JP6179240B2 - エンジンの過給制御装置 - Google Patents

エンジンの過給制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6179240B2
JP6179240B2 JP2013155154A JP2013155154A JP6179240B2 JP 6179240 B2 JP6179240 B2 JP 6179240B2 JP 2013155154 A JP2013155154 A JP 2013155154A JP 2013155154 A JP2013155154 A JP 2013155154A JP 6179240 B2 JP6179240 B2 JP 6179240B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
valve
wastegate
exhaust
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013155154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015025411A (ja
Inventor
清隆 細野
清隆 細野
文昭 平石
文昭 平石
川辺 敬
敬 川辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2013155154A priority Critical patent/JP6179240B2/ja
Publication of JP2015025411A publication Critical patent/JP2015025411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6179240B2 publication Critical patent/JP6179240B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Supercharger (AREA)

Description

本発明は、排気通路上に介装されたウェストゲートバルブの開度を電動アクチュエーターで制御する過給システムを具備したエンジンの過給制御装置に関する。
従来、エンジンの排気圧を利用する過給システムを備えたエンジンにおいて、排気通路上に介装される過給用タービンを迂回するための迂回路にウェストゲートバルブ(開閉弁)を設け、過給状態に応じてその開閉状態を制御する技術が知られている。すなわち、過給の有無に応じてウェストゲートバルブを開閉することで、過給用タービンの回転速度を制御するものである。近年では、電動アクチュエーターを利用してウェストゲート開度を制御する電動式のウェストゲートバルブが開発されている。
電動アクチュエーターには、通電により回転出力を発生させる電動機(例えば、DCモーター)が内蔵される。電動機では、供給される電流の大きさに応じた回転動力が発生し、例えばウォームギヤやラック・ピニオン機構,リンク機構等を介して、回転動力がウェストゲートバルブの弁体の駆動力に変換される。これにより、電動機の作動量に応じたウェストゲート開度が実現される。
ところで、従来の電動アクチュエーターを備えたウェストゲートバルブには、所定のウェストゲート開度を維持するためのリターンスプリングが内蔵される。一般的なリターンスプリングは、ウェストゲートバルブの弁体を閉鎖方向又は開放方向の何れか一方向へと付勢するように設けられる。これにより、電動アクチュエーターが通電されていない状態であっても、リターンスプリングの付勢力によってウェストゲート開度が全閉又は全開状態に維持される(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-062803号公報
しかしながら、電動アクチュエーターの作動時には、リターンスプリングの付勢力が電動アクチュエーターに対する負荷として作用する。例えば、ウェストゲートバルブの弁体を閉鎖方向に付勢するリターンスプリングが設けられている場合、リターンスプリングの付勢力は、ウェストゲート開度を開放方向に制御する際の負荷となる。このような負荷は、ウェストゲート開度の迅速な変更を阻害し、ウェストゲートバルブの制御性を損ない、延いては過給圧の制御性を低下させる要因の一つとなる。
一方、電動アクチュエーターへの負荷を軽減すべく、ウェストゲートバルブからリターンスプリングを取り除くことも考えられる。しかしこの場合、ウェストゲートバルブの弁体が排気圧力に押されて移動しやすくなる。したがって、所望のウェストゲート開度を維持することが困難となり、ウェストゲートバルブの制御性が低下する。
なお、例えばウェストゲートバルブが全閉状態であるときに、弁体に対して常に閉鎖方向への大きな力が作用するように電動アクチュエーターの電動機を駆動すれば、その開度(全閉状態)を維持することは可能である。しかし、弁体に作用させる力が増大するほど電動機の駆動電力が増加し、電力消費量が嵩むという課題が生じる。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、ウェストゲートアクチュエーターの電力消費を抑制しつつ、ウェストゲートバルブの制御性を向上させることである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するエンジンの過給制御装置は、排気通路上に介装され、モーターにより駆動されるウェストゲートバルブの開度を制御する過給システムを具備したエンジンの過給制御装置である。この過給制御装置は、前記排気通路内の圧力に相関する相関値を算出する算出手段を備える。また、前記算出手段で算出された前記相関値に応じて前記ウェストゲートバルブの保持力を増減させる制御手段と、前記ウェストゲートバルブの実開度を検出する検出手段とを備える。また、前記制御手段が、前記モーターの通電量を制御することで、前記ウェストゲートバルブの駆動力を増減させて、前記ウェストゲートバルブの保持力を増減させるとともに、前記ウェストゲートバルブの実開度と目標開度とがほぼ一致しているときに、前記モーターのステーター及びローター間の引力及び斥力の作用方向を一定に維持しながら、前記相関値が大きいほど前記通電量を増加させ、前記相関値が小さいほど前記通電量を減少させる。
