JPH11270364A - 内燃機関のスロットル制御装置 - Google Patents

内燃機関のスロットル制御装置

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JPH11270364A
JPH11270364A JP10073676A JP7367698A JPH11270364A JP H11270364 A JPH11270364 A JP H11270364A JP 10073676 A JP10073676 A JP 10073676A JP 7367698 A JP7367698 A JP 7367698A JP H11270364 A JPH11270364 A JP H11270364A
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JP
Japan
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throttle
friction torque
throttle opening
internal combustion
combustion engine
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JP10073676A
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English (en)
Inventor
Koichi Kamado
孝一 釜洞
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子スロットルシステムにおけるスロットル
バルブの開度の追従安定性を向上すること。 【解決手段】 電子スロットルシステムにおいて、部品
点数が少なく機構が簡素化されると摩擦を小さくできる
が、摩擦トルクの発生状態に起因する挙動が即、実スロ
ットル開度TA精度の低下につながることとなる。これ
に対処するため、トルクモータ19による発生トルク
が、制御量のヒステリシス特性から推定されるスロット
ルバルブ5の駆動系に関わる摩擦トルクの学習値を反映
して補正される。このように、摩擦トルクの学習値が反
映された制御量によりスロットル制御されることで、実
スロットル開度TAの安定性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクセル操作量等
に応じてアクチュエータを駆動しスロットルバルブの開
度を制御する内燃機関のスロットル制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、アクセル操作量等に応じてアクチ
ュエータとしてのモータを駆動し実スロットル開度を制
御する『電子スロットルシステム』と称する内燃機関の
スロットル制御装置が採用されるようになっている。こ
のような電子スロットルシステムにおいては、例えば、
アクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ
からのアクセル開度信号に応じてモータに電流を流し、
モータが駆動されることでスロットルバルブが開閉され
内燃機関に供給される空気量が制御される。
【0003】これに関連する先行技術文献としては、特
許第2559480号公報にて開示されたものが知られ
ている。このものでは、スロットル制御系における摩擦
トルク(摩擦力)に対応する補正量(制御補正量)を設
定して摩擦による影響をなくしスロットル開度精度を向
上する技術が示されている。ここで、スロットル制御系
における摩擦は、主にスロットルバルブの回動軸とその
軸受との間、スロットルバルブの開度を検出するスロッ
トル開度センサ、スロットルバルブを中間ストッパ位置
に戻すためのバルブリターンスプリングや退避走行用ス
プリング等の各部分にて発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、摩擦トルク
は製品公差、経時変化、温度等により逐次変化するもの
であり、特に、スロットルバルブ周辺の駆動機構を簡素
化し部品点数を減少させコストダウンを図る目的でスロ
ットルバルブの回動軸の前段に減速ギヤ列がない電子ス
ロットルシステムでは、摩擦トルクの発生状態に起因す
る挙動を減速ギヤ列のギヤ比分にて吸収できないため、
摩擦トルクの変化が即、スロットル開度精度の低下につ
ながり正確なスロットル制御をすることは無理であっ
た。
【0005】そこで、この発明はかかる不具合を解決す
るためになされたもので、電子スロットルシステムにお
けるスロットルバルブの開度の追従安定性が向上できる
と共に、スロットルバルブ周辺の駆動機構の簡素化も可
能な内燃機関のスロットル制御装置の提供を課題として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の内燃機関のス
ロットル制御装置によれば、スロットル制御手段で制御
される実スロットル開度を目標スロットル開度に一致さ
せるための制御量を制御量演算手段で算出する際、その
制御量のヒステリシス特性によってスロットルバルブの
駆動系に関わる摩擦トルクの学習値が学習値反映手段に
よって推定され制御量に反映される。これにより、制御
量によるアクチュエータの発生トルクにこのときの摩擦
トルクの学習値が反映されることとなり、実スロットル
開度の安定性を向上することができる。
【0007】請求項2の内燃機関のスロットル制御装置
では、学習値反映手段によって制御量の極大値と極小値
との差分に基づき摩擦トルクの学習値が推定され制御量
算出の際に反映される。これにより、制御量によるアク
チュエータの発生トルクにこのときの摩擦トルクの学習
値が反映されることとなり、実スロットル開度の安定性
を向上することができる。
【0008】請求項3の内燃機関のスロットル制御装置
では、学習値反映手段によって制御量における積分項の
極大値と極小値との差分に基づき摩擦トルクの学習値が
推定され制御量算出の際に反映される。これにより、制
御量によるアクチュエータの発生トルクにこのときの摩
擦トルクの学習値が反映されることとなり、実スロット
ル開度の安定性を向上することができる。
【0009】請求項4の内燃機関のスロットル制御装置
