JP2016113735A - シート製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート製造装置の小型化を図る。【解決手段】供給部10から供給される繊維を含む材料Puを解繊する解繊部30と、解繊部30で解繊された材料を堆積可能な堆積部70と、堆積部70で堆積した堆積物Wを加熱加圧して成形物Wを成形する加熱加圧部120と、堆積物Wまたは成形物Wの両側端部をその搬送方向に切断する第1切断部130と、第1切断部130により切断された堆積物Wの端材Ws又は成形物Wの端材Wsを、搬送方向と交差する方向に切断する第2切断部140と、第2切断部140により切断された端材Wsを、解繊部30に戻す返戻部190と、を有し、第2切断部140は、堆積物W又は成形物Wの第1側端部側の端材Wsを切断するための第1切断刃と、堆積物W又は成形物Wの第2側端部側の端材Wsを切断するための第2切断刃と、第1切断刃及び第2切断刃を駆動するためのモーターと、を備えるシート製造装置1。【選択図】図1
Description
本発明は、シート製造装置に関する。
従来、搬送される帯状シートの両端部近傍を帯状シートの長さ方向に切断する一対のトリミングカッターと、当該トリミングカッターにより帯状シートから分離された耳部を耳部の幅方向に切断する耳部切断刃等を備えたトリミング処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、繊維マットの側端部のみを繊維マットの幅方向に切断する一部横切りカッターと、繊維マットの長手方向に沿って繊維マットの側端部を切断する端部カッター等を備えた繊維マットの巻取装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記装置では、搬送されるシートの両側端部を切断する切断部と、切断された側端部を搬送方向と交差する方向に切断する切断部とを備える場合、装置構成が大型化してしまう、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるシート製造装置は、供給部から供給される繊維を含む材料を解繊する解繊部と、前記解繊部で解繊された材料を堆積可能な堆積部と、前記堆積部で堆積した堆積物を加熱加圧して成形物を成形する加熱加圧部と、前記堆積物または前記成形物の両側端部をその搬送方向に切断する第1切断部と、前記第1切断部により切断された前記堆積物の端材または前記成形物の端材を、搬送方向と交差する方向に切断する第2切断部と、前記第2切断部により切断された前記端材を、前記解繊部に戻す返戻部と、を有し、前記第2切断部は、前記堆積物または前記成形物の第1側端部側の端材を切断するための第1切断刃と、前記堆積物または前記成形物の第2側端部側の端材を切断するための第2切断刃と、前記第1及び第2切断刃を駆動するためのモーターと、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、第2切断部の第1切断刃及び第2切断刃は一つのモーターによって駆動されるように構成される。これにより、第1切断刃及び第2切断刃を駆動させるために、別々のモーターを配置する必要が無くなり装置構成を小型化することができる。また、第2切断部により切断された端材は解繊部に戻されるため、材料の使用効率を高めることができる。
[適用例2]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記第1切断部により切断された前記堆積物の端材または前記成形物の端材を、前記第2切断部に向けて搬送する搬送部を備え、前記搬送部は前記モーターにより駆動されることを特徴とする。
この構成によれば、搬送部により端材を確実に第2切断部に搬入させることができる。また、第1及び第2切断刃に加え、さらに搬送部も共通した一つのモーターで駆動することにより、装置構成を小型化することができる。
[適用例3]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記モーターにより駆動される前記第1切断刃と前記第2切断刃は、位相差をもって動作することを特徴とする。
この構成によれば、第1切断刃と第2切断刃との動作がずれるため、第1切断刃による端材の切断時にかかるモーター負荷のタイミングと第2切断刃による端材の切断時にかかるモーター負荷のタイミングとがずれる。これにより、モーターにかかる負荷が分散され、端材を確実に切断することができる。
[適用例4]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記第1切断部の下流側には、前記第1切断部により切断された前記堆積物または前記成形物を、前記搬送方向に直交する方向に切断する第3切断部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、端材が除去された堆積物または成形物を切断するので、搬送の不具合等無く堆積物または成形物を切断することができる。
