以下、本発明の第1から第3実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
(第1実施形態)
まず、シート製造装置の構成について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに形成する技術に基づくものである。本実施形態にかかるシート製造装置は、繊維を含む単票の原料を供給する供給部と、供給部から供給される繊維を含む原料を粗砕片に粗砕する粗砕部と、粗砕片を解繊物に解繊する解繊部と、複数の開口を有し、解繊部により解繊された解繊物を選別する選別部と、選別部の開口を通過した解繊物を用いてシートを成形する成形部と、選別部の開口を通過しない解繊物を粗砕部または解繊部に搬送する第1搬送部と、を有し、第1搬送部により解繊物が粗砕部または解繊部に搬送される場合に、供給部による原料の供給間隔を第1時間から第2時間に長くする装置である。また、シート製造方法は、繊維を含む単票の原料を供給し、供給される繊維を含む原料を粗砕片に粗砕し、粗砕片を解繊物に解繊し、解繊された解繊物を第1選別物と第2選別物とに選別し、第1選別物を用いてシートを成形し、第2選別物を粗砕または解繊するため搬送する場合に、原料の供給間隔を第1時間から第2時間に長くするものである。以下、具体的にシート製造装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態のシート製造装置1は、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加物投入部60と、成形部100(堆積部70と、加熱加圧部120)と、切断部130等を備えている。また、これらの各構成部を制御する制御部2を備えている。
供給部10は、粗砕部20に繊維を含む単票の原料(古紙Pu)を供給するものである。シート製造装置1に供給する古紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。供給部10は、例えば、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部20に連続して投入可能な自動送り機構12を備えている。
本実施形態の自動送り機構12は、ピックアップローラー(図示せず)と一対の搬送ローラー12a,12bとで構成されている。ピックアップローラーは、トレー11に積層されている古紙Puのうち最上位の古紙Puに当接している。ピックアップローラーを回転駆動させることで、トレー11から古紙Puを搬送ローラー12a、12b側に1枚ずつ順次連続して送り出すことができる。搬送ローラー12aは、モーター等の駆動手段によって回転駆動するように構成された駆動ローラーであり、搬送ローラー12bは従動ローラーである。そして、ピックアップローラーにより繰り出された古紙Puは、搬送ローラー12a、12bによって粗砕部20に搬送され供給される。なお、ピックアップローラーを駆動するモーター等の駆動手段は、制御部2によって駆動制御されている。従って、ピックアップローラーを回転駆動させる間隔を制御することにより、供給部10から粗砕部20に供給する古紙Puの供給間隔を制御することができる。この供給間隔を制御することにより、供給部10から粗砕部20に供給される古紙Puの単位時間当たりの供給量を変更することができる。
粗砕部20は、供給された古紙Puを数センチメートル角の粗砕片に粗砕するものである。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することができる。そして、粗砕された粗砕片は、配管201を介して解繊部30に供給される。
解繊部30は、供給された粗砕片を空気中で解繊するものである。具体的には、解繊部30は、回転する回転刃(回転体)を備え、粗砕部20から供給された粗砕片を繊維状に解きほぐす解繊を行うものである。本実施形態の解繊部30の回転刃は、モーター等の駆動手段によって回転駆動するように構成されている。そして、回転刃を駆動するモーターの回転速度は制御部2によって駆動制御されている。
なお、本願においては、解繊部30で解繊されるものを被解繊物と言い、解繊部30を通過したものを解繊物と言う。なお、本実施形態の解繊部30は、空気中で乾式で解繊を行うものである。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒(以下、「インク粒」という)となって繊維と分離する。したがって、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊により得られる繊維とインク粒である。そして、回転刃の回転によって気流が発生する機構となっており、解繊された繊維はこの気流に乗って配管202を介して空気中で分級部40に搬送される。なお、解繊された繊維を分級部40に搬送させるための気流を発生させる気流発生装置を解繊部30に別途設けてもよい。
分級部40は、導入された導入物を気流により分級するものである。本実施形態では、導入物としての解繊物をインク粒と繊維とに分級する。分級部40は、例えば、サイクロンを適用することにより、搬送された解繊物をインク粒と繊維とに気流分級することができる。なお、サイクロンに替えて他の種類の気流式分級器を利用してもよい。この場合、サイクロン以外の気流式分級器としては、例えば、エルボージェットやエディクラシファイヤー等が用いられる。気流式分級器は旋回気流を発生させ、解繊物のサイズと密度により受ける遠心力の差によって分離、分級するもので、気流の速度、遠心力の調整により、分級点を調整することができる。これにより、比較的小さく密度の低いインク粒と、インク粒より大きく密度の高い繊維とに分けられる。
