JP2016196631A - ナノ結晶の、特にAgInS2−ZnSナノ結晶のフォトルミネッセンス内部量子効率を増加するためのプロセス - Google Patents

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Abstract

【課題】AgInS2−ZnSナノ結晶のフォトルミネッセンス内部量子効率を増加させるためのプロセスの提供。【解決手段】(1)ナノ結晶で全て又は一部形成されるナノ粒子を利用可能にする段階であって、その化学組成が式(I)に対応する:AgxMyM’zS0.5x+y+1.5z(I);上記ナノ粒子が、ホスフィン型のリガンドとは異なる有機リガンドL1によって表面で官能化される;式(I)の化学組成を有するナノ結晶が、単一の段階の熱処理のみを採用するプロセスを介して事前に調製される、段階と、及び(2)ホスフィン型のリガンドL2による有機リガンドL1の、少なくとも一部の交換に有利な条件下で、前記ナノ粒子と、一般式PR3(II)又はその酸化形態O=PR3(II’)のホスフィン型の少なくとも一つのリガンド化合物L2とを一緒にする段階と、を含むプロセス。【選択図】図1

Description

本発明は、(用語“ZAIS”の下で良く知られる)AgInS−ZnSタイプの固溶体で形成されるもの等の、ナノ結晶に基づいた半導体粒子のフォトルミネッセンス効率の増加を可能にする新規な方法を提供することを目的とする。
一般的に、フォトルミネッセンスは、特定の波長の光子を、一般的にはより低いエネルギーの、異なる波長の光子に変換することからなる。第1のステップでは、励起光子は、材料によって吸収される。第2のステップでは、吸収されたエネルギーは、材料の脱励起の間に、含まれる電子レベルのエネルギーにおける差異に対応する波長を有する光子の形態で部分的に回復され得る。このプロセスの間に引き起こされる損失は、材料における欠陥の存在によって一般的に促進される、キャリアの再結合の“非放射”現象に関連する。
内部量子効率(IQE)は、吸収された光子の総数に対する、材料によって放出された光子の総数の割合の絶対測定である。100%のIQEはそのため、吸収された各光子が、非放射現象によって引き起こされる損失なく、放出される光子を引き起こしていることを示す。IQEはそのため、そのタイプがなんであれ(分子、半導体粒子、希土類金属によってドープされた酸化物、及び同類のもの)、材料の発光のプロセスの効率の普遍的測定である。
しかしながら、発光材料の全体的効率は、励起光を吸収するためのその能力にも関連する。白色発光ダイオード(LEDs)の分野において商業的に用いられる材料は、希土類金属によってドープされた酸化物、典型的にはYAG:Ce(セリウム(Ce)によってドープされた“イットリウムアルミニウムガーネット”に関する頭文字)であり、非常に良い内部量子効率を示すが、吸収に乏しい。
他方では、半導体ナノ結晶は、およそ1000倍大きい、重量での吸収を示すが、内部量子効率により乏しい。
本発明は、化学組成AgM’0.5x+y+1.5z(ここで、MはZn、Cd、Hg又はそれらの混合物を表し;M’はAl、Ga、In、Tl又はそれらの混合物、及び、0<x≦1,0≦y≦1且つ0<z≦1を表す)を有する半導体ナノ結晶、例えば、AgZnIn0.5x+y+1.5zタイプ(より一般的には“AgInS−ZnS固溶体”又はより単純には“ZAIS”として知られる)の固溶体で形成されるナノ結晶等、のフォトルミネッセンス量子効率を、これらの材料の強い固有吸収から利益を得るために、増加させることを正確に目的とする。
ZAISタイプのナノ結晶は、それらの化学組成に応じて、可視光の幅広い範囲のスペクトル内でのフォトルミネッセンスのそれらの特性に関して知られる。液体ルートによる合成、及びZAISナノ結晶の使用は、Torimito等([1])、及びPark Joung等([2]、[3])によってすでに発展されてきた。これらの材料の構造は、ZnSの立方相に似ている固溶体のそれであり、その亜鉛サイトは、様々な割合において、銀、インジウム又は亜鉛によってランダムに占有される。材料の厳密な組成は、含まれるエネルギーレベル、そのため、そこからの結果として得られるフォトルミネッセンス、また、それに関連する量子効率を決定する。これらの材料は、幅広い発光バンド(およそ150nm)を示し、生物学におけるマーカーとして、又は発光ダイオードにおける発光材料として用いられ得る。特に、ZAISナノ結晶の、発光幅、強い吸収、低いコスト及び非毒性は、それらを白色LEDにおける発光団としての用途に関する選択の材料にさせる。
これらの材料の量子効率を増加させるために、追加のアニーリング段階を採用すること、及び、ナノ結晶の表面で保護ZnSシェルを形成する提案がすでに為されてきた([4])。20%(緑)から80%(赤)に及ぶ、改善された量子効率は、ZnSシェルによって被覆されたZAISナノ結晶によってこのように得られる一方で、シェルフリーのナノ結晶に関する量子効率は、15%(緑)から66%(赤)に及ぶ。
本発明は、特に白色発光ダイオードにおける発光団としてのそれらの使用の目的のために、AgM’0.5x+y+1.5zタイプの化学組成を有するナノ結晶、及び特にZAISナノ結晶のフォトルミネッセンス内部量子効率(IQE)をさらに増加させることを可能にさせる新規なプロセスを提供することを目的とする。
そのため、第1のその態様によると、本発明は、AgM’0.5x+y+1.5zタイプのナノ結晶で少なくとも部分的に形成されるナノ結晶のフォトルミネッセンス内部量子効率を増加させるためのプロセスに関連し、少なくとも以下の段階を含む:
(1)ナノ結晶で全て又は一部形成されたナノ粒子を利用可能にする段階であって、その化学組成が式(I)に対応する:
AgM’0.5x+y+1.5z(I)
ここで、
Mは、亜鉛、カドミウム、水銀及びそれらの混合物から選択され;
M’は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム及びそれらの混合物から選択され;
0<x≦1,0≦y≦1且つ0<z≦1;
上記ナノ粒子は、ホスフィン型のリガンドとは異なる少なくとも一つの有機リガンドL1によって表面で官能化されている、段階と;
(2)ホスフィン型のリガンドL2によって有機リガンドL1の少なくとも一部の交換に有利な条件の下で、上記ナノ粒子と、以下の一般式のホスフィン型の少なくとも一つのリガンド化合物L2とを一緒にする段階であって:
PR(II)又はその酸化形態O=PR(II’)、
同一である又は異なるR基の各々は、水素、アルキル基及びシクロアルキル基から選択され、上記アルキル基及びシクロアルキル基は必要に応じて置換される、段階。
文章の続きでは、“組成(I)を有するナノ結晶”との用語は、より単純にはナノ結晶を示すことになり、その化学組成は、上記式(I)に対応する。
