JP2016168678A - シート製造装置、シート製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートの撓み特性に応じてシートをランク分けする。
【解決手段】繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成する堆積部と、前記ウエブを加圧加熱してシートを成形するシート成形部と、前記シートの搬送方向に交差する方向において前記シートを切断する切断部と、前記切断部により切断されたシートを加熱部により加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出する排出部と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成する堆積部と、前記ウエブを加圧加熱してシートを成形するシート成形部と、前記シートの搬送方向に交差する方向において前記シートを切断する切断部と、前記切断部により切断されたシートを加熱部により加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出する排出部と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、シート製造装置及びシート製造方法に関する。
従来、繊維が積層された積層体にバインダーを散布し、その後、加熱プレスを行い不織布を成形する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、不織布に供給されるバインダーの供給量にばらつきが生じた場合、例えば、不織布におけるバインダーの含有量が多いと、当該不織布を加熱した際、不織布の撓みが大きくなってしまう。そして、このような不織布を、例えば、加熱部を有するプリンター等の電子機器内に供給すると、不織布が加熱部の加熱により撓み、搬送不良等を起こしてしまう、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるシート製造装置は、繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成する堆積部と、前記ウエブを加圧加熱してシートを成形するシート成形部と、前記シートの搬送方向に交差する方向において前記シートを切断する切断部と、前記切断部により切断されたシートを加熱部により加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出する排出部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、切断されたシートを加熱して、加熱したときのシートの撓み量に応じて各シートの排出先(搬送路)が選択される。すなわち、加熱時においてシートの撓みが大きいものと小さいものとが分別(選別)される。これにより、例えば、シートを加熱する加熱部を有するプリンター等の電子機器で用いる場合、加熱時において撓み量が小さいシートを使用することにより、プリンター内でシートが加熱されても撓み難いため、搬送不良等の発生を防止することができる。
[適用例2]上記適用例にかかるシート製造装置の前記排出部は、前記加熱部よりも前記搬送方向下流側に位置する第1搬送路と第2搬送路とを有し、前記第2搬送路は、前記加熱部および前記第1搬送路よりも鉛直方向下方に位置することを特徴とする。
この構成によれば、撓みの大きいシートは重力により下方に落下しやすいため、容易に第2搬送路に搬送させることができる。
[適用例3]上記適用例にかかるシート製造装置の前記排出部は、前記加熱部により加熱された前記シートの撓み量を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記撓み量に応じて、前記シートの排出先を切り替える切り替え部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、加熱された際のシートの撓み量を検出することにより、撓み量の検出結果に応じて、より細かいシートの撓み量でシートを分別することができる。
[適用例4]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記加熱部により加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択した後、さらに加熱せずに排出先を選択することを特徴とする。
この構成によれば、例えば、加熱時の撓み量が小さいものとして分別されたシートを、さらに、常温時(非加熱状態)におけるシートの撓み量に応じて分別(選別)することができる。常温においてシートの撓み量が小さいシートは剛性が高い傾向にあるため、プリンター等の電子機器で用いる場合、シートが曲り難く搬送不良等を発生させる恐れがある。そこで、加熱時の撓み量が小さいシートを、さらに、常温でのシートの撓み量で選別することにより、プリンター等における搬送不良等の発生を防止することができる。
[適用例5]本適用例にかかるシート製造装置は、繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成する堆積部と、前記ウエブを加圧加熱してシートを成形するシート成形部と、前記シートの搬送方向に交差する方向において前記シートを切断する切断部と、前記切断部により切断された前記シートを加熱する加熱部と、前記加熱部よりも搬送方向下流側に位置し、前記加熱部により搬送される前記シートの搬送路を第1搬送路または第2搬送路の何れかに切り替えるための板状の切り替え部と、を有し、前記加熱部により加熱された前記シートの撓み量が比較的小さい場合に、当該シートの先端部が前記切り替え部の上方に位置し、前記加熱部により加熱された前記シートの撓み量が比較的大きい場合に、当該シートの先端部が前記切り替え部の下方に位置するよう、前記切り替え部は配置され、前記第1搬送路は前記切り替え部の上方に形成され、前記第2搬送路は前記切り替え部の下方に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、加熱したときのシートの撓み量に応じて搬送路が選択され、撓み量が小さいシートと大きいシートとに分別される。これにより、例えば、シートを加熱する加熱部を有するプリンター等の電子機器で用いる場合、加熱時の撓み量が小さいシートを使用することにより、電子機器内でシートが加熱されても撓み難いため、搬送不良等の不具合の発生を防ぐことができる。
[適用例6]本適用例にかかるシート製造方法は、繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成し、前記ウエブを加圧加熱してシートを成形し、前記シートの搬送方向に交差する方向において前記シートを切断し、切断されたシートを加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出することを特徴とする。
この構成によれば、切断されたシートを加熱して、加熱したときのシートの撓み量に応じて各シートの排出先(搬送路)が選択される。すなわち、加熱時においてシートの撓みが大きいものと小さいものとが分別(選別)される。これにより、例えば、シートを加熱する加熱部を有するプリンター等の電子機器で用いる場合、加熱時において撓み量が小さいシートを使用することにより、プリンター内でシートが加熱されても撓み難いため、搬送不良等の発生を防止することができる。
以下、本発明の第1及び第2実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
(第1実施形態)
まず、シート製造装置の構成について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに形成する技術に基づくものである。本実施形態にかかるシート製造装置は、繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成する堆積部と、ウエブを加圧加熱してシートを成形するシート成形部と、シートの搬送方向に交差する方向においてシートを切断する切断部と、切断部により切断されたシートを加熱部により加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出する排出部と、を有するものである。以下、具体的にシート製造装置の構成について説明する。
まず、シート製造装置の構成について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに形成する技術に基づくものである。本実施形態にかかるシート製造装置は、繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成する堆積部と、ウエブを加圧加熱してシートを成形するシート成形部と、シートの搬送方向に交差する方向においてシートを切断する切断部と、切断部により切断されたシートを加熱部により加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出する排出部と、を有するものである。以下、具体的にシート製造装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態のシート製造装置1は、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加物投入部60と、堆積部70と、シート成形部としての加圧加熱部120と、切断部130と、排出部150等を備えている。また、これらの部材を制御する制御部2を備えている。
