JP4957961B2 - Dcモータ接地異常判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、DCモータの接地異常を判定する装置に関し、特に車両用直流モータの接地トラブルの検出精度の向上技術に関する。
たとえば下記の特許文献1に記載される車両用無段変速装置では、変速比の変更のために、正逆転可能な直流モータ(DCモータ)を採用し、このDCモータのトルク調節をHブリッジ(フルブリッジ)構成のインバータのPWM制御により行っている。この種のHブリッジ駆動正逆転型DCモータは、ミラーやウインドウ調節など車両においても多岐にわたって採用されている。
従来のHブリッジ駆動正逆転型DCモータにおけるモータ接地異常の検出回路を図8に示す。インバータ200の高位直流入力端201と正極側電源線202との間には高電位側の電流検出抵抗素子203が介設され、インバータ200の低位直流入力端204と負極側電源線205との間には低電位側の電流検出抵抗素子206が介設されている。通常において、インバータ200はパワーMOSトランジスタ又はIGBT211〜214により構成される。以下、この従来のモータ接地異常検出方式を2抵抗型モータ接地検出方式と略称する。
下アーム側のトランジスタ213(又は214)のデューティ比が大きい運転状態では低電位側の電流検出抵抗素子206に流れる電流が元々大きいために、DCモータに接地事故が生じた場合の低電位側の電流検出抵抗素子206に流れる電流の減少量が大きくなり、その検出により高精度にモータ接地を検出することができる。下アーム側のトランジスタ213(又は214)のデューティ比が小さい運転状態では、DCモータに接地事故が生じた場合に高電位側の電流検出抵抗素子203に流れる電流の増加が大きくなるために、その検出により高精度にモータ接地を検出することができる。
特開2001−253270号公報
しかしながら、上記した従来の2抵抗型モータ接地検出方式は、大電流が流れる電流検出抵抗器を2個必要とし部品点数及び組み付け工数の増加と装置の大型化を招いていた。また、電流検出抵抗器の電力損失及び発熱、特にそれが周囲の回路素子に与える温度的悪影響も軽視できない問題となっていた。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、構成が簡素で損失及び発熱も低減可能なDCモータ接地異常判定装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決する各発明は、入力されるPWM制御信号により制御される平均振幅の電圧をDCモータに印加するインバータ回路と、前記DCモータから低位直流入力端へ流れるモータ電流を検出する電流検出部と、前記モータ電流に基づいて前記DCモータの接地異常を判定する接地異常判定部とを備えるDCモータ接地異常判定装置に適用される。電流検出部としてはたとえば電流検出抵抗素子を採用することが簡単である。DCモータの接地異常(モータ接地とも言う)が生じると、DCモータから低位直流入力端へ流れるモータ電流が減少するため、この電流の異常変化に基づいてモータ接地が検出される。この点は、既述した従来の2抵抗型モータ接地検出方式と本質的に同じである。なお、下記に言うPWM制御信号のデューティ比は、インバータ回路の下アーム側のスイッチング素子のPWM制御におけるオンデューティ比を言うものとする。
下記に説明する2つの発明では、従来の2抵抗型モータ接地検出方式とは異なり高電位側の電流検出抵抗素子を用いない。この場合、低デューティ状態では低電位側の電流検出抵抗素子に正常に流れるモータ電流が元々小さいためモータ接地電流による低電位側の電流検出抵抗素子に流れる電流減少量が小さく判定精度が低下するという問題が生じる。
そこで、下記の両発明では、本来の低デューティ状態が長く続く場合にはモータ接地異常の高精度判定が可能な他のデューティ状態にデューティ比を一時的に強制変更してモータ接地異常を判定するという技術思想を採用している。なお、このモータ接地異常判定には長時間の通電が要求されないため、この強制通電による悪影響は無視することができる。