代替実施形態によると、本発明によると考えられるナノ粒子は、AgInS−ZnSタイプの固溶体から成るナノ結晶で全て又は一部形成され、文章の続きにおいて“ZAISナノ結晶”と示される、言い換えると、この代替形態の文脈において、ナノ結晶の化学組成は、上記式(I)に対応し、Mは亜鉛を表し、M’はインジウムを表し、0<x,y,z≦1である。
このように発明者は、ZAISナノ結晶等の、本発明によると考えられる組成(I)を有する半導体ナノ結晶のフォトルミネッセンス内部量子効率(IQE)を、トリオクチルホスフィン(TOP)等の、ホスフィン型の特定のリガンドによって、それらを官能化することによって、著しく増加させることが可能であることを発見した。
半導体ナノ結晶に関するトリオクチルホスフィン(TOP)の、又はトリオクチルホスフィン酸化物(TOPO)の使用は、量子ドットの合成の分野において標準的である。これらのリガンドは、合成される晶子のサイズを制御することを目的としてそのなかで用いられる。実際、半導体粒子が十分に小さなサイズに到達する場合、量子閉じ込めの現象が、発光を生成するレベル間のエネルギーにおける差異を増加させることの、そのため、放出される波長を修正することの効果を有する。他方では、量子閉じ込めは、発光量子効率に何も影響を与えない。さらに、一般的に、ZAISナノ結晶のサイズは、それより下で量子閉じ込めの現象が作用し始める臨界サイズよりも大きい。それゆえ、トリオクチルホスフィン及びその酸化物は、ZAISタイプのナノ結晶の合成に関するリガンドとして一般的には用いられない。
Mao等[5]は、ZAISナノ結晶の合成の間でTOPを採用することが留意されるべきであり得る。しかしながら、記載された合成から結果として得られるナノ結晶の表面状態に関する情報はなにも与えられておらず、さらに、低い量子効率をもたらす。
最後に、半導体ナノ結晶の表面官能化に関するリガンドの使用の文脈において、CdSe系量子ドットの表面でアミンリガンドによるホスフィンリガンドの交換は、構造において本質的に存在する欠陥に由来する発光を増大させることを可能にするが示されてきた([6])。
しかしながら、発明者の知る限りでは、ホスフィン型のリガンドの使用は、本発明によると考えられる組成(I)を有するナノ結晶の、特に、以下で記載されるような新規なプロセスによって調製されるナノ結晶、特にZAISナノ結晶の、フォトルミネッセンス内部量子効率を増加させることに関して決して提案されていない。
本発明によるナノ結晶、例えばZAISナノ結晶の官能化に関するプロセスの実施は、特に白色発光ダイオードにおける発光団としてのそれらの使用に関して、特に有利であることが判明する。
以下に続く実施例において示されるように、本発明によるホスフィン型のリガンド、例えばトリオクチルホスフィンによる、ZAISナノ結晶のような、本発明による組成(I)を有するナノ結晶の官能化は、著しく改善された量子効率を達成することを可能にさせる。
そのため、本発明は、他の一つのその態様によると、その化学組成上記式(I)に対応する、ナノ結晶で全て又は一部形成されるナノ粒子の官能化に関するリガンドとして、それらのフォトルミネッセンス内部量子効率を改善するための、Rが上述のようなものである式PR(II)又はその酸化形態O=PR(II’)のホスフィン型の化合物の使用に関する。
有利には、本発明による表面で官能化されたナノ粒子のフォトルミネッセンス性能における改善は、その中に官能化されるナノ粒子が分散される溶媒(例えば、クロロホルム若しくはトルエン)又はポリマー(例えば、ポリメタクリレート(PMMA)若しくはポリスチレン)が何であれ、現れる。
さらに、文章の続きにおいて詳細に説明されるように、本発明によるナノ粒子のこの表面官能化は、ZnSシェルの使用と共に組み合わされ得るので、最適化されたフォトルミネッセンス量子効率を達成可能にさせる。
最後に、発明者は、有機リガンドL1(例えば、オレイルアミン等のアミン)において分散された前駆体を加熱する単一の段階を採用する、本発明によると考えられる組成(I)を有するナノ結晶、例えばZAISナノ結晶の合成に関する新規のプロセスを発展させてきており、本発明による官能化されたナノ粒子のフォトルミネッセンス量子効率を驚くべきことにさらに増加させることを可能にさせる。
そのため、特定の実施形態によると、本発明は、AgM’0.5x+y+1.5zタイプのナノ結晶で少なくとも部分的に形成されたナノ粒子のフォトルミネッセンス内部量子効率を増加させるプロセスに関連し、少なくとも以下の段階を含む:
(1)ナノ結晶で全て又は一部形成されるナノ粒子を利用可能にする段階であって、その化学組成が式(I)に対応する:
AgM’0.5x+y+1.5z(I)
ここで、
Mは、亜鉛、カドミウム、水銀及びそれらの混合物から選択され;
M’は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム及びそれらの混合物から選択され;
0<x≦1,0≦y≦1且つ0<z≦1;
上記ナノ粒子は、ホスフィン型のリガンドとは異なる少なくとも一つの有機リガンドL1によって表面で官能化されている;
式(I)の化学組成を有するナノ結晶が、少なくとも以下の段階を含むプロセスを介して事前に調製される:
(a)上述のように定義されているM、M’、x、y及びzを備える、組成AgM’(SCN(Cx+2y+3zを有する前駆体粉末を利用可能にする段階と;
(b)液体状態における有機リガンドL1において上記前駆体粉末を分散する段階と;
(c)段階(b)のおいて得られた分散系に、100℃と250℃との間の温度で、不活性雰囲気の下で、熱処理を受けさせて、組成(I)を有する上記ナノ結晶を得る段階と;
組成(I)を有するナノ結晶の調製に関する上記プロセスが段階(c)にある単一段階の熱処理のみを採用する、段階と;
(2)ホスフィン型のリガンドL2によって有機リガンドL1の少なくとも一部の交換に有利な条件の下で、上記ナノ粒子と、以下の一般式のホスフィン型の少なくとも一つのリガンド化合物L2とを一緒にする段階であって:
PR(II)又はその酸化形態O=PR(II’)、
同一である又は異なるR基のそれぞれは、水素、アルキル基及びシクロアルキル基から選択され、上記アルキル基及びシクロアルキル基は必要に応じて置換される、段階と。
発光量子効率へのその影響に加えて、本発明によると考えられるナノ結晶の合成に関する修正されたプロセスは、Torimoto等[1]によって提供される合成プロトコルと比較して、より短い波長へ向かうナノ結晶による発光におけるシフト(ブルーシフト効果)をもたらし、青い光を黄色の光に効率的に変換するための白色発光ダイオード(LED)における発光団材料としての本発明によるナノ粒子の用途の場合において特に有利である。
本発明によるプロセスの並びにその実施の、他の特徴、代替形態及び及び優位点は、本発明を限定することなく、例示によって与えられる、以下に続く説明、実施例及び図面を読むことでより明確になるであろう。
