JP2016189378A - α,β―共役カルボン酸を含有する蓄電デバイス用電解液 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、従来の1,6−デカンジカルボン酸を用いる電解液の課題であった耐電圧を向上させ、高耐電圧の蓄電デバイス用電解液を提供する事である。
【解決手段】上記課題を解決するため、鋭意検討を進めた結果、次の発明によって解決されることを見出した。
ニトリル化合物、第2級カルボン酸化合物および第3級カルボン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物と、下記一般式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸及び/又はその塩を含有する蓄電デバイス用電解液。
【化1】
[一般式(1)中、R1〜R3は水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルケニル基、ポリエン基又は芳香族基を示す。]
【選択図】 なし
【解決手段】上記課題を解決するため、鋭意検討を進めた結果、次の発明によって解決されることを見出した。
ニトリル化合物、第2級カルボン酸化合物および第3級カルボン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物と、下記一般式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸及び/又はその塩を含有する蓄電デバイス用電解液。
【化1】
[一般式(1)中、R1〜R3は水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルケニル基、ポリエン基又は芳香族基を示す。]
【選択図】 なし
Description
本発明は、α,β―共役カルボン酸又はその塩を電解質成分として含有する蓄電デバイス用電解液に関する。
従来、中高圧用電解コンデンサの駆動用電解液としては、耐電圧が比較的高く得られることから、エチレングリコールを溶媒に、硼酸又は硼酸アンモニウムを電解質として溶解した電解液が用いられてきた。しかしながら、このような電解液は、電気伝導性が低く、しかもエチレングリコールと硼酸のエステル化により多量の水が生成し、この酸性の水分がアルミニウム酸化皮膜と反応して電極を劣化させるという問題があった。また、100℃以上の高温化では水の蒸発により内圧が上昇するため、高温環境下での使用に適さないという問題もあった。
そこで、このような問題を解決するために、近年、電解質として、1,6−デカンジカルボン酸などのジカルボン酸及び/又はその塩を含有する電解液が報告されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、1,6−デカンジカルボン酸は耐電圧が十分に満足できるものではなく、更に電解コンデンサ用電解液の耐電圧を向上させることが切望されている。
本発明の課題は、従来の1,6−デカンジカルボン酸を用いる電解液の課題であった耐電圧を向上させ、高耐電圧の蓄電デバイス用電解液を提供する事である。
上記課題を解決するため、鋭意検討を進めた結果、次の[1]〜[6]の発明によって解決されることを見出した。
[1]ニトリル化合物、第2級カルボン酸化合物および第3級カルボン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、下記一般式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸及び/又はその塩を含有する蓄電デバイス用電解液。
[一般式(1)中、R1〜R3は水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルケニル基、ポリエン基又は芳香族基を示す。]
[2]ニトリル化合物が、ジニトリル及び/又はモノニトリルである第1項記載の蓄電デバイス用電解液。
[3]α,β-共役カルボン酸化合物が、ソルビン酸及び/又はシンナム酸である第1項又は第2項に記載の蓄電デバイス用電解液。
[4]ニトリル化合物が、アジポニトリル、2―メチルグルタロニトリル、スクシノニトリル及びベンゾニトリルから成る群から選ばれる少なくとも1種である第2項又は第3項に記載の蓄電デバイス用電解液。
[5]第2級カルボン酸が、1,6−デカンジカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチルブタン酸、シクロヘキサンカルボン酸及び2−アルキルアジピン酸から成る群から選ばれる少なくとも1種である第1項から第4項のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液。
[6]第3級カルボン酸が、ピバル酸及び/又は2,2―ジメチルヘキサン酸である第1項から第5項のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液。
[2]ニトリル化合物が、ジニトリル及び/又はモノニトリルである第1項記載の蓄電デバイス用電解液。
[3]α,β-共役カルボン酸化合物が、ソルビン酸及び/又はシンナム酸である第1項又は第2項に記載の蓄電デバイス用電解液。
[4]ニトリル化合物が、アジポニトリル、2―メチルグルタロニトリル、スクシノニトリル及びベンゾニトリルから成る群から選ばれる少なくとも1種である第2項又は第3項に記載の蓄電デバイス用電解液。
[5]第2級カルボン酸が、1,6−デカンジカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチルブタン酸、シクロヘキサンカルボン酸及び2−アルキルアジピン酸から成る群から選ばれる少なくとも1種である第1項から第4項のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液。
[6]第3級カルボン酸が、ピバル酸及び/又は2,2―ジメチルヘキサン酸である第1項から第5項のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液。
本発明のα,β-共役カルボン酸及び/又はその塩を含有する電解液は、高い火花開始電圧を有しており、高耐電圧の蓄電デバイス用電解液として有用である。
本発明により、耐電圧性に優れる蓄電デバイス用電解液が提供される。
本発明により、耐電圧性に優れる蓄電デバイス用電解液が提供される。
次に、本発明の実施態様を、本発明のα,β-共役カルボン酸化合物、並びにそれを用いた電解液の順に説明する。
<α,β-共役カルボン酸化合物>
α,β-共役カルボン酸化合物は、下記一般式(1)で示される。
<α,β-共役カルボン酸化合物>