第1発明では、前記PWM制御信号のデューティ比が所定の第1しきい値以下である低デューティ状態が所定時間を超えて継続しているかどうかを判定し、前記低デューティ状態が所定時間を超えて継続していると判定した場合に所定短期間だけ前記PWM制御信号のデューティ比を前記第1しきい値よりも大きい第2しきい値以上に強制変更するデューティ臨時変更部を有し、前記接地異常判定部は、前記所定短期間に検出した前記モータ電流が所定電流値未満である場合に前記接地異常と判定することを特徴としている。
このようにすれば、低デューティ状態が長く続く場合、一時的に高デューティ状態を生じさせるため通常の高デューティ状態の場合と同じく高精度のモータ接地異常判定を行うことができる。なお、高デューティ比状態は、モータ接地異常判定に十分な時間さえ確保できればよく、たとえば数十ミリ秒確保できれば十分である。
好適な態様において、デューティ比が20%未満である前記低デューティ状態が前回の判定から起算して所定時間を超えて継続していると判定された場合に、25〜100%としたデューティ比の前記PWM制御信号を5〜50msecの前記所定短期間だけ出力し、この期間に電流検出部からサンプリングしたモータ電流値によりモータ接地異常を検出する。このようにすれば、簡素な検出回路にて低トルク状態が長く継続しても高精度にてモータの接地異常を検出することができる。なお、この所定短期間におけるデューティ比は30〜50%とすることが更に好適である。これ未満であれば、検出精度が低下し、これを超えると望ましくない騒音、トルク増加が増加する。また、所定短期間はソフトウエア処理により接地異常判定を行うマイコンの判定ルーチンの実施周期未満とすることが好適である。
第2発明では、前記PWM制御信号のデューティ比が所定の第1しきい値以下である低デューティ状態が所定時間を超えて継続しているかどうかを判定し、前記低デューティ状態が所定時間を超えて継続していると判定した場合に所定短期間だけ前記PWM制御信号のデューティ比を0に強制変更するデューティ臨時変更部を有し、前記接地異常判定部は、前記所定短期間に検出した前記モータの端子電圧が所定電圧値未満である場合に前記接地異常と判定することを特徴としている。
なお、この発明では、低デューティ状態が続く場合にモータ端子電圧の低下により接地異常を検出するモード(電圧検出モードと呼ぶ)と、通常の電流検出部で検出した電流の減少により接地異常を検出するモード(電流検出モードと呼ぶ)とが存在する。したがって、低デューティ状態が続く場合に電圧検出モードに切り替えられ、その他の場合には通常の電流検出モードに切り替えられる。
このようにすれば、低デューティ状態が長く続く場合、一時的にデューティ0状態を生じさせて、モータ端子電圧の低下が大きい場合に接地異常と判定する。これにより、通常の高デューティ状態の場合と同じく高精度のモータ接地異常判定を行うことができる。上記デューティ0状態は、モータ接地異常判定に十分な時間さえ確保できればよく、たとえば数十ミリ秒確保できれば十分である。また、このデューティ0状態は完全にデューティ0ではなくほぼデューティ0であればよい。
好適な態様において、前記デューティ臨時変更部は、デューティ比が20%未満である前記低デューティ状態が前回の判定から起算して所定時間所定時間を超えて継続していると判定された場合に、0%としたデューティ比の前記PWM制御信号を5〜50msecの期間だけ出力させる。このようにすれば、簡素な検出回路にて低トルク状態が長く継続しても高精度にてモータの接地異常を検出することができる。所定短期間はソフトウエア処理により接地異常判定を行うマイコンの判定ルーチンの1周期未満とすることが好適である。
好適な態様において、前記デューティ臨時変更部は、前記PWM制御信号のデューティ比が20%未満の状態が前回の接地異常判定から起算して2秒以上継続した場合に前記デューティ比の強制変更を行う。このようにすれば、接地異常によるモータ発熱などの弊害を抑止しつつデューティ比の変更頻度を抑止することができる。
好適な態様において、前記モータは、フルブリッジ型インバータ回路からなる前記PWM駆動回路により給電される正逆転可能な直流モータである。これにより、正逆転可能な直流モータの接地異常を簡素な回路構成により確実に検出することができる。