文章の続きにおいて、“〜と〜との間の”、“〜から〜に及ぶ”、及び“〜から〜まで変動する”との表現は、他に言及されない限り、限界が含まれることと同等であり、そのことを意味すると理解される。
他に示されない限り、“〜を含む”との表現は、“少なくとも一つの〜を含む”として理解されるべきである。
段階(1):有機リガンドL1によって官能化されるナノ粒子
上述したように、本発明のプロセスの段階(1)は、以下で詳細に説明されるような新規のプロセスに従って調製され、且つ式(I)に対応する化学組成を有するナノ結晶で全て又は一部形成されるナノ粒子を利用可能にする段階にある:
AgM’0.5x+y+1.5z(I)
ここで、
Mは、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)及びそれらの混合物から選択され;
M’は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)及びそれらの混合物から選択され;
0<x≦1,0≦y≦1且つ0<z≦1;
上記ナノ粒子は、ホスフィン型のリガンドとは異なる、文章の続きにおいてL1と示される少なくとも一つの有機リガンドによって表面で官能化される。
ナノ粒子
特定の実施形態によると、上記式(I)におけるMは亜鉛を表す。
他の一つの特定の実施形態によると、上記式(I)におけるM’はインジウムを表す。
代替実施形態によると、本発明によって採用されるナノ粒子は、ナノ結晶で少なくとも一部形成され、その化学組成は上記式(I)に対応し、MはZnを表し、M’はインジウムを表す。
言い換えると、ナノ結晶は以下の組成(I’)を有し得る:
AgZnIn0.5x+y+1.5z(I’)
ここでx、y及びzは上述のように定義される。
他の一つの代替実施形態では、上記式(I)におけるM及びM’は、亜鉛及びインジウムとはそれぞれ異なる原子を含み得る。原子又は原子M及びM’の混合物は、亜鉛及びインジウムそれぞれの平均イオン半径と類似の平均イオン半径を有するために有利には選択される。結晶構造の安定性は、適応するためのその能力によって、特に結晶格子における欠陥を生成することによって、比例してより保証され得る。
特定の実施形態によると、上記式(I)又は(I’)におけるyは、値0を有する。例として、AgInSナノ結晶が該当し得る。
他の一つの実施形態によると、上記式(I)又は(I’)におけるyは0とは異なる。
特に、一代替実施形態によると、本発明によると考えられるナノ結晶は、AgZnIn0.5x+y+1.5z(I’)タイプの固溶体から成り、x、y及びzは、0と1との間で変動し、x、y及びzは全て0とは異なる。
これらの固溶体は、より一般的には“AgInS−ZnS固溶体”と呼ばれ、略称“ZAIS”の下で知られる。
この代替実施形態の文脈において、x、y及びzは以下のようであり得る:
x=z且つy=2−2x
この代替実施形態の文脈においてさらに、xは、より具体的には、0.4と1との間で変動し得る;yは、より具体的には、0.1と1.2との間で変動し得る;zは、より具体的には、0.4と1との間で変動し得る。
ナノ粒子のいくつかの代替形態が想定され得る。ナノ粒子は、上記ナノ結晶で形成され得る、又はコア/シェル構造を示し得、コアが上記ナノ結晶から成る。全ての場合において、上記ナノ結晶は、有機リガンドL1における前駆体の分散系の上で実施される単一段階の熱処理を採用する以下で詳述されるような新規なプロセスによって調製される。
第1の代替実施形態によると、ナノ粒子は、上記で定義されたように組成(I)を有するナノ結晶で形成される。例として、ナノ粒子はZAISナノ結晶であり得る。
本発明によると考えられるナノ結晶、例えばZAISナノ結晶は、3nm以上の、特に3nmと12nmとの間の、より具体的には5nmと8nmとの間の平均サイズを示し得る。
ナノ結晶の平均サイズは、電子顕微鏡法によって、特に透過電子顕微鏡法によって、より具体的には高分解能透過電子顕微鏡法(HRTEM)又は走査型透過電子顕微鏡法(STEM)によって決定され得る。
ナノ結晶のこのようなサイズ(≧3nm)に関して、例えば量子ドットタイプの半導体ナノ結晶に関して知られる、量子閉じ込め効果の現象は、起きない。
第2の代替実施形態によると、ナノ粒子は、コア/シェルタイプの構造を示し得、コアが、上述のような組成(I)を有するナノ結晶で、例えばZAISナノ結晶で形成され、シェルが半導体化合物で作製される。
半導体化合物は、より具体的には、族I、II又はIII(元素の周期表の列I、II又はIIIからの元素)からの少なくとも一つの元素で、及び、族V又はVI(元素の周期表の列V又はVIからの元素)からの少なくとも一つの元素で形成される、二元、三元又は四元の半導体合金である。
それは、例えば、ZnS、ZnSe、CdS、AlP、GaP、Al及びGaから選択される半導体合金であり得る。特に、半導体化合物は、ZnSであり得る。
特定の実施形態によると、ナノ粒子は、ZnSシェルによって覆われたZAISナノ結晶からなるコアを示す。
コア/シェル構造を有するナノ粒子は、3と40nmとの間、特に5と10nmとの間の平均サイズを示し得る。
特にZnSで作製された、ナノ粒子のシェルは、0.5と15nmとの間、特に1と3nmとの間の厚さを示し得る。
ナノ粒子の官能化に関する有機リガンドL1
本発明によるプロセスの段階(1)において採用されるナノ粒子は、ホスフィン型のリガンドとは異なる少なくとも一つの有機リガンドによって表面で官能化される。
有機リガンドL1は、多様な性質であり得る。それらは有利には、文章の続きにおいて詳細に説明されるように、ナノ粒子の合成に関する溶媒としての役割を可能にするために、十分に高い沸点を示す化合物から選択される。
特に、リガンド化合物L1は有利には、180℃以上の、特に250℃以上の、より具体的には365℃以上の沸点を示し得る。
有機リガンドL1は、例えば、以下から選択され得る:
−少なくとも8個の炭素原子を含む、少なくとも一つの飽和又は不飽和の直鎖又は分岐した炭化水素鎖を含むアミン;
−例えば、オクタデセン等の、少なくとも10個の炭素原子を含むアルケン;及び
−例えば、ドデカンチオール等の、少なくとも2個の炭素原子を含む、少なくとも一つの飽和又は不飽和の直鎖又は分岐した炭化水素鎖を含むチオール。
代替実施形態によると、リガンドL1は、アミン、特に、8から30個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐した炭化水素鎖を示すアミンから選択される。
特に、それは、1級アミンであり得る。
特に好ましい実施形態によると、官能化リガンドはオレイルアミンである。
ナノ粒子の調製
上述のように、ZAISナノ結晶等の、本発明による段階1)において考えられるナノ結晶は、少なくとも以下の段階を含む新規なプロセスを介して事前に調製される:
(a)組成AgM’(SCN(Cx+2y+3zを有する前駆体粉末を利用可能にする段階であって、M,M’,x,y及びzが上記のように定義される段階と;
(b)液体状態における有機リガンドL1において上記前駆体粉末を分散する段階と;
(c)段階(b)において得られた分散系に、100℃と250℃との間の温度で、不活性雰囲気下で、例えばアルゴン雰囲気下で、熱処理を受けさせて、組成(I)を有する上記ナノ結晶を得る段階と。
そのため、組成(I)を有するナノ結晶の調製に関するプロセスは、段階(c)にある単一段階の熱処理を採用する。
言い換えると、組成(I)を有するナノ結晶の調製に関するプロセスは、段階(c)による有機リガンドL1における上記前駆体の分散系上で実施される単一の熱処理段階を採用する。
これは、段階(a)及び(b)が、前駆体の任意の加熱を含まないことを意味する。特に、段階(a)及び(b)は、室温で実施される。
そのため、本発明による組成(I)を有するナノ結晶の調製に関するプロセスにおいて、前駆体は、有機リガンドL1の追加の前に予熱されない。
特定の実施形態によると、組成(I)を有するナノ結晶の調製に関するプロセスは、段階(a)から(c)にあり、段階(c)は上記プロセスの単一の熱処理段階である。
驚くべきことに、発明者は、有機リガンドL1において、例えば、オレイルアミン等のアミンにおいて分散された前駆体を加熱する単一の段階のみを採用する、上記で説明された修正プロセスによる、組成(I)を有するナノ結晶、例えばZAISナノ結晶の調製が、文献[1]の既知の合成と比較して、より短い波長へ向かってナノ結晶のフォトルミネッセンス発光をシフトすることを可能にさせることを示してきた。
この効果は、ナノ結晶の表面官能化が何であれ(例えばアミンタイプの有機リガンドL1、又は本発明によるホスフィン型のリガンド)観測される。
さらに、本発明のプロセスによるナノ結晶の調製は、Torimoto等([4])によって提供されるような、追加のアニーリング段階の実施を余分なものにする。
そのため、本発明は、一般的には、その化学組成が上記式(I)に対応する、ナノ結晶の調製に関する新規なプロセスに関するものであり、少なくとも以下の段階を含む:
−組成AgM’(SCN(Cx+2y+3zを有する前駆体粉末を利用可能にする段階であって、M,M’,x,y及びzが上記のように定義される段階と;
−液体状態における、有機リガンドL1、特に、オレイルアミン等のアミンにおいて、上記前駆体粉末を分散する段階と;
−分散系に、100℃と250℃との間の温度で、不活性雰囲気下で、熱処理を受けされる段階と;必要に応じて、
−熱処理段階の終了時に形成された、有機リガンドL1によって表面で官能化された、上記式(I)の化学組成を有するナノ結晶を回収する段階と。
さらに、予想外に、実施例5に示されるように、この新規なプロセスによる、本発明によると考えられるナノ結晶の、特にZAISナノ結晶の調製は、ホスフィン型の特定のリガンドによってナノ粒子の本発明による官能化によって得られるフォトルミネッセンス内部量子効率における増加を増大させることを可能にする。
特定の実施形態によると、採用される前駆体粉末は、組成AgM’(SCN(Cx+2y+3zを有し、ここで、x=z且つy=2−2xであり、例えば、x及びzはおよそ0.9の値を有し、yはおよそ0.2の値を有する、又は、ここで、x及びzは、およそ0.7の値を有し、yはおよそ0.6の値を有する。
特に、ZAISナノ結晶の調製の文脈において、採用される前駆体粉末は、組成AgZnIn(SCN(Cx+2y+3zを有し得、ここで、x=z且つy=2−2xであり、例えばx及びzはおよそ0.9の値を有し、yはおよそ0.2の値を有する。
このような前駆体組成から調製されるZAISナノ結晶は、最適化されたフォトルミネッセンス量子効率を示す。
組成AgM’(SCN(Cx+2y+3zを有する前駆体粉末は、実施例1において示されるように、適切な比率において硝酸塩AgNO,In(NO及びZn(NOの形態において金属イオンを備えるジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムの水媒体における沈殿によって、事前に調製され得る。
段階(b)において液体状態において採用される、ZAISナノ結晶の表面でリガンドを形成することが意図される、例えばアミンタイプの、リガンド化合物L1は、ナノ結晶の合成に関する溶媒として用いられる。
特定の実施形態によると、有機リガンドL1はオレイルアミンである。
特定の実施形態によると、段階(c)における熱処理は、およそ180℃の温度で実施される。
加熱の持続期間は、3分と4時間との間、特に5分と1時間との間、より具体的には10と30分との間であり得る。好ましくは、それは、20と30分との間である。
熱処理は、例えば、アルゴン雰囲気下で実施され得る。
ナノ粒子は、段階(c)の熱処理の終了時に形成される組成(I)を有するナノ結晶から調製される。
より具体的には、組成(I)を有し、有機リガンドL1によって表面で官能化されるナノ結晶は、段階(c)の直後に回収され得る、又は、それらは、コア/シェル構造を備えるナノ粒子を形成することを目的とした一以上の後続の段階を受け得る。
上記で触れられたように、代替実施形態によると、本発明によると考えられるナノ粒子は、組成(I)を有するナノ結晶で、例えばZAISナノ結晶で形成される。
有機リガンドL1によって、例えばオレイルアミン等のアミンによって、表面で官能化されるナノ結晶は、段階(c)の熱処理の終了時に得られる反応媒体を遠心分離し、例えばメタノールを用いてナノ結晶を沈殿することによって、上述された合成プロセスの後続の段階(d)において回収され得る。
これらのナノ結晶は、安定なコロイド懸濁液を形成するために、クロロホルムにおいて再分散され得る。
上記で触れられた他の一つの代替実施形態によると、ナノ粒子は、コア/シェルタイプの構造を示し得、コアは組成(I)を有するナノ結晶で形成されており、シェルは半導体化合物で作製されている。
コア/シェル構造を有するこのようなナノ粒子は、上述のように調製された、組成(I)を有するナノ結晶、例えばZAISナノ結晶の表面で、半導体で作製される、例えばZnSで作製されるシェルを形成することによって得られ得る。
コアが組成(I)を有するナノ結晶で形成され、シェルが導電性合金で作製される、コア/シェル構造を有するナノ粒子は、より具体的には、以下を含む少なくとも段階を介して調製され得る:
(i)液体状態における、有機リガンドL1、特に、オレイルアミン等のアミンにおいて分散された、組成(I)を有するナノ結晶、例えばZAISナノ結晶を利用可能にする段階と;
(ii)族I、II又はIIIからの元素又は複数の元素の少なくとも一つの前駆体、及び、族V又はVIからの元素又は複数の元素の少なくとも一つの前駆体を、ナノ結晶の上記分散系へ加える段階と;
(iii)このように形成された分散系に、ナノ結晶の表面での半導体化合物の被覆の形成に好ましい熱処理を受けさせる段階と;