供給部10は、粗砕部20に原料としての古紙Pu等を供給するものである。供給部10は、例えば、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部20に連続して投入可能な自動送り機構12等を備えている。シート製造装置1に供給する古紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。
粗砕部20は、供給された古紙Puを数センチメートル角の紙片に裁断するものである。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することができる。そして、分断された粗砕紙は、配管201を介して解繊部30に供給される。
解繊部30は、繊維を含む材料を空気中で解繊するものである。具体的には、解繊部30は、回転する回転刃(図示せず)を備え、粗砕部20から供給された粗砕紙を繊維状に解きほぐす解繊を行うものである。本願においては、解繊部30で解繊されるものを被解繊物と言い、解繊部30を通過したものを解繊物と言う。なお、本実施形態の解繊部30は、空気中で乾式で解繊を行うものである。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒(以下、「インク粒」という)となって繊維と分離する。したがって、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊により得られる繊維とインク粒である。そして、回転刃の回転によって気流が発生する機構となっており、配管202を介して解繊された繊維はこの気流に乗って空気中で分級部40に搬送される。なお、必要に応じて解繊部30に配管202を介して解繊された繊維を分級部40に搬送させるための気流を発生させる気流発生装置を別途設けてもよい。
分級部40は、導入された導入物を気流により分級するものである。本実施形態では、導入物としての解繊物をインク粒と繊維とに分級する。分級部40は、例えば、サイクロンを適用することにより、搬送された解繊物をインク粒と繊維とに気流分級することができる。なお、サイクロンに替えて他の種類の気流式分級器を利用してもよい。この場合、サイクロン以外の気流式分級器としては、例えば、エルボージェットやエディクラシファイヤー等が用いられる。気流式分級器は旋回気流を発生させ、解繊物のサイズと密度により受ける遠心力の差によって分離、分級するもので、気流の速度、遠心力の調整により、分級点を調整することができる。これにより、比較的小さく密度の低いインク粒と、インク粒より大きく密度の高い繊維とに分けられる。
本実施形態の分級部40は接線入力方式のサイクロンであり、解繊部30から導入物が導入される導入口40aと、導入口40aが接線方向についた筒部41と、筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下部に設けられる下部取出口40bと、筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のための上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方にむかって径が小さくなる。
分級処理において、分級部40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流は、筒部41、円錐部42で円周運動に変わり、遠心力がかかり分級される。そして、インク粒より大きく密度の高い繊維は下部取出口40bへ移動し、比較的小さく密度の低いインク粒は空気とともに微粉として上部排気口40cへ導出される。そして、分級部40の上部排気口40cからインク粒が排出される。そして、排出されたインク粒は、分級部40の上部排気口40cに接続された配管206を介して受け部80に回収される。一方、分級部40の下部取出口40bから配管203を介して分級された繊維を含む分級物が選別部50に向けて空気中で搬送される。分級部40から選別部50へは、分級される際の気流によって搬送されてもよいし、上方にある分級部40から重力で下方にある選別部50に搬送されてもよい。なお、分級部40の上部排気口40cや配管206等に、上部排気口40cから短繊維混合物を効率よく吸引するための吸引部等を配置してもよい。分級は、あるサイズや密度を境にして正確に分けられるものではない。また、繊維とインク粒とに正確に分けられるものでもない。繊維の中でも比較的短い繊維はインク粒と共に上部排気口40cから排出される。インク粒の中でも比較的大きいものは繊維とともに下部取出口40bから排出される。
選別部50は、分級部40により分級された繊維を含む分級物(解繊物)を複数の開口を有するふるい部51から通過させて選別するものである。さらに、具体的には、分級部40により分級された繊維を含む分級物を、開口を通過する通過物と、開口を通過しない残留物と、に選別するものである。本実施形態の選別部50では、分級物を回転運動により空気中で分散させる機構を備えている。そして、選別部50の選別により開口を通過した通過物は、通過物搬送部52から配管204を介して堆積部70側に搬送される。一方、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、配管205を介して再び被解繊物として解繊部30に戻される。これにより、残留物は廃棄されずに再使用(再利用)される。
選別部50の選別により開口を通過した通過物は配管204を介して堆積部70に空気中で搬送される。選別部50から堆積部70へは、気流を発生させる図示しないブロワーによって搬送されてもよいし、上方にある選別部50から下方にある堆積部70に重力で搬送されてもよい。配管204における選別部50と堆積部70との間には、搬送される通過物に対して結着樹脂(例えば、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂)等の添加物を添加する添加物投入部60が設けられている。なお、添加物としては、結着樹脂の他、例えば、難燃剤、白色度向上剤、シート力増強剤やサイズ剤、吸収調整剤、芳香剤、脱臭剤等を投入することも可能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、図示しない投入機構によって投入口62から投入される。
堆積部70は、配管204から投入された繊維や結着樹脂等を含む材料を堆積してウエブWを形成するものである。そして、解繊部30で解繊された解繊物の少なくとも一部を空気中で堆積可能であり、繊維を空気中に均一に分散させる機構を備えている。また、堆積部70は、移動しながら解繊物を堆積物(ウエブW)として堆積する移動部を有している。なお、本実施形態の移動部は、張架ローラー72と、メッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルト73とで構成され、メッシュベルト73は張架ローラー72によって張架されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト73が一方向に回転(移動)するようになっている。なお、本実施形態にかかるウエブWとは、繊維と結着樹脂とを含む物体の構成形態を言う。従って、ウエブの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であってもウエブとして示している。
まず、繊維を空気中に均一に分散させる機構として、堆積部70には、繊維及び結着樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させることにより通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜることができる。フォーミングドラム71には複数の小孔を有するスクリーンが設けられている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させて、通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜるとともに、小孔を通過した繊維や繊維と結着樹脂の混合物を空気中に均一に分散させることができる。
フォーミングドラム71の下方には、メッシュベルト73が配されている。また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サクション装置75によって、空気中に分散された繊維をメッシュベルト73上に吸引することができる。
