JP2016182184A - 医療用液体収納用容器体およびそれを用いた薬剤充填済み医療用容器 - Google Patents

医療用液体収納用容器体およびそれを用いた薬剤充填済み医療用容器 Download PDF

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Abstract

【課題】容器本体と、容器本体の上面に、回動可能に取り付けられた吊下用部材を備え、吊下用部材の折り曲げ後の折り曲げ状態維持が良好であり、スタンドへの懸架作業が容易である医療用液体収納用容器体を提供する。
【解決手段】医療用液体収納用容器体1は、容器本体2と、容器本体2の上面に、回動可能に取り付けられた吊下用部材4とを備える。吊下用部材は、ベース部41と、折り曲げ部43a,43bと、懸架部42とを有する。吊下用部材4は、115℃の高圧蒸気滅菌後における、引張降伏応力が25MPa以上、破断伸度が100%以上、折り曲げ部において、ベース部の下面と懸架部の上面間の角度が150度となるように押圧して折り曲げ、押圧解除1分後の上記角度が、60度以上である。
【選択図】図5

Description

本発明は、吊下用部材を備えた医療用液体収納用容器体およびそれを用いた薬剤充填済み医療用容器に関する。
吊り下げ用の吊り具が上部に取り付けられた医療用容器が、いくつか提案されている。例えば、特許3594280号公報(特許文献1)に「吊具付容器の製造方法」が開示されている。
特許文献1の吊具付容器は、容器本体(1)と吊り具(2)を備える。容器本体は、底面(15)の外周側には、リブとして機能する折返し部(15C)が設けられている。吊り具(2)は、図4に示す様に、底面(15)の凹没部分にほぼ嵌合する形状になされている。具体的には、吊り具(2)は、外郭を略矩形の平面形状になされた帯状の枠部(21)と、枠部(21)の1組の対角を連結する帯状の連結部(22)と、連結部(22)の中央(枠部(21)の中心)に位置し且つ円盤状になされた固定部(23)とから構成される。
吊り具(2)の連結部(22)の基端部分であって、容器本体(1)の底面(15)に対峙する枠部(21)の表面には、連結部(22)の側縁に沿って枠部(21)を対称に折り曲げるための各一対の溝(21e)が設けられる。斯かる溝(21e)を利用し、枠部(21)の隣接する2辺を1組として各組ごとに三角形状に折り曲げられることにより、吊り具(2)は、容器本体(1)の底面(15)から突出する吊り下げ手段として機能する。すなわち、図3及び図4に示す容器を吊り下げる場合は、容器本体(1)の底面(15)に取り付けられた吊り具(2)の枠部(21)を折り曲げることにより、底面(15)から突出する略三角形状の1組のベルトを形成する。従って、図6に示す様に、折り曲げた吊り具(2)をフック等に掛止することにより、容器本体(11)を転倒状態で吊り下げることができるものとなっている。
また、吊り下げ用の吊り具が上部に取り付けられた医療用容器としては、実公平6−5792(特許文献2)に開示されているものがある。
特許文献2に開示されている吊具付き輸液ボトルは、プラスチック製の輸液ボトル1と、ボトル1の底面に取り付けられた吊具を備える。ボトル底面は、周囲の接地面4よりもややくぼんだ状態となっている。吊具は、ボトル底面の中心に中央の溶着部5によって溶着されている。
この溶着部5は円板状のものであり、その一端にボトル底面の長辺方向に延びる一対の短片6、6を備えている。そしてこれらの短片6、6の先端からボトル中心を越えて反対側に延びる一対のアーム7、7が形成されている。アーム7、7はボトル底面1の短辺方向に延びている。そして、アーム7、7の先端どうしを結ぶように、環状の把手部8が一体に形成されている。この把手部8はボトル中心を再度反対方向に越えて中央の溶着部1及び短片6、6の外側をまわるように形成されている。なお折曲部9、10の間の部分はやや薄肉に形成され、変形し易くなっている。
特許3594280号公報 実公平6−5792号公報
特許文献1のものでは、図3及び図4に示す容器を吊り下げる場合は、容器本体(1)の底面(15)に取り付けられた吊り具(2)の枠部(21)を折り曲げることにより、底面(15)から突出する略三角形状の1組のベルトを形成することが必要である。しかし、容器本体の上部に近接する吊り具(2)の枠部(21)を折り曲げることは困難であり、場合によっては、吊り具(2)の枠部と容器本体との間に平板状のものを挿入して、引き起こす必要がある。また、吊り具(2)が、容器本体(1)の底面(15)の凹没部分にほぼ嵌合する形状のため、折り曲げた吊り具(2)の一部が底面(15)の折返し部(15C)に引っ掛かり、吊下部材を基点として吊具付容器を回動させ難い恐れがある。
また、特許文献1のものでは、吊り具(2)の枠部(21)を折り曲げ後、折り曲げ形状の維持が十分ではなく、折り曲げ前形状に戻りやすく、スタンドへの懸架作業が容易ではなく、また、吊り具(2)の枠部(21)の懸架時の耐久性にも問題があった。
また、特許文献2の吊具付輸液ボトルにおける吊具のように、吊具自体は、ボトルの底面に固定されるものであるため、大きいものとすることができず、また、環状の把手部およびアーム部を変形させて、吊下可能部を形成する必要があるため、それらは比較的細い構成部材により形成されている。そして、輸液ボトルは、スタンドの上部に、ねじで固定された懸垂棒に吊り下げて使用される。このため、環状把手部の上端部に輸液ボトルの全荷重が付与される。