好適な態様において、前記モータは、車両用エンジンと車輪との間に配置される無段変速装置のプーリの軸方向位置調節用のモータからなり、前記車両用エンジンの所定回転数以下の回転数範囲(たとえばアイドリング状態)においてのみ前記デューティ臨時変更を行う。このようにすれば、無段変速装置において車両走行時や加減速時に前記デューティの強制変更が生じてモータトルクが変化するのを防止することができる。
車両用の無段変速装置に適用した本発明のDCモータ接地異常判定装置の好適な実施形態を以下に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定解釈されるべきではなく、本発明の技術思想をその他の公知技術の組み合わせで実施してもよいことは明らかである。たとえば、本発明は他の車両用等の種々の用途に用いられる一方向回転型又は回転方向反転可能なDCモータに適用することができる。
(無段変速装置)
まず本発明のDCモータ接地異常判定装置を適用した二輪車用のベルト式無段変速装置(以下、CVTとも言う)について図1を参照して以下に説明する。この種のCVTの基本構成はたとえば本出願人の出願になる特開2001ー270481に記載されているので参照されたい。
11は各種のセンサやエンジン用の電磁機器を装備するエンジンであって各種のセンサや電磁アクチエータを内蔵しており、これらセンサや電磁アクチエータはエンジン制御ユニット(ECU)40と信号を授受している。これらセンサの一例としては、吸気温を検出する吸気温センサ、スロットル開度センサ、吸気圧センサ、エンジン回転速度センサ、気筒判別センサ、水温センサ、大気圧センサなどがあり、エンジン用の電磁機器としては燃料噴射弁や点火装置がある。エンジン11の出力軸は図略の電磁クラッチ等を通じてベルト駆動式の無段変速機28の入力軸27に連結されている。なお、電磁クラッチの代わりに他のクラッチ手段を採用しても良い。無段変速機28は、プライマリプーリ29とセカンダリプーリ30との間にベルト31を掛け渡して構成されている。更に、無段変速機28は、プライマリプーリ29の可動フランジ部29aを軸方向へ付勢するDCモータ32と、セカンダリプーリ30の可動フランジ部30aをセカンダリプーリ30のV溝幅を狭方向(ベルト31を挟み込む方向)へ付勢するコイルスプリング33とを有している。無段変速機28の出力軸34は車輪側に連結されている。
DCモータ32を駆動すると、回転運動を直線運動に変換する図略の運動変換機構(たとえばスプライン機構)によりプライマリプーリ29の可動フランジ部29aが軸方向に変位し、これにより、ベルト31を挟み込むプライマリプーリ29のV溝の幅が変化する。以下、更に具体的に説明する。
プライマリプーリ29の可動フランジ部29aを溝幅狭方向へ移動させると、プライマリプーリ29のベルト巻回半径が大きくなるのでセカンダリプーリ30の可動フランジ部30aが溝幅広方向へ移動してセカンダリプーリ30のベルト巻回半径が小さくなる。プライマリプーリ29の可動フランジ部29aを溝幅広方向へ移動させると、セカンダリプーリ30はこれと逆の動きをする。すなわち、DCモータ32による可動フランジ部29aの軸方向変位を利用して変速比を連続的に調整することができる。
この実施形態では、無段変速機28は、プライマリプーリ29の可動フランジ部29aの軸方向位置を検出するプライマリ位置センサ35、プライマリプーリ29の回転速度を検出するプライマリ回転速度センサ36、及びセカンダリプーリ30の回転速度を検出するセカンダリ回転速度センサ37を有している。これらセンサはエンジン制御ユニット(ECU)40に出力される。ECU40は、これらのセンサから検出した無段変速機28の状態と、算出した減速比の目標値との偏差を0とするべくいわゆるPWMフィードバック制御を行うことにより、必要な減速比を実現することができる。
ECU40は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵の制御プログラムの実行によりエンジン運転状態に応じて燃料噴射量や点火時期を制御し、電磁クラッチ25の連結状態や無段変速機28の変速比を制御する。これにより、運転者がアクセル操作するだけでエンジン出力が自動的に後輪に伝達される。
(モータ駆動回路の構成)
