JP2016195682A - 電気かみそり - Google Patents

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Abstract

【課題】振動発生時の摩擦抵抗を軽減しながら内刃を振動させて、ひげ切断を効果的に行うことができる電気かみそりを提供する。【解決手段】グリップを兼ねる本体ケース1とかみそりヘッド2を有し、かみそりヘッド2にモーター動力で駆動される切断刃7と、切断刃7に振動を付与する起振体170を設ける。起振体170はその一部が切断刃7の摺接面7Aと摺接して、起振体170と摺接面7Aの摺接抵抗に伴う弾性変形と、自己の弾性力による変形解除動作によって振動できるように設ける。起振体170は、その一端に設けた固定部171と、固定部171から延びる中間腕172と、中間腕172の端部に設けられて摺接面7Aに圧接する摺接部173などで帯状に形成する。切断刃7に起振体170の振動を伝えてひげ切断を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、かみそりヘッドに設けた切断刃を振動させる起振構造を備えている電気かみそりに関する。
この種の電気かみそりは、例えば本出願人の提案に係る特許文献1に公知である。そこでは、ロータリー式の内刃の両側面に設けた半球状の微小突起と、微小突起と正対する軸受壁に設けたガイドピンとで起振機構を構成している。微小突起は周方向へ一定間隔おきに配置してあり、片方の微小突起が対応するガイドピンを乗り越えるとき、内刃はガイドピンから遠ざかる向きに右移動し、他方の微小突起が対応するガイドピンを乗り越えるとき、内刃はガイドピンから遠ざかる向きに左移動する。このように、内刃を回転駆動しながら左右移動させることにより、内刃に引切り作用を発揮させて切れ味を向上している。
特開2006−81710号公報(段落番号0027、図1)
特許文献1の電気かみそりにおいては、回転する微小突起をガイドピンで相対的に押出し操作して、内刃を機械的かつ強制的に左右移動させている。こうした起振機構では、微小突起とガイドピンの間に大きな摩擦抵抗が生じるため、比較的早期にガイドピンや微小突起が摩耗しやすく、徐々に内刃の左右方向の移動ストロークが小さくなって、引切り効果が薄れやすい。起振機構を備えていない電気かみそりに比べて、起振機構の回転抵抗の分だけ消費電力量が増加し、微小突起がガイドピンに衝突するときの叩打音が連続して発生する不具合もある。
本発明の目的は、振動発生時の摩擦抵抗を軽減しながら内刃を振動させて、ひげ切断を効果的に行うことができる電気かみそりを提供することにある。
本発明に係る電気かみそりは、グリップを兼ねる本体ケース1とかみそりヘッド2を有し、かみそりヘッド2にモーター動力で駆動される切断刃7と、切断刃7に振動を付与する起振体170が設けてある。起振体170はその一部が切断刃7の摺接面7Aと摺接して、起振体170と摺接面7Aの摺接抵抗に伴う弾性変形と、自己の弾性力による変形解除動作によって振動できるように設ける。切断刃7に起振体170の振動を伝えてひげ切断を行うことを特徴とする。
起振体170は、その一端に設けた固定部171と、固定部171から延びる中間腕172と、中間腕172の端部に設けられて摺接面7Aに圧接する摺接部173を含んで帯状に形成する。固定部171は切断刃7に臨む装着壁153に固定する。
固定部171と摺接部173を最短距離で結ぶ仮想中心線を想定するとき、中間腕172の中途部を仮想中心線から離れた位置を経由して非直線状に形成する。例えば、図1に示すように中間腕172を湾曲状に形成し、あるいは図28に示すように山谷状に形成する。
かみそりヘッド2にロータリー式の内刃7と外刃8を配置する。内刃7の側端面に設けた摺接面7Aに起振体170の摺接部173を圧接する。
内刃7の内刃軸7aの一端を、内刃ホルダー9で軸支する(図7参照)。起振体170の固定部171を内刃ホルダー9に固定する。
図15に示すように内刃ホルダー9は、内刃軸7aを軸支するホルダー枠151と、ホルダー枠151の外側面を覆う枠カバー152を備えている。ホルダー枠151の枠カバー152との対向面に沿って、起振体170の固定部171と中間腕172を配置する。
内刃7の側端面と正対するホルダー枠151の壁面に摺接口163を形成する。起振体170の摺接部173は摺接口163を介して内刃7の側端面に設けた摺接面7Aに圧接させる。
起振体170の中間腕172を、内刃7の内刃軸7aと同心の同心円に沿って湾曲状に形成する。
起振体170の摺接部173は、中間腕172に連続して内刃7の側端面に向かって折曲げられる摺接腕180と、摺接腕180の先端寄りをV字状に折曲げて形成される摺接爪181を備えている(図17参照)。摺接爪181を内刃7の側端面の摺接面7Aに圧接する。
起振体170の固定部171と摺接部173を、内刃軸7aを間にして対向する状態で、内刃軸7aを通る内刃7の直径線上に配置する。起振体170の摺接部173は、固定部171より内刃7の回転方向上手側に配置する。
起振体170の摺接部173は、内刃7の側端面に設けた端部壁7bの周縁寄りに圧接する。
起振体170の固定部171に回止め片174を折起こし形成する。回止め片174をホルダー枠151の横枠部154に接合して、起振体170を回動不能に保持固定する(図1参照)。
起振体170の固定部171の周縁に回止め凹部176を形成する。回止め凹部176をホルダー枠151の回止め突起165に係合して、起振体170を回動不能に保持固定する。
起振体170と切断刃7の摺接面7Aの間に、叩打音の音圧レベルを緩和する緩衝シート182を配置する。
内刃7の内刃軸7aの一端は内刃ホルダー9で軸支されており、緩衝シート182は円形に形成し、その中央に内刃軸7aに外嵌する挿通穴183を形成する。
起振体170の固定部171に連続して、中間腕172と摺接部173を一体に設ける。図20に示すように、摺接部173は内刃7の内刃軸7aの周面の摺接面7Aに圧接する。
かみそりヘッド2に回転動力を切断刃7に伝動する駆動部T2を設ける。駆動部T2の終段駆動体111に内刃軸7aの一端を係合連結して、終段駆動体111の回転動力を内刃7に伝動する。図7に示すように、内刃ホルダー9は、かみそりヘッド2に設けたヘッドブロック28に着脱自在に装着する。内刃軸7aの他端と起振体170を内刃ホルダー9に装着する。これにより、内刃7および起振体170をヘッドブロック28に対して内刃ホルダー9と共に着脱できるようにする。
駆動部T2の終段駆動体111を軸受体57で回転自在に軸支する。内刃軸7aと終段駆動体111を連結する軸継手を、内刃軸7aに設けた継手軸部116と、終段駆動体111の内部に設けた継手穴部118で構成する(図13参照)。継手軸部116と継手穴部118は、終段駆動体111の噛合い周面に対応する内部中央において係合する。噛合い周面とは、動力伝動要素がタイミングベルトである場合には、同ベルトと噛合う終段駆動体111のプーリーギヤが形成してある周面を意味し、動力伝動要素がギヤである場合には、ギヤと噛合う終段駆動体111のギヤ形成周面を意味する。
終段駆動体111の内部に、内刃軸7aを軸支する軸受穴117と継手穴部118を形成する。軸受穴117の開口端側に、内刃軸7aの軸端を軸受穴117へ向かって係合案内する導入ガイド穴119をテーパー状に形成する。
ヘッドブロック28は上部枠35を備えている。内刃ホルダー9と上部枠35の間に、内刃7および内刃ホルダー9が終段駆動体111から遠ざかる向きへ移動するのを阻止する内刃ロック構造を設ける(図5参照)。
内刃ホルダー9とヘッドブロック28との間に、内刃7を片持ち支持した状態の内刃ホルダー9をスライド装着する内刃係合構造を設ける。内刃係合構造は、上部枠35の上面に設けた前後一対の支持枠122と、支持枠122の対向面に形成した枠支持体123と、内刃7の下方に配置されて内刃ホルダー9から内刃軸7aと平行に突設される連結体124を備えている。支持枠122の一側から差込んだ連結体124を枠支持体123に係合して、内刃ホルダー9を上部枠35と一体化する。内刃ホルダー9から連結体124の突端までの寸法Lを、内刃ホルダー9から内刃軸7aの継手軸部116の突端までの寸法L1より小さく設定する(図7参照)。
内刃ホルダー9から連結体124の突端までの寸法Lを、内刃7の切断刃面の左右長さL2より小さく設定する。
図11に示すように回転動力を切断刃7に伝動する駆動部T2は、駆動プーリー110と、従動プーリー111と、これら両プーリー110・111に巻掛けたベルト112と、両プーリー110・111の外面に配置されてベルト112の左右方向の揺れを規制する規制プレート113で構成する。
規制プレート113にプーリー受壁140を設ける。駆動プーリー110と従動プーリー111の少なくとも一方の外側面をプーリー受壁140で受止める。
規制プレート113の上下にプーリー受壁140を設ける。駆動プーリー110および従動プーリー111の外側面を受止めるプーリー受壁140の中央に放熱穴142を開口する。
図12に示すように、ヘッドブロック28の一側に固定したサイドフレーム30は、フレーム枠30aと枠カバー30bで構成する。フレーム枠30aの外側面に配置した巻掛け伝動機構の側外方を枠カバー30bで覆う。放熱穴142と正対する枠カバー30bの壁面に、放熱穴146を形成する。
シート状の外刃8の前後縁を外刃枠61に固定する。外刃8は外刃枠61を介して外刃ホルダー31で上下フロート可能に支持する。外刃枠61の両側端と外刃ホルダー31の間に、外刃8を内刃7に密着させる外刃ばね62を配置する。
