JPH0820555A - 酢酸および/または無水酢酸の製造法 - Google Patents
酢酸および/または無水酢酸の製造法Info
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- JPH0820555A JPH0820555A JP6154401A JP15440194A JPH0820555A JP H0820555 A JPH0820555 A JP H0820555A JP 6154401 A JP6154401 A JP 6154401A JP 15440194 A JP15440194 A JP 15440194A JP H0820555 A JPH0820555 A JP H0820555A
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Abstract
形成される酢酸および/または無水酢酸中の有機ヨウ化
物およびカルボニル不純物を低減させた高純度酢酸およ
び/または高純度の無水酢酸の新規な製造法の提供。 【構成】 ロジウム触媒、ヨウ化物塩およびヨウ化メチ
ルの存在下、連続的にメタノール、酢酸メチル、ジメチ
ルエーテルの内少なくとも一成分と一酸化炭素を反応さ
せて酢酸および/または無水酢酸を製造する方法におい
て、反応液中のアセトアルデヒド濃度を400ppm以下に保
ち、反応を行い、得られる液体酢酸および/または液体
無水酢酸を、活性部位の少なくとも1%が銀および/ま
たは水銀形に交換されている強酸性カチオン交換樹脂と
接触させる。
Description
でのメタノール、酢酸メチル、ジメチルエーテルの内少
なくとも一成分をカルボニル化することによって形成さ
れる酢酸および/または無水酢酸の新規な製造方法に関
する。さらに詳しくは、本発明は、ロジウム触媒作用カ
ルボニル化方法によって形成される酢酸および/または
無水酢酸中の有機ヨウ化物およびカルボニル不純物を低
減させた高純度酢酸および/または高純度の無水酢酸の
新規な製造法に関する。
酸ビニル、テレフタル酸の原料として大量に用いられ、
高分子工業、化学工業をはじめ、多くの産業に必要な基
本的な化合物である。一方、無水酢酸は酢酸セルロース
の製造原料として、大量に用いられる他に医薬品、香
料、染料などの化成品の原料として有用な化合物であ
る。また、酢酸と無水酢酸は実用的な利用上、相互に関
連する化学物質である。例えば、酢酸セルロース工業に
おいては、酢酸から無水酢酸を製造し、無水酢酸とセル
ロースを反応させて、酢酸セルロースと酢酸とし、酢酸
は再使用される。
るが、水の存在下にロジウム触媒とヨウ化メチルを用い
て、メタノールと一酸化炭素を連続的に反応させる方法
が、現在広く採用されている工業的な酢酸製造法である
(特公昭47−3334号)。このメタノールカルボニ
ル化法による酢酸製造法において、近年、反応条件、触
媒の改良方法が検討され、例えば、ヨウ化物塩等の触媒
安定剤を添加して従来条件よりも低水分条件下で反応さ
せる方法が開示されている(特開昭60−54334
号、特開昭60−239434号)。それによると、反
応液中の水濃度を低減することで、二酸化炭素やプロピ
オン酸といった副生成物が減少することが開示されてい
る。しかし、その他の微少な不純物の中には、酢酸の生
産性の増加と共に発生量が増加し、製品酢酸の品質を悪
くする成分がある。これらの微少不純物の中には、ある
種の用途に特に影響を及ぼすものも含まれている。例え
ば、エチレンと酢酸からビニルアセテートを製造するの
に使用される触媒は、これらの不純物に対して極めて過
敏なものがある(特開平4−282339号)。このよ
うにして得られる酢酸中に含まれる不純物は、具体的に
は、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチ
ルクロトンアルデヒドなどのカルボニル化合物とヨウ化
ヘキシルなどの有機ヨウ化物であることが知られている
(特開平1−211548号、特公平5−21031
号)。この内、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒ
ド、2−エチルクロトンアルデヒドなどのカルボニル化
合物は過マンガン酸還元性物質試験(過マンガン酸タイ
ム)と呼ばれる、酢酸中のごく微少な還元性不純物の存
在量を調べる品質試験の分析値を悪化させることも知ら
れている(特開平1−211548号)。
の、これら微量不純物除去を目的とし、数多くの検討が
なされている。例えば、これら微量不純物の大部分が、
反応中に発生するアセトアルデヒドに起因するものであ
ることに注目し、プロセス中でアセトアルデヒドが濃縮
されている液から蒸留や抽出、反応によりアセトアルデ
ヒド除去を行うことで、製品酢酸中の微量不純物濃度を
低下させるという方法が提案されている。この方法によ
れば、反応液中のアセトアルデヒド濃度を低下させるこ
とで、製品中の微量不純物濃度を低下させることができ