α,β-共役カルボン酸化合物は、下記一般式(1)で示される。
一般式(1)中、置換基R1、R2及びR3は、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルケニル基、ポリエン基又は芳香族基を示す。
アルキル基としては、炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられるが、メチルが好ましい。
アルケニル基としては、炭素原子数2〜20の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられ、具体的には、1−プロペン、2−プロペン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、3−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン等が挙げられるが、1−プロペンが好ましい。
ポリエン基としては、炭素原子数4〜9の直鎖状又は分岐鎖状のポリエン基が挙げられ、具体的には、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3,5−ヘキサトリエン等が挙げられるが、1,3−ペンタジエンが好ましい。
芳香族基としては、炭素原子数6〜12の芳香族基が挙げられ、具体的には、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられるが、置換基を有しても良いフェニル基が好ましい。
これらのα,β-共役カルボン酸化合物の具体的に好ましい化合物としては、ソルビン酸、2,4,6−トリエンオクタン酸、シンナム酸、3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリル酸、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)アクリル酸、3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸あるいはこれら化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物等が挙げられる。
これらのα,β-共役カルボン酸化合物は市販のものを使用する事が出来る。
これらのα,β-共役カルボン酸化合物は市販のものを使用する事が出来る。
α,β-共役カルボン酸化合物の塩としては、上記α,β-共役カルボン酸化合物のアンモニウム塩あるいは炭素原子数1〜20の有機アミン塩が挙げられる。具体的には、アンモニウム塩、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン等の第一級アミン塩、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の第二級アミン塩、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第三級アミン塩、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩あるいはこれら化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物等が挙げられるが、好ましくは、アンモニウム塩である。
<ニトリル化合物>
ニトリル化合物としては、炭素原子数3〜20のジニトリル、炭素原子数2〜20のモノニトリル、あるいはこれらの化合物の混合物が挙げられる。
ニトリル化合物としては、炭素原子数3〜20のジニトリル、炭素原子数2〜20のモノニトリル、あるいはこれらの化合物の混合物が挙げられる。
炭素原子数3〜20のジニトリルとしては、具体的には、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、2−メチルグルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリルあるいはこれら化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物等が挙げられるが、2−メチルグルタロニトリル、アジポニトリル、スクシノニトリルあるいはこれらの化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物が好ましい。
炭素原子数2〜20のモノニトリルとしては、具体的には、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ペンタンニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプタンニトリル、オクタンニトリル、ノナンニトリル、デカンニトリル、ベンゾニトリルあるいはこれらの化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物等が挙げられるが、ブチロニトリル、ベンゾニトリルが好ましい。
<第2級カルボン酸化合物>
第2級カルボン酸化合物としては、炭素原子数6〜20の第2級カルボン酸化合物が挙げられる。具体的には、1,6−デカンジカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルブタン酸、2−メチルアジピン酸、2−エチルアジピン酸、2−プロピルアジピン酸、2−ブチルアジピン酸、2−ペンチルアジピン酸、2−ヘキシルアジピン酸、2,5−ジメチルアジピン酸、2−エチル−5−ブチルアジピン酸、2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)アジピン酸、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アジピン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸あるいはこれらの化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物等が挙げられるが、1,6−デカンジカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチルブタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、2−アルキルアジピン酸あるいはこれらの化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物が好ましい。
