JP2000240782A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2000240782A
JP2000240782A JP11040816A JP4081699A JP2000240782A JP 2000240782 A JP2000240782 A JP 2000240782A JP 11040816 A JP11040816 A JP 11040816A JP 4081699 A JP4081699 A JP 4081699A JP 2000240782 A JP2000240782 A JP 2000240782A
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Yoshihiro Sakashita
善洋 坂下
Masanori Sugiura
杉浦  正典
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機のシステムで、エンジントルクの
急変による車両ショックを、クラッチを滑らさずに低減
できるようにして、耐久性を向上させる。 【解決手段】 エンジン11の動力をトルクコンバータ
14を介して無段変速機15に伝達する。無段変速機1
5は、プライマリプーリ17とセカンダリプーリ18と
の間に金属ベルト19を掛け渡し、油圧により各プーリ
17,18の溝幅を制御することで変速比を連続的に変
化させる。この無段変速機15の変速比を目標変速比に
フィードバック制御する際に、車速変化量、エンジン回
転数変化量、プライマリ回転数変化量、セカンダリ回転
数変化量の少なくとも1つを、運転状態に応じて設定さ
れたフィルタ定数でフィルタ処理して検出し、この変化
量を運転状態に応じて設定されたゲインで増幅すること
で、フィードバック制御の目標値の補正量を求め、目標
値を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転状態に応じて
変速比を連続的に変化させる無段変速機の制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用の自動変速機として、変速
比を連続的に変化させる無段変速機が実用化されてい
る。その一例として、例えば、特開平5−195931
号公報に示すように、プライマリプーリ(エンジン側の
プーリ)とセカンダリプーリ(車輪側のプーリ)との間
に金属ベルトを掛け渡し、油圧により各プーリの溝幅を
制御して、各プーリのベルト巻回半径を連続的に変化さ
せることで、変速比を連続的に変化させるベルト駆動式
の無段変速機がある。この無段変速機は、エンジンの出
力軸に対して電磁クラッチ又はトルクコンバータを介し
て連結されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、無段変速機
の入力側に電磁クラッチを設けたシステムでは、加減速
時等のようにエンジントルクが急変する時に、電磁クラ
ッチへの供給電流を一時的に減少させて、クラッチを滑
らせることで、エンジントルクの急変による車両ショッ
クを低減するようにしている。しかし、このような制御
方法では、頻繁にクラッチを滑らせることになり、クラ
ッチの発熱や摩耗を増大させ、耐久性を低下させてしま
う欠点がある。
【0004】また、トルクコンバータは、燃費向上のた
めに、入出力軸を直結するロックアップクラッチが内蔵
されたものが多い。このようなロックアップクラッチ付
きのトルクコンバータを無段変速機の入力側に設けたシ
ステムでは、ロックアップクラッチ作動中に、エンジン
トルクが急変した時に、車両ショックを低減するために
ロックアップクラッチを滑らせる必要があり、上述した
電磁クラッチの場合と同じく、ロックアップクラッチの
発熱や摩耗を増大させ、耐久性を低下させてしまう欠点
がある。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、エンジントルクの急
変による車両ショックを、クラッチを頻繁に滑らさずに
低減することができて、耐久性を向上させることができ
る無段変速機の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の無段変速機の制御装置は、運転
状態に応じて目標変速比又は目標回転数となるように無
段変速機をフィードバック制御手段によりフィードバッ
ク制御する際に、エンジン回転数変化量、プライマリ回
転数変化量、セカンダリ回転数変化量、車速変化量のす
くなとも1つを変化量検出手段により検出し、検出した
変化量に応じてフィードバック制御の目標値を補正手段
により補正する。つまり、エンジン回転数変化量、プラ
イマリ回転数変化量、セカンダリ回転数変化量、車速変
