JP2015121001A - シート製造装置、シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートの色ムラを低減する。【解決手段】少なくとも繊維を含む材料を堆積してウエブを成形する成形部と、前記ウエブまたは投入される原料の表面の色情報を検出する検出部と、前記ウエブの表面に着色剤を塗布する塗布部と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、シート製造装置及びシートの製造方法に関する。
従来、紙を粉砕して解繊する乾式解繊部と、乾式解繊部で解繊された解繊物を搬送する第1搬送部と、第1搬送部で搬送された解繊物を気流分級して脱墨する分級部と、分級部で脱墨された解繊物を搬送する第2搬送部と、第2搬送部で搬送された解繊物で紙を成形する紙成形部と、を有する紙再生装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記紙再生装置では、解繊物を気流で脱墨する分級部を備えているものの、完全にトナー等を排除することができず、トナー等が繊維に混じってしまうと、シートの表面に色ムラが発生してしまう、という課題があった。なお、分級部おいて、例えば、気流の速度を速めて脱墨効率を高めることも可能であるが、その場合、繊維も合わせて除去されてしまうため、シートを製造するための繊維量が減ってしまう。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるシート製造装置は、少なくとも繊維を含む材料を堆積してウエブを成形する成形部と、前記ウエブまたは投入される原料の表面の色情報を検出する検出部と、前記ウエブの表面に着色剤を塗布する塗布部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、ウエブや投入される原料の色情報が検出される。そして、検出された色情報から、例えば、ウエブに白くない部分があれば、その白くない部分に着色剤(白色剤)を塗布する。これにより、白くない部分が白色となるので、シートの表面の色ムラを抑制することができる。また、ユーザーが目にする場所は主にシートの表面なので、シートの表面の色情報を検出することで、シートの表面以外の部分の検出が不要となり、検出工数を低減することができる。また、シートの表面のみに着色することで色ムラが低減されるので、着色剤の使用量を減らすことができる。
[適用例2]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記ウエブを加熱せずに加圧する加圧部を有し、前記検出部及び前記塗布部は前記加圧部よりも前記搬送方向の下流側にあることを特徴とする。
この構成によれば、ウエブが加圧された後に、ウエブの表面の色情報が検出され、着色剤が塗布される。すなわち、繊維状ではなくシート状で検出するため、検出精度を高めることができる。さらに、着色剤を塗布する前にウエブが加圧されるので、ウエブの表面が滑らかになり、着色剤を塗布しやすくなる。
[適用例3]上記適用例にかかるシート製造装置は、前記ウエブを加熱する加熱部を有し、前記検出部及び前記塗布部は前記加熱部よりも前記ウエブが搬送される搬送方向の上流側にあることを特徴とする。
この構成によれば、着色剤が塗布されたウエブを加熱することにより、着色剤とウエブを効率よく馴染ませることができる。
[適用例4]上記適用例にかかるシート製造装置の前記塗布部は、前記ウエブが搬送される搬送方向と交差する幅方向において前記ウエブの前記幅方向全体に塗布可能であるとともに、前記幅方向の一部に塗布可能であることを特徴とする。
この構成によれば、ウエブの全体に対して着色剤を塗布可能であるため、ウエブの表面の色彩を均一化することができる。また、ウエブの一部に対しても着色剤を塗布可能であるため、シートの表面において部分的に色ムラがあっても、当該部分に着色剤を塗布することで色ムラを目立たなくすることができ、さらに、着色剤の使用量も低減することができる。
[適用例5]本適用例にかかるシート製造装置は、投入される原料の表面の色情報を検出する検出部と、前記原料を解繊する解繊部と、前記解繊部で解繊処理された材料を堆積してウエブを成形する成形部と、前記ウエブの表面に着色剤を塗布する塗布部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、投入される原料の色情報が検出される。そして、例えば、検出された色情報から、投入される原料の印字デューティーが比較的高い場合には、ウエブの状態で着色剤(白色剤)を塗布することにより、シートの表面の色ムラを抑制することができる。また、ユーザーが目にする場所は主にシートの表面なので、シートの表面の色情報を検出することで、シートの表面以外の無駄な部分の検出が不要となり、検出工数を低減することができる。また、シートの表面のみに着色することで色ムラが低減されるので、着色剤の使用量を減らすことができる。
[適用例6]本適用例にかかるシートの製造方法は、少なくとも繊維を含む材料を堆積してウエブを成形し、前記ウエブまたは投入される原料の表面の色情報を検出し、前記ウエブの表面に着色剤を塗布することを特徴とする。