るものの、アセトアルデヒドの系外除去量には設備上限
界がある。すなわち、品質上、十分満足できる製品を得
るためには、反応液中のアセトアルデヒド濃度を著しく
低下させておく必要があり、アセトアルデヒドを系外除
去するための蒸留塔や抽出塔、反応器などの設備を大き
くする必要に迫られ、膨大な設備投資が必要となる。
素、過マンガン酸カリウムで処理することで、製品中に
含まれる不純物を分解する方法も知られている(特公昭
61−2052号、特開昭61−56151号、特開平
4−338357号、特公昭56−10297号)。こ
れらの方法によれば、粗酢酸中に含まれるクロトンアル
デヒド、2−エチルクロトンアルデヒドなどの不飽和ア
ルデヒドを処理し分解することで発生するアルデヒドも
また過マンガン酸タイムを悪化させる成分に過ぎず、従
って、これら過酸化物処理の後に更に蒸留等の処理を必
要とする。
併産製造法として、水の不存在下にロジウム触媒とヨウ
化メチルを用いて、メタノール、酢酸メチル、ジメチル
エーテルの内少なくとも一成分と一酸化炭素を連続的に
反応させることで、無水酢酸を得る方法や酢酸と無水酢
酸を併産する方法が最近開発され、紹介されている(特
開昭62−246527号)。これら無水酢酸製造、あ
るいは酢酸と無水酢酸の併産製造の場合、助触媒として
リチウム化合物を添加する方法(特公平2−29060
号)の他に、4級化されたアミン化合物やホスフィン化
合物のヨウ化物塩を添加する方法(特公昭57−150
97号)、アルミニウムやクロミウム化合物などのルイ
ス酸性金属化合物を添加する方法(特公昭57−108
59号)などが知られている。これらの無水酢酸製造工
程、あるいは酢酸と無水酢酸の併産製造工程において
は、アセトアルデヒド、二酸化炭素、アセトン、クロト
ン酸メチル、酢酸エチル、エチリデンジアセテート、酢
酸ビニル、有機ヨウ化物の他に、酢酸ビニルから誘導さ
れるタールも副生することが知られている。
酸の併産製造工程において副生する上記副生成物の内、
二酸化炭素、アセトン以外の副生成物はその原因が、プ
ロセス中でわずかに副生するアセトアルデヒドに起因す
るものと考察される。プロセス中からアセトアルデヒド
を除去することで、アセトアルデヒドに起因する副生成
物の副生量を低減させることも提案されている。しかし
ながら、この場合もまた、上記メタノールカルボニル化
による酢酸製造の場合と同じく、アセトアルデヒドの系
外除去量には設備上限界がある。すなわち、品質上、十
分満足できる製品を得るためには、反応液中のアセトア
ルデヒド濃度を著しく低下させておく必要があり、アセ
トアルデヒドを系外除去するための蒸留塔や抽出塔、反
応器などの設備を大きくする必要に迫られ、膨大な設備
投資が必要となる。粗酢酸および/または粗無水酢酸中
に含まれる、クロトン酸メチルや酢酸ビニルを除去する
方法として、粗酢酸および/または粗無水酢酸をオゾン
処理し蒸留するという方法も提案されている(特開平6
−25071号)。この方法によれば、オゾン処理後に
更に蒸留操作が必要になるという欠点がある。
を巨大網状陰イオン交換樹脂により処理する方法(特開
昭58−118529号)や、銀交換した巨大網状強酸
性カチオン交換樹脂により処理する方法(特公平5−2
1031号、特開平1−110643号)、準多孔性カ
チオン交換樹脂により処理する方法(特開平4−282
339号)、ポリビニルピリジン樹脂(特開平5−24
6935号)やチオール基含有樹脂(特開平5−125
011号、EPO 535,605,A2号)で処理する方法が
知られている。これらイオン交換樹脂などの樹脂による
処理は、粗酢酸および/または粗無水酢酸中にごく微量
含まれるヨウ素イオン、ヨウ化メチルやヨウ化ヘキシル
など有機ヨウ化物を除去するものである。これらの方法
によれば、品質上、十分満足できる製品を得るために膨
大な量の樹脂を必要とする。
れる有機ヨウ化物を除去する手段として、アルカリ金属
塩処理(特公昭57−55695号、特開昭55−51
027号、特開昭58−116434号)や銀化合物に
よる処理(特公平4−58454号、特開平2−129
142号)も知られている。これらの方法によれば、品
質上、十分満足できる製品を得るために多量のアルカリ
金属塩や銀化合物を必要とするという欠点がある。粗酢
酸および/または粗無水酢酸中に含まれる有機ヨウ化物
を除去する手段として、酢酸メチル、メタノール共存下
に蒸留する方法、アルカリ金属塩存在下に蒸留する方法
も提案されている。これらの方法は、その方法を単独で
用いる場合には、品質上、十分満足できる製品を得るた
めの手段として、必ずしも有効とは言えない。
十分満足できる程度にまでアセトアルデヒドの系外除去
を行うためには巨大な設備が必要になったり、酸化処理
後に蒸留が必要になるという欠点がある。また、従来技
術によれば、品質上、十分満足できるまで有機ヨウ化物
を除去するために必要なイオン交換樹脂など樹脂量が膨
大になったり、アルカリ金属塩や銀化合物の必要量が膨
