JP2019151832A - コアシェル型量子ドット分散液の製造方法及び量子ドット分散液の製造方法 - Google Patents

コアシェル型量子ドット分散液の製造方法及び量子ドット分散液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定性(堅牢性)と蛍光特性(発光性)を兼ね備えた、コアシェル型量子ドットの製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、所定のバンドギャップを有する半導体微粒子で構成されるコアと、コアの表面を被覆する、コアよりも大きいバンドギャップを有する半導体で構成されるシェルとを備えたコアシェル型量子ドットの製造方法である。前記コアは金属窒化物から構成され、前記シェルはZnSから構成されており、前記コアはHMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤を含んだ合成プロセスで生成される。これにより、励起光の連続照射による蛍光が長期安定に優れた特性を備えるものが得られる。【選択図】図4

Description

本発明は、安定性(堅牢性)と蛍光特性(発光性)を兼ね備えた、コアシェル型量子ドット分散液の製造方法及び量子ドット分散液の製造方法に関する。
蛍光−変換LED、放射ELディスプレイや蛍光イメージング等に用いられる次世代の半導体ナノ粒子として、たとえば量子ドットが挙げられる。
金属窒化物ナノ粒子の中でも、所定のバンドギャップを有する半導体微粒子で構成されるコアと、コアの表面を被覆する、コアよりも大きいバンドギャップを有する半導体で構成されるシェルとを備えるコアシェル型量子ドットが注目されている。
この種の量子ドットは、たとえば非特許文献1で知られている。このような量子ドットでは、コアをInPで構成し、シェルをInPよりも大きいバンドギャップを有するZnSで構成することで、量子ドットをInPのみで構成する場合と比較して優れた発光特性を持つようにしている(非特許文献1)。
しかしながら、InPの原料として比較的高価なリン含有物を用いる必要があるため、コアシェル型量子ドットのコスト高を招来する。本発明者らは、この課題を解決するものとして、比較的高価なリン含有化合物を用いることなく製造することができ、InP/ZnSで構成されるコアシェル量子ドットと同等の発光波長で発光可能なコアシェル型量子ドットを開発し、先に提案している(特許文献1、2)。
近年、このような量子ドットを活性層に用いた直流発光デバイス(QLED)が検討されている。この量子ドットは耐電圧性に乏しく、直流の印加によって劣化してしまうことが報告されている(非特許文献2)。また、より堅牢な量子ドットの実現のために窒化物ナノ結晶の合成例が報告されているが、粒径制御できないことや、窒化物の分解により金属が混入する問題があり発光性を示すほどの結晶性を有する量子ドットは得られていなかった(非特許文献3)。そこで、堅牢でかつ発光を示す窒化物からなる量子ドットの開発が待ち望まれていた。
特開2018−140931号公報 特開2018−154666号公報
American Chemical Society, Vol.8, No.1, p977-985, 2014. ACS Appl. Mater. Interface 2014, 6, 495-499 J.Mater.Chem., 2010, 20, 1435-1437 Phys. Chem. Chem. Phys. 13, 10635, 2011. J. Phys. Chem. C 116, 18655, 2012. Small 5(2), 154-168, 2009. J. Mater. Chem. C 2, 4379-4382, 2014.
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、安定性(堅牢性)と蛍光特性(発光性)を兼ね備えた、コアシェル型量子ドット分散液の製造方法及び量子ドット分散液の製造方法、を提供することを目的とする。
上記課題を解決ために、本発明のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法は、所定のバンドギャップを有する半導体微粒子で構成されるコアと、コアの表面を被覆する、コアよりも大きいバンドギャップを有する半導体で構成されるシェルとを備えるコアシェル型量子ドット分散液の製造方法である。この製造方法により得られるコアシェル型量子ドットは、前記コアは金属窒化物から構成され、前記シェルはZnSから構成されており、励起光の連続照射により蛍光を発光することを特徴とする。
本発明によれば、コアを金属窒化物、シェルをZnSで各々構成し、コアがHMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤を含んだ合成プロセスにより、励起光の連続照射により蛍光を発光するコアシェル型量子ドットを得ることができる。ゆえに、本発明は、安定性(堅牢)と蛍光特性(発光)を兼ね備えたコアシェル型量子ドット分散液の製造方法の提供に寄与する。
この製造方法により得られるコアシェル型量子ドットは、前記励起光の連続照射により、前記蛍光の発光強度が増大する。これにより、本発明の製造方法により得られるコアシェル型量子ドットは、長期安定に優れた発光特性を備えるものである。
本発明において、前記金属窒化物は、InN、GaInN、AlN、ZnInN、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、ZnSiN、及びZnから選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの金属窒化物からなる量子ドットはInP/ZnSで構成される従来のコアシェル型量子ドットと同等に蛍光を示すコアシェル型量子ドットが得られる。しかも、本発明の製造方法により得られるコアシェル型量子ドットは、比較的高価なリン含有化合物を原料として用いる必要がない。
本発明において、前記コアは、ZnO、ZnS、ZnSe、InN、GaInN、GaN、AlN、AlInN、ZnMgO、InP、GaP、AlP、Zn、Cd、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、ZnSiN、LiGaO、LiAlO、NaGaO、NaAlO、CuGaO、及びAgAlOから選択される少なくとも1種で構成される結晶核を中心に有することが好ましい。結晶核からコアを成長させることで、コアの結晶性を高めることができる。
本発明において、前記シェルの表面がパッシベーション層で被覆され、前記パッシベーション層が、ZnS、ZnSe、ZnO、ZnSO、ZnSSe、ZnSeO、MgO、InN、GaN、AlN、In、Ga、Al、SiO、SiNO、LiInO、LiGaO、LiAlO、NaGaO、NaAlO、CuGaO、AgAlO、AgGaO、及びAgInOから選択される少なくとも1種で構成されることが好ましい。これによれば、コアシェル型量子ドットの安定性を向上させることができる。
上述したコアシェル型量子ドットを分散媒中に分散させてなる、コアシェル型量子ドット分散液の製造方法(以下では、第一発明と呼ぶ)、すなわち、
所定のバンドギャップを有する半導体微粒子で構成されるコアと、コアの表面を被覆する、コアよりも大きいバンドギャップを有する半導体で構成されるシェルとを備え、前記コアが金属窒化物から構成され、前記シェルがZnSから構成されており、励起光の連続照射により蛍光を発光するコアシェル型量子ドットを分散媒中に分散させてなる、コアシェル型量子ドット分散液の製造方法は、
以下の(α1)〜(α4)の各工程を備えている。
(α1)コアの原料である金属を含有する第1化合物と、前記第1化合物に含有される金属を窒化するための窒素供給源として機能する金属アミドと、副生成物を溶媒に分散させる可溶化剤と、溶媒とを混合して反応溶液を調製する工程と、
(α2)前記反応溶液を所定の第1温度に加熱し、前記第1化合物と前記金属アミドとの加熱反応によりコアを合成し、加熱反応により生成される副生成物を前記可溶化剤により前記溶媒に分散させる工程と、
(α3)コア合成後の反応溶液にシェルの原料である亜鉛を含有する第2化合物とこの第2化合物に含有される亜鉛を硫化するための硫黄供給源とを含ませ、これら第2化合物及び硫黄供給源を含ませた反応溶液を所定の第2温度に加熱し、前記第2化合物と前記硫黄供給源との加熱反応により生成されるZnS膜からなるシェルで前記コアを覆いコアシェル型量子ドットを形成する工程と、
(α4)前記第2化合物と前記硫黄供給源との加熱反応後の反応溶液からコアシェル型量子ドットを抽出して前記分散媒中に分散させる工程と、
を含み、
前記反応溶液を調製する工程において、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤をさらに混合することを特徴とする。
特に、前記反応溶液を調製する工程において、HMDSからなる結晶成長抑制剤をさらに混合することにより、上述した本発明(第一発明)によれば、コアシェル型量子ドットを分散媒中に分散させてなるコアシェル型量子ドット分散液が安定して得られる。
本発明(第一発明)において、前記反応溶液を調製する工程に先立ち、結晶核の原料を混合し、この混合された原料を所定の第3温度に加熱して結晶核を合成する工程をさらに含み、前記反応溶液を調製する工程にて前記結晶核をさらに混合することが好ましい。
本発明(第一発明)において、前記第2化合物と前記硫黄供給源との加熱反応後の反応溶液に、パッシべーション層の原料を加え、このパッシベーション層の原料が加えられた反応溶液を所定の第4温度に加熱し、前記シェルの表面を前記パッシベーション層で覆う工程をさらに含むことが好ましい。
本発明(第一発明)において、結晶核の原料として、ZnO、ZnS、ZnSe、InN、GaInN、GaN、AlN、AlInN、ZnMgO、InP、GaP、AlP、Zn、Cd、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、ZnSiN、LiGaO、LiAlO、NaGaO、NaAlO、CuGaO、及びAgAlOから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明(第一発明)において、前記パッシべーション層の原料として、ZnS、ZnSe、ZnO、ZnSO、ZnSSe、ZnSeO、MgO、InN、GaN、AlN、In、Ga、Al、SiO、SiNO、LiInO、LiGaO、LiAlO、NaGaO、NaAlO、CuGaO、AgAlO、AgGaO、及びAgInOから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明(第一発明)において、前記可溶化剤として、トリアルキルホスフィンオキシド類、トリアルキルホスフィンスルフィド類、トリアルキルホスフィンセレニド類、トリアルキルイミノホスホラン類、モノリン酸エステル類、ジリン酸エステル類、トリリン酸エステル類、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド及びN,N’−ジメチルプロピレン尿素から選択された少なくとも1つを用いることが好ましい。
本発明(第一発明)では、前記反応溶液を調製する工程において、電子受容体を更に混合することが好ましい。
本発明(第一発明)において、前記電子受容体として、窒化する金属の酸化還元電位よりも貴な方向となる位置に酸化還元電位を持つヨードホスフィン、ハロゲン、超原子価ヨウ素試薬類、ヨウ素化剤、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−クロロこはく酸イミド、N−プロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、ニトロキシルラジカル、硫黄、アルキルチオール、アルキルジスルフィド、アルキルトリスルフィド、テトラシアノキノジメタン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン及びクラウンエーテルから選択された少なくとも1つを用いてもよい。
本発明(第一発明)では、前記反応溶液を調製する工程において、前記コアシェル型量子ドットを覆う分散剤をさらに混合することが好ましい。
本発明(第一発明)において、前記分散剤として、アルキルカルボン酸類、モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、トリアルキルホスフィン類、アルキルエステル類、アルキルチオール類、スルフィド類、トリカプリル酸グリセリン、アルキルニトリル類及びステアリン酸無水物から選択された少なくとも1つを用いることが好ましい。
本発明(第一発明)において、前記コアシェル型量子ドットを合成した後、酸解離定数が4.5より大きく、官能基の末端に水素を有する物質を反応溶液に添加し、反応溶液に残存する金属を除去する工程をさらに含むことが好ましい。この場合、前記物質としては、オレイン酸又はドデカンチオールを用いるができる。
本発明の量子ドット分散液の製造方法(以下では、第二発明と呼ぶ)、すなわち、
所定のバンドギャップを有する半導体微粒子で構成されるコアが金属窒化物から構成され、励起光の連続照射により蛍光を発光する量子ドットを分散媒中に分散させてなる、量子ドット分散液の製造方法は、
以下の(β1)〜(β3)の各工程を備えている。
(β1)コアの原料である金属を含有する第1化合物と、該第1化合物に含有される金属を窒化するための窒素供給源として機能する金属アミドと、副生成物を溶媒に分散させる可溶化剤と、溶媒を混合して反応溶液を調製する工程と、
(β2)前記反応溶液を所定の第1温度に加熱し、前記第1化合物と前記金属アミドとの加熱反応によりコアを合成し、加熱反応により生成される副生成物を前記可溶化剤により前記溶媒に分散させる工程と、
(β3)加熱反応後の反応溶液から量子ドットを抽出して前記分散媒中に分散させる工程と、
を含み、
前記反応溶液を調製する工程において、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤をさらに混合することを特徴とする。
特に、前記反応溶液を調製する工程において、HMDSからなる結晶成長抑制剤をさらに混合することにより、上述した本発明(第二発明)によれば、量子ドットを分散媒中に分散させてなる量子ドット分散液が安定して得られる。
本発明(第二発明)において、前記反応溶液を調製する工程に先立ち、結晶核の原料を混合し、この混合された原料を所定の第3温度に加熱して結晶核を合成する工程をさらに含み、前記反応溶液を調製する工程にて前記結晶核をさらに混合することが好ましい。
本発明(第二発明)において、結晶核の原料として、InN、GaInNから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明(第二発明)において、前記可溶化剤として、トリアルキルホスフィンオキシド類、トリアルキルホスフィンスルフィド類、トリアルキルホスフィンセレニド類、トリアルキルイミノホスホラン類、モノリン酸エステル類、ジリン酸エステル類、トリリン酸エステル類、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド及びN,N’−ジメチルプロピレン尿素から選択された少なくとも1つを用いることが好ましい。
本発明(第二発明)では、前記反応溶液を調製する工程において、前記量子ドットを覆う分散剤をさらに混合することが好ましい。
本発明(第二発明)において、前記分散剤として、アルキルカルボン酸類、モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、トリアルキルホスフィン類、アルキルエステル類、アルキルチオール類、スルフィド類、トリカプリル酸グリセリン、アルキルニトリル類及びステアリン酸無水物から選択された少なくとも1つを用いることが好ましい。
本発明(第二発明)において、前記分散剤として、オクタデカンチオールを用いることが好ましい。オクタデカンチオールを用いることで、量子ドットの結着を防止することが可能となり、粒径の分布範囲を狭めることができる。
本発明(第二発明)において、前記量子ドットを合成した後、酸解離定数が4.5より大きく、官能基の末端に水素を有する物質を反応溶液に添加し、反応溶液に残存する金属を除去する工程をさらに含むことが好ましい。この場合、前記物質としては、オレイン酸又はドデカンチオールを用いるができる。
本発明のコアシェル型ドットの一構造例を示す模式図。 本発明のコアシェル型ドットの他の構造例を示す模式図。 本発明のコアシェル型ドットの他の構造例を示す模式図。 ピーク強度の照射時間依存性を示すグラフ。 発光スペクトルの照射時間依存性を示すグラフ。 実験例6〜10に関する一覧表。 実験例6の発光スペクトルを示すグラフ。 実験例7の発光スペクトルを示すグラフ。 実験例8の発光スペクトルを示すグラフ。 実験例9の発光スペクトルを示すグラフ。 実験例10の発光スペクトルを示すグラフ。 実験例6〜10の発光スペクトルを纏めて示すグラフ。 実験例9と10のCIEを追記したXYZ表色系色度図。 外観により経時変化を評価した写真。 光学エネルーギャップにより経時変化を評価したグラフ。 各種量子ドットのXRDパターンと懸濁液の写真。 各種量子ドットのTEM像などの写真。 N1sスペクトル及びIn3d5/2スペクトルをVoigt関数を用いてフィットさせたグラフ。 N1sスペクトル及びIn3d5/2スペクトルに関するPeekとFWHMを示す一覧表。 各種量子ドットのUV−visスペクトルと光吸収スペクトルを示すグラフ。 各種量子ドットの光学的バンドギャップEgを示す一覧表。 各種量子ドットのPLおよび吸収スペクトルを示すグラフ。 各種量子ドットのPLピークとFWHMを示す一覧表。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態のコアシェル型量子ドット及び量子ドットについて、分散媒Ld中に分散させた分散液を例に説明する。
図1を参照して、QDは、本実施形態のコアシェル型量子ドット(以下「量子ドット」という)である。量子ドットQDは、所定のバンドギャップを有する半導体ナノ粒子で構成されるコア1と、コア1より大きいバンドギャップを有する半導体で構成され、コア1の表面を被覆するシェル2とを備える。なお、コア1からなる量子ドットの場合は、シェル2の部分はコア1の界面表面層部を指し示すものとする。
コア1は、金属窒化物から構成されるナノ粒子である。金属窒化物としては、InN、GaInN、AlN、ZnInN、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、ZnSiN、及びZnから選択される少なくとも1種を用いることができ、InNまたはGaInNを好ましく用いることができる。
コア1は、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤を含んだ合成プロセスで生成される。この構成からなる量子ドットおよびコアシェル型量子ドットは、後述するように、励起光の連続照射により蛍光を発光するものとなる[図6、図9(実験例3)、図10(実験例4)]。ゆえに、本発明は、安定性(堅牢)と蛍光特性(発光)を兼ね備えた量子ドットおよびコアシェル型量子ドットの提供に寄与する。
また、上記量子ドットは、後述するように、前記励起光の連続照射により、前記蛍光の発光強度が増大する[図4、5]。これにより、本発明の量子ドットは、長期安定に優れた発光特性を備えるものである。
本発明において、発光目的で用いられる典型的なナノ粒子とは、その平均粒径(本発明ではコア1とシェル2の界面を示す)が0.1nm〜20nmの範囲であるものを意味する。平均粒径をこのような範囲に制御することにより。量子サイズ効果によって半導体バンドギャップが広がり、電子が正孔と再結合した際の発光エネルギーを大きくすることができる。
シェル2は、ZnSで構成することができる。シェル2の厚さは、たとえば、0.1〜50nmの範囲であることが好ましい。
シェル2の表面は分散剤3で覆われており、これにより、分散媒L中に量子ドットQDを分散性よく分散させることができる。分散剤3としては、炭素数6以上のアルキル鎖を有するアルキルカルボン酸類、トリアルキルアミン類、トリアルキルホスフィン類、トリアルキルホスフィンスルフィド類、トリアルキルホスフィンセレニド類、トリアルキルホスフィンオキシド類、トリアルキルイミノホスホラン類、アルキルエステル類、アルキルチオール類、スルフィド類、トリカプリル酸グリセリン、アルキル酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルチオラートナトリウム及びアルキルスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤から選択された少なくとも1種を用いることができ、アルキルカルボン酸類を好ましく用いることができる。
分散媒Ldとしては、炭素数が6〜18である有機溶媒を用いることが好ましく、たとえば、以下に列挙する有機溶媒が好適である。分散媒Ldはこれらの有機溶媒を単独で又は混合して用いることができる。
分散媒Ldに好適な有機溶媒としては、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカンのような主鎖の炭素数が6〜18である長鎖アルカン;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデセンのような環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼンのような芳香族炭化水素;ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオールのようなアルコール;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、フェニルエーテルのようなエーテル;ジメチルホルムアミド、N−N’−ジメチルプロピレン尿素、トリス(N,N−ジメチルアミノ)ホフフィンオキシド、ジアザビシクロウンデセン、が挙げられる。
以下では、本発明の量子ドットQDの製造方法について、量子ドットを分散媒に分散させた量子ドット分散液を製造する場合を例に説明する。
まず、コアの原料である金属を含有する第1化合物と、第1化合物に含有される金属を窒化するための窒素供給源として機能する金属アミドと、副生成物を溶媒に分散させる可溶化剤と、溶媒とを混合して反応溶液を調製する。
ここで、第1化合物としては、後述する合成に必要な金属を供給できるものであれば特に限定されず、たとえば、当該金属のハロゲン化物または前記金属と前記分散剤とを含む金属錯体を用いることができる。当該金属としては、Al、Ga、In、Fe、Cu、Mn、W、Ta及びZrから選択した1つ以上の金属またはこれらの金属の合金を用いることができる。また、当該金属には、B及びSiを含むものとする。第1化合物と金属アミドとのモル比は、1:1〜1:1000の範囲内に設定されることができる。
金属アミドとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、亜鉛、スズ、ゲルマニウム、鉛、カドミウム、鉄、銅、マンガン、タングステン、タンタル及びジルコニウムから選択された金属を含む金属アミドと、前記金属を含む金属アルキルシリルアミド、前記金属を含む金属アルキルアミド並びに前記金属を含む金属ジシナアミドから選択された少なくとも1つを用いることが好ましい。
金属アルキルシリルアミドとしては、金属トリアルキルシリルアミドを用いることができる。この場合、金属トリアルキルシリルアミドに含まれる金属としては、上記金属を用いることができ、アルキル基の炭素数は18以下であることが好ましい。また、金属トリアルキルシリルアミドは、ブチルリチウムなどの強塩基とビス(トリメチルシリル)アミンとを混合することにより生成してもよい。また、窒素供給源として、金属アミドに加えて、窒化リチウムや窒化マグネシウム等の金属窒化物を更に混合してもよい。
可溶化剤としては、トリアルキルホスフィンオキシド類、トリアルキルホスフィンスルフィド類、トリアルキルホスフィンセレニド類、トリアルキルイミノホスホラン類、モノリン酸エステル類、ジリン酸エステル類、トリリン酸エステル類、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド及びN,N’−ジメチルプロピレン尿素から選択された少なくとも1つを用いることが好ましく、トリアルキルホスフィンオキシド類を用いることが最も好ましい。可溶化剤と金属アミドとのモル比は、1:1〜1:100の範囲内に設定することができる。
溶媒としては、炭素数が8〜35である有機溶媒を用いることが好ましく、たとえば、以下に列挙する有機溶媒が好適である。溶媒は、これらの有機溶媒を単独で又は混合して、融点24℃以下かつ沸点100℃以上の溶媒にして用いることができる。
溶媒に好適な有機溶媒としては、たとえば、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、流動パラフィンのような主鎖の炭素数が8〜35である長鎖飽和アルカンやその混合物;オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセンのような不飽和結合を持つアルケン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデセンのような環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビフェニルのような芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、フェニルエーテルのようなエーテル;DOWTHERM(登録商標)Aのような混合溶媒;フェニルスルフィド、ジドデシルスルフィドのようなスルフィド類;が挙げられる。
さらに、溶媒は、異なる芳香族炭化水素同士を混合したり、長鎖飽和アルカンに芳香族炭化水素を溶解したりすることで、芳香族炭化水素を加えることが好ましい。これにより、量子ドットへの不純物混入の抑制効果を高めることができる。
上記反応溶液を調製する工程において、分散剤を更に混合してもよい。分散剤としては、アルキルカルボン酸類、モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、トリアルキルホスフィン類、アルキルエステル類、アルキルチオール類、スルフィド類、トリカプリル酸グリセリン、アルキルニトリル類及びステアリン酸無水物から選択された少なくとも1つを用いることが好ましく、このうち水素原子を含まない官能基を末端に有するものを用いることがより好ましい。水素原子はナトリウムアミドと反応し、窒素原料の減少を引き起こすため、下記の式(1)に示す、アルキルチオール類(金属錯体)を原料としてナトリウムアミドと反応させることが最も好ましい。
これによれば、ナトリウムアミドの分解を抑制することができると共に、系内のナトリウム不純物量を減少させる効果が得られる。そのため、電子受容体の添加量や可溶化剤の添加量を少なくできるので、有利である。金属含有化合物と分散剤とのモル比は、1:1〜1:100の範囲内に設定することができる。これによれば、金属窒化物ナノ粒子の粒径分布を変化させることなく、平均粒径を変化させることができる。なお、硫黄供給源としてオクタデカンチオールを用いる場合、分散剤として兼用できるが、他の分散剤を更に混合してもよい。
上記反応溶液を調製する工程において、電子受容体を更に混合してもよい。前記電子受容体として、窒化する金属の酸化還元電位よりも貴な方向となる位置に酸化還元電位を持つものを用いることができる。
たとえば、窒化する金属がインジウムである場合、−0.34V vs SHEよりも貴な方向に酸化還元電位が位置する電子受容体として、ヨードホスフィン、ハロゲン、超原子価ヨウ素試薬類、ヨウ素化剤、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−クロロこはく酸イミド、N−プロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、ニトロキシルラジカル、硫黄、アルキルチオール、アルキルジスルフィド、アルキルトリスルフィド、テトラシアノキノジメタン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン及びクラウンエーテル、マンガン類及びクロム類から選択された少なくとも1つを用いることができる。その中でも、ヨウ化ジスルフィドやクラウンエーテルをより好ましく用いることができる。
ヨウ素化剤としては、たとえば、1,3−ジョード−5,5−ジメチルヒダントインを用いることができる。電子受容体と金属アミドとのモル比は、1:1〜1:5の範囲内に設定することができる。これによれば、ナトリウムアミドの分解によって生じた電子は、反応溶液に含まれる電子受容体の還元反応に使用されるため、第1化合物の還元反応が抑制され、量子ドットまたはコアシェル型量子ドット分散液に金属が残存、混入することを可及的に抑制できる。しかも、製造工程の増加を防止できると共に、長期安定分散性を有する量子ドットまたはコアシェル型量子ドットを得ることができる。
なお、電子受容体は、金属アミドの分解温度以下では機能せず、上述した式(1)の反応が、たとえば280℃の温度で進行する場合、反応温度を280℃以上とする際に有効である。これは、反応温度を上げることによってコアの合成速度を向上できるので、合成直後のコアの平均粒径が増大するという効果を利用することを意味する。つまり、製造する量子ドット分散液の平均粒径を制御する目的で電子受容体を用いることができる。当然ではあるが、金属アミドの分解温度の相違や、反応溶液の熱履歴による反応挙動の相違によって、電子受容体の効果が発揮される下限温度は変化する。
次に、上記反応溶液を反応容器(図示省略)に収容し、反応容器に付設されたヒータ等の加熱手段(図示省略)を用いて反応溶液を所定の第1温度に加熱する。第1温度は、たとえば、100℃〜600℃の範囲内で設定することができる。この加熱により、第1化合物と金属アミドとを加熱反応させることで、コア1となる金属窒化物ナノ粒子が合成される。
反応容器や加熱手段としては、公知の構造を有するものを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、反応容器内に窒素含有ガスであるアンモニアガスや窒素ガスを導入しながら加熱反応させることで、窒素の供給量を増加できると共に、金属アミドの分解反応を抑制できる。これにより、コアを効率よく合成できる。
また、反応容器内で、第1化合物と、金属アミドと、分散剤と、可溶化剤と、電子受容体と、溶媒とを混合して反応溶液を調製してもよい。しかしながら、金属アミドと接触する前に、第1化合物、分散剤、可溶化剤及び電子受容体を混合する方が、プロトンと金属アミドとの反応が抑制され、ロスを抑制できるのでより好ましい。
反応溶液を第1温度にて所定時間保持した後、反応溶液を室温まで冷却する。保持時間は、たとえば、1分〜240分の範囲内に設定することができる。冷却方法としては、自然冷却でもよいし、反応容器に冷媒(たとえば冷却水)を循環させる強制冷却でもよい。冷却された反応溶液に、シェル2の原料である亜鉛を含有する第2化合物と、この第2化合物に含有される亜鉛を硫化するための硫黄供給源とを含ませる。そして、これら第2化合物及び硫黄供給源が加えられた反応溶液を所定の第2温度に加熱する。第2温度は、たとえば、100℃〜600℃の範囲内に設定することができる。この加熱により、コア1の表面が、第2化合物と硫黄供給源との加熱反応により合成されたZnS膜からなるシェル2で覆われてコアシェル型量子ドットが形成される。
第2化合物としては、たとえば、亜鉛のハロゲン化物や、亜鉛と前記分散剤とを含む金属錯体を用いることができる。たとえば、ヨウ化亜鉛を好適に用いることができる。硫黄供給源としては、ブタンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオールのようなチオール類、フェニルスルフィド、ジドデシルスルフィドのようなスルフィド類から選択された少なくとも1つを用いることができる。オクタデカンチオールは分散剤としても兼用させることができるため、オクタデカンチオールを用いることが好ましい。硫黄供給源と金属アミドとのモル比は、1:1〜1:100の範囲内に設定することができる。
なお、硫黄供給源として、第1温度より高い分解温度を持つものを使用する場合、たとえば、第1温度が230℃に設定されるとき、この第1温度よりも高い分解温度(240℃)を持つドデカンチオールを使用する場合には、このような硫黄供給源をコア1合成後の反応溶液に含ませることには、第1温度に加熱する前に反応溶液を調製する工程において硫黄供給源を予め混合しておくことを含むものとする。
反応溶液を第2温度にて所定時間保持した後、反応溶液を室温まで冷却する。保持時間は、たとえば、1分〜240分の範囲内に設定することができる。冷却方法としては、自然冷却でもよいし、反応容器に冷媒(たとえば冷却水)を循環させる強制冷却でもよい。冷却後の反応溶液に酸解離定数pKaが4.5より大きく、官能基の末端に水素を有する物質をエタノールと共に加えることで、分散剤で覆われた量子ドットを抽出する。当該物質としては、オレイン酸又はドデカンチオールを用いることができる。このように、酢酸よりも弱酸を使用し、冷却後の反応溶液に存する金属に対して反応させ、電離金属塩溶液とすると共に、量子ドット表面に対して弱結合して量子ドット相互の凝集を妨げるキャップ剤となる。つまり、遠心分離、デカンテーションを行い、目的とする中間生成物である沈降物を分離した際に、沈降物中に量子ドット以外の金属をXPS/EDXに検出させない効果を持つと共に、次の最終工程にて量子ドット分散液とした際に、凝集を抑制する効果を持ち、液中の平均粒子径測定値の劣化を抑制することができる。このように量子ドット以外の金属を除去する工程は必要に応じて繰り返し行うことができる。
最後に、この抽出した分散剤で覆われた量子ドットを分散媒中に分散させる。これにより、1週間以上安定に分散できる量子ドット分散液が得られる。分散媒としては、炭素数が6〜18である有機溶媒を用いることが好ましく、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカンのような主鎖の炭素数が6〜18である長鎖アルカン;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデセンのような環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼンのような芳香族炭化水素;ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオールのようなアルコール;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、フェニルエーテルのようなエーテル;ジメチルホルムアミド、N−N’−ジメチルプロピレン尿素、トリス(N,N−ジメチルアミノ)ホフフィンオキシド、ジアザビシクロウンデセン、を単独で又は混合して用いることができる。
ところで、金属アミドとしてナトリウムアミドを用いる場合を例に説明すると、第1化合物とナトリウムアミドとを加熱反応させて金属窒化物で構成されるコア1を合成するとき、ナトリウムアミドが下記の式(2)のように分解して電子が生じる。
この電子は、反応溶液に含まれる電子受容体の還元反応に使用されるため、第1化合物の還元反応が抑制される。したがって、量子ドットまたはコアシェル型量子ドット分散液に金属が残留し、混入することを可及的に抑制できる。
以上、説明した実施形態によれば、コア1を金属窒化物からなる量子ドット、またはシェル2をZnSで各々構成することで、InP/ZnSで構成されるコアシェル型量子ドットと同等の発光波長で発光可能なコアシェル型量子ドットQDが得られる。しかも、当該量子ドットまたはコアシェル型量子ドットQDは、比較的高価なリン含有化合物を用いることなく製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。たとえば、図2に示すように、結晶核10の周りにコア1を形成することで、結晶性の高いコア1を得ることができる。この場合、結晶核10としては、コア1よりもバンドギャップが大きい半導体を用いることができ、たとえば、ZnO、ZnS、ZnSe、InN、GaInN、GaN、AlN、AlInN、ZnMgO、Zn、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、ZnSiN、LiGaO、LiAlO、NaGaO、NaAlo、CuGaO、及びAgAlOから選択された少なくとも1種を用いることができる。結晶核10は、結晶核の原料を混合し、この混合された原料を所定の第3温度に加熱することで合成することができる。第3温度は、たとえば、100℃〜600℃の範囲内で設定することができる。このように合成した結晶核10を、第1温度に加熱する前の反応溶液に混合することで、結晶核10の周りにコア1を形成できる。たとえば、ZnSからなる結晶核10を合成する場合、結晶核10の原料としては、オレイン酸亜鉛とドデカンチオールを用いることができる。
また、図3に示すように、シェル2の表面を覆うパッシベーション層4を更に備え、このパッシベーション層4の表面を分散剤3で覆うようにしてもよい。これによれば、シェル2の表面に存するダングリングボンド(未結合手)が終端されることで、量子ドットを長期間に亘って安定に保つことができる。
パッシベーション層4としては、ZnS、ZnSe、ZnO、ZnSO、ZnSSe、ZnSeO、ZnMgO、ZnLiGaO、NaGaO、MgO、InN、GaN、AlN、In、Ga、Al、SiO、SiNO、LiOnO、LiGaO、LiAlO、NaGaO、NaAlO、CuGaO、AgAlO、AgGaO、及びAgInOから選択された少なくとも1種を用いることができる。
パッシベーション層4のバンドギャップは特に問わないが、コア1を構成する金属窒化物やシェル2を構成するZnSの結晶格子パラメータaが近い構造を持つZnO、ZnMgO、ZnLiGaO、NaGaOをより好ましく用いることができる。これにより、酸素や水蒸気を透過させ難いため、有利である。
パッシベーション層4の厚さは、たとえば、0.1〜10nmの範囲内であることが好ましい。このようなパッシベーション層4は、シェル2形成後の反応溶液にパッシベーション層4の原料を加え、所定の第4温度に加熱することで形成できる。第4温度は、たとえば、100℃〜600℃の範囲内で設定することができる。たとえば、ZnMgOからなるパッシベーション層4を合成する場合、パッシベーション層4の原料としては、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、ドデカノール、及びオレイン酸を用いることができる。また、パッシベーション層4は、シェル2の表面を大気に曝すことで形成される自然酸化膜であってもよい。
シェル2としては、たとえば、ZnS、ZnO、ZnSeを用いることができる。中でも、ZnSを好ましく用いることができる。
以下では、本発明の実施形態を具体的に確認するため行った実験例について説明する。
実験例1〜5は「窒化物コアの合成例」であり、実験例6〜10は「窒化物コア/ZnSシェルの構成例」、実験例11〜15は「その他の構成例」である。
<窒化物コアの合成例>
(実験例1):InN
本実験例1は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用せず、コア1をInNとした量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.050g(0.1ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(1ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムをエタノール中に分散させ、InNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて量子ドット分散液を得た。
(実験例2):InGaN
本実験例2は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用せず、コア1をInGaNで構成した量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.015g(0.3ミリモル)及びヨウ化ガリウム0.032g(0.7ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(1ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、反応溶液を室温まで冷却した。反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、InGaNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて量子ドット分散液を得た。
(実験例3):InN(HMDS)
本実験例3は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用して、コア1をInNで構成した量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.05g(0.1ミリモル)と、金属アミドとし
ナトリウムアミドを0.04g(1ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、結晶成長抑制剤としてHMDS(0.3ミリモル)、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、InNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて量子ドット分散液を得た。
(実験例4):GaInN(HMDS)
本実験例4は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用して、コア1をGaInNで構成した量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.015g(0.03ミリモル)及びヨウ化ガリウム0.032g(0.07ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(1ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、結晶成長抑制剤としてHMDS(0.3ミリモル)、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、GaInNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて量子ドット分散液を得た。
(実験例5):ZnInN
本実験例5は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用せず、コア1をZnInNで構成した量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.025g(0.5ミリモル)及びヨウ化亜鉛0.16g(0.5ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(5ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、ZnInNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて量子ドット分散液を得た。
<窒化物コア/ZnSシェルの構成例>
(実験例6):InN/ZnS
本実験例6は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用せず、コア1をInN、シェル2をZnSとした量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.050g(0.1ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(1ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、亜鉛源として0.1Mステアリン酸亜鉛オクタデセン溶液(第2化合物に相当)1ml(0.1ミリモル)を加え、260℃(第2温度)で加熱し、20分保持したのちに反応溶液を室温まで冷却した。反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、InN/ZnSで構成されるコアシェル型量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させてコアシェル型量子ドット分散液を得た。
(実験例7):InGaN/ZnS
本実験例7は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用せず、コア1をInGaN、シェル2をZnSで各々構成したコアシェル型量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.015g(0.3ミリモル)及びヨウ化ガリウム0.032g(0.7ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(1ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、亜鉛源として0.1Mステアリン酸亜鉛オクタデセン溶液(第2化合物に相当)1ml(0.1ミリモル)を加え、260℃(第2温度)で加熱し、20分保持したのちに反応溶液を室温まで冷却した。反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、InGaN/ZnSで構成されるコアシェル型量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させてコアシェル型量子ドット分散液を得た。
(実験例8):InN/ZnS(HMDS)
本実験例8は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用して、コア1をInN、シェル2をZnSで各々構成したコアシェル型量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.05g(1ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(1ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、結晶成長抑制剤としてHMDS(0.3ミリモル)、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、亜鉛源として0.1Mステアリン酸亜鉛オクタデセン溶液(第2化合物に相当)1ml(0.1ミリモル)を加え、260℃(第2温度)で加熱し、20分保持したのちに反応溶液を室温まで冷却した。反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、InN/ZnSで構成されるコアシェル型量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させてコアシェル型量子ドット分散液を得た。
(実験例9):GaInN/ZnS(HMDS)
本実験例9は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用して、コア1をGaInN、シェル2をZnSで各々構成したコアシェル型量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.015g(0.03ミリモル)及びヨウ化ガリウム0.032g(0.07ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(1ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、結晶成長抑制剤としてHMDS(0.3ミリモル)、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、亜鉛源として0.1Mステアリン酸亜鉛オクタデセン溶液(第2化合物に相当)1ml(0.1ミリモル)を加え、260℃(第2温度)で加熱し、20分保持したのちに反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、GaInN/ZnSで構成されるコアシェル型量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させてコアシェル型量子ドット分散液を得た。
(実験例10):ZnInN/ZnS
本実験例10は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用せず、コア1をZnInN、シェル2をZnSで各々構成したコアシェル型量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.025g(0.5ミリモル)及びヨウ化亜鉛0.16g(0.5ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(5ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、260℃(第2温度)で加熱し、20分保持したのちに反応溶液を室温まで冷却した。なお、第2化合物は、残留する硫黄供給源である。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、ZnInN/ZnSで構成されるコアシェル型量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させてコアシェル型量子ドット分散液を得た。
図4は、ピーク強度の照射時間依存性を示すグラフである。図4において、横軸は量子ドットに対して波長365nmの励起光を連続照射した時間であり、縦軸は量子ドットが発光した蛍光のピーク強度である。図4において、□印が実験例3、◇印が実験例4、△印が実験例5、×印が従来例(コアがInP、シェルがZnSの場合)である。
図5は、発光スペクトルの照射時間依存性を示すグラフであり、実験例4(HMDS使用したGaInN)の量子ドットについて評価した結果である。
図4及び図5より、以下の点が明らかとなった。
(A1)本発明の量子ドットは、励起光の連続照射により蛍光を発光する。
(A2)本発明の量子ドットは、前記励起光の連続照射により、すなわち照射時間が長くなるに連れて、前記蛍光の発光強度(ピーク強度)が増大する。
(A3)従来例の量子ドットは、励起光の連続照射により蛍光を発光するが、照射時間が長くなるに連れて、前記蛍光の発光強度(ピーク強度)が減少する。
以上の結果より、本発明によれば、安定性(堅牢)と蛍光特性(発光)を兼ね備えたコアシェル型量子ドットが得られることが分かった。また、前記励起光の連続照射により、前記蛍光の発光強度が増大することから、本発明のコアシェル型量子ドットは、長期安定に優れた発光特性を備えることが確認された。
図6は、上述した実験例1〜5に関する一覧表である。図6には、コアを構成する材料(Compounds)、HDMSの含有の有無、後述する蛍光特性(発光スペクトル)の評価、及び蛍光の寿命の評価、に関して示した。
蛍光特性の評価において、×印は全く発光しないことを、○印は蛍光の発光が確認されたことを、各々表している。
寿命の評価において、−印は蛍光が見られないことを、○印は励起光を3時間連続照射で初期値の蛍光強度を維持している(Intenshity規格値が1.0以上である)ことを、×印は励起光を3時間連続照射した時点で蛍光強度の減衰が確認できる(Intenshity規格値が1.0を下回る)ことを、各々表している。
図7〜図11は順に、実験例1〜5の量子ドットの発光スペクトルを示すグラフである。図12は、実験例1〜5の発光スペクトル(図7〜図11)を纏めて示すグラフである。
図7〜図11及び図12より、以下の点が明らかとなった。
(B1)HDMSを含有する量子ドット(実験例3、4)は、波長550〜600nm付近に発光スペクトル(蛍光)が確認され、蛍光ピーク波長は576nm(半値幅FWHM:195nm)であった。
(B2)HDMSを含有しない量子ドット(実験例1、2)は、波長550〜600nm付近に、発光スペクトルは確認されなかった。(励起光のみ観測されている)
(B3)上記(B1)と(B2)の結果は、コアを構成する材料(InN、GaInN)に依存しない。
(B4)コアを構成する材料が、Gaに代えてZnを含む場合(実験例5:ZnInN)は、波長550〜600nm付近に発光スペクトル(蛍光)が確認され、蛍光ピーク波長は579nm(半値幅FWHM:134nm)であった。この場合(実験例5)は、優れた蛍光特性を持つ反面、寿命が短いことが分かった。
以上の結果より、本発明のコアシェル型量子ドットにおける、安定性(堅牢)と蛍光特性(発光)は、コア1がHMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤を含んだ合成プロセスで生成されることによって達成されていることが確認された。
図13は、実験例4と実験例5の量子ドットのCIEを追記したXYZ表色系色度図である。図13において、左側の○印が実験例4(GaInN)を、右側の●印が実験例5(ZnInN)を、それぞれ示している。
実験例4(GaInN)の場合、蛍光ピーク波長は576nm(半値幅FWHM:195nm)であり、CIE(x,y)は(0.440,0.460)であった。
実験例5(ZnInN)の場合、蛍光ピーク波長は579nm、(半値幅FWHM:134nm)であり、CIE(x,y)は(0.478,0.474)であった。
以上の結果より、実験例4(GaInN)のコアシェル型量子ドットは、実験例5(ZnInN)のコアシェル型量子ドットと同様の発光波長で発光可能であることが確認された。
加えて、得られたInN量子ドットに対し、X線光電子分光(XPS)を利用し、Inの3d5/2軌道のナロースキャン分析を行った。XPSにて前記軌道の結合エネルギーを測定したところ、In−In結合に由来する443.5eVに該当するピークが見られないことが確認された。当然ではあるが、444.0eVのIn−Nのピークがメインとして観測され、純度が高いInNナノ粒子が得られていることが確かめられた。
図14は、外観により経時変化を評価した写真であり、左側の写真が合成直後の状態を、右側の写真が大気中1ヶ月後の状態を、それぞれ表している。また、各写真において、左側の瓶内の試料がInNであり、右側の瓶内の試料がInPである。
図14より、以下の点が明らかとなった。
(C1)左側の瓶内の試料(InN)は、合成直後の写真と大気中1ヶ月後の写真を比べて、試料の色合いに変化が見られなかった。
(C2)右側の瓶内の試料(InP)は、合成直後の写真と大気中1ヶ月後の写真を比べて、試料の色合いに変化があり、光の吸収特性に変化が見られ材料の変質が確認された。
以上の結果より、InPに比べてInNの方が、定性的に安定な可能性があることが推察された。
図15は、図14に示した2つの試料について、光学エネルーギャップにより経時変化を評価したグラフである。図15において、横軸はPhoton Energy、縦軸は(αhν)である。実線は合成直後、点線は大気中1ヶ月後、をそれぞれ表している。
図15より、以下の点が明らかとなった。
(D1)試料がInNの場合は、大気中1ヶ月後における光学エネルギーギャップの変化量が、+0.05eVであった。
(D2)試料がInPの場合は、大気中1ヶ月後における光学エネルギーギャップの変化量が、+0.17eVであった。
以上の結果より、InPに比べてInNの方が、光学的な安定性が高いコアが得られることが確認された。
(実験例11):InN/In
本実験例11は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用して、コア1をInN、シェル2をInで各々構成したコアシェル型量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.05g(1ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(5ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、結晶成長抑制剤としてHMDS(0.3ミリモル)、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、InNで構成されるコアシェル型量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させてコアシェル型量子ドット分散液を得た。大気中で励起光を照射し、表面酸化を行ったところ、InNコアのみの量子ドットと比較し蛍光強度の増大が見られた。なお、第2化合物は大気中の酸素であり、第2の温度は常温と言える。
(実験例12):InN/In
本実験例12は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用して、コア1をInN、シェル2をInで各々構成したコアシェル型量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.05g(1ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(5ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、結晶成長抑制剤としてHMDS(0.3ミリモル)、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、第2温度である260℃で加熱し、20分保持したのちに反応溶液を室温まで冷却した。なお、第2化合物は残留する硫黄供給源である。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、InNで構成されるコアシェル型量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させてコアシェル型量子ドット分散液を得た。
(実験例13):GaInN/GaInO
本実験例13は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用して、コア1をGaInN、シェル2をGaInOで各々構成したコアシェル型量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.015g(0.3ミリモル)及びヨウ化ガリウム0.032g(0.7ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(5ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、結晶成長抑制剤としてHMDS(0.3ミリモル)、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、GaInNで構成されるコアシェル型量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させてコアシェル型量子ドット分散液を得た。大気中で励起光を照射し、表面酸化を行ったところ、GaInNコアのみの量子ドットと比較し蛍光強度の増大が見られた。なお、第2化合物は大気中の酸素であり、第2の温度は常温と言える。
(実験例14):GaInN/GaInS
本実験例14は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用して、コア1をGaInN、シェル2をGaInSで各々構成したコアシェル型量子ドットの分散液の製造方法について説明する。
第1化合物としてヨウ化インジウム0.015g(0.3ミリモル)及びヨウ化ガリウム0.032g(0.7ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(5ミリモル)と、可溶化剤としてトリオクチルホスフィンオキシドを0.44g(1.14ミリモル)と、硫黄供給源としてドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、結晶成長抑制剤としてHMDS(0.3ミリモル)、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、第2温度である260℃で加熱し、20分保持したのちに反応溶液を室温まで冷却した。なお、第2化合物は残留する硫黄供給源である。
冷却された反応溶液にオレイン酸0.5mlとエタノール20mlを加え、反応溶液に残存する副生成物であるヨウ化ナトリウム、ナトリウムチオラートやオレイン酸ナトリウムを分散させ、GaInNで構成されるコアシェル型量子ドットを遠心分離により沈降させ、この工程を3回繰り返した。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させてコアシェル型量子ドット分散液を得た。
以下では、本発明について、さらに検討した実験例21〜25について説明する。
従来、金属窒化物QDの研究を妨げている、長い反応時間、金属インジウムの汚染、制御不可能な単一のナノ粒子サイズなど、いくつかの深刻な問題が存在していた。本発明者らは、これらの問題を解決するために、穏やかな条件(220℃、10分、0.15MPa)でInN量子ドットを効率的に合成する方法を開発した。後述する実験例21〜25にて、本発明者らが開発した方法について詳細に述べる。この方法によれば、合成したInNナノ結晶は金属インジウムで汚染されておらず、その平均直径は図17(c)に示すように約2〜6nmであり、有機溶媒中での長期間安定した分散を示している。さらに、この方法を用いて合成したGaInNおよびZnInNナノ粒子は、フォトルミネッセンス(PL)を示した。
<実験例21〜25において用いた溶液の準備>
化学物質:ヨウ化インジウム(99.99%)、ヨウ化ガリウム(99.99%)およびヨウ化亜鉛(99.99%)は、日本のKojundo Chemicalから購入した。
ナトリウムアミド(98%)およびオクタデカンチオール(98%、ODT)はSigma−Aldrichから購入した。
オレイルアミン(>50.0%、OLA)、トリオクチルホスフィンオキシド(> 95.0%、TOPO)、およびフェニルエーテル(>99%)は、日本のTCIから購入した。
ヘキサメチルジシラザン(>98%、HMDS)、オレイン酸(>85%、OA)、およびシクロヘキサン(99.5%)は、日本の関東化学から購入した。
蒸留後にOLAを使用した。他の化学物質はそれ以上精製せずに使用した。
(実験例21)OLA−InN 量子ドットの合成
以下では、OLA−InN 量子ドット(OLA−InN QDとも呼ぶ)の作製方法について述べる。本作製方法は、以前に報告された作製方法に従って、いくつかの修正を加えて合成された。
グローブボックス内の10mLバイアル中でヨウ化インジウム(0.05g、0.1mmol)、ナトリウムアミド(0.04g、1mmol)、およびOLA(0.1mL、0.03mmol)を1.5mLのフェニルエーテル(1.5mL)と混合した。
その後、バイアルを220℃(150℃/分)に加熱し、その温度に10分間保った後、室温(RT)に冷却した。
次に洗浄工程として、0.5mLのOAを加え、そして混合物を室温で撹拌して配位子を交換しそして過剰のナトリウムアミドを除去し、QDを20mLのエタノールで沈殿させ、6000rpmで3分間の遠心分離するまでの工程を、3回行うことにより、QDを集めた。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて、量子ドット分散液を得た。
(実験例22)TOPO−InN 量子ドットの合成
以下では、TOPO−InN 量子ドット(TOPO−InN QDとも呼ぶ)の作製方法について述べる。
0.03mmolのOLAに替えて0.5mL(0.11mmol)のTOPOを使用した点のみ、実験例21に記載した合成方法と異なる。他の点については、実験例21に記載した合成方法と同様にした。
(実験例23)TOPO/ODT−InN 量子ドットの合成
以下では、TOPO/ODT−InN 量子ドット(TOPO/ODT−InN QDとも呼ぶ)の作製方法について述べる。
0.03mmolのOLAに替えて0.5mL(0.11mmol)のTOPOおよび0.1mL(0.03mmol)のODTを使用した点のみ、実験例21に記載した合成方法と異なる。他の点については、実験例21に記載した合成方法と同様にした。
(実験例24)TOPO/ODT−GaInN 量子ドットの合成
以下では、TOPO/ODT− GaInN 量子ドット(TOPO/ODT−GaInN QDとも呼ぶ)の作製方法について述べる。
ヨウ化インジウム(0.025g、0.05mmol)、ヨウ化ガリウム(0.023g、0.05mmol)、ナトリウムアミド(0.04g、1mmol)、TOPO(0.5mL、0.11mmol)、ODT(0.1mL、0.03mmol)およびHMDS(グローブボックス内の10mLバイアル中で、0.062mL、0.03mmol)を1.5mLのフェニルエーテル(1.5mL)と混合した。
次いで、バイアルを220℃(150℃/分)に加熱し、その温度に10分間保った後、室温に冷却した。
精製工程は、実験例21(OLA−InN QD)に記載した合成方法と同様にした。
(実験例25)TOPO/ODT−ZnInN 量子ドットの合成
以下では、TOPO/ODT−ZnInN 量子ドット(TOPO/ODT−ZnInN QDとも呼ぶ)の作製方法について述べる。
ヨウ化インジウム(0.025g、0.05mmol)、ヨウ化亜鉛(0.016g、0.05mmol)、ナトリウムアミド(0.04g、1mmol)、TOPO(0.5mL、0.11mmol)、およびODT(0.1mL、0.03mmol)を混合した。
グローブボックス中の10mLバイアル中に1.5mLのフェニルエーテル(1.5mL)を加えた。
次いで、バイアルを220℃(150℃/分)に加熱し、その温度に10分間保った後、室温に冷却した。
精製工程は、実験例21(OLA−InN QD)に記載した合成方法と同様にした。
<特性評価[解析・測定]>
X線回折(XRD)パターンは、Cu KαX線源(λ= 1.5418Å)を備えたBruker D8 DISCOVERを使用することによって得た。
XRD分析用のサンプルは、シクロヘキサン中に分散させた精製QDをガラス基板上にドロップキャスティングすることによって調製した。
200kVで動作するJEOL JEM−ARM200F顕微鏡を使用して、透過型電子顕微鏡(TEM)および高角度環状暗視野走査TEM(STEM−HAADF)画像を得た。
TEMサンプルは、希釈したQDを炭素被覆200メッシュ銅グリッド上に滴下することによって調製した。
X線光電子分光法(XPS)スペクトルは、224.0eVの通過エネルギーおよび0.1eVのステップサイズを有するULVAC−PHI Quantera SXMを使用することによって得た。
全ての結合エネルギーは、C 1(284.6eV)を用いて較正した。
シクロヘキサン中に分散した量子ドット(QD)のUV−visスペクトルは、JASCO V−770 UV−vis−NIR分光光度計を使用して、1cmの光路長の石英キュベットで記録した。
シクロヘキサン中に分散されたQDのPLスペクトルは、大塚電子のMCPD−7000アレイ分光計(λexc=365nm)を用いて記録された。
<結果と考察>
図16(a)は、顕微鏡スライド上に調製されたInNナノ粒子の面外XRDパターンを示すグラフである。3種類の量子ドット(OLA−InN QD、TOPO−InN QD、およびTOPO/ODT−InN QD)のXRDパターンを並記してある。
以前の報告によれば、OLA−InN量子ドットのXRDパターンでは、インジウム金属に対応するピークが観察された[非特許文献4]。この観察結果は、おそらく、ナトリウムアミドの分解中に発生した電子によるInNの減少によるものである。
しかしながら、OLAの代わりにTOPOを配位子として使用すると、インジウム金属のXRDピークは消失した。TOPOを添加することにより、有機溶媒中のナトリウムアミドの分散能力が改善され、InNの粒子成長はより速くなる傾向があった。
TOPOとODTを共添加するとInN(002)の回折ピークがシャープになることが明らかになった。これはナトリウムアミドを取り囲む極性の高いTOPO分子が電子の分解や生成を防ぐためと考えられる。
図16(b)は、InN 量子ドット(QD)の懸濁液の写真である。図16(b)は、シクロヘキサン中における、OLA−InN QD(左図)、TOPO−InN QD(中図)、およびTOPO/ODT−InN QD(右図)の各分散を示している。
TOPO−InN QDの懸濁液は、OLA−InN QDとは対照的に凝集体を形成せず、そして1ヶ月以上にわたって有機溶媒中で安定な分散を示した。
TOPO/ODT−InN QDの懸濁液もまた、同様の均一分散を示した。
以上の結果より、合成中にインジウム金属の形成が抑制され、TOPOを添加することによってシクロヘキサン中での安定な分散が達成されることが分かった。
図17(a)は、OLA−InN QDのTEM像である。
図17(b)は、TOPO−InN QDのSTEM−HAADF画像である。
図17(c)は、TOPO/ODT−InN QDのSTEM−HAADF画像である。
図17(b)および図17(c)の挿入図は、QDのサイズ分布ヒストグラムおよび対応する標準偏差である。
図17(d)は、量子ドットの拡大TEM像である。
図17(e)は、TOPO/ODT−InN QDの拡大TEM画像である。
図17(a)は、20〜40nmのサイズの球状粒子としてインジウム金属が形成されたことを示している。これは、インジウム金属のXRDピークの起源であると推定された。
図17(b)は、TOPO−InN QDは、2〜3個の粒子を含む凝集体の形態であり、それらの平均直径は4.3nmであり、標準偏差は約38%であった。
図17(a)で観察されたインジウム金属の粒子は、図17(b)では同定されなかった。これにより、TOPOの添加により、インジウム金属は量子ドット(QD)を汚染しなかったことが分かった。
図17(c)は、TOPO/ODT−InN QDの平均直径が2.9nmであり、標準偏差が約45%であることを示している。
一般に、チオールベースの配位子は金属に非常に強く結合する。
したがって、粒径は、ODTを添加することによって、分散を含め、小さくなるように制御された。
粒子は凝集しているように思われるが、それらがTEM用の試料調製中にまたは合成時に凝集したかどうかは明らかではない。
これは、InN量子ドットのインジウム金属への分解抑制と、励起子ボーア半径以下の粒子径制御を同時に達成した最初の報告である。
さらに、図17(d)および図17(e)は、InNの(100)格子縞に対応する、0.31nmの格子定数を有するTOPO−InNおよびTOPO/ODT−InN QDの結晶度を示す。
図18(a)は、バックグラウンドを除去した後に、N1sスペクトルをVoigt関数を用いてフィットさせたグラフである。
図18(b)は、バックグラウンドを除去した後に、In3d5/2スペクトルを関数を用いてフィットさせたグラフである。
図18(a)に示したN 1s光電子エネルギー領域図では、ピークは2つの成分に分けられた。
図19は、N1sスペクトル及びIn3d5/2スペクトルに関するPeekとFWHMを示す一覧表である。
以前の研究(図19)に基づいて、395.9eVのピークはN−In結合のNに割り当てられ、397.3eVのピークは欠陥に関連するNに割り当てられた。
これらのピークの起源は、InNナノ結晶およびナノ粒子表面上の欠陥であると同定された。
これに対して、図18(b)に示したIn3d5/2の場合は、444.0eV付近のピークはIn−N結合のInに帰属し、445.0eVのピークはIn−O結合のInに帰属した。
In−N結合はInN結晶に由来し、In−O結合は表面のOA配位に由来すると考えられる。
一方、In−In結合に帰属することができる443.5eVでのピークは観察されず、インジウム金属が量子ドット(QD)の副産物として形成されなかったことを示唆している。
さらに、XPSワイドスキャン測定の結果に基づいて、ナトリウム汚染の量は驚くべきことに検出限界未満(<0.1%)であることが分かった。
図20(a)は、OLA−InN量子ドット、TOPO−InN量子ドット、およびTOPO/ODT−InN量子ドットのUV−visスペクトルを示すグラフである。
図20(b)は、量子ドットの光吸収スペクトルを示すグラフである。
図20(a)は、紫外可視分光測定の結果である。
OLA−InN QDは、全波長範囲にわたって金属吸収を示した。これに対して、TOPO−InN QDおよびTOPO/ODT−InN QDは、800nm未満で選択的吸収を示した。
特に、吸収開始波長は、ODTを添加することによって約50nmで青方偏移(blue shift)することが観察された。
1200nm付近のピークは、シクロヘキサンの強い吸収によって引き起こされる実験的なアーチファクトである。
図20(b)は、光吸収スペクトルを示す。
直接バンド間遷移の光学的エネルギーギャップ(E)と吸収係数(α)は、次の式(1)により関連付けられる[非特許文献4、5]。
ここで、吸収端に対する光学的バンドギャップEgは、図20(b)のグラフにおいて、横軸[Photon Energy(hν)]に対する縦軸[(αhν)]のプロットにおける線形部分を、α= 0に外挿することによって得ることができる。
TOPO−InN QD(図21ではSample bと呼ぶ)およびTOPO/ODT−InN QD(図21ではSample cと呼ぶ)のEg値は、それぞれ約1.66eVおよび約1.77eVであると推定された(図21)。なお、図21では、金属(Metallic)の場合をSample aと呼ぶ。
これは、ODTを添加すると、QDの平均直径が4.3nmから2.9nmに変化し、その結果、量子サイズ効果のためにより大きなエネルギーギャップが生じるためである。
したがって、量子ドットは、赤色蛍光体および太陽電池における光電変換材料としての使用に適している可能性がある。
図22(a)は、TOPO−InN QDおよびTOPO/ODT−InN QDのPLおよび吸収スペクトルである。
図22(b)は、TOPO/ODT−GaInN QDおよびTOPO/ODT−ZnInN QDのPLおよび吸収スペクトルである。
図23は、GaInN量子ドット(QD)とZnInN量子ドットにおけるPLピークとFWHMを示す一覧表である。
HMDSを使用せず合成されたTOPO−InN QDおよびTOPO/ODT−InN QDは蛍光を示さなかった[図22(a)]。
その理由は、ナノ粒子表面に存在する欠陥が励起子の非放射再結合を引き起こしたからである。
コア/シェル構造を形成することによって、表面欠陥をカバーすることができ、コア内の励起子再結合の可能性が高まることが報告されている[非特許文献6]。
新しく開発されたInN量子ドットの合成法は、GaInN量子ドットとZnInN量子ドットの混晶にも適用され、それらのPLスペクトルは図22(b)に示される。
GaInN量子ドット(QD)のPLピークは576nmであり、半値全幅(FWHM)は195nmであった[図22(a)、図23]。GaInN量子ドット(QD)のPLスペクトルの例はこれまでにないため、発光のメカニズムを明確にすることは困難であるが、HMDSの添加により発光強度が増加することが分かった。
ZnInN量子ドットの場合、Plピークは579nm、FWHMは134nmであった[図22(b)、図23]。
Zn量子ドット(QD)の合成と光学的性質は以前に報告されている[非特許文献7]。
本発明の合成方法は異なるが、混晶としての窒化亜鉛含有InNは先の研究で報告されたものと同じであると考えられる。
上述したように、発光窒化物量子ドットは、本発明の合成方法(第一発明、第二発明)を用いることにより安定して製造できることが確認された。
<結論>
本発明者らは、原料にTOPOおよびODT配位子を共添加することにより、InNの分解を防ぎ、短い反応時間を達成することができる合成方法を開発した。
得られたナノ結晶は、XRDピークからInNとして同定され、およびシクロヘキサン中での安定な分散を示した。
さらに、以前報告された方法を使用して得られたものとは対照的に、結晶サイズは大きな不純物を含まず2〜6nmに制御された。
XPS測定は主にIn−N結合の存在を示し、In−In結合は観察されなかった。
また、InN量子ドットは特定の波長を吸収し、そのバンドギャップは光吸収スペクトルから1.66eV〜1.77eVと見積もられた。
また、本発明の方法で合成したGaInN量子ドットおよびZnInN量子ドットは、PLを示した。
本発明の方法(第一発明、第二発明)は、より堅牢で様々なオプトエレクトロニクス用途において高性能を示す新しいタイプの量子ドット(QD)を製造するために貢献する。