この構成によれば、ウエブや投入される原料の色情報が検出される。そして、検出された色情報から、例えば、ウエブに白くない部分があれば、その白くない部分に着色剤(白色剤)を塗布する。これにより、白くない部分が白色となるので、シートの表面の色ムラを抑制することができる。また、ユーザーが目にする場所は主にシートの表面なので、シートの表面の色情報を検出することで、シートの表面以外の部分の検出が不要となり、検出工数を低減することができる。また、シートの表面のみに着色することで色ムラが低減されるので、着色剤の使用量を減らすことができる。
[適用例7]本適用例にかかるシートの製造方法は、投入される原料の表面の色情報を検出し、前記原料を解繊し、解繊処理された材料を堆積してウエブを成形し、前記ウエブの表面に着色剤を塗布すること特徴とする。
この構成によれば、投入される原料の色情報が検出される。そして、例えば、検出された色情報から、投入される原料の印字デューティーが比較的高い場合には、ウエブの状態で着色剤(白色剤)を塗布することにより、シートの表面の色ムラを抑制することができる。また、ユーザーが目にする場所は主にシートの表面なので、シートの表面の色情報を検出することで、シートの表面以外の無駄な部分の検出が不要となり、検出工数を低減することができる。また、シートの表面のみに着色することで色ムラが低減されるので、着色剤の使用量を減らすことができる。
以下、本発明の第1及び第2実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかるシート製造装置の構成及びシートの製造方法について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに成形する技術に基づくものである。シート製造装置は、少なくとも繊維を含む材料を堆積してウエブを成形する成形部と、ウエブまたは投入される原料の表面の色情報を検出する検出部と、ウエブの表面に着色剤を塗布する塗布部と、を備えている。また、シートの製造方法は、少なくとも繊維を含む材料を堆積してウエブを成形し、ウエブまたは投入される原料の表面の色情報を検出し、ウエブの表面に着色剤を塗布するものである。以下、具体的に説明する。
まず、第1実施形態にかかるシート製造装置の構成及びシートの製造方法について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに成形する技術に基づくものである。シート製造装置は、少なくとも繊維を含む材料を堆積してウエブを成形する成形部と、ウエブまたは投入される原料の表面の色情報を検出する検出部と、ウエブの表面に着色剤を塗布する塗布部と、を備えている。また、シートの製造方法は、少なくとも繊維を含む材料を堆積してウエブを成形し、ウエブまたは投入される原料の表面の色情報を検出し、ウエブの表面に着色剤を塗布するものである。以下、具体的に説明する。
図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。また、図2は、シートの製造方法を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態のシート製造装置1は、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加物投入部60と、成形部70と、搬送部100と、切断部110と、加圧部140と、加熱部150と、さらに検出部300及び塗布部350等を備えている。そして、これらの部材を制御する制御部2を備えている。
供給部10は、粗砕部20に古紙Puを供給するものである。供給部10は、例えば、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部20に連続して投入可能な自動送り機構12等を備えている。シート製造装置1に供給する古紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。
粗砕部20は、供給された古紙Pu(原料)を数センチメートル角の紙片に裁断するものである。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することができる。そして、分断された粗砕紙は、配管201を介して解繊部30に供給される。
解繊部30は、回転する回転刃(図示せず)を備え、粗砕部20から供給された粗砕紙を繊維状に解きほぐす解繊を行うものである。なお、本実施形態の解繊部30は、空気中で乾式で解繊を行うものである。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒(以下、「インク粒」という)となって繊維と分離する。従って、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊により得られる繊維とインク粒である。そして、回転刃の回転によって気流が発生する機構となっており、配管202を介して解繊された繊維はこの気流に乗って分級部40に搬送される。なお、風発生機構を備えていない乾式の解繊部30を用いる場合には、粗砕部20から解繊部30に向けて気流を発生させる気流発生装置を別途設けるようにすればよい。