ここでいう保持力とは、前記ウェストゲートバルブの開度を保持すべく(一定の開度に維持すべく)、前記ウェストゲートバルブの弁体に作用させる力であることが好ましい。また、前記相関値は、排気圧力,排気流量(単位時間当たりの体積流量),排気流速(単位時間当たりの質量流量)の少なくとも何れかを含むことが好ましい。これに加えて、排気温度,排気密度,外気圧,外気温等を含んでもよい。これらの相関値から、ウェストゲート開度を変化させるように作用する外力の大きさが把握される。
記モーターの通電量とは、前記モーターに供給される駆動電流を意味する。前記制御手段は、前記相関値が大きいほど、前記通電量を増大させることが好ましく、前記相関値が小さいほど、前記通電量を減少させることが好ましい。
例えば、前記ウェストゲートバルブの実開度と目標開度とがほぼ一致しているときには、前記モーターのステーター及びローター間の引力及び斥力の作用方向を一定に維持しながら、前記相関値が高いほど前記通電量を増加させることが好ましい。これにより、前記保持力が増大する。
また、前記ウェストゲートバルブが全閉状態であるときに、前記モーターのステーター及びローター間の引力及び斥力の作用方向を一定に維持しながら、前記相関値が高いほど前記通電量を増加させることが好ましい。これにより、全閉状態での保持力が増大するため、例えば前記ウェストゲートバルブを閉鎖方向に付勢するリターンスプリングが設けられていなくても、排気圧力の上昇によって前記ウェストゲートバルブが開放されることがなくなる。
なお、これ以外の前記保持力の増減手法としては、外力の大きさに応じて回転子に作用する負荷トルクと同等のモータートルクを発生させて、回転子の逆転を防止する手法を採用することが考えられる。あるいは、外力による回転子の回転を拘束するサーボロック機能(例えば、保持ブレーキ付きサーボモーターのサーボロック機能)を利用して、前記保持力を増減させてもよい。
)前記算出手段が、前記エンジンの負荷及びエンジン回転速度に基づき、前記相関値を算出することが好ましい。つまり、前記相関値は、前記エンジンの運転状態に基づいて算出されることが好ましい。
)前記算出手段が、前記エンジンのシリンダーに吸入される空気量に基づき、前記相関値を算出することが好ましい。なお、上記の空気量として、前記エンジンの充填効率や体積効率,吸気流量等を用いてもよい。これらの空気量に相関する値は、前記エンジンの負荷に相当する値であるといえる。
(4)前記制御手段は、前記実開度が大きい(開放量が大きい)ほど、前記ウェストゲートバルブに実際に作用する圧力が低下するため、前記通電量を減少方向に補正することが好ましい。反対に、前記実開度が小さい(開放量が小さい)ほど、前記通電量を増加方向に補正することが好ましい。
開示のエンジンの過給制御装置によれば、排気圧力に応じてウェストゲートバルブの保持力を制御することで、モーターの電力消費を抑制しつつ、ウェストゲートバルブの制御性を向上させることができる。また、ウェストゲートバルブの実開度と目標開度とがほぼ一致しているときに、モーターのステーター及びローター間の引力及び斥力の作用方向を一定に維持しながら、相関値が大きいほど通電量を増加させ、相関値が小さいほど通電量を減少させることで、ウェストゲートバルブの実開度を維持しつつ電力消費を抑えることができる。
一実施形態に係る過給制御装置が適用されたエンジンの構造を例示する図である。 ウェストゲートアクチュエーターの構造を例示する断面図である。 過給制御装置(エンジン制御装置)のブロック構成を例示する図である。 通電量を算出するためのマップ例である。 過給制御装置(エンジン制御装置)での制御手順を例示するフローチャートである。
図面を参照して、実施形態としてのエンジンの過給制御装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.装置構成]
[1−1.エンジン]
本実施形態のエンジンの過給制御装置は、図1に示す車載ガソリンエンジン10(以下、単にエンジン10と呼ぶ)に適用される。このエンジン10は、排気圧を利用した過給システム及びEGRシステム(Exhaust Gas Recirculation,排気再循環システム)を備える。図1では、多気筒のエンジン10に設けられた複数の気筒(シリンダー)のうちの一つを示す。シリンダー内にはピストンが摺動自在に内装され、ピストンの往復運動がコンロッド(コネクティングロッド)を介してクランクシャフトの回転運動に変換される。
各シリンダーの頂面には吸気ポート,排気ポートが設けられ、それぞれのポート開口には吸気弁,排気弁が設けられる。また、吸気ポートと排気ポートとの間には、点火プラグ15がその先端を燃焼室側に突出させた状態で設けられる。点火プラグ15での点火のタイミング(点火時期)は、エンジン制御装置1で制御される。
エンジン10には、各シリンダーへの燃料供給用のインジェクターとして、筒内噴射弁11及びポート噴射弁12が設けられる。筒内噴射弁11は、シリンダー内に直接的に燃料を噴射する直噴インジェクターであり、ポート噴射弁12は、吸気ポート内に燃料を噴射するインジェクターである。これらの噴射弁11,12から噴射される燃料噴射量及びその噴射タイミングは、エンジン制御装置1で制御される。例えば、エンジン制御装置1から各噴射弁11,12に制御パルス信号が伝達され、その制御パルス信号の大きさに対応する期間だけ、各噴射弁11,12の噴孔が開放される。これにより、燃料噴射量は制御パルス信号の大きさ(駆動パルス幅)に応じた量となり、噴射タイミングは制御パルス信号が伝達された時刻に対応したものとなる。
[1−2.吸排気系]
吸気弁の上部は、バルブリフト量,バルブタイミングを変化させるための吸気可変動弁機構28に接続され、排気弁の上部は排気可変動弁機構29に接続される。吸気弁,排気弁の動作は、これらの可変動弁機構28,29を介して、後述するエンジン制御装置1で制御される。それぞれの可変動弁機構28,29には、例えばロッカアームの揺動量と揺動のタイミングとを変更する機構として、可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構が内蔵される。
