JP2000130229A - 内燃機関のアクチュエータ制御装置 - Google Patents

内燃機関のアクチュエータ制御装置

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JP2000130229A
JP2000130229A JP10305895A JP30589598A JP2000130229A JP 2000130229 A JP2000130229 A JP 2000130229A JP 10305895 A JP10305895 A JP 10305895A JP 30589598 A JP30589598 A JP 30589598A JP 2000130229 A JP2000130229 A JP 2000130229A
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internal combustion
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JP10305895A
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English (en)
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Naoyuki Kamiya
直行 神谷
Kenji Kawahara
研司 河原
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクモータ(アクチュエータ)の応答遅れ
がなく追従安定性を向上すること。 【解決手段】 内燃機関1の運転状態を制御するトルク
モータ19に対する要求電流に基づく要求DUTYに応
じて実際に出力する出力DUTYが設定される。このと
き、回路上の制約等に起因し要求DUTYに応じた出力
DUTYが設定されない場合に対処するため、出力DU
TYに基づきトルクモータ19に現在流れている電流及
びその変化が推定される。即ち、出力DUTYが電源電
圧値と電流経路の抵抗値とに応じて出力電流に変換さ
れ、トルクモータ19のコイルのインダクタンスに応じ
たなまし(平滑化)処理が施され推定電流として正しく
推定される。これにより、出力DUTYを要求DUTY
に一致させることができ、トルクモータ19の応答遅れ
が補償され追従安定性が向上される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の制御量に応
じてアクチュエータを駆動し内燃機関の運転状態を制御
する内燃機関のアクチュエータ制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、アクチュエータとしてのモータを
駆動しアクセル操作量等に応じて実スロットル開度を制
御する『電子スロットルシステム』と称する内燃機関の
アクチュエータ制御装置が採用されるようになってい
る。このような電子スロットルシステムにおいては、例
えば、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度
センサからのアクセル開度信号に応じてモータに電流を
流し、モータが駆動されることでスロットルバルブが開
閉され内燃機関に供給される空気量が制御される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スロットル
制御系におけるアクチュエータとしてのモータには、主
に各種センサ信号に基づき設定される目標スロットル開
度とスロットル開度センサからの実スロットル開度との
偏差・現在のスロットル速度に基づいて発生する『加減
速トルク』、スロットルバルブの回動軸とその軸受との
間、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度
センサ、スロットルバルブを中間ストッパ位置に戻すた
めのバルブリターンスプリングや退避走行用スプリング
等の各部分にて発生する『摩擦トルク(摩擦力)』、ス
ロットルバルブを開方向に制御しようとすると内燃機関
の吸気通路に導入される空気量によりスロットルバルブ
を動きに逆らって閉方向に戻そうとする『流れのトル
ク』、スロットルバルブを中間ストッパ位置に戻すため
のバルブリターンスプリングや退避走行用スプリング等
の『ばねトルク』等が作用する。
【0004】これら加減速トルク、摩擦トルク、流れの
トルク、ばねトルク等はモータ電流を算出する際に考慮
することで適宜、補正することができる。ところが、回
