JP3897503B2 - アクチュエータ駆動装置の故障検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたモータ等のアクチュエータのための駆動装置に係る。詳しくは、この種のアクチュエータ駆動装置における故障を検出する故障検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アクチュエータ駆動装置として、4個のトランジスタをブリッジ接続してなるブリッジ回路を備え、そのブリッジ回路に接続されたアクチュエータとしてのモータをPWM駆動させるようにしたものがある。この種のモータ駆動装置においては、ブリッジ回路のトランジスタが短絡故障した場合、同回路やモータを流れる電流が過剰となり、モータを正常に駆動させることが困難となる。そこで、この種の短絡故障に対処するためには、故障を適正に検出する必要がある。
【0003】
ここで、特開平9−285182号はこの種の故障検出装置の一例を開示する。図10にその構成の概略を示す。この故障検出装置の検出対象となるモータ駆動装置は、ブリッジ回路81を構成する第1〜第4のトランジスタ82,83,84,85を備える。ブリッジ回路81の一端はリレー86を介して電源87に接続され、同回路81の他端はシャント抵抗88を介してグランドGNDに接続される。モータ89は一対の端子89a,89bによりブリッジ回路81に接続される。この他、同駆動装置は、各トランジスタ82〜85を選択的にPWM駆動させるための複数の駆動回路90A,90B,90C,90Dと、シャント抵抗88に接続された電流検出回路91と、リレー86及び各駆動回路90A〜90Dを制御するための制御回路92とを備える。制御回路92は、各トランジスタ82〜85のうち電源側に接続された第1及び第2のトランジスタ82,83の一方及びグランド側に接続された第3及び第4のトランジスタ84,85の一方をオフさせると共に、電源側のトランジスタ82,83の他方及びグランド側のトランジスタ84,85の他方をPWM駆動又はオン駆動させることにより、モータ89を正転又は逆転させるようになっている。ここで、故障検出装置はシャント抵抗88、電流検出回路91及び制御回路92を含む。シャント抵抗88及び電流検出回路91は、ブリッジ回路81を流れる電流を検出するためのものである。制御回路92は、シャント抵抗88及び電流検出回路91により検出される電流値を所定の基準値と比較して異常であるか否かを判定する。即ち、制御回路92は、各トランジスタ82〜85へのPWM信号(デューティ値)とシャント抵抗88等による検出電流値との関係で予め定められた異常判定領域を関数データとして予め記憶する。そして、制御回路92は、実際のデューティ値と実際の検出電流値との関係が上記異常判定領域に入ると判定した場合、即ち、検出電流値が異常に増加している場合に、各トランジスタ82〜85に短絡故障が発生していることを検出する。
【0004】
上記モータ駆動装置を適用した装置として、例えば、自動車用エンジン等に適用される電子スロットル制御装置がある。電子スロットル制御装置は、電子スロットルと、そのスロットルバルブのためのオープナ機構と、電子スロットルを制御するためのコントローラとを備える。
【0005】
電子スロットルは、リンクレスタイプのスロットルバルブをモータにより開閉駆動させるものである。コントローラは、運転者によるアクセルペダルの操作量に基づいてスロットルバルブの目標開度を算出設定し、その設定された目標開度と実際に検出されたスロットルバルブの実開度との開度偏差を算出し、その開度偏差に基づいてモータを正逆双方向へ選択的にフィードバック制御することにより、スロットルバルブの開閉動作を制御する。このモータの駆動制御のために、上記モータ駆動装置が適用されるのである。
【0006】
オープナ機構は、モータへの通電が停止されたときに、スロットルバルブがリターンスプリングにより閉方向へ回動されるのをオープナスプリングとの釣り合いによりスロットルバルブを全閉状態に対して若干開いた状態(オープナ開度)に保持するためのものである。このようにスロットルバルブをオープナ開度に保持することにより、例えば、自動車走行中における電子スロットルの故障に対処することができる。即ち、自動車走行中に、万が一、電子スロットルに故障が発生した場合、電子スロットルが不用意に動作するのを防ぐために、モータへの通電を停止させることにより、電子スロットルの制御を強制停止させる。このような故障対処時に、スロットルバルブをオープナ開度に保持させることにより、電子スロットル制御が強制停止された後でも、オープナ開度により必要最小限の吸気を確保してエンジンの運転を持続させ、自動車の路肩への退避走行を可能にしている。
このようなオープナ機構を備えた電子スロットルでは、モータの非通電時に保持されるスロットルバルブのオープナ開度が、スロットルバルブにとってリターンスプリングとオープナスプリングとの均衡により決定される安定位置を意味することになる。そして、このオープナ開度を境にして、スロットルバルブがモータにより開方向又は閉方向へ駆動されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の故障検出装置では、モータ89の各端子89a,89bがグランドGNDに短絡するような故障が発生した場合、電源側の各トランジスタ82,83に流れる電流は、シャント抵抗88を通ることなくグランドGNDへ流れてしまう。このため、シャント抵抗88等を使用して過剰電流を検出することでは、この種の短絡故障を検出することはできなかった。
【0008】
