JP2016193878A - 酢酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低エネルギーカルボニル化プロセスからリチウムのようなカチオン及びヨウ化物を除去して精製酢酸を生成させるための改良された方法の提供。【解決手段】金属交換されたイオン交換樹脂を用いてヨウ化物を除去する前に、周期律表の第IA及びIIA族、第4級窒素カチオン、及びリン含有カチオンからなる群から選択される少なくとも1種類のカチオンを含む粗酢酸生成物を、酸形態のカチオン交換体と接触させて中間酢酸生成物を生成させ、次いで、該中間酢酸生成物を、酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂と接触させて精製酢酸を生成させる方法。【選択図】図1

Description

[0001]本特許出願は、2015年4月1日出願の「酢酸の製造方法」と題された米国仮特許出願62/141,490(その開示事項はその全部を参照として本明細書中に包含する)からの優先権を主張する。
[0002]本発明は、酢酸の製造方法、特に低エネルギーカルボニル化プロセスからリチウム及びヨウ化物を除去して精製酢酸を製造する改良された方法に関する。
[0003]現在用いられている酢酸の合成方法の中で商業的に最も有用なものの1つは、米国特許3,769,329(その全部を参照として本明細書中に包含する)において教示されている一酸化炭素によるメタノールの接触カルボニル化である。カルボニル化触媒は、液体反応媒体中に溶解しているか又は他の形態で分散しているか、或いは不活性の固体上に担持されているロジウムを、ヨウ化メチルによって例示されるハロゲン含有触媒促進剤と共に含む。ロジウムは任意の多くの形態で反応系中に導入することができる。更に、ハロゲン化物促進剤の性質は一般に重要ではないので、数多くの好適な促進剤(その殆どは有機ヨウ化物である)を用いることができる。最も通常的且つ有用には、反応は、一酸化炭素ガスを、触媒がその中に溶解している液体反応媒体を通して連続的にバブリングすることによって行う。
[0004]酢酸を合成するための広範囲に用いられて成功している商業的プロセスは、一酸化炭素によるメタノールの接触カルボニル化を含む。触媒は、ロジウム及び/又はイリジウム、並びにハロゲン促進剤、通常はヨウ化メチルを含む。反応は、その中に触媒を溶解させた液体反応媒体を通して一酸化炭素を連続的にバブリングすることによって行う。反応媒体は、酢酸、酢酸メチル、水、ヨウ化メチル、及び触媒を含む。メタノールをカルボニル化するための商業的プロセスとしては、米国特許3,769,329(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているものが挙げられる。他の従来のメタノールカルボニル化プロセスとしては、Jones, J.H. (2002), "The Cativa Process for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105(その全部を参照として本明細書中に包含する)において議論されているCativa(登録商標)プロセスが挙げられる。
[0005]ロジウム触媒の存在下でアルコールをカルボニル化してアルコールよりも1つ多い炭素原子を有するカルボン酸を製造するためのAO(登録商標)プロセスが、米国特許5,001,259;5,026,908;及び5,144,068;並びにEP−0161874(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)において開示されている。ここで開示されているように、酢酸は、酢酸メチル(MeAc)、ハロゲン化メチル、特にヨウ化メチル(MeI)、及び触媒的に有効な濃度で存在するロジウムを含む反応媒体中においてメタノールから製造される。これらの特許においては、少なくとも限定濃度、例えば0.1重量%の水、及び特定の濃度のヨウ化水素として存在するヨウ化物以外のヨウ化物イオンを、触媒的に有効な量のロジウムと共に反応媒体中に保持することによって、非常に低い水濃度、即ち(約14〜15重量%の水を保持する従来の手順とは異なり)4重量%以下においても、カルボニル化反応器の触媒安定性及び生産性を高いレベルに維持することができることが開示されている。このヨウ化物イオンは単純な塩であり、ヨウ化リチウムが好ましい。塩は、例えば酢酸リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、又は反応媒体と適合性のアニオンの他のリチウム塩を加えることによって、in situで形成することができる。これらの特許においては、酢酸メチル及びヨウ化物塩の濃度が、特に低い反応器水濃度においてメタノールをカルボニル化して酢酸を生成させる速度に影響を与える重要なパラメーターであることが教示されている。比較的高い濃度の酢酸メチル及びヨウ化物塩を用いることによって、液体反応媒体が0.1重量%程度の低い限定濃度の水を含む場合であっても、高度の触媒安定性及び反応器生産性が達成される。更に、用いる反応媒体によって、ロジウム触媒の安定性、即ち特にプロセスの生成物回収工程中における触媒の沈殿に対する抵抗性が向上する。これらの工程においては、酢酸生成物を回収する目的の蒸留によって、触媒から一酸化炭素(これは、反応容器内で維持される雰囲気中においてロジウムに対する安定化効果を有するリガンドである)が除去される傾向がある。
[0006]米国特許5,144,068(その全部を参照として本明細書中に包含する)においては、ロジウム(Rh)触媒を含み、水、酢酸、ヨウ化メチル、及び酢酸メチルを含む液体反応媒体中において、メタノールを一酸化炭素と反応させることによって酢酸を製造し、反応の経過中において、0.1重量%乃至14重量%未満の水を、(a)2重量%〜20重量%の範囲の有効量の、反応温度において有効濃度で反応媒体中に可溶であるヨウ化物塩からなる群から選択される触媒安定剤、(b)5重量%〜20重量%のヨウ化メチル、及び(c)0.5重量%〜30重量%の酢酸メチルと一緒に反応媒体中に維持することによって反応中の触媒安定性を維持する方法が開示されている。好適なヨウ化物塩は、第4級ヨウ化物塩、又は周期律表の第IA族及び第IIA族の金属からなる群の元素のヨウ化物塩であってよい。
[0007]メタノールのカルボニル化中に形成されるアセトアルデヒドのようなカルボニル不純物は、ヨウ化物触媒促進剤と反応して、多炭素アルキルヨウ化物、例えばヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシルなどを形成する可能性がある。多炭素アルキルヨウ化物は、酢酸生成物中の少量のこれらの不純物であっても、酢酸から通常的に製造される生成物である酢酸ビニルの製造において用いる触媒を被毒する傾向があるので、反応生成物から除去することが望ましい。
[0008]かかる不純物を除去するための従来の方法としては、粗酢酸生成物流を、酸化剤、オゾン、水、メタノール、活性炭、アミンなどで処理することが挙げられる。かかる処理は、酢酸の蒸留と組みあわせることができ、或いは組み合わせなくてもよい。最も通常的な精製処理は、最終生成物の一連の蒸留を伴う。カルボニル化合物と反応してオキシムを形成するヒドロキシルアミンのようなアミン化合物で有機流を処理し、次に蒸留してオキシム反応生成物から精製された有機生成物を分離することによって、有機流からカルボニル不純物を除去することも公知である。しかしながら、最終生成物の更なる処理によってプロセスのコストが増大し、処理された酢酸生成物の蒸留によって更なる不純物が形成される可能性がある。
[0009]比較的高い純度の酢酸を得ることは可能であるが、上記に記載の低水カルボニル化プロセス及び精製処理によって形成される酢酸生成物は、小さい割合の残留不純物の存在のために過マンガン酸塩時間に関して多少不十分なままであることが多い。十分な過マンガン酸塩時間は、酸生成物が多くの用途のために好適であるために満足することが必要な可能性がある重要な商業的試験であるので、過マンガン酸塩時間を減少させる不純物の存在は好ましくない。更に、不純物の幾つかは酢酸生成物又はヨウ化メチルのようなハロゲン含有触媒促進剤のものと近接する沸点を有しているので、蒸留によって微量のこれらの不純物を酢酸から除去することは経済的又は商業的に実現可能ではなかった。而して、最終生成物を汚染することなく、又は不要なコストを加えることなく、カルボニル化プロセスにおける他の場所で不純物を除去する経済的に実行可能な方法を突き止めることが重要になってきている。
[0010]巨大網状又はマクロ多孔質の強酸カチオン交換樹脂組成物は、ヨウ化物汚染物質を減少させるために従来用いられている。好適な交換樹脂組成物、例えばその個々のビーズは、金属、例えば銀、水銀、又はパラジウムで官能化されている部位、及び酸形態で保持されている部位の両方を含む。金属官能基を少ししか有しないか又は全く有しない交換樹脂組成物はヨウ化物を効率的に除去せず、したがってそのためには従来は用いられていない。通常は、金属官能化交換樹脂を固定床内に与えて、粗酢酸生成物を含む流れを固定樹脂床に通す。金属官能化樹脂床内において、粗酢酸生成物中に含まれるヨウ化物汚染物質が粗酸生成物流から除去される。