次に、DCモータ32を駆動制御するモータ駆動回路について図2を参照して説明する。図2において、100はフルブリッジインバータ回路(以下、Hブリッジとも言う)、101、102はHブリッジ100の上アームMOSトランジスタ(以下、上アーム素子とも言う)、103、104はHブリッジ100の下アームMOSトランジスタ(以下、下アーム素子とも言う)、105は上アーム素子101及び下アーム素子103からなるハーフブリッジ回路の出力端、106は上アーム素子102及び下アーム素子104からなるハーフブリッジ回路の出力端である。DCモータ32の両端はHブリッジ100の交流出力端105、106に個別に接続されている。
Hブリッジ100の高位直流入力端にはモータ電源リレー107を通じてバッテリ電圧が印加され、Hブリッジ100の低位直流入力端は電流検出抵抗器108を通じて接地されている。電流検出抵抗器108の電圧降下は電流検出回路109を通じてECU40に出力される。電流検出回路109は上記電圧降下を増幅するオペアンプ増幅器とその出力電圧をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを有している。好適にはDCモータ32として直巻DCモータが採用されるがそれに限定されるものではない。また、この実施形態では、Hブリッジ100の一対の出力端105、106の電圧、言い換えればモータの一対の端子の電圧がECU40に出力される。
(モータ駆動回路の基本動作)
次に、図2に示すモータ駆動回路の基本的な動作を説明する。
イグニッションオンによりECU40がモータ電源リレー107をオンした後、ECU40は、必要な減速比に相当するプライマリプーリ29の可動フランジ部29aの軸方向位置を算出し、DCモータ32を回転駆動して可動フランジ部29aを算出位置まで軸方向へ変位させる。可動フランジ部29aを軸方向一方側へ移動させるには、上アーム素子102及び下アーム素子103を停止させた状態にて、上アーム素子101及び下アーム素子104をPWM駆動してDCモータ32を正転させる。可動フランジ部29aを軸方向他方側へ移動させるには、上アーム素子101及び下アーム素子104を停止させた状態にて、上アーム素子102及び下アーム素子103をPWM駆動してDCモータ32を逆転させる。Hブリッジ100によるDCモータ32の正逆転駆動自体は周知であるため、これ以上の説明は省略する。PWM駆動される上アーム素子は常時オンされてもよい。
(無段変速機28の基本動作)
可動フランジ部29aの軸方向付勢力はDCモータ32のトルクに応じて変化し、DCモータ32のトルクはモータ電流に略比例し、モータ電流はECU40からHブリッジ100へのPWM制御信号のデューティ比により調節される。
可動フランジ部29aが所定位置にある場合の力のバランス状態について説明する。
コイルスプリング33はセカンダリプーリ30のV溝幅狭方向へ可動フランジ部30aを付勢している。なお、コイルスプリング33のこの付勢力は、コイルスプリング33が圧縮されるV溝幅広状態でやや大きくなり、コイルスプリング33が圧縮が少なくなるV溝幅狭状態でやや小さくなる。DCモータ32が上記所定位置にて軸方向付勢力を発生していない場合には、コイルスプリング33は、可動フランジ部30aをV溝幅狭方向へ移動させ、可動フランジ部29aをV溝幅広状態へ移動させるようとする。
可動フランジ部29aが上記所定位置に保持するには、DCモータ32を所定のデューティ比DUTYでPWM駆動することにより可動フランジ部29aをV溝幅狭方向へ付勢する必要がある。すなわち、上記所定位置でのコイルスプリング33の軸方向付勢力に応じた大きさのデューティ比DUTYを停止状態のDCモータ32に通電してこのデューティ比DUTYに応じた始動トルクを発生させ、DCモータ32が可動フランジ部29aに与えるV溝幅狭方向への付勢力と、コイルスプリング33が可動フランジ部30aに与えるV溝幅狭方向への付勢力とをバランスさせる。
次に変速比の変更について説明する。