図18および図19に示すように、外刃ホルダー31の内面両側と外刃枠61の両側に設けた上下対向状のばね受体194・196の間に、圧縮コイル形の外刃ばね62を配置する。外刃枠61の両側に、外刃ホルダー31のばね受体196で受止められるストッパー195を設ける。
外刃枠61の両側に左右方向へ弾性変形可能な門形のストッパー腕192を設ける。ストッパー腕192の遊端にストッパー195を設ける。
外刃ホルダー31のばね受体196が、門形のストッパー腕192の内部空間に係合して、外刃枠61を上下スライド可能にガイドする。
本発明に係る電気かみそりにおいては、かみそりヘッド2に切断刃7と起振体170を設けるようにした。また、起振体170はその一部が切断刃7の摺接面7Aと摺接して、起振体170と切断刃7の摺接抵抗に伴う弾性変形と、自己の弾性力による変形解除動作によって振動できるようにした。このように、起振体170と摺接面7Aの間の摺接抵抗と自己の弾性力の作用で起振体170を振動させると、切断刃7を機械的かつ強制的に左右移動させていた従来の起振構造に比べて、振動発生時の摩擦抵抗を著しく軽減しながら内刃7を振動させることができ、経年劣化も殆んど考慮する必要がない。起振体170から付与された振動で、切断刃7を強制的に振動させながらひげ切断を行えるので、単に切断刃7のせん断作用のみでひげ切断を行う場合に比べて、切断刃7の切刃部分の動きを複合的なものとして、ひげ切断を効果的に行うことができる。切断刃7に付与される起振体170の振動方向によっては、切断刃7が引切り効果を発揮しながら効果的にひげ切断を行える。
固定部171および中間腕172と、摺接面7Aに圧接する摺接部173を含んで起振体170を帯状に形成し、固定部171を切断刃7に臨む装着壁153に固定する起振構造によれば、起振体170を装着壁153に確りと固定した状態で摺接部173および中間腕172を振動できるので、切断刃7により強いエネルギーの振動を付与できる。また、より強いエネルギーの振動を付与できる分だけ、起振体170を小形化しコンパクト化できる。
中間腕172の中途部を、固定部171と摺接部173を最短距離で結ぶ仮想中心線から離れた位置を経由して非直線状に形成する起振体170によれば、固定部171と中間腕172と摺接部173の合計長さを大きくして、起振体170を振動しやすくできる。また、固定部171から中間腕172を経由して摺接部173に至る合計長さが大きい分だけ振動する部分の総重量を大きくして、より強い振動を切断刃7に付与できる。
かみそりヘッド2にロータリー式の内刃7と外刃8を配置し、内刃7の側端面に設けた摺接面7Aに起振体170の摺接部173を圧接する起振構造によれば、内刃7を内刃軸7aの軸心方向に振動させながらひげ切断を行える。こうした切断形態では、内刃7が引切り作用を発揮しながらひげ切断を行うので、単に内刃7のせん断作用のみでひげ切断を行う場合に比べて、ひげ切断時の切れ味を向上して、さらに効果的にひげ切断を行える。
起振体170の固定部171を、内刃7の内刃軸7aの一端を軸支する内刃ホルダー9に固定すると、起振体170の構造および固定構造を簡素化できる。また、内刃7に臨む内刃ホルダー9に起振体170を組めばよいので、起振体170の配置位置や配置形状を自由に選択でき、組立も簡便に行える。
ホルダー枠151と枠カバー152で内刃ホルダー9を構成し、ホルダー枠151に起振体170の固定部171と中間腕172を配置すると、起振体170をホルダー枠151に組み付けた後で内刃7とホルダー枠151を組めばよいので、起振体170の組立てを容易にしかも的確に行える。
ホルダー枠151の壁面に摺接口163を形成し、起振体170の摺接部173を摺接口163から内刃7の側面に臨ませて摺接面7Aに圧接させると、摺接口163およびホルダー枠151内の空間を利用して起振体170を配置できるので、起振構造をコンパクトに配置できる。また、ホルダー枠151の縦壁153の厚み分だけ摺接部173の長さを大きくして、摺接部173を効果的に振動させることができる。
起振体170の中間腕172を湾曲状に形成すると、内刃軸7aの周囲の空間を利用して、固定部171から中間腕172を経由して摺接部173に至る合計長さを大きくすることができる。また、起振構造の固定部171および中間腕172を、ホルダー枠151の内部スペースを利用して無駄なく配置できる。
摺接腕180とV字状に折曲げられる摺接爪181で起振体170の摺接部173を形成し、摺接爪181を摺接面7Aに圧接する起振構造によれば、摺接爪181と摺接面7Aの摺接抵抗に伴う、摺接部173と中間腕172の振動を促進し、常に安定した状態で内刃7に振動を付与できる。
固定部171と摺接部173を、内刃軸7aを間にして対向する状態で、内刃軸7aを通る内刃7の直径線上で、固定部171より内刃7の回転方向上手側に配置すると、固定部171と摺接部173の距離を大きくして、摺接部173を効果的に振動させることができる。また、起振体170は内刃7の駆動方向へ弾性変形するが、その時の応力を摺接部173の対向位置にある固定部171で受止めるので、より小さな摺接摩擦で摺接部173を効果的に振動させることができる。因みに、固定部171が摺接部173の近傍にある場合には、摺接部173と摺接面7Aの圧接圧力を大きくして振動させる必要があり、摺接部173または摺接面7Aが早期に摩耗しやすい。
起振体170の摺接部173を内刃7の端部壁7bの周縁寄りに圧接すると、摺接部173を周速度が大きな摺接面7Aと圧接できるので、摺接部173をさらに効果的に振動させることができる。
固定部171に形成した回止め片174をホルダー枠151の横枠部154に接合して、起振体170を回動不能に保持固定すると、摺接部173が弾性変形するときに固定部171に作用するモーメントを横枠部154で受止めて、固定部171を確りと固定できる。また、ホルダー枠151の横枠部154で回止め片174を受止めるので、回止め片174を受止めるための構造をホルダー枠151に設ける必要がなく、回止め構造を簡素化できる。
固定部171の周縁に形成した回止め凹部176をホルダー枠151の回止め突起165に係合して、起振体170を回動不能に保持固定すると、ホルダー枠151に仮組した状態の起振体170を位置決めできるので、起振体170のホルダー枠151に対する固定を的確に行える。また、摺接部173および中間腕172が弾性変形し、あるいは自己の弾性力で変形を解除するとき、起振体170が運動慣性力を受けてぐら付くのを、回止め凹部176と回止め突起165で規制して、安定した状態で起振体170を振動させることができる。
起振体170と切断刃7の摺接面7Aの間に緩衝シート182を配置するのは、摺接部173および中間腕172が弾性変形し、あるいは自己の弾性力で変形を解除するときの衝撃を緩和して叩打音の音圧レベルを緩和し、起振構造備えている電気かみそりの静音性を向上するためである。
内刃7の内刃軸7aの一端が内刃ホルダー9で軸支してある電気かみそりにおいて、シート形状を円形に形成し、その中央に挿通穴183を形成した緩衝シート182によれば、挿通穴183を内刃軸7aに挿通するだけで、組付け方向や、組付け後の位置などに注意を払う必要もなく、緩衝シート182を簡便に内刃7に組むことができる。
中間腕172と摺接部173を固定部171と一体に設け、摺接部173を内刃軸7aの周面の摺接面7Aに圧接する起振構造によれば、摺接部173と摺接面7Aの摺接摩擦を小さくして、安定した状態で起振体170を振動させることができる。
内刃ホルダー9をヘッドブロック28に着脱自在に装着し、内刃軸7aの他端と起振体170を内刃ホルダー9に装着する電気かみそりによれば、内刃7および起振体170をヘッドブロック28に対して内刃ホルダー9と共に着脱できるので、内刃7を交換する際に起振体170も同時に交換できる。また、内刃軸7aの他端を支持する内刃ホルダー9に起振体170を設けるので、内刃7の摺接面7Aと起振体170を高い精度で摺接させて、安定した状態で起振体170を振動させることができる。
駆動部T2の終段駆動体111を軸受体57で回転自在に軸支し、内刃軸7aと終段駆動体111を、継手軸部116と継手穴部118とからなる軸継手で連結すると、終段駆動体111の回転中心を軸受体57で正確に規定できるので、内刃7が回転駆動されるときの捩じれ応力を低減できる。また、継手軸部116と継手穴部118を、終段駆動体111の噛合い周面に対応する内部中央において係合することにより、終段駆動体111の強度を内刃軸7aで補強して、終段駆動体111と内刃軸7aの動力伝構造の構造強度を増強できる。
終段駆動体111の内部に軸受穴117と継手穴部118を形成し、軸受穴117の開口端側にテーパー状の導入ガイド穴119を形成すると、軸端を導入ガイド穴119にあてがった状態で内刃軸7aを差込み操作することにより、軸端を軸受穴117へ向かって係合案内できるので、内刃7の終段駆動体111に対する組立を簡便に行うことができる。
内刃ホルダー9とヘッドブロック28の上部枠35の間に内刃ロック構造を設けると、落下衝撃が作用するような場合であっても、内刃7および内刃ホルダー9が終段駆動体111から分離するのを確実に防止して電気かみそりの信頼性を向上できる。内刃7の回転駆動時に、内刃ホルダー9が内刃7の軸寸方向へ移動するのを確実に防止して、終段駆動体111から内刃7への動力伝動を確実に行える。