では、学習値反映手段によって内燃機関の始動前または
停止後にスロットルバルブが動かされるときの制御量に
基づき摩擦トルクの学習値が推定され制御量算出の際に
反映される。これにより、制御量によるアクチュエータ
の発生トルクに精度の良い摩擦トルクの学習値が反映さ
れることとなり、実スロットル開度の安定性を向上する
ことができる。
【0010】請求項5の内燃機関のスロットル制御装置
では、アクチュエータがトルクモータとされることで、
スロットルバルブがギヤボックス等を介することなく直
接作動される。このものでは、構成が簡単となるため耐
久信頼性を向上することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。
【0012】図1は本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のスロットル制御装置が適用された内燃機
関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0013】図1において、内燃機関1はV型6気筒の
4サイクルエンジンとして構成されている。内燃機関1
の吸気通路2の上流側にはエアクリーナ3が設けられ、
エアクリーナ3の下流側には吸気量(吸入空気量)を検
出するエアフローメータ4が設置されている。また、吸
気通路2のエアフローメータ4より下流側にはスロット
ルバルブ5が設けられ、このスロットルバルブ5の回動
軸5aに連結されたトルクモータ19の駆動力によりス
ロットルバルブ5の開度である実スロットル開度TAが
制御され、内燃機関1に供給される吸気量が調整され
る。このスロットルバルブ5の実スロットル開度TAが
スロットル開度センサ16によって検出される。なお、
アイドル時にあっても、トルクモータ19の駆動力によ
って実スロットル開度TAが制御され、これによって吸
気量GNが制御され機関回転数NEが目標アイドル回転
数に一致されるようにフィードバック制御される。更
に、吸気通路2はインテークマニホルド6を介して内燃
機関1の各気筒に接続され、吸気通路2からの吸入空気
がインテークマニホルド6内を経て各気筒に分配供給さ
れる。
【0014】インテークマニホルド6には各気筒に対応
してインジェクタ7が設置され、各インジェクタ7から
噴射された燃料は、吸入空気と混合され各気筒に供給さ
れる。この混合気は吸気バルブ8の開閉に伴って各気筒
の燃焼室9内に導入され、点火プラグ10の点火により
燃焼され、ピストン11が押下げられクランクシャフト
12にトルクが付与される。燃焼後の排気ガスは排気バ
ルブ13の開閉に伴って排気通路14を経て外部に排出
される。また、クランクシャフト12の近接位置にはク
ランク角センサ15が設置され、このクランク角センサ
15からは30°CA(Crank Angle:クランク角)毎に
パルス信号が出力される。
【0015】20はECU(Electronic Control Unit:
電子制御ユニット)であり、ECU20はエアフローメ
ータ4によって検出された吸気量GN信号やクランク角
センサ15によって検出された機関回転数NE信号に基
づいてインジェクタ7の駆動を制御すると共に、スロッ
トル開度センサ16によって検出された実スロットル開
度TA信号やアクセルペダル17の踏込量がアクセル開
度センサ18によって検出されたアクセル開度Ap信号
等に基づいてスロットルバルブ5を開閉制御するCPU
21,ROM22,RAM23等からなるマイクロコン
ピュータを主体として構成されている。
【0016】次に、ECU20及びその周辺の構成につ
いて、図1を参照し更に詳しく説明する。
【0017】ECU20において、CPU21は吸気量
GN信号や機関回転数NE信号、更には実スロットル開
度TA信号やアクセル開度Ap信号等を読込み、内燃機
関1の運転状態に応じてその都度要求されるインジェク
タ7の燃料噴射量やトルクモータ19によるスロットル
バルブ5の目標とする指令値である目標スロットル開度
TTP等を演算する周知の中央処理装置である。
【0018】また、ROM22は所謂プログラムメモリ
として、内燃機関1の運転状態を制御するための各種制
御プログラム、即ち、燃料噴射制御プログラムやスロッ
トル制御プログラム等が予め格納されたメモリである。
CPU21では、このROM22に格納されているプロ
グラムに従って各種の演算処理を実行する。また、RA
M23は所謂データメモリとして、各種センサの入出力
データやCPU21による演算処理データ等が一時的に
格納されるメモリである。
【0019】インジェクタ駆動回路24は、吸気量GN
信号や機関回転数NE信号に基づきCPU21を通じて
演算される燃料噴射量に対応した所定パルス幅の信号を
形成してインジェクタ7を駆動する回路である。これに
より、インジェクタ7からは演算された燃料噴射量に対
応した量の燃料が内燃機関1の各気筒に対して噴射供給
されるようになる。また、A/D変換回路27は、読込
まれる吸気量GN信号、実スロットル開度TA信号、ア
クセル開度Ap信号及び冷却水温THW信号等をA/D
(アナログ−ディジタル)変換してCPU21に出力す
るための回路である。
【0020】そして、CPU21では、後述の演算処理
により、トルクモータ19によるスロットルバルブ5の
目標スロットル開度TTPとスロットル開度センサ16
からの実スロットル開度TAとの偏差に応じて、その偏
差を縮小するためPWM(パルス幅変調)変換されたデ
ューティ比信号としての制御DUTY(制御量)が算出
され、モータ駆動回路30に出力される。すると、モー
タ駆動回路30によってPWM変換された制御電流DU
TYによりトルクモータ19が駆動され、スロットル開
度センサ16で検出される実スロットル開度TAが最終
的に目標スロットル開度TTPに一致するように調整さ
れる。
【0021】次に、図2及び図3に基づき内燃機関のス
ロットル制御装置の構成について説明する。
【0022】図2及び図3において、アクセルペダル1
7にはアクセル開度センサ18が配設され、アクセルペ
ダル17はアクセルレバー41に連結されている。この
アクセルレバー41は、アクセルリターンスプリング4
2a,42bによってアクセルペダル17の戻り方向
(時計回り方向)に付勢されている。アクセルペダル1