化量は、いずれもエンジントルクの変化量を反映したパ
ラメータであるから、この変化量に応じてフィードバッ
ク制御の目標値を補正すれば、エンジントルクの変化量
に応じてフィードバック制御の目標値を適正に補正する
ことができる。これにより、エンジントルクが急変する
時には、車両ショックを低減する方向にフィードバック
制御の目標値を補正することができ、クラッチを頻繁に
滑らさずに車両ショックを低減することができて、耐久
性を向上させることができる。
【0007】この場合、請求項2のように、運転状態に
応じて設定されたフィルタ定数で前記変化量をフィルタ
処理して検出するようにしても良い。このようにすれ
ば、ノイズによる補正精度の低下を回避できる。しか
も、フィルタ定数が運転状態に応じて設定されるため、
運転状態に応じた最適なフィルタ定数で変化量をフィル
タ処理することができ、フィルタ処理を最適化すること
ができる。
【0008】更に、請求項3のように、運転状態に応じ
て設定されたゲインで前記変化量を増幅することでフィ
ードバック制御手段の目標値の補正量を求めるようにし
ても良い。このようにすれば、エンジントルクの変化に
よる車両ショックが大きくなる運転領域では、フィード
バック制御の目標値の補正量を大きめに設定して、車両
ショックの抑制効果を高め、逆に、車両ショックが比較
的少ない運転領域や、加速性を優先させる運転領域で
は、フィードバック制御の目標値の補正量を少なめに設
定して、ドライバビリティを向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明をベルト駆動式の無
段変速機に適用した一実施形態を図面に基づいて説明す
る。
【0010】まず、図1に基づいてシステム全体の概略
構成を説明する。エンジン11の出力軸12には、ロッ
クアップクラッチ13付きのトルクコンバータ14の入
力軸が連結され、このトルクコンバータ14の出力軸1
6には、ベルト駆動式の無段変速機15が連結されてい
る。この無段変速機15は、トルクコンバータ14の出
力軸16に連結されたプライマリプーリ17とセカンダ
リプーリ18との間に金属ベルト19を掛け渡し、油圧
により各プーリ17,18の溝幅を制御して各プーリ1
7,18のベルト巻回半径を連続的に変化させること
で、変速比を連続的に変化させる。この無段変速機15
の出力軸20は、車輪駆動系(図示せず)に連結されて
いる。
【0011】また、プライマリプーリ17とセカンダリ
プーリ18の油圧を制御する油圧回路には、プライマリ
バルブ21とセカンダリバルブ22が設けられ、各バル
ブ21,22の弁開度を電子制御装置(以下「ECU」
と表記する)23によって制御することで、各プーリ1
7,18の溝幅を制御して変速比を制御する。
【0012】ECU23は、マイクロコンピュータ(図
示せず)を主体として構成され、その入力ポートには、
エンジン回転数センサ24、スロットル開度センサ2
5、吸気管圧力センサ26、車速センサ27等の運転状
態を検出する各種センサが接続され、更に、プライマリ
プーリ17の回転数(以下「プライマリ回転数」とい
う)を検出するプライマリ回転数センサ28と、セカン
ダリプーリ18の回転数(以下「セカンダリ回転数」と
いう)を検出するセカンダリ回転数センサ29が接続さ
れている。ECU23は、これら各種センサの出力信号
に基づいて車両の運転状態、プライマリ回転数、セカン
ダリ回転数等を検出して、トルクコンバータ14のロッ
クアップクラッチ13を制御すると共に、図2乃至図5
の各ルーチンを実行することで、運転状態に応じて無段
変速機15の変速比を目標変速比にフィードバック制御
する際に、車速変化量に応じてフィードバック制御の目
標値(本実施形態では目標プライマリ圧PPT)を補正
する。以下、図2乃至図5の各ルーチンの処理内容を説
明する。
【0013】図2に示す変速制御メインルーチンは、所
定時間毎又は所定クランク角毎に繰り返し実行され、特
許請求の範囲でいうフィードバック制御手段としての役
割を果たす。本メインルーチンが起動されると、まずス
テップ110で、車速センサ27の出力を読み込んで車
速SPDを検出し、次のステップ120で、スロットル
開度センサ25の出力を読み込んでスロットル開度TA
を検出する。この後、ステップ130に進み、車速SP
Dとスロットル開度TAをパラメータとする目標変速比
の二次元マップ又は関数式を用いて、現在の車速SPD
とスロットル開度TAに応じた目標変速比RATIOT
を算出する。
【0014】次のステップ140で、吸気管圧力センサ
26の出力を読み込んで吸気管圧力PMを検出し、続く
ステップ150で、エンジン回転数センサ24の出力を
読み込んでエンジン回転数NEを検出する。この後、ス
テップ160に進み、吸気管圧力PMとエンジン回転数
NEをパラメータとするエンジントルクの二次元マップ
