11)により求める。
【0052】
【数11】
【0053】この方法を用いると、ECU10での処理
負荷をそれほど増大させることなく、ハードウェアの追
加もなく、即ち、コスト上昇を招くことなく、モータ抵
抗値Rを算出することができる。
【0054】このように、本実施例のモータ抵抗値算出
方法は、電子式スロットル制御装置におけるバッテリ電
圧Eとモータ駆動信号のデューティ比Dr とデューティ
周期毎にランダムなタイミングで検出される瞬時のモー
タ電流In とから、そのときのモータ抵抗値Rn =(E
−E0 )・Dr /In を求め平均化することでDCモー
タ7のモータ抵抗値Rを算出するものであり、これを請
求項2の実施例とすることができる。
【0055】したがって、モータ抵抗値Rを算出するた
めのパラメータであるバッテリ電圧E、デューティ比D
r 、瞬時のモータ電流In が、DCモータ7のモータ状
態に制限されることなく車両走行中でも容易に検出で
き、モータ抵抗値Rは近似計算を用いることなく算出さ
れる。故に、車両走行中でもDCモータ7のモータ抵抗
値Rが所定のタイミングでモニタできるため、DCモー
タ7のモータ抵抗値Rをより正確に算出できる。
【0056】〈第三実施例〉図7は本発明の第三実施例
にかかるモータ抵抗値算出方法においてモータ平均電流
IM を求める方法を示す説明図である。なお、本実施例
にかかるモータ抵抗値算出方法を採用した電子式スロッ
トル制御装置を示すハードウェア構成については、上述
の第一実施例における図1及び図2と同一であるためそ
の詳細な説明を省略する。
【0057】図7に示すように、LPF(Low Pass fil
ter:ローパスフィルタ)を用いてDCモータ7の実波形
であるモータ電流を平滑化する。そして、LPF処理後
のなまし波形であるモータ電流をサンプリングしてA/
D変換することでモータ平均電流IM が求まる。但し、
この方法ではLPF等のハードウェア追加が必要であ
る。このようにして求めたモータ平均電流IM を、上述
の第一実施例におけるモータ平均電流IM と置換えるこ
とで、モータ抵抗値Rを算出することができる。
【0058】このように、本実施例のモータ抵抗値算出
方法は、モータ平均電流IM をDCモータ7に流れる電
流を平滑化したのちサンプリングして求めるものであ
り、これを請求項3の実施例とすることができる。
【0059】したがって、モータ平均電流IM がDCモ
ータ7に流れる電流を平滑化したのちサンプリングする
ことで求められる。故に、車両走行中でもDCモータ7
のモータ抵抗値Rが所定のタイミングでモニタできるた
め、DCモータ7のモータ抵抗値Rをより正確に算出で
きる。
【0060】〈第四実施例〉図8は本発明の第四実施例
にかかるモータ抵抗値算出方法においてモータ平均電流
IM を求める方法を示す説明図である。なお、本実施例
にかかるモータ抵抗値算出方法を採用した電子式スロッ
トル制御装置を示すハードウェア構成については、上述
の第一実施例における図1及び図2と同一であるためそ
の詳細な説明を省略する。
【0061】図8に示すように、モータ電流波形を三角
近似する。即ち、DCモータ7への通電状態がOFF→
ONに変化するモータ電流波形の立上がり時のモータ電
流のボトム値及びDCモータ7への通電状態がON→O
FFに変化するモータ電流波形の立下がり時のモータ電
流のピーク値であるデューティ比のエッジのタイミング
におけるモータ電流I1,I2,I3 を求める。このとき、
DCモータは定常状態であると仮定しており、I3 =I
1 となる。モータ電流の応答波形は図8に示すように指
数関数となるが、これを直線近似してモータ平均電流I
M は次式(12)により求められる。
【0062】
【数12】 IM =(I1 +I2 )/2 ・・・(12) 上式(12)を上式(9)に代入して次式(13)でモ
ータ抵抗値Rが算出される。
【0063】
【数13】 R={2(E−E0 )/(I1 +I2 )}・Dr ・・・(13) このように、本実施例のモータ抵抗値算出方法は、モー
タ平均電流IM をDCモータ7への通電状態がOFFか
らONに変化するモータ電流波形の立上がり時のモータ
電流のボトム値I1 とDCモータ7への通電状態がON
からOFFに変化するモータ電流波形の立下がり時のモ
ータ電流のピーク値I2 とを検出し、ボトム値I1 とピ
ーク値I2 とを平均して求めるものであり、これを請求
項4の実施例とすることができる。
【0064】したがって、モータ平均電流IM がDCモ