[0011]米国特許6,657,078においては、金属官能化交換樹脂を用いてヨウ化物を除去する低水プロセスが記載されている。この参照文献においてはまた、重質留分カラムの使用を回避して省エネルギーを達成している。
[0012]交換樹脂組成物の金属官能化は、しばしば相当な処理及び費用を伴い、しばしば金属官能化していない樹脂よりも数桁多いコストがかかる。官能化に関連するプロセス工程は、しばしば、交換樹脂上に堆積される金属の実際の量に関して非常に少ししか変動しない。例えば、一定量の交換樹脂の活性部位の50%を官能化するために必要な処理は、同じ量の交換樹脂の活性部位の10%を官能化するために必要な処理と全く同様である。しかしながら、交換樹脂の全量を処理することが必要であるので、50%官能化交換樹脂及び10%官能化交換樹脂の両方とも、同量の非官能化樹脂よりも相当に多い処理が必要である。
[0013]酢酸及び/又は無水酢酸からヨウ化物不純物を除去するために、他のイオン交換樹脂が用いられている。米国特許5,220,058においては、酢酸及び/又は無水酢酸からヨウ化物不純物を除去するために、金属交換されたチオール官能基を有するイオン交換樹脂を用いることが開示されている。通常は、イオン交換樹脂のチオール官能基は、銀、パラジウム、又は水銀で交換されている。
[0014]ヨウ化物汚染物質に加えて、酢酸製造システムにおいて用いる容器の壁から金属がしばしば腐食し、粗酢酸生成物組成物中に溶解する。而して、従来の粗酸生成物流は、しばしば腐食金属汚染物質及びヨウ化物汚染物質を含む。これらの腐食金属は、カルボニル化反応を妨げるか、或いは水性ガスシフト反応のような競合反応を促進させることが知られている。通常は、これらの腐食金属は、標準的な巨大網状又はマクロ多孔質のカチオン交換樹脂を含む樹脂床に流れを通すことによってプロセス流から除去することができる。
[0015]しかしながら、銀、水銀、又はパラジウム交換された樹脂を用いる場合においては、可溶性の腐食金属カチオンが交換樹脂の金属官能化された部位を有害に置き換える可能性がある。したがって、これらの交換部位はヨウ化物汚染物質を捕捉/除去することができない。ヨウ化物除去に関する官能化樹脂の寿命は、腐食金属の存在によって短くなる。しばしば、交換樹脂組成物の部位の所定の部分を官能化して、部位の残りを酸形態で残留させる。その結果、酸部位が多くの腐食金属を捕捉し、一方で、官能化された部位の多くはヨウ化物除去のために利用可能な状態で保持される。この技術によって交換樹脂の寿命を向上させることができるが、部位の所定の部分を部分的に官能化することには相当な処理及び費用が必要である。
[0016]更に、米国特許5,344,976に記載されているように、銀交換された強酸カチオン交換樹脂の使用に関連する問題は、銀が実際には腐食金属によって置き換えられる可能性があることであることが見出された。この特許においては、流れを、交換された強酸カチオン交換樹脂と接触させてC〜C10アルキルヨウ化物化合物、ヨウ化水素、又はヨウ化物塩を除去する前に、カルボン酸流から鉄、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びナトリウムのような金属イオン汚染物質の少なくとも一部を除去するために、酸形態のカチオン交換体を用いることが記載されている。しかしながら、このプロセスにおいては、ヨウ化物に加えてリチウム及びより大きいアルキルヨウ化物化合物を含む可能性がある上記記載の低エネルギー及び低水カルボニル化プロセスに関する精製は示されていない。
[0017]更に、他のスキームは、生成物から除去することが必要な可能性がある他の汚染物質を導入する。例えば、KOHのようなアルカリ成分をカルボニル化精製プロセスの乾燥カラムに加えることは、カラム内におけるHIの蓄積を抑止するのに有用であることが当該技術において長い間周知であった。例えばUS−2013/0264186及びより前の参照文献を参照。しかしながら、この添加によってカリウムカチオンがプロセス中に導入され、これも銀交換された強酸カチオン交換樹脂中の銀を置き換える可能性がある。
[0018]他のプロセスは、例えば反応物質組成物から腐食金属汚染物質をプロセスの異なる段階で除去する。米国特許4,894,477においては、リチウム形態の強酸性イオン交換樹脂を用いて腐食金属汚染物質を除去する方法が記載されている。米国特許5,731,252においては、触媒溶液をリチウム形態のイオン交換樹脂床と接触させることが記載されており、一方で、触媒媒体中の腐食金属塩を解離させて、イオン交換を行うことができ、腐食金属を反応器触媒溶液から取り出すことができるようにするのに十分な量の水を同時に添加することが必要である。
米国特許3,769,329 米国特許5,001,259 米国特許5,026,908 米国特許5,144,068 EP−0161874 米国特許6,657,078 米国特許5,220,058 US2013/0264186 米国特許4,894,477 米国特許5,731,252
Jones, J.H. (2002), "The Cativa Process for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105
[0019]上記に記載のプロセスは成功しているが、酢酸を製造するための改良されたプロセスのためのプロセス、特にこれらのプロセスから汚染物質を除去するための低水及び低エネルギープロセス及び方法に対する必要性が存在する。
[0020]本発明は酢酸の製造方法に関する。第1の形態においては、本発明は、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1つの構成成分を、反応器内において、0.1乃至14重量%未満の水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;反応媒体を、液体再循環流及び蒸気生成物流に分離し;そして、主精製系列内の2つ以下の蒸留カラム、好ましくは2つの蒸留カラム内において、蒸気生成物流を分離して、周期律表の第IA及びIIA族、好ましくはリチウム及びカリウム、第4級窒素カチオン、及びリン含有カチオンからなる群から選択される少なくとも1種類のカチオンを含む、酢酸を含む粗酸生成物を生成させる;ことを含む酢酸の製造方法に関する。カチオンは、有機塩、リガンド、又は他の触媒促進剤を用いることによって、カルボニル化反応器内でin situで形成することができる。粗酢酸生成物は、実質的に無水、例えば0.2重量%未満の水を有していてよい。このプロセスは、粗酢酸生成物を酸形態のカチオン交換体と接触させて中間酸生成物を生成させ;そして、中間酢酸生成物を、酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂と接触させて精製酢酸を生成させる;ことを更に含む。少なくとも1種類のカチオンの量は変化させることができ、粗酸生成物の全重量を基準として10ppm以下のリチウムであってよい。カチオン交換体と接触させた後、中間酢酸生成物は50ppb未満のリチウムイオン濃度を有することができる。酸形態のカチオン交換体は、酸形態の強酸カチオン交換巨大網状、マクロ多孔質、又はメソ多孔質樹脂の樹脂を含む。金属交換されたイオン交換樹脂は、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含んでいてよい。一態様においては、金属交換された樹脂の強酸交換部位の少なくとも1%は、銀によって占有されている。他の態様においては、金属交換された樹脂の強酸交換部位の少なくとも1%は、水銀によって占有されている。この方法には、精製酢酸生成物をカチオン交換樹脂で処理して、銀、水銀、パラジウム、又はロジウムを回収することを更に含ませることができる。
[0021]一態様においては、粗酢酸生成物をカチオン交換体と接触させる前に、この方法は、粗酢酸生成物の温度を50℃〜120℃に調節することができる。また、中間酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させる前に、この方法は、中間酢酸生成物の温度を50℃〜85℃に調節することができる。更なる態様においては、この方法は、蒸留された酢酸生成物を第2の蒸留カラム内で蒸留する前に、酢酸カリウム、炭酸カリウム、及び水酸化カリウムからなる群から選択されるカリウム塩を蒸留された酢酸生成物に加える工程を更に含む。カリウムの少なくとも一部を酸形態のカチオン交換体によって除去することができる。
[0022]一態様においては、蒸気生成物流を分離することには、第1の蒸留カラム内において蒸気生成物流を蒸留し、側流を回収して蒸留された酢酸生成物を生成させ;そして、蒸留された酢酸生成物を、第2の蒸留カラム内において蒸留して、酢酸、並びに周期律表の第IA及びIIA族、第4級窒素カチオン、リン含有カチオンからなる群から選択されるカチオンを含む粗酸生成物を生成させる;ことを含ませることができる。粗酸生成物は、第2の蒸留カラムの底部より上方の位置の側流口から取り出すことができる。他の態様においては、粗酸生成物は、第2の蒸留カラムの底部から残渣として取り出すことができる。