そして、特許文献2のものでも、アーム部は、変形後、変形形状の維持が難しく、変形前形状に戻りやすく、スタンドへの懸架作業が容易ではなく、また、アーム部の懸架時の耐久性にも問題があった。
そこで、本発明では、熱可塑性樹脂製容器本体と、容器本体の上部に、回動可能に取り付けられた吊下用部材とを備え、吊下用部材の一部を起立させることにより、輸液用スタンドに吊り下げ可能となる医療用液体収納用容器体であって、吊下用部材の起立のための折り曲げ操作が容易であり、折り曲げ操作後の折り曲げ状態維持も良好であり、かつ、スタンドへの懸架時において十分な耐久性を有し、かつ、良好に回動可能である医療用液体収納用容器体およびそれを用いた薬剤充填済み医療用容器を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 下部に排出用開口部を有する容器本体と、前記容器本体の上部に、前記容器本体に対して回動可能に取り付けられた吊下用部材とを備える医療用液体収納用容器体であって、
前記容器本体は、前記上部に設けられ、上方に向かって突出し、かつ、上端部に膨出部を有するピン状突起を備える吊下用部材保持部を有し、
前記吊下用部材は、熱可塑性合成樹脂により板状に形成されており、前記ピン状突起が貫通する貫通孔を有する板状のベース部と、前記ベース部の一端側から他端側に延びる折り曲げ可能な折り曲げ部と、前記折り曲げ部の前記ベース部側と反対側の端部に連結した懸架部とを備え、前記吊下用部材は、前記貫通孔を前記ピン状突起が貫通し、かつ、前記ベース部の前記貫通孔の周囲の上面が前記膨出部と当接することにより、前記容器本体の前記上部に回動可能かつ離脱しないように取り付けられており、
前記吊下用部材は、前記折り曲げ部で屈曲させることにより、前記懸架部を上方に向かって起立可能であり、かつ、起立した前記懸架部内に前記容器本体を吊り下げるための吊下部が形成されるものとなっており、
さらに、前記吊下用部材は、115℃の高圧蒸気滅菌後における、引張降伏応力が25MPa以上、破断伸度が100%以上であり、かつ、前記折り曲げ部において、前記ベース部下面と前記懸架部上面間の角度が150度となるように押圧して折り曲げ、押圧解除1分後の前記ベース部と前記懸架部間の角度が、60度以上である医療用液体収納用容器体。
(2) 前記吊下用部材は、前記折り曲げ部において前記ベース部下面と前記懸架部上面間の角度が150度となるように押圧して折り曲げ、押圧解除3分後の前記ベース部と前記懸架部間の角度が、60度以上である上記(1)に記載の医療用液体収納用容器体。
(3) 前記吊下用部材は、前記引張降伏応力が30MPa以上であり、前記破断伸度が200%以上である上記(1)または(2)に記載の医療用液体収納用容器体。
(4) 前記吊下用部材は、前記引張降伏応力が50MPa以下であり、前記破断伸度が300%以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
(5) 前記吊下用部材の全体は、前記容器本体の前記上部よりも上方に位置しており、かつ、前記折り曲げ部で折り曲げる前の状態において、前記懸架部の前記ベース部側と反対側の端部の下面と前記容器本体の前記上部との間に隙間が形成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
(6) 前記ベース部は、前記貫通孔を有する貫通孔保有部を備え、前記吊下用部材は、前記貫通孔保有部を挟むように前記ベース部の一端側から他端側に延びる折り曲げ可能な2つの前記折り曲げ部を備え、前記懸架部は、2つの前記折り曲げ部の前記ベース部側と反対側の端部同士を連結するU字状となっており、かつ、2つの前記折り曲げ部が屈曲する部分を結ぶ仮想線は、前記貫通孔の中心軸付近を通過するものとなっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
(7) 前記懸架部は、前記ベース部側と反対側の端部に設けられた肉厚部を備え、前記肉厚部は、前記懸架部を起立させる前の状態において、上方に向かって突出したリブを形成している上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(8) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体と、前記排出用開口部を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポートと、前記医療用液体収納用容器体内に充填された薬剤とを備える薬剤充填済み医療用容器。
本発明の医療用液体収納用容器体は、下部に排出用開口部を有する容器本体と、容器本体の上部に、容器本体に対して回動可能に取り付けられた吊下用部材とを備える。容器本体は、上部に設けられ、上方に向かって突出し、かつ、上端部に膨出部を有するピン状突起を備える吊下用部材保持部を有する。吊下用部材は、熱可塑性合成樹脂により板状に形成されており、ピン状突起が貫通する貫通孔を有する板状のベース部と、ベース部の一端側から他端側に延びる折り曲げ可能な折り曲げ部と、折り曲げ部のベース部側と反対側の端部に連結した懸架部とを備える。吊下用部材は、貫通孔をピン状突起が貫通し、かつ、ベース部の貫通孔の周囲の上面が膨出部と当接することにより、容器本体の上部に回動可能かつ離脱しないように取り付けられている。