本実施形態の分級部40は接線入力方式のサイクロンであり、解繊部30から導入物が導入される導入口40aと、導入口40aが接線方向についた筒部41と、筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下部に設けられる下部取出口40bと、筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のための上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方にむかって径が小さくなる。
分級処理において、分級部40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流は、筒部41、円錐部42で円周運動に変わり、解繊物に遠心力がかかり分級される。そして、インク粒より大きく密度の高い繊維は下部取出口40bへ移動し、比較的小さく密度の低いインク粒は空気とともに微粉として上部排気口40cへ導出される。そして、分級部40の上部排気口40cからインク粒が排出される。そして、排出されたインク粒は、分級部40の上部排気口40cに接続された配管206を介して受け部80に回収される。一方、分級部40の下部取出口40bから配管203を介して分級された繊維を含む分級物が選別部50に向けて空気中で搬送される。分級部40から選別部50へは、分級される際の気流によって搬送されてもよいし、上方にある分級部40から重力で下方にある選別部50に搬送されてもよい。なお、分級部40の上部排気口40cや配管206等に、上部排気口40cから短繊維混合物を効率よく吸引するための吸引部等を配置してもよい。分級は、あるサイズや密度を境にして正確に分けられるものではない。また、繊維とインク粒とに正確に分けられるものでもない。繊維の中でも比較的短い繊維はインク粒と共に上部排気口40cから排出される。インク粒の中でも比較的大きいものは繊維とともに下部取出口40bから排出される。
選別部50は、分級部40により分級された繊維を含む分級物(解繊物)を複数の開口を有するふるい部51を通過させて選別するものである。さらに、具体的には、分級部40により分級された繊維を含む分級物を、開口を通過する解繊物(通過物、第1選別物)と、開口を通過しない解繊物(残留物、第2選別物)と、に選別するものである。本実施形態の選別部50では、分級物を回転運動により空気中で分散させる機構を備えている。そして、選別部50の選別により開口を通過した通過物は、通過物搬送部52から配管204を介して堆積部70側に搬送される。一方、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、第1搬送部としての配管205を介して再び被解繊物として粗砕部20または解繊部30に戻される。本実施形態では、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、配管205を介して解繊部30に供給される。これにより、残留物は廃棄されずに再使用(再利用)される。
ここで、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物を、配管205を介して解繊部30に供給する場合、もともと供給部10から一定の時間間隔で古紙Puが粗砕部20を介して解繊部30に供給されているため、残留物の供給量分だけ解繊部30に供給される原料の全体供給量が増加してしまう。そして、解繊部30に供給される原料の全体供給量が増加すると成形されるシートPrの厚みが厚くなってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、残留物が解繊部30に搬送される場合に、供給部10による古紙Puの供給間隔を長くするように制御する。配管205には、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物が発生したことを検出する検出部190が設けられている。検出部190は、制御部2に電気的に接続されている。検出部190は、例えば、光学式検出器であり、光を発する発光部190aと発光部190aから発せられた光を受ける受光部190bとを備え、発光部190aと受光部190bとが配管205を介して互いに対向するように配置されている。配管205内を残留物が通過する際、発光部190aから受光部190bに向けて投光された光が残留物によって遮られ、受光部190bにおいて受光する受光量が低下する。検出部190が受光量に応じて出力する信号は制御部2に入力される。制御部2は、受光量が閾値を下回った場合に、残留物が発生した(残留物が搬送された)と判断することができる。
そして、制御部2は、検出部190で残留物が発生したことを検出した場合に、供給部10による古紙Puの供給間隔を長くする。すなわち、残留物が解繊部30に搬送される前の状態である供給間隔の第1時間から、残留物が解繊部30に搬送された後の状態である供給間隔の第2時間に変更する。本実施形態では、供給部10のピックアップローラーを駆動する間隔(周期)を変更する。具体的には、ピックアップローラーが回転せずに停止している時間を長くする。これにより、供給部10から供給される古紙Puの供給間隔を第1時間から第2時間に長くすることができる。