又は関数式を用いて、現在の吸気管圧力PMとエンジン
回転数NEに応じたエンジントルクEGTRQを算出す
る。
【0015】この後、ステップ170に進み、エンジン
トルクEGTRQをパラメータとするセカンダリ圧の二
次元マップ又は関数式を用いて、現在のエンジントルク
EGTRQに応じた目標セカンダリ圧PSECを算出す
る。ここで、目標セカンダリ圧PSECはセカンダリプ
ーリ18の目標油圧であり、実際のセカンダリ圧がこの
目標セカンダリ圧PSECとなるようにセカンダリバル
ブ22の弁開度が制御される。
【0016】そして、次のステップ180で、目標変速
比RATIOTと目標セカンダリ圧PSECをパラメー
タとする目標プライマリ圧の二次元マップ又は関数式を
用いて、現在の目標変速比RATIOTと目標セカンダ
リ圧PSECに応じた目標プライマリ圧PPFFを算出
する。ここで、目標プライマリ圧PPFFは、プライマ
リバルブ21の目標油圧である。
【0017】この後、ステップ190に進んで、図3の
実変速比算出ルーチンを実行し、次のようにして実変速
比RATIORを算出する。まず、ステップ191で、
プライマリ回転数センサ28の出力を読み込んでプライ
マリ回転数NPを検出し、次のステップ192で、セカ
ンダリ回転数センサ29の出力を読み込んでセカンダリ
回転数NSを検出する。この後、ステップ193に進
み、プライマリ回転数NPをセカンダリ回転数NSで割
り算して実変速比RATIORを求める。 RATIOR=NP/NS
【0018】実変速比RATIORの算出後、図2のス
テップ200に戻り、目標変速比RATIOTと実変速
比RATIORとの変速比偏差DRATIOを算出す
る。 DRATIO=RATIOT−RATIOR
【0019】変速比偏差DRATIOの算出後、ステッ
プ210に進み、図4の目標プライマリ圧フィードバッ
ク補正量算出ルーチンを起動し、次のようにしてPID
制御により目標プライマリ圧フィードバック補正量PF
PIDを算出する。まず、ステップ211で、変速比偏
差DRATIOに定数Kpを掛け算して比例項PFPを
求める。 PFP=Kp×DRATIO 次のステップ212で、次式により積分項PFIを算出
する。 PFI=PFIo+Ki×∫DRATIO・dt ここで、PFIoは前回の演算時の積分項の値、Kiは
積分定数である。また、∫DRATIO・dtは変速比
偏差DRATIOの積算値である。
【0020】この後、ステップ213に進み、次式によ
り微分項PFDを算出する。 PFD=Kd×dDRATIO/dt ここで、Kdは微分定数、dDRATIO/dtは、変
速比偏差DRATIOの変化率であり、次式により算出
すれば良い。 dDRATIO/dt=(前回のDRATIO−今回の
DRATIO)/ΔT (ΔT:演算周期)
【0021】微分項PFDの算出後、ステップ214に
進み、上記各ステップ211〜231で算出した比例項
PFPと積分項PFIと微分項PFDを積算すること
で、PID制御による目標プライマリ圧フィードバック
補正量PFPIDを求める。 PFPID=PFP+PFI+PFD 尚、PID制御に代えて、PI制御等の他の方法で目標
プライマリ圧フィードバック補正量PFPIDを算出し
ても良い。
【0022】目標プライマリ圧フィードバック補正量P
FPIDの算出後、図2のステップ220に戻り、図5
の車速変化補正量算出ルーチンを起動し、車速変化量D
SPDに応じたフィードバック補正量(車速変化補正
量)PFDSPDを次のようにして算出する。まず、ス
テップ221で、現在の車速SPDから所定時間前の車
速SPDoを引き算して車速変化量DSPDを求める。 DSPD=SPD−SPDo
【0023】次のステップ222で、車速SPDとスロ
ットル開度TAをパラメータとするフィルタ定数の二次
元マップ又は関数式を用いて、現在の車速SPDとスロ
ットル開度TAに応じたフィルタ定数KFDSPDを算
出する。この後、ステップ223に進み、フィルタ定数
KFDSPDを用いて次式により車速変化量DSPDを
フィルタ処理(なまし処理)して、車速変化量フィルタ
処理値DSPDFを求める。 DSPDF=(1−KFDSPD)×DSPD+KFD
SPD×DSPDo
【0024】ここで、DSPDoは前回の演算時の車速
変化量DSPDである。この場合、フィルタ定数KFD
SPDは、0<KFDSPD<1であり、車速SPDが
大きくなるほど、フィルタ定数KFDSPDが大きくな
り、また、スロットル開度TAが大きくなるほど、フィ
ルタ定数KFDSPDが大きくなるように設定される。
これにより、車速SPDやスロットル開度TAが大きく
なるほど、車速変化量DSPDのフィルタの度合(なま
し度合)が強くなり、車速変化量フィルタ処理値DSP
DFの変化が緩やかになる。上記ステップ221〜22