そして、吊下用部材は、折り曲げ部で屈曲させることにより、懸架部を上方に向かって起立可能であり、かつ、起立した懸架部内に容器本体を吊り下げるための吊下部が形成されるものとなっている。さらに、吊下用部材は、115℃の高圧蒸気滅菌後における、引張降伏応力が25MPa以上、破断伸度が100%以上であり、かつ、折り曲げ部において、ベース部下面と懸架部上面間の角度が150度となるように押圧して折り曲げ、押圧解除1分後のベース部と懸架部間の前記角度が、60度以上を維持するものとなっている。
このため、吊下用部材は、上記の構成を備えるため、吊下用部材の起立のための折り曲げ操作が容易であり、折り曲げ操作後の折り曲げ状態維持も良好であり、かつ、スタンドへの懸架時において十分な耐久性を有する。さらに、折り曲げた後、吊下用部材を用いてスタンドに懸架された医療用液体収納用容器体およびそれを用いた薬剤充填済み医療用容器は、容易に回動させることができる。
図1は、本発明の医療用液体収納用容器体を用いた薬剤充填済み医療用容器の一実施例の正面図である。 図2は、図1に示した薬剤充填済み医療用容器の平面図である。 図3は、図1に示した薬剤充填済み医療用容器の右側面図である。 図4は、図1のA−A線断面図である。 図5は、本発明の医療用液体収納用容器体の上部部分を説明するための説明図である。 図6は、図1に示した薬剤充填済み医療用容器に用いられている吊下用部材の正面図である。 図7は、図6に示した吊下用部材の右側面図である。 図8は、図6に示した吊下用部材の平面図である。 図9は、図6に示した吊下用部材の底面図である。 図10は、図8のB−B線断面図である。 図11は、図6に示した吊下用部材の平面側斜視図である。 図12は、図6に示した吊下用部材の底面側斜視図である。 図13は、本発明の医療用液体収納用容器体を用いた薬剤充填済み医療用容器の作用を説明するための説明図である。 図14は、本発明の医療用液体収納用容器体を用いた薬剤充填済み医療用容器の作用を説明するための説明図である。 図15は、本発明の医療用液体収納用容器体を用いた薬剤充填済み医療用容器の作用を説明するための説明図である。
本発明の医療用液体収納用容器体および薬剤充填済み医療用容器を図面に示す実施例を用いて説明する。
本発明の薬剤充填済み医療用容器10は、図1ないし図4に示すように、医療用液体収納用容器体1と、医療用液体収納用容器体1の排出用開口部22を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポート3と、医療用液体収納用容器体1内に充填された薬剤5とを備える。
本発明の医療用液体収納用容器体1は、図1ないし図15に示すように、下部に排出用開口部22を有する容器本体2と、容器本体2の上部26に、回動可能に取り付けられた吊下用部材4とを備える。
容器本体2は、上部26に設けられ、上方に向かって突出し、かつ、上端部に膨出部24を有するピン状突起23を備える吊下用部材保持部を有する。吊下用部材4は、熱可塑性合成樹脂により板状に形成されている。吊下用部材4は、ピン状突起23が貫通する貫通孔を有する板状のベース部41と、ベース部41の一端側から他端側に延びる折り曲げ可能な折り曲げ部43(43a,43b)と、折り曲げ部43(43a,43b)のベース部41側と反対側の端部に連結した懸架部42とを備える。
吊下用部材4は、貫通孔45をピン状突起23が貫通し、かつ、ベース部41の貫通孔45の周囲の上面が膨出部24と当接することにより、容器本体2の上部26に回動可能かつ離脱しないように取り付けられている。そして、吊下用部材4は、折り曲げ部43(43a,43b)で屈曲させることにより、懸架部42を上方に向かって起立可能であり、かつ、起立した懸架部42内に容器本体を吊り下げるための吊下部14が形成されるものとなっている。
さらに、吊下用部材4は、115℃の高圧蒸気滅菌後における、引張降伏応力が25MPa以上、破断伸度が100%以上であり、かつ、折り曲げ部43において、ベース部41の下面と懸架部42の上面間の角度が150度となるように押圧して折り曲げ、押圧解除1分後のベース部41と懸架部42間の上記角度が、60度以上を維持するものとなっている。
容器本体2は、図1ないし図4に示すように、扁平状の外形を有し、内部に薬剤収納室を有する筒状本体部21と、排出用開口部22と、閉塞した上部26を有している。筒状本体部21は、下端に向かって縮径し、下端が排出用開口部22となっている。また、排出用開口部22には、フランジ部25が設けられている。上部26は、容器本体2の閉塞した天井部を形成している。上部26の中央部は、略平坦部となっており、この平坦部に吊下用部材保持部が形成されている。
この実施例の容器体1では、吊下用部材保持部は、上部26より上方に突出するピン状突起23と、その上端(先端)に形成された膨出部24を備えている。特に、この実施例では、ピン状突起23は、先端(上端)に向かって縮径するものとなっている。また、膨出部24は、ピン状突起23の上端部を溶融することにより形成されている。また、膨出部24は、略半球状のものとなっており、下面に環状平坦部を有している。なお、吊下用部材保持部の形態は、上記のものに限定されない。例えば、ピン状突起の上端に別部材であるキャップを固定し、膨出部を形成したものであってもよい。
