JP3409499B2 - 電子制御スロットル装置 - Google Patents

電子制御スロットル装置

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JP3409499B2
JP3409499B2 JP09400295A JP9400295A JP3409499B2 JP 3409499 B2 JP3409499 B2 JP 3409499B2 JP 09400295 A JP09400295 A JP 09400295A JP 9400295 A JP9400295 A JP 9400295A JP 3409499 B2 JP3409499 B2 JP 3409499B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子制御スロットル
装置に係り、詳しくは磁電変換素子を用いてスロットル
開度を検出するスロットル開度センサを備え、該センサ
の検出信号を基にスロットルバルブの開度を制御する電
子制御スロットル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の電子制御スロットル装置では、
スロットルバルブの回動軸に例えば直流電動機(DCモ
ータ)が連結され、同DCモータの駆動によりスロット
ル開度が調整される。また、スロットル開度センサによ
り実際のスロットル開度が検出され、例えばその実開度
と目標開度との偏差をなくすように前記DCモータの制
御指令値が設定される。
【0003】また近年では、スロットル開度センサとし
てホール素子等の磁電変換素子を用いた磁気検出式セン
サの使用が提唱されている(例えば特開平5−1065
02号公報)。このような磁気検出式センサでは非接触
にて位置検出を行うため、接触部の磨耗等による機械的
損傷が原因で出力誤差を招く等の問題を生ずることはな
く、誤差の少ないセンサ出力が得られる。また、センサ
の具体例としては、スロットルバルブの回動軸の回動に
伴い磁石の磁界方向が変化し、その磁界方向の角度変化
が磁電変換素子(ホール素子)により検出される。それ
により、スロットル開度センサがスロットルバルブの開
度に対してリニアな電気信号を出力する。
【0004】一方で、高精度なスロットル制御を実現す
るためには、スロットル開度センサの出力誤差をできる
限り低減させることが要求される。そこで、上記スロッ
トル開度センサでは、一般に予め所定の基準温度(例え
ば25℃)にてセンサ個々の出力レベルが調整される。
また、センサ出力の個体差や経時変化に伴う出力のばら
つきに関しては、センサ出力の最小値をスロットル全閉
位置(基準位置)でのセンサ出力として逐次学習するよ
うになっていた。
【0005】しかし、上記構成のスロットル開度センサ
では、磁電変換素子(ホール素子)や磁石の温度特性が
原因で出力誤差を生じ易く、この出力誤差によりスロッ
トル制御精度が悪化するおそれがある。即ち、上述の如
くセンサ出力の個体差や経時変化に伴う出力誤差は全閉
学習により修正されるが、例えばエンジンルーム内の温
度が急上昇して学習時のセンサ温度とスロットル制御時
のセンサ温度とが異なると、目標開度が同一であっても
前記センサの温度特性の影響によりセンサ出力が変化し
制御精度が悪化する。
【0006】また、磁電変換素子を用いてスロットル開
度を検出する装置ではないが、内燃機関の温度変化に着
目してスロットル全閉時におけるセンサ出力を修正する
技術が実開平2−94341号公報に開示されている。
この公報では、センサ出力の最小値をスロットル全閉位
置でのセンサ出力として全閉学習し、さらにエンジン温
度に応じて「全閉位置」と判定すべきセンサ全閉出力の
レベルを修正している。これにより、スロットルアクチ
ュエータを構成するリンク部材等の熱膨張による全閉位
置の誤検出防止を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
技術においては下記の問題が生ずる。即ち、前記実開平
2−94341号公報の装置では、エンジンの温度変化
に伴うリンク部材の伸縮による出力誤差を解消するもの
であって、上述の磁気検出式センサの温度特性による出
力誤差を解消することができない。また、単にセンサ出
力の最小値をセンサ全閉出力として更新するものである
ため、予測が困難な温度特性に対応したスロットル制御
を実現することはできない。
【0008】この発明は、上記従来の問題点に着目して
なされたものであって、その目的とするところは、磁電
変換素子を用いたスロットル開度センサの温度特性によ
る制御精度の悪化を防止し、いかなる温度領域でも高精
度なスロットル制御を実現することができる電子制御ス
ロットル装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、図17に示すように、エ
ンジンの吸気通路に設けられ、予め規定された基準位置
を含む領域で回動するスロットルバルブM1と、前記ス
ロットルバルブM1を開方向又は閉方向に回動させるた
めのスロットル駆動手段M2と、磁石により形成された
磁路での前記スロットルバルブM1の回動に伴う磁界方
向の変化を磁電変換素子にて検出し、その検出結果をス
ロットル開度に応じた電気信号として出力するスロット
ル開度センサM3と、前記スロットル開度センサM3の
温度を検出するセンサ温度検出手段M4と、電源のオン
・オフに関係なく常に記憶データを保持するバックアッ
プメモリM5と、前記基準位置での前記スロットル開度
センサM3の出力レベルを基準位置学習値として逐次更
新し、該基準位置学習値を前記センサ温度検出手段M4
により検出されたセンサ温度に応じて複数の温度領域に
区分して前記バックアップメモリM5に記憶する基準位
置学習手段M6と、エンジン運転条件に応じて前記スロ
ットルバルブM1の目標基本開度を設定すると共に、前
記センサ温度検出手段M4により検出されたセンサ温度
に応じて前記バックアップメモリM5内の基準位置学習
値を読み出し、該目標基本開度と基準位置学習値とから
最終の目標開度を設定する目標開度設定手段M7と、前