以下の説明において、軸方向付勢力に換算したDCモータ32のトルクをFt、コイルスプリング33の軸方向付勢力をFcとし、FtはFcと反対向き(拮抗する向き)とする。可動フランジ部29aをV溝幅狭方向に移動するには、FtがFcより大きくなるようにDCモータ32のこの方向への通電電流のデューティ比DUTYを決定する。この時の変速比の変化速度はFtとFcとの差に対応する。ただし、ベルト31や可動フランジ部29a、30aの慣性力や摩擦力などの変化は無視して一定と考えるものとする。逆向き(可動フランジ部29aのV溝幅広方向)に変速する場合について考えると、ゆっくりと変更する際には、FtをFcと逆向きかつFcより小さくした状態にてDCモータ32のこの方向への通電電流のデューティ比DUTYを決定すれば、デューティ比DUTYが減少するほど可動フランジ部29aのV溝幅広方向への変位におる変速比の変化速度は増大する。更に、DCモータ32を逆向きに駆動して可動フランジ部29aを積極的にV溝幅広方向へ推進すると、変速比の変更速度は更に加速される。以上の説明により、DCモータ32のデューティ比DUTY及び通電方向の変更により、変速比とその調節レスポンスがデューティ比DUTYにより制御できることがわかる。
(アイドル時の無段変速機28の制御)
この実施例で採用した上記した無段変速機28のアイドル制御について以下に説明する。
まず、従来におけるアイドル時の無段変速機28の制御について説明する。従来では、アイドル時に図略の電磁クラッチが解離状態とされ、DCモータ32への通電はオフされ、その結果、コイルスプリング33は可動フランジ部30aをV溝幅最狭状態とし、可動フランジ部29aはV溝幅最広状態となり、出力軸回転数は入力軸回転数に対して最も大きく減速されることになる。しかし、このような場合には、可動フランジ部29aがV溝幅最広状態となるため、入力軸側にてベルト滑りが生じたり、その後の変速比の変更に時間が掛かったりするという不具合がある。そこで、この実施形態では、アイドル時においてDCモータ32に多少の通電を行うことにより、この不具合を防止する。具体的に説明すると、アイドル状態において、DCモータ32には20%のデューティ比DUTYで可動フランジ部29aをV溝幅狭方向へ付勢する。すなわち、この実施形態ではアイドル時が長く続く場合であっても、DCモータ32に比較的小さいデューティ比DUTYの電流を通電する。
(モータの接地異常の基本的判定動作)
次に、この実施形態の特徴をなすDCモータ32の接地異常検出動作を説明する。
DCモータ32の接地不良が生じると、上アーム素子101又は102からDCモータ32に給電された電流が接地に分流するため、下アーム素子103又は104を通じて電流検出抵抗器108に流れる電流であるモータ検出電流Iが減少してその電圧降下が低下するため、モータ検出電流Iがデューティ比に連動する所定のしきい値Ith以下となる場合にモータ接地と判定することができる。このモータ接地異常判定ルーチンを図3に示す。このモータ接地異常判定方式は従来と同様である。なお、しきい値Ithとしてはたとえば後述する図4の一点鎖線の特性を用いることができる。
(アイドル時のモータ接地異常判定動作)
ただし、図2の回路では、上記したアイドル時にDCモータ32に低デューティ比DUTYの電流が給電されており、このような低デューティ比DUTY時にモータ接地異常を検出する必要がある。けれども、図4に示すようにDCモータ32の接地事故が生じていない場合のモータ電流特性である正常時電流特性(実線)自体とモータ接地時のモータ電流特性である接地異常電流特性(一点鎖線)との差が小さくなり、高精度の接地異常判定精度が低下する。そこで、この実施形態では、図5に示す低デューティ状態モータ接地異常検出モード変更ルーチンを定期的に実行する。以下、このルーチンを説明する。
まず不図示のデューティ比DUTY算出ルーチンにて決定された現在のデューティ比DUTYを読み込み(S100)、それが所定設定値(ここでは22%)未満かどうかを調べ(S102)、未満であれば所定のカウンタをインクリメントし(S104)、そうでなければこのカウンタを0にリセットしてステップS114にジャンプする(S106)。ステップS108ではこのカウンタのカウント値が所定設定値(ここでは2.5秒)以上かどうかを調べ、以上でなければステップS114にジャンプし、以上であれば低デューティ状態(アイドル時低デューティ通電状態)が長く続いたと判断してステップS110に進む。ステップS110では、このカウンタのカウント値が所定設定値(ここでは2.5秒)より大きいかどうかを調べ、大きくなければ(言い換えれば等しければ)ステップS112に進み、大きければカウンタをリセットしてステップS114に進む。