また、選別部50の選別により開口を通過した通過物は配管204を介して成形部100に搬送される。具体的には、通過物は配管204を介して堆積部70に空気中で搬送される。選別部50から堆積部70へは、図示しないブロワーが発生させる気流によって搬送してもよいし、上方にある選別部50から下方にある堆積部70に重力によって搬送してもよい。配管204における選別部50と堆積部70との間には、搬送される通過物に対して結着樹脂(例えば、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂)等の添加物を添加する添加物投入部60が設けられている。なお、添加物としては、結着樹脂の他、例えば、難燃剤、白色度向上剤、シート力増強剤やサイズ剤、吸収調整剤、芳香剤、脱臭剤等を投入することも可能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、図示しない投入機構によって投入口62から投入される。
堆積部70は、繊維を含む材料を堆積可能にするものであり、解繊部30で解繊された解繊物の少なくとも一部を空気中で堆積するものである。具体的には、堆積部70は、配管204から投入された繊維や結着樹脂を含む混合物を堆積させてウエブWを形成するものであり、繊維を空気中に均一に分散させる機構を備えている。また、堆積部70は、移動しながら混合物を堆積物(ウエブW)として堆積する移動部を有している。なお、本実施形態の移動部は、張架ローラー72と、メッシュが形成されたエンドレスのメッシュベルト73とで構成されている。メッシュベルト73は、張架ローラー72によって張架されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト73が一方向に回転(移動)するようになっている。なお、本実施形態にかかるウエブWとは、繊維と結着樹脂とを含む物体の構成形態を言う。従って、ウエブの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であってもウエブとして示している。
繊維を空気中に均一に分散させる機構として、堆積部70には、繊維及び結着樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させることにより通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜることができる。フォーミングドラム71には複数の小孔を有するスクリーンが設けられている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させて、通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜるとともに、小孔を通過した繊維や繊維と結着樹脂の混合物を空気中に均一に分散させることができる。
フォーミングドラム71の下方には、メッシュベルト73が配されている。また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サクション装置75によって、空気中に分散された繊維をメッシュベルト73上に吸引することができる。
そして、フォーミングドラム71の小孔スクリーンを通過した繊維等は、サクション装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッシュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と結着樹脂を含み長尺状に堆積させたウエブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73の移動を連続的に行うことで、帯状の連続したウエブWが成形される。メッシュベルト73は金属製でも、樹脂製でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものであってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの穴径が大きすぎるとメッシュに繊維が入り込み、ウエブW(シート)を成形したときの凸凹になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクション装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。
メッシュベルト73上に成形されたウエブWは、メッシュベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の白抜き矢印)に従って搬送される。メッシュベルト73の上側には剥離部としての中間搬送部90が配置される。ウエブWは中間搬送部90によりメッシュベルト73上から剥離されて、加圧部110側に搬送される。つまり、移動部(メッシュベルト73)から堆積物(ウエブW)を剥離する剥離部(中間搬送部90)を有し、剥離した堆積物(ウエブW)を加圧部110に搬送できる。中間搬送部90は、鉛直上方(ウエブWがメッシュベルト73から離間する方向)にウエブWを吸引しながらウエブWを搬送可能に構成されている。中間搬送部90は、メッシュベルト73から鉛直上方(ウエブWの表面に対して垂直な方向)に離間して配置され、且つ、ウエブWの搬送方向においてメッシュベルト73と一部が下流側にずれて配置されている。そして、中間搬送部90の搬送区間は、メッシュベルト73の下流側の張架ローラー72aから加圧部110までの区間となる。
中間搬送部90は、搬送ベルト91と、複数の張架ローラー92と、吸引室93と、を有する。搬送ベルト91は、メッシュが形成されたエンドレスのメッシュベルトであり、張架ローラー92によって張架されている。そして、複数の張架ローラー92のうちの少なくとも1つが自転することで、搬送ベルト91が一方向に回転(移動)するようになっている。