7が操作されない状態(アクセルOFF)では、アクセ
ルレバー41はアクセルリターンスプリング42a,4
2bによってアクセル全閉ストッパ43に当接した状態
に保持される。内燃機関1の運転中は、アクセルペダル
17の操作量に基づくアクセルレバー41の位置がアク
セル開度センサ18によってアクセル開度Apとして検
出される。
【0023】一方、スロットルバルブ5の回動軸5aに
はバルブレバー44が連結され、このバルブレバー44
が退避走行用スプリング45によってスロットルバルブ
5の開方向(図2の上方向)に付勢されている。このた
め、図2(b)に示すモータOFF(トルクモータ19
への電源OFF)時には、退避走行スプリング45によ
ってバルブレバー44が中間レバー47に当接した中間
ストッパ位置に保持される。このとき、中間レバー47
は、バルブリターンスプリング48によってスロットル
バルブ5の閉方向(図2の下方)に付勢され、中間スト
ッパ49に当接されている。
【0024】つまり、バルブリターンスプリング48の
引張力は退避走行用スプリング45の引張力よりも大き
く設定されている。したがって、図2(b)に示すモー
タOFF時には、バルブリターンスプリング48の引張
力が退避走行用スプリング45の引張力に打勝って、中
間レバー47が中間ストッパ49に当接し保持され、ス
ロットルバルブ5の実スロットル開度TAが中間ストッ
パ49で規制される中間ストッパ位置(実スロットル開
度TA=約3°)に保持される。
【0025】一方、図2(a)に示す通常制御時(モー
タON時)には、アクセルペダル17の操作量に応じて
トルクモータ19が正転または逆転されスロットルバル
ブ5の実スロットル開度TAが調整され、そのときのス
ロットルバルブ5の実スロットル開度TAがスロットル
開度センサ16によって検出される。この際、実スロッ
トル開度TAを大きくする場合には、トルクモータ19
に正側のモータ電流が供給されトルクモータ19が正転
されることで、図2(a)に示すようにバルブレバー4
4がバルブリターンスプリング48の引張力に抗して中
間レバー47が押上げられスロットルバルブ5が開方向
に駆動される。これとは逆に、実スロットル開度TAを
小さくする場合には、トルクモータ19に負側のモータ
電流が供給されトルクモータ19が逆転されることで、
バルブレバー44が下降されスロットルバルブ5が閉方
向に駆動される。そして、中間レバー47が中間ストッ
パ49に当接されたのちのスロットルバルブ5の閉方向
の駆動では、バルブレバー44が退避走行用スプリング
45の引張力に抗して下降されスロットルバルブ5が全
閉ストッパ位置(実スロットル開度TA=0°)まで閉
じると、バルブレバー44がスロットル全閉ストッパ4
6に当接され、それ以上の回動が阻止される。
【0026】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のスロットル制御装置で用いられているス
ロットルバルブ5の回動軸5aと連結されたトルクモー
タ19の構成について図4及び図5を参照して説明す
る。なお、図5は図4のトルクモータ19からカバー6
3を取去ってA方向から見た矢視図である。
【0027】図4に示すように、吸気通路2途中に配設
されたスロットルボデー60には軸受61,62を介し
てスロットルバルブ5が回動自在に支持されている。こ
のスロットルバルブ5は円板状に形成されており、回動
軸5aにビス止めされ固定されている。そして、スロッ
トルバルブ5が回動軸5aと共に回動されることによ
り、スロットルボデー60の内壁により形成された吸気
流路60aの流路面積が調整され、吸気通路2を通過す
る吸気量が制御される。
【0028】また、スロットルバルブ5の回動軸5aの
一方の端部にはバルブレバー44が圧入固定されてお
り、回動軸5aと共に回動される。このバルブレバー4
4がスロットル全閉ストッパ46に当接されることによ
りスロットルバルブ5の全閉位置が規定される。なお、
スロットル全閉ストッパ46のねじ込量を変更すること
によりスロットルバルブ5の全閉位置が調整される。な
お、図4では退避走行スプリング45等は省略されてい
る。
【0029】そして、スロットル開度センサ16はバル
ブレバー44よりも更に回動軸5aの端側に配設され、
コンタクト部16a、抵抗体を塗布した基板16b及び
ハウジング16cによって構成されている。コンタクト
部16aは回動軸5aに圧入されており、回動軸5aと
共に回動される。基板16bはハウジング16cに固定
されており、基板16bに塗布された抵抗体上をコンタ
クト部16aが摺動される。基板16bに塗布された抵
抗体には5〔V〕の一定電圧が印加されており、この抵
抗体とコンタクト部16aとの摺動位置がスロットルバ
ルブ5の開度に応じて変化され出力電圧値が変動され
る。このスロットル開度センサ16からの出力電圧値が
ECU20に入力されスロットルバルブ5の実スロット
ル開度TAが検出される。
【0030】更に、図4及び図5に示すように、トルク
モータ19は回転子65、コア69、一対のソレノイド
部70,75により回動軸5aの他方の端部に連結され
ている。トルクモータ19の端部はカバー63により覆
われている。回転子65は、回動軸5aに圧入固定され
た鉄心66及び永久磁石67,68により構成され、コ
ア69の内壁により形成された収容孔69aに回動自在
に収容されている。鉄心66は円筒状に形成されてお
り、回動軸5aの他方の端部に圧入固定されている。永
久磁石67,68は円弧状に形成されており、鉄心66
の外周に等間隔をあけて接着固定されている。スロット
ルバルブ5の回動範囲は通常90°以下であるから、永
久磁石67,68の円弧長はスロットルバルブ5の回動
範囲内で回転子65を回動可能なトルクが働く長さがあ
ればよい。なお、永久磁石67,68はネオジウム系、
サマリウム−コバルト系等の高い磁力を発生する所謂、
希土類磁石が採用されている。
【0031】コア69は磁性体からなる薄板が回動軸5
aの軸方向に積層され形成されており、収容孔69aに
回転子65を回動自在に収容している。コア69は回転
子65を取囲む周上において切目のないスロットレスに
構成されている。ソレノイド部70,75はそれぞれ鉄
心71,76にコイル72,77が巻回され形成されて