第2級カルボン酸化合物としては、炭素原子数6〜20の第2級カルボン酸化合物が挙げられる。具体的には、1,6−デカンジカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルブタン酸、2−メチルアジピン酸、2−エチルアジピン酸、2−プロピルアジピン酸、2−ブチルアジピン酸、2−ペンチルアジピン酸、2−ヘキシルアジピン酸、2,5−ジメチルアジピン酸、2−エチル−5−ブチルアジピン酸、2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)アジピン酸、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アジピン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸あるいはこれらの化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物等が挙げられるが、1,6−デカンジカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチルブタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、2−アルキルアジピン酸あるいはこれらの化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物が好ましい。
<第3級カルボン酸>
第3級カルボン酸化合物としては、炭素数5〜20のカルボン酸が挙げられる。具体的には、ピバル酸、2,2−ジメチルブチル酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸あるいはこれらの化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物等が挙げられるが、ピバル酸及び/又は2,2−ジメチルヘキサン酸が好ましい。
第3級カルボン酸化合物としては、炭素数5〜20のカルボン酸が挙げられる。具体的には、ピバル酸、2,2−ジメチルブチル酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸あるいはこれらの化合物から選ばれる2種以上の化合物の混合物等が挙げられるが、ピバル酸及び/又は2,2−ジメチルヘキサン酸が好ましい。
[本発明のα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩を含有する蓄電デバイス用電解液]
本発明の一般式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩は、蓄電デバイス用電解液の構成成分として有用な化合物である。
本発明の一般式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩は、蓄電デバイス用電解液の構成成分として有用な化合物である。
[一般式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩の使用量]
本発明の一般式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩を含有する蓄電デバイス用電解液において使用される当該α,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩は、単独でも、これらの複数種類を混合して使用してもよい。本発明の蓄電デバイス用電解液におけるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩の使用量は、蓄電デバイス用電解液の性能に悪影響を与えない量であれば、特に制限されない。
本発明の一般式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩を含有する蓄電デバイス用電解液において使用される当該α,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩は、単独でも、これらの複数種類を混合して使用してもよい。本発明の蓄電デバイス用電解液におけるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩の使用量は、蓄電デバイス用電解液の性能に悪影響を与えない量であれば、特に制限されない。
本発明の電解液は、α,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩に加えて、ニトリル化合物、第2級カルボン酸化合物および第3級カルボン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含有する。
その組み合わせとしては、α,β-共役カルボン酸化合物と第2級カルボン酸化合物の組合せ、α,β-共役カルボン酸化合物と第3級カルボン酸化合物の組合せ、α,β-共役カルボン酸化合物とニトリル化合物の組合せ、α,β-共役カルボン酸化合物と第2級カルボン酸化合物及びニトリル化合物の組合せ、α,β-共役カルボン酸化合物と第3級カルボン酸化合物及びニトリル化合物の組合せが挙げられる。
この内、α,β-共役カルボン酸化合物と第2級カルボン酸化合物の組み合わせ、α,β-共役カルボン酸化合物とニトリル化合物の組み合わせ、α,β-共役カルボン酸化合物と第2級カルボン酸化合物及びニトリル化合物の組み合わせが好ましく、具体的にはα,β-共役カルボン酸化合物と1,6−デカンジカルボン酸及びアジポニトリルの組合せが好ましい。
α,β-共役カルボン酸化合物と第2級カルボン酸化合物の電解液中の合計質量%は、0.6〜40が好ましい。
α,β-共役カルボン酸化合物とニトリル化合物の電解液中の質量%は、α,β-共役カルボン酸化合物の質量%は0.5〜20が好ましく、ニトリル化合物の質量%は0.5〜50が好ましい。
α,β-共役カルボン酸化合物と第2級カルボン酸化合物及びニトリル化合物の電解液中の、α,β-共役カルボン酸化合物と第2級カルボン酸化合物の電解液中の合計質量%は、0.6〜40が好ましく、ニトリル化合物の質量%は0.5〜50が好ましい。
α,β-共役カルボン酸化合物と第3級カルボン酸化合物及びニトリル化合物の電解液中の、α,β-共役カルボン酸化合物と第3級カルボン酸化合物の電解液中の合計質量%は、0.6〜40が好ましく、ニトリル化合物の質量%は0.5〜50が好ましい。
α,β-共役カルボン酸化合物とニトリル化合物の電解液中の質量%は、α,β-共役カルボン酸化合物の質量%は0.5〜20が好ましく、ニトリル化合物の質量%は0.5〜50が好ましい。
α,β-共役カルボン酸化合物と第2級カルボン酸化合物及びニトリル化合物の電解液中の、α,β-共役カルボン酸化合物と第2級カルボン酸化合物の電解液中の合計質量%は、0.6〜40が好ましく、ニトリル化合物の質量%は0.5〜50が好ましい。