大になるという欠点がある。
および/または無水酢酸を連続する一連の製造設備で製
造する際に、従来技術の欠点および不利を克服すること
にあり、具体的には、本発明の目的は、含水条件下、メ
タノール、酢酸メチル、ジメチルエーテルの内少なくと
も一成分をカルボニル化することで得られる粗酢酸か
ら、不純物として含まれているアセトアルデヒド、クロ
トンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒドなどの
カルボニル化合物濃度とヨウ化ヘキシルなどの有機ヨウ
化物濃度を効率的に低減する方法を提供することにあ
る。また、本発明の目的は、非水条件下、メタノール、
酢酸メチル、ジメチルエーテルの内少なくとも一成分を
カルボニル化することで得られる粗酢酸、粗無水酢酸か
ら、不純物として含まれているアセトアルデヒド、クロ
トン酸メチル、酢酸エチル、エチリデンジアセテート、
酢酸ビニル、有機ヨウ化物濃度を効率的に低減し、同時
にタール副生量を効率的に低減する方法を提供すること
にある。
下にメタノール、酢酸メチル、ジメチルエーテルの内少
なくとも一成分をカルボニル化することによる酢酸製造
工程でアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エ
チルクロトンアルデヒドなどのカルボニル化合物とヨウ
化ヘキシルなどの有機ヨウ化物などの副生成物が副生す
るという事実、水の不存在下にメタノール、酢酸メチ
ル、ジメチルエーテルの内少なくとも一成分をカルボニ
ル化することによる無水酢酸製造工程、酢酸と無水酢酸
の併産製造工程でアセトアルデヒド、クロトン酸メチ
ル、酢酸エチル、エチリデンジアセテート、酢酸ビニ
ル、有機ヨウ化物などの副生成物とタールが副生すると
いう事実、ここに示した副生成物が反応中に発生するア
セトアルデヒドに起因するものであり、これら副生成物
が反応器中で生成されている事実、反応系からのアセト
アルデヒドの系外除去には限界があり、製品品質上、十
分満足できる程度にまで、アセトアルデヒドを系外除去
するためには、その設備にかかる設備投資額が膨大にな
るという事実に注目し、また、これら副生成物の処理と
して従来提案されている酸化処理、イオン交換樹脂など
樹脂による処理のみによれば、これら設備、付帯設備に
かかる設備投資額が膨大になるという事実、これら副生
成物の処理として従来提案されているアルカリ金属塩や
銀化合物による処理のみによれば、必要となるこれらア
ルカリ金属塩や銀化合物の量が膨大になり、後工程が複
雑になるという事実に注目し、鋭意研究の結果、本発明
を完成するに到った。
化物塩およびヨウ化メチルの存在下、連続的にメタノー
ル、酢酸メチル、ジメチルエーテルの内少なくとも一成
分と一酸化炭素を反応させて酢酸および/または無水酢
酸を製造する方法において、反応液中のアセトアルデヒ
ド濃度を400ppm以下に保ち、反応を行い、得られる液体
酢酸および/または液体無水酢酸を、活性部位の少なく
とも1%が銀および/または水銀形に交換されている強
酸性カチオン交換樹脂と接触させることを特徴とする高
純度酢酸および/または高純度無水酢酸の製造法を提供
するものである。
ノールのカルボニル化による酢酸製造方法について説明
する。本方法で用いられるロジウム触媒の使用形態とし
ては、反応条件下に可溶性であって、反応系中でロジウ
ムカルボニル錯体種を形成し得るものであればどの様な
ものでも構わない。本方法のロジウム成分の非限定的例
としては、RhX3(式中、 X=Cl, Br, I)、RhX3・3H2O
(式中、 X=Cl, Br, I)、Rh2(CO)16 、Rh(CO)X[(C6H5)
3M]2(式中、X=Cl,Br,I 、 M=P,As,Sb)、Rh(CO)2X[(C
6H5)3M](式中、 X=Cl,Br,I 、 M=P,As,Sb)、HRh(CO)
[(C6H5)3P]3、[Rh(C2H4)2Cl]2、K4Rh2X2(SnX3)4(式
中、 X=Cl,Br,I)および特公昭47−3334号公報記
載のロジウム成分などが挙げられる。反応液中のロジウ
ムの濃度は、 200〜1,000ppm、好ましくは 300〜600ppm
である。
触媒の安定化と助触媒としてヨウ化物塩が添加される。
このヨウ化物塩は反応液中で、ヨウ素イオンを発生する
ものであればいかなるものであってもよい。例を挙げる
ならば、LiI 、NaI 、KI、RbI 、CsI のようなアルカリ
金属ヨウ化物塩、BeI2、MgI2、CaI2等のアルカリ土類金
属ヨウ化物塩、BI3 、AlI3等のアルミニウム族金属ヨウ
化物塩等がある。また、金属ヨウ化物塩以外に有機物ヨ
ウ化物塩でもよく、例えば、4級ホスホニウムヨウ化物
(トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなど
のヨウ化メチル付加物またはヨウ化水素付加物等)、4
級アンモニウムヨウ化物塩(3級アミン、ピリジン類、