容器本体2としては、ある程度の保形性を有するものに、内部の液体の排出により、向かい合いかつ広い側面を有する部分が徐々に近接し、つぶれていくもの(容器本体の厚さ方向につぶれるもの)が好適である。よって、容器本体2は、ある程度の硬度と可撓性を有し(かつ実質的に柔軟性を持たず)かつ薄肉のものにより形成され、側壁が内側に可撓可能なものとなっている。容器本体2の形成材料である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンなど等が挙げられる。
また、容器本体2は、例えば、有底パリソンを使用する二軸延伸ブロー法によって作製することが好ましい。さらに、有底パリソンの突起により、上記ピン状突起を形成することが好ましい。容器本体2の内容積としては、50〜800mlが好ましく、ピン状突起23の直径は2〜5mm程度が好ましい。また、容器本体2の厚さは、15〜50mmが好ましく、容器本体の幅は、60〜150mm、容器本体の長さは110〜250mmであることが好ましい。
排出ポート3は、医療用液体収納用容器体1の排出用開口部22を封止している。排出ポート3としては、公知のものが使用できる。図示する排出ポート3は、開口端を有する筒状部材32と、筒状部材32の開口端を閉塞し、かつ、薬剤排出用針管の接続が可能な封止部31を有している。そして、筒状部材32は、後端部に設けられたフランジ33を備えており、この筒状部材32のフランジと容器本体2の排出用開口部22に設けられたフランジ部25とが液密状態に固着されている。薬剤5としては、どのようなものでもよいが、輸液用の薬液、例えば生理食塩水等が好ましい。
この実施例の吊下用部材4は、ベース部41と、懸架部42を備えている。そして、ベース部41は、容器本体2のピン状突起23が貫通する貫通孔45を有する中央部44および中央部44の両側に位置する2つの側端部を備える板状のものとなっている。
懸架部42は、ベース部41の一方の側端部に始端を有し、他方の側端部に終端を有するU字状のものとなっており、かつ、始端および終端のそれぞれに設けられた折り曲げ可能な2つの折り曲げ部43a,43bを有し、2つの折り曲げ部43a,43bを介してベース部41の側端部と連結している。吊下用部材4は、2つの折り曲げ部43a,43bで屈曲させることにより、懸架部42を上方に向かって起立可能である。これにより、懸架部42内に吊下部14が形成されるものとなっている。懸架部42は、懸架部として機能する。
吊下用部材4の形成材料である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミドなど等が挙げられる。また、使用される熱可塑性樹脂としては、MFR(メルトフローレート)が5〜15g/10minであり曲げ弾性率が600〜1500MPaの物性を有するものが好適である。
この実施例では、吊下用部材4は、熱可塑性樹脂を用いて射出成形により作成されている。そして、発明者が検討したところ、吊下用部材4の物性が、高圧蒸気滅菌(例えば、温度条件115℃)の前後において相違することを知見した。この要因は、明確ではないが、上記の高圧蒸気滅菌後において、ポリエチレンは硬くなり、ポリプロピレンは柔らかくなる傾向があることを本願発明者が知見した。
そして、本発明において用いる吊下用部材4は、115℃の高圧蒸気滅菌後における、引張降伏応力が25MPa以上、破断伸度が100%以上である。このため、十分な強度と伸度を備えるため、スタンド懸架時において、薬液が融点された容器本体を十分に保持可能である。
さらに、吊下用部材4は、115℃高圧蒸気滅菌後における、引張降伏応力が25MPa以上、破断伸度が100%以上であり、かつ、折り曲げ部43において、ベース部41の下面と懸架部42の上面間の角度が150度となるように押圧して折り曲げ、押圧解除1分後のベース部41と懸架部42間の上記角度が、60度以上を維持するものであることが好ましい。
そして、吊下用部材は、上記の高圧蒸気滅菌後における引張降伏応力が30MPa以上であり、破断伸度が200%以上であることが好ましい。また、高圧蒸気滅菌後における引張降伏応力が50MPa以下であり、破断伸度が300%以下であることが好ましい。
そして、吊下用部材4は、上記の高圧蒸気滅菌後において、折り曲げ部43a,43bにて、ベース部41の下面と懸架部42の上面間の角度が150度となるように押圧して折り曲げ、押圧解除1分後のベース部41と懸架部42間の上記角度が、60度以上維持するものとなっている。このため、折り曲げ操作後において、懸架部42は、ベース部41に対して所定角度折れ曲がった状態を保持すので、懸架部42内により形成された吊下部14をスタンドに懸架する作業が容易である。
特に、吊下用部材4は、上記の高圧蒸気滅菌後において、押圧解除3分後のベース部41と懸架部42間の上記角度が、60度以上維持するものが好ましい。さらには、押圧解除5分後のベース部41と懸架部42間の上記角度が、60度以上を維持するものが好ましい。
さらに、この実施例の吊下用部材4は、貫通孔保有部44の端部に、凹部67が設けられており、この凹部67の中心には、ゲート跡を有している。
さらに、この実施例の医療用液体収納用容器体1では、図5に示すように、吊下用部材4が最も下方に位置した状態(言い換えれば、吊下用部材4が最も容器本体2の上面に近接する状態)においても、折り曲げ部43(43a,43b)で屈曲させる前の状態において、吊下用部材4の懸架部42の下面と容器本体2の上面との間に隙間15を有するものとなっている。