記目標開度設定手段M7により設定された目標開度に基
づいて前記スロットル駆動手段M2の駆動を制御するス
ロットル制御手段M8とを備えたことを要旨としてい
る。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記スロットル開度センサM3は、
所定の基準温度における出力レベルが一致するよう調整
されるものであって、前記基準位置学習手段M6は、当
該基準温度から離れるほど、学習する温度領域を細分化
して前記バックアップメモリM5に記憶する。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
2に記載の発明において、前記スロットルバルブM1の
基準位置にストッパ部材を設ける一方で、前記スロット
ル駆動手段M2としての直流電動機を前記スロットル制
御手段M8によりデューティ制御する電子制御スロット
ル装置であって、前記基準位置学習手段M6は、前記直
流電動機の制御デューティ比が所定値を越えた際にスロ
ットルバルブM1が基準位置に到達した旨を検出する基
準位置検出手段を備える。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3
のいずれかに記載の発明において、前記センサ温度検出
手段M4は、少なくともエンジンの冷却水温及び吸気温
からセンサ温度を推定する。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、基準位置学習
手段M6は、予め規定された基準位置でのスロットル開
度センサM3の出力レベルを基準位置学習値(電圧値)
として逐次更新し、該基準位置学習値をセンサ温度検出
手段M4により検出されたセンサ温度に応じて複数の温
度領域に区分してバックアップメモリM5に記憶する。
目標開度設定手段M7は、エンジン運転条件に応じてス
ロットルバルブM1の目標基本開度を設定すると共に、
センサ温度検出手段M4により検出されたセンサ温度に
応じてバックアップメモリM5内の基準位置学習値を読
み出し、該目標基本開度と基準位置学習値とから最終の
目標開度(指令電圧)を設定する。スロットル制御手段
M8は、目標開度設定手段M7により設定された目標開
度(指令電圧)に基づいてスロットル駆動手段M2の駆
動を制御する。
【0014】要するに、磁電変換素子を用いて構成した
スロットル開度センサM3では、温度特性による出力誤
差が問題となり、この出力誤差が原因でスロットル制御
精度が悪化することがある。そこで本構成では、センサ
の温度特性を考慮してセンサ温度域毎に基準位置学習値
を記憶しておき、スロットル制御時にその時のセンサ温
度に対応する基準位置学習値を読み出してスロットル開
度を調整するようにした。その結果、例えば基準位置学
習時のセンサ温度とスロットル制御時のセンサ温度とが
異なるような場合であっても、センサの出力誤差が解消
され、適正なスロットル制御が実現される。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、スロット
ル開度センサM3の出力レベルが調整される基準温度か
ら離れるほど、学習する温度領域が細分化される。つま
り、前記基準温度から離れる領域ではセンサ出力のバラ
ツキ程度が大きくなり、僅かな温度変化で大きば出力誤
差が生じるおそれがある。そこで、同領域で基準位置学
習値の温度領域を細分化することにより、いかなる温度
領域においても高精度な基準位置学習が実現できる。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、基準位置
学習手段M6の基準位置検出手段は、直流電動機の制御
デューティ比が所定値を越えた際にスロットルバルブM
1が基準位置に到達した旨を検出する。つまり、スロッ
トルバルブM1が基準位置(ストッパ部材)に到達して
からも直流電動機が継続して駆動されると、制御デュー
ティ比が本来の制御値を越えて増大する。そこで、制御
デューティ比を所定値と比較することにより、スロット
ルバルブM1の基準位置が精度良く検出できる。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、センサ温
度検出手段M4は、少なくともエンジンの冷却水温及び
吸気温からセンサ温度を推定する。この場合、センサ温
度を検出するためのセンサ(例えば感温抵抗)等の付加
的な構成が不要になり、構成の簡略化が実現できる。
【0018】
【実施例】以下、この発明をガソリン自動車用電子制御
スロットル装置に具体化した一実施例を説明する。本実
施例の電子制御スロットル装置においては、エンジン運
転条件(例えば、運転者によるアクセル操作量等)を含
む車両運転条件に応じてスロットルバルブの目標開度が
設定され、該目標開度に基づいてスロットル開度が調整
される。また、本実施例では、スロットルバルブと同バ
ルブを駆動するための直流電動機(DCモータ)を主に
スロットルアクチュエータが構成されており、前記DC
モータはスロットルバルブを開側に付勢する付勢手段
(スプリング)の力に抗して同バルブを閉側に駆動す
る。このDCモータの駆動によりスロットルバルブが所
望の開度に調整される。なお、同スロットルアクチュエ
ータには、スロットルバルブの最大許容開度を規制する
ガード機構が設けられており、例えばアクセル操作に伴
い前記最大許容開度が開側に変更されるようになってい
る。以下、実施例の構成を図面に従って詳細に説明す
る。
【0019】図2は、本実施例の電子制御スロットル装
置におけるスロットルアクチュエータの機械的構成を示
す。エンジンへ吸入空気を導入するための吸気管(吸気
通路)1には、該吸気管1に直交する方向に延びる回動
軸2が貫設されており、吸気管1内において前記回動軸
2には円形弁板型のスロットルバルブ3が取り付けられ
ている。また、回動軸2には前記吸気管1を挟んで図中
左右一対の回動部材4,5が固定されており、各回動部
材4,5には回動軸2の軸線方向に延びる折曲部4a,
5aが形成されている。
【0020】図中左方に位置する回動部材4の折曲部4
aには、引張コイルばねからなるバルブスプリング6が