吸引室93は、搬送ベルト91の内側に配置され、上面と当該上面に接する4つの側面とを有する中空の箱型形状をしており、底面(下方に位置する搬送ベルト91と対向する面)が開口している。また、吸引室93は、吸引室93内に気流(吸引力)を発生させる吸引部を備えている。そして、吸引部を駆動させることにより吸引室93の内部空間が吸引されて、吸引室93の底面から空気が流れ込む。これにより吸引室93の上方に向けた気流が発生し、ウエブWをウエブWの上方から吸引して搬送ベルト91に吸着させることができる。そして、搬送ベルト91は、張架ローラー92が自転することによって移動(周回)し、ウエブWを加圧部110に向けて搬送することができる。また、吸引室93は、上方から見て、メッシュベルト73と一部が重なり、また、サクション装置75と重ならない下流側の位置に配置されるため、メッシュベルト73上のウエブWは、吸引室93と対向する位置においてメッシュベルト73から剥離させて搬送ベルト91に吸着させることができる。張架ローラー92は、搬送ベルト91がメッシュベルト73と同速度で移動するように自転する。メッシュベルト73と搬送ベルト91の速度に差があると、ウエブWが引っ張られて破断したり座屈したりすることを、同速度にすることで防止できる。
ウエブWの搬送方向における中間搬送部90の下流側に加圧部110が配置されている。加圧部110は、一対の加圧ローラー111,112で構成され、搬送されるウエブWを加圧する。例えば、加圧部110により、堆積部70で形成されたウエブWの厚みに対しておよそ1/5から1/30の厚みのウエブWとなるように加圧する。これにより、ウエブWの強度を向上させることができる。
ウエブWの搬送方向における加圧部110の下流側に加熱加圧部120が配置されている。加熱加圧部120は、堆積部70で堆積した堆積物としてのウエブWを加熱加圧し、ウエブWに含まれる繊維同士を結着樹脂を介して結着させるものである。本実施形態の加熱加圧部120は、一対の加熱ローラー121,122で構成されている。加熱ローラー121,122の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられており、当該一対の加熱ローラー121,122間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWに対して加熱加圧することができる。そして、ウエブWは一対の加熱ローラー121,122によって加熱加圧されることで、結着樹脂が溶けて繊維と絡みやすくなるとともに繊維間隔が短くなり繊維間の接触点が増加する。
加熱加圧部120の搬送方向の下流側には、ウエブWを切断する切断部130として、ウエブWの搬送方向と交差する方向にウエブWを切断する第1切断部130aとウエブWの搬送方向に沿ってウエブWを切断する第2切断部130bとが配置されている。第1切断部130aは、例えば、ロータリーカッターであり、連続状のウエブWを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状に裁断する。第2切断部130bは、例えば、スリッターであり、ウエブWの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断する。これにより、所望するサイズのシートPr(ウエブW)が形成される。切断されたシートPrはスタッカー160等に積載される。以上により、シート製造装置1においてシートPrを製造することができる。
なお、上記実施形態にかかるシートとは、古紙や純パルプなどの繊維を含むものを原料とし、シート状にしたものを主に言う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(や凸凹を有する形状)であってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、薄いシート状にした態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
また、上記本実施形態において古紙とは、主に印刷された紙を指すが、紙として成形されたものを原料とするのであれば使用したか否かに関わらず古紙とみなす。
次に、シート製造装置の制御方法について説明する。図2は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、供給部10による古紙Puの供給間隔を制御する方法について主に説明する。
図2に示すように、まず、ステップS11では原料を供給させる。具体的には、供給部10を駆動させる。これにより、トレー11中の古紙Puがピックアップローラーにより送出され搬送ローラー12a,12bによって搬送されて、粗砕部20に供給される。なお、制御部2は、ピックアップローラーの駆動周期を制御する。本実施形態では、古紙Puを粗砕部20に供給する供給間隔が第1時間となるように制御する。
次いで、ステップS12では、検出部190を駆動させる。本実施形態では、検出部190の発光部190aから発光させ、受光部190bで発光部190aから発せられた光を受光させる。受光部190bでの受光量により、選別部50によって選別された残留物(第2選別物)が解繊部30に搬送されることを検出することができる。
次いで、ステップS13では、残留物が搬送されたか否かを判断する。具体的には、検出部190から出力される受光量に基づいて、受光量が閾値を下回った場合には残留物が搬送されたと判断し、受光量が閾値を下回っていない場合には残留物が搬送されていないと判断する。そして、残留物が搬送されたと判断した場合(Yes)はステップS14に移行し、残留物が搬送されていないと判断した場合(No)はステップS12に移行する。