α,β-共役カルボン酸化合物と第3級カルボン酸化合物及びニトリル化合物の電解液中の、α,β-共役カルボン酸化合物と第3級カルボン酸化合物の電解液中の合計質量%は、0.6〜40が好ましく、ニトリル化合物の質量%は0.5〜50が好ましい。
α,β-共役カルボン酸化合物と1,6−デカンジカルボン酸とアジポニトリルの電解液中の質量%は、0.5:0.1:0.5〜20:20:50が好ましく、1:0.5:1〜15:15:40がより好ましい。
[溶媒:蓄電デバイス用電解液]
本発明の蓄電デバイス用電解液に使用する溶媒は、本発明の溶質であるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩を溶解できるものであれば、特に制限されない。そこで、本発明の電解液に使用することができる溶媒としては、例えば、水;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブなどのアルコール類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類; エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類;メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、エチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、エチルアセトアミド、ジエチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのオキシド類;スルホラン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。なお、これらの溶媒は、単独で使用しても、複数種類を混合した混合溶媒として使用してもよい。また、本発明の蓄電デバイス用電解液に使用する溶媒として、好ましくは水、エチレングリコール、又はγ−ブチロラクトンが使用される。更に、本発明の蓄電デバイス用電解液に水を使用する場合、電解液中の水の含有量は特に制限されないが、好ましくは30質量%以下、特に好ましくは10質量%以下になるようにする。
本発明の蓄電デバイス用電解液に使用する溶媒は、本発明の溶質であるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩を溶解できるものであれば、特に制限されない。そこで、本発明の電解液に使用することができる溶媒としては、例えば、水;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブなどのアルコール類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類; エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類;メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、エチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、エチルアセトアミド、ジエチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのオキシド類;スルホラン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。なお、これらの溶媒は、単独で使用しても、複数種類を混合した混合溶媒として使用してもよい。また、本発明の蓄電デバイス用電解液に使用する溶媒として、好ましくは水、エチレングリコール、又はγ−ブチロラクトンが使用される。更に、本発明の蓄電デバイス用電解液に水を使用する場合、電解液中の水の含有量は特に制限されないが、好ましくは30質量%以下、特に好ましくは10質量%以下になるようにする。
[その他添加物:蓄電デバイス用電解液]
本発明の電解液中には、漏れ電流の低減、耐電圧向上、ガス吸収等の目的で種々の添加剤を加えることができる。ここで、添加剤として、例えば、リン酸化合物、リン酸エステル化合物、ニトロ化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンランダム共重合体、及びブロック共重合体に代表される高分子化合物が挙げられる。また、上記リン酸化合物およびリン酸エステル化合物としては、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、次亜リン酸、次二リン酸、亜リン酸、二亜リン酸、ピロ亜リン酸、イソ次リン酸、次リン酸、リン酸ブチル、リン酸イソブチル、リン酸オクチル等が挙げられ、リン酸化合物、及びリン酸エステル化合物の塩としてはアンモニウム塩、アルミニウム塩等が挙げられ、また、ニトロ化合物としては、例えば、ニトロアニソール、ニトロアニリン、ニトロ安息香酸、ニトロトルエン、ニトロフェノール、ニトロベンジルアルコール、ニトロアセトフェノン等が挙げられる。
本発明の電解液中には、漏れ電流の低減、耐電圧向上、ガス吸収等の目的で種々の添加剤を加えることができる。ここで、添加剤として、例えば、リン酸化合物、リン酸エステル化合物、ニトロ化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンランダム共重合体、及びブロック共重合体に代表される高分子化合物が挙げられる。また、上記リン酸化合物およびリン酸エステル化合物としては、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、次亜リン酸、次二リン酸、亜リン酸、二亜リン酸、ピロ亜リン酸、イソ次リン酸、次リン酸、リン酸ブチル、リン酸イソブチル、リン酸オクチル等が挙げられ、リン酸化合物、及びリン酸エステル化合物の塩としてはアンモニウム塩、アルミニウム塩等が挙げられ、また、ニトロ化合物としては、例えば、ニトロアニソール、ニトロアニリン、ニトロ安息香酸、ニトロトルエン、ニトロフェノール、ニトロベンジルアルコール、ニトロアセトフェノン等が挙げられる。
さらに、本発明の蓄電デバイス用電解液では、必要に応じて、電解液の電気伝導度の増加および特性向上等を目的として、一般式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸化合物及び/又はその塩以外に、さらに上記以外のカルボン酸及び/又はその塩を添加することができる。