[0023]第2の形態においては、本発明は、カルボン酸又はその無水物、10ppbより多いC10〜C14アルキルヨウ化物、ヨウ化物アニオン、並びに第IA及びIIA族金属、第4級窒素カチオン、及び第4級リン含有カチオンからなる群から選択されるカチオンを含む液体組成物からヨウ化物を取り出す方法に関する。好ましくは、カチオンはリチウムを含む。一態様においては、液体組成物は実質的無水であり、例えば0.2重量%未満の水を有する。この方法は、液体組成物を酸形態のカチオン交換体と接触させて、第IA及びIIA族金属、第4級窒素カチオン、及び第4級リン含有カチオンからなる群から選択されるカチオンの減少した濃度を有する中間生成物を生成させ;そして、中間生成物を、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含む、酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂と接触させて、精製酢酸生成物を生成させる;ことを含む。少なくとも1種類のカチオンの量は変化させることができ、例えば粗酸生成物の全重量を基準として10ppm以下のリチウムであってよい。カチオン交換体と接触させた後、中間酢酸生成物は50ppb未満のリチウムイオン濃度を有することができる。酸形態のカチオン交換体は、酸形態の強酸カチオン交換巨大網状、マクロ多孔質、又はメソ多孔質樹脂の樹脂を含む。金属交換されたイオン交換樹脂は、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含んでいてよい。一態様においては、金属交換された樹脂の強酸交換部位の少なくとも1%は、銀によって占有されている。他の態様においては、金属交換された樹脂の強酸交換部位の少なくとも1%は、水銀によって占有されている。
[0024]本発明は、添付の非限定的な図面を考慮するとより良好に理解されるであろう。
[0025]図1は、ヨウ化物を除去するために金属官能化された固定樹脂床を用いて酢酸を製造する方法を示す。 [0026]図2は、ヨウ化物を除去するために金属官能化された固定樹脂床を用いて酢酸を製造する他の方法を示す。
序論:
[0027]本発明は、酢酸の製造方法、特に、リチウムのようなカチオン、及びより高分子量のヨウ化物、例えばC10〜C14アルキルヨウ化物などのヨウ化物を低エネルギーカルボニル化プロセスから除去する改良された方法に関する。この方法によって、周期律表の第IA及びIIA族、第4級窒素カチオン、及びリン含有カチオンからなる群から選択される少なくとも1種類のカチオンを除去することができる。本発明によれば、ヨウ化物を除去する前にカチオンを除去する。
[0028]高まり続けるコストの圧力及びより高いエネルギー価格に伴って、化学製造運転を簡潔化し、特に製造工程の数を減少させる増加し続ける動機付けが存在する。この点に関し、米国特許5,416,237においては酢酸を製造するための単一区画蒸留プロセスが開示されていることに留意されたい。かかるプロセスの変更は、エネルギーコストの点で望ましい一方で、精製系列に対して増加した要求を突きつける傾向がある。特に、より少ない再循環及び蒸留により、粗酸生成物中により高いレベルのヨウ化物及び他の促進剤、特により高分子量のヨウ化物がより多く導入される(又は除去されない)傾向がある。例えば、ヨウ化オクチル、ヨウ化デシル、及びヨウ化ドデシル、並びにヨウ化ヘキサデシルは全て、粗酸生成物中に存在する可能性があり、これらは全て従来の技術によっては除去するのが困難である。
[0029]14重量%未満の水で運転され、主精製系列内において2つ以下の蒸留カラムを用いるロジウム触媒システムを包含する、メタノールのカルボニル化によって酢酸を製造するための低水・低エネルギープロセスが開発されている。主精製系列は、酢酸を得るための反応器/フラッシャーからの蒸気生成物流から、水、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及びヨウ化水素のようなバルク成分を除去することを目的とする。この主精製系列は、反応器からの蒸気流の大部分を受容して、最終生成物として酢酸を得る。例えば、主精製系列のカラムには、軽質留分カラム及び乾燥カラムが含まれる。この主精製系列からは、アセトアルデヒド、アルカン、及びプロピオン酸のような微量成分を除去することがその主要機能であるカラムは排除される可能性がある。
[0030]酢酸を製造する方法によって、粗酸生成物中に回収されるカチオンが生成する可能性がある。これらの残留カチオンは除去するのが困難な可能性があり、最終の金属交換保護床において逆にヨウ化物を置き換える可能性がある。而して、最終生成物は、金属交換保護床を用いているにもかかわらず、許容できないレベルのヨウ化物を有する可能性がある。本発明は、カチオンを除去するための方法を提供する。
[0031]カチオンの源は、種々の促進剤、共触媒、添加剤、in situ反応等に由来する可能性がある。例えば、酢酸リチウム又は他の適合性のリチウム塩を反応混合物に加えた後にin situで形成される可能性があるヨウ化リチウムのような促進剤の使用を伴う低水・低エネルギープロセス。したがって、プロセス流は若干量のリチウムイオンを含む可能性がある。更に、このプロセスは主精製系列において最大で2つの蒸留カラムを使用し、好ましい主精製は重質留分材料を除去するためのカラムを含んでいないので、粗酸生成物は、リチウムのようなカチオンに加えて、より大きなアルキルヨウ化物化合物、例えばC10〜C14アルキルヨウ化物を含む可能性がある。時には、存在するヨウ化物の10%より多く、又は更には50%より多くが、10炭素原子より大きい有機連鎖長を有する。而して、10ppbより多く、例えば20ppbより多く、50ppbより多く、100ppbより多く、又は1ppmより多いC10〜C14アルキルヨウ化物が存在する可能性がある。ヨウ化メチル、HI、及びヨウ化ヘキシルなどのヨウ化物促進カルボニル化プロセスの粗酸生成物中に見られる通常のより短い連鎖長のヨウ化物不純物に加えて、これらのより高級のアルキルヨウ化物が存在する可能性がある。通常のヨウ化物不純物は、通常は、金属が例えば銀又は水銀である金属交換された強酸イオン交換樹脂を用いて粗酸生成物から除去される。しかしながら、金属交換された強酸イオン交換樹脂中の銀又は水銀は残留リチウムによって置き換えられて、その結果、樹脂の能力及び効率がより低くなり、生成物が銀又は水銀で汚染される可能性が生じる可能性があることが見出された。
[0032]粗酸生成物中のカチオンは、CN101053841及びCN1349855(これらの全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているもののような有機リチウム塩リガンドのような有機アルカリ塩リガンドを用いることに起因する可能性がある。CN101053841においては、酢酸リチウム又はシュウ酸リチウムを含むリガンドが記載されている。CN1349855においては、金属リチウム有機リガンドを配位するシス−ジカルボニルロジウム構造を有する二元金属触媒が記載されている。金属リチウム有機リガンドは、リチウムピリジン−2−フォルメート、リチウムピリジン−3−フォルメート、リチウムピリジン−4−フォルメート、リチウムピリジン−3−アセテート、リチウムピリジン−4−アセテート、又はリチウムピリジン−3−プロピオネートのようなピリジン誘導体であってよい。実際に、これらのリガンドの全部のリチウム塩成分は、カルボニル化反応器内の反応温度及び圧力においてヨウ化メチルに曝露された後に、反応媒体内でヨウ化リチウムをin situで生成すると考えられる。リチウム成分の少なくとも多少の小さい割合は精製システム中に同伴される。而して、本発明は、これらのタイプの有機リガンドの使用からin situで形成されるリチウムも除去することができる。
[0033]カチオンはまた、CN1640543(その全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているもののようなアミン官能基を有する二元金属Rhキレート触媒を用いることなどによる非リチウム塩の使用の結果として存在する可能性もある。CN16040543によれば、カチオン種はN及びOドナー電子を含み、アミノ安息香酸から形成される。アミンは、反応温度及び圧力において反応媒体内でin situでヨウ化メチルによって4級化されて第4級窒素カチオンを形成する可能性がある。第4級窒素カチオンは、リチウムカチオンと同様に、粗酸生成物と共に残留する可能性があり、金属交換保護床の前に本発明を用いて除去することができる。