そして、ステップS14に移行した場合は、原料の供給間隔を変更する。本実施形態では、供給部10のピックアップローラーの駆動周期を変更する。具体的には、古紙Puを粗砕部20に供給する供給間隔が第1時間よりも長い第2時間となるように、ピックアップローラーの駆動周期を変更する。これにより、古紙Puは第2時間間隔で供給部10から粗砕部20に供給され、粗砕部20で粗砕されて解繊部30に搬送される。また、選別部50からは残留物が解繊部30に搬送される。
ここで、供給部10のピックアップローラーの駆動周期の変更の前後において、解繊部30に供給される原料の全体供給量が同じ量となるように制御する。すなわち、供給部10による供給間隔が第1時間であるときの解繊部30への古紙Pu(原料)の第1供給量と、供給部10による供給間隔が第2時間であるときの解繊部30への古紙Pu(原料)の供給量と選別部50から供給される残留物(第2選別物)の供給量とを加算した第2供給量と、がほぼ同じ量となるように制御する。例えば、選別部50に一定量の解繊物を供給(あるいは、供給部10から一定量の原料を供給)したときに、選別部50において開口を通過する解繊物(通過物、第1選別物)と、開口を通過しない解繊物(残留物、第2選別物)と、の比率を事前に計測しておくことにより、供給部10からの古紙Puの供給量に対して、開口を通過せずに解繊部30に戻される解繊物の量(すなわち第2選別物の量)を把握することができる。そして、第1供給量から第2選別物の量を減算して求められる供給量に対応するように、供給部10(ピックアップローラー)を制御して、古紙Puの供給間隔を第2時間に変更する。
次いで、ステップS15では、解繊部30の回転刃の回転速度を変更する。具体的には、選別部50により残留物が解繊部30に搬送される場合に、回転刃の回転速度を第1速度よりも遅い第2速度に変更する。これにより、既に解繊されている残留物に対する解繊力が低下するため、長い繊維の量を増やすことができる。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
選別部50から残留物が配管205を介して再び解繊部30に供給される場合に、供給部10から供給する古紙Puの供給間隔を第1時間から第2時間に長くし、解繊部30に供給される全体供給量を一定とする。これにより、成形されるシートPrの厚みのばらつきを抑えることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態のシート製造装置は、繊維を含む単票の原料を供給する供給部と、供給部から供給される繊維を含む原料を粗砕片に粗砕する粗砕部と、粗砕片を解繊物に解繊する解繊部と、解繊物の少なくとも一部を用いてシートを成形する成形部と、シートを切断する切断部と、切断部により切断されたシートの端材を、粗砕部または解繊部に搬送する搬送部と、を有し、搬送部により端材が粗砕部または解繊部に搬送される場合に、供給部による原料の供給間隔を長くする装置である。また、シート製造方法は、繊維を含む単票の原料を供給し、供給される繊維を含む原料を粗砕片に粗砕し、粗砕片を解繊物に解繊し、解繊物の少なくとも一部を用いてシートを成形し、成形されたシートを切断し、切断されたシートの端材を、粗砕または解繊するため搬送する場合に、原料の供給間隔を長くするものである。
まず、シート製造装置の構成について説明する。図3は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。図3に示すように、本実施形態のシート製造装置1aは、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加物投入部60と、成形部100(堆積部70と、加熱加圧部120)と、切断部130等を備えている。また、これらの各構成部を制御する制御部2を備えている。なお、本実施形態のシート製造装置1aの基本的な構成は第1実施形態のシート製造装置1の構成と同様なので、説明を省略し、構成が異なる部分を主に説明する。
本実施形態のシート製造装置1aでは、切断部130により切断されたシートの端材Wsを、粗砕部20に搬送する搬送部としての配管207を有している。端材Wsは、第2切断部130bによってウエブWの搬送方向に沿ってウエブWの端部を切断する際に発生するものである。
配管207は、端材Wsを受け入れる供給口207aを備え、粗砕部20まで延設されている。配管207の途中にはブロワー192が設けられており、供給口207aからの端材Wsは、ブロワー192が発生させる気流によって配管207を介して粗砕部20に戻される。これにより、端材Wsは廃棄されずに再使用(再利用)される。すなわち、材料の使用効率を高めることができる。
ここで、第2切断部130bにより切断されたシートの端材Wsを、配管207を介して粗砕部20に供給する場合、もともと供給部10から一定の時間間隔で古紙Puが粗砕部20に供給されているため、端材Wsが供給される分だけ粗砕部20に供給される原料の全体供給量が増加してしまう。そして、粗砕部20に供給される原料の全体供給量が増加すると成形されるシートPrの厚みが厚くなってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、配管207により端材Wsが粗砕部20に搬送される場合に、供給部10による古紙Puの供給間隔を長くする。配管207には、ウエブW(シート)が切断され端材Wsが発生したことを検出する検出部191が設けられている。検出部191は、制御部2に電気的に接続されている。検出部191は、例えば、光学式検出器であり、光を発する発光部190aと発光部190aから発せられた光を受ける受光部190bとを備え、発光部190aと受光部190bとが配管207を介して互いに対向するように配置されている。配管207内を端材Wsが通過する際、発光部190aから受光部190bに向けて投光された光が端材Wsによって遮られ、受光部190bにおいて受光する受光量が低下する。検出部190が受光量に応じて出力する信号は制御部2に入力される。制御部2は、受光量が閾値を下回った場合に端材Wsが発生した(端材Wsが搬送された)と判断することができる。