[適用例5]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記第2切断部は、前記第1及び第2切断刃を連結する駆動軸と、前記駆動軸と前記モーターの回転軸とを連結する歯車列と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2切断刃の駆動軸とモーターの回転軸とが歯車列で連結される。これにより、歯車列の減速比を変えることで、端材の切断長を容易に変更することができる。
[適用例6]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記第1及び第2切断刃は、それぞれ、回転刃と固定刃とを有し、前記第1切断刃の回転刃と、前記第2切断刃の回転刃とは、前記駆動軸の回転方向に対する取り付け位置が互いに異なることを特徴とする。
この構成によれば、容易に第1切断刃と第2切断刃とに位相差を持たせることができ、モーターにかかる負荷を分散させることができる。
[適用例7]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記第2切断部は、前記第1及び第2切断刃を連結する第1駆動軸と、前記第1駆動軸と前記モーターの回転軸とを連結する第1歯車列と、を備え、前記搬送部は、前記堆積物または前記成形物の第1側端部側の端材を搬送するための第1駆動ローラーと、前記堆積物または前記成形物の第2側端部側の端材を搬送するための第2駆動ローラーと、前記第1及び第2駆動ローラーを連結する第2駆動軸と、前記第2駆動軸と前記モーターの回転軸とを連結する第2歯車列と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2切断刃の第1駆動軸とモーターの回転軸とが第1歯車列で連結される。また、第1及び第2駆動ローラーの第2駆動軸とモーターの回転軸とが第2歯車列で連結される。これにより、第1歯車列または第2歯車列の減速比を変えることで、端材の切断長を容易に変更することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
まず、シート製造装置の構成について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに形成する技術に基づくものである。本実施形態にかかるシート製造装置は、供給部から供給される繊維を含む材料を解繊する解繊部と、解繊部で解繊された材料を堆積可能な堆積部と、堆積部で堆積した堆積物を加熱加圧して成形物を成形する加熱加圧部と、堆積物または成形物の両側端部をその搬送方向に切断する第1切断部と、第1切断部により切断された堆積物の端材または成形物の端材を、搬送方向と交差する方向に切断する第2切断部と、第2切断部により切断された端材を、解繊部に戻す返戻部と、を有し、第2切断部は、堆積物または成形物の第1側端部側の端材を切断するための第1切断刃と、堆積物または成形物の第2側端部側の端材を切断するための第2切断刃と、第1及び第2切断刃を駆動するためのモーターと、を備えた装置である。以下、具体的にシート製造装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図であり、図2は、シート製造装置の一部構成を示す概略図(平面図)である。図1及び図2に示すように、本実施形態のシート製造装置1は、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加物投入部60と、堆積部70と、加熱加圧部120と、第1切断部130と、第2切断部140と、第3切断部150と、返戻部190等を備えている。また、これらの部材を制御する制御部(図示せず)を備えている。
供給部10は、粗砕部20に原料としての古紙Pu等を供給するものである。供給部10は、例えば、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部20に連続して投入可能な自動送り機構12等を備えている。シート製造装置1に供給する古紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。
粗砕部20は、供給された古紙Puを数センチメートル角の紙片に裁断するものである。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することができる。そして、分断された粗砕紙は、配管201を介して解繊部30に供給される。
解繊部30は、繊維を含む材料を空気中で解繊するものである。具体的には、解繊部30は、回転する回転刃(図示せず)を備え、粗砕部20から供給された粗砕紙を繊維状に解きほぐす解繊を行うものである。本願においては、解繊部30で解繊されるものを被解繊物と言い、解繊部30を通過したものを解繊物と言う。なお、本実施形態の解繊部30は、空気中で乾式で解繊を行うものである。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒(以下、「インク粒」という)となって繊維と分離する。したがって、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊により得られる繊維とインク粒である。そして、回転刃の回転によって気流が発生する機構となっており、配管202を介して解繊された繊維はこの気流に乗って空気中で分級部40に搬送される。なお、必要に応じて解繊部30に配管202を介して解繊された繊維を分級部40に搬送させるための気流を発生させる気流発生装置を別途設けてもよい。