3の処理が特許請求の範囲でいう変化量検出手段として
の役割を果たす。
【0025】車速変化量フィルタ処理値DSPDFの算
出後、ステップ224に進み、車速SPDとスロットル
開度TAをパラメータとするゲインの二次元マップ又は
関数式を用いて、現在の車速SPDとスロットル開度T
Aに応じたゲインKGを算出する。この後、ステップ2
25に進み、車速変化量フィルタ処理値DSPDFにゲ
インKGを掛け算して車速変化補正量PFDSPDを求
める。 PFDSPD=KG×DSPDF
【0026】この場合、ゲインKGは、KG>1であ
り、車速SPDが大きくなるほど、ゲインKGが小さく
なり、また、スロットル開度TAが大きくなるほど、ゲ
インKGが小さくなるように設定される。これにより、
車速SPDやスロットル開度TAが大きくなるほど、車
速変化補正量PFDSPDが小さくなる。
【0027】車速変化補正量PFDSPDの算出後、図
2のステップ230に戻り、目標プライマリ圧PPFF
に目標プライマリ圧フィードバック補正量PFPIDと
車速変化補正量PFDSPDを加算することで、目標プ
ライマリ圧PPFFを補正してプライマリ指示圧PPT
を求める。 PPT=PPFF+PFPID+PFDSPD これらステップ220,230のの処理が特許請求の範
囲でいう補正手段としての役割を果たす。
【0028】プライマリ指示圧PPTの算出後、ステッ
プ240に進み、プライマリバルブ21のソレノイドに
プライマリ指示圧PPTに応じた電流を流して、プライ
マリバルブ21の弁開度を制御し、それによって、実プ
ライマリ圧をプライマリ指示圧PPTに制御して無段変
速機15の実変速比を制御する。
【0029】次に、図6に基づいて本実施形態の変速制
御(車速変化補正有り)の挙動を従来(車速変化補正無
し)と対比して説明する。従来の変速制御は、車速変化
量による目標プライマリ圧の補正が無く、現在の目標変
速比と目標セカンダリ圧に応じて設定した目標プライマ
リ圧を、PID制御によるフィードバック補正量で補正
するのみであった。このため、スロットル開度を開く時
や閉じる時のように、エンジントルクが急変する時に、
その変化にプライマリ圧フィードバック制御が十分に追
従できなくなり、プライマリ回転数が不安定になって車
両前後Gの変動が大きくなり、運転者に車両ショックを
感じさせてしまう。従って、従来のシステムで、この車
両ショックを低減するには、エンジントルクが急変した
時に、ロックアップクラッチを滑らせる必要があり、ロ
ックアップクラッチの発熱や摩耗を増大させ、耐久性を
低下させてしまう欠点がある。
【0030】これに対し、本実施形態では、現在の目標
変速比と目標セカンダリ圧に応じて設定した目標プライ
マリ圧を、PID制御によるフィードバック補正量で補
正する際に、該目標プライマリ圧を車速変化量に応じた
車速変化補正量によっても補正する。車速変化量は、エ
ンジントルクの変化量を反映したパラメータであるか
ら、この変化量に応じて目標プライマリ圧を補正すれ
ば、エンジントルクの変化量に応じて目標プライマリ圧
を適正に補正することができる。これにより、エンジン
トルクが急変する時には、車両ショックを低減する方向
に目標プライマリ圧を補正して、適正なプライマリ指示
圧を設定することができる。その結果、エンジントルク
が急変する時でも、プライマリ回転数が比較的安定して
車両前後Gの変動が少なくなり、運転者に車両ショック
を感じさせずに済む。しかも、ロックアップクラッチ1
3を頻繁に滑らす必要がなくなり、耐久性を向上させる
ことができる。
【0031】尚、車速変化量の他に、エンジン回転数変
化量、プライマリ回転数変化量、セカンダリ回転数変化
量のすくなとも1つを検出して、その変化量に応じて目
標プライマリ圧を補正するようにしても良い。エンジン
回転数変化量、プライマリ回転数変化量、セカンダリ回
転数変化量は、いずれも、エンジントルクの変化に連動
して変化するため、車速変化量と同様に、これらの変化
量からエンジントルクの変化量に応じた目標プライマリ
圧の補正量を設定することができる。
【0032】また、本実施形態では、車速変化量をフィ
ルタ処理するようにしたので、ノイズによる補正精度の
低下を回避できる。しかも、フィルタ定数を車速とスロ
ットル開度に応じて設定するようにしたので、運転状態
に応じた最適なフィルタ定数で車速変化量をフィルタ処
理することができ、フィルタ処理を最適化することがで
きる。
【0033】尚、フィルタ定数を設定するパラメータ
は、車速やスロットル開度に限定されず、例えば、吸気
管圧力、吸入空気量、エンジン回転数等であっても良
く、要は、運転状態を反映する少なくとも1つのパラメ
ータを用いてフィルタ定数を設定すれば良い。但し、制
御を簡素化するために、フィルタ定数を固定値としても
良く、この場合でも、本発明の所期の目的は十分に達成