可変バルブリフト機構は、吸気弁及び排気弁の各々のバルブリフト量を連続的に変更する機構である。この可変バルブリフト機構は、カムシャフトに固定されたカムからロッカアームやタペットに伝達される揺動の大きさ(バルブリフト量)を変更する機能を持つ。また、可変バルブタイミング機構は、吸気弁及び排気弁の各々の開閉タイミング(バルブタイミング)を変更する機構である。この可変バルブタイミング機構は、ロッカアームに揺動を生じさせるカム又はカムシャフトの回転位相を変更する機能を持つ。
エンジン10の吸気系20及び排気系30には、排気圧で過給を行うターボチャージャー16(過給機)が設けられる。ターボチャージャー16は、吸気ポートの上流側に接続される吸気通路21と、排気ポートの下流側に接続される排気通路31との両方に跨がって介装される。ターボチャージャー16のタービン16A(過給用タービン)は、排気通路31内の排気圧で回転し、その回転力を吸気通路21側のコンプレッサー16Bに伝達する。これを受けてコンプレッサー16Bは、吸気通路21内の空気を下流側へと圧縮しながら送給し、各シリンダーへの過給を行う。ターボチャージャー16の過給動作は、エンジン制御装置1で制御される。
吸気通路21上におけるコンプレッサー16Bよりも下流側にはインタークーラー25が設けられ、圧縮された空気が冷却される。また、コンプレッサー16Bよりも上流側にはエアフィルター22が設けられ、外部から取り込まれる空気が濾過される。さらに、コンプレッサー16Bの上流側,下流側の吸気通路21を接続するように、バイパス通路23が設けられるとともに、バイパス通路23上にバイパスバルブ24が介装される。バイパス通路23を流れる空気量は、バイパスバルブ24の開度に応じて調節される。バイパスバルブ24は、例えば車両の急減速時に開放方向に制御され、コンプレッサー16Bから送給される過給圧を再び上流側へと逃がすように機能する。なお、バイパスバルブ24の開度はエンジン制御装置1で制御される。
吸気系20におけるコンプレッサー16Bよりも下流側と、排気系30におけるタービン16Aよりも上流側との間には、EGR通路34が設けられる。EGR通路34は、シリンダーから排出されて間もない排気ガスを再びシリンダーの直上流側へと導く通路である。EGR通路34には、還流ガスを冷却するためのEGRクーラー35が介装される。還流ガスを冷却することでシリンダー内での燃焼温度が低下し、窒素酸化物の発生率が低下する。また、EGR通路34と吸気系20との合流部には、排気ガスの還流量を調節するためのEGRバルブ36が介装される。EGRバルブ36の弁開度は可変であり、エンジン制御装置1で制御される。
インタークーラー25の下流側にはスロットルボディが接続され、さらにその下流側にはインマニ(インテークマニホールド)が接続される。スロットルボディは、前述のEGR通路34と吸気系20との合流部よりも上流側に配置される。スロットルボディの内部には、電子制御式のスロットルバルブ26が設けられる。インマニ側へと流れる空気量は、スロットルバルブ26の開度(スロットル開度TH)に応じて調節される。スロットル開度THは、エンジン制御装置1によって制御される。
インマニ(インテークマニホールド)には、各シリンダーへと流れる空気を一時的に蓄えるためのサージタンク27が設けられる。前述のEGR通路34と吸気系20との合流部は、サージタンク27よりも上流側に位置する。したがって、サージタンク27内には外気と排気ガスとが混在しうる。サージタンク27よりも下流側のインマニは、各シリンダーの吸気ポートに向かって分岐するように形成され、サージタンク27はその分岐点に位置する。サージタンク27は、各々のシリンダーで発生しうる吸気脈動や吸気干渉を緩和するように機能する。
排気通路31上におけるタービン16Aよりも下流側には、触媒装置33が介装される。この触媒装置33は、例えば排気中に含まれるPM(Particulate Matter,粒子状物質)や窒素酸化物(NOx),一酸化炭素(CO),炭化水素(HC)等の成分を浄化,分解,除去する機能を持つ。また、タービン16Aよりも上流側には、各シリンダーの排気ポートに向かって分岐形成されたエキマニ(エキゾーストマニホールド)が接続される。
タービン16Aの上流側,下流側の排気通路31を接続するように迂回路32が設けられるとともに、迂回路32上に電子制御式のウェストゲートバルブ17が介装される。ウェストゲートバルブ17は、タービン16A側に流入する排気流量を制御して過給圧を変化させる過給圧調節弁である。このウェストゲートバルブ17にはウェストゲートアクチュエーター18が併設され、弁体の位置(すなわち開度)が電気的に制御される。ウェストゲートバルブ17の開度(ウェストゲート開度D)は、エンジン制御装置1で制御される。
[1−3.ウェストゲートアクチュエーター]
図2に示すように、ウェストゲートアクチュエーター18の内部には、ブラシレス型のモーター51(電動機)が設けられる。このモーター51は、ケーシングに対して固定された複数のステーターコイル52と、それらの内側に回転可能に備えられた環状のローター53とを有する。ステーターコイル52は、ローター53の回転軸を中心として、円周方向に複数個列設される。また、ローター53の外表面には、永久磁石が埋設される。さらに、ローター53の中央には、内周面にネジ溝54が切削形成されたネジ穴55が設けられる。ネジ穴55の内部には、ネジ山56が形成されたボルト状のロッド57が螺合した状態で挿入される。
それぞれのステーターコイル52への給電電力は、インバーター回路60(あるいはスイッチ回路)を介して車載バッテリーや走行用バッテリー等の電力源から供給される。インバーター回路60は、各々のステーターコイル52に供給される電力を個別に制御するものである。例えば、インバーター回路60は、各々のステーターコイル52に対して位相の異なる波状の駆動電圧を出力する。これにより、ローター53に作用する磁界の向きが回転し、これに同期するようにローター53も回転する。インバーター回路60から出力される駆動電圧及び駆動電流は、エンジン制御装置1で制御される。