おり、コア69に圧入固定されている。コイル72,7
7にはコネクタ80に埋設されたピン81から制御電流
が供給される。また、バルブリターンスプリング48
は、一方の端部が鉄心66に固定され、他方の端部がね
じ64に固定されており、このバルブリターンスプリン
グ48によりスロットルバルブ5が閉側に付勢されてい
る。
【0032】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のスロットル制御装置で使用されているE
CU20内のCPU21におけるスロットル制御の処理
手順を示す図6のブロック図に基づいて説明する。
【0033】図6において、まず、目標スロットル速度
演算処理S1では、各種センサ信号に基づき設定される
目標スロットル開度TTPとスロットル開度センサ16
からの実スロットル開度TAとの偏差に基づいて目標ス
ロットル速度ΔTTPが算出される。同時に、実スロッ
トル速度演算処理S2では、スロットル開度センサ16
からの実スロットル開度TAが微分され実スロットル速
度ΔTAが算出される。次に、加速トルク演算処理S3
では、前段で算出された目標スロットル速度ΔTTPと
実スロットル速度ΔTAとの偏差にスロットル制御系の
慣性Jが乗算され加速トルク〔N・m〕が算出される。
【0034】また、摩擦トルク演算処理S4では、後述
するように、目標スロットル開度TTPと実スロットル
開度TAとからそのときの摩擦状態に応じて軸受61,
62等によるスロットル制御系の摩擦トルクTf 〔N・
m〕が算出される。そして、ばねトルク演算処理S5で
は、実スロットル開度TAが中間ストッパ位置より大き
い開側ではバルブリターンスプリング48に対応し、ま
た、実スロットル開度TAが中間ストッパ位置より小さ
い閉側では退避走行用スプリング45に対応するスロッ
トル制御系のばねトルク〔N・m〕が算出される。ここ
で、実スロットル開度TAに応じてばねトルクを算出す
るのに対して、更に応答性を向上させるために、目標ス
ロットル開度TTPまたは予測スロットル開度(=実ス
ロットル開度+実スロットル速度×所定時間)に応じて
ばねトルクを算出するようにしてもよい。そして、前段
で算出された加速トルク、摩擦トルク及びばねトルクが
加算されトルクモータ19の要求トルクTR 〔N・m〕
が算出される。
【0035】モータ電流演算処理S6では、TR =f
(TA,IM )の逆モデル式を用いた実測値に基づき、
前段で算出された要求トルクTR 〔N・m〕をパラメー
タとし、各要求トルクの発生に必要なモータ電流IM
〔A〕が実スロットル開度TA〔°〕に応じて算出され
る。また、電圧変換処理S7では、前段で算出されたモ
ータ電流IM 〔A〕がトルクモータ19に固有のモータ
コイル抵抗及び配線(ワイヤハーネス)抵抗等の抵抗値
によって変換された変換電圧が算出される。
【0036】更に、逆起電圧演算処理S8では、前段で
算出されたモータ電流IM 〔A〕及び実スロットル開度
TA〔°〕に応じて逆起電圧Ve が算出される。そし
て、前段で算出されたモータ電流IM の変換電圧と逆起
電圧Ve とが加算されてトルクモータ19の要求電圧V
M 〔V〕が算出される。次に、要求DUTY演算処理S
9では、前段で算出された要求電圧VM 〔V〕に(10
0/VB )が乗算されPWM(パルス幅変調)変換され
たデューティ比信号としてのトルクモータ19の要求D
UTYが算出される。なお、VB はトルクモータ19の
電源電圧である。
【0037】更に、誤差補正量演算処理S10では、後
述するように、モデルと実機との誤差を補正するための
補正量が算出される。この補正量が前段で算出された要
求DUTYに加算され制御DUTYとされる。この制御
DUTYがモータ駆動回路30に出力されることでトル
クモータ19が駆動され、スロットル開度センサ16で
検出された実スロットル開度TAが最終的に目標スロッ
トル開度TTPに一致するように調整される。
【0038】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のスロットル制御装置で使用されているE
CU20のCPU21における摩擦トルク演算処理S4
の具体的な処理手順を示す図7のフローチャートに基づ
いて説明する。なお、この摩擦トルク演算ルーチンは所
定時間毎にECU20内のCPU21にて繰返し実行さ
れる。
【0039】図7において、まず、ステップS101で
は、目標スロットル開度TTPと実スロットル開度TA
との偏差の絶対値が所定値を越えているかが判定され
る。ステップS101の判定条件が成立、即ち、目標ス
ロットル開度TTPと実スロットル開度TAとの偏差の
絶対値が所定値を越えて大きいときには摩擦トルクTf
が関与するためステップS102に移行し、摩擦トルク
Tf 〔N・m〕が実スロットル開度TAの単位時間当た
りの変化量である実スロットル速度ΔTAに応じて算出
され、本ルーチンを終了する。なお、このときの摩擦ト
ルクTf は通常、ほぼ一定で安定して発生するため要求
トルクTR の算出の際に連続して加算される。
【0040】一方、ステップS101の判定条件が成立
せず、即ち、目標スロットル開度TTPと実スロットル
開度TAとの偏差の絶対値が所定値以下であるときには
ステップS103に移行し、目標スロットル開度TTP
と実スロットル開度TAとの偏差が零であるかが判定さ
れる。ステップS103の判定条件が成立、即ち、目標
スロットル開度TTPに実スロットル開度TAが等しい
ときにはステップS104に移行し、スロットル制御系
に動きがないため摩擦トルクTf が零とされ本ルーチン
を終了する。
【0041】一方、ステップS103の判定条件が成立
せず、即ち、目標スロットル開度TTPと実スロットル
開度TAとの偏差の絶対値が所定値未満と小さいときに
は摩擦トルクTf が関与するためステップS105に移
行し、摩擦トルクTf 〔N・m〕が実スロットル開度T
Aの単位時間当たりの変化量である実スロットル速度Δ
TAに応じて算出される。次にステップS106に移行
して、要求トルクTRの算出の際、摩擦トルクTf 〔N
・m〕を不連続に加算するときの周期であるtON〔m
s〕及びtOFF 〔ms〕が算出され、本ルーチンを終了
する。なお、このときの摩擦トルクTf は、元来、所定