イミダゾール類、イミド類などのヨウ化メチル付加物ま
たはヨウ化水素付加物等)等が挙げられる。特に LiIな
どのアルカリ金属ヨウ化物塩が好ましい。ヨウ化物塩の
使用量は、反応液中いずれもヨウ化物イオンとして0.07
〜2.5モル/リットルであり、好ましくは0.25〜 1.5モ
ル/リットルとなる添加量がよい。
として使用され、反応液中5〜20重量%、好ましくは12
〜16重量%存在させる。また、本方法における反応液中
の水分濃度は15重量%以下、好ましくは10重量%以下で
ある。また、本方法の反応は連続反応であるので、原料
メタノールと酢酸が反応して生成する酢酸メチルが0.1
〜30重量%、好ましくは 0.5〜5重量%存在しており、
反応液中、残りの主成分は生成物でもありかつ反応溶媒
でもある酢酸である。本方法におけるメタノールカルボ
ニル化の典型的な反応温度は約150℃から250℃であり、
約 180℃から 220℃の温度範囲が好ましい。全反応圧
は、反応器中に含まれる液体成分の蒸気圧と一酸化炭素
分圧、水素分圧のために、約15気圧から40気圧の範囲内
に制御される。
ル、酢酸メチル、ジメチルエーテルの内少なくとも一成
分をカルボニル化することによる無水酢酸製造法、酢酸
と無水酢酸の併産製造法について説明する。本方法で用
いられるロジウム触媒の使用形態としては、上記メタノ
ールカルボニル化による酢酸製造法で用いられ得るもの
であればどの様なものでもかまわない。反応液中のロジ
ウムの濃度は、 200〜5,000ppm、好ましくは 300〜3,00
0ppmである。
化されたアミン化合物やホスフィン化合物などのヨウ化
物塩、ヨウ化リチウム、酢酸リチウムなどのリチウム化
合物、アルミニウムやクロミウム化合物などのルイス酸
性金属化合物が添加される。その添加量は、ロジウムに
対して5〜 100倍モル、好ましくは5〜50倍モルであ
る。アルミニウム化合物は、ロジウムに対して10〜20倍
モル程度の添加で効果が大きいが、促進剤の安定化のた
めに、ホウ素化合物を添加しても良い。ホウ素化合物と
しては、ホウ酸、メタホウ酸などが利用でき、アルミニ
ウムに対して1〜10倍のモル濃度になるよう添加され
る。また、これらの反応促進剤に加えて、ロジウムの安
定化剤としてヨウ素化合物を添加することもできる。こ
れらの反応促進剤は2種以上を組み合わせて用いること
もできる。
として使用され、反応液中10〜30重量%、好ましくは12
〜16重量%存在させる。反応液中の酢酸メチルの濃度は
5〜40重量%、無水酢酸の濃度は10〜40重量%、反応溶
媒でもあり生成物でもある酢酸の濃度は0〜40重量%で
ある。本方法における非水条件下でのメタノール、酢酸
メチル、ジメチルエーテルの内少なくとも一成分のカル
ボニル化の典型的な反応温度は約 150℃から 250℃であ
り、約 180℃から 220℃の温度範囲が好ましい。全反応
圧は、反応器中に含まれる液体成分の蒸気圧と一酸化炭
素分圧、水素分圧のために、約15気圧から 130気圧の範
囲内に制御される。
エーテルの内少なくとも一成分をカルボニル化すること
による酢酸および/または無水酢酸製造の場合の本発明
のプロセスを図1に基づいて以下に説明する。カルボニ
ル化反応器10内において、上記のような触媒、助触媒、
触媒安定剤、反応促進剤の存在下にカルボニル化反応し
て得られた反応粗液は、反応器10からライン11を介して
引き出されフラッシャー12に導入される。フラッシャー
12で蒸発しない触媒成分を含む触媒循環液は、フラッシ
ャー12の底部からライン13を介して引き出され、カルボ
ニル化反応器10に循環される。フラッシャー12の頂部か
らは、生成した酢酸および/または無水酢酸と助触媒で
あるヨウ化メチル、カルボニル化原料、場合により水な
どが、一酸化炭素、メタン、水素、二酸化炭素の様な非
凝縮性ガスと共にライン15を介して引き出される。フラ
ッシャー12の頂部からライン15を介して引き出された成
分は蒸留塔14に導入され、低沸点成分であるヨウ化メチ
ル、カルボニル化原料、場合により水と共に、一酸化炭
素、メタン、水素、二酸化炭素の様な非凝縮性ガスが、
高沸点成分である酢酸および/または無水酢酸と分離さ
れる。蒸留塔14の塔頂部からライン20を介して留出する
低沸点成分、すなわちヨウ化メチル、カルボニル化原
料、場合により水は、そのまま、あるいは従来公知のア
セトアルデヒド分離工程を経て反応器10に循環される。
アセトアルデヒド分離工程としては、例えば、特開平4
−266843号公報に開示されているような、カルボ
ニル化するカルボニル化反応器10へのヨウ化メチル再循
環流を、カルボニル不純物と反応して水溶性窒素含有誘
導体を形成するアミノ化合物と反応させて、有機ヨウ化
メチル相を水性誘導体相から分離し、ヨウ化メチル相を
蒸留してカルボニル不純物を除去する方法も適用されう
るが、含窒素化合物の除去という煩わしさを伴うため、
好ましくは以下に示すような方法、すなわち添加剤を用
いない、蒸留、抽出あるいは抽出蒸留等の方法が好まし