インバーター回路60からステーターコイル52に電力が供給されると、ステーターコイル52におけるローター53との対向面がN極又はS極に励磁され、ローター53との間に引力,斥力が生じる。各々のステーターコイル52への給電電圧やそのタイミングを制御することで、ローター53との間の引力,斥力の作用方向が変化し、ローター53が回転する。モーター51の負荷が一定であるとき、ローター53の回転速度は給電電圧及び各々のステーターコイル52への給電タイミングを切り換える周期に応じた速度となる。また、ローター53の回転によって発生するトルクの大きさは、通電量E(給電電流)に比例する。
ローター53のネジ溝54及びロッド57のネジ山56は、ウォームギヤのウォーム及びウォームホイールと同様に機能する。つまり、ローター53の回転力は、図2中の左右方向にロッド57を駆動する力に変換される。これにより、ロッド57の移動量はローター53の回転量(回転角)に応じたものとなる。また、ロッド57の先端には、ピン軸58を介してピン接合されたリンク機構59の一端に連結される。このリンク機構59の他端には、図1に示すように、ウェストゲートバルブ17が連結される。
リンク機構59は、ウェストゲートバルブ17がロッド57の先端の位置に応じた開度で開放されるように設けられる。したがって、ウェストゲートバルブ17の実開度DAは、ロッド57の移動量〔すなわち、ローター53の回転量(回転角)〕に応じた大きさとなる。また、ウェストゲートバルブ17の駆動力,保持力は、モータートルクに応じた大きさとなり、ウェストゲート開度Dの変化速度は、ローター53の回転速度に応じた大きさとなる。
[1−4.センサー系]
図1に示すように、車両の任意の位置には、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度APS)を検出するアクセル開度センサー41が設けられる。アクセル開度APSは、運転者の加速要求や発進意思に対応するパラメーターであり、言い換えるとエンジン10の負荷(エンジン10に対する出力要求)に相関するパラメーターである。
吸気通路21内には、吸気流量QINを検出するエアフローセンサー42が設けられる。吸気流量QINは、単位時間にエアフィルター22を通過した空気の流量(質量流量)に対応するパラメーターである。また、サージタンク27内には、インマニ圧センサー43及び吸気温センサー44が設けられる。インマニ圧センサー43はサージタンク27内の圧力をインマニ圧PIMとして検出し、吸気温センサー44はサージタンク27内の吸気温度TIMを検出する。
エンジン10のクランクシャフト近傍には、エンジン回転速度Ne(単位時間あたりの回転数)を検出するエンジン回転速度センサー45が設けられる。また、エンジン10の冷却水循環路上における任意の位置には、エンジン冷却水の温度(冷却水温TWT)を検出する冷却水温センサー46が設けられる。
ウェストゲートアクチュエーター18には、ウェストゲートバルブ17を開閉駆動するためのロッド57の位置(ストローク)を検出するホールセンサー47(検出手段)が設けられる。ホールセンサー47で検出されるストロークは、弁体駆動部材の基準位置からの移動量に相当し、ウェストゲートバルブ17の実開度DAに相当する。したがって、ホールセンサー47は、ウェストゲートバルブ17の実開度DAを検出する検出手段としての機能を持つ。
触媒装置33の内部には、リニア空燃比センサー48及び酸素濃度センサー49が配置される。リニア空燃比センサー48は、触媒装置33に流入する排気の空燃比を検出し、酸素濃度センサー49は触媒装置33から流出する排気の酸素濃度を検出する。また、エンジン制御装置1の内部又は車両の任意の位置には、大気圧PBPを検出する大気圧センサー50が設けられる。各種センサー41〜50で検出された各種情報は、エンジン制御装置1に伝達される。
[1−5.制御系]
上記のエンジン10を搭載する車両には、エンジン制御装置1(Engine Electronic Control Unit,過給制御装置)が設けられる。このエンジン制御装置1は、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車両に設けられた車載ネットワーク網の通信ラインに接続される。なお、車載ネットワーク上には、例えばブレーキ制御装置,変速機制御装置,車両安定制御装置,空調制御装置,電装品制御装置といったさまざまな公知の電子制御装置が、互いに通信可能に接続される。エンジン制御装置1以外の電子制御装置は、外部制御システムと呼ばれ、外部制御システムによって制御される装置は外部負荷装置と呼ばれる。
エンジン制御装置1は、エンジン10に関する点火系,燃料系,吸排気系及び動弁系といった広汎なシステムを総合的に制御する電子制御装置であり、エンジン10の各シリンダーに対して供給される空気量や燃料噴射量,各シリンダーの点火時期,過給圧等を制御するものである。エンジン制御装置1の入力ポートには、前述の各種センサー41〜50が接続される。入力情報は、アクセル開度APS,吸気流量QIN,インマニ圧PIM,大気圧PBP,吸気温度TIM,エンジン回転速度Ne,冷却水温TWT,ウェストゲートバルブ17の実開度DA,排気空燃比,酸素濃度等である。
エンジン制御装置1の具体的な制御対象としては、筒内噴射弁11及びポート噴射弁12から噴射される燃料噴射量とその噴射時期,点火プラグ15による点火時期,吸気弁及び排気弁のバルブリフト量及びバルブタイミング,ターボチャージャー16の作動状態,スロットル開度TH,バイパスバルブ24の開度,ウェストゲート開度D 等が挙げられる。本実施形態では、ウェストゲート開度Dの制御について詳述する。
[2.制御の概要]
ウェストゲート開度Dは、エンジン10に要求される出力に応じた目標値D0となるように制御される。例えば、運転者の加速要求や外部負荷装置からの要求がエンジン制御装置1に入力され、これらの要求に応じて目標過給圧が算出され、ウェストゲートバルブ17の実開度DAが目標過給圧に対応する目標値D0となるように制御される。ウェストゲートバルブ17の実開度DAは、ウェストゲートアクチュエーター18に内蔵される各ステーターコイル52への給電電力を制御することによって調節される。また、各ステーターコイル52への給電電力はインバーター回路60で制御される。