の周期を有して発生するため要求トルクTR の算出の際
に不連続に加算される。この摩擦トルクTf 〔N・m〕
を不連続に加算するときのON(オン)時間であるtON
〔ms〕及びOFF(オフ)時間であるtOFF 〔ms〕
は実験によってスロットル制御における最小駆動周期に
基づき予め設定されている。
【0042】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のスロットル制御装置で使用されているE
CU20内のCPU21における誤差補正量演算処理S
10の具体的な処理手順を示す図8のフローチャートに
基づいて説明する。なお、この誤差補正量演算ルーチン
は所定時間毎にECU20内のCPU21にて繰返し実
行される。
【0043】図8において、ステップS201では、目
標スロットル開度TTPが実スロットル開度TAを越え
ているかが判定される。ステップS201の判定条件が
成立、即ち、目標スロットル開度TTPが実スロットル
開度TAを越えて大きいときにはステップS202に移
行し、実スロットル開度TAが目標スロットル開度TT
Pに接近中であるかが判定される。ステップS202の
判定条件が成立せず、即ち、実スロットル開度TAと目
標スロットル開度TTPとの偏差が縮小することなく変
化せずまたは逆に拡大しているときにはステップS20
3に移行し、誤差補正量としての前回のオフセット電流
Ioffsetに所定電流としてのΔIoffsetが加算され今回
のオフセット電流Ioffsetとされ、本ルーチンを終了す
る。
【0044】一方、ステップS201の判定条件が成立
せず、即ち、目標スロットル開度TTPが実スロットル
開度TA以下であるときにはステップS204に移行
し、目標スロットル開度TTPが実スロットル開度TA
に等しいかが判定される。ステップS204の判定条件
が成立、即ち、目標スロットル開度TTPが実スロット
ル開度TAに等しいときにはステップS205に移行
し、誤差補正量としての前回のオフセット電流Ioffset
がそのまま今回のオフセット電流Ioffsetとされ、本ル
ーチンを終了する。
【0045】一方、ステップS204の判定条件が成立
せず、即ち、目標スロットル開度TTPが実スロットル
開度TA未満であるときにはステップS206に移行
し、実スロットル開度TAが目標スロットル開度TTP
に接近中であるかが判定される。ステップS206の判
定条件が成立せず、即ち、実スロットル開度TAと目標
スロットル開度TTPとの偏差が縮小することなく変化
せずまたは逆に拡大しているときにはステップS207
に移行し、誤差補正量としての前回のオフセット電流I
offsetから所定電流としてのΔIoffsetが減算され今回
のオフセット電流Ioffsetとされ、本ルーチンを終了す
る。なお、ステップS202またはステップS206の
判定条件が成立、即ち、実スロットル開度TAと目標ス
ロットル開度TTPとの偏差が縮小しているときにはス
テップS205に移行し、上述したように、誤差補正量
としての前回のオフセット電流Ioffsetがそのまま今回
のオフセット電流Ioffsetとされ、本ルーチンを終了す
る。
【0046】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のスロットル制御装置で使用されているE
CU20内のCPU21における摩擦トルク学習の処理
手順を示す図9のフローチャートに基づき、図10のタ
イムチャートを参照して説明する。ここで、図10は目
標スロットル開度TTP〔°〕の変動に対する実スロッ
トル開度TA〔°〕の追従により求められる誤差補正量
(オフセット電流)Ioffsetの遷移状態を表す。なお、
この摩擦トルク学習ルーチンは上述の図8による誤差補
正量Ioffset算出後にECU20内のCPU21にて実
行される。
【0047】図9において、まず、ステップS301で
は、図8で算出された誤差補正量Ioffsetが零より大き
いかが判定される。ステップS301の判定条件が成
立、即ち、誤差補正量Ioffsetが零より大きいときには
ステップS302に移行し、フラグFLAGが「0」で
あるかが判定される。ステップS302の判定条件が成
立、即ち、フラグFLAGが初期設定等による「0」で
あるときにはステップS303に移行し、このときの誤
差補正量Ioffsetが極大値Maxとされる。一方、ステッ
プS302の判定条件が成立せず、即ち、フラグFLA
Gが「1」であるときにはステップS304に移行し、
誤差補正量Ioffsetが極大値Maxより大きいかが判定さ
れる。ステップS304の判定条件が成立、即ち、誤差
補正量Ioffsetが極大値Maxより大きいときには上述の
ステップS303に移行し、このときの誤差補正量Iof
fsetが極大値Maxとされる。
【0048】一方、ステップS301の判定条件が成立
せず、即ち、誤差補正量Ioffsetが零以下であるときに
はステップS305に移行し、誤差補正量Ioffsetが零
未満であるかが判定される。ステップS305の判定条
件が成立、即ち、誤差補正量Ioffsetが零未満であると
きにはステップS306に移行し、フラグFLAGが
「0」であるかが判定される。ステップS306の判定
条件が成立、即ち、フラグFLAGが初期設定等による
「0」であるときにはステップS307に移行し、この
ときの誤差補正量Ioffsetが極小値Minとされる。一
方、ステップS306の判定条件が成立せず、即ち、フ
ラグFLAGが「1」であるときにはステップS308
に移行し、誤差補正量Ioffsetが極小値Minより小さい
かが判定される。ステップS308の判定条件が成立、
即ち、誤差補正量Ioffsetが極小値Minより小さいとき
には上述のステップS307に移行し、このときの誤差
補正量Ioffsetが極小値Minとされる。
【0049】ステップS303またはステップS307
の処理ののち、またはステップS304の判定条件が成
立せず、即ち、誤差補正量Ioffsetが極大値Max以下で
あるとき、またはステップS308の判定条件が成立せ
ず、即ち、誤差補正量Ioffsetが極小値Min以上である
ときには、ステップS309に移行し、フラグFLAG
が「1」とされる。次にステップS310に移行して、