(iv)上記有機リガンドL1によって表面で官能化されたコア/シェル構造を有するナノ粒子を回収する段階と。
段階(i)における、組成(I)を有するナノ結晶、例えばZAISナノ結晶の分散系は、より具体的には、上述されたナノ結晶の調製に関するプロセスの段階(c)の終了時に得られる。
族I、II又はIIIからの元素又は複数の元素の、及び、族V又はVIからの元素又は複数の元素の前駆体は、半導体で作製される所望のシェルの性質の観点から適切に選択される。
例として、ZnSで作製されるシェルの形成に関して、ナノ結晶の分散系は、酢酸亜鉛及びチオアセトアミドによって段階(ii)において補充され得る。
半導体化合物で作製された、特にZnSで作製された被覆を形成することに関する熱処理は、例えば窒素の又はアルゴンの不活性雰囲気下で、100と250℃との間、特に130と180℃との間の温度で、実施され得る。
熱処理の持続期間は、例えば、1と30分との間であり得る。
上述のように、有機リガンドL1によって、例えばオレイルアミン等のアミンによって表面で官能化されるコア/シェル構造を有するナノ粒子は、メタノールからの沈殿によって段階(iv)において回収され得る。
これらのナノ粒子は、安定なコロイド懸濁液を形成するために、クロロホルムにおいて再分散され得る。
そのため、特定の実施形態によると、本発明によるプロセスの段階(1)において少なくとも一つの有機リガンドL1によって表面で官能化されたナノ粒子は、少なくとも以下の段階を含むプロセスを介して調製され得、実際にはさらにプロセスは以下の段階から成る:
(a1)組成AgM’(SCN(Cx+2y+3zを有する前駆体粉末を室温で利用可能にする段階であって、M,M’,x,y及びzが上記のように定義される段階と;
(a2)液体状態における有機リガンドL1において上記前駆体粉末を室温で分散する段階と;
(a3)段階(a2)において得られる分散系に、不活性雰囲気下で、例えばアルゴン雰囲気下で、100℃と250℃との間の温度で、熱処理を受けされて、組成(I)を有する上記ナノ結晶を得る段階と;
(a4)必要に応じて、半導体化合物の被覆を、段階(a3)の終了時に得られるナノ結晶の表面で形成する段階と;
(a5)組成(I)を有するナノ結晶で形成され、段階(a3)の終了時に得られる有機リガンドL1によって表面で官能化されたナノ粒子、又は、コアが組成(I)を有するナノ結晶で形成され、シェルが半導体で作製される、コア/シェル構造を有するナノ粒子であって、段階(a4)の終了時に得られる上記有機リガンドL1によって表面で官能化されているナノ粒子、を回収する段階と。
上述のように、上記プロセスは、有機リガンドL1における上記前駆体の分散系に段階(a3)において実施される熱処理の前に、任意の予熱処理段階を含まない。
段階(a4)は、より具体的には、族I、II又はIIIからの元素又は複数の元素の少なくとも一つの前駆体、及び族V又はVIからの元素又は複数の元素の少なくとも一つの前駆体を、段階(a3)の終了時に得られるナノ結晶の分散系へ加える段階と;このように形成された分散系に、ナノ結晶の表面での半導体化合物の被覆の形成に好ましい熱処理を受けさせる段階と、を含む。
段階(2):ホスフィンリガンドによるリガンドの交換
本発明のプロセスの第2の段階において、以下の一般式の、文章の続きにおいてL2と示されるホスフィン型のリガンドによって、有機リガンドL1の、例えばアミンタイプの、少なくとも一部で交換が実施される:
PR(II)又はその酸化形態O=PR(II’)、
同一である又は異なるR基は、水素、アルキル基又はシクロアルキル基を表し、上記アルキル基又はシクロアルキル基は必要に応じて置換される。
本発明の文脈において:
−アルキルは、飽和した、直鎖の又は分岐した脂肪族基を意味すると理解され、特に、1から20個の炭素原子、好ましくは2から10個の炭素原子を示し;
−シクロアルキルは、環式アルキル基を意味すると理解され、特に3から7個の炭素原子、好ましくはヘキシル基を示す。
アルキル基及びシクロアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
例として、それらは、一以上の−COOH基によって置換され得る。
例えば、ハロゲン原子、Rが水素原子若しくはアルキル基を表す−Si(OR、−SH、−OCNから選択される一以上の基によって、特に追加の官能性を導入するために、又は、例えば、R,R,R及びR基が水素及びアルキル基から互いに独立して選択させることが可能である、−OR,−N(R,−NHCOR又は−CH=C(Rから選択される一以上の基によって、リン原子上のR基の電子供与効果を増加させるために、他の置換が想定され得る。
本発明によるホスフィン型のリガンドL2は、より具体的には、以下の化合物から選択され得る:
−トリオクチルホスフィン及びその酸化形態、トリオクチルホスフィンオキシド
−トリシクロヘキシルホスフィン
−トリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン
−トリ(tert−ブチル)ホスフィン
−トリブチルホスフィン
好ましくは、低い立体障害を有し、高い電子供与性誘起効果を示す一以上のR基を有するホスフィンは、本発明によると好ましい。
特に好ましい実施形態によると、ホスフィンリガンドL2は、トリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリオクチルホスフィン及びトリブチルホスフィンから選択される。
好ましくは、ホスフィンリガンドL2は、トリオクチルホスフィン又はトリブチルホスフィンである。
代替実施形態によると、ホスフィンリガンドL2は、トリブチルホスフィンである。
他の一つの特に好ましい代替実施形態によると、ホスフィンリガンドL2は、トリオクチルホスフィンである。
本発明のプロセスの段階(2)におけるリガンドの交換は、少なくとも以下の段階を介して実施され得る:
−有機溶媒において、段階(1)において調製されたナノ粒子を分散する段階であって、ホスフィン型のリガンド化合物L2が可溶性である段階と;
−好ましくは周囲温度で、ホスフィン型の上記リガンド化合物L2を、上記分散系へ加える段階と;
−ホスフィン型の上記リガンドL2によって、有機リガンドL1、例えばオレイルアミンの少なくとも部分的な交換を、ナノ粒子の表面で、実施するのに十分な時間の期間の間、好ましくは撹拌しながら、上記ナノ粒子とホスフィン型の上記リガンド化合物L2とを接触したままにする段階と。
ナノ粒子を分散するための有機溶媒は、より具体的にはクロロホルムであり得る。
リガンドの交換は、ホスフィン型の特定のリガンドL2によって表面で官能化される本発明によるナノ粒子をもたらすために、数分で実施され得る。
当業者は、リガンドの所望交換を得るために、採用されるホスフィン型のリガンドL2の性質の観点から特に、ナノ粒子の分散系に追加されることになるホスフィン型のリガンドL2の量、及び、接触する操作の持続期間を調節するための立場にある。