分級部40は、導入された導入物を気流により分級するものである。本実施形態では、導入物としての解繊物をインク粒と繊維とに分級する。分級部40は、例えば、サイクロンを適用することにより、搬送された解繊物をインク粒と繊維とに気流分級することができる。なお、サイクロンに替えて他の種類の気流式分級器を利用してもよい。この場合、サイクロン以外の気流式分級器としては、例えば、エルボージェットやエディクラシファイヤー等が用いられる。気流式分級器は旋回気流を発生させ、解繊物のサイズと密度により受ける遠心力の差によって分離、分級するもので、気流の速度、遠心力の調整により、分級点を調整することができる。これにより、比較的小さく密度の低いインク粒と、インク粒より大きく密度の高い繊維とに分けられる。
本実施形態の分級部40は接線入力方式のサイクロンであり、解繊部30から導入物が導入される導入口40aと、導入口40aが接線方向についた筒部41と、筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下部に設けられる下部取出口40bと、筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のための上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方にむかって径が小さくなる。
分級処理において、分級部40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流は、筒部41、円錐部42で円周運動に変わり、遠心力がかかり分級される。そして、インク粒より大きく密度の高い繊維は下部取出口40bへ移動し、比較的小さく密度の低いインク粒は空気とともに微粉として上部排気口40cへ導出される。そして、分級部40の上部排気口40cからインク粒が排出される。そして、排出されたインク粒は、分級部40の上部排気口40cに接続された配管206を介して受け部80に回収される。一方、分級部40の下部取出口40bから配管203を介して分級された繊維を含む分級物が選別部50に向けて空気中で搬送される。分級部40から選別部50へは、分級される際の気流によって搬送されてもよいし、上方にある分級部40から重力で下方にある選別部50に搬送されてもよい。なお、分級部40の上部排気口40cや配管206等に、上部排気口40cから短繊維混合物を効率よく吸引するための吸引部等を配置してもよい。分級は、あるサイズや密度を境にして正確に分けられるものではない。また、繊維とインク粒とに正確に分けられるものでもない。繊維の中でも比較的短い繊維はインク粒と共に上部排気口40cから排出される。インク粒の中でも比較的大きいものは繊維とともに下部取出口40bから排出される。
選別部50は、分級部40により分級された繊維を含む分級物(解繊物)を複数の開口を有するふるい部51から通過させて選別するものである。さらに、具体的には、分級部40により分級された繊維を含む分級物を、開口を通過する通過物と、開口を通過しない残留物と、に選別するものである。本実施形態の選別部50では、分級物を回転運動により空気中で分散させる機構を備えている。そして、選別部50の選別により開口を通過した通過物は、通過物搬送部52から配管204を介して堆積部70側に搬送される。一方、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、配管205を介して再び被解繊物として解繊部30に戻される。これにより、残留物は廃棄されずに再使用(再利用)される。
選別部50の選別により開口を通過した通過物は配管204を介して堆積部70に空気中で搬送される。選別部50から堆積部70へは、気流を発生させる図示しないブロワーによって搬送されてもよいし、上方にある選別部50から下方にある堆積部70に重力で搬送されてもよい。配管204における選別部50と堆積部70との間には、搬送される通過物に対して結着樹脂(例えば、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂)等の添加物を添加する添加物投入部60が設けられている。なお、添加物としては、結着樹脂の他、例えば、難燃剤、白色度向上剤、シート力増強剤やサイズ剤、吸収調整剤、芳香剤、脱臭剤等を投入することも可能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、図示しない投入機構によって投入口62から投入される。