誤差補正量Ioffsetの遷移方向が反転したかが判定され
る。ステップS310の判定条件が成立、即ち、図10
に示すように、誤差補正量Ioffsetの遷移方向が反転し
たときにはステップS311に移行し、フラグFLAG
が「0」とされる。次にステップS312に移行して、
誤差補正量Ioffsetの遷移方向が反転したときの極大値
Maxと極小値Minとに基づき摩擦トルクHが次式(1)
にて算出される。
【0050】
【数1】 H=(Max−Min)/2 ・・・(1) なお、実際には、図10に示すように、誤差補正量Iof
fsetの遷移状態に応じて算出される極大値Max1 と極小
値Min1 とから摩擦トルクH1 、極大値Max2と極小値
Min2 とから摩擦トルクH2 、…、極大値Maxn と極小
値Minn とから摩擦トルクHn が算出される。このよう
に、摩擦トルクHn は静摩擦に打勝つのに必要な量だけ
積分され、スロットルバルブ5の回動開始で動摩擦とな
るので動摩擦トルクと静摩擦トルクとの平均的な値とな
る。このようにして算出される誤差補正量Ioffsetの極
大値Maxと極小値Minとの中間値がモデルと実機との誤
差である。
【0051】次にステップS313に移行して、ステッ
プS312で算出された摩擦トルクHが予め設定された
正常な摩擦トルク範囲内にあるか、即ち、KTfmin≦H
≦KTfmaxが成立するかが判定される。ステップS31
3の判定条件が成立、即ち、摩擦トルクHが正常な摩擦
トルク範囲にあるときにはステップS314に移行し、
摩擦トルクHが予め設定された摩擦トルク設定値Tf0未
満であるかが判定される。ステップS314の判定条件
が成立、即ち、摩擦トルクHが摩擦トルク設定値Tf0未
満であるときにはステップS315に移行し、摩擦トル
ク学習値LT から誤学習防止のために更新値を1トリッ
プガードとする所定の学習更新値ΔLTが減算されて摩
擦トルク学習値LT とされる。一方、ステップS314
の判定条件が成立せず、即ち、摩擦トルクHが摩擦トル
ク設定値Tf0以上であるときにはステップS316に移
行し、摩擦トルク学習値LT に誤学習防止のために更新
値を1トリップガードとする所定の学習更新値ΔLT が
加算されて摩擦トルク学習値LT とされる。次にステッ
プS317に移行して、摩擦トルク設定値Tf0と摩擦ト
ルク学習値LT とが加算されて最終的な摩擦トルクTf
が算出され、本ルーチンを終了する。なお、摩擦トルク
学習値LT はECU20内のRAM23の所定領域に電
源バックアップにて記憶されるのが好ましい。
【0052】一方、ステップS305の判定条件が成立
せず、即ち、誤差補正量Ioffsetが零であるとき、また
はステップS310の判定条件が成立せず、即ち、誤差
補正量Ioffsetの遷移方向が反転しないとき、またはス
テップS313の判定条件が成立せず、即ち、摩擦トル
クHが正常な摩擦トルク範囲内にないときには、上述の
ステップS317に移行し、前回の摩擦トルク設定値T
f0と前回の摩擦トルク学習値LT とが加算されて最終的
な摩擦トルクTf が算出され、本ルーチンを終了する。
【0053】このように、本実施例の内燃機関のスロッ
トル制御装置は、各種センサ信号に基づき設定されるス
ロットルバルブ5の目標とする目標スロットル開度TT
Pと実際の前記スロットルバルブの開度である実スロッ
トル開度TAとに応じて実スロットル開度TAを目標ス
ロットル開度TTPに一致させるための制御量としての
制御DUTYを算出するECU20内のCPU21にて
達成される制御量演算手段と、前記制御量演算手段で算
出される制御DUTYによりアクチュエータを駆動し、
実スロットル開度TAを制御するECU20内のCPU
21及びモータ駆動回路30にて達成されるスロットル
制御手段と、前記制御量演算手段で制御DUTYを算出
する際、制御DUTYの誤差補正量(オフセット電流)
Ioffsetのヒステリシス特性から推定されるスロットル
バルブ5の駆動系に関わる摩擦トルクTf の摩擦トルク
学習値LT を制御DUTYに反映するECU20内のC
PU21にて達成される学習値反映手段とを具備するも
のである。また、本実施例の内燃機関のスロットル制御
装置は、アクチュエータをトルクモータ19とするもの
である。
【0054】つまり、実スロットル開度TAを目標スロ
ットル開度TTPに一致させるための制御DUTYを算
出する際、その制御DUTYのヒステリシス特性によっ
てスロットルバルブ5の駆動系に関わる摩擦トルクTf
の摩擦トルク学習値LT が推定され制御DUTYに反映
される。これにより、制御DUTYによるアクチュエー
タの発生トルクにこのときの摩擦トルクTf の摩擦トル
ク学習値LT が反映されることとなり、実スロットル開
度TAの安定性を向上することができる。特に、本実施
例に示すように部品点数を少なくし機構の簡素化を目指
しアクチュエータとしてトルクモータ19を用いた電子
スロットルシステムでは、減速ギヤ列が介在されておら
ず摩擦トルクの発生状態に起因する挙動が減速ギヤ列の
ギヤ比分にて吸収できなくて却って摩擦トルクの変化が
即、実スロットル開度TA精度の低下となるが、発生ト
ルクにこのときの摩擦トルクTf の摩擦トルク学習値L
Tが反映されることで、実スロットル開度TAの安定性
を顕著に向上することができる。
【0055】また、本実施例の内燃機関のスロットル制
御装置は、ECU20内のCPU21にて達成される学
習値反映手段が制御量としての制御DUTYの極大値と
極小値との差分に基づき摩擦トルクTf の摩擦トルク学
習値LT を推定するものである。そして、本実施例の内
燃機関のスロットル制御装置は、制御DUTYの極大値
と極小値との差分として具体的に、誤差補正量Ioffset
による積分項の極大値Maxと極小値Minとの差分に基づ
き摩擦トルクTf の摩擦トルク学習値LT を推定するも
のである。つまり、実スロットル開度TAを目標スロッ
トル開度TTPに一致させるための制御DUTYを算出
する際、制御DUTYの極大値と極小値との差分即ち、
制御DUTYを補正する誤差補正量Ioffsetによる積分
項の極大値Maxと極小値Minとの差分に基づき摩擦トル
クTf の摩擦トルク学習値LT が推定される。これによ
り、制御DUTYによるアクチュエータの発生トルクに