そして、フォーミングドラム71の小孔スクリーンを通過した繊維等は、サクション装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッシュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と結着樹脂を含み長尺状に堆積させたウエブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73の移動を連続的に行うことで、帯状の連続したウエブWが成形される。なお、メッシュベルト73は金属製でも、樹脂製でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものであってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの穴径が大きすぎるとメッシュの間に繊維が入り込み、ウエブW(シート)を成形したときの凸凹になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクション装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。
メッシュベルト73上に成形されたウエブWは、メッシュベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の白抜き矢印)に従って搬送される。メッシュベルト73の上側には剥離部としての中間搬送部90が配置される。ウエブWは中間搬送部90によりメッシュベルト73上から剥離されて、加圧部110側に搬送される。つまり、移動部(メッシュベルト73)から堆積物(ウエブW)を剥離する剥離部(中間搬送部90)を有し、剥離した堆積物(ウエブW)を加圧部110に搬送できる。中間搬送部90は、鉛直上方(ウエブWがメッシュベルト73から離間する方向)にウエブWを吸引しながらウエブWを搬送可能に構成されている。中間搬送部90は、メッシュベルト73から鉛直上方(ウエブWの表面に対して垂直な方向)に離間して配置され、且つ、ウエブWの搬送方向においてメッシュベルト73と一部が下流側にずれて配置されている。そして、中間搬送部90の搬送区間は、メッシュベルト73の下流側の張架ローラー72aから加圧部110までの区間となる。
中間搬送部90は、搬送ベルト91と、複数の張架ローラー92と、吸引室93と、を有する。搬送ベルト91は、メッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルトであり、張架ローラー92によって張架される。そして、複数の張架ローラー92のうちの少なくとも1つが自転することで、搬送ベルト91が一方向に回転(移動)するようになっている。
吸引室93は、搬送ベルト91の内側に配置され、上面と当該上面に接する4つの側面とを有する中空の箱型形状をしており、底面(下方に位置する搬送ベルト91と対向する面)が開口している。また、吸引室93は、吸引室93内に気流(吸引力)を発生させる吸引部を備えている。そして、吸引部を駆動させることにより吸引室93の内部空間が吸引されて、吸引室93の底面から空気が流れ込む。これにより吸引室93の上方に向けた気流が発生し、ウエブWをウエブWの上方から吸引して搬送ベルト91にウエブWを吸着させることができる。そして、搬送ベルト91は、張架ローラー92が自転することによって移動(周回)し、ウエブWを加圧部110に向けて搬送することができる。また、吸引室93は、上方から見て、メッシュベルト73と一部が重なり、また、サクション装置75と重ならない下流側の位置に配置されるため、メッシュベルト73上のウエブWは、吸引室93と対向する位置においてメッシュベルト73から剥離させて搬送ベルト91に吸着させることができる。張架ローラー92は、搬送ベルト91がメッシュベルト73と同速度で移動するように自転する。メッシュベルト73と搬送ベルト91の速度に差があると、ウエブWが引っ張られて破断したり座屈したりすることを、同速度にすることで防止できる。
ウエブWの搬送方向における中間搬送部90の下流側に加圧部110が配置されている。加圧部110は、一対の加圧ローラー111,112で構成され、搬送されるウエブWを加圧する。例えば、加圧部110により、堆積部70で形成されたウエブWの厚みに対しておよそ1/5から1/30の厚みのウエブWとなるように加圧する。これにより、ウエブWの強度を向上させることができる。
ウエブWの搬送方向における加圧部110の下流側に加圧加熱部120が配置されている。加圧加熱部120は、堆積部70で堆積した堆積物としてのウエブWを加圧加熱し、ウエブWに含まれる繊維同士を結着樹脂を介して結着させ、ウエブW(シート)を成形するものである。本実施形態の加圧加熱部120は、一対の加熱ローラー121,122で構成されている。加熱ローラー121,122の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられており、当該一対の加熱ローラー121,122間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWに対して加圧加熱することができる。そして、ウエブWは一対の加熱ローラー121,122によって加圧加熱されることで、結着樹脂が溶けて繊維と絡みやすくなるとともに繊維間隔が短くなり繊維間の接触点が増加する。
加圧加熱部120の搬送方向の下流側には、ウエブW(シート)の搬送方向に交差する方向においてウエブW(シート)を切断する切断部130が配置されている。なお、本実施形態の切断部130では、ウエブWの搬送方向に沿ってウエブWを切断する第1切断部130aとウエブWの搬送方向と交差する方向にウエブWを切断する第2切断部130bとが配置されている。第1切断部130aは、例えば、スリッターであり、ウエブWの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断する。第2切断部130bは、例えば、ロータリーカッターであり、連続状のウエブWを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状に裁断する。これにより、所望するサイズのシートPr(ウエブW)が形成される。
切断部130の搬送方向の下流側には、排出部150が配置されている。排出部150は、切断部130により切断されたシートPr(ウエブW)を加熱部により加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートPr(ウエブW)を排出するものである。なお、排出部150の詳細な構成は後述する。
以上、シート製造装置1においてシートPrを製造することができる。
なお、上記実施形態にかかるシートとは、古紙や純パルプなどの繊維を含むものを原料とし、シート状にしたものを主に言う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(や凸凹を有する形状)であってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、薄いシート状にした態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
また、上記本実施形態において古紙とは、主に印刷された紙を指すが、紙として成形されたものを原料とするのであれば使用したか否かに関わらず古紙とみなす。
次に、排出部の詳細な構成について説明する。図2は、排出部の構成を示す概略図である。図2に示すように、排出部150は、加熱部160を備え、加熱部160よりも搬送方向下流側には、シートPrの搬送先となる第1搬送路171及び第2搬送路172を有している。さらに、排出部150には、シートPrの撓み量を検出する検出部180と、検出部180により検出された撓み量に応じて、シートPrの排出先を切り替える切り替え部170と、を有している。また、第1搬送路171及び第2搬送路172よりも搬送方向下流側には、搬送されたシートPrを収納する収納部190を備えている。
加熱部160は、切断部130よりも搬送方向下流側に配置されている。加熱部160は、切断部130により切断されたシートPrを加熱するものである。当該加熱部160は、シートPrを加熱することにより、シートPrの加熱時における撓み具合を再現させるものである。古紙再生されたシートPrを、例えば、当該シートPrにトナー等を定着させるための加熱部を備えたプリンター等の電子機器で使用する場合、プリンターの加熱部によってシートPrが加熱された際、シートPrが加熱により撓み過ぎると搬送ローラー等に巻き付いてしまい搬送不良等を起こす恐れがある。このため、予めシートPrの製造過程において、加熱時の撓み量が大きいものと小さいものとにシートPrを分別できれば、プリンター等で使用するシートPrを選択でき、搬送不良等を防止することができる。また、シート製造装置1においてシートPrの耐熱性は一様ではなく、例えば、シートPrに含まれる結着樹脂量のばらつき等により、加熱時に撓みやすいシートPrと比較的撓まないシートPrとが混在して成形される。そこで、加熱部160によりシートPrを加熱してシートPrを撓ませ、撓み量に応じてシートPrをランク(グレード)毎に分類している。