路上の制約等に起因しアクチュエータとしてのモータの
駆動に必要な電流が正確に出力されないことがあり、ス
ロットル開度の応答遅れにつながるという不具合があっ
た。
【0005】そこで、この発明はかかる不具合を解決す
るためになされたもので、アクチュエータの応答遅れが
なく追従安定性が向上可能な内燃機関のアクチュエータ
制御装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の内燃機関のア
クチュエータ制御装置によれば、要求電流演算手段で内
燃機関の運転状態を制御するアクチュエータに対する要
求電流が算出され、デューティ値演算手段で要求電流に
対応する要求デューティ値が算出され、デューティ値設
定手段で要求デューティ値に応じてアクチュエータに実
際に出力される出力デューティ値が設定され、この出力
デューティ値に基づき電流推定手段でアクチュエータに
現在流れている電流が推定される。これにより、アクチ
ュエータに供給されている電流が正確に推定され、回路
上の制約等に起因し要求デューティ値に応じた出力デュ
ーティ値が設定されていない場合にも、出力デューティ
値を適切に補正することができ、アクチュエータの応答
遅れが補償され追従安定性が向上される。
【0007】請求項2の内燃機関のアクチュエータ制御
装置によれば、出力デューティ値が変化したときには、
電流変化推定手段でアクチュエータのコイルのインダク
タンスに応じてアクチュエータに現在流れている電流の
変化が推定される。これにより、回路上の制約等に起因
し要求デューティ値に応じた出力デューティ値が設定さ
れていない場合にも、アクチュエータに供給されている
電流の変化が正確に推定されることで出力デューティ値
を適切に補正することができるため、アクチュエータの
応答遅れが補償され追従安定性が向上される。
【0008】請求項3の内燃機関のアクチュエータ制御
装置における電流変化推定手段では、出力デューティ値
が変換された出力電流に対してアクチュエータのコイル
のインダクタンスに応じた平滑化処理が施されアクチュ
エータに現在流れている電流の変化が推定される。この
ように、アクチュエータのコイルのインダクタンスに応
じた平滑化処理が施されることで、アクチュエータに供
給されている電流の変化が正確に推定されることで出力
デューティ値を適切に補正することができるため、アク
チュエータの応答遅れが補償され追従安定性が向上され
る。
【0009】請求項4の内燃機関のアクチュエータ制御
装置における電流変化推定手段では、電源電圧値と電流
経路の抵抗値とに応じて出力デューティ値が出力電流に
変換される。このように、出力デューティ値を電流変換
する際、電源電圧値と電流経路としてのモータコイル抵
抗及び配線(ワイヤハーネス)抵抗等の抵抗値とが考慮
されることで正確な出力電流を得ることができる。
【0010】請求項5の内燃機関のアクチュエータ制御
装置における電流推定手段では、実際にアクチュエータ
両端にかかっている電圧に応じてアクチュエータに現在
流れている電流が推定される。このように、出力デュー
ティ値を考慮する必要がなくアクチュエータ両端にかか
っている電圧がハードウェアを介して検出されるためソ
フトウェアの負荷を軽減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。
【0012】図1は本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のアクチュエータ制御装置が適用された具
体的な、内燃機関のスロットル制御装置における内燃機
関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0013】図1において、内燃機関1の吸気通路2の
上流側にはエアクリーナ3が設けられ、エアクリーナ3
の下流側には吸気量(吸入空気量)を検出するエアフロ
ーメータ4が設置されている。また、吸気通路2のエア
フローメータ4より下流側にはスロットルバルブ5が設
けられ、このスロットルバルブ5の回動軸5aに連結さ
れたトルクモータ19の駆動力によりスロットルバルブ
5の開度である実スロットル開度TAが制御され、内燃
機関1に供給される吸気量が調整される。このスロット
ルバルブ5の実スロットル開度TAがスロットル開度セ
ンサ16によって検出される。なお、アイドル時にあっ
ても、トルクモータ19の駆動力によって実スロットル
開度TAが制御され、これによって吸気量GNが制御さ
れ機関回転数NEが目標アイドル回転数に一致されるよ