このため、懸架部42の端部に指先を引掛けやすくなり、懸架部42の起立操作が容易になる。なお、この隙間15は、折り曲げ部43(43a,43b)を屈曲させる前の状態において、吊下用部材4の懸架部42の少なくともベース部41側と反対側の端部の下面と容器本体2の上部26との間に形成されていればよい。また、この隙間15は、折り曲げ部43(43a,43b)で屈曲させる前の状態において、懸架部42の下面全体と容器本体2の上部26との間に形成されていることが好ましい。
また、この実施例の医療用液体収納用容器体1では、図1および図5に示すように、折り曲げ部43(43a,43b)で屈曲させる前の状態において、吊下用部材4の懸架部42の下面と容器本体2の上面との間の隙間15は、懸架部42の端部に向かって、具体的には、懸架部42のベース部41側と反対側の端部に向かって徐々に広がるものとなっている。よって、懸架部42の起立操作時に上方に押される端部は、特に広い隙間を有しており、起立操作がさらに容易なものとなっている。
さらに、この実施例の医療用液体収納用容器体1では、図5の状態において、吊下用部材4をピン状突起23の上部(上端)方向に押し上げることにより、図1の状態となるまで、すなわち、吊下用部材4が膨出部24の下面に当接するまで、容器本体2の上面より離間する方向に移動する。これにより、吊下用部材4の懸架部42の下面と容器本体2の上面との間の隙間15は、さらに広がるため、起立操作がさらに容易となり、かつ、吊下用部材4の回動が容易かつ確実なものとなっている。
吊下用部材4は、図1ないし図4、図13ないし図15に示すように、容器本体2の上面に、回動可能に取り付けられている。
吊下用部材4は、図6ないし図15に示すように、貫通孔45を有するベース部41、2つの折り曲げ部43a,43b、各折り曲げ部43a,43bの先端と連結したU字状の懸架部42を備えている。
ベース部41は、図8、図9、図13および図14に示すように、吊下用部材4の一端側を形成し、懸架部42は、ベース部41と向かい合い、吊下用部材の他端側を形成している。そして、2つの折り曲げ部43a,43bは、ベース部41と懸架部42間に存在するものとなっている。そして、2つの折り曲げ部43a,43bが屈曲する部分を結ぶ仮想線Xは、貫通孔45の中心軸付近を通過するものとなっている。このようにすることにより、2つの屈曲部43cと貫通孔45の中心軸(言い換えれば、ピン状突起の中心軸)がほぼ直線上となるため、医療用液体収納用容器体1の吊り下げ状態がより安定したものとなる。
ベース部41は、略矩形状の平板状のものとなっている。そして、この実施例の吊下用部材4は、図6、図7、図9および図14に示すように、ベース部41の下面41bに下方(容器本体2の上面方向)に延びる下面突出部46a,46bを有している。図5に示すように、この下面突出部46a,46bを有することにより、吊下用部材4が最も容器本体2の上面に近接した状態においても、懸架部42の下面と容器本体2の上面との間に隙間15を有する。さらに、この実施例吊下用部材4では、図7、図9、図10および図12に示すように、下面突出部46a,46b間に設けられた突出部68を備えている。このため、ベース部41の下面部はより安定したものとなっている。そして、この実施例の吊下用部材4では、ベース部41の上面41aは、ほぼ平坦面となっている。そして、中央部44(言い換えれば、貫通孔45の周縁部)の上面は、ベース部41の他の部分の上面41aより突出した肉厚部となっている。
特に、この実施例の吊下用部材4では、下面突出部46a,46bは、ベース部41の下面41bかつ2つの角部からベース部41の他端付近まで延びるものとなっている。また、下面突出部46a,46bは、連続するものであってもよい。なお、下面突出部としては、吊下用部材4の下面と容器本体2の上部26間への板状体(例えば、スリットを有する側壁を備えた容器トレイのスリット部分の側壁)の進入が防止できるものであることが好ましい。例えば、ベース部41の下面41bの外縁に形成された連続しない複数のリブからなるものであってもよい。そして、この複数のリブにより構成する場合には、ベース部41の他端付近に位置するリブと、各折り曲げ部43a,43bに近接するリブを備えることが好ましい。また、ベース部の下面全体を突出部としてもよい。
懸架部42は、図8、図9、図13、図14および図15に示すように、U字状に形成されており、2つの足部(基端部)は、後述する各折り曲げ部43a,43bの先端と連結している。この懸架部42は、U字状の頭部(先端部)側をベース部方向に押し上げることにより、各折り曲げ部43a,43bが屈曲し、起立する。そして、起立した懸架部42は、図13および図14に示すように、内部に広い開口部を有し、輸液容器ハンガーのフックに吊下可能な吊下部として機能する。
また、この実施例の吊下用部材4では、図6および図8に示すように、懸架部42は、中央部44と向かい合う周縁部、すなわち、ベース部41側と反対側の端部が肉厚部となっている。このような肉厚部を設けることにより、懸架部42の湾曲部の強度が高くなる。具体的には、吊下用部材4のスタンドへの吊下時に、懸架部42のベース部41側と反対側の端部が輸液容器ハンガーのフックに巻き付くように変形することが防止され、医療用液体収納用容器体1に鉛直方向下向きの荷重がかかった際に、吊下用部材4がより破損し難くなる。