ヘッドブロック28に設けた一対の支持枠122と、支持枠122に形成した枠支持体123と、内刃7の下方に配置した連結体124などで内刃係合構造を構成すると、支持枠122の一側から差込んだ連結体124を枠支持体123に係合して、内刃ホルダー9をヘッドブロック28と一体化できる。また、連結体124と枠支持体123が係合することで、内刃ホルダー9を位置決めし固定できるので、片持ち支持された内刃7を内刃ホルダー9で適正に回転支持できる。内刃ホルダー9から連結体124の突端までの寸法Lを、内刃ホルダー9から内刃軸7aの継手軸部116の突端までの寸法L1より小さく設定するのは、内刃交換を容易化するためである。詳しくは、新規な内刃7の内刃軸7aを終段駆動体111に連結するとき、連結体124を枠支持体123に仮係合しながら、内刃軸7aを終段駆動体111の導入ガイド穴119から軸受穴117内へ差込み連結できるので、内刃交換を容易にしかも確実に行える。
内刃ホルダー9から連結体124の突端までの寸法Lを、内刃7の切断刃面の左右長さL2より小さく設定するのは、片持ち支持された内刃7がぐら付いて連結体124に接当するのを防ぐためである。こうした、内刃係合構造によれば、内刃7の組付け時に継手軸部116の側がぐら付いたとしても、内刃7の切断刃面が連結体124に接当して刃面が傷つくのを解消できる。
駆動プーリー110と、従動プーリー111と、これら両プーリー110・111に巻掛けたベルト112と、ベルト112の左右方向の揺れを規制する規制プレート113で構成した駆動部T2によれば、動力伝動時におけるベルト112の直線移行部の左右方向の揺れを規制プレート113で規制して、巻掛け伝動機構の伝動効率を向上できる。また、ひげ切断時の切断負荷が大きい場合でも、従動プーリー111および内刃7を円滑に回転駆動して、ひげ切断を効果的に行うことができる。ベルト112を伝動要素にして回転動力を従動プーリー111に伝動するので、ギヤを伝動要素とする場合に比べて、伝動騒音を小さくして静音化できる。
規制プレート113にプーリー受壁140を設け、駆動プーリー110と従動プーリー111の少なくとも一方の外側面をプーリー受壁140で受止めると、駆動プーリー110または従動プーリー111の軸方向の移動を規制して、巻掛け伝動機構の伝動効率をさらに向上できる。
規制プレート113の上下にプーリー受壁140を設け、駆動プーリー110および従動プーリー111の外側面を受止めるプーリー受壁140の中央に放熱穴142を開口すると、プーリー受壁140と各プーリー110・111の間で生じた摩擦熱を、放熱穴142から効率よく放出して、各プーリー110・111が過熱状態に陥るのを防止できる。
フレーム枠30aと枠カバー30bでサイドフレーム30を構成する電気かみそりにおいて、放熱穴142と正対する枠カバー30bの壁面に放熱穴146を形成すると、放熱穴142から放出された摩擦熱を、放熱穴146を介して枠カバー30bの外へ放出できる。そのため、プーリー受壁140の周辺部分に熱がこもるのを解消して、各プーリー110・111が過熱されるのをさらに確実に防止できる。
外刃8の前後縁に固定した外刃枠61を外刃ホルダー31で上下フロート可能に支持し、外刃枠61の両側端と外刃ホルダー31の間に外刃ばね62を配置すると、外刃8を内刃7に常に密着できる。また、外刃8および外刃枠61が右または左へ沈込み傾動する場合であっても、外刃8を内刃7に密着させて、的確にひげ切断を行うことができる。
外刃ホルダー31と外刃枠61に設けた上下対向状のばね受体194・196の間に、外刃ばね62を配置する電気かみそりにおいて、外刃枠61の両側に、外刃ホルダー31のばね受体196で受止められるストッパー195を設けると、外刃8および外刃枠61が右または左へ沈込み傾動する場合に、ストッパー195を外刃ホルダー31のばね受体196で受止めて、それ以上外刃8および外刃枠61が沈込み、外刃ホルダー31から分離するのを規制できる。また、外刃ホルダー31のばね受体196を利用してストッパー195を受止めるので、ストッパー195の沈込みを規制するための構造を別途設ける必要がなく、外刃ホルダー31の内部構造が複雑化するのを解消できる。
外刃枠61の両側に弾性変形可能な門形のストッパー腕192を設け、ストッパー腕192の遊端にストッパー195を設けると、ストッパー腕192を外刃枠61の内面側へたわみ変形させながら、ストッパー195を外刃ホルダー31のばね受体196の上面側へ組むことができる。従って、外刃8および外刃枠61の外刃ホルダー31に対する組立をより簡便に行える。
外刃ホルダー31のばね受体196を、門形のストッパー腕192の内部空間に係合させて、外刃枠61を上下スライド可能にガイドすると、外刃8および外刃枠61が前後にぐらつくのを規制しながら、外刃8および外刃枠61を上下フロートすることができる。そのため、外刃8および外刃枠61の上下のフロート動作を安定化できる。
本発明に係る起振構造を備えた電気かみそりの縦断側面図である。 本発明に係る電気かみそりの正面図である。 本発明に係る電気かみそりの側面図である。 電気かみそりの概略構造を示す分解側面図である。 かみそりヘッドの縦断正面図である。 かみそりヘッドの縦断側面図である。 かみそりヘッドの分解正面図である。 ヘッドブロックの分解斜視図である。 内刃の駆動構造を示す分解正面図である。 前段駆動部を示す分解正面図である。 次段駆動部を示す側面図である。 図11におけるA−A線断面図である。 従動プーリーと内刃軸の継手構造を示す縦断側面図である。 従動プーリーの継手構造を示す側面図である。 内刃と起振構造を示す分解斜視図である。 図1におけるB−B線断面図である。 図1におけるC−C線断面図である。 外刃のフロート構造を示す縦断側面図である。 外刃と外刃ホルダーの一部を破断した分解正面図である。 起振構造の別の実施例を示す縦断側面図である。 起振構造のさらに別の実施例を示す縦断側面図である。 起振構造のさらに別の実施例を示す断面図である。 起振構造のさらに別の実施例を示す要部のみの正面図である。 図23におけるD−D線断面図である。 起振構造をレシプロ式の電気かみそりに適用した実施例を示す縦断側面図である。 図25におけるE−E線断面図である。 起振構造を回転式の電気かみそりに適用した実施例を示す縦断側面図である。 起振体の別の実施例を示す側面図である。
(実施例) 図1ないし図19は、本発明に係る電気かみそりの実施例を示す。本発明における前後、左右、上下とは、図2および図3に示す交差矢印と、矢印の近傍の前後・左右・上下の表記に従う。図2、図3において電気かみそりは、グリップを兼ねる本体ケース1と、本体ケース1で前後傾動可能に支持したかみそりヘッド2を備えており、水洗い可能に構成してある。本体ケース1の内部には、モーター3、2次電池4、および制御基板5などの電装品が配置してある。制御基板5には、モーター3への通電状態を切換えるスイッチ6や、電池残量を発光表示するLEDなどが実装してある。かみそりヘッド2には水平軸(横軸)まわりに回転駆動されるロータリー式の内刃(切断刃)7と、内刃7に外接する逆U字状の外刃8が配置してある。図7に示すように内刃7は、内刃軸7aと、内刃軸7aに固定される5個の円板7bと、円板7bの周面に固定される網目状の切刃7cで構成してある。交換を容易化するために、内刃7は内刃ホルダー9で片持ち支持してあり、内刃軸7aを後述する従動プーリー(終段駆動体)111に組んだ状態において両持ち支持される。
(本体ケースの概略構造)
図4において本体ケース1は、前後に分割された前ケース13および後ケース14と、前ケース13の前面を覆うグリップケース15で構成してあり、前後ケース13・14の分割線に沿ってグリップケース15が前ケース13の表面を覆っている。前ケース13は、上下に分割した前上ケース16と、前下ケース17で構成してあり、後ケース14に対してビス18で固定してある。グリップケース15は、その上部および上下中途部が前ケース13に係合された状態で、ケース下端が後ケース14の側からねじ込んだビス19で後ケース14に固定してある。グリップケース15の下部には上部および下部が尖った舟形のスイッチパネル21が配置されて、その上端寄りに先のスイッチ6を切換え操作するスイッチボタン22が配置してある(図2参照)。本体ケース1の後面側には、きわ剃り刃23と、きわ剃り刃23を駆動位置へ押し上げ操作するスライドノブ24が設けてある。
(かみそりヘッドの概略構造)
図7においてかみそりヘッド2は、ヘッドブロック28と、同ブロック28の左右に固定したサイドフレーム29・30と、内刃7および外刃8と、ヘッドブロック28に対して着脱される内刃ホルダー9と、サイドフレーム29・30に着脱される外刃ホルダー31などで構成してある。図8に示すようにヘッドブロック28は、角皿状の光源ホルダー33と、光源ホルダー33の上面に配置した金属板製の補強プレート34と、補強プレート34の上面を覆う上部枠35と、光源ホルダー33の内部に収容される光源基板36および導光体37と、光源基板36に実装した3個の発光源(LED)38と、光源用パッキン50などで構成する。3個の発光源38は、電気かみそりの使用時に可視光を照射して、内刃7や外刃8にコーティングした可視光応答型の光触媒を励起させることにより、光触媒の強い酸化還元作用によって有機物を分解し、有機物の腐敗に伴う異臭の発生を防止できる。補強プレート34には、発光源38から照射された光の通過を許す透光窓39が、各発光源38に対応して3個設けてある。発光源38としては、可視光以外に紫外光や赤外光を放射するLEDを使用でき、さらに殺菌特性に優れた深紫外光を放射するUVB−LEDやUVC−LEDを使用できる。
図8に示すように、導光体37は透明なプラスチック材(ポリプロピレン)で平板状に形成してあり、その上面の周縁に沿って補強プレート34の下面を支持するスペーサー突起43がリブ状に形成してある。このように、スペーサー突起43を設けることにより、補強プレート34と導光体37の間に、毛屑や皮脂を洗い流すための排出路44を形成して、導光体37の上面に付着した毛屑や皮脂を水洗い洗浄できるようにしている。導光体37は、その内部に入射した可視光を内部反射作用で屈折させて、毛屑や皮脂に覆われていない導光体37の表面から毛屑室へ光を放射する。