そして、制御部2は、検出部191で端材Wsが発生したことを検出した場合に、供給部10による古紙Puの供給間隔を長くする。本実施形態では、供給部10のピックアップローラーを駆動する間隔(周期)を変更する。具体的には、ピックアップローラーが回転せずに停止している時間を長くする。これにより、供給部10から供給される古紙Puの供給間隔を長くすることができる。
次に、シート製造装置の制御方法について説明する。図4は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、供給部10による古紙Puの供給間隔を制御する方法について主に説明する。
図4に示すように、まず、ステップS21では原料を供給させる。具体的には、供給部10を駆動させる。これにより、トレー11中の古紙Puがピックアップローラーにより送出され搬送ローラー12a,12bによって搬送されて、粗砕部20に供給される。なお、制御部2は、ピックアップローラーの駆動周期を制御する。本実施形態では、古紙Puを粗砕部20に供給する供給間隔が第1時間となるように制御する。
次いで、ステップS22では、検出部191を駆動させる。本実施形態では、検出部191の発光部191aから発光させ、受光部191bで発光部190aから発せられた光を受光させる。受光部191bの受光量により、端材Wsが発生したことを検出することができる。
次いで、ステップS23では、端材Wsが発生したか否かを判断する。具体的には、検出部191から出力される受光量に基づいて、受光量が閾値を下回った場合には端材Wsが発生したと判断し、受光量が閾値を下回っていない場合には端材Wsが発生していないと判断する。そして、端材Wsが発生したと判断した場合(Yes)はステップS24に移行し、端材Wsが発生していないと判断した場合(No)はステップS22に移行する。
そして、ステップS24に移行した場合は、原料の供給間隔を変更する。本実施形態では、供給部10のピックアップローラーの駆動周期を変更する。具体的には、古紙Puを粗砕部20に供給する供給間隔が第1時間よりも長い第2時間となるように、ピックアップローラーの駆動周期を変更する。これにより、古紙Puは、第2時間間隔で供給部10から粗砕部20に供給される。また、配管207から端材Wsが粗砕部20に供給される。そして、古紙Puと端材Wsとが粗砕部20で粗砕されて解繊部30に搬送される。
ここで、供給部10のピックアップローラーの駆動周期の変更の前後において、粗砕部20に供給される原料の全体供給量が同じ量となるように制御する。すなわち、供給部10による供給間隔が第1時間であるときの粗砕部20への古紙Pu(原料)の第1供給量と、供給部10による供給間隔が第2時間であるときの粗砕部20への古紙Pu(原料)の供給量と配管207から粗砕部20に供給される端材Wsの供給量とを加算した第2供給量と、がほぼ同じ量となるように制御する。例えば、供給部10から一定量の原料を供給したときに、第2切断部130bにおいて発生する端材Wsの量を事前に計測しておくことにより、供給部10からの古紙Puの供給量に対して、発生する端材Wsの量を把握することができる。そして、第1供給量から端材Wsの量を減算して求められる供給量に対応するように、供給部10(ピックアップローラー)を制御して、古紙Puの供給間隔を第2時間に変更する。なお、第2実施形態における第1、第2時間は、第1実施形態における第1、第2時間と同じ場合も有り得るし相違する場合も有り得る。
次いで、ステップS25では、解繊部30の回転刃の回転速度を変更する。具体的には、配管207により端材Wsが粗砕部20を介して解繊部30に搬送される場合に、回転刃の回転速度を第1速度よりも遅い第2速度に変更する。これにより、既に解繊されている端材Wsに対する解繊力が低下するため、長い繊維の量を増やすことができる。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
切断部130から端材Wsが配管207を介して再び粗砕部20に供給される場合に、供給部10から供給する古紙Puの供給間隔を第1時間から第2時間に長くし、粗砕部20に供給される全体供給量を一定とする。これにより、成形されるシートPrの厚みのばらつきを抑えることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態のシート製造装置は、繊維を含む単票の原料を供給する供給部と、供給部から供給される繊維を含む原料を粗砕片に粗砕する粗砕部と、粗砕片を解繊物に解繊する解繊部と、複数の開口を有し、解繊部により解繊された解繊物を選別する選別部と、選別部の開口を通過した解繊物を用いてシートを成形する成形部と、選別部の開口を通過しない解繊物を粗砕部または解繊部に搬送する第1搬送部と、を有し、第1搬送部により解繊物が粗砕部または解繊部に搬送される場合に、供給部による原料の供給間隔を第1時間から第2時間に長くする装置である。さらに、本実施形態のシート製造装置は、シートを切断する切断部と、切断部により切断されたシートの端材を、粗砕部または解繊部に搬送する第2搬送部と、を有し、第2搬送部により端材が粗砕部または解繊部に搬送される場合に、供給部による原料の供給間隔を第2時間から第3時間に長くする装置である。