他の一つのその態様によると、本発明はまた、その化学組成が式AgM’0.5x+y+1.5z(I)に対応し、M、M’、x、y及びzが上記のように定義される、ナノ結晶で全て又は一部形成され、且つ、Rが上記のように定義される、一般式PR(II)又はその酸化形態O=PR(II’)のホスフィンL2タイプのリガンドによって表面で官能化される、ナノ粒子を目的とする。
特に、ZAISナノ結晶で全て又は一部形成され、且つ、ホスフィンL2タイプのリガンドによって表面で官能化されるナノ粒子に関心がある。
ナノ粒子はより具体的には、上記で説明されたプロセスによって得られ得る。
特に、本発明によるナノ粒子の組成(I)を有するナノ結晶、例えばZAISナノ結晶は好ましくは、上記で説明された新規なプロセスによって調製される。
ホスフィン型の上記リガンドL2によって表面で官能化されるナノ粒子は、3と40nmとの間、特に5と10nmとの間の平均サイズを示し得る。
本発明によるナノ粒子の平均サイズは、電子顕微鏡法によって、特に透過電子顕微鏡法によって、より具体的には、高分解能透過電子顕微鏡法(HRTEM)又は走査型透過電子顕微鏡法(STEM)によって決定され得る。
特定の実施形態によると、本発明によるナノ粒子は、コロイド溶液の形態において提供される。このようなコロイド溶液は、有機溶媒、特にクロロホルムにおいて上記ナノ粒子の懸濁液によって得られ得る。
本発明によるナノ粒子、特にZAIS系ナノ粒子は、スペクトル領域における励起下で、ナノ結晶の組成、より具体的にはその調製に関して採用される前駆体の組成によって変動する550nmと850nmとの間の波長の範囲において発光極大を示す。それらは有利には、(100から150nmの)幅広い発光バンドを示す。
用途
上記で触れられたように、本発明によるナノ粒子は、様々な用途に関するフォトルミネッセンス材料として、例えば、生物学におけるマーカーとして、又は発光デバイスにおいては例えば発光ダイオードにおける発光団として、採用され得る。
そのため本発明は、他の一つのその態様によると、生物学におけるマーカー、又は発光ダイオードにおける発光団としての本発明のナノ粒子の使用に関する。
特に有利な代替実施形態によると、本発明によるナノ粒子は、白色発光ダイオードの発光団を形成するために採用される。
このタイプのデバイスにおける本発明によるナノ粒子の使用は、当業者に既知の技術の領域内に入る。
さらに他の一つのその態様によると、本発明は、発光デバイス、特に発光ダイオード、より具体的には白色発光ダイオードに関するものであり、本発明によるナノ粒子に基づいた蛍光体(phosphor)を含む。
もちろん、本発明は、上記で触れられたデバイスに限定されるものではなく、本発明による官能化されたナノ粒子の他の用途が想定され得る。
本発明は、本発明の限定ではなく、例として与えられる以下の実施例及び図面によって説明されるであろう。
本発明のプロセスによるZAISナノ結晶の表面でのトリオクチルホスフィンリガンドによるオレイルアミンリガンドの交換の概略図である。 リガンドの交換無しの 、及び、トリオクチルホスフィンリガンドによるオレイルアミンリガンドの交換後の
、Torimoto等[1]によって記載されたプロセスによる異なる前駆体組成から作製された、ZAISナノ結晶に関する発光極大に相当する波長に関して得られた内部量子効率。
リガンドの交換無しの 、及び、本発明によるトリオクチルホスフィンリガンドによるオレイルアミンリガンドの交換後の
、実施例2の新規なプロセスによる異なる前駆体組成から作製された、ZAISナノ結晶に関する発光極大に相当する波長に関して得られた内部量子効率。
実施例
実施例1
前駆体AgZnIn(SCN(Cx+2y+3z粉末の合成
前駆体(AgIn)Zn2(1−n)(SCN(C粉末は以下のように作製される。
nモルのAgNO、nモルのIn(NO、及び2−2nモルのZn(NOが、250mlのDI水において溶解される(溶液S1)。導入されるAg,In3+及びZn2+イオンに由来する正電荷の総量は、12.5mmolに設定される。5.6328g(25mmol)のジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムは、250mlのDI水において自分自身で溶解される(溶液S2)。二つの溶液が完全に均一になるとすぐに、溶液S1は、撹拌しながら溶液S2へゆっくり加えられる。淡い黄色い沈殿物がすぐに形成される。溶液はその後、少なくとも3日間撹拌されたままである。沈殿物の色は淡い黄色から青色へ徐々に変化する。
沈殿物は、溶液を遠心分離することによって回収され、その後、250mlのDI水で3回、及び50mlのメタノールで一回洗浄される。沈殿物は続いて、使用の前に開放空気において乾燥される。
実施例2
ZAISナノ結晶の合成
実施例1において記載されたように作製された300mgの前駆体は、9mlの予め蒸留されたオレイルアミンにおいて分散される。溶液は続いて、アルゴン下で撹拌しながら丸底ガラスフラスコ内に導入される。15分間周囲温度でアルゴン下で溶液を脱ガス後、丸底フラスコは、180℃の温度で加熱浴内に導入される。溶液はその後、非常に急速に暗くなり、20分間アルゴン下で撹拌されたままにされる。これらの20分後、溶液は周囲温度へ速く冷却され、その後、その精製を実施するためにチューブに配される。
自然のままの合成生成物はZAISナノ結晶(正方晶の)を、また、オレイルアミンにおいて分散された、斜方晶のAgZnIn0.5x+y+1.5z及びAgSのより大きな粒子を含む。溶液は、懸濁液におけるままである、ナノメートルのZAIS粒子のみを回収するために、2回遠心分離される。そして、ナノ結晶を含むオレイルアミン溶液は、透明である。
この溶液は続いて、ナノ結晶を凝集するために35mlのメタノール内に導入される。混合物は、底部へ落ちている、凝集したナノ結晶のみを回収するために遠心分離され、一方で、過剰のオレイルアミンは、上澄みと共に除去される。およそ5mlのクロロホルムが、ナノ結晶を分散するために、ナノ結晶へ加えられる。そして、得られた溶液は透明であり、クロロホルムにおけるナノ結晶の優れたコロイド安定性を示す。
実施例3
コア(ZAISナノ結晶)/シェル(ZnS)ナノ粒子の合成
実施例1において記載されるように作製された300mgの前駆体は、9mlの予め蒸留されたオレイルアミンにおいて分散される。溶液は続いて、アルゴン下で撹拌されながら丸底ガラスフラスコ内に導入される。15分間周囲温度でアルゴン下で溶液を脱ガス後、丸底フラスコは180℃の温度で加熱浴内に導入される。溶液はその後、急速に暗くなり、これらの条件下で20分間アルゴン下で撹拌されたままである。これらの20分後、溶液は周囲温度へ速く冷却され、その後、その精製を実施するためにチューブにおいて配される。