ステップS112では、Hブリッジ100に指令するPWM制御信号のデューティ比DUTYを所定の強制デューティ値(ここでは30%)に書き換え、このデューティ比DUTYを出力して(S114)、メインルーチンにリターンする。メインルーチンでは、図略のデューティ比DUTY算出ルーチンで算出されたステップS112で書き換えられたデューティ比DUTYのPWM制御信号を形成してHブリッジ100に出力する。なお、モータインダクタンスによるデューティ比DUTY変更から実際のモータ電流増大までの遅れを考慮して、図3に示すモータ接地判定ルーチンは図5のモータ接地異常検出モード変更ルーチンの実施直前に実行されることが好適である。
このようにすれば、アイドル状態が長く続く場合でも、上記した所定インタバルでの強制的デューティ比DUTY増大により高精度にモータ接地異常判定を行うことができる。つまり、判定精度が低下する低デューティ状態において強制的に短期間だけデューティ比DUTYを増大するため、低デューティ状態でも高精度のモータ接地異常を検出することができる。なお、デューティ比DUTYを30%に増大するのは短期間であるため、それによる悪影響は無視することができる。
(変形態様)
なお、上記実施形態では、図4に示すルーチンの割り込みインタバルが20m秒であることを利用してステップS108とステップS110の設定値を同じとしたが、それらを異なる値に設定しても良いことはもちろんである。
(変形態様)
なお、この実施形態では、ECU40は、電流検出回路108から定期的に読みこんだモータ電流が既述した所定しきい値未満の場合にモータ接地異常と判定するが、連続して所定の複数回モータ接地異常と判定した場合にモータ接地異常と最終的に判断することもできる。
(変形態様)
上記実施形態では、判定精度が低下する低デューティ状態が継続する場合に強制的に短期間だけデューティ比DUTYを増大してモータ電流を検出したが、その代わりに判定精度が低下する低デューティ状態が継続する場合に強制的にデューティ比DUTYを0としてモータ電圧を検出してもよい。この制御を図6に示すフローチャートを参照して説明する。このルーチンは、図5のフローチャートのステップS112の代わりにステップS1120を、ステップS106の代わりにステップS1060を行うものである。ステップS1120では、デューティ比DUTYを0としかつフラグFを1とする。ステップS1060ではカウンタをリセットしかつフラグFを0とする。
このフラグFを用いたモータ接地異常判定ルーチンを図7のフローチャートに示す。このフローチャートではフラグFが1の場合にはモータ電圧による判定を行い、フラグFが0ならモータ電流による判定を行う。なお、モータ電圧による判定とは、読み込んだ2つのモータ端子電圧が両方とも所定しきい値以下かを判定し、そうである場合にモータ接地異常と判定するルーチンである。また、モータ電流による判定とは図3に示すルーチンである。
この場合においても、アイドル時が長く続く場合に所定インタバルでデューティ比DUTYを0として正確にモータ接地異常判定を行うことができる。デューティ比DUTYを0とするのは短期間であるため、それによる悪影響は無視することができる。
(変形態様)
上記実施形態では、デューティ比DUTYが22%以下の低デューティ状態が継続する場合に上記したデューティ比DUTYの強制変更を行ったが、その他のアイドル状態検出手段により検出したアイドル状態が所定時間(たとえば2.5秒)継続した場合に上記したデューティ比DUTYの強制変更を行っても良い。
実施形態のDCモータ接地異常判定装置を適用した二輪車用のベルト式無段変速装置を示す模式図である。 図1のDCモータを駆動制御するモータ駆動回路を示す回路図である。 接地異常判定ルーチンを示すフローチャートである。 図1のDCモータのデューティ比とモータ電流との関係を示す特性図である。 低デューティ状態モータ接地異常検出モード変更ルーチンを示すフローチャートである。 変形態様の低デューティ状態モータ接地異常検出モード変更ルーチンを示すフローチャートである。 変形態様の接地異常判定ルーチンを示すフローチャートである。 従来の回路図である。
符号の説明
11 エンジン
25 電磁クラッチ
27 入力軸
28 無段変速機
29 プライマリプーリ
29a 可動フランジ部
30 セカンダリプーリ
30a 可動フランジ部
31 ベルト
32 モータ
33 コイルスプリング
34 出力軸