い。
カルボニル不純物を除去する対象となるプロセス液とし
ては、蒸留塔14の塔頂部からライン20を介して留出する
低沸点成分を凝縮した凝縮液の上相32、ヨウ化メチルに
富む下相30、ライン20を介して留出する低沸点成分が分
液しなければこの低沸点成分の均一液、廃ガス吸収系に
よるベントガスの吸収液、蒸留塔14の塔底近くのライン
17からの粗酢酸および/または粗無水酢酸液の更なる蒸
留低沸液などがアセトアルデヒドの濃度が高く好ましい
が、その中でも上相32、下相30、もしくはライン20を介
して留出する低沸点成分が分液しなければこの低沸点成
分の均一液、あるいはこれらのカルボニル不純物濃縮液
が更に好ましい。尚、ライン17からの粗酢酸および/ま
たは粗無水酢酸液は、通常、蒸留塔を経て製品酢酸、製
品無水酢酸となる。上記のようなアセトアルデヒドを含
むカルボニル不純物を除去する対象となるプロセス液に
は、通常ヨウ化メチル5〜90重量%、アセトアルデヒド
0.05〜50重量%、酢酸メチル0〜60重量%、酢酸0〜80
重量%、水分0〜40重量%およびその他のカルボニル不
純物等を含んでいる。これらのアセトアルデヒドを含む
プロセス液はヨウ化メチル、酢酸メチル等の有用成分を
含んでいるため、カルボニル化反応器10に循環し、再使
用されている。従って、これらの循環液よりアセトアル
デヒドを分離除去することにより、反応器内のアセトア
ルデヒド濃度を低減させることが可能である。
の分離方法としては、アセトアルデヒドを含むプロセス
液を一本の蒸留塔で分離蒸留する方法、アセトアルデヒ
ドとヨウ化メチルからなる沸点の低い成分をまず蒸留で
他の成分と分離した後、更にヨウ化メチルとアセトアル
デヒドを蒸留分離する方法、アセトアルデヒドが水と良
くまじりヨウ化メチルが水とまじり難い性質を利用し、
ヨウ化メチルとアセトアルデヒドの分離に水抽出を用い
る方法等が挙げられる。以下、ヨウ化メチルとアセトア
ルデヒドの分離に水抽出を用いる方法について、更に詳
細に説明する。この水抽出法においては、例えばアセト
アルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド等
のようなカルボニル不純物を含む分液槽下相液30中のカ
ルボニル不純物を水で抽出することによって反応生成物
から分離し、カルボニル不純物を含まない再循環流を形
成する。好ましい実施態様では、分液槽下相液30を水抽
出によってヨウ化メチルを含む有機相再循環流とカルボ
ニル不純物を含む水相流とに分離し、反応器10への有機
相再循環流からカルボニル不純物を除去する。
トアルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド
等のようなカルボニル不純物を含む分液槽下相液30を水
と接触させ、水相にカルボニル不純物を抽出する。カル
ボニル不純物は処理前に分析することで測定することが
できる。抽出は0℃〜100 ℃の温度において1秒〜1時
間までの時間実施される。いかなる圧力も用いることが
でき、圧力はこの方法において決定的ではなく、コスト
上、有利な条件を選ぶことができる。抽出器はミキサー
とセトラーの組み合わせ、スタティックミキサーとデカ
ンターの組み合わせ、RDC(rotated disk contacto
r)、Karr塔、スプレー塔、充填塔、多孔板塔、邪
魔板塔、脈動塔など、技術上周知の適当ないかなる装置
でも用いることができる。抽出器からデカンターを経
て、カルボニル不純物を含む水相流とカルボニル不純物
を含まない有機相流を得る。有機相流はカルボニル化反
応器へ再循環される。水相流は蒸留塔に送り、カルボニ
ル不純物を水から分離し、水は抽出器へ再循環される。
分析することでカルボニル不純物の除去値を知ることが
できる。
りアセトアルデヒドを分離して、カルボニル化反応液中
のアセトアルデヒド濃度を400ppm以下に保ち、反応を行
うことが必要である。反応液中のアセトアルデヒド濃度
が400ppmを越えると、生成物である酢酸および/または
無水酢酸中の不純物濃度が上昇し、結果、製品品質を維
持するために、複雑で大規模な精製処理工程が必要とな
るので好ましくない。カルボニル化反応液中のアセトア
ルデヒド濃度を400ppm以下に維持する方法として、上記
のような蒸留塔14の塔頂部から留出する低沸点成分から
蒸留、抽出等によりアセトアルデヒド分離を行う方法
と、カルボニル化反応の反応条件を制御する方法、ヒド
ロキシルアミン処理による方法等が考えられるが、品質
上、十分満足できる酢酸および/または無水酢酸を得る
ためには、カルボニル化反応液中のアセトアルデヒド濃
度を100ppm程度まで、あるいはそれ以下にまで低減する
ことが求められる。しかしながら、上記、蒸留、抽出等
によるアセトアルデヒド分離や、カルボニル化反応の反
応条件を制御する方法では、そのために必要となる設備
投資額が膨大になる。
反応液中のアセトアルデヒド濃度を400ppm以下に維持す