取り付けられており、同スプリング6の引張力により前
記折曲部4aがスロットルバルブ3の開放方向(以下、
この方向をバルブ開放方向と言い、逆方向をバルブ閉鎖
方向と言う)に付勢されるようになっている。即ち、回
動軸2、スロットルバルブ3及び回動部材4,5は、バ
ルブスプリング6の引張力により一体的にバルブ開放方
向に付勢されている。
【0021】また、回動軸2においてスロットルバルブ
3と回動部材5との間には、駆動伝達ギア10が取り付
けられており、同ギア10は玉軸受11により回動自在
となっている。駆動伝達ギア10の図示上部には突出部
10aが設けられており、同突出部10aは前記回動部
材5の折曲部5aに対向している。この場合、前述の如
く回動部材5がバルブスプリング6によりバルブ開放方
向へ付勢されることで、駆動伝達ギア10の突出部10
aと回動部材5の折曲部5aとが常に当接した状態で保
持される。駆動伝達ギア10の突出部10aには、引張
コイルばねからなるモータスプリング12が取り付けら
れており、同駆動ギア10はモータスプリング12の引
張力により常にバルブ開放方向に付勢されている。
【0022】駆動伝達ギア10の円弧部分に設けられた
ギア部10bには、減速ギア9を介してDCモータ8の
ピニオンギア8aが歯合している。DCモータ8は、後
述するDCモータ駆動回路からの駆動指令に従って駆動
し、駆動伝達ギア10をバルブ閉鎖方向に回動させる。
この場合、DCモータ8による駆動伝達ギア10の回動
動作に伴い回動軸2、スロットルバルブ3及び回動部材
4,5が前記バルブスプリング6及びモータスプリング
12によるバルブ開放方向への引張力に抗して一体的に
バルブ閉鎖方向に回動し、スロットル開度が調整され
る。
【0023】回動部材4がバルブ閉鎖方向へ回動する途
中の位置には、スロットルバルブ3の全閉位置(基準位
置)を規制するための全閉ストッパ片(ストッパ部材)
13が設けられている。つまり、前記DCモータ8によ
るスロットルバルブ3の閉鎖動作時において、回動部材
4が全閉ストッパ片13の取り付け位置に達すると、同
部材4の折曲部4aが全閉ストッパ片13に当接し、そ
の当接位置がスロットルバルブ3の全閉位置として規定
される。
【0024】一方、回動軸2の右端部には、スロットル
バルブ3の回転角度の位相(スロットル開度)を検出す
るためのスロットル開度センサ7が設けられている。こ
のスロットル開度センサ7は磁電変換素子としてのホー
ル素子を有し、該ホール素子のホール効果により非接触
でスロットル開度を検出する。なお、スロットル開度セ
ンサ7の詳細な構成及び、スロットル開度の検出原理に
ついては後述する。
【0025】車両運転条件に応じてスロットルバルブ3
の最大許容開度を変更するガード機構において、回動軸
2と同軸線上にはガード軸15が設けられ、同ガード軸
15の一端にはガードプレート16が取り付けられてい
る。同ガードプレート16は回動部材4の折曲部4aに
対向する折曲部16aを有しており、同折曲部16aに
はガードプレート16をバルブ閉鎖方向に付勢するガー
ドスプリング(引張コイルばね)17が取り付けられて
いる。
【0026】また、ガードプレート16の回動位置はダ
イアフラムアクチュエータ18及びサーモワックス19
にて規定されるようになっており、これら部材の伸縮位
置によりスロットルバルブ3の最大許容開度が決定され
る。つまり、例えば定速走行時(クルーズ走行時)に
は、ダイアフラムアクチュエータ18のロッド18aが
収縮し、ガードプレート16はバルブ開放方向に、即ち
スロットルバルブ3の最大許容開度を大きくする方向に
回動する。また、サーモワックス19はエンジン冷却水
の温度によりそのロッド19aが伸縮するものであり、
例えばコールドスタート時のように冷却水温が低い場合
に収縮する。この場合、ガードプレート16は、ロッド
19aの収縮に伴いバルブ開放方向に、即ちスロットル
バルブ3の最大許容開度を大きくする方向に回動する。
【0027】アクセルペダル20にはガード軸15に固
定されたアクセルレバー21が連結されており、運転者
によるアクセルペダル20の踏み込み操作に伴い同アク
セルレバー21がバルブ開放方向、即ちスロットルバル
ブ3の最大許容開度を大きくする方向に回動する。アク
セルペダル20の踏み込みに応じたアクセル操作量はア
クセルポジションセンサ22にて検出される。ガード軸
15の図示左端部には、ガードプレート16の位置を検
出するためのガードセンサ23が配設されている。
【0028】ここで、上記スロットルアクチュエータの
構成を模式的に示した図3を用いて、同アクチュエータ
の動作を説明する。なお、図3では、図中上方向がバル
ブ開放方向を示し、図中下方向がバルブ閉鎖方向を示
す。
【0029】さて、ガードプレート16のガード位置、
即ちスロットルバルブ3の最大許容開度は、アクセルペ
ダル20のアクセル操作量、ダイアフラムアクチュエー
タ18の変位量、又はサーモワックス19の変位量によ
り決定されている。この場合、例えばアクセルペダル2
0が踏み込まれると、ガードプレート16が図示上方
(バルブ開放方向)へ引き上げられ、スロットルバルブ
3の最大許容開度が大きくなる。
【0030】また図3において、スロットルバルブ3
は、バルブスプリング6により回動部材4がガードプレ
ート16に当接する方向に、即ちバルブ開放方向に引っ
張られているが、DCモータ8の駆動によりバルブ閉鎖
方向に回動し、所定開度に保持されている。この場合、
バルブ閉鎖方向(図示下方)へのDCモータ8の駆動力
と、バルブ開放方向(図示上方)へのバルブスプリング
6及びモータスプリング12の付勢力とのバランスによ
ってスロットルバルブ3の開度が決定される。つまり、
スロットルバルブ3を所定の開度に維持するには、前記
スプリング6,12のバルブ開放方向への引張力に対抗
して当該バルブ3をバルブ閉鎖方向に回動させるだけの
駆動力が前記DCモータ8に要求される。なお、DCモ
ータ8の駆動によりスロットルバルブ3が全閉位置に到
達した際には、回動部材4が全閉ストッパ片13に当接
する。
【0031】ここで、図4を用いてスロットル開度セン