本実施形態の加熱部160は、一対の加熱ローラー161,162で構成されている。加熱ローラー161,162の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられており、当該一対の加熱ローラー161,162間にシートPr(ウエブW)を通過させることにより、シートPrは加熱され、撓みやすくなる。なお、加熱部160の加熱ローラー161,162の加熱温度は適宜設定可能である。例えば、加熱ローラー161,162の加熱温度を、使用が想定されるプリンター等の電子機器内の加熱部によりシートPrを加熱する加熱温度と同等に設定してもよい。このようにすれば、使用する電子機器における加熱時のシートPrの撓み具合を想定することができ、使用する電子機器に対応したシートPrを供給(提供)することができる。
第1搬送路171及び第2搬送路172は加熱部160によって加熱されたシートPrを搬送する経路である。本実施形態では、第2搬送路172は、加熱部160及び第1搬送路171よりも鉛直方向下方に位置している。なお、加熱部160よりも鉛直方向下方とは、加熱部160におけるシートPrの位置よりも下方のことであり、本例の場合には、加熱ローラー161、162のニップ部163の位置よりも下方のことをいう。また、加熱部160よりも搬送方向下流側であって、鉛直方向下方において第1搬送路171と第2搬送路172との間に、シートPrの排出先として第1搬送路171と第2搬送路172とを切り替える切り替え部170が設けられている。切り替え部170は、搬送路を第1搬送路171と第2搬送路172とに区分けする板状部材である。切り替え部170の上方に第1搬送路171が形成され、切り替え部170の下方に第2搬送路172が形成されている。本例では、切り替え部170の上面170aは第1搬送路171の一部を構成している。切り替え部170の下方には第2搬送路172の一部を構成し、搬送されるシートPrを案内するガイド部178が配置されている。ガイド部178は加熱部160から搬送方向下流側に向けて鉛直方向下方に徐々に傾くように配置されている。
加熱部160で加熱した際に撓みが小さいシートPrは、その先端部が切り替え部170の上面170aに案内され、第1搬送路171に沿って搬送される。また、加熱部160で加熱した際に撓みが大きいシートPrは、その先端部が重力により切り替え部170よりも下方に位置することになり、ガイド部178に案内され、第2搬送路172に沿って搬送される。
検出部180は、加熱部160の搬送方向下流側に配置され、加熱部160により加熱されたシートPrの撓み量を検出するものであり、例えば、シートPrに対してレーザー光を照射してシートPrの変位量(撓み量)を検出するレーザー式変位センサーや超音波を発信してシートPrの変位量(撓み量)を検出する超音波式変位センサー等の非接触型変位センサーを用いることができる。本実施形態の検出部180は、加熱部160と切り替え部170との間であって、加熱部160の一対の加熱ローラー161,162のうち、上方に配置された加熱ローラー161の側に配置される。検出部180を上方の加熱ローラー161側に配置するのは、撓み量が大きいシートPrに接触しないためである。
検出部180は、制御部2に接続され、検出したシートPrの撓み量データを制御部2に送信(出力)可能に構成されている。また、切り替え部170は、検出部180により検出された撓み量に応じて、シートPrの排出先(第1搬送路171または第2搬送路172)を切り替え可能に構成されている。切り替え部170はモーター等の駆動部を備え、当該駆動部は制御部2に接続されている。そして、検出部180により検出されたシートPrの撓み量に応じて、制御部2からの駆動信号により駆動部が駆動され、切り替え部170の位置が移動するように構成されている。本実施形態では、切り替え部170が鉛直方向に移動するように構成されている。具体的には、切り替え部170は、加熱ローラー161,162によってシートPrをニップするニップ部163と同等の高さから第2搬送路172におけるガイド部178までの間を移動可能である。この構成により、シートPrの撓み量が小さく許容範囲内にあるシートPrの先端部を切り替え部170の上方を通過させて第1搬送路171に案内し、撓み量が大きく許容範囲外のシートPrの先端部を切り替え部170の下方を通過させて第2搬送路172に案内することが可能となる。
また、第1搬送路171及び第2搬送路172よりも搬送方向下流側には、搬送されたシートPrを収納する収納部190が配置されている。収納部190は、第1搬送路171から搬送されたシートPrを収納する第1収納部191と、第2搬送路172から搬送されたシートPrを収納する第2収納部192と、を備えている。これにより、第1搬送路171から搬送されたシートPr、すなわち、加熱時において比較的撓み量が小さいシートPr(撓み量が許容範囲内のシートPr)と、加熱時において比較的撓み量が大きいシートPr(撓み量が許容範囲外のシートPr)と、を分類(選別)することができる。
また、収納部190は、切り替え部170の鉛直方向における移動に応じて、収納部190本体が鉛直方向に移動可能に構成されている。収納部190はモーター等の駆動部を備え、当該駆動部は制御部2に接続されている。そして、切り替え部170の移動に応じて、制御部2からの駆動信号により駆動部が駆動され、収納部190の位置が移動し、第1及び第2搬送路171,172に搬送されたシートPrを確実に収納することができる。
なお、本実施形態では、検出部180の検出結果に応じて、切り替え部170と収納部190とを移動可能に構成したが、検出部180を設けずに、切り替え部170と収納部190の位置を固定にしてもよい。この場合、切り替え部170の配置位置を、撓み量が許容範囲内のシートPrを第1搬送路171から第1収納部191に排出し、撓み量が許容範囲外のシートPrを第2搬送路172から第2収納部192に排出できる位置とすればよい。具体的には、切り替え部170の上流側端部と加熱部160のニップ部163との間隔や、切り替え部170の上流側端部の高さ(鉛直方向の位置)を適宜に設定すればよい。このように、加熱部160により加熱され搬送されるシートPrの先端が、撓み量に応じて、板状部材の切り替え部170の上方または下方に向かうことにより、シートPr自身が排出先を選択し排出するよう構成することができる。なお、収納部190のみ、積載されたシートPrの量に応じて移動可能に構成してもよい。
次に、シート製造方法について説明する。本実施形態にかかるシート製造方法は、繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成し、ウエブを加圧加熱してシートを成形し、シートの搬送方向に交差する方向においてシートを切断し、切断されたシートを加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出するものである。なお、本実施形態のシート製造方法は、上記のシート製造装置1におけるシート製造方法である。そして、ウエブWの形成方法、シートPrの成形方法及びシートPrの切断方法は、上述の通りであるため、説明を省略し、以下、切断されたシートを加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択する方法について説明する。
図3は、シート製造方法を示す模式図であり、図3(a)から図3(c)はシートPrの撓み量がT1〜T3の場合にシートPrを第1搬送路171に搬送させる場合(撓み量T1〜T3は許容範囲内の場合)を示し、図3(d)はシートPrの撓み量がT4の場合にシートPrを第2搬送路172に搬送させる場合(撓み量T4は許容範囲外の場合)を示している。また、図3(e)はシートPrの撓み量がT3の場合にシートPrを第2搬送路172に搬送させる場合(図3(c)の比較例であり、撓み量T3が許容範囲外の場合)を示している。
まず、切断部130(図1参照)により切断されたシートPrを回転する加熱部160の一対の加熱ローラー161,162間に投入し、シートPrを加熱する。そして、加熱されたシートPrを検出部180側に搬送する。シートPrの先端部(搬送方向下流側の端部)が検出部180の検出可能な位置に搬送されると、検出部180によってシートPrの撓み量Tを検出する。本実施形態の撓み量Tは、水平方向における加熱前のシートPrの一方面(上面)を基準点d0とし、当該基準点と加熱されたシートPrの一方面(上面)の位置との距離である。基準点d0は、加熱部160のニップ部163の水平方向の位置(高さ)でもよい。検出された撓み量Tのデータは制御部2に送信(出力)される。制御部2は、制御プログラムに基づき、シートPrの撓み量Tが許容範囲内であるか否かを判断し、その判断結果に応じて切り替え部170をシートPrの撓み量Tに応じた位置に移動させる。