ここで、本願発明者は、上記モータ駆動装置を適用した電子スロットル制御装置で、スロットルバルブをオープナ開度から開方向へ所定量だけ駆動させて保持した状態でモータの接続端子がグランドに短絡するような故障が発生した場合、ある種の関係性が存在することを発見した。即ち、発明者は、スロットルバルブのオープナ開度に対する開閉位置と、モータ駆動出力の方向との関係が、正常な場合とはまったく逆の状態(不正常な状態)を示すときに、モータの接続端子がグランドに短絡する故障が発生していることを発見し、その故障の検出可能性を確認した。
【0009】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、オープナ機構等の保持手段によりオープナ開度等の安定位置に保持されるスロットルバルブ等の可動部材を正逆双方向へ動作させるために通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたアクチュエータにつき、そのアクチュエータの双方向駆動回路に対する接続端子がグランドに短絡した故障を適正に検出することを可能にしたアクチュエータ駆動装置の故障検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所定の可動部材を正逆双方向へ動作させるために通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたアクチュエータと、複数のトランジスタをブリッジ接続してなり、アクチュエータを正逆双方向へ駆動出力させるために同アクチュエータに対して正逆双方向への通電を可能にしたブリッジ回路と、アクチュエータへの通電が停止されたとき可動部材を所定の安定位置に保持するための保持手段とを備えたアクチュエータ駆動装置における故障を検出する故障検出装置において、アクチュエータの駆動出力の方向が正方向であるのに可動部材の動作位置が安定位置より逆方向の位置にある状態、又は、アクチュエータの駆動出力の方向が逆方向であるのに可動部材の動作位置が安定位置より正方向の位置にある状態で所定時間以上継続したとき、ブリッジ回路に対するアクチュエータの接続がグランドに短絡する故障が発生したと判定する故障判定手段を備えたことを趣旨とする。
【0011】
従来の故障検出装置では、ブリッジ回路を流れる電流をシャント抵抗等により検出し、その検出電流値が異常に増加している場合、ブリッジ回路を構成するトランジスタに短絡故障が発生したことを検出するようにしていた。このため、アクチュエータの接続端子がグランドと短絡するような故障が発生した場合には、シャント抵抗等を電流が流れなくなることから、従来と同じ条件では、この種の短絡故障を検出することができなかった。
しかしながら、上記発明の構成によれば、アクチュエータの駆動出力の方向が正方向であるのに可動部材の動作位置が安定位置より逆方向の位置にある状態、又は、アクチュエータの駆動出力の方向が逆方向であるのに可動部材の動作位置が安定位置より正方向の位置にある状態で所定時間以上継続したとき、ブリッジ回路に対するアクチュエータの接続がグランドに短絡する故障が発生したことが故障判定手段により判定される。従って、シャント抵抗等の有無に拘わらず、上記短絡故障の検出が可能になる。
【0012】
【0013】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、所定の可動部材を正逆双方向へ動作させるために通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたアクチュエータと、複数のトランジスタをブリッジ接続してなり、アクチュエータを正逆双方向へ駆動出力させるために同アクチュエータに対して正逆双方向への通電を可能にしたブリッジ回路と、アクチュエータへの通電が停止されたとき可動部材を所定の安定位置に保持するための保持手段と、アクチュエータ又はブリッジ回路を流れる電流を検出するための電流検出手段とを備えたアクチュエータ駆動装置における故障を検出する故障検出装置において、アクチュエータに対する通電量が正方向又は逆方向において所定値より大きくなる場合において、検出される電流値が所定の基準値よりも小さい状態で所定時間以上継続したとき、ブリッジ回路に対するアクチュエータの接続がグランドに短絡する故障が発生したと判定する故障判定手段を備えたことを趣旨とする。
【0015】
上記発明の構成によれば、アクチュエータ又はブリッジ回路を流れる電流を電流検出手段により検出するようにしていることから、そのブリッジ回路の一部構成が短絡した場合には、検出される電流値が異常に増加したときに、同短絡故障の発生が判定される。しかし、ブリッジ回路に対するアクチュエータの接続端子において短絡故障が発生した場合には、電流検出手段に電流が流れなくなることから、上記条件と同じ条件では同短絡故障の発生を判定することができない。
ところが、上記発明の構成によれば、アクチュエータに対する通電量が正方向又は逆方向において所定値より大きくなる場合において、検出される電流値が所定の基準値よりも小さい状態で所定時間以上継続したとき、ブリッジ回路に対する前記アクチュエータの接続がグランドに短絡する故障が発生したと故障判定手段により判定され、同故障の検出が可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明(請求項1)のアクチュエータ駆動装置の故障検出装置を電子スロットル制御装置に具体化した第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1に電子スロット制御装置の概略構成を示す。電子スロットル制御装置は、オープナ機構1を備えた電子スロットル2と、その電子スロットル2を制御するためのスロットルコントローラ3とを備える。電子スロットル2は、自動車用エンジン(図示略)の出力を調節するためのものであり、エンジンの吸気通路4に設けられたスロットルバルブ5をモータ6により開閉駆動させると共に、そのときのスロットルバルブ5の実際の開度(実開度)TAをスロットルセンサ7により検出するようにしたものである。スロットルバルブ5は、アクセルペダル8の操作には機械的に連動することのないリンクレスタイプのものである。即ち、スロットルバルブ5は、アクセルセンサ9により検出されるアクセルペダル8の操作量に基づいてスロットルコントローラ3が制御するモータ6の駆動力を受けて動作するようになっている。