サ7の構成を説明する。図4において、前記回動軸2の
端部にはロータアセンブリ41が構成されている。つま
り、回動軸2の端部に形成されたフランジ2aには略円
筒状のロータ42及びカバー43が取り付けられ、同ロ
ータ42及びカバー43には軸方向切断部分が略半円筒
状をなす一対の永久磁石44a,44bが対向配置され
ている。永久磁石44a,44bは互いに反対極性に磁
化されている。
【0032】また、合成樹脂製のハウジング45はエン
ジンルーム内の所定部位に固定されるものであって、同
ハウジング45には図の下方に開口する凹部46が設け
られている。凹部46内には回路基板47が固定され、
同回路基板47の略中央部にはホール素子49を収容す
る支持体48が取り付けられている。前記回路基板47
はホール素子49により得られたホール電圧をスロット
ル開度情報として信号処理するための信号処理回路を有
し、該回路基板47にて処理された信号(スロットル開
度情報)がターミナル50を介して後述する電子制御装
置へ出力されるようになっている。
【0033】次に、図5を用いて同スロットル開度セン
サ7によるスロットル開度の検出原理を説明する。図5
において、永久磁石44a,44bはロータアセンブリ
41に載置されており、回動軸2に直交する方向に磁路
を形成している。ホール素子49は永久磁石44a,4
4bの中空部内(磁路内)において回動軸2に平行に配
設されており、回動軸2に直交する磁界を検出する。即
ち、スロットルバルブ3の回動に伴い永久磁石44a,
44bがホール素子49の周りを図5に示す態様で回動
することによりホール素子49の感磁面に対する磁界方
向が変化し、その変化した角度θに対応した電気信号、
即ちホール電圧VHがホール素子49から出力される。
ここで、ホール電圧VHは次の(1)式にて定義され
る。
【0034】 VH=KH・B・Rd・I・sinθ =VA・sinθ ・・・(1) なお、上式において、「KH」はホール素子49の感
度、「B」は永久磁石44a,44bの磁束密度、「R
d」はホール素子49の内部抵抗、「I」はホール素子
49の駆動電流である。また、「VA」は「KH・B・
Rd・I」に対応した定数である。
【0035】上記構成によれば、図6に示すように、ロ
ータアセンブリ41が−90度から+90度まで回転す
る間に、上記ホール電圧VHは、「−VA」から「+V
A」へと正弦波上を連続的に変化する。そして、スロッ
トル開度センサ7は、上記の如くホール素子49から出
力されるホール電圧VHを処理して、スロットル開度に
対応した電気信号を出力する。
【0036】図7はホール素子49の駆動回路を示す。
図7の駆動回路において、抵抗R1と正の有する感温抵
抗(サーミスタ)R2とにより第1の分圧回路が構成さ
れ、抵抗R3と抵抗R4とにより第2の分圧回路が構成
されている。そして、これら分圧された電圧をさらに抵
抗R5と抵抗R6とにより分圧して、素子駆動用の基準
電圧Vdを生成している。なお、端子T1は電源電圧
(Vcc)印加端子であり、端子T2は接地(GND)
端子である。
【0037】また、同駆動回路において、演算増幅器A
と抵抗R7とは、ホール素子49を定電流駆動するため
の回路であり、この回路では、上記基準電圧Vdに基づ
きホール素子49の端子a−b間に、(Vd/R7)と
いった駆動電流を流してこれを駆動している。
【0038】かかる場合、スロットルバルブ3の回動に
伴い永久磁石44a,44bが該ホール素子49の周り
を角度θだけ回転するとき、その角度θに対応したホー
ル電圧VHが上記(1)式に示される態様で同ホール素
子49の端子c−d間から出力される。そして、信号処
理回路51がこうして出力されるホール電圧VHを所要
に処理することにより、上記スロットル開度に対応した
リニアな電気信号が出力端子T3から出力される。
【0039】図1は本実施例における電子制御スロット
ル装置の電気的構成を示す。同図において、電子制御装
置(以下、ECUという)25はマイクロコンピュータ
を中心に構成され、各種センサ信号に基づき上述のスロ
ットルアクチュエータやその他図示しない各種アクチュ
エータ(燃料噴射弁や点火回路等)を制御する。また、
DCモータ駆動回路29は、ECU25から送信される
制御指令信号とスプリング開度センサ7の検出信号とに
基づき前記DCモータ8の制御デューティを演算し、該
制御デューティによりDCモータ8の駆動を制御する。
以下、図1の構成を詳細に説明する。
【0040】ECU25は、CPU(中央処理装置)2
6、D/A変換器(DAC)27、A/D変換器(AD
C)28、メモリ33及びバックアップメモリ34等に
より構成されている。CPU26には、前記スロットル
開度センサ7及びアクセルポジションセンサ22の他
に、エンジン冷却水の温度を検出するための水温センサ
36、吸入空気の温度を検出するための吸気温センサ3
7、吸入空気の量を検出するためのエアフローメータ3
8からの各種検出信号がA/D変換器28を介して入力
される。そして、CPU26はこれらのA/D変換信号
に基づいて、スロットル開度Vth、アクセル操作量A
p、冷却水温Tw、吸気温Ta及び吸入空気量Qaを検
知する。また、CPU26には、エンジン回転数を検出
するためのエンジン回転数センサ35、及び車体速度を
検出する車速センサ39からの検出信号が入力され、C
PU26はこれら入力信号に基づいてエンジン回転数N
e及び車速Vsを検知する。
【0041】さらに、CPU26は、エンジン運転条件
を含む車両運転条件に応じて目標開度(スロットル指令
電圧Vcmd)を算出する。スロットル指令電圧Vcm
dは、スロットル全閉時における全閉位置学習値を含む
値であり、この全閉位置学習値はスロットル開度センサ
7の温度(以下、センサ温という)に応じて温度領域毎
に複数個用意され、電源のオン・オフにかかわらずバッ
クアップメモリ34にて記憶保持されている。なお、本
実施例においては、通常のスロットル制御時にはアクセ
ル操作量Apに応じて目標開度が設定され、その他、ク
ルーズ走行時やトラクション制御時には図示しない他の
電子制御装置等から送信される制御データにより目標開