また、懸架部42の先端部の把持が容易なものとなる。そして、この実施例では、肉厚部は、懸架部42の上面に設けられた上面突出部49により形成されている。言い換えれば、上面突出部(肉厚部)49は、懸架部42を起立させる前の状態において、上方に向かって突出したリブを形成している。肉厚部を形成する上面突出部49は、図11に示すように、懸架部42の湾曲部(言い換えれば、ベース部41側と反対側の端部)の中央より、両側部に向かって所定長延びるように形成されている。
さらに、この実施例の吊下用部材4では、懸架部42は、図8、図9に示すように、上面41a側にU字状溝部51が設けられており、下面側は、連続しないU字状の溝部63が設けられている。下面41b側の溝部63は、3つの溝部により構成されており、それらを繋ぐとU字状となる。そして、懸架部42の頂点(ベース部41側と反対側の端部)部分は、図10に示すように、上記の肉厚部(上面突出部49)、上面側のU字状溝部51および下面側の溝部63を有することにより、断面がH状形状を有するものとなっており、高い強度を有している。
吊下用部材4は、図8、図9、図11、図12、図13および図14に示すように、2つの折り曲げ部(言い換えれば、屈曲可能部、折曲可能部)43a,43bを備えている。折り曲げ部43a,43bは、ベース部41の先端部の両側部より所定幅にて延びるものとなっている。そして、各折り曲げ部43a,43bは、図6、図10および図12に示すように、ベース部41および懸架部42に比べて薄肉部となっている。さらに、この実施例では、図6に示すように、各折り曲げ部43a,43bは、その中央部が、最も肉薄となっているため、折り曲げ部は、その中央部において図13および図14に示すように屈曲する。
吊下用部材4は、図8ないし図15に示すように、ピン状突起23の外径より若干大きい内径を有し、ピン状突起23が貫通する貫通孔45を有する中央部44を備えている。中央部44は、ベース部41の一端より、懸架部42方向に突出するものとなっている。中央部44は、中央部に貫通孔45を備えている。貫通孔45は、ピン状突出部23の外径より若干大きい内径を有している。また、中央部44の上面は、平坦面となっている。
また、この実施例の吊下用部材4では、図8、図9、図12に示すように、底面側に設けられた円弧状凹部48を備えている。また、この円弧状凹部48により、上面側に向かって拡径するテーパー部47が形成されている。円弧状凹部48は、貫通孔45より若干離間し、かつ実質的に貫通孔45と同心的となるように形成されている。このような円弧状凹部48および筒状部47を設けることにより、吊下用部材の側部への衝撃付与時、懸架部42の起立操作時におけるピン状突起23の破損を防止する。具体的には、円弧状凹部48と貫通孔45間の筒状部が、緩衝部として機能するため、吊下用部材に付与された力がピン状突起23に伝達されることを抑制する。
そして、吊下用部材4は、図8ないし図15に示すように、中央部44と懸架部42間に設けられた空隙部(吊下部)14を備えている。この実施例の吊下用部材4では、中央部44の先端と懸架部42の先端部の内面間は、十分に離間しており、かなり広い空隙部14となっている。さらに、この実施例の吊下用部材4は、空隙部14と連続し、中央部44と各折り曲げ部43a,43b間に位置する2つのスリット部14a,14bを有している。中央部44と各折り曲げ部43a,43b間にスリット部14a,14bが設けられていることにより、言い換えれば、中央部44と各折り曲げ部43a,43bが、スリット部14a,14bにより分断されていることにより、折り曲げ部における屈曲が容易かつ確実なものとなっている。そして、折り曲げ部43a、43b間に、貫通孔保有部を有するため、吊り下げ状態が安定したものとなる。
さらに、この実施例の吊下用部材4では、図13および図14に示すように、折り曲げ部43a,43bにて屈曲させて、起立用操作部42を起立させた状態における折り曲げ部43a,43bの屈曲部43cを結ぶ仮想線X(図8および図13)は、貫通孔45の中心付近を通過するものとなっている。このようにすることにより、2つの屈曲部43cと貫通孔42の中心(言い換えれば、ピン状突起の中心)がほぼ直線上となるため、吊り下げ状態がより安定したものとなる。
そして、この実施例の医療用液体収納用容器体1は、図1、図3、図4、図13および図14に示すように、吊下用部材4の全体は、容器本体2の上部26よりも上方に位置している。そして。折り曲げ部43(43a,43b)で屈曲させる前の状態において、懸架部42の少なくともベース部41側と反対側の端部(言い換えれば、懸架部42の湾曲部)の下面41bと容器本体2の上部26との間に隙間を有するものとなっている。
また、貫通孔保有部44は、ベース部41の上面より若干突出した肉厚部となっている。そして、貫通孔保有部44の端部は、吊下用部材4の一端(言い換えれば、ベース部41のヒンジ部43側と反対側の端部)の中央部付近まで延びている。このため、肉厚の貫通孔保有部44は、貫通孔45を含むベース部41の中央部を補強している。また、貫通孔保有部44は、上記の端部に向かって、幅が徐々に狭くなっている。そして、貫通孔保有部44の端部には、凹部67が設けられており、この凹部67の中心には、ゲート跡を有している。
また、本発明の薬剤充填済み医療用容器は、高圧蒸気滅菌されたものであることが好ましい。高圧蒸気滅菌条件としては、どのような方法でもよく、例えば、気圧0.10MPa〜0.30MPa、温度100〜121℃、時間10〜25分間が好ましい。また、薬剤充填済み医療用容器に充填される薬剤5としては、どのようなものでもよいが、輸液用の薬液、例えば生理食塩水等が好ましい。