この実施の形態で、オープナ機構1は本発明の保持手段に相当し、スロットルバルブ5は本発明の可動部材に相当し、モータ6は本発明のアクチュエータに相当するものである。
【0018】
スロットルバルブ5は、吸気通路4を貫通するスロットル軸10により回動可能に支持される。スロットル軸10の一端にはモータ6が連結され、その他端にはスロットルセンサ7が連結される。モータ6の出力軸は、スロットル軸10に対してギアを介さずに直接的に連結される。
【0019】
スロットルセンサ7は、例えば、ポテンショメータより構成される。アクセルセンサ9は、スロットルバルブ5の目標開度RAを設定するために、運転者によるアクセルペダル8の操作量を目標開度RAとして検出するためのものであり、例えば、ポテンショメータより構成される。
【0020】
オープナ機構1は、モータ6に対する通電が停止されたときに、スロットルバルブ5を全閉状態から若干開いたオープナ開度TOに保持するためのものである。図2には、そのオープナ機構1を含む電子スロットル2の構成概念を示し、図3には、オープナ機構1によるスロットルバルブ5の動作を示す。
図1に示すように、電子スロットル2及びオープナ機構1は、スロットルハウジング(以下、単に「ハウジング」と言う。)31に一体的に設けられる。スロットルバルブ5は吸気通路4に配置され、スロットル軸10を中心に回動可能にハウジング31に支持される。スロットル軸10の一端にはモータ6が、スロットル軸10の他端にはスロットルセンサ7がそれぞれ連結される。ここで、スロットルバルブ5の開閉につき、図3に示すように、その全閉位置Sから全開位置Fへ向かう方向を開方向とし、全開位置Fから全閉位置Sへ向かう方向を閉方向とする。
【0021】
スロットル軸10の他端に設けられたオープナ機構1は、エンジンの停止時、即ちモータ6の非通電時に、スロットルバルブ5を所定のオープナ開度位置Nに保持するためのオープナレバー32を備える。このオープナレバー32には、リターンスプリング33の一端が固定され、同スプリング33の他端はハウジング31に固定される。リターンスプリング33はオープナレバー32を介してスロットルバルブ5を閉方向へ付勢する。オープナレバー32は所定の回動位置で全開ストッパ34に係合して停止する。ハウジング31には、スロットルバルブ5を全閉位置Sに保持するための全閉ストッパ35が設けられる。オープナレバー32には、オープナスプリング36の一端が固定される。オープナスプリング36の他端は、スロットル軸10に固定される。オープナスプリング36は、スロットルバルブ5を開方向へ付勢する。この実施の形態では、オープナレバー32、リターンスプリング33、全開ストッパ34、全閉ストッパ35及びオープナスプリング36等により、本発明のオープナ機構1が構成される。
【0022】
ここで、リターンスプリング33の付勢力は、モータ6の駆動力よりも小さく、モータ6の非通電時におけるディテントトルクよりも大きく設定される。この設定は、モータ6の通電時には、リターンスプリング33又はオープナスプリング36の付勢力に抗してスロットルバルブ5を開閉させ、非通電時には、リターンスプリング33とオープナスプリング36との釣り合いによりスロットルバルブ5を所定のオープナ開度位置Nに保持するためのものである。
【0023】
図3に示すように、オープナ開度位置Nは、エンジンの停止時にモータ6への通電が停止されているときの初期開度となる。一方、エンジンの運転中にモータ6への通電が停止されたときには、このオープナ開度位置Nが、自動車の路肩への退避走行を可能にする程度の出力レベルを維持させながら、エンジンの運転を持続させることのできる開度となる。エンジンの停止時、或いは、モータ6の非通電時には、スロットル軸10及びオープナレバー32がリターンスプリング36により閉方向へ付勢される。これと同時に、スロットル軸10がオープナスプリング36により開方向へ付勢される。そして、これらリターンスプリング33及びオープナスプリング36の釣り合いにより、スロットルバルブ5がオープナ開度位置Nに保持される。この実施の形態で、オープナ機構1は、モータ6への通電が停止されたときスロットルバルブ5を所定の安定位置としてのオープナ開度位置Nに保持するための、本発明の保持手段に相当する。
【0024】
スロットルバルブ5をオープナ開度位置Nから全開位置Fへ開くには、モータ6の駆動力がリターンスプリング33の付勢力に抗してスロットル軸10に作用し、オープナレバー32が全開ストッパ34に係合するまでスロットル軸10が回動されることになる。一方、スロットルバルブ5をオープナ開度位置Nから全閉位置Sまで閉じるには、モータ6の駆動力がオープナスプリング36の付勢力に抗してスロットル軸10に作用し、同軸10が全閉ストッパ35に係合するまで回動される。
【0025】