このときの摩擦トルクTf の摩擦トルク学習値LT が反
映されることとなり、実スロットル開度TAの安定性を
向上することができる。
【0056】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のスロットル制御装置で使用されているE
CU20内のCPU21における摩擦トルク学習の処理
手順の変形例を示す図11のフローチャートに基づき、
図12のタイムチャートを参照して説明する。ここで、
図12は目標スロットル開度TTP〔°〕の変動に対す
る実スロットル開度TA〔°〕の追従により求められる
誤差補正量(オフセット電流)Ioffsetの遷移状態を表
す。なお、この摩擦トルク学習ルーチンはIG(イグニ
ッションスイッチ)がON後で内燃機関が始動前のタイ
ミングのときECU20内のCPU21にて実行され
る。
【0057】図11において、まず、ステップS401
では、IGがONであるかが判定される。ステップS4
01の判定条件が成立、即ち、IG−ON後の内燃機関
が始動前であるときにはステップS402に移行し、目
標スロットル開度TTPがθA からθB に設定される。
次にステップS403に移行して、ステップS402の
処理ののち所定時間が経過したかが判定される。この所
定時間内に上述の図8による誤差補正量演算ルーチンが
実行され、誤差補正量Ioffsetが算出される。ステップ
S403で所定時間経過するまで待ったのちステップS
404に移行し、このときの誤差補正量Ioffsetが極大
値Maxとされる(図12参照)。
【0058】次にステップS405に移行して、目標ス
ロットル開度TTPがθB からθAに戻される。次にス
テップS406に移行して、ステップS405の処理の
のち所定時間が経過したかが判定される。この所定時間
内に上述の図8による誤差補正量演算ルーチンが実行さ
れ、誤差補正量Ioffsetが算出される。ステップS40
6で所定時間経過するまで待ったのちステップS407
に移行し、このときの誤差補正量Ioffsetが極小値Min
とされる(図12参照)。次にステップS408に移行
して、上述のステップS404で算出された誤差補正量
Ioffsetの極大値Max及びステップS407で算出され
た誤差補正量Ioffsetの極小値Minとの中間値がモデル
と実機との誤差であり、摩擦トルクHとして上式(1)
にて同様に算出される。
【0059】次にステップS409に移行して、ステッ
プS408で算出された摩擦トルクHが予め設定された
正常な摩擦トルク範囲内にあるか、即ち、KTfmin≦H
≦KTfmaxが成立するかが判定される。ステップS40
9の判定条件が成立、即ち、摩擦トルクHが正常な摩擦
トルク範囲にあるときにはステップS410に移行し、
摩擦トルクHが予め設定された摩擦トルク設定値Tf0未
満であるかが判定される。ステップS410の判定条件
が成立、即ち、摩擦トルクHが摩擦トルク設定値Tf0未
満であるときにはステップS411に移行し、誤学習防
止のため摩擦トルク学習値LT から所定の学習更新値Δ
LT が減算されて摩擦トルク学習値LTとされる。一
方、ステップS410の判定条件が成立せず、即ち、摩
擦トルクHが摩擦トルク設定値Tf0以上であるときには
ステップS412に移行し、誤学習防止のため摩擦トル
ク学習値LT に所定の学習更新値ΔLT が加算されて摩
擦トルク学習値LT とされる。次にステップS413に
移行して、摩擦トルク設定値Tf0と摩擦トルク学習値L
T とが加算されて最終的な摩擦トルクTf が算出され、
本ルーチンを終了する。
【0060】一方、ステップS401の判定条件が成立
せず、即ち、IG−OFFであるとき、またはステップ
S409の判定条件が成立せず、即ち、摩擦トルクHが
正常な摩擦トルク範囲1にないときには、上述のステッ
プS413に移行し、前回の摩擦トルク設定値Tf0と前
回の摩擦トルク学習値LT とが加算されて最終的な摩擦
トルクTf が算出され、本ルーチンを終了する。なお、
上述のステップS401では、IG−ON後に内燃機関
の始動前であるかを判定して摩擦トルク学習処理を実行
しているが、内燃機関の停止直後に実行するようにして
もよい。
【0061】このように、本実施例の内燃機関のスロッ
トル制御装置は、ECU20内のCPU21にて達成さ
れる学習値反映手段が内燃機関の始動前または停止後に
スロットルバルブ5を動かすときの制御量としての制御
DUTYの誤差補正量Ioffsetに基づき摩擦トルクTf
の摩擦トルク学習値LT を推定するものである。
【0062】つまり、実スロットル開度TAを目標スロ
ットル開度TTPに一致させるための制御DUTYを算
出する際、内燃機関の始動前または停止後にスロットル
バルブ5が動かされるときの制御DUTYを補正する誤
差補正量Ioffsetに基づき摩擦トルクTf の摩擦トルク
学習値LT が推定される。これにより、制御DUTYに
よるアクチュエータの発生トルクに精度の良い摩擦トル
クTf の摩擦トルク学習値LT が反映されることとな
り、実スロットル開度TAの安定性を向上することがで
きる。
【0063】ところで、上記実施例の図8の誤差補正量
演算ルーチンにおける誤差補正量(オフセット電流)I
offsetを更新速度の速いものと遅いものとに分けて求
め、速いものを摩擦トルク学習用、即ち、直接に制御D
UTYに反映せず摩擦トルクを検出するためのみに使用
し、遅いものをモデルと実機との誤差の補正に使用する
ようにしてもよい。つまり、図8のステップS202ま
たはステップS206で過去の所定期間まで遡って実ス
ロットル開度TAが目標スロットル開度TTPに接近中
であるかを判定することで更新速度の遅い誤差補正量を
求めることができる。これにより、モデルと実機との誤
差をより正確に知ることができ適切なスロットル制御が
可能となる。
【0064】また、上記実施例では、図12に示すよう
に、目標スロットル開度TTPの片側方向の変動に対し
て実スロットル開度TAを追従させ誤差補正量Ioffset
を求めているが、実スロットル開度TAが中間ストッパ
位置より大きい開側ではバルブリターンスプリング48
による摩擦トルク、また、実スロットル開度TAが中間
ストッパ位置より小さい閉側では退避走行用スプリング
45による摩擦トルクがそれぞれ作用している。したが