堆積部70は、繊維を含む材料を堆積してウエブWを形成するものであり、解繊部30で解繊された解繊物の少なくとも一部を空気中で堆積するものである。具体的には、堆積部70は、配管204から投入された繊維や結着樹脂を含む材料を用いて堆積させてウエブWを形成するものであり、繊維を空気中に均一に分散させる機構を備えている。また、堆積部70は、移動しながら解繊物を堆積物(ウエブW)として堆積する移動部を有している。なお、本実施形態の移動部は、張架ローラー72と、張架ローラー72によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルト73とで構成されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト73が一方向に回転(移動)するようになっている。なお、本実施形態にかかるウエブWとは、繊維と結着樹脂とを含む物体の構成形態を言う。従って、ウエブの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であってもウエブWとして示している。
まず、繊維を空気中に均一に分散させる機構として、堆積部70には、繊維及び結着樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させることにより通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜることができる。フォーミングドラム71には複数の小孔を有するスクリーンが設けられている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させて、通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜるとともに、小孔を通過した繊維や繊維と結着樹脂の混合物を空気中に均一に分散させることができる。
フォーミングドラム71の下方には、メッシュベルト73が配されている。また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サクション装置75によって、空気中に分散された繊維をメッシュベルト73上に吸引することができる。
そして、フォーミングドラム71の小孔スクリーンを通過した繊維等は、サクション装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッシュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と結着樹脂を含み長尺状に堆積させたウエブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73の移動を連続的に行うことで、帯状の連続したウエブWが成形される。なお、メッシュベルト73は金属製でも、樹脂製でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものであってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの穴径が大きすぎるとメッシュの間に繊維が入り込み、ウエブW(シート)を成形したときの凸凹になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクション装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。
メッシュベルト73上に成形されたウエブWは、メッシュベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の白抜き矢印)に従って搬送される。メッシュベルト73の上側には剥離部としての中間搬送部90が配置される。ウエブWは中間搬送部90によりメッシュベルト73上から剥離されて、加圧部110側に搬送される。中間搬送部90は、鉛直上方(ウエブWがメッシュベルト73から離間する方向)にウエブWを吸引しながらウエブWを搬送可能に構成されている。中間搬送部90は、メッシュベルト73から鉛直上方(ウエブWの表面に対して垂直な方向)に離間して配置され、且つ、ウエブWの搬送方向においてメッシュベルト73と一部が下流側にずれて配置されている。そして、中間搬送部90の搬送区間は、メッシュベルト73の下流側の張架ローラー72aから加圧部110までの区間となる。
中間搬送部90は、搬送ベルト91と、複数の張架ローラー92と、吸引室93と、を有する。搬送ベルト91は、張架ローラー92によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルトである。そして、複数の張架ローラー92のうちの少なくとも1つが自転することで、搬送ベルト91が一方向に回転(移動)するようになっている。