ここで、エンジンの運転時には、モータ6がアクセルペダル8の操作に基づいてスロットルコントローラ3によりフィードバック制御されることにより、スロットルバルブ5が所定の目標開度で開かれる。このとき、スロットルバルブ5の目標開度は、アクセルペダル8の操作量に応じて、図3に示すように全閉位置Sから全開位置Fまでの作動範囲の中で決定される。全開位置Fでは、オープナレバー32が全開ストッパ34に係合することから、吸気通路4が最大限に開かれた状態でスロットルバルブ5が保持される。この全開ストッパ34があることから、スロットルバルブ5が全開位置Fを超えて開方向へ余分に回動することがない。一方、全閉位置Sでは、スロットル軸10が全閉ストッパ35に係合することから、吸気通路4が全閉となる状態でスロットルバルブ5が保持される。この全閉ストッパ35があることから、スロットルバルブ5が全閉位置Sを超えて閉方向へ余分に回動することがない。そして、モータ6に対する通電が停止されたときには、前述したようにリターンスプリング33及びオープナスプリング36の釣り合いにより、スロットルバルブ5が全閉状態Sから若干開いたオープナ開度位置Nに保持されることになる。
【0026】
図4にはスロットルコントローラ3等の電気的構成をブロック図に示す。スロットルコントローラは、マイクロコンピュータ(マイコン)41、A/D変換器42、差動アンプ43、駆動回路44及びブリッジ回路45を含む。この実施の形態において、モータ6を駆動するためのモータ駆動装置はマイコン41、駆動回路44、ブリッジ回路45及び電源50等を含む。ブリッジ回路45は、第1〜第4の電界効果トランジスタ(第1〜第4のFET)46,47,48,49をブリッジ接続することにより構成される。ブリッジ回路45の一端は電源50に接続され、同回路45の他端はシャント抵抗51を介してグランドGNDに接続される。駆動回路44はブリッジ回路45の各FET46〜49を駆動させるためのものである。モータ6は一対の接続端子6a,6bによりブリッジ回路45に接続される。その一方の接続端子6aは、第1のFET46と第3のFET48との間に接続され、他方の接続端子6bは第2のFET47と第4のFET49との間に接続される。シャント抵抗51は差動アンプ43を介してA/D変換器42に接続される。A/D変換器42及び駆動回路44はマイコン41に接続される。
マイコン41は、周知のように中央処理装置(CPU)、読み出し書き換えメモリ(RAM)及び読み出し専用メモリ(ROM)等を備える。ROMには、電子スロットル2に係る制御プログラム及びモータ駆動装置の故障検出に係る故障検出プログラム等が記憶される。A/D変換器42は、各センサ7,9から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換してマイコン41へ出力する。駆動回路44は、マイコン41から出力される制御信号を受けてブリッジ回路45を介してモータ6へ駆動信号を出力する。この実施の形態において、マイコン41は、電子スロットル2の制御とモータ駆動装置の故障検出を統括するものであり、本発明の故障判定手段を構成する。
【0027】
スロットルセンサ7から出力される実開度TAに対応するアナログ信号は、A/D変換器42によりデジタル値の実開度信号に変換され、その信号がマイコン41に入力される。アクセルセンサ9から出力される目標開度RAに対応するアナログ信号は、同じくA/D変換器42によりデジタル値の目標開度信号に変換され、その信号がマイコン41に入力される。
【0028】
マイコン41は、PID制御の手法に従い入力される実開度信号及び目標開度信号に基づいてモータ6を制御する。即ち、マイコン41は、入力される各信号値に基づいて目標開度RAと実開度TAとの開度偏差ERRの値を算出し、その開度偏差ERRの値に基づいて所定の計算式に従って制御量dutyの値を算出する。そして、マイコン41は、その制御量dutyの値に応じた制御信号(デューティ信号)を駆動回路44及びブリッジ回路45を介して駆動信号としてモータ6へ出力し、モータ6のコイル電流を制御する。これにより、マイコン41はモータ6をフィードバック制御してスロットルバルブ5の実開度TAを目標開度RAに近付けるのである。
【0029】
ここで、駆動回路44は、具体的には、マイコン41で算出される制御量dutyに基づいてブリッジ回路45の各FET46〜49を選択的にスイッチングすることにより、モータ6のコイル電流を変化させるPWM方式を採用したものである。
即ち、マイコン41は駆動回路44により第1のFET46をオンさせ、第3のFET48をオフさせる。このとき、マイコン41は、駆動回路44により所定の制御量dutyの値に基づいて第4のFET49をPWM駆動させると共に、第2のFET47を第4のFET49に対して逆位相でPWM駆動させる。これにより、第1のFET46、接続端子6a、モータ6、接続端子6b及び第4のFET49を順に流れるようにモータ電流MIを正方向へ制御する。そして、第2のFET47に還流電流FIが流れるとき、マイコン41は第4のFET49をオフ状態とするのに対して第2のFET47をオン状態にする。これにより、第2のFET47の消費電力が第1及び第4のFET46,49の消費電力に近付けられ、第2のFET47の発熱量が抑えられる。
その逆に、マイコン41は、駆動回路44により第4のFET49をオフさせ、第2のFET47をオンさせる。このとき、マイコン41は、駆動回路44により所定の制御量dutyの値に基づいて第3のFET48をPWM駆動させると共に、第1のFET46を第3のFET48に対して逆位相でPWM駆動させる。これにより、マイコン41は第2のFET47、接続端子6b、モータ6、接続端子6a及び第3のFET48を順に流れるようにモータ電流MIを逆方向へ制御する。そして、第1のFET46に還流電流FIが流れるとき、マイコン41は第3のFET48をオフ状態とするのに対して第1のFET46をオン状態とする。これにより、第1のFET46の消費電力が第2及び第3のFET47,48の消費電力に近付けられ、第1のFET46の発熱量が抑えられる。