って、このバルブリターンスプリング48による摩擦ト
ルクと退避走行用スプリング45による摩擦トルクとが
大きく異なるときには、図13に示すように、目標スロ
ットル開度TTPを時間帯Aで中間ストッパ位置(スロ
ットル開度θB )から閉側に即ち、θB →θA →θB に
変動させ、それに続く時間帯Bで中間ストッパ位置から
開側に即ち、θB →θC →θB に変動させて実スロット
ル開度TAを追従させ2つの摩擦トルク学習値を求める
ことが必要である。
【0065】そして、上記実施例では、図9及び図11
の摩擦トルク学習ルーチンを別々に説明しているが、図
9の摩擦トルク学習ルーチンは内燃機関の運転中に変化
する摩擦トルクに対応でき、図11の摩擦トルク学習ル
ーチンは内燃機関の始動前または停止直後に対応するも
のである。このため、図9及び図11の両方の摩擦トル
ク学習ルーチンを用い、各々のタイミングにて実行する
ことでより正確な摩擦トルクの学習値を安定して求める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置が適用された内燃機関
及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置の要部構成を示す模式
図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置の要部構成を示す斜視
図である。
【図4】 図4は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置で用いられているスロ
ットルバルブの回動軸と連結されたトルクモータの構成
を示す断面図である。
【図5】 図5は図4のトルクモータからカバーを取去
ってA方向から見た矢視図である。
【図6】 図6は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置で使用されているEC
U内のCPUにおけるスロットル制御の処理手順を示す
ブロック図である。
【図7】 図7は図6の摩擦トルク演算処理の具体的な
処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 図8は図6の誤差補正量演算処理の具体的な
処理手順を示すフローチャートである。
【図9】 図9は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のスロットル制御装置で使用されているEC
U内のCPUにおける摩擦トルク学習の処理手順を示す
フローチャートである。
【図10】 図10は図9における目標スロットル開度
の変動に対する実スロットル開度の追従により求められ
る誤差補正量の遷移状態を表すタイムチャートである。
【図11】 図11は本発明の実施の形態の一実施例に
かかる内燃機関のスロットル制御装置で使用されている
ECU内のCPUにおける摩擦トルク学習の処理手順の
変形例を示すフローチャートである。
【図12】 図12は図11における目標スロットル開
度の変動に対する実スロットル開度の追従により求めら
れる誤差補正量の遷移状態を表すタイムチャートであ
る。
【図13】 図13は図12の変形例として目標スロッ
トル開度の中間ストッパ位置から閉側及び開側への変動
に対する実スロットル開度の追従を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】
1 内燃機関 5 スロットルバルブ 16 スロットル開度センサ 18 アクセル開度センサ 19 トルクモータ(アクチュエータ) 20 ECU(電子制御ユニット)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種センサ信号に基づき設定されるスロ
    ットルバルブの目標とする目標スロットル開度と実際の
    前記スロットルバルブの開度である実スロットル開度と
    に応じて前記実スロットル開度を前記目標スロットル開
    度に一致させるための制御量を算出する制御量演算手段
    と、 前記制御量演算手段で算出される前記制御量によりアク
    チュエータを駆動し、前記実スロットル開度を制御する
    スロットル制御手段と、 前記制御量演算手段で前記制御量を算出する際、前記制
    御量のヒステリシス特性から推定される前記スロットル
    バルブの駆動系に関わる摩擦トルクの学習値を前記制御
    量に反映する学習値反映手段とを具備することを特徴と
    する内燃機関のスロットル制御装置。
  2. 【請求項2】 前記学習値反映手段は、前記制御量の極
    大値と極小値との差分に基づき前記摩擦トルクの学習値
    を推定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関
    のスロットル制御装置。
  3. 【請求項3】 前記学習値反映手段は、前記制御量にお
    ける積分項の極大値と極小値との差分に基づき前記摩擦
    トルクの学習値を推定することを特徴とする請求項2に
    記載の内燃機関のスロットル制御装置。
  4. 【請求項4】 前記学習値反映手段は、内燃機関の始動
    前または停止後に前記スロットルバルブを動かすときの
    前記制御量に基づき前記摩擦トルクの学習値を推定する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに
    記載の内燃機関のスロットル制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータは、トルクモータと
    することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1
    つに記載の内燃機関のスロットル制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008255789A (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Honda Motor Co Ltd 駆動量制御装置
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