度が設定されるようになっている。
【0042】図1のDCモータ駆動回路29は、PID
制御回路30、PWM(パルス幅変調)回路31及びド
ライバ32により構成されている。このうち、PID制
御回路30は、CPU26にて算出された目標開度(ス
ロットル指令電圧Vcmd)と、スロットル開度センサ
7にて検出された実際のスロットル開度(スロットル開
度Vth)とを入力し、両データの偏差を小さくするよ
うPID(比例・積分・微分)動作を実施してスロット
ルバルブ3の制御値を算出する。PWM回路31は、P
ID制御回路30から出力された制御値信号をデューテ
ィ比信号Dutyに変換し、ドライバ32は、同デュー
ティ比信号DutyによりDCモータ8を駆動させる。
PWM回路31のデューティ比信号Dutyは、CPU
26にも送信される。なお、本実施例では、DCモータ
8によりスロットル駆動手段が構成され、CPU26に
よりセンサ温度検出手段、基準位置学習手段、目標開度
設定手段及び基準位置検出手段が構成されている。ま
た、DCモータ駆動回路29によりスロットル制御手段
が構成されている。
【0043】次に、上記の如く構成される電子制御スロ
ットル装置の作用を説明する。本制御装置では、エンジ
ン運転条件(若しくは車両運転条件)に応じてスロット
ルアクチュエータのスロットルバルブ3を所望の開度に
調整すると共に、スロットル開度センサ7の温度(以
下、センサ温Tsという)によるセンサ出力特性の誤差
を修正すべくバルブ全閉位置でのセンサ出力を温度領域
毎に学習している。以下、CPU26により実行される
スロットル制御、全閉学習、センサ温推定処理を順次説
明する。
【0044】図8はスロットルバルブ3を所望の開度に
制御するためのスロットル制御ルーチンを示す。図8に
おいて、CPU26は、先ずステップ101で車両の運
転条件に基づきスロットル制御モードを選択する。具体
的には、通常の車両走行時であればアクセル操作量Ap
に応じた制御モード(便宜上、アクセル制御モードと言
う)が選択され、クルーズ走行時であればクルーズ制御
モードが選択され、トラクション制御時(駆動輪の空転
時)であればトラクション制御モードが選択される。
【0045】そして、CPU26は、続くステップ10
2で上記制御モードに応じたスロットル開度指令値θc
mdを算出する。詳しくは、アクセル制御モードの場
合、図9に示す関係を用いてアクセルポジションセンサ
22により検出されたアクセル操作量Apに応じたスロ
ットル開度指令値θcmdが算出される。クルーズ制御
モードの場合には、クルーズ制御データ(駆動輪速度や
目標車体速度)に応じたスロットル開度指令値θcmd
が算出される。また、トラクション制御モードの場合に
は、トラクション制御データ(駆動輪速度やブレーキ信
号)に応じたスロットル開度指令値θcmdが算出され
る。なお、各三つのスロットル開度指令値θcmdを同
時に算出し、クルーズ制御モードでは最も大きい「θc
md」を選択し、トラクション制御モードでは最も小さ
い「θcmd」を選択するようにしてもよい。
【0046】その後、CPU26は、ステップ103で
図10に示す関係を用いて、その時のスロットル開度指
令値θcmdを電圧値V1に変換すると共に、続くステ
ップ104でその時のセンサ温Tsに応じた全閉基準電
圧Voをバップアップメモリ34から読み出す。さら
に、CPU26は、続くステップ105で前記電圧値V
1に全閉基準電圧Voを加算してスロットル指令電圧V
cmdを算出し(Vcmd=V1+Vo)、これをDC
モータ駆動回路29に出力する。なお、スロットル開度
指令値θcmdが「目標基本開度」に相当し、全閉基準
電圧Voが「基準位置学習値」に相当し、スロットル指
令電圧Vcmdが「最終の目標開度」に相当する。
【0047】ここで、全閉基準電圧Voは、スロットル
全閉時におけるセンサ出力電圧であり、一般にセンサの
使用前にはセンサ個々の出力バラツキを解消すべく、所
定温度での調整点(本実施例では、25℃)にて同一の
出力レベルが得られるように設定されている。つまり、
ホール素子を用いたスロットル開度センサ7では、図1
1に示すようにセンサ温の変化による出力バラツキを生
じる。そこで、本実施例では、センサ温を例えばA1〜
A8に区分し、各温度領域毎に各々の全閉基準電圧Vo
を割りあてている。なお、調整点(25℃)から離れる
ほど出力バラツキの程度が大きくなるため、温度区分の
間隔を調整点から離れるほど細分化している。
【0048】一方、図12は全閉位置におけるセンサ出
力を温度域毎に学習するための全閉学習ルーチンを示
す。以下の説明では、基本的にアクセル制御のみが実施
される場合を想定して説明する。
【0049】図12において、CPU26は、先ずステ
ップ201でアクセルポジションセンサ22にて検出さ
れたアクセル操作量Apが「0」を越える値であるか否
か(Ap>0か否か)を判別する。この場合、運転者に
よるアクセル操作中であればステップ201が肯定判別
され、CPU26はステップ202に進んで学習実行フ
ラグXLRNを「0」にリセットした後、一旦ルーチン
を終了する。
【0050】また、アクセル操作量Apが「0」であれ
ばステップ201が否定判別され、CPU26はステッ
プ203に進む。そして、CPU26は、ステップ20
3〜205の条件判別を行う。詳しくは、CPU26
は、ステップ203でスロットル開度センサ7により検
出された実際のスロットル開度Vthが所定の微小開度
KVth以下であるか否かを判別し、続くステップ20
4でエンジン回転数Neが所定回転数(本実施例では、
1500rpm)以上であるか否かを判別する。また、
CPU26は、ステップ205で学習実行フラグXLR
Nが「0」であるか否かを判別する。この場合、ステッ
プ203〜205が全て肯定判別されると、CPU26
はステップ206に進み、ステップ203〜205のい
ずれかが否定判別されると一旦ルーチンを終了する。
【0051】ステップ206に進むと、CPU26は、
前回のルーチンにて算出されたスロットル開度指令値θ
cmdi-1 から所定値Δθcmd(例えば、0.1°)