[0034]したがって本発明は、メタノール、ジメチルエーテル、及び/又は酢酸メチルを、0.1乃至14重量%未満の水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下でカルボニル化することによって酢酸を製造するための低水・低エネルギープロセスを包含する。本発明は、主精製系列内において2つ以下の蒸留カラムを用い、得られる酸性酸生成物を酸形態のカチオン交換体で精製して残留リチウムを除去し、次に、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含む酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂で処理する。金属交換されたイオン交換樹脂は、強酸交換部位の少なくとも1%が、銀、水銀、パラジウム、及び/又はロジウムによって占有されていてよく、例えば少なくとも1%の銀、水銀、パラジウム、及び/又はロジウム、少なくとも5%の銀、水銀、パラジウム、及び/又はロジウム、少なくとも10%の銀、水銀、パラジウム、及び/又はロジウム、或いは少なくとも20%の銀、水銀、パラジウム、及び/又はロジウムを有していてよい。金属交換された強酸カチオン部位を有する樹脂を用いる前にカチオン交換体を用いてリチウムを除去することによって、主精製系列において2つ以下の蒸留カラムを用いるプロセスに関して、金属交換された部位からのリチウムによる銀、水銀、パラジウム、及び/又はロジウムの置換が減少又は排除される。
[0035]特に好ましいプロセスは、リチウムを除去するためにカチオン交換体を用い、次にヨウ化物を除去するために銀交換されたカチオン基材を用いるものである。粗酸生成物は、多くの場合においてC10以上の脂肪族連鎖長を有する有機ヨウ化物を含んでおり、これは除去する必要がある。時には、存在するヨウ化物の10%より多く、例えば30%より多く、又は更には50%より多くが、10炭素原子より大きい有機連鎖長を有する。
[0036]重質留分及び他の仕上げ装置が存在しない場合には、ヨウ化デシル及びヨウ化ドデシルが特に優勢であり、これらは生成物から除去するのが困難である。本発明の銀交換されたカチオン基材は、通常はかかるヨウ化物の90%超を除去する。しばしば、粗酸生成物は処理の前に10〜1000ppbの全ヨウ化物を有しており、このために生成物はヨウ化物感受性の用途に関して使用することができない。
[0037]ヨウ化物除去処理の前においては、粗酸生成物中において20ppb〜1.5ppmのヨウ化物レベルが通常であり;これに対して、ヨウ化物除去処理は、好ましくは存在する全ヨウ化物の少なくとも約95%を除去するように運転される。通常の態様においては、リチウム/ヨウ化物除去処理は、粗酸生成物をカチオン交換体と接触させてリチウムイオンの95%以上を除去し、次に粗酸生成物を銀交換されたスルホン酸官能化巨大網状イオン交換樹脂と接触させることを含み、生成物は、処理の前に100ppbより大きい有機ヨウ化物含量、及び樹脂と接触させた後に10ppb未満の有機ヨウ化物含量を有する。
[0038]リチウムはまた、重質留分及び他の仕上げ装置を用いない場合に粗酸生成物中に同伴されることも分かっている。粗酸生成物中の10ppbの非常に少量のリチウムであっても、ヨウ化物の除去に関して問題を引き起こす可能性がある。粗酸生成物の重量基準で10ppm以下、例えば5ppm以下、1ppm以下、500ppb以下、300ppb以下、又は100ppb以下のリチウムが、酢酸プロセスの乾燥カラム、例えば主精製系列における最後のカラムから排出される酸含有粗酸生成物中に存在する可能性がある。範囲に関しては、粗酸生成物中に0.01ppm〜10ppm、例えば0.05ppm〜5ppm、又は0.05ppm〜1ppmのリチウムが存在する可能性がある。粗酸生成物を金属交換された樹脂に導入する前に酸形態のカチオン交換体を用いることによって、相当量のリチウムを除去することができる。例えば、流れの中のリチウムの90重量%より多い量、例えば95重量%又は99重量%をカチオン交換体によって除去することができる。而して、酸形態のカチオン交換体から排出される流れは、50ppb未満、例えば10ppb未満、又は5ppb未満のリチウムを含むことができる。かかるリチウムの除去によって、金属交換された樹脂の寿命を大きく延ばすことができる。
酢酸製造システム:
[0039]代表的な酢酸製造プロセスを下記に記載する。明確にするために、実際の実施の全ての特徴は本明細書には記載していない。勿論、任意のかかる実際の態様の開発においては、開発者の具体的な目標を達成するために、1つの実施と他の実施とで変化するシステム関係及びビジネス関係の制約の遵守のような数多くの実施に固有の決定を行わなければならないと認識される。更に、かかる開発努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それでも本開示の利益を享受する当業者には日常的な業務であろうことが認められる。
[0040]本明細書に記載する精製プロセスは、メタノール、及び/又は酢酸メチル(MeAc)、ギ酸メチル、若しくはジメチルエーテル、若しくはこれらの混合物を用いて、ロジウムのような第VIII族金属触媒、及びハロゲン含有触媒促進剤の存在下で酢酸を製造するカルボニル化プロセスにおいて有用である可能性がある。特に有用なプロセスは、米国特許5,001,259において例示されている酢酸へのメタノールの低水ロジウム触媒カルボニル化である。他の金属触媒、例えばイリジウムベースの触媒も意図される。
[0041]一般に、触媒系の金属成分、例えばロジウム成分は、ロジウムと、配位化合物の少なくとも一つのリガンドを与えるハロゲン成分との配位化合物の形態で存在すると考えられる。ロジウムとハロゲンとの配位に加えて、一酸化炭素がロジウムと配位するとも考えられる。触媒系のロジウム成分は、ロジウム金属、酸化物、酢酸塩、ヨウ化物、炭酸塩、水酸化物、塩化物等のようなロジウム塩、或いは反応雰囲気中でロジウムの配位化合物を形成する他の化合物の形態のロジウムを反応区域中に導入することによって与えることができる。
[0042]金属触媒には第VIII族金属を含ませることができる。好適な第VIII族触媒としては、ロジウム及び/又はイリジウム触媒が挙げられる。ロジウム触媒を用いる場合には、ロジウム触媒は、当該技術において周知なように、ロジウムが触媒溶液中に[Rh(CO)アニオンを含む平衡混合物として存在するような任意の好適な形態で加えることができる。本明細書に記載するプロセスの反応混合物中に場合によって保持されるヨウ化物塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の可溶性塩、第4級アンモニウム、ホスホニウム塩、或いはこれらの混合物の形態であってよい。幾つかの態様においては、触媒共促進剤は、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、又はこれらの混合物である。塩共促進剤は、ヨウ化物塩を生成させる非ヨウ化物塩として加えることができる。ヨウ化物触媒安定剤は、反応システム中に直接導入することができる。或いは、反応システムの運転条件下においては、広範囲の非ヨウ化物塩前駆体が反応媒体中のヨウ化メチル又はヨウ化水素酸と反応して対応する共促進剤ヨウ化物塩安定剤を生成させるので、ヨウ化物塩をin-situで生成させることができる。ロジウム触媒反応及びヨウ化物塩の生成に関する更なる詳細に関しては、米国特許5,001,259;5,026,908;5,144,068;及び7,005,541(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)を参照。イリジウム触媒を用いるメタノールのカルボニル化は周知であり、米国特許5,942,460、5,932,764、5,883,295、5,877,348、5,877,347、及び5,696,284(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)において概説されている。
[0043]触媒系のハロゲン含有触媒促進剤は、有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物から構成される。而して、アルキル、アリール、及び置換アルキル又はアリールハロゲン化物を用いることができる。好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤はアルキルハロゲン化物の形態で存在する。更により好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤は、アルキル基がカルボニル化する供給アルコールのアルキル基に対応しているアルキルハロゲン化物の形態で存在する。而して、メタノールの酢酸へのカルボニル化において、ハロゲン化物促進剤としては、ハロゲン化メチル、より好ましくはヨウ化メチルが挙げられる。
[0044]反応媒体の成分は、酢酸の十分な生産を確保するために規定限界内に維持する。反応媒体は、200〜3000wppm、例えば500〜2000wppm、又は600〜1500wppmの量の一定濃度の金属触媒、例えばロジウム触媒を含む。反応媒体中の水の濃度は、低水条件下、例えば14%未満、0.1重量%乃至14重量%未満、0.2重量%〜10重量%、又は最も好ましくは0.25重量%〜5重量%の水に維持する。反応媒体中のヨウ化メチルの濃度は、1〜25重量%、例えば5〜20重量%、4〜13.9重量%になるように維持する。反応媒体中のヨウ化物塩、例えばヨウ化リチウムの濃度は、1〜25重量%、例えば2〜20重量%、3〜20重量%になるように維持する。反応媒体中の酢酸メチルの濃度は、0.5〜30重量%、例えば0.3〜20重量%、0.6〜4.1重量%になるように維持する。上記の量は反応媒体の全重量を基準とするものである。本出願において開示する範囲は、他に示さない限りにおいては、端点、下位範囲、及び個々の値を包含する。