まず、シート製造装置の構成について説明する。図5は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。図5に示すように、本実施形態のシート製造装置1bは、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加物投入部60と、成形部100(堆積部70と、加熱加圧部120)と、切断部130等を備えている。また、これらの各構成部を制御する制御部2を備えている。なお、本実施形態のシート製造装置1bの基本的な構成は第1または第2実施形態のシート製造装置1,1aの構成と同様なので、説明を省略し、構成が異なる部分を主に説明する。
本実施形態のシート製造装置1bの選別部50は、第1実施形態と同様に、分級部40により分級された繊維を含む分級物を、開口を通過する解繊物(通過物、第1選別物)と、開口を通過しない解繊物(残留物、第2選別物)と、に選別するものである。そして、選別部50の選別により開口を通過した通過物は、通過物搬送部52から配管204を介して堆積部70側に搬送される。一方、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、第1搬送部としての配管205を介して再び被解繊物として粗砕部20または解繊部30に戻される。本実施形態では、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、配管205を介して解繊部30に供給される。
また、第1実施形態と同様に、配管205には、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物が発生したことを検出する検出部190が設けられている。制御部2は、検出部190で残留物が発生したことを検出した場合に、供給部10による古紙Puの供給間隔を、第1時間から第1時間よりも長い第2時間に変更する。
また、本実施形態のシート製造装置1bは、第2実施形態と同様に、第2切断部130bにより切断されたシートの端材Wsを、粗砕部20に搬送する第2搬送部としての配管207を有している。
また、第2実施形態と同様に、配管207には、ウエブW(シート)が切断され端材Wsが発生したことを検出する検出部191が設けられている。制御部2は、検出部191で端材Wsが発生したことを検出した場合に、供給部10による古紙Puの供給間隔を第2時間から第2時間よりも長い第3時間に変更する。
次に、シート製造装置の制御方法について説明する。図6は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、供給部10による古紙Puの供給間隔を制御する方法について主に説明する。
図6に示すように、まず、ステップS31では原料を供給させる。第1実施形態のステップS11や第2実施形態のステップS21と同様に、古紙Puを粗砕部20に供給する供給間隔が第1時間となるように、供給部10のピックアップローラーの駆動周期を制御する。
次いで、ステップS32では、第1実施形態のステップS12と同様に、残留物(第2選別物)が発生し搬送されたことを検出するため検出部190を駆動させる。また、第2実施形態のステップS22と同様に、端材Wsが発生し搬送されたことを検出するため検出部191を駆動させる。
次いで、ステップS33では、第1実施形態のステップS13と同様に、残留物(解繊物)が搬送されたか否かを判断する。残留物が搬送されたと判断した場合(Yes)はステップS34に移行し、残留物が搬送されていないと判断した場合(No)はステップS33において待機する。
そして、ステップS34に移行した場合は、原料の供給間隔を変更する。本実施形態では、供給部10のピックアップローラーの駆動周期を、古紙Puを粗砕部20に供給する供給間隔が現在の第1時間よりも長い第2時間となるように変更する。これにより、古紙Puは第2時間間隔で供給部10から粗砕部20に供給され、粗砕部20で粗砕されて解繊部30に搬送される。また、選別部50から残留物が解繊部30に搬送される。
ここで、第1実施形態と同様に、供給部10による供給間隔が第1時間であるときの解繊部30への古紙Pu(原料)の第1供給量と、供給部10による供給間隔が第2時間であるときの解繊部30への古紙Pu(原料)の供給量と選別部50から供給される残留物(第2選別物)の供給量とを加算した第2供給量と、がほぼ同じ量となるように制御する。
次いで、ステップS35では、解繊部30の回転刃の回転速度を変更する。具体的には、選別部50により残留物が解繊部30に搬送される場合に、回転刃の回転速度を第1速度よりも遅い第2速度に変更する。これにより、既に解繊されている残留物に対する解繊力が低下するため、長い繊維の量を増やすことができる。
次いで、ステップS36では、第2実施形態のステップS23と同様に、端材Wsが発生したか否かを判断する。端材Wsが発生したと判断した場合(Yes)はステップS37に移行し、端材Wsが発生していないと判断した場合(No)はステップS36において待機する。
そして、ステップS37に移行した場合は、原料の供給間隔を変更する。本実施形態では、供給部10のピックアップローラーの駆動周期を、古紙Puを粗砕部20に供給する供給間隔が現在の第2時間よりも長い第3時間となるように変更する。これにより、古紙Puは第3時間間隔で供給部10から粗砕部20に供給される。また、配管207から端材Wsが粗砕部20に供給される。そして、古紙Puと端材Wsとが粗砕部20で粗砕されて解繊部30に搬送される。