を減算し、その値を今回のスロットル開度指令値θcm
di とする(θcmdi =θcmdi-1 −Δθcm
d)。また、CPU26は、続くステップ207で前記
図9の関係を用いてスロットル開度指令値θcmdi を
電圧値V1に換算し、さらに同電圧値V1をスロットル
指令電圧Vcmdとして直ちにDCモータ駆動回路29
に出力する。それにより、DCモータ駆動回路29は、
スロットル指令電圧Vcmd(V1)に応じたデューテ
ィ比信号DutyにてDCモータ8を駆動させる。つま
り、ステップ206,207によれば、上記図8の処理
に代えてスロットル指令電圧Vcmdの設定が行われ
る。
【0052】その後、CPU26は、DCモータ駆動回
路29にて生成されたデューティ比信号Dutyが「閉
側」の所定値(本実施例では、85%)以上であるか否
かを判別する。このとき、スロットルバルブ3が全閉位
置に到達していなければ、Duty<85%となってス
テップ208が否定判別され、CPU26はステップ2
09でカウンタCTを「0」にリセットして、ルーチン
を終了する。一方、Duty≧85%となってステップ
208が肯定判別されると、CPU26はステップ21
0に進む。
【0053】つまり、スロットル全閉時に回動部材4が
全閉ストッパ片13に当接しているにもかかわらず、D
Cモータ8がさらに閉鎖方向に駆動される場合、デュー
ティ比信号Dutyが「閉側」に増大する(Duty≧
85%)。また、それと同時にDCモータ駆動回路29
ではロック電流が発生する。そこで本実施例では、デュ
ーティ比信号Dutyが所定値(85%)を越えた際
に、スロットルバルブ3が全閉位置に到達した旨を検出
する。
【0054】そして、CPU26は、ステップ210で
カウンタCTを「1」インクリメントする。続いて、C
PU26は、ステップ211でカウンタCTが所定値K
CT以上であるか否か、即ちスロットルバルブ3が全閉
位置に到達してから所定値KCTに相当する所定時間が
経過したか否かを判別する。カウンタCTが所定値KC
T未満(CT<KCT)であれば、ステップ212に移
行する。そして、CPU26は、ステップ212でスロ
ットル開度センサ7により検出された実際のスロットル
開度Vthを用いて次の(2)式により全閉基準電圧V
oを算出する。即ち、今回のスロットル開度Vthi
と、前回のスロットル開度Vthi-1 との相加平均値を
算出して、該算出値を全閉基準電圧Voとする。
【0055】 Vo=(Vthi-1 +Vthi )/2 ・・・(2) さらに、CPU26は、ステップ213で前記全閉基準
電圧Voをその時のセンサ温Tsに対応してバックアッ
プメモリ34の所定領域に記憶する。
【0056】一方、カウンタCTが所定値KCT以上と
なれば、CPU26はステップ211からステップ21
4に進み、学習実行フラグXLRNに「1」をセットし
た後、ルーチンを終了する。
【0057】ここで、図13のタイムチャートを用いて
上記CPU26による処理をより具体的に説明する。ア
クセル操作中である時間t1以前においては、バルブス
プリング6,モータスプリング12の付勢力に抗してス
ロットルバルブ3をバルブ閉鎖方向に駆動すべくモータ
負荷電流及びデューティ比信号Dutyが「閉側」の所
定値に保持される。また、時間t1でアクセルペダル2
0の踏み込み操作が中断されると、その後、時間t2で
アクセル操作量Apが「0」になる。この時間t2以前
では、前述した図8のルーチンが実行され、アクセル操
作量Apに応じたデューティ比信号Dutyによりスロ
ットル開度が制御される。
【0058】そして、時間t3でスロットル開度Vth
が所定の微小開度KVthまで低下すると、スロットル
バルブ3が所定値Δθcmdずつ閉鎖方向に回動され
る。このとき、スロットルバルブ3が全閉位置に到達す
る以前の時間t3〜t4では、「閉側」のDuty<8
5%となっている。
【0059】一方、時間t4でスロットルバルブ3が全
閉位置に到達すると、回動部材4の折曲部4aが全閉ス
トッパ片13に当接する。このとき、モータ負荷電流が
閉側に増加してロック電流が発生すると共に、デューテ
ィ比信号Dutyが閉側へ急激に増加する(「閉側」の
Duty≧85%となる)。そして、カウンタCTが所
定値KCTに達する時間t5で学習実行フラグXLRN
に「1」がセットされる。その後、運転者によるアクセ
ル操作が再開される時間t6では、学習実行フラグXL
RNが再び「0」にクリアされる。
【0060】図14は、温度領域毎の全閉基準電圧Vo
を用いてスロットル制御を実施した際の効果を説明する
ためのタイムチャートである。なお、図14はアクセル
操作量一定(即ち、スロットル目標開度一定)の条件下
での挙動を示しており、は上記全閉学習を実施した場
合を、は上記全閉学習を実施していない場合を表す。
【0061】即ち図14では、センサ温が低温側(25
℃)から高温側へ変化しており、スロットルバルブ3の
目標開度一定にもかかわらずセンサ出力が温度特性によ
り図の(又は)のように変化している(破線は温度
特性の無い場合を示す)。この場合、温度領域毎の全閉
学習がなされていないと、スロットル開度はアクセル操
作量一定にもかかわらず図ののように変化してしま
い、安定したスロットル制御が実現できない。これに対
して温度領域毎の全閉学習がなされていると、センサ温
Tsに応じた全閉基準電圧Voを用いることでスロット
ル開度が図ののように変化する。つまり、温度特性が
無い場合のスロットル開度に殆ど一致し、安定したスロ
ットル制御が実現できる。
【0062】一方、本実施例では、イグニションキーの
オン操作後におけるエンジン運転条件(冷却水温Tw,
吸気温Ta,吸入空気量Qa,車速Vs)に基づいて、
CPU26によりスロットル開度センサ7の温度(セン
サ温Ts)が推定される。以下、図15のフローチャー
トに従ってセンサ温推定ルーチンを説明する。
【0063】CPU26は、先ずステップ301でイグ
ニションキーがオン操作されたか否か(IG=ONであ
るか否か)を判別し、IG=OFFであればそのままル
ーチンを終了する。また、IG=ONであれば、CPU