インバーター回路60の制御状態は、ウェストゲートバルブ17の実開度DA及び目標値D0の関係に応じて変更される。まず、ウェストゲートバルブ17の実開度DAと目標値D0とが相違する状態(ウェストゲート開度Dが変動している過渡状態)では、ローター53を回転駆動するための給電電力がインバーター回路60から出力される。すなわち、ローター53とステーターコイル52との間の引力,斥力の作用方向が変化するように、各々のステーターコイル52への給電タイミング(あるいは給電電圧の周波数)が切り換えられる。
一方、ウェストゲートバルブ17の実開度DAが目標値D0に一致している状態(ウェストゲート開度Dが一定であって変動していない定常状態)では、ローター53の回転を拘束するための給電電力がインバーター回路60から出力される。すなわち、ローター53とステーターコイル52との間の引力,斥力の作用方向が一定となるように、任意のステーターコイル52のみに対して給電される。
上記の何れの状態においても、ウェストゲートアクチュエーター18に給電される電流値は、ウェストゲートバルブ17の弁体に作用する排気圧力Pに応じた大きさに制御される。例えば、排気圧力Pが高い運転状態では、ステーターコイル52に供給される電流値が増大するように、給電電力が制御される。これにより、ウェストゲートアクチュエーター18で発生するモータートルクが増加する。したがって、実開度DAが目標値D0と相違する状態では、排気圧力Pに抗して実開度DAを閉鎖方向に制御しやすくなり、ウェストゲート開度Dの制御性が向上する。また、実開度DAと目標値D0とが一致した状態では、開度保持力が増大する。ウェストゲートアクチュエーター18で発生するモータートルクの大きさは、ステーターコイル52への通電量Eを増減させることによって調節される。
さらに、上記の排気圧力Pの値としては、エンジン10の運転状態に応じた予測値が使用される。例えば、エンジン10のシリンダーに導入される吸入空気量(あるいは、充填効率Ecや体積効率Ev,吸気流量QIN等)に応じて排気流量Qが予測され、排気流量Qと排気圧力Pとの関係から排気圧力Pが算出される。また、吸入空気量を算出する代わりに、エンジン10の負荷及びエンジン回転速度Neに基づいて、エンジンの目標出力に対応する排気流量Qを予測し、排気圧力Pを算出してもよい。このように、排気圧力Pの予測値を用いてウェストゲート開度Dの保持力を予め制御することで、排気圧力Pの急増に対して遅滞なく保持力を上昇させることが可能となる。したがって、実開度DAがその目標値D0からずれにくくなり、ウェストゲート開度Dの制御性が向上する。
[3.制御装置の構成]
図3は、エンジン制御装置1で実行される処理内容を説明するためのブロック図である。エンジン制御装置1には、上記の制御を実施するための要素として、算出部2(算出手段)及びウェストゲート制御部3(制御手段)が設けられる。これらの各要素は電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
[3−1.算出部]
算出部2は、排気圧力P、又はこれに相関する相関値を算出するものである。排気圧力Pは、エンジン10の負荷及びエンジン回転速度Neに基づいて算出される。また、エンジン10の負荷は、シリンダーに吸入される空気量に基づいて算出される。図3に示すように、本実施形態の算出部2には、充填効率算出部2a,排気流量推定部2b,排気圧力算出部2cが設けられる。
充填効率算出部2aは、エンジン10のシリンダーに吸入される空気量に相当する充填効率Ecを算出するものである。充填効率Ecは、吸気流量QINとエンジン回転速度Neとに基づいて算出される。この充填効率Ecは、単位燃焼サイクル(単位時間)あたりにシリンダー内に充填される空気の体積を標準状態での気体体積に正規化したのち、シリンダー容積で除算したものである。つまり、充填効率Ecは、標準大気条件でシリンダー内を占める空気の質量に対する、シリンダー内に充填される空気の質量の比率を表し、単位燃焼サイクル(単位時間)あたりにシリンダー内に導入された空気量に対応するパラメーターである。
なお、充填効率Ecの代わりに体積効率Evや,吸気流量QIN,目標トルク,目標エンジン出力等といった吸入空気量に相関するパラメーターを演算する制御構成としてもよい。また、これらのパラメーターだけでなく、吸気圧や排気圧,過給圧,車速V,アクセル開度APS,外部負荷装置の作動状態,車両の走行環境に関する情報等を用いてエンジン10の吸入空気量に相当するパラメーターを算出してもよい。
排気流量推定部2bは、充填効率算出部2aで算出された充填効率Ecに基づき、排気流量Q(単位時間当たりの体積流量)を推定して算出するものである。ここでは、例えば充填効率Ec及びエンジン回転速度Neを引数としたマップや数式,関数が用いられて、排気流量Qの予測値が算出される。ここで算出される排気流量Qは、シリンダーに吸入空気が導入されてから排気ガスとして排出されるまでの応答遅れ時間が考慮されたものである。排気流量Qの応答遅れ時間は、例えば一次応答遅れ要素や二次応答遅れ要素,無駄時間等のモデルを用いて模擬的に演算される。
排気圧力算出部2cは、排気流量推定部2bで算出された排気流量Qに基づき、ウェストゲートバルブ17の弁体に作用する排気圧力Pを算出するものである。ここでは、例えば排気流量Qを引数としたマップや数式,関数が用いられて、排気圧力Pの値が算出される。ここで算出された排気圧力Pの値は、ウェストゲート制御部3に伝達される。
[3−2.ウェストゲート制御部]
ウェストゲート制御部3は、エンジン10の運転状態に基づいてウェストゲート開度Dを制御するものである。ここでは、ウェストゲート開度Dの目標値D0が算出され、ウェストゲートバルブ17の実開度DAが目標値D0に一致するようにウェストゲートアクチュエーター18の動作が制御される。目標値D0は、エンジン回転速度Neやエンジン負荷,空気量,充填効率Ec(目標充填効率,実充填効率など),過給圧,アクセル開度APS,冷却水温TWT等に基づいて設定される。具体的な目標値D0の設定手法は任意であり、本実施形態では記載を省略する。
また、ウェストゲートバルブ17の実開度DAと目標値D0とがほぼ一致すると、その開度を維持するための開度保持制御が実施される。ウェストゲート制御部3には、通電量設定部3a,制御信号出力部3bが設けられる。
通電量設定部3aは、開度保持制御における開度保持に要するウェストゲートアクチュエーター18への通電量Eを設定するものである。通電量Eは、上記のステーターコイル52への給電電流に相当し、通電量Eが大きいほどローター53の保持力が増大する。したがって、通電量Eが大きいほどウェストゲート開度Dの保持力が増大する。