図3(a)〜図3(c)に示す、シートPrの撓み量Tが許容範囲内である場合について説明する。制御部2は、加熱部160により加熱されたシートPrの撓み量T1〜T3は許容範囲内であると判断すると、切り替え部170を、加熱部160のニップ部163よりも鉛直方向下方であってシートPrが第1搬送路171に搬送可能な位置に移動させる。本実施形態では、図3(a)〜図3(c)に示すように、基準点d0から切り替え部170の上面170aまでの距離Sが、シートPrの撓み量T1〜T3よりも長い距離S1〜S3となる位置に切り替え部170を移動させる。ここで、撓み量TはT1、T2、T3の順に大きく(T1<T2<T3)、距離SはS1、S2、S3の順に長い(S1<S2<S3)。
これにより、加熱ローラー161,162により搬送されるシートPrは切り替え部170の上面170aに倣って搬送される。また、制御部2は、切り替え部170の移動に応じて収納部190を移動させる。具体的には、切り替え部170の上面170aに倣って搬送されたシートPrが第1収納部191に収納されるように収納部190を移動する。本実施形態では、第1収納部191が切り替え部170よりも鉛直方向下方に位置するように収納部190を移動する。これにより、切り替え部170の上面170aに倣って搬送されたシートPrが第1収納部191に収納される。
なお、図3(a)〜図3(c)では、シートPrの撓み量Tに応じて、切り替え部170の位置(距離S)および収納部190の位置が異なる例を示したが、撓み量Tが許容範囲内にあるシートPrが第1搬送路171に沿って移動し第1収納部191に収納される所定の定位置に切り替え部170を移動させるよう構成してもよい。例えば、上述の例では、シートPrの撓み量TがT1〜T3の何れの場合にも、図3(c)に示す位置に切り替え部170と収納部190を移動させてもよい。
次に、図3(d)に示す、シートPrの撓み量Tが許容範囲外である場合について説明する。制御部2は、加熱部160により加熱されたシートPrの撓み量T4(>T3)は許容範囲外であると判断すると、切り替え部170を、シートPrが第2搬送路172に搬送可能な位置に移動させる。本実施形態では、基準点d0から切り替え部170の上面170aまでの距離Sが距離S1となる位置に切り替え部170を移動させる。すなわち、図3(a)と同様の位置(距離S1)に切り替え部170を移動させる。この距離S1の位置は、基準点d0から切り替え部170の下面までの距離S´が、撓み量T4よりも短くなる位置である。
これにより、加熱ローラー161,162により搬送されたシートPrは、切り替え部170に接触することなく、重力方向に移動し、ガイド部178に倣って搬送される。また、制御部2は、切り替え部170の移動に応じて収納部190を移動させる。具体的には、ガイド部178に倣って搬送されたシートPrが第2収納部192に収納されるように収納部190を移動する。本実施形態では、第2収納部192がガイド部178よりも鉛直方向下方に位置するように収納部190を移動する。これにより、ガイド部178に倣って搬送されたシートPrが第2収納部192に収納される。
次に、図3(e)に示す、シートPrの撓み量Tが撓み量T3であるが、撓み量T3が許容範囲外である場合(図3(c)の比較例)について説明する。制御部2は、加熱部160により加熱されたシートPrの撓み量T3は許容範囲外であると判断すると、切り替え部170を、シートPrが第2搬送路172に搬送可能な位置に移動させる。本実施形態では、基準点d0から切り替え部170の上面170aまでの距離Sが距離S1となる位置に切り替え部170を移動させる。すなわち、図3(a)と同様の位置(距離S1)に切り替え部170を移動させる。この距離S1の位置は、基準点d0から切り替え部170の下面までの距離S´が、撓み量T3よりも短くなる位置である。
これにより、加熱ローラー161,162により搬送されたシートPrは、切り替え部170に接触することなく、重力方向に移動し、ガイド部178に倣って搬送される。また、制御部2は、切り替え部170の移動に応じて収納部190を移動させる。具体的には、ガイド部178に倣って搬送されたシートPrが第2収納部192に収納されるように収納部190を移動する。本実施形態では、第2収納部192がガイド部178よりも鉛直方向下方に位置するように収納部190を移動する。これにより、ガイド部178に倣って搬送されたシートPrが第2収納部192に収納される。このように、シートPrの撓み量Tの許容範囲を設定(変更)することにより、撓み量Tが同じ場合であっても、第1搬送路171に排出させるか、或いは、第2搬送路172に排出させるか、を任意に設定することができる。
なお、本実施形態においては、板状部材の切り替え部170を水平に配置したが、傾斜させてもよい。この場合には、距離Sおよび距離S´は、それぞれ、基準点d0から切り替え部170の上流側(加熱部160側)の端部の上面および下面までの距離とすればよい。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
加熱部160の加熱によるシートPrの撓み量T1〜T4に応じて、シートPrを第1搬送路171または第2搬送路172に選択的に搬送(第1収納部191または第2収納部192に選択的に排出)することが可能となる。すなわち、加熱時においてシートPrの撓みが大きいものと小さいものとを容易に分別(選別)することができる。これにより、例えば、シートを加熱する加熱部を有するプリンター等の電子機器でシートPrを用いる場合、加熱時におおける撓み量が小さいシートPr、本例では選別されて第1収納部191に収納されたシートPrを使用することにより、プリンター内での搬送不良等の発生を防止することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態の構成と異なる構成、すなわち、排出部の構成について説明し、本実施形態のシート製造装置1aの排出部以外の構成は第1実施形態にかかるシート製造装置1の構成と同様なので説明を省略する。図4は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態の構成と異なる構成、すなわち、排出部の構成について説明し、本実施形態のシート製造装置1aの排出部以外の構成は第1実施形態にかかるシート製造装置1の構成と同様なので説明を省略する。図4は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。
図4に示すように、本実施形態にかかるシート製造装置1aの排出部350は、第1排出部351と第2排出部352とを備えている。第1排出部351は、切断部130により切断されたシートPrを加熱部360により加熱したときの撓み量Tに応じて排出先(第1搬送路171または第2搬送路172)を選択し、第2排出部352は、第1排出部351において一方の搬送路(本例では第1搬送路171)に排出されたシートPrの非加熱時の撓み量Tに応じて排出先(第3搬送路173または第4搬送路174)を選択するように構成されている。
第1排出部351は、加熱部360を備え、加熱部360よりも搬送方向下流側には、シートPrの搬送先となる第1搬送路171及び第2搬送路172を有している。加熱部360は、切断部130(図1参照)よりも搬送方向下流側に配置されている。加熱部360は、切断部130により切断されたシートPrを加熱するものである。当該加熱部360は、シートPrを加熱することにより、シートPrの加熱時における撓み具合を再現させるものである。古紙再生されたシートPrを、例えば、当該シートPrにトナー等を定着させるための加熱部を備えたプリンター等の電子機器で使用する場合、プリンターの加熱部によってシートPrが加熱された際、シートPrが加熱により撓み過ぎると搬送ローラー等に巻き付いてしまい搬送不良等を起こす恐れがある。このため、予めシートPrの製造過程において、加熱時の撓み量が大きいものと小さいものとにシートPrを分別できれば、プリンター等に使用するシートPrを選択でき、搬送不良等を防止することができる。そこで、加熱部360によりシートPrを加熱してシートPrを撓ませ、撓み量に応じてシートPrをランク(グレード)毎に分類している。
本実施形態の加熱部360は、一対の加熱ローラー361,362で構成されている。加熱ローラー361,362の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられており、当該一対の加熱ローラー361,362間にシートPr(ウエブW)を通過させることにより、シートPrは加熱され、撓みやすくなる。なお、加熱部360の加熱ローラー361,362の加熱温度は適宜設定可能である。例えば、加熱ローラー361,362の加熱温度を、使用が想定されるプリンター等の電子機器内の加熱部によりシートPrを加熱する加熱温度と同等に設定してもよい。このようにすれば、使用する電子機器における加熱時のシートPrの撓み具合を想定することができ、使用する電子機器に対応したシートPrを供給(提供)することができる。