【0030】
ここで、ブリッジ回路45のPWM駆動の一例を図5,6のタイムチャートに示す。図5には、制御量dutyを「75%」としてモータ6を正方向へ駆動させた場合(即ち「正転」させた場合)の各FET46〜49のスイッチング状態を示す。図6には、制御量dutyを「−75%」としてモータ6を逆方向へ駆動させた場合(即ち「逆転」させた場合)の各FET46〜49のスイッチング状態を示す。上記モータ駆動装置が正常に動作している場合、オープナ機構1の付勢力に抗してスロットルバルブ5をオープナ開度位置Nよりも開側で保持するには、制御量dutyを正の値としてブリッジ回路45に正方向のモータ電流MIを流すことになる。その逆に、オープナ機構1の付勢力に抗してスロットルバルブ5をオープナ開度位置Nよりも閉側で保持するには、制御量dutyを負の値としてブリッジ回路45に逆方向のモータ電流MIを流すことになる。
【0031】
次に、マイコン41が実行するモータ駆動装置のための故障検出プログラムの内容について説明する。図7にこの故障検出プログラムの処理内容をフローチャートに示す。マイコン41は、本ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
【0032】
このルーチンの処理が始まると、ステップ100で、マイコン41は、今回設定された制御量dutyの値が「0」よりも大きいか否かを判定する。この制御量dutyの値は、別途の「電子スロットル制御ルーチン」により算出設定されるものである。制御量dutyの値が「0」よりも大きい場合、マイコン41は、処理をステップ110へ移行する。
【0033】
ステップ110で、マイコン41は、スロットルセンサ7で検出される実開度TAの値が安定位置であるオープナ開度TOよりも小さいか否かを判定する。そして、実開度TAの値がオープナ開度TOの値よりも小さい場合、マイコン41は、ステップ111でカウンタCUTの値を「1」だけインクリメントして処理をステップ120へ移行する。実開度TAの値がオープナ開度TOの値よりも小さくない場合、マイコン41は、ステップ112でカウンタCUTの値を「0」にクリアして処理をステップ120へ移行する。
【0034】
ステップ120で、マイコン41は、カウンタCUTの値が所定の基準値CUT1よりも大きいか否かを判定する。即ち、制御量dutyが正の値であるにも拘わらず実開度TAがオープナ開度TOよりも閉側の値になってから基準値CUT1に相当する所定時間だけ経過したか否かを判定するのである。
ここで、ステップ100,110の条件が成立したとき、或いは、ステップ130,140の条件が成立したときに、基準値CUT1に相当する所定時間の経過を待つのは、正常時でもスロットルバルブ5が動くときには、その目標開度付近で同バルブ5の動きを止めるためにモータ6を逆方向に駆動することが過渡的にはあることから、それに起因して故障が誤検出されることを回避するためである。
ここでの判定結果が肯定である場合、モータ駆動装置に故障が発生しているものとして、マイコン41は、ステップ121で故障検出フラグXFを「1」に設定してその後の処理を一旦終了する。即ち、ここではモータ駆動回路のブリッジ回路45に対するモータ6の接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡する故障が発生しているものと判定され、故障検出フラグXFが「1」に設定されるのである。ステップ120の判定結果が否定である場合、モータ駆動装置が正常であるものとして、マイコン41はそのままその後の処理を一旦終了する。
【0035】
一方、ステップ100で、制御量dutyの値が「0」よりも大きくない場合、ステップ130で、マイコン41は、今回設定された制御量dutyの値が「0」よりも小さいか否かを判定する。制御量dutyの値が「0」よりも小さい場合、マイコン41は、ステップ140へ処理を移行する。
【0036】
ステップ140で、マイコン41は、スロットルセンサ7で検出される実開度TAの値が安定位置であるオープナ開度TOよりも大きいか否かを判定する。そして、実開度TAの値がオープナ開度TOの値よりも大きい場合、マイコン41は、ステップ141でカウンタCUTの値を「1」だけインクリメントして処理をステップ120へ移行する。
【0037】
ステップ130で、制御量dutyの値が「0」よりも小さくない場合、又は、ステップ140で、実開度TAの値がオープナ開度TOの値よりも大きくない場合、マイコン41は、ステップ142でカウンタCUTを「0」にクリアして処理をステップ120へ移行する。
【0038】
そして、ステップ141又はステップ142から移行してステップ120,121で、マイコン41は上記と同様の処理を行う。
【0039】
以上説明したように本実施の形態の故障検出装置の構成によれば、モ−タ6の駆動出力の方向と、スロットルバルブ5の開閉位置との関係に基づき、モータ駆動回路におけるモータ6の接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡する故障が発生したことがマイコン45により判定される。即ち、モータ6の動作が正転状態であるか逆転状態であるかということと、スロットルバルブ5がオープナ開度TOよりも開側に位置するか閉側に位置するかということとの関係に基づき、ブリッジ回路45に対するモータ6の接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡する故障が発生したことがマイコン45により判定される。