分級部40は、導入された導入物を気流により分級するものである。本実施形態では、導入物としての解繊物をインク粒と繊維とに分級する。分級部40は、例えば、サイクロンを適用することにより、搬送された繊維をインク粒と脱墨繊維(脱墨解繊物)とに気流分級することができる。なお、サイクロンに替えて他の種類の気流式分級器を利用してもよい。この場合、サイクロン以外の気流式分級器としては、例えば、エルボージェットやエディクラシファイヤー等が用いられる。気流式分級器は旋回気流を発生させ、解繊物のサイズと密度により受ける遠心力の差によって分離、分級するもので、気流の速度、遠心力の調整により、分級点を調整することができる。これにより比較的小さく密度の低いインク粒と、インク粒より大きく密度の高い繊維とに分けられる。繊維からインク粒を除去することを脱墨と言う。
本実施形態の分級部40は、解繊部30から導入される導入口40aと、導入口40aが接線方向についた筒部41と、筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下部に設けられる下部取出口40bと、筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のための上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方に向かって径が小さくなる。
分級処理において、分級部40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流は、筒部41、円錐部42で円周運動に変わり、遠心力がかかり分級される。そして、インク粒より大きく密度の高い繊維は絡み合い大きくなり、円錐部42へと移動する。また、分離されたインク粒は空気とともに微粉として上部排気口40cへ導出され、脱墨が進行する。そして、分級部40の上部排気口40cからインク粒が多量に含まれた短繊維混合物が排出される。そして、排出されたインク粒が多量に含まれる短繊維混合物は、分級部40の上部排気口40cに接続された配管206を介して受け部80に回収される。一方、分級部40の下部取出口40bから配管203を介して分級された繊維を含む分級物が選別部50に向けて搬送される。なお、分級部40の上部排気口40cや配管206等に、上部排気口40cから短繊維混合物を効率よく吸引するための吸引部等を配置してもよい。
選別部50は、分級部40により分級された繊維を含む分級物を複数の開口から通過させて選別するものである。具体的には、分級部40により分級された繊維を含む分級物を、開口を通過する通過物と、開口を通過しない残留物と、に選別するものである。本実施形態の選別部50では、分級物を回転運動により空気中で分散させるドラム部51を備えている。そして、選別部50の選別により開口を通過した通過物は、ホッパー部56で受けてから配管204を介して成形部70に搬送される。一方、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、配管205を介して再び被解繊物として解繊部30に戻される。これにより、残留物は廃棄されずに再使用(再利用)される。
選別部50の選別により開口を通過した通過物は配管204を介して成形部70に搬送される。配管204における選別部50と成形部70との間には、搬送される通過物に対して樹脂(例えば、融着樹脂あるいは熱硬化性樹脂)等の添加物を添加する添加物投入部60が設けられている。なお、添加物としては、融着樹脂の他、例えば、難燃剤、白色度向上剤、シート力増強剤やサイズ剤等を投入することも可能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、図示しない投入機構によって投入口62から投入される。
成形部70は、配管204から投入された繊維を含む通過物と樹脂とを含む材料を堆積してウエブを成形するものである。成形部70は、繊維を空気中に均一に分散させる機構と、分散された繊維をメッシュベルト73上に堆積する機構を有している。
まず、繊維を空気中に均一に分散させる機構として、成形部70には、繊維及び樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させることにより通過物(繊維)中に樹脂(添加剤)を均一に混ぜることができる。フォーミングドラム71には複数の小孔を有するスクリーンが設けられている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させて、通過物(繊維)中に樹脂(添加剤)を均一に混ぜるとともに、小孔を通過した繊維や繊維と樹脂の混合物を空気中に均一に分散させることができる。
フォーミングドラム71の下方には、張架ローラー72によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルト73が配されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト73が一方向に移動するようになっている。