第1搬送路171及び第2搬送路172は加熱部360によって加熱されたシートPrを搬送する経路である。本実施形態では、第2搬送路172は、加熱部360及び第1搬送路171よりも鉛直方向下方に位置している。また、加熱部360よりも搬送方向下流側であって、鉛直方向下方において第1搬送路171と第2搬送路172との間に、シートPrの排出先として第1搬送路171と第2搬送路172とを切り替える第1切り替え部370が設けられている。第1切り替え部370は、搬送路を第1搬送路171と第2搬送路172とに区分けする板状部材である。第1切り替え部370は、加熱部360によるシートPrの撓み状態に応じた位置に配置されている。換言すれば、第1切り替え部370は、加熱部360によるシートPrの撓み量に応じてシートPrを第1搬送路171と第2搬送路172とのいずれの排出先に搬送するかを選択する基準となる位置に配置される。そして、第1切り替え部370の上面370aは第1搬送路171の一部を構成する。
そして、第1切り替え部370の下方には第2搬送路172の一部を構成し、搬送されるシートPrを案内するガイド部378が配置されている。ガイド部378は加熱部360から加熱部360の搬送方向下流側に向けて鉛直方向下方に徐々に傾くように配置されている。
加熱部360で加熱した際に撓みが比較的小さいシートPrは、その先端部が第1切り替え部370の上面370aに案内され、第1搬送路171に沿って搬送される。また、加熱部360で加熱した際に撓みが比較的大きいシートPrは、その先端部が重力により第1切り替え部370よりも下方に位置することになり、ガイド部378に案内され、第2搬送路172に沿って搬送される。このように、加熱部360により搬送されるシートPr自身が撓み量に応じて排出先(第1搬送路171、第2搬送路172)を選択できるよう構成されている。また、第2搬送路172の下流側には、第2搬送路172を搬送されたシートPrを収納する収納部379が配置されている。
第2排出部352は、第1排出部351の第1切り替え部370の搬送方向下流側に設けられている。第2排出部352は、シート搬送部380を備え、シート搬送部380よりも搬送方向下流側には、シートPrの搬送先となる第3搬送路173及び第4搬送路174を有している。さらに、第2排出部352には、シートPrの撓み量を検出する検出部390と、検出部390により検出された撓み量に応じて、シートPrの排出先を切り替える第2切り替え部400と、を有している。また、第3搬送路173及び第4搬送路174よりも搬送方向の下流側には、搬送されたシートPrを収納する収納部420を備えている。
シート搬送部380は、第1排出部351により選別されて第1搬送路171に搬送されたシートPrを、搬送方向下流側に搬送するものである。第1排出部351の加熱部360で加熱されたシートPrは、第1切り替え部370(第1搬送路171)を搬送する間に常温に曝され、その温度は常温まで低下する。従って、シート搬送部380では、常温(非加熱状態)のシートPrを搬送する。
本実施形態のシート搬送部380は、一対の搬送ローラー381,382で構成されている。当該シート搬送部380は、加熱せずにシートPrを搬送することにより、シートPrの常温時における撓み具合を再現させるものである。第1排出部351では、耐熱性に対して比較的良好なシートPrを選別することはできるが、常温時におけるシートPrの剛性も重要な要素となる。例えば、シートPrに含まれる結着樹脂の量や種類によってはシートPrの剛性が高まり、容易に曲がり(撓み)にくくなってしまう場合がある。このようなシートPrを、プリンター等の電子機器で使用すると、搬送不良等の不具合を発生させてしまう恐れがある。そこで、第2排出部352によりシートPrを加熱せずに常温で搬送して常温(非加熱状態)におけるシートPrの撓み量を検出し、撓み量に応じてシートPrをさらにランク(グレード)毎に分類している。
第3搬送路173及び第4搬送路174はシート搬送部380によって搬送されたシートPrを搬送する経路である。本実施形態では、第4搬送路174は、シート搬送部380及び第3搬送路173よりも鉛直方向下方に位置している。また、シート搬送部380よりも搬送方向下流側であって、鉛直方向下方において第3搬送路173と第4搬送路174との間に、シートPrの排出先として第3搬送路173と第4搬送路174とを切り替える第2切り替え部400が設けられている。第2切り替え部400は、搬送路を第3搬送路173と第4搬送路174とに区分けする板状部材である。第2切り替え部400の上方に第3搬送路173が形成され、第2切り替え部400の下方に第4搬送路174が形成されている。本例では、第2切り替え部400の上面400aは第3搬送路173の一部を構成している。第2切り替え部400の下方には第4搬送路174の一部を構成し、搬送されるシートPrを案内するガイド部401が配置されている。ガイド部401はシート搬送部380から搬送方向下流側に向けて鉛直方向下方に徐々に傾くように配置されている。
シートPrを搬送した際に撓みが小さいシートPrは、その先端部が第2切り替え部400の上面400aに案内され、第3搬送路173に沿って搬送される。また、シートPrを搬送した際に撓みが大きいシートPrは、その先端部が重力により切り替え部400よりも下方に位置することになり、ガイド部401に案内され、第4搬送路174に沿って搬送される。
検出部390は、シート搬送部380の搬送方向下流側に配置され、シート搬送部380により搬送されたシートPrの撓み量を検出するものであり、例えば、シートPrに対してレーザー光を照射してシートPrの変位量(撓み量)を検出するレーザー式変位センサーや超音波を発信してシートPrの変位量(撓み量)を検出する超音波式変位センサー等の非接触型変位センサーを用いることができる。本実施形態の検出部390は、シート搬送部380と第2切り替え部400との間であって、シート搬送部380の一対の搬送ローラー381,382のうち、上方に配置された搬送ローラー381の側に配置される。検出部390を上方の搬送ローラー381側に配置するのは、撓んだシートPrが接触しないためである。
検出部390は、制御部2に接続され、検出したシートPrの撓み量データを制御部2に送信(出力)可能に構成されている。また、第2切り替え部400は、検出部390により検出された撓み量に応じて、シートPrの排出先(第3搬送路173または第4搬送路174)を切り替え可能に構成されている。第2切り替え部400はモーター等の駆動部を備え、当該駆動部は制御部2に接続されている。そして、検出部390により検出されたシートPr撓み量に応じて、制御部2からの駆動信号により駆動部が駆動され、第2切り替え部400の位置が移動するように構成されている。本実施形態では、第2切り替え部400が鉛直方向に移動するように構成されている。具体的には、第2切り替え部400は、搬送ローラー381,382によってシートPrをニップするニップ部383と同等の高さから第4搬送路174におけるガイド部401までの間を移動可能である。この構成により、シートPrの撓み量が小さく(比較的剛性が強く)許容範囲外のシートPrの先端部を第2切り替え部400の上方を通過させて第3搬送路173に案内し、撓み量が大きく(比較的剛性が弱く)許容範囲内にあるシートPrの先端部を第2切り替え部400の下方を通過させて第4搬送路174に案内することが可能となる。
また、第3搬送路173及び第4搬送路174よりも搬送方向下流側には、搬送されたシートPrを収納する収納部420が配置されている。収納部420は、第3搬送路173から搬送されたシートPrを収納する第1収納部421と、第4搬送路174から搬送されたシートPrを収納する第2収納部422と、を備えている。これにより、第3搬送路173から搬送されたシートPr、すなわち、常温時において比較的撓み量が小さいシートPr(撓み量が許容範囲外のシートPr)と、常温時において比較的撓み量が大きいシートPr(撓み量が許容範囲内のシートPr)と、を分類(選別)することができる。
また、収納部420は、第2切り替え部400の鉛直方向における移動に応じて、収納部420本体が鉛直方向に移動可能に構成されている。収納部420はモーター等の駆動部を備え、当該駆動部は制御部2に接続されている。そして、第2切り替え部400の移動に応じて、制御部2からの駆動信号により駆動部が駆動され、収納部420の位置が移動し、第3及び第4搬送路173,174に搬送されたシートPrを確実に収納することができる。
なお、本実施形態では、検出部390の検出結果に応じて、第2切り替え部400と収納部420とを移動可能に構成したが、検出部390を設けずに、第2切り替え部400と収納部420の位置を固定にしてもよい。この場合、第2切り替え部400の配置位置を、撓み量が許容範囲外のシートPrを第3搬送路173から第1収納部421に排出し、撓み量が許容範囲内のシートPrを第4搬送路174から第2収納部422に排出できる位置とすればよい。具体的には、第2切り替え部400の上流側端部とシート搬送部380のニップ部383との間隔や、第2切り替え部400の上流側端部の高さ(鉛直方向の位置)を適宜に設定すればよい。このように、シート搬送部380により搬送されるシートPrの先端が、撓み量に応じて、板状部材の第2切り替え部400の上方または下方に向かうことにより、シートPr自身が排出先を選択し排出するよう構成することができる。なお、第2収納部422のみ、積載されたシートPrの量に応じて移動可能に構成してもよい。