26はステップ302で冷却水温Tw,吸気温Ta,吸
入空気量Qa,車速Vsを読み込み、続くステップ30
3で冷却水温Tw及び吸気温Taから次の(3)式を用
いてバルブセンサ温Tsの初期値を算出し、同値を「T
s1」として記憶する。
【0064】 Ts1=(Tw+Ta)/2 ・・・(3) その後、CPU26は、ステップ304で車速Vs,適
合値a,b,xから下記の(4),(5)式を用いて入
力値演算定数A,Bを算出すると共に、続くステップ3
05で冷却水温Tw,吸気温Ta,吸入空気量Qa,入
力値演算定数A,Bから下記の(6)式を用いて入力値
Xを算出する。
【0065】 A=a/(Vs+x) ・・・(4) B=b/(Vs+x) ・・・(5) X=A・Tw+(1−A)・Ta+B・Qa ・・・(6) さらに、CPU26は、ステップ306で次の(7)式
を用いて一次遅れの関数(二次遅れの関数でも可)とし
て推定したセンサ温を「Ts2」として記憶する。な
お、τは適合値であり、dtはサンプリングタイムであ
る。
【0066】 Ts2={dt/(τ+dt)}・(X−Ts1) +Ts1 ・・・(7) そして、CPU26は、ステップ307で「Ts2」を
その時のセンサ温Tsとして記憶する。その後、CPU
26は、ステップ308でIG=OFFであるか否かを
判別し、IG=OFFであれば本ルーチンを終了する。
また、IG=ONであればステップ309に進む。CP
U26は、ステップ309で前記ステップ306にて算
出した「Ts2」を「Ts1」として記憶し、続くステ
ップ310で再び冷却水温Tw,吸気温Ta,吸入空気
量Qa,車速Vsを読み込む。そして、IG=OFFと
なるまで前述のステップ304〜310を繰り返し実行
する。上記の一連の処理により、センサ温Tsが逐次推
定される。
【0067】図16は、エンジン始動後の経過時間と各
温度の推移とを示す図であり、同図では上述の図15に
より推定されたセンサ温Tsを実線で、センサ温の実測
値「Tsp」を破線で、冷却水温Twを一点鎖線で、吸
気温Taを二点鎖線で、それぞれ示す。同図によれば、
図15により推定されたセンサ温Tsが実測値「Ts
p」に略一致しており、センサ温Tsが精度良く推定さ
れていることが分かる。
【0068】以上詳述したように、本実施例の電子制御
スロットル装置では、スロットル全閉位置でのスロット
ル開度センサ7の出力レベルを全閉基準電圧Vo(基準
位置学習値)として逐次更新し、該全閉基準電圧Voを
センサ温Tsに応じて複数の温度領域に区分してバック
アップメモリ34に記憶した(図12のステップ21
3)。また、運転条件に応じてスロットル指令開度値θ
cmd(目標基本開度)を設定すると共に、センサ温T
sに応じてバックアップメモリ34内の全閉基準電圧V
oを読み出し、それらからスロットル指令電圧Vcmd
(最終の目標開度)を設定した(図8のルーチン)。
【0069】要するに、ホール素子49を用いたスロッ
トル開度センサ7は、温度特性による出力誤差が問題と
なり、この出力誤差が原因でスロットル制御精度が悪化
することがある。これに対して本実施例の構成によれ
ば、温度特性による温度域毎のセンサ出力のバラツキが
適正に修正される。また、例えば全閉位置学習時のセン
サ温とスロットル制御時のセンサ温とが異なるような場
合であっても、センサの出力誤差が解消され、適正なス
ロットル制御が実現される。
【0070】また、本実施例では、センサ出力レベルの
調整点(図11の25℃)から離れるほど、学習する温
度領域が細分化されるため、センサ出力のバラツキ程度
が大きくなる領域(図11のA1やA8)でも全閉基準
電圧Voが適正に設定できる。つまり、いかなる温度領
域においても高精度な全閉位置学習が実現できる。な
お、上述の如く全閉位置が精度良く検出できることで、
スロットルバルブ3の微小開度域(0〜4°)を用いる
アイドル回転数制御等においても精密な制御が実現でき
る。また、上記構成では、センサ出力のバラツキが比較
的小さな領域では温度領域の間隔が大きくなるため、当
該領域での記憶データが少なくなりメモリ容量が確保で
きる。
【0071】さらに、本実施例では、DCモータ8のデ
ューティ比信号Dutyが所定値(閉側の85%)を越
えた際にスロットル全閉を検出するようにしたため、当
該全閉検出を精度良く且つ容易に実施することができ
る。この場合、一般に使用される全閉スイッチ(アイド
ルスイッチ)を設ける必要がないので、低コスト化が実
現されるばかりか、同スイッチの取り付け誤差による誤
検出も回避できる。
【0072】また、本実施例では、図15のルーチンに
よりエンジン始動時からの運転条件に応じてセンサ温T
sを推定したため、センサ温度検出用のセンサ等、付加
的な構成を設けなくてもセンサ温Tsを精度良く検出す
ることができる。また、センサ温Tsを冷却水温Tw等
で代用する場合と比べて、スロットル制御における信頼
性を大幅に向上させることができる。
【0073】なお、本発明は、上記実施例の他に次のよ
うに具体化することもできる。 (1)上記実施例では、スロットル全閉位置にストッパ
部材(全閉ストッパ片13)を設け、該全閉位置を基準
位置としたが、これを変更してもよい。例えば、予め規
定されたスロットル全開位置にストッパ部材を設けてこ
の全開位置を基準位置とし、この位置を学習する構成に
してもよい。また、付勢手段(スプリング)によりスロ
ットルバルブ3を「閉側」に付勢すると共に、DCモー
タ8を「開側」に駆動する構成にしてもよい。
【0074】(2)上記実施例では、図15に示すルー
チンによりセンサ温度を推定したが、スロットル開度セ
ンサ7に直接、感温抵抗等による温度センサを取り付
け、該センサによりセンサ温度を検出するようにしても
よい。
【0075】(3)スロットル開度センサ7は磁電変換
素子を用いる構成であれば任意に変更可能であり、2個
のホール素子を用いてスロットル開度センサを構成して
その検出精度の向上を図ることもできる。また、磁気抵
抗素子(MRE)を用いてスロットル開度センサを構成
することもできる。
【0076】(4)上記実施例では、スロットル全閉時
におけるDCモータ8の制御デューティから全閉位置を