(実施例1)
高密度ポリエチレン[商品名ニポロンハード(登録商標)200,東ソー株式会社製、メルロフローレート(MFR)15g/10min、密度0.960g/cm、引張降伏強さ25MPa、引張破壊呼びひずみ330%、曲げ弾性率1050MPa)を用いて、図6ないし図14に示す形状を有する吊下用部材(実施例1)を作成した。
作成した吊下用部材は、全長(ベース部の後端から懸架部の先端間距離)、38.5mm、ベース部の横幅、25mm、折り曲げ部の横幅4.5mm、折り曲げ部の長さ(ベース部と懸架部間距離)6mm、折り曲げ部の厚さ1mm、懸架部の長さ25mm、各懸架部の幅2mmであった。
(比較例1)
吊下用部材の形成材料として、高密度ポリエチレン[商品名ノバテック(登録商標)HD、HJ362、日本ポリエチレン株式会社製、MFR5g/10min、密度0.953g/cm、引張降伏強さ23MPa、引張破壊呼びひずみ400%、曲げ弾性率820MPa)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、図6ないし図14に示す形状を有する吊下用部材(比較例1)を作成した。
(比較例2)
吊下用部材の形成材料として、低密度ポリエチレン[気相法リニア低密度ポリエチレン、商品名ノバテック(登録商標)LL、UJ990、日本ポリエチレン株式会社製、MFR35g/10min、密度0.937g/cm、引張降伏強さ14MPa、引張破壊呼びひずみ400%未満、曲げ弾性率440MPa)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、図6ないし図14に示す形状を有する吊下用部材(比較例2)を作成した。
(比較例3)
吊下用部材の形成材料として、アセタールコポリマー[商品名ユピタールノ(登録商標)、F20−03、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、MFR9g/10min、密度1.41g/cm、引張降伏強さ64MPa、引張破壊呼びひずみ30%、曲げ弾性率2600MPa)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、図6ないし図14に示す形状を有する吊下用部材(比較例3)を作成した。
(比較例4)
吊下用部材の形成材料として、ポリプロピレン[ZN系ポリプロピレン、商品名ノバテック(登録商標)PP、BC03C、日本ポリエチレン株式会社製、MFR30g/10min、密度0.90g/cm、引張降伏強さ32MPa、引張破壊呼びひずみ20%、曲げ弾性率1700MPa)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、図6ないし図14に示す形状を有する吊下用部材(比較例4)を作成した。
(比較例5)
吊下用部材の形成材料として、ポリプロピレン[ZN系ポリプロピレン、商品名ノバテック(登録商標)PP、BC3、日本ポリエチレン株式会社製、MFR10g/10min、密度0.90g/cm、引張降伏強さ30MPa、引張破壊呼びひずみ200%、曲げ弾性率1300MPa)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、図6ないし図14に示す形状を有する吊下用部材(比較例5)を作成した。
(比較例6)
吊下用部材の形成材料として、ポリプロピレン[ZN系ポリプロピレン、商品名ノバテック(登録商標)PP、BC8、日本ポリエチレン株式会社製、MFR1.8g/10min、密度0.90g/cm、引張降伏強さ25MPa、引張破壊呼びひずみ400%未満、曲げ弾性率1250MPa]を用いた以外は、実施例1と同様に行い、図6ないし図14に示す形状を有する吊下用部材(比較例6)を作成した。
(比較例7)
吊下用部材の形成材料として、ポリプロピレン[ZN系ポリプロピレン、商品名ノバテック(登録商標)PP、FW4B、日本ポリエチレン株式会社製、MFR7g/10min、密度0.90g/cm、引張降伏強さ28MPa、曲げ弾性率850MPa)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、図6ないし図14に示す形状を有する吊下用部材(比較例7)を作成した。
(実験)
実施例1および比較例1ないし7の吊下用部材(未滅菌品)を115℃、20分間、加圧条件0.26MPa、の高圧蒸気滅菌を行ったもの(滅菌品)を準備した。
(実験1)
実施例1および比較例1ないし7の吊下用部材(滅菌品)について折曲試験を行った。折曲試験を行うにあたり、ベース部の固定部を有する基台に、懸架部の折り曲げの終端となる係止部を設けたものを準備した。なお、係止部は、折り曲げ部の中央を屈曲点(頂点)、ベース部が底辺、懸架部が斜辺となるように、懸架部をベース部側に折り曲げたときの基台上面と懸架部下面間の角度が150度(折り曲げ角度)となる位置に設けた。
また、折曲試験は、ベース部を固定した状態にて、懸架部の先端部を指にて起し、上記の係止部に懸架部が当接するまで行い、かつ、当接後1秒間、係止部への押圧状態を維持した後、懸架部より指を離し、押圧を解除した。
押圧解除後、1分経過後、3分経過後、5分経過後の各吊下用部材における残留折曲角度を測定した。滅菌品である実施例1および比較例1ないし7の吊下用部材についての測定結果は、表1に示す通りであった。尚、表中の○はすべての時間で60°以上を示すもの、△は少なくともいずれかの時間で60°以上を示すもの、×はすべての時間で60°未満であったものを表す。
(表1)
1分後 3分後 5分後 評価
実施例1 75° 65° 65° ○
比較例1 75° 65° 60° ○
比較例2 60° 50° 50° △
比較例3 40° 40° 40° ×
比較例4 55° 55° 50° △
比較例5 45° 45° 40° ×
比較例6 40° 40° 40° ×
比較例7 40° 40° 40° ×
(実験2)
実施例1および比較例1ないし7の吊下用部材(滅菌品)について、引張降伏応力および引張破断伸度を測定した。結果は、表2に示す通りであった。尚、表中の○は基準を満たしたもの、×は両方とも基準を満たさなかったものを表す。
(表2)
引張降伏応力 引張破断伸度 破断評価
MPa %
実施例1 34.3 225 ○
比較例1 35.7 60.5 ×
比較例2 23.0 107 ×
比較例3 71.2 31.6 ×
比較例4 36.3 33.9 ×
比較例5 39.4 95.3 ×
比較例6 36.8 51.2 ×
比較例7 36.4 88.6 ×
実施例1のものは、折曲作業性、折曲形態維持性、破断耐久性のいずれにおいても比較例1ないし8のものより良好であった。
1 医療用液体収納用容器体
2 容器本体
3 排出ポート
4 吊下用部材
10 薬剤充填済み医療用容器
15 隙間
41 ベース部
42 懸架部
43a,43b 折り曲げ部
61 凹部
62 ゲート用凹部
65 ゲート位置

Claims (8)

  1. 下部に排出用開口部を有する容器本体と、前記容器本体の上部に、前記容器本体に対して回動可能に取り付けられた吊下用部材とを備える医療用液体収納用容器体であって、
    前記容器本体は、前記上部に設けられ、上方に向かって突出し、かつ、上端部に膨出部を有するピン状突起を備える吊下用部材保持部を有し、
    前記吊下用部材は、熱可塑性合成樹脂により板状に形成されており、前記ピン状突起が貫通する貫通孔を有する板状のベース部と、前記ベース部の一端側から他端側に延びる折り曲げ可能な折り曲げ部と、前記折り曲げ部の前記ベース部側と反対側の端部に連結した懸架部とを備え、前記吊下用部材は、前記貫通孔を前記ピン状突起が貫通し、かつ、前記ベース部の前記貫通孔の周囲の上面が前記膨出部と当接することにより、前記容器本体の前記上部に回動可能かつ離脱しないように取り付けられており、
    前記吊下用部材は、前記折り曲げ部で屈曲させることにより、前記懸架部を上方に向かって起立可能であり、かつ、起立した前記懸架部内に前記容器本体を吊り下げるための吊下部が形成されるものとなっており、
    さらに、前記吊下用部材は、115℃の高圧蒸気滅菌後における、引張降伏応力が25MPa以上、破断伸度が100%以上であり、かつ、前記折り曲げ部において、前記ベース部下面と前記懸架部上面間の角度が150度となるように押圧して折り曲げ、押圧解除1分後の前記ベース部と前記懸架部間の角度が、60度以上であることを特徴とする医療用液体収納用容器体。
  2. 前記吊下用部材は、前記折り曲げ部において前記ベース部下面と前記懸架部上面間の角度が150度となるように押圧して折り曲げ、押圧解除3分後の前記ベース部と前記懸架部間の角度が、60度以上である請求項1に記載の医療用液体収納用容器体。
  3. 前記吊下用部材は、前記引張降伏応力が30MPa以上であり、前記破断伸度が200%以上である請求項1または2に記載の医療用液体収納用容器体。
  4. 前記吊下用部材は、前記引張降伏応力が50MPa以下であり、前記破断伸度が300%以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
  5. 前記吊下用部材の全体は、前記容器本体の前記上部よりも上方に位置しており、かつ、前記折り曲げ部で折り曲げる前の状態において、前記懸架部の前記ベース部側と反対側の端部の下面と前記容器本体の前記上部との間に隙間が形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
  6. 前記ベース部は、前記貫通孔を有する貫通孔保有部を備え、前記吊下用部材は、前記貫通孔保有部を挟むように前記ベース部の一端側から他端側に延びる折り曲げ可能な2つの前記折り曲げ部を備え、前記懸架部は、2つの前記折り曲げ部の前記ベース部側と反対側の端部同士を連結するU字状となっており、かつ、2つの前記折り曲げ部が屈曲する部分を結ぶ仮想線は、前記貫通孔の中心軸付近を通過するものとなっている請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
  7. 前記懸架部は、前記ベース部側と反対側の端部に設けられた肉厚部を備え、前記肉厚部は、前記懸架部を起立させる前の状態において、上方に向かって突出したリブを形成している請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体と、前記排出用開口部を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポートと、前記医療用液体収納用容器体内に充填された薬剤とを備えることを特徴とする薬剤充填済み医療用容器。
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