通電量設定部3aは、例えば図4に示すようなマップに基づいて、通電量Eを設定する。このマップは、排気圧力P及びウェストゲートバルブ17の実開度DAを引数として通電量Eを求めるための三次元マップである。マップ上には、排気圧力Pが増加するほど通電量Eもほぼ線形に増大するような特性が設定される。また、排気圧力Pが一定であるとき、実開度DAが大きいほど通電量Eが小さくなり、実開度DAが小さいほど通電量Eが大きくなるように、各パラメーターの相関関係が定められる。
制御信号出力部3bは、通電量設定部3aで設定された通電量 Eでウェストゲートアクチュエーター18を駆動するものである。ここでは、通電量Eに対応する電流がウェストゲートアクチュエーター18のステーターコイル52へと出力される。これにより、ローター53の保持力が排気圧力Pに応じたものとなる。
[4.フローチャート]
図5は、ウェストゲート開度Dの制御手順を説明するためのフローチャートである。このフローは、エンジン制御装置1において所定の演算周期で繰り返し実施される。ステップA10では、各種センサー41〜50で検出された各種情報がエンジン制御装置1に入力される。ここでは、アクセル開度APS,吸気流量QIN,インマニ圧PIM,大気圧PBP,吸気温度TIM,エンジン回転速度Ne,冷却水温TWT,ウェストゲートバルブ17の実開度DA,排気空燃比,酸素濃度等に関する情報が入力される。
ステップA20では、充填効率算出部2aにおいて、吸気流量QIN,エンジン回転速度Ne等に基づいてエンジン10の充填効率Ecが算出される。また、ステップA30では、排気流量推定部2bにおいて、排気流量Qが推定される。ここで算出される排気流量Qは、排気の応答遅れ時間が考慮された予測値となる。
続くステップA40では、排気圧力算出部2cにおいて、ウェストゲートバルブ17の弁体に作用する排気圧力Pが算出される。排気流量Qが予測値であることから、ここで算出される排気圧力Pは、実際の排気圧力Pの変動を先取りした予測値となる。また、ステップA50では、通電量設定部3aにおいて、排気圧力Pに応じて通電量Eが設定される。ここでは、排気圧力Pが大きいほど通電量Eが大きく設定され、排気圧力Pが小さいほど通電量Eが小さく設定される。また、ウェストゲートバルブ17の実開度DAが小さいほど通電量Eが大きく設定され、実開度DAが大きいほど通電量Eが小さく設定される。
ステップA60では、ウェストゲートバルブ17の実開度DAがその時点での目標値D0とほぼ一致した状態であるか否かが判定される。ここで、DA≒D0が成立する場合にはステップA70に進む。一方、DA≒D0が成立しない場合にはステップA80に進む。
ステップA70では、給電タイミングが切り換えられることなく、任意のステーターコイル52に対して通電量Eに対応する電流が供給される。これにより、ウェストゲート開度Dの保持力が排気圧力Pに応じた大きさとなり、排気圧力Pが大きいほど保持力が強められる。反対に、排気圧力Pが小さければ、ウェストゲート開度Dの保持力が弱められ、電力消費が抑制される。
一方、ステップA80では、制御信号出力部3bにおいて、通電量Eに対応する電流がウェストゲートアクチュエーター18のステーターコイル52へと出力される。このとき、各々のステーターコイル52への給電タイミングが周期的に切り換えられて、ローター53が回転駆動される。これにより、ウェストゲートバルブ17の実開度DAが目標値D0に近づくような通常の開度制御が実施される。また、実開度DAが目標値D0に近づくように制御されている過程でのローター53のトルクは、排気圧力Pに応じた大きさとなるため、排気圧力Pが高い状態であっても精度よく実開度DAが制御されることになる。
[5.作用,効果]
(1)上記のエンジン制御装置1では、排気圧力Pに応じてウェストゲート開度Dの保持力が制御される。これにより、排気圧力Pによるウェストゲート開度Dのずれを抑制することができ、ウェストゲートバルブ17の制御性を向上させることができる。
また、例えばウェストゲート開度Dを閉鎖方向に付勢するスプリングを持たないウェストゲートバルブ17であっても、必要最小限の力で閉鎖状態を維持することができる。反対に、ウェストゲート開度Dを開放方向に付勢するスプリングを持たないウェストゲートバルブ17であっても、必要最小限の力で開放状態を維持することができる。したがって、ウェストゲート開度Dの保持精度を高めることができ、ウェストゲートバルブ17の制御性を向上させることができる。
(2)上記のエンジン制御装置1では、排気圧力Pに応じてウェストゲートアクチュエーター18の通電量Eが制御される。これにより、ウェストゲートアクチュエーター18に内蔵されるモーター51のステーターコイル52とローター53との間に作用する引力,斥力を、排気圧力Pに応じて変化させることができ、ウェストゲートアクチュエーター18の電力消費を抑制しつつ、ウェストゲートバルブ17の制御性を向上させることができる。
例えば、ウェストゲートバルブ17の実開度DAがその時点での目標値D0とほぼ一致した状態であるときには、ローター53とステーターコイル52との間の引力,斥力の作用方向が一定となるように、任意のステーターコイル52に対する通電量Eが排気圧力Pに応じて制御される。これにより、ウェストゲート開度Dの保持力を排気圧力Pに応じた大きさにすることができる。つまり、排気圧力Pが高い状態では、ウェストゲート開度Dの保持力を増大させて、ウェストゲートバルブ17の実開度DAを維持することができる。一方、排気圧力Pが低い状態では、ウェストゲート開度Dの保持力を減少させて、電力消費を抑えることができる。
(3)また、ウェストゲートバルブ17の実開度DAがその時点での目標値D0と一致しない状態であるとき(すなわち、実開度DAの変更中)には、各々のステーターコイル52に対する通電量Eが排気圧力Pに応じて制御されるとともに、給電タイミングが周期的に切り換えられる。これにより、ウェストゲートバルブ17の駆動力を排気圧力Pに応じた大きさにすることができる。つまり、排気圧力Pが高い状態では、ウェストゲートバルブ17の駆動力を増大させて、適切な速度でウェストゲートバルブ17の実開度DAを変化させることができ、ウェストゲート開度Dの変更速度の精度を高めることができる。一方、排気圧力Pの低い状態では、ウェストゲートバルブ17の駆動力を減少させて、電力消費を抑えることができる。