光源ホルダー33と上部枠35は、スモーク調の半透明(透明材)のポリプロピレンで形成してある。そのため、発光源38から照射された光の一部は、上部枠35を介して毛屑室へ照射されるので、透光窓39を通過した光とともに毛屑室R内を明るく照らすことができる。従って、光触媒による酸化還元作用を活性化してより効果的に有機物を分解できる。また、毛屑室に放射された光は外刃8の刃穴から漏れ出て筋状の光となる。さらに、光源ホルダー33の前面は、後述するクリーニング空間Uに露出しているので、発光源38から照射された光の一部は後述する水ガイド面134から放射されて、クリーニング空間Uを明るく照らすことができる。クリーニング空間Uを照らす光は、半透明の光源ホルダー33から放射される柔らかで半ばぼんやりとした光となる。このように、使用時におけるかみそりヘッド2からは、筋状の光とぼんやりとした光が放射されるので、幻想的な雰囲気を醸し出して電気かみそりを興趣に富むものとすることができる。
補強プレート34はヘッドブロック28の構造強度を増強し、光源ホルダー33と導光体37のひずみや変形を矯正するために設けてある。補強プレート34を含むヘッドブロック28で左右一対のサイドフレーム29・30を強固に支持することにより、サイドフレーム29・30の構造強度を増強できる。また、サイドフレーム29・30の構造強度を増強することにより、内刃ホルダー9と右側のサイドフレーム30で支持される内刃7の回転を円滑化できる。図7に示すように、上部枠35および補強プレート34の側端は、ビス49で光源ホルダー33に締結固定する。これに伴い、導光体37がその下面に配置した光源用パッキン50に密着して、光源ホルダー33の内部が封止される。光源基板36はビス51で導光体37の下面側に締結固定する(図6参照)。
図9に示すように、左右のサイドフレーム29・30は、それぞれ光源ホルダー33の左右側面にビス52で締結固定されるフレーム枠29a・30aと、同枠の外側面を覆う枠カバー29b・30bで中空ケース状に構成してある。枠カバー29b・30bは、ビス53でフレーム枠29a・30aに固定する(図12参照)。サイドフレーム29・30を光源ホルダー33に固定した状態では、フレーム枠29a・30aの下側が光源ホルダー33より下方に突出している。これにより、ヘッドブロック28とサイドフレーム29・30の3者で、本体ケース1の上部を左右から挟む門型の連結凹部54を形成している(図7参照)。
左右のサイドフレーム29・30の対向面には、後述する回動軸55と連結される軸受部56が形成してある。図9に向かって右側のサイドフレーム30は、その上半部分が光源ホルダー33より上方に突出しており、この突出部分の上部に従動プーリー111を回転自在に支持するための軸受体(ボス)57が装着してある。軸受体57はポリアセタール樹脂で形成してある。サイドフレーム29・30には、外刃ホルダー31をロック保持するロック爪58とロックばね59が組み付けてある。ロック爪58は、外刃ホルダー31の側壁内面に設けた係合凹部60(図7参照)と係合する向きにロックばね59で付勢してある。外刃8の前後縁には外刃枠61が固定してあり、外刃枠61を圧縮ばねからなる外刃ばね62で押し下げ付勢することにより、外刃8を上下フロート可能な状態で内刃7に密着させている。その詳細は後述する。
(首振り構造)
かみそりヘッド2は、本体ケース1の側に設けた回動軸55を中心にして前後方向へ傾動可能に支持してあり、本体ケース1とかみそりヘッド2の間に配置した復帰ばね65で傾動待機位置(図6に示す状態)へ向かって復帰付勢してある。回動軸55の中心軸は正面から見て水平になっており、かみそりヘッド2が傾動待機位置にあるとき、回動軸55は、その軸端と正対する向き(側面)から見るときのかみそりヘッド2のヘッド中心軸P1に対して後側へ偏寄配置してある。また、かみそりヘッド2のヘッド中心軸P1は、回動軸55の軸端と正対する向きから見るときの本体ケース1のグリップ中心軸P2に対して前側へ傾斜している。
復帰ばね65は捩じりコイルばねからなり、ばねホルダー66に装着した状態で、前上ケース16にビス67で固定してある。復帰ばね65をばねホルダー66に組付けた状態では、ばね腕68の上部がばねホルダー66の上方に突出し、光源ホルダー33の下面中央に突設したばね受座69に接当して、かみそりヘッド2の全体を図6において時計回転方向へ復帰付勢する。このように、回動軸55がかみそりヘッド2の下側に配置してあると、かみそりヘッド2の切断刃面から回動軸55の中心までの距離を大きくできるので、その分だけかみそりヘッド2に作用する傾動モーメントを大きくできる。従って、かみそりヘッド2を軽快に傾動させて、切断刃面を肌面の変化に応答よく追随させることができ、ひげ切断を効果的に行うことができる。
サイドフレーム29・30に設けた軸受部56を回動軸55に連結することにより、かみそりヘッド2は前後傾動できるが、この傾動範囲を規定するために回動軸55と軸受部56の嵌合面に傾動規制構造を設けている。詳しくは、図9に示すように、回動軸55の周面に角リブ状の規制突起72を設け、軸受部56にサイドフレーム29・30の傾動範囲を規定する規制溝73を設けている。かみそりヘッド2が前側へ傾動するときサイドフレーム29・30は同行傾動するが、規制溝73の溝端が規制突起72に接当したら、それ以上傾動することはできない。因みに、かみそりヘッド2の傾動角度は15度である。以上のように傾動規制構造を設けると、かみそりヘッド2が過剰に傾動するのを規制できる。また、かみそりヘッド2の傾動範囲が傾動規制構造によって規定されるので、復帰ばね65に過剰な力が作用することもなく、かみそりヘッド2を常に適正に傾動待機位置へ復帰操作できる。
(内刃の駆動構造)
上記のように、首振り可能に支持したかみそりヘッド2の内刃7を回転駆動するために、本体ケース1の上部から内刃軸7aにわたって内刃駆動構造を配置している。内刃駆動構造は、本体ケース1の内部に設けた前段駆動部T1と、前段駆動部T1の回転動力を内刃軸7aに伝動する次段駆動部T2で構成する。
(前段駆動部の構造)
図10において、前段駆動部T1は、モーター3と、モーター3を支持するモーターホルダー76と、モーターホルダー76の左右に固定される一対の駆動部フレーム77と、モーターホルダー76および駆動部フレーム77に組付けたギヤトレインなどで構成する。モーターホルダー76の左右両側には、位置決めピン78を備えた連結座79が形成してあり、駆動部フレーム77を連結座79に接当して2個のビス80で締結することにより、駆動部フレーム77をモーターホルダー76と一体化している。固定状態の駆動部フレーム77はその大半がモーターホルダー76より上方へ突出している。駆動部フレーム77の全体の構造強度を増強し、さらに回動軸55の構造強度を向上するために、駆動部フレーム77は、金属製(ステンレス板材)のフレームベース81と、プラスチック成形品からなるフレーム枠82を一体化して形成してあり、フレーム枠82の成形時にフレームベース81をインサート固定している。また、フレーム枠82の外側面の上部に、回動軸55が一体に形成してある。
モーター3を水密状に封止するために、図10に示すように、モーターホルダー76の上部に出力軸パッキン(図示していない)を装着し、モーターホルダー76の下部に有底筒状のモーターパッキン88を装着している。モーターホルダー76の左右側面には締結座89が設けてあり、この締結座89に挿通したビス18で、モーターホルダー76を前上ケース16と共に後ケース14に締結固定している。
ギヤトレインは、モーター動力を減速する減速ギヤ機構として構成されており、図10に示すように6個のギヤ92〜97と、水平の第1軸98および第2軸99で構成する。詳しくは、第1ギヤ92はモーター3の出力軸に固定してあり、第2ギヤ93と第3ギヤ94は一体に形成されて、モーターホルダー76で縦軸回りに回転自在に支持してある。第4ギヤ95と第5ギヤ96は第1軸98に固定してあり、第6ギヤ97は第2軸99に固定してある。第3ギヤ94と第4ギヤ95はベベルギヤからなり、両ギヤ94・95によってモーター3の回転動力を水平の第1軸98回りの回転動力に変換している。
第1軸98の両端は、左右の駆動部フレーム77で回転自在に支持してあり、第2軸99は図10に向かって右側の駆動部フレーム77に設けた軸受体(ブッシュ)102で回転自在に支持されて、その軸端が回動軸55の外側方に突出している。この突出軸部分がギヤトレインの出力軸103となる。第1ギヤ92の上面には偏心カム104が設けてあり、同カム104で振動子105を往復駆動することにより、きわ剃り刃23の可動刃を往復駆動できるようにしている。軸受体102は銅合金製の含油メタル、あるいはベアリングで構成してある。上記のように、構造強度が高いモーター3およびモーターホルダー76と駆動部フレーム77を支持構造にして前段駆動部T1のギヤトレインを構成すると、ギヤトレインを構成するギヤ同士の噛合い精度を高度化して、モーター3の回転動力を効率よく内刃7に伝動できる
(次段駆動部の構造)
次段駆動部(駆動部)T2は、図9に向かって右側のサイドフレーム30の外側面に配置した巻掛け伝動機構からなる。具体的には、図11に示すように、先の出力軸103に固定した駆動プーリー110と、内刃軸7aに連結される従動プーリー111と、これら両プーリー110・111に巻掛けたタイミングベルト(ベルト)112と、タイミングベルト112の外側面を覆う規制プレート113などで巻掛け伝動機構を構成し、その側外方を枠カバー30bで覆っている。