【0040】
例えば、スロットルバルブ5がオープナ開度TOより開側の位置で保持された状態で、ブリッジ回路45に対するモータ6の一方の接続端子6bがグランドGNDに短絡したとする。このとき、制御量dutyの値は正であるが、PWM駆動すべき第4のFET49が短絡したのと同じになるので、制御量dutyの値が「100%」と同じ状態となり、スロットルバルブ5は開側へ動こうとする。しかし、マイコン41はスロットルセンサ7の検出値に基づいてモータ6をフィードバック制御していることから、制御量dutyの値はやがて低下して負の値となる。そして、負の値の制御量dutyになると、そのオン期間は電源50、第2のFET47、接続端子6b、モータ6、接続端子6a、第3のFET48及びグランドGNDの順で若干の電流が流れることから、マイコン41はスロットルバルブ5をオープナ開度TO(オープナ開度位置N)よりも閉側に動かすためにモータ6を逆転させようとすることになる。しかし、オフ期間は、電源50、第1のFET46、接続端子6a、モータ6、接続端子6b及びグランドGNDの順で電流が流れることから、マイコン41はスロットルバルブ5をオープナ開度TO(オープナ開度位置N)よりも開側に動かすためにモータ6を正転させようとすることになる。そして、負の値のある制御量dutyでスロットルバルブ5の開駆動と閉駆動とがうまく均衡してスロットルバルブ5が目標開度に停止することになる。このため、スロットルバルブ5がオープナ開度TOより開側で停止しているにも拘わらず制御量dutyが負の値となる。
つまり、モータ6の駆動出力の方向と、オープナ開度TOに対するスロットルバルブ5の開閉位置との関係が正常な場合とはまったく逆の関係を有する不正常な状態を示すことになる。ここで、本願発明者は、上記不正常な状態の関係が成立する場合が、ブリッジ回路45に対するモータ6の接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡して故障しているときであることを予め実験的に確認している。
【0041】
ここで、従来例の故障検出装置では、ブリッジ回路81を流れる電流をシャント抵抗88等により検出し、その検出された電流値が異常に増加している場合に、ブリッジ回路81における各トランジスタ82〜85に短絡故障が発生しているものとして、そのことを検出するようにしていた。このため、モータ89の接続端子89a,89bがグランドGNDに短絡するような故障が発生した場合には、シャント抵抗88を電流が流れなくなることから、その電流値が過剰になるという従来の条件によっては、この種の短絡故障を検出することができなかった。
しかしながら、本実施の形態の故障検出装置によれば、モータ6の駆動出力の方向とオープナ開度TO(オープナ開度位置N)に対するスロットルバルブ5の開閉位置との関係が、上記不正常な状態で所定時間以上継続したとき、ブリッジ回路45に対するモータ6の接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡した故障が発生していることが判定される。このため、従来例の故障検出装置で使用していたシャント抵抗等の有無に拘わらず、オープナ機構1によりオープナ開度TO(オープナ開度位置N)に保持されるスロットルバルブ5を開閉双方向へ動作させるために通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたモータ6につき、そのモータ6のブリッジ回路45に対する接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡した故障を適正に検出することができるようになる。
【0042】
この実施の形態の故障検出装置では、従来例のそれと同じくシャント抵抗51を備えるので、そのシャント抵抗51とそれに対応して設けられた差動アンプ43とを使用し、そのシャント抵抗51を流れる電流の大きさをマイコン41で判定することにより、従来例の故障検出装置と同様に、各FET46〜49における短絡故障を検出することもできる。
【0043】
[第2の実施の形態]
次に、本発明(請求項2)のアクチュエータ駆動装置の故障検出装置を具体化した第2の実施の形態を図面に従って説明する。
尚、本実施の形態において、前記第1の実施の形態における故障検出装置の構成と同一の部材等については同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
【0044】
この実施の形態では、マイコン41が実行する故障検出プログラムの処理内容の点で前記第1の実施の形態と異なる。この実施の形態では、図4に示すシャント抵抗51及び差動アンプ43により本発明の電流検出手段が構成される。又、マイコン41は、本発明の短絡故障検出手段に相当する。
【0045】
図8にマイコン41が実行する故障検出プログラムの処理内容を示す。即ち、この実施の形態では、ステップ200,210及びステップ230,240の処理内容の点で、図7に示すステップ100,110及びステップ130,140の処理内容と異なる。
【0046】
即ち、図8に示すルーチンの処理が始まると、ステップ200で、マイコン41は、今回設定された制御量dutyの値が「正の所定値(例えば、70%)」より大きいか否かを判定する。制御量dutyの値が「正の所定値」より大きい場合、マイコン41は、ステップ210へ処理を移行する。