このように、ウェストゲートバルブ17の作動状態にかかわらず、ウェストゲートアクチュエーター18の電力消費を抑制することができ、かつ、ウェストゲートバルブ17の制御性を向上させることができる。
(4)上記のエンジン制御装置1では、エンジン10の負荷及びエンジン回転速度Neに基づいて排気圧力Pが算出される。これにより、エンジン10から排出される排気の圧力を精度よく把握することができる。したがって、ウェストゲートアクチュエーター18における保持力,駆動力を精度よく制御することができ、ウェストゲートバルブ17の制御性を向上させることができる。
また、エンジン10の排気系30の圧力を直接的にセンサーで検出するような制御構成と比較して、排気圧力Pが変化するよりも前にその変化を予測して把握することができる。したがって、ウェストゲートアクチュエーター18における保持力,駆動力を適切なタイミングで制御することができ、ウェストゲートバルブ17の制御性を向上させることができる。
(5)上記のエンジン制御装置1では、エンジン10の負荷として、シリンダーに吸入される空気量に相当する充填効率Ecが評価される。つまり、排気系30側で取得されたセンサー値ではなく、吸気系20側で取得されたセンサー値に基づいて排気流量Qが推定され、排気流量Qに基づいて排気圧力Pが算出される。このような演算手法により、排気圧力Pの変動が生じるよりも前にその変動を把握することができる。また、エンジン10の運転状態のみに基づいて排気圧力Pの変動を予測するような制御構成と比較して、より早期に排気圧力Pの変動を予測することができる。したがって、ウェストゲートアクチュエーター18における保持力,駆動力をより適切なタイミングで制御することができ、ウェストゲートバルブ17の制御性を向上させることができる。
(6)上記のエンジン制御装置1では、図4に示すように、ウェストゲートバルブ17の実開度DAに応じて通電量Eが補正される。例えば、実開度DAが0となる全閉状態では、ウェストゲートバルブ17の弁体に作用する排気圧力Pが比較的大きい。このような状態では、通電量Eが増大方向に補正されるため、排気圧力Pに対抗しうるウェストゲートアクチュエーター18の保持力,駆動力を確保することができる。一方、実開度DAが大きい状態では、ウェストゲートバルブ17の弁体に作用する排気圧力Pが比較的小さいため、通電量Eを減少方向に補正しても、ウェストゲートアクチュエーター18の保持力,駆動力が不足することはなく、過剰な電力消費を抑えることができる。
[6.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述の実施形態では、通電量設定部3aにおいて、排気圧力P及び実開度DAに基づいて通電量Eを設定するものを例示したが、排気圧力Pの代わりに排気流量Qを用いて通電量Eを設定してもよい。つまり、通電量Eを設定するためのパラメーターは、排気通路31内の圧力に相関する相関値であればよく、例えば排気圧力P,排気流量Q(単位時間当たりの体積流量),排気流速(単位時間当たりの質量流量)の少なくとも何れかに相関するものであればよい。
また、上述の実施形態では、エンジン10の充填効率Ecから排気流量Qを推定するとともに、排気流量Qから排気圧力Pを算出するものを示したが、排気圧力Pの算出手法はこれに限定されない。例えば、充填効率Ecの代わりに体積効率Evやエンジン10の目標トルクを用いて排気流量Qを推定してもよく、あるいは、排気流量Qを推定せずに、直接的に排気圧力Pを算出してもよい。あるいは、エンジン10に作用する負荷及びエンジン回転速度Neから、直接的に排気圧力Pを算出してもよい。排気圧力Pの具体的な算出手順は、そのエンジン10の吸排気モデルに依存して多種多様に考えられる。少なくとも、エンジン10に作用する負荷及びエンジン回転速度Neに基づいて排気圧力Pを算出することで、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
なお、上述の実施形態におけるエンジン10の種類は任意であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン,その他の燃焼形式のエンジンを用いることができる。
1 エンジン制御装置(過給制御装置)
2 算出部(算出手段)
2a 充填効率算出部
2b 排気流量推定部
2c 排気圧力算出部
3 ウェストゲート制御部(制御手段)
3a 通電量設定部
3b 制御信号出力部
17 ウェストゲートバルブ
18 ウェストゲートアクチュエーター
47 ホールセンサー(検出手段)
51 モーター
P 排気圧力
DA 実開度
E 通電量

Claims (4)

  1. 排気通路上に介装され、モーターにより駆動されるウェストゲートバルブの開度を制御する過給システムを具備したエンジンの過給制御装置において、
    前記排気通路内の圧力に相関する相関値を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出された前記相関値に応じて前記ウェストゲートバルブの保持力を増減させる制御手段と、
    前記ウェストゲートバルブの実開度を検出する検出手段とを備え、
    前記制御手段が、
    前記モーターの通電量を制御することで、前記ウェストゲートバルブの駆動力を増減させて、前記ウェストゲートバルブの保持力を増減させるとともに、
    前記ウェストゲートバルブの実開度と目標開度とがほぼ一致しているときに、前記モーターのステーター及びローター間の引力及び斥力の作用方向を一定に維持しながら、前記相関値が大きいほど前記通電量を増加させ、前記相関値が小さいほど前記通電量を減少させる
    ことを特徴とする、エンジンの過給制御装置。
  2. 前記算出手段が、前記エンジンの負荷及びエンジン回転速度に基づき、前記相関値を算出する
    ことを特徴とする、請求項に記載のエンジンの過給制御装置。
  3. 前記算出手段が、前記エンジンのシリンダーに吸入される空気量に基づき、前記相関値を算出する