上記のように、光源ホルダー33とサイドフレーム29・30の構造強度を金属製の補強プレート34で増強する駆動構造によれば、光源ホルダー33およびサイドフレーム29・30の構造強度が増強される分だけ、駆動プーリー110および従動プーリー111の回転を円滑化し安定化できるので、次段駆動部T2における回転動力の伝動を的確に行って、伝動ロスが少ない状態で内刃7を駆動できる。
図11に示すように、規制プレート113は、ステンレス板材を素材とするプレス成型品からなり、その板面で両プーリー110・111の外側面を押え、同時にタイミングベルト112の左右方向の揺れ動きを規制する。そのために、プレート板面の上下端に、両プーリー110・111の外側面を受止めるプーリー受壁140が設けてあり、プレート板面の前後にベルト受壁141が設けてある。ベルト受壁141は、タイミングベルト112の直線移行部の外側面を受止めて、タイミングベルト112が左右方向へ揺れるのを規制する。このように、プーリー受壁140で駆動プーリー110および従動プーリー111の軸方向の移動を規制し、さらにベルト受壁141でタイミングベルト112の左右方向への揺れを規制すると、伝動ロスを小さくして巻掛け伝動機構の伝動効率を向上できる。また、ひげ切断時の切断負荷が大きい場合でも、従動プーリー111および内刃7を円滑に回転駆動して、ひげ切断を効果的に行うことができる。
上下のプーリー受壁140の中央には、それぞれプーリー受壁140と各プーリー110・111の間で生じた摩擦熱を逃がすための放熱穴142が開口してあり、プレート板面の上下中途部には、ビス53用のねじボスを避けるための逃げ穴143が形成してある(図12参照)。規制プレート113は、上下の放熱穴142が軸部144および出力軸103に隙間を介して嵌まり込むように組付けられて、フレーム枠30aにねじ込んだビス145で締結固定してある。ビス145で締結されるプレート板面の上下中央部分は、上下のプーリー受壁140に対して段落ち状に凹ませてある。上側の放熱穴142と正対する枠カバー30bの側壁には、放熱穴146が形成してある。放熱穴146を設けることにより、プーリー受壁140の周辺部分に熱がこもるのを解消して、各プーリー110・111が過熱されるのを確実に防止できる。
(継手構造)
従動プーリー111の回転動力を内刃軸7aへ伝動し、さらに内刃7の交換を容易化するために、両者111・7aを互いに係合する軸継手で連結している。図12ないし図14に示すように軸継手は、内刃軸7aの軸端に設けた平行な平坦面を備えた継手軸部116と、従動プーリー111の軸受穴117の内奥に形成した十文字状の継手穴部118で構成してある。この実施例では、図13および図14に示すように、軸受穴117の内面の4か所に三角形状の突起120を突設して、各突起120の対向面間に継手穴部118を形成した。軸受穴117の開口端側には、内刃軸7aの軸端を軸受穴117へ向かって係合案内する導入ガイド穴119がテーパー状に形成してある。また、先の突起120には継手軸部116を継手穴部118へ向かって係合案内する導入ガイド面121が形成してある。上記の継手構造によれば、継手軸部116を従動プーリー111の内部の軸受穴117に差込んで継手穴部118に係合するだけで、内刃7と従動プーリー111を簡単に連結できる。継手軸部116を軸受穴117に差込む際には、継手軸部116の軸端を導入ガイド穴119で軸受穴117へと案内でき、さらに継手軸部116の軸端を導入ガイド面121で案内して継手穴部118に係合できるので、内刃軸7aと従動プーリー111の連結を容易に行うことができる。また、導入ガイド面121を設けることにより、突起120の開口端側の隅部が破損するのを良く防止できる。
内刃7を従動プーリー111から取外す場合には、内刃ホルダー9を従動プーリー111から分離する向きに引張り操作するだけで、内刃軸7aを軸受穴117から抜き出して、内刃7を従動プーリー111から簡単に分離できるので、内刃7の交換を簡便に行うことができる。さらに、継手軸部116と継手穴部118を、従動プーリー111の噛合い周面に対応する内部中央において係合するので、従動プーリー111の強度を内刃軸7aで補強して、従動プーリー111と内刃軸7aの動力伝構造の構造強度を増強できる。従動プーリー111を軸支する軸受体57と継手構造の位置関係を整理すると、軸受体57で支持される従動プーリー111のプーリーボス114の側端から順に、導入ガイド穴119と、軸受穴117が形成され、軸受穴117の内奥において継手軸部116と継手穴部118が係合している。つまり、継手軸部116と継手穴部118は、軸受体57の軸受周面より内奥において係合している。
(内刃係合構造)
図7に示すように、装着前の内刃7は先に説明したように、内刃ホルダー9で片持ち支持されている。この状態の内刃7を従動プーリー111とヘッドブロック28に対して適正に位置決めするために、内刃ホルダー9とヘッドブロック28の上部枠35の間に内刃係合構造を設けている。図8に示すように内刃係合構造は、上部枠35の上面に設けた前後一対の支持枠122と、支持枠122の対向面に形成した横長リブ状の3個の枠支持体123と、内刃7の下方に配置されて内刃ホルダー9から内刃軸7aと平行に突設した連結体124(図15参照)で構成する。3個の枠支持体123のうち、左右の枠支持体123は支持枠122の上縁に沿って形成し、中央の枠支持体123は支持枠122の下縁に沿って形成してあり、これら枠支持体123の上下の隙間部分125を連結体124がスライドして枠支持体123と係合する(図6参照)。
図9に示すように、連結体124は平面から見て門形のステンレス板材製のプレス成形品からなり、その基端部分を内刃ホルダー9の成形時にインサートして、内刃ホルダー9と一体化してある。内刃交換を容易化するために、図7に示すように、内刃ホルダー9から連結体124の突端までの寸法Lを、内刃ホルダー9から内刃軸7aの継手軸部116の突端までの寸法L1より小さく設定している。さらに、内刃ホルダー9から連結体124の突端までの寸法を、内刃7の切断刃面の左右長さL2より小さく設定している。
上記のように、各寸法および長さの関係をL<L2<L1とすることにより、連結体124を上部枠35の枠支持体123の間の隙間部分に側方から差込んでスライドするとき、継手軸部116を軸受穴117に係合させ、さらに継手穴部118に係合させることができる。また、連結体124を枠支持体123にスライド係合する過程で、内刃7の遊端側がぐら付くことがあっても、内刃7の切断刃面が連結体124に接当して刃面が傷つくのを解消できる。内刃軸7aを従動プーリー111に完全に連結した状態では、内刃軸7aが従動プーリー111のプーリーボス114と内刃ホルダー9で両持ち状に確りと軸支される。
上記のように、上部枠35に装着した内刃ホルダー9が、従動プーリー111から遠ざかる向きへ分離移動するのを阻止するために、内刃ホルダー9と上部枠35の間に内刃ロック構造を設けている。図5において内刃ロック構造は、内刃ホルダー9の内部に組付けた内刃ロック爪128と、内刃ロック爪128を下向きに進出付勢する付勢ばね129と、上部枠35に凹み形成した係合凹部130で構成してある。内刃ホルダー9を上部枠35に組付けた状態においては、内刃ロック爪128が係合凹部130に係合して、内刃7および内刃ホルダー9を分離移動不能に位置保持する。内刃7を取外す場合には、内刃ホルダー9を抜き出し操作して、係合凹部130に係合している内刃ロック爪128を付勢ばね129に抗して上方へ退入させ、ロック状態を解除する。さらに、連結体124を枠支持体123から抜き出すことにより、内刃7を上部枠35から取外すことができる。このように内刃ロック構造を設けると、落下衝撃が作用するような場合であっても、内刃7および内刃ホルダー9が従動プーリー111から分離するのを確実に防止できる。
図6に示すように、かみそりヘッド2を傾動待機位置から前方へ傾動させる必要上、本体ケース1とかみそりヘッド2の間には、傾動角度に相当する隙間が確保してある。詳しくは、光源ホルダー33の下面と前ケース13の上面の間に、復帰ばね65へ向かって先すぼまり状の隙間が形成してある。この隙間には毛屑や塵埃が入込みやすいので、隙間に入り込んだ毛屑や塵埃を洗い流すために、隙間をクリーニング空間Uとして利用している。また、クリーニング空間Uの前部に臨んで斜めの水ガイド面134を形成し、その両側端に、洗浄水をクリーニング空間Uの中央へ向かって案内する導水面135を斜めに形成している。クリーニング空間Uを設けることにより、同空間Uに入り込んだ毛屑や塵埃を洗浄水で簡単に洗い流すことができ、同時に洗浄水を復帰ばね65の周囲に流動させて、復帰ばね65の洗浄も併せて行うことができる。
図1および図15に示すように、内刃ホルダー9は、内刃軸7aを支持するホルダー枠151と、ホルダー枠151の外側面を覆う枠カバー152で構成する。ホルダー枠151は、アーチ形の縦壁(装着壁)153と、縦壁153の周縁に沿って横向きに張出した横枠部154と、底壁155を一体に備えており、縦壁153の上部中央に内刃軸7aを軸支する軸受体(ブッシュ)156が固定してある。縦壁153には、付勢ばね129を受止めるばね受枠157が横向きに突設してあり、その上側に内刃軸7aの軸端に固定した座金158を受止めるストッパーリブ159が突設してある(図16参照)。また、軸受体156の後側の縦壁には摺接口163が開口され、軸受体156の前側の縦壁には溶着ピン164と回止めピン165が設けてある。枠カバー152の接合縁の内面3個所には係合爪166が形成してあり、これらの爪166を横枠部154に設けた係合穴167と係合することにより、枠カバー152をホルダー枠151と一体化できる。座金158およびストッパーリブ159は、内刃7が従動プーリー111の側へ向かって軸方向へ移動するのを規制するために設けてある。
以上のように構成した内刃係合構造によれば、内刃7および後述する起振体170をヘッドブロック28に対して内刃ホルダー9と共に着脱できるので、内刃7を交換する際に起振体170も同時に交換できる。また、内刃軸7aの他端を支持する内刃ホルダー9に起振体170を設けるので、内刃7の摺接面7Aと起振体170を高い精度で摺接させて、安定した状態で起振体170を振動させることができる。
(起振構造)
内刃7に振動を与えてひげ切断を効果的に行うために、内刃7を構成する側端の円板7bと内刃ホルダー9の間に起振構造を設けている。詳しくは、枠カバー152と対向するホルダー枠151の縦壁153に起振体170を設けて、内刃7が回転駆動されるとき起振体170を振動させて、内刃7に振動を付与している。図1において起振体170は、縦壁153に固定される固定部171と、固定部171から延びる中間腕172と、中間腕172の端部に設けた摺接部173と、固定部171の前隅に折起こし形成した回止め片174を一体に備えた金属製の板ばね体からなる。固定部171の板面には、溶着ピン164用のピン穴175が形成され、回止め片174に隣接する周縁には回止めピン(回止め突起)165用の回止め凹部176が形成してある。
中間腕172は、内刃7の回転中心軸を中心とする同心円に沿って湾曲状に形成してある。このように、中間腕172を湾曲状に形成すると、固定部171と中間腕172と摺接部173の合計長さを大きくして、起振体170を振動しやすくできる。また、固定部171から中間腕172を経由して摺接部173に至る合計長さが大きい分だけ振動する部分の総重量を大きくして、より強い振動を切断刃7に付与できる。
図17に示すように、摺接部173は、中間腕172に連続して内刃7の側端に設けた円板(端部壁)7bに向かって折曲げられる摺接腕180と、摺接腕180の先端寄りをV字状に折曲げて形成される摺接爪181を備えている。摺接部173を摺接口163に差込みながら、ピン穴175および回止め凹部176を溶着ピン164と回止めピン165に係合し、回止め片174を横枠部154の内面にあてがった状態で、溶着ピン164の突端を溶融変形させることにより、起振体170を縦壁153に固定できる。
摺接爪181が緩衝シート182を介して側端の円板(端部壁)7bの摺接面7Aに圧接した状態の中間腕172は、縦壁153から僅かに浮離れた状態で弾性変形している。また、摺接爪181を摺接面7Aの周側度が大きな周縁寄りに圧接して、内刃7が1回転する間の摺接爪181の振動数が大きくなるようにしている。各図において矢印aは内刃7の回転方向を示している。
上記のように、起振体170を縦壁153に装着した状態を側面から見ると、図1に示すように、摺接部173は固定部171より内刃7の回転方向上手側に配置されて、その摺接爪181が緩衝シート182に圧接している。また、溶着ピン164の中心と、摺接爪181の圧接中心は、固定部171と摺接部173は、内刃軸7aを間にして対向する状態で、内刃軸7aを通る内刃7の直径線上に配置しており、概ね時計の文字盤の3時の位置と9時の位置に位置している。
緩衝シート(緩衝体)182はポリアミド樹脂シートを円形に打抜いて形成してあり、その中央の挿通穴183を内刃軸7aに外嵌して内刃7と一体化してある。内刃7が回転駆動されるとき、緩衝シート182は基本的に回転せず止まったままであるが、内刃7の回転方向へゆっくりと回転することもある。
以上のように構成した起振構造は、摺接部173が内刃7の摺接抵抗で駆動方向に引摺られる弾性変形動作と、弾性変形した起振体170が摺接部173と内刃7の摩擦抵抗に抗して自己の弾性力で復元する変形解除動作で振動を発生する。ひげ剃り時の内刃7は約2000rpmで回転駆動されるが、起振体170の弾性変形動作と変形解除動作は内刃7が1回転する間に10回前後行われる。そのため、内刃7には300〜330Hzの微振動(振動)が作用し、内刃7は先の微振動を受けながらひげ切断を行う。従って、単に内刃7のせん断動作のみでひげ切断を行う場合に比べて、切断抵抗を小さくしてひげ切断を効果的に行うことができる。
(外刃構造)
図18および図19に外刃8のフロート構造を示している。先に説明したように、シート状の外刃8は、その両端に固定した外刃枠61を介して外刃ホルダー31で上下フロート可能に支持してある。図18に示すように、外刃枠61は前後面が上すぼまり状に傾斜する枠体からなり、その前後面に外刃8を組むための刃受凹部185が形成され、左右両側にばね受部186が設けてある。刃受凹部185には4個の溶着ピン187が設けてあり、このピン187に外刃8と押え枠188を係合して、溶着ピン187の突端を溶融変形することにより、外刃8を外刃枠61と一体化している。刃受凹部185の下側には3個のスライド溝189が形成してあり、この溝189を外刃ホルダー31の内面に設けたガイドリブ190で上下スライド可能に案内している。
図19に示すように、ばね受部186には左右方向へ弾性変形可能な門形のストッパー腕192が設けられており、ストッパー腕192の基端の前後中央に外刃ばね62の下端に係合するばね受ピン(ばね受体)194が上向きに突設してある。また、ストッパー腕192の遊端(上端)を外側方へ膨出させ、ストッパー195を設けている。ストッパー195は、外刃枠61の過剰な沈込みを規制し、さらに外刃枠61が外刃ホルダー31から分離するのを規制するために設けている。外刃ホルダー31の内面には、外刃ばね62の上端に係合するばね受ピン(ばね受体)196が下向きに突設してある。外刃ばね62は圧縮コイル形のばねである。このように、圧縮コイル形の外刃ばね62は、外刃ホルダー31の内面両側と外刃枠61の両側に設けた上下対向状のばね受体194・196に配置してある。
この実施例の内刃7は上下にフロートしないため、外刃8を上下フロート可能に支持する意味は、専ら外刃8を内刃7に密着させるためである。しかし、内刃7が上下フロート可能である場合には、内刃7に追随して外刃8を上下フロートさせて、外刃8を内刃7に密着させることができる。内刃7が上下フロートしない電気かみそりにおいてストッパー195を設ける意味は、外刃ホルダー31をヘッドブロック28から分離した状態において、外刃枠61が外刃ホルダー31から分離するのを規制するためである。しかし、内刃7が上下フロート可能である場合には、ストッパー195は外刃枠61の過剰な沈込みを規制する効果も併せて発揮できる。
以上のように構成した外刃構造によれば、外刃8を内刃7に常に密着できる。また、外刃8および外刃枠61が右または左へ沈込み傾動する場合であっても、外刃8を内刃7に密着させて、的確にひげ切断を行うことができる。また、外刃枠61のばね受ピン194に外刃ばね62を組んだ状態で、外刃枠61を下開口の側から外刃ホルダー31に組み、片方のストッパー腕192をばね受ピン196の上端に掛止し、他方のストッパー腕192を外刃枠61の内面側へ弾性変形させながらばね受ピン196の上端に掛止することにより、外刃8および外刃枠61を外刃ホルダー31と一体化できる(図7参照)。このように、外刃枠に弾性変形可能な門形のストッパー腕192を設けると、外刃8および外刃枠61の外刃ホルダー31に対する組立をより簡便に行える。
組立状態の外刃枠61は、外刃ばね62で押下げ付勢されているので、図7に示すように左右のストッパー195は外刃ホルダー31のばね受ピン196の上端で受け止められている。また、外刃ホルダー31をヘッドブロック28の装着した状態では、外刃8の内面が内刃7の周面で受止められるので、図5に示すように、左右のストッパー195は外刃ホルダー31のばね受ピン196の上端から浮き離れていて、外刃ばね62の付勢力を内刃7が受止めている。
内刃7が回転駆動されるときの起振体170の摺接爪181は、緩衝シート182および側端の円板7bの摺接面7Aに対して、摺接しながら弾性変形動作と変形解除動作を繰り返す。つまり、起振体170は回転駆動する内刃7の摺接面7Aから摺接抵抗を受けて自励振動する。そのため、回転する微小突起がガイドピンを乗越えながら内刃を機械的かつ強制的に左右移動させる従来の起振構造に比べると、摺接爪181は摺接面7Aに対して摺動するだけであるので、振動発生時の摩擦抵抗を軽減しながら内刃7を円滑に振動させることができる。経年劣化も殆んど考慮する必要がない。起振体170から付与された振動で、切断刃7を強制的に振動させながらひげのせん断を行えるので、単に切断刃7のせん断作用のみでひげのせん断を行う場合に比べて、切断刃7の切刃部分の動きを複合的なものとして、ひげ切断を効果的に行うことができる。
摺接爪181と側端の円板7bの間に緩衝シート182が配置されていない場合には、摺接爪181の微振動を内刃7に直接伝動して、より強い微振動を内刃7に伝えることができる。しかし、より強い微振動を内刃7に伝えられる反面、摺接爪181が弾性変形動作から変形解除動作に切換る場合に摺接爪181が跳ねて円板7bを叩打し、叩打音を生じやすい。こうした叩打音の発生を緩和するために、摺接爪181と円板7bの間に緩衝シート182を介装している。以上のように、起振体170で内刃7に振動を付与しながらひげ切断を行うと、内刃7が引切り作用を発揮しながらひげ切断を行うので、単に内刃7のせん断作用のみでひげ切断を行う場合に比べて、ひげ切断時の切れ味を向上して、さらに効果的にひげ切断を行える。