できる。
【0034】また、本実施形態では、車速とスロットル
開度に応じて設定したゲインで車速変化量を増幅して目
標プライマリ圧の補正量を求めるようにしたので、エン
ジントルクの変化による車両ショックが大きくなる運転
領域では、目標プライマリ圧の補正量を大きめに設定し
て、車両ショックの抑制効果を高め、逆に、車両ショッ
クが比較的少ない運転領域や、加速性を優先させる運転
領域では、目標プライマリ圧の補正量を少なめに設定し
て、ドライバビリティを向上させることができる。この
場合も、ゲインを設定するパラメータは、車速やスロッ
トル開度に限定されず、例えば、吸気管圧力、吸入空気
量、エンジン回転数等であっても良く、要は、運転状態
を反映する少なくとも1つのパラメータを用いてゲイン
を設定すれば良い。
【0035】尚、本実施形態では、無段変速機15の変
速比を目標変速比にフィードバック制御する際に、プラ
イマリ圧をフィードバック制御するようにしたが、目標
プーリ位置と実プーリ位置との偏差でフィードバック制
御するようにしても良い。更には、プライマリ回転数や
セカンダリ回転数を目標回転数にフィードバック制御す
るようにしても良い。
【0036】また、本実施形態では、各プーリ17,1
8のベルト巻回半径を油圧で制御するようにしたが、モ
ータ等の電気的な駆動源で制御するようにしても良い。
また、エンジン11と無段変速機15との間に、トルク
コンバータ14に代えて、電磁クラッチを設けても良
い。
【0037】その他、本発明は、ベルト駆動式の無段変
速機に限定されず、トロイダル型の無段変速機にも適用
可能であり、これらいずれのシステムでも、運転状態に
応じて目標変速比又は目標回転数となるように無段変速
機をフィードバック制御する際に、エンジン回転数変化
量、プライマリ回転数変化量、セカンダリ回転数変化
量、車速変化量のすくなとも1つを検出し、検出した変
化量に応じてフィードバック制御の目標値を補正すれ
ば、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム全体の概略
構成図
【図2】変速制御メインルーチンの処理の流れを示すフ
ローチャート
【図3】実変速比算出ルーチンの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図4】目標プライマリ圧フィードバック補正量算出ル
ーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図5】車速変化量算出ルーチンの処理の流れを示すフ
ローチャート
【図6】従来の変速制御の挙動と本発明の実施形態の変
速制御の挙動を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン、13…ロックアップクラッチ、14…
トルクコンバータ、15…無段変速機、17…プライマ
リプーリ、18…セカンダリプーリ、19…金属ベル
ト、21…プライマリバルブ、22…セカンダリバル
ブ、23…ECU(フィードバック制御手段,変化量検
出手段,補正手段)、24…エンジン回転数センサ、2
5…スロットル開度センサ、26…吸気管圧力センサ、
27…車速センサ、28…プライマリ回転数センサ、2
9…セカンダリ回転数センサ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの動力を変速比を連続的に変化
    させて車輪に伝達する無段変速機において、 運転状態に応じて目標変速比又は目標回転数となるよう
    に前記無段変速機をフィードバック制御するフィードバ
    ック制御手段と、 エンジン回転数変化量、プライマリ回転数変化量、セカ
    ンダリ回転数変化量、車速変化量のすくなとも1つを検
    出する変化量検出手段と、 前記変化量検出手段で検出した変化量に応じて前記フィ
    ードバック制御手段の目標値を補正する補正手段とを備
    えていることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変化量検出手段は、運転状態に応じ
    て設定されたフィルタ定数で前記変化量をフィルタ処理
    して検出することを特徴とする請求項1に記載の無段変
    速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、運転状態に応じて設定
    されたゲインで前記変化量を増幅することで前記フィー
    ドバック制御手段の目標値の補正量を求めることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の無段変速機の制御装置。
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