【0047】
ステップ210で、マイコン41は、シャント抵抗51及び差動アンプ43により検出されるモータ電流MIの値が所定の基準値MI1よりも小さいか否かを判定する。ここで、基準値MI1とは、例えば、所定値の制御量dutyに見合った電流値を意味する。そして、モータ電流MIの値が基準値MI1よりも小さい場合、マイコン41は、ステップ211でカウンタCUTの値を「1」だけインクリメントして処理をステップ220へ移行する。モータ電流MIの値が基準値MI1よりも小さくない場合、マイコン41は、ステップ212でカウンタCUTの値を「0」にクリアして処理をステップ220へ移行する。
【0048】
一方、ステップ200で、制御量dutyの値が「正所定値」より大きくない場合、ステップ230で、マイコン41は、今回設定された制御量dutyが「負の所定値(例えば、−70%)」より小さいか否かを判定する。制御量dutyの値が「負の所定値」より小さい場合、マイコン41は、処理をステップ240へ移行する。
【0049】
ステップ240で、マイコン41は、シャント抵抗51等により検出されるモータ電流MIの値が基準値MI1よりも小さいか否かを判定する。そして、モータ電流MIの値が基準値MI1よりも小さい場合、マイコン41は、ステップ241でカウンタCUTの値を「1」だけインクリメントして処理をステップ220へ移行する。
【0050】
ステップ230で、制御量dutyの値が「負の所定値」より小さくない場合、又は、ステップ240で、モータ電流MIの値が基準値MI1よりも小さくない場合、ステップ242で、マイコン41はカウンタCUTを「0」にクリアして処理をステップ220へ移行する。
【0051】
そして、ステップ211,212又はステップ241,242から移行してステップ220で、マイコン41は、カウンタCUTの値が所定の基準値CUT1よりも大きいか否かを判定する。即ち、制御量dutyの値が「正の所定値」より大きい、又は「負の所定値」より小さいにも拘わらず、モータ電流MIが基準値MI1より小さくなってから基準値CUT1に相当する所定時間だけ経過したか否かを判定するのである。
ここでの判定結果が肯定である場合、モータ駆動装置に短絡故障が発生しているものとして、マイコン41は、ステップ221で故障検出フラグXFを「1」に設定してその後の処理を一旦終了する。即ち、ここではブリッジ回路45に対するモータ6の端子6a,6bがグランドGNDに短絡する故障が発生しているものとして故障検出フラグXFが「1」に設定されるのである。ステップ220の判定結果が否定である場合、モータ駆動装置は正常であるものとして、マイコン41はそのままその後の処理を一旦終了する。
【0052】
以上説明したように本実施の形態の故障検出装置の構成によれば、制御量dutyの絶対値が「所定値」より大きいにも拘わらず、シャント抵抗51及び差動アンプ43により検出されるモータ電流MIの値が所定の基準値MI1よりも小さい状態で所定時間以上継続したとき、モータ駆動装置に対するモータ6の接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡する故障が発生していることがマイコン41により判定される。即ち、モータ6を正の所定の駆動量以上又は負の所定の駆動量以下で正転又は逆転させていることと、そのときにブリッジ回路45に必要充分なモータ電流MIが流れていないということとの関係に基づき、ブリッジ回路45に対するモータ6の接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡する故障が発生していることがマイコン45により判定される。この意味で、オープナ機構1によりオープナ開度TO(オープナ開度位置N)に保持されるスロットルバルブ5を開閉双方向へ動作させるために通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたモータ6につき、そのモータ6のブリッジ回路45に対する接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡した故障を適正に検出することができるようになる。
【0053】
例えば、スロットルバルブ5がオープナ開度TO(オープナ開度位置N)より開側で保持された状態で、モータ6の一方の接続端子6aがグランドGNDに短絡したとする。この場合、制御量dutyは正の値ではあるが、電源50、第1のFET46、接続端子6a、モータ6、接続端子6b、第4のFET49及びグランドGNDの順に流れるモータ電流MIは、その大部分が電源50、第1のFET46、接続端子6a及びグランドGNDの経路で流れてしまう。これにより、スロットルバルブ5を開側へ動かすモータ6の力が弱くなるが、マイコン41はスロットルセンサ7の検出値に基づいてモータ6をフィードバック制御するので、制御量dutyの値は徐々に増加して「正の所定値」より大きくなる。ここでは、第1のFET46をオフさせる期間中、電源50、第2のFET、接続端子6b、モータ6、接続端子6a及びグランドGNDの順に逆方向のモータ電流MIが流れることで、スロットルバルブ5をオープナ開度TO(オープナ開度位置N)より閉側に動かそうとすることも、制御量dutyが増加する一因である。このため、制御量dutyが「正の所定値」より大きいにも拘わらず、モータ電流MIの殆どが電源50、第1のFET46、接続端子6a及びグランドGNDの経路で流れてしまい、シャント抵抗51を流れ難くなる。よって、制御量dutyが「正の所定値」より大きいにも拘わらずモータ電流MIが基準値MI1より小さいときに、モータ6の接続端子6a,6bがグランドGNDに短絡する故障が発生したこが判定されるのである。