図20ないし図28に、起振構造の別の実施例を示す。なお、各別実施例において、上記の実施例と同じ部材には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図20に示す起振構造では、固定部171と、固定部171から折りおこし形成した中間腕172と、中間腕172の先端に設けたV字状の摺接部173で起振体170を構成した。この場合の摺接部173は、内刃軸7aの周面の摺接面7Aに圧接しており、摺接部173が内刃軸7aの摺接抵抗で駆動方向に引摺られる弾性変形動作と、弾性変形した起振体170が自己の弾性力で復元する変形解除動作で振動を発生する。このように、摺接部173を内刃軸7aの周面の摺接面7Aに圧接させると、内刃軸7aの直径が小さく周速度が小さいため、起振体170で発生する振動の振幅は、先の実施例で説明した微振動の振幅よりさらに小さな振動となる。また、内刃7には上下方向(外刃8が肌面に接触する方向)の微振動が作用する。そのため、内刃7によって振動する外刃8で肌面を振動させて、ひげを肌面から押出した状態でひげ切断を行うことができ、深剃り効果を向上できる。なお、内刃7の駆動方向が矢印A方向とは逆である場合には、振動は発生しないものの、内刃軸7aの振れを防止できる。
図21に示す起振構造では、固定部171と、固定部171の下縁側から折起こし形成した中間腕172と、中間腕172の先端に設けた摺接部173で起振体170を構成した。さらに、固定部171の上縁側から弾性片177を折起こし形成し、その先端に設けた押圧爪178を内刃軸7aの上周面に圧接した。中間腕172は、内刃軸7aの下周面に沿って湾曲してあり、摺接部173は内刃7の側端の摺接面7Aに圧接している。内刃7の回転方向は、図21において反時計回転方向となる。
図21の起振構造においては、起振体170で振動を発生しながら、弾性片177で内刃軸7aを押圧して内刃7の振れを抑えることができるので、内刃7を安定した状態で回転駆動できる。また、ひげ切断時には、起振体170の振動で内刃7を内刃軸7aの軸心方向に振動させながらひげ切断を行える。このときの内刃7は、引切り作用を発揮しながらひげ切断を行うので、単に内刃7のせん断作用のみでひげ切断を行う場合に比べて、ひげ切断時の切れ味を向上して、さらに効果的にひげ切断を行える。
図22(a)に示す起振構造では、円板7bの外側面に緩衝シート182を接着固定して、緩衝シート182が内刃7に同行して回転できるようにした。先の実施例における緩衝シート182は、円板7bに対して接着固定されていない点が、図22(a)の緩衝シート182と異なる。
図22(b)に示す起振構造では、摺接部173を構成する摺接腕180から摺接爪181にわたって緩衝シート182を接着固定して、摺接爪181および緩衝シート182が円板7bの摺接面7Aに対して摺接するようにした。
図22(c)に示す起振構造では緩衝シート182を省略して、摺接爪181を円板7bの摺接面7Aに直接圧接させるようにした。このように緩衝シート182を省略した場合には、叩打音を生じるおそれがあるが、起振構造の全体構造や各構成部品の形成素材の違いなどによって、発生する叩打音の音圧レベルが低い場合には、緩衝シート182を省略しても差支えはない。
図23および図24は起振構造のさらに別の実施例を示す。そこでは、内刃7の一側端において一定幅で切刃7cを省略して、内刃7の周面に滑らかに連続する摺接面7Aを形成した。また、ホルダー枠151の縦壁153の外面に起振体170を装着して、その摺接部173を先の摺接面7Aに圧接させるようにした。この実施例における中間腕172は固定部171の下縁から折起こして形成してあり、その先端に摺接部173が形成してある。また、中間腕172は摺接面7Aに沿って部分円弧状に形成してある。
上記のように、起振体170の摺接爪181を、内刃7の周面に設けた摺接面7Aに圧接すると、摺接面7Aの周速度が大きい分だけ、起振体170の微振動の周波数をさらに高めて、内刃7に上下方向(外刃8が肌面に接触する方向)の振動を付与することができる。従って、図20で説明した起振構造と同様に、振動する外刃8で肌面を振動させて、ひげを肌面から押出した状態でひげ切断を行うことができ、深剃り効果を向上できる。また、起振体170は縦壁153の外面に組めばよいので、その構造を簡素化して、微振動を安定した状態で発生することができる。
図25および図26は起振構造を、レシプロ式の内刃7を備えた電気かみそりに適用した別の実施例を示す。そこでは、内刃7が内刃枠198で逆U字状に保形してあり、内刃枠198の後面に摺接面7Aが設けてある。同様に、外刃8は外刃ホルダー31で逆U字状に保形してあり、摺接面7Aと正対する外刃ホルダー31の内面に起振体170を配置している。起振体170は固定部171と、中間腕172と、摺接部173を一体に備えているが、各部分が板ばね材を厚み方向へ折曲げて形成してあり、さらに摺接腕180を省略して、中間腕172に連続して摺接爪181を形成した。こうした起振体170によれば、図23で説明した起振体170に比べて、起振体170の全体構造をさらに簡素化できる。因みに内刃7は、図26に示す矢印方向へ往復駆動される。起振体170は内刃7が一方向へ移動する間に複数回振動して、内刃7によるひげ切断を促進する。図25において符号199は内刃7を往復駆動する駆動軸である。
図27は起振構造を、内刃7が垂直軸(縦軸)まわりに回転駆動される回転式の電気かみそりに適用した実施例を示す。そこでは、本体ケース1の上部周面にねじ込み操作した円筒状の外刃ホルダー31で部分球面状の外刃8を支持している。また、モーターの出力軸3aに固定した内刃ホルダー201で複数枚の切刃202を支持して内刃7を構成している。内刃ホルダー201は、円筒状の筒壁203を備えており、その内面の摺接面7Aに起振体170が圧接してある。起振体170は、本体ケース1の上端面に溶着ピン164で固定される固定部171と、固定部171から折り起こされて、摺接面7Aに沿って延びる中間腕172と、摺接面7Aに圧接する摺接部173を一体に備えている。内刃7は矢印a方向へ回転駆動され、摺接部173は固定部171より内刃7の回転方向の上手側に配置してある。この実施例における起振体170は、内刃7が1回転する間に複数回振動して、内刃7によるひげ切断を促進する。上記構成の電気かみそりによれば、内刃ホルダー201の投影平面内に起振体170を配置するので、かみそりヘッド2をコンパクト化できる。
上記の実施例では、起振体170が内刃軸7aと接当干渉するのを避け、さらに、固定部171から摺接部173までの全長を稼ぐために、中間腕172を内刃7の内刃軸7aと同心の同心円に沿って湾曲状に形成したが、その必要はない。例えば、図28に示すように、中間腕172を山谷状に形成して中間腕172の全長を大きくすることができる。要は、固定部171と摺接部173を最短距離で結ぶ仮想中心線を想定するとき、中間腕172の中途部が仮想中心線から離れた位置を経由して非直線状に形成してあればよい。
上記の実施例では、前段駆動部T1でモーター動力を減速して駆動プーリー110に出力したが、モーター3の出力仕様によっては、その出力軸に駆動プーリー110を固定して、回転動力を次段駆動部T2に直接伝動してもよい。本発明はロータリー式の電気かみそりに限らず、レシプロ式の電気かみそりや、外刃を備えていない電気かみそりにも適用できる。次段駆動部T2はギヤを伝動要素にして構成することができる。その場合の終段駆動体111はギヤで構成して、出力軸103と終段駆動体111との間にギヤトレインを設けるとよい。
1 本体ケース
2 かみそりヘッド
7 切断刃(内刃)
7a 内刃軸
7b 端部壁(円板)
9 内刃ホルダー
28 ヘッドブロック
151 ホルダー枠
153 装着壁(縦壁)
163 摺接口
170 起振体
171 固定部
172 中間腕
173 摺接部

Claims (30)

  1. グリップを兼ねる本体ケース(1)とかみそりヘッド(2)を有し、かみそりヘッド(2)にモーター動力で駆動される切断刃(7)と、切断刃(7)に振動を付与する起振体(170)が設けてある電気かみそりであって、
    起振体(170)はその一部が切断刃(7)の摺接面(7A)と摺接して、起振体(170)と摺接面(7A)の摺接抵抗に伴う弾性変形と、自己の弾性力による変形解除動作によって振動できるように設けてあり、
    切断刃(7)に起振体(170)の振動を伝えてひげ切断を行うことを特徴とする電気かみそり。
  2. 起振体(170)は、その一端に設けた固定部(171)と、固定部(171)から延びる中間腕(172)と、中間腕(172)の端部に設けられて摺接面(7A)に圧接する摺接部(173)を含んで帯状に形成されており、
    固定部(171)が切断刃(7)に臨む装着壁(153)に固定してある請求項1に記載の電気かみそり。
  3. 固定部(171)と摺接部(173)を最短距離で結ぶ仮想中心線を想定するとき、中間腕(172)の中途部が仮想中心線から離れた位置を経由して非直線状に形成してある請求項2に記載の電気かみそり。
  4. かみそりヘッド(2)にロータリー式の内刃(7)と外刃(8)が配置されており、
    内刃(7)の側端面に設けた摺接面(7A)に起振体(170)の摺接部(173)が圧接してある請求項2または3に記載の電気かみそり。
  5. 内刃(7)の内刃軸(7a)の一端が、内刃ホルダー(9)で軸支されており、