次に、シート製造方法について説明する。本実施形態にかかるシート製造方法は、繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成し、ウエブを加圧加熱してシートを成形し、シートの搬送方向に交差する方向においてシートを切断し、切断されたシートを加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択した後、シートを加熱せずに排出先をさらに選択するものである。なお、本実施形態のシート製造方法は、シート製造装置1aにおけるシート製造方法である。そして、ウエブWの形成方法、シートPrの成形方法及びシートPrの切断方法は、上述の通りであるため、説明を省略し、以下、切断されたシートをシートの撓み量に応じて排出先を選択する方法について説明する。図5及び図6は、シート製造方法を示す模式図であり、図5は第1排出部によるシートの排出方法を示し、図6は第2排出部によるシート排出方法を示す。
まず、第1排出部351によるシートの排出方法について説明する。図5(a)は、加熱部360による加熱時のシートPrの撓み量が比較的小さく(許容範囲内)、シートPrを第1搬送路171に搬送する場合を示している。まず、切断部130(図1参照)により切断されたシートPrを回転する加熱部360の一対の加熱ローラー361,362間に投入し、シートPrを加熱する。シートPrは加熱により撓む。なお、本実施形態では、加熱時のシートPrの撓みが撓み量T5までの場合に、シートPrを第1搬送路171に搬送するように構成されている。このため、加熱時のシートPrが撓み量T5までの場合に、当該シートPrを第1搬送路171に搬送可能な位置に第1切り替え部370を配置している。
本実施形態の撓み量Tは、水平方向における加熱前のシートPrの一方面(上面)を基準点d0とし、当該基準点と加熱されたシートPrの一方面(上面)の位置との距離である。基準点d0は、加熱部360のニップ部の水平方向の位置(高さ)でもよい。この場合、本実施形態の第1切り替え部370は、基準点d0からシートPrの撓み量T5までの距離よりも長い距離S5の位置に第1切り替え部370の上面370aが位置するように第1切り替え部370を配置する。これにより、加熱ローラー361,362により搬送されるシートPrは第1切り替え部370の上面370aに倣って第1搬送路171に搬送される。そして、さらに第2排出部352側に搬送される。
図5(b)は、加熱部360による加熱時のシートPrの撓み量が比較的大きく(許容範囲外)、シートPrを第2搬送路172に搬送する場合を示している。まず、切断部130(図1参照)により切断されたシートPrを回転する加熱部360の一対の加熱ローラー361,362間に投入し、シートPrを加熱する。シートPrは加熱により撓む。なお、図5(b)の例では、加熱時のシートPrの撓み量Tが撓み量T5(図5(a)参照)よりも大きい(撓み量T6)場合に、シートPrを第2搬送路172に搬送するように構成されている。第1切り替え部370は、基準点d0からシートPrの撓み量T6までの距離よりも短い距離(本実施形態では距離S5)の位置に第1切り替え部370の上面370aが位置するように第1切り替え部370が配置されている。また、この距離S5の位置は、基準点d0から第1切り替え部370の下面までの距離S´が、撓み量T6よりも短くなる位置である。これにより、加熱ローラー361,362により搬送されたシートPrは、第1切り替え部370に接触することなく、重力方向に移動し、ガイド部378に倣って搬送される。そして、ガイド部378に倣って搬送されたシートPrは収納部379に収納される。
次に、第2排出部352によるシートの排出方法について説明する。図6(a)及び図6(b)は、常温時のシートPrの撓み量が比較的小さく(許容範囲外)、シートPrを第3搬送路173に搬送する場合を示している。図6(c)は、常温時のシートPrの撓み量が比較的大きく(許容範囲内)、シートPrを第4搬送路174に搬送する場合を示している。
まず、第1排出部351の第1搬送路171から搬送されたシートPrを回転するシート搬送部380の一対の搬送ローラー381,382間に投入し、シートPrを搬送する。そして、シート搬送部380を介してシートPrを検出部390の方向に搬送する。シートPrの先端部(搬送方向下流側の端部)が検出部390の検出可能な位置に搬送されると、検出部390によってシートPrの撓み量Tを検出する。本実施形態の撓み量Tは、水平方向におけるシートPrの一方面(上面)を基準点d0とし、当該基準点とシートPrの一方面(上面)の位置との距離である。基準点d0は、シート搬送部380のニップ部の水平方向の位置(高さ)でもよい。検出された撓み量Tのデータは制御部2に送信(出力)される。制御部2は、制御プログラムに基づき、シートPrの撓み量Tが許容範囲外であるか否かを判断し、その判断結果に応じて第2切り替え部400をシートPrの撓み量Tに応じた位置に移動させる。
図6(a)、図6(b)に示す、シートPrの撓み量Tが許容範囲外である場合について説明する。制御部2は、非加熱状態のシートPrの撓み量T7、T8が許容範囲外であると判断すると、第2切り替え部400を、シートPrが第3搬送路173に搬送可能な位置に移動させる。本実施形態では、図6(a)、図6(b)に示すように、基準点d0から第2切り替え部400の上面400aまでの距離Sが、シートPrの撓み量T7、T8よりも長い距離S7、S8となる位置に第2切り替え部400を移動させる。ここで、撓み量TはT7、T8の順に大きく(T7<T8)、距離SはS7、S8の順に長い(S7<S8)。
これにより、搬送ローラー381,382により搬送されるシートPrは第2切り替え部400の上面400aに倣って搬送される。また、制御部2は、第2切り替え部400の移動に応じて収納部420を移動させる。具体的には、第2切り替え部400の上面400aに倣って搬送されたシートPrが第1収納部421に収納されるように収納部420を移動する。本実施形態では、第1収納部421が第2切り替え部400よりも鉛直方向下方に位置するように収納部420を移動する。これにより、第2切り替え部400の上面400aに倣って第3搬送路173を搬送されたシートPrが第1収納部421に収納される。
なお、図6(a)、図6(b)では、シートPrの撓み量Tに応じて、第2切り替え部400の位置(距離S)および収納部420の位置が異なる例を示したが、撓み量Tが許容範囲外のシートPrが第3搬送路173に沿って移動し第1収納部421に収納される所定の定位置に切り替え部400を移動させるよう構成してもよい。例えば、上述の例では、シートPrの撓み量TがT7、T8の何れの場合にも、図6(b)に示す位置に切り替え部400と収納部420を移動させてもよい。
次に、図6(c)に示す、シートPrの撓み量Tが許容範囲内である場合について説明する。制御部2は、非加熱状態におけるシートPrの撓み量T9(>T8)は許容範囲内であると判断すると、第2切り替え部400を、シートPrが第4搬送路174に搬送可能な位置に移動させる。本実施形態では、基準点d0から第2切り替え部400の上面400aまでの距離Sが距離S7となる位置に第2切り替え部400を移動させる。すなわち、図6(a)と同様の位置(距離S7)に第2切り替え部400を移動させる。また、この距離S7の位置は、基準点d0から第2切り替え部400の下面までの距離S´が、撓み量T9よりも短くなる位置である。
これにより、搬送ローラー381,382により搬送されたシートPrは、第2切り替え部400に接触することなく、重力方向に移動し、ガイド部401に倣って搬送される。また、制御部2は、第2切り替え部400の移動に応じて収納部420を移動させる。具体的には、ガイド部401に倣って搬送されたシートPrが第2収納部422に収納されるように収納部420を移動する。本実施形態では、第2収納部422がガイド部401よりも鉛直方向下方に位置するように収納部420を移動する。これにより、ガイド部401に倣って第4搬送路174に搬送されたシートPrが第2収納部422に収納される。
以上、本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
第1排出部351の加熱部360によってシートPrが加熱されたときのシートPrの撓み量Tに応じて、シートPrは第1搬送路171または第2搬送路172に選択的に搬送される。この場合、比較的撓み量Tが小さい(許容範囲内)シートPrは第1搬送路171に搬送され、比較的撓み量Tが大きい(許容範囲外)シートPrは第2搬送路172に搬送される。さらに、第1搬送路171を通過したシートPrに対して常温時での撓み量Tを検出し、検出された撓み量Tに応じてシートPrは第3搬送路173または第4搬送路174を選択的に搬送する。この場合、比較的撓み量Tが小さい(許容範囲外)シートPrは第3搬送路173に搬送され、比較的撓み量Tが大きい(許容範囲内)シートPrは第4搬送路174に搬送される。これにより、撓み量が比較的小さく剛性が高いシートPrと撓み量が比較的大きく良好な剛性を有するシートPrとを選別することができる。このように、加熱時及び常温時において良好な撓み(剛性)を有するシートPrを選別することができ、プリンター等の電子機器にシートPrを供給した場合における搬送不良の発生を防止することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。また、上記実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