吸引室93は、搬送ベルト91の内側に配置され、上面と当該上面に接する4つの側面とを有する中空の箱型形状をしており、底面(下方に位置する搬送ベルト91と対向する面)が開口している。また、吸引室93は、吸引室93内に気流(吸引力)を発生させる吸引部を備えている。そして、吸引部を駆動させることにより吸引室93の内部空間が吸引されて、吸引室93の底面から空気が流れ込む。これにより吸引室93の上方に向けた気流が発生し、ウエブWをウエブWの上方から吸引して搬送ベルト91にウエブWを吸着させることができる。そして、搬送ベルト91は、張架ローラー92が自転することによって移動(周回)し、ウエブWを加圧部110に向けて搬送することができる。また、吸引室93は、上方から見て、メッシュベルト73と一部が重なり、また、サクション装置75と重ならない下流側の位置に配置されるため、メッシュベルト73上のウエブWは、吸引室93と対向する位置においてメッシュベルト73から剥離させて搬送ベルト91に吸着させることができる。張架ローラー92は、搬送ベルト91がメッシュベルト73と同速度で移動するように自転する。メッシュベルト73と搬送ベルト91の速度に差があると、ウエブWが引っ張られて破断したり座屈したりすることを、同速度にすることで防止できる。
ウエブWの搬送方向における中間搬送部90の下流側に加圧部110が配置されている。加圧部110は、一対の加圧ローラー111,112で構成され、搬送されるウエブWを加圧する。例えば、加圧部110により、堆積部70で形成されたウエブWの厚みに対しておよそ1/5から1/30の厚みのウエブWとなるように加圧する。これにより、ウエブWの強度を向上させることができる。
ウエブWの搬送方向における加圧部110の下流側に加熱加圧部120が配置されている。加熱加圧部120は、堆積部70で堆積した堆積物を加熱加圧して成形物(ウエブW)を成形するものである。加熱加圧部120は、ウエブWに含まれる繊維同士を結着樹脂を介して結着させるものである。本実施形態の加熱加圧部120は、一対の加熱ローラー121,122で構成されている。また、本実施形態では、一対の加熱ローラー121,122のうち、一方の加熱ローラー122は駆動ローラーであり、モーター等の回転駆動部に接続されている。なお、他方の加熱ローラー121は従動ローラーである。
また、加熱ローラー121,122の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられている。そして、一対の加熱ローラー121,122間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWに対して加熱加圧することができる。そして、ウエブWは一対の加熱ローラー121,122によって加熱加圧されることで、結着樹脂が溶けて繊維と絡みやすくなるとともに繊維間隔が短くなり繊維間の接触点が増加する。
加熱加圧部120の搬送方向の下流側には、第1切断部130が配置されている。第1切断部130は堆積物または成形物(ウエブW)の両側端部をその搬送方向に切断するものである。本実施形態では、図2に示すように、幅方向の寸法D’の成形物(ウエブW)の両側端部をウエブWの搬送方向に切断し、幅方向の寸法Dの成形物(ウエブW)を形成するものである。第1切断部130(130a,130b)は成形物(ウエブW)の各端部に対応する位置に配置されている。第1切断部130(130a,130b)は、例えば、スリッターであり、当該スリッターにより、シートPr(ウエブW)としての所望の幅方向の寸法Dが得られる。また、図2(b)に示すように、ウエブWの両側端部が第1切断部130(130a,130b)により切断された部分には端材Wsが形成される。当該端材Wsは帯状を有するものである。
そして、シート製造装置1では、第1切断部130(130a,130b)により切断された端材Wsを、端材Wsの搬送方向と交差する方向に切断する第2切断部140を有している。第2切断部140により帯状の端材Wsが切断され、個片の端材Ws’が形成される。なお、第2切断部140の詳細な構成は後述する。
そして、シート製造装置1では、第2切断部140により切断された端材Ws’を、解繊部30に戻す返戻部190を有している。返戻部190は、端材Ws’を供給する供給口191と、供給口191に接続された配管207と、配管207に接続されたブロワー192とを備えている。そして、配管207は、解繊部30まで延設されており、供給口191から供給された個片の端材Ws’はブロワー192の気流によって配管207を通って解繊部30に戻される。これにより、端材Ws’は廃棄されずに再使用(再利用)される。すなわち、材料の使用効率を高めることができる。また、第2切断部140によって端材Ws’は個片に切断されるため、ブロワー192の気流による搬送が容易となる。また、第2切断部140によって端材Ws’は個片に切断されるため、解繊部30での解繊処理にかかる負荷を低減することができる。
また、第1切断部130の下流側には第3切断部150が配置されている。当該第3切断部150は、第1切断部130により切断された成形物(ウエブW)を、搬送方向に直交する方向に切断するものである。第3切断部150では、第1切断部130で端材Wsが除去された状態のウエブWを切断するので、搬送の不具合等無く安定した切断処理を施すことができる。第3切断部150は、例えば、ロータリーカッターである。第3切断部150によるウエブWの切断によって所望のサイズのシートPr(ウエブW)が形成される。そして、第3切断部150によって切断されたシートPrはスタッカー160等に積載される。以上により、シート製造装置1においてシートPrが製造される。