[0045]反応媒体中の酢酸の濃度は、概して30重量%より多く、例えば40重量%より多く、或いは50重量%より多い。
[0046]幾つかの態様においては、反応媒体中に、所望のカルボン酸とアルコール、望ましくはカルボニル化において用いるアルコールとのエステル、並びにヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンの他に更なるヨウ化物イオンを保持することによって、低い水濃度においても所望の反応速度が得られる。所望のエステルは酢酸メチルである。更なるヨウ化物イオンは望ましくはヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウム(LiI)が好ましい。米国特許5,001,259に記載されているように、低い水濃度下においては、酢酸メチル及びヨウ化リチウムは速度促進剤として機能することが分かっている。
[0047]メタノールの酢酸生成物へのカルボニル化反応は、メタノール供給流を、カルボニル化生成物を形成するのに好適な温度及び圧力の条件において、ロジウム触媒、ヨウ化メチル(MeI)促進剤、酢酸メチル(MeAc)、及び更なる可溶性ヨウ化物塩を含む酢酸溶媒反応媒体を通してバブリングさせている気体状一酸化炭素と接触させることによって行うことができる。一般に、重要なのはヨウ化物と会合するカチオンではなく、触媒系中のヨウ化物イオンの濃度であり、ヨウ化物の所定のモル濃度においては、カチオンの性質はヨウ化物濃度の効果ほどは重要ではないと認識される。塩がヨウ化物の所望のレベルを与えるのに十分に反応媒体中に可溶であるならば、任意の金属ヨウ化物塩、又は任意の有機カチオンの任意のヨウ化物塩、或いはアミン若しくはホスフィン化合物をベースとするもののような他のカチオン(場合によっては、第3級又は第4級カチオン)を反応媒体中に保持することができる。ヨウ化物が金属塩である場合には、好ましくはこれは、"Handbook of Chemistry and Physics", CRC Press刊, Cleveland, Ohio, 2002-03(83版)に示されているような周期律表第IA族及び第IIA族の金属からなる群の元素のヨウ化物塩である。特に、アルカリ金属ヨウ化物が有用であり、ヨウ化リチウムが特に好適である。低水カルボニル化プロセスにおいては、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンに加えて更なるヨウ化物イオンを、概して、全ヨウ化物イオン濃度が1〜25重量%であり、酢酸メチルが概して0.5〜30重量%の量で存在し、ヨウ化メチルが概して1〜25重量%の量で存在するような量で触媒溶液中に存在させる。ロジウム触媒は、概して200〜3000wppmの量で存在する。
[0048]カルボニル化のための通常の反応温度は150〜250℃であり、180〜225℃の温度範囲が好ましい範囲である。反応器内の一酸化炭素分圧は広範囲に変化させることができるが、通常は2〜30気圧、例えば3〜10気圧である。反応器内の水素分圧は、通常は0.05〜2気圧、例えば1〜1.9気圧である。副生成物の分圧及び含まれている液体の蒸気圧のために、全反応器圧力は15〜40気圧の範囲になる。酢酸の生産速度は、5〜50モル/L・時、例えば10〜40モル/L・時、好ましくは15〜35モル/L・時にすることができる。
[0049]代表的な反応及び酢酸回収システム100を図1に示す。示されるように、メタノール含有供給流101及び一酸化炭素含有供給流102を液相カルボニル化反応器104に送って、そこでカルボニル化反応を行って酢酸を形成する。
[0050]カルボニル化反応器104は、好ましくは撹拌容器、或いは撹拌装置を有するか又は有しないバブルカラムタイプの容器のいずれかであり、これらの中で反応液又はスラリー内容物を好ましくは自動的に所定のレベルに維持し、これを好ましくは通常運転中において実質的に一定に維持する。反応媒体中における好適な濃度を維持するために必要な場合には、カルボニル化反応器104中に、新しいメタノール、一酸化炭素、及び十分な水を連続的に導入する。
[0051]通常のカルボニル化プロセスにおいては、一酸化炭素をカルボニル化反応器中の望ましくは撹拌装置の下方に連続的に導入して、内容物を撹拌するために用いることができる。気体供給流は、好ましくは、この撹拌手段によって反応液体を通して十分に分散される。望ましくは気体状パージ流106を反応器104から排気して、気体状副生成物の蓄積を阻止し、所定の全反応器圧力において設定一酸化炭素分圧を維持する。反応器の温度は制御することができ、一酸化炭素供給流は、所望の全反応器圧力を維持するのに十分な速度で導入する。液体反応媒体を含む流れ113が反応器104から排出される。
[0052]酢酸製造システムは、好ましくは、酢酸を回収し、触媒溶液、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び他のシステム成分をプロセス内で再循環するのに用いる主精製系列108を含む。主精製系列108は、軽質留分カラム124及び乾燥カラム130、並びに関連するポンプ、塔頂流受容器、凝縮器等を含む。而して、フラッシャー112からの流れ110のような再循環触媒溶液、並びに場合によっては再循環流114、116、118、及び120の1以上も、反応器104中に導入する。勿論、1以上の再循環流を、反応器中に導入する前に混合することができる。分離システムはまた、好ましくは、カルボニル化反応器内及びシステム全体にわたる水及び酢酸の含量を制御し、PRCの除去を促進する。
[0053]反応媒体を、カルボニル化反応器104から、その中の一定のレベルを維持するのに十分な速度で引き抜き、流れ113を通してフラッシャー112に供給する。フラッシャー112においては、粗生成物をフラッシュ分離工程で分離して、酢酸を含む蒸気生成物流122、及び触媒含有溶液(主として、ロジウム及びヨウ化物塩を、より少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水と共に含む酢酸)を含む揮発性がより低い流れ110(これは好ましくは上記で議論したように反応器に再循環する)を得る。蒸気生成物流122はまた、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、及び過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)も含む。反応器から排出されてフラッシャーに導入される溶解ガスは、一酸化炭素の一部を含み、またメタン、水素、及び二酸化炭素のような気体状副生成物も含む可能性がある。かかる溶解ガスは、オーバーヘッド流の一部としてフラッシャーから排出される。フラッシャー112からのオーバーヘッド流は、蒸気生成物流122として軽質留分カラム124に送り、ここで蒸留によって、低沸点のオーバーヘッド蒸気流126、酢酸を含む側流128、及び高沸点の残渣流116を得る。側流128によって取り出される酢酸は、好ましくは、水から酢酸を選択的に分離するために、乾燥カラム130などにおいて更なる精製にかける。
[0054]米国特許6,143,930及び6,339,171において、軽質留分カラムから排出される低沸点のオーバーヘッド蒸気流中においては、カラムから排出される高沸点の残渣流中におけるよりも高い濃度のPRC、特にアセトアルデヒド含量が一般に存在することが開示されている。而して、幾つかの場合においては、PRCを含む低沸点のオーバーヘッド蒸気流126の一部を、PRC除去システム(PRS)132内で更なる処理にかけて、存在するPRCの量を減少及び/又はPRCを除去する。したがって、示されるように低沸点のオーバーヘッド蒸気流126は凝縮して、オーバーヘッド流受容器デカンター134によって示されるオーバーヘッド相分離ユニットに送る。PRCに加えて、低沸点のオーバーヘッド蒸気流126は、通常はヨウ化メチル、酢酸メチル、酢酸、及び水を含む。本発明の目的のためには、主精製系列108にはPRS132は含まれない。
[0055]プロセス内の条件は、望ましくは、低沸点のオーバーヘッド蒸気流126がデカンター134内に入ったら軽質相及び重質相に分離されるように維持する。一般に、低沸点のオーバーヘッド蒸気流126は、凝縮性のヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒド及び他のカルボニル成分、並びに水を凝縮して2つの相に分離するのに十分な温度に冷却する。流れ126の一部は、一酸化炭素、二酸化炭素、水素などのような非凝縮性の気体を含む可能性があり、これは図1において流れ136によって示されるように排気することができ、低圧吸収器ユニット(図示せず)に送ることができる。