うにフィードバック制御される。更に、吸気通路2はイ
ンテークマニホルド6を介して内燃機関1の各気筒に接
続され、吸気通路2からの吸入空気がインテークマニホ
ルド6内を経て各気筒に分配供給される。
【0014】インテークマニホルド6には各気筒に対応
してインジェクタ7が設置され、各インジェクタ7から
噴射された燃料は、吸入空気と混合され各気筒に供給さ
れる。この混合気は吸気バルブ8の開閉に伴って各気筒
の燃焼室9内に導入され、点火プラグ10の点火により
燃焼され、ピストン11が押下げられクランクシャフト
12にトルクが付与される。燃焼後の排気ガスは排気バ
ルブ13の開閉に伴って排気通路14を経て外部に排出
される。また、クランクシャフト12の近接位置にはク
ランク角センサ15が設置され、このクランク角センサ
15からは30°CA(Crank Angle:クランク角)毎に
パルス信号が出力される。
【0015】20はECU(Electronic Control Unit:
電子制御ユニット)であり、ECU20はエアフローメ
ータ4によって検出された吸気量GN信号やクランク角
センサ15によって検出された機関回転数NE信号に基
づいてインジェクタ7の駆動を制御すると共に、スロッ
トル開度センサ16によって検出された実スロットル開
度TA信号やアクセルペダル17の踏込量がアクセル開
度センサ18によって検出されたアクセル開度Ap信号
等に基づいてスロットルバルブ5を開閉制御するCPU
21,ROM22,RAM23等からなるマイクロコン
ピュータを主体として構成されている。
【0016】次に、ECU20及びその周辺の構成につ
いて、図1を参照し更に詳しく説明する。
【0017】ECU20において、CPU21は吸気量
GN信号や機関回転数NE信号、更には実スロットル開
度TA信号やアクセル開度Ap信号等を読込み、内燃機
関1の運転状態に応じてその都度要求されるインジェク
タ7の燃料噴射量やトルクモータ19によるスロットル
バルブ5の目標とする指令値である目標スロットル開度
TTP等を演算する周知の中央処理装置である。
【0018】また、ROM22は所謂プログラムメモリ
として、内燃機関1の運転状態を制御するための各種制
御プログラム、即ち、燃料噴射制御プログラムやスロッ
トル制御プログラム等が予め格納されたメモリである。
CPU21では、このROM22に格納されているプロ
グラムに従って各種の演算処理を実行する。また、RA
M23は所謂データメモリとして、各種センサの入出力
データやCPU21による演算処理データ等が一時的に
格納されるメモリである。
【0019】インジェクタ駆動回路24は、吸気量GN
信号や機関回転数NE信号に基づきCPU21を通じて
演算される燃料噴射量に対応した所定パルス幅の信号を
形成してインジェクタ7を駆動する回路である。これに
より、インジェクタ7からは演算された燃料噴射量に対
応した量の燃料が内燃機関1の各気筒に対して噴射供給
されるようになる。また、A/D変換回路27は、読込
まれる吸気量GN信号、実スロットル開度TA信号、ア
クセル開度Ap信号及び冷却水温THW信号等をA/D
(アナログ−ディジタル)変換してCPU21に出力す
るための回路である。
【0020】そして、CPU21では、後述の演算処理
により、トルクモータ19によるスロットルバルブ5の
目標スロットル開度TTPとスロットル開度センサ16
からの実スロットル開度TAとの偏差に応じて、その偏
差を縮小するためPWM(パルス幅変調)変換されたデ
ューティ比信号としての出力DUTY(制御量)が算出
され、モータ駆動回路30に出力される。すると、モー
タ駆動回路30によってPWM変換された出力電流DU
TYによりトルクモータ19が駆動され、スロットル開
度センサ16で検出される実スロットル開度TAが最終
的に目標スロットル開度TTPに一致するように調整さ
れる。
【0021】次に、図2及び図3に基づき内燃機関のス
ロットル制御装置の構成について説明する。
【0022】図2及び図3において、アクセルペダル1
7にはアクセル開度センサ18が配設され、アクセルペ
ダル17はアクセルレバー41に連結されている。この
アクセルレバー41は、アクセルリターンスプリング4
2a,42bによってアクセルペダル17の戻り方向
(時計回り方向)に付勢されている。アクセルペダル1
7が操作されない状態(アクセルOFF)では、アクセ
ルレバー41はアクセルリターンスプリング42a,4
2bによってアクセル全閉ストッパ43に当接した状態
に保持される。内燃機関1の運転中は、アクセルペダル
17の操作量に基づくアクセルレバー41の位置がアク