ータ7への通電状態のOFFからONに変化するモータ
電流波形の立上がり時のモータ電流のボトム値I1 とD
Cモータ7への通電状態のONからOFFに変化するモ
ータ電流波形の立下がり時のモータ電流のピーク値I2
とが検出され、それらのボトム値I1 とピーク値I2と
を平均することで求められる。故に、車両走行中でもD
Cモータ7のモータ抵抗値Rが所定のタイミングでモニ
タできるため、DCモータ7のモータ抵抗値Rをより正
確に算出できる。
【0065】〈第五実施例〉図9は本発明の第五実施例
にかかるモータ駆動電流補正方法を示すフローチャート
であり、図10は図9の制御におけるタイムチャートを
示す。なお、本実施例にかかるモータ駆動電流補正方法
を採用した電子式スロットル制御装置を示すハードウェ
ア構成については、上述の第一実施例における図1及び
図2と同一であるためその詳細な説明を省略する。
【0066】図9は、ECU10内のCPUにより実行
され、上述の第二実施例と同様に、モータ抵抗値算出方
法により求めたモータ抵抗値を用いてモータ駆動信号で
あるPWM駆動信号が補正処理される。
【0067】ステップS101で、モータ電流の瞬時値
からモータ平均電流が算出される。次にステップS10
2に移行して、ステップS101で求められたモータ平
均電流からモータ抵抗値が算出される。次にステップS
103に移行して、PWM駆動の制御定数がモータ抵抗
値で補正される。そして、ステップS104に移行し、
ステップS103で補正された制御定数に基づいてPW
M駆動信号が補正され、本プログラムを終了する。
【0068】このように、本実施例のモータ駆動電流補
正方法は、上述のモータ抵抗値算出方法で算出されたモ
ータ抵抗値Rに基づいてDCモータ7のモータ駆動電流
を補正するものであり、これを請求項5の実施例とする
ことができる。
【0069】したがって、車両走行中でも正確に算出さ
れたDCモータ7のモータ抵抗値Rに基づいてDCモー
タ7のモータ駆動電流が補正される。故に、モータ抵抗
値Rで補正されたPWM駆動の制御定数に基づいて補正
されたPWM駆動信号は精度が高く信頼性を向上するこ
とができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のモータ
抵抗値算出方法によれば、モータ抵抗値(R)を算出す
るための演算式R={(E−E0 )/IM }・Dr のパ
ラメータであるバッテリ電圧(E)、モータ逆起電力
(E0 )、モータ平均電流(IM)、デューティ比(Dr
)が、DCモータのモータ状態に制限されることなく
容易に検出でき、モータ抵抗値(R)は近似計算を用い
ることなく算出される。これにより、車両走行中でもD
Cモータのモータ抵抗値が所定のタイミングでモニタで
きるため、DCモータのモータ抵抗値をより正確に算出
することができる。
【0071】請求項2のモータ抵抗値算出方法によれ
ば、モータ抵抗値(R)を算出するためのパラメータで
あるバッテリ電圧(E)、デューティ比(Dr )、モー
タ電流(In )が、DCモータのモータ状態に制限され
ることなく容易に検出でき、モータ抵抗値(R)は近似
計算を用いることなく算出される。これにより、車両走
行中でもDCモータのモータ抵抗値が所定のタイミング
でモニタできるため、DCモータのモータ抵抗値をより
正確に算出することができる。
【0072】請求項3のモータ抵抗値算出方法によれ
ば、請求項1の効果に加えて、モータ平均電流が、DC
モータに流れる電流を平滑化したのちサンプリングする
ことで求められる。これにより、車両走行中でもDCモ
ータのモータ抵抗値Rが所定のタイミングでモニタでき
るため、DCモータのモータ抵抗値をより正確に算出す
ることができる。
【0073】請求項4のモータ抵抗値算出方法によれ
ば、請求項1の効果に加えて、モータ平均電流が、DC
モータへの通電状態のOFFからONに変化するモータ
電流波形の立上がり時のモータ電流のボトム値とDCモ
ータへの通電状態のONからOFFに変化するモータ電
流波形の立下がり時のモータ電流のピーク値とが検出さ
れ、それらのボトム値とピーク値とを平均することで求
められる。これにより、車両走行中でもDCモータのモ
ータ抵抗値が所定のタイミングでモニタできるため、D
Cモータのモータ抵抗値をより正確に算出することがで
きる。
【0074】請求項5のモータ駆動電流補正方法によれ
ば、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のモー