ここで、供給部10のピックアップローラーの駆動周期の変更の前後において、粗砕部20に供給される原料の全体供給量が同じ量となるように制御する。すなわち、供給部10による供給間隔が第2時間であるときの解繊部30への古紙Pu(原料)の供給量と選別部50から供給される残留物(第2選別物)の供給量とを加算した第2供給量と、供給部10による供給間隔が第3時間であるときの解繊部30への古紙Pu(原料)の供給量と選別部50から供給される残留物の供給量と配管207から供給される端材Wsの供給量とを加算した第3供給量と、がほぼ同じ量となるように制御する。
次いで、ステップS38では、解繊部30の回転刃の回転速度を変更する。具体的には、配管207により端材Wsが粗砕部20を介して解繊部30に搬送される場合に、回転刃の回転速度を第2速度よりも遅い第3速度に変更する。これにより、既に解繊されている端材Wsに対する解繊力が低下するため、長い繊維の量を増やすことができる。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
選別部50から残留物が配管205を介して再び解繊部30に供給される場合に、供給部10から供給する古紙Puの供給間隔を第1時間から第2時間に長くし、解繊部30に供給される全体供給量を一定とすることができる。さらに、切断部130から端材Wsが配管207を介して再び粗砕部20を介して解繊部30に供給される場合に、供給部10から供給する古紙Puの供給間隔を第2時間から第3時間に長くし、解繊部30に供給される全体供給量を一定とすることができる。これにより、成形されるシートPrの厚みのばらつきを抑えることが可能となる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。変形例を組み合わせてもよい。
(変形例1)第2実施形態において、検出部191は、切断部130から端材Wsが発生したことを検出する構成であったが、この構成に限定されない。検出部191は、端材Wsの量を検出する構成であってもよい。例えば、光学式の検出部191において、発光部191aからの光を受光した受光部191bの受光量に応じて、端材Wsの量を検出することができる。端材Wsの量が多いときは少ないときに比べて発光部191aからの光をより多く遮るため受光部191bでの受光量は小さくなる。したがって、端材Wsの量と受光部191bの受光量との関係を予め実験により求めておくことにより、端材Wsの量を検出することが可能となるこのようにすれば、端材Wsの量に基づいて、供給部10による原料の供給間隔をより適切に変更(制御)することができる。
(変形例2)第1から第3実施形態では、検出部190,191を設置し、残留物や端材Wsの発生を検出して供給部10における原料の供給間隔を制御したが、この構成に限定されない。例えば、供給部10による原料の供給を開始してから所定時間経過後に、供給部10は原料の供給間隔を長くするように構成してもよい。供給部10から所定の供給間隔で原料の供給を開始してから、選別部50での残留物が解繊部30に搬送されるまでの時間やその量を事前に計測し、制御部2のメモリーに格納しておく。また、供給部10から所定の供給間隔で原料の供給を開始してから、第2切断部130bにおいて発生する端材Wsが粗砕部20に搬送されるまでの時間やその量を事前に計測し、制御部2のメモリーに格納しておく。そして、シート製造装置1,1a,1bを起動させてからの経過時間をタイマー等により計測し、その経過時間に応じて供給部10における原料の供給間隔を変更(制御)することにより、粗砕部20や解繊部30に供給される原料の量を一定にすることができる。このようにすれば、検出部190,191等を省略することができ、シート製造装置1,1a,1bの構成を簡略化することができる。
(変形例3)第1から第3実施形態では、残留物や端材Wsが解繊部30や粗砕部20に搬送される場合に、回転刃の回転速度を制御したが、この構成を省略してもよい。このようにしても、解繊部30への供給量を均一にすることができる。
(変形例4)第2、第3実施形態では、検出部191を配管207に配置して、端材Wsが発生したか否かを検出したが、この構成に限定されない。例えば、第2切断部130bが駆動されたことを検出するセンサーを配置した構成であってもよい。このようにしても、端材Wsが発生したか否かを検出することができる。あるいは、第2切断部130bを駆動すれば端材Wsは発生するはずであるから、第2切断部130bを駆動したときに端材Wsが発生したと判断してもよい。このようにすれば、センサーを省略することができ、シート製造装置1a,1bの構成を簡略化することができる。
(変形例5)第1、第3実施形態では、残留物を配管205を介して解繊部30に搬送したが、これに限定されない。例えば、残留物を配管205を介して粗砕部20に搬送してもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
(変形例6)第2、第3実施形態では、発生した端材Wsを配管207を介して粗砕部20に搬送したが、これに限定されない。例えば、発生した端材Wsを配管207を介して解繊部30に搬送してもよい。この場合、第2切断部130bで発生した端材Wsを裁断する裁断部を設け、細片とした端材Wsを配管207を介して解繊部30に搬送することが好ましい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。