    起振体(170)の固定部(171)が内刃ホルダー(9)に固定してある請求項2から4のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  6. 内刃ホルダー(9)が、内刃軸(7a)を軸支するホルダー枠(151)と、ホルダー枠(151)の外側面を覆う枠カバー(152)を備えており、
    ホルダー枠(151)の枠カバー(152)との対向面に沿って、起振体(170)の固定部(171)と中間腕(172)が配置してある請求項5に記載の電気かみそり。
  7. 内刃(7)の側端面と正対するホルダー枠(151)の壁面に摺接口(163)が形成されており、
    起振体(170)の摺接部(173)が前記摺接口(163)を介して内刃(7)の側端面に設けた摺接面(7A)に圧接してある請求項5または6に記載の電気かみそり。
  8. 起振体(170)の中間腕(172)が、内刃(7)の内刃軸(7a)と同心の同心円に沿って湾曲状に形成してある請求項5から7のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  9. 起振体(170)の摺接部(173)が、中間腕(172)に連続して内刃(7)の側端面に向かって折曲げられる摺接腕(180)と、摺接腕(180)の先端寄りをV字状に折曲げて形成される摺接爪(181)を備えており、
    摺接爪(181)が内刃(7)の側端面の摺接面(7A)に圧接してある請求項8に記載の電気かみそり。
  10. 起振体(170)の固定部(171)と摺接部(173)が、内刃軸(7a)を間にして対向する状態で、内刃軸(7a)を通る内刃(7)の直径線上に配置されており、
    摺接部(173)が固定部(171)より内刃(7)の回転方向上手側に配置してある請求項8または9に記載の電気かみそり。
  11. 起振体(170)の摺接部(173)が、内刃(7)の側端面に設けた端部壁(7b)の周縁寄りに圧接してある請求項7から10のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  12. 起振体(170)の固定部(171)に回止め片(174)が折起こし形成されており、
    回止め片(174)をホルダー枠(151)の横枠部(154)に接合して、起振体(170)が回動不能に保持固定してある請求項7から11のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  13. 起振体(170)の固定部(171)の周縁に回止め凹部(176)が形成されており、
    回止め凹部(176)をホルダー枠(151)の回止め突起(165)に係合して、起振体(170)が回動不能に保持固定してある請求項7から12のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  14. 起振体(170)と切断刃(7)の摺接面(7A)の間に、叩打音の音圧レベルを低下する緩衝シート(182)が配置してある請求項1から13のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  15. 内刃(7)の内刃軸(7a)の一端が内刃ホルダー(9)で軸支されており、
    緩衝シート(182)は円形に形成されて、その中央に内刃軸(7a)に外嵌する挿通穴(183)が形成してある請求項14に記載の電気かみそり。
  16. 起振体(170)の固定部(171)に連続して、中間腕(172)と摺接部(173)が一体に設けてあり、
    摺接部(173)が内刃(7)の内刃軸(7a)の周面の摺接面(7A)に圧接してある請求項1から3のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  17. かみそりヘッド(2)に回転動力を切断刃(7)に伝動する駆動部(T2)が設けられており、
    駆動部(T2)の終段駆動体(111)に内刃軸(7a)の一端を係合連結して、終段駆動体(111)の回転動力を内刃(7)に伝動しており、
    内刃ホルダー(9)は、かみそりヘッド(2)に設けたヘッドブロック(28)に着脱自在に装着されており、
    内刃軸(7a)の他端と起振体(170)が内刃ホルダー(9)に装着されて、内刃(7)および起振体(170)がヘッドブロック(28)に対して内刃ホルダー(9)と共に着脱できる請求項6から15のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  18. 駆動部(T2)の終段駆動体(111)が軸受体(57)で回転自在に軸支されており、
    内刃軸(7a)の一端と終段駆動体(111)を連結する軸継手が、内刃軸(7a)に設けた継手軸部(116)と、終段駆動体(111)の内部に設けた継手穴部(118)で構成されており、
    継手軸部(116)と継手穴部(118)が、終段駆動体(111)の噛合い周面に対応する内部中央において係合している請求項17に記載の電気かみそり。
  19. 終段駆動体(111)の内部に、内刃軸(7a)を軸支する軸受穴(117)と継手穴部(118)が形成されており、
    軸受穴(117)の開口端側に、内刃軸(7a)の軸端を軸受穴(117)へ向かって係合案内する導入ガイド穴(119)がテーパー状に形成してある請求項17また18に記載の電気かみそり。
  20. ヘッドブロック(28)が上部枠(35)を備えており、
    内刃ホルダー(9)と上部枠(35)の間に、内刃(7)および内刃ホルダー(9)が終段駆動体(111)から遠ざかる向きへ移動するのを阻止する内刃ロック構造が設けてある請求項18または19に記載の電気かみそり。
  21. 内刃ホルダー(9)とヘッドブロック(28)との間に、内刃(7)を片持ち支持した状態の内刃ホルダー(9)をスライド装着する内刃係合構造が設けられており、
    内刃係合構造が、上部枠(35)の上面に設けた前後一対の支持枠(122)と、支持枠(122)の対向面に形成した枠支持体(123)と、内刃(7)の下方に配置されて内刃ホルダー(9)から内刃軸(7a)と平行に突設される連結体(124)を備えており、
    支持枠(122)の一側から差込んだ連結体(124)を枠支持体(123)に係合して、内刃ホルダー(9)が上部枠(35)と一体化されており、
    内刃ホルダー(9)から連結体(124)の突端までの寸法(L)が、内刃ホルダー(9)から内刃軸(7a)の継手軸部(116)の突端までの寸法(L1)より小さく設定してある請求項18から20のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  22. 内刃ホルダー(9)から連結体(124)の突端までの寸法(L)が、内刃(7)の切断刃面の左右長さ(L2)より小さく設定してある請求項21に記載の電気かみそり。
  23. 回転動力を切断刃(7)に伝動する駆動部(T2)が、駆動プーリー(110)と、従動プーリー(111)と、これら両プーリー(110・111)に巻掛けたベルト(112)と、両プーリー(110・111)の外面に配置されてベルト(112)の左右方向の揺れを規制する規制プレート(113)で構成してある請求項17から22のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  24. 規制プレート(113)にプーリー受壁(140)が設けられており、
    駆動プーリー(110)と従動プーリー(111)の少なくとも一方の外側面がプーリー受壁(140)で受止めてある請求項23に記載の電気かみそり。
  25. 規制プレート(113)の上下にプーリー受壁(140)が設けられており、
    駆動プーリー(110)および従動プーリー(111)の外側面を受止めるプーリー受壁(140)の中央に放熱穴(142)が開口してある請求項24に記載の電気かみそり。
  26. ヘッドブロック(28)の一側に固定したサイドフレーム(30)が、フレーム枠(30a)と枠カバー(30b)で構成されており
    フレーム枠(30a)の外側面に配置した巻掛け伝動機構の側外方が枠カバー(30b)で覆われており、
    前記放熱穴(142)と正対する枠カバー(30b)の壁面に、放熱穴(146)が形成してある請求項25に記載の電気かみそり。
  27. シート状の外刃(8)の前後縁が外刃枠(61)に固定されており、
    外刃(8)が外刃枠(61)を介して外刃ホルダー(31)で上下フロート可能に支持されており、
    外刃枠(61)の両側端と外刃ホルダー(31)の間に、外刃(8)を内刃(7)に密着させる外刃ばね(62)が配置してある請求項4から26のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  28. 外刃ホルダー(31)の内面両側と外刃枠(61)の両側に設けた上下対向状のばね受体(194・196)の間に、圧縮コイル形の外刃ばね(62)が配置されており、
    外刃枠(61)の両側に、外刃ホルダー(31)のばね受体(196)で受止められるストッパー(195)が設けてある請求項27に記載の電気かみそり。
  29. 外刃枠(61)の両側に左右方向へ弾性変形可能な門形のストッパー腕(192)が設けられており、
    ストッパー腕(192)の遊端にストッパー(195)が設けてある請求項28に記載の電気かみそり。
  30. 外刃ホルダー(31)のばね受体(196)が、門形のストッパー腕(192)の内部空間に係合して、外刃枠(61)を上下スライド可能にガイドしている請求項29に記載の電気かみそり。
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