ることで得られた液体酢酸および/または液体無水酢酸
を、活性部位の少なくとも1%が銀および/または水銀
形に交換されている強酸性カチオン交換樹脂と接触させ
る。強酸性カチオン交換樹脂と接触させる液は、酢酸お
よび/または無水酢酸を主成分とする液であればどの様
な液であってもかまわないが、樹脂の保護のためには可
能な限り、ヨウ化メチル濃度の低いプロセス液を用いる
のが好ましい。本発明においては、ライン17から蒸留な
ど従来公知のプロセスを経て得た酢酸および/または無
水酢酸を上記特定の強酸性カチオン交換樹脂40と接触さ
せることで、そのまま蒸留など後工程を加えなくても高
純度の酢酸および/または無水酢酸が得られる。また、
蒸留など従来公知のプロセスを経る前に強酸性カチオン
交換樹脂40と接触させてもよい。尚、必要に応じて、ラ
イン17からの酢酸および/または無水酢酸は強酸性カチ
オン交換樹脂40と接触させた後に、蒸留等の操作を行な
っても良い。
去に使う上記強酸性カチオン交換樹脂は非ゲル型のもの
で、活性部位の少なくとも1%が銀および/または水銀
形に変えられたものである。また、上記イオン交換樹脂
に代えて、活性部位の少なくとも1%が銀および/また
は水銀形に交換されているイオン交換膜、イオン交換繊
維、ポリビニルピリジン樹脂などの銀、水銀と配位コン
プレックスを形成する官能基を有するポリマー樹脂など
も使用されうる。本発明において、カチオン交換樹脂の
銀および/または水銀形への転化方法は特に限定され
ず、水または適当な非水性有機媒質に適当な溶解度をも
つ銀および/または水銀塩、例えば酢酸銀、硝酸銀、酸
化銀、酢酸水銀、硝酸水銀、酸化水銀等を添加した溶液
を用い、カチオン交換樹脂と銀および/または水銀イオ
ンを結合させるに十分な時間、樹脂と上記適当な銀塩お
よび/または水銀塩溶液とを単に接触させるだけで望む
程度に銀および/または水銀形に転化できる。交換樹脂
に銀および/または水銀イオンを負荷する際用いられる
媒質は例えば酢酸、水等である。本発明において、樹脂
と結合する銀および/または水銀量は、活性部位の少な
くとも1%が銀および/または水銀形に変えられていれ
ばよく、活性部位の1%程度から 100%の高さまで銀お
よび/または水銀形に転化されてよい。好ましくは約25
〜約75%が銀および/または水銀形に転化されるとよ
い。
た強酸性カチオン交換樹脂の前後に、銀交換していない
H型の強酸性カチオン交換樹脂層を設けてもかまわな
い。本発明において、液体酢酸および/または液体無水
酢酸と強酸性カチオン交換樹脂とを接触させるには、液
体酢酸および/または液体無水酢酸を適当な手段を使っ
て上記強酸性カチオン交換樹脂と単に接触させればよ
く、例えば、樹脂をそのスラリーとして管に注入して管
に詰め、次いで液体酢酸および/または液体無水酢酸を
単にそれに流し通す方法が使用できる。また交換樹脂を
液体酢酸および/または液体無水酢酸と接触させる他の
適当な手段も使用できる。
たは液体無水酢酸を流す速さは、液体酢酸および/また
は液体無水酢酸の性質、特定樹脂、除去される不純物の
程度と特性および濃度パーセントにより、選択すること
ができる。本発明において、強酸性カチオン交換樹脂を
接触させる時の温度は特に限定されず、広く液体酢酸お
よび/または液体無水酢酸のほぼ凝固点から交換樹脂の
分解温度までのどんな温度においても行なうことができ
る。実際に使われる温度は普通約17〜約 100℃、好まし
くは17〜80℃である。
ル化反応液中のアセトアルデヒド濃度を400ppm以下に維
持することで得られた液体酢酸および/または液体無水
酢酸を強酸性カチオン交換樹脂と接触させる処理に加え
て、酸化処理、アルカリ金属塩処理、銀化合物処理、酢
酸メチルやメタノールによる処理を行っても良い。これ
らの処理を実施する場合、各処理の順番は問わないが、
例えば、カチオン交換樹脂の不可逆膨潤を防止するため
に、カチオン交換樹脂と接触させる処理の後に酸化処理
を加える方が好ましい。
系外除去のみでは到底達成できなかった高品質の酢酸お
よび/または無水酢酸が、アセトアルデヒドの系外除去
と特定のカチオン交換樹脂との接触による処理を組み合
わせることで達成でき、しかも、品質上十分満足できる
酢酸および/または無水酢酸を得るために必要なイオン
交換樹脂の量を極小化できる。逆に言えば、本技術によ
り、従来用いられてきたイオン交換樹脂量であれば、従
来よりも長い間イオン交換樹脂を使用することができ
る。また、本発明によれば、付加的に行う酸化処理、ア
ルカリ金属塩や銀化合物による処理の規模を小さくする
ことができ、結果として、後工程を簡潔化することもで
きる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。例中の部は特記しない限り重量基準
である。 比較例1 連続抜き取り方式のオートクレーブ(カルボニル化反応
器)10から、ライン11を介してアセトアルデヒド570pp
m、ヨウ化メチル14重量%、水8重量%、酢酸メチル 1.