[0056]デカンター134内の凝縮された軽質相は、一般に、水、酢酸、及びPRC、並びに一定量のヨウ化メチル及び酢酸メチルを含む。デカンター134内の凝縮された重質相は、一般に、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びPRCを含む。デカンター134内の凝縮された重質液相は、流れ118によって反応器104に直接か又は間接的のいずれかで好都合に再循環することができる。例えば、この凝縮された重質液相の一部を反応器に再循環し、スリップ流(図示せず)、一般に少量、例えば重質液相の5〜40体積%、又は5〜20体積%をPRSに送ることができる。この重質液相のスリップ流は個々に処理することができ、或いは、カルボニル不純物の更なる蒸留及び抽出を行うために凝縮された軽質液相流138と混合することができる。
[0057]軽質相流138の具体的な組成は広く変化する可能性があり、幾つかの好ましい組成を下表1に与える。
Figure 2016193878
[0058]図1に示すように、軽質相は流れ138によってデカンター134から排出される。軽質相流138の第1の部分、例えばアリコート部分は、還流流140として軽質留分カラム124の頂部に再循環する。軽質相流138の第2の部分、例えばアリコート部分は、上記で議論したように且つ流れ142によって示されるように、主精製系列108の外側のPRS132に送る。軽質相流138の第3の部分、例えばアリコート部分は、場合によっては、再循環流114によって示されるように反応器104に再循環することができる。
[0059]軽質留分カラム124はまた、好ましくは主として酢酸及び水を含む残渣又は塔底流116も形成する。軽質留分塔底流116は通常は若干の残留触媒を含むので、軽質留分塔底流116の全部又は一部を反応器104に再循環することが有益である可能性がある。場合によっては、軽質留分塔底流116は、図1に示されるフラッシャー112からの触媒相110と混合して、一緒に反応器104に戻すことができる。
[0060]上記に示すように、オーバーヘッド相に加えて、軽質留分カラム124はまた、好ましくは主として酢酸及び水を含む酢酸側流128も形成する。効率的な生成物の分離を維持するためには、通常運転中において側流128の組成が大きく変化又は変動しないことが重要である。
[0061]場合によっては、分離を向上させるために、側流128の一部を、軽質留分カラム、好ましくは側流128を軽質留分カラムから取り出す位置よりも低い位置に再循環することができる(図示せず)。
[0062]側流128は酢酸に加えて水を含むので、軽質留分カラム124からの側流128は好ましくは乾燥カラム130に送って、そこで酢酸及び水を互いから分離する。示されるように、乾燥カラム130は、酢酸側流128を、主として水を含むオーバーヘッド流144、及び主として酢酸を含む塔底流146に分離する。オーバーヘッド流144は、好ましくは相分離ユニット、例えばデカンター148内で冷却及び凝縮させて、軽質相150及び重質相122を形成する。示されるように、軽質相の一部は流れ152によって示されるように還流し、軽質相の残りは流れ120によって示されるように反応器104に戻す。通常は水及びヨウ化メチルを含むエマルジョンである重質相は、好ましくは、流れ122によって示されるように、場合によっては流れ120と混合した後にその全部を反応器104に戻す。乾燥カラムオーバーヘッド流の軽質相に関する代表的な組成を下表2に与える。
Figure 2016193878
[0063]幾つかの態様においては、議論したように、乾燥カラム130に導入する前に、KOHのような少量のアルカリ成分を、ライン160を通して側流128に加えることができる。他の態様においては、アルカリ成分は、乾燥カラム130に導入する流れ128と同じ高さレベルか、又は乾燥カラム130に導入する流れ128の高さレベルよりも高い高さにおいて乾燥カラム130に加えることもできる。かかる添加によってカラム内のHIを中和することができる。
[0064]乾燥カラム塔底流146は、好ましくは酢酸を含むか又はこれから実質的に構成される。好ましい態様においては、乾燥カラム塔底流146は、90重量%より多く、例えば95重量%より多く、又は98重量%より多い量の酢酸を含む。幾つかの態様においては、この流れはまた、実質的に無水、例えば0.15重量%未満の水、例えば0.12重量%未満の水、又は0.1重量%未満の水を含んでいてもよい。しかしながら、議論したように、この流れは種々のレベルの不純物を含む可能性がある。
[0065]図1においては、粗酸生成物は、乾燥カラム塔底流146中に残渣として排出される。図2に示すように、幾つかの態様においては、乾燥カラム130からの粗酸生成物は、カラム130の底部172よりも僅かに高い位置において側流170から回収することができる。側流170は、液相又は蒸気相で排出することができる。蒸気相で排出する場合には、アルカリ汚染物質、例えばリチウム汚染物質を除去する前に更なる凝縮及び冷却が必要な可能性がある。例えば、粗酸生成物はカラムの下部部分から側流170として回収することができ、一方、乾燥カラム130の基部から、残渣流174を排出及び取り出すか又は再循環する。側流170は粗酢酸生成物を含み、これはカチオン交換樹脂に送ってリチウムを除去する。これによって、粗酸生成物からより高い沸点のフラクションを残渣流174中に分離することを可能にすることができる。残渣流174は、プロセス100から廃棄又はパージすることができる。
[0066]本発明においては、粗酸生成物は、商業的利用のために貯蔵又は輸送する前に、一連の金属官能化されたヨウ化物除去イオン交換樹脂に通すことによって更に処理する。
ヨウ化物除去床/イオン交換樹脂の使用:
[0067]本方法によれば、ハロゲン化物(例えばヨウ化物)及リチウムで汚染されているカルボン酸流、例えば酢酸流は、一定範囲の運転条件下において、酸形態のカチオン交換樹脂、次に銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含む酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂と接触させることができる。好ましくは、イオン交換樹脂組成物は固定床内で与える。汚染されているカルボン酸流を精製するために固定ヨウ化物除去床を用いることは、当該技術において文書で十分に記載されている(例えば米国特許4,615,806;5,653,853;5,731,252;及び6,225,498(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)を参照)。一般に、汚染されている液体カルボン酸流を、一連の静止固定床を通して流すことによって上述のイオン交換樹脂組成物と接触させる。酸形態のカチオン交換体によってリチウム汚染物質が除去される。ハロゲン化物汚染物質、例えばヨウ化物汚染物質は、次に、金属交換されたイオン交換樹脂の金属と反応させて金属ヨウ化物を形成することによって除去する。幾つかの態様においては、ヨウ化物と会合させることができる炭化水素基、例えばメチル基によってカルボン酸がエステル化される可能性がある。例えば、ヨウ化メチルで汚染されている酢酸の場合には、ヨウ化物除去の副生成物として酢酸メチルが生成する。このエステル化生成物の形成は、通常は処理されたカルボン酸流に対して有害な影響を与えない。
[0068]ロジウム−ヨウ化物触媒系を用いて製造される無水酢酸において、同様のヨウ化物汚染の問題が存在する可能性がある。而して、本発明方法は、或いは粗無水酢酸生成物流の精製において用いることができる。
[0069]本発明において金属イオン汚染物質を除去するために好適な酸形態のカチオン交換体には、強酸カチオン交換樹脂、例えば強酸巨大網状又はマクロ多孔質樹脂、例えばAmberlyst(登録商標)15樹脂(DOW)、Purolite C-145又はPurolite CT145を含ませることができる。樹脂はまた、酸形態の強酸カチオン交換メソ多孔質樹脂であってもよい。また、キレート樹脂及びゼオライトを用いることもできる。
[0070]ヨウ化物を除去するための銀又は水銀交換された樹脂を製造するために本発明に関連して用いる好適な安定なイオン交換樹脂は、通常は、巨大網状(マクロ多孔質)タイプの「強酸」、即ちスルホン酸カチオン交換樹脂として分類される「RSOH」のタイプのものである。特に好適なイオン交換基材としては、昇温温度において用いるのに好適なAmberlyst(登録商標)15、Amberlyst(登録商標)35、及びAmberlyst(登録商標)36樹脂(DOW)が挙げられる。金属が対象の条件において有機媒体中で安定である、即ち化学的に分解しないか、或いは許容できない量の銀又は水銀を有機媒体中に放出しないならば、ゼオライトのような他の安定なイオン交換基材を用いることができる。ゼオライトカチオン交換基材は、例えば米国特許5,962,725(その開示事項を参照として本明細書中に包含する)において開示されている。
[0071]約50℃より高い温度においては、銀又は水銀交換されたカチオン基材は500ppb以下のオーダーの小量の銀又は水銀を放出する傾向がある可能性があり、而して、銀又は水銀交換された基材は、対象の条件下において化学的に安定である。より好ましくは、銀の損失は、有機媒体中に100ppb未満、更により好ましくは有機媒体中に20ppb未満である。銀の損失は、始動によって僅かに高くなる可能性がある。いずれの場合においても、所望の場合には、銀又は水銀交換材料の上流の酸形態のカチオン材料の床に加えて、酸形態のカチオン材料の床を銀又は水銀交換材料の下流に配置して、放出される銀又は水銀を捕捉することができる。