セル開度センサ18によってアクセル開度Apとして検
出される。
【0023】一方、スロットルバルブ5の回動軸5aに
はバルブレバー44が連結され、このバルブレバー44
が退避走行用スプリング45によってスロットルバルブ
5の開方向(図2の上方向)に付勢されている。このた
め、図2(b)に示すモータOFF(トルクモータ19
への電源OFF)時には、退避走行スプリング45によ
ってバルブレバー44が中間レバー47に当接した中間
ストッパ位置に保持される。このとき、中間レバー47
は、バルブリターンスプリング48によってスロットル
バルブ5の閉方向(図2の下方)に付勢され、中間スト
ッパ49に当接されている。
【0024】つまり、バルブリターンスプリング48の
引張力は退避走行用スプリング45の引張力よりも大き
く設定されている。したがって、図2(b)に示すモー
タOFF時には、バルブリターンスプリング48の引張
力が退避走行用スプリング45の引張力に打勝って、中
間レバー47が中間ストッパ49に当接し保持され、ス
ロットルバルブ5の実スロットル開度TAが中間ストッ
パ49で規制される中間ストッパ位置(実スロットル開
度TA=約3°)に保持される。
【0025】一方、図2(a)に示す通常制御時(モー
タON時)には、アクセルペダル17の操作量に応じて
トルクモータ19が正転または逆転されスロットルバル
ブ5の実スロットル開度TAが調整され、そのときのス
ロットルバルブ5の実スロットル開度TAがスロットル
開度センサ16によって検出される。この際、実スロッ
トル開度TAを大きくする場合には、トルクモータ19
に正側のモータ電流が供給されトルクモータ19が正転
されることで、図2(a)に示すようにバルブレバー4
4がバルブリターンスプリング48の引張力に抗して中
間レバー47が押上げられスロットルバルブ5が開方向
に駆動される。これとは逆に、実スロットル開度TAを
小さくする場合には、トルクモータ19に負側のモータ
電流が供給されトルクモータ19が逆転されることで、
バルブレバー44が下降されスロットルバルブ5が閉方
向に駆動される。そして、中間レバー47が中間ストッ
パ49に当接されたのちのスロットルバルブ5の閉方向
の駆動では、バルブレバー44が退避走行用スプリング
45の引張力に抗して下降されスロットルバルブ5が全
閉ストッパ位置(実スロットル開度TA=0°)まで閉
じると、バルブレバー44がスロットル全閉ストッパ4
6に当接され、それ以上の回動が阻止される。
【0026】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のスロットル制御装置で用いられているス
ロットルバルブ5の回動軸5aと連結されたトルクモー
タ19の構成について図4及び図5を参照して説明す
る。なお、図5は図4のトルクモータ19からカバー6
3を取去ってA方向から見た矢視図である。
【0027】図4に示すように、吸気通路2途中に配設
されたスロットルボデー60には軸受61,62を介し
てスロットルバルブ5が回動自在に支持されている。こ
のスロットルバルブ5は円板状に形成されており、回動
軸5aにビス止めされ固定されている。そして、スロッ
トルバルブ5が回動軸5aと共に回動されることによ
り、スロットルボデー60の内壁により形成された吸気
流路60aの流路面積が調整され、吸気通路2を通過す
る吸気量が制御される。
【0028】また、スロットルバルブ5の回動軸5aの
一方の端部にはバルブレバー44が圧入固定されてお
り、回動軸5aと共に回動される。このバルブレバー4
4がスロットル全閉ストッパ46に当接されることによ
りスロットルバルブ5の全閉位置が規定される。なお、
スロットル全閉ストッパ46のねじ込量を変更すること
によりスロットルバルブ5の全閉位置が調整される。な
お、図4では退避走行スプリング45等は省略されてい
る。
【0029】そして、スロットル開度センサ16はバル
ブレバー44よりも更に回動軸5aの端側に配設され、
コンタクト部16a、抵抗体を塗布した基板16b及び
ハウジング16cによって構成されている。コンタクト
部16aは回動軸5aに圧入されており、回動軸5aと
共に回動される。基板16bはハウジング16cに固定
されており、基板16bに塗布された抵抗体上をコンタ
クト部16aが摺動される。基板16bに塗布された抵
抗体には5〔V〕の一定電圧が印加されており、この抵
抗体とコンタクト部16aとの摺動位置がスロットルバ
ルブ5の開度に応じて変化され出力電圧値が変動され
る。このスロットル開度センサ16からの出力電圧値が
ECU20に入力されスロットルバルブ5の実スロット
ル開度TAが検出される。
【0030】更に、図4及び図5に示すように、トルク
モータ19は回転子65、コア69、一対のソレノイド
部70,75により回動軸5aの他方の端部に連結され
ている。トルクモータ19の端部はカバー63により覆
われている。回転子65は、回動軸5aに圧入固定され
た鉄心66及び永久磁石67,68により構成され、コ
ア69の内壁により形成された収容孔69aに回動自在
に収容されている。鉄心66は円筒状に形成されてお
り、回動軸5aの他方の端部に圧入固定されている。永
久磁石67,68は円弧状に形成されており、鉄心66
の外周に等間隔をあけて接着固定されている。スロット
ルバルブ5の回動範囲は通常90°以下であるから、永
久磁石67,68の円弧長はスロットルバルブ5の回動
範囲内で回転子65を回動可能なトルクが働く長さがあ
ればよい。なお、永久磁石67,68はネオジウム系、
サマリウム−コバルト系等の高い磁力を発生する所謂、
希土類磁石が採用されている。
【0031】コア69は磁性体からなる薄板が回動軸5
aの軸方向に積層され形成されており、収容孔69aに
回転子65を回動自在に収容している。コア69は回転
子65を取囲む周上において切目のないスロットレスに
構成されている。ソレノイド部70,75はそれぞれ鉄
心71,76にコイル72,77が巻回され形成されて
おり、コア69に圧入固定されている。コイル72,7
7にはコネクタ80に埋設されたピン81から制御電流
が供給される。また、バルブリターンスプリング48
は、一方の端部が鉄心66に固定され、他方の端部がね
じ64に固定されており、このバルブリターンスプリン
グ48によりスロットルバルブ5が閉側に付勢されてい
る。
【0032】本実施例では、アクチュエータとしてトル
クモータ19を用いた電子スロットルシステムへの応用
について述べているが、この他、モータを用いてDUT
Y(デューティ比)制御する周知のISCV(Idle Spe
ed Control Valve:アイドル回転数制御バルブ)、EG
RV(Exhaust Gas Recirculation Valve:排気ガス再循
環バルブ)、SCV(Swirl Control Valve:スワール制
御バルブ)等による制御システムにも同様に応用するこ
とができる。
【0033】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のスロットル制御装置で使用されているE
CU20内のCPU21におけるスロットル制御の処理
手順を示す図6のブロック図に基づいて説明する。
【0034】図6において、まず、加減速トルク演算処
理S1では、各種センサ信号に基づき設定される目標ス
ロットル開度TTPとスロットル開度センサ16からの
実スロットル開度TAとの偏差・現在のスロットル速度
に基づいてスロットル制御系の加減速トルク〔N・m〕
が算出される。
【0035】また、摩擦トルク演算処理S2では、目標
スロットル開度TTPと実スロットル開度TAとからそ
のときの摩擦状態に応じて軸受61,62等によるスロ
ットル制御系の摩擦トルクTf 〔N・m〕が算出され
る。そして、流れのトルク演算処理S3では、実スロッ
トル開度TA〔°〕、本実施例の所謂『L−Jetroni
c』である電子制御式燃料噴射システムにおいてはエア
フローメータ4による吸気量GN〔g/rev〕、機関
回転数NE〔rpm〕、所謂『D−Jetronic 』におい
ては吸気圧センサによる吸気圧PM〔mmHg〕等に基
づきスロットルバルブ5に作用する流れのトルク〔N・
m〕が算出される。また、ばねトルク演算処理S4で
は、実スロットル開度TAが中間ストッパ位置より大き
い開側ではバルブリターンスプリング48に対応し、ま
た、実スロットル開度TAが中間ストッパ位置より小さ
い閉側では退避走行用スプリング45に対応するスロッ
トル制御系のばねトルク〔N・m〕が算出される。ここ
で、実スロットル開度TAに応じてばねトルクを算出す
るのに対して、更に応答性を向上させるために、目標ス
ロットル開度TTPまたは予測スロットル開度(=実ス
ロットル開度+実スロットル速度×所定時間)に応じて
ばねトルクを算出するようにしてもよい。そして、前段
で算出された加速トルク、摩擦トルク、流れのトルク及
びばねトルクが加算されトルクモータ19の要求トルク
TR 〔N・m〕が算出される。
【0036】モータ電流演算処理S5では、TR =f
(TA,IM )の逆モデル式を用いた実測値に基づき、
前段で算出された要求トルクTR 〔N・m〕をパラメー
タとし、各要求トルクの発生に必要な要求電流IM
〔A〕が実スロットル開度TA〔°〕に応じて算出され
る。次に、電圧変換処理S6では、前段で算出された要
求電流IM 〔A〕がトルクモータ19に固有のモータコ
イル抵抗及び配線(ワイヤハーネス)抵抗等の抵抗値に
よって変換された変換電圧が算出される。
【0037】更に、逆起電圧演算処理S7では、後段で
算出される推定電流IMS〔A〕及び実スロットル開度T
A〔°〕に応じて逆起電圧Ve が算出される。そして、
前段で算出された要求電流IM の変換電圧と逆起電圧V
e とが加算されてトルクモータ19の要求電圧VM
〔V〕が算出される。次に、要求DUTY演算処理S8
では、前段で算出された要求電圧VM 〔V〕に(100
/VB )が乗算されPWM(パルス幅変調)変換された
デューティ比信号としてのトルクモータ19の要求DU
TYが算出される。なお、VB はトルクモータ19の電
源電圧である。
【0038】次に、出力DUTY演算処理S9にて、実
際に出力可能な出力DUTYが演算される。出力可能な
出力DUTYとは、例えば、3〜90〔%〕と100
〔%〕である。なお、0〜3〔%〕、90〜100
〔%〕、100〔%〕以上は回路上出力できないDUT
Y範囲である。この出力DUTYがモータ駆動回路30
に出力されることでトルクモータ19が駆動され、スロ
ットル開度センサ16で検出された実スロットル開度T
Aが最終的に目標スロットル開度TTPに一致するよう
に調整される。
【0039】次に、出力DUTY演算処理S9からなま
し(平滑化)処理S12で算出される推定電流IMSにつ
いて図6を参照して説明する。
【0040】上述のように、出力DUTY演算処理S9
では、要求DUTYに対してモータ駆動回路30の作動
制約上、出力できない出力DUTYが存在している。例
えば、0〜3〔%〕のDUTY範囲は出力できないた
め、0〜3〔%〕が要求されたときには、出力DUTY
が3〔%〕とされる。3〜90〔%〕のDUTY範囲が
要求されたときには、その値に対応する出力DUTYと
される。また、90〜100〔%〕のDUTY範囲は出
力できないため、90〜100〔%〕のDUTY範囲が
要求されたときには、90〜95〔%〕では90
〔%〕、95〜100〔%〕では100〔%〕とされ
る。そして、演算結果として100〔%〕以上を要求さ
れたときにも出力不可のため出力DUTYが100
〔%〕とされる。このように、要求DUTYと出力DU
TYとが異なる場合が発生するため、実際に流れる電流
は、出力DUTYを基準に推定する必要がある。
【0041】図6に示すように、要求電圧演算処理S1
0では要求DUTY演算処理S8の逆で出力DUTYが
要求電圧VM に変換される。次に、前段で算出された逆
起電圧Ve 分が減算され、実際のトルクモータ19両端
の電圧が推定される。更に、電流変換処理S11では、
電圧変換処理S6の逆で実際のトルクモータ19両端の
推定された電圧がトルクモータ19に固有のモータコイ
ル抵抗及び配線(ワイヤハーネス)抵抗等の電流経路に
おける抵抗値にて除算され推定電流IMSが算出される。
この際、なまし(平滑化)処理S12にて、インダクタ
ンスLに応じたなまし処理が実施され、過渡的な電流変
化時の応答遅れが考慮され実電流挙動が推定される。こ
の値が推定電流IMS〔A〕とされ、上述の逆起電圧演算
処理S7等に用いられる。モータ電流演算処理S5で算
出された要求電流IM 〔A〕に対し、推定電流IMS
〔A〕は実際にトルクモータ19に流れる実電流とな
る。
【0042】次に、なまし(平滑化)処理S12でのイ
ンダクタンスLに応じたなまし処理について、図7を参
照して説明する。一般的に、モータコイルのインダクタ
ンスLは、次式(1)にて算出されることが知られてい
る。ここで、nはコイル巻数、Sはコイル断面積、Bは
磁束、Iは電流である。
【0043】
【数1】 L=n・S・(dB/dI) ・・・(1) したがって、単位電流当たりの磁束変化量としての(d
B/dI)を算出する必要がある。トルクモータ19
は、スロットルバルブ5の開度(即ち、モータのコアと
磁石との相対位置関係)によって発生磁束が異なるた
め、図7に示すように、電流Iと実スロットル開度TA
とをパラメータとする磁束マップから現在の推定電流I
MSi の前後(±0.5〔A〕)の電流と現在の実スロッ
トル開度TAi とにおける磁束Bを求めることで単位電
流当たりの磁束変化量(dB/dI)が算出される。こ
れに、コイル巻数n、コイル断面積Sが乗算されインダ
クタンスLが算出される。