望ましくない粒子を除去するために、溶液は、懸濁液におけるままである、ナノメートルの粒子のみを回収するために2回遠心分離される。そして、ナノ結晶を含むオレイルアミン溶液は透明である。この溶液は続いて、撹拌されながら、アルゴン下で未使用の丸底ガラスフラスコ内に導入される。
自分自身で、70mgの酢酸亜鉛及び30mgのチオアセトアミドは、2.5mlの蒸留されたオレイルアミンにおいて独立して溶解される。完全な希釈後、二つの溶液は混合される(溶液S3)。ナノ結晶の溶液を脱ガス後(アルゴン下で15分)、丸底フラスコは140℃で加熱浴内に導入される。加熱の開始後1分で、溶液S3は、丸底フラスコへ滴下で加えられる。追加は、2分において実施され、反応は、さらに追加の2分間140℃のままである(総加熱時間:5分)。溶液は続いて、過剰のオレイルアミンを除去すること、及びナノ結晶を分散することの前に、周囲温度へ急速に冷却される。
これに関して、溶液は続いて、ナノ結晶を凝集するために、35mlのメタノール内に導入される。混合物は、底部へ落ちている、凝集したナノ結晶のみを回収するために遠心分離され、一方で、過剰のオレイルアミンは、上澄みと共に除去される。およそ5mlのクロロホルムが、ナノ結晶を分散するためにナノ結晶へ加えられる。
実施例4
ホスフィン型の誘導体によるリガンドの交換
ZAISナノ結晶の、又は、コア(ZAISナノ結晶)/シェル(ZnS)ナノ粒子の溶液がクロロホルムにおいて得られるとすぐに、実施例2及び3において記載されるように、数滴(100μL)のトリオクチルホスフィン又はホスフィン型の他の一つの誘導体が、溶液へ加えられる。溶液は続いて撹拌される。
フォトルミネッセンス測定は、絶対量子収率分光計(Hamamatsu Quantaurus−QY C11347)を用いて実施される。
UV励起下でナノ粒子のフォトルミネッセンスにおける増加が、(1分未満において)非常に急速に観測される。
実施例5
ホスフィン型のリガンド化合物による官能化による量子効率における増加
Torimoto等[1]によって、及び、実施例2のプロセスによって、合成されたZAISナノ結晶のトリオクチルホスフィンによる表面改質の効果
内部量子効率上のトリオクチルホスフィンリガンドによるナノ結晶の表面官能化の効果は、一方ではTorimoto等[1]によって記載されたプロセスによって調製されたナノ結晶に関して、他方では、用いられる(AgIn)Zn2(1−n)(SCN(C前駆体の異なる組成に関して、実施例2において記載される新規なプロセスによって調製されるナノ結晶に関して、評価された。
フォトルミネッセンス内部量子効率は、カスタムメイドの積分球を含む絶対量子収率分光計(Hamamatsu Quantaurus−QY C11347)によって決定された。
各ナノ結晶に関して、内部量子効率(%)は、ナノ結晶の発光極大に相当する波長に関して評価される。
図2は、リガンドの交換無しの
、及び、トリオクチルホスフィンリガンドによるオレイルアミンリガンドの交換後の
、Torimoto等[1]によって記載されたプロセスによって調製された各ナノ結晶に関して得られたフォトルミネッセンスピークの波長に関した得られた内部量子効率データを表す。(トリオクチルホスフィンによる表面処理は、Torimoto等[1]によって記載されたプロセスによって合成されたいくつかのナノ結晶に関してのみ適用された)。
リガンドの交換は、Torimoto等[1]によって記載されたプロセスによって得られたZAISナノ結晶から開始する実施例4において記載されるように実施された。
同様に、図3は、リガンドの交換無しの
、及び、実施例4に従ってトリオクチルホスフィンリガンドによるオレイルアミンリガンドの交換後の
、実施例2の新規なプロセスによって調製された各ナノ結晶に関して得られたフォトルミネッセンスピークの波長に関して得られた量子効率データを表す。
グラフにおいて現れるラベル(“0.4”、“0.5”及び同様のもの)は、ZAISナノ結晶の合成に関して用いられる前駆体の組成の“n”のデータム(datum)を特定する。
ホスフィン型のリガンド(トリオクチルホスフィン)によるZAISナノ結晶の官能化がそれらの調製の方法が何であれ、ZAISナノ結晶のフォトルミネッセンス内部量子効率を改善することを可能にさせることが図2及び3から明らかになる。
有利には、IQEにおけるこの改善は、文献[1]から知られる合成プロトコルよって得られるものと比較して、実施例2の新規なプロセスによって調製されたナノ結晶の場合において強化される。
ホスフィン型の異なるリガンドによる表面改質の効果
以下の表1は、(値0.7を有する前駆体組成のn)実施例2によって合成されたZAISナノ結晶のオレイルアミンリガンドの交換後に得られたIQE(510nmの励起波長に関する発光スペクトルの全体にわたって得られた総効率)値と、実施例4による、表1において挙げられたホスフィン型の誘導体とを組み合わせる。
オレイルアミンによる表面官能化によって得られる参照IQE値に対して、IQEにおける増加の値は、括弧内に示される。
得られた値は異なるが、異なる官能化リガンドによるIQE値における変化は他の励起波長に関して、特に450nmの波長で、同一のままであることが留意されるべきである。
得られた結果は、本発明によってホスフィン型のリガンドによって官能化されたナノ結晶が、ZAISナノ結晶のIQEを改善することを可能にさせることを示す。
参照文献
[1] Torimoto et al., Facile Synthesis of ZnS-AgInS2 Solide Solution Nanoparticles for a Color-Adjustable Luminophore, J. Am. Chem. Soc., 129, 12388-12389 (2007);
[2] WO 2013/162334;
[3] KR 2013-0095603;
[4] Torimoto et al., Remarkable photoluminescence enhancement of ZnS-AgInS2 solid solution nanoparticles by post-synthesis treatment, Chem. Commun., 46, 2082 (2010);
[5] Mao et al., Study of the Partial Ag-to-Zn Cation Exchange in AgInS2/ZnS Nanocrystals, J. Phys. Chem., C117, 648-656 (2013);
[6] Krause et al., Chemical and Thermodynamic Control of the Surface of Semiconductor Nanocrystals for Designer White Light Emitters, ACS Nano, 7, 5922-5929 (2013).