【0054】
尚、この発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
【0055】
前記各実施の形態では、本発明を電子スロットル制御装置に具体化し、可動部材としてスロットルバルブ5を、アクチュエータとしてモータ6を、保持手段としてオープナ機構1をそれぞれ設けた。
これに対して、図9に示すように、一対の規制壁61A,61Bの間でアクチュエータ62により水平方向へ往復駆動される可動部材63を設ける。その可動部材63を互いに180°異なる方向から付勢する一対のスプリング64A,64Bを設けて規制壁61A,61Bと共に保持手段を構成する。そして、可動部材63の水平位置を位置センサ65により検出するように構成してもよい。この場合、可動部材63は両スプリング64A,64Bの付勢力が均衡する位置を安定位置として保持手段により保持されることになる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の構成によれば、保持手段により安定位置に保持される可動部材を正逆双方向へ動作させるために通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたアクチュエータのブリッジ回路に対する接続端子がグランドに短絡した故障を適正に検出することができるという効果を発揮する。
【0057】
【0058】
請求項2に記載の発明の構成によれば、保持手段により安定位置に保持される可動部材を正逆双方向へ動作させるために通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたアクチュエータのブリッジ回路に対する接続端子がグランドに短絡した故障を適正に検出することができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係り、電子スロットル制御装置を示す概略構成図である。
【図2】 同じく、オープナ機構を含む電子スロットルを示す構成概念図である。
【図3】 同じく、オープナ機構によるスロットルバルブの動作説明図である。
【図4】 同じく、故障検出装置等を示す電気回路図である。
【図5】 同じく、各FETに関するPWM駆動の一例を示すタイムチャートである。
【図6】 同じく、各FETに関するPWM駆動の一例を示すタイムチャートである。
【図7】 同じく、故障検出プログラムの処理内容を示すフローチャートである。
【図8】 第2の実施の形態に係り、故障検出プログラムの処理内容を示すフローチャートである。
【図9】 別の実施の形態に係り、故障検出装置等を示す概念構成図である。
【図10】 従来例に係り、故障検出装置等を示す電気回路図である。
【符号の説明】
1 オープナ機構(保持手段)
5 スロットルバルブ(可動部材)
6 モータ(アクチュエータ)
41 マイコン(故障判定手段)
45 ブリッジ回路(双方向駆動回路)
46 第1のFET
47 第2のFET
48 第3のFET
49 第4のFET
51 シャント抵抗(電流検出手段)
52 差動アンプ(電流検出手段)
61A 規制壁(保持手段)
61B 規制壁(保持手段)
62 アクチュエータ
63 可動部材
64A スプリング(保持手段)
64B スプリング(保持手段)
TO オープナ開度(安定位置)
N オープナ開度位置(安定位置)
Claims (2)
- 所定の可動部材を正逆双方向へ動作させるために通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたアクチュエータと、
複数のトランジスタをブリッジ接続してなり、前記アクチュエータを正逆双方向へ駆動出力させるために同アクチュエータに対して正逆双方向への通電を可能にしたブリッジ回路と、
前記アクチュエータへの通電が停止されたとき前記可動部材を所定の安定位置に保持するための保持手段と
を備えたアクチュエータ駆動装置における故障を検出する故障検出装置において、
前記アクチュエータの駆動出力の方向が正方向であるのに前記可動部材の動作位置が前記安定位置より逆方向の位置にある状態、又は、前記アクチュエータの駆動出力の方向が逆方向であるのに前記可動部材の動作位置が前記安定位置より正方向の位置にある状態で所定時間以上継続したとき、前記ブリッジ回路に対する前記アクチュエータの接続がグランドに短絡する故障が発生したと判定する故障判定手段を備えたことを特徴とするアクチュエータ駆動装置の故障検出装置。 - 所定の可動部材を正逆双方向へ動作させるために通電により正逆双方向への駆動出力を可能にしたアクチュエータと、
複数のトランジスタをブリッジ接続してなり、前記アクチュエータを正逆双方向へ駆動出力させるために同アクチュエータに対して正逆双方向への通電を可能にしたブリッジ回路と、
前記アクチュエータへの通電が停止されたとき前記可動部材を所定の安定位置に保持するための保持手段と、
前記アクチュエータ又は前記ブリッジ回路を流れる電流を検出するための電流検出手段と
を備えたアクチュエータ駆動装置における故障を検出する故障検出装置において、
前記アクチュエータに対する通電量が正方向又は逆方向において所定値より大きくなる場合において、前記検出される電流値が所定の基準値よりも小さい状態で所定時間以上継続したとき、前記ブリッジ回路に対する前記アクチュエータの接続がグランドに短絡する故障が発生したと判定する故障判定手段を備えたことを特徴とするアクチュエータ駆動装置の故障検出装置。
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