【0044】更に、なまし(平滑化)処理S12でのイ
ンダクタンスLに応じたなまし処理について、図8の変
形例を参照して説明する。図8に示すように、電流Iと
実スロットル開度TAとをパラメータとするインダクタ
ンスLを直接、メモリにインダクタンスマップとして予
め格納させておいて用いることもできる。このようにし
て、算出されたインダクタンスLをなまし率Nに変換す
るため、近似式N=L/(2〔ms〕)+1が用いられ
る。なお、2〔ms〕はなまし処理周期である。インダ
クタンスLに応じたなまし式は、従来から知られている
次式(2)に示す1次遅れ処理にて算出される。ここ
で、IMSi は現在の推定電流、IMSi-1 は前回の推定電
流、IL は供給電圧に応じた供給電流(実在せず)であ
る。
【0045】
【数2】 IMSi =IMSi-1 +(IL −IMSi-1 )/N ・・・(2) 更に、プログラム容量を低減するため、電流Iと実スロ
ットル開度TAとに応じてなまし率Nを直接、メモリに
予め格納させておいてもよい。
【0046】このように、本実施例の内燃機関のスロッ
トル制御装置は、各種センサ信号に基づき内燃機関1の
運転状態を制御するアクチュエータとしてのトルクモー
タ19の駆動に必要な要求電流IM を算出するECU2
0内のCPU21にて達成される要求電流演算手段と、
前記要求電流演算手段で算出された要求電流IM に対応
する要求DUTY(要求デューティ値)を算出するEC
U20内のCPU21にて達成されるデューティ値演算
手段と、前記デューティ値演算手段で算出された要求D
UTYに応じてトルクモータ19に実際に出力する出力
DUTY(出力デューティ値)を設定するECU20内
のCPU21にて達成されるデューティ値設定手段と、
前記デューティ値設定手段で設定された出力DUTYに
基づきトルクモータ19に現在流れている電流を推定す
るECU20内のCPU21にて達成される電流推定手
段とを具備するものである。また、本実施例の内燃機関
のスロットル制御装置は、ECU20内のCPU21に
て達成されるデューティ値設定手段で設定された出力D
UTYが変化したときには、トルクモータ19のコイル
のインダクタンスLに応じてトルクモータ19に現在流
れている電流の変化を推定するECU20内のCPU2
1にて達成される電流変化推定手段を具備するものであ
る。そして、本実施例の内燃機関のスロットル制御装置
のECU20内のCPU21にて達成される電流変化推
定手段は、出力DUTYを出力電流に変換し、その出力
電流に対してトルクモータ19のコイルのインダクタン
スLに応じたなまし(平滑化)処理を施しトルクモータ
19に現在流れている電流の変化を推定するものであ
る。更に、本実施例の内燃機関のスロットル制御装置の
ECU20内のCPU21にて達成される電流変化推定
手段は、電源電圧値と電流経路の抵抗値であるトルクモ
ータ19に固有のモータコイル抵抗及び配線(ワイヤハ
ーネス)抵抗等とに応じて出力DUTYを出力電流に変
換するものである。
【0047】つまり、内燃機関1の運転状態を制御する
トルクモータ19に対する要求電流IM に基づく要求D
UTYに応じてトルクモータ19に実際に出力する出力
DUTYが設定される。このとき、回路上の制約等に起
因し要求DUTYに応じた出力DUTYが設定されない
場合に対処するため、出力DUTYに基づきトルクモー
タ19に現在流れている電流及びその変化が推定され
る。即ち、出力DUTYが電源電圧値と電流経路の抵抗
値とに応じて出力電流に変換され、トルクモータ19の
コイルのインダクタンスLに応じたなまし(平滑化)処
理が施され推定電流IMSとして正しく推定される。これ
により、出力DUTYを要求DUTYに一致させること
ができ、トルクモータ19の応答遅れが補償され追従安
定性が向上される。
【0048】ところで、上記実施例では、ECU20内
のCPU21にて達成される電流推定手段が出力DUT
Yに応じてトルクモータ19に現在流れている電流を推
定しているが、本発明を実施する場合には、これに限定
されるものではなく、実際にトルクモータ19両端にか
かっている電圧に応じてトルクモータ19に現在流れて
いる電流を推定してもよい。このように、トルクモータ
19両端にかかる電圧がハードウェアを介して検出され
ることでソフトウェアの負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のアクチュエータ制御装置が適用された具体
的な、内燃機関のスロットル制御装置における内燃機関
及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置の要部構成を示す模式
図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置の要部構成を示す斜視
図である。
【図4】 図4は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置で用いられているスロ
ットルバルブの回動軸と連結されたトルクモータの構成
を示す断面図である。
【図5】 図5は図4のトルクモータからカバーを取去
ってA方向から見た矢視図である。
【図6】 図6は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置で使用されているEC
U内のCPUにおけるスロットル制御の処理手順を示す
ブロック図である。
【図7】 図7は図6におけるインダクタンスに応じた
推定電流のなまし処理を示す説明図である。
【図8】 図8は図6におけるインダクタンスに応じた
推定電流のなまし処理の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 内燃機関 5 スロットルバルブ 16 スロットル開度センサ 18 アクセル開度センサ 19 トルクモータ(アクチュエータ) 20 ECU(電子制御ユニット)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種センサ信号に基づき内燃機関の運転
    状態を制御するアクチュエータの駆動に必要な要求電流
    を算出する要求電流演算手段と、 前記要求電流演算手段で算出された前記要求電流に対応
    する要求デューティ値を算出するデューティ値演算手段
    と、 前記デューティ値演算手段で算出された前記要求デュー
    ティ値に応じて前記アクチュエータに実際に出力する出
    力デューティ値を設定するデューティ値設定手段と、 前記デューティ値設定手段で設定された前記出力デュー
    ティ値に基づき前記アクチュエータに現在流れている電
    流を推定する電流推定手段とを具備することを特徴とす
    る内燃機関のアクチュエータ制御装置。
  2. 【請求項2】 更に、前記デューティ値設定手段で設定
    された前記出力デューティ値が変化したときには、前記
    アクチュエータのコイルのインダクタンスに応じて前記
    アクチュエータに現在流れている電流の変化を推定する
    電流変化推定手段を具備することを特徴とする請求項1
    に記載の内燃機関のアクチュエータ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電流変化推定手段は、前記出力デュ
    ーティ値を出力電流に変換し、その出力電流に対して前
    記アクチュエータのコイルのインダクタンスに応じた平
    滑化処理を施し、前記アクチュエータに現在流れている
    電流の変化を推定することを特徴とする請求項2に記載
    の内燃機関のアクチュエータ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記電流変化推定手段は、電源電圧値と
    電流経路の抵抗値とに応じて前記出力デューティ値を出
    力電流に変換することを特徴とする請求項3に記載の内
    燃機関のアクチュエータ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記電流推定手段は、実際に前記アクチ
    ュエータ両端にかかっている電圧に応じて前記アクチュ
    エータに現在流れている電流を推定することを特徴とす
    る請求項1に記載の内燃機関のアクチュエータ制御装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003014554A1 (fr) * 2001-08-08 2003-02-20 Hitachi, Ltd. Dispositif permettant de reguler un robinet d'etranglement
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DE112010000768T5 (de) 2009-01-28 2012-11-08 Mitsubishi Electric Corporation Ventilsteuervorr!chtung

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