検出したが、これを変更してもよい。例えばモータ負荷
電流検知用電流計を用いてロック電流の発生を検知し、
ロック電流発生の際にスロットル全閉の旨を検出するよ
うにしてもよい。
【0077】(5)上記実施例では、スロットル実開度
を目標開度に一致させるべくスロットル開度をフィード
バック制御する制御システムで本発明を具体化したが、
勿論スロットル開度をオープン制御する制御システムに
具体化することも可能である。
【0078】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、磁電変
換素子を用いたスロットル開度センサの温度特性による
制御精度の悪化を防止し、高精度なスロットル制御を実
施することができるという優れた効果を発揮する。
【0079】請求項2に記載の発明によれば、いかなる
温度領域においても高精度な基準位置学習が実現でき
る。請求項3に記載の発明によれば、スロットルバルブ
の基準位置を精度良く検出することができる。
【0080】請求項4に記載の発明によれば、センサ温
度を検出するためのセンサ等の付加的な構成が不要にな
り、構成の簡略化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における電子制御スロットル装置の電気
的構成を示す図。
【図2】実施例におけるスロットルアクチュエータの機
械的構成を示す斜視図。
【図3】図2のスロットルアクチュエータを模式化して
示す図。
【図4】スロットル開度センサの構成を示す断面図。
【図5】ホール素子によるスロットル開度の検出原理を
示す略図。
【図6】ホール素子の出力特性を説明するための図。
【図7】ホール素子駆動回路を示す回路図。
【図8】スロットル制御ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図9】アクセル操作量とスロットル開度指令値との関
係を示す図。
【図10】スロットル開度指令値と電圧値の関係を示す
図。
【図11】センサ温に対するセンサ出力のバラツキを示
す図。
【図12】全閉学習ルーチンを示すフローチャート。
【図13】スロットル制御動作をより具体的に示すタイ
ムチャート。
【図14】温度領域毎の全閉学習による効果を説明する
ためのタイムチャート。
【図15】センサ温推定ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図16】エンジン始動後の経過時間とセンサ温の推移
とを示す図。
【図17】クレームに対応するブロック図。
【符号の説明】
1…吸気管(吸気通路)、2…回動軸、3…スロットル
バルブ、7…スロットル開度センサ、8…スロットル駆
動手段としての直流電動機(DCモータ)、13…スト
ッパ部材としての全閉ストッパ片、26…センサ温度検
出手段,基準位置学習手段,目標開度設定手段,基準位
置検出手段としてのCPU、29…スロットル制御手段
としてのDCモータ駆動回路、34…バックアップメモ
リ、44a,44b…永久磁石、49…ホール素子。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 364 F02D 41/20 310

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの吸気通路に設けられ、予め規定
    された基準位置を含む領域で回動するスロットルバルブ
    と、 前記スロットルバルブを開方向又は閉方向に回動させる
    ためのスロットル駆動手段と、 磁石により形成された磁路での前記スロットルバルブの
    回動に伴う磁界方向の変化を磁電変換素子にて検出し、
    その検出結果をスロットル開度に応じた電気信号として
    出力するスロットル開度センサと、 前記スロットル開度センサの温度を検出するセンサ温度
    検出手段と、 電源のオン・オフに関係なく常に記憶データを保持する
    バックアップメモリと、 前記基準位置での前記スロットル開度センサの出力レベ
    ルを基準位置学習値として逐次更新し、該基準位置学習
    値を前記センサ温度検出手段により検出されたセンサ温
    度に応じて複数の温度領域に区分して前記バックアップ
    メモリに記憶する基準位置学習手段と、 エンジン運転条件に応じて前記スロットルバルブの目標
    基本開度を設定すると共に、前記センサ温度検出手段に
    より検出されたセンサ温度に応じて前記バックアップメ
    モリ内の基準位置学習値を読み出し、該目標基本開度と
    基準位置学習値とから最終の目標開度を設定する目標開
    度設定手段と、 前記目標開度設定手段により設定された目標開度に基づ
    いて前記スロットル駆動手段の駆動を制御するスロット
    ル制御手段とを備えたことを特徴とする電子制御スロッ
    トル装置。
  2. 【請求項2】前記スロットル開度センサは、所定の基準
    温度における出力レベルが一致するよう調整されるもの
    であって、 前記基準位置学習手段は、当該基準温度から離れるほ
    ど、学習する温度領域を細分化して前記バックアップメ
    モリに記憶する請求項1に記載の電子制御スロットル装
    置。
  3. 【請求項3】前記スロットルバルブの基準位置にストッ
    パ部材を設ける一方で、前記スロットル駆動手段として
    の直流電動機を前記スロットル制御手段によりデューテ
    ィ制御する電子制御スロットル装置であって、 前記基準位置学習手段は、前記直流電動機の制御デュー
    ティ比が所定値を越えた際に前記スロットルバルブが基
    準位置に到達した旨を検出する基準位置検出手段を備え
    る請求項1又は2に記載の電子制御スロットル装置。
  4. 【請求項4】前記センサ温度検出手段は、少なくともエ
    ンジンの冷却水温及び吸気温からセンサ温度を推定する
    請求項1〜3のいずれかに記載の電子制御スロットル装
    置。
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