[0072]交換樹脂との接触工程中の圧力は、樹脂の物理的強度のみによって制限される。一態様においては、接触は、0.1MPa〜1MPa、例えば0.1MPa〜0.8MPa、又は0.1MPa〜0.5MPaの範囲の圧力において行う。しかしながら、便宜上の理由で圧力及び温度の両方を、好ましくは汚染されているカルボン酸流が液体として処理されるように定めることができる。而して、例えば経済学的考察に基づいて一般に好ましい大気圧において運転する場合には、温度は、17℃(酢酸の凝固点)乃至118℃(酢酸の沸点)の範囲にすることができる。他のカルボン酸化合物を含む生成物流に関して同様の範囲を定めることは当業者の理解しうる範囲内である。接触工程の温度は、好ましくは樹脂の分解を最小にするのに十分に低く維持する。一態様においては、接触は、25℃〜120℃、例えば25℃〜100℃、又は50℃〜100℃の範囲の温度において行う。幾つかのカチオン巨大網状樹脂は、通常は、150℃の温度において(酸触媒芳香族脱スルホン化のメカニズムによって)大きく分解し始める。5個以下の炭素原子、例えば3個以下の炭素原子を有するカルボン酸は、これらの温度において液体状態を維持する。而して、接触中の温度は、用いる樹脂の分解温度より低く維持しなければならない。幾つかの態様においては、運転温度は、液相運転並びにリチウム及び/又はハロゲン化物除去のための所望の反応速度論と合致する樹脂の温度限界より低く維持する。
[0073]酢酸精製系列内の樹脂床の構成は変化させることができるが、カチオン交換体は金属交換された樹脂の上流でなければならない。好ましい態様においては、樹脂床は最終乾燥カラムの後に配することができる。好ましくは、樹脂床は、酢酸生成物流の温度が低く、例えば120℃未満、又は100℃未満である位置に配する。酸形態のカチオン交換樹脂と接触する流れ、及び金属交換された樹脂と接触する流れは、同じか又は異なる温度に調節することができる。例えば、酸形態のカチオン交換樹脂と接触する流れは、25℃〜120℃、例えば25℃〜85℃、40℃〜70℃、例えば40℃〜60℃の温度に調節することができ、一方、金属交換された樹脂と接触する流れは、50℃〜100℃、例えば50℃〜85℃、55℃〜75℃、又は60℃〜70℃の温度に調節することができる。上記で議論した有利性に加えて、より低い温度における運転によって、より高い温度における運転と比べて腐食がより少なくなる。より低い温度における運転によって、腐食金属汚染物質(これは上記で議論したように全体的な樹脂の寿命を減少させる可能性がある)の形成がより少なくなる。また、より低い運転温度によって腐食がより少なくなるので、有利なことに高価な耐腐食性金属で容器を形成する必要がなく、より低いグレードの金属、例えば標準的なステンレススチールを用いることができる。
[0074]再び図1を参照すると、乾燥カラム塔底流146は、最初にカチオン交換樹脂床180に通してリチウムを除去する。1つのカチオン交換樹脂床180が示されているが、複数のカチオン交換樹脂床を直列又は並列で用いることができることを理解すべきである。カチオン交換樹脂床はまた、酢酸カリウム、炭酸カリウム、及び水酸化カリウムからなる群から選択されるカリウム塩として乾燥カラム130に加えた場合に流れの中に存在するカリウムのような他のカチオン、及び腐食金属を除去することもできる。得られる交換された流れ、例えば中間酸生成物182は、次に、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含む、酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂床184に通して、流れからヨウ化物を除去して精製された生成物186を生成させる。1つの金属交換されたイオン交換樹脂床184が示されているが、複数の金属交換されたイオン交換樹脂床を直列又は並列で用いることができることを理解すべきである。樹脂床に加えて、熱交換器(図示せず)をいずれかの樹脂床の前に配置して、流れ146及び182の温度を、樹脂床と接触する前に適当な温度に調節することができる。同様に図2においては、粗酢酸生成物は、側流170からカチオン交換樹脂床180に供給する。熱交換器又は凝縮器をいずれかの樹脂床の前に配置して、流れ170の温度を、樹脂床と接触する前に適当な温度に調節することができる。
[0075]一態様においては、樹脂床を通る流速は、0.1床体積/時(BV/時)〜50BV/時、例えば1BV/時〜20BV/時、又は6BV/時〜10BV/時の範囲である。有機媒体の床体積は、樹脂床によって占められる体積に等しい媒体の体積である。1BV/時の流速は、樹脂床によって占められる体積に等しい量の有機液体が1時間の間で樹脂床を通過することを意味する。
[0076]樹脂床処理の結果として、精製酢酸組成物が得られる。精製酢酸組成物は、一態様においては、100wppb未満、例えば90wppb未満、50wppb未満、又は25wppb未満のヨウ化物を含む。一態様においては、精製酢酸組成物は、100wppb未満、例えば50wppb未満、20wppb未満、又は10wppb未満のリチウムを含む。範囲に関しては、精製酢酸組成物は、0〜100wppb、例えば0〜50wppbのヨウ化物;及び/又は0〜100wppb、例えば1〜50wppbのリチウム;を含むことができる。他の態様においては、樹脂床によって、粗酢酸生成物からヨウ化物の少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を除去する。一態様においては、樹脂床によって、粗酢酸生成物からリチウムの少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を除去する。
[0077]本発明を詳細に記載したが、発明の精神及び範囲内の修正は当業者に容易に明らかになるであろう。上記の議論、当該技術における関連する知識、並びに背景及び詳細な説明に関連して上記で議論した参照文献(これらの開示事項は全て参照として本明細書中に包含する)を考慮すると。更に、下記及び/又は添付の特許請求の範囲において示されている本発明の複数の形態並びに種々の態様及び種々の特徴の複数の部分を、完全か又は部分的に結合又は交換することができることを理解すべきである。当業者に認められるように、種々の態様の上記の記載においては他の態様を示すこれらの態様を他の態様と適当に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、本発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。
[0077]本発明を詳細に記載したが、発明の精神及び範囲内の修正は当業者に容易に明らかになるであろう。上記の議論、当該技術における関連する知識、並びに背景及び詳細な説明に関連して上記で議論した参照文献(これらの開示事項は全て参照として本明細書中に包含する)を考慮すると。更に、下記及び/又は添付の特許請求の範囲において示されている本発明の複数の形態並びに種々の態様及び種々の特徴の複数の部分を、完全か又は部分的に結合又は交換することができることを理解すべきである。当業者に認められるように、種々の態様の上記の記載においては他の態様を示すこれらの態様を他の態様と適当に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、本発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。
本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1] 酢酸の製造方法であって、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1つの成分を、反応器内において、0.1乃至14重量%未満の水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;
該反応媒体を、液体再循環流及び蒸気生成物流に分離し;
主精製系列内の2つ以下の蒸留カラム内において、該蒸気生成物流を分離して、周期律表の第IA及びIIA族、第4級窒素カチオン、及びリン含有カチオンからなる群から選択される少なくとも1種類のカチオンを含む、酢酸を含む粗酸生成物を生成させ;
該粗酢酸生成物を酸形態のカチオン交換体と接触させて中間酸生成物を生成させ;そして
該中間酢酸生成物を、酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂と接触させて精製酢酸を生成させる;
ことを含む方法。
[2] [1]に記載の方法であって、該金属交換されたイオン交換樹脂が、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含む方法。
[3] [1]に記載の方法であって、該金属交換された樹脂の該強カチオン交換部位の少なくとも1%が銀によって占有されている方法。
[4] [1]に記載の方法であって、該金属交換された樹脂の該酸カチオン交換部位の少なくとも1%が水銀によって占有されている方法。