なお、上記実施形態にかかるシートとは、古紙や純パルプなどの繊維を含むものを原料とし、シート状にしたものを主に言う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(凸凹を有する形状)であってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、薄いシート状にした態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
また、上記本実施形態において古紙とは、主に印刷された紙を指すが、紙として成形されたものを原料とするのであれば使用したか否かに関わらず古紙とみなす。
次に、第2切断部の構成について説明する。図3及び図4は第2切断部の構成を示す概略図である。また、図5は第2切断部の取り付け位置を示す模式図である。
第2切断部140は、第1切断部130により切断された成形物(ウエブW)の端材Wsを、搬送方向と交差する方向に切断して、個片の端材Ws’を形成するものである。図2及び図3に示すように、第2切断部140は、成形物(ウエブW)の第1側端部側の端材Wsを切断するための第1切断刃141と、成形物(ウエブW)の第2側端部側の端材Wsを切断するための第2切断刃142と、を備えている。また、第1及び第2切断刃141,142を駆動するためのモーター143を備えている。
さらに、第1切断部130により切断された成形物(ウエブW)の端材Wsを、第2切断部140に向けて搬送する搬送部180を備えている。搬送部180には連続した帯状の端材Wsが導入されるよう構成されているので、ジャムの発生を抑え、端材Wsを確実に第2切断部140に搬送することができる。なお、本実施形態の搬送部180は第1及び第2ローラー対181,182で構成されている。詳細には、第1切断刃141に対応する第1ローラー対181と、第2切断刃142に対応する第2ローラー対182とを備えている。そして、第1及び第2ローラー対181,182はモーター143により駆動される。すなわち、一つのモーター143の駆動により、第1及び第2切断刃141,142と第1及び第2ローラー対181,182とが連動して駆動するように構成されている。なお、本実施形態では、第1及び第2ローラー対181,182の上側には、第1切断部130により切断された帯状の端材Wsを第1及び第2ローラー対181,182に案内するガイド部188が配置されている。
図3及び図4に示すように、第2切断部140は、第1及び第2切断刃141,142を連結する駆動軸としての第1駆動軸144と、第1駆動軸144とモーター143の回転軸143aとを連結する第1歯車列とを備えている。なお、本実施形態の第1歯車列は、モーター143の回転軸143aに連結されたモーター歯車143bと、第1駆動軸144に連結された第1歯車145とで構成され、モーター歯車143bと第1歯車145とが噛み合うよう構成されている。また、本実施形態の第1切断刃141は、1枚の回転刃141aと1枚の固定刃141bとで構成されている。回転刃141aの刃先は、第1駆動軸144に対してほぼ平行な長刃を有している。そして、回転刃141aはロール状の回転部148の表面部に固定されている。回転部148は第1駆動軸144に接続固定されており、第1駆動軸144が第1駆動軸144中心に回転することにより回転部148が回転する。これにより、回転刃141aが第1駆動軸144中心(回転部148中心)に回転する。また、固定刃141bの刃先は回転刃141aの刃先に対向するように第1駆動軸144に対してほぼ平行な長刃を有している。固定刃141bは固定部149に固定されている。そして、固定部149は所定の位置に固定配置されている。そして、回転刃141aが固定刃141bに対して回転移動し、回転刃141aと固定刃141bとで第1ローラー対181により搬送された帯状の端材Wsを挟み込むことで個片の端材Ws’に切断することができる。
同様にして、本実施形態の第2切断刃142は、1枚の回転刃142aと1枚の固定刃142bとで構成されている。回転刃142aの刃先は、第1駆動軸144に対してほぼ平行な長刃を有している。そして、回転刃142aはロール状の回転部148の表面部に固定されている。回転部148は第1駆動軸144に接続固定されており、第1駆動軸144が第1駆動軸144中心に回転することにより回転部148が回転する。これにより、回転刃142aが第1駆動軸144中心(回転部148中心)に回転する。また、固定刃142bの刃先は回転刃142aの刃先に対向するように第1駆動軸144に対してほぼ平行な長刃を有している。固定刃142bは固定部149に固定されている。そして、固定部149は所定の位置に固定配置されている。そして、回転刃142aが固定刃142bに対して回転移動し、回転刃142aと固定刃142bとで第2ローラー対182により搬送された帯状の端材Wsを挟み込むことで個片の端材Ws’に切断することができる。なお、第1及び第2切断刃141,142が接続された第1駆動軸144とモーター143の回転軸143aとを連結する第1歯車列(モーター歯車143b、第1歯車145)の減速比を変えることで、個片となる端材Ws’の切断長を容易に変更することができる。
また、図3及び図4に示すように、第1ローラー対181は、成形物(ウエブW)の第1側端部側の端材Wsを搬送するための第1駆動ローラー181aと、従動ローラー181bとで構成されている。搬送部180の第2ローラー対182は、成形物(ウエブW)の第2側端部側の端材Wsを搬送するための第2駆動ローラー182aと、従動ローラー182bとで構成されている。そして、第1及び第2駆動ローラー181a,182aを連結する第2駆動軸184と、第2駆動軸184とモーター143の回転軸143aとを連結する第2歯車列とを備えている。本実施形態の第2歯車列は、モーター143の回転軸143aに連結されたモーター歯車143bと、第1駆動軸144の一端側に連結された第1歯車145と、第1駆動軸144の他端側に連結された第3歯車146と、第2駆動軸184に連結された第2歯車185とで構成される。モーター歯車143bと第1歯車145とが噛み合うよう構成され、第3歯車146と第2歯車185とが噛み合うよう構成されている。そして、第1歯車列(モーター歯車143b、第1歯車145)または第2歯車列(モーター歯車143b、第1歯車145、第3歯車146、第2歯車185)の減速比を変えることで、端材Ws’の切断長を容易に変更することができる。なお、従動ローラー181b,182bは回転軸186に接続されている。
また、本実施形態では、モーター143により駆動される第1切断刃141と第2切断刃142は、位相差をもって動作するように構成されている。具体的には、第1切断刃141の回転刃141aと、第2切断刃142の回転刃142aとは、駆動軸としての第1駆動軸144の回転方向に対する取り付け位置が互いに異なっている。なお、固定刃141bと固定刃142bとは同じ高さ位置(第1駆動軸144に対してその垂直方向の位置)に固定配置されている。図5(a)は、本実施形態における第1切断刃141と第2切断刃142との取り付け位置を示している。図5(a)に示すように、第1切断刃141の回転刃141aと、第2切断刃142の回転刃142aとが、第1駆動軸144の回転方向に互いにずれた位置に配置している。本実施形態では、第1切断刃141の回転刃141aと、第2切断刃142の回転刃142aとが回転部148に対して約180°ずれて配置されている。そして、図5(a)の例では、第1切断刃141の回転刃141aの刃先は固定刃141bの刃先と対向した位置であるのに対し、第2切断刃142の回転刃142aの刃先は、固定刃142bの刃先とは反対側に位置している。
また、図5(b)では、図5(a)の状態から第1駆動軸144を180°回転させた状態を示している。図5(b)に示すように、第1切断刃141の回転刃141aの刃先は固定刃141bの刃先とは反対側となる位置であるのに対し、第2切断刃142の回転刃142aの刃先は、固定刃142bの刃先と対向した位置となる。このように、第1切断刃141の回転刃141aと、第2切断刃142の回転刃142aとが、第1駆動軸144の回転方向に互いにずれた位置に配置することにより、第1切断刃141が端材Wsを切断するタイミングと第2切断刃142が端材Wsを切断するタイミングとがずれる。これにより、第1切断刃141と第2切断刃142とで同時期に端材Wsを切断する場合に比べ、モーター143にかかる負荷を分散させることができる。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第2切断部140の第1切断刃141及び第2切断刃142は一つのモーター143によって駆動されるように構成される。さらに、第1及び第2ローラー対181,182もモーター143によって駆動されるように構成される。すなわち、モーター143の駆動により、第1切断刃141及び第2切断刃142と第1及び第2ローラー対181,182を駆動させることができる。これにより、シート製造装置1を小型化することができる。また、第2切断部140により切断された端材Ws’は配管207を介して解繊部30に戻されるため、材料の使用効率を高めることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。変形例を組み合わせてもよい。