35 プライマリ位置センサ
36 プライマリ回転速度センサ
37 セカンダリ回転速度センサ
100 Hブリッジ
101 上アーム素子
102 上アーム素子
103 下アーム素子
104 下アーム素子
105 交流出力端
106 交流出力端
107 モータ電源リレー
108 電流検出抵抗(電流検出部)
109 電流検出回路(電流検出部)
ステップS112 デューティ臨時変更部
ステップS1120 デューティ臨時変更部
接地異常判定部(図3、図6のルーチン)

Claims (7)

  1. 入力されるPWM制御信号により制御されるPWM電圧をDCモータに印加するPWM駆動回路と、前記DCモータから低位直流入力端へ流れるモータ電流を検出する電流検出部と、前記モータ電流に基づいて前記DCモータの接地異常を判定する接地異常判定部とを備えるDCモータ接地異常判定装置において、
    前記PWM制御信号のデューティ比が所定の第1しきい値以下である低デューティ状態が所定時間を超えて継続しているかどうかを判定し、前記低デューティ状態が所定時間を超えて継続していると判定した場合に所定短期間だけ前記PWM制御信号のデューティ比を前記第1しきい値よりも大きい第2しきい値以上に強制変更するデューティ臨時変更部を有し、
    前記接地異常判定部は、前記所定短期間に検出した前記モータ電流が所定電流値未満である場合に前記接地異常と判定することを特徴とするDCモータ接地異常判定装置。
  2. 請求項1記載のDCモータ接地異常判定装置において、
    前記デューティ臨時変更部は、デューティ比が20%未満である前記低デューティ状態が前回の判定から起算して所定時間を超えて継続していると判定された場合に、25〜100%としたデューティ比の前記PWM制御信号を5〜50msecの前記所定短期間だけ出力させるDCモータ接地異常判定装置。
  3. 入力されるPWM制御信号により制御されるPWM電圧をDCモータに印加するPWM駆動回路と、 前記DCモータから低位直流入力端へ流れるモータ電流を検出する電流検出部と、前記モータ電流に基づいて前記DCモータの接地異常を判定する接地異常判定部とを備えるDCモータ接地異常判定装置において、
    前記PWM制御信号のデューティ比が所定の第1しきい値以下である低デューティ状態が所定時間を超えて継続しているかどうかを判定し、前記低デューティ状態が所定時間を超えて継続していると判定した場合に所定短期間だけ前記PWM制御信号のデューティ比を0に強制変更するデューティ臨時変更部を有し、
    前記接地異常判定部は、前記所定短期間に検出した前記モータの端子電圧が所定電圧値未満である場合に前記接地異常と判定することを特徴とするDCモータ接地異常判定装置。
  4. 請求項3記載のDCモータ接地異常判定装置において、
    前記デューティ臨時変更部は、デューティ比が20%未満である前記低デューティ状態が前回の判定から起算して所定時間を超えて継続していると判定された場合に、0%としたデューティ比の前記PWM制御信号を5〜50msecの前記所定短期間だけ出力させるDCモータ接地異常判定装置。
  5. 請求項2又は4記載のDCモータ接地異常判定装置において、
    前記デューティ臨時変更部は、前記PWM制御信号のデューティ比が20%未満の状態が前回の接地異常判定から起算して2秒以上継続した場合に前記デューティ比の強制変更を行うDCモータ接地異常判定装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか記載のDCモータ接地異常判定装置において、
    前記モータは、フルブリッジ型インバータ回路からなる前記PWM駆動回路により給電される正逆転可能な直流モータであるDCモータ接地異常判定装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか記載のDCモータ接地異常判定装置において、
    前記モータは、車両用エンジンと車輪との間に配置される無段変速装置のプーリの軸方向位置調節用のモータからなり、
    前記車両用エンジンの所定回転数以下においてのみ前記デューティ臨時変更を行うモータ接地異常判定装置。
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