[5] [1]に記載の方法であって、該粗酸生成物中の少なくとも1種類のカチオンがリチウム及びカリウムを含む方法。
[6] [1]に記載の方法であって、該粗酸生成物中の少なくとも1種類のカチオンがリチウムを含む方法。
[7] [6]に記載の方法であって、該粗酸生成物が10ppm以下のリチウムを含む方法。
[8] [1]に記載の方法であって、該蒸気生成物流を、該主精製系列内の2つの蒸留カラム内で分離する方法。
[9] [8]に記載の方法であって、該蒸気生成物流を分離することが、
第1の蒸留カラム内において該蒸気生成物流を蒸留し、側流を回収して蒸留された酢酸生成物を生成させ;
該蒸留された酢酸生成物を、第2の蒸留カラム内において蒸留して、酢酸、並びに周期律表の第IA及びIIA族、第4級窒素カチオン、及びリン含有カチオンからなる群から選択されるカチオンを含む粗酸生成物を生成させる;
ことを含む方法。
[10] [9]に記載の方法であって、該粗酸生成物を、該第2の蒸留カラムの底部より上方の位置の側流口から取り出す方法。
[11] [9]に記載の方法であって、該粗酸生成物を、該第2の蒸留カラムの底部から残渣として取り出す方法。
[12] [8]に記載の方法であって、該蒸留された酢酸生成物を第2の蒸留カラム内で蒸留する前に、酢酸カリウム、炭酸カリウム、及び水酸化カリウムからなる群から選択されるカリウム塩を該蒸留された酢酸生成物に加える工程を更に含み、該カリウムの少なくとも一部を該酸形態のカチオン交換体によって除去する方法。
[13] [1]に記載の方法であって、該粗酢酸生成物の温度を50℃〜120℃に調節することを更に含む方法。
[14] [1]に記載の方法であって、該中間酢酸生成物の温度を50℃〜85℃に調節することを更に含む方法。
[15] [1]に記載の方法であって、該粗酢酸生成物が実質的に無水である方法。
[16] [1]に記載の方法であって、該中間酢酸生成物が50ppb未満のリチウムイオン濃度を有する方法。
[17] [1]に記載の方法であって、該酸形態のカチオン交換体が、酸形態の強酸カチオン交換巨大網状、マクロ多孔質、又はメソ多孔質樹脂の樹脂を含む方法。
[18] [1]に記載の方法であって、該精製酢酸生成物をカチオン交換樹脂で処理して、銀、水銀、パラジウム、又はロジウムを回収することを更に含む方法。
[19] 液体組成物からヨウ化物を取り出す方法であって、該液体組成物が、カルボン酸又はその無水物、10ppbより多いC 10 〜C 14 アルキルヨウ化物、ヨウ化物アニオン、並びに第IA及びIIA族金属、第4級窒素カチオン、及び第4級リン含有カチオンからなる群から選択されるカチオンを含み、
該方法が、該液体組成物を酸形態のカチオン交換体と接触させて、第IA及びIIA族金属、第4級窒素カチオン、及びリン含有カチオンからなる群から選択されるカチオンの減少した濃度を有する中間生成物を生成させ;そして
該中間生成物を、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含む、酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂と接触させて、精製酢酸生成物を生成させる;
ことを含む方法。
[20] [19]に記載の方法であって、該カチオンがリチウムを含む方法。

Claims (20)

  1. 酢酸の製造方法であって、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1つの成分を、反応器内において、0.1乃至14重量%未満の水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;
    該反応媒体を、液体再循環流及び蒸気生成物流に分離し;
    主精製系列内の2つ以下の蒸留カラム内において、該蒸気生成物流を分離して、周期律表の第IA及びIIA族、第4級窒素カチオン、及びリン含有カチオンからなる群から選択される少なくとも1種類のカチオンを含む、酢酸を含む粗酸生成物を生成させ;
    該粗酢酸生成物を酸形態のカチオン交換体と接触させて中間酸生成物を生成させ;そして
    該中間酢酸生成物を、酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂と接触させて精製酢酸を生成させる;
    ことを含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、該金属交換されたイオン交換樹脂が、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含む方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、該金属交換された樹脂の該強カチオン交換部位の少なくとも1%が銀によって占有されている方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、該金属交換された樹脂の該酸カチオン交換部位の少なくとも1%が水銀によって占有されている方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、該粗酸生成物中の少なくとも1種類のカチオンがリチウム及びカリウムを含む方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、該粗酸生成物中の少なくとも1種類のカチオンがリチウムを含む方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、該粗酸生成物が10ppm以下のリチウムを含む方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、該蒸気生成物流を、該主精製系列内の2つの蒸留カラム内で分離する方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、該蒸気生成物流を分離することが、
    第1の蒸留カラム内において該蒸気生成物流を蒸留し、側流を回収して蒸留された酢酸生成物を生成させ;
    該蒸留された酢酸生成物を、第2の蒸留カラム内において蒸留して、酢酸、並びに周期律表の第IA及びIIA族、第4級窒素カチオン、及びリン含有カチオンからなる群から選択されるカチオンを含む粗酸生成物を生成させる;
    ことを含む方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、該粗酸生成物を、該第2の蒸留カラムの底部より上方の位置の側流口から取り出す方法。
  11. 請求項9に記載の方法であって、該粗酸生成物を、該第2の蒸留カラムの底部から残渣として取り出す方法。
  12. 請求項8に記載の方法であって、該蒸留された酢酸生成物を第2の蒸留カラム内で蒸留する前に、酢酸カリウム、炭酸カリウム、及び水酸化カリウムからなる群から選択されるカリウム塩を該蒸留された酢酸生成物に加える工程を更に含み、該カリウムの少なくとも一部を該酸形態のカチオン交換体によって除去する方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、該粗酢酸生成物の温度を50℃〜120℃に調節することを更に含む方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、該中間酢酸生成物の温度を50℃〜85℃に調節することを更に含む方法。
  15. 請求項1に記載の方法であって、該粗酢酸生成物が実質的に無水である方法。
  16. 請求項1に記載の方法であって、該中間酢酸生成物が50ppb未満のリチウムイオン濃度を有する方法。
  17. 請求項1に記載の方法であって、該酸形態のカチオン交換体が、酸形態の強酸カチオン交換巨大網状、マクロ多孔質、又はメソ多孔質樹脂の樹脂を含む方法。
  18. 請求項1に記載の方法であって、該精製酢酸生成物をカチオン交換樹脂で処理して、銀、水銀、パラジウム、又はロジウムを回収することを更に含む方法。
  19. 液体組成物からヨウ化物を取り出す方法であって、該液体組成物が、カルボン酸又はその無水物、10ppbより多いC10〜C14アルキルヨウ化物、ヨウ化物アニオン、並びに第IA及びIIA族金属、第4級窒素カチオン、及び第4級リン含有カチオンからなる群から選択されるカチオンを含み、
    該方法が、該液体組成物を酸形態のカチオン交換体と接触させて、第IA及びIIA族金属、第4級窒素カチオン、及びリン含有カチオンからなる群から選択されるカチオンの減少した濃度を有する中間生成物を生成させ;そして
    該中間生成物を、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含む、酸カチオン交換部位を有する金属交換されたイオン交換樹脂と接触させて、精製酢酸生成物を生成させる;
    ことを含む方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、該カチオンがリチウムを含む方法。
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