6重量%、酢酸71重量%、ヨウ化リチウム5重量%、ロ
ジウム400ppmからなる反応粗液をフラッシャー12に導入
し、フラッシャー12で蒸発しない触媒成分を含む触媒循
環液を、フラッシャー12の底部からライン13を介して引
き出し、カルボニル化反応器10に高圧ポンプを用いて循
環した。フラッシャー12の頂部からはライン15を介して
主として生成した酢酸と助触媒であるヨウ化メチル、酢
酸メチル、水からなる成分が引き出され、第一の蒸留塔
14に導入された。第一の蒸留領域では、低沸点成分であ
るヨウ化メチル、酢酸メチル、水が高沸点成分である酢
酸と分離された。蒸留塔14の塔頂部からライン20を介し
て留出する低沸点成分、すなわちヨウ化メチル、酢酸メ
チル、水からなる成分をそのままカルボニル化反応器10
に循環した。この様にして得られた酢酸粗液(上記第一
の蒸留塔14からライン17を介して得られる)に通常公知
の分離操作、すなわち脱水、脱高沸の蒸留操作を加えた
ところ、製品酢酸中には、クロトンアルデヒド 3.5ppm
、2−エチルクロトンアルデヒド 2.7ppm 、ヨウ化ヘ
キシル88ppb が含まれていた。
換樹脂カラムに30℃〜40℃の条件下で通液した。ここで
用いたイオン交換樹脂は、RCP160M(三菱化成
製、巨大網状強酸性カチオン交換樹脂)の活性部位の50
%を銀交換したものである。イオン交換処理後の製品酢
酸中には、クロトンアルデヒド3.5ppm、2−エチルクロ
トンアルデヒド2.7ppmが含まれていた。ヨウ化ヘキシル
は4ppb 以下であった。また、この製品品質を1年間維
持するために必要な樹脂量はSVで表現すると、SV=
6 (Hr-1)に相当する量であった。
換樹脂カラムに30℃〜40℃の条件下で通液した。ここで
用いたイオン交換樹脂は、アンバーリスト15(ローム
&ハース社製、巨大網状強酸性カチオン交換樹脂)の活
性部位の42%を銀交換したものである。イオン交換処理
後の製品酢酸中には、クロトンアルデヒド3.5ppm、2−
エチルクロトンアルデヒド2.7ppmが含まれていた。ヨウ
化ヘキシルは4ppb 以下であった。また、この製品品質
を1年間維持するために必要な樹脂量はSVで表現する
と、SV=8 (Hr-1)に相当する量であった。
器)10からライン11を介してアセトアルデヒド200ppm、
ヨウ化メチル14重量%、水8重量%、酢酸メチル 1.6重
量%、酢酸71重量%、ヨウ化リチウム5重量%、ロジウ
ム400ppmからなる反応粗液を抜き取り、フラッシャー12
に導入し、フラッシャー12で蒸発しない触媒成分を含む
触媒循環液を、フラッシャー12の底部からライン13を介
して引き出し、カルボニル化反応器10に高圧ポンプを用
いて循環した。フラッシャー12の頂部からはライン15を
介して主として生成した酢酸と助触媒であるヨウ化メチ
ル、酢酸メチル、水からなる成分が引き出され、第一の
蒸留塔14に導入された。第一の蒸留領域では、低沸点成
分であるヨウ化メチル、酢酸メチル、水が高沸点成分で
ある酢酸と分離された。蒸留塔14の塔頂部からライン20
を介して留出する低沸点成分、すなわちヨウ化メチル、
酢酸メチル、水からなる成分から、以下の方法によりア
セトアルデヒドを蒸留除去し、残りをカルボニル化反応
器10に循環した。この際、除去できたアセトアルデヒド
量は、カルボニル化反応器10で発生するアセトアルデヒ
ド量の57%に相当した。この様にして得られた酢酸粗液
(上記第一の蒸留塔14からライン17を介して得られる)
に通常公知の分離操作、すなわち脱水、脱高沸の蒸留操
作を加えたところ、酢酸中には、クロトンアルデヒド0.