また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サクション装置75によって、空気中に分散された繊維と樹脂の混合物をメッシュベルト73上に吸引することができる。
そして、フォーミングドラム71の小孔スクリーンを通過した繊維と樹脂の混合物は、サクション装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッシュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と樹脂を含み長尺状に堆積させたウエブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73の移動を連続的に行うことで、帯状の連続したウエブWが成形される。なお、メッシュベルト73は金属製でも、樹脂製でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものでもあってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの穴径が大きすぎるとメッシュの間に繊維が入り込み、ウエブ(シート)を成形したときの凸凹になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクション装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。なお、本実施形態にかかるウエブWとは、繊維と樹脂(添加物)とを含む物体(材料)の構成形態を言う。従って、ウエブWの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であってもウエブWとして示している。
メッシュベルト73上に成形されたウエブWは、搬送部100によって搬送される。本実施形態の搬送部100は、メッシュベルト73から最終的にシートPr(ウエブW)としてスタッカー160に投入されるまでの間のウエブWの搬送過程を示している。従って、メッシュベルト73の他、各種ローラー等は搬送部100の一部として機能する。搬送部としては、搬送ベルトや搬送ローラーなどの少なくとも一つがあればよい。具体的には、まず、搬送部100の一部であるメッシュベルト73上に成形されたウエブWは、メッシュベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の矢印)に従って搬送される。
ウエブWの搬送方向における成形部70の下流側に加圧部140が配置されている。なお、本実施形態の加圧部140は、ウエブWを加熱せずに加圧するものである。従って、加圧部140では、ヒーター等の加熱手段を有していない。加圧部140は、加圧ローラー141を有している。当該加圧ローラー141は、ウエブWの搬送方向における成形部70の下流側であって、メッシュベルト73におけるウエブWの搬送面に対向した位置に配置されている。そして、加圧ローラー141とメッシュベルト73との間にウエブWを挟み込んで加圧するように構成されている。そして、ウエブWを加圧することにより、ウエブWの密度を高め、強度を向上させることができる。
ウエブWの搬送方向における加圧部140よりも下流側には、検出部300及び塗布部350が配置されている。本実施形態では、ウエブWの搬送方向における加圧部140の下流側に検出部300が配置されている。検出部300は、ウエブWの表面の色情報を検出するものである。色情報は、例えば、どの程度の白色かを示す白色度や、白色ではない状態を示す情報等である。また、白色に限らず色ムラに関する情報を含むものである。検出部300としては、例えば、ラインセンサーが用いられる。この場合、ウエブWの搬送方向に対して交差する方向にラインセンサーの撮像素子がライン状に配列される。そして、ウエブWの搬送方向に対して交差するウエブWの幅方向の全体領域が検出(画像取得)可能に構成されている。検出部300は、制御部2に接続されており、制御部2による駆動信号に基づいて画像取得が可能に構成されている。なお、検出部300は、ラインセンサーの他、エリアセンサー等各種センサーを用いることができる。また、例えば、検出部300が、ウエブWを介してメッシュベルト73や他の搬送ベルトと対向する位置に配置される場合には、メッシュベルト73や他の搬送ベルトの表面の色をウエブWの色よりも黒くする。このようにすれば、メッシュベルト73や他の搬送ベルトの色とウエブWとの色調差が大きくなるため、誤検出を防止することができる。
ウエブWの搬送方向における検出部300の下流側には塗布部350が配置されている。塗布部350は、ウエブWの表面に着色剤を塗布するものである。塗布部350は、例えば、レーザープリンターである。本実施形態の塗布部350は、ウエブWが搬送される搬送方向と交差する幅方向においてウエブWの幅方向全体に塗布可能であるとともに、幅方向の一部に塗布可能に構成にされている。塗布部350は、着色剤としての各種トナー(シアン、マゼンタ、イエロー、黒、白)を備えている。塗布部350は、制御部2に接続されており、制御部2による駆動信号に基づいてカラー塗布が可能に構成されている。