本発明は、安定性(堅牢性)と蛍光特性(発光性)を兼ね備えた、コアシェル型量子ドット分散液の製造方法及び量子ドット分散液の製造方法の提供に貢献する。ゆえに、本発明は、量子ドットの量産化を図る場合に、広く適用することができる。
QD 量子ドット、1 コア、10 結晶核、2 シェル、3 分散剤、4 パッシベーション層、Ld 分散媒(溶媒)。

Claims (21)

  1. 所定のバンドギャップを有する半導体微粒子で構成されるコアと、該コアの表面を被覆する、該コアより大きいバンドギャップを有する半導体で構成されるシェルとを備え、
    前記コアが金属窒化物から構成され、前記シェルがZnSから構成されており、励起光の連続照射により蛍光を発光するコアシェル型量子ドットを分散媒中に分散させてなる、コアシェル型量子ドット分散液の製造方法であって、
    コアの原料である金属を含有する第1化合物と、該第1化合物に含有される金属を窒化するための窒素供給源として機能する金属アミドと、副生成物を溶媒に分散させる可溶化剤と、溶媒とを混合して反応溶液を調製する工程と、
    前記反応溶液を所定の第1温度に加熱し、前記第1化合物と前記金属アミドとの加熱反応によりコアを合成し、加熱反応により生成される副生成物を前記可溶化剤により前記溶媒に分散させる工程と、
    コア合成後の反応溶液にシェルの原料である亜鉛を含有する第2化合物とこの第2化合物に含有される亜鉛を硫化するための硫黄供給源とを含ませ、これら第2化合物及び硫黄供給源を含ませた反応溶液を所定の第2温度に加熱し、前記第2化合物と前記硫黄供給源との加熱反応により生成されるZnS膜からなるシェルで前記コアを覆いコアシェル型量子ドットを形成する工程と、
    前記第2化合物と前記硫黄供給源との加熱反応後の反応溶液からコアシェル型量子ドットを抽出して前記分散媒中に分散させる工程と、
    を含み、
    前記反応溶液を調製する工程において、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤をさらに混合する
    ことを特徴とするコアシェル型量子ドッド分散液の製造方法。
  2. 前記反応溶液を調製する工程に先立ち、結晶核の原料を混合し、この混合された原料を所定の第3温度に加熱して結晶核を合成する工程をさらに含み、
    前記反応溶液を調製する工程にて前記結晶核をさらに混合することを特徴とする請求項1に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  3. 前記第2化合物と前記硫黄供給源との加熱反応後の反応溶液に、パッシべーション層の原料を加え、このパッシベーション層の原料が加えられた反応溶液を所定の第4温度に加熱し、前記シェルの表面を前記パッシベーション層で覆う工程をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  4. 前記結晶核の原料として、ZnO、ZnS、ZnSe、InN、GaInN、GaN、AlN、AlInN、ZnMgO、InP、GaP、AlP、Zn、Cd、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、ZnSiN、LiGaO、LiAlO、NaGaO、NaAlO、CuGaO、及びAgAlOから選択される少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項2に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  5. 前記パッシべーション層の原料として、ZnS、ZnSe、ZnO、ZnSO、ZnSSe、ZnSeO、MgO、InN、GaN、AlN、In、Ga、Al、SiO、SiNO、LiInO、LiGaO、LiAlO、NaGaO、NaAlO、CuGaO、AgAlO、AgGaO、及びAgInOから選択される少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項3に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  6. 前記可溶化剤として、トリオクチルホスフィン、トリアルキルホスフィンオキシド類、トリアルキルホスフィンスルフィド類、トリアルキルホスフィンセレニド類、トリアルキルイミノホスホラン類、モノリン酸エステル類、ジリン酸エステル類、トリリン酸エステル類、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド及びN,N’−ジメチルプロピレン尿素から選択された少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  7. 前記反応溶液を調製する工程において、電子受容体を更に混合することを特徴とする請求項1に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  8. 前記電子受容体として、窒化する金属の酸化還元電位よりも貴な方向となる位置に酸化還元電位を持つヨードホスフィン、ハロゲン、超原子価ヨウ素試薬類、ヨウ素化剤、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−クロロこはく酸イミド、N−プロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、ニトロキシルラジカル、硫黄、アルキルチオール、アルキルジスルフィド、アルキルトリスルフィド、テトラシアノキノジメタン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン及びクラウンエーテルから選択された少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項7に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  9. 前記反応溶液を調製する工程において、前記コアシェル型量子ドットを覆う分散剤をさらに混合することを特徴とする請求項1に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  10. 前記分散剤として、アルキルカルボン酸類、モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、トリアルキルホスフィン類、アルキルエステル類、アルキルチオール類、スルフィド類、トリカプリル酸グリセリン、アルキルニトリル類及びステアリン酸無水物から選択された少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項9に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  11. 前記コアシェル型量子ドットを合成した後、酸解離定数が4.5より大きく、官能基の末端に水素を有する物質を反応溶液に添加し、反応溶液に残存する金属を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  12. 前記物質として、オレイン酸又はドデカンチオールを用いることを特徴とする請求項11に記載のコアシェル型量子ドット分散液の製造方法。
  13. 所定のバンドギャップを有する半導体微粒子で構成されるコアが金属窒化物から構成され、励起光の連続照射により蛍光を発光する量子ドットを分散媒中に分散させてなる、量子ドット分散液の製造方法であって、
    コアの原料である金属を含有する第1化合物と、該第1化合物に含有される金属を窒化するための窒素供給源として機能する金属アミドと、副生成物を溶媒に分散させる可溶化剤と、溶媒を混合して反応溶液を調製する工程と、
    前記反応溶液を所定の第1温度に加熱し、前記第1化合物と前記金属アミドとの加熱反応によりコアを合成し、加熱反応により生成される副生成物を前記可溶化剤により前記溶媒に分散させる工程と、
    加熱反応後の反応溶液から量子ドットを抽出して前記分散媒中に分散させる工程と、
    を含み、
    前記反応溶液を調製する工程において、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤をさらに混合する
    ことを特徴とする量子ドッド分散液の製造方法。
  14. 前記反応溶液を調製する工程に先立ち、結晶核の原料を混合し、この混合された原料を所定の第3温度に加熱して結晶核を合成する工程をさらに含み、
    前記反応溶液を調製する工程にて前記結晶核をさらに混合することを特徴とする請求項13に記載の量子ドット分散液の製造方法。
  15. 前記結晶核の原料として、InN、GaInNから選択される少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項14に記載の量子ドット分散液の製造方法。
  16. 前記可溶化剤として、トリオクチルホスフィン、トリアルキルホスフィンオキシド類、トリアルキルホスフィンスルフィド類、トリアルキルホスフィンセレニド類、トリアルキルイミノホスホラン類、モノリン酸エステル類、ジリン酸エステル類、トリリン酸エステル類、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド及びN,N’−ジメチルプロピレン尿素から選択された少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項13に記載の量子ドット分散液の製造方法。
  17. 前記反応溶液を調製する工程において、前記コアシェル型量子ドットを覆う分散剤をさらに混合することを特徴とする請求項13に記載の量子ドット分散液の製造方法。
  18. 前記分散剤として、アルキルカルボン酸類、モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、トリアルキルホスフィン類、アルキルエステル類、アルキルチオール類、スルフィド類、トリカプリル酸グリセリン、アルキルニトリル類及びステアリン酸無水物から選択された少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項17に記載の量子ドット分散液の製造方法。
  19. 前記分散剤として、オクタデカンチオールを用いることを特徴とする請求項17に記載の量子ドット分散液の製造方法。
  20. 前記コアシェル型量子ドットを合成した後、酸解離定数が4.5より大きく、官能基の末端に水素を有する物質を反応溶液に添加し、反応溶液に残存する金属を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項13乃至19のいずれか一項に記載の量子ドット分散液の製造方法。
  21. 前記物質として、オレイン酸又はドデカンチオールを用いることを特徴とする請求項20に記載の量子ドット分散液の製造方法。
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