8ppm、2−エチルクロトンアルデヒド0.1ppm、ヨウ化ヘ
キシル9ppb が含まれていた。
す酢酸製造の試験装置を、反応液組成:ヨウ化メチル14
重量%、水8重量%、酢酸メチル1.6 重量%、酢酸71重
量%、ヨウ化リチウム5重量%、ロジウム400 ppm で操
作中、蒸留塔(ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラ
ム)14の塔頂部からライン20を介して留出する低沸点成
分を凝縮した後の分液槽下相液30の一部を80段の蒸留塔
を用いて、以下の条件で蒸留し、塔頂からアセトアルデ
ヒド濃縮液を得、この濃縮液についてカルボニル不純物
の除去を行なった。
トアルデヒド濃度を制御する事は可能であるが、ヨウ化
メチル濃度が高いためにその損失、あるいは廃棄するに
も環境上の問題があり、通常好ましくないので、以下に
示すような水抽出操作を行なって、高純度酢酸を得た。
出を行い、得られた抽出液を蒸留し、アセトアルデヒド
を分離した。抽出は抽剤である水と前記80段蒸留塔の塔
頂抜取液との比S/Fを1(重量比)、理論段2段で行
った。アセトアルデヒドの抽出率は98%であった。前記
80段蒸留塔の塔頂抜取液全量(0.19部)を処理すること
により、0.054 部のアセトアルデヒドを除去できた。こ
れにより、反応器でのアセトアルデヒド生成量の57%を
除去できた。アセトアルデヒドを除去し精製された抽残
液(ヨウ化メチル富化液)は、前記80段蒸留塔の上から
10段目に再循環されることで前記80段蒸留塔の塔底抜き
取り液として、反応器に再循環した。アセトアルデヒド
を抽出した抽出液(水相流)は、後続の蒸留塔に供給さ
れ、留出液としてアセトアルデヒドを取り出し、缶出液
として水を取り出した。この蒸留は理論段8段、還流比
0.3 で充分分離できた。缶出の水は抽剤として抽出器へ
再循環した。
樹脂カラムに30〜40℃の条件下で通液した。ここで用い
たイオン交換樹脂は、RCP160M(三菱化成製、巨
大網状強酸性カチオン交換樹脂)の活性部位の50%を銀
交換したものである。イオン交換処理後の製品酢酸中に
は、クロトンアルデヒド0.8ppm、2−エチルクロトンア
ルデヒド0.1ppmが含まれていた。ヨウ化ヘキシルは4pp
b 以下であった。また、この製品品質を1年間維持する
ために必要な樹脂量はSVで表現すると、SV=60(Hr
-1)に相当する量であった。この量は、上記比較例2に
示した樹脂量のおよそ1/10に相当する。
樹脂カラムに30〜40℃の条件下で通液した。ここで用い
たイオン交換樹脂は、アンバーリスト15(ローム&ハ
ース社製、巨大網状強酸性カチオン交換樹脂)の活性部
位の42%を銀交換したものである。イオン交換処理後の
製品酢酸中には、クロトンアルデヒド0.8ppm、2−エチ
ルクロトンアルデヒド0.1ppmが含まれていた。ヨウ化ヘ
キシルは4ppb 以下であった。また、この製品品質を1
年間維持するために必要な樹脂量はSVで表現すると、
SV=80(Hr-1)に相当する量であった。この量は、上
記比較例3に示した樹脂量のおよそ1/10に相当する。
樹脂カラムに70〜80℃の条件下、SV=60(Hr-1)とな
るように通液した。ここで用いたイオン交換樹脂は、R
CP160M(三菱化成製、巨大網状強酸性カチオン交
換樹脂)の活性部位の50%を銀交換したものである。イ
オン交換処理後の製品酢酸中には、クロトンアルデヒド
0.8ppm、2−エチルクロトンアルデヒド0.1ppmが含まれ
ていた。ヨウ化ヘキシルは4ppb 以下であった。また、
この条件下にイオン交換処理を続けたところ、上記製品
品質を2年間維持することができた。
樹脂カラムに70〜80℃の条件下、SV=80(Hr-1)とな
るように通液した。ここで用いたイオン交換樹脂は、ア
ンバーリスト15(ローム&ハース社製、巨大網状強酸
性カチオン交換樹脂)の活性部位の42%を銀交換したも
のである。イオン交換処理後の製品酢酸中には、クロト
ンアルデヒド0.8ppm、2−エチルクロトンアルデヒド0.
1ppmが含まれていた。ヨウ化ヘキシルは4ppb 以下であ
った。また、この条件下にイオン交換処理を続けたとこ
ろ、上記製品品質を2年間維持することができた。
法に用いられる反応−酢酸および/または無水酢酸回収
系のフロー図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ロジウム触媒、ヨウ化物塩およびヨウ化
メチルの存在下、連続的にメタノール、酢酸メチル、ジ
メチルエーテルの内少なくとも一成分と一酸化炭素を反
応させて酢酸および/または無水酢酸を製造する方法に
おいて、反応液中のアセトアルデヒド濃度を400ppm以下
に保ち、反応を行い、得られる液体酢酸および/または
液体無水酢酸を、活性部位の少なくとも1%が銀および
/または水銀形に交換されている強酸性カチオン交換樹
脂と接触させることを特徴とする高純度酢酸および/ま
たは高純度無水酢酸の製造法。
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