(変形例1)第1実施形態の排出部150では、加熱ローラー161,162の回転によって、シートPrを第1搬送路171側にシートPrを搬送させたが、これに限定されない。例えば、加熱ローラー161,162から第1搬送路171側へのシートPrの搬送を補助する搬送補助手段を設けてもよい。図7は、本変形例にかかる排出部の構成を示す概略図である。図7(a)に示すように、排出部150aは、加熱ローラー161,162の搬送方向の下流側にシートPrを第1搬送路171への搬送を補助する搬送補助手段としての回転駆動可能な搬送補助ローラー500が配置されている。搬送補助ローラー500は中空構造を有し、搬送補助ローラー500の表面には複数の貫通孔が設けられている。そして、搬送補助ローラー500の内部から空気を吸引する吸引機構が設けられている。これにより、図7(b)に示すように、加熱ローラー161,162側から搬送されたシートPrを搬送補助ローラー500で吸着させながら容易に第1搬送路171に搬送させることができる。なお、上記搬送補助ローラー500を、第2実施形態にかかる排出部350に適用してもよい。
(変形例2)第2実施形態のシート製造装置1aの排出部350は、第1排出部351と第2排出部352とを備えたが、この構成に限定されない。例えば、第1排出部351を省略した構成であってもよい。すなわち、繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成する堆積部と、ウエブを加圧加熱してシートを成形するシート成形部と、シートの搬送方向に交差する方向においてシートを切断する切断部と、切断部により切断されたシートの非加熱状態における撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出する排出部と、を有するシート製造装置であってもよい。図8は、本変形例にかかる排出部の構成を示す概略図である。図8に示すように、シート製造装置1bの排出部350aは、切断部130(図1参照)よりも搬送方向下流側に設けられシートPrを搬送するシート搬送部380を有し、シート搬送部380よりも搬送方向下流側には、シートPrの搬送先となる第3搬送路173及び第4搬送路174を有している。また、第2排出部352には、シートPrの撓み量を検出する検出部390と、検出部390により検出された撓み量に応じて、シートPrの排出先を切り替える第2切り替え部400と、を有している。また、第3搬送路173及び第4搬送路174よりも搬送方向下流側には、搬送されたシートPrを収納する収納部420を備えている。このように構成すれば、常温時(非加熱状態)におけるシートPrの選別を容易に行うことができる。なお、排出部350aの各構成は、第2実施形態にかかる第2排出部352の各構成と同様なので説明を省略する。
(変形例3)第1実施形態では、成形されたシートPrを撓み量Tに応じて2種類に分類(分別)したが、これに限定されない。例えば、成形されたシートPrを撓み量Tに応じて3種類以上に分類(分別)してもよい。このようにすれば、シートPrが、より細かく分別することができ、供給する電子機器に応じて幅広く対応することができる。なお、第2実施形態においても同様に適用してもよい。
(変形例4)第1実施形態では、切り替え部170を上下方向に移動可能に構成したが、この構成に限定されない。例えば、切り替え部170を水平方向に移動可能に構成してもよい。さらに、切り替え部170を上下方向及び水平方向に移動可能に構成してもよい。このようにすれば、シートPrの撓み状態に対応して、シートPrを第1搬送路171または第2搬送路172に排出することができる。なお、第2実施形態においても同様に適用してもよい。
(変形例5)第2実施形態では、第1排出部351の搬送方向下流側に第2排出部352を配置したが、この構成に限定されない。例えば、第2排出部352の搬送方向下流側に第1排出部351を配置してもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例6)第1及び第2実施形態では、シートPrを成形する加圧加熱部120と加熱部160,360とを別々に設けたが、この構成に限定されない。例えば、シートPrを成形する加圧加熱部120に加熱部160,360の機能を兼ねさせてもよい。なお、この場合、切断部130の搬送方向下流側に加圧加熱部120(加熱部160,360)を配置する。このようにすれば、シート製造装置の構成を簡略化することができる。
1,1a,1b…シート製造装置、2…制御部、10…供給部、20…粗砕部、30…解繊部、40…分級部、50…選別部、60…添加物投入部、70…堆積部、90…中間搬送部、110…加圧部、120…シート成形部としての加圧加熱部、130…切断部、150,150a…排出部、160…加熱部、161,162…加熱ローラー、170…切り替え部、170a…上面、171…第1搬送路、172…第2搬送路、173…第3搬送路、174…第4搬送路、180…検出部、190…収納部、191…第1収納部、192…第2収納部、350,350a…排出部、351…第1排出部、352…第2排出部、360…加熱部、361,362…加熱ローラー、370…第1切り替え部、370a…上面、380…シート搬送部、381,382…搬送ローラー、390…検出部、400…第2切り替え部、400a…上面、420…収納部、421…第1収納部、422…第2収納部、500…搬送補助ローラー。
Claims (6)
- 繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成する堆積部と、
前記ウエブを加圧加熱してシートを成形するシート成形部と、
前記シートの搬送方向に交差する方向において前記シートを切断する切断部と、
前記切断部により切断されたシートを加熱部により加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出する排出部と、を有することを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1に記載のシート製造装置において、
前記排出部は、前記加熱部よりも前記搬送方向下流側に位置する第1搬送路と第2搬送路とを有し、
前記第2搬送路は、前記加熱部および前記第1搬送路よりも鉛直方向下方に位置することを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1に記載のシート製造装置において、
前記排出部は、
前記加熱部により加熱された前記シートの撓み量を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記撓み量に応じて、前記シートの排出先を切り替える切り替え部と、を有することを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシート製造装置において、
前記加熱部により加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択した後、さらに加熱せずに排出先を選択することを特徴とするシート製造装置。 - 繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成する堆積部と、
前記ウエブを加圧加熱してシートを成形するシート成形部と、
前記シートの搬送方向に交差する方向において前記シートを切断する切断部と、
前記切断部により切断された前記シートを加熱する加熱部と、
前記加熱部よりも搬送方向下流側に位置し、前記加熱部により搬送される前記シートの搬送路を第1搬送路または第2搬送路の何れかに切り替えるための板状の切り替え部と、を有し、
前記加熱部により加熱された前記シートの撓み量が比較的小さい場合に、当該シートの先端部が前記切り替え部の上方に位置し、前記加熱部により加熱された前記シートの撓み量が比較的大きい場合に、当該シートの先端部が前記切り替え部の下方に位置するよう、前記切り替え部は配置され、
前記第1搬送路は前記切り替え部の上方に形成され、前記第2搬送路は前記切り替え部の下方に形成されていることを特徴とするシート製造装置。 - 繊維と熱可塑性樹脂とを含む材料を堆積してウエブを形成し、
前記ウエブを加圧加熱してシートを成形し、
前記シートの搬送方向に交差する方向において前記シートを切断し、
切断されたシートを加熱したときの撓み量に応じて排出先を選択し、当該シートを排出することを特徴とするシート製造方法。
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