ここで、シート製造装置1の動作方法について説明する。詳細には、検出部300及び塗布部350等の動作方法について説明する。まず、加圧部140によって加圧されたウエブWの表面の色情報を検出する。具体的には、制御部2の駆動信号に基づいて、ウエブWの検出部(ラインセンサー)300によってウエブWの表面を撮像する。これにより、例えば、図2(a)に示すように、ウエブWの所定領域(長さ寸法L×幅寸法B)の画像データIg1が取得される。なお、図2(a)では、事例として、画像データIg1において、画像データIg1上におけるウエブW’の表面の一部分に白くない部分J1を有していることを示している。画像データIg1中の白くない部分J1は、分級部40において完全に脱墨できず、繊維中にインク粒等が混ざってしまうために発生するものである。そして、このような白くない部分J1は、シートPrの色ムラの原因となる。
検出部300によって取得された画像データIg1は制御部2に送信される。そして、制御部2において画像処理が行われる。例えば、入力された画像データIg1の色調を算出するとともに、許容範囲外の色調部分がある場合には、その部分、すなわち、本実施形態では白くない部分J1の位置等を算出した補正データを作成する。
そして、作成された補正データに基づいて、塗布部350を駆動させる。例えば、所望のウエブWの色調に合わせウエブWの表面に各色の着色剤(トナー)を塗布する。本実施形態では、図2(b)に示すように、白くない部分J1に対応する部分K1に白色のトナーを塗布する。これにより、白くない部分J1に白色のトナーが塗布されるため、ウエブWの色ムラが低減される。塗布部350によってトナーを塗布されたウエブWはウエブ搬送方向に従って搬送される。
ウエブWの搬送方向における検出部300及び塗布部350の下流側に加熱部150が配置されている。加熱部150はウエブWを加熱するものである。本実施形態の加熱部150では加圧しながら加熱するものである。加熱部150は一対の加熱加圧ローラー151を有している。加熱加圧ローラー151の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられており、当該一対の加熱加圧ローラー151間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWが加熱加圧される。これにより、塗布部350によって着色剤(トナー)が塗布されたウエブWを加熱することにより、着色剤とウエブWを効率よく馴染ませることができる。すなわち、ウエブWに塗布したトナーを定着させることができる。さらに、樹脂が溶けて繊維と絡みやすくなるとともに繊維間隔が短くなり繊維間の接触点が増加する。ウエブWに含まれる繊維同士を樹脂を介して結着(定着)させることができるとともに、繊維の密度が高まってウエブWとしての強度を向上させることができる。
ウエブWの搬送方向における加熱部150の下流側には切断部前ローラー120が配置されている。切断部前ローラー120は、一対のローラー121で構成されている。一対のローラー121のうち、一方が駆動制御ローラーであり、他方が従動ローラーである。
また、切断部前ローラー120を回転させる駆動伝達部にはワンウエイクラッチが用いられている。ワンウエイクラッチは、一方の方向のみに回転力を伝達するクラッチ機構を有し、逆方向に対して空転するように構成されている。これにより、切断部後ローラー125と切断部前ローラー120との速度差でウエブWに過度のテンションがかけられた際、切断部前ローラー120側で空転するため、ウエブWへのテンションが抑制され、ウエブWが引きちぎられることを防止できる。
ウエブWの搬送方向における切断部前ローラー120の下流側には、搬送されるウエブWの搬送方向と交差する方向にウエブWを切断する切断部110が配置されている。切断部110は、カッターを備え、連続状のウエブWを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状(シート状)に切断する。切断部110は、例えば、ロータリーカッターを適用することができる。これによれば、ウエブWを搬送させながら切断が可能となる。従って、切断時にウエブWの搬送を停止させないので、製造効率を向上させることができる。なお、切断部110は、ロータリーカッターの他、各種カッターを適用してもよい。
切断部110よりウエブWの搬送方向の下流側には、切断部後ローラー125が配置されている。切断部後ローラー125は、一対のローラー126で構成されている。一対のローラー126のうち、一方が駆動制御ローラーであり、他方が従動ローラーである。
本実施形態では、切断部前ローラー120と切断部後ローラー125との速度差によってウエブWにテンションをかけることができる。そして、ウエブWにテンションをかけた状態で切断部110を駆動してウエブWを切断するように構成されている。
切断部後ローラー125よりもウエブWの搬送方向の下流側に搬送ローラー155が配置されている。搬送ローラー155は、一対のローラー156で構成されている。一対のローラー156のうち、一方が駆動制御ローラーであり、他方が従動ローラーである。