タ抵抗値算出方法の効果に加えて、その算出されたモー
タ抵抗値に基づいてDCモータのモータ駆動電流が補正
される。これにより、車両走行中でも正確なDCモータ
のモータ抵抗値で補正されたPWM駆動の制御定数に基
づいて補正されたPWM駆動信号は精度が高く信頼性を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は従来及び本発明の第一実施例乃至第五
実施例にかかるモータ抵抗値算出方法及びモータ駆動電
流補正方法を採用した電子式スロットル制御装置を示す
概略構成図である。
【図2】 図2は図1のモータ駆動回路を示す回路図で
ある。
【図3】 図3は本発明の第一実施例にかかるモータ抵
抗値算出方法を採用した電子式スロットル制御装置のモ
ータ通電状態におけるモータ電流波形を示す図である。
【図4】 図4は本発明の第一実施例にかかるモータ抵
抗値算出方法を採用した電子式スロットル制御装置のD
Cモータの電気的モデルを示す等価回路である。
【図5】 図5は図4のDCモータのモータ電流波形を
示す図である。
【図6】 図6は本発明の第二実施例にかかるモータ抵
抗値算出方法においてモータ平均電流を求める方法を示
す説明図である。
【図7】 図7は本発明の第三実施例にかかるモータ抵
抗値算出方法においてモータ平均電流を求める方法を示
す説明図である。
【図8】 図8は本発明の第四実施例にかかるモータ抵
抗値算出方法においてモータ平均電流を求める方法を示
す説明図である。
【図9】 図9は本発明の第五実施例にかかるモータ駆
動電流補正方法を示すフローチャートである。
【図10】 図10は図9の制御におけるタイムチャー
トである。
【符号の説明】
1 吸気管 3 スロットルバルブ 4 スロットル開度センサ 5 リターンスプリング 7 DCモータ 8 アクセルペダル 9 モータ駆動回路 10 ECU(電子制御装置)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセルペダルの踏込量に応じて直流モ
    ータを駆動しスロットルバルブの開度を制御するスロッ
    トル制御装置のモータ抵抗値算出方法において、 バッテリ電圧(E)と前記直流モータのモータ逆起電力
    (E0 )と前記直流モータに流れる電流の平均値である
    モータ平均電流(IM )とモータ駆動信号のデューティ
    比(Dr )とから、 R={(E−E0 )/IM }・Dr の演算式に基づいて、前記直流モータのモータ抵抗値
    (R)を算出することを特徴とするモータ抵抗値算出方
    法。
  2. 【請求項2】 アクセルペダルの踏込量に応じて直流モ
    ータを駆動しスロットルバルブの開度を制御するスロッ
    トル制御装置のモータ抵抗値算出方法において、 バッテリ電圧(E)とモータ駆動信号のデューティ比
    (Dr )とデューティ周期毎にランダムなタイミングで
    検出される瞬時のモータ電流(In )とから、そのとき
    のモータ抵抗値(Rn =(E−E0 )・Dr /In )を
    求め、それを平均化することによって前記直流モータの
    モータ抵抗値(R)を算出することを特徴とするモータ
    抵抗値算出方法。
  3. 【請求項3】 前記モータ平均電流は、前記直流モータ
    に流れる電流を平滑化したのちサンプリングして求める
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ抵抗値算出方
    法。
  4. 【請求項4】 前記モータ平均電流は、前記直流モータ
    への通電状態がOFFからONに変化するモータ電流波
    形の立上がり時のモータ電流のボトム値と前記直流モー
    タへの通電状態がONからOFFに変化するモータ電流
    波形の立下がり時のモータ電流のピーク値とを検出し、
    前記ボトム値と前記ピーク値とを平均して求めることを
    特徴とする請求項1に記載のモータ抵抗値算出方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに
    記載のモータ抵抗値算出方法で算出された前記モータ抵
    抗値に基づいて前記直流モータのモータ駆動電流を補正
    することを特徴とするモータ駆動電流補正方法。
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