ここで、カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ラウリン酸、ステアリン酸、デカン酸、安息香酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸等のジカルボン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸等のトリカルボン酸、テトラカルボン酸他、多価カルボン酸などが挙げられる。また、これらのカルボン酸の塩としては、前記式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸化合物の塩と同様のものが挙げられる。
ここで、カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ラウリン酸、ステアリン酸、デカン酸、安息香酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸等のジカルボン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸等のトリカルボン酸、テトラカルボン酸他、多価カルボン酸などが挙げられる。また、これらのカルボン酸の塩としては、前記式(1)で示されるα,β-共役カルボン酸化合物の塩と同様のものが挙げられる。
本発明の蓄電デバイス用電解液において、当該電解液の溶媒量と溶質量は、電解コンデンサ等の蓄電デバイスの用途および定格電圧等により異なるため、特に制限されないが、溶媒量は50.0〜98.9質量%、溶質量は通常は0.6〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは1〜20%である。
[本発明の電解液を適用する蓄電デバイス]
本発明の電解液を適用する蓄電デバイスとしては、二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、電解コンデンサが挙げられるが、電解コンデンサが好ましい。電解コンデンサは特に限定されず、例えば、捲き取り形のアルミニウム電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサ等が挙げられる。この電解コンデンサに、本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、例えば、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口材で密封することで、アルミニウム電解コンデンサを製造することができる。
本発明の電解液を適用する蓄電デバイスとしては、二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、電解コンデンサが挙げられるが、電解コンデンサが好ましい。電解コンデンサは特に限定されず、例えば、捲き取り形のアルミニウム電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサ等が挙げられる。この電解コンデンサに、本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、例えば、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口材で密封することで、アルミニウム電解コンデンサを製造することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1及び2は、本発明の実施例および比較例における電解コンデンサ用電解液の組成、アルミプレーン箔を用いて10mA/cm2の電流密度の定電流で化成した際の火花電圧(V)、電気伝導度(mS/cm)を示したものである。
耐電圧は、容器に対象の電解液を入れ、アルミプレーン箔を浸漬し電極を付け室温にて測定した。
火花電圧は、この電解液を用い、シンチレーションが観測された電圧として測定した。
電解液の調製方法について電解液Gを例に以下に示す。他の電解液は比較例1を含め表1及び2に記載の組成で同様に調製した。
[電解液Gの調製]
100mlの三口フラスコに、ソルビン酸(2.5g)を正確に秤量し、ピバル酸(2.5g)、アジポニトリル(4g)、水(3g)、溶媒としてエチレングリコール(88g)を加え、同フラスコにpHメーター、ガス吹き込み口を装着した。これを40℃の水バスに浸漬し、窒素ガスを少量流しながらカルボン酸が完全に溶解するまで攪拌した。完全に溶解を確認した後に、アンモニアガスを導入し40℃でpH=6(所定のpH)になるまで調整を行い、電解液を調整した。その後30℃の恒温槽にて電解液の電気伝導度を測定した。
100mlの三口フラスコに、ソルビン酸(2.5g)を正確に秤量し、ピバル酸(2.5g)、アジポニトリル(4g)、水(3g)、溶媒としてエチレングリコール(88g)を加え、同フラスコにpHメーター、ガス吹き込み口を装着した。これを40℃の水バスに浸漬し、窒素ガスを少量流しながらカルボン酸が完全に溶解するまで攪拌した。完全に溶解を確認した後に、アンモニアガスを導入し40℃でpH=6(所定のpH)になるまで調整を行い、電解液を調整した。その後30℃の恒温槽にて電解液の電気伝導度を測定した。
本発明の電解液は、耐電圧が高く、特に中高電圧用のアルミ電解コンデンサに好適に用いられる。
Claims (6)
- ニトリル化合物が、ジニトリル及び/又はモノニトリルである請求項1記載の蓄電デバイス用電解液。
- α,β-共役カルボン酸化合物が、ソルビン酸及び/又はシンナム酸である請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用電解液。
- ニトリル化合物が、アジポニトリル、2―メチルグルタロニトリル、スクシノニトリル及びベンゾニトリルから成る群から選ばれる少なくとも1種である第2項又は第3項に記載の蓄電デバイス用電解液。
- 第2級カルボン酸が、1,6−ドデカン二酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチルブタン酸、シクロヘキサンカルボン酸及び2−アルキルアジピン酸から成る群から選ばれる少なくとも1種である請求項1から請求項4のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液。
- 第3級カルボン酸が、ピバル酸及び/又は2,2―ジメチルヘキサン酸である請求項1から請求項5のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液。
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- 2015-03-30 JP JP2015068180A patent/JP2016189378A/ja active Pending
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