搬送ローラー155よりもウエブWの搬送方向の下流側に、ウエブWの搬送方向に沿ってウエブWを切断する後切断部130が配置されている。後切断部130は、カッターを備え、ウエブWの搬送方向における所定の切断位置に従って切断する。これにより、所望するサイズのシートPr(ウエブW)が成形される。そして、切断されたシートPr(ウエブW)はスタッカー160等に積載される。
なお、上記実施形態にかかるシートとは、古紙や純パルプなどの繊維を含むものを原料とし、シート状にしたものを主に言う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(や凸凹を有する形状で)あってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、薄いシート状にした態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
また、上記本実施形態において古紙とは、主に印刷された紙を指すが、紙として成形されたものを原料とするのであれば使用したか否かに関わらず古紙とみなす。
以上、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
検出部300により搬送されるウエブWの表面が撮像され、画像データIg1が取得される。取得された画像データIg1から白くない部分J1があった場合、塗布部350によって白くない部分J1に白色のトナーが塗布される。これにより、白くない部分J1が白色に補正されるため、シートPrの表面の色ムラを抑制することができる。また、ユーザーが目にする場所は主にシートPrの表面なので、ウエブWの表面の色情報を検出することで、ウエブW(シートPr)の表面以外の部分の検出が不要となり、検出工数を低減することができる。また、ウエブWの表面のみにトナーを塗布することで色ムラが低減されるので、ウエブWの堆積前の繊維全体にトナー(着色剤)を混ぜる場合に比べ、トナーの使用量を減らすことができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかるシート製造装置の構成及びシートの製造方法について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに成形する技術に基づくものである。シート製造装置は、投入される原料の表面の色情報を検出する検出部と、原料を解繊する解繊部と、解繊部で解繊処理された材料を堆積してウエブを成形する成形部と、ウエブの表面に着色剤を塗布する塗布部と、を備えている。また、シートの製造方法は、投入される原料の表面の色情報を検出し、原料を解繊し、解繊処理された材料を堆積してウエブを成形し、ウエブの表面に着色剤を塗布するものである。以下、具体的に説明する。
次に、第2実施形態にかかるシート製造装置の構成及びシートの製造方法について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに成形する技術に基づくものである。シート製造装置は、投入される原料の表面の色情報を検出する検出部と、原料を解繊する解繊部と、解繊部で解繊処理された材料を堆積してウエブを成形する成形部と、ウエブの表面に着色剤を塗布する塗布部と、を備えている。また、シートの製造方法は、投入される原料の表面の色情報を検出し、原料を解繊し、解繊処理された材料を堆積してウエブを成形し、ウエブの表面に着色剤を塗布するものである。以下、具体的に説明する。
図3は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。図3に示すように、本実施形態のシート製造装置1aは、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加物投入部60と、成形部70と、搬送部100と、切断部110と、加圧部140と、加熱部150と、さらに検出部300及び塗布部350等を備えている。そして、これらの部材を制御する制御部2を備えている。
なお、本実施形態では、検出部300及び塗布部350の配置位置が第1実施形態における配置位置と異なっている。それ以外の構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
検出部300は、投入される原料の表面の色情報を検出するものである。本実施形態の検出部300は、投入される原料としての古紙Puを供給する供給部10に搭載されている。そして、供給部10に載置された古紙Puの表面の色情報を検出する。なお、検出部300の構成は第1実施形態における構成と同様なので説明を省略する。そして、検出部300によって検出された古紙Puは粗砕部20に搬送される。
また、塗布部350は、ウエブWの搬送方向における加圧部140の下流側に配置されている。塗布部350は、ウエブWの表面に着色剤を塗布するものである。なお、塗布部350の構成は第1実施形態における構成と同様なので説明を省略する。