(変形例1)上記実施形態では、加熱加圧部120で成形された成形物(ウエブW)を第1切断部130で切断したが、この構成に限定されない。例えば、堆積部70で堆積した堆積物を第1切断部130で切断する構成であってもよい。そして、第1切断部130により切断した堆積物の端材を第2切断部140によって切断する構成であってもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例2)上記実施形態では、第1切断部130の下流側に第3切断部150を配置したが、この構成に限定されない。例えば、第3切断部150の下流側に第1切断部130を配置してもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例3)上記実施形態では、第1切断刃141の回転刃141aと第2切断刃142の回転刃142aとが回転部148に対して約180°ずらして配置したが、これに限定されない。第1切断刃141が端材Wsを切断する際にモーター143にかかる最大負荷のタイミングと第2切断刃142が端材Wsを切断する際にモーター143にかかる最大負荷のタイミングとがずれるように、第1切断刃141の回転刃141aと第2切断刃142の回転刃142aとを配置すればよい。このようにしても、モーター143にかかる負荷を分散させることができる。
1…シート製造装置、10…供給部、20…粗砕部、30…解繊部、40…分級部、50…選別部、60…添加物投入部、70…堆積部、90…中間搬送部、120…加熱加圧部、130…第1切断部、140…第2切断部、141…第1切断刃、141a…回転刃、141b…固定刃、142…第2切断刃、142a…回転刃、142b…固定刃、143…モーター、143a…回転軸、144…第1駆動軸、145…第1歯車、146…第3歯車、148…回転部、149…固定部、150…第3切断部、160…スタッカー、180…搬送部、181…第1ローラー対、181a…第1駆動ローラー、181b…従動ローラー、182…第2ローラー対、182a…第2駆動ローラー、182b…従動ローラー、184…第2駆動軸、185…第2歯車、188…ガイド部、190…返戻部、191…供給口、192…ブロワー、207…配管。
Claims (7)
- 供給部から供給される繊維を含む材料を解繊する解繊部と、
前記解繊部で解繊された材料を堆積可能な堆積部と、
前記堆積部で堆積した堆積物を加熱加圧して成形物を成形する加熱加圧部と、
前記堆積物または前記成形物の両側端部をその搬送方向に切断する第1切断部と、
前記第1切断部により切断された前記堆積物の端材または前記成形物の端材を、搬送方向と交差する方向に切断する第2切断部と、
前記第2切断部により切断された前記端材を、前記解繊部に戻す返戻部と、を有し、
前記第2切断部は、
前記堆積物または前記成形物の第1側端部側の端材を切断するための第1切断刃と、
前記堆積物または前記成形物の第2側端部側の端材を切断するための第2切断刃と、
前記第1及び第2切断刃を駆動するためのモーターと、を備えることを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1に記載のシート製造装置において、
前記第1切断部により切断された前記堆積物の端材または前記成形物の端材を、前記第2切断部に向けて搬送する搬送部を備え、
前記搬送部は前記モーターにより駆動されることを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1または請求項2に記載のシート製造装置において、
前記モーターにより駆動される前記第1切断刃と前記第2切断刃は、位相差をもって動作することを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシート製造装置において、
前記第1切断部の下流側には、前記第1切断部により切断された前記堆積物または前記成形物を、前記搬送方向に直交する方向に切断する第3切断部を備えることを特徴とするシート製造装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシート製造装置において、
前記第2切断部は、
前記第1及び第2切断刃を連結する駆動軸と、
前記駆動軸と前記モーターの回転軸とを連結する歯車列と、を備えることを特徴とするシート製造装置。 - 請求項5に記載のシート製造装置において、
前記第1及び第2切断刃は、それぞれ、回転刃と固定刃とを有し、
前記第1切断刃の回転刃と、前記第2切断刃の回転刃とは、前記駆動軸の回転方向に対する取り付け位置が互いに異なることを特徴とするシート製造装置。 - 請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のシート製造装置において、
前記第2切断部は、
前記第1及び第2切断刃を連結する第1駆動軸と、
前記第1駆動軸と前記モーターの回転軸とを連結する第1歯車列と、を備え、
前記搬送部は、
前記堆積物または前記成形物の第1側端部側の端材を搬送するための第1駆動ローラーと、
前記堆積物または前記成形物の第2側端部側の端材を搬送するための第2駆動ローラーと、
前記第1及び第2駆動ローラーを連結する第2駆動軸と、
前記第2駆動軸と前記モーターの回転軸とを連結する第2歯車列と、を備えることを特徴とするシート製造装置。
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-
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