Claims (14)

  1. AgM’0.5x+y+1.5zタイプのナノ結晶で少なくとも部分的に形成されたナノ粒子のフォトルミネッセンス内部量子効率を増加するためのプロセスであって、少なくとも以下の段階を含むプロセス:
    (1)ナノ結晶で全て又は一部形成されたナノ粒子を利用可能にする段階であって、その化学組成が式(I)に相当する:
    AgM’0.5x+y+1.5z(I)
    ここで、
    Mは、亜鉛、カドミウム、水銀及びそれらの混合物から選択され;
    M’は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム及びそれらの混合物から選択され;
    0<x≦1,0≦y≦1且つ0<z≦1;
    上記ナノ粒子がホスフィン型のリガンドとは異なる少なくとも一つの有機リガンドL1によって表面で官能化されており;
    式(I)の化学組成を有するナノ結晶が、少なくとも以下の段階を含むプロセスを介して事前に調製される:
    (a)組成AgM’(SCN(Cx+2y+3zを有する前駆体粉末を利用可能にする段階であって、M,M’,x,y及びzが上記のように定義される、段階;
    (b)液体状態における有機リガンドL1において前記前駆体粉末を分散させる段階;及び
    (c)段階(b)において得られた分散系に、100℃と250℃との間の温度で、不活性雰囲気下で、熱処理を受けさせて、式(I)の化学組成を有する前記ナノ結晶を得る、段階;
    ナノ結晶の調製に関する前記プロセスが、段階(c)にある単一の段階の熱処理のみを採用する、段階と、
    (2)ホスフィン型のリガンドL2によって有機リガンドL1の、少なくとも一部の交換に有利な条件の下で、前記ナノ粒子と、以下の一般式のホスフィン型の少なくとも一つのリガンド化合物L2とを一緒にする段階であって:
    PR(II)又はその酸化形態O=PR(II’),
    同一である又は異なるR基の各々が、水素、アルキル基及びシクロアルキル基から選択され、前記アルキル基及びシクロアルキル基が必要に応じて置換される、段階と。
  2. ナノ粒子が、ナノ結晶で全て又は一部形成され、その化学組成は、Mが亜鉛を表し、M’がインジウムを表す式(I)に対応する、請求項1に記載のプロセス。
  3. 段階(1)におけるナノ粒子が、AgZnIn0.5x+y+1.5z(I’)タイプの固溶体から成るナノ結晶で全て又は一部形成され、x、y及びzが0と1との間で変動し、x、y及びzが全て0とは異なる、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 段階(1)におけるナノ粒子の官能化に関する有機リガンドL1が、少なくとも8個の炭素原子を含む、少なくとも一つの飽和又は不飽和の直鎖又は分岐した炭化水素鎖を含むアミンから選択される、請求項1から3の何れか一項に記載のプロセス。
  5. 段階(1)におけるナノ粒子の官能化に関する有機リガンドL1が、オレイルアミンである、請求項1から4の何れか一項に記載のプロセス。
  6. ナノ粒子がナノ結晶であり、その化学組成が、請求項1から3の何れか一項に記載される式(I)に対応する、請求項1から5の何れか一項に記載のプロセス。
  7. ナノ粒子がコア/シェルタイプの構造を示し、コアが請求項1から3の何れか一項に記載される組成(I)を有するナノ結晶であり、シェルが半導体化合物から成る、請求項1から5の何れか一項に記載のプロセス。
  8. 前記ナノ粒子のシェルが、ZnSで作製される、請求項7に記載のプロセス。
  9. 段階(1)においてコア/シェル構造を有するナノ粒子が、少なくとも以下の段階を介して調製される、請求項7又は8に記載のプロセス:
    (i)液体状態における有機リガンドL1において分散された、式(I)の化学組成を有するナノ結晶を利用可能にする段階であって、前記分散系が段階(c)の終了時に得られる、段階と;
    (ii)ナノ結晶の前記分散系へ、族I、II又はIIIからの元素又は複数の元素の少なくとも一つの前駆体、及び、族V又はVIからの元素又は複数の元素の少なくとも一つの前駆体を加える段階と;
    (iii)このように形成された分散系に、ナノ結晶の表面で、半導体化合物の被覆の形成に有利な熱処理を受けさせる段階と;
    (iv)前記有機リガンドL1によって表面で官能化されたコア/シェル構造を有するナノ粒子を回収する段階と。
  10. 段階(2)におけるホスフィン型のリガンドL2が、トリオクチルホスフィン、トリオクチルホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン及びトリブチルホスフィンから選択される、請求項1から9の何れか一項に記載のプロセス。
  11. リガンドの交換の段階(2)が、少なくとも以下の段階を介して実施される、請求項1から10の何れか一項に記載のプロセス:
    −ホスフィン型のリガンド化合物L2が可溶性である有機溶媒において、段階(1)のナノ粒子を分散する段階と;
    −ホスフィン型の前記リガンド化合物L2を、前記分散系に加える段階と;
    −ホスフィン型の前記リガンドL2によって、有機リガンドL1の少なくとも部分的な交換を、ナノ粒子の表面で実施するのに十分な時間の期間の間、前記ナノ粒子と、ホスフィン型の前記リガンド化合物L2とを接触したままにする段階と。
  12. ナノ結晶の全て又は一部で形成されたナノ粒子であって、その化学組成が以下の式に対応する:
    AgM’0.5x+y+1.5z(I)
    ここで、M、M’、x、y及びzは、請求項1から3の何れか一項に記載されるように定義され、前記ナノ粒子は、請求項1から10の何れか一項に定義されるようにホスフィン型のリガンドL2によって表面で官能化され、前記ナノ粒子は、請求項1から11の何れか一項に定義されるプロセスによって得られる、ナノ粒子。
  13. 生物学におけるマーカー、又は発光ダイオードにおける発光団としての、請求項12において定義されるナノ粒子の使用。
  14. 請求項12において定義されるナノ粒子に基づいた蛍光体を含む発光デバイス。
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