ここで、シート製造装置1aの動作方法について説明する。詳細には、検出部300及び塗布部350等の動作方法について説明する。まず、供給部10に載置された古紙Puの表面の色情報を検出する。具体的には、制御部2の駆動信号に基づいて、ウエブWの検出部(ラインセンサー)300によって古紙Puの表面を撮像する。これにより、古紙Puの表面の画像データが取得される。そして、検出部300によって取得された画像データは制御部2に送信される。そして、制御部2において画像処理が行われる。例えば、入力された画像データの色調(印字デューティー)を算出する。そして、許容範囲外の色調(印字デューティー)である場合には、所望の色調に対応した補正データを生成する。
そして、生成された補正データに基づいて、塗布部350を駆動させ、ウエブWの表面に各色の着色剤(トナー)を塗布する。例えば、印字デューティーが比較的高い場合には、ウエブWに白色のトナーを塗布する。塗布部350によってトナーを塗布されたウエブWはウエブ搬送方向に従って搬送される。
以上、上記実施形態によれば、第1実施形態にかかる効果に加え、以下の効果を得ることができる。
検出部300により投入される古紙Puの表面が撮像され、画像データが取得される。そして、取得された画像データから投入される原料の印字デューティーが検出され、補正データが生成される。そして、補正データに基づいて、ウエブWの表面に所望の色のトナーが塗布される。これにより、シートPuの表面の色ムラを抑制することができるとともに、シートPu間における色合いのばらつきが低減される。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)第1実施形態では、ウエブWの一部分K1にトナーを塗布したが、これに限定されない。例えば、ウエブWの表面全体に白色のトナーを塗布する構成であってもよい。また、塗布するトナーの色は白色に限らず、所望の色のトナーを塗布してもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例2)第1及び第2実施形態では、塗布部350としてレーザープリンターを例に説明したが、これに限定されない。例えば、塗布部350としてインクジェット式プリンターを用いてもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。また、塗布部350としてインクジェット式プリンターを用いた場合には、インクジェット式プリンターの配置位置は、加熱部150よりウエブWの搬送方向の下流側であってもよい。ウエブW上に塗布されたインクを加熱乾燥する必要が無いからである。このようにすれば、塗布部350のレイアウトの自由度を高めることができる。
1,1a…シート製造装置、2…制御部、10…供給部、20…粗砕部、30…解繊部、40…分級部、50…選別部、60…添加物投入部、70…成形部、73…メッシュベルト、80…受け部、100…搬送部、110…切断部、120…切断部前ローラー、125…切断部後ローラー、130…後切断部、140…加圧部、150…加熱部、160…スタッカー、300…検出部、350…塗布部
Claims (7)
- 少なくとも繊維を含む材料を堆積してウエブを成形する成形部と、
前記ウエブまたは投入される原料の表面の色情報を検出する検出部と、
前記ウエブの表面に着色剤を塗布する塗布部と、を備えることを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1に記載のシート製造装置において、
前記ウエブを加熱せずに加圧する加圧部を有し、
前記検出部及び前記塗布部は前記加圧部よりも前記搬送方向の下流側にあることを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1または請求項2に記載のシート製造装置において、
前記ウエブを加熱する加熱部を有し、
前記検出部及び前記塗布部は前記加熱部よりも前記ウエブが搬送される搬送方向の上流側にあることを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載のシート製造装置において、
前記塗布部は、前記ウエブが搬送される搬送方向と交差する幅方向において前記ウエブの前記幅方向全体に塗布可能であるとともに、前記幅方向の一部に塗布可能であることを特徴とするシート製造装置。 - 投入される原料の表面の色情報を検出する検出部と、
前記原料を解繊する解繊部と、
前記解繊部で解繊処理された材料を堆積してウエブを成形する成形部と、
前記ウエブの表面に着色剤を塗布する塗布部と、を備えることを特徴とするシート製造装置。 - 少なくとも繊維を含む材料を堆積してウエブを成形し、
前記ウエブまたは投入される原料の表面の色情報を検出し、
前記ウエブの表面に着色剤を塗布することを特徴とするシートの製造方法。 - 投入される原料の表面の色情報を検出し、
前記原料を解繊し、
解繊処理された材料を堆積してウエブを成形し、
前記ウエブの表面に着色剤を塗布すること特徴とするシートの製造方法。
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2013
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