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載のエンジンの過給制御装置。
  4. 前記制御手段が、前記実開度が大きいほど前記通電量を減少方向に補正し、前記実開度が小さいほど前記通電量を増加方向に補正する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンの過給制御装置。
JP2013155154A 2013-07-26 2013-07-26 エンジンの過給制御装置 Expired - Fee Related JP6179240B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013155154A JP6179240B2 (ja) 2013-07-26 2013-07-26 エンジンの過給制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013155154A JP6179240B2 (ja) 2013-07-26 2013-07-26 エンジンの過給制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015025411A JP2015025411A (ja) 2015-02-05
JP6179240B2 true JP6179240B2 (ja) 2017-08-16

Family

ID=52490257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013155154A Expired - Fee Related JP6179240B2 (ja) 2013-07-26 2013-07-26 エンジンの過給制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6179240B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016125303A1 (ja) * 2015-02-06 2016-08-11 三菱電機株式会社 アクチュエータ
JP6416310B1 (ja) * 2017-04-17 2018-10-31 三菱電機株式会社 内燃機関の制御装置及び制御方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3835152B2 (ja) * 2000-10-05 2006-10-18 日産自動車株式会社 過給機の制御装置
JP2006274831A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Denso Corp ターボチャージャ付き内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015025411A (ja) 2015-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9435270B2 (en) Methods and systems for an engine
US8967116B2 (en) Methods and systems for a throttle turbine generator
US9435271B2 (en) Methods and systems for controlling airflow through a throttle turbine generator
EP2181260A2 (en) Control apparatus and control method for internal combustion engine
JP6179241B2 (ja) エンジンの制御装置
CN106499501B (zh) 操作用于发动机的压缩机的方法和系统
US11136927B2 (en) Internal combustion engine system
JP2014169644A (ja) 内燃機関の制御装置
US20150101581A1 (en) Method of controlling the pressure of a turbocharger
US20180266365A1 (en) Exhaust gas control apparatus of internal combustion engine
JP2015021405A (ja) エンジンの制御装置
RU2647177C2 (ru) Способ управления двигателем и система двигателя
JP5996476B2 (ja) エンジンの排気還流装置
JP5851898B2 (ja) 可変バルブタイミング機構の制御装置
JP6179240B2 (ja) エンジンの過給制御装置
CN109555616B (zh) 发动机的控制设备
JP6183004B2 (ja) エンジンの制御装置
JP5136699B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4168925B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2014105578A (ja) 内燃機関の制御装置
JPWO2014013590A1 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2001289076A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
GB2490942A (en) Controlling an electrically driven compressor
JP2008115829A (ja) レシプロ式内燃機関の制御装置及び制御方法
JP6191311B2 (ja) エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170703

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6179240

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees